説明

サンプル容器およびサンプル容器用圧着装置

【課題】 一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器にあって、ハンドリング性を良好にするとともに、凍結保存のための冷却処理を適正かつ再現性良く行うことを可能にする。
【解決手段】サンプル容器10の主要部をなす細管10の端部を円周方向で略2分し、一方の半円周部分12を他方の半円周部分13の内側に円弧状に重ねた状態で圧着することにより、細管11の外径φ1からのはみ出し部分を生じさせることなく、上記端部を閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サンプル容器およびサンプル容器用圧着装置に関し、たとえば精液や胚等の生物サンプルを凍結保存するのに使用される細管状のサンプル容器と、このサンプル容器の開口端部を閉塞するための圧着装置に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
精液、胚などの細胞や組織を使用分量に応じた量に小分けして凍結保存する場合、その収容容器としてストロー状細管からなるサンプル容器が良く使われる。図11は従来のこの種のサンプル容器の構成を示す。同図において、(a)は断面図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(a)のB−B断面図をそれぞれ示す。
【0003】
同図に示すサンプル容器10’は一様な外径φ1を有するストロー状細管11により形成され、この細管11内に収容物であるサンプル100が充填されている。このサンプル容器10’は、サンプル100をまだ収容しない未使用状態(空状態)にて、その一端(図では右端)側に感湿封止材16があらかじめ乾燥状態で充填されている。
【0004】
感湿封止材16は、乾燥状態(粉状)のポリマー保水剤を含んだ綿状充填物であって、未使用の乾燥状態では通気性を有するが、サンプル等の水分に触れるとゲル化してサンプル容器10’を気密閉塞するようになる。つまり、乾燥状態では通気性を有するが、湿状態では気密性の固体封止材となる。
【0005】
乾燥状態の感湿封止材16が充填された未使用サンプル容器10’の一端から空気吸引を行うことにより、サンプル容器10’の他端(図では左端)から内容物であるサンプル100を吸入してそのサンプル容器10’内に充填・収容させることができる。
【0006】
サンプル容器10’内にサンプル100が収容されると、そのサンプル100の水分によって上記感湿封止材16のポリマー保水剤がゲル化し、サンプル容器10’の一端側が気密閉塞される。
【0007】
このあと、上記サンプル容器10’の他端部を圧着することにより、図11に示すように、その他端部も閉塞される。これにより、サンプル容器10’の両端を閉塞してサンプル100を気密状態で閉じ込めることができる。この圧着による閉塞に際しては、同図の(a)に示すように、サンブル容器10’の開口端部にサンプル液体部の凍結時の膨張によるサンプル容器の破損を防ぐため、空気層17を設ける。この種のサンプル容器10’は、たとえば特許文献1(従来例1)および特許文献2(従来例2)に記載の凍結装置において使用されている。
【特許文献1】特公平8−4601
【特許文献2】米国特許5,873,254
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来のサンプル容器10’には、次のような問題のあることが判明した。すなわち、図11の(b)(c)に示すように、圧着により閉塞されたサンプル容器10’の他端部は、その圧着部分11eが扁平に潰されているが、この扁平な圧着部分11eの幅w1は、サンプル容器10’の外径(φ1)を大きくはみ出して広がっている。つまり、サンプル100を収容したサンプル容器10’は、外径(φ1)が一様ではなく、その端部だけが幅方向に拡大した異形状になっている。
【0009】
このような異形状のサンプル容器10’は、たとえば複数本まとめた集合体で収容する場合に、その集合体の形状が定まりにくく、また、その集合体から1本あるいは任意本数を抜き出す場合に、幅広の圧着部分11eが他のサンプル容器にひっかかって、目的のサンプル容器だけを円滑に取り出せない、といったような不都合があった。つまり、上記圧着部分11eの異形がサンプル容器10’のハンドリング性(取り扱い易さ)を阻害していた。
【0010】
さらに、本発明者らは、サンプル100を収容したサンプル容器10’を凍結保存のために冷却処理するに際し、その冷却処理を適正かつ再現性良く行うためには、所定の温度に冷却または所定の冷却速度で冷却される伝熱ブロックの貫通孔にストロー状のサンプル容器10’を1本ずつ嵌挿して滞在および/または通過させることが非常に有効であることを突き止めた。しかし、この冷却処理を実施する場合は、上記圧着部分11eの異形が障害となることが判明した。
【0011】
すなわち、サンプル容器10’を上記伝熱ブロックの貫通孔内で適正かつ再現性良く冷却処理するためには、その貫通孔とサンプル容器10’間の隙間をできるだけ小さくした方がよい。しかし、その貫通孔にサンプル容器10’を円滑に挿通させるためには、少なくとも、上記圧着部分11eのはみ出し分(w1−φ1)よりも大きな隙間が必要となる。
【0012】
本発明は以上のような背景および問題を鑑みてなされたもので、その目的は、一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器にあって、ハンドリング性が良好であるとともに、凍結保存のための冷却処理を適正かつ再現性良く行うのに適したサンプル容器と、このサンプル容器を形成するのに用いて有効なサンプル容器用圧着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記課題を解決するサンプル容器として、次の手段を提供する。
(1)一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器において、上記細管の端部が円周方向で略2分されて、一方の半円周部分が他方の半円周部分の内側に円弧状に重なった状態で相互に圧着されることにより、上記外径からのはみ出し部分を生じさせることなく、上記端部が閉塞されていることを特徴とするサンプル容器。
【0014】
上記手段(1)においては、次のような手段が実施形態として、とくに好適または望ましい。
(2)上記手段(1)において、上記ストロー状細管が熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とするサンプル容器。
(3)上記手段(1)または(2)において、上記ストロー状細管の一方の開口端部が封止材の充填により閉塞され、他方の開口端部が圧着により閉塞されていることを特徴とするサンプル容器。
(4)上記手段(3)において、上記ストロー状細管の内側に突出して上記封止材を係止固定するエンボス部が形成されていることを特徴とするサンプル容器。
【0015】
また、本発明は上記課題を解決するサンプル容器用圧着装置として、次の手段を提供する。
(5)上記手段(1)〜(3)のいずれかに記載のサンプル容器を形成するために使用する装置であって、上記ストロー状細管の開口端部を、その細管の外形に形状対応する半円形状の凹型面で拘束する治具と、上記凹型面と対をなす凸型面を有する押圧子とを有し、上記開口端部を上記凹型面と上記凸型面とで円弧状に加圧成形しながら圧着するようにしたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【0016】
上記手段(5)においては、次のような手段が実施形態として、とくに好適または望ましい。
(6)上記手段(5)において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部に超音波振動を印加する超音波振動源を備えたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
(7)上記手段(5)または(6)において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部に高周波電流を通電させるようにしたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
(8)上記手段(5)において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部をヒーターで加熱圧着するようにしてなることを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
(9)上記手段(5)〜(8)のいずれかにおいて、上記サンプル容器をストックして1本ずつ供給する供給手段と、この供給手段から供給されたサンプル容器を所定の整列状態で上記治具による圧着加工位置に搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【発明の効果】
【0017】
一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器にあって、ハンドリング性を良好にすることができるとともに、凍結保存のための冷却処理を適正かつ再現性良く行うのに適したサンプル容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の技術が適用されたサンプル容器の一実施形態を示す。同図において、(a)は本発明に係るサンプル容器10の一部省略斜視図、(b)はその断面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(b)のB−B断面図を示す。
【0019】
同図に示すサンプル容器10は、たとえば精液や胚等の生物サンプルを収容して凍結保存するのに使用されるものであって、一様な外径φ1を有する所定長さのストロー状細管11を用いて形成されている。
【0020】
サンプル容器10の主要部をなす細管11内には収容物であるサンプル100が充填されている。このサンプル容器10の一端(図では右端)側には乾燥状態の感湿封止材16があらかじめ充填されている。
【0021】
この感湿封止材16は、綿状栓部材14と14の間に乾燥状態(粉状)のポリマー保水剤15を配置したものであって、サンプル100を収容する前の未使用状態(空状態)では通気性を有するが、吸湿または吸水により保水剤15がゲル化してサンプル容器10の一端を気密閉塞する。
【0022】
この感湿封止材16が充填されたサンプル容器10の一端から空気吸引を行うことにより、そのサンプル容器10の他端(図では左端)から内容物であるサンプル100を吸入してそのサンプル容器10内に収容させることができる。
【0023】
サンプル容器10内にサンプル100が収容されると、そのサンプル100の水分によって上記感湿封止材16のポリマー保水剤15がゲル化し、サンプル容器10の一端が閉塞される。なお、綿状栓部材14と保水剤15は、図示の例では分離して配置してあるが、綿状栓部材14に保水剤15を混ぜ込んで両者を一体状にしてもよい。
【0024】
このあと、上記サンプル容器10の他端部を圧着することにより、図1に示すように、その他端部が閉塞されて、サンプル容器10内が気密閉塞される。これにより、サンプル容器10のサンプル100が気密封入される。この圧着による閉塞に際しては、同図の(b)に示すように、サンブル容器10の開口端部にサンプル液体部の凍結時の膨張によるサンプル容器の破損を防ぐため、空気層17を設ける。
【0025】
上述したように、本発明に係るサンプル容器10では、上記細管11の端部が円周方向で略2分されて、一方の半円周部分12が他方の半円周部分13の内側に円弧状に重なった状態で相互に圧着されている。これにより、とくに同図の(c)に示すように、上記外径φ1からのはみ出し部分を生じさせることなく、上記端部が閉塞されている。
【0026】
上記のように構成されたサンプル容器10は異形なはみ出し部分がないことにより、たとえば複数本まとめた集合体で収容する場合には、その集合体の形状を安定に定めることができる。また、その集合体から1本あるいは任意本数を抜き出す場合には、目的のサンプルあるいは目的の本数だけを円滑に取り出すことができる。つまり、サンプル容器10のハンドリング性が良好である。
【0027】
さらに、サンプル100を収容したサンプル容器10を凍結保存のために冷却処理するに際しては、後述する生物サンプル凍結装置により、その冷却処理を適正かつ再現性良く行うことができる。
【0028】
上記ストロー状細管11を形成する材質としては、圧着による変形加工に適した熱可塑性樹脂が使用されている。内容物の有無を簡単に確認できるようにするためには、透明な樹脂の使用が好ましい。
【0029】
また、上記ストロー状細管11には、図1の(b)に部分拡大して示すように、その内側に突出して上記封止材16を係止固定するエンボス部18が形成されている。このエンボス部18は、サンプル100をサンプル容器10内に吸入させるために、そのサンプル容器10の他端側を吸引するに際し、その吸引によって封止材16が外へ吸い出されてしまったり、あるいは位置が移動したりするのを確実に防止する効果がある。
【0030】
図2は、上記サンプル容器10の端部を圧着閉塞するのに用いて特に有効な圧着装置の要部を示す。同図において、(a)はサンプル容器10の開口端部を装置にセットする前の状態、(b)はサンプル容器10の開口端部を圧着加工している状態、(c)は開口端部が圧着閉塞されたサンプル容器10をそれぞれ示す。
【0031】
同図に示すサンプル容器用圧着装置は、上記ストロー状細管11の開口端部を、その細管11の外形に形状対応する半円形状の凹型面71aで拘束する治具71と、上記凹型面71aと対をなす凸型面72aを有する押圧子72とを備え、上記開口端部を上記凹型面71aと上記凸型面72aとで円弧状に加圧成形しながら圧着して閉塞する。
【0032】
図示の実施形態の場合、凹型面71aの底部は、サンプル容器10の外径φ1よりもわずかに狭い幅(曲率半径の2倍)wの円弧状曲面に形成されている。また、凹型面71aの上部開口縁から底部までの深さhは、サンプル容器10の外径φ1とほぼ同じに形成されている。具体的な寸法例を挙げると、サンプル容器10の外径φ1が3mmの場合、上記幅wは2.7mm、上記深さhは3mmとすればよい。
【0033】
これにより、細管11の端部が円周方向で略2分されて、一方の半円周部分12が他方の半円周部分13の内側に円弧状に重なった状態で相互に圧着されるとともに、その圧着部分の最大径を外径φ1内に確実に収めることができる。
【0034】
図3は、上記サンプル容器用圧着装置の全体構成例を工程段階別に示す省略側面図である。同図において、(a)はサンプル容器10の開口端部を圧着装置にセットする前の状態、b)はサンプル容器10の開口端部を圧着加工している状態、(c)はその開口端部の圧着加工が完了した状態をそれぞれ示す。
【0035】
同図に示すように、上記サンプル容器用圧着装置では、治具71が架台73に固定され、この治具71の上方に上記押圧子72が上下動可能に取り付けられている。押圧子72には超音波振動源74が取り付けられていて、上記凹型面71aと上記凸型面72aとで加圧成形されているサンプル容器10の上記開口端部に超音波振動を印加するようにしてある。これにより、サンプル容器10の開口端部を高効率かつ一層確実に圧着閉塞することができる。
【0036】
上記押圧子72は、上記超音波振動源74とともに、移動駆動装置75により所定の駆動トルクで上下移動駆動されるようになっている。移動駆動装置75は、たとえばステッピングモータ等を用いて構成されている。
【0037】
ステッピングモータ等の電動駆動手段を用いることにより、圧着加工時の押圧トルクはその駆動電流の制御により所定に設定することができる。また、ステッピングモータを用いた場合は、そのステッピングモータの駆動パルス数を管理することにより、移動ストロークの管理および制御を行うことができる。
【0038】
なお、上記押圧子72の押圧端面(下端面)には、図3の(a)に部分拡大して示すように、細管11を円弧状に押圧変形させる凹型面71aの一端側に、なだらかなスロープ曲面72bが形成されているが、これは、細管11(サンプル容器10)の圧着閉塞部と非圧着閉塞部の境界部分になだらかな緩衝曲面を形成するためである。
【0039】
上述した実施形態では、上記凹型面71aと上記凸型面72aとで加圧成形されている上記開口端部に超音波振動を印加するようにしたが、その超音波振動に代えて高周波電流を通電させるようにしても、また、電気ヒーターによる加熱装置を用いても同様の効果を得ることができる。また、要すれば、超音波振動と高周波電流は併用して印加するようにしてもよい。
【0040】
図4は、上記サンプル容器用圧着装置の好適な応用例を示す。同図に示す装置は、上記サンプル容器10をストックして1本ずつ供給するホッパー状の供給手段81と、この供給手段71から供給されたサンプル容器10を所定の整列状態で治具71による圧着加工位置に順次搬送する搬送手段82とを備えている。
【0041】
搬送手段82はドラム状または円盤状に形成され、その円形外周縁に沿って多数のサンプル容器ホルダ部83が等角間隔で配設されているとともに、ステッピングモータ(図示省略)により、一定方向にステップ回転駆動されるようになっている。供給手段71にストックされているサンプル容器10は、上記ホルダ部83に1本ずつ嵌入状態で保持されながら治具71と押圧子72の間に搬送される。
【0042】
治具71は移動駆動装置76により上下に移動駆動されるようになっていて、治具71の上にサンプル容器10が位置すると、サンプル容器10の圧着加工位置まで上昇駆動される。これに同期して、押圧子72が移動駆動手段75により下方へ押圧駆動されることにより、サンプル容器10の圧着加工を行う。これにより、サンプル容器10の開口端部が圧着閉塞される。
【0043】
圧着加工されたサンプル容器10は、搬送手段82により回収容器85へ搬送される。符号84は離脱治具(リジェクタ)であって、搬送手段82からサンプル容器10を離脱させるように設置されている。
【0044】
次に、上述したサンプル容器10を凍結保存のために冷却するのにとくに適した生物サンプル凍結装置について説明する。
【0045】
図5〜図7は、本発明の技術が適用された生物サンプル凍結装置の一実施形態を示す。図5はその装置全体の概要を側面図(a)および上面図(b)で示す。図6は、図5に示した装置の伝熱ブロックとガイドテーブルの部分を斜視図で示す。図7は、伝熱ブロックの側断面(a)と横断面および一部拡大断面(b)を示す。
【0046】
同図に示す生物サンプル凍結装置は、たとえば精液、胚などの細胞や組織を凍結保存のために冷却するのに使用されるものであって、その主要部は、図5に示すように、伝熱ブロック20、ガイドテーブル30、移動駆動手段40、および制御駆動部50により構成されている。生物サンプルは細管状サンプル容器(ストローとも呼ばれている)10に収容されて凍結保存のための冷却処理にかけられる。
【0047】
伝熱ブロック20は、図5〜図7に示すように、矩形板状の固体ブロックであって、冷却ユニット(冷却手段)25により所定の温度および/または所定の冷却速度で冷却されるようになっている。この伝熱ブロック20の材質としては、高熱伝導性の金属またはセラミックスが使用される。金属材質としては、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または真鍮等の銅合金などが適している。セラミックスとしては、たとえば窒化アルミニウムなどが好適である。
【0048】
上記伝熱ブロック20には、その一端から他端へ抜ける複数の独立した貫通孔21が設けられている。この複数の貫通孔21は伝熱ブロック20内に互いに所定の間隔を置いて平行に配設されている。各貫通孔21はそれぞれ上記サンプル容器10を1本ずつ嵌挿させて通過させるのに最小限必要な内径(φ2)に形成されている。
【0049】
上記貫通孔21は、図7の(b)に示すように、上記サンプル容器10の外径φ1よりもわずかに大きな内径φ2を持つように形成されている。これにより、サンプル容器10は、貫通孔21との間に無駄な隙間を形成することなく、その貫通孔21内にほぼ嵌合状態で隙間無く密に嵌挿されて移動通過するようになっている。
【0050】
貫通孔21については、その貫通孔21の内面と上記サンプル容器10との間に形成される隙間が、少なくともそのサンプル容器の外径φ1よりも小さくなるような内径φ2で形成されていれば、従来の技術的問題は解決することができる。
【0051】
すなわち、たとえば前記特許文献2にて開示されている従来例2の技術では、サンプル容器と伝熱ブロックの間に、そのサンプル容器の外径よりも大幅に大きな隙間空間(トンネル)が形成されているので、この大きな隙間空間の空気層が冷却速度の遅れを生じさせ、サンプル容器内の細胞に対する悪影響を及ぼし、サンプル容器を適正かつ再現性良く冷却するのを妨げる要因となっていた。これに対し、本発明に係る装置では、上記隙間空間を少なくともサンプル容器10の外径φ1よりも小さくして適正かつ再現性のよい冷却処理を行わせることができる。
【0052】
また、本発明では、たとえば図7の(b)に部分拡大して示すように、上記隙間空間をさらに大幅に狭めることができる。これより、複数のサンプル容器10の冷却処理をさらに適切に行うことができる。具体的には、上記貫通孔21の内面と上記サンプル容器10との間に形成される隙間が、上記サンプル容器の外径φ1の5%以下または0.1mm以下となるようにするとよい。
【0053】
たとえば、サンプル容器の外径φ1が3mmの場合は、上記外径φ2と内径φ1の差(φ2−φ1)を0.15mm(φ1の5%)以下とすることにより、伝熱ブロック20とサンプル容器10との間に安定かつ良好な伝熱状態を確保して、適正かつ再現性のよい冷却処理を行わせることができる。
【0054】
また、サンプル容器の外径φ1が2mmの場合は、上記外径φ2と上記内径φ1の差(φ2−φ1)を0.1mm以下にすれば、伝熱ブロック20とサンプル容器10との間に安定かつ良好な伝熱状態を確保することができる。
【0055】
つまり、上記外径φ2と上記内径φ1の差(φ2−φ1)は、サンプル容器10の外径φ1が大きい場合は、その外径φ1に対する割合(5%以下)で規定するとよい。また、サンプル容器10の外径φ1が小さい場合は、絶対寸法(0.1mm以下)で規定するとよい。
【0056】
上記貫通孔21を有する伝熱ブロック20は、単一のブロック材を用いて最初から一体的に構成してもよいが、複数の分割ブロックを組み合わせて構成する、いわゆる分割構成も可能である。分割構成にする場合は、上記貫通孔21も一緒に分割形成することができる。たとえば、2分割構成の場合は、2個の分割ブロックにそれぞれ形成した溝を合わせて上記貫通孔21を形成することができる。
【0057】
冷却ユニット25はペルチェ素子を用いて構成され、その冷却側(吸熱側)面が上記伝熱ブロック20の下面全体に密着状態で接触している。ペルチェ素子は複数段が直列にスタックされることにより、上記冷却処理を必要な冷却温度(低温)に冷却することができる。
【0058】
この冷却ユニット25により、伝熱ブロック20を所定の冷却温度に冷却したり、あるいは所定の冷却速度で冷却することができる。なお、図示を省略するが、上記伝熱ブロック20および冷却ユニット25の冷却側は、発泡樹脂等を用いた断熱材により外気温から断熱されている。
【0059】
ガイドテーブル30は、図6に示すように、上記伝熱ブロック20の一端側に設置される。このガイドテーブル30の上面には複数(多数)の案内溝31が平行に形成されている。各案内溝31はそれぞれ、上記貫通孔21の延長軸上に1対1で対応して設けられ、上記サンプル容器10を1本ずつ位置決めしながら保持して上記貫通孔21内へ移動案内するように形成されている。
【0060】
ガイドテーブル30と伝熱ブロック20の間には若干の断熱隙間が置かれているが、細管状のサンプル容器10はその断熱隙間を跨いで伝熱ブロック20の貫通孔21内に移動案内されるようになっている。
【0061】
移動駆動手段40は、複数の推進ロッド42、ロッドガイド43、可動部材44、直動ガイド(リニアガイド)45、ステッピングモータ46、ボールネジ47などを用いて構成されている。この移動駆動手段40は、上記伝熱ブロック20、ガイドテーブル30などとともに、共通の基台41上に設置されている。
【0062】
推進ロッド42は上記貫通孔21の延長軸上に1本ずつ互いに平行に位置決めされながら配置され、ガイドテーブル30の案内溝31に位置決め状態で保持されている各サンプル容器10をそれぞれに上記貫通孔21の軸方向に推進して移動させるように構成されている。
【0063】
ロッドガイド43は上記ガイドテーブル30の手前に設置されている。このロッドガイド43は、各推進ロッド42の先端をそれぞれ上記貫通孔21の中心軸に正確に合致させながら上記貫通孔21内に円滑に進入させるように、そのロッド42の位置決めおよび移動案内を行う。このため、図示を省略するが、ロッドガイド43は、推進ロッド42を1本ずつ嵌挿させて摺動案内するガイド孔(あるいはガイド溝)を有する。
【0064】
上記推進ロッド42の基端側は可動部材44に保持・固定されている。可動部材44は、直動ガイド45に案内されて上記貫通孔21の延長軸と平行に往復移動するように設けられている。この可動部材44は、ステッピングモータ46で回転駆動されるボールネジ47により、上記直動ガイド45に案内されながら移動駆動されるようになっている。
【0065】
上記可動部材44の移動により各推進ロッド42が一斉に前進させられてガイドテーブル30上のサンプル容器10を伝熱ブロック20内の貫通孔21内へ移動させる。この推進ロッド42の前進により、サンプル容器10は貫通孔21内を通過し、最終的に最終凍結容器60内の通気性架台上へ押し出される。最終凍結容器60では、前記通気性架台の下に液体窒素が所定量充填されており、その中に浸漬された電気ヒーターに流す電流を調節して最終凍結容器内が所定の温度、例えば−100℃〜−196℃に保持されるようになっている。
【0066】
ステッピングモータ46とボールネジ47は、上記複数の推進ロッド42を上記貫通孔21の軸方向に所定速度で移動させる推進駆動手段を構成する。上記推進ロッド42の移動速度および移動量は、そのステッピングモータ46の駆動パルス周期および累積パルス数を管理することにより、位置検出に基づく複雑なフィードバック制御を使わずとも、簡単かつ高精度に制御することができる。
【0067】
制御駆動部50は、温度調節回路51、モータ駆動制御回路52、操作/設定部53、および主制御部54などにより構成される。温度調節回路51は、伝熱ブロック20の温度をそのブロック20内に設置した温度センサ26で検出し、この検出により観測される温度が所定の冷却温度となるように、ペルチェ素子の通電電流等を制御する。
【0068】
モータ駆動制御回路52は、上記ステッピングモータ46の回転駆動パルスの周期、パルス数(回転ステップ数)、回転方向を管理(モニター)しながら、上記推進ロッド42の移動速度、移動量、移動方向、移動位置を制御する。
【0069】
操作/設定部53はキーボード等の入力装置を用いて構成され、温度調節回路51およびモータ駆動制御回路52の各動作条件および動作手順方法(シーケンス)などの設定入力を担う。主制御部54はマイクロ回路化されたコンピュータ(いわゆるマイコン)を用いて構成され、上記操作/設定部53にて設定された各種動作条件および動作手順方法等に基づき、各部(51,52)の動作を時間要素も取り込んで制御する。
【0070】
なお、上述した制御駆動部50は、たとえば、温度調節回路51、モータ駆動制御回路52の機能の一部または大部分を主制御部54にてソフトウェア的に集中処理させることも可能である。反対に、温度調節回路51、モータ駆動制御回路52に主制御部54の機能の一部または全部を持たせるようにしてもよい。このように、制御駆動部50のハードウェア的な構成については特に限定されない。
【0071】
図8は本発明に係る生物サンプル凍結装置の、別の実施形態の要部を示す。上述した実施形態との相違に着目して説明すると、同図に示す装置は、2個(複数)の伝熱ブロック20A,20Bをサンプル容器10の移動方向に直列に設置するとともに、各伝熱ブロック20A,20Bをそれぞれに所定の温度に冷却または所定の冷却速度で冷却する2系統(複数系統)の冷却ユニット(冷却手段)25A,25Bを設けてある。
【0072】
各伝熱ブロック20A,20Bにはそれぞれ、サンプル容器10をほぼ嵌合状態で挿通および通過させる貫通孔21が同軸上に設けられている。2個の伝熱ブロック20A,20B間には断熱間隙が置かれている。また、図示を省略するが、各伝熱ブロック20A,20Bおよび冷却ユニット25A,25Bはそれぞれに外気温から断熱処理されている。
【0073】
この実施形態では、2個(複数)の伝熱ブロック20A,20Bの温度条件を独立に設定することにより、伝熱ブロックが1つだけの場合よりも、非常に多様かつ複雑な冷却プロセスが可能になる。これにより、生物サンプルの種類等に応じた最適な冷却プロセスを、より精密に設定することができる。
【0074】
サンプル容器10は、図1に示したように、その端部を円周方向で略2分し、一方の半円周部分12を他方の半円周部分13の内側に円弧状に重ね合わせ、この円弧状の重なり部分を相互に圧着することにより、容器10外径φ1からのはみ出し部分を生じることなく、その容器10の端部を圧着閉塞させている。
【0075】
これにより、図7に示すように、サンプル容器10と貫通孔21間の隙間(φ2−φ1)を小さくしても、そのサンプル容器10を貫通孔21内に円滑に通すことができるようになる。したがって、伝熱ブロックの冷熱をサンプル容器10内に円滑に移行させて、冷却にばらつきが生じるのを防ぐという効果を、より顕著に得ることができる。
【0076】
次に、上述した生物サンプル凍結装置の動作および使用方法を説明する。
上述した装置では、図5および図6に示すように、未処理のサンプル容器10をガイドテーブル30上に載置する。ガイドテーブル30には案内溝31があるので、サンプル容器10はその案内溝31に導かれて1本ずつ位置決め状態で保持される。
【0077】
サンプル容器10がセットされたならば、ステッピングモータ46を回転させて推進ロッド42を一斉に前進させる。これにより、サンプル容器10がガイドテーブル30から伝熱ブロック20の貫通孔21内に移動させられる。このとき、伝熱ブロック20はあらかじめ所定温度に調整されているものとする。
【0078】
サンプル容器10は上記貫通孔21を通過する過程にて、伝熱ブロック20からの冷熱伝達により冷却処理される。この冷却処理により容器10内のサンプルが凍結保存可能な状態に凍結される。冷却処理が完了したサンプル容器10は、推進ロッド42により貫通孔21から押し出され、最終凍結容器60内に回収される。
【0079】
上記動作において、サンプル容器10は、たとえば次のような工程(1)〜(3)を含むプロセスにより冷却処理することができる。
(1)サンプル容器10を、所定温度に冷却された伝熱ブロック20の貫通孔21に所定速度で通過させる工程。
(2)サンプル容器10を、所定温度に冷却された伝熱ブロック20の貫通孔21内に所定時間滞在させる工程。
(3)サンプル容器10を、所定の冷却速度で冷却されている伝熱ブロック20の貫通孔21内に所定時間滞在させる工程。
上記工程(1)〜(3)はサンプルの種類等により任意の組み合わせで選択することができ、また、各工程における諸条件(移動速度、滞在時間、冷却温度、冷却速度等)もそれぞれ任意に設定することができる。
【0080】
さらに、複数の伝熱ブロック20A,20B(図8)を有する装置においては、サンプル容器10を、温度設定条件の異なる2個またはそれ以上の伝熱ブロック20A,20Bを順次用いて冷却することができる。これにより、さらに多様かつ複雑な冷却プロセスが可能になり、サンプルの種類等に応じて、より最適な冷却を高精度に行わせることができる。
【0081】
各貫通孔内での冷却条件をさらに一定に揃えるためには、複数の貫通孔21が、伝熱ブロック20内に互いに所定の間隔を置いて平行に配設されていることが望ましい。
【実施例1】
【0082】
図9は、伝熱ブロック20が1つの装置を用いて凍結した精液(牛)の運動総精子率(運動率)と最活発運動精子率を凍結時の冷却条件別に示したグラフである。同図に示すように、いったん凍結保存してから融解した精液の運動総精子率および最活発運動精子率は、上述した本発明装置を用いた凍結方法が、従来例1の凍結方法に比べて、あきらかに好成績を得ている。
【0083】
また、同図に示すように、精子運動性は、伝熱ブロックの温度、サンプル容器の移動速度、伝熱ブロック(貫通孔)内での保持時間などの条件により有意の差が生じるが、上述した本発明の装置によれば、最適な条件を再現性良く高精度に設定することが可能である。
【実施例2】
【0084】
図10は、2個の伝熱ブロック20A,20Bを有する装置(図8)を用いて凍結した精液(牛)の精子運動性(運動総精子率と最活発運動精子率)を凍結時の冷却条件別に示したグラフである。同図に示すように、この実施例においても、いったん凍結保存してから融解した精液の精子運動性は、本発明装置を用いた凍結方法が従来例1の凍結方法に比べて、あきらかに好成績を得ている。
【0085】
また、同図に示すように、精子運動性は、各伝熱ブロック20A,20Bにおける温度、サンプル容器の移動速度、伝熱ブロック(貫通孔)内での保持時間などの条件により異なってくるが、本発明の装置によれば、最適な条件を再現性良く多様に設定することができる。
【0086】
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。
【0087】
たとえば、図4において、サンプル容器10の圧着加工を行う治具71と、サンプル容器10を1本ずつ搬送する搬送手段82は互いに独立した装置として構成されているが、搬送手段82の一部、具体的には、ホルダ部83に治具71の凹型面71aの機能を兼用させるようにしてもよい。
【0088】
また、伝熱ブロック20の貫通孔21は、サンプル容器10の外形状に応じて種々変更可能である。また、伝熱ブロック20は、矩形板状以外の種々の形状態様が可能である。貫通孔21の配置は1列に限らず、たとえば2列以上並べてもよい。あるいは、円陣その他の配列でもよい。また、貫通孔21の方向は水平以外の方向であってもよい。
【0089】
冷却手段は、ペルチェ素子を用いた冷却ユニット25が、装置の小型化および簡単化、制御性などの点で最適であるが、これ以外の冷却手段(凍結手段)の使用も妨げない。また、伝熱ブロックは3個以上の複数個を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器にあって、ハンドリング性を良好にすることができるとともに、凍結保存のための冷却処理を適正かつ再現性良く行うのに適したサンプル容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係るサンプル容器の一実施形態を示す一部省略斜視図および要部断面図である。
【図2】本発明に係るサンプル容器用圧着装置の要部を示す省略斜視図および断面図である。
【図3】図2に示したサンプル容器用圧着装置の全体構成例を工程段階別に示す省略側面図である。
【図4】本発明に係るサンプル容器用圧着装置の好適な応用例を示す省略側面図である。
【図5】本発明に適用してとくに有効な生物サンプル凍結装置の概要を示す側面図(a)および上面図(a)である。
【図6】図1に示した装置の伝熱ブロックとガイドテーブルの部分を示す斜視図である。
【図7】伝熱ブロックの側断面(a)と横断面および一部拡大断面(b)を示す図である。
【図8】本発明に適用してとくに有効な生物サンプル凍結装置の別の実施形態を示す要部断面図である。
【図9】本発明のサンプル容器を用いる生物サンプル凍結方法の第1実施例により凍結されたサンプルついて、その融解後の状態を従来例1と比較して示すグラフである。
【図10】本発明のサンプル容器を用いる生物サンプル凍結方法の第2実施例により凍結されたサンプルについて、その融解後の状態を従来例1と比較して示すグラフである。
【図11】従来のサンプル容器の構成を示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
【0092】
10 サンプル容器(本発明) 10’ サンプル容器(従来)
11 ストロー状細管 12 一方の半円周部分
13 他方の半円周部分 14 綿状栓部材
15 ポリマー保水剤 16 感湿封止材
17 空気層 18 エンボス部
20,20A,20B 伝熱ブロック
21 貫通孔
25,25A,25B 冷却ユニット(冷却手段)
26 温度センサ
30 ガイドテーブル 31 案内溝
41 基台 40 移動駆動手段
42 推進ロッド 43 ロッドガイド
44 可動部材 45 直動ガイド(リニアガイド)
46 ステッピングモータ 47 ボールネジ
50 制御駆動部 51 温度調節回路
52 モータ駆動制御回路 53 操作/設定部
54 主制御部 60 最終凍結容器
71 治具 71a 凹型面
72 押圧子
72a 凸型面 72b スロープ曲面
73 架台 74 超音波振動源
75 移動駆動装置(押圧子) 76 移動駆動装置(治具)
81 ホッパー状の供給手段 82 搬送手段
83 サンプル容器ホルダ部 84 離脱治具(リジェクタ)
85 回収容器
100 生物サンプル
φ1 細管(サンプル容器)の外径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一様な外径を有するストロー状細管により形成され、その細管の一方または両方の開口端部が圧着により閉塞されたサンプル容器において、上記細管の端部が円周方向で略2分されて、一方の半円周部分が他方の半円周部分の内側に円弧状に重なった状態で相互に圧着されることにより、上記外径からのはみ出し部分を生じさせることなく、上記端部が閉塞されていることを特徴とするサンプル容器。
【請求項2】
請求項1において、上記ストロー状細管が熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とするサンプル容器。
【請求項3】
請求項1または2において、上記ストロー状細管の一方の開口端部が封止材の充填により閉塞され、他方の開口端部が圧着により閉塞されていることを特徴とするサンプル容器。
【請求項4】
請求項3において、上記ストロー状細管の内側に突出して上記封止材を係止固定するエンボス部が形成されていることを特徴とするサンプル容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のサンプル容器を形成するために使用する装置であって、上記ストロー状細管の開口端部を、その細管の外形に形状対応する半円形状の凹型面で拘束する治具と、上記凹型面と対をなす凸型面を有する押圧子とを有し、上記開口端部を上記凹型面と上記凸型面とで円弧状に加圧成形しながら圧着するようにしたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【請求項6】
請求項5において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部に超音波振動を印加する超音波振動源を備えたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【請求項7】
請求項5または6において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部に高周波電流を通電させるようにしたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【請求項8】
請求項5において、上記凹型面と上記凸型面とで加圧成形されている上記開口端部をヒーターで加熱圧着するようにしてなることを特徴とするサンプル容器用圧着装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれかにおいて、上記サンプル容器をストックして1本ずつ供給する供給手段と、この供給手段から供給されたサンプル容器を所定の整列状態で上記治具による圧着加工位置に搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とするサンプル容器用圧着装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−47191(P2006−47191A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230876(P2004−230876)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(599001286)社団法人家畜改良事業団 (2)
【Fターム(参考)】