説明

サンプル取得、処理及び反応のためのアッセイカード

本開示は、分析物の検出のための装置、システム及びそれらの使用方法に関する。特に、本開示は、反応試薬がカード内に貯えられ、ポイント・オブ・ケアの適用を促進する使い捨てのアッセイカードを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についてのクロス・リファレンス
本出願は、2010年2月12日付出願の米国仮出願番号第61/304,018号について優先権を主張する。その全体が参照により本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概略、分析物検出の分野に関し、特に、分析物の検出のための試料を受け取って、処理する分析装置に関する。アッセイ装置の構成要素、アッセイ装置及びその構成要素を備えるシステム及び使用方法も記載する。
【背景技術】
【0003】
生物的及び環境的なサンプル中の特定分析物の有無を判定することは、様々な診断、法医学及び監視目的で望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ポイント・オブ・ケアの場所若しくは研究室で、又はサンプル製剤、試薬導入・移動、及び、検出ステップを最小化及び単純化する必要がある外の場所で、サンプルの分析が可能な装置に対する特定のニーズがある。本反応カードは、このニーズに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、アッセイ装置が提供される。アッセイ装置は、反応室へのサンプルを受け取るためのサンプルポートを有する平面反応カードと、試薬を受け取るためのカード上の試薬入力ポートであって、反応室と流体連通する該試薬入力ポートとを備える。アッセイ装置は、また、カードに取り付けられ、試薬入力ポートと流体連通する少なくとも1つの試薬貯蔵部と、カード上に位置し、反応室での反応を監視するための光学窓とを備える。
【0006】
一実施形態では、反応室は、サンプルポートを介したサンプルの導入により、サンプルが反応室にあるように、該サンプルポートに直接的に隣接する。
【0007】
他の一実施形態では、少なくとも1つの試薬貯蔵部は、液体状の試薬を有する貯蔵室と、該貯蔵室を囲む細長いカラーとを備える。該細長いカラーは、反応カードと係合して試薬貯蔵部を取り付けるように構成される。
【0008】
他の一実施形態では、アッセイ装置は、試薬貯蔵部を反応カードの表面に固定するための取付部材であって、該取付部材を反応カードに固定するときに、試薬入力ポートと整列配置する少なくとも1つの開口部を有する取付部材をさらに備える。
【0009】
さらに他の一実施形態では、試薬貯蔵部を囲むクランプを装置上に含み、クランプは、試薬貯蔵部の貯蔵室の高さより高い壁を有する。
【0010】
また、他の一実施形態では、少なくとも1つの試薬貯蔵部は、反応室に、又は、試薬入力チャネルと反応室を接続する試薬入力チャネルに貯められる乾燥状の試薬を有する。
【0011】
上記装置は、さらに他の一実施形態では、取付部材によって反応カードの外面に取り付けられる第2の試薬貯蔵部であって、該取付部材が反応カード上で試薬入力ポートと整列配置する開口部を有する該第2の試薬貯蔵部を備える。
【0012】
一実施形態では、サンプルポートと係合するように構成されたサンプル導入モジュールであって、サンプル導入モジュールは、サンプルを捕えることが可能なキャリアと、該サンプル導入モジュールをサンプルポートに係合するための封止手段とを有する。
【0013】
他の一実施形態では、アッセイ装置は、反応室と流体連通する出力ポートをさらに備える。一実施形態では、液体不透過性でガス透過性の膜が、出力ポートを介して位置する。さらに他の一実施形態では、膜は、試薬貯蔵部を反応カードに固定する取付部材の一部である。
【0014】
また、他の一実施形態では、試薬貯蔵部は、加えられる力により壊れて開くことが可能な壊れやすい貯蔵室を有する。
【0015】
他の一実施形態では、反応カードは、選択された厚みのエッジを画定するための選択された厚みを有し、光学窓は反応室に隣接する領域のエッジに配置される。
【0016】
他の一実施形態では、アッセイカードが提供される。アッセイカードは、アッセイカード上の開口部と移動可能に係合し、係合するときに該開口部に液体密着封止を形成するサンプル導入モジュールと、第1の位置からアッセイカードの少なくとも1つの次の位置へ移動可能な可動サンプル導入モジュールと、サンプル導入モジュールが第1の位置にあり又は少なくとも1つの次の位置にあるときに、アッセイカードに位置する成分放出用の1つ又は複数の試薬貯蔵部とを備える。
【0017】
一実施形態では、第1の位置あるときに、サンプルがサンプル導入モジュール上へ与えられ、該サンプルは、アッセイカードのサンプルポートを介して与えられ、サンプルポートは、第1の位置にあるときに、サンプル導入モジュールと流体連通する。
【0018】
他の一実施形態では、少なくとも1つの次の位置は、第2の位置又は第3の位置であり、第2の位置及び第3の位置のうちの1つが反応室に対応する。
【0019】
また、他の一実施形態では、反応室は、乾燥状の試薬を有する。
【0020】
さらに他の一実施形態では、試薬貯蔵部はアッセイカードに位置し、該試薬貯蔵部から反応室と流体連通するアッセイカード上の試薬入力ポートを通って液体試薬を与える。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの次の位置は、第2の位置及び第3の位置を有し、試薬貯蔵部は、第2の位置に位置するときにサンプル導入モジュール上へ液体試薬を与える第2の位置と関連づけられ、及び、試薬貯蔵部は、第3の位置に位置するときに、サンプル導入モジュール上へ液体試薬を与える第3の位置と関連づけられる。
【0022】
また、他の一実施形態では、分析物の有無に関するサンプルの分析用キットが提供される。キットは、平面反応カードであって、反応室へのサンプルを受け取るためのサンプルポートと、反応室と流体連通して、試薬を受け取るためのカード上の試薬入力ポートと、サンプルと反応室内の試薬との反応を監視するためのカード上に位置する光学窓とを有する。キットはまた、1つ又は複数の試薬貯蔵部の各々の貯蔵室に含まれる液体成分を反応カードの試薬入力ポートへ放出するため、反応カードにつけられるように構成された1つ又は複数の試薬貯蔵部を含む。キットはまた、反応カード上のサンプルポートへの挿入用に構成されたサンプル導入モジュールを有する。
【0023】
キットの一実施形態では、1つ又は複数の試薬貯蔵部は、バッファを有する第1の試薬貯蔵部と、ポリメラーゼ連鎖反応のための試薬を有する第2の試薬貯蔵部を備える。
【0024】
さらに他の一実施形態では、1つ又は複数の試薬貯蔵部のある試薬貯蔵部を、反応カードに固定するための取付部材を含む。
【0025】
さらに他の一実施形態では、サンプル導入モジュールは、溶解剤を含むキャリア部材を備える。
【0026】
他の態様では、システムが提供される。上述のアッセイカードと、アッセイカードを受け入れるように構成されたアナライザであって、サーマルサイクラーと、液体試薬を放出するために少なくとも1つの試薬貯蔵部に力を加える電気機械部品と、光学系とを有する。
【0027】
一実施形態では、光学系は、反応室に各励起波長で光を送る光源と、反応室からの各放出波長で光を検出する検出器とを有する。
【0028】
他の一実施形態では、電気機械部品は、力センサを有する。
【0029】
また、他のサーマルサイクラーは、熱伝導性の介在部材によってアッセイカードの反応室と接触する。
【0030】
サンプル内の分析物を検出する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載のアッセイカードを提供し、サンプルをアッセイカードに配置し、反応室内でサンプルと試薬との反応を実行し、光学窓を介して光学的に該反応を監視してサンプル内の分析物の有無を検出する。
【0031】
サンプルは、生物学的サンプルである。一実施形態では、サンプルは血液である。
【0032】
他の一実施形態では分析物は、核酸であり、特に核酸は、ウィルス核酸である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】図1A−1Cは、反応カードの平面図及び前側の上斜視図(それぞれ図1A−1B)、及び反応カードの後側の上面図(図1C)である。
【図1B】図1A−1Cは、反応カードの平面図及び前側の上斜視図(それぞれ図1A−1B)、及び反応カードの後側の上面図(図1C)である。
【図1C】図1A−1Cは、反応カードの平面図及び前側の上斜視図(それぞれ図1A−1B)、及び反応カードの後側の上面図(図1C)である。
【図2】図2は反応カードの背面の上面図を示し、ハンドル部分は識別子タグを任意に含むことができる。
【図3A】図3A−3Bは、反応カードの一部の分解図を示し、反応室及び反応室と連通する流体チャネルと(図3A)、点線で示された室及びチャネルを囲む反応カードの部分と嵌合するよう構成される壁(図3B)を備える。
【図3B】図3A−3Bは、反応カードの一部の分解図を示し、反応室及び反応室と連通する流体チャネルと(図3A)、点線で示された室及びチャネルを囲む反応カードの部分と嵌合するよう構成される壁(図3B)を備える。
【図4A】図4A−4Bは、製作時の平面ベースは反応室を画定する壁がなく、ベース内に貫通穴又は開放領域があり、そこに外壁が反応室を画定するために取り付けられることができる反応カードの正面(図4A)、背面(図4B)を示す。
【図4B】図4A−4Bは、製作時の平面ベースは反応室を画定する壁がなく、ベース内に貫通穴又は開放領域があり、そこに外壁が反応室を画定するために取り付けられることができる反応カードの正面(図4A)、背面(図4B)を示す。
【図5】図5は、反応カードの光学窓に隣接して外部に位置するアナライザの発光ダイオード(LED)及びフォトセンサが配置される場所に隣接する反応カードを示す。
【図6A】図6A−6Bは、サンプル導入モジュールの実施形態の概略図である。
【図6B】図6A−6Bは、サンプル導入モジュールの実施形態の概略図である。
【図7A】図7A−7Eは、異なる斜視で見たときのサンプル導入モジュールの実施形態の付加的詳細を示す概略図である。
【図7B】図7A−7Eは、異なる斜視で見たときのサンプル導入モジュールの実施形態の付加的詳細を示す概略図である。
【図7C】図7A−7Eは、異なる斜視で見たときのサンプル導入モジュールの実施形態の付加的詳細を示す概略図である。
【図7D】図7A−7Eは、異なる斜視で見たときのサンプル導入モジュールの実施形態の付加的詳細を示す概略図である。
【図7E】図7A−7Eは、異なる斜視で見たときのサンプル導入モジュールの実施形態の付加的詳細を示す概略図である。
【図8】図8は、1つ又は複数の試薬が配置される反応カードの他の実施形態の概略図であり、アッセイ装置とも呼ばれるアッセイカードを形成する。
【図9】図9は、反応カードと、反応カードの1面に添付される試薬貯蔵部を有するアッセイカードの概略図である。
【図10A】図10A−10Bは、試薬貯蔵部(図10A)と、試薬貯蔵部と反応カードと嵌合しアッセイカードを形成する取付部材(図10B)の図である。
【図10B】図10A−10Bは、試薬貯蔵部(図10A)と、試薬貯蔵部と反応カードと嵌合しアッセイカードを形成する取付部材(図10B)の図である。
【図11】図11は、試薬貯蔵部及び試薬貯蔵部を反応カードに固定する取付部材を示す。
【図12A】図12A−12Bは、試薬貯蔵部を反応カードに固定するための取付部材の他の実施形態を示す。
【図12B】図12A−12Bは、試薬貯蔵部を反応カードに固定するための取付部材の他の実施形態を示す。
【図13A】図13A−13Bは、反応カードに固定し、クランプで保護された試薬貯蔵部を示す。
【図13B】図13A−13Bは、反応カードに固定し、クランプで保護された試薬貯蔵部を示す。
【図14A】図14A−14Cは、試薬貯蔵部を通じて入れ子になっており、試薬貯蔵部内の、試薬が格納される破裂可能な室を保護するクランプの実施形態の概略図を示す。
【図14B】図14A−14Cは、試薬貯蔵部を通じて入れ子になっており、試薬貯蔵部内の、試薬が格納される破裂可能な室を保護するクランプの実施形態の概略図を示す。
【図14C】図14A−14Cは、試薬貯蔵部を通じて入れ子になっており、試薬貯蔵部内の、試薬が格納される破裂可能な室を保護するクランプの実施形態の概略図を示す。
【図15A】図15A−15Cは、試薬貯蔵部と一体化されるクランプの2つの実施形態を図示する。
【図15B】図15A−15Cは、試薬貯蔵部と一体化されるクランプの2つの実施形態を図示する。
【図15C】図15A−15Cは、試薬貯蔵部と一体化されるクランプの2つの実施形態を図示する。
【図16A】図16A−16Bは、アッセイカードの側面図(図18A)及び斜視図(図16B)であり、アッセイカードは、SIM、反応カード及び試薬を有する。
【図16B】図16A−16Bは、アッセイカードの側面図(図18A)及び斜視図(図16B)であり、アッセイカードは、SIM、反応カード及び試薬を有する。
【図17】図17は、本願明細書に記載されるように、アッセイカードの仕様方法に従うステップを示す。
【図18A】図18A−18Cは、アッセイカードの他の実施形態を示す。
【図18B】図18A−18Cは、アッセイカードの他の実施形態を示す。
【図18C】図18A−18Cは、アッセイカードの他の実施形態を示す。
【図19A】図19A−19Dは、アッセイカードとサンプル処理及び分析物検出での使用の他の実施形態の概略側面図を示す。
【図19B】図19A−19Dは、アッセイカードとサンプル処理及び分析物検出での使用の他の実施形態の概略側面図を示す。
【図19C】図19A−19Dは、アッセイカードとサンプル処理及び分析物検出での使用の他の実施形態の概略側面図を示す。
【図19D】図19A−19Dは、アッセイカードとサンプル処理及び分析物検出での使用の他の実施形態の概略側面図を示す。
【図20A】図20A−20Bは、本願明細書に記載されるアッセイカードを受け入れるように設計されたアナライザの実施形態を示し、アナライザはサーマルサイクラーと、試薬貯蔵部からの放出試薬に対する粉砕機を含む。
【図20B】図20A−20Bは、本願明細書に記載されるアッセイカードを受け入れるように設計されたアナライザの実施形態を示し、アナライザはサーマルサイクラーと、試薬貯蔵部からの放出試薬に対する粉砕機を含む。
【図21】図21は、アッセイカードと連携して用いられるアナライザの電気機械的な流体供給(EFD)サブシステムの種々の構成要素を示す。
【図22】図22は、力センサで測定される力の時間(ミリ秒)の関数としてのグラフであり、その力は、アッセイカードと相互作用する器具におけるブリスター破壊プロセス中にもたらされる力に対応する。
【図23】図23は、設定点と比較したときの、アッセイカードの熱循環中のアナライザの左右のスリーブの温度(℃)の時間(秒)の関数としてのグラフである。
【図24A】図24Aは、蛍光性(任意の蛍光ユニットとして)のサイクル番号の関数としてのグラフであり、それは本願明細書で記載するようにアッセイカードに配置されHIV−1について分析される血液サンプルのRT―PCR中のアンプリコンの数に相関する。
【図24B】図24Bは、バックグラウンド減算後のクエーサー670チャネルの蛍光データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
一態様において、サンプルを受け取り、サンプルを処理し、被処理サンプルに対する反応を実行するための、アッセイカードとも呼ばれるアッセイ装置を提供する。アッセイカードは、該カードの単一反応室でサンプル内の分析物の有無を判定するためのサンプル・アンサー・ソリューションを提供する。以下に示すように、アッセイカードは、ユーザによりサンプル導入モジュールに配置されるサンプルを受け取り、サンプルをアッセイカードに組み込まれた試薬で処理し反応させるように構成され、従って、ユーザによるサンプルの操作を必要とせず、サンプルが載せられた後に、ユーザが試薬をカードにピペットで入れ又は加える必要性をなくす。
【0035】
アッセイ装置は反応カードを備え、反応カードは一実施形態において、サンプル導入モジュールで担持されるサンプルと試薬を受け取り、試薬は、反応カードのチャネル又は室内に配置され、又は、反応カードの表面に対する外部貯蔵部試薬として取り付けられる。サンプルは、反応カード内の反応室に直接入れられる。サンプルを処理し及び/又はサンプルと反応するための試薬は、反応カードに存在し、又は、反応カードへ試薬を配置するように反応カードと嵌合する1つ又は複数の試薬貯蔵部により反応室に導かれる。以下のセクションAでは反応カードを説明し、以下のセクションBではサンプル導入モジュールを説明し、そして以下のセクションCでは試薬貯蔵部を説明する。セクションDは、サンプル内の分析物の有無の分析のための、反応カード、サンプル導入モジュール及び試薬貯蔵部を有するアッセイ装置の使用を示す。
【0036】
A.反応カード
図1A−1Cは、反応カード100の第1実施形態を示す。上面(図1A)及び斜視(図1B)の平面反応カードの第1図又は正面図を示す図1A−1Bを参照すると、カード100は平面ベース102を備える。平面ベースは、反応カードの前側及び背側に対応する第1及び第2の外面を有する。平面ベース102は、サンプル導入用の、及び好適な実施形態では後述するサンプル導入モジュールの導入用のポート104を含む。本明細書で用いられる「平面」とは、平面ベース(又は反応カード)の厚みが平面ベース(又は反応カード)の幅又は長さより小さいものであることを意図し、一実施形態において、ベース又はカードの厚みはベース又はカードの幅又は長さより2、3、4、又は5分の1である。反応カードは、ユーザにより確実に扱えるように任意にテクスチャ加工できるハンドル部106も備え、リブ108等の例示的な複数のリブが反応カードの正面視で見られる。ハンドル部106は、図2に図示するように、ラベル又は識別タグを反応カードに添付する領域としての役割も任意に果たし、ラベル110が部分106でカード100の裏に配置される。ラベル110は、カードのユーザ又は潜在的なユーザに有益な適宜の情報を含むことができ、該情報は、例えば患者名、サンプル収集日、アッセイロット番号、カードに予め装備された試薬の使用期限(以下で検討するようにあるとすれば)、サンプル番号などである。ラベルは、図示すようなバーコード、又は、外部機器によって読み込まれる無線周波数識別子(RFID)などの、機械可読の情報をさらに又は任意に含むことができる。他の実施形態においては、ラベルは、以下の情報の1つ又は複数の組合せを提供する役割を果たす。(1)サンプルが収集された特定患者を識別することによる、サンプル又はサンプル導入モジュール(後述する)と反応カードとの相関、(2)アッセイロット番号、(3)アッセイパラメータ、(4)カード又はカード上の試薬の使用期限、及び(5)実行されるアッセイの種類。
【0037】
再び図1A−1C参照して、カード100は、図1A−1Bのようにカードの正面上方視で最もよく見える反応室112を備える。反応室112は、ポート104と連通し、後述するように処理のため反応室へのサンプルを受け取る。反応室112は、試薬入力チャネル114及び出力チャネル116と流体連通する。反応室112は、図1Cで118として表される、第1の壁(又は、カードの方向によっては床)で画定される。一実施形態において、壁118は外側への(正の)わずかな勾配又は湾曲を有して製造され、室112を画定し、カードの使用中に外部のサーマルサイクラーとの熱接触を確実にする。
【0038】
図3A−3Bは、反応カードの反応室112、試薬入力チャネル114及び出力チャネル116と(図3A)、点線122で示す反応カードの部分と嵌合するように構成される第2の壁120(又は、カードの方向によっては床、図3B)の分解図を示す。反応室112の第1の壁は、通常、反応カードの製造の間、例えば平面反応カードの成形プロセスの間に形成される。第1の壁は、好ましくは、熱転送効率を最大にし、さらに取扱い及び使用中に、特に熱循環中に、十分な構造的完全性を提供する壁厚を有するように成形される。第2の壁は、反応カードと嵌合すると、試薬入力チャネル、出力チャネル及び反応室を囲む。第2の壁は、接着剤で貼り付けられることから超音波又は熱溶接を経て接着することまで、様々な適当な手段のいずれか1つで反応カードのベースに固定される。一実施形態において、反応カードのベースは、第2の壁が貼り付けられる高くなったでっぱりを有するように成形される。第2の壁は、蒸気不浸透性及び液体不浸透性封止を提供する手段で平面ベースに固定する。エネルギー・ディレクタは、第2の壁の超音波溶接、レーザー溶接又は熱溶接を容易にするために、壁がこれらの方法で接着されるときに、平面ベース上へ成形されることができる。
【0039】
第1及び第2の壁によって画定される反応室は、カード上の化学反応の主な場所であり、後述するようにそこでサンプルが分析のために処理される。図面に図示した実施形態において、反応室は通常円形か球形であるが、当業者であれば反応室が他の形状を有することができることを理解するであろう。反応室の容積は、少なくとも部分的には分析仕様によって決まり、特定の分析条件のためにしかるべく拡大縮小されてもよい。試薬は、被覆され又は反応室に配置されることができる。壁及び反応室の面は好ましくは鋭い角のない滑らかか、又は、気泡の閉じ込めを防止するエッジである。好適な実施形態では、反応室は1より大きい表面積対体積率を有し、外部からあてられる熱源から熱伝導を最大にする。より好ましくは、室を囲む壁の面積として測定される反応室領域の、アッセイカードの操作中の反応室の液体量に対する表面積対体積率は、1をより大きく、好ましくは約1.2より大きく、より好ましくは約1.5、約1.8、約2.0より大きい。特定の実施形態においては、反応室の体積は、約100−600μLの間、好ましくは約200−500μL、より好ましくは200−400μL、他の実施形態ではさらにより好ましくは200−300μLであり、反応室の壁の面積は、約100−500mm2の間、好ましくは約150−400mm2、より好ましくは200−350mm2、さらにより好ましくは200−300mm2である。
【0040】
平面ベース及び各壁の前述の説明から理解できるように、反応室を画定する第1及び第2の壁は、両方を剛体にでき、両方を可撓性のものにもでき、又は、一方が剛体で他方が可撓性のもので構成できる。各壁が製造される材料は異なってもよく、おそらく異なることになり、サンプル、試薬及び分析条件及びプロトコルと互換性を持つ材料の選択によって、ある程度は決定される。第2の壁として例示的な可撓性材料は、熱伝導ポリマー(Cool Polymers社、Warwick、ロードアイランド州、米国)の熱伝導ポリマーのCoolPolyシリーズである。可撓性材料の利点は、試薬の反応室への追加を拡張するために、壁が使用中に曲がることができ、これにより、サーマルサイクラー具類などの外部の熱源との良好な熱的接触を促進することである。あるいは、壁のいずれかは剛体の壁より厚く、その厚みのおかげでいくらかの構造剛性を提供する、厚み(例えば厚み>0.008インチ)の熱伝導ポリマーで又は剛性材料から形成される。
【0041】
一実施形態において、第2の壁は可撓性の壁であり、レーザー溶接プロセスによって剛性平面ベースに付与され、レーザー吸収染料が、反応室の壁を形成する材料の一方又は両方に加えられる。レーザー吸収染料は、反応カードの平面ベースの射出成形プロセス中に、樹脂ペレットに加えることで各材料とまとめることができる。あるいは、染料は、射出成形プロセスの後(レーザー溶接の前に)、ローラーの使用、スプレー、針先処理又は熱印を使用して、反応カードの平面ベースの全て又は選択された領域に塗られることができる。超音波溶接が使われる場合、プロセッサ・カード上のでっぱりの設計は、プロセッサ・カードへのフィルムの接着を容易にするように、エネルギー・ディレクタを含むよう変更されなければならない。
【0042】
図4A−4Bに、反応カードの形成のための平面ベースの他の実施形態を示す。本実施形態では、製造時の平面ベース130は、反応室を画定する壁がない。製造時に、貫通穴又は開放域132が平面ベース内のギャップで画定される。本実施形態の反応カードは、第1及び第2の壁を取付けて反応室を画定することを可能にし、例えば熱伝導を最適化し、又は、分析反応物及び条件との互換性が確実になるように、反応室の壁材料の適切な選択ができるようにする。あるいは、(図3A−3Bを参照して上述したように)剛体か可撓性の壁を取り付けることができ、第1の壁及び第2の壁がともに反応室を画定するように、後述するサンプル導入モジュールが第2の壁を画定できる。
【0043】
再び図1A−1Cを参照すると、ポート104はサンプル、好ましくは、後述するサンプル導入モジュールで担持するサンプルを受け取るように構成される。図示される実施形態のポートは円形か楕円であり、一実施形態ではサンプル導入モジュールが単一方向でカードに完全に係合できるように方向付けされる。リップ又はフランジ134は、フランジに対してポートシートへ挿入されるときに、ポート及びサンプル導入モジュールを囲み、サンプル導入モジュールの挿入留め具を作成し、液体密接封止を作成する。ポートの楕円形状は、反応カードのz方向の全体寸法を最小化する利点をもたらし、所与の大きさのボックスでパッケージ化する可能性を最大にする。挿入中にサンプル導入モジュールを誘導するガイド136、及び、ポート領域の首領域138における任意の他のガイド(不可視)などの1つ又は複数のガイドがポートに含まれることができ、サンプル導入モジュールが反応モジュール内に正確に位置することを確実にする。
【0044】
反応カード100は、図1Cに見られる試薬入力ポート140も備える。試薬入力ポートは、試薬入力チャネル114(図1A)と流体連通する。一実施形態では、試薬貯蔵部(後述する)は、通常は液体である1つ又は複数の試薬が導入可能なように、反応カードの入力ポートと整列配置する。そして液体は、試薬入力チャネルに及び反応室に流れ込む。凍結乾燥した及び/又はゲル化貯蔵された試薬は、試薬入力チャネルに沿って若しくはその中に、又は、反応室内に位置することができ、サンプルからの液体又は試薬入力ポートを介して導かれる液体で再構成される。試薬入力チャネルの幅、深さ及び滑らかな輪郭形状は、液体試薬の滑らかな層流を可能にし、気泡の閉じ込めを防止するように設計されている。
【0045】
反応カードは、出力チャネル116(図1A)と流体連通する出力ポート142(図1C)を備える。出力ポートは、サンプル又は試薬が反応室にもたらされるときに、反応室からの排気を促進する。試薬は、空気を移動させて反応室内に流入することになり、出力チャネルへ流れ込み続け、一旦すべての空気が排気されれば、出力ポートで止まることになる。気体透過性が求められる場合、液体不透過性のフィルム又は膜が、出力ポートを覆って配置でき、試薬がカードへ流れるにつれて反応カードの室及びチャネルから空気の放出を許容し、しかし出力ポートから外に液体の流れがないようにする。入力チャネル、出力チャネル及び反応室の寸法、及び、反応カードにもたらされる試薬の量は、使用中の反応カードが液体試薬によって加圧されるように各々選択できる。外部の熱源との良好な熱的接触のため、反応室の1つ又は複数の壁を、可撓性である場合、外側に膨らませる。出力チャネル幅、深さ及び滑らかな輪郭は、試薬の滑らかな層流を促進する。出力チャネルは、好ましくは反応カードの最も高い位置に配置され、反応カードの上部への気泡の動きを促進する。サーマルサイクラーなどの外部器具に挿入されるときに、最も高い位置で出力ポートとともに上に向かって傾斜する反応カードの設計は、反応カードのチャネル又は室内の出力ポートへ気泡の移動を促進する。
【0046】
以下説明するように、反応カードは、おそらく構成部品又は使用のための器具類とのカードの整列配置に必要な、図1Cと図4Bで最もよくわかるピン144、146などのアライメントピン又は穴を備える。
【0047】
反応カードの平面ベースは、製造に必要な材料を減らすため、1つ又は複数の凹部又は空洞を含むよう製造できる。平面ベースは、1つ又は複数のリブを含むよう製造できる。リブは、製作の間、溶融材料(例えば、プラスチック)を一様に送り、成形プロセスの後カードの中でたわみを防ぎ、及び/又は薄い反応カードに構造的完全性を加えるよう作用し、手動又は器具内部のいずれかでカードを扱うのに有益である。
【0048】
一実施形態において、反応カードは、図4Aで最もよく見られる室148などの室を含み、その室は、反応室132の隣に戦略的に配置されて反応室を反応カードの残りから可能な限り熱的に分離する。後述するように、反応カードは、例えばポリメラーゼ連鎖反応によるサンプル内の核酸の増幅を含むアッセイを行うためにサーマルサイクラーに嵌入される。反応室に隣接する開放空気室は、より速い熱循環、すなわち反応室部位から離れて反応カードの残りへの少ないエネルギー転送を促進する。
【0049】
反応カードの全体構成は変更できる。図1−4に示される構成は、曲線及び縁の単なる例示であり、サーマルサイクラー又はアッセイを行うための他の器具とカードとの相互作用に合うように調整できる。一実施形態において、反応カードは、平滑性及び層流を確実にするために、内部表面仕上げを有することができる。反応カードは、特定の実施形態では、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又は一般的にプラスチック成型業界で用いられる熱可塑性材料などのプラスチックから射出成形される。例えば、材料は、アッセイ、コスト及び射出成形の容易さとの互換性に基づいて選択される。
【0050】
再び図1Bを参照し、反応カードは、反応室に隣接する光学窓150をさらに備える。図1Bに示す実施形態において、光学窓は、反応カードのエッジに位置し、反応室で生じる反応を周期的に又は連続的に監視できるようにするため光学的に透明である。例えば、核酸分析物の検出について、ポリメラーゼ連鎖反応の間のアンプリコンの周期的か連続的な監視は、研磨された光学窓を経て反応室を観察する光学検出器具を使用して実行できる。これは図5に表され、ここでは反応カード100の反応室112は光学窓150を有する。分析プロセスにおいてカードの使用中、光学窓は、青色LED152及び赤色LED154などの一連の発光ダイオード(LED)に隣接して位置する。緑色フォトセンサ156及びマゼンタ色フォトセンサ158などの1つ又は複数のフォトセンサは、分析物の有無と関連がある反応室からの発光を検出する。例えば、マゼンタ色フォトセンサが、クエーサー670蛍光を検出するとともに、赤及び青色LEDでそれぞれ励起されるとき、緑色フォトセンサがFAM蛍光を検出する。LEDとフォトセンサとの必要な接続及び電気的インタフェースが、使用のため反応カードが挿入される器具に設けられることを当業者は理解するであろう。光学窓は、連続的な光透過に適した最高の光学的透明度を可能にするよう研磨され又は仕上げ加工される。壁厚は、反応カードの完全性及び構造を損なわずに最小化される。さらに、窓に沿った内側及び外側の壁は、光学ひずみを最小化するため好ましくは互いに平行である。他の一実施形態では、外部光学検出器具を支持し強化するために、光学レンズが光学窓の内壁に成形される。ここで、外形は円滑な湾曲であるが、例えば結果として直角になる直線など他の外形とすることもできる。他の一実施形態では、光学窓は、複数の直線を有する多面光学窓である。
【0051】
B.サンプル導入モジュール(SIM)
上述の通り、反応カードは、サンプルの受け取り、好適な実施形態においてはサンプル導入モジュール(SIM)で担持されるサンプルの受け取りのためのポートを含む。SIMの実施形態は図6A−6Bに示され、SIM160はホルダ164内に差し込むのに達したサイズのキャリア162を有する。一実施形態において、ホルダは、キャリアがそこへ配置される埋め込み領域166を含むように形成される。SIMは、ユーザがSIMを保持するためのハンドル168も含む。ハンドルは、患者、サンプル、日付などを識別する情報を有する任意の識別子タグ170を含むことができ、人により又はバーコードやRFIDの形態で、機械で読み込まれることができる。
【0052】
SIMは、上述のように、反応カード上のポートへの挿入に必要な大きさにする。本実施形態において、SIMは、内側縁部174を有するリップ部172を含み、内側縁部は、フランジ(例えばポート104にあるフランジ134、図3Aで最もよく見えられる)と接触し、特に、反応カード上のフランジの外面と接触する。一実施形態において、SIMは封止手段176も含む。封止手段は、Oリング、シーラント、ポリマーなどとすることができ、ポートへSIMがぴったり合う嵌挿、好ましくはポートへのSIMの液体不浸透性の嵌挿を確実にする。
【0053】
図6BのSIMの図は、サンプル・キャリアがホルダから取り出されて示され、ホルダ内、特に埋め込み領域166内でキャリアを貼り付け可能にするホルダ164における特徴がみえるようにしている。ここで、エッジ178は、例えば超音波又はレーザー溶接により、集中させてキャリアをホルダに貼りつけるのを容易にするエネルギー・ディレクタとして作用する、立体配置的な又は物質的な特徴を含むことができる。好ましくは、エッジ178の表面積は、ホルダにキャリアを確実に接着するために十分なものである。
【0054】
図7A−7Dは、SIMの種々の斜視図であり、種々の実施形態におけるSIMの付加的な特徴を示す。読者の便宜のため、サンプル導入モジュールは異なる実施形態であっても、図6A−6Bと同様の構造的要素は同様の符号をふる。図7Aは、シール部材が配置される溝180を示すSIMの斜視図である。SIMが挿入される反応カードのフランジに当接する内側縁部174は、図7Aにも見ることができる。図7Bは、ワイパー182が溝180に挿入される実施形態を示す。ワイパーは封止手段として作用でき、ワイパーが溝180を完全にふさいでいない図7Cにおける拡大図から想像できるように、SIMのポートへの挿入により物理的に曲がることになる。
【0055】
図7Dは、ハンドル部材168及びリップ部172、リブ184などの1つ又は複数のサポートリブを示すSIMの斜視端面図である。リブ184は、ハンドル168とキャリア164の間の、図7Eに示す連結186を支持し、固定して安定させる。連結186は、シール部材とリップ部を備え、SIMが反応カード上のSIMポートに挿入されるときの係合位置の役割を果たす。
【0056】
連結の外形は、円形、楕円、又は、他の適切な形状でもよく、一実施形態では、キャリア及び/又は連結は、SIMを反応カードポートに一方向だけに挿入可能なように方向付けされる。また、図7Eに最もよくみられるように、キャリアはSIMの中央線からくることができ、中央線は破線188で識別される。
【0057】
再び図6Aを参照して、SIMは、サンプル190を受け取ることを意図する。サンプルは、一実施形態では、キャリア部材に配置する前に処理される。他の実施形態では、サンプルはキャリアへ適用前の単純なサンプルであり、キャリアは、サンプルを加工又は処理するための1つ又は複数の試薬を任意に含むことができる。キャリア部材は、サンプルにより、及び、サンプルがSIMのキャリアに配置する前に前処理されるか否かにより、吸収パッド又は非吸収体パッドとすることができる。キャリア部材は、ガラス繊維膜、一定の孔径を有する材料、セルロース膜、ポリプロピレン膜及び他のポリマー物質でできた膜とすることもできる。孔径、孔配置及びキャリアの表層化学作用は、分析物がキャリアに捕らえられるか又は保持されることが望ましいかに応じて選択され、それがどの程度かを定める。キャリアの外形は、(1)試験片の種類、(2)必要な試験片の量(例えば体積)、及び、(3)必要な分離割合の1つ又は複数によって変わる。外形は、一般にホルダの設計及び外形を補完する(すなわち、図6−7に示すように円形の形態に限定される必要はない)。
【0058】
上述のように、サンプルは、単純なサンプルとして、又は、処理済みサンプルとしてキャリアに適用できる。一例として、サンプルが血液な場合、血液は血しょうを細胞成分から切り離すよう処理でき、又は、血液又は細胞成分を溶解剤で若しくは抗凝固剤で処理できる。一実施形態において、血液サンプルは、細胞から核酸を放出するために溶解剤で処理され、キャリアは、キャリアに対する処理された血液サンプルのアリコートの適用により、放出核酸を捕らえて保持するように選択される。さらに一般的には、サンプルは、生物学的又は環境的なサンプルのいずれかとすることができ、これらに限定されないが、尿、唾液、血しょう、血清、組織、痰、粘液、鼻分泌液、のど分泌液、膣液、排泄物、土壌、水、プラント組織などを含む。サンプル内の分析物は、核酸(RNA又はDNA)、タンパク質、炭水化物、脂質毒素とすることができ、被験者からの毒素、被験者に影響を与える病原体(ウイルス、細菌、菌類及び寄生虫)からの毒素、又は、環境からの毒素を含む。分析物は、被験者からの核酸配列、又は、被験者を感染させたウィルス、細菌、菌類又は寄生虫からの核酸配列とすることができる。一実施形態において、分析物は、細胞全体、細胞核又はその他細胞小器官である。
【0059】
一実施形態において、SIM上のキャリア材料は、サンプルを処理する成分を有し、及び/又は、サンプル内にあると思われる分析物を捕らえる。サンプルを処理する成分について、その成分は、洗剤などの溶解剤、又は、ヘパリン若しくはワルファリンなどの抗凝固剤とすることができる。関連する特定分析物の捕獲のためキャリアに固定できる成分については、例えば関連する固定された抗体と分析物間の免疫複合体構造により、分析物が物理的に混入でき、共有的に接着でき、又は、非共有的にキャリア部材に接着できる。他の実施形態は、キャリアに固定される相補的核酸鎖を用いて特定の核酸を結合している。SIM及び反応カードは、タンパク質分析、免疫測定、核酸増幅、細胞計数分析及び、炭水化物及び他の生物学的指標についてのアッセイに使用できる。後述するように、SIM及び反応カードは、上述したアッセイを実行可能な器具とインタフェースをとる。
【0060】
C.試薬貯蔵部
反応カードは、通常は反応カード上のSIMポートにサンプルを担持するSIMの挿入によりサンプルを受け取ると、サンプル内の分析物の有無を検出するためにサンプルのアッセイを行うことを意図している。本セクションでは、アッセイを行うための1つ又は複数の試薬の使用又は導入の方法を説明する。反応カードが試薬を含む場合、反応カード及び試薬はともに、アッセイカードと称するものを形成する。
【0061】
第一の実施形態においては、1つ又は複数の試薬を、製造後に直接反応カードに配置することができる。図8に示すように、1つ又は複数の試薬を、1つ又は複数の位置にある反応カード192に配置できる。例えば、試薬は、反応室196に置かれることができ、置かれた試薬が破線の円で囲まれる領域で適用されること示す。試薬は、反応室を囲む壁198と、本実施形態では入力チャネル200及び出力チャネル202とに置かれることもできる。壁198にある試薬は破線204で囲まれた領域によって影で示されており、これは、試薬が反応に利用可能なように、試薬の付着物が、反応室196に対向する壁198の側面である、壁198の内側対向面206にあるためである。他の実施形態では、試薬は被覆され又は入力チャネル200に置かれる。試薬が配置される場所に関わらず、所望の位置に、凍結乾燥ペレット、凍結乾燥された微粒子、ゲルの形態で、又は溶媒から置かれた試薬物質の乾燥薄膜として置くことができる。試薬がペレットの形態の場合、ペレットを、反応室に又は試薬入力チャネルに置くことができ、矢印208が反応室内に流入する液体の方向を示す。試薬が薄膜の形態の場合、膜は反応室の一方又は両方の壁に配置できる。
【0062】
他の実施形態では、試薬は、外部付属の試薬貯蔵部から試薬カードに提供される。この実施形態を、図9−15を参照して説明する。
【0063】
図9は、反応カード212及び試薬貯蔵部214を有するアッセイカード210の概略図である。試薬貯蔵部214は、後述する手段により反応カードの背面に固定され、背面はポスト216などの1つ又は複数のポストを有し、反応カード上で試薬貯蔵部の位置を後述する正しい配列へ導く。
【0064】
反応カード上の試薬貯蔵部の位置決めを、図10A−10B及び図11に示す。図10Aでは、反応カード212の背面を示し、アライメントポスト216、218を表す。試薬入力ポート220は、反応カードの入力チャネル(不可視)と流体連通し、試薬チャネルは図10Aにおいて222で示すサンプルが導入される領域おいて反応室と流体連通する。出力ポート224は、反応カードの出力チャネル(この図では見えない)と流体連通し、出力チャネルは反応室と流体連通する。図10Bに示すように、アライメントポスト216、218を介して第1開口部228及び第2開口部230を配置することで、試薬貯蔵部226を反応カード212につける。図11は、試薬を保持するための貯蔵室232を有する試薬貯蔵部226を示す。貯蔵室は、細長いカラー234で囲まれ、細長いカラーに開口部228及び230を有する。貯蔵室は壊れやすいように構成され、その結果、力が加えられると壊れて開く。試薬貯蔵部に嵌合するように構成される接着部材236により、試薬貯蔵部226を反応カードにつける。接着部材236は、貯蔵室の試薬がその放出するとそこを通って流れる中央開口部238を有する。接着部材は、試薬貯蔵部が反応カードに固定されるときに試薬入力ポート220と整列して位置する開口部240も含み、一実施形態では、接着部材は両面接着部材である。
【0065】
図11で例示したようないくつかの実施形態では、試薬貯蔵部は2枚の別々のホイル積層板を有し、一方がブリスター又は貯蔵室(232)に冷間成形されるとともに、第2ホイル積層板がリドストック又は細長いカラー(234)を形成する。アッセイに必要な液体試薬はブリスターに格納され、リドストックにより熱封止され、蒸気、酸素及び紫外線(UV)封止を生じさせる。封止されたブリスターは、(1)周囲温度での試薬貯蔵部の貯蔵を可能し、(2)低温流通技術の必要性を取り除き、(3)限られた資源の環境におけるポイント・オブ・ケア診断に従うようにする。壊れやすく/破裂可能な貯蔵室(ブリスター・パックとも呼ばれる)に対して制御された力を印加することにより、室が、所望の方向に剥離するか壊れて開き、格納された液体試薬を配置する。壊れやすい貯蔵室を有する例示的な試薬貯蔵部は、例えば、国際公開第WO2010/091246号に記載されており、その全体は本願明細書に組み込まれる。
【0066】
試薬貯蔵部を反応カードの外面につける他の実施形態を、図12A−12Bに示す。平面反応カード250は、1つの面にポスト254、256などの1つ又は複数のアライメントポストを有する平面ベース252と、試薬入力ポート258と、出口スロット260とを備える。取付部材262は、図12Bに示すように、第1及び第2開口部264、266を備え、そこにポスト254、256を挿入する。取付部材の開口部268は、入力ポート258と整列配置する。少なくとも一部の取付部材は、液体不浸透性でガス透過性の膜を有し、図12A−12Bの示す実施形態では、液体不浸透性でガス透過性の膜270は、反応カード上で出口スリット260と整列配置するスリット272に又はその中につけられる。膜は、例えばポリプロピレン又はシリコン膜とすることができ、両方とも液体を通さないが空気を透過する。膜は、好ましくは反応カード内からの適度な液体圧力増加に耐えることができる。
【0067】
好ましくは、取付部材は両面接着性のものであり、一方の面で試薬貯蔵部に接着し、他方で反応カードに接着する。好ましくは、接着剤は、低表面エネルギーのプラスチックによく接着するアッセイ適合転写接着剤である。明らかなように、取付部材の形状は試薬貯蔵部と調和するよう構成される。取付部材は、所望の外形にダイカット又はレーザーカットされてもよく、図12A−12Bはその例示を単に示す。取付部材の両側の取り外しライナ、第1及び第2の取り外しライナ(図12A−12Bでは不図示)が、順次除去されて取付部材を反応カード上の正しい位置につける。反応カードへの固定を確実にするために、均一圧力が転写接着剤に加えられる。第2の取り外しライナは、試薬貯蔵部及び/又は液体不浸透性でガス透過性の膜を取付部材の外側に向く面にはりつけるために取り除かれる。
【0068】
他の実施形態では、任意のクランプが、反応カードに固定された試薬貯蔵部につけられる。例示的なクランプを、図13−15に関して説明する。図13A−13Bは、配置されるときのクランプ274(図13A)、及び、反応カード276上の適所にあるクランプ274(図13B)を示す。試薬貯蔵部278は反応カード上の適所にあり、そこで試薬貯蔵部の開口部がアライメントポスト280、282を通じて挿入される。クランプ274の第1及び第2の開口部、例えば開口部284などは、反応カード上のクランプの適切な配列を確実にするよう位置する。クランプは、少なくとも試薬貯蔵部の貯蔵室を囲む壁286を備え、貯蔵と輸送の間、貯蔵室を保護する。
【0069】
図14A−14Bは、クランプの種々の実施形態の図である。全ての実施形態において、クランプ外形は、試薬貯蔵部及び反応カードの外形を補完するように設計され、当業者は、図示した実施形態は単にとりうる外形の例示であることを理解するであろう。クランプは、典型的には、図14Aのクランプ292の整列孔290などの少なくとも1つの整列手段を含む。整列孔は、反応カード上のアライメントポストの位置を補完し、ユーザが容易にクランプを反応カード、並びに、取付部材及び試薬貯蔵部などのその他の構成要素に整列配置できるようにする。いくつかの実施形態において、タブ294は、試薬貯蔵部の液体不浸透性の膜に構造上のサポートを提供し、液体充填中に膜が膨張するのを防ぐ。タブの下側296、すなわち液体不浸透性の膜と接触する側は、図14Cに示すように、尾根及び溝298でテクスチャ加工できる。これにより、拡張タブが膜に対して密接に押し上げられても換気が可能である。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工された外形は換気を容易にする他のテクスチャに変更でき、フランジ300は試薬貯蔵部のサイズに適合し、一方向の経路に(すなわち反応カードの液体入力ポートの方へ)はがれる試薬貯蔵部に向けられるように構成される。図14A−14Bに示すクランプは、フランジの外形が異なり、図14Bのフランジの首領域は図14Aのものより狭い。
【0070】
図15A−15Bは、試薬貯蔵部304を通じて配置される図14A−14Bのクランプを示す。好ましくは、フランジ300と試薬貯蔵部のエッジの間にごく小さいギャップがあり、内容物の放出後に試薬貯蔵部に取り残されたデッドボリュームを最小化する。図15Bのフランジのより狭い首形状は、デッドボリュームを減らすが、試薬貯蔵部ヒートシールを剥がすのに必要な力を増加させる場合がある。試薬貯蔵部の貯蔵室又は破裂可能なブリスターパックは、力を加えて開けられるとその内容物を放出し、内容物は、図15A−15Bに影で示す入力ポート308に向かって、矢印308で示す方向へ流れる。クランプは、カラー310を有し、それは図14Cの斜視図において最も見え、図15A−15Cにおいても示される。カラーの高さ、例えばカラーがクランプのベースから伸びる度合は、好ましくは試薬貯蔵部304の貯蔵室の高さより大きく、カラーが輸送及び手作業の間、試薬貯蔵部を保護(すなわち偶然の圧力がかかるのを防止)する。この特徴は、試薬貯蔵部を通じて位置するクランプ292の側面図である図15Cに最も示されており、カラー310の高さは、試薬貯蔵部と一体化した試薬貯蔵部の貯蔵室312より高い。より高いカラーは、包装、輸送及び貯蔵の間、試薬貯蔵部を保護する。
【0071】
クランプは、破損せずに適度な力(一般に約15lb−fより小さいか又は約20lb−fより小さい)を支えることが可能な大部分のプラスチック又はポリマーでも製作できる。いくつかの実施形態では、クランプは、ポリプロピレンから射出成形され、最終的な包装用の反応カードのポリプロピレンから成形されるアライメントポストに対して熱かしめできるようにされる。
【0072】
試薬貯蔵部に格納された、又は、コーティングとして反応カードに適用された、又は、反応カード内に置かれた各試薬又は試薬は、実行される所望のアッセイにより当業者に容易に知られている。一般に、試薬貯蔵部の貯蔵室の試薬組成物は液体であり、試薬組成物は、反応カードの入力チャネル又は反応室内に適用され又は置かれたとき、ペレット又は凍結乾燥された粒子として、乾燥状になる。試薬の組成には、液状である場合でも乾燥状態である場合でも、ホットスタート酵素であってもよい熱安定性のあるDNAポリメラーゼ、dNTP、順及び逆方向のプライマー及び/又はPlexo(登録商標)などの標識付加プライマー、蛍光標識付加されたハイブリダイゼーション用のオリゴヌクレオチド、Molecular Beacon、TaqManプローブ、Scorpionプローブ、その他の実時間PCR用のプローブ、SYBR(登録商標) green又はSYT09などの層間挿入色素、プラスミドDNA又は他の形式のテンプレートのDNA/RNA、Tricine、Bicine、(NH42SO4、MgCl2及びMnCl2などの塩、スクロースやトレハロースなどの安定化のための糖、BSA、ゼラチン、ベタインなど他の添加剤、から構成されるプレミックスタイプのPCR用試薬が含まれてもよい。試薬の組成には、PCR、リガーゼ連鎖反応(LCR)、LAMP(loop mediated isothermal amplification)法、核酸増幅法(TMA)、核酸配列ベース増幅法(NASBA)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)などの増幅アッセイを行うための試薬が含まれてもよい。さらに、試薬組成物は、免疫測定又は他の酵素ベースの分析などの分析を用いた糖、タンパク質及び脂質など、他の生体分子に対する検査を実行するための試薬から成ることができる。さらに、試薬組成物は、ルシフェラーゼ分析及びピコグリーンベースの分析などの細胞ベースの分析用の試薬から成ることができる。
【0073】
以上から理解できるように、本発明の別の態様は、サンプルの分析物の有無を判定するのに用いられるキットである。上記のようにキットは平面反応カードを含み、一実施形態において、反応カードは、反応室へのサンプルを受け取るためのサンプルポートと、反応室と流体連通して試薬を受け取るためのカード上の試薬入力ポートと、サンプルと反応室の試薬の間の反応を監視するためのカード上に位置する光学窓とを有する。また、キットは、1つ又は複数の試薬貯蔵部の各々の貯蔵室に含まれる液体成分を反応カードの試薬入力ポートへ放出するため、反応カードに貼り付けられるように構成された1つ又は複数の試薬貯蔵部を有する。また、キットは、反応カード上のサンプルポートへの挿入用に構成されたサンプル導入モジュールを有する。
【0074】
キットの一実施形態において、1つ又は複数の試薬貯蔵部は、バッファを有する第1の試薬貯蔵部と、ポリメラーゼ連鎖反応のための試薬を有する第2の試薬貯蔵部を備える。他の一実施形態では、キットは、1つ又は複数の試薬貯蔵部のある試薬貯蔵部を、反応カードに固定するための取付部材も備える。さらに他の一実施形態においては、サンプル導入モジュールは、洗剤などの溶解剤を含むキャリア部材を備える。キャリア部材は、抗凝固剤を含むこともできる。
【0075】
D. アッセイを実行するための反応カード、サンプル導入モジュール及び試薬貯蔵部の使用方法
以上に基づいて、本発明の一態様は、反応カード、SIM及び試薬貯蔵部を備えるアッセイカードである。このようなアッセイカード320を、それぞれ側面図及び斜視図で図16A−16Bで示す。アッセイカード320は、反応カード322、SIM324及び試薬326を備える。本実施形態においては、試薬326は、外部に取り付けられた試薬貯蔵部としてのアッセイカードに含まれるが、当業者は上のセクションCでの説明から、試薬が反応カード内に置かれることができることを理解する。試薬貯蔵部は、反応カードの背面に固定され、クランプ328によって保護される。
【0076】
アッセイカードの使用方法を以下説明し、これは種々のプロセス及び手順の単なる例示であり、関連するサンプル及び分析物に応じて変化することが理解される。上記と異なる外形のアッセイカードを用いてアッセイカードの使用を以下説明し、単にアッセイカード及びその構成要素の全体形状はその機能を保持して変更できることを示す。
【0077】
例示の実施形態が図17に示され、そこではステップ300で幼児のかかとなどの皮膚部位を刺して血液を採血する。穿刺部位で出てきた血液は、トリトン−X−100のような洗剤などの溶解試薬を含む収集装置332に収集される。血液サンプルは、ステップ334で溶解試薬と混ぜられ、ステップ338に示すように、SIM336のキャリア上へ配置される。SIM336は、ガラス繊維膜などのフィルタ膜を含み、それは処理したサンプルの核酸を閉じ込め、毛管作用を経た強力なPCR抑制剤である血液の他の構成要素から切り離す。単一の洗浄ステップ340(例えば10mMのNaOH)は、PCR抑制剤を洗い流し、SIMに混入される核酸は続いてアッセイカード342にもたらされる。サンプル及び他の情報を特定するために、必要に応じてラベルをSIMにつけることができる。そしてアッセイカードをサンプルの分析のための器具344に入れ、分析物の有無を検出する。この例では、リアルタイムPCRが器具346によって実行される。
【0078】
図18A−18Bを参照して、他の実施形態を提供する。アッセイカード350は、上面図で示され、図18Aに示す第1側部又は前方側部352と、図18Bに示す第2又は後方側部354とを有する反応カード351を含む。前方側部は、アッセイカードの開口部(不可視)をカバーする着脱可能なサンプル・キャップ356を含み、開口部は、サンプル導入モジュール358のキャリアへのアクセスを提供する。SIM進入ポート360は、SIMを受け入れるように構成される。アッセイカードは、あるエッジにユーザがカードを保つためのリブのハンドル362を有する。任意のラベル領域364は、分析又は患者の情報をつけるために設けられる。
【0079】
アッセイカードの前方側部は少なくとも1つのチャネルを含み、図示した実施形態においては、アッセイカードは3つのチャネル366、368、370を含む。チャネルのうちの2つは、試薬貯蔵部372、374にパッケージ化され、アッセイカードの対向する側(後方側部354)に固定された液体試薬用である。3つめのチャネルは、液体試薬の入力中に、反応カードから排気する役割を果たす。2つの液体チャネルは、液体を試薬貯蔵部から反応カードの適切な室に導く。試薬入力チャネルの幅、深さ及び滑らかな輪郭外形は、それらが液体試薬のスムーズな層流を可能にして、気泡の閉じ込めを防止するように設計される。2つの試薬進入ポート376、378が、試薬貯蔵部と整列配置する反応カードの後方側部にある。試薬貯蔵部372は、SIMに埋め込んだサンプルを洗浄するための液体を含み、貯蔵部378は、サンプルと反応するための液体を含み、反応室382内の固体ゲル試薬380を任意に含む。上述の通り、試薬は、試薬入力チャネルに格納されることもでき、又は反応室の壁上の膜として被覆されることもできる。反応室は、アッセイカードのエッジ386で光学窓384を有する。光学窓は反応室の監視を可能にする。
【0080】
反応カードが製造される方法に応じて、チャネルは、一実施形態ではその後、多くの溶接方法のうちの1つにより薄いプラスチック膜388、例えばポリプロピレンでカバーされ、上記溶接方法は、ヒートシーリング及びレーザー/超音波/無線周波溶接を含むがこれらに限定されない。薄いプラスチックは、必要な場合にチャネル及びポートを封止する役割を果たす。
【0081】
図18Bを参照し、クランプ389は、試薬貯蔵部を反応カードの後方側部に固定する。クランプは、試薬貯蔵部及び反応カードの外形を補完するように設計される。それは試薬貯蔵部と、反応カードの後方側部の出力ポート(図示せず)を通じてつけられた任意の液体不浸透性でガス透過性の膜の両方の上に配置される。ピン390、392などの整列手段は、試薬貯蔵部とクランプを反応カード上の適当な位置に整列配置することを補助するよう設けることができる。クランプを、破損せずに適度な力(一般に約20lb−fより小さい)を支えることが可能なほとんどのプラスチック(使い捨て)ポリマーでも製作してもよい。図18Cに示すように、図18Bのカードがクランプ、取り除かれた試薬貯蔵部、反応カードに試薬貯蔵部を反応カードの左に固定する取付部材394とともに示され、取付部材394は、反応カード上の構成要素と整列配列するために配置される開口部を有する。例えば、取付部材の開口部396、398は、アライメントピン390、392を通って挿入するためにそれぞれ配置される。取付部材394は、液体チャネル及び出力チャネルについての反応カード内のアクセスポートと整列配置するための穴400、402、404を含む。
【0082】
図18Aに示すように、使用中に、サンプルはキャップ356を開いてアッセイカードに導入され、SIMポートに挿入されるときに1滴のサンプルをSIMに配置する。操作者は、アッセイカードの前方側部の位置にキャップを戻すことができる。キャップは、アッセイカードと蒸気及び液体封止を形成し、それはOリング又は摩擦嵌合を含む多くの方法の1つで実現できる。スナップロック機能が、キャップの設計に組み込まれることもでき、(1)キャップが確実に閉められたことを、操作者が聞き取れ及び触覚フィードバックをし、(2)誰かがキャップを再び開けるのを防ぐ。キャップは、上部でフランジを含むこともでき、操作者が極端にそれを押し下げ、SIM及び/又は試験片キャリアに損害を与えること防ぐ。
【0083】
図19A−19Dは、アッセイカード410の他の実施形態の側面図を表す。アッセイカードは、サンプル導入部材412と、試薬416に沿った反応カード414を備える。反応カードは、壁420に位置する吸収パッド418を備える。吸収パッドは、摩擦嵌合によって壁に嵌まることができ、又は、接着剤又はエポキシを使用して固定できる。吸収パッドを保持するための壁の高さは、吸収パッドの厚みと相対的に等しいか、わずかに低い。これにより、パッドとサンプル導入部材との良好な接触をもたらす。壁及び吸収パッドの外形は、反応カード及びサンプル導入部材の設計を補完すればいかなる形状でもあってもよい。吸収パッドは以下の仕様を有する。(1)液体にさらされても形状を保持する固い材料、(2)均一の厚みで製造される、(3)その孔径は、試験片キャリアと比較して小さい、(4)毛管作用を使用して液体を運び、内部に格納する(すなわち、アッセイカードの他のチャネル又は室に流出しない)、(5)患者の試料を保持しバッファ体積を洗浄できるようなサイズに切られる、(6)容易に型抜きできる。
【0084】
1つ又は複数の生化学反応を実行することで、サンプルを受け入れて処理し分析するためにアッセイカード410を使用する手順は、以下の工程を含む。まず、サンプルがサンプル導入部材のキャリア上へ直接落下するのが確実なように注意して、サンプル428が閉口可能な開口部430を介してアッセイカードへ配置される。サンプル導入部材は、封止部材431により提供される液体密着シールで反応カードと係合し、サンプルを受け取るために第1の位置に置かれる。次に、図19Bに示すように、アッセイカードの開口部を、サンプル・キャップ432を使用して閉じる。そしてアッセイカードを、図19C−19Bに図示される各ステップの完了のためアナライザ器具(図示せず)に挿入できる。アナライザ器具は、SIMがサンプル受け取り位置から処理ステーション、及び、具体的には、例えば洗浄バッファ・ステーションなどの第1の試薬ステーションへ移動するように矢印434で示す方向にSIMを押す。その器具により、図19Cに示すように、バッファを含む試薬貯蔵部436が壊れて開き、試薬貯蔵部からバッファを解放し、吸収パッド上に流す。次に、図19Dに示すように、アナライザ器具はSIMを、サンプル・キャリアがアッセイカードの反応室に位置する次の位置に押し込む。第2の試薬貯蔵部438は器具によって押し開けられ、バッファなどの液体を反応室に運び、凍結/乾燥のゲル試薬416を溶かす。液体が反応室を満たすにつれて、出力チャネル及び液体不浸透性の膜を介して空気が放出される。生化学反応はアッセイカードの反応室内で起こり、上記の通り、カードのエッジの光学窓を介して見られることができる。
【0085】
従って、図19A−19Dに関して記載された実施形態に基づき、本発明の一態様は、アッセイカードの開口部と移動可能に係合するサンプル導入モジュールを有するアッセイカードを含む。アッセイカードに係合すると、サンプル導入モジュールは、アッセイカードの開口部と液体密着封止を形成する。サンプル導入モジュールは、第1の位置からアッセイカードの少なくとも1つの次の位置まで移動可能である。1つ又は複数の試薬貯蔵部は、サンプル導入モジュールが第1の位置又は少なくとも1つの次の位置にあるときに、成分の放出のためにアッセイカードに位置する。一実施形態では、サンプルは、第1の位置にあるときサンプル導入モジュールに配置され、サンプルは上記アッセイカードのサンプルポートを介して配置され、第1の位置にあるときに、サンプルポートはサンプル導入モジュールと流体連通する。他の実施形態では、少なくとも1つの次の位置は、第2の位置又は第3の位置であり、第2の位置及び第3の位置のうちの1つが、反応室に対応する。
【0086】
別の態様においては、本願明細書に記載されるアッセイ装置及びキットの使用方法が提供される。本方法は、概略、本明細書に記載のアッセイカード又はキットを提供し、サンプルをアッセイカードに、又は一実施形態においてはサンプル導入モジュール上に配置し、及び、反応室内でサンプルと試薬との反応を実行することを含む。反応又はサンプル(又はサンプルの分析物)間の反応の欠如は、光学窓を介して光学的に監視され、サンプルの分析物の有無を検出する。
【0087】
一実施形態において、サンプルは生物学的サンプルである。特定の実施形態において、サンプルは血液であるが、本願明細書に記載されているサンプルのいずれも、本方法での使用を意図している。他の実施形態では、分析物は核酸である。特定の実施形態では、核酸はウィルス核酸である。
【0088】
本発明の別の態様は、実施例に記載され、上述のようにアッセイカードを有するシステムとアッセイカードを受け入れるよう適合されたアナライザに向けられる。アナライザは、図20−22を参照して以下の実施例1で説明する。アナライザは、サーマルサイクラーと、液体試薬の放出を遂行するために少なくとも1つの試薬貯蔵部に力を加える電気機械部品と、光学系を備える。
【0089】
一実施形態において、アナライザの光学系は、反応室に励起波長で光を送信するための光源と、反応室から放出波長で光を検出するための検出器を備える。他の一実施形態では、電気機械部品は力センサを備える。さらに他の一実施形態において、サーマルサイクラーは、熱伝導性の介在部材によってアッセイカードの反応室と接触する。
【0090】
以上から、本願明細書に記載されたアッセイカードの特徴及び効果が理解できる。アッセイカードは、サンプルの導入を可能にし、そしてサンプルの分析(例えばPCRによる)の前に反応カードに試薬を届けるためにユーザがピペットで取ることを必要としない。サンプルを反応室から移すために必要だった操作ステップが取り除かれる。アッセイカードは、利点を提供し、既存の診断用試験カートリッジと、例えば以下の点で異なる。(1)手動でのピペットで取る又は(試薬の)配置の必要性を取り除き、アッセイを実行するのに必要な試薬のオンボード貯蔵、(2)一回使用型使い捨てのアッセイカード、(3)最適な熱効率を促進する反応室の大きな表面積対体積比、及び、(4)反応物、分析物又は制御の光学(例えば、蛍光)検出のための連続的な半円形研磨済光学エッジ。いくつかの実施形態では、アッセイカードは、リアルタイムPCRが可能な器具とインタフェースをとる。アッセイカードは、他の生物学的試験片が分析される他の用途にも使われることができる。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は単に説明のためにだけであり、主題の範囲を限定することを意図していない。
【0092】
実施例1
アッセイカードの製造及びサンプルの分析のための使用
【0093】
A.サンプル導入モジュール(SIM)製作
SIM膜ホルダは、Profax−PD702ポリプロピレンから射出成形した。DNA捕獲膜(Fusion 5(登録商標)、Whatman社、Florham Park、ニュージャージー州)は、直径11mmの束ねたガラス繊維膜である。膜は、40kHzのBranson Ultrasonic Welder(モデル# 2000x d/aed−40:2:0、Branson Ultrasonics社、Buffalo Grove、イリノイ州)を使用して、超音波溶接によって膜ホルダに取り付けた。膜ホルダは膜の上に配置され、全体構成は超音波溶接機の下プラテンに固定した。直径11mmの円筒状ホーンが、プラスチック膜インタフェースでの超音波振動を引き起こすために用い、プラスチックを溶解して膜と接着させる。溶接機は、以下のパラメータで構成した。振幅=100%、保持時間=0.5秒、圧力=30psi。
【0094】
サンプル導入モジュールは、以下のように準備した。超音波溶接したFusion 5(登録商標)膜が、膜と吸取パッドが良好な接触するように、中心に10mmの穴を有するパラフィルムの矩形片(1.5x1インチ)と1インチ平方の吸取パッド(707、VWR International)の間にはさまれている。パラフィルムの突出しているフラップは、吸取パッドの裏で折り畳まれている。パラフィルム片の穴の中心は、超音波溶接したFusion 5(登録商標)膜と整列配置した。
【0095】
B.サンプル・アプリケーション及び前処理
100マイクロリットルの血液は、それらのゲノムに集積されたHSV−1の単一コピーを含む1000−40,000 8E5 セルでスパイクされた。血液は、10%のTriton(登録商標)−X−100の12.2μLと混ぜて溶解した。溶解した血液を、サンプル導入モジュールの膜の上に加えた。血液溶解物を毛管作用により吸取パッドに逃がすが、核酸(DNA)はその大きなサイズのため膜の上で閉じ込められることになる。この後に、1mLの10mMのNaOH膜を追加して、ヘモグロビンと核酸(DNA)をサンプル導入モジュールの膜キャリアに混入されるままにする他のPCR抑制剤とを洗浄した。そしてサンプル導入モジュールは、反応カード(アッセイカード)への挿入の準備ができた。
【0096】
C.反応カードの製作
反応カードは、射出成形ベースに取り付けられるポリプロピレン膜からなる。そのベースは、Profax PD−702ポリプロピレンと、CiearFoil(登録商標)(RPP 37−1028C、Roll Print Packaging社、Addison、イリノイ州)のコーティングを有するポリプロピレン層から成る膜でできている。その膜を、レーザーカットし、その後イソプロパノールで拭くことによりきれいにし、射出成形ベースにレーザー溶接する。射出成形ベースを、エタノール内ですすいできれいにし、Clearweld(登録商標) LD−120C(Gentex社、Zeeland、ミシガン州)の赤外線吸収染料が、Clearweld(登録商標)マーカを使用している図8及び7の点線に示される領域に塗布した。塗被ベースを、Novolas Laser Welder(300WのLine Beam Basic AT Item #B−AT LB300)の下プラテンに取り付けられたスロットを含む取付け具に配置した。レーザーカットされた膜を、成形ベースの上にかぶせ、そして、透明なポリカーボネート・クランプを、成形ベースと接触して膜を保持するために用いた。そして45Wのレーザビームを、取付け具を介して掃引し、膜の界面にプラスチックをコーティングしたClearweld(登録商標)とベースを溶解し、膜をベースにくっつける。レーザー溶接の後、反応カードをエタノール内ですすぎ、余分なClearweld(登録商標)を取り除いた。
【0097】
D.試薬貯蔵部製造及び反応カードへの接着
2つの別々のホイル積層板を備える試薬貯蔵部が準備される。ホイルシートのうちの1枚は、ブリスター(26−1124、Roll Print Packaging社、Addison、イリノイ州)に冷間成形され、第2のホイル積層体(RPP 38−1088D、Roll Print Packaging社、Addison、イリノイ州)は、リドストックを形成する。PCR反応のための試薬は、ブリスターに格納され、リドストックにより熱封止され、蒸気、酸素及び紫外線(UV)封止をつくる。概略、直径=0.58インチ、深さ=0.2インチの冷間形成されたくぼみを、ホイル積層体(26−1124)ストリップ(10×2インチ)に、ストリップ当たり約5つ作った。2つの穴を、冷間形成されたブリスターにあけた。リドストック材料の矩形片(約2x2.5インチ)をカットし、3つの穴をあけた。そして、冷間形成ブリスターをヒートシーリングの下プラテンに配列用の格納式のピンを用いて配置した。
【0098】
Abbott HIV−1アッセイを、HIV−1 DNAの検出に用いた。約468μLのPCR試薬(163.8μlのAbbott HIV−1オリゴヌクレオチド試薬、23.4μlの25mM Manganese Acetate、18.72μlのT番目のDNA Polymerase(3U/μl)、及び、262.1μlの無ヌクレアーゼのH2O)が、ブリスター空洞の中へピペットで移された。5000の血液サンプルと1000のHIV−1コピーを検査するため、PCR混合物は、0.2mg/mLのBovine Serum Albumin(BSA)と、150mMのトレハロースと、0.2%のTween(登録商標)−20を含む。クエーサー670の内部抑制テストのために、HIV陰性の血液サンプルを、SIMを準備するために用いた。PCR混合物は、HPR順方向プライマー(100nM)、HPR逆方向プライマー(100nM)、HPRプローブ(100nM)、dNTPs(0.325mM)、1.25X RT−PCRバッファ(Roche Applied Science)、ZO5(15U)、塩化マンガン(1.5mM)、及び、HPRプラスミド(30,000コピー)を含む。そして、空洞を、下を向いているコポリマー側を有する穴があけられたリドストック材料で覆った。そして、ホイル積層体及びリドストックは、社内設計された衝撃ヒートシールステーションで熱封止された(温度=220°C及び時間=1.2秒)。両方のホイル積層体を貫通して整列孔を開け、それは熱封止の間、2つの積層体を整列配置とそれに続く反応容器への接着に役立つ。第3の孔(液体通過ポート)をリドストックにあけ、それは液体がブリスターから出て通るポートとなる。
【0099】
試薬貯蔵部を、両面接着剤(3M 300LSE、9471FL)を使用して反応カードに取り付けた。試薬貯蔵部が、力を制御して加えた貯蔵部の剥離を導くよう取り付けられた後に、クランプがアッセイカードに熱かしめされた。ブリスターの剥離は、進入ポート及びチャネルに向けられることができ、結果として反応室を充填することになる。出力チャネル及び出力ポートを、ブリスターの剥離中に空気が反応カードを出ることができるように反応カードの射出成形ベース上に設計し、そうでなければ反応カード内部で試薬入力を防止する圧力増加が生じる。出力ポートは、液体漏れは防ぐが空気は排気できるように、矩形片(3mmx12mm)に切り分けられた、0.45μmのガス浸透性で液体不浸透性の膜(p/n:PP0459025、Sterlitech社、Kent、ワシントン州)で覆った。
【0100】
E.サンプル導入
前処理された血液サンプル(上記の実施例1(B))をアッセイカードに担持するサンプル導入モジュールの挿入は、カードを、RT−PCRによるサンプル分析の準備ができた状態にする。アッセイカードのサンプル導入モジュール進入ポートは、両面接着剤(3M 300LSE、9471FL)で層にした。接着ライナは、サンプル導入モジュール挿入の前に除去された。挿入されたサンプル導入モジュールが、接着シールを形成する。
【0101】
F.アナライザ器具及びサンプル分析
アッセイカードを受け取って分析を行うように設計された器具を製造した。図20A−20Bは、2つの異なる角度からの、アナライザ440の例示的な実施例を示す。図20Aに示す角度で見える粉砕機442は、アナライザに挿入されるアッセイカード444の試薬貯蔵部の貯蔵室を押し開ける。粉砕機は、以下にアナライザのサブシステムとしてさらに説明され、電気機械的な流体供給システムとも称する。バッテリーパワー・パックは、アナライザの携帯性をもたらす。ユーザインタフェースは、448で示す。アッセイカードのアッセイカード入力スロットへの挿入は、カードの反応室を、2つのサーマルサイクラー350の間に、蛍光計352に隣接して配置する。図20A−20Bに表されるアナライザは、アッセイカードでポリメラーゼ連鎖反応を実行するために開発され、そのアナライザは、以下のサブシステム、すなわち電気化学的流体供給(EFD)、熱循環及び蛍光検出を含む。アナライザは、Silicon Engines、Arlington Heights、イリノイ州によって開発された印刷回路基板(PCB)で駆動される。液晶ディスプレイもシステムに加えられ、PCRの過程を示し、温度及び周囲温度をブロックする。
【0102】
アナライザは、電気機械的な流体供給システムを含む。そのシステムは、DCモーター、カム、プランジャ、2台の光センサ及び歪み計ベースの力センサを含む。アナライザのこのサブシステムを、図21に示す。図示されるサブシステムにおいて、関連部品は以下のように表される、DCモーター460、シャフト482、カム464、ばね468を有するプランジャ466、2台の光センサ470、光ディスク472、ハウジング474内の歪み計ベースの力センサ、及び、締め付けレバー476。一実施例において、電気機械的な流体供給システムは、反応室を充填するため最高440±8μLの供給能力を有する。歪み計ベースの力センサは、試薬貯蔵部の貯蔵室が破裂して開くときに、破裂する現象を検出するために用いる。力センサからのフィードバックは、ブリスターパック/貯蔵室が正しい液体量を有するか、及び、試薬貯蔵部とアッセイカードとの封止が良好(不完全でない)かを判定するのに用いることができる。破裂する現象が検出された後に、ブリスターパック/貯蔵室からすべての放出された空気がガス透過性膜を介して漏れることを可能にし、アッセイカード上の出力ポートをさえぎるために、システムを一時的に中断できる。または、プランジャは、力センサからのフィードバックなく一定距離前方に移動でき、いくつかの実施形態では、アナライザは、印刷回路基板(PCB)で駆動される。いくつかの実施例では、アナライザは、ユーザインタフェース/LCDを含み、PCRの過程又はサイクル、ブロック温度及び周囲温度を示す。LCDは更に、結果、患者ID、アッセイ種類及びエラー・フラグを表示するための領域に用いられることができる。
【0103】
アナライザも光学サブシステムを含む。一実施例において、光学システムは、光ファイバ束を有する蛍光計(RoMack Fiber Optics、Williamsburg、ヴァージニア州)であり、分離したレンズ、干渉フィルタ、フォトセンサ、LED及び印刷回路基板(PCB)がアルミニウム筐体内に構成される。光ファイバ束は、アッセイカードの一面で光学エッジ及び他の分離したレンズとインタフェースをとる。LEDからの励起光は、干渉フィルタを通過し光ファイバ上に焦点を合わせる平凸レンズによってビームにコリメートされる。光ファイバ束の端部は、平凸レンズに取り付けられる。レンズは、LEDから励起ファイバへの集光と放出ファイバからの拡散的ビームの集光を助け、フォトセンサ上に再び焦点を合わせることができる平行ビームを得る。
【0104】
アナライザは、熱循環サブシステムも含む。一実施例において、加熱と冷却の両方のための熱電モジュール(例えばMarlow XLT2424)を有するサーマルサイクラーを構成した。適切な熱電モジュールを選択するために、ΔTなどの仕様、最高動作温度及び温度循環に対する頑丈さを評価するとともに熱電モジュールを調査した。アッセイカードの反応室は、グラファイト接着テープ(p/n:6838A11、McMaster−Carr)を用いて熱電モジュールの冷却面に接着されたアルミニウム伝導プレートとインタフェースをとる。熱電モジュールの加熱面は、ヒートシンク(p/n:831153B01000)に接着された。冷却サイクルの間、2つの遠心ブロワファンが、ヒートシンクから熱を放散するために用いられ、複数の抵抗温度検出器(RTD)(F3105、Omega Engineering)が、OB−200エポキシ(Omega Engineering)を用いてプレート温度のフィードバック制御のため伝導プレートの各々に接着された。ばね(zz2−1、CenturySprings社、Los Angeles、カリフォルニア州)を、アッセイカードの反応室に締め付けるのに用いた。比例・積分・微分の(PID)コントローラは、伝導板の温度を、特にPCRの焼成行程中に設定点の±0.25℃の範囲内で制御するよう開発した。
【0105】
アナライザは、本研究で使用されるアナライザ用に、Silicon Engines、Arlington Heights、イリノイ州によって構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)も含む。アナライザのセットアップ前に、電気機械的な流体供給サブシステムは、プランジャが完全に伸長した位置にあるときに、プランジャ面とアッセイカードの後部のギャップは、1.05mmになるように調整された。粉砕機タブの延在するタブが、クリックされてプランジャを作動させ、反応室へPCR試薬混合物を供給する。完全な伸張の後、プランジャは格納され、アッセイカードが取り除かれた。そして、ガス透過性の膜を、ポリイミド・テープで覆い、その後にアルミホイル・テープ(3M 1450)が続く。アッセイカードは、アナライザの中へ戻して挿入され、プランジャは延在され、PCR循環プロトコルが始まり、GUIの「検出」タブで、ゲインは両方のチャネルで1に設定した。サイクル毎に、256のサンプルが60S/sで収集されて、ファームウェアによって平均化した。
【0106】
温度、蛍光及び粉砕機(電気機械的な流体供給)のログファイルをアナライザのデータ格納カードから得て、MATLAB及びMicrosoft Excelを使用して分析した。サイクル毎の平均的蛍光データ(N=256)は、3ポイントの平均を使用して平滑化された(Sn=(Fn-1+Fn+Fn+1)/3、ただし、nはサイクル番号)。最初の10サイクルで得られた蛍光データを、線形回帰による基線を決めるために用いた。バックグラウンド線の式を、バックグラウンド減算データを算出するために用いた。最初の10サイクルのバックグラウンド減算データを、Ct計算の閾値判定のために用いた。閾値は、最初の10サイクルから、平均的データより上の5つの標準偏差(SD)に設定した。
【0107】
図22は、試薬貯蔵部のブリスターパック/貯蔵室を破裂して開く粉砕プロセスの間に力センサで得られた典型的な力曲線を示す。過程1の始まりの間、プランジャは、最初に試薬貯蔵部に直面して破砕し始める。試薬貯蔵部が破砕されると、貯蔵部内部の液体及び空気は圧縮され、プランジャが直面する力は試薬貯蔵部の剥離可能な/破裂可能な封止が壊れる位置(過程2)まで増加する。過程2の間、空気及び試薬がアッセイカードに進入して満たすので、力の低下がある。試薬が反応室を満たした後、試薬は、出力ポートに向かって、カードの出力チャネルに流れ込み、そこで試薬は液体不浸透性でガス透過性の膜を接触する。この点で、過程3にみられるように、更なる試薬ポンピングに対する抵抗が増加する。過程3の間にポンピングされるより多くの試薬は、アッセイカードの膜側を膨れ出させ、熱循環の間の熱伝導のための有効面積を増加させる役割を果たし、実行時間の削減に貢献する。試薬供給は、プランジャを固定点まで延在することでも実行でき、その結果、供給する試薬が一貫した量になる。しかし、力センサからのデータは、ラン・ツー・ランから膜屈曲の一定量を得るために用いることができ、熱プロファイルは一貫しているため同様のラン・ツー・ランアッセイパフォーマンスを確実にする。
【0108】
伝導板の温度は、MATLABを使用して分析した。アッセイカードの反応室の膜側壁とインタフェースをとる左プレートの95℃及び93℃の設定点で観察し、3℃の初期ピーク・トゥー・ピーク温度振動があることが観察された。℃での温度のグラフである図23に、設定点と比較したアナライザの左右のスリーブに関するデータで示される。アッセイカードの反応器の成形された剛体側壁とインタフェースをとる右側のスリーブでは、振動は比較的小さいが(±1℃)、温度は2つの設定点で30秒以内に落ち着いた。同様の振動が、56℃の設定点で観察された。温度が落ちついた後、56℃及び95℃の設定点で±0.2℃以内で維持され、及び、両プレートの93℃の設定点で±0.5℃以内で維持される。プレートの加熱速度は9.6℃/sであるとわかり、冷却速度は3℃/sと測定された。市販のサーマルサイクラーの大部分は、それぞれ、2.5−5℃/s及び1.5−2℃/sで加熱及び冷却する。試薬及びサンプルの量が、現在のアッセイカードにおいて、大部分のPCR分析におけるものよりも多いとしても、プレートの増加した加熱速度は、市販の循環器のものと同様に分析実行時間を保つのを助ける。アッセイカードの反応室の大きな表面積対体積率は、増加した熱伝導を更に促進する。
【0109】
各サイクルからの平均的蛍光データ(N=256)を、3ポイント平均を使用して平滑化した(Sn=(Fn-1+Fn+Fn+1)/3、ただしnはサイクル番号である)。最初の10サイクルで得られた蛍光データを、線形回帰によりバックグラウンドを判定するために用いた。そして、バックグラウンド線の式を、バックグラウンド減算データを算出するために用いた。Bn=Sn−(m*n+c)、ただし、nはサイクル番号、mは適当な線形回帰の傾き、cは切片である。バックグラウンド減算されたデータを、FAM及びクエーサー670についてそれぞれ図24A−24Bにプロットした。
【0110】
図24Aは、アナライザ上で1000−40,000のHIV−1コピーを含む血液サンプルで得られた拡大曲線を示す。1000のHIV−1コピーを有するサンプルは、検出不可能だった。NEGは、負の抑制に対応する。約12のCt値が40,000のHIVコピー数に対して記録されることが観測された。
【0111】
図24Bは、バックグラウンド減算後のクエーサー670チャネルにおける蛍光データを示す。負の抑制(NEG)が検出不可能である間、上記のバックグラウンドで、30,000のコピーを有するサンプルは検出可能であった。クエーサー870チャネルを、PCR試薬混合物に存在する内部抑制プラスミドDNAの固定量を検出するために用いた。その抑制は、結果として失敗した試験になりうるPCR抑制について報告する。異なるHIV−1コピー数での複数の血液サンプルの閾値判定のために、最も高いバックグラウンドを示すサンプルを閾値推定に用いた。簡潔にいうと、すべてのサンプルについて、最初の10サイクルからの蛍光データの平均及び標準偏差が決定され、閾値が次の通りに決定される、閾値=バックグラウンド平均+5*SD。そして最大閾値を、Ct判定のための全体的な閾値として用いた。Ct値は、40,000、20,000、及び、5000のコピーに対してそれぞれ14,17及び19と判定された。負の抑制と同様に、1000のコピーを有するサンプルは検出されなかった。
【0112】
上記の研究は、アッセイカードが、HIV−1で例示されたように分析物の有無に関してポイント・オブ・ケアの回答を提供可能であり、RT−PCRが反応室で実行されたことを示す。アッセイカードを用いた方法は、臨床試験を行う地方のクリニックの業務フローの一部として実現する十分単純である。アナライザ器具の小さい設置面積及び携帯性は、わずかなベンチ空間を有する地方のクリニックで試験を行うことを可能にする。さらに、本器具は、カーバッテリーで駆動でき、モバイル試験ユニットにおいて試験を実行可能にする。基板上のPCR試薬混合物貯蔵を介したPCR反応アセンブリステップを完全に除去することで、業務フローを大いに単純化する。
【0113】
本願明細書に記載される実施形態の具体例は、種々の実施形態の構成の全般的な理解を提供することを意図するものであり、それらは、本願明細書で記載した構成を使用しうる装置及びシステムのすべての要素及び特徴の完全な説明なること意図するものではない。図も単に代表的なものであって、一定の縮尺で描画されていない場合もある。特定の部分を誇張し、他を最小化する場合もある。よって、明細書及び図面は、限定的な意味よりも例示的なものとみなされる。
【0114】
多くの例示的な態様及び実施形態を上述したが前述したが、当業者は、所定の変更、置換、追加及びそれらの組み合わせに気づく。従って、以下の添付の請求項及び今後導入される請求項は、それらの真の精神及び範囲内で、このような変更、置換、追加及び組合せをすべて含むよう解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応室へのサンプルを受け取るためのサンプルポートを有する平面反応カードと、
試薬を受け取るための前記平面反応カード上の試薬入力ポートであって、前記反応室と流体連通する試薬入力ポートと、
前記平面反応カードに取り付けられ、前記試薬入力ポートと流体連通する少なくとも1つの試薬貯蔵部と、
前記平面反応カード上に位置し、前記反応室での反応を監視するための光学窓と、を具備するアッセイ装置。
【請求項2】
前記反応室が、前記サンプルポートを介したサンプルの導入により、該サンプルが前記反応室にあるように、前記サンプルポートに直接的に隣接する請求項1に記載のアッセイ装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの試薬貯蔵部が、液体状の試薬を有する貯蔵室と、該貯蔵室を囲む細長いカラーとを有し、該細長いカラーが、前記平面反応カードと係合して前記試薬貯蔵部を取り付けるように構成される請求項1又は2に記載のアッセイ装置。
【請求項4】
前記試薬貯蔵部を前記平面反応カードの表面に固定するための取付部材であって、該取付部材を前記平面反応カードに固定するときに、前記試薬入力ポートと整列配置する少なくとも1つの開口部を有する取付部材をさらに具備する請求項3に記載のアッセイ装置。
【請求項5】
前記試薬貯蔵部を囲むクランプであって、高さが前記貯蔵室の高さより高いカラーを有するクランプをさらに具備する請求項3に記載のアッセイ装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの試薬貯蔵部は、前記反応室に、又は、試薬入力チャネルと反応室とを接続する前記試薬入力チャネルに貯められる乾燥状の試薬を有する請求項1又は2に記載のアッセイ装置。
【請求項7】
取付部材によって前記平面反応カードの外面に取り付けられる第2の試薬貯蔵部であって、前記取付部材が前記平面反応カード上で前記試薬入力ポートと整列配置する開口部を有する第2の試薬貯蔵部をさらに具備する請求項6に記載のアッセイ装置。
【請求項8】
前記サンプルポートと係合するように構成されたサンプル導入モジュールであって、サンプルを捕えることが可能なキャリアと、当該サンプル導入モジュールを前記サンプルポートに係合するための封止手段とを有するサンプル導入モジュールをさらに具備する請求項1から7のいずれか1つに記載のアッセイ装置。
【請求項9】
前記反応室と流体連通する出力ポートをさらに具備する請求項1から8のいずれか1つに記載のアッセイ装置。
【請求項10】
出力ポートを介して位置する液体不透過性でガス透過性の膜をさらに具備する請求項9に記載のアッセイ装置。
【請求項11】
前記膜が、試薬貯蔵部を前記平面反応カードに固定する取付部材の一部である請求項10に記載のアッセイ装置。
【請求項12】
前記試薬貯蔵部が、加えられる力により壊れて開くことが可能な壊れやすい貯蔵室を有する請求項3に記載のアッセイ装置。
【請求項13】
前記平面反応カードは選択された厚みのエッジを画定するための選択された厚みを有し、前記光学窓は前記反応室に隣接する領域のエッジに配置される請求項1から12のいずれか1つに記載のアッセイ装置。
【請求項14】
アッセイカードであって、
当該アッセイカード上の開口部と移動可能に係合し、係合するときに前記開口部に液体密着封止を形成するサンプル導入モジュールと、
第1の位置から当該アッセイカードの少なくとも1つの次の位置へ移動可能なサンプル導入モジュールと、
該サンプル導入モジュールが前記第1の位置にあり又は前記少なくとも1つの次の位置にあるときに、当該アッセイカードに位置する成分放出用の1つ又は複数の試薬貯蔵部と、を具備するアッセイカード。
【請求項15】
サンプルが前記サンプル導入モジュール上へ与えられ、前記サンプルは、当該アッセイカードのサンプルポートを介して与えられ、前記サンプルポートは、前記サンプル導入モジュールが前記第1の位置あるときに、前記サンプル導入モジュールと流体連通する請求項14に記載のアッセイカード。
【請求項16】
前記少なくとも1つの次の位置は、第2の位置又は第3の位置であり、前記第2の位置及び前記第3の位置のうちの一方が反応室に対応する請求項14に記載のアッセイカード。
【請求項17】
前記反応室が乾燥状の試薬を有する請求項16に記載のアッセイカード。
【請求項18】
試薬貯蔵部が当該アッセイカードに位置して、当該試薬貯蔵部から、前記反応室と流体連通する当該アッセイカード上の試薬入力ポートを通って液体試薬を与える請求項16に記載のアッセイカード。
【請求項19】
前記少なくとも1つの次の位置が第2の位置及び第3の位置を含み、試薬貯蔵部は、前記サンプル導入モジュールが第2の位置に位置するときに該サンプル導入モジュール上へ液体試薬を与える第2の位置と関連づけられ、及び、試薬貯蔵部は、前記サンプル導入モジュールが第3の位置に位置するときに該サンプル導入モジュール上へ液体試薬を与える第3の位置と関連づけられる請求項14乃至18のいずれかに記載のアッセイカード。
【請求項20】
(a)平面反応カードであって、
反応室へのサンプルを受け取るためのサンプルポートと、
試薬を受け取るための当該平面反応カード上の試薬入力ポートであって、前記反応室と流体連通する試薬入力ポートと、
当該平面反応カード上に位置し、前記サンプルと前記反応室内の試薬との間の反応を監視するための光学窓と、を有する前記平面反応カードと、
(b)1つ又は複数の試薬貯蔵部であって、該1つ又は複数の試薬貯蔵部の各々の貯蔵室に含まれる液体成分を前記平面反応カードの前記試薬入力ポートへ放出するため、前記平面反応カードにつけられるように構成された1つ又は複数の試薬貯蔵部と、
(c)前記平面反応カード上の前記サンプルポートへの挿入用に構成されたサンプル導入モジュールと、を具備するキット。
【請求項21】
前記1つ又は複数の試薬貯蔵部が、バッファを有する第1の試薬貯蔵部と、ポリメラーゼ連鎖反応のための試薬を有する第2の試薬貯蔵部とを有する請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記1つ又は複数の試薬貯蔵部の或る試薬貯蔵部を、前記平面反応カードに固定するための取付部材をさらに具備する請求項20又は21に記載のキット。
【請求項23】
前記サンプル導入モジュールが、溶解剤を含むキャリア部材を有する請求項20乃至22のいずれか1つに記載のキット。
【請求項24】
(a)請求項1乃至19のいずれか1つに記載のアッセイカードと、
(b)該アッセイカードを受け入れるように構成されたアナライザであって、サーマルサイクラーと、液体試薬を放出するために前記少なくとも1つの試薬貯蔵部に力を加える電気機械部品と、光学系とを有するアナライザと、を具備するシステム。
【請求項25】
前記光学系が、前記反応室に各励起波長で光を送る光源と、前記反応室からの各放出波長で光を検出する検出器とを有する請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記電気機械部品が力センサを有する請求項24又は25に記載のシステム。
【請求項27】
前記サーマルサイクラーが、熱伝導性の介在部材によって前記アッセイカードの前記反応室と接触する請求項24乃至26のいずれかに記載のシステム。
【請求項28】
サンプル内の分析物を検出する方法であって、
請求項1乃至19のいずれか1つに記載のアッセイカード又は請求項20乃至23のいずれか1つに記載のキットを提供することと、
サンプルを前記アッセイカードに配置することと、
前記反応室内で前記サンプルと前記試薬との反応を実行することと、
前記光学窓を介して光学的に該反応を監視して前記サンプル内の分析物の有無を検出することと、を含む方法。
【請求項29】
前記サンプルが生物学的サンプルである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記サンプルが血液である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記分析物が核酸である請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記核酸がウィルス核酸である請求項31に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2013−519884(P2013−519884A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553084(P2012−553084)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024786
【国際公開番号】WO2011/100708
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(596057893)ノースウエスタン ユニバーシティ (35)
【Fターム(参考)】