説明

サーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラム

【課題】発生したイベントの種別に応じて通知すべき外部端末を選択し、選択した外部端末に対して、当該外部端末の構成に応じて決定される通信方式を用いて、発生したイベントの送信が可能なサーバ装置を提供する。
【解決手段】発生した事象をイベント検出機能2で検出してデータ化したイベントデータに関するレベル情報を、イベント解析機能4にて、各イベントデータに関する種別をレベル情報として登録したイベントデータベース6を参照して決定し、かつ、イベント送信機能5にて、決定したイベントデータのレベル情報に基づいて、各イベントデータのレベル情報ごとに通知すべき外部端末の宛先が通信プロトコルおよびインタフェースに関する情報とともに端末情報として登録された端末情報記憶部3を参照して、発生した事象に関するイベントデータを、通知すべき外部端末に対して、当該外部端末に適した通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラムに関し、特に、サーバ装置上で発生したイベント(装置状態の変化、障害の検出)を外部端末へ通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報化社会の進展に伴って、オンラインシステムにおいて各種のサービスを提供するサーバ装置の役割は益々重要になってきている。このため、サーバ装置のサービスの継続に影響を及ぼすような何らかのイベント(装置状態の変化、障害の検出)が当該サーバ装置上に発生した場合には、正常なサービスの実施が可能な状態にサーバ装置を迅速に復旧させることが重要であり、特許文献1の特開平11−167504号公報「サーバの遠隔保守管理方式」にも記載されているように、サーバ装置上で発生したイベントを、速やかに、当該サーバ装置の運用を管理する管理者が使用する外部端末に対して通知することが必要である。
【0003】
ここで、本発明において対象とするサーバ装置上で発生するイベントとは、以下のような要因からなっている。
(1)サーバ装置の装置状態の変化:例えば、電源のオン/オフ、電源ユニットの着脱、オプションパッケージ等の着脱など。
(2)サーバ装置のハードウェア障害:温度異常、電圧異常、冷却ファン故障など。
(3)サーバ装置のソフトウェア障害:サービス起動障害、不正アクセス検出など。
【0004】
かくのごときサーバ装置上に発生するイベントの内容(種類)を、データ処理が可能な形式にデータ化して、ネットワークを介して、当該サーバ装置の管理者が使用する外部端末に対して通知することにより、当該管理者は、遠隔より、当該サーバ装置の状況を把握し、適切な処置を講じることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−167504号公報(第4−7頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のような現状のサーバ装置のイベント通知技術においては、次のような問題がある。
【0007】
第1に、前述したような現状のイベント通知技術の場合、サーバ装置から複数の外部端末に対してイベントを通知する場合には、各外部端末には同様の内容の通知を受け取ることができる仕組みを備えていることが必要である。例えば、サーバ装置からLAN(Local Area Network)を経由して各外部端末に対してイベントを通知する場合、サーバ装置から送信されてきたイベントを受け付けるためのLANインタフェースを、ネットワークとの接続インタフェースとして、各外部端末の全てが備えていることが必要となる。さらには、サーバ装置より送信されたイベントを受信した後、LANインタフェースを介して受信したデータをデコードする同様の仕組みも、LANを経由するためのデータ形式に編集されたデータを処理するための通信手段(通信プロトコルの処理手段)として、各外部端末の全てが備えていることが必要である。
【0008】
第2に、サーバ装置から複数の外部端末に対してイベントを通知する場合、各外部端末に対して送信されるサーバ装置からのイベントは、同一の内容であるため、イベントを受け取った各外部端末は、当該イベントを処理すべきか否かを取捨選択し、イベントの処理を行う外部端末以外の外部端末は、受け取ったイベントを廃棄する処理を行うことが必要になっている。
【0009】
(本発明の目的)
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、サーバ装置上で発生するイベントを通知すべき外部端末が複数存在する場合であっても、発生したイベントの種別に応じて通知すべき宛先の外部端末を選択し、選択した外部端末に対して、当該外部端末の構成に応じて決定される通信方式(インタフェースの種類、通信手段(通信プロトコル)等)を用いて、発生したイベントを送信することを可能とする仕組みを備えたサーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため、本発明によるサーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)本発明によるサーバ装置は、内部で発生した事象をデータ化したイベントデータとして外部接続されている外部端末に通知する仕組みとして、前記イベントデータの種別に応じて前記イベントデータを通知すべき前記外部端末の宛先を選択し、選択した前記外部端末の構成に応じて決定される通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、前記イベントデータを、選択した前記外部端末に対して送信することを特徴とする。
【0012】
(2)本発明によるサーバ装置イベント通知方法は、各種のサービスを実施するサーバ装置上で発生した事象をデータ化したイベントデータとして当該サーバ装置に外部接続されている外部端末に通知するサーバ装置イベント通知方法であって、前記イベントデータの種別に応じて前記イベントデータを通知すべき前記外部端末の宛先を選択し、選択した前記外部端末の構成に応じて決定される通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、前記イベントデータを、選択した前記外部端末に対して送信することを特徴とする。
【0013】
(3)本発明によるサーバ装置イベント通知プログラムプログラムは、少なくとも前記(2)に記載のサーバ装置イベント通知方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のサーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0015】
本発明においては、サーバ装置上で発生した状態変化/障害等の各種のイベントを、当該サーバ装置を管理する管理者等が使用する外部端末に対して通知する際に、外部端末が複数存在する場合であっても、イベントの通知先、通知を行う際のインタフェース(ネットワークとの接続インタフェース)や通信手段(通信プロトコル)を、各イベントの内容(種別)に応じて、当該サーバ装置の管理者が、柔軟に設定することが可能である。
【0016】
つまり、サーバ装置として、管理者等が使用する外部端末毎に、当該サーバ装置上で発生した各種のイベントのうち、それぞれの外部端末に通知すべきイベントを任意に特定することができ、かつ、各外部端末の構成に応じて決定される有効なインタフェース、通信手段を用いて、各外部端末毎に必要なイベントのみを通知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るサーバ装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示すサーバ装置上で発生したイベントの解析動作の一例を示す説明図である。
【図3】図1に示すサーバ装置上で発生したイベントを外部端末に対して送信する動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるサーバ装置、サーバ装置イベント通知方法およびサーバ装置イベント通知プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるサーバ装置およびサーバ装置イベント通知方法について説明するが、かかるサーバ装置イベント通知方法をコンピュータにより実行可能なサーバ装置イベント通知プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、サーバ装置イベント通知プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0019】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、サーバ装置上で発生したイベント(装置状態の変化、ハードウェア障害、ソフトウェア障害等)を通知すべき外部端末が複数存在している場合であっても、サーバ装置内に、当該サーバ装置上で発生したイベントを検出した際に、該イベントの内容を解析し、解析結果から該イベントの通知先とすべき外部端末を選択し、選択した外部端末の構成に応じた通信方式(インタフェースの種類、通信手段)に基づいて、該イベントを外部端末に対して送信する機能を少なくとも備えていることを主要な特徴としている。さらには、当該サーバ装置を管理する管理者が、サーバ装置において発生する各イベントのレベル(すなわちイベントの内容(種別))それぞれに応じて、通知すべき外部端末を任意に指定することができ、かつ、外部端末の構成に応じて決定される適切な通信方式を任意にサーバ装置に登録することができることを主要な特徴としている。
【0020】
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係るサーバ装置の構成例について図1を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係るサーバ装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、サーバ装置を構成する各種の機能のうち、サーバ装置上で発生するイベントを、そのイベントの種別(内容)に応じて複数の外部端末の中から選択した外部端末に対して通知するための機能について示している。
【0021】
図1に示すように、サーバ装置1は、管理者等が使用する複数の外部端末A 10A、外部端末B 10B、…、外部端末X 10Xのうち、サーバ装置1上で発生するイベントの種別(内容)に応じて選択したいずれかの外部端末に対して、ポート1 7a、ポート2 7b、…、ポートN 7cのいずれかを経由して、当該イベントを、ネットワーク20を介して通知するための機能として、イベント検出機能2、端末情報記憶部3、イベント解析機能4、イベント送信機能5、イベントデータベース6を少なくとも備えている。
【0022】
イベント検出機能2は、サーバ装置1上において発生した事象をイベントとして検出し、該イベントをデータ処理が可能なイベントデータの形式にデータ化を行う部位である。また、イベントデータベース6は、イベント検出機能2によって検出される各種のイベントの内容(種別)を示すレベル情報を管理するデータベースである。また、イベント解析機能4は、イベント検出機能2にてデータ化されたイベントデータに基づいてイベントデータベース6を検索することにより、発生したイベントの内容(種別)に該当する、当該イベントのレベルを確定して、レベル付けしたイベントデータとして編集する部位である。
【0023】
また、端末情報記憶部3は、サーバ装置1上で発生したイベントのレベル情報(イベントの内容(種別)を示す情報)に応じて通知すべき外部端末をイベント通知先外部端末として登録している記憶部であり、各イベントのレベル情報に対応付けて、通知先になるそれぞれの外部端末の宛先情報(IP(Internet Protocol)アドレス、メールアドレス等)、通信手段(SNMP(Simple Network Management Protocol)、PPP(Point-to-Point Protocol)等、イベントの通知用に用いる通信プロトコル)、通信に使用するインタフェース(LANポート、シリアルポート等、ネットワーク20との接続インタフェース)を、端末情報として、少なくとも記憶している。
【0024】
また、イベント送信機能5は、イベント解析機能4によってレベル付けされたイベントデータによって、端末情報記憶部3に設定された端末情報を検索することにより、外部端末A 10A、外部端末B 10B、…、外部端末X 10Xのうち、当該イベントデータを送信すべき外部端末を確定し、確定した該外部端末の構成に基づいて端末情報記憶部3に設定されている該外部端末用の通信手段(通信プロトコル)を用いて、ポート1 7a、ポート2 7b、…、ポートN 7cのうち、端末情報記憶部3に設定されている該外部端末用のポート(インタフェース)を経由して、ネットワーク20を介して、確定した該外部端末に対してイベントデータを送信する部位である。
【0025】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1に示すサーバ装置1内のイベント検出機能2とイベント解析機能4との動作についてその一例を、図2を用いて説明する。図2は、図1に示すサーバ装置1上で発生したイベントの解析動作の一例を示す説明図であり、イベント検出機能2とイベント解析機能4とにおける動作について、イベント1としてサーバ電源オンが発生し、イベント2としてFAN故障が発生し、イベント3として認証エラーが発生した場合を例にとって説明している。
【0026】
イベント検出機能2は、サーバ装置1上で発生する事象を集中的に監視していて、発生した事象を、イベントデータ2aとして、データ処理が可能な形式にデータ化して、イベント解析機能4に引き渡す。図2においては、前述したように、イベント検出機能2は、イベント1としてサーバ電源オンを検出し、イベント2としてFAN故障を検出し、イベント3として認証エラーを検出して、それぞれをデータ化したイベントデータ2aとして、イベント解析機能4に引き渡す。
【0027】
イベント解析機能4は、イベント検出機能2からのイベントデータ2aを受け取ると、イベントデータベース6を検索することによって、受け取ったイベントデータ2aのレベル情報(種別情報)を取得して、当該イベントデータ2aに付与することにより、レベル付イベントデータ4aを生成する。生成されたレベル付イベントデータ4aは、後段のイベント送信機能5に引き継がれる。ここで、イベントデータベース6は、サーバ装置1のイベント検出機能2によって検出され得る全てのイベントについてレベル情報(つまり事象内容を示す種別情報)を付与したデータを登録しているデータベースである。イベントデータベース6に登録するイベントデータや各イベントデータに付与されるレベル情報は、当該サーバ装置を管理する管理者が所望する任意の値に設定することが可能である。
【0028】
図2のイベントデータベース6においては、イベントデータのレベル情報(種別)を登録しているテーブルとして、レベル情報6aとイベントデータ6bとが対応付けられた形式で登録されており、イベントデータ6bが「サーバ電源オン」の場合のレベル情報6aは「レベル1」であり、イベントデータ6bが「認証エラー」の場合のレベル情報6aは「レベル3」であり、イベントデータ6bが「FAN故障」の場合のレベル情報6aは「レベル4」である場合を示している。
【0029】
したがって、イベント解析機能4において生成されるレベル付イベントデータ4aとしては、イベント1のサーバ電源オンの場合にはレベル情報としてレベル1が付与され、イベント2のFAN故障の場合にはレベル情報としてレベル4が付与され、イベント3の認証エラーの場合にはレベル情報としてレベル3が付与される。生成されるレベル付イベントデータ4aは、イベント解析機能4から、図1に示すイベント送信機能5に引き渡される。
【0030】
次に、図1に示すサーバ装置1内のイベント送信機能5の動作についてその一例を、図3を用いて説明する。図3は、図1に示すサーバ装置1上で発生したイベントを外部端末に対して送信する動作の一例を示す説明図であり、イベント送信機能5における動作について、イベント解析機能4から受け取ったレベル付イベントデータ4aが、「レベル1」のイベント1のサーバ電源オン、「レベル4」のイベント2のFAN故障、「レベル3」のイベント3の認証エラーであった場合を例にとって説明している。
【0031】
図3のイベント送信機能5においては、イベント解析機能4からレベル付イベントデータ4aを受け取ると、受け取った各レベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」に基づいて、各イベントデータのレベル情報に応じた外部端末の宛先を登録している、イベント通知先外部端末に関する端末情報記憶部3を参照して、まず、各イベントデータの送信先となる外部端末を確定する。
【0032】
ここで、図3の端末情報記憶部3においては、前述したように、イベント通知先の外部端末に関する端末情報(インタフェース、通信手段、宛先に関する情報)が、レベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」に対応して記憶されており、外部端末3a、インタフェース3b、通信手段3c、宛先情報3d、通知イベントレベル3eを少なくとも含んで構成されている。なお、端末情報記憶部3に登録されているイベント通知先の外部端末に関する端末情報は、サーバ装置1を管理する管理者が任意に設定することが可能である。
【0033】
図3の端末情報記憶部3の外部端末3aには、サーバ装置1上で発生したイベントを、ネットワーク20を介して通知する宛先となる全ての外部端末が登録されており、図1に示したように、外部端末A 10A、外部端末B 10B、…、外部端末X 10Xが登録されている。
【0034】
また、インタフェース3bは、ネットワーク20に接続するサーバ装置1のポート(ネットワーク20との接続インタフェース)を特定するための情報を登録しており、図3に示す例においては、例えば、図1のポート1 7a、ポート2 7b、…、ポートN 7cのそれぞれが、LANポート1、LANポート2、…、シリアルポート1である場合を示している。つまり、図3の記憶例においては、外部端末3aに示す外部端末A 10Aに対してイベントを送信する場合には、インタフェース3bに示すように、LANポート1から送信し、外部端末B 10Bに対してイベントを送信する場合には、LANポート2から送信し、外部端末X 10Xに対してイベントを送信する場合には、シリアルポート1から送信する場合を示している。
【0035】
また、通信手段3cは、サーバ装置1から外部端末へイベントを送信する際に用いる通信プロトコルを特定するための情報を登録しており、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)、e−mail、PPP(Point to Point Protocol)等を規定している。つまり、図3の記憶例においては、外部端末3aに示す外部端末A 10Aに対してイベントを送信する場合には、通信手段3cに示すように、SNMPプロトコルを用いて送信し、外部端末B 10Bに対してイベントを送信する場合には、e−mailプロトコルを用いて送信し、外部端末X 10Xに対してイベントを送信する場合には、PPPプロトコルを用いて送信する場合を示している。
【0036】
また、宛先情報3dは、サーバ装置1からイベントを送信する外部端末の宛先を特定するための情報を登録しており、通信手段3cの登録内容に応じて、例えば、IP(Internet Protocol)アドレス、メールアドレス(email Address)、電話番号等が用いられる。つまり、図3の記憶例においては、外部端末3aに示す外部端末A 10Aに対してイベントを送信する場合には、宛先情報3dに示すように、SNMPプロトコルにおける外部端末A 10Aの宛先情報を示すIPアドレスを用い、外部端末B 10Bに対してイベントを送信する場合には、e−mailプロトコルにおける外部端末B 10Bの宛先情報を示すメールアドレス(email Address)を用い、外部端末X 10Xに対してイベントを送信する場合には、PPPプロトコルにおける外部端末X 10Xの宛先情報を示す電話番号を用いる場合を示している。
【0037】
また、通知イベントレベル3eは、サーバ装置1からイベントを送信する外部端末を各イベント毎のレベル(種別)に応じて特定するための情報を登録しており、イベント解析機能4からのレベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」に応じて、特定のレベル以上の全てのイベントを送信する外部端末、1ないし複数の特定のレベルのイベントのみを送信する外部端末等を任意に登録することができる。例えば、図3の記憶例においては、外部端末3aに示す外部端末A 10Aに対しては、レベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」がレベル1以上の全てのイベントを送信し、外部端末B 10Bに対しては、レベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」がレベル3とレベル4との2種類のイベントを送信し、外部端末X 10Xに対しては、レベル付イベントデータ4aに付与されている「レベル」がレベル4のみの1種類のイベントを送信する場合を示している。
【0038】
図3のイベント送信機能5においては、イベント解析機能4からレベル付イベントデータ4aに付与されているレベルに基づいて、前述のような端末情報記憶部3の通知イベントレベル3eを参照することにより、外部端末A 10A、外部端末B 10B、…、外部端末X 10Xのうち、当該レベル付イベントデータ4aの送信先となる外部端末を確定すると、確定した外部装置へイベントを送信する際の通信手段(通信プロトコル)を端末情報記憶部3の通信手段3cから取り出して、受け取ったレベル付イベントデータ4aのイベントデータを当該通信手段用のフォーマットに編集して、端末通知用イベント情報として生成するとともに、確定した外部装置の宛先を端末情報記憶部3の宛先情報3dから取り出して、該端末通知用イベント情報に設定する。
【0039】
図3のイベント送信機能5において、端末通知用イベント情報に宛先を設定すると、確定した外部装置へイベントを送信する際のポート(ネットワーク20との接続インタフェース)を端末情報記憶部3のインタフェース3cから取り出して、当該ポートに対して、宛先を設定した端末通知用イベント情報を送出することによって、当該ポートを経由して、ネットワーク20を介して、イベントの通知先として確定した外部端末に対して、通知すべきイベントを含む端末通知用イベント情報を送信する。
【0040】
つまり、イベント解析機能4から受け取ったレベル付イベントデータ4aが、「レベル1」のイベント1のサーバ電源オン、「レベル4」のイベント2のFAN故障、「レベル3」のイベント3の認証エラーであった場合、図3に示す記載例においては、レベル1以上の全てのイベントの送信先となる外部端末A 10Aに対しては、通信手段としてSNMPプロトコルを用いて、ポート1 7aのLANポート1を介して、イベント1のサーバ電源オン、イベント2のFAN故障、イベント3の認証エラーをそれぞれ送信する。また、レベル3,4の2種類のイベントの送信先となる外部端末B 10Bに対しては、通信手段としてe−mailプロトコルを用いて、ポート2 7bのLANポート2を介して、イベント2のFAN故障(レベル4)、イベント3の認証エラー(レベル3)をそれぞれ送信する。また、レベル4のみの1種類のイベントの送信先となる外部端末X 10Xに対しては、通信手段としてPPPプロトコルを用いて、ポートN 7cのシリアルポート1を介して、イベント2のFAN故障(レベル4)のみを送信する。
【0041】
以上に詳細に説明したように、本発明の一実施形態を示すサーバ装置1は、図1に示したように、イベント検出機能2、端末情報記憶部3、イベント解析機能4、イベント送信機能5、イベントデータベース6のような各構成要素を少なくとも含んで構成される。そして、イベント検出機能2により、サーバ装置1上で発生したイベントの検出を行い、イベント解析機能4において、検出したイベントをイベントデータベース6の情報と照合することにより、当該イベントのレベル(種別)を確定する。イベント送信機能5は、イベント検出機能2が検出したイベントに関して確定したレベルとイベント通知先の外部端末に関する端末情報を格納している端末情報記憶部3の情報とに基づいて、特定した外部端末に対して、特定した通信手段(通信プロトコル)を用いて、特定したインタフェース(ポート)から、検出したイベントを、端末通知用イベント情報として送信する。
【0042】
サーバ装置1としてかくのごとき動作を実施するために、イベント検出機能2は、サーバ装置1上で発生した事象の検出を集中的に行い、発生した事象(イベント)の内容をイベントデータとしてデータ化する。イベント解析機能4は、イベント検出機能2が検出した各イベントの内容に基づいてイベントデータベース6を参照して、当該イベントのレベル(種別)を確定して、イベント検出機能2からのイベントデータに確定したレベルを付与した形式のレベル付イベントデータを生成する。
【0043】
イベント通知先の外部端末に関する端末情報を格納する端末情報記憶部3は、各外部端末毎に、通知すべきイベントの種別を示すレベル情報を格納するとともに、各外部端末との通信に使用するインタフェース(ポート)、通信手段(通信プロトコル)、宛先に関する情報を少なくとも格納している。イベント送信機能5は、イベント解析機能4が生成したレベル付イベントデータに付与されているレベル情報(イベントの種別)に基づいて、端末情報記憶部3を参照することにより、当該レベル付イベントデータに含まれているイベントデータの送信先となる外部端末を確定するとともに、確定した外部端末に対してイベントデータを送信するための通信手段、インタフェース、宛先情報を端末情報記憶部3に格納した端末情報から抽出して、当該外部端末に対してイベントデータの通知処理を行う。
【0044】
なお、ここで、イベントデータベース6の登録内容、端末情報記憶部3の格納内容は、サーバ装置1を管理する管理者が、随時、新規の内容を追加したり、削除したり、更新したりすることが可能であり、所望する任意の内容に設定することができる。
【0045】
(実施形態の効果の説明)
以上に説明したように、本実施形態においては、サーバ装置1上で発生した状態変化/障害等の各種のイベントを、サーバ装置1を管理する管理者等が使用する外部端末に対して通知する際に、外部端末が複数存在する場合であっても、イベントの通知先、通知を行う際のインタフェース(ネットワーク20との接続インタフェース)や通知手段(通信プロトコル)を、各イベントの内容(種別)に応じて、当該サーバ装置1の管理者が、柔軟に設定することが可能である。
【0046】
つまり、サーバ装置1として、管理者等が使用する外部端末毎に、当該サーバ装置1上で発生した各種のイベントのうち、それぞれの外部端末に通知すべきイベントを任意に特定することができ、かつ、各外部端末の構成に応じて決定される有効なインタフェース、通信手段を用いて、各外部端末毎に必要なイベントのみを通知することが可能である。
【0047】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0048】
1 サーバ装置
2 イベント検出機能
2a イベントデータ
3 端末情報記憶部
3a 外部端末
3b インタフェース
3c 通信手段
3d 宛先情報
3e 通知イベントレベル
4 イベント解析機能
4a レベル付イベントデータ
5 イベント送信機能
6 イベントデータベース
6a レベル情報
6b イベントデータ
7a ポート1
7b ポート2
7c ポートN
10A 外部端末A
10B 外部端末B
10X 外部端末X
20 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のサービスを実施するサーバ装置において、内部で発生した事象をデータ化したイベントデータとして外部接続されている外部端末に通知する仕組みとして、前記イベントデータの種別に応じて前記イベントデータを通知すべき前記外部端末の宛先を選択し、選択した前記外部端末の構成に応じて決定される通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、前記イベントデータを、選択した前記外部端末に対して送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記外部端末の宛先として、少なくとも、IP(Internet Protocol)アドレス、メールアドレス(email Address)、電話番号のいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記通信プロトコルとして、少なくとも、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコル、e−mailプロトコル、PPP(Point to Point Protocol)プロトコルのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記インタフェースとして、少なくとも、LAN(Local Area Network)ポート、シリアルポートのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
各前記イベントデータに関する種別をレベル情報として登録したイベントデータベースを参照することにより、内部で発生した事象をデータ化したイベントデータのレベル情報を決定し、かつ、決定した前記イベントデータのレベル情報に基づいて、各前記イベントデータのレベル情報ごとに通知すべき前記外部端末の宛先を、当該外部端末の構成に応じて決定される前記通信プロトコルおよび前記インタフェースに関する情報とともに、端末情報として登録した端末情報記憶部を参照することにより、当該サーバ装置上で発生した事象をデータ化した前記イベントデータを、当該イベントデータを通知すべき前記外部端末に対して、当該外部端末に適した通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記イベントデータベースに登録する情報および前記端末情報記憶部に登録する情報を、管理者が任意に指定した情報に設定して登録することができることを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
各種のサービスを実施するサーバ装置上で発生した事象をデータ化したイベントデータとして当該サーバ装置に外部接続されている外部端末に通知するサーバ装置イベント通知方法であって、前記イベントデータの種別に応じて前記イベントデータを通知すべき前記外部端末の宛先を選択し、選択した前記外部端末の構成に応じて決定される通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、前記イベントデータを、選択した前記外部端末に対して送信することを特徴とするサーバ装置イベント通知方法。
【請求項8】
各前記イベントデータに関する種別をレベル情報として登録したイベントデータベースを参照することにより、内部で発生した事象をデータ化したイベントデータのレベル情報を決定し、かつ、決定した前記イベントデータのレベル情報に基づいて、各前記イベントデータのレベル情報ごとに通知すべき前記外部端末の宛先を、当該外部端末の構成に応じて決定される前記通信プロトコルおよび前記インタフェースに関する情報とともに、端末情報として登録した端末情報記憶部を参照することにより、前記イベントデータを、当該イベントデータを通知すべき前記外部端末に対して、当該外部端末に適した通信プロトコルおよびインタフェースを用いて、送信することを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置イベント通知方法。
【請求項9】
前記イベントデータベースに登録する情報および前記端末情報記憶部に登録する情報を、管理者が任意に指定した情報に設定して登録することができることを特徴とする請求項8に記載のサーバ装置イベント通知方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれかに記載のサーバ装置イベント通知方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とするサーバ装置イベント通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−3693(P2012−3693A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140598(P2010−140598)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】