説明

サンプルプレートから残留物質を除去するための方法および装置

マルチウェルプレート(10)のサンプルウェル(12)から残留物質を除去するための方法及び装置。マルチウェルプレート(10)にあるウェル(12)は、洗浄液溜め(20)の洗浄液ウェル(22)と流体連結するように配置され、それにより、マルチウェルプレート(10)のサンプルウェル(12)から残留物質(14)を除去すべくクリーニング流体が与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルプレートウェルから残留物質を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチウェルプレートは、通常、特に細胞アッセイといった生物学的調査適用、または、他の医療関連の生化学的研究に用いられる。この点において、マルチウェルプレートは通常96以上の個別のウェルを含み、これらのウェルにおいて個別の実験または別の作業が行われうるので、調査研究は高いスループットで行われうる。大抵の場合、アッセイが行われると、ある量の物質がウェル内に残ることがある。この物質を除去するための一般的な技術は、プレートを逆さまにしてウェルの内容物を出すことである。しかし、ある場合では、プレートを逆さまにしてウェルの内容物を出した後でも、プレートの各ウェルのリムまたはその付近において液体または他の物質が残る。1つの技術では、ウェルのリムにおける残留液体または他の物質は、ウェルのリムを一枚のフィルタ用紙に接触させて残っている物質を吸い取ることによって除去される。
【発明の概要】
【0003】
発明者は、幾つかの適用では、マルチウェルプレートのウェルまたはその付近に残っている残留物質を除去することは、高スループット、高効率、および/または環境に配慮した方法で行うのは困難な場合もありうることを認識している。本発明の様々な態様では、マルチウェルプレートのリムから残留物質を除去するために洗浄またはクリーニング流体を用い、それにより1以上のウェルに異物または汚染物質が残る可能性を減少し、および/または吸い取りフィルタ用紙または他の同様の物質の使用の必要を失くす。
【0004】
本発明の一態様では、マルチウェルプレートの複数のウェルから残留物質を除去するための方法には、ウェルが流体を受けるように開いている上面を含み、かつ、例えばウェルは閉じられている底面をさらに含むマルチウェルプレートを与えるステップが含まれる。マルチウェルプレートのウェルに対応するように配置された1以上の洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めが与えられ、また、複数の洗浄液ウェルの各々においてクリーニング流体が与えられうる。マルチウェルプレートは、マルチウェルプレートの上面がマルチウェルプレートの底面の下に位置決めされるように逆さまにされ、マルチウェルプレートウェルにおけるウェルのリムが、例えばプレートウェルが洗浄液溜めの対応する洗浄液ウェルによって受け止められ、残留物質がプレートウェルにおいて除去されるように、洗浄液溜めの対応する洗浄液ウェルにおいてクリーニング流体と接触するようにされうる。プレートウェルは、(ある場合には)洗浄液ウェルによって画定される容積にプレートウェルの一部が入ってまたは入ることなく、対応する洗浄液ウェルによって受け止められうる。代わりに、洗浄液ウェルは、洗浄液ウェルにおけるクリーニング流体がプレートウェルにおける残留物質を除去するように作用できるようにプレートウェルが洗浄液ウェルに対して適切に位置決めされる場合に、プレートウェルを受け止めていると見なしうる。
【0005】
本発明の別の態様では、マルチウェルプレートの複数のウェルから残留物質を除去するための自動システムが提供され、各ウェルは、ウェルへの開口におけるリムを有する。かかるシステムは、各々、マルチウェルプレートの対応するウェルのリムを受け止めるように適応された1以上の洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めを含みうる。マルチウェルプレートを逆さまにし、また、複数のプレートウェルの各リムが、洗浄液溜めの対応する洗浄液ウェルによって同時に受け止められるようにプレートを位置決めするようにマルチウェルプレートを操作可能なグリップ要素を有するプレートマニピュレータが含まれうる。
【0006】
本発明のさらなる態様では、各々、リムを有するマルチウェルプレートの複数のウェルにおける残留物質を除去するための装置が提示される。1以上の洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めは、マルチウェルプレートが逆さまにされた位置において、マルチウェルプレートにあるウェルのリムが、各々、複数の洗浄液ウェルの対応するウェルによって同時に受け止められることが可能であるように配置されうる。各洗浄液ウェルは、洗浄液ウェルにクリーニング流体を与えるように適応されたインレット、および/または、洗浄液ウェルからのクリーニング流体の除去に役立つアウトレットを有しうる。一実施形態では、各洗浄液ウェルは、洗浄液ウェル用の対応するインレットを囲むほぼ平らなプラットホームによって形成されうる。クリーニング流体は、インレットを出て、プラットホームを渡って流れうる。洗浄液ウェルのプラットホームは、例えばクリーニング流体がプラットホームを渡って基部へと下に流れるように、互いから離間されかつ基部から上方向に延在しうる。基部における流体は1以上のアウトレットにおいて回収されうる。
【0007】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付の図面と共に検討された場合に本発明の様々な非限定の実施形態の以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の態様は、数字は同様の要素を示す以下の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、本発明の態様にしたがって、洗浄液溜めに関連付けられる、残留物質を含むウェルを有するマルチウェルプレートの斜視図である。
【図2】図2は、1つの例示的な実施形態における隆起したプラットホームを有する洗浄液ウェルを含む洗浄液溜めの斜視図である。
【図3】図3は、対応するプレートウェルを有する図2の実施形態の洗浄液ウェルの断面図である。
【図4】図4は、別の例示的な実施形態における洗浄液溜め基部の上表面から上方に延在するリムを有する洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めの斜視図である。
【図5】図5は、対応するプレートウェルを有する図4の実施形態の洗浄液溜めの断面図である。
【図6】図6は、別の例示的な実施形態における洗浄液溜め基部の上表面と同一平面のリムを有するウェルを有する別の洗浄液溜めの断面図である。
【図7】図7は、別の例示的な実施形態における中心開口周りに凹状セクションを有する洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めの斜視図である。
【図8】図8は、対応するプレートウェルを有する図7の実施形態の洗浄液溜めの断面図である。
【図9】図9は、本発明の態様にしたがって、洗浄液溜めの凹み(indented)領域がマルチウェルプレートの上表面に対応する、逆さまにされたマルチウェルプレートと洗浄液溜めとの断面図である。
【図10】図10は、本発明の態様にしたがって、1つの洗浄液ウェルが複数のプレートウェルを受けることができる、逆さまにされたマルチウェルプレートと洗浄液溜めとのさらに別の断面図である。
【図11】図11は、本発明に態様にしたがって、クリーニング流体が入るためのインレットと、洗浄液ウェルの内容物が出るためのアウトレットを有する洗浄液溜めに位置付けられたウェルの断面図である。
【図12】図12は、本発明の態様にしたがって、窪んだ領域におけるクリーニング流体が入るためのインレットと、中心開口における洗浄液ウェルの内容物が出るためのアウトレットとを有する洗浄液溜めに位置付けられたウェルの別の断面図である。
【図13】図13は、本発明の態様にしたがって、直立リムにおけるクリーニング流体が入るためのインレットと、中心開口における洗浄液ウェルの内容物が出るためのアウトレットとを有する洗浄液溜めに位置付けられたウェルの別の断面図である。
【図14】図14は、本発明の態様にしたがって、洗浄液溜めに関連してマルチウェルプレートを位置決めするマニピュレータを有する自動システムの略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の態様は、概して、例えば生物学的および医療関連適用に用いられるマルチウェルサンプルプレートのウェルに関連付けられる残留物質の減少に関する。本発明は、その適用について、以下の説明に記載されるまたは図面に示されるコンポーネントの構成および配置の詳細に限定されない。本発明は、他の実施形態や、また、様々な方法で実施または実行されることが可能である。例えば本発明の例示的な実施形態は、マルチウェルプレートを取り扱う環境における使用を参照して以下に説明される。しかし、当然ながら、本発明の態様は、任意の適切な適用用のシステムに用いてもよい。
【0010】
本発明の一態様では、マルチウェルプレートの複数のウェルにおける残留物質が除去されうる方法が提示される。一実施形態では、かかる方法は、ウェルが流体輸送の出し入れのために開いている上面と、ウェルが流体輸送に対して閉じられうる底面とを含むマルチウェルプレートを与えることを含む。当業者であれば認識しているように、マルチウェルプレートのウェルは、通常は生物学的または医療関連の調査適用である任意の適切な目的に用いられうる。例えば調査適用の場合、幾つかのウェルにおいて反応が起きることも起きないこともある。この関連で、試薬および/または他の物質が、マルチウェルプレートの幾つかのウェル内に残ることがある。例えばマルチウェルプレート再度使用できるようにまたは安全に廃棄できるようにするためにウェルをきれいにするためには、プレートは、例えばマルチウェルプレートの上表面上に流体を流す、ウェルの中から物質を取り除くように洗浄する、マルチウェルプレートを逆さまにして残留物質がウェルから出されるようにすること、および/またはこれらの任意の組み合わせといった任意の適切な方法によって実質的に空にされうる。このような作業が完了した後でも、幾つかのウェル内に残留物質が依然として残ることがあり、したがって、クリーニング流体を用いてマルチウェルプレートから残留物質を除去するアプローチがあることが有利でありうる。
【0011】
例えば、図1は、マルチウェルプレート10が逆さまにされてプレート10のウェル12の内容物を出すようにされている1つの例示的な実施形態を示す。逆さまにされているのにも関わらず、複数のウェル12は残留物質14に関連付けられうる。例えば残留物質は、ウェル12のリムまたはエッジ付近および/またはウェル12の底端といったウェル12に関連する様々な領域に位置付けられうる。残留物質14は、ウェル12内またはその付近の部分に詰まる、そうでなければ付着する固体粒子16、および/または、逆さまにされたマルチウェルプレート10のウェル12のリム付近に張付く小滴18といった任意の形態でありうる。
【0012】
プレート10から残留物質14を除去するために、プレート10は、プレート10から残留物質14を除去するようクリーニング流体24が作用しうるように洗浄液溜め20に対して位置決めされうる。例えばプレート10は、図1に示されるように逆さまにされて、個々のウェル12が洗浄液溜め20における1以上の洗浄液ウェル22によって受け止められる、例えば位置合わせされて近接するように位置決めされる。本実施形態では、マルチウェルプレート10の各ウェル12は、洗浄液溜め20の1つの洗浄液ウェル22に対応し、洗浄液ウェル22は、サンプルウェル12よりも直径において僅かに大きい。しかし、以下により詳細に説明されるように、当然ながら、洗浄液ウェル22は、他の適切な方法で配置されてもよい。洗浄液ウェル22内のクリーニング流体24(一実施形態では水)が残留物質14および/またはプレート10に接触して、残留物質14が除去されうる。例えばプレート10は、プレート10の上表面が洗浄液溜め20の上面に接触し、プレートの各ウェル12が対応する洗浄液ウェル22と位置合わせするように下げられうる。クリーニング流体24は、洗浄液ウェル22内にありうる。例えばクリーニング流体はウェル22を充填し、それにより流体24は、プレートウェル12のリムにある残留物質14に接触して除去しうる。あるいは、または、さらに、クリーニング流体24は、ウェル12内にある残留物質14を除去するようにプレートウェル12の内部内に注入されるか、そうでなければ導入されうる。残留物質14は、プレート10から除去されると、任意の適切な方法でクリーニング流体24と関連付けられうる。例えば残留物質は溶解される、懸濁される、物理的にノックオフされる、そうでなければプレート10からクリーニング流体24によって、運ばれうる。残留物質に対する「除去」との用語の使用は、必ずしも、プレートからの残留物質の完全な根絶を意味するものではなく、部分的および/または実質的な除去、および/または、残留物質の濃度の減少も指しうる。したがって、残留物質14の除去は、プレート10の全ての部分からの残留物質の完全な除去をもたらさなくともよい。
【0013】
図1は、円形開口を有し、規則的な配列に配置されたウェル12を有するマルチウェルプレート10を示すが、マルチウェルプレート10は、任意の適切な形状、サイズ、配列または他の構成に配置されたウェル12を含みうる。例えばある場合では、ウェル12は、例えば行または列に多数の個々のウェルを有するのではなく、細長い矩形のウェルの形態でマルチウェルプレートにおける行または列全体を占めるように配置されてもよい。幾つかの実施形態では、ウェルが同心状に方向付けられる場合といったように用いられたウェル形状が、プレート10上のウェル配置に影響を及ぼしうる。当然ながら、ウェル12は、次に限定されないが、矩形、円形、楕円形、多面形、または他の断面形状といった任意の適切な形状を取りうる。さらに、当然ながら、マルチウェルプレート10は、一般的に用いられている48、96、または384ウェルプレートにおけるように任意の適切な数のウェル12または他の数のウェルを有しうる。さらに、ウェル12は、行と列でウェルを規則正しい配列に配置する必要はなく、ウェルは希望通りにどのようにも配置されうる。
【0014】
洗浄液溜め20には1つ以上のマルチウェル10のウェル12に個々に対応するように配置された複数の洗浄液ウェル22が設けられうるが、洗浄液ウェル22は、任意の適切な方法で配置され、サイズにされ、形にされ、そうでなければ構成されてよい。例えば、他の実施形態では、マルチウェルプレート10にある幾つかのウェル12は、洗浄液溜め20の比較的大きい洗浄液ウェル22に対応し、それにより残留物質14はマルチウェルプレート10の複数のウェル12から同時に除去されうる。さらに、洗浄液ウェル22は、図1に示すようにプレート10のすべてのウェル12から残留物質14が同時に除去されうるように配置されても、または、1回につき、サブセットのウェル12(例えば1つのウェル12)からしか残留物質14が除去されないように配置されてもよい。プレートウェル12と洗浄液ウェル22との位置合わせは、例えば洗浄液溜め20に対するプレート10の位置決めを制御する人間の操作者によってまたは自動システムによって、例えば多目的ロボットまたは専用プレート洗浄機構によって視覚的に行われうる。
【0015】
各洗浄液ウェル22内に与えられているクリーニング流体24は、液体および/または気体を含む任意の適切な成分または成分の組み合わせを含みうる。当然ながら、クリーニング流体の適切性は、サンプルウェルから除去されるべき残留物質の種類に依存しうる。これは、特定の物質は、他の特定の物質とより反応しやすい、そうでなければ他の特定の物質によって除去されやすいからである。幾つかの実施形態では、クリーニング流体は水といった液体であってよく、水はさらに、任意の適切な度合いに精製またはイオン除去されていてもいなくともよい。他の実施形態では、クリーニング流体は、酸、塩基、任意の適切なイオン溶液、有機溶媒、懸濁液、乳濁液、またはこれらの任意の組み合わせといった液体であるかまたはそれを含みうる。さらなる実施形態では、クリーニング流体は、次に限定されないが、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、任意の希ガス、および/または任意の不活性ガスといった任意の適切な気体を含みうる。さらにさらなる実施形態では、クリーニング流体は、次に限定されないが、石鹸粒子または任意の適切なクリーニング固体といった懸濁液中に組み込まれた固体粒子を含みうる。当然ながら、除去されるべき残留物質に応じて、上述した物質の任意の組み合わせをクリーニング流体として用いうる。
【0016】
残留物質14は、濃度が減少されるか、そうでなければ任意の適切な方法で除去されうる。幾つかの実施形態では、空気のバーストが残留物質14の除去に用いられうる。他の実施形態では、液体が用いられて濃度が減少される、そうでなければ残留物質14が除去されうる。さらなる実施形態では、残留物質14に関連して適切な特性または極性を有するクリーニング流体24が除去に用いられうる。実際には、上述した物質の組み合わせを用いて、マルチウェルプレート10にあるウェル12から残留物質14を除去しうる。さらに、特定の期間の間、特定の流体またはそれらの組み合わせに露出させること、および/または、流体が入れられる圧力といった任意の適切な処理スキームが用いられうる。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態では、残留物質14がマルチウェルプレート10から除去されるべき場合、プレートウェル12および洗浄液ウェル22は、各々のウェルリムにおいて互いに接触しうる。他の実施形態では、プレートウェル12および洗浄液ウェル22は、互いに接触する必要は全くないが、互いに流体連結するように保持されうる。幾つかの実施形態では、マルチウェルプレートにあるウェルのリムは、洗浄液溜めにある対応する洗浄液ウェル内に延在し、それにより1つのウェルから別のウェルへの物質の漏出が最小限にされうる。別の実施形態では、マルチウェルプレートのすべてのウェルが対応する洗浄液ウェルによって受け止められるわけではなく、マルチウェルプレートにあるサンプルウェルのサブセットしか受け止められない。これは、すべてのサンプルウェルが、残留物質の除去を必要とするわけではないと考えられるからである。洗浄液ウェルからのクリーニング流体が、洗浄液ウェルのリムを越えて流れてマルチウェルプレートにあるウェルに接触して、残留物質を除去することは可能である。様々なプレート操作システムによって、洗浄液溜めに対するマルチウェルプレートの位置決め精度は変化しうることは理解できよう。さらなる実施形態では、マルチウェルプレートの一部および洗浄液溜めの一部は、クリーニング流体が、マルチウェルプレートにあるウェルと対応する洗浄液ウェルから漏出しないように一時的なシールを形成する。
【0018】
図2は、洗浄液溜め20の基部23から延在するプラットホーム25を各々含む複数の洗浄液ウェル22を有する洗浄液溜め20の例示的な実施形態を示す。各洗浄液ウェル22はさらに、洗浄液ウェル22にクリーニング流体24を供給するための1以上のインレット30を含む。例えば図3は、洗浄液ウェル22の上に位置決めされたウェルプレート10とプレートウェル12と一緒に、図2の実施形態からの洗浄液ウェル22の断面図を示す。クリーニング流体24は、インレット30を通過し(例えば洗浄液溜め20の基部23内の適切な導管を介して)洗浄液ウェル22のプラットホーム25を渡って流れる。本実施形態では、クリーニング流体24は、プラットホーム25を渡って基部25へと下に流れ、基部では流体24はドレインまたは他の好適なアウトレットに流れうる。他の実施形態では、各洗浄液ウェル22は、クリーニング流体24を受け取る対応するアウトレット、例えば洗浄液ウェル22の底部における基部23内の環状開口またはインレット30を囲むプラットホーム25内の環状開口を含み、廃棄のためにクリーニング流体24を受け取りうる。クリーニング流体24は、例えば(ある場合には)プレートウェル12から物質14を除去するようプレートウェル12のリム26に接触するクリーニング流体24の層を形成するように望ましい速度で各ウェル22に供給されうる。上述されたように、ウェルプレート10および洗浄液溜め20は、互いに接触しても(プレートウェル12のリム26がプラットホーム25に接触しうる)、または、物質14の除去時に互いから離間されていてもよい。
【0019】
洗浄液ウェル22およびプレートウェル12の他の構成も可能である。例えば図4は、基部23の上表面27から上方向に延在し、クリーニング流体24を受け取りうる開口を囲むリム26を各々含む複数の洗浄液ウェル22を含む洗浄液溜め20の実施形態を示す。図5は、図4に示すリムのような直立リム26を有する洗浄液ウェル22を有する洗浄液溜め20の断面図を示す。洗浄液ウェル22内のクリーニング流体24は、リム26の頂点までウェル22を充填し、例えばインレット30(図示せず)がクリーニング流体24を洗浄液ウェル22に供給する場合といったある場合では、リム26を越えて流れてもよい。本例では、ウェルプレート10は、プレート10の上表面17から延在するリム16または他の特徴なしのプレートウェル12を含む。洗浄液溜め20に対してプレート10を適切に位置決めすると、対応する洗浄液ウェル22におけるクリーニング流体24によって物質14(図5には示さず)が除去されうる。図6は、洗浄液ウェル22が直立リム26を含まない点を除いて、洗浄液ウェル22が図4および図5における洗浄液ウェルと同様に配置された別の実施形態を示す。代わりに、基部23の上表面27は、ほぼ平らであり、洗浄液ウェル22のリム26は、上表面27の平面内にある。本実施形態では、対応するウェルプレート10は、プレート10の上表面17から延在するリム16を有するプレートウェル12を含む。プレートウェル12のリム16は、対応する洗浄液ウェル22において受け取られて(例えば洗浄液ウェル22内に延在し)、ウェル22内のクリーニング流体24に接触しうる。このような相補的なリム配置によって、プレートウェルリム16の、対応する洗浄液ウェル22とのより効果的な係合が可能となり、それにより残留物質14がより良好に除去されうる。例えばプレートウェル12のリム16が洗浄液ウェル22内に受け入れられて、それによりリム16の適切な部分がクリーニング流体26内に完全に浸漬される場合、リム16上の残留物質14がより良好に除去されうる。このような種類の連動配置はさらに、プレートウェル12が対応する洗浄液ウェル22と適切に位置合わせされることを確実にすることに役立ちうる。例えばプレートウェルのリム16が各々の洗浄液ウェル22によって適切に受け止められない場合、プレート10と洗浄液溜め20との間に明らかな間隙が存在してしまい、これは、プレート10は再度位置合わせされるべきであることを示す。
【0020】
図7および図8は、洗浄液ウェル22が、洗浄液溜め20の基部23におけるより大きくて深い開口の代わりに凹んだまたは窪んだ領域28を含む点を除いて、図6に類似する別の例示的な実施形態を示す。本実施形態では、ウェルプレート10のリム16は、洗浄液溜め20における凹み領域28内に置かれ、それによりマルチウェルプレート10と洗浄液溜め20との間にはほとんどまたは全く側方移動がなくなる。この点につき、マルチウェルプレート10のウェル12と洗浄液ウェル22とが最適に位置合わせされた場合、互いに対するウェルの側方移動は、クリーニングプロセスをより厄介なものとしてしまう。そのために、幾つかの実施形態には、ウェルが互いに対する実質的な移動が防止される機構が組み込まれうる。図9は、中心開口を取り囲みかつリム26によって中心開口から離間された各洗浄液ウェル22の意図する領域28を有する別の同様の配置を示す。したがって、プレートウェル12のリム16は、凹み領域28内に受け入れられうる。一方で、当業者であれば、マルチウェルプレート10および洗浄液溜め20は、マルチウェルプレート10が洗浄液溜め20の一部を受け止めるように凹み領域を組み込む反対の構成を採用しうることは理解できよう。
【0021】
図10は、単一のより大きい洗浄液ウェル22が複数のプレートウェル12を受け止めうるさらに別の例示的な実施形態を示す。本実施形態では、洗浄液溜め20における凹み領域28は、マルチウェルプレート10の上表面17を受け止めるように構成されうるが、このような構成は必須ではない。この点につき、当業者であれば、ここでもマルチウェルプレート10および洗浄液溜め20は、マルチウェルプレート10が洗浄液溜め20の一部を受け止めるように凹み領域を採用する反対の構成を採用しうることは理解できよう。幾つかの実施形態では、1つの大きい洗浄液ウェル22は、マルチウェルプレート10にあるすべてのウェル12と相互作用(インターフェース)するよう働きうる。他の実施形態では、マルチウェルプレート10にあるサブセットのウェル12と相互作用(インターフェース)するよう働きうる、洗浄液溜め20にある幾つかの大きい洗浄液ウェル22があってもよい。例えば洗浄液溜め20の洗浄液ウェル22は、マルチウェルプレート10にある単列のウェルと相互作用(インターフェース)しうる。別の実施形態では、洗浄液溜め20の洗浄液ウェル22は、マルチウェルプレート10にある多数列のウェル12と相互作用(インタフェース)しうる。
【0022】
本発明の別の態様では、マルチウェルプレート10および/または洗浄液溜め20は、ウェルプレート10からの物質14の除去時に意図的に攪拌されうる。この点につき、クリーニング流体を付与することと攪拌との組み合わせは、プレートウェル122の裂け目や届き難い領域にある残留物質14を緩めることに役立ちうる。例えば幾つかの実施形態では、超音波処理デバイスが洗浄液溜め20内に組み込まれてもよく、それにより洗浄液溜めがマルチウェルプレート10と接触するように配置されると、超音波が洗浄液溜め20からマルチウェルプレート10に伝わり、残留物質14の塊をさらに除去できる。他の実施形態では、残留物質14を攪拌する際に、マルチウェルプレート10を、パターンが付けられたおよび/またはランダムな方法で、垂直方向および/または横方向に少し乱されうる(perturbed)。さらなる実施形態では、洗浄液溜め20は、パターンが付けられたおよび/またはランダムな方法で、垂直方向および/または横方向に少し乱されてもよく、それによりクリーニング流体は不規則にマルチウェルプレート10に分散され、より完全な洗浄液の分散が可能となる。さらにさらなる実施形態では、マルチウェルプレート10と洗浄液溜め20は互いに固定されていてもよく、そして、例えば上述したような攪拌機構である任意の適切な攪拌機構を、これらの2コンポーネントに適切に適用してもよい。
【0023】
クリーニング流体24は、ピペットまたは他のディスペンサを介して分注する、流体をピッチャまたは他の容器からウェル内に注ぐ等といった任意の適切な方法で、洗浄液ウェル22内に与えられうる。あるいは、クリーニング流体24は、1以上の洗浄液ウェル22にクリーニング流体の流れを供給する、または、1以上の洗浄液ウェル22からクリーニング流体を除去する、洗浄液ウェル22に関連付けられたポートによって与えられてもよい。例えば図11は、インレット30がインレット入口34を介してクリーニング流体24を与え、アウトレット32がアウトレット出口36を介して洗浄液ウェル22の内容物のための放出を与える実施形態を示す。当然ながら、本発明の様々な実施形態において、インレット30およびアウトレット32は、ウェル内の任意の適切な位置に位置決めされうる。様々な態様において、インレット30および/またはアウトレット32は、任意の適切な断面形状を有し、クリーニング流体を中に通し、洗浄液ウェル22の内容物を外に通す働きをするポートであってよい。幾つかの実施形態では、インレット30は、洗浄液ウェル22に加圧方法でクリーニング流体24をアクティブに与えうる。同様に、アウトレット32は、負圧を与えることにより洗浄液ウェル22から内容物をアクティブに除去しうる。他の実施形態では、インレット30は、クリーニング流体24をよりパッシブに与えてもよく、それによりクリーニング流体は洗浄液ウェル22内に自然に流入できる。同様に、アウトレット32も、洗浄液ウェル22の内容物が出口36を介して洗浄液ウェル22から流出することを可能にしうる。当然ながら、任意の適切な数のインレット30またはアウトレット32が洗浄液ウェル22へおよび/または洗浄液ウェル22から設けられうる。
【0024】
本発明の別に態様では、インレット30および/またはアウトレット32は、クリーニング流体の流入および洗浄液ウェル22の内容物の流出を制御するバルブを含んでもよい。流入および流出を制御する多種多様の適切なバルブがあり、次に限定されないが、機械的にまたは電子機械的に作動されるバルブも含まれる。他の実施形態では、インレット30および/またはアウトレット32には、流体透過性であるようにまたはフィルタとして働きうるメンブレンまたは他のコンポーネントが組み込まれてもよい。
【0025】
当然ながら、洗浄液ウェル22内に組み込まれるインレット30またはアウトレット32が画定されないことも可能である。この点につき、クリーニング流体の供給は、次に限定されないがウェルにクリーニング流体を与える、洗浄液ウェル22の上方に適切に配置された供給管といった任意の適切な方法を介して、洗浄液ウェル22の上部開口の上から行われうる。これに関連して、適切な供給管が、洗浄液ウェル内に加圧されたクリーニング流体をアクティブに与えるか、または、クリーニング流体をよりパッシブに与えうる。さらに、洗浄液ウェル22からの内容物の流出(exit out)は、次に限定されないが、洗浄液ウェル22の上方に適切に配置された出口管といった任意の適切な方法を介して、洗浄液ウェル22の上部開口の上で生じうる。出口管は、負圧をアクティブに与えて、洗浄液ウェル22から内容物を除去しうる。別の観点では、洗浄液ウェル22の内容物は、上部リムを越えて洗浄液ウェル22から単に流出してもよいので、出口管はなくてもよい。内容物が上部リムを越えて洗浄液ウェル22から流出すると、内容物は洗浄液溜め20の上表面27において回収されて一緒に廃棄されうる。
【0026】
図12は、例えば図7および図8の実施形態と共に用いられうる例示的な実施形態を示す。すなわち、クリーニング流体24は、凹み領域28内の1以上のインレット30を介して与えられ、内容物は、洗浄液ウェル22内のアウトレット32を介して除去されうる。別の実施形態では、クリーニング流体24の流れは、図12に示す流れとは反対にされてもよく、流体24はアウトレット32において与えられ、インレット30において除去される。
【0027】
図13は、例えば図2、3、5または9における実施形態と共に用いられうる別の例示的な実施形態を示す。本実施形態では、クリーニング流体は、リム26またはプラットホーム25におけるインレット30を介して与えられ、流体は、洗浄液ウェル22内のアウトレット32を介して除去されうる。別の実施形態では、クリーニング流体24の流れは反対にされてもよく、流体24はアウトレット32において与えられ、インレット30において除去される。
【0028】
当然ながら、クリーニング流体は、洗浄洗浄液溜めにおけるすべての洗浄液ウェルに一度に供給される必要はない。むしろ、クリーニング流体は希望通りに適切に分散されうる。クリーニング流体は希望通りにどのようにも交換されてもよい。クリーニング流体は、ウェルプレートのクリーングの前および/または後で、例えば断続的な流れ、連続的な流れ、または任意の適切な方法で任意の適切な期間に与えられうる。クリーニング流体が非連続ストリームで与えられる場合、様々なクリーニング流体がインレットポートを介して洗浄液ウェル内に流入させられうる。洗浄液ウェルの内容物も、例えばドレイン内へ、または流体の流出に対応する1以上のポートといった任意の適切な配置を介してウェルから流出するようにされうる。流入と同様に、流出も例えば断続的または連続的であってよく、洗浄液ウェルはアウトレットを介して部分的にまたは完全に空にされ、続けてインレットを介して充填されうる。さらに、幾つかの実施形態では、インレットおよび/またはアウトレットポートは、クリーニング流体の流入方向が、流出が発生する方向と共に適切に調節されて洗浄液が各サンプルプレート12に完全に分散されうるように、移動可能および/または回転可能であってよい。他の実施形態では、インレットおよび/またはアウトレットポートは、事実上全方向性であってよく、クリーニング流体は等しい速度で複数の方向に噴出すことが可能である。
【0029】
本発明の他の態様にしたがって、図14は、マルチウェルプレートのウェルから残留物質を除去するために自動システムが用いられる一実施形態を示す。図示される実施形態では、プレート操作ロボットシステム40は、操作アーム42と、適切にマルチウェルプレート10を掴むためのグリップ機構44とを含む。洗浄機構50が接続されている洗浄液溜め20を支持している基板60も示される。洗浄機構50は、クリーニング流体を、供給源54から供給路53に沿ってかつ供給ポート52を介して、流入させる働きをする。同様に、洗浄機構50は、廃棄内容物を、廃棄ポート55から廃棄路56に沿ってかつ廃棄チャンバ57へと除去する働きをする。当然のことながら、洗浄機構50は、1以上のポンプ、タンク、導管、バルブ、センサ、コントローラ、リレー、および洗浄液溜め20に対するクリーニング流体の流れを制御するための機能を与える他のコンポーネントを含みうる。
【0030】
図示するアーム42およびグリップ機構44が具備されたプレート操作ロボットシステム40は単純な概略図であるが、当業者であれば、本明細書に提示された目的のために任意の適切な自動化された機械システムが十分であることは理解されよう。実際に、プレート操作ロボットシステム40は、多数の操作アーム42および/または多数のグリップ機構44を有することが可能である。操作アーム42は、通常、回転可能であり、また、3つの独立した次元といったように任意の適切な数の自由度で並進可能でありうる。操作アーム42に取り付けられたグリップ機構44は、任意の特定の対象物を掴みかつ解放する働きをしうる。ここの特定の場合、グリップ機構44は、マルチウェルプレート10を掴みうる。別の実施形態では、グリップ機構44が洗浄液溜め20を掴み、洗浄液溜めをマルチウェルプレート10に持ってくるように自動システムを構成することも可能である。この点につき、洗浄液溜め20は、マルチウェルプレート10に対して逆さまにされ、クリーニング流体が洗浄液ウェルからマルチウェルプレート10のウェル内に与えられうる。1つの選択として、マルチウェルプレート10は、その後、任意の方法で逆さまにされ、および/または乾燥されてもよい。あるいは、マルチウェルプレート10は、グリップ機構44が洗浄液溜め20を掴み、洗浄液溜めをマルチウェルプレート10に関連付けさせる間に、逆さまにされ、定位置に保持されうる。さらなる実施形態では、自動システムは、複数のグリップ機構44が1以上のマルチウェルプレート10および/または1以上の洗浄液溜め20を掴むように構成されてもよい。さらなる実施形態では、グリップ機構は、基板サポート60を使わずにマルチウェルプレートおよび洗浄液溜めを一緒にしうる。図14に示される例示的な実施形態では、プレート操作ロボットシステム40のグリップ機構44は、マルチウェルプレート10を掴み、マルチウェルプレート10を逆さまにして、サンプルウェルの開いた部分が下に向くかまたは洗浄液溜めにある洗浄液ウェルの開いた部分に直接向かうように働く。次に、マルチウェルプレート10は、マルチウェルプレートにあるウェルの各リムが洗浄液溜めにある少なくとも1つの対応する洗浄液ウェルによって比較的同時に受け止められるように、プレート操作システム40、42、44によって位置決めされうる。
【0031】
一動作例では、残留物質を有するマルチウェルプレート10は、プレート操作機構40によって掴まれて逆さまにされ、それによりマルチウェルプレートにあるウェル12が、洗浄液溜め20の対応する洗浄液ウェル22と位置合わせするようにされる。次に、プレート操作機構40は、除去されるべき残留物質を有するサンプルウェル12が、洗浄液溜め20の対応する洗浄液ウェル22と流体連結するように、マルチウェルプレート10を洗浄液溜め20に関連付ける。ある場合では、クリーニング流体は、洗浄液ウェル22内のインレットポート30を介して与えられ、サンプルウェル12内にある残留物質と接触することになる。クリーニング処理が行われる際に、洗浄液ウェル22内のアウトレットポート32は、クリーニング流体と残留物質との組み合わせからもたらされる内容物を除去しうる。クリーニング流体は、上方向に噴霧されるか、そうでなければマルチウェルプレートのウェル内に導入される、または、洗浄液ウェル内において基本的に静止したままで、プレート10が洗浄液溜め20に近接して位置決めされたときにプレート10に接触しうる。
【0032】
当然ながら、多数の様々な種類のクリーニング流体を、様々な期間の間、様々な順序で組み込んでもよい。当業者であれば、あらゆる種類の残留物質に対して、クリーニング流体とクリーニング時間の異なる組み合わせが必要となることは理解できよう。この点につき、供給源54は、洗浄機構50にクリーニング流体の任意の組み合わせを与えうる。洗浄機構50は次に、適切なクリーニング流体を洗浄液ウェル22に供給しうる。続けるに、洗浄液ウェル22からの廃棄内容物は洗浄機構50を介して流出し、最終的には後続の処分のために廃棄チャンバ57に入る。幾つかの実施形態では、流体路およびポートが、クリーニング流体の流入および廃棄内容物の流出のために洗浄機構50に設けられうる。他の実施形態では、残留物質除去システムのために別個の洗浄機構および廃棄機構が用いられうる。さらなる実施形態では、残留物質除去システムのために洗浄機構および廃棄機構のいずれも用いられなくてもよい。
【0033】
本発明の幾つかの態様を説明してきたが、当業者であれば様々な変更、修正、および改良点を思いつくことは理解されるべきである。かかる変更、修正、および改良点は、本開示の一部であることを意図しており、また、本発明の精神および範囲内であることを意図している。したがって、本明細書における説明および図面は限定ではなく例示を意図している。
【0034】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」および「an」は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる表現「および/または」は、それにより結合される要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、要素は共同して存在する場合もあれば、分離して存在する場合もあることを意味すると理解されるべきである。「および/または」と共に列挙される多数の要素も、同じように解釈されるべきである。すなわち、「1以上の」要素がそのように結合される。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素も、その具体的に特定される要素に関連していてもいなくても、任意選択的に存在してよい。
【0036】
特に明記されない限り、2以上のステップまたは行為を含む本明細書に記載される任意の方法では、これらの方法のステップまたは行為の順番は、記載される方法のステップまたは行為の順番に必ずしも限定されないことを理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルウェルが流体を受けるように開いている上面と前記上面とは反対側の底面とを有するマルチウェルプレートに位置付けられた複数のサンプルウェルにおける残留物質を除去するための方法であって、
前記マルチウェルプレートのサンプルウェルに対応するように配置された複数の洗浄液ウェルであって、それぞれがプラットホームを有する洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めを与えるステップと、
前記複数の洗浄液ウェルの各々におけるプラットホームに、クリーニング液体による層を形成するためにクリーニング流体を与えるステップと、
前記マルチウェルプレートの前記上面が前記マルチウェルプレートの前記底面の下に位置決めされるように前記マルチウェルプレートを逆さまにするステップと、
前記マルチウェルプレートのサンプルウェルのリムを、対応する洗浄液ウェルにおけるクリーニング流体の層に接触させ、それにより前記サンプルウェルの前記リムにおける物質が前記クリーニング流体によって接触されるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
各洗浄液ウェルに対してインレットを与えるステップをさらに含み、前記インレットは、ある量のクリーニング流体を前記対応する洗浄液ウェルに与えるように適応される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クリーニング流体を与えるステップは、前記クリーニング流体を、各対応するインレットポートの周りのプラットホームに導入するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1以上の対応するポートを介して、前記洗浄液ウェルの各々から内容物を除去するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各洗浄液ウェルからの内容物を各洗浄液ウェルの最上部を越えて流出させることによって、前記洗浄液ウェルの各々から内容物を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記洗浄液溜めは、各洗浄液ウェルが、前記マルチウェルプレートの単一のサンプルウェルに個々に対応しかつ受け止めるように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の洗浄液ウェルの各々にクリーニング流体を与えるステップは、前記残留物質を溶解するおよび/または懸濁するように、前記クリーニング流体を前記残留物質と相互作用させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マルチウェルプレートの複数のサンプルウェルから残留物質を除去し、前記サンプルウェルは、各々、前記サンプルウェルへの開口におけるリムを有する、自動システムであって、
各々、前記マルチウェルプレートに位置付けられた対応するウェルの前記リムを受け止めるように適応された複数の洗浄液ウェルであって、その上にクリーニング液体の層が設けられた洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めと、
前記複数のサンプルウェルの各リムが、前記洗浄液溜めの対応する洗浄液ウェルによって同時に受け止められ、洗浄液ウェルのプラットホームの上のクリーニング液体の層に接触するように前記マルチウェルプレートを逆さまの状態に位置決めするように前記マルチウェルプレートを操作するグリップ要素を有するプレートマニピュレータと、
を含むシステム。
【請求項9】
各洗浄液ウェルはインレットを含み、前記インレットは、ある量のクリーニング流体を前記洗浄液ウェルに与えるように適応される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
各洗浄液ウェルはアウトレットを含み、前記アウトレットは、ある量の内容物を前記洗浄液ウェルから除去するように適応される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
各洗浄液ウェルは、インレットを囲むプラットホームを含み、前記インレットを通り、クリーニング流体が前記プラットホームを渡って流れるように与えられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記洗浄液溜めは、各洗浄液ウェルが、前記マルチウェルプレートの単一のサンプルウェルに個々に対応しかつ受け止めるように配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
マルチウェルプレートの複数のサンプルウェルから残留物質を除去し、各サンプルウェルはリムを有する、装置であって、
前記マルチウェルプレートが逆さまにされた位置では、前記マルチウェルプレートの前記サンプルウェルの前記リムは、各々、複数の洗浄液ウェルの対応するウェルによって同時に受け止められるように、行列に配置された前記複数の洗浄液ウェルを有する洗浄液溜めを含み、
各洗浄液ウェルは、対応するインレットを有し、そのインレットは、ある量のクリーニング流体を対応するサンプルウェルの前記リムに接触している前記洗浄液ウェルのプラットホームに与えてクリーニング液体の層を形成する、装置。
【請求項14】
各洗浄液ウェルは、前記対応するインレットを囲むプラットホームを含み、前記インレットを通り、クリーニング流体が前記プラットホームを渡って流れるように与えられる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各プラットホームは、基部から上方向に延在し、前記クリーニング流体は、前記プラットホームを渡って前記基部を介してアウトレットに流れる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プラットホームは、互いに離間される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記洗浄液溜め内の各洗浄液ウェルに対応するアウトレットをさらに含み、前記アウトレットは、ある量の内容物を前記対応する洗浄液ウェルから除去するように適応される、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記洗浄液溜めに位置付けられた前記複数の洗浄液ウェルは、前記マルチウェルプレートに位置付けられた前記複数のサンプルウェルよりも数が多い、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記洗浄液溜めは、各洗浄液ウェルが、前記マルチウェルプレートの単一のサンプルウェルに個々に対応しかつ受け止めるように配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記洗浄液溜めにおける前記洗浄液ウェルは、様々なサンプルウェル配置を有する複数の様々なマルチウェルプレートからのサンプルウェルを受け止めるように配置される、請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−527612(P2012−527612A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511812(P2012−511812)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/001432
【国際公開番号】WO2010/134964
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511280098)プロートダイン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】