説明

サーバー装置

【課題】 既存のPOSシステムを含むサーバーシステムの運営効率をより高め得るよう、より多くのPOS端末を管理できるサーバー装置の提供。
【解決手段】 ウェブページのアドレスデータを複数保有しこれをそれぞれ配布して対応する該ウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置である。POSセンター装置とこれに接続された複数のPOS端末とを含むPOSシステムの複数に接続され、POSセンター装置のうちの1つである特定POSセンター装置を介してこれに接続されたPOS端末のうちの一群の特定POS端末においてアドレスデータのうちの1つである特定アドレスデータを符号化した符号を印刷した紙媒体を出力させ得る。これにより特定POS端末の利用者に特定アドレスデータに対応したウェブページの閲覧を可能とさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の閲覧者に対してウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置に関し、特に、ウェブページのインターネット上のアドレスに関するアドレスデータを複数保有し該アドレスデータをそれぞれ配布してこれに対応する該ウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットユーザは、例えば、検索サイトやリンクサイトなどのゲートサイトを通じて目的とする情報を公開するウェブページにアクセスしこの閲覧を可能とされる。より数多くのユーザに閲覧してもらうことを望むウェブページ、例えば、店舗への顧客の誘引を目的とした情報を公開する広告としてのウェブページなどでは、ゲートサイトからのアクセスを他のウェブページよりもより有利な条件となるように数々の工夫をし、インターネットユーザの該ウェブページへのアクセス数を増やそうとするのである。
【0003】
一方、特定のインターネットユーザのみにアクセスを望むようなウェブページもある。例えば、特定の店舗を利用した利用者にウェブページ上で該店舗の利用結果に関するアンケートへの記入を求める如きである。かかる場合、特定の店舗を利用していない者がインターネットユーザとして該ウェブページにアクセスすることは望まれないのである。
【0004】
例えば、特許文献1では、施設の利用者が携帯端末を操作して該施設のPOS端末から発行されるレシートの2次元コードに基づいてセンターサーバの所定アドレスにアクセスし、2次元コードに所定アドレスの情報とともに含まれる該施設における利用サービスの内容などの情報を送信させるシステムを開示している。かかるシステムは、特定のインターネットユーザにサーバー装置の所定アドレスにあるウェブページの閲覧を許可するものではないが、所定アドレスへのアクセスを特定のユーザだけに許可することについて類似している。また、特許文献2乃至5でも、特許文献1と同様に、POS端末から発行されるレシートなどにサーバー装置の所定アドレスを符号化した2次元コードなどを与え、所定アドレスへのアクセスを許可することを開示している。
【0005】
ところで、サーバーシステムとして、複数の店舗毎のウェブページをそれぞれの店舗の利用者のみにアクセス可能となるようにサーバー装置で管理する場合を考慮する。サーバー装置はウェブページのインターネット上のアドレスに関するアドレスデータを複数保有しておき、該アドレスデータを各店舗にそれぞれ与える。各店舗では、アドレスデータを店舗の利用者に配布し、該利用者に該アドレスデータに対応するウェブページの閲覧を可能とさせることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−182428号公報
【特許文献2】特開2008−225832号公報
【特許文献3】特開2009−151518号公報
【特許文献4】特開2010−086022号公報
【特許文献5】特開2011−049758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したサーバーシステムにおいて、店舗は従来であれば独自に行っていた作業の多くをサーバー装置側で行い得るようになり、多くの利便を享受し得る。例えば、店舗におけるアドレスの取得、管理が不要となる。また、店舗の利用者に閲覧を限定した店舗毎のウェブページのアクセス数では利用できないような大口サービスであったとしても、サーバー装置全体で管理されるウェブページのトータルのアクセス数によってサーバー装置側で該大口サービスに契約して、各店舗がこれを利用できるようにもなし得る。一方、サーバー装置では、管理するウェブページが共通した業種の店舗となって、システムの開発やコンテンツの作成を効率的に行い得る。すなわち、このサーバーシステムでは、サーバー装置で管理するウェブページ数を増やすこと、つまり店舗数を増やすことが運営効率を高め得るのである。
【0008】
ところが上記した特許文献1乃至5のように、POSセンター装置とこれに接続された複数のPOS端末とを含むPOSシステムを含むサーバーシステムを運用しようとすれば、店舗数は多くてもこのPOS端末の数に限定されてしまう。
【0009】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ウェブページのインターネット上のアドレスに関するアドレスデータを複数保有し該アドレスデータをそれぞれ配布してこれに対応する該ウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置であって、既存のPOSシステムを含むサーバーシステムの運営効率をより高め得るよう、より多くのPOS端末を管理できるサーバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるサーバー装置は、ウェブページのインターネット上のアドレスに関するアドレスデータを複数保有し該アドレスデータをそれぞれ配布してこれに対応する該ウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置であって、POSセンター装置とこれに接続された複数のPOS端末とを含むPOSシステムの複数に接続され、前記POSセンター装置のうちの1つである特定POSセンター装置を介してこれに接続された前記POS端末のうちの一群の特定POS端末において前記アドレスデータのうちの1つである特定アドレスデータを符号化した符号を印刷した紙媒体を出力させ得て、前記特定POS端末の利用者に前記特定アドレスデータに対応した前記ウェブページの閲覧を可能とさせることを特徴とする。
【0011】
上記した発明によれば、複数のPOSシステムのPOS端末からその利用者に特定アドレスデータを配布し得て、より多くのPOS端末を管理し、既存のPOSシステムを含むサーバーシステムの運営効率をより高め得るのである。ここで、サーバー装置は、POSセンター装置とPOS端末との接続回線の種類などにかかわらず、POS端末の設置された店舗などの利用者に所定のアドレスデータを配布できる。
【0012】
上記した発明において、前記特定アドレスデータに対応させて管理者IDを発行し、前記管理者IDにより前記特定アドレスデータに対応した前記ウェブページの内容の変更を可能とさせるゲートプログラムを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、特定アドレスデータを配布された特定POS端末の管理者のみに、特定アドレスデータに対応するインターネット上のアドレスにあるウェブページの変更を可能とさせ得るとともに、これをサーバー装置において簡便にでき得るのである。
【0013】
上記した発明において、前記ゲートプログラムは、前記ウェブページの内容の少なくとも一部をあらかじめ作成された内容から選択することで変更を可能とさせることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、特定POS端末の管理者は、容易にウェブページを変更できるのである。
【0014】
上記した発明において、前記ウェブページの内容の少なくとも一部は、外部サーバー装置に収容されていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、特定POS端末の管理者は、容易にウェブページの変更をできるとともに、外部サーバー装置にある外部サービスによるウェブページに接続させ得て、外部サービス、例えば、大口サービスの提供を可能にするのである。
【0015】
上記した発明において、石油製品の販売を目的とし、前記特定POSセンター装置は石油特約店及び/又は石油販売店に設けられるとともに、前記一群の特定POS端末はそのサービスステーションのうちの1つに設けられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、複数の石油特約店及び/又は石油販売店毎のPOSシステムについて、各POS端末の設置された各サービスステーション毎に割り振ったアドレスをサーバー装置で管理できるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるサーバー装置を含むシステムを示す構成図である。
【図2】POSセンター装置を示す構成図である。
【図3】POS端末を示す構成図である。
【図4】POS端末により出力される紙媒体を示す平面図である。
【図5】アドレスデータの割り振り方法を説明する図である。
【図6】本発明によるサーバー装置にアクセスしたPCの表示画面を示す図である。
【図7】本発明によるサーバー装置にアクセスしたPCの画面構成を示す図である。
【図8】ウェブページの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による1つの実施例であるサーバー装置を含むサーバーシステムについて、図1乃至図4を用いて、その詳細を説明する。
【0018】
図1に示すように、石油元売会社10によって運営されるサーバー装置11は、一般的なハードウェアであって、CPU12、ROM13、RAM14、記憶装置15及びインターネット通信回線50に接続するための通信装置16などを含む。ここでは図示しないが、サーバー装置11には、これを管理するためのモニタ装置及びキーボードなどの入出力装置等が接続されている。
【0019】
記憶装置15には、CPU12に実行させるプログラムとしてのアドレス送信手段17a、ID発行手段17b、ゲート管理手段17c及びウェブページ編集手段17dがプログラムとして書き込まれている。これらの詳細については後述する。更に、記憶装置15には、データベース領域としてのデータベース18を含む。
【0020】
一方、石油元売会社10から石油製品を仕入れる石油特約店や石油販売店である販売本社20によって運営されるPOSシステム29は、この中核であるPOSセンター装置21(以後、POSセンタ21と称する)と、販売本社20の系列小売店舗である複数のサービスステーション(SS)30a、30b…に設置されるPOS端末31a、31b…とからなる。ここでPOS端末31aは、1つのサービスステーション30aに複数設置されていてもよい。更に、POSセンタ21とPOS端末31a、31b…とは専用回線で接続されている。また、POSシステム29は、サーバー装置3を介してインターネット通信回線50に接続されている。なお、後述するように、POSシステム29’は外部とは回線が閉じており、必要なデータ入力を端末21aからPOSセンタ21’(POSシステム29’)へ別途入力するようになっていてもよい。
【0021】
外部サーバー装置61も一般的なハードウェアであって、図示しないCPU、ROM、RAM、記憶装置及び通信装置を含み、インターネット通信回線50に接続可能である。また、パーソナルコンピュータ71は一般的なパーソナルコンピュータ(以降、PCと称する)であり、図示しないCPU、ROM、RAM、記憶装置及び通信装置を含み、サーバー装置3を介してインターネット回線50に接続可能である。
【0022】
図2に示すように、POSセンタ21は、CPU22、ROM23、RAM24、記憶装置25及びインターネット通信回線50及び専用回線に接続するための通信装置26を含む。記憶装置25には、CPU22に実行させるプログラムとして、受信手段27a及び画像データ生成手段27bが書き込まれている。受信手段27a及び画像データ生成手段27bについての詳細は後述する。また、図示しないが、POSセンタ21には、これを管理するためのモニタ装置及びキーボードなどの入出力装置等が接続されている。更に、記憶装置25には、データベース領域としてデータベース28を含む。
【0023】
データベース28には、サービスステーション30a、30b…のそれぞれを識別するためのSS識別符号と、各サービスステーション30a、30b…に設置された複数のPOS端末31a、複数のPOS端末31b…のそれぞれを個々に識別するためのPOS識別符号とが互いに関連付けられて記憶されている。つまり、1つのサービスステーション30aに複数のPOS端末31aが設置されている場合、これらのPOS端末31aはPOS識別符号によってその各々を識別される一方、これらのSS識別符号は同一である。
【0024】
図3に示すように、POSセンタ21と専用回線で接続されているPOS端末31aは、POS−CPU32、ROM33、RAM34及び回線に接続するための通信装置36を含む。ROM33には、CPU32に実行させるプログラムとしての印刷装置制御手段37が書き込まれている。また、POS端末31aは、POSセンタ21より受信した画像データ等を紙媒体に印刷させるための印刷装置38を含む。本実施例においてこの紙媒体はレシート41である。
【0025】
次に、上記したサーバーシステムについて、一般的なPOSシステム29を含む動作等について図1に併せて、図2乃至図4を参照しつつ説明する。
【0026】
例えば、サービスステーション30aにおいて顧客に対して給油などのサービスが提供された場合、かかるサービスの料金を顧客から徴収するためにレシート41をPOS端末31aに発行させる。
【0027】
まず、POS端末31aとPOSセンタ21との間で相互通信を確立させ、サービスステーション30aにおいて提供されたサービスの単価や合計額などのデータをPOS端末31aからPOSセンタ21へと送信する。一方、POSセンタ21ではこれに応じてデータを所定処理し、画像データ生成手段27bでPOS端末31aに印刷させるべき所定の画像データを作成し返信する。かかる画像データの一部については、受信手段27aによりインターネット通信回線50を介して外部から受信したデータを用いたり、図示しない入力装置から入力されたデータを用いたりすることもできる。また、POSセンタ21のデータベース28にPOS端末31aに対応して常に画像データに付加すべきデータをPOS識別符号と関連付けて記憶させておいてもよい。
【0028】
POS端末31aでは、受信した画像データを所定の画像データ、例えば、POS端末31aに直接、入力等可能な独自画像データとともに、印刷装置制御手段37によってフォーマットを整えて印刷装置38からレシート41に印刷出力させる。出力されたレシート41は、POS端末31aに対応するサービスの利用者である顧客に手渡され、又は顧客が自ら入手する。
【0029】
レシート41の印刷面は領収金額欄41aと付加画像欄41bとを含む(特に、図4を参照)。領収金額欄41aにはサービスステーション30aにおいて提供されたサービス内容とその単価や合計額などが印刷される。また、付加画像欄41bには、例えば2次元コード42を含む画像や文字などからなる付加画像が印刷される。2次元コード42は、POSセンタ21から受信した画像データにより与えられ得る。なお、2次元コードは、例えばインターネット上のアドレスを示すアドレスデータの如きを符号化したものであり得る。
【0030】
図3を併せて参照すると、顧客が自らの所持する携帯電話などの携帯端末45の2次元コード読取り機能によってレシート41に印刷されている2次元コード42を読み取ると、携帯端末45ではこれを逆符号化し、インターネット上のウェブページのアドレスを示すアドレスデータを取得できる。アドレスデータは、例えばウェブページのURLのデータであり、インターネット上でのウェブページデータの記憶されている領域を示すデータである。顧客は、携帯端末45から基地局51、サーバー装置3及びインターネット通信回線50を介して2次元コード42に対応したURLにより指定されるアドレスにアクセス可能となる。
【0031】
携帯端末45からアクセスを受けたサーバー装置等は、対象となるウェブページデータを返信する。ウェブページデータを受信した携帯端末45は、これを内蔵するモバイルブラウザ等によって表示装置等へ表示させる。
【0032】
以上によれば、レシート41の限られた面積では表示できない多くの情報を携帯端末45のモバイルブラウザ等を介して顧客に提供可能となる。
【0033】
続いて、本発明の1つの実施例であるサーバー装置と、上記したPOSシステムを含むサーバーシステムの運用等について、図1乃至図5を用いて、その詳細を説明する。
【0034】
図5に図1を併せて参照すると、石油元売会社10は、ウェブページを表示させるための複数のウェブページデータ19a、19b、19c…を記憶させる各記憶領域をサーバー装置11(若しくは、図示しない外部サーバー装置)のデータベース18内に作成する。その上で、石油元売会社10は、ウェブページデータ19a、19b、19c…を記憶する各記憶領域に対応するアドレスデータを各サービスステーション30a、30b、30c…にそれぞれ1つずつ重複しないように与える。
【0035】
詳細には、サーバー装置11のアドレス送信手段17aにおいて、データベース18に格納されているウェブページデータ19a、19b、19c…のうちから1つ、例えばウェブページデータ19aを選択する。そして、ウェブページデータ19aの格納されているアドレスを示すアドレスデータを特定アドレスデータとして、通信装置16よりインターネット通信回線50を介して販売本社20のPOSセンタ21に向けて送信する。なお、データベース18には、系列の各販売本社20、20’のPOSセンタ21、21’と接続するために必要なPOSセンタのアドレスデータも記憶している。なお、POSシステム29’の如く、外部と回線で閉じている場合、端末21aに送信し、POSセンタ21に別途入力する。
【0036】
図2を併せて参照すると、特定アドレスデータを受信したPOSセンタ21は、受信手段27aによってデータベース28を参照し、専用回線で接続されたPOS端末を設置するサービスステーション30a、30b、30c…に対応するSS識別符号の中から1つを選択する。ここでは特定のサービスステーション30aのSS識別符号が選択される。さらに、このSS識別符号に関連付けられた、すなわちサービスステーション30aに設置されたPOS端末に対応する、POS識別符号の全てに関連づけて特定アドレスデータをデータベース28に記憶させる。つまり、サービスステーション30aに設置された複数のPOS端末31aの全てに対応させて1つの特定アドレスデータを記憶させる。
【0037】
アドレス送信手段17aは、受信手段27aと相互通信を行って、POSセンタ21に接続された他のSS識別符号に関連づけられたPOS端末、すなわち他のサービスステーション30b、30c…に設置されたPOS端末31b、31c…がある場合にはこれに対応させる他のアドレスデータを順次送信する。また、これを受けて受信手段27aは、POSシステム29内のPOS端末31b、31c…の全てに対応させたアドレスデータを各POS識別符号と関連付けてデータベース28に記憶させる。アドレス送信手段17aは、他のPOSシステムについても、すなわち、他の販売本社20’などにおいても同様にアドレスデータを送信し、POSセンタ21’のそれぞれに接続される全てのPOS端末に対応させてアドレスデータを記憶させる。
【0038】
以上により、ウェブページデータ19a、19b、19c…を記憶した各領域を示す各アドレスデータは、それぞれサービスステーション30a、30b、30c…の各店舗に対応して与えられ、POSセンタ21、21’の記憶装置にPOS識別符号と関連付けて記憶される。つまり、ウェブページデータ19a、19b、19c…と、この記憶領域を示す各アドレスデータとがサービスステーション30a、30b、30c…のそれぞれに対して割り振られる。
【0039】
各POSセンタ21、21’は、画像データ生成手段27bによりデータベースに記憶されているアドレスデータに基づいてPOS端末に印刷させるべき所定の画像データを作成し得る。つまり、POS端末から出力されるレシート41には、各POS端末の設置されているサービスステーション30a、30b、30c…に対応したアドレスデータを符号化した2次元コード42を付加画像として印刷させ得る(図3及び図4参照)。各サービスステーションの顧客は、設置されたPOS端末から出力される紙媒体に印刷された符号により、各サービスステーション30a、30b、30c…のそれぞれに割り振られたアドレスデータに対応して格納されたウェブページデータ19a、19b、19c…にアクセスでき、それぞれに対応するウェブページを閲覧できる。
【0040】
本実施例では、POSセンタとPOS端末とは専用回線によって接続されているが、サーバー装置11は、インターネット回線50などでPOSセンタに接続されていてもよい。すなわち、例えば、石油元売会社10が系列の販売本社20、20’を多数有する場合であっても、各POSシステムの回線の種類によらず、簡便に全てのPOSシステムに接続可能である。
【0041】
また、アドレスデータの割り振りをサーバー装置11で行うので、石油元売会社10はアドレスデータを一元的に管理し、顧客に閲覧させるウェブページを一元的に管理できる。つまり、既存のPOSシステムの運用効率をより高め得るよう、多くのPOS端末を管理できるのである。
【0042】
上記したように、本実施例においては、1のサービスステーションに設置されている複数のPOS端末を一群として、この一群に同一のアドレスデータを対応させるようにした。つまり、サービスステーション毎にアドレスデータを割り振った。なお、同一のサービスステーション内においてPOS端末を複数の群に分けることや、複数のサービスステーションにまたがるようPOS端末の一群を設定することも同様に可能である。かかるシステムの詳細については、説明を省略する。
【0043】
次に、顧客の携帯端末45に表示させるウェブページデータの編集方法などについて、図1、図6乃至図8を参照しつつその詳細を説明する。
【0044】
サーバー装置11は、アドレスデータの送信後又はこれに併せて、1のアドレスデータに対して1の管理者IDを発行する。詳細には、図1に示すID発行手段17bにより、例えば所定の規則に従って重複を避けるようにして管理者IDを作成させ、これをアドレスデータに関連付けてデータベース18に記憶させる。管理者IDは、関連付けられたアドレスデータに対応するウェブページを編集するためのアカウントであり、すなわちアドレスデータにより特定される記憶領域にログインし、記憶されているウェブページデータ19a、19b、19c…を編集するためのアカウントである。
【0045】
管理者IDに併せて、対応する各記憶領域にログインするためのパスワードも同時に発行し、組み合わせてデータベース18に記憶させる。つまり、データベース18では、互いに対応するアドレスデータ、管理者ID及びパスワードが関連付けられて1つずつ保存される。なお、管理者IDとパスワードの組み合わせは、対応するアドレスデータの与えられたサービスステーション30a、30b、30c…の店長などの管理者に別途連絡され、管理者IDもアドレスデータと同様に各サービスステーションに割り振られる。
【0046】
再び図1を参照すると、管理者ID及びパスワードの与えられた管理者は、PC71からサーバー装置3及びインターネット通信回線50を介してサーバー装置11にアクセスする。PC71の設置場所は特に限定されず、各サービスステーションや販売本社20にあってもよく、管理者が外出先からアクセスする場合は外出先であってもよい。
【0047】
インターネット通信回線50を介してPC71からサーバー装置11にアクセスすると、ゲート管理手段17cは、ウェブブラウザで図6(a)に示すようなトップ画面100を表示させるためのウェブサイトデータをPC71に向けて送信する。管理者は、トップ画面100上でポインタなどを移動させて、ボタン100aをクリックすると、インターネット上の所定のアドレス領域にログインするための要求信号がサーバー装置11に送信される。ここで、所定のアドレス領域は、サーバー装置11のサービスステーション30aに対応する特定のアドレスデータにより指定されるウェブページデータ19a(図5参照)を記憶している領域である。
【0048】
ゲート管理手段17cはログインの要求信号を受けて、図6(b)に示すようなログイン画面101を表示させるためのウェブサイトデータをPC71に返信し、PC71はウェブブラウザによりログイン画面101を表示させる。管理者はログイン画面101のボックス101a及び101bにそれぞれ管理者ID及びパスワードを入力する。さらに、ログインボタン101cをクリックすると、管理者ID及びパスワードがサーバー装置11に送信される。
【0049】
ゲート管理手段17cは受信した管理者ID及びパスワードの組み合わせとデータベース18に記憶されている組み合せとを照合する。ゲート管理手段17cは、同一の組み合わせを照合できた場合にはPC71のログインが承認される。ここでは、サービスステーション30aに割り振られた管理者IDが承認される。
【0050】
ゲート管理手段17cは、インターネット通信回線50を介して、PC71を管理者IDに関連付けられたアドレスデータに対応する領域にアクセス可能にさせる。つまり、PC71は、ゲート管理手段17cによりサーバー装置11の特定のアドレスデータによって示される領域、つまりウェブページデータ19aの記憶領域にアクセス可能となる。
【0051】
サーバー装置11は、ウェブページ編集手段17dによりウェブページデータ19aをPC71において編集させることを許容させる。図7に示すように、ウェブページ編集手段17dは、PC71のログインを受けて、図6(c)に示すような編集作業選択画面102を表示させるウェブサイトデータをPC71に向けて送信する。管理者は、PC71に表示された編集作業選択画面102から各種操作を選択可能である。
【0052】
例えば、テンプレート選択ボタン102aを選択すると、PC71はウェブページ編集手段17dと相互交信し、図6(d)に示すようなテンプレート選択画面103を表示させる。かかる画面103では、編集に使用するテンプレート103aのうちの1つが選択できて、ウェブページ編集手段17dは図6(e)に示すような詳細編集画面104を選択されたテンプレートの内容を反映させた上でPC71に表示させる。なお、テンプレートは石油元売会社10などによりあらかじめ作成され、画面に表示させるためのデータがサーバー装置11の記憶装置15に記憶されている。
【0053】
1つの実施例として、図8に示すように、編集されるウェブページデータにより表示されるウェブページは、例えばクーポン画像46などである。クーポン画像46は、石油元売会社10の指定する画像の中から選択された上側の画像46aと、サービスステーション毎にその内容を編集できる下側の画像46bとを含むものである。
【0054】
図6(e)に図8を併せて参照すると、詳細編集画面104には、クーポン画像46のうち上側の画像46aに対応した上側欄104aと、下側の画像46bに対応した下側欄104bが含まれる。上側欄104aにはテンプレートにより選択された内容が表示される。また、下側欄104bは、PC71を操作する管理者により編集可能である。管理者は詳細編集画面104での編集後、保存ボタン104cをクリックすると、編集内容がウェブページ編集手段17dを介してデータベース18の特定のアドレスデータにより示される領域にウェブページデータ19aとして上書きされる。
【0055】
図6及び図7に図1を併せて参照すると、PC71に表示された編集作業選択画面102において、再編集ボタン102bが選択されると、PC71はウェブページ編集手段17dと相互交信し、図6(f)に示すような編集情報一覧画面105を表示させる。画面105には、ウェブページの編集に使用するウェブページデータ19aと過去に同一の管理者IDによってウェブページデータとして編集された編集データとの一覧である編集情報105aが表示されている。
【0056】
画面105において、編集情報105aのうちの1つを選択し、上書きボタン105b又はコピーボタン105cのうちどちらかをクリックする。選択された編集情報105aの反映された詳細編集画面104が表示されると、管理者は上記したと同様に下側欄104bを編集して、データベース18の特定のアドレスデータにより示される領域にウェブページデータ19aとして上書きさせる。なお、上書きボタン105bにより詳細編集画面104に移行した場合にはウェブページデータ19aが上書き保存され、コピーボタン105cにより詳細編集画面104に移行した場合には、編集前のデータが編集データとして管理者IDと関連付けられて保存され、新たな編集データがウェブページデータ19aとして更新される。
【0057】
PC71に表示された編集作業選択画面102において、クーポン一覧表示ボタン102cが選択されると、PC71はウェブページ編集手段17dと相互交信し、図6(g)に示すような対象クーポン一覧画面106を表示させる。かかる画面106は、管理者がウェブページの編集に使用できるクーポンの一覧を表示している。このうち編集に使用するクーポンはこの画面106上で選択して指定することができ、編集作業に先立って管理者により指定される。詳細編集画面104において差込ボタン104dをクリックされた場合に指定されているクーポンが下側欄104bに挿入され、これに合わせて管理者が下側欄104bを編集することができる。クーポンの一覧は、サーバー装置11の記憶装置15に記憶されており、石油元売会社10等により適宜更新される。
【0058】
以上のように、管理者IDを与えられた管理者だけが管理者IDと関連付けられたアドレスデータに対応するウェブページの編集や変更を可能とされている。また、管理者は、上記したようにPC71からサーバー装置11に管理者IDを用いてアクセスするだけで、簡便にこの編集や変更を行うことができる。また、テンプレートを利用したり、クーポンを挿入したり、あらかじめ作成された内容から少なくとも一部を選択して利用できて、編集が容易になる。
【0059】
さらに、上記したウェブページデータの少なくとも一部を、外部サーバー装置61(図1参照)に適宜アクセスしてこれに収容されているデータを転用するようにもできる。すなわち、石油元売会社10が、例えばクーポンを発行する会社と契約し、かかる会社の管理するウェブページ内のクーポンの使用を許諾されているとする。上記した図6(d)に示すテンプレート選択画面103及び図6(g)に示す対象クーポン一覧画面106の表示にあたって、当該会社のウェブページにアクセスし、そのウェブページ内のクーポンを表示させるデータの一部をPC71に送信させ、表示させ得る。つまり、外部サーバー装置61に収容されているデータを使用し、管理者はサーバー装置11内のウェブページデータを容易に編集し変更できる。
【0060】
また、サーバー装置11の管理するウェブページの表示について、外部サーバー装置61で提供される外部サービスを利用できるよう、その一部を外部サーバー装置61内にあるウェブページから転用させて表示させることも可能である。かかる場合、石油元売会社10は系列の販売本社20、20’を多数有しており、かかる大きな事業規模においてのみ契約し得るような大口のサービスを各販売本社20、20’のサービスステーションでも利用できるようになるのである。
【0061】
なお、本実施例においては、石油製品の販売を行うためのPOSシステムについて説明したが、石油製品の販売に限らず、他の製品の販売を行うためのPOSシステムについても同様に実施できる。
【0062】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例及び変形例に限定されるものではなく、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0063】
サーバー装置 11
POSセンター装置 21
POS端末 31
印刷装置 38
レシート 41
携帯端末 45
外部サーバー装置 61
パーソナルコンピュータ 71

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページのインターネット上のアドレスに関するアドレスデータを複数保有し該アドレスデータをそれぞれ配布してこれに対応する該ウェブページの閲覧を可能とさせるサーバー装置であって、
POSセンター装置とこれに接続された複数のPOS端末とを含むPOSシステムの複数に接続され、前記POSセンター装置のうちの1つである特定POSセンター装置を介してこれに接続された前記POS端末のうちの一群の特定POS端末において前記アドレスデータのうちの1つである特定アドレスデータを符号化した符号を印刷した紙媒体を出力させ得て、前記特定POS端末の利用者に前記特定アドレスデータに対応した前記ウェブページの閲覧を可能とさせることを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
前記特定アドレスデータに対応させて管理者IDを発行し、前記管理者IDにより前記特定アドレスデータに対応した前記ウェブページの内容の変更を可能とさせるゲートプログラムを含むことを特徴とする請求項1記載のサーバー装置。
【請求項3】
前記ゲートプログラムは、前記ウェブページの内容の少なくとも一部をあらかじめ作成された内容から選択することで変更を可能とさせることを特徴とする請求項2記載のサーバー装置。
【請求項4】
前記ウェブページの内容の少なくとも一部は、外部サーバー装置に収容されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載のサーバー装置。
【請求項5】
石油製品の販売を目的とし、前記特定POSセンター装置は石油特約店及び/又は石油販売店に設けられるとともに、前記一群の特定POS端末はそのサービスステーションのうちの1つに設けられることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載のサーバー装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−247941(P2012−247941A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118403(P2011−118403)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】