説明

サーバ管理システム、サーバ管理方法、サーバラック、管理装置及びプログラム

【課題】保守員によるサーバ装置の目視、及び保守員の手作業による情報の登録を行うことなしに、故障が発生しているサーバ装置が載置されているサーバラックを示す情報を作成する。
【解決手段】サーバ装置40には、所定の位置にRFIDタグ41が貼付されており、サーバラック10の識別情報読取部15は、サーバ装置40をサーバ収容室に載置したときに、RFIDタグ41と通信可能となる位置に設置されている。そして、サーバラック10は、サーバ収容室のそれぞれに設置された識別情報読取部15を用いてサーバ装置40が備えるRFIDタグ41からシリアル番号を読み出し、当該シリアル番号を管理装置に送信する。また、管理装置は、サーバラック10からシリアル番号を受信し、受信したシリアル番号とシリアル番号の送信元のサーバラック10のIPアドレスとを関連付けて記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ管理システム、サーバ管理方法、サーバラック、管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバラックに搭載されたサーバ装置に障害が発生した場合、保守員は、ラック構成図に記載されたサーバの載置位置番号と障害通報を通知したサーバ装置の情報とを見比べ、障害の発生したサーバ装置を特定している。
そのため、膨大な数のサーバラックとサーバ装置とを有するデータセンタなどにおいてサーバ装置に障害が発生した場合、装置の特定に時間を要していた。また、保守員がラック構成図を見誤って別のサーバ装置に対して保守作業を行ってしまう惧れがあった。
【0003】
さらに、障害が発生しているサーバ装置を特定した後、保守開始前に、保守員がサーバ装置が備える保守用LEDを点灯させることで、当該サーバ装置が保守中であることを示すことが多い。しかしながら、当該保守用LEDは、サーバ装置本体に搭載されているため、保守員がサーバ装置の電源ケーブルを抜いて保守作業を行う場合、保守用LEDを点灯させることが出来ず、障害が発生しているサーバ装置に目印を付けることが出来ないという問題があった。
【0004】
この問題に関し、特許文献1には、対象となるサーバ装置を正確に特定する技術が開示されている。
具体的には、サーバ装置には、サーバ装置の識別情報を格納するIDチップ、LED等の報知手段、及び報知手段にエネルギーを供給するエネルギー源を備えたRFIDタグが貼付されている。次に、保守用機器がサーバ装置の識別情報をRFIDリーダユニットに送信し、RFIDリーダユニットは、サーバ装置に貼付されたRFIDタグに受信した識別情報を送信する。そして、RFIDタグは、IDチップが格納する識別情報とRFIDリーダユニットから送信された識別情報とが一致する場合に、報知手段による報知を実行する。
【0005】
つまり、保守用機器が、障害が発生したサーバ装置の識別情報をRFIDリーダユニットに送信することで、障害が発生したサーバ装置のRFIDタグのLEDが発光し、またはブザーが鳴動する。これにより、膨大な数のサーバ装置が存在する環境においてサーバ装置に障害が発生した場合にも、保守員は、障害が発生したサーバ装置を確実に特定することができるため、別のサーバ装置に対して保守作業を行うことを防ぐことができる。
また、報知手段は、サーバ装置の電源ではなく、RFIDタグが備えるエネルギー源からエネルギーを取得する。したがって、保守員がサーバ装置の電源ケーブルを抜いて保守作業を行う場合にも、障害が発生しているサーバ装置に目印を付けることができる。
【0006】
また、特許文献2には、ラックに備えられた電子機器に異常が発生した場合に、当該電子機器が備えるLEDを発光させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−094662号公報
【特許文献2】特開2009−238066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、サーバ装置が載置されているサーバラックを特定する際に用いるラック構成図は、保守員がサーバ装置を目視しながら、サーバ装置のサーバ名、シリアル番号及びサーバラックの載置位置を含む載置位置番号を手作業により入力することで作成している。そのため、膨大な数のサーバラックとサーバ装置とを有するデータセンタなどにおいてサーバ装置に障害が発生した場合、ラック構成図の作成に手間がかかるという問題がある。
なお、特許文献1、特許文献2には、ラック構成図、すなわち故障が発生しているサーバ装置が載置されているサーバラックを示す情報を作成する方法は開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、1つまたは複数のサーバラックと、前記サーバラックに載置される1つまたは複数のサーバ装置と、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置とを備えるサーバ管理システムであって、前記サーバ装置は、自装置を特定するサーバ識別情報を前記サーバラックで読取自在に格納する情報担体を備え、前記サーバラックは、仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有する本体と、前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部と、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を前記管理装置に送信する識別情報送信部とを備え、前記管理装置は、前記サーバラックから前記サーバ識別情報を受信する識別情報受信部と、前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有するサーバラックと、前記サーバラックに載置され、自装置を特定するサーバ識別情報を前記サーバラックで読取自在に格納する情報担体を備える1つまたは複数のサーバ装置と、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置とを備えるサーバ管理システムを用いたサーバ管理方法であって、前記サーバラックの識別情報読取部は、前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取り、前記サーバラックの識別情報送信部は、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置の識別情報受信部は、前記サーバラックから前記サーバ識別情報を受信し、前記管理装置の位置情報記録部は、前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、自装置を特定するサーバ識別情報を読取自在に格納する情報担体を備えたサーバ装置が載置されるサーバラックであって、仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有する本体と、前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部と、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置に送信する識別情報送信部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有し、当該サーバ収容室に載置されたサーバ装置に備えられた情報担体から当該サーバ装置を特定するサーバ識別情報を読み取る識別情報読取部が前記サーバ収容室のそれぞれに設置されたサーバラックのコンピュータを、前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置に送信する識別情報送信部として機能させるためのプログラムである。
【0013】
また、本発明は、サーバ装置の載置場所を管理する管理装置であって、前記サーバ装置が載置されたサーバラックから前記サーバ装置を特定するサーバ識別情報を受信する識別情報受信部と、前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、サーバ装置の載置場所を管理する管理装置のコンピュータを、前記サーバ装置が載置されたサーバラックから前記サーバ装置を特定するサーバ識別情報を受信する識別情報受信部、前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、サーバラックは、サーバ収容室のそれぞれに設置された識別情報読取部を用いてサーバ装置が備える情報担体からサーバ識別情報を読み出し、当該サーバ識別情報を管理装置に送信する。また、管理装置は、サーバラックからサーバ識別情報を受信し、受信したサーバ識別情報とサーバ識別情報の送信元を示すサーバラックを示すラック識別情報と関連付けて記録する。
これにより、管理装置は、サーバ装置と当該サーバ装置が載置されたサーバラックとを関連付けた情報を記憶する。この情報を用いることで、保守員によるサーバ装置の目視、及び保守員の手作業による情報の登録を行うことなしに、ラック構成図、すなわち故障が発生しているサーバ装置が載置されているサーバラックを示す情報を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるサーバ管理システムの構成図である。
【図2】サーバラックの構成を示す概略断面図である。
【図3】サーバラックの構成を示す概略ブロック図である。
【図4】管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】保守作業情報生成部が携帯端末に送信する電子メールの内容を示す図である。
【図6】携帯端末の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】表示部が表示するアプリケーションの操作画面を示す図である。
【図8】サーバ管理システムで用いる情報のデータ構造を示す図である。
【図9】サーバ管理システムの動作を示す第1のシーケンス図である。
【図10】サーバ管理システムの動作を示す第2のシーケンス図である。
【図11】サーバ管理システムの動作を示す第3のシーケンス図である。
【図12】サーバ管理システムの動作を示す第4のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるサーバ管理システムの構成図である。
サーバ管理システムは、サーバラック10、管理装置20、携帯端末30、サーバ装置40−1〜40−9(以下、サーバ装置40−1〜40−9を総称する場合はサーバ装置40と表記する)、スイッチングハブ50、LAN60、インターネット70により構成される。
サーバラック10及びサーバ装置40は、スイッチングハブ50に接続され、スイッチングハブ50と管理装置20とはLAN60を介して互いに接続されている。また、管理装置20と携帯端末30とはインターネット70を介して互いに接続されている。
【0018】
サーバラック10は、サーバ装置40を載置されるラックであり、内部にコンピュータを備える。
管理装置20は、サーバルームに設置される、サーバ・ワークステーション型の情報処理装置である。
携帯端末30は、無線送受信機能を備えたモバイル型情報端末であり、インターネット70を介して電子メールを受信する機能を有する。
サーバ装置40は、サーバラック10に載置される保守対象のサーバ装置40である。
スイッチングハブ50は、管理装置20から受信した情報を、サーバ装置40の何れかまたはサーバラック10に転送する。また、サーバ装置40及びサーバラック10から受信した情報を、管理装置20に転送する。
LAN60は、サーバルーム内のネットワークであり、管理装置20とスイッチングハブ50とを接続する。
インターネット70は、管理装置20と携帯端末30とを接続する。
【0019】
図2は、サーバラックの構成を示す概略断面図である。
サーバラック10は、サーバ装置40を載置するラックである。
サーバラック10は、ドア11、施錠部12、鍵読取部13(パスワード読取部)、コンピュータ14を備える。また、サーバラック10の本体は、仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有し、サーバラック10は、当該サーバ収容室毎に、識別情報読取部15、LED16(報知部)を備える。
【0020】
ドア11は、サーバラック10の本体の内部と外部とを開閉自在に覆う。
施錠部12は、ドア11に設置され、コンピュータ14から施錠命令を入力するとドア11を施錠し、開錠命令を入力するとドア11を開錠する。
鍵読取部13は、ドア11の外部側に設置され、携帯端末30から施錠部12を施錠及び開錠させるための鍵情報を読み取り、コンピュータ14に出力する。ここで、鍵情報とは、管理装置20が生成したパスワードと、施錠させることを示す「OPEN」か開錠させることを示す「CLOSE」かの何れかを示す開閉情報と、サーバラック10のIPアドレスとを含む情報である。
コンピュータ14は、他の処理部から入力した情報の処理及び管理装置20との通信を行う。
【0021】
識別情報読取部15は、サーバ収容室に載置されたサーバ装置40に貼付されたRFIDタグからシリアル番号(サーバ識別情報)及び装置種別番号を読み取り、コンピュータ14に出力する。なお、シリアル番号は、サーバ装置40毎に固有の情報であり、サーバ装置40を特定する識別情報として用いられる。また、識別情報読取部15は、それぞれサーバラック10のIPアドレス(ラック識別情報)と、サーバ収容室の位置を特定する載置位置番号(収容室識別情報)とを保持しており、サーバラック10のIPアドレスと載置位置番号とをサーバ装置40のシリアル番号及び装置種別番号に関連付けたラック位置情報を生成し、当該ラック位置情報をコンピュータ14に出力する。
LED16は、サーバラック10の前面及び背面に設置されており、コンピュータ14から点灯命令を入力すると点灯し、消灯命令を入力すると消灯する。
【0022】
なお、上述したようにサーバ装置40には、所定の位置にRFIDタグ41が貼付されており、サーバラック10の識別情報読取部15は、サーバ装置40をサーバ収容室に載置したときに、RFIDタグ41と通信可能となる位置に設置されている。
【0023】
図3は、サーバラックの構成を示す概略ブロック図である。
サーバラック10のコンピュータ14のCPU(図示せず)は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムを実行すると、送信部101(識別情報送信部)、受信部102(報知命令受信部)、位置情報制御部103、LED制御部104、施錠制御部105を備える。
送信部101は、サーバラック10で生成した情報を管理装置20へ送信する。
受信部102は、管理装置20から情報を受信する。
位置情報制御部103は、識別情報読取部15からラック位置情報を入力し、当該ラック位置情報を送信部101を介して管理装置20へ送信する。
LED制御部104は、受信部102を介して管理装置20からLED制御情報(報知命令)を受信する。ここで、LED制御情報とは、点灯させることを示す「ON」または消灯させることを示す「OFF」の何れかを示す点灯情報と、サーバラック10のIPアドレスと、制御対象のLED16が設置されたサーバ収容室を示す載置位置番号とを含む情報である。また、LED制御部104は、受信したLED制御信号に含まれる載置位置番号が示すサーバ収容室に設置されたLED16に、点灯命令または消灯命令を出力する。
施錠制御部105は、鍵読取部13から鍵情報を入力し、送信部101を介して管理装置20に送信する。また、施錠制御部105は、受信部102を介して管理装置20から施錠制御情報を受信する。ここで、施錠制御信号とは、施錠させることを示す「OPEN」か開錠させることを示す「CLOSE」かの何れかを示す開閉情報と、サーバラック10のIPアドレスとを含む情報である。また、施錠制御部105は、受信した施錠制御信号に基づいて、施錠部12に施錠命令または開錠命令を出力する。
【0024】
図2を参照すると、サーバ装置40は、RFIDタグ41と障害発生情報送信部42とを備える。
RFIDタグ41は、サーバ装置40のシリアル番号及び装置種別番号を、サーバラック10の識別情報読取部15で読取自在に格納する。なお、RFIDタグ41は、サーバ装置40をサーバラック10に載置した際に識別情報読取部15によって読取可能となる、サーバ装置40の所定の位置に貼付されている。
障害発生情報送信部42は、自装置に発生した障害を検知し、自装置に障害が発生したことを示す障害発生情報を管理装置20に送信する。障害発生情報は、サーバ装置40のシリアル番号、装置種別番号、障害発生時刻、障害内容、及び障害が発生している惧れがある被疑部品の情報を含む。
【0025】
図4は、管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
管理装置20は、データベース制御部201(位置情報記録部、位置情報読出部、パスワード記録部)、位置情報データベース202(位置情報記憶部)、保守マニュアルデータベース203、障害情報データベース204(パスワード記憶部)、LAN受信部205(識別情報受信部)、位置情報制御部206、保守情報生成部207、パスワード生成部208、LED制御情報生成部209、LAN送信部210(報知命令送信部)、保守作業情報生成部211、インターネット送信部212(パスワード送信部)を備える。
【0026】
データベース制御部201は、位置情報データベース202、保守マニュアルデータベース203、及び障害情報データベース204への情報の記録、並びに情報の読み出しを行う。
位置情報データベース202は、サーバ装置40のシリアル番号及び装置種別番号と、サーバラック10のIPアドレスと、載置位置番号とを関連付けたラック位置情報を記憶する。
保守マニュアルデータベース203は、装置種別番号と、当該装置種別番号が示すサーバ装置40の保守マニュアルファイルと、当該サーバ装置40の担当の保守員が保持する携帯端末30のメールアドレスとを関連付けた保守マニュアル情報を記憶する。
障害情報データベース204は、障害が発生したサーバ装置40のシリアル番号と、装置種別番号と、障害発生時刻と、障害内容と、被疑部品と、当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10のIPアドレスと、載置位置番号と、当該サーバラック10のドア11を開錠するためのパスワードとを関連付けた保守情報を記憶する。
【0027】
LAN受信部205は、LAN60を介してサーバラック10またはサーバ装置40から情報を受信する。
位置情報制御部206は、LAN受信部205を介してサーバラック10からラック位置情報を受信する。また、位置情報制御部206は、受信したラック位置情報をデータベース制御部201を介して位置情報データベース202に記録する。
保守情報生成部207は、LAN受信部205を介してサーバ装置40から障害発生情報を受信し、障害が発生したサーバ装置40の保守情報を生成し、データベース制御部201を介して生成した保守情報を障害情報データベース204に記録する。
パスワード生成部208は、保守情報生成部207による保守情報の生成に用いるパスワードを生成する。
【0028】
LED制御情報生成部209は、故障が発生したサーバ装置40が載置されているサーバラック10のサーバ収容室に設置されたLED16を点灯または消灯させるLED制御情報を生成し、LAN送信部210を介して生成したLED制御情報をサーバラック10に送信する。
LAN送信部210は、LAN60を介してサーバラック10またはサーバ装置40に情報を送信する。
【0029】
保守作業情報生成部211は、データベース制御部201を介して、障害が発生したサーバ装置40に関する保守マニュアル情報を保守マニュアルデータベース203から読み出す。また、保守作業情報生成部211は、保守情報生成部207が生成した保守情報と、保守マニュアルデータベース203から読み出した保守マニュアル情報とに基づいて、保守作業情報を生成し、インターネット送信部212を介して生成した保守作業情報を示す電子メールを携帯端末30に送信する。
インターネット送信部212は、インターネット70を介して電子メールで携帯端末30に情報を送信する。
【0030】
図5は、保守作業情報生成部が携帯端末に送信する電子メールの内容を示す図である。
保守作業情報生成部211は、図5に示すように、保守作業情報として、障害が発生したサーバ装置40のシリアル番号と、装置種別番号と、障害発生時刻と、障害内容と、被疑部品と、当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10のIPアドレスと、載置位置番号と、当該サーバラック10のドア11を開錠するためのパスワードと、保守マニュアルファイルとを格納する電子メールを送信する。
【0031】
鍵認証部213は、LAN受信部205を介してサーバラック10から鍵情報を受信する。また、鍵認証部213は、サーバラック10から受信した鍵情報に含まれるパスワードと、障害情報データベース204が記憶する保守情報に含まれるパスワードとを比較する。パスワードが一致する場合、鍵認証部213は、施錠制御情報を生成し、LAN送信部210を介してサーバラック10に送信する。
【0032】
図6は、携帯端末の構成を示す概略ブロック図である。
携帯端末30は、受信部31(パスワード受信部)、記録部32、記憶部33、制御部34、表示部35、出力部36(パスワード出力部)を備える。
受信部31は、管理装置20から保守制御情報を示す電子メールを受信し、保守制御情報を記録部32に出力する。
記録部32は、受信部31から入力した保守制御情報を記憶部33に記録する。
記憶部33は、保守制御情報を記憶する。
制御部34は、サーバラック10の施錠または開錠を実行するアプリケーションを実行する。
表示部35は、制御部34が実行するアプリケーションの画面、受信部31が受信したメール、及び記憶部33が記憶する保守制御情報に含まれる保守マニュアルファイルを表示する。
出力部36は、記憶部33が記憶する保守制御情報からパスワードを読み出し、当該パスワードを含む鍵情報を生成する。また、出力部36は、生成した鍵情報をサーバラック10の鍵読取部13で読取自在に出力する。
【0033】
図7は、表示部が表示するアプリケーションの操作画面を示す図である。
制御部34がアプリケーションを実行すると、表示部35は、図7に示す「開錠する」と「施錠する」の状態をプルダウン形式で選択する選択画面を表示する。そして、保守員の操作により、何れかの状態を選択した後、「OK」ボタンを押下すると、出力部36は、鍵情報を生成し、生成した鍵情報をサーバラック10の鍵読取部13で読取自在に出力する。
【0034】
図8は、サーバ管理システムで用いる情報のデータ構造を示す図である。
図8(A)は、ラック位置情報のデータ構造を示す図である。
ラック位置情報は、サーバ装置40が載置されたサーバラック10を特定する情報であり、サーバ装置40のシリアル番号と、サーバ装置40の装置種別番号と、当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10のIPアドレスと、サーバ収容室の位置を特定する載置位置番号とを格納する。
図8(B)は、鍵情報のデータ構造を示す図である。
鍵情報は、サーバラック10のドア11を開錠または施錠する際に用いる情報であり、管理装置20が生成したパスワードと、施錠させることを示す「OPEN」か開錠させることを示す「CLOSE」かの何れかを示す開閉情報と、サーバラック10のIPアドレスとを格納する。
【0035】
図8(C)は、LED制御情報のデータ構造を示す図である。
LED制御情報は、障害が発生したサーバ装置40が載置されたサーバラック10の場所を報知させる情報であり、サーバラック10のLED16を点灯させることを示す「ON」または消灯させることを示す「OFF」の何れかを示す点灯情報と、サーバラック10のIPアドレスと、制御対象のLED16が設置されたサーバ収容室を示す載置位置番号とを格納する。
図8(D)は、障害発生情報のデータ構造を示す図である。
障害発生情報は、サーバ装置40が管理装置20に自装置に障害が発生したことを通知する情報であり、サーバ装置40のシリアル番号、装置種別番号、障害発生時刻、障害内容、及び障害が発生している惧れがある被疑部品の情報を格納する。
【0036】
図8(E)は、施錠制御情報のデータ構造を示す図である。
施錠制御情報は、管理装置20がサーバラック10のドア11を開錠または施錠させる情報であり、施錠制御信号とは、施錠させることを示す「OPEN」か開錠させることを示す「CLOSE」かの何れかを示す開閉情報と、サーバラック10のIPアドレスとを格納する。
図8(F)は、保守マニュアル情報のデータ構造を示す図である。
保守マニュアル情報は、サーバ装置40の保守マニュアルを示す情報であって、サーバ装置40の装置種別番号と、当該装置種別番号が示すサーバ装置40の保守マニュアルファイルと、当該サーバ装置40の担当の保守員が保持する携帯端末30のメールアドレスとを格納する。
【0037】
図8(G)は、保守情報のデータ構造を示す図である。
保守情報は、障害が発生したサーバ装置40に関する詳細な情報であって、サーバ装置40のシリアル番号と、装置種別番号と、障害発生時刻と、障害内容と、被疑部品と、当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10のIPアドレス及び載置位置番号と、当該サーバラック10のドア11を開錠するためのパスワードとを格納する。
図8(H)は、保守作業情報のデータ構造を示す図である。
保守作業情報は、保守員の携帯端末30に送付される情報であって、サーバ装置40のシリアル番号と、装置種別番号と、障害発生時刻と、障害内容と、被疑部品と、当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10のIPアドレス及び載置位置番号と、当該サーバラック10のドア11を開錠するためのパスワードと、サーバ装置40の保守マニュアルファイルと、保守員の携帯端末30のメールアドレスとを格納する。
【0038】
そして、サーバ管理システムが上述する構成を有することで、サーバラック10の識別情報読取部15は、サーバ収容室に載置されたサーバ装置40のRFIDタグ41からサーバ装置40のシリアル番号を読み取る。次に、サーバラック10の送信部101は、識別情報読取部15が読み取ったシリアル番号を管理装置20に送信する。
管理装置20のLAN受信部205は、サーバラック10からサーバ装置40のシリアル番号を受信し、データベース制御部201は、LAN受信部205が受信したシリアル番号を、当該シリアル番号の送信元のサーバラック10のIPアドレスに関連付けて、位置情報データベース202に記録する。
これにより、管理装置20は、サーバ装置40と当該サーバ装置40が載置されたサーバラック10とを関連付けた情報を記憶する。この情報を用いることで、保守員によるサーバ装置40の目視、及び保守員の手作業による情報の登録を行うことなしに、サーバ装置40が載置されているサーバラック10を示す情報を作成することができる。
【0039】
次に、本実施形態によるサーバ管理システムの動作を説明する。
まず、サーバラック10にサーバ装置40を載置する際のサーバ管理システムの動作を説明する。
図9は、サーバ管理システムの動作を示す第1のシーケンス図である。
サーバ装置40の導入時に、保守員がサーバ装置40をサーバラック10の所定のサーバ収容室に載置すると、サーバ装置40が載置されたサーバ収容室に設置された識別情報読取部15は、サーバ装置40に貼付されたRFIDタグ41からサーバ装置40のシリアル番号と装置種別番号とを読み取る(ステップS101)。次に、識別情報読取部15は、読み取ったシリアル番号と装置種別番号に、識別情報読取部15が保持している、サーバラック10のIPアドレスと載置位置番号とを付加し、ラック位置情報を生成する(ステップ102)。
識別情報読取部15がラック位置情報を生成すると、位置情報制御部103は、識別情報読取部15から当該ラック位置情報を入力し、送信部101を介して管理装置20に送信する(ステップS103)。
【0040】
サーバラック10がラック位置情報を送信すると、管理装置20のLAN受信部205は、サーバラック10からラック位置情報を受信する(ステップS104)。次に、位置情報制御部206は、データベース制御部201を介して、位置情報データベース202に受信したラック位置情報を記録する(ステップS105)。
これにより、管理装置20は、保守員によるサーバ装置40の目視、及び保守員の手作業による情報の登録を行うことなしに、サーバ装置40が載置されているサーバラック10を示す情報を作成することができる。
【0041】
次に、サーバ装置40に障害が発生した際のサーバ管理システムの動作を説明する。
図10は、サーバ管理システムの動作を示す第2のシーケンス図である。
サーバラック10に載置された、サーバ装置40に障害が発生すると、サーバ装置40の障害発生情報送信部42は、障害の発生を検知する(ステップS201)。次に、障害発生情報送信部42は、障害発生情報を管理装置20へ送信する(ステップ202)。
【0042】
サーバ装置40が障害発生情報を送信すると、管理装置20のLAN受信部205は、サーバ装置40から障害発生情報を受信する(ステップS203)。次に、保守情報生成部207は、障害発生情報の送信元のサーバ装置40のラック位置情報を取得するために、LAN受信部205が受信した障害発生情報からシリアル番号を読み出し、当該シリアル番号を検索キーに、データベース制御部201へ検索要求を出力する。データベース制御部201は、検索キーとして入力したシリアル番号が存在するレコードを位置情報データベース202から読み出す(ステップS204)。
【0043】
次に、保守情報生成部207は、パスワード生成部208にパスワードの生成要求を出力する。そして、パスワード生成部208は、生成要求に基づいて、ランダムな文字列からなるパスワードを生成する(ステップS205)。生成するパスワードは、例えば16桁のランダムな文字列とする。
次に、保守情報生成部207は、ステップS203で受信した障害発生情報と、ステップS204で読み出したラック位置情報と、ステップS205で生成したパスワードとを組み合わせ、保守情報を生成する(ステップS206)。
【0044】
次に、LED制御情報生成部209は、保守情報生成部207が生成した保守情報から、サーバラック10のIPアドレスと、載置位置番号を読み出し、点灯情報が「ON」を示すLED制御情報を生成する(ステップS207)。次に、LAN送信部210は、LED制御情報生成部209が生成したLED制御情報に含まれるIPアドレスを宛先として、当該LED制御信号をサーバラック10へ送信する(ステップS208)。
【0045】
管理装置20がLED制御情報をサーバラック10に送信すると、サーバラック10の受信部102は、管理装置20からLED制御情報を受信する(ステップS209)。次に、LED制御部104は、受信部102が受信したLED制御情報から点灯情報を読み出す。このとき、点灯情報は「ON」を示すため、LED制御部104は、LED制御情報に含まれる載置位置番号が示すサーバ収容室に設置されたLED16に点灯命令を出力する。LED16は、点灯命令の入力により点灯する(ステップS210)。
【0046】
一方、ステップS208でLED制御情報生成部209がLED制御情報を送信すると、保守作業情報生成部211は、保守作業に必要な保守マニュアルと担当保守員のメールアドレスを含む保守マニュアル情報を取得するために、ステップS206で保守情報生成部207が生成した保守情報から装置種別番号を読み出し、当該装置種別番号を検索キーにデータベース制御部201へ検索要求を出力する。データベース制御部201は、検索キーとして入力した装置種別番号を含む保守マニュアル情報を保守マニュアルデータベース203から読み出す(ステップS211)。
次に、保守作業情報生成部211は、ステップS206で保守情報生成部207が生成した保守情報とステップS211で読み出した保守マニュアル情報を組み合わせ、保守作業情報を生成し(ステップS212)、図5に示す内容の電子メールを作成する。そして、インターネット送信部212は、保守作業情報を含む電子メールを携帯端末30に送信する(ステップS213)。
【0047】
管理装置20が保守作業情報を含む電子メールを送信すると、携帯端末30の受信部31は、当該電子メールを受信する(ステップS214)。次に、記録部32は、受信部31が受信した電子メールから保守作業情報を読み出し、記憶部33に読み出した保守作業情報を記録する(ステップS215)。これにより、保守員は届いたメールから障害を知り、携帯端末30を操作することで、メール内に表示される障害情報や、保守マニュアル、ラック搭載位置を表示部35で閲覧することが出来る。
また、ステップS213で、インターネット送信部212が電子メールを送信すると、保守情報生成部207は、データベース制御部201を介して、障害情報データベース204にステップS206で生成した保守情報を記録する(ステップS216)。
【0048】
次に、保守員がサーバラック10のドア11を開錠する際のサーバ管理システムの動作を説明する。
図11は、サーバ管理システムの動作を示す第3のシーケンス図である。
上述したステップS214で携帯端末30が保守作業情報を含むメールを受信すると、保守員は、障害を認識し、障害が発生しているサーバ装置40が載置されたサーバラック10へ向かう。この際、携帯端末30の制御部34は、記憶部33が記憶する保守作業情報を読み出してラック構成図を生成し、表示部35に表示する。
保守員は、障害が発生しているサーバ装置40が載置されたサーバラック10を確認すると、携帯端末30を操作し、サーバラック10のドア11を開錠するアプリケーションを実行させる。
【0049】
携帯端末30の制御部34は、アプリケーションを実行し、表示部35に、図7に示す選択画面を表示させる。そして、保守員の操作により、「開錠する」を選択した後、「OK」ボタンを押下すると(ステップS301)、出力部36は、記憶部33からパスワードとサーバラック10のIPアドレスとを読み出し、開閉情報が「OPEN」を示す鍵情報を生成する。そして、出力部36は、生成した鍵情報をサーバラック10の鍵読取部13で読取自在に出力する(ステップS302)。
【0050】
サーバラック10の鍵読取部13は、携帯端末30からの鍵情報の読み取りが完了したか否かを判定し(ステップS303)、鍵情報を読み取れない場合(ステップS303:NO)、読み取り処理を継続する。なお、鍵情報の読み取りは、保守員が携帯端末30をサーバラック10の鍵読取部13へかざすことで実行される。
鍵読取部13が、鍵情報の読み取りが完了したと判定した場合(ステップS303:YES)、施錠制御部105は、送信部101を介して、鍵読取部13が読み取った鍵情報を管理装置20へ送信する(ステップS304)。
【0051】
サーバラック10が鍵情報を送信すると、管理装置20のLAN受信部205は、サーバラック10から鍵情報を受信する(ステップS305)。次に、鍵認証部213は、鍵情報に含まれる開閉情報が「OPEN」を示すことを確認し、鍵情報に含まれるパスワードを検索キーとしてデータベース制御部201へ検索要求を出力する(ステップS306)。データベース制御部201は、障害情報データベース204から、検索キーとして入力したパスワードを含む保守情報を読み出す。
次に、鍵認証部213は、データベース制御部201が該当する鍵情報を有する保守情報を取得した場合、その保守情報に含まれるIPアドレスと、ステップS305で携帯端末30が受信した鍵情報に含まれるIPアドレスとを比較することで、ステップS305で受信した鍵情報に対応する保守情報が存在するか否かを判定する(ステップS307)。
【0052】
鍵認証部213は、ステップS305で受信した鍵情報に対応する鍵情報が存在すると判定した場合(ステップS307:YES)、サーバラック10のIPアドレスと「OPEN」を示す開閉情報を含む施錠制御情報を生成し、LAN送信部210を介して生成した施錠制御情報をサーバラック10へ送信する(ステップS308)。
他方、鍵認証部213は、ステップS305で受信した鍵情報に対応する鍵情報が存在しないと判定した場合(ステップS307:NO)、サーバラック10のIPアドレスと「FAIL」を示す開閉情報を含む施錠制御情報を生成し、LAN送信部210を介して生成した施錠制御情報をサーバラック10へ送信する(ステップS309)。なお、開閉情報が「FAIL」を示す場合、携帯端末30が出力した鍵情報に対応する保守情報が管理装置20に記録されていないことを示す。
【0053】
ステップS308またはS309で管理装置20が施錠制御情報を送信すると、サーバラック10の受信部102は、施錠制御情報を受信する(ステップS310)。そして、施錠制御部105は、受信部102が受信した施錠制御情報の開閉情報が「OPEN」を示すか否かを判定する(ステップS311)。
施錠制御部105は、施錠制御情報の開閉情報が「OPEN」を示すと判定した場合(ステップS311:YES)、施錠部12に開錠命令を出力する(ステップS312)。施錠部12は、施錠制御部105から開錠命令を入力すると、ドア11を開錠する。他方、施錠制御部105は、施錠制御情報の開閉情報が「FAIL」を示すと判定した場合(ステップS311:NO)、ドア11の開錠を行わずに、処理を終了する。
【0054】
次に、保守完了時のサーバ管理システムの動作を説明する。
図12は、サーバ管理システムの動作を示す第4のシーケンス図である。
保守員は、障害が発生しているサーバ装置40に対する保守処理を完了すると、携帯端末30を操作し、サーバラック10のドア11を施錠するアプリケーションを実行させる。
【0055】
携帯端末30の制御部34は、アプリケーションを実行し、表示部35に、図7に示す選択画面を表示させる。そして、保守員の操作により、「施錠する」を選択した後、「OK」ボタンを押下すると(ステップS401)、出力部36は、記憶部33からパスワードとサーバラック10のIPアドレスとを読み出し、開閉情報が「CLOSE」を示す鍵情報を生成する。そして、出力部36は、生成した鍵情報をサーバラック10の鍵読取部13で読取自在に出力する(ステップS402)。
【0056】
サーバラック10の鍵読取部13は、携帯端末30からの鍵情報の読み取りが完了したか否かを判定し(ステップS403)、鍵情報を読み取れない場合(ステップS403:NO)、読み取り処理を継続する。なお、鍵情報の読み取りは、保守員が携帯端末30をサーバラック10の鍵読取部13へかざすことで実行される。
携帯端末30の制御部34は、保守員が携帯端末30を鍵読取部13にかざすことで鍵情報が鍵読取部13に読み取られたと判定すると、記憶部33が記憶する保守作業情報を削除する(ステップS404)。
他方、サーバラック10の鍵読取部13が、鍵情報の読み取りが完了したと判定した場合(ステップS403:YES)、施錠制御部105は、送信部101を介して、鍵読取部13が読み取った鍵情報を管理装置20へ送信する(ステップS405)。
【0057】
サーバラック10が鍵情報を送信すると、管理装置20のLAN受信部205は、サーバラック10から鍵情報を受信する(ステップS406)。次に、鍵認証部213は、鍵情報に含まれる開閉情報が「CLOSE」を示すことを確認し、鍵情報に含まれるパスワードを検索キーとしてデータベース制御部201へ検索要求を出力する(ステップS407)。データベース制御部201は、障害情報データベース204から、検索キーとして入力したパスワードを含む保守情報を読み出す。
次に、鍵認証部213は、データベース制御部201が該当する鍵情報を有する保守情報を取得した場合、その保守情報に含まれるIPアドレスと、ステップS406で携帯端末30が受信した鍵情報に含まれるIPアドレスとを比較することで、ステップS406で受信した鍵情報に対応する保守情報が存在するか否かを判定する(ステップS408)。
【0058】
鍵認証部213が、ステップS406で受信した鍵情報に対応する鍵情報が存在すると判定した場合(ステップS408:YES)、LED制御情報生成部209は、ステップS407でデータベース制御部201が読み出した保守情報から、サーバラック10のIPアドレスと、載置位置番号を読み出す。そして、LED制御情報生成部209は、点灯情報が「OFF」を示すLED制御情報を生成する(ステップS409)。次に、LAN送信部210は、LED制御情報生成部209が生成したLED制御情報に含まれるIPアドレスを宛先として、当該LED制御信号をサーバラック10へ送信する(ステップS410)。
【0059】
管理装置20がLED制御情報をサーバラック10に送信すると、サーバラック10の受信部102は、管理装置20からLED制御情報を受信する(ステップS411)。次に、LED制御部104は、受信部102が受信したLED制御情報から点灯情報を読み出す。このとき、点灯情報は「OFF」を示すため、LED制御部104は、LED制御情報に含まれる載置位置番号が示すサーバ収容室に設置されたLED16に消灯命令を出力する。LED16は、消灯命令の入力により消灯する(ステップS412)。
【0060】
一方、ステップS410でLAN送信部210がLED制御情報を送信すると、鍵認証部213は、サーバラック10のIPアドレスと「CLOSE」を示す開閉情報を含む施錠制御情報を生成し、LAN送信部210を介して生成した施錠制御情報をサーバラック10へ送信する(ステップS413)。
他方、鍵認証部213は、ステップS408で受信した鍵情報に対応する鍵情報が存在しないと判定した場合(ステップS408:NO)、サーバラック10のIPアドレスと「FAIL」を示す開閉情報を含む施錠制御情報を生成し、LAN送信部210を介して生成した施錠制御情報をサーバラック10へ送信する(ステップS414)。
【0061】
ステップS413またはS414で管理装置20が施錠制御情報を送信すると、サーバラック10の受信部102は、施錠制御情報を受信する(ステップS415)。そして、施錠制御部105は、受信部102が受信した施錠制御情報の開閉情報が「CLOSE」を示すか否かを判定する(ステップS416)。
施錠制御部105は、施錠制御情報の開閉情報が「CLOSE」を示すと判定した場合(ステップS416:YES)、施錠部12に施錠命令を出力する(ステップS417)。施錠部12は、施錠制御部105から施錠命令を入力すると、ドア11を施錠する。
他方、施錠制御部105は、施錠制御情報の開閉情報が「FAIL」を示すと判定した場合(ステップS416:NO)、ドア11の施錠を行わずに、処理を終了する。
【0062】
また、ステップS413で管理装置20のLAN送信部210が、開閉情報が「CLOSE」を示す施錠制御情報を送信すると、データベース制御部201は、ステップS407で読み出した保守情報のパスワードを「NULL」に書き換え、障害情報データベース204へ上書きする(ステップ418)。これにより、一度保守に用いられたパスワードはNULLに書き換えられるため、当該パスワードは再度参照されることはない。
【0063】
このように本実施形態によれば、サーバラック10は、サーバ収容室のそれぞれに設置された識別情報読取部15を用いてサーバ装置40が備えるRFIDタグ41からシリアル番号を読み出し、当該シリアル番号を管理装置20に送信する。また、管理装置20は、サーバラック10からシリアル番号を受信し、受信したシリアル番号とシリアル番号の送信元のサーバラック10のIPアドレスとを関連付けて記録する。
これにより、保守員によるサーバ装置40の目視、及び保守員の手作業による情報の登録を行うことなしに、故障が発生しているサーバ装置40が載置されているサーバラック10を示す情報を作成することができる。
【0064】
また。本実施形態によれば、サーバラック10に実装されたLED16を自動的に点灯させることにより、障害が発生したサーバ装置40の報知を行う。これにより、すぐさま保守対象のサーバ装置40を特定することができ、他のサーバ装置40を誤って保守してしまうなどの保守ミスを防止することができる。また、LED16は、サーバラック10に備えられるため、保守対象のサーバ装置40の電源ケーブルを抜いて保守作業を行う場合にも、LED16を点灯させ続けることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、管理装置20は、障害発生時に携帯端末30へ障害発生情報や保守マニュアル、パスワードを送信し、サーバラック10に搭載されたサーバ装置40で障害が発生した際の保守作業開始までの保守準備時間を短縮することができる。
【0066】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、サーバラック10の識別情報読取部15が、サーバラック10のIPアドレスと載置位置番号とを記憶し、ラック位置情報を生成する場合を説明したが、これに限られない。例えば、位置情報制御部103がサーバラック10のIPアドレスと載置位置番号とを記憶し、位置情報制御部103がラック位置情報を生成しても良い。また、例えば、位置情報制御部103が載置位置番号を記憶し、管理装置20のLAN受信部205がサーバラック10のIPアドレスを特定することで、管理装置20がラック位置情報を生成しても良い。
【0067】
また、本実施形態では、サーバラック10が、携帯端末30から読み取った鍵情報を管理装置20に送信し、管理装置20から鍵情報の検証結果である施錠制御情報を受信することで、施錠・開錠の可否を決定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、サーバラック10が、管理装置20が記憶する保守情報を受信し、携帯端末30から読み取った鍵情報との比較を行って施錠・開錠の可否を決定しても良い。
【0068】
なお、本実施形態では、図1を参照して、サーバ管理システムが、サーバラック10を1つ備え、サーバ装置40を9つ備える場合を説明したが、サーバ管理システムは、実際には、複数のサーバラック10と複数のサーバ装置40を備えることとなる。但し、これに限られず、サーバラック10の中にサーバ装置40が1つだけ載置されていても良いし、図1に示すように、サーバ管理システムがサーバラック10を1つだけ備えていても良い。
【0069】
また、本実施形態では、サーバラック10がコンピュータ14を備えることを明記したが、これに限られず、上述の管理装置20、携帯端末30も、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0070】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0071】
10…サーバラック 11…ドア 12…施錠部 13…鍵読取部 14…コンピュータ 15…識別情報読取部 16…LED 101…送信部 102…受信部 103…位置情報制御部 104…LED制御部 105…施錠制御部 20…管理装置 201…データベース制御部 202…位置情報データベース 203…保守マニュアルデータベース 204…障害情報データベース 205…LAN受信部 206…位置情報制御部 207…保守情報生成部 208…パスワード生成部 209…LED制御情報生成部 210…LAN送信部 211…保守作業情報生成部 212…インターネット送信部 213…鍵認証部 30…携帯端末 31…受信部 32…記録部 33…記憶部 34…制御部 35…表示部 36…出力部 40、40−1〜40−9…サーバ装置 41…RFIDタグ 42…障害発生情報送信部 50…スイッチングハブ 60…LAN 70…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のサーバラックと、前記サーバラックに載置される1つまたは複数のサーバ装置と、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置とを備えるサーバ管理システムであって、
前記サーバ装置は、自装置を特定するサーバ識別情報を前記サーバラックで読取自在に格納する情報担体を備え、
前記サーバラックは、
仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有する本体と、
前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を前記管理装置に送信する識別情報送信部と
を備え、
前記管理装置は、
前記サーバラックから前記サーバ識別情報を受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部と
を備えることを特徴とするサーバ管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置の保守を行う保守員が携帯する携帯端末をさらに備え、
前記サーバラックの本体は、内部と外部とを開閉自在に覆うとともに施錠部を有するドアを備え、
前記管理装置は、
前記サーバ装置に障害が発生した場合に、障害が発生したサーバ装置を示すサーバ識別情報に関連付けられたラック識別情報を前記位置情報記憶部から読み出す位置情報読出部と、
前記位置情報読出部が読み出したラック識別情報が示すサーバラックを施錠並びに解錠するためのパスワードを生成するパスワード生成部と、
前記位置情報読出部が読み出したラック識別情報と前記パスワード生成部が生成したパスワードとを関連付けてパスワード記憶部に記録するパスワード記録部と、
前記パスワード生成部が生成したパスワード情報を前記携帯端末に送信するパスワード送信部と
を備え、
前記携帯端末は、
前記管理装置からパスワードを受信するパスワード受信部と、
前記パスワード受信部が受信したパスワードを前記サーバラックで読取自在に出力するパスワード出力部と
を備え、
前記サーバラックは、
前記施錠部を施錠並びに解錠するためのパスワードを前記携帯端末から読み取るパスワード読取部と、
前記管理装置のパスワード記憶部が自身のサーバ収容室を示すサーバ識別情報に関連付けて記憶するパスワードの中に、前記パスワード読取部が前記携帯端末から読み取ったパスワードと一致するパスワードが存在する場合に、前記施錠部の施錠または解錠を実施する施錠制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ管理システム。
【請求項3】
前記サーバラックの識別情報読取部は、前記サーバ収容室のそれぞれに設置され、
前記サーバラックの識別情報送信部は、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を、当該サーバ識別情報を読み取った識別情報読取部が設置されたサーバ収容室を特定する収容室識別情報に関連付けて前記管理装置に送信し、
前記管理装置の識別情報受信部は、前記サーバラックから前記サーバ識別情報と前記収容室識別情報とを受信し、
前記管理装置の位置情報記録部は、識別情報受信部が受信したサーバ識別情報と収容室識別情報とを、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーバ管理システム。
【請求項4】
前記管理装置の位置情報読出部は、ラック識別情報に加えて、障害が発生したサーバ装置を示すサーバ識別情報に関連付けられた収容室識別情報をさらに前記位置情報記憶部から読み出し、
前記管理装置は、前記位置情報読出部が読み出した収容室識別情報を含む報知命令を、位置情報読出部が読み出したラック識別情報が示すサーバラックに送信する報知命令送信部を備え、
前記サーバラックは、
前記管理装置から収容室識別情報を含む報知命令を受信する報知命令受信部と、
前記報知命令受信部が受信した報知命令が示すサーバ収容室の位置を報知する報知部
を備えることを特徴とする請求項3に記載のサーバ管理システム。
【請求項5】
仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有するサーバラックと、前記サーバラックに載置され、自装置を特定するサーバ識別情報を前記サーバラックで読取自在に格納する情報担体を備える1つまたは複数のサーバ装置と、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置とを備えるサーバ管理システムを用いたサーバ管理方法であって、
前記サーバラックの識別情報読取部は、前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取り、
前記サーバラックの識別情報送信部は、前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置の識別情報受信部は、前記サーバラックから前記サーバ識別情報を受信し、
前記管理装置の位置情報記録部は、前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する
ことを特徴とするサーバ管理方法。
【請求項6】
自装置を特定するサーバ識別情報を読取自在に格納する情報担体を備えたサーバ装置が載置されるサーバラックであって、
仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有する本体と、
前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置に送信する識別情報送信部と
を備えることを特徴とするサーバラック。
【請求項7】
仕切板で互いに仕切られた複数のサーバ収容室を有し、当該サーバ収容室に載置されたサーバ装置に備えられた情報担体から当該サーバ装置を特定するサーバ識別情報を読み取る識別情報読取部が前記サーバ収容室のそれぞれに設置されたサーバラックのコンピュータを、
前記サーバ収容室に載置されたサーバ装置の情報担体から前記サーバ識別情報を読み取る識別情報読取部、
前記識別情報読取部が読み取ったサーバ識別情報を、前記サーバ装置の載置場所を管理する管理装置に送信する識別情報送信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
サーバ装置の載置場所を管理する管理装置であって、
前記サーバ装置が載置されたサーバラックから前記サーバ装置を特定するサーバ識別情報を受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部と
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項9】
サーバ装置の載置場所を管理する管理装置のコンピュータを、
前記サーバ装置が載置されたサーバラックから前記サーバ装置を特定するサーバ識別情報を受信する識別情報受信部、
前記識別情報受信部が受信したサーバ識別情報を、前記サーバ識別情報の送信元のサーバラックを特定するラック識別情報に関連付けて位置情報記憶部に記録する位置情報記録部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−221911(P2011−221911A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92343(P2010−92343)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】