説明

サードパーティ支払い処理のシステムおよび方法

【課題】サードパーティサイト(例えば、ウェブサイト)で、オンライン上の売り手との電子的に行われる取引に対して買い手の支払いを処理するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】支払人から被支払人への電子支払いをサードパーティで処理する方法であって、第一の接続を該支払人から該サードパーティで受け取るステップであって、該第一の接続が受け取られると、該支払人と該被支払人との間の第二の接続は終了される、ステップと、該支払人のためのアカウントが該サードパーティに存在しない場合、電子支払いを容易にするために、該アカウントを作成するステップと、該支払人から該被支払人へ資金を電子的に転送するステップとを包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明はコンピュータシステムの分野に関する。さらに詳細には、サードパーティサイト(例えば、ウェブサイト)で、オンライン上の売り手との電子的に行われる取引に対して買い手の支払いを処理するシステムおよび方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
既存のオンライン取引システムでは、売り手は、買い手が取引に関わり得る(売り手以外の)任意の他の団体と直接取引を行うことなく、買い手からの支払いを処理する。これにより、売り手は、クレジットカードデータ、銀行口座情報、および/または、買い手からの他の財務データを入手する必要がある。次いで、売り手は、可能な場合には(例えば、XML(拡張可能マークアップ言語)を用いた)終端電子接続を介して、この情報を提携した支払いプロセッサに渡す。売り手は決して顧客と接触しない。このようにして、支払いを処理するために、売り手は、適切なセキュリティおよびプライバシー構成を実施して買い手の財務データを保護する必要がある。このような構成は、通常、拡張性のシステムエンジニアリングおよびプログラミング(例えば、C++、CGI(コモンゲートウェイインタフェース))を伴う。従って、売り手のウェブサイト上でこのような処理能力を備える費用は重要であり、買い手および売り手のセンシティブな情報を適切に保護し、かつ、支払いプロセッサへの終端接続を支援するためには、一定した維持費が必要である。
【0003】
さらに、各売り手が、他の売り手とは分離して、自身の支払い処理能力を実施するので、買い手は、支払い情報を各売り手に別々に提供する必要がある。従って、買い手が取引を行う各々の新規の売り手に関して、買い手の財務情報の公開乱用、および/または、不正な使用の危険性が増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明の一実施形態において、サードパーティが買い手と売り手との間の電子支払いを処理し得るシステムおよび方法が提供される。この実施形態において、買い手は、売り手のウェブサイト上でのセッション後またはセッション中に、HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)リンクを介して、サードパーティ支払いプロセッサ(例えば、サードパーティ支払いプロセッサによって作動されるウェブサイト)に向けられる、または、向け直される。売り手と買い手との間の取引の規約に関する情報は、リンクに含まれる。それにより、この情報は、サードパーティ支払いプロセッサのウェブサイトに載せられる。買い手の財務データ(例えば、クレジットカード番号、銀行口座情報)は、売り手ではなく、支払いプロセッサによってのみ取得される。これにより、データの公開を制限する。さらに、サードパーティプロセッサは、多くの売り手に対する支払いを取り扱い得るために、買い手は、登録済みであり得る、そうでなければ、プロセッサに既知であり得る。これにより、後の取引を完了するために買い手に必要とされる時間および労力を制限する。
【0005】
従って、本発明のこの実施形態において、売り手は、一つ以上の特定のHTMLリンクを売り手のウェブサイト上に置くことによって、この支払い処理の重荷をサードパーティに対して外部に請け負うことが可能である。これにより、それらの支払いが、安全かつ秘密に処理されることを買い手に保証しつつ、インターネット、または、他の公衆アクセス可能なネットワーク上で、セキュアな支払いを受け取る売り手の仕事は単純化する。この実施形態の一つの実施例では、サードパーティ支払いプロセッサは、公知のまたはブランドを有する財務媒介者となり得る。
【0006】
本発明の実施形態において、買い手が支払い処理システムに接続されると、この売り手との接続は終了される。買い手と売り手との間の取引の詳細(例えば、価格、商品名、売り手の識別情報、郵送費)は、接続を介して受け取られ得る。支払い処理システムはまた、セキュアな財務取引が完了すると、買い手が返されるべき位置のアドレス(例えば、URL)を受け取り得る。支払い処理が成功したかどうか、および、買い手が取引を中止したかどうかに応じて、複数の位置が識別され得、そして、異なる位置が適用され得る。
【0007】
買い手が、既知でもなく、システムに登録されてもいない(例えば、アカウントを持たない)場合、電子的に値を転送するためのアカウントが作成され得る。アカウントは、名前を付けられ得るか、または、電子メールアドレスのような買い手に固有の識別子によって識別され得る。買い手はまた、買い手のアカウントに資金を提供するために、および/または、買い物をするために、一つ以上の支払いメカニズム(例えば、クレジットカード、銀行口座)の詳細を提供するよう要求され得る。既知の買い手は、クッキー、買い手によって提供されたアカウント名等によって認識され得る。
【0008】
買い手の証明のために必要な取引および支払いの詳細が提供され、表示された後、支払い処理システムは、必要な値の転送を始める。ある転送は、買い手のアカウントまたは支払いメカニズムから必要な値を受け取るように実行され得、別の転送は、売り手の手続をシステムのアカウント、銀行口座等へ送るように実行され得る。
【0009】
買い手の支払いが処理された後、あるいは、支払いが中止されるか、または、成功しない場合、買い手は、売り手に識別された位置(例えば、ウェブサイト)に向けられ得る、または、向け直され得る。
さらに、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 支払人から被支払人への電子支払いをサードパーティで処理する方法であって、
第一の接続を該支払人から該サードパーティで受け取るステップであって、該第一の接続が受け取られると、該支払人と該被支払人との間の第二の接続は終了される、ステップと、
該支払人のためのアカウントが該サードパーティに存在しない場合、電子支払いを容易にするために、該アカウントを作成するステップと、
該支払人から該被支払人へ資金を電子的に転送するステップと
を包含する、方法。
(項目2) 上記受け取るステップの前に上記第二の接続を上記第一の接続に置き換えるため、コンピュータ読み取り可能命令の生成を容易にするステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目3) 上記容易にするステップは、
接続を上記被支払人から上記サードパーティで受け取るステップと、
該被支払人と支払人との間で可能な電子商取引の一以上の詳細を受け取るステップと、
上記コンピュータ読み取り可能命令を生成するステップと
を包含する、項目2に記載の方法。
(項目4) 上記容易にするステップは、上記コンピュータ読み取り可能命令に関する必要なパラメータを上記被支払人に提供するステップを包含し、該コンピュータ読み取り可能命令は、上記第二の接続の間、被支払人コンピュータシステム上で使用するように構成される、項目2に記載の方法。
(項目5) 上記支払人と上記被支払人との間の電子商取引の詳細を上記第一の接続で受け取るステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目6) 上記詳細は、上記資金が上記支払人へ電子的に転送された後に該支払人へ送るためのネットワークアドレスを含む、項目5に記載の方法。
(項目7) 上記詳細は、上記支払人が該支払人への資金の上記電子的な転送を中止する場合に該支払人へ送るためのネットワークアドレスを含む、項目5に記載の方法。
(項目8) 上記詳細は、上記サードパーティと共に被支払人のアカウントの識別子を含む、項目5に記載の方法。
(項目9) 上記支払人を上記被支払人によって識別されたネットワークアドレスへと向け直すステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目10) 上記作成するステップは、
上記支払人に固有の識別子を受け取るステップと、
支払いメカニズムの情報を該支払人から受け取るステップ
とを包含する、項目1に記載の方法。
(項目11) 上記固有の識別子は、電子メールアドレスである、項目10に記載の方法。
(項目12) 上記固有の識別子は、電話番号である、項目10に記載の方法。
(項目13) 上記支払いメカニズムは、クレジットカードである、項目10に記載の方法。
(項目14) 上記支払いメカニズムは、デビットカードである、項目10に記載の方法。
(項目15) 上記支払いメカニズムは、銀行口座である、項目10に記載の方法。
(項目16) ショッピングカートを上記支払人のために上記サードパーティで保持するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目17) 上記ショッピングカートは、複数の被支払人との上記支払人の取引を追跡するように構成される、項目16に記載の方法。
(項目18) 上記アカウントは電子メールアドレスによって識別される、項目1に記載の方法。
(項目19) コンピュータによって実行されたとき、支払人から被支払人への電子支払いを処理する方法をサードパーティで該コンピュータに実行させる命令を格納するコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該方法は、
第一の接続を該支払人から該サードパーティで受け取るステップであって、該第一の接続が受け取られると、該支払人と該被支払人との間の第二の接続は終了される、ステップと、
該支払人のためのアカウントが該サードパーティに存在しない場合、電子支払いを容易にするために、該アカウントを作成するステップと、
該支払人から該被支払人へ資金を電子的に転送するステップと
を包含する、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
(項目20) 売り手に対する買い手からの支払い金をサードパーティ支払いプロセッサで処理する、コンピュータがインプリメントする方法であって、
買い手からの接続を支払いプロセッサで受け取るステップであって、該接続は、該買い手および該売り手が電子商取引を取り決める間に、該買い手と該売り手との間の以前の接続を置き換える、ステップと、
該買い手によって払われるべき第一の値を含む該電子商取引の一以上の基準を受け取るステップと、
該買い手によって該第一の値のソースを確認するステップと、
該買い手からの該第一の値の受領を始めるステップと、
該売り手へ第二の値の支払いを始めるステップと、
該一以上の基準が再接続の宛先を含む場合、該買い手を該売り手へと再接続するステップと
を包含する、コンピュータがインプリメントする方法。
(項目21) 上記接続を受け取るステップの前に、上記買い手と上記売り手との間の該接続の上記置き換えを可能にするコンピュータ読み取り可能命令のセットを生成するステップをさらに包含し、該コンピュータ読み取り可能命令は、該売り手と該買い手との間の該接続の間に、買い手のコンピュータシステム上で使用するために構成されている、項目20に記載の方法。
(項目22) 値を電子的に転送するための上記買い手のアカウントが存在しない場合、該アカウントを確立するステップをさらに包含する、項目20に記載の方法。
(項目23) 上記アカウントは、上記買い手の電子メールアドレスによって識別される、項目22に記載の方法。
(項目24) 上記第一の値の上記ソースは、上記アカウントである、項目22に記載の方法。
(項目25) 上記第一の値の上記ソースは、上記買い手のクレジットカードである、項目22に記載の方法。
(項目26) 上記第一の値の上記ソースは、上記買い手の銀行口座である、項目22に記載の方法。
(項目27) レシートを上記買い手へ伝送するステップをさらに包含する、項目20に記載の方法。
(項目28) コンピュータによって実行されたとき、サードパーティ支払いプロセッサで売り手のために買い手からの支払い金を処理するコンピュータがインプリメントする方法を該コンピュータに実行させる命令を格納するコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該方法は、
買い手からの接続を支払いプロセッサで受け取るステップであって、該接続は、該買い手および該売り手が電子商取引を取り決める間に、該買い手と該売り手との間の以前の接続を置き換える、ステップと、
該買い手によって払われるべき第一の値を含む該電子商取引の一以上の基準を受け取るステップと、
該買い手によって該第一の値のソースを確認するステップと、
該買い手からの該第一の値の受領を始めるステップと、
該売り手へ第二の値の支払いを始めるステップと、
該一以上の基準が再接続の宛先を含む場合、該買い手を該売り手へと再接続するステップと
を包含する、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
(項目29) 支払人から被支払人への支払いを処理する支払いプロセッサであって、
支払人からの接続、および、該支払人と被支払人との間の電子商取引の詳細を受け取るように構成された通信インタフェースと、
該支払人の該詳細のうち一以上を確認するように構成された支払人のインタフェースと、
値を電子的に転送するための該支払人のためのアカウントを作成するように構成された登録モジュールと、
該支払人からの第一の支払い、および、該被支払人への第二の支払いを始めるように構成された支払人のモジュールと
を含み、該通信インターフェースは、該支払人を該被支払人へ接続するようにさらに構成される、支払いプロセッサ。
(項目30) 上記支払人を上記被支払人から上記支払いプロセッサへと向け直すためのコンピュータ読み取り可能命令の生成を容易にするように構成された被支払人インタフェースをさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目31) 上記支払人のためのショッピングカートを格納するように構成されたデータベースをさらに含む、項目29に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施形態による電子環境を示すブロック図である。この電子環境では、サードパーティは、売り手の買い手との取引に関する支払い処理を取り扱う。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、支払い処理システムのブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態による、サードパーティ支払いプロセッサにおける買い手の支払いを処理する一方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
以下の説明は、当業者が本発明を実施および使用できるように提示され、本発明の特定の応用、および、その必要条件という文脈で提供される。開示される実施形態への様々な修正は、当業者に容易に理解され得、本明細書中で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態および応用に適用され得る。従って、本発明は、示される実施形態に制限されるように意図されないが、本明細書中で開示される原理および機能に一致する最も広い範囲が本発明に与えられるべきである。
【0012】
本発明の本実施形態が実行されるプログラム環境は、例示的に、汎用コンピュータ、または、ハンドヘルドコンピュータのような特定用途向けコンピュータを組み入れる。このようなデバイス(例えば、プロセッサ、メモリ、データ格納装置、ディスプレイ)の詳細は、明瞭にするため省略され得る。
【0013】
本発明の技術が、様々な技術を用いて実施され得ることはまた、理解されるべきである。例えば、本明細書中で説明される方法は、コンピュータシステム上で実行するソフトウェアで実施され得るか、あるいは、マイクロプロセッサの組み合わせ、または、他の識別に設計された特定用途向け集積回路、プログラム可能論理デバイス、またはそれらの様々な組み合わせのいずれかを利用するハードウェア上で実施され得る。詳細には、本明細書中で説明される方法は、適切なコンピュータ読み取り可能媒体に存在する一連のコンピュータ実行可能命令によって実施され得る。適切なコンピュータ読み取り可能媒体は、揮発性メモリ(例えば、RAM)、および/または、不揮発性メモリ(例えば、ROM、ディスク)、搬送波、および、伝送媒体(例えば、銅線ワイヤ、同軸ケーブル、光ファイバ媒体)を含み得る。例示的な搬送波は、ローカルネットワーク、インターネットのような公共アクセス可能ネットワークまたは他のいくつかの通信リンクに沿ったディジタルデータストリームを搬送する電子信号、電磁波信号または光信号の形式を取り得る。
【0014】
本発明の一実施形態において、サードパーティを介した買い手(例えば、支払人または債務者)と売り手(例えば、被支払人または債権者)との間のオンライン、または、電子商取引の支払いを処理するシステムおよび方法が提供される。例示的に、取引が完了した際、または、支払い情報が、買い手によって提供される際、売り手のサイトまたはシステムで購入する買い手は、サードパーティに向け直される、または、転送される。サードパーティ支払いプロセッサ(「支払いプロセッサ」)は、買い手から接続を受け取り、ユーザによって提供された情報、および/または、買い手の接続で受け取られた現在の取引の詳細を用いて買い手の支払いを処理する。当業者は、サードパーティが、複数の売り手によって用いられ得、これにより、共通のインタフェース、取引の履歴追跡、集中化アカウントなどを買い手に提供できることを理解する。詳細には、サードパーティは、ある活動から別の活動へと買い手を認識し得る。例えば、本発明の実施形態では、将来の支払い処理が、(例えば、パスワード、または、他の安全なメカニズムを用いて)売り手の識別情報を証明することによって簡単に実行され得るように、買い手を登録することによって、買い手のシステムの使用を促進する。
【0015】
売り手および買い手が、取引の条件を取り決めると(例えば、買い手が売り手のオンラインカタログから商品を選択する)、買い手は、サードパーティ支払いプロセッサへ転送されるか、または、向け直される。買い手の接続によって、支払いプロセッサは、購入される商品の説明(例えば、名前、商品番号、量、色、価格)、売り手の識別情報(例えば、名前、電子メールアドレス)、URL(ユニフォームリソースロケータ)、または、支払いを処理した後にユーザの接続を転送する他の場所等のような様々な情報を受け取り得る。売り手は、オンライン商売人、オークションサイト、サービスプロバイダ等であり得る。
【0016】
例示的に、売り手のサイトまたはシステムは、単にHTML(ハイパーテキストマークアップ言語)あるいは同様な言語またはプロトコルを用いて、買い手の接続を(すなわち、支払いプロセッサへ)向け直すように構成され得る。詳細には、売り手は、買い手の支払い金またはデータを取り扱うために、複雑で工学的な解またはプログラミング(例えば、CGI−コモンゲートウェイインターフェース)を用る必要がない。HTMLソースコード、および/または、適切なリンク(例えば、ボタンまたはURL)は、支払いプロセッサによって提供され得、支払いプロセッサのガイドラインなどに従って売り手によって生成され得る。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図である。図1において、買い手102は、最初に、売り手または売り手のサイト104に接続し、買い物をする、または、電子商取引のいくつかの他の形式を取り決める。買い手102は、実質的にコンピュータ(例えば、ポータブル、ハンドヘルド、デスクトップ)、スマート電話(例えば、WAP(ワイヤレスアクセスプロトコル))、双方向ページャなどのような通信または計算デバイスの任意の種類を用い得る。同様に、売り手104は、任意の種類のアプリケーション、ウェブ、または、通信サーバを用いる、任意の数、種類または形態のコンピュータシステムまたはウェブサイトを含み得る。
【0018】
買い手102が、製品の選択を行うか、そうでなければ、売り手104との取引の規約に承諾するとき、買い手は、支払いプロセッサ106に向け直される。この再方向付けは、例えば、買い手が、取引を完了したい旨(例えば、商品に対して支払うこと、または、チェックアウトすること)を示すとき、支払いのオプションを選択するとき、売り手によって提供されたリンクを選択するときなどに、生じ得る。
【0019】
図1の実施形態において、買い手の財務情報は、接続110を介して売り手104へではなくて、接続112を介して支払いプロセッサ106へ伝送される。従って、売り手は、買い手のクレジットカード番号または銀行情報を決して受け取らず、売り手は、このような情報を保護するために、必要なセキュリティアーキテクチャを実施する必要がない。この実施形態において、接続112は、セキュアなプロトコル(例えば、HTTPS−ハイパーテキストトランスポートプロトコルセキュア)、暗号化リンク、または、いくつかの他の保護形式を用いるセキュアな接続である。
【0020】
支払いプロセッササイト106において、買い手102は、支払いプロセッサ106に向け直された全ての買い手に共通のインタフェースに直面する。あるいは、支払いプロセッサによって用いられたインタフェースは、買い手が向け直された売り手に従ってブランドをつけられ得る、または、カスタマイズされ得る、買い手のために個人のものとされ得る等である。
【0021】
買い手の接続に加えて、支払いプロセッサ106は、取引の様々な規約および/または他の情報を受け取る。支払いプロセッサは、次いで、支払い情報を買い手から求める、および/または、買い手が既に既知である場合、格納装置からそのようなデータを取り出す。買い手の識別情報は、クッキー、買い手の接続で受け取られたパラメータ、ユーザネームおよびパスワードを通して、または、いくつかの他の方法を通して知られ得る、および/または、確認され得る。支払いプロセッサ106は、必要なCGIスクリプト、クレジットカードおよび/またはデビットカード取引を開始するプログラミングおよびエンジニアリング、電子検査(すなわち、自動ハウスクリーニング取引)、および、任意の他の望まれ得る電子支払いの形式を含む。
【0022】
本発明の実施形態において、支払いプロセッサ106は、ユーザ間の値を転送するシステムを含む。この実施形態において、ユーザ(例えば、買い手)は、ユーザのアカウント名または他の識別情報を用いて、別のユーザ(例えば、売り手)に値を転送し得る。詳細には、ユーザのアカウントは、ユーザの電子メールアドレス、電話番号、社会保証番号、または、他の固有の署名に基づいて構成され得る。売り手の固有の識別子またはアカウント名は、買い手の接続を用いて支払いプロセッサ106へと渡され得る。しかし、一般的に、買い手は、売り手に固有の識別子がサードパーティ支払いプロセッサに提供される限り、本発明の実施形態において、値(例えば、取引の費用)を売り手へ転送し得る。例示的に、サードパーティ支払いプロセッサは、複数の商人がクレジットカードの支払いを受け取ることを可能にするマスター商人であり得る。「System and Method for Electronically Exchanging Value Among Distributed Users」と称され、本出願と同一人に譲渡された米国特許第09/560,215号は、ユーザ間で値を交換するシステムを記載する。こ
のシステムは、支払いプロセッサ106の一部として、または、プロセッサ106と連動して実施され得る。同特許は、本明細書中で参照として援用される。
【0023】
本発明の実施形態において、支払いプロセッサ106は、売り手104から支払いプロセッサ106へ売り手102を向け直す必要なリンクまたは方法を生成するツールまたはユーティリティを提供し得る。例えば、売り手104は、支払いプロセッサ106へ接続し得、買い手が購入することを望み得る製品またはサービスの詳細(価格、最小または最大量、商品名、郵送費など)を提供し得る。次いで、支払いプロセッサシステムは、これらの詳細を用いて、売り手が、ウェブページ、オンラインカタログ、電子メールノート(note)等の適当な位置に挿入するための適当なHTMLまたは他のコードを生成し得る。買い手の接続(例えば、図1の接続110)が支払いプロセッサ106に向け直されると、この情報は、支払いプロセッサへ転送される。
【0024】
支払いプロセッササイトでは、売り手はまた、リンクを決定するためにボタンまたはアイコンを選択、および/または、カスタマイズ可能であり得、用いる(例えば、リンクでおよび/またはインタフェース内で、買い手が支払いプロセッサ106で用いる)ためにアイコンまたはボタンを(例えば、URLを介して)識別可能であり得る。売り手はまた、買い手の支払いが処理された後、一つ以上の位置(例えば、ネットワークアドレス、URL)を識別して、買い手の接続を送り得る、または、向け直し得る。例えば、「URLに戻る」は、支払い処理が成功した場合、(例えば、売り手のウェブサイト内の)位置を識別して、買い手を送ることができる。「URLを中止」は、支払い処理が失敗、または、買い手が取引を中止した場合、別の位置を識別して、買い手を送るために用いられ得る。
【0025】
本発明の別の実施形態において、売り手104は、買い手の接続を支払いプロセッサ106へ向け直すために、売り手自身のHTMLまたは他のコードを生成し得る。この別の実施形態において、特定の必要なパラメータおよび/またはフォーマットは、売り手がコードを用いるために識別され得る。必要なパラメータは、製品またはサービスの名前に関する「商品名」、製品またはサービスを識別する番号に関する「商品番号」、買い手によって支払われるべき価格に関する「総計」、もしあれば、基本郵送費に関する「郵送」、任意の取り扱い命令に関する「取り扱い」、URLに戻るを識別する「戻る」、URLの中止を識別する「中止」、売り手のロゴ、アイコンまたは他のグラフィックを識別する「イメージURL」などのような情報を含み得る。
【0026】
本発明の実施形態において、買い手が、支払いプロセッサ106に向け直されると、取引に関与する製品(単数または複数)および/またはサービス(単数または複数)に対して支払いがすぐに求められ、処理されるべきであることが、想定され得る。別の実施形態において、支払いプロセッサ106は、買い手の購入品を追跡するサードパーティショッピングカートを提供し得る。従って、この実施形態において、買い手の接続が向け直されると、買い手には、支払いプロセッサによって管理されたショッピングカートが提示され得る。このサードパーティショッピングカートでは、買い手は、商品の量を変更し得、商品をカートから取り除き得、商品のための支払いを開始し得、売り手のサイトに戻る等をし得る。買い手のショッピングカートが、サードパーティによって管理されるため、ショッピングカートは、複数の売り手に関与する購入または取引に対して用いられ得る。
【0027】
本発明の例示的な実施形態において、支払いプロセッササイト106での買い手102の体験は、支払いプロセッサの買い手の状態に依存する。例えば、買い手102が、まだアカウントを持っていない、または、支払いプロセッサに登録されていない場合、最初のステップは、アカウントを確立するか、または、買い手を登録することであり得る。このステップは、財務および個人データ(例えば、クレジットカード番号、銀行口座情報、アドレス)を受け取ることを伴う。そうでなければ、最初のステップは、単に買い手の識別情報を確かめることである。その後、どちらの場合においても、買い手と売り手との間の取引の詳細が確認される。従って、支払いプロセッサ106は、売り手によって報告された取引の詳細を表示し得る。一つ以上のフィールド(例えば、製品の量、郵送費)は、任意の変更が行われたか否かに依存して(買い手102および/または支払いプロセッサ106によって)調節され得る。最終段階において、買い手の財務データは、電子支払いを開始するために(例えば、買い手のクレジットカードまたは支払いプロセッサのアカウントから売り手の銀行口座または支払いプロセッサのアカウントへ)用いられる。その後、買い手は、売り手へ送られ得る、または、売り手へ戻って向け直され得る。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に従うサードパーティ支払いプロセッサのブロック図である。この実施形態において、支払いプロセッサ200は、通信インタフェース202、売り手のインタフェース204、買い手のインタフェース206、登録モジュール208、データベース210、および、支払い処理モジュール212を含む。
【0029】
通信インタフェース202は、買い手および売り手からの接続を受け取る。この接続は、任意の適切な通信プロトコルおよびアーキテクチャを用いる有線および/または無線リンクを含み得る。売り手のインタフェース204は、上記されたように、HTMLコード、あるいは、売り手のサイトから支払いプロセッサへ買い手を転送するための、および/または、支払いが処理されるべき電子取引の関連する詳細を支払いプロセッサへ伝送するための他のコンピュータ読み取り可能命令を容易に生成し得る。売り手のインターフェース204はまた、支払いプロセッサ202内の売り手のためのアカウントを容易に作成するように構成され得る。
【0030】
買い手のインターフェース206は、新規のアカウントを作成し、既存のアカウントを回収し、所望の支払いメカニズム(例えば、クレジットカード、デビットカード、銀行口座)を識別し、ショッピングカートにアクセスまたはショッピングカートを更新する等のために、買い手から必要な情報を引き出すように構成される。買い手と売り手との両方が、支払いプロセッサ200のアカウントを有し得るため、買い手から売り手への支払いは、これらのアカウントを用いて行われ得る。例示的に、買い手のアカウントは、クレジットカード、または、電子的にアクセス可能な他の資金源によって資金を提供され得る。一方、売り手は、資金を回収し得る、または、それらを銀行口座または他の電子的にアクセス可能な送り先へ転送し得る。
【0031】
登録モジュール208は、売り手および買い手のための新規の支払い処理アカウントを容易に生成する。一方、支払い処理モジュール212は、買い手からおよび/または売り手へ支払いを完了するために外部財務団体(例えば、銀行、クレジットカード発行人、商品取得人、ACHベンダー)とのインタフェースを行う。
【0032】
データベース210は、アカウント情報、買い手のショッピングカート、売り手のためのHTMLコード等のような買い手および売り手に関する様々なユーザ情報を格納する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態に従った、サードパーティを介する支払い処理を容易にする一方法を示すフローチャートである。
【0034】
状態300では、買い手が(例えば、支払いを開始する)取引を完了すること、または、(例えば、商品を追加するまたは除去するために)サードパーティのショッピングカートにアクセスすることを望む場合、サードパーティ支払いプロセッサは、HTMLまたは他の同様のコーディングを用いて、買い手が選択するためのリンクを構成する際に、売り手を支援する。従って、状態300は、サードパーティシステムでHTMLコードを生成するステップ、または、必要なコードのパラメータおよび/または構造を売り手のために識別するステップを含む。コードがサードパーティ支払い処理システムで生成される場合、売り手は、(例えば、取引の詳細を提供するために)適宜システムへ接続され得るか、または、システムは、(例えば、電子メールを介して)取引の詳細のオフラインのレシートに応答してコードを生成し得る。
【0035】
状態302では、売り手は、このシステム内でHTMLまたは他のコードを組み込む。例示的に、コードは、電子メールノートの、または、いくつかの他の形式のURLとして、ウェブページのボタンで組み込まれ得る。
【0036】
状態304では、買い手は、売り手のシステムに接続し、オンラインカタログを閲覧する、品物またはサービスを購入する等を行う。状態306では、売り手は、売り手によって組み込まれたリンクを選択し、取引のための支払いを開始する。
【0037】
状態308〜310では、買い手は、名目上売り手のシステムから切断され、サードパーティプロセッサへ接続される。この実施形態において、買い手は、売り手から支払いプロセッサへと向け直され、支払いプロセッサとの接続はセキュアな接続である。売り手は、買い手の接続に関する状態情報を保持し得る。このことは、例えば、買い手が、サードパーティ支払いプロセッサとの財務取引を完了した後に、売り手へ再接続される場合、有効であり得る。
【0038】
状態312では、サードパーティ支払いプロセッサは、買い手が既に登録されているかまたは既知であるかを判定する。この初期判定は、(すなわち、取引の詳細とともに)データに含まれるユーザ/買い手の識別情報に基づいて行われ得る。このデータは、買い手の接続により受け取られ、アカウントを有するかどうかを買い手に尋ねることによって、クッキーから取り出される。買い手がアカウント等を有する場合、例示された方法は、状態314へと続く。そうでなければ、方法は状態316に進む。
【0039】
状態314では、買い手の識別情報が確認される。例示的に、これは、買い手の支払いプロセッサのアカウント名および買い手のパスワードを引き出すことによって達成され得る。これらは、買い手のアカウントが作成された時点で、選択されるか、または、設定される。上記するように、買い手のアカウント名は、買い手の電子メールアドレスに一致し得る。同様に、(買い手から受け取られた場合)取引に対する支払いは、支払いプロセッサのアカウントを通して、売り手に対して行われ得る。このアカウントはまた、売り手の電子メールアドレスに一致し得る。状態314の後、示された方法は、状態318まで進む。
【0040】
本発明のこの方法における状態316において、支払いプロセッサは、新規または未登録の買い手のアカウントを作成する。買い手は、買い手のアカウント名として用いられる電子メールアドレスを提供し、かつ、パスワードを選択するように要求される。この実施形態において、買い手のアカウントは、売り手に支払いを処理する以外の目的に用られ得る。例えば、買い手のアカウントは、システムの任意の他のユーザ(可能な場合には、固有の電子メールアドレスまたは他の固有の識別子を有する任意の人)へ/から支払いを送るまたは受け取るために用いられ得る。
【0041】
状態318では、支払いプロセッサは、買い手から支払い、または、財務情報を受け取る、または、引き出す。詳細には、迅速な取引に対して支払うため、および/または、支払いプロセッサで買い手のアカウントに資金を提供するために、買い手は、クレジットカードまたは銀行口座を識別するよう催促され得る。買い手はまた、買い手の名前、住所、電話番号等のような他のデータを提供することを要求され得る。システムによって要求された様々なデータは、買い手の識別情報を(さらに)確認するために、取引に資金を提供する適当なアカウントまたは手段を識別する等のために、用いられ得る。
【0042】
状態320では、取引の詳細、および/または、支払いの方法が表示される。一つ以上の詳細(例えば、購入される商品の量、郵送方法、郵送する住所、クレジットカード、保険)は、買い手によって変更可能であり得る。詳細が買い手にとって満足のいくものであるとき、買い手は、支払いを処理するオプションを選択し得る。そうでなければ、買い手は、取引を中止し得る。
【0043】
状態322では、買い手の支払いが処理される(買い手が取引を中止しない場合)。これは、買い手の支払い処理システムのアカウントから資金を除去すること、または、買い手のクレジットカードに資金を請求することを伴い得る。次いで、資金は、即座に、システムの売り手のアカウントに入れられ得る。最後に、資金は、別のアカウント(例えば、銀行)に転送され得るか、または、売り手によって引き出され得る。
【0044】
状態324において、売り手が、適当なアドレス(例えば、URL)またはサイトを提供した場合、買い手は、売り手のサイトに向け直される。買い手は、買い手が取引をうまく完了したかどうか、あるいは、支払いが中止された、または、失敗したかどうかに依存して、異なる位置、ページまたはアドレスに向け直され得る。さらに、サードパーティ支払い処理システムは、支払いの処理が成功した場合、買い手に(例えば、電子メールを介して)レシートを送り得る。
【0045】
本発明の実施形態の上述の説明は、例示および説明することのみを目的として提示されている。それらは、本発明を開示された形式に包括する、または、限定するように意図されない。従って、上記の開示は、本発明を限定するように意図されない。本発明の範囲は、上掲の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−37720(P2013−37720A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226705(P2012−226705)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2008−175072(P2008−175072)の分割
【原出願日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【出願人】(501416254)ペイパル, インコーポレイテッド (6)