説明

サーバ及びユーザ端末並びに通信方法

【課題】着信者の状態に応じて、メッセージの通知方法を切替えること。
【解決手段】サーバは、ユーザの状態を表す情報を含む加入者情報を格納する記憶部と、発信側のユーザ端末からのメッセージに基づいて、記憶部に格納された加入者情報から、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報を取得し、メッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定部と、該メッセージが着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できる形式に、メッセージを変換するメッセージ変換部と、着信側に、変換されたメッセージを送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの大規模な災害が発生したときには、災害の復旧活動にあたる行政や防災機関などに加えて、多くのユーザが被災地への安否確認などに音声電話を利用する。このとき、通常時と比べて多量のトラフィックがネットワークで処理されることになる。多量のトラフィックがネットワークで処理されることにより、通信がつながりにくい状態となる。通信がつながりにくい状態となるため、通信を規制することにより、トラヒックのネットワークコントロールが実施される。
【0003】
移動通信ネットワークには、回線交換(CS: Circuit Switching)呼を処理するネットワークと、パケット交換(PS: Packet Switching)呼を処理するネットワークとが含まれる。
【0004】
しかし、CS呼とPS呼のネットワークコントロールが、3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準仕様で独立に制御できないように規定されているため、PS呼のトラヒック量が少ない状況のときでも、音声電話などのCS呼の規制率にしたがってPS呼が必要以上に規制されていた。
【0005】
そこで、3GPP標準仕様に、CS呼とPS呼のネットワークコントロールを独立に行う機能を追加することが行われた(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
従って、CS呼が規制されている場合でも、PS呼による通信が可能な場合がある。
【0007】
通信端末に関して、入力された通話入力を認識し、該通話入力を通話内容データに変換し、該通話内容データを基に通話入力に関連する通話内容補助データを生成するものが知られている。該通信端末は、通話品質レベルが予め設定された基準レベル以下であるかどうかを判断し、通話品質レベルが予め設定された基準レベル以下になったと判断したとき、通話内容補助データを通話中の相手に送信する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−042386号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】野口勝広、金内正臣、河端剛史、藤村広太 「FOMAアクセス規制の回線交換/パケット交換分離機能」、NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナルVol.14 No.4 2007年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CS呼が規制されている場合に、規制されていないPS呼に、許容される以上のトラヒックが集中する場合がある。PS呼に、許容される以上のトラヒックが集中した場合、PS呼も規制される場合がある。
【0011】
CS呼及びPS呼の両方が規制されるのを防止するためには、ネットワークに対する負荷を考慮する必要がある。
【0012】
また、CS呼が規制されているために、PS呼による通信を行うユーザは、着信者に声を聞かせたい要求がある。また、着信者にとっては、発信者の声を聞きたい要求がある。
【0013】
また、CS呼が規制されているか否かに拘わらず、着信者の状態に応じた通知方法で、メッセージが通知されるのが好ましい。具体的には、着信者が障がい者である場合には、障がいに応じて、通信方法が切替えられるのが好ましい。通信方法によっては、メッセージが伝わらないことが想定されるからである。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、着信者の状態に応じて、メッセージの通知方法を切替えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、
サーバは、
ユーザの状態を表す情報を含む加入者情報を格納する記憶部と、
発信側のユーザ端末からのメッセージに基づいて、前記記憶部に格納された加入者情報から、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報を取得し、前記メッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定部と、
該メッセージ形式判定部により前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できる形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換部と、
前記着信側に、前記メッセージ変換部により変換されたメッセージを送信する送信部と
を有する、サーバとして達成される。
【0016】
前記メッセージ形式判定部は、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報に基づいて、着信側により音声メッセージ及び文字メッセージの少なくとも一方を認識できるかどうかを判定する、ように構成してもよい。
【0017】
前記メッセージ変換部は、文字メッセージに、該発信側から着信側への音声メッセージを変換し、
前記送信部は、パケット交換網を介して、前記メッセージ変換部により文字メッセージに変換された前記発信側から着信側への音声メッセージを送信する、ように構成してもよい。
【0018】
前記発信側のユーザ端末からのメッセージから、発信側を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信側を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する音声メッセージ再生制御部と
を有し、
前記送信部は、前記音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する、ように構成してもよい。
【0019】
前記出力音声設定部は、前記発信側に対応する加入者情報に、該発信側の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信側の声を合成するための音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0020】
所定の条件により、所定のカテゴリに、発信側を分類するための発信側分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信側により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信側に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、前記発信側分類テーブルから該発信側が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0021】
ユーザ端末は、
ユーザの状態を表す情報を含む電話帳を格納する記憶部と、
該記憶部に格納された電話帳から、着信側のユーザ端末のユーザに対応する電話帳を取得し、着信側へのメッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定部と、
該メッセージ形式判定部により前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できるメッセージの形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換部と
前記着信側に、前記メッセージ変換部により変換されたメッセージを送信する送信部と
を有する、ユーザ端末として達成される。
【0022】
前記メッセージ形式判定部は、着信側のユーザ端末に対応する電話帳に基づいて、着信側により音声メッセージ及び文字メッセージの少なくとも一方を認識できるかどうかを判定する、ように構成してもよい。
【0023】
前記メッセージ変換部は、文字メッセージに、該発信側から着信側への音声メッセージを変換し、
前記送信部は、パケット交換網を介して、前記メッセージ変換部により文字メッセージに変換された前記発信側から着信側への音声メッセージを送信する、ように構成してもよい。
【0024】
前記発信側のユーザ端末からのメッセージから、発信側を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信側を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する音声メッセージ再生制御部と
を有し、
前記送信部は、前記音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する、ように構成してもよい。
【0025】
前記出力音声設定部は、当該ユーザ端末に、該発信側の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信側の声を合成するための音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0026】
所定の条件により、所定のカテゴリに、発信側を分類するための発信側分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信側により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信側に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、前記発信側分類テーブルから該発信側が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0027】
また、上記サーバ、ユーザ端末が実行する通信方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0028】
開示された実施例によれば、着信者の状態に応じて、メッセージの通知方法を切替えるための技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図2】ユーザ端末の一実施例を示す図である。
【図3】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図4】サーバの一実施例を示す図である。
【図5】加入者情報の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図6】発信者分類テーブルの一実施例を示す図である。
【図7】音声パラメータテーブルの一実施例を示す図である。
【図8】サーバの一実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】無線通信システムの動作(その1)の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】無線通信システムの動作(その2)の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】サーバの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図12】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図13】ユーザ端末の一実施例を示す図である。
【図14】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図15】無線通信システムの動作(その1)の一実施例を示すフローチャートである。
【図16】無線通信システムの動作(その2)の一実施例を示すフローチャートである。
【図17】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0031】
<実施例>
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0032】
図1には、第1の無線通信システム(添え字「1」により表す)と、第2の無線通信システム(添え字「2」により表す)が示される。第1の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100から、第2の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100へ、CS回線に発呼することや、PS回線に発呼することが試みられる。具体的には、CS回線に発呼することにより音声呼の処理が行われ、PS回線に発呼することによりデータ通信が行われる。
【0033】
第1の無線通信システムと、第2の無線通信システムは、同じ事業者により運営されてもよいし、異なる事業者により運営されてもよい。
【0034】
ユーザ端末100、100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる移動通信端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
無線通信システムは、主に無線アクセス制御を行う無線アクセスネットワーク(RAN)(図示なし)と、移動管理、呼制御、サービス制御等を行うコアネットワーク(CN: Core Network)600に分類される。
【0036】
RANには、無線基地局(BTS: Base Transceiver Station)200(200)及び無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)300(300)が含まれる。
【0037】
コアネットワーク600は、回線交換(CS: Circuit Switched)ドメイン、パケット交換(PS: Packet Switched)ドメインから構成される。一般に、CSドメインは音声系のサービスを提供し、PSドメインはデータ通信系のサービスを提供する。
【0038】
ユーザ端末100、100に対して各ドメインのサービスを提供するノードとして、加入者階梯交換機(図示なし)が含まれる。
【0039】
ユーザ端末100、100に対して各ドメインのサービスを提供するノードとして、関門階梯交換機(図示なし)が含まれる。音声呼を処理する関門階梯交換機とパケット呼を処理する関門階梯交換機が存在する。同一の装置に実装されていてもよい。
【0040】
図1に示される例では、加入者階梯交換機、関門階梯交換機は、交換機400(400)により表される。
【0041】
交換機400(400)には、ファイルサーバ500が接続される。ファイルサーバ500は、主に、発信側のユーザ端末100によるメッセージの送信の際に利用される交換方式と、着信側のユーザ端末100のユーザの状況に応じて機能する。具体的には、発信側のユーザ端末100によるメッセージの送信の際に利用される交換方式には、CS方式と、PS方式とが含まれる。
【0042】
ユーザ端末100は、CS回線により着信側のユーザ端末100へ音声メッセージを送信する。PS回線へのアクセス規制が実行されている場合に、CS回線により着信側のユーザ端末100へ音声メッセージが送信されてもよい。
【0043】
ユーザ端末100は、PS回線により着信側のユーザ端末100へ文字メッセージを送信する。該文字メッセージは、電子メールに含まれてもよい。CS回線へのアクセス規制が実行されている場合に、PS回線により着信側のユーザ端末100への文字メッセージが送信されてもよい。
【0044】
PS回線又はCS回線へのアクセス規制は、セルへのアクセス規制が実行される場合、セル・交換機の両方へのアクセス規制が実行されている場合、交換機へのアクセス規制が実行されている場合のいずれかであってもよい。
【0045】
発信側、すなわち第1の無線通信システムの基地局200によりカバーされるセル250のCS回線又はPS回線へのアクセス規制が実行されている場合には、基地局200からアクセス規制に関する情報を含む報知情報が送信されるようにしてもよい。
【0046】
基地局200に在圏するユーザ端末100に、PS回線により発呼する操作が行われ、且つPS回線へのアクセス規制が実行されている場合には、発呼ができない。この場合、ユーザ端末100は、発信者に、CS回線により発呼することを促す。ユーザ端末100は、発信者による要求に応じて、CS回線により発呼する。ユーザ端末100が、CS回線により発呼することを促されることなく、CS回線により発呼した場合についても同様である。ユーザ端末100は、ユーザ端末100のユーザへの音声メッセージを送信する。該音声メッセージは、基地局200、RNC300、交換機400を介して、ファイルサーバ500に送信される。
【0047】
ファイルサーバ500は、交換機400から、音声メッセージを受信する。
【0048】
ファイルサーバ500は、該音声メッセージを伝えるべき着信者の加入者情報を参照し、該着信者が音声メッセージを認識することができるかどうかを判定する。着信者が音声メッセージを認識することができると判定した場合には、ファイルサーバ500は、CS回線により、ユーザ端末100へ、音声メッセージを送信する。
【0049】
着信者が音声メッセージを認識することができないと判定した場合には、ファイルサーバ500は、テキストデータに、音声メッセージを変換する。以下、テキストデータに変換された音声メッセージを「テキストメッセージ」という。具体的には、ファイルサーバ500は、音声認識することにより、テキストメッセージへ、音声メッセージを変換する。ファイルサーバ500は、テキストメッセージをエンコードし、パケット化する。ファイルサーバ500は、PS回線を介して、ユーザ端末100へ、パケット化されたテキストメッセージ(以下、「テキストメッセージパケット」という)を送信する。テキストメッセージパケットは、交換機400、RNC300、BTS200を介して、着信者のユーザ端末100へ送信される。
【0050】
ユーザ端末100は、ファイルサーバ500からのテキストメッセージパケットを受信する。ユーザ端末100は、テキストメッセージパケットをデコードすることにより、テキストメッセージへ変換する。ユーザ端末100は、テキストメッセージを出力する。
【0051】
また、基地局200に在圏するユーザ端末100に、CS回線により発呼する操作が行われた場合、CS回線へのアクセス規制が実行されている場合には、発呼ができない。この場合、ユーザ端末100は、発信者に、PS回線により発呼することを促す。ユーザ端末100は、発信者による要求に応じて、PS回線により発呼する。ユーザ端末100が、PS回線により発呼することを促されることなく、ユーザ端末100が、PS回線により発呼した場合についても同様である。ユーザ端末100は、ユーザ端末100のユーザへの文字メッセージを送信する。該文字メッセージは、基地局200、RNC300、交換機400を介して、ファイルサーバ500に送信される。
【0052】
ファイルサーバ500は、交換機400から、文字メッセージを受信する。ファイルサーバ500は、該文字メッセージを伝えるべき着信者の加入者情報を参照し、該着信者が文字メッセージを認識することができるかどうかを判定する。
【0053】
着信者が文字メッセージを認識することができると判定した場合には、ファイルサーバ500は、PS回線により、ユーザ端末100へ、文字メッセージを送信する。
【0054】
着信者が文字メッセージを見ることができないと判定した場合には、ファイルサーバ500は、音声メッセージに、文字メッセージを変換する。ファイルサーバ500は、PS回線により、ユーザ端末100へ、音声メッセージに変換された文字メッセージを送信する。
【0055】
<ユーザ端末100
図2は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0056】
ユーザ端末100は、入力部102と、出力部104と、通信制御部106と、無線部108と、記憶部110と、マイクロプロセッサ(MPU: Micro−Processing Unit)112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0057】
MPU112は、入力部102、出力部104、通信制御部106、無線部108、及び記憶部110の制御を行う。MPU112は、記憶部110に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0058】
記憶部110は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザがユーザ端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、ユーザ端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0059】
入力部102は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該ユーザ端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。また、タッチパネルにより構成されてもよい。また、入力部102は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声メッセージを入力する。該音声メッセージには、着信者へのメッセージや、当該ユーザ端末100への指示が含まれてもよい。該指示には、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0060】
出力部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該ユーザ端末100による処理状態や処理結果を表示する。また、出力部104は、例えば、スピーカにより構成され、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)、CRT(Cathod Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP: Plasma Display Panel)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0061】
通信制御部106は、上りリンクの信号を送信するための制御を行う。CS網への上りリンクの信号、PS網への上りリンクの信号の両方を含む。また、通信制御部106は、無線部108により入力されるべき下りリンクの信号を受信するための制御を行う。CS網からの下りリンクの信号、PS網からの下りリンクの信号の両方を含む。
【0062】
無線部108は、MPU112による制御により、基地局200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、GSM(登録商標)、W−CDMAが含まれる。また、LTEが含まれてもよい。例えば、通信制御部106により生成されるべき、上りリンクの信号を無線信号に変換して送信する。また、基地局200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。
【0063】
<ユーザ端末100の機能>
図3は、ユーザ端末100の一実施例を示す機能ブロック図である。図3には、記憶部110に格納されたプログラムに従って、MPU112により実行される機能が主に示される。
【0064】
ユーザ端末100は、規制状態判断部1122と、規制状態設定部1124と、発信判定部1126とを有する。
【0065】
規制状態判断部1122は、通信制御部106と接続される。規制状態判断部1122には、通信制御部106から、当該ユーザ端末100により受信される報知情報が入力される。規制状態判断部1122は、該報知情報に含まれる規制情報に基づいて、当該ユーザ端末100に対してアクセス規制が実行されているかどうかを判断する。CS回線及びPS回線のそれぞれについて判断されてもよい。具体的には、規制状態判断部1122は、報知情報に含まれる規制に関する情報(System Information Block Type 3)のアクセス不可情報(Cell Barred)、規制率情報(Cell Access Restriction)に基づいて判断するようにしてもよい。アクセス不可情報及び規制率情報は、CS回線及びPS回線のそれぞれについて用意されてもよい。規制状態判断部1122は、規制状態設定部1124に、規制状態の判断結果を表す情報を入力する。
【0066】
規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122と接続される。規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122により入力される規制状態の判断結果を表す情報に従って、規制状態を設定する。
【0067】
発信判定部1126は、入力部102、出力部104、通信制御部106、規制状態設定部1124と接続される。発信判定部1126には、入力部102から、ユーザによる操作に従って操作信号が入力される。発信判定部1126は、操作信号が入力された場合に、規制状態設定部1124に設定されるべき規制状態を参照し、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。
【0068】
発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていないと判定した場合、通信制御部106へ、アクセス規制が実行されていないことを通知する。また、発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていないと判定した場合、周期的に、該回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0069】
発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていると判定した場合、出力部104に、該回線へのアクセス規制が実行されていることを表す発信不可通知信号を入力する。出力部104は、発信判定部1126から発信不可通知信号が入力された場合に、ユーザに、発信ができないことを通知する。具体的には、発信ができないことを表示したり、音声ガイダンス等の音声により通知したりしてもよい。また、発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていると判定した場合、通信制御部106へ、アクセス規制が実行されていることを通知する。
【0070】
<ファイルサーバ>
図4は、ファイルサーバ500の一実施例を示す。図4には、主にハードウェア構成が示される。
【0071】
ファイルサーバ500は、通信部502と、MPU504と、記憶部506と、通信制御部508とを有する。各機能ブロックは、バス550により接続される。記憶部506には、加入者情報5062と、発信者分類テーブル5064と、音声パラメータテーブル5066とが格納される。
【0072】
MPU504は、通信制御部508、通信部502、及び記憶部506の制御を行う。MPU504は、記憶部506に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0073】
記憶部506は、アプリケーションと、オペレーティングシステムとを有する。アプリケーションは、ユーザがファイルサーバ500上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、ファイルサーバ500において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0074】
図5は、記憶部506に格納される加入者情報5062の一実施例を示す。
【0075】
加入者情報5062には、予め登録される1又は複数のユーザに関する情報が含まれる。例えば、加入者情報5062には、1ユーザに関する情報として、氏名、電話番号、電子メールアドレス、生年月日、性別、状態フラグ、固有音声パラメータが登録されているかどうかを示す情報が含まれる。状態フラグは、加入者の状態を表す。具体的には、状態フラグは、加入者が認識できるメッセージの形式を表すフラグである。該メッセージに形式には、「0:制限なし」と、「1:電子メール(テキストを含む)」と、「音声」とが含まれる。「0:制限なし」は、加入者がどのような形式のメッセージでも認識できることを表す。「1:電子メール(テキストを含む)」は、加入者が電子メールの形式であれば認識できることを表す。「2:音声」は、加入者が音声の形式であれば認識できることを表す。例えば、加入者が視覚障がい者である場合には、電子メールを認識するのには困難が伴う。従って、加入者が視覚障がい者である場合には、状態フラグに、「2:音声」が指定されるのが好ましい。また、例えば、加入者が聴覚障がい者である場合には、音声メッセージを認識するのには困難が伴う。従って、加入者が聴覚障がい者である場合には、状態フラグに、「1:電子メール(テキストを含む)」が指定されるのが好ましい。
【0076】
固有音声パラメータは、ユーザの音声を合成する際に利用される音声パラメータである。該音声パラメータを利用することにより、該ユーザの音声を合成することができる。
【0077】
図5に示される例では、1ユーザに関する情報として、氏名「AAA」、電話番号「090−1234−5678」、電子メールアドレス「○○○@XXX.ne.jp」、生年月日「△△△△年□□月YY日」、性別「男」、状態フラグ「1:電子メール(テキストを含む)」、固有音声パラメータ「無」が含まれる。固有音声パラメータ「無」は、固有音声パラメータが登録されていないことを表す。加入者情報5062に、図5に示される情報のうち、一部の情報が含まれてもよいし、他の情報が含まれてもよい。
【0078】
図6は、記憶部506に格納される発信者分類テーブル5064の一実施例を示す。
【0079】
発信者分類テーブル5064には、所定の条件により、複数のカテゴリに、発信者を分類するための情報が含まれる。具体的には、発信者を分類するための所定の条件には、発信者が「男性」であるか「女性」であるか、さらに、発信者が「子ども」、「大人」、「壮年」のいずれかであるか等が含まれる。図6に示される所定の条件は一例であり、適宜条件の設定が可能である。発信者分類テーブル5064は、主に、電話帳に含まれる情報のうち、「固有音声パラメータ」が「無」である場合に利用される。発信者分類テーブル5064により、発信者が「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、及び「F」のいずれかに分類される。発信者分類テーブル5064は、音声メッセージに、ユーザ端末100からの電子メールに含まれるメッセージを変換する際に利用される。
【0080】
図7は、記憶部506に格納される音声パラメータテーブル5066の一実施例を示す。
【0081】
音声パラメータテーブル5066には、発信者分類リスト5064により分類されるカテゴリ毎に、音声メッセージに、ユーザ端末100からの電子メールに含まれるメッセージを変換する際に利用される再生用パラメータが含まれる。再生用パラメータには、基本周波数F、再生速度、抑揚、アクセント音調が含まれる。これらは一例であり、これらのうちの一部のパラメータが利用されてもよいし、これら以外のパラメータが利用されてもよい。
【0082】
具体的には、発信者が「男性」、「子ども」に該当する発信者識別子「A」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がXHz、「再生速度」が1.5倍、「抑揚」が変動大、「アクセント音調」がセット1に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、男の子の音声を合成できる。
【0083】
同様に、発信者が「男性」、「大人」に該当する発信者識別子「B」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がYHz、「再生速度」が1.0倍、「抑揚」が変動中、「アクセント音調」がセット2に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、大人の男性の音声を合成できる。
【0084】
同様に、発信者が「男性」、「壮年」に該当する発信者識別子「C」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がZHz、「再生速度」が0.6倍、「抑揚」が変動無し、「アクセント音調」がセット3に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、壮年の男性の音声を合成できる。
【0085】
ここで、アクセント音調に関して、「セット1」−「セット3」により、アクセントと、音調との組み合わせが予め設定されてもよい。また、アクセントと、音調に関して個別に設定されてもよい。
【0086】
通信制御部508は、当該ファイルサーバ500と、交換機400及び400との間で送受信されるデータを生成し、また、交換機400及び400により送信されたデータを解析する。
【0087】
通信部502は、MPU504による制御により、交換機400、及び400との間で、通信を行う。
【0088】
<ファイルサーバの機能>
図8は、ファイルサーバ500を示す機能ブロック図である。図8には、記憶部506に格納されたプログラムに従って、MPU504により実行される機能が主に示される。
【0089】
ファイルサーバ500は、メッセージ形式判定部5042と、音声メッセージ変換部5044と、発信者情報取得部5046と、出力音声設定部5048と、メッセージ変換部5050とを有する。
【0090】
メッセージ形式判定部5042は、通信制御部508と、記憶部506と接続される。メッセージ形式判定部5042には、通信制御部508から、ユーザ端末100からのメッセージが入力される。文字メッセージであってもよいし、音声メッセージであってもよい。メッセージ形式判定部5042は、記憶部506に格納された加入者情報5062に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100からのメッセージが、着信者により認識できる形式であるかどうかを判定する。具体的には、ユーザ端末100からのメッセージが音声メッセージである場合には、該音声メッセージの着信側の加入者情報の状態フラグが「0:制限なし」、及び「2:音声」である場合には、着信者により認識できると判断される。ユーザ端末100からのメッセージが電子メールである場合には、該音声メッセージの着信側の加入者情報の状態フラグが「0:制限なし」、及び「1:電子メール(テキストを含む)」である場合には、着信者により認識できると判断される。
【0091】
メッセージ形式判定部5042は、ユーザ端末100からのメッセージが、着信者により認識できる形式であると判定した場合には、該メッセージを通信制御部508に入力する。通信制御部508は、着信者に、メッセージ形式判定部5042からのメッセージを送信するための制御を行う。
【0092】
メッセージ形式判定部5042は、ユーザ端末100からのメッセージが着信者により認識できる形式でないと判定した場合には、該メッセージが音声メッセージである場合には音声メッセージ変換部5044に入力する。該メッセージが電子メールである場合には発信者情報取得部5046に入力する。
【0093】
音声メッセージ変換部5044は、通信制御部508と、記憶部506と、メッセージ形式判定部5042と接続される。音声メッセージ変換部5044は、メッセージ形式判定部5042から音声メッセージが入力された場合に、該音声メッセージの形式を変換する。具体的には、音声メッセージ変換部5044は、テキストメッセージに、メッセージ形式判定部5042からの音声メッセージを変換する。音声メッセージ変換部5044は、メッセージ形式判定部5042からの音声メッセージを音声認識することにより、テキストメッセージへ変換する。音声メッセージ変換部5044は、テキストメッセージをエンコードし、パケット化する。音声メッセージ変換部5044は、通信制御部508へ、テキストメッセージパケットを入力する。通信制御部106は、PS回線を介して、音声メッセージ変換部5044からのテキストメッセージパケットを送信する制御を行う。
【0094】
発信者情報取得部5046は、メッセージ形式判定部5042と、記憶部506と接続される。発信者情報取得部5046には、メッセージ形式判定部5042から電子メールが入力される。該電子メールは、文字メッセージを含むものであってもよい。発信者情報取得部5046は、電子メールに含まれる発信者を表す情報を取得する。具体的には、発信者情報取得部5046は、発信側のユーザ端末100の識別子を取得する。発信者情報取得部5046は、記憶部506に格納された加入者情報5062から、発信側のユーザ端末100に対応する加入者情報を取得する。発信者情報取得部5046は、出力音声設定部5048へ、発信側のユーザ端末100に対応する加入者情報と、電子メールを入力する。
【0095】
出力音声設定部5048は、発信者情報取得部5046と、記憶部506と接続される。出力音声設定部5048は、発信者情報取得部5046からの発信側のユーザ端末100に対応する加入者情報に、固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する。固有音声パラメータが登録されていると判定された場合、出力音声設定部5048は、メッセージ変換部5050に、該固有音声パラメータを表す情報と、電子メールとを入力する。
【0096】
固有音声パラメータが登録されていないと判定された場合、出力音声設定部5048は、記憶部506に格納された発信者分類テーブル5064を参照し、発信側のユーザ端末100に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。出力音声設定部5048は、記憶部506に格納された音声パラメータテーブル5066から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する。出力音声設定部5048は、メッセージ変換部5050に、該再生パラメータを表す情報と、電子メールとを入力する。
【0097】
メッセージ変換部5050は、通信制御部508と、出力音声設定部5048と接続される。メッセージ変換部5050には、出力音声設定部5048から、電子メールと、固有音声パラメータを表す情報又は再生用パラメータを表す情報とが入力される。メッセージ変換部5050は、音声メッセージに、電子メールに含まれる文字メッセージを変換する。音声テキストデータを変換する際に、メッセージ変換部5050は、固有音声パラメータ又は再生用パラメータを利用する。メッセージ変換部5050は、通信制御部508に、音声メッセージを入力する。通信制御部508は、メッセージ変換部5050からの音声メッセージをパケット化し、ユーザ端末100に送信する制御を行う。
【0098】
<無線通信システムの動作(その1)>
図9は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
【0099】
図9に示される例では、ユーザ端末100からCS回線を介して、音声メッセージが送信される。着信側のユーザ端末100のユーザは音声メッセージを認識できないため、ファールサーバ500により、テキストメッセージに、音声メッセージが変換される。
【0100】
ユーザ端末100は、ユーザにより指定された変換方式による発信が、規制されているかどうかを判定する(ステップS902)。つまり、発信判定部1126は、ユーザによる操作により入力される操作信号に従って、規制状態設定部1124に設定される規制状態を参照し、該操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。ここでは、ユーザによりCS回線を介して音声メッセージを送信する操作が行われる。CS回線は規制されていない。
【0101】
ユーザ端末100は、CS回線を介して、音声メッセージを送信する(ステップS904)。つまり、送信制御部106により、音声メッセージを送信する制御が行われる。
【0102】
ファイルサーバ500は、ユーザ端末100からの音声メッセージの形式を判定する(ステップS906)。つまり、メッセージ形式判定部5042は、記憶部506に格納された加入者情報5062に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100からの音声メッセージが、着信者(側)により認識できる形式であるかどうかを判定する。ここでは、記憶部506に格納されたユーザ端末100の加入者情報の状態フラグは「1:電子メール(テキストを含む)」に設定されている。従って、ファイルサーバ500は、ユーザ端末100からの音声メッセージが、着信者(側)により認識できる形式でないと判定する。
【0103】
ファイルサーバ500は、テキストメッセージへ、音声メッセージを変換する(ステップS908)。つまり、音声メッセージ変換部5044は、テキストメッセージへ、音声メッセージを変換する。音声メッセージ変換部5044は、テキストメッセージをエンコードし、パケット化する。音声メッセージ変換部5044は、通信制御部508へ、テキストメッセージパケットを入力する。ここで、音声メッセージ変換部5044は、ユーザ端末100へ、該ユーザ端末100からの音声メッセージがテキストメッセージへ変換されたことを通知するようにしてもよい。ユーザ端末100は、ファイルサーバ500からの通知により、片方向の通信であることを把握できる。
【0104】
通信制御部106は、PS回線を介して、音声メッセージ変換部5044からのテキストメッセージパケットを送信する制御を行う。
【0105】
ファイルサーバ500は、ユーザ端末100へ、テキストメッセージパケットを送信する(ステップS910)。つまり、通信制御部106による制御により、ユーザ端末100へ、テキストメッセージパケットが送信される。
【0106】
<無線通信システムの動作(その2)>
図10は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
【0107】
図10に示される例では、ユーザ端末100からPS回線を介して、電子メールが送信される。該電子メールには、文字メッセージが含まれる。着信側のユーザ端末100のユーザは電子メールに含まれるメッセージを認識できないため、ファールサーバ500により、音声メッセージに、電子メールに含まれる文字メッセージが変換される。
【0108】
ユーザ端末100は、ユーザにより指定された変換方式による発信が、規制されているかどうかを判定する(ステップS1002)。つまり、発信判定部1126は、ユーザによる操作より入力される操作信号に従って、規制状態設定部1124に設定される規制状態を参照し、該操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。ここでは、ユーザによりPS回線を介して電子メールを送信する操作が行われる。PS回線は規制されていない。
【0109】
ユーザ端末100は、PS回線を介して、電子メールを送信する(ステップS1004)。つまり、送信制御部106により、電子メールを送信する制御が行われる。
【0110】
ファイルサーバ500は、ユーザ端末100からの文字メッセージの形式を判定する(ステップS1006)。つまり、メッセージ形式判定部5042は、記憶部506に格納された加入者情報5062に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100からの文字メッセージが、着信者(側)により認識できる形式であるかどうかを判定する。ここでは、記憶部506に格納されたユーザ端末100の加入者情報の状態フラグは「2:音声」に設定されている。従って、ファイルサーバ500は、ユーザ端末100からの文字メッセージが、着信者(側)により認識できる形式でないと判定する。
【0111】
ファイルサーバ500は、発信者の情報を取得する(ステップS1008)。つまり、発信者情報取得部5046は、電子メールに含まれる発信者の識別子に基づいて、記憶部506に格納される加入者情報5062から、発信者に対応するものを取得する。
【0112】
ファイルサーバ500は、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1010)。
【0113】
ファイルサーバ500は、ユーザ端末100へ、音声メッセージを送信する(ステップS1012)。つまり、通信制御部106による制御により、ユーザ端末100へ、音声メッセージが送信される。
【0114】
図11は、ファイルサーバ500が、音声メッセージに、文字メッセージを変換する処理の一実施例を示す。つまり、図11は、ステップS1010の処理の一実施例を示す。
【0115】
ファイルサーバ500は、発信者の固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する(ステップS1102)。つまり、出力音声設定部5048は、発信者情報取得部5046からの加入者情報に、発信者の固有音声パラメータが含まれるかどうかを判定する。
【0116】
発信者情報取得部5046からの加入者情報に、発信者の固有音声パラメータが含まれると判定された場合(ステップS1102:YES)、ファイルサーバ500は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1104)。つまり、メッセージ変換部5050は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する制御を行う。
【0117】
発信者情報取得部5046からの加入者情報に、発信者の固有音声パラメータが含まれないと判定された場合(ステップS1102:NO)、ファイルサーバ500は、発信者に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル5064から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する(ステップS1106)。つまり、出力音声設定部5048は、発信者に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル5064から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。
【0118】
ファイルサーバ500は、音声パラメータ5066から、発信者識別子に対応する再生用パラメータを取得する(ステップS1108)。つまり、出力音声設定部5048は、音声パラメータテーブル5066から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する。
【0119】
ファイルサーバ500は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1110)。つまり、メッセージ変換部5050は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、メッセージを変換する制御を行う。
【0120】
本実施例によれば、ファイルサーバは、着信者(側)の状態に応じて、着信者(側)により認識できる形式で、発信者(側)からのメッセージを送信できる。具体的には、ファイルサーバは、着信者(側)が文字メッセージを認識できない場合には、音声メッセージに、文字メッセージを変換して送信する。ファイルサーバは、着信者(側)が音声メッセージを認識できない場合には、文字メッセージに、音声メッセージを変換して送信する。
【0121】
また、音声メッセージに、文字メッセージを変換する際に、ファイルサーバは、予め登録される発信者(側)の固有音声パラメータを利用して、発信者(側)の声を合成することができる。また、発信者(側)の固有音声パラメータが登録されていない場合でも、発信者(側)の特徴に応じた声を合成できる。
【0122】
着信者(側)の状態に応じて、テキストデータに変換された音声メッセージを送信できるため、ネットワークの負荷を軽減できる。また、発信者(側)の声や、発信者(側)の特徴に応じた声により出力できるため、着信者(側)に与える違和感を低減できる。
【0123】
<変形例>
<無線通信システム>
図12は、無線通信システムの一変形例を示す。
【0124】
無線通信システムの一変形例は、図1を参照して説明した無線通信システムにおいて、ファイルサーバが省略されたものである。
【0125】
第1の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100から、第2の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100へ、CS回線に発呼することや、PS回線に発呼することが試みられる。具体的には、CS回線に発呼することにより音声呼の処理が行われ、PS回線に発呼することによりデータ通信が行われる。
【0126】
発信側のユーザ端末100は、該発信側のユーザ端末100によるメッセージの送信の際に利用される交換方式と、着信側のユーザ端末100のユーザの状況に応じて、テキストメッセージパケット又は音声メッセージパケットを送信する。
【0127】
ユーザ端末100は、PS回線により着信側のユーザ端末100へ音声メッセージを送信する処理を行う。CS回線へのアクセス規制が実行されている場合に、PS回線により着信側のユーザ端末100へ音声メッセージが送信される処理が行われてもよい。
【0128】
ユーザ端末100は、音声メッセージを送信する処理を行う際、音声メッセージを伝えるべき着信者の加入者情報を参照し、該着信者が音声メッセージを認識することができるかどうかを判定する。着信者が音声メッセージを認識することができると判定した場合には、ユーザ端末100は、PS回線により、ユーザ端末100へ、音声メッセージを送信するようにしてもよい。
【0129】
着信者が音声メッセージを認識することができないと判定した場合には、ユーザ端末100は、文字メッセージに、音声メッセージを変換する。具体的には、ユーザ端末100は、音声認識することにより、文字メッセージへ、音声メッセージを変換する。ユーザ端末100は、文字メッセージをエンコードし、パケット化する。ユーザ端末100は、PS回線を介して、ユーザ端末100へ、文字メッセージを送信する。文字メッセージは、RNC300、交換機400、交換機400、RNC300、BTS200を介して、着信者のユーザ端末100へ送信される。
【0130】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100からの文字メッセージを受信する。ユーザ端末100は、文字メッセージをデコードすることにより、テキストメッセージへ変換する。ユーザ端末100は、テキストメッセージを出力する。
【0131】
また、ユーザ端末100は、PS回線により着信側のユーザ端末100へ文字メッセージを送信する処理を行う。該文字メッセージは、電子メールに含まれてもよい。CS回線へのアクセス規制が実行されている場合に、PS回線により着信側のユーザ端末100への文字メッセージが送信される処理が行われてもよい。
【0132】
ユーザ端末100は、文字メッセージを送信する処理を行う際、該文字メッセージを伝えるべき着信者の加入者情報を参照し、該着信者が文字メッセージを認識することができるかどうかを判定する。
【0133】
着信者が文字メッセージを認識することができると判定した場合には、ユーザ端末100は、PS回線により、ユーザ端末100へ、文字メッセージを送信する。
【0134】
着信者が文字メッセージを認識することができないと判定した場合には、ユーザ端末100は、音声メッセージに、文字メッセージを変換する。ユーザ端末100は、PS回線により、ユーザ端末100へ、音声メッセージに変換された文字メッセージを送信する。
【0135】
音声メッセージへ、文字メッセージを変換する際に、ユーザ端末100は、音声メッセージを出力する音声を決定する。具体的には、ユーザ端末100は、当該ユーザ端末100のユーザに対応する電話帳を参照し、固有の音声パラメータが登録されている場合には、該固有の音声パラメータを利用して発信者の音声を合成する。固有の音声パラメータが登録されていない場合には、該電話帳に含まれる情報に基づいて、該発信者の特徴に応じた音声を合成できる音声パラメータを利用して、音声を合成する。該音声は、パケット化され、ユーザ端末100に送信される。
【0136】
<ユーザ端末100
図13は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図13には、主にハードウェア構成が示される。図1に示されるユーザ端末100と、記憶部110に格納される情報が異なる。
【0137】
記憶部110には、電話帳1102と、発信者分類テーブル1104と、音声パラメータテーブル1106とが格納される。
【0138】
電話帳1102には、図5を参照して説明した加入者情報と略同一の情報が含まれる。
【0139】
電話帳1102には、予め登録される1又は複数のユーザに関する情報が含まれる。例えば、電話帳1102には、1ユーザに関する情報として、氏名、電話番号、電子メールアドレス、生年月日、性別、状態フラグ、固有音声パラメータが登録されているかどうかを示す情報が含まれる。
【0140】
発信者分類テーブル1104には、図6を参照して説明した発信者分類テーブルと略同一の情報が含まれる。
【0141】
発信者分類テーブル1104には、所定の条件により、複数のカテゴリに、発信者を分類するための情報が含まれる。具体的には、発信者を分類するための所定の条件には、発信者が「男性」であるか「女性」であるか、さらに、発信者が「子ども」、「大人」、「壮年」のいずれかであるか等が含まれる。図6に示される所定の条件は一例であり、適宜条件の設定が可能である。発信者分類テーブル1104は、主に、電話帳に含まれる情報のうち、「固有音声パラメータ」が「無」である場合に利用される。発信者分類テーブル1104により、発信者が「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、及び「F」のいずれかに分類される。発信者分類テーブル1104は、音声メッセージに、ユーザ端末100からの文字メッセージを変換する際に利用される。
【0142】
音声パラメータテーブル1106には、図7を参照して説明した音声パラメータテーブルと略同一の情報が含まれる。
【0143】
音声パラメータテーブル1106には、発信者分類リスト1104により分類されるカテゴリ毎に、音声メッセージに、ユーザ端末100からの文字メッセージを変換する際に利用される再生用パラメータが含まれる。再生用パラメータには、基本周波数F、再生速度、抑揚、アクセント音調が含まれる。これらは一例であり、これらのうちの一部のパラメータが利用されてもよいし、これら以外のパラメータが利用されてもよい。
【0144】
<ユーザ端末100の機能>
図14は、ユーザ端末100を示す機能ブロック図である。図14には、記憶部110に格納されたプログラムに従って、MPU112により実行される機能が主に示される。
【0145】
ユーザ端末100は、規制状態判断部1122と、規制状態設定部1124と、発信判定部1126と、メッセージ形式判定部1128と、音声メッセージ変換部1130と、発信者情報取得部1132と、出力音声設定部1134と、メッセージ変換部1136とを有する。
【0146】
規制状態判断部1122は、通信制御部106と接続される。規制状態判断部1122には、通信制御部106から、当該ユーザ端末100により受信されるべき報知情報が入力される。規制状態判断部1122は、該報知情報に含まれる規制情報に基づいて、当該ユーザ端末100に対してアクセス規制が実行されているかどうかを判断する。CS回線及びPS回線のそれぞれについて判断されてもよい。具体的には、規制状態判断部1122は、報知情報に含まれる規制に関する情報のアクセス不可情報、規制率情報に基づいて判断するようにしてもよい。アクセス不可情報及び規制率情報は、CS回線及びPS回線のそれぞれについて用意されてもよい。規制状態判断部1122は、規制状態設定部1124に、規制状態の判断結果を表す情報を入力する。
【0147】
規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122と接続される。規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122により入力される規制状態の判断結果を表す情報に従って、規制状態を設定する。
【0148】
発信判定部1126は、入力部102、出力部104、規制状態設定部1124と接続される。発信判定部1126には、入力部102から、ユーザによる操作に従って操作信号が入力される。発信判定部1126は、操作信号が入力された場合に、規制状態設定部1124に設定される規制状態を参照し、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。
【0149】
発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていないと判定した場合、メッセージ形式判定部1128へ、アクセス規制が実行されていないことを通知する。また、発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていないと判定した場合、周期的に、該回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0150】
発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていると判定した場合、出力部104に、該回線へのアクセス規制が実行されていることを表す発信不可通知信号を入力する。出力部104は、発信判定部1126から発信不可通知信号が入力された場合に、ユーザに、発信ができないことを通知する。具体的には、発信ができないことを表示したり、音声ガイダンスにより音声により通知したりしてもよい。また、発信判定部1126は、操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されていると判定した場合、メッセージ形式判定部1128へ、アクセス規制が実行されていることを通知する。
【0151】
メッセージ形式判定部1128は、通信制御部106と、記憶部110と接続される。メッセージ形式判定部1128には、通信制御部106から、ユーザ端末100に送信するメッセージが入力される。該メッセージは、音声メッセージであってもよいし、文字メッセージであってもよい。メッセージ形式判定部1128は、記憶部110に格納された電話帳1102に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100に送信するメッセージが、該ユーザ端末100の着信者により認識できる形式であるかどうかを判定する。具体的には、ユーザ端末100に送信するメッセージが音声メッセージである場合には、状態フラグが「0:制限なし」、及び「2:音声」である場合に、着信者により認識できると判断される。ユーザ端末100に送信するメッセージが電子メールである場合には、状態フラグが「0:制限なし」、及び「1:電子メール(テキストを含む)」である場合に、着信者により認識できると判断される。
【0152】
メッセージ形式判定部1128は、ユーザ端末100に送信するメッセージが、着信者により認識できる形式であると判定した場合には、通信制御部106に、該メッセージを入力する。通信制御部106は、着信者に、メッセージ形式判定部1128からのメッセージを送信するための制御を行う。
【0153】
メッセージ形式判定部1128は、ユーザ端末100に送信するメッセージが着信者により認識できる形式でないと判定した場合には、該メッセージが音声メッセージである場合には音声メッセージ変換部1130に入力する。該メッセージが電子メールである場合には発信者情報取得部1134に入力する。
【0154】
音声メッセージ変換部1130は、通信制御部106と、記憶部110と、メッセージ形式判定部1128と接続される。音声メッセージ変換部1130は、メッセージ形式判定部1128から音声メッセージが入力された場合に、該音声メッセージの形式を変換する。具体的には、音声メッセージ変換部1130は、テキストメッセージに、メッセージ形式判定部1128からの音声メッセージを変換する。音声メッセージ変換部1130は、メッセージ形式判定部1128からの音声メッセージを音声認識することにより、テキストメッセージへ変換する。音声メッセージ変換部1130は、テキストメッセージをエンコードし、パケット化する。音声メッセージ変換部1130は、通信制御部106へ、テキストメッセージパケットを入力する。通信制御部106は、PS回線を介して、音声メッセージ変換部1130からのテキストメッセージパケットを送信する制御を行う。
【0155】
発信者情報取得部1132は、メッセージ形式判定部1128と、記憶部110と接続される。発信者情報取得部1132には、メッセージ形式判定部1128から電子メールが入力される。発信者情報取得部1132は、電子メールに含まれる発信者を表す情報を取得する。具体的には、発信者情報取得部1132は、発信側のユーザ端末100の識別子を取得する。発信者情報取得部1132は、記憶部110に格納された電話帳1102から、発信側のユーザ端末100に対応する電話帳を取得する。発信者情報取得部1132は、出力音声設定部1134へ、発信側のユーザ端末100に対応する加入者情報と、電子メールとを入力する。
【0156】
出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132と、記憶部110と接続される。出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132からの発信側のユーザ端末100に対応する電話帳に、固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する。固有音声パラメータが登録されていると判定された場合、出力音声設定部1134は、メッセージ変換部1136に、該固有音声パラメータを表す情報と、電子メールとを入力する。固有音声パラメータが登録されていないと判定された場合、出力音声設定部1134は、記憶部110に格納された発信者分類テーブル1104を参照し、発信側のユーザ端末100に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。出力音声設定部1134は、記憶部110に格納された音声パラメータテーブル1106から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する。出力音声設定部1134は、メッセージ変換部1136に、該再生パラメータを表す情報と、電子メールとを入力する。
【0157】
メッセージ変換部1136は、通信制御部106と、出力音声設定部1134と接続される。メッセージ変換部1136には、出力音声設定部1134から、電子メールと、固有音声パラメータを表す情報又は再生用パラメータを表す情報が入力される。メッセージ変換部1136は、音声メッセージに、電子メールに含まれる文字メッセージを変換する。音声テキストデータを変換する際に、メッセージ変換部1136は、固有音声パラメータ又は再生用パラメータを利用する。メッセージ変換部1136は、通信制御部106に、音声メッセージを入力する。通信制御部106は、メッセージ変換部1136からの音声メッセージをパケット化し、ユーザ端末100に送信する制御を行う。
【0158】
<無線通信システムの動作(その1)>
図15は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。図15には、主に、ユーザ端末100の動作が示される。
【0159】
図15に示される例では、ユーザ端末100に、PS回線を介して、音声メッセージを送信する操作が行われる。着信側のユーザ端末100のユーザは音声メッセージを認識できないため、ユーザ端末100により、テキストメッセージに、音声メッセージが変換される。
【0160】
ユーザ端末100は、ユーザにより指定された変換方式による発信が、規制されているかどうかを判定する(ステップS1502)。つまり、発信判定部1126は、ユーザによる操作により入力される操作信号に従って、規制状態設定部1124に設定される規制状態を参照し、該操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。ここでは、ユーザによりPS回線を介して音声メッセージを送信する操作が行われる。PS回線は規制されていない。
【0161】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100へのメッセージの形式を判定する(ステップS1504)。つまり、メッセージ形式判定部1128は、記憶部110に格納された電話帳1102に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100へのメッセージが、着信者により認識できる形式であるかどうかを判定する。ここでは、記憶部110に格納されたユーザ端末100のユーザの電話帳の状態フラグは「1:電子メール(テキストを含む)」に設定されている。従って、ユーザ端末100は、ユーザ端末100へのメッセージが、着信者により認識できる形式でないと判定する。
【0162】
ユーザ端末100は、テキストメッセージへ、音声メッセージを変換する(ステップS1506)。つまり、音声メッセージ変換部1130は、テキストメッセージへ、音声メッセージを変換する。音声メッセージ変換部1130は、テキストメッセージをエンコードし、パケット化する。音声メッセージ変換部1130は、通信制御部106へ、テキストメッセージパケットを入力する。通信制御部106は、PS回線を介して、音声メッセージ変換部1130からのテキストメッセージパケットを送信する制御を行う。
【0163】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100へ、テキストメッセージパケットを送信する(ステップS1508)。つまり、通信制御部106による制御により、ユーザ端末100へ、テキストメッセージパケットが送信される。
【0164】
該テキストメッセージパケットは、ネットワークを介して、ユーザ端末100へ送信される(ステップS1510)。
【0165】
<無線通信システムの動作(その2)>
図16は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。図16には、主に、ユーザ端末100の動作が示される。
【0166】
図16に示される例では、ユーザ端末100に、PS回線を介して、電子メールを送信する操作が行われる。着信側のユーザ端末100のユーザは電子メールに含まれる文字メッセージを認識できないため、ユーザ端末100により、音声メッセージに、電子メールに含まれる文字メッセージが変換される。
【0167】
ユーザ端末100は、ユーザにより指定された変換方式による発信が、規制されているかどうかを判定する(ステップS1602)。つまり、発信判定部1126は、ユーザによる操作より入力される操作信号に従って、規制状態設定部1124に設定されるべき規制状態を参照し、該操作信号により表される回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。ここでは、ユーザによりPS回線を介して電子メールを送信する操作が行われる。PS回線は規制されていない。
【0168】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100へのメッセージの形式を判定する(ステップS1604)。つまり、メッセージ形式判定部1128は、記憶部110に格納された電話帳1102に含まれる状態フラグを参照し、ユーザ端末100へのメッセージが、着信者(側)により認識できる形式であるかどうかを判定する。ここでは、記憶部110に格納されたユーザ端末100のユーザの電話帳の状態フラグは「2:音声」に設定されている。従って、ユーザ端末100は、ユーザ端末100へのメッセージが、着信者(側)により認識できる形式でないと判定する。
【0169】
ユーザ端末100は、発信者(側)の情報を取得する(ステップS1606)。つまり、発信者情報取得部1132は、電子メールに含まれる発信者(側)の識別子に基づいて、記憶部110に格納される電話帳1102から、発信者(側)に対応するものを取得する。
【0170】
ユーザ端末100は、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1608)。
【0171】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100へ、音声メッセージを送信する(ステップS1610)。つまり、通信制御部106による制御により、ユーザ端末100へ、音声メッセージが送信される。
【0172】
該音声メッセージは、ネットワークを介して、ユーザ端末100へ送信される(ステップS1612)。
【0173】
図17は、ユーザ端末100が、音声メッセージに、文字メッセージを変換する処理の一実施例を示す。つまり、図17は、ステップS1608の処理の一実施例を示す。
【0174】
ユーザ端末100は、発信者の固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する(ステップS1702)。つまり、出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者のユーザの固有音声パラメータが含まれるかどうかを判定する。
【0175】
発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれると判定された場合(ステップS1702:YES)、ユーザ端末100は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1704)。つまり、メッセージ変換部1136は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する制御を行う。
【0176】
発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれないと判定された場合(ステップS1702:NO)、ユーザ端末100は、発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル1104から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する(ステップS1706)。つまり、出力音声設定部1134は、発信者に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル1104から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。
【0177】
ユーザ端末100は、音声パラメータテーブル1106から、発信者識別子に対応する再生用パラメータを取得する(ステップS1708)。つまり、出力音声設定部1134は、音声パラメータテーブル1106から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する。
【0178】
ファイルサーバ500は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する(ステップS1710)。つまり、メッセージ変換部5050は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、文字メッセージを変換する制御を行う。
【0179】
本実施例によれば、発信者(側)のユーザ端末は、着信者(側)の状態に応じて、着信者(側)により認識できる形式で、メッセージを送信できる。具体的には、発信者(側)のユーザ端末は、着信者(側)が文字メッセージを認識できない場合には、音声メッセージに、文字メッセージを変換して送信する。発信者(側)のユーザ端末は、着信者(側)が音声メッセージを認識できない場合には、文字メッセージに、音声メッセージを変換して送信する。
【0180】
また、音声メッセージに、文字メッセージを変換する際に、発信者(側)のユーザ端末は、予め登録される発信者(側)の固有音声パラメータを利用して、発信者(側)の声を合成することができる。また、発信者(側)の固有音声パラメータが登録されていない場合でも、発信者(側)の特徴に応じた声を合成できる。
【0181】
着信者(側)の状態に応じて、テキストデータに変換された音声メッセージを送信できるため、ネットワークの負荷を軽減できる。また、発信者(側)の声や、発信者(側)の特徴に応じた声により出力できるため、着信者(側)に与える違和感を低減できる。
【0182】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0183】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0184】
100、100 ユーザ端末
200、200 基地局
300、300 RNC
400、400 交換機
500 ファイルサーバ
600 コアネットワーク
102 入力部
104 出力部
106 通信制御部
108 無線部
110 記憶部
112 MPU
150 バス
1102 電話帳
1104 発信者分類テーブル
1106 音声パラメータテーブル
1122 規制状態判断部
1124 規制状態設定部
1126 発信判定部
1128 メッセージ形式判定部
1130 音声メッセージ変換部
1132 発信者情報取得部
1134 出力音声設定部
1136 メッセージ変換部
502 通信部
504 MPU
506 記憶部
508 通信制御部
550 バス
5042 メッセージ形式判定部
5044 音声メッセージ変換部
5046 発信者情報取得部
5048 出力音声設定部
5050 メッセージ変換部
5062 加入者情報
5064 発信者分類テーブル
5066 音声パラメータテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの状態を表す情報を含む加入者情報を格納する記憶部と、
発信側のユーザ端末からのメッセージに基づいて、前記記憶部に格納された加入者情報から、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報を取得し、前記メッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定部と、
該メッセージ形式判定部により前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できる形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換部と、
前記着信側に、前記メッセージ変換部により変換されたメッセージを送信する送信部と
を有する、サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバにおいて、
前記メッセージ形式判定部は、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報に基づいて、着信側により音声メッセージ及び文字メッセージの少なくとも一方を認識できるかどうかを判定する、サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバにおいて、
前記メッセージ変換部は、文字メッセージに、該発信側から着信側への音声メッセージを変換し、
前記送信部は、パケット交換網を介して、前記メッセージ変換部により文字メッセージに変換された前記発信側から着信側への音声メッセージを送信する、サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバにおいて、
前記発信側のユーザ端末からのメッセージから、発信側を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信側を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する音声メッセージ再生制御部と
を有し、
前記送信部は、前記音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する、サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載のサーバにおいて、
前記出力音声設定部は、前記発信側に対応する加入者情報に、該発信側の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信側の声を合成するための音声パラメータを設定する、サーバ。
【請求項6】
請求項4に記載のサーバにおいて、
所定の条件により、所定のカテゴリに、発信側を分類するための発信側分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信側により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信側に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、前記発信側分類テーブルから該発信側が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、サーバ。
【請求項7】
ユーザの状態を表す情報を含む電話帳を格納する記憶部と、
該記憶部に格納された電話帳から、着信側のユーザ端末のユーザに対応する電話帳を取得し、着信側へのメッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定部と、
該メッセージ形式判定部により前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できるメッセージの形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換部と、
前記着信側に、前記メッセージ変換部により変換されたメッセージを送信する送信部と
を有する、ユーザ端末。
【請求項8】
請求項7に記載のユーザ端末において、
前記メッセージ形式判定部は、着信側のユーザ端末に対応する電話帳に基づいて、着信側により音声メッセージ及び文字メッセージの少なくとも一方を認識できるかどうかを判定する、ユーザ端末。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のユーザ端末において、
前記メッセージ変換部は、文字メッセージに、該発信側から着信側への音声メッセージを変換し、
前記送信部は、パケット交換網を介して、前記メッセージ変換部により文字メッセージに変換された前記発信側から着信側への音声メッセージを送信する、ユーザ端末。
【請求項10】
請求項9に記載のユーザ端末において、
前記発信側のユーザ端末からのメッセージから、発信側を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信側を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記文字メッセージを変換する音声メッセージ再生制御部と
を有し、
前記送信部は、前記音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する、ユーザ端末。
【請求項11】
請求項10に記載のユーザ端末において、
前記出力音声設定部は、当該ユーザ端末に、該発信側の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信側の声を合成するための音声パラメータを設定する、ユーザ端末。
【請求項12】
請求項10に記載のユーザ端末において、
所定の条件により、所定のカテゴリに、発信側を分類するための発信側分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信側により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信側に対応する加入者情報に含まれる情報に基づいて、前記発信側分類テーブルから該発信側が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、ユーザ端末。
【請求項13】
発信側のユーザ端末からのメッセージに基づいて、ユーザの状態を表す情報を含む加入者情報を格納する記憶部に格納された加入者情報から、着信側のユーザ端末に対応する加入者情報を取得し、前記メッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定ステップと、
該メッセージ形式判定ステップにより前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できる形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換ステップと、
前記着信側に、前記メッセージ変換ステップにより変換されたメッセージを送信する送信ステップと
を有するサーバにおける通信方法。
【請求項14】
ユーザの状態を表す情報を含む電話帳を格納する記憶部に格納された電話帳から、着信側のユーザ端末のユーザに対応する電話帳を取得し、着信側へのメッセージの形式が着信側により認識できるかどうかを判定するメッセージ形式判定ステップと、
該メッセージ形式判定ステップにより前記メッセージが前記着信側に認識できないと判定された場合、該着信側に認識できるメッセージの形式に、前記メッセージを変換するメッセージ変換ステップと
前記着信側に、前記メッセージ変換ステップにより変換されたメッセージを送信する送信ステップと
を有するユーザ端末における通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−98850(P2013−98850A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241314(P2011−241314)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】