説明

サンプルを保管および取り出す装置、システムおよび方法

【課題】好適なサンプル保管方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】サンプルを保管する方法およびシステムは、所定の空間的関係で複数のサンプルノードをサポートするように構成された複数のサンプルキャリアと、複数のサンプルキャリアをアーカイブに選択的に置くサンプル格納デバイスと、複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを配置して、取り除くサンプルノード取り除き装置とを実施する。代替的な実施形態がここで開示される。サンプルノード取り除き装置は、レーザおよびメカニカルクリッピングツールを含む。これらは、手動でまたは自動で操作され得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(資料および分析システムおよび方法)
本発明は、「APPARATUS,SYSTEM,AND METHOD OF ARCHIVAL AND RETRIEVAL OF SAMPLES」と称される、非仮特許出願シリアルナンバー第 / , 号(2001年11月2日出願)、さらに「SAMPLE CARRIER」と称される、非仮特許出願シリアルナンバー第 / , 号(2001年11月2日)に関し、これらの出願の開示は、参考のため、その全体が本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明の局面は、概して、サンプル材料の保管に関し、より具体的には、キャリア上の複数のサンプルノードにて乾燥した形態で維持された生体または非生体サンプルを保管するシステムおよび方法に関する。
【0003】
(関連技術の記載)
製薬および医学研究、法の執行、および軍部発行の身分証明書等の複数の用途においては、例えば、種々の生体サンプルへのアクセスが所望されることが多い。従来のバイオ貯蔵庫または他のサンプル格納施設は、サンプルを格納するために、液体または極低温システムを利用するが、これらの液体および極低温システムは、構築および維持の両方の点で高価である。さらに、現在の技術は、概して、システムオペレータに複雑で労働集約的維持および管理責任を負わせる。
【0004】
特に、極低温システムの複雑さは、通常、血液全体から数千のデオキシリボ核酸(DNA)サンプルを取り出し、かつ調製するために、技術者、研究者、およびシステムオペレータが数週間にわたって一斉労働に携わることを強い得る。従って、液体または乾燥状態のDNAを保管する従来のアプローチは、大量処理およびサンプルスループットに対応するには実質的に不適切である。現在の研究趨勢は、1日に数千のサンプルを処理することができ得る、生体および非生体サンプルを保管および取り出すシステムおよび方法と関連した利益を認識している。しかしながら、現在の技術は、このレベルのスループットを達成するためには不適切である。実際、現在のシステムおよび方法は、1日に100を越えるサンプルの処理量を達成する。
【0005】
特定の少量の液体状態のDNAおよび血液保管技術は、従来、有用であったが、この方法論は、研究および診断ツールとして益々一般的になっている進歩的遺伝子技術として必要とされる格納および検索をサポートすることができない。従来の極低温ベースの保管フォーマットを自動化することは困難かつ高価であり、既存の技術に基づいたシステムは、通常、市場の高スループット要求に対して適用できない。
【0006】
最近、血液サンプルのドライ(dry)または乾燥(desiccated)形態での保管および取り出しを含む生体研究の実験室システムが提示された。このシステムは、概して、ろ過紙等の適切な基板上にDNAまたは他の有機サンプルを格納する公知の技術の改変または変形に基づき、いくつかのシステムは、使用前に、基板または用紙を化学変性剤および洗浄剤に浸漬することを要求するか、または、これから実質的に利益を得る。しかしながら、任意のイベントにおいて、既存の乾燥させるサンプル保管システムは、手動で操作されたか、または部分的に自動化されたにすぎず、従って、市場の大量処理の要求を満たさない。さらに、これらのシステムは、使用前に、基板から除去するように動作可能である機械的パンチまたは他のツールを用いる。さらに、これらのシステムは、基板材料を打ち抜く(punch through)か、そうでない場合、これを物理的に嵌合わせることによって、サンプルを基板から除去するように動作可能な機械パンチまたは他のツールを用いる。従って、これらのツールは、通常の使用中、複数のサンプルと必ずしも接触しない。
【0007】
この点に関して、当業者は、現在の基板ベースの保管システムが完全に自動化されたとしても、著しい相互汚染問題が疑い無く残ることを理解する。サンプル除去パンチプロセスの間、外部ファイバがパンチングツールに付着するか、または、そうでない場合、基板から解放され、ツールによって処理された後続のサンプルを汚染する。これらの汚染問題は、従来技術の有用性および実用性の両方を制限する。しかしながら、保管施設の密度は、最終的に、基板の固有の飽和、ならびに、システムの機械的およびロボティックコンポーネントの精度によって制限される。
【0008】
特に、従来のろ過紙または基板カードフォーマットを用いるシステムにおける保管および取り出しプロセスの全自動化は、体積が大きい格納空間または保管室内で、非常に正確なロボティクス、および、他の識別、取り出し、および個々の格納カードを識別、取り出し、および交換するために繰返し動作する他の機械を必然的に必要とする。正確な高解像度のロボティクスシステムが現在利用可能であるが、最終的に調整された精度は、メカニズムが小さい領域内で動作する場合にのみ達成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、大型保管室全体内でろ過紙カードまたは他の基板ベースの保管システムのストレージおよび取り出しプロセスを自動化することは、現在の機械的限界およびロボティックの限界を考えれば実際的な解決ではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(項目1)
所定の空間的関係で複数のサンプルノードをサポートするように構成された複数のサンプルキャリアと、
該複数のサンプルキャリアをアーカイブに選択的に置くサンプル格納手段と、
該複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを位置付けて取り除くサンプルノード取り除き手段と
を含む、サンプルアーカイブシステム。
(項目2)
前記サンプルノード取り除き手段は、レーザを含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記サンプルノード取り除き手段は、メカニカルクリッピングツールを含む、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードの位置を検出するように動作するオプティカル要素をさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記オプティカル要素によって送られた信号に応答して前記サンプルノード取り除き手段を位置付けるように動作する位置付け要素をさらに含む、項目4に記載のシステム。
(項目6)
複数のサンプルキャリア容器であって、該複数のサンプルキャリア容器は、複数のサンプルノードをサポートする1つ以上のサンプルキャリアを受け取るように構成されている、複数のサンプルキャリア容器と、
該複数のサンプルキャリア容器のうちの選択されたサンプルキャリア容器に、該1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアを置くように動作するサンプルキャリア格納デバイスと、
該1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアを位置付けるように動作するサンプルキャリア位置付けデバイスと、
該複数のサンプルキャリア容器のうちのいくつかから該1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアを取り出すように動作するサンプルキャリア取り除きデバイスと、
該複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを識別して、取り除くサンプルノード取り除き手段と
を含む、サンプルアーカイブシステム。
(項目7)
前記複数のサンプルキャリア容器の少なくとも一部は、ラックを含む、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記複数のサンプルキャリア容器の少なくとも一部は、引き出しを含む、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記サンプルキャリア位置付けデバイスは、バーコードリーダである、項目6に記載のシステム。
(項目10)
前記サンプルノード取り除き手段は、レーザを含む、項目6に記載のシステム。
(項目11)
前記サンプルノード取り除き手段は、メカニカルクリッピングツールを含む、項目6に記載のシステム。
(項目12)
前記サンプルノード取り除き手段は、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードの位置を検出するように動作するオプティカル要素をさらに含む、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記サンプルノード取り除き手段は、前記オプティカル要素によって送られた信号に応答して、前記レーザを位置付けるように動作する位置付け要素をさらに含む、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードによってサポートされたサンプルを処理する手段をさらに含む、項目6に記載のシステム。
(項目15)
前記サンプルキャリア格納デバイスおよび前記サンプルキャリア取り出しデバイスの動作を制御するコントローラをさらに含む、項目6に記載のシステム。
(項目16)
複数のサンプルキャリア容器を含むアーカイブであって、該複数のサンプルキャリア容器の各々は、複数のサンプルノードをサポートする1つ以上のサンプルキャリアを受け取るように構成されている、アーカイブと、
該1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択された該アーカイブからのサンプルキャリアを格納するように、および、取り出すように動作するメカニズムを含むロボティクスシステムと
を含む、サンプルアーカイブシステム。
(項目17)
前記ロボティクスシステムに接続され、前記1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアの位置を検出するように動作するサンプルキャリアロケータをさらに含む、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記サンプルキャリアロケータは、オプティカルセンサを含む、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記ロボティクスシステムは、前記サンプルキャリアロケータからの信号に自動的に応答する、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記1つ以上のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアからの前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを識別して、取り除くように動作するサンプルノード取り除きデバイスをさらに含む、項目16に記載のシステム。
(項目21)
前記サンプルノード取り除きデバイスに接続され、該複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードの位置を検出するように動作するサンプルノードロケータをさらに含む、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記サンプルノード取り除きデバイスは、前記サンプルノードロケータからの信号に自動的に応答する、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記サンプルノードロケータは、前記複数のサンプルノードの各々に組み込まれたそれぞれの受信器を含む、項目21に記載のシステム。
(項目24)
前記サンプルノードロケータは、オプティカルセンサを含む、項目21に記載のシステム。
(項目25)
前記複数のサンプルキャリア容器のうちの少なくとも一部は、ラックを含む、項目16に記載のシステム。
(項目26)
前記複数のサンプルキャリア容器のうちの少なくとも一部は、引き出しを含む、項目16に記載のシステム。
(項目27)
前記サンプルキャリアロケータは、バーコードリーダである、項目18に記載のシステム。
(項目28)
前記サンプルノード取り除きデバイスは、メカニカルクリッピングツールと、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して該メカニカルクリッピングツールを位置付けるメカニカル位置付けシステムとを含む、項目20に記載のシステム。
(項目29)
前記サンプルノード取り除きデバイスは、レーザと、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して該レーザを位置付けるメカニカル位置付けシステムとを含む、項目20に記載のシステム。
(項目30)
前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードによってサポートされたサンプルを処理する手段をさらに含む、項目20に記載のシステム。
(項目31)
前記ロボティクスシステムと前記サンプルノード取り除きデバイスとを制御するように動作するコンピュータをさらに含む、項目20に記載のシステム。
(項目32)
前記サンプルノード取り除きデバイスは、メカニカルクリッピングツールと、該オプティカルセンサによって送られた信号に応答して、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して該メカニカルクリッピングツールを位置付けるメカニカル位置付けシステムとを含む、項目24に記載のシステム。
(項目33)
前記サンプルノード取り除きデバイスは、レーザと、前記オプティカルセンサによって送られた信号に応答して前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して該レーザを位置付けるメカニカル位置付けシステムとを含む、項目24に記載のシステム。
(項目34)
サンプルキャリアに取り付けられた複数の離散サンプルノードに試料を選択的に送るステップと、
該サンプルキャリアをアーカイブ設備に保管するステップと、
該サンプルキャリアの位置を該アーカイブ設備に記録するステップと
を包含する、サンプルを保管する方法。
(項目35)
前記選択的に送るステップの後に、前記複数の離散サンプルノードを洗浄するステップをさらに包含する、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記記録するステップに従って、前記サンプルキャリア用の識別印を割当てるステップをさらに包含する、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記印は、バーコードを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記記録するステップは、前記複数の離散的サンプルノードに関連するデータ記録をコンピュータ読み取り可能データ格納媒体に書き込むステップを包含する、項目34に記載の方法。
(項目39)
前記選択的に送るステップに続いて、前記複数の離散的サンプルノードを乾燥可能にするステップをさらに包含する、項目34に記載の方法。
(項目40)
前記選択的に送るステップに続いて、前記複数の離散的サンプルノードに防腐剤を選択的に適用するステップをさらに包含する、項目34に記載の方法。
(項目41)
前記試料は、タンパク質である、項目34に記載の方法。
(項目42)
前記試料は、ポリヌクレオチドである、項目34に記載の方法。
(項目43)
前記ポリヌクレオチドは、DNAである、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記試料は、非生物学的である、項目34に記載の方法。
(項目45)
サンプルを保管する方法であって、
試料をソースから得るステップと、
識別子を該ソースおよび該試料に割り当てるステップと、
該ソースおよび該試料に関連する該識別子および該情報をデータ構造に書き込むステップと、
サンプルキャリアに取り付けられた複数の離散的サンプルノードに該試料を選択的に送るステップと、
アーカイブ設備において、サンプルキャリア容器に該サンプルキャリアを置くステップと
を包含する、方法。
(項目46)
前記サンプルキャリアの位置を前記アーカイブ設備に記録するステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記試料は、タンパク質である、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記試料は、ポリヌクレオチドである、項目45に記載の方法。
(項目49)
前記ポリヌクレオチドは、DNAである、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記試料は、非生物学的である、項目45に記載の方法。
(項目51)
前記試料を得るために、同意を得るステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目52)
前記選択的に送るステップに続いて、前記複数の離散的サンプルノードを洗浄するステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目53)
前記割り当てるステップおよび前記選択的に送るステップに従って、前記サンプルキャリア用の識別印を割り当てるステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目54)
前記印は、バーコードである、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記記録するステップは、前記複数の離散的サンプルノードに関連するデータ記録をコンピュータ読み取り可能データ格納媒体に書き込むステップを包含する、項目46に記載の方法。
(項目56)
前記選択的に送るステップに続いて、前記複数の離散的サンプルノードを乾燥可能にするステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目57)
前記選択的に送るステップに続いて、前記複数の離散的サンプルノードに防腐剤を選択的に適用するステップをさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目58)
データおよびコンピュータ実行可能命令によって符号化されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、該データおよび命令は、該命令を実行する装置に、
サンプルと、該サンプルのソースとに関する情報を受け取らせ、
該サンプル、該ソースおよび該情報に識別子を割り当てさせ、
該識別子および該情報をデータ構造に記録させ、
該サンプルをサポートする複数の離散的サンプルノードの各々のサンプルキャリア内の位置を記録させる、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目59)
データおよびコンピュータ実行可能命令によってさらに符号化され、装置に、アーカイブ設備における遠隔デバイスに制御信号をさらに送信させる、項目58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
(項目60)
データおよびコンピュータ実行可能命令によってさらに符号化され、装置に、前記複数の離散的サンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを装置に位置付けて、取り除くように動作するサンプルノード取り除きデバイスへ制御信号をさらに送信させる、項目58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
(項目61)
データおよびコンピュータ実行可能命令によってさらに符号化され、装置に、複数のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアをアーカイブに置くように動作するサンプルキャリア格納デバイスに制御信号をさらに送信させる、項目58に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
(項目62)
データおよびコンピュータ実行可能命令によってさらに符号化され、装置に、前記複数のサンプルキャリアのうちの選択されたサンプルキャリアを前記アーカイブから取り出すように動作するサンプルキャリア取り出しデバイスに制御信号をさらに送信させる、項目61に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
(項目63)
分析用のアーカイブサンプルを用意する方法であって、該方法は、
分析させるべきサンプルを識別するステップと、
該識別するステップに応答して、サンプルキャリアによってサポートされた離散的サンプルノードにおける該サンプルの位置を確認するステップと、
該確認するステップに応答して、該離散的サンプルノードを該サンプルキャリアから取り除くステップと、
分析用の該サンプルを用意するステップと
を包含する、方法。
(項目64)
前記識別するステップは、データ構造をインテロゲートする(interrogate)ステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記確認するステップは、オプティカルセンサを利用するステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目66)
前記確認するステップは、バーコードを読み取るステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目67)
前記確認するステップは、前記離散サンプルノードに取り付けられたトランシーバから送信された固有の信号を識別するステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目68)
前記取り除くステップは、制御信号を前記トランシーバに送信するステップを包含する、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記取り除くステップは、レーザを利用するステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目70)
前記取り除くステップは、メカニカルクリッピングツールを利用するステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目71)
前記用意するステップは、前記離散的サンプルノードをサンプルコンテナに置くステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目72)
前記用意するステップは、前記離散的サンプルノードに取り付けられたサンプル材料を洗浄するステップを包含する、項目63に記載の方法。
(項目73)
前記サンプルは、非生物学的である、項目63に記載の方法。
(項目74)
前記サンプルは、生物学的である、項目63に記載の方法。
(項目75)
前記サンプルは、ポリヌクレオチドである、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記用意するステップは、前記ポリヌクレオチドを拡大するステップを包含する、項目75に記載の方法。
(項目77)
分析用のアーカイブサンプルを用意する方法であって、該方法は、
実験に関連するリクエストを受け取るステップと、
該実験に適したサンプルを識別するステップと、
該受け取るステップ、および該識別するステップに応答して、該サンプルをサポートするサンプルキャリアを離散的サンプルノードに位置付けるステップと、
該サンプルキャリア上の該離散的サンプルノードの位置を検出するステップと、
該離散的サンプルノードを該サンプルキャリアから取り除くステップと、
分析用の該サンプルを用意するステップと
を包含する、方法。
(項目78)
前記位置付けるステップは、前記サンプルキャリアに関連する記録を保存するデータベースにインテロゲートするステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記位置付けるステップは、オプティカルセンサを利用するステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目80)
前記位置付けるステップは、バーコードを読み出すステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目81)
前記検出するステップは、オプティカルセンサから出力されたビデオ信号を得るステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目82)
前記取り除くステップは、前記ビデオ信号を得るステップに応答して、サンプルノード取り除きデバイスを自動で動作するステップを包含する、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記取り除くステップは、サンプルノード取り除きデバイスを手動で動作するステップを包含する、項目81に記載の方法。
(項目84)
前記検出するステップは、前記離散的サンプルノードに取り付けられたトランシーバから送信された固有信号を識別するステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目85)
前記取り除くステップは、制御信号を前記トランシーバに送信するステップを包含する、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記取り除くステップは、レーザを利用するステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目87)
前記取り除くステップは、メカニカルクリッピングツールを利用するステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目88)
前記用意するステップは、前記離散的サンプルノードをサンプルコンテナに置くステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目89)
前記用意するステップは、前記離散的サンプルノードに取り付けられたサンプル材料を洗浄するステップを包含する、項目77に記載の方法。
(項目90)
前記サンプルは、非生物学的である、項目77に記載の方法。
(項目91)
前記サンプルは、生物学的である、項目77に記載の方法。
(項目92)
前記サンプルは、ポリヌクレオチドである、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記用意するステップは、前記ポリヌクレオチドを拡大するステップを包含する、項目92に記載の方法。
(項目94)
所定の空間的関係で複数のサンプルノードをサポートするように構成されるサンプルキャリアと、
該複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードを位置付けて、取り除くノード取り除き手段と
を含む、サンプルノード取り除きシステム。
(項目95)
前記ノード取り除き手段は、レーザを含む、項目94に記載のシステム。
(項目96)
前記ノード取り除き手段は、メカニカルクリッピングツールを含む、項目94に記載のシステム。
(項目97)
前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードの位置を検出するように動作するオプティカル要素をさらに含む、項目94に記載のシステム。
(項目98)
前記オプティカル要素によって送信された信号に応答して、前記ノード取り除き手段を位置付けるように動作する位置付け要素をさらに含む、項目97に記載のシステム。
(項目99)
前記信号を受信して、前記位置付け要素および前記ノード取り除き手段を制御するように動作するコンピュータをさらに含む、項目98に記載のシステム。
(項目100)
前記サンプルノード取り除き手段は、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して前記レーザを位置付けるメカニカル位置付けシステムをさらに含む、項目95に記載のシステム。
(項目101)
前記サンプルノード取り除き手段は、前記複数のサンプルノードのうちの選択されたサンプルノードに対して前記メカニカルクリッピングツールを位置付けるメカニカル位置付けシステムをさらに含む、項目96に記載のシステム。
(項目102)
分析用のアーカイブサンプルを用意する方法であって、該方法は、
分析されるべきサンプルを識別するステップと、
該識別するステップに応答して、該サンプルを得るステップと、
分析用の該サンプルを用意するステップと、
1日に100個の分析用サンプル以上で用意するために十分な速度で、該識別するステップ、該得るステップ、および該用意するステップを選択的に繰り返すステップと
を包含する、方法。
(項目103)
前記識別するステップは、データベースにインテロゲートするステップを包含する、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記識別するステップは、オプティカルセンサを利用するステップを包含する、項目102に記載の方法。
(項目105)
前記得るステップは、サンプルノード取り除きデバイスを自動で動作するステップを包含する、項目102に記載の方法。
(項目106)
前記得るステップは、レーザを利用するステップを包含する、項目105に記載の方法。
(項目107)
前記得るステップは、メカニカルクリッピングツールを利用するステップを包含する、項目105に記載の方法。
(項目108)
前記用意するステップは、前記サンプルをサンプルコンテナに置くステップを包含する、項目102に記載の方法。
(項目109)
前記用意するステップは、前記サンプルを洗浄するステップを包含する、項目102に記載の方法。
(項目110)
前記サンプルは、非生物学的である、項目102に記載の方法。
(項目111)
前記サンプルは、生物学的である、項目102に記載の方法。
(項目112)
前記サンプルは、ポリヌクレオチドである、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記用意するステップは、前記ポリヌクレオチドを拡大するステップを包含する、項目112に記載の方法。
(項目114)
前記選択的に繰り返すステップは、1日に200個の分析用サンプル以上で用意するために十分な速度で起こる、項目111に記載の方法。
(項目115)
前記選択的に繰り返すステップは、1日に500個の分析用サンプル以上で用意するために十分な速度で起こる、求項111に記載の方法。
(要旨)
本発明の実施形態は、従来技術の種々の不利な点を克服して自動化された、乾燥した生体または非生体サンプルの自動的な保管および取り出しシステムならびに方法を提供する。本発明のある局面によると、例えば、全自動乾燥サンプル格納システムは、例えば、1日に100を越える、非常に高い格納率と取り出し率とを達成するように動作可能であり得る。保管管理システムは、特に、患者の同意、アンケート用紙の転写、サンプルバーコード化、アーカイブ格納、電気サンプルブラウジング、サンプルの取り出し、サンプルのバーコード化および抽出、ならびにサンプルのパッケージングおよび送付のいくつか、またはすべてを含むか、またはサポートし得る。インターネットまたは他の広域またはローカルネットワークと結合された全自動保管施設は、生体サンプルまたは他のサンプル、ならびに付帯データおよび他の情報を効率的検索を受け入れ、適時、世界中に輸送し得る。
【0011】
詳細に後述されるように、上述のシステムおよび方法は、汚染のないサンプルに効率的かつ適時にアクセスすることを容易にするように構成され、かつ動作可能な乾燥したサンプルキャリアを用い得る。本発明のこの局面により、サンプルキャリアは、室温で非常に高いサンプル密度を収容し得る。従って、保管密度は、高スループットの要求を満たし得、極低温または液体サンプル格納施設と関連した経費および複雑性が低減されるか、または除去され得る。
【0012】
本発明のある局面によると、例えば、サンプルキャリアは、構造アレイおよび複数のサンプルノードを含み、複数のサンプルノードの各々は、それぞれの取り付け点で構造アレイに除去可能に取り付けられ、かつ、個別のサンプルを維持するように動作可能である。いくつかの実施形態において、複数のサンプルノードの各々は、タンパク質、ポリヌクレオチド、およびDNAを含む生体サンプルを維持するように動作可能であり、複数のサンプルノードの各々は、非生体サンプルを維持するように動作可能である。
【0013】
本発明の別の局面によると、サンプルキャリアは、表示を識別するステップをさらに備え、これらのうちのいくつかは、光センサによって解読される。いくつかの実施形態において、複数のサンプルノードの各々は、一意的信号を送信するように動作可能な関連したトランシーバを備え、さらに、関連したトランシーバは、リモートデバイスから制御信号を受信するように動作可能であり得る。
【0014】
特に、サンプルのタイプ、および種々の方法のすべてのシステム要求に応じて、複数のサンプルノードの各々は、固形または多孔質である。いくつかのキャリア実施形態が開示され、ここで、複数のサンプルノードの各々は、サンプル支持媒体を備え、これは、セルロース、ポリスチレン等のポリマー、または他の材料を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプル支持媒体は、誘導体化され、正に帯電するか、または負に帯電し得る。
【0015】
別の実施形態において、サンプルキャリアは、所定の空間関係で支持された複数の構造アレイと複数のサンプルノードとを備え、複数のサンプルノードの各々は、それぞれの取り付け点で、かつ別個のサンプルを保持するように動作可能に複数の構造アレイの1つに除去可能に取り付けられる。これに代わる例は、複数の構造化アレイの各々が、マルチウェルプレートのそれぞれのウェル等のそれぞれのサンプルコンテナに対して所定の空間関係で支持される。
【0016】
複数の構造アレイを用いる上述の実施形態において、単一構造アレイの実施形態を参照してすでに述べられた上述の代替案および特徴が援用される。
【0017】
本発明の別の局面によると、サンプルキャリアに試料を移送する方法は、複数のサンプルノードを支持する構造アレイを備えるサンプルキャリアを提供するステップと、複数のサンプルノードを試料に接触させるステップとを包含する。種々の代替策が開示されるが、試料は固体、気体、および液体の形態である。
【0018】
いくつかの実施形態において、この方法は、複数のサンプルノードに保存料を選択的に付与するステップをさらに包含し、複数のサンプルノードで保持された試料を乾燥させるように動作可能であることが好ましくあり得る。
【0019】
この方法は、接触させるステップに続いて、複数のサンプルノードを洗浄するステップをさらに包含し得る。さらに、あるいは、または、上述のように、方法は、接触させるステップに続いて、保存料の支援を用いて、または用いずに複数のサンプルノードを乾燥させることを可能にするステップをさらに包含し得る。
【0020】
本発明の別の局面によると、試料をサンプルキャリアに移送する方法は、複数の構造アレイを備えるサンプルキャリアを提供するステップを包含し、複数の構造アレイの各々は、それぞれの試料コンテナに対する所定の空間的関係で支持され、複数のサンプルノードを支持し、かつ、複数の構造アレイの選択されたいくつかによって支持された複数のサンプルノードをそれぞれの試料と接触させる。いくつかの実施形態において、接触させるステップは、複数の構造アレイの各々によって支持された複数のサンプルノードをそれぞれの試料コンテナ内の試料と接触させるステップを包含する。
【0021】
複数の構造アレイを用いる上述の実施形態において、単一の構造アレイの実施形態を参照してすでに述べられた代替案および特徴のすべてが援用される。
【0022】
いくつかの実施形態において、サンプルキャリアは、複数のサンプルノードを含む構造アレイであって、複数のサンプルノードの各々が、それぞれの取り付け点で構造アレイと取り外し可能に取り付けられ、かつ、個別のサンプル支持媒体を備える、構造アレイと、複数のサンプルノードの1つ以上でサンプル支持媒体によって維持される試料とを備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、試料は、タンパク質、ポリヌクレオチド、およびDNAを含む生体試料であり、これに代わるいくつかの実施形態において、試料は非生体試料である。
【0024】
特に、サンプルのタイプ、および種々の実施形態の全システムの要件に応じて、サンプル支持媒体は、固形または多孔質である。サンプルキャリアの実施形態が開示され、ここで、サンプル支持媒体は、セルロース、ポリスチレン等のポリマー、または、他の材料を含む。いくつかの実施形態によると、サンプル支持媒体は、化合物で誘導体化(derivatized)または処理され、かつ、正または負に帯電し得る。
【0025】
本発明の別の局面によると、サンプル保管システムは、所定の空間的関係で複数のサンプルノードを支持するように構成された複数のサンプルキャリアと、複数のサンプルキャリアをアーカイブに選択的に配置するサンプル格納手段と、複数のサンプルノードの選択された、いくつかを見つけ出し、かつ除去するサンプルノード除去手段とを備える。これに代わる実施形態が開示され、ここで、サンプルノード除去手段は、レーザおよびメカニカルクリッピングツールを備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、システムは、複数のサンプルノードの選択された、いくつかの位置を検出するように動作可能な光学素子を備え、このようなシステムは、サンプルノード除去手段が、光学素子によって送信された信号に応答する位置に対して動作可能な位置調整コンポーネントをさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、サンプル保管システムは、複数のサンプルキャリア容器であって、複数のサンプルキャリア容器の各々は、複数のサンプルノードを支持する1つ以上のサンプルキャリアを収容するように構成される、複数のサンプルキャリア容器と、1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかを複数のサンプルキャリア容器の選択されたいくつかに配置するように動作可能であるサンプルキャリア格納デバイスと、1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかを見つけ出すように動作可能であるサンプルキャリア位置特定デバイスと、複数のサンプルキャリア容器のいくつかから1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかを取り出すように動作可能であるサンプルキャリア取り出しデバイスと、複数のサンプルノードの選択されたいくつかを識別および除去するサンプルノード除去手段とを備える。
【0028】
いくつかの実施形態において、複数のサンプルキャリア容器の少なくとも一部分はラックであるが、他の実施形態において、複数のサンプルキャリア容器の少なくとも一部分は引き出しである。システムの実施形態が開示され、ここで、サンプルキャリア位置特定デバイスはバーコードリーダである。さらに、あるいは、または、あるシステムの実施形態が開示され、ここで、サンプルノード除去手段は、レーザおよびメカニカルクリッピングツールを備える。
【0029】
あるシステムが開示され、ここで、サンプルノード除去手段は、複数のサンプルノードの選択されたいくつかの位置を検出するように動作可能な光学素子をさらに備え、いくつかの実施形態において、サンプルノード除去手段は、光学素子によって送信された信号に応答するレーザの位置に対して動作可能な位置調整コンポーネントをさらに備え得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、システムは、複数のサンプルノードの選択されたいくつかによって支持されるサンプルを処理する手段、または、サンプルキャリア格納デバイスおよびサンプルキャリア取り出しデバイスの動作を制御するコントローラをさらに備えることが所望され得る。
【0031】
本発明のさらなる局面によると、サンプル保管システムは、複数のサンプルキャリア容器を備えるアーカイブと、複数のサンプルノードを支持する1つ以上のサンプルキャリアを収容するように構成された複数のサンプルキャリア容器の各々と、1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかをアーカイブに格納およびここから取り出すように動作可能なメカニズムを備えるロボッティクスシステムとを備える。上述のシステムは、ロボティクスシステムに接続され、かつ、1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかの位置を検出するように動作可能なサンプルキャリアロケータを備え得る。
【0032】
システムのいくつかの実施形態において、サンプルキャリアロケータは、光センサを備え、あるシステムがさらに開示され、ここで、ロボティクスシステムは、サンプルキャリアロケータからの信号に自動的に応答する。上述のように、あるシステムは、複数のサンプルノードの選択されたいくつかを1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかから識別および除去するように動作可能なサンプルノード除去デバイスを備える。サンプルノード除去デバイスに接続されたサンプルノードロケータは、複数のサンプルノードの選択されたいくつかの位置を検出するように動作可能であり得る。ある実施形態が開示され、ここで、サンプルノード除去デバイスは、サンプルノードロケータからの信号に自動的に応答し、このサンプルノードロケータは、光センサ、または複数のサンプルノードの各々に組み込まれたそれぞれのトランシーバを備え得る。このシステムは、バーコードリーダに埋め込まれたサンプルキャリアロケータを備え得る。
【0033】
いくつかのシステムにおいて、サンプルノード除去デバイスは、メカニカルクリッピングツールと、複数のサンプルノードの選択されたいくつかに対してメカニカルクリッピングツールを位置調整する機械的位置調整システムとを備え、これに対して、他のシステムにおいて、サンプルノード除去デバイスは、レーザと、複数のサンプルノードの選択されたいくつかに対してこのレーザを位置調整する機械的位置調整システムとを備える。実施形態が開示され、ここで、機械的位置調整システムは、光センサによって送信された信号に応答して、クリッピングツールまたはレーザを位置調整するように動作可能である。上述のように、このようなシステムは、複数のサンプルノードの選択されたいくつかによって支持されるサンプルを処理する手段をさらに備え得る。これに代わるいくつかの実施形態において、このシステムは、ロボティクスシステムおよびサンプルノード除去デバイスを制御するように動作可能なコンピュータをさらに備える。
【0034】
本発明のさらに別の局面によると、サンプルを保管する方法は、サンプルキャリアに取り付けられた複数の別個のサンプルノードに試料を選択的に移送するステップと、サンプルキャリアを保管施設に保管するステップと、保管施設内のサンプルキャリアの位置を記録するステップとを包含する。上述の方法の実施形態が、選択的に移送するステップに続いて、複数の別個のサンプルノードを洗浄するステップをさらに包含する一方で、他の実施形態は、記録により、バーコード等の識別表示をサンプルキャリアに割り当てるステップをさらに、または代替的に包含する。記録するステップは、複数の別個のサンプルと関連付けられたデータ記録をコンピュータ読み取り可能データ格納媒体に書き込むステップを包含し得る。
【0035】
サンプルを保管する別の方法は、ソースから試料を取得するステップと、識別子をソースおよび試料に関連付けるステップと、ソースおよび試料と関連付けられた識別子および情報をデータ構造に書き込むステップと、サンプルキャリアに取り付けられた複数の別個のサンプルノードに試料を選択的に移送するステップと、サンプルキャリアを保管施設のサンプルキャリア容器内に配置するステップとを包含する。上述の方法は、保管施設内のサンプルキャリアの位置を記録するステップをさらに備え得、さらに、あるいは、または、この方法は、試料を取得する許可を得るステップをさらに包含し得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、この方法は、関連付けるステップおよび選択的に移送するステップにより、バーコード等の識別表示をサンプルキャリアに割り当てるステップを包含する。上述のように、記録するステップは、複数の別個のサンプルノードと関連付けられたデータ記録をコンピュータ読み取り可能データ格納媒体に書き込むステップを包含し得る。
【0037】
データおよびコンピュータ実行可能命令がエンコードされたコンピュータ読み取り可能媒体が開示される。ここで、データおよび命令は、サンプルおよびサンプルのソースに関する情報を受信することと、識別子をサンプル、ソース、および情報に割り当てることと、識別子および情報をデータ構造内に記録することと、サンプルを支持する複数の別個のサンプルノードの各々のサンプルキャリア内の位置を記録することとを求める命令を装置に実行させる。
【0038】
コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、装置に、保管施設の除去デバイスに制御信号を送信させ得る。さらに、あるいは、または、コンピュータ読み取り可能媒体のいくつかの実施形態は、さらに、装置に、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかを見つけ出させ、かつ、除去するように動作可能なサンプルノード除去デバイスに制御信号を送信させ、あるいは、複数のサンプルキャリアの選択されたいくつかをアーカイブ内に配置するように動作可能なサンプルキャリア格納デバイスに制御信号を送信させる。この最後の実施形態において、コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、装置に、複数のサンプルキャリアの選択されたいくつかをアーカイブから取り出すように動作可能なサンプルキャリア取り出しデバイスに制御信号を送信させ得る。
【0039】
本発明のある局面によると、分析するために保管サンプルを準備する方法は、分析されるべきサンプルを識別するステップと、識別するステップに応答して、サンプルキャリアによって支持される別個のサンプルノード上のサンプルの位置を突き止めるステップと、突き止めるステップに応答して、別個のサンプルノードをサンプルキャリアから除去するステップと、分析するためにサンプルを準備するステップとを包含する。
【0040】
上述の方法の実施形態が開示され、ここで、識別するステップは、データベース等のデータ構造をインテロゲートするステップを包含する。いくつかの実施形態において、突き止めるステップは、光センサを利用するステップを包含し、この利用するステップは、バーコードを読み出すステップを包含し得る。あるいは、突き止めるステップは、別個のサンプルノードに取り付けられたトランシーバから送信された一意的信号を識別するステップを包含し、この実施形態において、除去するステップは、制御信号をトランシーバに送信するステップを包含し得る。
【0041】
上述の方法の実施形態が開示され、ここで、除去するステップは、レーザまたはメカニカルクリッピングツールを利用するステップを包含する。準備するステップは、別個のサンプルノードをサンプルコンテナ内に配置するステップを包含し得、さらに、あるいは、または、準備するステップは、別個のサンプルノードに取り付けられたサンプル材料を洗浄するステップを包含し得る。
【0042】
上述の方法において、サンプルの組成(すなわち、非生体、生体等)は上述のとおりであり、従って、この方法は、さらに、ポリヌクレオチドを増幅するステップをさらに包含し得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、分析のために保管サンプルを準備する方法は、実験に関するリクエストを受信するステップと、その実験に適したサンプルを識別するステップと、受信するステップおよび識別するステップに応答して、別個のサンプルノード上でサンプルを支持するサンプルキャリアを見つけ出すステップと、サンプルキャリア上の別個のサンプルノードの位置を検出するステップと、別個のサンプルノードをサンプルキャリアから除去するステップと、分析するためにサンプルを準備するステップとを包含する。上述のように、見つけ出すステップは、サンプルキャリアに関連した記録を維持するデータベースにインテロゲートするステップと、光センサを利用するステップと、バーコードを読み出すステップとのいずれか、またはすべてを包含し得る。
【0044】
本発明のある局面において、検出するステップは、光センサから出力されたビデオ信号を取得するステップを包含し、従って、除去するステップは、ビデオ信号を取得するステップに応答して、サンプルノード除去デバイスを自動または手動で操作するステップをさらに包含し得る。さらに、あるいは、または、検出するステップは、別個のサンプルノードに取り付けられたトランシーバから送信された一意的信号を識別するステップを包含し、この実施形態において、除去するステップは、制御信号をトランシーバに送信するステップを包含し得る。
【0045】
別の実施形態において、サンプルノード除去システムは、所定の空間的関係で複数のサンプルノードを支持するように構成されたサンプルキャリアと、複数のサンプルノードの選択されたいくつかを見つけ出し、かつ除去するノード除去手段とを備える。このノード除去手段は、レーザまたはメカニカルクリッピングツール等のハードウェア、および上述のコンピュータ化された素子に組み込まれ得る。光学素子は、複数のサンプルノードの選択されたいくつかの位置を検出するように動作可能にされ得、いくつかの実施形態において、光学素子から出力された信号は、光学素子によって送信された信号に応答して、ノード除去手段を位置調整するように動作可能な位置調整素子と共に用いられ得る。上述のように、このようなシステムは、信号を受信し、かつ、位置調整素子およびノード除去手段を制御するように動作可能なコンピュータをさらに備え得る。
【0046】
別の実施形態において、分析のために保管サンプルを準備する方法は、分析されるべきサンプルを識別するステップと、この識別するステップに応答して、サンプルを取得するステップと、分析するためにサンプルを準備するステップと、1日に100サンプルを超える分析のために準備するために十分なレートで識別、取得、および準備することを選択的に繰り返すステップとを包含する。上述のように、識別するステップは、データベースにインテロゲートするステップと、光センサを利用するステップと、あるいは、インテロゲートおよび利用する両方のステップを包含し得る。取得するステップは、レーザまたはメカニカルクリッピングツールであり得るサンプルノード除去デバイスを自動または手動で操作するステップを包含し得る。
【0047】
すでに述べられた方法の局面は、上述の実施形態に援用され得る。さらに、選択的に繰り返すステップは、1日に200サンプルを超える分析のために準備するために十分なレートで行われ得、ある方法が開示され、ここで、選択的に繰り返すステップは、1日に500サンプルを超える分析のために準備するために十分なレートで行われ得る。
【0048】
いくつか実施形態において、リモートクライアントに生物学的分析を提供する方法は、複数のサンプルノードを備えるサンプルアーカイブを維持するステップと、リモートクライアントから生物学的分析のリクエストを受信するステップであって、このリクエストは、複数の別個のサンプルノードから選択されたサンプルノードを識別することと、選択された分析試験を識別することとを包含する、ステップと、この受信するステップに応答して、選択されたサンプルノードをアーカイブから取り出すステップと、選択された分析試験を準備するステップと、選択されたサンプルノードの選択された分析試験を実行するステップとを包含する。
【0049】
生物学的分析を提供する方法は、実行するステップの結果、および実行するステップを表すデータをリモートクライアントに送信するステップをさらに包含し、送信するステップは、結果およびデータを暗号化するステップを包含し得る。いくつかの実施形態において、方法は、選択されたサンプルノードをリモートクライアントに送付するステップをさらに包含し得る。リクエストは、ネットワーク接続を介して受信され得る。
【0050】
上述の方法の実施形態が開示され、分析試験は、例えば、遺伝子実験またはプロテオミクス実験であり、かつ、選択されたサンプルノードを取り出すステップは、データベースにインテロゲートするステップと、光センサを利用するステップと、レーザまたはメカニカルクリッピングツールを備えるサンプルノード除去デバイスを自動または手動で操作するステップとのいずれかまたはすべてを包含する。
【0051】
本発明の別の局面によると、リモートクライアントにサンプルを提供する方法は、複数の別個のサンプルノードを備えるサンプルアーカイブを維持するステップと、ネットワーク接続その他を介して、リモートクライアントからサンプルのリクエストを受信するステップと、受信するステップに応答して、アーカイブ内の複数の別個のサンプルノードの選択された1つを識別するステップであって、複数の別個のサンプルノードの選択された1つは、サンプルを支持する、ステップと、複数のサンプルノードの選択された1つをアーカイブから取り出すステップと、複数のサンプルノードの選択された1つをリモートクライアントに送付するステップとを包含する。
【0052】
いくつかの実施形態において、この方法は、送付するステップの前に、サンプルの分析を実行するステップをさらに包含し得、かつ、実行するステップの結果および実行するステップを表すデータをリモートクライアントに送信するステップをさらに包含し得る。上述の送付するステップは、複数のサンプルノードの選択された1つをサンプルコンテナにパッケージングするステップを包含し得る。上述のように、送付するステップの前に、複数のサンプルノードの選択された1つを洗浄するステップをさらに包含する方法が開示される。
【0053】
上述の識別するステップがデータベースにインテロゲートするステップを包含し得る一方へ、上述の取り出すステップは、光センサを利用するステップと、サンプルノード除去デバイスを自動または手動で操作するか、あるいは、これらの両方で操作するステップを包含し得る。サンプルノード除去デバイスは、例えば、実施形態および全システム要件に応じて、レーザまたはメカニカルクリッピングツールを備え得る。
【0054】
サンプルの分析を実行するステップを包含するいくつかの実施形態において、分析は遺伝子実験であり、他の実施形態において、分析はプロテオミクス実験である。
【0055】
本発明のさらに別の局面において、システムは、複数のサンプルキャリアを備えるサンプルアーカイブであって、この複数のサンプルキャリアの各々は、複数の別個のサンプルノードを支持するように構成される、サンプルアーカイブと、複数の別個のサンプルノードのいくつかと関連付けられたデータ記録、および生物学的分析と関連したデータ記録を含むデータベースと、リモートクライアントからリクエストを受信する手段であって、このリクエストは、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかを用いて選択された分析を実行するステップに関する情報を含む、手段と、データ記録の選択されたいくつかを受信する手段に応答し、かつ、データベースから取り出すように動作可能なプロセッサと、プロセッサに応答し、かつ、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかを取り出すように動作可能なサンプル取り出し装置と、選択された分析によりプロセッサに応答し、かつ、分析試験を準備するように動作可能な分析試験準備装置と、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかを用いて選択された分析を行い、かつ、選択された分析の結果をプロセッサに提供する手段とを備える。
【0056】
このようなシステムは、リモートクライアントに送付するために、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかをパッケージングするステップをさらに包含する。このシステムの実施形態が開示され、ここで、サンプル取り出し装置は、1つ以上のサンプルキャリアの選択されたいくつかの位置を検出するように動作可能なサンプルキャリアロケータを備える。上述のように、サンプルキャリアロケータは、光センサまたはバーコードリーダを備え得る。システムの実施形態は、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかを複数のサンプルキャリアから除去するように動作可能なサンプルノード除去デバイスを備えるサンプル取り出し装置を備える。
【0057】
サンプル取り出し装置は、光センサをさらに備え得、本発明の他の局面を参照した上述のように、上述のシステムの実施形態が開示され、ここで、サンプルノード除去デバイスは、光センサから送信された信号に応答する。サンプルノード除去デバイスは、いくつかの実施形態においてレーザを、および、他の実施形態においてメカニカルクリッピングツールを備える。
【0058】
いくつかのシステムにおいて、サンプルノード除去デバイスは、レーザと、光センサから送信された信号に応答して、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかに対してレーザを位置調整するように動作可能な機械的位置調整システムとを備える。あるいは、サンプルノード除去デバイスは、メカニカルクリッピングツールと、光センサから送信された信号に応答して、複数の別個のサンプルノードの選択されたいくつかに対してメカニカルクリッピングツールを位置調整するように動作可能な機械的位置調整システムとを備える。上述のように、サンプルノード除去デバイスは、複数の別個のサンプルノードの各々に組み込まれたそれぞれのトランシーバを備え得る。いくつかの実施形態において、システムによって実行される分析は、遺伝子実験であり、いくつかの他の実施形態において、分析はプロテノミクス実験である。
【0059】
データおよびコンピュータ実行可能命令がエンコードされたコンピュータ読み取り媒体が開示され、データおよび命令は、装置にサンプルアーカイブ内のサンプルキャリア上に維持された選択されたサンプルノードの選択された分析を実行するリクエストをリモートクライアントから受信し、選択されたサンプルノードおよび選択された分析と関連したデータ記録をサンプルキャリアから取り出し、選択されたサンプルノードをサンプルキャリアから取り出し、選択された分析により分析試験を準備し、かつ、選択されたサンプルノード上で実行された試料の選択された分析を行うことを求める命令を実行させる。
【0060】
コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、装置に選択された分析の結果と、選択された分析に関連したデータとをリモートクライアントに提供させ得る。コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、装置に制御信号を、サンプルキャリアを保管施設のサンプルキャリア容器から取り出すように動作可能なサンプルキャリア取り出しデバイスに送信させ得る。さらに、このコンピュータ読み取り可能媒体は、装置に、サンプルキャリアをサンプルキャリア容器内に配置するように動作可能なサンプルキャリア格納デバイスに制御信号をさらに送信させ得る。コンピュータ読み取り可能媒体の局面を参照した上述のように、いくつかの実施形態において、コンピュータ読み取り可能媒体は、装置に、選択されたサンプルノードをサンプルキャリアから見つけ出し、かつ除去するように動作可能なサンプルノード除去デバイスに制御信号をさらに送信させ得る。
【0061】
本発明のさらに別の局面によると、システムは、サンプルアーカイブと、このアーカイブ内に格納されたサンプルと関連したデータ記録を含むデータベースと、リモートクライアントからのリクエストを受信する手段であって、このリクエストは、サンプルの選択されたいくつかに関連した情報を含む、手段と、データ記録の選択されたいくつかをデータベースから受信する手段に応答し、かつ、これらを取り出すように動作可能なプロセッサと、このプロセッサに応答し、かつ、サンプルの選択されたいくつかを取り出すように動作可能なサンプル取り出し装置と、プロセッサに応答し、かつ、分析するためのサンプルの選択されたいくつかを準備するように動作可能なサンプル準備装置と、リモートクライアントに送付するためにサンプルの選択されたいくつかをパッケージングする手段とを備え、サンプル取り出し装置と、サンプル準備装置と、パッケージングする手段とは、1日に100を超えるサンプルを取り出し、準備し、かつ、パッケージングするために十分なレートで動作可能である。
【0062】
上述のシステムは、遺伝子実験またはプロテオミクス実験等の選択された分析を、例えば、サンプルの選択されたいくつかを用いて行い、かつ、選択された分析の結果をプロセッサに提供する手段をさらに備え得る。
【0063】
上述のように、このシステムのいくつかの実施形態において、サンプル取り出し装置は、光センサ、レーザ、メカニカルクリッピングツール、またはトランシーバのいくつかまたはすべてを備える。
【0064】
いくつかの実施形態において、サンプル取り出し装置、サンプル準備装置、および、パッケージングする手段は、1日に200を超えるサンプルを取り出し、準備し、かつ、パッケージングするために十分なレートで動作可能であり、さらに他の実施形態において、このレートは、1日に500を超えるサンプルを取り出し、準備し、かつパッケージングするために十分であり得る。
【0065】
本発明の種々の実施形態の上述および他の局面は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に精査することによって明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
(詳細な説明)
ここで図面を参照して、図1は、自動化されたサンプル保管および取り出しシステムのある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。例示的な図1の実施形態において、システム100は、通常、通信ネットワーク199を介してサーバ130等の1つ以上のサーバに接続されたネットワーククライアント110等の、1つ以上のリモートコンピュータまたは端末を備える。システム100は、参照符号141および120によってそれぞれ表されたデータ格納媒体および周辺機器をさらに備え得る。
【0067】
明瞭にするために、ただ1つのサーバ130および1つのクライアント110が図1に示される。当業者は、図1に示された構成が、例示の目的で提供されるにすぎず、かつ、システム100が任意の数のさらなるサーバ、クライアント、または他のコンポーネントで実現され得ること、ネットワーク199に接続された各デバイスの数および変形例は、システム要件により異なり得ることを理解する。いくつかの実施形態において、周辺デバイス120等の1つのデバイスの機能は、例えば、サーバ130等の別のデバイス上に常駐するか、または、これによって実現され得る。
【0068】
動作の際に、クライアント110は、通信ネットワーク199を介して2方向にデータ通信することができ得る。この点に関して、クライアント110は、ネットワーク199、または、ネットワーク199に接続され得る1つ以上のさらなるネットワーク(図示せず)を介してサーバ130、周辺デバイス120、およびデータ格納媒体141と通信し得る。当業者は、クライアント110、サーバ130、および図1に示される他のコンポーネントが、発明的要素なしに、任意の数のさらなるネットワークを介して接続され得ることを理解する。
【0069】
いくつかの実施形態において、クライアント110は、パーソナルコンピュータまたはワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ワイヤレス電話、または他のネットワーク可用コンピューティングデバイス、電子装置、またはコンピュータ化されたシステムであり得る。動作の際に、クライアント110は、ソフトウェアか、または、コンピュータ読み取り可能格納媒体上にエンコードされた他のプログラミング命令を実行し得、さらに、サーバ130、データ格納媒体141、および、モニタおよびコントロールアプリケーション用の周辺デバイス120と通信し得る。例えば、クライアント110は、サーバ130にインテロゲートし、サーバ130に接続されたか、またはサーバによってアクセス可能なデータ格納媒体142にて維持されたデータの送信をリクエストし得る。さらに、あるいは、または、クライアント110は、デバイス120に特定のアクションを起こさせるか、または、特定の機能またはプログラムルーティンを実行させ得る制御信号またはリクエストを送信し得る。
【0070】
当業者は、本開示の本質から逸脱することなく、ネットワーク199にデバイス120等の任意の数または多様な周辺機器がさらに接続され得ることを理解する。このような周辺デバイスの例は、サーバ、コンピュータ、ワークステーション、端末、入力/出力デバイス、実験器具、プリンタ、プロッタ、ルータ、ブリッジ、カメラまたはビデオモニタ、センサ、アクチュエータ、または当該分野にて公知の任意の他のネットワーク可用デバイスを含むがこれらに限定されない。周辺機器120は、図1に示されるように、ネットワーク199に直接接続されてもよいし、または、例えば、サーバ130を介して間接的に接続されてもよく、これにより、デバイス120の機能または動作は、後述されるように、サーバ130上に常駐するハードウェアまたはソフトウェアによって影響が及ぼされるか、または制御され得る。
【0071】
当該分野にて周知のように、サーバ130は、例えば、単一の物理マシン、または、分散しているが連動する複数の物理マシンに組み込まれるか、または実装され得る。動作の際に、サーバ130は、ファイルサーバまたはアプリケーションサーバの機能のすべてを組み込んでもよいし、さらに、データ格納媒体142およびサンプル保管施設160に接続されてもよい。
【0072】
この点に関して、データ格納媒体142およびサンプル保管施設160に維持された情報およびデータ記録は、ネットワーク199を介して、サーバ130との双方向データ通信を通じてクライアント110にアクセス可能であり得る。
【0073】
ネットワーク199は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、または、クライアント110とサーバ130と格納媒体141と周辺デバイス120との間にデータ通信能力を提供する、当該分野にて公知の任意のシステム等を含む任意の通信ネットワークであり得る。さらに、ネットワーク199は、星型、環状、バス、または、これらの任意の組み合わせを含む、当該分野にて公知の任意の形態で構成され得る。
【0074】
例えば、図1におけるコンポーネント間のデータ接続は、シリアルリンクまたはパラレルリンクとして実現され得る。あるいは、データ接続は、コンピュータネットワークを横断してデータを通信または送信する当該分野にて周知の任意のタイプであり得、これらのネットワーク接続およびプロトコルの例は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、イーサネット(登録商標)、FEEI(Fiber Distributed Data Interface)、ARCNET、トークンバス、またはトークンリングネットワーク、USB(Universal Serial Bus)接続、および米国電気電子学会(IEEE)標準規格1394(通常、「ファイアワイヤ」と呼ばれる)接続を含むが、これらに限定されない。
【0075】
他のタイプのデータネットワークインターフェースおよびプロトコルが本開示の範囲および主旨の範囲に含まれる。特に、クライアント110は、例えば、赤外線(IR)またはワイヤレス周波数(RF)信号等のワイヤレスデータ通信技術か、あるいは他の形態のワイヤレス通信を用いて他のネットワークコンポーネントにデータを送信し、これらからデータを受信するように構成され得る。従って、当業者は、ネットワーク199がRF PAN(Personal Area Network)として実現され得ることを理解する。
【0076】
格納媒体141、142は、磁気ディスクドライブ、光磁気ドライブ、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)ドライブ、デジタル多用途読み出し専用メモリ(DVD−ROM)、デジタル多用途ディスクランダムアクセスメモリ(DVD−RAM)、トランジスタベースメモリ、または、データを格納および取り出す他のコンピュータ読み取り可能メモリデバイス等の従来の読み出し/書き込みメモリであり得る。
【0077】
より詳細に後述されるように、サンプル保管施設160は、多数の生体または非生体サンプルを乾燥した形態で維持するように配列および構成され得る。さらに、あるいは、または、保管施設160は、サンプルを操作し、かつ、これを洗浄、精製、試験、パッケージング、送付を容易にするように構成され、かつ動作可能な機械的およびロボティクスシステムを備え得る。種々の試験デバイス、実験装置、および研究機器は、保管施設160に維持されたサンプルにアクセスし得る。図1に示されるように、保管施設160の機械的および他のコンポーネントに常駐するか、または、これと動作可能に接続されたコンピュータハードウェアおよびソフトウェアは、サーバ130と通信し得る。図1における例示的実施形態において、保管施設160は、上述のサンプル、機器、ロボティクス、デバイス、およびコンピュータハードウェアおよびソフトウェア、ならびに、保管施設160におけるコンピュータコンポーネントとサーバ130との間の双方向データ通信を可能にするネットワークインターフェースを表す。
【0078】
図2は、自動化されたサンプル保管および取り出しシステムのある実施形態の一般的動作を示す簡略化されたブロック図である。図2に示されるように、クライアント210は、概して、図1を参照して示され、かつ記載されたクライアント110に対応し得る。同様に、サーバ230、格納媒体242、およびサンプル保管施設260は、サーバ130、格納媒体142、および保管施設160にそれぞれ対応し得る。図2の構成におけるコンポーネントは、上述のそれぞれの機能のすべてを組み込み得る。
【0079】
クライアント210からのリクエストまたは命令に応答して、例えば、サーバ230は、データまたは情報を格納媒体242および保管施設260から取り出すように動作可能であり得る。格納媒体242は、保管施設260に維持されたサンプルの数およびタイプ、サンプルの出所またはソース、試験または研究手順またはプロトコル、保管施設260に組み込まれた種々のコンポーネントの動作パラメータ、ならびに、アクセスの認可、パスワード、課金情報等のいくつか、またはこれらのすべてに関連したデータ記録および他の情報を維持するように構成された、例えば、データベースか、または他のデータ構造を備え得る。上述のリストは、例示のために提供されるにすぎず、包括的であることは意図されない。
【0080】
図2に示されるように、格納媒体242および保管施設260は、2方向データ通信に接続され、これにより、保管施設260のコンピュータハードウェアまたはシステムが、格納媒体242からデータ記録を読み出し、かつこの格納媒体に書き込みし得るように構成され得る。あるいは、図3を参照して示され、かつ、後述されるように、例えば、種々のデータ格納媒体が保管施設260に組み込まれ得る。
【0081】
図3は、サンプル保管施設および自動化された保管管理システムのある実施形態のコンポーネントを示す簡略化されたブロック図である。例示的な図3のサンプル保管施設360は、通常、図1および図2それぞれを参照してすでに記載された保管施設160および260に対応し得、かつ、上述の機能および動作特性のすべてを組み込み得る。保管施設360は、概して、システム調整コンポーネント(コーディネータ)310、機械的システム制御コンポーネント(コントローラ)320、および保管および実験コンポーネント(アーカイブ)330を備え得る。
【0082】
システムコーディネータ310は、詳細に後述されるように、他のシステム素子を操作または命令するように構成されたコンピュータハードウェアおよびソフトウェアを備え得る。従って、コーディネータ310は、例えば、コンピュータサーバ、または、他の電子制御システムで具現化され得、かつ、当該分野にて周知のように、マルチタスクオペレーティングシステム(OS316)を実行するように構成され得る。コーディネータ310は、概して、システムバス(図示せず)を介して、後述される他のコンポーネントに接続される少なくとも1つのプロセッサ311を備える。プロセッサ311は、当該分野にて公知の任意のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラベースのマイクロコンピュータであり得る。
【0083】
プロセッサ311の機能を制御するソフトウェアコードまたはプログラミング命令は、メモリ312においてエンコードされているか、または、格納媒体315内に格納され得る。メモリ312および格納媒体315は、当該分野にて公知の任意のコンピュータ読み取り可能メモリであり得る。さらに、あるいは、または、プロセッサ311の動作と関連した特定のソフトウェアまたは命令コードが、図2を参照して上述されたリモートデバイスまたは格納媒体242に常駐し得る。通信インターフェース319Aおよびネットワークソフトウェア317によって表されるようなネットワークインターフェースハードウェアおよびソフトウェアは、それぞれ、上述のネットワーク通信を容易にし得、通常、上述のコンピュータネットワークを横断してファイルを通信または転送する当該分野にて公知の任意のインターフェースを実現し得る。
【0084】
プロセッサ311は、システムバスを介して、ネットワークインターフェース319Aを含む複数の周辺機器と通信し得、例えば、上述のように、2方向ネットワークデータ通信を可能にする。さらなる周辺機器は、コーディネータ310内に組み込まれるか、またはこれに接続され得、いくつかの実施形態において、このような周辺機器は、入力デバイス313および出力デバイス314を備え、システム管理者、研究者、または他の技術者がモニタリングまたは制御の目的でコーディネータ310とインターフェースすることを可能にし得る。周辺入力/出力デバイスの例は、従来のキーボード、キーパッド、トラックボール、または他の入力デバイス;ブラウン管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)画面、タッチセンシティブ画面、または、グラフィック画像およびテキストを表示する、当該分野にて公知の他のモニタデバイス;マイクロホンあるいは他のオーディオまたはアコースティックセンサデバイス;オーディオスピーカ等を含み得る。適切な場合、周辺機器が、適切なデジタルツーアナログおよびアナログツーデジタル変換回路(図示せず)を含み得ることが当業者によって理解される。
【0085】
動作の際に、コーディネータ310は、プロセッサ311およびOS316の制御下にあり、例えば、全体として、保管施設360に所望の機能を提供するように構成され、かつ動作可能である命令コードまたはアプリケーションソフトウェア318を実行し得る。いくつかの実施形態において、例えば、保管施設360は、選択された生体または非生体サンプルを見つけ出し、かつ取り出して、これを実験またはさらなる格納のために遠隔地に送付するように準備するように構成され得る。さらに、あるいは、または、保管施設360の種々のコンポーネントは、取り出されたサンプルを用いて、これに関して選択された実験を実行するように用いられ得る。保管施設360の機能全体は、プロセッサ311の制御下で、データおよびコンピュータ実行可能命令、OS316、およびアプリケーションソフトウェア318により選択的に変更または制御され得る。これに代わる実施形態において、後述される保管施設360の自動化された機能の多くは、手動で、または、例えば、研究者または技術者によって提供され得る。
【0086】
コーディネータ310は、通信インターフェース319Bを通じて送信されたデータ信号を介してコントローラ320と通信し得る。この点に関して、コントローラ320は、コーディネータ310との双方向データ通信を可能にするように動作可能な通信インターフェース329を組み込み得る。ある実施形態において、図3の両方向矢印によって表されるように、コーディネータ310とコントローラ320との間のデータインターフェースは、ワイヤライン(すなわち「ハードワイヤド」の形態で実現され得る。例えば、データ接続は、シリアル、パラレル、またはイーサネット(登録商標)リンク、あるいは、コンピュータネットワークを横断してデータを伝達または送信する当該分野にて周知の上述のような任意の他のタイプの通信接続であり得る。
【0087】
上述のように、他のタイプのデータインターフェースおよびプロトコルが考えられる。特に、図3における「ライトニングボルト」シンボルによって表されるように、コーディネータ310は、例えば、ワイヤレスIRまたはRF信号、あるいは、他の形態のワイヤレス通信を用いて、コントローラ320にデータを送信し、かつ、これからデータを受信するように構成され得る。ワイヤレスの実施形態において、コーディネータ310およびコントローラ320は、例えば、TM(Bluetooth)標準規格を介して通信することが可能であり得る。
【0088】
コントローラ320は、プロセッサ321、メモリ322、および機械的インターフェース323をさらに備え得、図3の実施形態に示されないが、コントローラ320は、さらに、コントローラ320の動作全体に関連したデータおよびコンフィギュレーション命令を格納し得るデータ格納媒体を組み込み得るか、またはこれに接続され得る
プロセッサ321の機能に関連するか、または、これに影響を及ぼすソフトウェアコード、コンフィギュレーション情報、またはプログラミング命令は、例えば、メモリ322内でエンコードされ得、さらに、あるいは、または、プロセッサ321は、通信インターフェース329を介してコーディネータ310から、あるいは、上述のさらなるデータソースからデータおよび命令を受信し得る。
【0089】
動作の際に、コントローラ320は、機械的インターフェース323を介して、デバイス、装置、マシン、ロボット機器、または他のメカニズムの動作に影響を及ぼす制御信号、あるいは、他のデータおよび命令を送信し得る。コントローラ320と制御されるべき装置との間の双方向データ通信インターフェースは、通常、上述のように、データインターフェースおよびプロトコルに対応し得る。図3に示されるように、コントローラ320、およびモニタリングまたは制御されるべき装置類は、ワイヤラインまたはワイヤレス通信接続を介して接続され得る。
【0090】
コントローラ320は、例えば、制御されるべきメカニズムの数、プロセッサ321の全能力、メモリ322の容量、機械的インターフェース323のデータ転送帯域幅、および保管施設360の所望の機能等の種々のファクタに応じて、1つ以上のさらなる機械的インターフェース323を備え得ることが理解される。さらに、あるいは、または、保管施設360は、さらなるメカニズムを操作または制御するように動作可能な1つ以上のさらなるコントローラを備え得、ある実施形態において、例えば、保管施設360に維持された各マシンまたはデバイスは、コントローラ320等のそれぞれの専用の制御コンポーネントによって制御され得る。
【0091】
図3の実施形態において、コントローラ320によってモニタリングまたは制御されるべきロボット機器または他のメカニズム(ロボティクス331)は、アーカイブ330内に維持または収容されていることが表される。ロボティクス331およびこれを動作させるために必要な関連するコンピュータハードウェアおよびソフトウェアに加えて、アーカイブ330は、通常、生体または非生体サンプルアーカイブ(サンプルストレージ332)、器具および機器333、ならびにデータ格納媒体334を備え得る。
【0092】
ハイレベルの図3のブロック図に示されるように、機器333は、通常、多様な実験装置および器具、実験用品、および機能的道具(functional paraphernalia)等を表し、アーカイブ330に維持された機器333のタイプ、構造および構成全体がアーカイブ施設360の意図された動作特性の機能、サンプルストレージ332に維持されたサンプルの状態および組織、ならびに他のファクタであり得る。機器333の例は、試験管、マイクロタイター、または他のマルチウェルプレート、実験用ピペット、貯蔵容器、送付ボックス、および他のパッケージング材料、ものさしおよび天秤等を含み得る。当業者は、本開示の範囲が、機器333の性質または特性によって限定されず、かつ、保管施設360の所望の機能により、異なったタイプの装置が必要とされることを理解する。
【0093】
いくつかの実施形態において、例えば、保管施設360は、生体または非生体サンプルの大規模な貯蔵庫およびソースとして利用され得、従って、このような実施形態における機器333は、送付する間、サンプルを収容する適切なコンテナまたは容器、パッケージング材料、および送付ボックスまたは封筒、サンプルの重量を測定するか、または材料を送付するためのものさしまたは天秤等を含み得る。さらに、あるいは、または、保管施設360は、中央実験室または実験サービスプロバイダとして利用されるように構築され、かつ動作可能であり得る。この最後の実施形態において、ロボティクス331は、例えば、生体および非生体サンプルを用いた特定の実験を実行するための専用の適切または標準化された実験用モジュールを含み得、機器333は、複数のサンプル、抗原、試薬、および他の化学薬品等を収容するように構成されたピペットおよび他の液体コンテナ、マイクロタイタープレートを含み得る。
【0094】
保管施設360の図3における実施形態のロボティクス331は、例えば、コンピュータハードウェアまたはソフトウェアで実現される制御モジュール;コンピュータベースまたは電子的に制御される装置類、サーボ機構、油圧系等;電子回路;オートクレーブ、サーマルサイクラ、または分離装置等の周辺機器;および、機械的インターフェース323を介してコントローラ320によって制御されるべき任意の他のデバイス等の多様な機器およびデバイスを表し得る。いくつかの生体または非生体サンプルアーカイブにおいて、例えば、ロボティクス331は、マシンビジョン装置、光センサ、またはスキャナ、バーコードリーダ等で具現化され得、サンプルストレージ332内の複数のサンプルの中から特定のサンプルを識別し得、この識別は、例えば、自動であり得るか、または、コーディネータ310の入力デバイス313/出力デバイス314を通じてオペレータまたは管理者の制御下にあり得る。
【0095】
サンプルまたはサンプルキャリアを取り出し、および移送する種々のロボティックまたは自動デバイスが当該分野にて公知である。従って、ロボティクス331は、3次元で平行移動、または、そうでない場合、操作され得る、自動的に制御されるアームまたはグリッピングデバイスを備え得る。このようなロボティクス331は、通常、サンプルストレージ332から選択されたサンプルまたはサンプルキャリアを取り出し、コントローラ320におけるプロセッサ321から受信されたデータおよび命令により、取り出されたサンプルキャリアを操作するように構成または動作可能にされ得る。当業者は、ロボティクス331が、図3に示される双方向データ通信を可能にするために十分なコンピュータハードウェアおよびソフトウェア(図示せず)を備え得、さらに、ロボティクス331のいくつかの実施形態は、上述のように、例えば、マシンビジョン、あるいは、バーコードリーダまたは光センサ等の他のサンプルキャリア識別デバイスに接続されたパワフルプロセッサを備え得る。
【0096】
サンプルストレージ332に格納または保管されたサンプルまたはサンプルキャリアを位置調整、識別、取り出し、および操作することに加えて、ロボティクス331は、さらに、それぞれのサンプルに対して、またはこれに関して所望の動作を行うために必要とされる機器333を利用するように動作可能であり得る。上述のように、これらの動作は、洗浄、精製、変更、試験、または実験的分析、置換、パッケージング、送付等を含み得る。
【0097】
この点に関して、ロボティクス331は、例えば、サンプルまたはサンプルキャリアをサンプルストレージ332の容器に配置するように動作可能なサンプル格納デバイスまたは手段;特定のサンプルまたはサンプルキャリアをサンプルストレージ332における複数の保管物の中から見つけ出すための上述の光センサまたはマシンビジョン技術を用い得るサンプル位置特定デバイス;選択されたサンプルキャリアをサンプルストレージ332から取り出すサンプル取り出しデバイスまたは手段;ならびに、後述されるように、同様に、光センサを用い得るサンプルノード除去デバイスで具現化され得る。あるいは、保管施設360で働く技術者は、サンプルキャリアをサンプルキャリア容器内に配置し、サンプルキャリアを識別し、見つけ出し、および取り出し、サンプルを手動で操作し得る。
【0098】
データ格納媒体334は、上述のタイプのハードウェアに組み入れられ得、かつ、サンプルストレージ332内に配置されたサンプルと関連したデータ記録、ロボティクス331および他の機械化または自動化されたデバイスの動作パラメータ、ならびに機器333の可用性および多様性を維持し得る。例えば、格納媒体334は、サンプルの性質またはタイプ(例えば、血液、DNA、タンパク質、環境大気中の粒子または汚染物質)、サンプルのソースまたは出所、サンプルが保管されたデータ、サンプルが取り出された回数、実施された試験または実験等を含むがこれらに限定されないサンプルストレージ334内の各サンプルと関連したデータ記録を維持し得る。同様に、格納媒体334は、保管所330のマルチウェルプレートまたは他のサンプル容器の利用可能な供給、種々のロボティック機器の維持スケジュール等に関連したデータ記録を含み得る。格納媒体334に維持されたデータ記録および他の情報が、コーディネータ310における格納媒体に送信され得、このような送信は、例えば、所定の時間間隔で、あるいは、プロセッサ311からの特定のリクエストまたはインタロゲーションに応答して、周期的に行われ得ることが理解される。
【0099】
アーカイブ330にて用いられるロボティクス331および機器333の性質および多様性は、通常、サンプルがサンプルストレージ332にて維持および格納される様式および形態による影響を受け得る。例えば、サンプルが識別バーコードラベルと共に格納された場合、ロボティクス331は、バーコードリーダを備え得る。すでに簡単に述べたように、異なったタイプの実験用コンテナおよびサンプルキャリアを取り出し、処理し、および置換する特定の自動化されたか、または他のロボティックシステムが公知であるので、サンプルストレージ332は、より詳細に後述される既存のマシンで用いるように構築および構成され得る。
【0100】
サンプルストレージ332は、通常、複数のサンプルキャリア容器を備え得、これらの各々は、1つ以上のサンプルキャリアを収容するように構成され得る。サンプルキャリア容器は、例えば、引き出し、棚、またはラックとして実現され得る。いくつかの実施形態において、サンプルストレージ332は、サンプルを一定または最適湿度および温度で維持するように設計された環境制御室または他の構造であり得、環境パラメータは、サンプルのタイプおよび状態により選択され得る。あるいは、アーカイブ330全体が、単一の環境制御室内に含まれ得る。
【0101】
図4Aは、サンプルキャリアのある実施形態を示す簡略化された図である。図4Aの実施形態において、サンプルキャリア410は、概して、破線499によって表された縦軸を有するフレーム構造を備え得る。キャリア410は、参照符号412で示されるような1つ以上の横方向の(縦軸499に対して)要素、ならびに複数のサンプルサイトの位置調整要素413等を含み得、これらの各々は、所定の空間的関係で1つ以上のサンプルサイト要素414、415を収容する。図4Aには3つの横方向要素412しか示されないが、サンプルキャリア410は、所望に応じて、任意の数のさらなる横方向要素412を備えるように寸法調整され得、あるいは、特定の状況において、3つ以下の横方向要素412が適切であり得る。
【0102】
後述されるように、複数のサンプルを維持するように構成され、かつ動作可能な、参照符号420A〜420Cにより示されるような構造アレイは、各サンプルサイト要素414、415にて支持され得る。構造アレイ420A〜420Cの図示は、例示にすぎず、かつ、明瞭にするために構造アレイ420A〜420Cの特定の物理コンポーネントが図4Aから省略されており、特定の特徴付けが任意の限定的意味で解釈されることを意図しないことに留意されたい。
【0103】
実施形態に示されるように、サンプルキャリア410は、各構造アレイ420A〜420Cが、他の構造アレイに対して、およびそれぞれの試料またはサンプルコンテナに対して所定の空間的関係で支持されるように構成され得る。例えば、構造アレイ420Aは、マルチウェルプレート430内のそれぞれのウェル431Aを係合する位置で支持され得る一方で、構造アレイ420Bは、マルチウェルプレート430内の異なったそれぞれのウェル431Bを係合するように支持され得る。
【0104】
図4Aに示された例示的実施形態において、サンプルキャリア410上のサンプルサイトの所与のロウ、例えば、ロウ416における各構造アレイは、マルチウェルプレート430におけるウェルの対応するロウにおける、すなわち、この例のロウ436における、それぞれの試料またはサンプルコンテナに対して所定の空間的関係で支持され得る。同様に、ロウ417にある各構造アレイ(例えば、構造アレイ420C)は、マルチウェルプレート430のロウ437におけるそれぞれのウェルと係合するように支持され得る。
【0105】
サンプルキャリア410は、横方向の要素412を支持し得る縦方向のフレーム素子418A、418Bをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、縦方向の素子418A、418Bは、サンプルキャリア410に一意的であり得るラベル、タグ、デカール、または他の識別表示419を支持するように構成され、かつ動作可能であり得る。当業者に周知のように、識別表示419は、例えば、バーコード、シリアルナンバー、または他の英数字、または表示方法を含み、かつ、サンプルキャリア410を、図3を参照してすでに示され、かつ記載されたような保管施設において維持される他のサンプルキャリアから区別し得る。
【0106】
サンプルキャリア410の構造素子は、所望の所定の空間的関係で構造アレイ420A〜420Cを支持するために十分な剛性を有する任意の材料から構成され得、例えば、試験管、または、マルチウェルプレートのウェル等のそれぞれのサンプルコンテナの構成または配置による影響を受け得る。さらに、縦方向の素子418A、418Bは、ロボティクスまたは他の自動メカニズムによるサンプルキャリア410の操作および移送を可能にするように構成および寸法調製され得、従って、縦方向の素子418A、418Bは、ハンドリングまたはグリッピングメカニズムによって及ぼされた力に耐えるために適切な材料から構成され得る。従って、サンプルキャリア410の構造素子は、例えば、ポリスチレンまたは種々のプラスチックから製造され得、サンプルキャリア410を不必要に重く、かさばらせることなく、適切な剛性を提供し得る。
【0107】
図4Bは、マルチウェルプレートと係合するように構成されたサンプルキャリアの簡略化された部分的縦断面図であり、図4Cは、マルチウェルプレートと係合するように構成されたサンプルキャリアの簡略化された部分的横断面図である。図4Bに示された断面図は、図4Aの縦軸499に沿ってとられ、これに対して、図4Cに示された断面図は、図4Aにおけるロウ416/436に沿ってとられた。図4Bおよび図4Cに示されるように、横方向の要素412は、サンプルサイト位置調整要素413を支持し得、これにより、各サンプルサイト要素414、415(従って、その関連する構造アレイ420A〜420C)は、マルチウェルプレート430にあるそれぞれの試料またはサンプルコンテナ(ウェル431A〜431C)に対して正確に位置調整される。図4Aに示されるように、構造アレイ420A〜420Cは、明瞭にするために、代表的な形態で示される。
【0108】
いくつかの実施形態において、マルチウェルプレート430は、1つ以上の横方向の凹部432を備え得、図4Aに戻って、凹部432が、縦軸499と直交するように配向され、かつ、ウェル431のロウ436と437との中間に配置され得ることが理解される。凹部432は、サンプルキャリア410がマルチウェルプレート430の十分近くに運ばれたときに、横方向要素412の収容が可能になるような寸法にされ得る。同様に、マルチウェルプレート430は、サンプルキャリア410がマルチウェルプレート430の十分近くに運ばれたときに、サンプルサイト位置調整要素413を収容するような寸法にされた1つ以上の縦方向の凹部433(図4B)を備え得る。
【0109】
ウェル431A〜431C等の試料コンテナは、構造アレイ420A〜420Cに移送されるべき試料材料を含み得る。自動メカニズムまたはロボティクスによって容易にされ得るか、例えば、手動で行われ得る適切な位置合わせの後、サンプルキャリア410およびマルチウェルプレート430は、横方向要素412が凹部432内に入り、サンプルサイト位置調整要素413が凹部433内に入り、かつ、構造アレイ420A〜420Cがウェル431A〜431C内に含まれたそれぞれの試料と接触するように、近傍に運ばれ得る。上述の様式で、試料材料は、構造アレイ420A〜420Cの別個のサンプルノード(図5A〜図5Eを参照して後述される)に移送され得る。
【0110】
当該分野にて公知の種々のマルチウェルプレートにおける431A〜431C等のウェルは、試料材料を液体の形態で収容するために特に適切であり得、しかしながら、ウェル431A〜431Cは、さらに、試料を固体か、または、気体の形態でさえも支持し得ることが理解される。上述のように、試料は、例えば、生体または非生体であり得る。生体試料材料は、タンパク質等のバイオポリマー、または、例えば、DNA等の他のポルヌクレオチドを含み得る。非生体試料の例は、クロロフルオロカーボン、あるいは他の環境または大気中の汚染物質を含み得る。
【0111】
サンプル材料を構造アレイ420A〜420Cへの移送に続いて、サンプルキャリア410が、サンプルストレージおよび保存用の清潔な、または、未使用のマルチウェルプレート430と係合され得る。この実施形態において、マルチウェルプレート430のウェル431〜431C等のサンプルコンテナは、任意の試料または他の材料を含み得ず、かつ、構造アレイ420A〜420Cに維持されたサンプルを、外部ソースまたは他のアイテムとの接触によって導入された汚染から保護し得る。凹部432は、横方向要素412を収容するように構成され、凹部433は、サンプルサイト位置調整要素413を収容するように構成されるので、マルチウェルプレートにサンプルを保存する当該分野にて周知のように、サンプルキャリア410とマルチウェルプレート430との組み合わせは、カバー(図示せず)を収容し得る。
【0112】
縦方向要素418A、418Bは、マルチウェルプレート430の縦方向の側432A、432B、および任意のカバーまたは蓋の側を越えて伸び得る。縦軸499に沿って使用するように適合されたグリッピングまたはハンドリング装置は、縦要素418A、418Bと係合し得、サンプルキャリア410(およびその上に配置された任意の蓋)をマルチウェルプレート430から除去し得、他方、横軸に沿って使用するように適合されたグリッピングまたはハンドリング装置は、マルチウェルプレート430の横方向の側433A、433B、従って、マルチウェルプレート430とサンプルキャリア410とカバーとのアセンブリ全体と係合し得る。上述の実施形態において、標準的プレートカバーは、横方向要素412および縦方向要素418A、418Bの突き出しを可能にするように改変され得る。
【0113】
図5Aは、サンプルキャリアによって用いられる構造アレイのある実施形態を示す簡略化された図式的平面図である。構造アレイ520Aは、通常、図4A〜図4Cを参照して表され、かつ上述されたものに対応する。構造アレイ520Aの配置および構造全体は、例示のために提供されるにすぎない。いくつかの実施形態において、構造アレイ520Aは、例えば、ポリスチレンまたは他のポリマー等の、取り付けられるサンプルキャリアと同じ材料から製造され得る。
【0114】
構造アレイ520Aは、通常、参照符号522および524によって示されるような複数のサンプル構造を備え得る。サンプル構造522および524は、放射状エレメント521または他の適切な構造コンポーネントによって、所定の空間的関係で維持され得る。例示的実施形態において、サンプルノード(図5Aにおける小さい円形で表され、これらの円形の1つが参照符号529によって示される)は、構造アレイ520Aのサンプル構造522、524のそれぞれに除去可能で取り付けられ得、すなわち、各サンプル構造522、524は、別個のサンプルノード529を支持するように動作可能であり得る。次に、各サンプルノード529は、例えば、生体または非生体サンプル材料等の別個のサンプルを支持するように動作可能であり得る。このようなサンプルは、例えば、タンパク質またはポリヌクレオチドを含み得る。
【0115】
サンプルノード529は、取り付け点523、525のそれぞれにてサンプル構造522、524に除去可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、取り付け点523、525は、試料材料または他の汚染物質を有し得ず、これにより、サンプルノード529の選択的除去が、取り付け点523、525との物理的接触を必要とする機械的手段によってさえ、異物、および前の除去動作からの残留物、または他の粒子状物質によって生成される相互汚染のリスクを生じさせない。
【0116】
サンプルノード529は、図5Aに示されるような円形でなくても、均一なサイズでなくてもよく、多数の他の形状およびサイズのいずれかで形成されてもよいことが理解される。図5Bは、サンプルノードの種々の実施形態の簡略化された図である。当業者は、いくつかの多角形、多面体、および球形または長方形が考えられ、かつ、所望のノードサイズおよび密度、ノード529に用いられる材料の飽和限界、後述されるようなノード529を除去するために用いられるデバイスの精度および精密度等の種々のファクタに基づいて選択され得ることを理解する。本開示は、サンプルノード529の形状、サイズ、または寸法特性によって限定されることを意図しない。
【0117】
示されかつ、記載されるようなサンプルノード529は、通常、サンプル支持媒体を備え得るか、または、全体がこれで構成され得、いくつかの実施形態において、例えば、サンプルノード529は、選択されたサンプル支持媒体で単にコーティングされ得る。本発明のある局面によると、サンプルノード529にて用いるためのサンプル支持媒体は、紙またはセルロース、ポリスチレン、プラスチック、あるいは、生体サンプルまたは他のサンプルを乾燥した形態で長期間格納するメカニズムとして利用するように構成され、かつ動作可能な他の適切な支持材料で具現化され得る。個体、液体または気体の形態の試料材料は、サンプル支持媒体と接触し、サンプルとして別個のサンプルノード529に格納され得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、例えば、このようなサンプルサポート媒体は、DNAおよびタンパク質を含むバイオポリマーの乾燥したサンプル、あるいは、フルオロカーボンまたはクロロフルオロカーボン(CFC)および合成化合物を含む非生体サンプルを維持し得る。上述のように、ろ過紙基板の実施形態は、現在、当該分野にて公知であるが、本開示は、このように限定されるべきでない。サンプルノード529での実現に適した支持媒体は、通常、当該分野にて公知の、または公知の原理により開発され、かつ動作可能な任意の適切な材料を含み得、かつ、支持および維持されるべきサンプルのタイプの関数としての結合特性により選択され得る。
【0119】
この点に関して、適切なサンプル支持媒体は、例えば、部分的に、別個のサンプルノード529にサンプルとして格納されるべき試料のタイプに応じて、固形または多孔質であり得る。さらに、あるいは、または、サンプル支持媒体は、例えば、試料と接触する前に種々の結合特性を操作するために、1つ以上の化合物で処理または誘導体化され得る。正または負の電荷、化学組成、結合特性、抗体、レクチン、多孔率、およびサンプルノード529の他の動作ファクタが、実現されるサンプル支持媒体のタイプおよびそこで実行される任意のプロセスのタイプまたは性質によって選択され得る。
【0120】
生体および非生体サンプルは、制御された環境で格納され得る。この点に関して、湿度、温度、および他の環境ファクタが耐火室、または、上述のように、アーカイブとして用いられる他の構造内で制御され得る。いくつかの実施形態において、サンプルの期間を数十年の間保つために、環境条件は、例えば、サンプルの性質、サンプルノード529にて用いられるサンプル支持媒体の組成、またはこれらの両方に応じて選択的に変更され得る。DNA保管の実施形態において、例えば、サンプル支持媒体は、化学的に処理された表面または構造を含み得、特定の試料セルを溶解させ、かつ、別個のサンプルノード529におけるサンプル支持媒体または基板にDNAを固定するために利用される。さらに、あるいは、または、サンプル支持媒体上または中に保存料が付与され、埋め込まれ、または、そうでない場合、組み込まれ得、このような保存料は、DNA構造の安定性および忠実度(fidelity)を保証し得る。図5Aおよび図5Bに表されるような別個のペレットまたは球体で特徴付けされ得るサンプルノード529は、サンプルキャリアから自動的に除去され、かつ、マルチウェルプレートに配置された特定のウェルに選択的に配置され得、特定のウェルに配置されたサンプルは、次に、後続の処理のために選択され得る(例えば、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)アッセイ等)。
【0121】
相互汚染は、サンプルを別個のサンプルノード529に格納することによって実質的に解消される。いくつかの例において、サンプルノード529は、サンプルキャリアから光学的に分離され、これにより、取り出し、抽出、精製、パッケージング、送付の間、機械的サンプル除去デバイスを含む任意の機械的接触を回避し得る。さらに、図4A〜図4Cに示されるようなサンプルキャリアは、標準的ロボティクスによる操作に適用可能であり得、保管施設全体は、自動化が容易であり、高いI/Oレート(例えば、1日に100サンプルを超える)を達成し得る。
【0122】
図3〜図5Bを参照してすでに述べられたように、保管および取り出されたDNAは、大規模な遺伝子分析に良好に適し得、薬理遺伝学または他のタイプの遺伝子発見分析よりも優れている(従来の液相または低温技術に対して)サンプルをもたらし得る。特に、別個のサンプルノード529の実現は、サンプル支持媒体、および、PCR防止剤を減衰させるために利用される任意の埋め込まれた化学薬品の固有の荷重特性(loading properties)のために、DNAストレージの量および質を自動的に標準化し得、従って、従来のDNA抽出における精製に続く定量化手順の要件および複雑性が簡略化されるか、低減されるか、または完全に解消され得る。さらに、乾燥した保管サンプルは、低温システムにおいて一般的であるように、凍結と解凍とのサイクルが繰り返される間に連続的に劣化され得る。
【0123】
図5Cは、サンプルノードをサンプルキャリア構造アレイから除去するシステムおよび方法のある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。示されるように、除去されたサンプルノード529は、標準的または改変されたマルチウェルプレート(図4A〜図4C)におけるウェル531等のサンプルコンテナ内に配置され得、明瞭にするために、構造アレイ520Cが取り付けられたサンプルキャリアの残り、およびマルチウェルプレートの残りが図5Cから省略されている。
【0124】
構造アレイ520Cは、サンプルサイト位置調整要素513およびサンプルサイト要素514によってサンプルキャリアから支持され得る。すでに詳細に記載されたように、別個のサンプルノード529は、取り付け点525にてサンプル構造524に取り付けられ得る。図5Cの実施形態において、レーザ599は、コヒーレント光の形態の十分なエネルギーが取り付け点525に提供され、サンプルノード529を除去し得る。当業者は、サンプルノード529を構造アレイ520Cから除去するために他の手段、またはデバイスが用いられ得、従って、サンプルノード529をサンプル構造524から分離するために必要なエネルギーを提供するために、レーザ599の代わりに、例えば、切断またはクリッピング装置、マイクロ電子技術デバイス(MEMS)、あるいは、フューズ等の電子回路素子が用いられ得ることを理解する。
【0125】
別個のサンプルノード529は、所与のサンプルキャリアの耐用期間の間、構造アレイ520Cから除去されるので、より少ないサンプル構造522、524が、サンプルノード529を支持し、すなわち、より少ないサンプルノード529が残る。従って、例示的な図5Cの実施形態におけるレーザは、除去する目的の特定のサンプルノード529の位置を識別するか、そうでない場合、突き止めることが可能であり得る。この点に関して、各サンプル構造522、524およびそれぞれの取り付け点523、525は、例えば、アドレス指定され、かつ、カタログ化され得る。
【0126】
アドレス指定または位置特定情報は、図3を参照してすでに記載されたように、データ格納媒体に格納され得、レーザ599または他のサンプルノード除去手段が、構造アレイ520C上で別個のサンプルノード529を支持する特定の取り付け点523、525を識別および狙うことを可能にし得る。構造アレイ520Cの特定の構造の配列または構成が知られており、かつ、サンプルノードアドレス指定情報が1つ以上のデータ記録として格納される場合、コンピュータ化されたロボティックシステムまたはコンピュータ標的(computer−targeted)レーザ599が、選択されたサンプルノード529を除去するために正確に制御され得、同様に、このシステムには、更新されたデータ記録に従って、除去されたサンプルノードについて通知され得、これにより、後続のサンプルノード除去動作のための、構造アレイ520C全体の詳細な検索は必要とされ得ない。
【0127】
さらに、あるいは、または、レーザ599、または、例えば、ロボティッククリッピングメカニズム等の別のサンプル除去デバイスに、マシンビジョンまたはたの光センサが備えられ得る。この実施形態において、サンプルロケータデバイスは、光学的情報を収集し得、この情報は、次に、レーザ599等のサンプルノード除去装置を双方向の様式で導くために用いられ得、すなわち、システムは、サンプルノード529を支持するサンプル構造522、524が検出されるまで、各サンプル構造522、524を、例えば、所定の順序で秩序だてて、または、オペレータの制御下で検査し得る。この実施形態は、構造アレイ520Cのすべてのコンポーネントの構成または配向が未知であるか、または変更された(例えば、破損または構造障害により)か、または、所与の構造アレイ520Cのサンプルノード除去動作の履歴が未知であるような状態で実現され得、このような状態において、残りのサンプルノードの位地の詳細な「マップ」または他の表示は利用可能になり得ない。
【0128】
図5Dは、サンプルノードをサンプルキャリア構造アレイから除去するシステムおよび方法の別の実施形態を示す簡略化されたブロック図である。図5Cの実施形態におけるように、除去されたサンプルノード529は、標準的または改変されたマルチウェルプレート、試験管、または他の容器内のウェルなどのサンプルコンテナ531に配置され得る。サンプル構造位置調整要素の図5Dからの省略は、所与のサンプルキャリアが単一の構造アレイ520Dのみを支持し得るという事実を表す。
【0129】
この実施形態において、構造アレイ520Dは、単にサンプルサイト要素514によって支持され得、実質的に上述のように、これは、ラベル、またはバーコード、シリアルナンバー等の他の識別表示519を有する識別構造518を含み得る。
【0130】
サンプル除去デバイス599は、サンプルノード529を構造アレイ520Dから除去するために用いられ得、従って、サンプル除去デバイス599は、通常、光学コンポーネント598、位置調整コンポーネント597、およびクリッピングコンポーネント596を備え得る。
【0131】
光学コンポーネント598は、通常、電磁スペクトルの種々の部分に対して敏感な器具またはレセプタを用いて、構造アレイ520Dのエレメントを識別するか、または見つけ出すことができるマシンビジョン技術、ビデオカメラ、または他の光センサを備え得る。この実施形態において、構造アレイ520Dの構成および配列を突き止めるために、光学情報(スペクトルの可視の部分からの)または他の電磁情報(例えば、マイクロ波、または赤外線周波数等)が用いられ得る。上述の情報は、例えば、サンプル除去デバイス599の残りのコンポーネントを自動化するために用いられ得、完全に自動化されたロボティックシステムは、光学コンポーネント598の機能の周囲に展開され得る。あるいは、光学コンポーネント598からの出力は、光学コンポーネント598によって取得および提供された構造アレイ520Dに関する光学情報により、サンプル除去デバイス599の他のエレメントを制御し得るシステムオペレータに転送され得るか、そうでない場合、視覚的に表示され得る。
【0132】
自動化されるか、または、オペレータによって制御されるかに関わらず、位置調整コンポーネント597が用いられ、目標のサンプルノード529を除去するために、クリッピングコンポーネント596を構造アレイ520Dに対して適切な位置に導き得る。この点に関して、
位置調整コンポーネント597は、セルボ;モータ;油圧または電気機械アーム;付属器、またはコンベヤ;ジャイロスコープ;回転シャフト;ピストン;ギヤ;ガイドレール;支持ビーム、および、当業者に公知の装置を3次元で平行移動および互いに関連付ける他のエレメントのいくつか、またはすべてを備え得る。
【0133】
上述のように、位置調整コンポーネント597は、クリッピングコンポーネント596または別のサンプルノード除去装置を移動させるように動作可能であり得る。さらに、あるいは、または、位置調整コンポーネント597は、構造アレイ520Dまたはこれが取り付けられたサンプルキャリアを移動させるように構成され、かつ動作可能であり得る。例えば、構造アレイ520Dまたは他のサンプルキャリアは、1次元または2次元で平行移動する可動ステージに取り付けられ得る。位置調整コンポーネント597がクリッピングコンポーネント596を移動させるか、構造アレイ520Dを移動させるか、またはこれらの両方を移動させるかに関わらず、このような機械的位置調整システムは、サンプルノード除去デバイスを構造アレイ520Dに対する所望の位置に運び得、すなわち、目的のサンプルノード529の除去を可能にし得ることが理解される。
【0134】
図5Cを参照してすでに述べられたように、レーザ、マイクロ電子技術デバイス(MEMS)等の種々のデバイス、あるいは、電子回路素子が、目的のサンプルノード529を構造アレイから除去するために用いられ得る。例示的な図5Dのクリッピングコンポーネント596の実施形態は、取り付け点525にてサンプル構造524を切り離すように動作可能であり得る機械的クリッパ595を備える。クリッパ595等の機械的デバイスの使用は、通常の動作中にサンプル構造524との物理的接触を必要とし得ることが理解され、あるサンプル除去動作から次のサンプル除去動作への相互感染のリスクを回避するために、サンプル構造524は、クリッパ595が接触する地点での試料材料、または他の可能な汚染物質を有しないことを保証することが所望され得る。
【0135】
図5Eは、サンプルノード識別または位置特定システムのある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。図1〜図3に示されるような保管施設に維持されるサンプルの密度を最大化するために、保管されるべき生体分子(例えば、DNAおよびタンパク質等)または非生体サンプルは、後続の識別のために、電子的にタグ付けされ得る。最近、能動的ドラッグデリバリー技術において用いるために、研究者によってマイクロトランシーバシステムが開発および提示された。図5Eに示されるように、例えば、電子マイクロトランシーバ590Aが別個のサンプルノード529内に統合され得、さらに、あるいは、または、トランシーバ590Bは、取り付け点525の近傍のサンプル構造524に取り付けられるか、または内蔵され得る。
【0136】
上述のように、生体分子または他のサンプル材料は、高密度で保管するために、サンプルノード529の表面上に取り付けられ得る(か、または、サンプル支持媒体内に貫入され得る)。マイクロトランシーバ590A、590Bは、全方向性RF信号を送信し得、例えば、ロボティックシステムの受信器が、関連した署名信号周波数、送信パターン、または他の情報を用いて、サンプルノード529を識別または見つけ出すことを可能にする。この実施形態において、トランシーバ590A、590Bによって送信されたただ1つの信号は、図5Dにおける位置調整コンポーネント597によって受信され、ロボテシック計器類、またはサンプル除去コンポーネント596の位置調整に向けるように用いられ得る。
【0137】
さらに、あるいは、または、保管施設にて維持されたリモートコントロールシステムは、信号を、トランシーバ590Aおよび590Bに送信して、MEMSの動作を開始するか、または、サンプルノード529をサンプル構造524から除去するように動作可能な活性マイクロ回路または回路素子に送信し得る。上述の様式で、サンプルノード除去は、トランシーバ590Aおよび590Bに送信された信号に基づいて、電子的に引き起こされ得る。
【0138】
上述のように、サンプル構造524が、相互汚染のリスクを回避するために、試料材料または他の可能な汚染物質を有さないことを保証することが所望され得る。図5Eの実施形態は、機械的クリッピングデバイスがサンプル構造524と接触し得る地点を表す領域594を示す。さらに詳細に後述されるように、試料材料がサンプルノード529に移送された後で、サンプル構造524、あるいは構造アレイまたはサンプルキャリア全体が、例えば、洗浄されるか、浄化されて、汚染物質または試料残留物を領域594、またはサンプル構造524全体から除去し得る。
【0139】
図6は、分析のための保管サンプルを準備する方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。分析されるべき保管サンプルは、ブロック601にて識別または選択され得る。例えば、研究者は、利用可能なサンプル(例えば、図1〜図3を参照してすでに記載された保管施設に維持された)のリストまたはカタログをブラウズし得、保管サンプルのリストは、さらに、例えば、上述のように、サンプルソースと関連した情報を含むデータ記録と相互参照され得る。この意味で、分析されるべきサンプルを識別または選択することによって、意図された分析手順に適切であり得るサンプルまたはサンプルのタイプを指定するか、そうでない場合、示すプロセスを単に表し得る。
【0140】
ブロック602にて示されるように、適切なサンプルまたはサンプルタイプが識別されると、1つ以上の適切なサンプルノード(すなわち、選択されたサンプルを保持するサンプルノード)が識別され、かつ見つけ出され得る。ブロック601におけるサンプルの識別に関するように、ブロック602にてサンプルキャリアを見つけ出すステップが、例えば、研究者または技術者によって手動で実行され得、あるいは、図3〜図5を参照してすでに記載されたように、サンプルの識別およびサンプルキャリアを見つけ出すことは、例えば、バーコードリーダおよびロボティックサンプルキャリア取り出し装置で自動的に行われ得る。
【0141】
ブロック603および604において、図5C〜図5Eを参照してすでに述べられたように、構造アレイおよびサンプルノードが識別され、かつ見つけ出され得る。正確な宛先または位置特定情報は、データ格納媒体内に維持され得、これにより、構造アレイおよび特定のサンプルノードの位置特定が、光学系またはマシンビジョン技術を用いずに達成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、別個のサンプルノードを、能動的に、例えば、光センサまたはビデオ信号情報の支援により識別し、かつ見つけ出すことが所望され得る。
【0142】
ブロック605の1つ以上の識別されたサンプルノードの除去は、サンプルノード除去デバイス、または、サンプルノードをそれぞれのサンプル構造から分離する手段を実装することを必要とし得る。上述のように、適切なデバイスまたは装置は、標的レーザ(targeted laser);自動または手動で制御されるクリッピング、切断、スライシング、破壊ツール;図5A〜図5Eに示された構造アレイのコンポーネント上で機動するように十分に小さく、かつ小回りがきき得るプログラム可能MEMS;風を送ると、取り付け点を破壊するために十分な熱を生成し、これにより、サンプルノードをそれぞれのサンプル構造から分離し得る電気フューズ;あるいは、サンプルノードを除去するためにサンプル構造に十分なエネルギーを送達するように構成され、かつそのように動作可能である任意の他のメカニズムを含むが、これらに限定されない。
【0143】
上述のように、各構造アレイ、従って、そのサンプルノードは、特に、1つ以上のサンプルコンテナに対して、所定の空間的関係で位置調整および寸法調整され得る。構造アレイから除去されたサンプルノード(ブロック605)は、マルチウェルプレート、試験管、または他の実験用または格納容器、紙または厚紙の束、送付用コンテナ等のサンプルコンテナ内に配置され得る。
【0144】
ブロック606にて示されたように、除去されたサンプルノードは、分析のために準備され得る。図6の実施形態において示された準備は、特に、反応物または他の化学物質のサンプルコンテナへの追加、サンプルキャリアから除去されたサンプルの精製、洗浄、パッケージング、および、分析のために遠隔地への送付または他の運搬等のいずれかまたはすべてを表し得る。
【0145】
図7は、サンプル保管方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。ブロック701に示されるように、格納または保管プロセスは、通常、患者または他の試料ソースから同意を取得することで開始し得る。はるかに従来の保管プロセスに近いのは、保管施設で行われるべき研究、および試料ソースの機密性を保証するための保管施設によって用いられる任意の技術またはテクノロジーの性質を説明した後、専門のリクルータによってインフォームドコンセントが取得され得る。非生体試料の場合、例えば、ブロック701にてインフォームドコンセントを取得することは、不可能であり得、かつ不必要であり得ることが理解される。
【0146】
試料ソースに関係または関連する情報は、ブロック702に示されるように取得され得る。例えば、質問票または他の用紙が、熟練の専門家の支援により試料ソース(例えば、患者または患者の保護者あるいは代理人)によって記入され得、質問票または用紙は、電子的、プロンプトコンピュータ入力応答であり得る。さらに、あるいは、または、試料ソースから取得された情報のいくつか、または、すべては、口述または手書きであり得、この例示的実施形態において、技術者またはデータ入力専門家は、重要な情報をデータベース内に記録するためにコンピュータに入力し得る。標準化または改変されたコンピュータスプレッドシート、またはデータベースと互換性がある他の独自のアプリケーションソフトウェアは、データを記録(recordation)するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、データ転写エラーが最小化され得、ソースおよび試料に固有の情報がコンピュータ化されたシステムに直接入力された場合に最大効率が達成され得る。
【0147】
ブロック703に示されるように、一意的コード、シリアルナンバー、または他の識別子が、試料およびそのソースと関連した情報に割り当てられ得る。図4Aおよび図5Dのサンプルキャリアを参照してすでに詳細に示され、かつ記載されたように、特定のサンプルを識別するために、それぞれのバーコードまたは他の識別表示が用いられ得る。図7の実施形態のように、試料およびソース固有情報の場合、このような識別子は、保管プロセスの初期に、場合によっては、さらに試料が取得される前に割り当てられ得る。試料ソースの、例えば、ソースの病歴、または他の重要な情報などとの識別および正確な関連付けおよび相互参照が、例えば、大規模なDNAまたは遺伝子研究における効率および結果の適切な解釈を助長し得る。
【0148】
ブロック704に示されるように、試料およびソースに固有のデータは、データ記録としてデータベースに記録され得る。当該分野にて周知のように、データ記録は、上述のように、これと関連した一意的識別子により査定または取り出され、かつ割り当てられ得る。図3を参照してすでに示され、かつ記載されたように、中央情報レポジトリとして利用されるデータ格納媒体は、保管施設における種々の位置に維持され得る。データは、例えば、上述のようなネットワーク接続を介して保管施設に送信され得、この点に関して、SSL(Secure Sockets Layer)暗号化技術(128ビット暗号化)を用いる安全なインターネット接続か、または、VPN接続(168ビット暗号化)が機密情報のデータインテグリティおよび機密性を保証し得る。貢献する各試料ソースと関連し、かつ、保管施設に送信される情報は、データベースの要件によりフォーマット化され得、例えば、次に、ネットワーク接続を介して保管施設クライアントに利用可能にされ得、いくつかの実施形態において、データベースフォーマットおよびアクセス認可は、試料ソースの機密性を保つように選択され得る。
【0149】
ブロック705に示されるように、試料は、ソースから取得され、かつ正確な一意的識別子と関連付けられ得る。例えば、血液は、病理学看護スタッフによって患者から採取され得る。図4および図5を参照してすでに詳細に記載されたように、標準的な血液の採取量の一部(例えば、全10mlの採取のうち約1〜5ml)がサンプルキャリアと共に用いるためにサンプルを作成するために用いられ得る。
【0150】
この実施形態によると、サンプルキャリアは、通常、1つ以上の構造アレイを支持し得、各々は、複数の別個のサンプルノードを含む。上述のように、各サンプルノードは、サンプル支持媒体上にサンプルを保持するように動作可能であり得る。血液採取のいくらかは、試料コンテナ、例えば、試験管、またはマルチウェルプレートにおける1つ以上のウェルに配置され得る。サンプルキャリアの構造アレイは、選択的に、それぞれの試料コンテナの近傍に配置され得、これにより、複数のサンプルノードが、それぞれの試料に選択的に露出される。サンプルノードにおけるサンプル支持媒体は、それぞれの試料コンテナに配置された血液を吸収、溶解、または、そうでない場合、結合され得る。ブロック706にて表されるように、上述の例示的様式で、試料材料は、別個のサンプルノードに移送され得る。いくつかの実施形態において、保存料が添加され得るか、または、サンプルノードが乾燥され、これにより、各サンプルが乾燥形態で維持されることが可能になり得る。
【0151】
サンプルノードまたはサンプルキャリア全体が、上述のように、試料残留物またはサンプル構造からの他の汚染物質を除去するために、例えば、洗剤または他の化学物質で洗浄またはすすがれ得る。ブロック707に表される浄化プロセスは、サンプル除去デバイスの動作によって潜在的に導入された相互汚染のリスクを低減し得る。
【0152】
図4Aおよび図5Dを参照してすでに述べられたように、サンプルキャリアは、バーコード、ラベル、タグが付けられるか、または、そうでない場合、自動化されたか、または手動のサンプルおよびサンプルキャリアのトラッキングを容易にし得る光学スキャナまたはマシンビジョン技術によって解読可能な一意的識別表示が提供され得る。特定のサンプルキャリア上のバーコードまたは他の識別がサンプルキャリア上の各構造アレイについて用いられる試料のソースと関連した情報を提供し得、さらに、識別表示は、各構造アレイの構造配列またはコンフィギュレーションと関連した情報、すなわち、特定の構造アレイにおける別個のサンプルノードの数、各別個のサンプルノードの空間的配向に関する情報等もまた提供し得る。ブロック708に示されるように、サンプルキャリア内の各サンプルの位置が記録され得、この記録は、バーコードまたはサンプルキャリアの他の表示の作成と調整され得る。
【0153】
カバーされた格納キャリアは、遠隔地、すなわち、試料が取得されたサイトから、保管施設に、通常、至急便で送付され得る。血液または他の生体サンプルを乾燥またはドライの状態で送付することによって、危険な材料として扱うことが必要とされないので、乾燥させたサンプルを支持するサンプルキャリアは、世界中のどこにでも都合よく送付され得る。
【0154】
図3を参照してすでに記載されたような保管施設にて、サンプルキャリアを容器に配置するために、ロボティクスまたは自動化された機械的システムが用いられ得る(ブロック709)。容器は、棚、引き出し、ラックまたはサンプルキャリアを収容するように構成された他の構造で具現化され得、従って、保管施設における入れ物の形状および特定の構造的構成は、通常、格納されるべきサンプルキャリアのタイプおよび構成の関数であり得る。
【0155】
ある実施形態において、格納および取出しするために自動化された棚または入れ物は、図4Aを参照してすでに記載されたように、マルチウェルプレートと係合するサンプルキャリアを収容するように構成され得る。この実施形態において、サンプルキャリアの縦方向のフレームエレメントは、マルチウェルプレートを超えて延び得る。ロボティックグリッピングメカニズムは、容器に対するグリッピングメカニズムの配向に応じて、アセンブリ全体(すなわち、サンプルキャリアおよびマルチウェルプレート)か、または、サンプルキャリアのみを捕捉し得る。
【0156】
図7の実施形態に代わる種々の実施形態が存在すること、および、個々のブロックの提供される順序は、他の可能性を排除する特定の動作のシーケンスを示すことを意図しないことが理解され、特殊な用途およびシステム要件全体が、図7において述べられた最も効率的な、または所望の動作のシーケンスを要求し得る。例えば、試料の取得および識別子との関連付け(ブロック705に表される)は、一意的識別子を割り当てるために適切な備えがなされたと仮定すると、ブロック704に先行してもよく、または、ブロック702のソース固有の情報を取得する前でさえも行われてもよい。同様に、ブロック708のサンプルの位置の記録は、特定の状況において、ブロック706における別個のサンプルノードに試料材料を移送することに先行するか、またはこれと同時に行われてもよい。
【0157】
図8は、分析するために保管サンプルを取り出し、および準備する方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。ブロック801に示されるように、例示的実施形態における保管サンプル取り出しプロセスは、通常、リクエストを受信することで開始し得る。医療研究者または技術者は、例えば、血液またはDNAサンプルを取り出すことをリクエストし得る。このようなリクエストは、リモートネットワーククライアントから通信ネットワークを横断して送信され得る。研究者が特定の疾病または特定のタイプの分析に関心を有するような状態において、このリクエストは、例えば、特定のタイプの実験または分析に関する重要な情報と関連付けられ得るか、またはこれを含み得る。
【0158】
図1〜図3を参照してすでに示され、かつ記載されたような実施形態において、リモートネットワーククライアント位置特定を用いる研究者は、ネットワークを介して保管施設にリクエストを送信し得る。遠隔の問い合わせは、意図された実験に適切であり得るサンプルの利用可能性を確認しようとし得、かつ、サンプルおよびサンプルソースに関するデータ記録または他の臨床情報にアクセスするためのリクエストを含み得、上述のように、このようなデータ記録は、保管施設における1つ以上のデータ構造に維持され得る。例えば、ブール検索の照会、または、通常、当該技術において公知の他のデータ検索技術を通じて、リクエストに応答して1つ以上の適切なサンプルが識別され得、特定のサンプルの適性は、適切な臨床データおよび履歴に基づき得る。サンプルの識別は、通常、ブロック802に示され、かつ、指定されたか、または、特定されたサンプルカテゴリーまたはサンプルタイプからサンプルを無作為に選択することによって容易にされ得る。従って、複数のサンプル(これらのすべては選択された基準を満たす)を含む広範囲なカテゴリーは、所定のカテゴリー内の特定のサンプルの無作為な選択により、自動的に狭められ得る。
【0159】
いくつかの実施形態において、識別されたサンプルのいくつかまたはすべてを特定する発注書が発行され、次に、サンプルを遠隔地に送付する準備をすることがリクエストされ得、さらに、あるいは、または、研究者は、特定の分析、実験、またはその一部分が、保管施設において識別されたサンプルを用いて実行されることをリクエストし得る。任意の場合に、識別されたサンプルを支持するサンプルキャリアが保管施設において見つけ出され得る(ブロック803)。上述のように、特定のサンプルキャリアを見つけ出し、かつ取り出すことは、保管施設における各サンプルキャリアに一意的識別表示が配置されることによって容易になり得、ロボティクスおよびマシンビジョンまたはバーコードリーダ技術は、サンプルキャリアを自動的に見つけ出し、かつ取り出すことを可能にし得る。あるいは、保管施設にいる技術者または管理者は、ブロック803において、1つ以上のサンプルキャリアを手動で見つけ出し、かつ取り出し得る。
【0160】
ブロック804に示されるように、分析するためのサンプルの準備は、図4および図5に示されたサンプルキャリアを参照してすでに述べられたように、取り出されたサンプルキャリア上の別個のサンプルノードの位置を検出することを包含し得、構造アレイおよびサンプル構造は、互いに対して、あるいは、試験管、または、マルチウェルプレートにおける特定のウェル等のサンプルコンテナに対して所定の空間的関係で複数の別個のサンプルノードを支持し得る。サンプルノードは、耐用期間の間に特定のサンプルキャリアから除去されるので、サンプルノードが依然として取り付けられているサンプル構造の効率的な検出がシステムスループット全体を向上させ得る。上述のようにサンプルキャリア上のサンプルノードの位置を検出することによって、特に、前のサンプル除去動作に関するデータ記録、マシンビジョンまたは光学技術、あるいは、ロボティックサンプル除去メカニズム用のオペレータによって支援される位置調整ツールによって容易になり得る。
【0161】
ブロック805に示されるように、検出または位置特定に続いて、別個のサンプルノードは、サンプルキャリアから除去され得る。図5Cに示されるように、サンプルノードの除去は、光学機器を用いて実行され得、上述のように、図5の実施形態は、材料が機械的サンプル除去ツールまたはデバイスによって、あるサンプルから次のサンプルに移送されるために、相互汚染のリスクを実質的に解消し得る。特に、図5Cの実施形態は、正確な位置調整システムに接続されたレーザを用い得、レーザとして働くコヒーレント光は、サンプルノードを支援するサンプル構造を切り離し得、さらなる処理のためにサンプルノードをサンプルコンテナに配置する。
【0162】
あるいは、ブロック805にて、機械的クリッパ(図5D)または等価の切断デバイスが、サンプル除去のために用いられ得、機械的サンプルノード除去ツールを利用するある実施形態において、このツールは、除去されるべきサンプルノードを支持するサンプル構造とだけ接触するように構成され、かつ動作可能であり得る。従って、サンプル間の相互汚染は回避され得る。なぜなら、サンプルノード除去デバイスは、いずれのサンプル材料とも接触しないからである。
【0163】
決定ブロック806にて、サンプルの送付に関する決定が下され得る。例えば、送付のリクエストが研究者によってなされた場合、サンプルノードが配置されたサンプルコンテナが送付のためにシールおよびパッケージングされ得、ブロック807に示されるように、サンプルは、送付の前に1つ以上の適切な手順で精製され得、これにより、遠隔地に到着すると、サンプルは、即時実験できる状態であり得る(ブロック899)。特殊な例において、PCR増幅が送付の前に行われ得、サンプルノードのサンプル指示媒体に取り付けられたDNAは、DNAテンプレートとして利用され得、PCR反応物は、その後、サンプルコンテナ内に直接配置され得る。
【0164】
送付がリクエストされないか、または、送付前の分析がリクエストされる場合、処理は、ブロック808に示されるように、リクエストに従って行われ得る。上述のように、保管施設または遠隔地の施設において、種々の試験、実験および分析が行われ得る。試験結果、データ、または他の重要な情報が、ブロック809に示されるように記録され得、さらに、あるいは、または、取得されたデータは、図1〜図3を参照してすでに述べられたように、特定のリクエストに応答するか、または自動的に、例えば、ネットワーク接続を介して遠隔地の研究者に送信され得る。
【0165】
当業者は、図8の実施形態が例示として提供されにすぎず、これに代わる種々の代替的実施形態が存在することを理解する。保管施設での処理、および遠隔地へのサンプルの送付の両方を含む実施形態において、ブロック807および899に示される動作が、ブロック809の実験結果の記録および送信に続き得る。別の代替的実施形態として、決定ブロック806における決定は、リクエストの受取り(ブロック801)、またはサンプルの識別(ブロック802)の直後に続き得、この実施形態において、例えば、サンプルキャリア全体が、サンプルノードの検出、除去、または分析なしに、単に遠隔地に直接送付され得ることが可能である。
【0166】
サンプルの保管および取り出しに加えて、無数のDNA分析サービスが系列の遺伝子研究企業と関連したリモートクライアントに提供され得る。例えば、研究者は、サンプルそれ自体にではなく、特定の患者またはサンプルクラスの遺伝子タイプに主に関心を有し得る。この状態において、リモートクライアントは、関心のある特定のサンプルまたはサンプルカテゴリだけでなく、関心のある特定の遺伝子または遺伝子シーケンスも特定し得る。例えば、保管施設と契約関係にある系列企業は、選択されたサンプルの遺伝子型を決定するために用いられるカスタムDNAチップを設計し得、従って、遺伝子型決定の結果は、リモートクライアントに電子的に送信され得る(例えば、セキュアな、または暗号化されたネットワーク接続を介して)。上述のように、サンプルノードは、標準的なマイクロタイタープレートで送達され得るので、サンプルは、後続の所望の実験または分析のために直ちに増幅するために適した状態で送達され得る。
【0167】
上述の実施形態は、規模が拡大縮小でき、多数の保管施設が用いられ、かつネットワーク化されるので、DNAに向けられた治療法を明らかにし、最終的に、多数の遺伝子疾患を治癒させるために、サンプルおよびサンプルソースに関する情報の極めて大きいデータベースを統計的に調べることができ得る。
【0168】
本発明は、例示的に特定の実施形態を参照して詳細に示され、かつ記載されたにすぎず、限定的ではない。当業者は、開示された実施形態に種々の改変が本発明の範囲および主旨に含まれることを理解する。従って、本発明は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】図1は、自動化されたサンプル保管および取り出しシステムのある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。
【図2】図2は、自動化されたサンプル保管および取り出しシステムのある実施形態の一般的動作を示す、簡略化されたブロック図である。
【図3】図3は、サンプル保管施設および自動化された保管管理システムのコンポーネントを示す簡略化されたブロック図である。
【図4A】図4Aは、サンプルキャリアのある実施形態を示す簡略化された図である。
【図4B】図4Bは、マルチウェルプレートと係合するように構成されたサンプルキャリアの簡略化された部分的縦断面である。
【図4C】図4Cは、マルチウェルプレートと係合するように構成されたサンプルキャリアの簡略化された横断面である。
【図5A】図5Aは、サンプルキャリアによって用いられる構造アレイのある実施形態を示す簡略化された図式的平面図である。
【図5B】図5Bは、サンプルノードの種々の実施形態の簡略化された図である。
【図5C】図5Cは、サンプルキャリア構造アレイからサンプルノードを除去するシステムおよび方法のある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。
【図5D】図5Dは、サンプルキャリア構造アレイからサンプルノードを除去するシステムおよび方法の別の実施形態を示す簡略化されたブロック図である。
【図5E】図5Eは、サンプルノード識別または位置特定システムのある実施形態を示す簡略化されたブロック図である。
【図6】図6は、分析するために保管サンプルを準備する方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。
【図7】図7は、サンプル保管方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。
【図8】図8は、分析するために保管サンプルを取り出しおよび準備する方法のある実施形態を示す簡略化されたフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−271048(P2009−271048A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207497(P2008−207497)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【分割の表示】特願2003−541634(P2003−541634)の分割
【原出願日】平成14年11月7日(2002.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504177192)ジェンボルト コーポレーション (6)
【Fターム(参考)】