説明

サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理するシステムおよび方法

本発明は、実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理するシステム(100)に関する。システムは、サンプルに対して少なくとも1つのテストを実行するように構成された少なくとも1台の分析装置(20)と、データ交換のために少なくとも1台の分析装置(20)と接続された管理装置(10)とを備え、前記管理装置(10)はサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を保存し、要求に応じて表示し、予定される閾値に関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実効値を動的に制御し、所定の実行計画予定にしたがって実効値が予定された閾値に一致するとすぐに少なくとも1つの処置を開始するように構成される。さらに、本発明は実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する適切な管理装置および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理するシステムおよび方法に関する。さらに、本発明は、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する管理装置に関する。また、本発明は、適切なコンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品およびコンピュータ可読媒体も参照する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査室は、日々数百から数千の患者サンプルテストを生じさせている。報告された正常範囲外のテスト結果またはデルタチェック違反等の他の異常の場合、要求者はおそらくたとえば薬物療法のような適切な処置を開始している。これは非常に微妙な領域であるため、実験室は潜在的な傷害の場合、または告発された場合には長期間に渡って患者のサンプルテスト結果を保管しなければならない。このような期間は最長15年に及ぶこともある。
【0003】
したがって、該当する実験室は、たとえば特定分析装置によってある特定の患者のサンプルテスト結果がどのようにして、およびどのような条件下で生成されたのかを要求に応じて検証するために、純粋な患者のサンプルテスト結果の他に、それぞれの結果コンテキスト情報もやむなく保存している。この完全な情報、つまり患者サンプルテスト結果および対応するサンプルテストコンテキスト情報は、要求に応じて、該当する実験室が国家規制、国際規格または内部品質SOP(標準操作手順書)にしたがって活動していることを論証するために記録されなければならない。
【0004】
特定の患者サンプルテスト用に使用される各試薬パッケージには、試薬ロット番号が関連付けられている。同様に、特定の分析装置が管理下にあるかどうかを確認するために品質管理測定に使用される管理材料は、品質管理ロット番号に関連付けられている。較正のために使用される較正器も、較正器ロット番号と関連付けられている。
【0005】
加えて、実験室は、実験室が要求に応じて患者サンプルに対して特定のテストをつねに実行できるように、言及された異なる材料の、すなわち品質管理材料の、および較正器の所定の貯蔵器をつねに提供しなければならない。実験室環境の中では、それらの材料がつねに十分な所定量で入手できることは、安全性のために非常に重要である。
【0006】
異なるロット番号は、前述した結果コンテキスト情報の中に含まれ、したがって対応するサンプルテスト結果と直接的に関連付けられている。
【0007】
現在、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報は、たとえばホストシステム、分析装置、または用紙のようなさまざまなソースに記憶されている。さらに、特定のサンプルテストを実行しなければならない場合に要求に応じて入手できなければならない異なる材料の貯蔵器は現在別に管理されている。
【発明の開示】
【0008】
したがって、容易にかつ便利な方法で一箇所の実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する方法およびシステムを提供することが望ましい。
【0009】
請求項1の特徴を備えたシステム、請求項15の特徴を備えた管理装置、および請求項18の特徴を備えた方法が提案されている。
【0010】
本発明によれば、実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理するシステムが提供され、システムは、サンプルに対して少なくとも1つのテストを実行するように構成された少なくとも1台の分析装置と、データ交換のために少なくとも1台の分析装置と接続する管理装置とを備える。管理装置は、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を保存し、要求に応じて表示し、予定される閾値に関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実効値を動的に制御し、所定の実行計画予定にしたがって実効値が予定された閾値に一致するとすぐに少なくとも1つの処置を開始するように構成されている。
【0011】
また、本発明は、実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する管理装置も参照する。提案されている管理装置は、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を保存するためのデータベースと、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を要求に応じて表示できる出力手段と、少なくとも1つの分析装置からサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報をダウンロードできる接続手段と、予定されている閾値に関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実効値を動的に制御し、所定の実行計画予定にしたがって実効値が予定された閾値に一致するとすぐに少なくとも1つの処置を開始することができる手段とを備える。
【0012】
さらに、本発明は実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する方法も開示する。該方法は、
−少なくとも1台の分析装置によって少なくとも1つのサンプルに対して少なくとも1つのテストを実行する工程と、
−少なくとも1台の分析装置から、データ交換のために少なくとも1台の分析装置に接続されている管理装置に該当するサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を転送する工程と、
−サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を記憶する工程と、
−サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を要求に応じて表示する工程と、
−予定されている閾値に関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実効値を制御する工程と、
−所定の実行計画予定にしたがって、実効値が予定されている閾値に一致した場合に少なくとも1つの処置を開始する工程と、
含む。
【0013】
本発明に係るシステムの一実施形態においては、システムは、測定済みのサンプルを保管するように構成された少なくとも1台の後分析装置、および/または分析装置のためにサンプルを準備するように構成された少なくとも1台の前分析装置をさらに備える。
【0014】
後分析装置および/または前分析装置もデータ交換のために管理装置に接続することが可能である。
【0015】
さらに、少なくとも1台の前分析装置だけでなく、少なくとも1台の後分析装置も提供される場合には、それらの装置を1台または複数の共通した物理的機器の中で統合することが可能である。
【0016】
本発明に係るシステムの他の実施形態によれば、管理装置は任意の標準ホストインタフェースプロトコルを介して、特にASTMまたはHL7を介して1台または複数のホスト構成要素と通信できる。
【0017】
本発明に係るシステムのさらに他の実施形態によれば、管理装置は、管理装置のデータベース内に記憶されているサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報へのアクセスを提供し、このようにしてユーザが患者に属する1つまたは複数のサンプルのサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を取り出すことができるようにするグラフィカルユーザインタフェースを備える。グラフィカルユーザインタフェースは、ウィンドウ、アイコンおよびメニューを使用し、たとえばコンピュータマウスまたはキーボードを介してユーザによって操作することが可能であるため、ユーザは一種のダイアログを保持することにより管理装置と効果的に対話できる。ウィンドウは、通常は適切な表示画面の矩形の部分であり、該表示画面は、一見したところ表示画面の残りとは関係なく、そのコンテンツ、たとえば、プログラム、アイコンテキストファイル、または画像を表示できる。一般的には特定のプログラム、ファイル、ディレクトリ、または装置を表すアイコンを提供できる。したがって、コマンドは、たとえばコンピュータマウス、トラックボール、またはタッチパッドを使用して、最初に表示画面上でポインタをアイコン、メニュー項目、またはそのオブジェクトを選択するために関心のあるウィンドウに、またはそれらの上部に移動することによってグラフィカルユーザインタフェースの中で発行できる。次に、たとえば、アイコンおよびウィンドウはドラッグすることによって移動することが可能であり、オブジェクトまたはプログラムはそれらのアイコンをクリックすることで開くことができる。
【0018】
データベースが管理装置の不可欠な部分である場合がある。代わりに、データベースを管理装置から分離するが、それと直接的に連絡させることもできる。ユーザは、特定のサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を表示することを、グラフィカルユーザインタフェースを介して要求できる。この情報は、グラフィカルユーザインタフェースの表示画面の特定のウィンドウの中に直接的に表示できる。しかし、この情報を、たとえば適切な結果コンテキスト表示画面等の別個の表示画面に表示することも可能である。
【0019】
結果コンテキスト情報は、少なくとも以下の項目、つまり、サンプルテストに使用される試薬パッケージの試薬ロット番号、サンプルテストに関連して行われる品質管理測定に使用される品質管理材料の品質管理(QC)ロット番号、およびサンプルテストと関連して較正のために使用される較正器の較正器ロット番号を含むことがある。
【0020】
本発明に係るシステムの他の実施形態によれば、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報は、分析装置から管理装置に少なくとも部分的には自動的に転送できる。
【0021】
それにより、標準的なホストインタフェースを介して、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を分析装置から管理装置にアップロードすることが可能である。
【0022】
代わりに、特に高速ネットワーク接続を介して、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を、分析装置から管理装置にログファイルとして定期的にアップロードすることが可能である。管理装置は、統合データビューのためにログファイルの中から適切な情報をフィルタにかけることができる。ログファイルは、とりわけ、使用された試薬材料、品質管理材料、較正器のロット番号情報、試薬パックごとの決定数、期限、生産日等を含んでよい。
【0023】
代わりに、結果コンテキスト情報の一部が二次元バーコードの中に取り込むことも可能である。バーコード情報は管理装置の中に、特に管理装置のデータベースの中にスキャンすることもできる。この情報は、サンプルテストが実行され、結果が分析装置によって管理装置にアップロードされた後の該当するサンプルテスト結果とリンクされている。
【0024】
本発明に係るシステムのさらに他の実施形態によれば、所定の実行計画予定にしたがって実効値が予定されていた閾値と一致するとすぐに管理装置によって開始される少なくとも1つの処置は、所定の閾値に達したことをユーザに知らせる信号である。このような信号は音響信号であるか、または管理装置と接続している適切な画面に表示される光信号である場合がある。このような信号の反応では、ユーザは相応して、たとえば命令を活性化することによって反応できる。
【0025】
このような信号は、特定のサンプルテストを実行するために必要とされる材料の1つが依然として十分に多い量で入手できない場合に出されることがある。したがって、たとえば予定されている所定の閾値に対応して、異なる必要とされている材料のそれぞれに最小の量等の目標値を事前に定義することが可能であり、必要とされる材料の内の1つの数が所定の目標値に一致する、または所定の目標値を受ける(undergoes)とすぐに、手動でまたは自動的に、欠けている材料を補充/注文できるように信号が出される。
【0026】
代わりに、分析装置によって実行されるテストの特定数として閾値を定義することが可能である。この数に到達後、管理装置は、たとえば、後に、実行されたテスト数がリセットされた後に続く、分析装置の日常保守をトリガすることができる。
【0027】
閾値が特定の期間と一致することもあり得る。それぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目から容易に引き出すことができるこの期間を超えると、管理装置は、たとえば分析装置の性能の評価をトリガできる。適切な処置の動的制御および開始が有効となる多くの追加のシナリオを想像できる。任意の使用された項目の期限が超過した場合に信号が発生し得る。信号は、音響信号または光信号であってもよい。
【0028】
本発明に係る方法の他の実施形態では、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、グラフィカルユーザインタフェースを介して要求に応じて表示される。
【0029】
さらに、本発明に係る方法の別の実施形態によれば、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、分析装置から管理装置に少なくとも部分的には自動的に転送されることが可能である。サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報は、標準的なホストインタフェースを介して分析装置から管理装置にアップロードできる。
【0030】
サンプルテスト結果とともに分析装置から管理装置にアップロードされるアップロード結果コンテキスト情報は、少なくとも以下の項目を含むことが考えられる。
−サンプルテスト測定に使用される試薬パッケージの試薬ロット番号は、各患者のサンプルテスト結果とともに分析装置から管理装置にアップロードされる。
−分析装置が管理下にあるかどうかをチェックするために品質管理測定に使用される品質管理材料の品質管理ロット番号も、分析装置によって管理装置にアップロードされる。品質管理ロット番号の他に、品質管理測定に使用される試薬ロット番号も、品質管理結果がアップロードされるときに分析装置から管理装置にアップロードされる。
−較正のために使用される較正器の較正器ロット番号は、管理装置にアップロードされる。較正器ロット番号は、較正プロセスが終了するとすぐにアップロードされる。較正器ロット番号の他に、試薬ロット番号もアップロードされる。
【0031】
任意に、較正器ロット番号だけではなく、該当する較正器結果も分析装置から管理装置にアップロードされる。
【0032】
代わりに、分析装置は管理装置に定期的にログファイルをアップロードしていることが考えられる。ログファイル情報の部分は、各管理レベルの品質管理ロット番号、任意に較正器の結果を伴う較正器ロット番号、患者結果測定に使用される試薬ロット番号、期限、決定数、つまりビンのサイズ等の必要とされるそれぞれの結果コンテキスト情報である。サイズによっては、ログファイルは、高速ネットワーク接続を介して管理装置に転送される。管理装置は、統合データビューのためにログファイルの中から適切な情報をフィルタにかけている。
【0033】
本発明に係る方法の他の実施形態によれば、二次元バーコードの付いたラベルが各試薬パッケージ、各品質管理パッケージ、および各較正器パッケージ上で利用できる。それらの二次元バーコードは、他の情報のほかに、必要とされる試薬ロット情報、品質管理ロット情報および較正器ロット情報を有する。
【0034】
バーコード情報は、管理装置のデータベースの中にスキャンされる。分析装置から受信される各患者テスト結果と適切な試薬情報により、品質管理情報、および較正器情報がリンクされる。
【0035】
本発明に係るシステムは、患者に属する1つまたは複数のサンプルのすべてのサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を示すことを目的とする適切な結果コンテキスト表示画面をさらに備える。
【0036】
たとえば、特定の患者のサンプルを取り出すため、およびサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を含む対応するサンプル情報を表示するため、グラフィカルユーザインタフェースを介したダイアログが、適切な患者および割り当てられたサンプルのためにシステムのデータベース内でフィルタにかけるために起動される。多くの異なる検索基準がサポートされていることが考えられる。
【0037】
データベースの中で対応するサンプル情報を含む要求されている患者を見つけ出すために、たとえば以下の検索基準を使用することが可能である。
−患者ID(患者アイデンティティ)
−サンプルID
−患者名
−患者生年月日
−サンプル注文日/時刻
−日付/時刻選択
【0038】
これらの検索基準は、患者についての全ての情報および割り当てられたサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を見つけ出すために非常に有用である。それらの検索基準は、ダイアログのそれぞれの割り当てられた入力フィールドを介して管理装置の中に送り込むことができる。ダイアログは、それぞれが示されている機能にリンクされている適切なウィンドウ、アイコン、およびメニューによってサポートされている。患者名、患者ID、およびサンプルIDの入力フィールドの中でいわゆるワイルドカードをサポートすることが可能である。ワイルドカード文字は、検索手順のあいだに複数の名称またはラベルを指定する手段として1つまたは複数の文字を表すために使用できる。ワイルドカード文字は、1つまたは複数の文字を表す特殊記号として説明できる。検索手順の中で、ワイルドカードは、患者記録およびサンプル記録を特定するために使用できる。これにより、ユーザは、ただ一度指定するだけで複数の患者またはサンプルのレコードを選択できる。
【0039】
前述された検索基準および適切な入力パラメータによって、クエリが開始される。このようなクエリの結果として、前述した検索基準を満たす全てのサンプルが一覧表示される。それらのサンプルは、指定された前述の結果コンテキスト表示画面上の適切なウィンドウの中に一覧表示できる。サンプルのリストの他に、追加のアイコンが画面上に設けられ、ユーザが追加の背景情報を表示できるようにすることが可能である。たとえば、第1の一覧表示されたサンプルの特定の選択された行の追加のサンプル情報を表示するために押されると起動する詳細ボタンを設けることが可能である。
【0040】
一般的には、前述した結果コンテキスト表示画面を介して実施できる非常に詳細で具体的なダイアログを開くことが可能である。このようなダイアログのあいだ、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を含む選択された患者サンプルを一覧表示することができる。リストは、多くの列のある表の形式で編成できる。それらの列のそれぞれは、患者結果コンテキスト情報を含む、それぞれ患者サンプル情報の1つの特定の項目に割り当てることができる。それらの情報項目は、たとえば患者サンプルに要求されるテストの指定、要求されたテストの結果、要求されたテストの測定日および測定時刻、テスト結果の技術的なバリデーションを実行した特定のバリデータの名前、対応するテスト結果の医療/臨床バリデーションを実行したバリデータのログイン名等の名前、対応する分析装置でのそれぞれの患者結果測定時にアクティブな試薬ロット番号、分析装置での対応する患者結果測定時にアクティブな対応する試薬ロットの試薬ロット期限、および対応するサンプルテストを実行する分析装置自体を含む。
【0041】
サンプルテスト自体に関する情報に加えて品質管理についての全情報を表す対応する表の中に追加の列または行が設けられる。品質管理情報は、たとえば、管理コード、管理結果、管理測定日および管理測定時刻、管理バリデータ、管理ロット番号、管理期限、管理目標値、管理バリデーション違反フラグ、管理コマンドを含む。結果コンテキスト情報によって含まれる追加の項目は、較正器名、較正器結果または較正器ステータス、較正器ロット番号、較正器曲線、および較正器期限である。
【0042】
適切な結果コンテキスト表示画面に表示される前述した表の中の列、および示すことができるさまざまな選択レベルでの列シーケンスが設定可能である。
【0043】
グラフィカルユーザインタフェースが、それぞれ特定の機能に割り当てられるボタン、メニュー、チェックボックス、スクロールバー、およびルーラ等の追加の部品(widget)を提供する可能性がある。
【0044】
本発明は、法律によって定められた施行期間、必須の情報を記憶するための1つのソースを提供する。さらに、本発明は、患者の結果およびそれぞれの患者結果コンテキスト情報を表示するための1つのフロントエンドを提供することを可能にする。本発明によって、さまざまなソースから出現する必須情報をリンクすることは容易である。患者サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報に関する情報は、容易かつ便利なアクセスを介して統合し、配信することができる。コンピュータ支援自動プロセスおよび半自動プロセスに起因する誤り率は減少し、したがって品質は向上する。本発明は、自動化/半自動化されたプロセスのためにより少ない管理作業を必要とする。
【0045】
本発明は、さらに、コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品、およびコンピュータプログラムがコンピュータ上で、特に本発明に係るシステム内に取り込まれているコンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実施するために適したプログラムコードを備えた、コンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータプログラムを対象とする。
【0046】
本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上、特に本発明に係るシステム内に取り込まれるコンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実行するために適したプログラムコードを備えたコンピュータプログラムにも関する。
【0047】
本発明は、コンピュータプログラムがその上に記憶されるコンピュータ可読媒体にも関し、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上、特に本発明に係るシステムおよび/または管理装置内に統合されるコンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実施するために適したプログラムコードを備える。
【0048】
本発明の追加の特徴および実施形態は、説明および添付の図面から明らかになる。
【0049】
明解にするために、本説明はシステムの抽象的な例にも言及する。しかしながら、本発明の方法およびシステムは、以下の図面において図解されるような特定の例とはかなり異なるネットワークおよび通信システムを含む幅広い種類のネットワークシステムと動作してよい。
【0050】
本発明は特定のシステムの用語で説明されている一方、本発明が高度薬品試験所システム、高度実験室ネットワーク、または本発明に係るシステムまたは方法から恩恵を受ける任意の他の通信システム等の多岐に渡る通信システムに用途があることが理解されるべきである。本明細書および請求項で使用されるシステムは、コンテキスト上他の意味に解すべき場合を除き、任意の通信システムで使用されるのに適していることを目的とする。
【0051】
本発明は、例示した実施形態によって図面で概略で説明され、図面に関して詳細に説明されている。明細書が、本発明の範囲をまったく制限せず、単に多様な実現例の説明にすぎないことが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下では、類似する構成要素は同等の参照番号で参照される。
【0053】
図1は、本発明に係るシステムの実施形態のブロック図を示す。システム100は、管理装置10と、少なくとも1台の分析装置20と、データベース50とを備える。管理装置10に全て接続可能である複数の分析装置20を設けることが可能である。さらに、システム100は、図示されていない、少なくとも1台の前分析装置および/または後分析装置も備える場合がある。
【0054】
管理装置10は、リンクAで示されるようにデータベース50と接続している。データベース50は、管理装置10の中に統合することもできる。管理装置は、線Dで示されるように、ホスト構成要素(図示されず)と接続できる。管理装置10は、たとえばASTMまたはHL7等の標準的なホストインタフェースプロトコルを介して、標準機能セット付きのこのようなホスト構成要素と通信できる。ホストシステムでは特殊な論理は実現されなくてよい。したがって、それは高速で、容易に、かつ低いリスクで統合できる。
【0055】
分析装置20はサンプルに対して1つまたは複数の特殊なテストを実行できる。このような特殊なテストは、一般的に試薬パッケージの形で提供される特定の試薬材料を必要とする。サンプルに対してテストが実施される前に、分析装置20が管理下にあるかどうかを確かめるために、品質管理測定が特定の品質管理材料によって実施される。さらに、特殊な較正器材料は分析装置の較正のためにも使用される。
【0056】
テストが患者のサンプルで実行されると、分析装置20は受信されたサンプルテスト結果を管理装置10にアップロードしている。このようなサンプルテスト結果が自動的にまたは半自動的に管理装置10の中に転送されることが考えられる。分析装置20は、それぞれの結果コンテキスト情報とともにサンプルテスト結果をアップロードしている。このようなアップロードは、一般的には通信インタフェースを介して行うことができる。アップロードされた結果コンテキスト情報は、対応するテスト結果に割り当てられるまたは関連付けられるいくつかの項目を含む。サンプルテストに使用されてきた試薬パッケージの試薬ロット番号は、管理装置10にアップロードされる。試薬ロット番号は、各患者結果とともに分析装置20から管理装置10にアップロードされる。分析装置20が管理下にあるかどうかをチェックするために、品質管理測定に使用される品質管理材料の品質管理ロット番号も、品質管理結果がアップロードされるときに分析装置20から管理装置10にアップロードされる。較正のために使用される較正器の較正器ロット番号も、対応する較正プロセスが終了するとすぐに分析装置20から管理装置10にアップロードされる。任意に、較正器結果は管理装置10に転送することもできる。
【0057】
分析装置の通信回線のスループットに応じて、分析装置は、各単一の患者テスト用紙とともに、測定に使用される試薬の試薬ロット番号、この試薬/テストの測定時に有効な全ての品質管理レベルの品質管理ロット番号、および任意に較正器値および較正器曲線を含むこの試薬/テストに使用される較正器ロット番号を転送している。
【0058】
管理装置10は、対応するサンプルテスト結果とともに受信した情報をデータベース50に転送し、データベース50で、その結果コンテキスト情報だけではなく患者結果も記憶し、要求に応じて取り出すことができる。管理装置10は、ユーザが、たとえば対応する結果コンテキスト情報だけではなく特定の患者結果も取り出すため、およびチェックするためにそれを介して管理装置に順番にアクセスできるグラフィカルユーザインタフェースを提供することが可能である。このようなユーザインタフェースを介して、容易にかつ便利に1つの場所で情報の完全なセットを表示することができる。
【0059】
患者の1つまたは複数のサンプルのそれぞれの結果コンテキスト情報だけではなく患者サンプルテスト結果を記憶し、要求に応じて表示することができることに加えて、管理装置10は、予定されている閾値に関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の実効値を動的に制御するために結果コンテキスト情報を使用することもできる。たとえば、試薬パッケージの予定されているストックは管理装置10の中に記憶し、実際の試薬の消費と動的に比較することが可能である。実際のストックが、たとえば予定されるストックによって示される所定の値を下回るとすぐに、管理装置10は所定の実行計画予定にしたがって少なくとも1つの処置を開始する。このような処置は、たとえばユーザに対して、試薬材料の実際のストックが最小レベルに達したことを示すユーザへの信号の出力である場合がある。代わりに、管理装置10は、試薬材料の実際のストックが試薬材料の所定値の並べ替えを受けるとすぐにトリガすることもできる。これは自動的に行うことができる。信号は、さまざまな方法で実現できる。これは音響信号、視覚信号、または試薬材料の実際のストックを一覧表示するプリントアウトである場合がある。このような信号をどのようにして実現できるのかの多くの追加の考えられる例がある。
【0060】
試薬材料に関して説明したように、品質管理材料および較正器に関して、管理装置10によって同じ動的制御を実行できる。
【0061】
実効値が予定されている閾値に一致するとすぐに開始できる処置は、複数のプロセスシーケンスを最適化するための評価である場合もある。たとえば、実際の消費を評価することが可能である。
【0062】
図2は、本発明に係るシステムの追加の実施形態のブロック図を示す。システム100は、管理装置10と、少なくとも1台の分析装置20と、データベース50とを備える。データベース50は、リンクAにより示されるように、管理装置10に接続される。代わりに、データベース50が、管理装置10の不可欠な部分である場合もある。管理装置10は、再び標準的な通信インタフェースを介してここでは示されていないホスト構成要素に接続可能である。分析装置20は、矢印Bにより示されているように管理装置10とデータ交換のために接触している。図2に示されている例では、分析装置20は管理装置10にログファイルを定期的にアップロードしている。ログファイル情報の一部は、分析装置20が管理下にあるかどうかを確かめるために、品質管理測定値に使用される品質管理材料の品質管理ログ番号である。ログファイル情報は、較正器結果および較正のために使用される較正器の較正器ロット番号としての較正器情報も含む。ログファイルのサイズのため、ログファイルは、高速ネットワーク接続を介して管理装置10に転送できる。管理装置10は、後に、統合データビューのためにログファイルの中から適切な情報をフィルタにかけている。ここで提案されているようなログファイルは、発生した処置を一覧表示し、記録するファイルである。分析装置20は、特定の実際のサンプルテストの成績と関連付けられたあらゆるロット番号を一覧表示するログファイルを維持できる。試薬のロット番号情報のほかに、以下の他のデータがログファイルの中で提供される。
−現在利用可能なビンごとの決定数および合計。この情報は、分析装置で利用可能な材料と現在の消費を比較するために使用することができ、注文のためにストック情報と結合できる。
−品質のための期日。「材料はまだ患者結果測定に使用できるのか?」矛盾する場合は、管理装置で警報を生成できる。
−品質および追跡調査の理由からオペレータのID。「誰がどの処置を、分析装置上のプロセスのどの時点で実行したのか?」
−品質目的の目標値:管理装置での現在定められている値に対して違いがある場合の警告情報。
【0063】
図3は、本発明に係るシステムの追加の実施形態を示す。システム100は、ここでは管理装置10と、管理装置10にリンクAを介して接続するデータベース50とを備える。分析装置20は、リンクBを介して管理装置10と接続している。管理装置10は、さらにバーコードスキャナ30と接続している。接続Cを介して、バーコードスキャナ30から管理装置10に、およびリンクAを介してデータベース50にデータを転送することが可能である。図3に示されている例では、二次元バーコード付きのラベルが、各試薬パッケージ、各品質管理パッケージ、および各較正器パッケージで利用できる。それらの二次元バーコードは、他の情報のほかに、品質管理情報、およびある特定のサンプルテスト結果についての完全な情報を示すことが必要とされ、結果コンテキスト情報の一部である較正器情報を有する。それらのバーコード情報は、管理装置10のデータベース50にスキャンできる。このスキャンは、バーコードスキャナ30によって実行することができ、スキャンしたバーコード情報は後で管理装置10に転送され、データベース50の中に保存できる。適切な品質管理情報および較正器情報は、分析装置20から受信される各患者テスト結果とリンクされる。すでに図1および図2に関して説明したように、スキャンした材料はストック管理に使用される。たとえば試薬材料、品質管理材料、および較正器等のさまざまな材料の実際のストックについてのこの情報によって、管理装置10はさまざまな材料の実際のストックを動的に管理し、必要な場合、さまざまな材料が、それぞれの材料の並べ替えをトリガできるように最小値に到達するとすぐに所定の処置を開始することができる。すでに前述したように、処置はたとえば音響信号または視覚信号のような警告信号の形で実現することもできる、またはそれは問題の材料の自動的な並べ替えで実現することもできる。
【0064】
図4は、本発明に係るシステムの実施形態の一部である適切な結果コンテキスト表示画面上で示すことができるような2つの考えられる画面例のシーケンスを示す。結果コンテキスト表示画面は、特定の患者に属する1つまたは複数のサンプルの情報を要求に応じて示すことを目的とする。完全な情報は、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を含む。以下は、このような機能をどのようにして実現できるのかを説明しているにすぎない。
【0065】
特定の患者に属するサンプルを取り出すため、および結果コンテキスト情報を含むサンプル情報を表示するために、グラフィカルユーザインタフェースを介したダイアログが、適切な患者および割り当てられたサンプルのために管理装置に接続されているデータベース内でフィルタをかけ、検索するために起動される。さまざまな検索基準がサポートできる。管理装置のデータベース内のサンプル情報を含む要求された患者を見つけるための有効な検索基準は、患者ID、患者名、患者生年月日、サンプル注文日/注文時刻、サンプルID、および時刻/日付選択である。それらの検索基準は、図4aの領域Aに示されるようなダイアログのそれぞれの割り当てられた入力フィールドを介して管理装置の中に送り込むことができる。それらの入力フィールドは、対応するデータベースの中のサンプル情報を含む要求されている患者を見つけるための有用な検索基準にとって例示的である。患者名、患者IDおよびサンプルIDの入力フィールドにおいてのようないくつかの入力フィールドでワイルドカードをサポートすることが有用である。
【0066】
選択が行われた後、クエリが開始される。実行されたクエリの結果として、特定の患者に属する、入力された検索基準を満たす全サンプルが一覧表示される。このようなリストは、図4aの領域Bに例示的に示されている。図4aに示されている表400は4つの異なる列401、402、403および404に分けられる。列401はサンプル優先順位を開示し、列402はサンプルIDを特定し、列403は割り当てられた結果についての情報およびその結果についての日付と時刻を示し、列404はサンプルコメントを示している。図4aに示されているウィンドウ40は、適切な結果コンテキスト表示画面に表示できる。
【0067】
異なる入力フィールドのほかに、新しい機能ウィンドウを開くために押すことができるさまざまな指定ボタンがある。詳細ボタンCが押されると、黒の背景で示されるような選択された行のサンプル情報が表示される。図4aに示される例では、これはサンプル−ID1111の付いたサンプルである。ダイアログは図4bに示されている。ダイアログは患者結果コンテキスト情報を含む患者サンプルを示す。列405は、「テスト」と題されている。この列は、患者サンプルで必要とされるテストを表示する。「結果」と呼ばれる次の列406は、要求されているテストのそれぞれの結果を示す。正常な範囲外で公表されたテスト結果は、設定された警告レベルに応じて黄色または赤の背景色で示される。列407「結果日付および結果時刻」は、テストの測定日および測定時刻を表示する。分析装置の機能に応じて、分析装置の測定日付および測定時刻または管理装置内での結果の受信日付および受信時刻がこの列に表示される。列408「バリデータ」は、技術的なバリデーションおよび/または結果の医療/臨床バリデーションのような特定のバリデーションを実行したバリデータの管理装置内で設定されるようにログイン名を表示する。次の列409「試薬ロット」は、分析装置上の患者結果測定時にアクティブな試薬ロット番号を示す。「試薬ロット期限」と呼ばれる、ここに図示されていない追加の列は、分析装置上での患者結果測定時にアクティブな試薬ロットの期限を示すために提供できる。さらに、テストを実行した計器を示す追加の列「計器」を設けることができる。
【0068】
全ての品質管理レベルにとって、以下の情報は別々の列に示されている。列410「管理コード」は、患者結果が計器で測定された時点でアクティブなコントロールの名前を示す。列411「管理結果」は、患者結果測定時での公表されている管理結果を示す。管理材料の中のテストの測定日付および測定時刻を表示する列「管理測定日付および測定時刻」を設けることができる。分析装置の機能に応じて、分析装置の測定日付および時刻または管理装置における品質管理結果の受信日付および時刻のどちらかが表示される。品質管理結果を公表したバリデータの名前を示す「管理バリデータ」のための追加の列を設けることができる。列412「管理ロット」は、計器での患者結果測定時にアクティブな管理ロット番号を示す。品質管理レベルに関する追加列、つまり計器での患者結果測定時にアクティブな管理の満了時刻を示す「管理期日」の列を設けることができる。計器での患者結果測定時にアクティブな品質管理材料の中でテストのための目標値を示す「管理目標値」もここに図示されていない追加列に示すことができる。計器での患者結果測定時の管理材料の中のテスト結果におそらく割り当てられる違反フラグを示す「管理違反フラグ」と名前が付けられた追加の列を設けることができる。患者テスト結果が計器で測定された時点でのテスト結果について自動的にまたは手動のどちらかで作成されたコメントを示す「テストコメント」と呼ばれる列を予測することも可能である。
【0069】
図4bに示されている画面例は、さらに較正器目的に関するいくつかの列を示す。列413「較正器名」は、患者結果測定が計器で行われたときに使用されたテスト較正器の較正器名を示す。「較正器ロット」と呼ばれる追加の列は、患者結果測定が計器で行われたときにアクティブなテストの較正器ロットを示す。たとえば、分析装置でのこのテストのための最後の較正の較正器テスト結果を示す「較正器結果」と呼ばれる列のような追加の列を設けることができる。「較正器曲線」と呼ばれる列は、それらのデータが計器によって提供される場合に、患者結果測定が計器で行われたときに有効なテストのための追加列に示すことができる。追加の列では、較正器の期限を示すことができる。図4bに示される画面例に表示される列、および第1レベルでの列のシーケンスが実験室のニーズにしたがって設定できることが注記されなければならない。
【0070】
考えられる実現例では、試薬材料、品質管理材料、および較正器の結果コンテキスト情報は、インテグラ(Integra)400/800システムおよびロシュダイアグノスティックス(Roche Diagnostics)のPSM(プロセスシステムマネージャ)管理ソフトウェアのために実現される。両方の分析装置とも現在アクティブであり、患者結果測定に使用されている較正器、品質管理材料および試薬のロット情報をアップロードしている。
【0071】
結果コンテキスト情報は、インテグラ(Integra)400/800ホストインタフェース内で実現される拡張によってアップロードされる。新しいクエリが実現され、PSMソフトウェアがこの情報を取得できるようにする。以下のケースを含む特別なエラー処理が実現される。
−見つからない材料のロット番号:
ロット番号が検出または定義されていない場合、インテグラ(Integra)400/800システムは特殊文字列(“???????”)を送信する。
−入手できない材料の期限:
ロット情報に期限が追加されていない場合、文字列“00/00/0000”が使用され、アップロードされる。
−ロットのロット情報が10文字未満である場合、右側のスペースを加える。例:ロット情報“N123A”は、以下のように拡張される。“N123A[スペース][スペース][スペース][スペース]”
【0072】
以下の拡張は、ホストインタフェース通信プロトコルで実現されている。
【0073】
較正データの場合:
----------------------------------------------------------------------
| 55 | テストID |
----------------------------------------------------------------------
| 01 | 結果時間 |
----------------------------------------------------------------------
| 03 | 標準速度 | 1 to y+1 |
----------------------------------------------------------------------
| 04 | 較正曲線 |
----------------------------------------------------------------------
| 05 | 較正器ロット情報 | 1 to 3 |
----------------------------------------------------------------------
| 09 | 試薬ロット情報 |
----------------------------------------------------------------------
| 00 | 結果データ | 1 to m |
----------------------------------------------------------------------
| 07 | ABSサンプルチェック | 0 to y |
----------------------------------------------------------------------

−較正曲線情報は、フィールド04で計器からPSMにアップロードされる。
−較正器ロット情報はフィールド05で送信され、特殊な試薬の場合、フィールドは最高3つのロット番号を含むことができる。
−較正された試薬のロット番号はフィールド09で送信される。
【0074】
品質管理データの場合:
----------------------------------------------------------------------
| 55 | テストID |
----------------------------------------------------------------------
| 01 | 結果時間 |
----------------------------------------------------------------------
| 09 | 試薬ロット情報 |
----------------------------------------------------------------------
| 02 | 管理ID | 1 to n |
---------------------------------------------------
| 06 | 管理ロット情報 | |
---------------------------------------------------
| 00 | 結果データ | |
----------------------------------------------------------------------

−試薬ロット情報は、フィールド09で計器からPSMにアップロードされる。
−管理ロット情報は、フィールド06で送信される。テストおよび管理タイプに応じて、最高6つのロット番号がアップロードされる。
【0075】
患者サンプルおよび割り当てられたテスト結果の場合
----------------------------------------------------------------------
| 53 | 注文ID |
----------------------------------------------------------------------
| 55 | テストID |
----------------------------------------------------------------------
| 09 | 試薬ロット情報 |
----------------------------------------------------------------------
| 00 | 結果データ |
----------------------------------------------------------------------
【0076】
患者サンプルのテスト結果ごとに、以下の情報がアップロードされる。
−各テスト結果の試薬ロット情報が、フィールド09で計器からPSMにアップロードされる。
【0077】
テスト結果コンテキスト情報は、以下のとおり、PSM管理装置の第1実現工程に表示される。
【0078】
インテグラ(Integra)400/800システムは、試薬、管理、および較正器ロット番号情報を標準的なホストインタフェースを介してアップロードしている。PSMは適切なデータベースにこの情報を記憶し、それらを適切な患者サンプルテスト結果にリンクしている。情報は、ユーザによってアクセスすることができ、図5に示されるように表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係るシステムの一実施形態の概略ブロック図を示す。
【図2】本発明に係るシステムの他の実施形態の概略ブロック図を示す。
【図3】本発明に係るシステムのさらに他の実施形態の概略ブロック図を示す。
【図4a】本発明に係るシステムによって実施可能なダイアログの抜粋を示す。
【図4b】本発明に係るシステムによって実施可能なダイアログの抜粋を示す。
【図5】本発明のさらに他の実施形態によってユーザのために表示できるような画面例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理するシステムであって、
−サンプルに対して少なくとも1つのテストを実行するように構成された少なくとも1台の分析装置(20)と、
−データ交換のために少なくとも1台の分析装置(20)と接続された管理装置(10)であって、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を保存し、要求に応じて表示し、予定された達成レベルに関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実際の達成レベルを動的に制御し、所定の実行計画予定にしたがって実際の達成レベルが予定された達成レベルに一致するとすぐに少なくとも1つの処置を開始するように構成される前記管理装置(10)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
システムが、測定済みのサンプルを保管するように構成された少なくとも1台の後分析装置、および/または分析装置(20)のためにサンプルを準備するように構成された少なくとも1台の前分析装置をさらに備える請求項1記載のシステム。
【請求項3】
後分析装置および/または前分析装置がデータ交換のために管理装置(10)に接続できる請求項2記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1台の後分析装置および少なくとも1台の前分析装置が1つまたは複数の共通物理的機器の中で統合される請求項2または3記載のシステム。
【請求項5】
管理装置(10)が、任意の標準的なホストインタフェースプロトコルを介して、特にASTMまたはHL7を介してホスト構成要素と通信できる請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
管理装置(10)が、管理装置(10)のデータベースの中に記憶されているサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報へのアクセスを提供し、このようにしてユーザが患者に属する1つまたは複数のサンプルのサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を取り出すことができるようにするグラフィカルユーザインタフェースを備える請求項5記載のシステム。
【請求項7】
患者の1または2以上のサンプルの全サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を要求に応じて示すことを目的とする結果コンテキスト表示画面をさらに備える請求項6記載のシステム。
【請求項8】
結果コンテキスト情報が、少なくとも以下の項目、つまりサンプルテストに使用される試薬パッケージの試薬ロット番号、品質管理測定のために使用されるQC材料のQCロット番号、較正のために使用される較正器の較正器ロット番号を備える前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、分析装置(20)から管理装置(10)に少なくとも部分的に自動的に転送できる請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、標準的なホストインタフェースを介して分析装置(20)から管理装置(10)に少なくとも部分的にアップロードできる請求項9記載のシステム。
【請求項11】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、分析装置(20)から管理装置(10)へ、特に高速ネットワーク接続を介してログファイルとして定期的に少なくとも部分的にアップロードできる請求項9記載のシステム
【請求項12】
管理装置(10)が、統合データビューのためにログファイルの中から適切な情報をフィルタにかけることができる請求項11記載のシステム。
【請求項13】
結果コンテキスト情報の一部が、試薬パッケージ、QCパッケージ、較正器パッケージ上で利用可能な二次元バーコードのスキャンを介して組み込まれ、管理装置(10)によって対応するサンプルテスト結果とリンクされる請求項9記載のシステム。
【請求項14】
管理装置(10)によって開始される少なくとも1つの処置が、所定の達成レベルに到達したことをユーザに知らせる信号である請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する管理装置であって、管理装置(10)はサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を保存するためのデータベースと、サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を要求に応じて表示できる出力手段と、少なくとも1台の分析装置(20)からサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を受信できる接続手段と、予定された達成レベルに関してそれぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実際の達成レベルを動的に制御し、所定の実行計画予定にしたがって実際の達成レベルが予定された達成レベルに一致するとすぐに少なくとも1つの処置を開始できる手段とを備える管理装置。
【請求項16】
出力手段がグラフィカルユーザインタフェースを備える請求項15記載の管理装置。
【請求項17】
管理装置(10)が、任意の標準的なホストインタフェースプロトコルを介して、特にASTMまたはHL7を介してホスト構成要素と対話できる請求項15または16記載の管理装置。
【請求項18】
実験室環境の中でサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を管理する方法であって、
−少なくとも1台の分析装置(20)によって少なくとも1つのサンプルに対し少なくとも1つのテストを実行する工程と、
−少なくとも1台の分析装置(20)から、データ交換のために少なくとも1台の分析装置(20)に接続された管理装置(10)に対応するサンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を転送する工程と、
−サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を記憶する工程と、
−サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報を要求に応じて表示する工程と、
−予定された達成レベルに関して、それぞれの結果コンテキスト情報の少なくとも1つの項目の少なくとも1つの実際の達成レベルを動的に制御する工程と、
−所定の実行計画予定にしたがって実際の達成レベルが予定された達成レベルに一致する場合に少なくとも1つの処置を開始する工程と、
を含む方法。
【請求項19】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報がグラフィカルユーザインタフェースを介して要求に応じて表示される請求項18記載の方法。
【請求項20】
結果コンテキスト情報が少なくとも以下の項目、つまり分析装置でのサンプルテストに使用される試薬パッケージの試薬ロット番号、分析装置でのサンプルテスト測定時に有効な全ての品質管理レベルのためのQC材料のQCロット番号、分析装置でのサンプルテスト測定時に有効な較正器の較正器ロット番号、較正器ステータス、および分析装置でのサンプルテスト測定時に有効な較正器曲線を含む請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、分析装置(20)から管理装置(10)に少なくとも部分的に自動的に転送される請求項18、19または20に記載の方法。
【請求項22】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、標準的なホストインタフェースを介して分析装置(20)から管理装置(10)にアップロードされる請求項18〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
サンプルテスト結果およびそれぞれの結果コンテキスト情報が、分析装置(20)から管理装置(10)に、特に高速ネットワーク接続を介してログファイルとして定期的にアップロードされる請求項21記載の方法。
【請求項24】
管理装置(10)が、統合データビューのためにログファイルの中から適切な情報をフィルタにかけている請求項23記載の方法。
【請求項25】
結果コンテキスト情報の一部が、管理装置(10)によって対応するサンプルテスト結果とリンクされる二次元バーコードのスキャンを介して取り込まれる請求項21記載の方法。
【請求項26】
管理装置(10)によって開始された少なくとも1つの処置が、所定の達成レベルに到達したことをユーザに知らせる信号として選ばれる請求項18〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
コンピュータプログラムがコンピュータ上、特に請求項15〜17のいずれか1項に記載の管理装置(10)の中に統合される、コンピュータ上で実行されるときに、請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法を実施するために適したプログラムコードとともに、コンピュータプログラムがそこに記憶されるコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
コンピュータプログラムがコンピュータ上、特に請求項15〜17のいずれか1項に記載の管理装置(10)の中に統合されたコンピュータ上で実行されるときに、請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法を実施するために適切であるプログラムコード付きのコンピュータプログラム。
【請求項29】
コンピュータプログラムがその上に記憶されたコンピュータ可読媒体であって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で、特に請求項15〜17のいずれか1項に記載の管理装置(10)の中に統合されたコンピュータ上で実行されるときに、請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法を実施するために適したプログラムコードを備えるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−539078(P2009−539078A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512463(P2009−512463)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004582
【国際公開番号】WO2007/137751
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】