説明

サンプル投入器具

【課題】本発明は、医療サンプル、好ましくは体液または品質管理媒質のサンプルを多様なサンプル容器(3、4)から自動的に入力するために単一の差込位置(2)があるサンプル投入器具(1)に関する。
【解決手段】本発明によると、投入器具(1)内には、開口(9)を通して開放サンプル容器(3)内に、さらに貫通可能な蓋要素(17)を通して密閉サンプル容器(4)内に挿入することができるカニューレ(8)をそれぞれ有するサンプル輸送コンテナ(7)が設けられ、投入器具(1)には、サンプル輸送容器(7)のカニューレ(8)をサンプル容器(3、4)に挿入またはそれを穿孔する前にカニューレ(8)を把持し、それを案内してセンタリングする案内要素(10)が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様なサンプル容器から医療サンプル、好ましくは体液または品質管理媒質のサンプルを自動的に投入するための単一の差込位置があるサンプル投入器具に関する。
【0002】
このような投入器具は医療研究所、例えば全血、血清、血漿、または体液の他の測定物、例えば髄液、胸膜液、尿などを解析する血液解析器とともに使用可能な場所で知られている。これらの解析器には、1種類のサンプル容器専用に設計されたものもある。例えば、注射器によってサンプルを入力できるだけである。
【0003】
この理由から、時間がかかる調節を必要とせずに、多様なサンプル容器からサンプルを投入するのに適切なサンプル投入器具を開発するという要望が、往々にして表明されてきた。
【背景技術】
【0004】
欧州特許第0297082号では、体液サンプルの解析器が開示され、これは回転式ドッキングディスクを有し、これは多様な回転位置で、解析器のサンプル供給線の取付具に接続することができる。このドッキングディスクを介して、サンプルを投入することができる。つまり蠕動ポンプによって吸引するか、サンプル入力部に注入する。この種のサンプル投入器具の欠点は、いわゆるヴァキュテーナまたはモノヴェットなどの閉じたサンプル容器を使用できず、サンプル残留物による相互汚染を回避するためにサンプル入力開口を洗浄することが、比較的困難で費用がかかることである。
【0005】
欧州特許第0297082号のものに類似したサンプル投入器具が、ドイツ特許第3890175C1号に記載されている。この器具には分配器ディスクが設けられ、これは軸線の周囲で回転し、その軸線に対して等距離に配置された複数の入力要素を有し、この要素は適切なコネクタによって投入すべき媒質に接続することができる。分配器ディスクは、キャリア軸によって解析器のハウジング内に保持され、解析器にはさらに、分配器ディスクの回転および上昇動作用の制御ユニットが設けられる。分配器ディスクは、1つの回転位置でスロットを有し、したがってピペットまたは注射器によってサンプルを導入するためのサンプル入力開口が曝露される。したがって、ドイツ特許第3890175C1号に記載されたサンプル入力器具は、毛管からサンプルを吸引するか、注射器によって注入するために使用することができ、毛管または注射器を受け取り、密封するために円錐形の開口が設けられ、開口は、剛性の気密線を介して解析器の測定セルに直接接続される。しかし、この投入器具は、ラボラトリで好まれる別のタイプの入力、つまり例えばヴァキュテーナまたはモノヴェットのような閉じたサンプル容器からのサンプル入力には適切でない。
【0006】
欧州特許第0564439A2号から知られる投入器具には、洗浄媒質および基準媒質を投入するために、固定軸線の周囲で旋回するフラップが設けられ、媒質は、フラップの密閉時に解析器の弾性入力要素に供給される。フラップの開放時には、毛管から吸引するか、注射器によって注入するために、入力要素に自由にアクセスすることができる。欧州特許第0297082号に関して以上で言及した欠点は同じままである。
【0007】
注射器からサンプルを吸引可能にするサンプル投入器具も知られている。旋回する入力針が設けられた多種多様な投入器具があり、したがって、針の多様な位置で、サンプル流体を多様なサンプル容器から解析器へと吸引することができる。この文脈では、米国特許第4,499,053A号に言及しなければならず、これは案内リンク構造がある比較的複雑な持ち上げ機構について記載し、サンプルは毛管または注射器から吸引される。そのために、取り入れ要素付きの取り入れ針が提供され、これはその中心オリフィスで取り入れ針上にて軸方向に案内され、リンク構造によって制御される。リンク構造の取っ手によって、取り入れ針を傾斜させて、水洗溶液用の取付具に接続された休止位置から、様々な他の位置へと持ち上げることができ、そこでリンク構造によって案内され、取り入れ要素は取り入れ針の軸に沿って多様な位置をとる。1つの持ち上げ位置で、針の先端は完全に露出し、したがって針を開放したサンプル容器に浸漬して、サンプルを吸引することができる。他の持ち上げ位置では、針の先端が取り入れ要素の中心オリフィス内に配置され、サンプル毛管を中心オリフィスの残りの開放空間に挿入し、そこに保持することができる。次に、解析器のポンプでサンプルを吸引することができる。最後に、さらなる持ち上げ位置が設けられ、ここで取り入れ針は基本的に水平姿勢をとり、取り入れ要素が針先端の小さい部片を露出させる。次に、注射器の円錐体を針先端上に滑らせて、取り入れ要素の外面に押しつけその後にサンプルを解析器に注入することができる。欠点として、注射器は投入器具によって支持されず、取り入れ要素の外面には不十分なシールしか設けられず、したがってサンプル残留物が投入器具を汚染するかもしれないことに言及しておかねばならない。
【0008】
しかし、米国特許第4,499,053A号による投入器具の重大な欠点は、閉じたサンプル容器からサンプルを導入することが不可能なことにある。
【0009】
米国特許第5,391,499A号では、2つの異なるサンプル容器を使用して、つまり注射器(図1参照)またはサンプル毛管(図2参照)でサンプル入力が可能である投入システムが記載されている。サンプル投入区域にある回転可能な要素によって、注射器またはサンプル毛管が入力オリフィスに挿入されているか否かを、サンプル容器の直径から自動的に確認することができ、入力のタイプ毎に異なる入力プログラムを開始することができる。取り入れ針は、注射器に貫入するために駆動ユニットによって長手方向で前方に移動するか、毛管のために余地を作るために後退する。新しい測定をする度に事前に洗浄溶液で水洗しなければならない米国特許第5,391,499A号による投入システムの欠点は、例えばヴァキュテーナなどからサンプルを入力できないことにある。
【0010】
当技術分野では、異なるサンプル容器には異なるアダプタを使用することが、さらに知られており、これは解析器の取り入れ要素に取り付けるか、それに挿入しなければならない。しかし、これは操作労力を増大させる必要があり、オペレータが誤る危険性を増大させる。
【0011】
閉じた試験管からサンプルを自動的に引き出す状況では、端部に鋭利な中空の針が設けられたロボット機構によって試験管のストッパを穿孔し、サンプルを引き出すことも知られている。例えば欧州特許第0452892B1号では、開いた容器または閉じた容器からサンプルを引き出す器具が記載され、その針はヴァキュテーナの密封キャップを貫通することができるが、注射器の小径開口に挿入するように作製されていないのは明白である。さらなる欠点として、この知られているサンプル投入器具は、針用の特殊な洗浄ステーションを必要とする。
【0012】
最後に、欧州特許第1347282A2号から、解析器のサンプル投入側に配置された静止取り入れ針があるサンプル投入器具が知られる。取り入れ針には弾性取り入れ要素が設けられ、これは針上で軸方向に滑動し、円錐形の入力開口を有する。さらに、保持要素が設けられ、これは取り入れ要素に対して移動可能であり、針と平行に軸方向にシフトすることができ、第1位置では取り入れ要素への自由なアクセスを可能にし、第2位置では注射器を受け取るために円錐形オリフィスを取り入れ要素上に配置する。弾性取り入れ要素の円錐形入力開口が露出している保持要素の第1位置では、サンプルを毛管から吸引するか、注射器によって注入できるので有利である。保持要素の第1位置から開始する並進または回転シフトによって到達される第2位置では、保持要素が注射器を受け取り、これは取り入れ針上に配置され、その後の保持要素の持ち上げ動作によって取り入れ針上で滑動する。その後に、サンプルを注射器の内部から吸引することができる。しかし、ヴァキュテーナまたはモノヴェットなどの閉じたサンプル容器からサンプルを直接入力することは不可能である。それ以外に、静止取り入れ針は、サンプル投入動作毎に事前に洗浄しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
医療サンプル、好ましくは体液および品質管理媒質用のサンプルに、サンプルを多様な開放サンプル容器または密閉サンプル容器から引き込むことができ、投入器具の洗浄労力を最低限に抑えることができるサンプル投入器具をさらに開発することが、本発明の目的である。さらなる目的は、サンプルとオペレータも、サンプルとサンプル容器の支持要素も接触しない実質的に汚染のないサンプル投入器具を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、投入器具内にサンプル輸送コンテナを設け、各コンテナは開放サンプル容器さらに穿孔可能な蓋要素によって閉じたサンプル容器に挿入することができる中空針を有し、さらに投入器具が、サンプル容器に挿入または貫入する前にサンプル輸送コンテナの中空針を案内および/またはセンタリングする案内要素を有することを提案することにより、この目的は達成される。中空針を案内し、特にセンタリングして支持する案内要素を使用するので、十分に細い針を使用することができ、これは一方では注射器のルアー接続部の小径開口に挿入することができ、他方では、針が屈曲したり破壊したりせずに、ヴァキュテーナの蓋を貫通することができる。サンプル輸送コンテナには、カニューレとして尖らせた中空の鋼製針を装備することが好ましい。
【0015】
鋼製針の案内要素は、能動把持要素として、または受動案内要素として、例えば円錐形の漏斗の形態で構成することができる。
【0016】
サンプルを受け取る以外に、サンプル輸送コンテナはサンプルを解析器の他の機能的ユニットへと輸送かつ移送する働きもする(例えば、サンプルを試験片上、試薬溶液中、測定用試験管中に配置するか、それを他の内部サンプル輸送システムへと移送する)。
【0017】
好ましくは、使い捨て品としてに設計されたサンプル輸送コンテナは、サンプルを受け取るために中空の空間があるプラスチック本体を有しており、その投入側には、カニューレとして尖らせた中空の鋼製針を設けることがより好ましい。投入器具内のサンプルと接触するのは、サンプル輸送コンテナのみであり、これはサンプルの各投入後に廃棄されるので、投入器具を洗浄する必要が全くなくなり、器具内の相互汚染の危険が全て回避される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、複数のサンプル輸送コンテナが投入器具の保存空間に保持され、把持および旋回機構が設けられている。該機構はサンプル輸送コンテナを保存空間から取り上げ、サンプル容器からサンプルを引き出すためにコンテナを位置合わせし、該コンテナをサンプル容器に接続し、サンプルを受け取って測定領域へと移送した後、コンテナを別個の廃棄物コンテナに廃棄するか、保存空間へと戻す。後者の場合は、使用済みサンプル輸送コンテナを元の保存場所に戻し、輸送機構で使用したものとしてマークする。
【0019】
サンプル輸送コンテナの針をサンプル容器に挿入する前に、差込位置に保持されているサンプル容器を投入器具に引き込み、これにより、針による傷害の危険を回避し、サンプル容器の早期の取り外しを妨げる引込装置をサンプル投入器具に設けることが、特に有利である。
【0020】
サンプル容器の中心軸は、差込位置から上方向に向き、水平面と30°から40°の角度を成しており、サンプル容器の気泡がない領域からサンプルを吸引できるようにすることが好ましい。
【0021】
本発明のさらなる発展系としては、投入器具は、サンプル容器用に差込位置の区域に好ましくは光学監視ユニットを設け、該ユニットは多様なサンプル容器の正確な配置を保証する働きをする。
【0022】
最後に、好ましい実施形態によると、サンプル輸送コンテナの位置を監視する目的で、投入器具の内部に少なくとも1つの光学センサを設けることができる。透明なサンプル輸送コンテナを使用する場合は、このセンサを使用して、サンプル中に空気または気泡が存在するか検出することもできる。
【0023】
本発明を、図面に関して以下でさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1から図9に概略的に図示されたサンプル投入器具1は、医療サンプル、好ましくは体液および品質管理媒質のサンプルの自動入力に使用される。最新技術の投入器具とは対照的に、本発明による器具の単一の差込位置2で、多様な開放および密閉サンプル容器3、4を使用することができる。
【0025】
図1は、保持要素5によって差込位置2の所定の位置に保持された開放サンプル容器3、例えば注射器を示す。注射器3は、ルアーまたはルアーロックコネクタとともに、保持要素5の適切に構成された円錐形受容体6に挿入される。この受容体は貫通穴の一部であり、保持要素5によって画定された位置に固定される。さらに、投入器具1はサンプル輸送コンテナ7とともに供給され、コンテナのそれぞれが尖ったカニューレ8を有する。カニューレは保持要素5の貫通穴によって注射器3のルアーコネクタの小径開口9に導入することができる。カニューレ8の中空の鋼製針は、例えば約0.8mmの外径を有し、したがって注射器3(内径約1.2mm)の小径開口9にうまく挿入するために、すなわちカニューレ8を困難なくサンプル容器3に導入するためには、非常に正確な案内(±0.2mm)が必要である。このような目的から、案内要素10付きの投入器具1が提供され、これはサンプル輸送コンテナ7のカニューレ8を挿入する前に、カニューレ8を案内して、センタリングし、それぞれルアーコネクタ上で自身を保持要素5の円錐形受容体6の中心に位置合わせする(図3参照)。
【0026】
サンプル輸送コンテナ7は、基本的に医療サンプルを受け取る中空空間11があるプラスチック本体で構成され、その投入側には、カニューレ8、例えばカニューレとして尖らせた中空の鋼製針が設けられる。図1で示すように、使い捨て要素として設計されたサンプル輸送コンテナ7は、破線で示した保存空間13から保持および旋回機構12によって取り出され、使用後にこれも破線で示した廃棄物空間14へと廃棄される。
【0027】
保持および旋回機構12は、図1では多様な位置で図示されている。破線で示した位置12’から離れて、サンプル輸送コンテナ7は保存空間13から取り出される。サンプル輸送コンテナ7は、その軸がサンプル容器3の軸3’と一致するまで旋回される。サンプル容器3とサンプル輸送コンテナ7が相互に向かって相互に並進運動することにより、カニューレ8が注射器3の内部に導入され、医療サンプルが引き出される。その後、サンプルはサンプル投入またはサンプル計量位置15(図面では詳細に図示せず)へと移送され、使用済みサンプル輸送コンテナ7は、廃棄物空間14に廃棄される。サンプル輸送コンテナ7の尖ったカニューレ8がサンプル容器3に貫入する前に、カニューレ8によるオペレータの傷害を回避するか、差込位置2からサンプル容器3が早期に取り出されるのを回避するために、図1の矢印16で示すようにサンプル容器は、引込まれ、サンプル投入器具1の内部に入る。
【0028】
図2から図6で詳細に示すように、カニューレ8付きのサンプル輸送コンテナ7は注射器3の開口9に向かって移動し(図2)、次にカニューレ8のサンプル容器3への挿入を容易にするために、案内要素10が閉じ(図3)、カニューレ8が注射器3に入ると再び開いて、カニューレがサンプル容器に貫入した場合、またはサンプル吸引後にカニューレを引き出した場合に出現し得るサンプルの小滴による案内要素10の汚染を回避する。吸引プロセスの終了後に、サンプル輸送コンテナ7は初期位置へと戻り、特定の角度βだけ下方向に旋回して(図5)、サンプルを例えば試験片15へと移送する(図6)。
【0029】
密閉サンプル容器4(例えばヴァキュテーナ(vacutainer)またはモノヴェット(monovette))を使用する場合、隔壁などの蓋要素17で閉じられたサンプル容器4は、最初に投入器具の差込位置2に配置され(図7から図9参照)、その後に引込装置によってヴァキュテーナ4がサンプル輸送コンテナ7に向かって移動する(図7および図8参照)。次に、ヴァキュテーナ4は保持ブラケット18によって差込位置2にしっかり保持される。その後、サンプル移送プロセスは、図3から図6に従って実行され、サンプル容器の蓋または隔壁17はサンプル輸送コンテナ7のカニューレ8によって穿孔され、サンプルがヴァキュテーナ4から引き出される。上記のように、サンプル輸送コンテナ7はカニューレ8とともに、ヴァキュテーナの蓋要素17に向かって移動し、次に、蓋要素17の貫入および蓋17を通るヴァキュテーナ4へのカニューレ8の挿入を容易にし、カニューレの屈曲を回避するために案内要素10が閉じ、カニューレ8がヴァキュテーナ4に入った後に再び案内要素は開いて、場合によっては出現するサンプルの小滴による案内要素10の汚染を回避する。
【0030】
サンプル容器3、4の中心軸は、差込位置2から離れて上方向に向き、水平面に対して約30°の角度で傾斜して、これによってサンプル容器3、4に含まれる医療サンプルを、気泡のない状態で吸引できるようにする。これにより、保持ブラケット18の把持前に、サンプル容器4(例えばモノヴェット)を器具内に配置することができる。
【0031】
サンプルの輸送は、使い捨て品として設計されたサンプル輸送コンテナ7で実行され、サンプル投入器具1が医療サンプルと接触しないということから、清掃または洗浄ユニットが必要とされず、サンプル投入器具1の設計で保守について考慮する必要がない。保持および案内要素も汚染がない。
【0032】
図10および図11は、本発明によるサンプル投入器具1の実施形態を構造図で示し、図10では、例えば注射器3などの開放サンプル容器が差込位置2に差し込まれている。注射器3のルアーコネクタが保持要素5内に保持され、図面で示す操作状態では、注射器は既に投入器具に引き込まれている。注射器を器具に差し込む場合は、電気的に起動可能なブラケット18を使用しない。というのは、これが、サンプル投入器具のソケット2に差し込まれている図11で示すようなヴァキュテーナ4などの密閉サンプル容器4を保持する働きしかしないからである。ブラケット18は、リンク構造21で案内することができ、したがって異なる寸法の密閉サンプル容器4にも適合できるので有利である。
【0033】
カニューレ8を注射器3内に、または蓋要素17を通してヴァキュテーナ4に挿入する前に、これは案内要素10によってセンタリングされ、支持される。案内要素10は、リンク構造20によって案内され、これも電気的に駆動することができる。
【0034】
サンプル容器3、4の差込位置2の区域において、サンプル投入器具1に好ましくは光学的な監視ユニット(図面ではさらに図示せず)を設けることができ、これは多様なサンプル容器3、4の正確な配置を保証する働きをする。案内要素10、ブラケット18、またはむしろその電動モータに命令を手動で入力するために、サンプル投入器具1上に押しボタンまたはタッチスクリーンを設けることも可能である。
【0035】
投入器具1の内部には光学センサ19を設けることができ、これはサンプル輸送コンテナ7の配置を監視する働きをする。センサ19はさらに、サンプル輸送コンテナ7の中空空間11内にあるサンプルが、気泡のない状態で吸引されているかを判断するために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるサンプル投入器具の略図である。
【図2】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図3】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図4】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図5】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図6】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図7】密閉サンプル容器(例えばヴァキュテーナ)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図8】密閉サンプル容器(例えばヴァキュテーナ)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図9】密閉サンプル容器(例えばヴァキュテーナ)を使用した状態で、ある操作状態にある図1による器具の部分を示す図である。
【図10】開放サンプル容器(例えば注射器)を使用した状態で、本発明によるサンプル投入器具の具体的実施形態を示す断面図である。
【図11】密閉サンプル容器(例えばヴァキュテーナ)を使用した状態で、図10のようなサンプル投入器具を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多様なサンプル容器(3、4)から、医療サンプル、好ましくは体液または品質管理媒質のサンプルを自動的に投入するために、単一の差込位置(2)を有したサンプル投入器具(1)であって、
前記投入器具(1)内には、複数のサンプル輸送コンテナ(7)が設けられており、各コンテナは、開口(9)を通して開放サンプル容器(3)内に向かって挿入することができるばかりでなく、貫通可能な蓋要素(17)を通して密閉サンプル容器(4)内に向かって挿入することができるカニューレ(8)を有しており、
さらに、前記投入器具(1)には、案内要素(10)が設けられており、該案内要素は、前記サンプル輸送コンテナ(7)の前記カニューレ(8)を前記サンプル容器(3、4)に挿入または貫入する前に前記カニューレ(8)を把持し、該カニューレを案内してセンタリングするサンプル投入器具(1)。
【請求項2】
前記サンプル投入器具(1)は、前記単一の差込位置(2)において開放および密閉サンプル容器(3、4)を保持するための保持要素(5、18)を備えている請求項1に記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項3】
前記サンプル輸送コンテナ(7)が、前記医療サンプルを受け取る中空空間(11)があるプラスチック本体を有し、投入側に、カニューレとして尖らせた中空の鋼製針(8)が設けられる、請求項1または2のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項4】
前記サンプル輸送コンテナ(7)が使い捨て品として構成される、請求項1から3のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項5】
複数のサンプル輸送コンテナ(7)が前記サンプル投入器具(1)の保存空間(13)内に保持され、保持および旋回機構(12)が設けられ、該機構が前記保存空間(13)からサンプル輸送コンテナ(7)を取り上げて、前記サンプル容器(3、4)からサンプルを引き出すためにコンテナを位置合わせし、前記サンプル容器(3、4)にコンテナを挿入して、前記サンプルを引き出して移送し、前記保存空間(13)または別個の廃棄物空間(14)に入れた後、コンテナを廃棄する、請求項4に記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項6】
例えばルアーまたはルアーロックコネクタ付きの注射器(3)のような開放サンプル容器(3)を保持する前記保持要素(5)が、前記差込位置(2)に円錐形の受容体(6)を有する、請求項1から5のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項7】
穿孔できる状態の蓋要素(17)によって閉じられた例えばヴァキュテーナまたはモノヴェットなどの密閉サンプル容器(4)を保持するために保持ブラケット(18)が設けられ、前記保持ブラケット(18)が、前記差込位置(2)の所定の位置で前記密閉サンプル容器(4)を保持する、請求項1から6のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項8】
前記保持ブラケット(18)がリンク構造(21)によって案内され、これにより、異なる寸法の密閉サンプル容器(4)に合わせて調節可能となっている、請求項7に記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項9】
前記投入器具(1)に、前記差込位置(2)の所定の位置に保持された前記サンプル容器(3、4)を前記投入器具(1)に引き込む引込装置が設けられる、請求項1から8のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項10】
前記サンプル輸送コンテナ(7)の前記カニューレ(8)をセンタリングする前記案内要素(10)は、前記カニューレ(8)を開放サンプル容器(3)に挿入するか、または、密閉サンプル容器(4)の蓋要素(17)を貫通する前に、前記カニューレ(8)を把持し、前記カニューレ(8)が前記サンプル容器(3、4)に入ったらすぐに開放するようになっている、請求項1から9のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。
【請求項11】
前記サンプル容器(3、4)の中心軸(3’)が、前記差込位置(2)から始まって上方向に向いており、水平面に対して30°から40°の角度を成している、請求項1から10のいずれかに記載のサンプル投入器具(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−298519(P2007−298519A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−120879(P2007−120879)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】