説明

サーバ装置、印刷システム及びプログラム

【課題】あるサーバ装置が受信した印刷データに関する要求が印刷装置によって行われた場合に、該要求に対応するデータが別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるように図ることが可能になるサーバ装置を提供する。
【解決手段】印刷データ受信手段(40)は、情報処理装置(30)から送信される印刷データを受信する。情報送受信手段(42)は、情報処理装置(30)から送信される印刷データを受信する他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う。他のサーバ装置から受信した上記の情報が記憶手段(12)に記憶される。データ送信手段(43)は、他のサーバ装置が受信した印刷データに関する要求を印刷装置(20)から受け付けた場合、記憶手段(12)に記憶された上記の情報に基づくデータを印刷装置(20)に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、印刷システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ装置と印刷装置とを含む印刷システムが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、サーバ装置に障害が発生した場合にも印刷処理が継続して行われるように図るための技術が開示されている。具体的には、サーバ装置に障害が発生した場合に、該サーバ装置が端末装置から受信した印刷データを代替サーバに送信することによって、代替サーバに処理の継続指示を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2000−181653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって行われた場合に、該要求に対応するデータが別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるように図ることが可能になるサーバ装置、印刷システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、サーバ装置であって、情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段と、情報処理装置から送信される印刷データを受信する他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段と、前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段と、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段と、を含むことを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサーバ装置であって、前記データ送信手段は、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する前記要求を前記印刷装置から受け付けた場合において、前記他のサーバ装置との通信状態が予め定められた状態である場合、前記記憶手段に予め記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信する手段を含むことを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のサーバ装置であって、前記データ送信手段は、前記データ送信手段は、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する前記要求を前記印刷装置から受け付けた場合において、前記他のサーバ装置から前記情報を受信してからの経過時間が基準時間未満である場合に、前記記憶手段に予め記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信する手段を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のサーバ装置であって、前記他のサーバ装置が受信した第1の印刷データと、前記印刷データ受信手段によって受信された第2の印刷データと、が予め定められた関係を有し、かつ、前記第2の印刷データが、前記他のサーバ装置との通信状態が予め定められた状態であった期間内に受信された印刷データである場合において、前記第2の印刷データに基づく印刷処理が前記印刷装置で実行された場合に、前記第1の印刷データに関する処理を実行するように前記他のサーバ装置を制御する他サーバ装置制御手段を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、印刷システムであって、複数のサーバ装置と、印刷装置と、を含み、前記複数のサーバ装置は、それぞれ、情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記複数のサーバのうちの他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段と、前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段と、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、プログラムであって、情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段、情報処理装置から送信される印刷データを受信する他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段、前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段、及び、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって前記サーバ装置とは別のサーバ装置に行われた場合に、該要求に対応するデータが前記別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるように図ることが可能になる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって前記あるサーバ装置とは別のサーバ装置に行われた場合において、前記あるサーバ装置との通信が予め定められた状態である場合に、該要求に対応するデータが前記別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるようになる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって前記あるサーバ装置とは別のサーバ装置に行われた場合において、前記あるサーバ装置が受信した印刷データに関する情報を前記別のサーバ装置が受信してからの経過時間が基準時間未満である場合に、該要求に対応するデータが該別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、あるサーバ装置(ここでは「第1のサーバ装置」と記載する。)が受信した第1の印刷データと、別のサーバ装置(ここでは「第2のサーバ装置」と記載する。)が受信した第2の印刷データと、が予め定められた関係を有し、かつ、第2の印刷データが、第1のサーバ装置との通信状態が予め定められた状態であった期間内に受信された印刷データである場合において、第2の印刷データに基づく印刷処理が印刷装置で実行された場合に、第1の印刷データに関する処理を実行するように第1のサーバ装置が制御される。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって前記サーバ装置とは別のサーバ装置に行われた場合に、該要求に対応するデータが前記別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるように図ることが可能になる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、あるサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求が印刷装置によって前記サーバ装置とは別のサーバ装置に行われた場合に、該要求に対応するデータが別のサーバ装置によって印刷装置に送信されるように図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム1の構成例を示す図である。図1に示す印刷システム1は、複数のサーバ装置(第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10b)と、複数の印刷装置20と、複数の情報処理装置30と、を含んで構成されている。なお、図1に示す印刷システム1には二つのサーバ装置(第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10b)が含まれているが、三つ以上のサーバ装置が含まれるようにしてもよい。
【0018】
第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bは通信手段を介して相互にデータを授受することが可能になっている。また、各印刷装置20は、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bのそれぞれと通信手段を介してデータを授受することが可能になっている。さらに、各情報処理装置30も、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bのそれぞれと通信手段を介してデータを授受することが可能になっている。
【0019】
第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bは、例えばサーバコンピュータであって、制御部11と記憶部12と通信部13を含んで構成される。
【0020】
制御部11は、例えばCPU等であって、記憶部12に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部12は、例えばRAMやROM等のメモリ素子、ハードディスク等を含んで構成される。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。通信部13は、通信手段を介して他の装置とデータを授受するためのものである。通信部13は、制御部11からの指示に従って他の装置にデータを送信する。また、通信部13は、他の装置から受信したデータを制御部11に出力する。
【0021】
なお、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bにはプリントスプーラプログラムとWebサーバプログラムとがインストールされており、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bはプリントスプーラ機能とWebサーバ機能とを備えている。
【0022】
印刷装置20は、例えばプリンタ機能を備えた画像処理装置である。印刷装置20は、例えばスキャナ機能及びFAX機能を備えていてもよい。印刷装置20は、制御部21と記憶部22と通信部23と表示部24と操作部25と印刷出力部26とカード読み取り部27とを含んで構成される。
【0023】
制御部21は、例えばCPU等であって、記憶部22に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部22は、例えばRAMやROM等のメモリ素子等を含んで構成される。記憶部22は、制御部21によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。通信部23は、通信手段を介して他の装置とデータを授受するためのものである。例えば、通信部23は、制御部21からの指示に従って第1のサーバ装置10aや第2のサーバ装置10bにデータを送信する。また例えば、通信部23は、第1のサーバ装置10aや第2のサーバ装置10bから受信したデータを制御部21に出力する。
【0024】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ等であって、制御部21からの指示に従って画像の表示を行う。操作部25は、例えばタッチパネルやボタン等であって、ユーザの指示操作を受け付けて、当該指示操作の内容を制御部21に出力する。印刷出力部26は、制御部21から入力される印刷データに基づいて印刷処理を実行する。カード読み取り部27は、例えばICカード等に記録された情報を読み取るためのものである。例えば、カード読み取り部27は、ユーザに関する情報(例えばユーザID等)をICカードから読み取るために用いられる。
【0025】
なお、各印刷装置20の記憶部22にはWebブラウザプログラムが記憶されており、各印刷装置20はWebブラウザ機能を備えている。
【0026】
情報処理装置30は例えばパーソナルコンピュータである。情報処理装置30には各種アプリケーションプログラムがインストールされており、情報処理装置30は例えば文書データの作成や参照等に用いられる。
【0027】
ここで、印刷システム1において文書データ等の印刷を行う場合の基本的な手順について説明する。
【0028】
まず、ユーザは文書データ等の印刷指示操作を情報処理装置30において実行する。この操作が行われると、情報処理装置30に内蔵されたプリンタドライバによって、文書データがページ記述言語(PDL)で記述された文書データに変換される。そして、このページ記述言語で記述された文書データと各種印刷設定情報(例えば用紙のサイズやカラーの有無等)とを含んでなる印刷データが、印刷指示操作を行ったユーザに関する情報(例えばユーザID等)とともに、例えば負荷分散装置(図示せず)を介して、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bのいずれか一方に供給される。第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bは、受信した印刷データをプリントスプーラ機能によって記憶部12(ハードディスク)に蓄積する。
【0029】
その後、ユーザは印刷装置20の設置場所まで行き、自らの情報(例えばユーザID等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせることによって、自らの情報を印刷装置20に入力する。カード読み取り部27によってユーザの情報が読み取られると、そのユーザの印刷データ(すなわち、そのユーザに関連づけられた印刷データ)の一覧を表す一覧画面が表示部24に表示される。そして、この一覧画面においてユーザが印刷データを選択すると、選択された印刷データが印刷装置20に供給され、その印刷データに基づく印刷処理が実行される。こうして、文書データ等が印刷装置20において印刷出力される。
【0030】
以下、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bが実現する機能について説明する。図2に示すように、第1のサーバ装置10a及び第2のサーバ装置10bは、それぞれ、印刷データ受信部41と、情報送受信部42と、データ送信部43と、他サーバ装置制御部44と、を機能的に含んで構成される。これらの機能ブロックは、例えば制御部11が記憶部12に格納されるプログラムを実行することによって実現される。このプログラムは、例えばインターネット等の通信手段を介して提供されてもよいし、例えばCD−ROMやDVD−ROM等、各種のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されてもよい。なお、他サーバ装置制御部44は省略してもよい。
【0031】
まず、印刷データ受信部41及び情報送受信部42について説明する。
【0032】
印刷データ受信部41は情報処理装置30から送信される印刷データを受信し、受信した印刷データを記憶部12(ハードディスク)に記憶する。
【0033】
情報送受信部42は、受信した印刷データに関する情報を他のサーバ装置との間で送受信し合う。
【0034】
例えば、第1のサーバ装置10aの情報送受信部42は、第1のサーバ装置10aの印刷データ受信部41によって受信された印刷データに関する情報を第2のサーバ装置10bに送信する。また、第1のサーバ装置10aの情報送受信部42は、第2のサーバ装置10bの印刷データ受信部41によって受信された印刷データに関する情報を第2のサーバ装置10bから受信する。
【0035】
また例えば、第2のサーバ装置10bの情報送受信部42は、第2のサーバ装置10bの印刷データ受信部41によって受信された印刷データに関する情報を第1のサーバ装置10aに送信する。また、第2のサーバ装置10bの情報送受信部42は、第1のサーバ装置10aの印刷データ受信部41によって受信された印刷データに関する情報を第1のサーバ装置10aから受信する。
【0036】
「印刷データに関する情報」には例えば下記のような情報が含まれる。
(1)印刷データの識別情報(ID)
(2)印刷データ名
(3)印刷データで用いられているページ記述言語(PDL)の種別
(4)印刷データのサイズ
(5)印刷データに関連づけられたユーザ(すなわち、印刷指示操作を行ったユーザ)に関する情報
(6)印刷データを送信した情報処理装置30の識別情報(例えばIPアドレスやホスト名等)
(7)印刷データを受信したサーバ装置の識別情報(例えばIPアドレスやホスト名等)
【0037】
印刷データ受信部41及び情報送受信部42の動作の詳細について説明する。図3は、情報処理装置30において印刷指示操作が行われた場合に印刷システム1で実行される処理の一例を説明するための図である。なお、図3は、情報処理装置30から第2のサーバ装置10bに印刷データが送信される場合に実行される処理を示している。
【0038】
図3に示すように、情報処理装置30において印刷指示操作が行われた場合、印刷データが、例えば負荷分散装置を介して、いずれかのサーバ装置(ここでは第2のサーバ装置10b)に送信される(S101)。
【0039】
第2のサーバ装置10b(印刷データ受信部41)は、情報処理装置30から送信される印刷データを受信し、受信した印刷データを記憶部12(ハードディスク)に記憶する(S102)。また、第2のサーバ装置10bは、受信した印刷データに関する情報を、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルに登録する(S103)。
【0040】
図4は、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルの一例を示す図である。印刷データテーブルは印刷データを管理するためのデータであり、印刷データテーブルの一つのレコードは一つの印刷データに対応する。図4に示す印刷データテーブルは、「ID」、「印刷データ名」、「PDL種別」、「データ量」、「ユーザID」、「送信元装置ID」、「受信サーバ装置ID」、及び「受信日時」フィールドを含む。「ID」フィールドには、印刷データを一意に識別するための識別情報が記憶され、「印刷データ名」フィールドには、印刷データの名称が記憶される。印刷データの名称は、例えば印刷対象の文書データ等のファイル名に基づいて設定される。「PDL種別」フィールドにはページ記述言語の種別が記憶され、「データ量」フィールドには印刷データのデータ量が記憶される。「ユーザID」フィールドには、印刷データに関連づけられるユーザ(すなわち、印刷指示操作を行ったユーザ)を一意に識別するための情報が記憶される。「送信元装置ID」フィールドには、印刷データを送信した情報処理装置30を一意に識別する情報が記憶される。例えば印刷データを送信した情報処理装置30のIPアドレス又はホスト名等が「送信元装置ID」フィールドに記憶される。「受信サーバ装置ID」フィールドには、印刷データを受信したサーバ装置を識別する情報が記憶される。例えば印刷データを受信したサーバ装置のIPアドレス又はホスト名等が「受信サーバ装置ID」フィールドに記憶される。図4に示す例では、印刷データを受信したサーバ装置のIPアドレスが「受信サーバID」フィールドに記憶されている。図4に示す例において、「192.168.0.11」は第1のサーバ装置10aのIPアドレスであり、「192.168.0.12」は第2のサーバ装置10bのIPアドレスである。また、「受信日時」フィールドには、印刷データがサーバ装置によって受信された日時が記憶される。
【0041】
なお、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルには、第2のサーバ装置10bが受信した印刷データだけではなく、他のサーバ装置(第1のサーバ装置10a)が受信した印刷データに関する情報も登録されるようになっている。第1のサーバ装置10aと第2のサーバ装置10bとの間では、それぞれのサーバ装置で受信された印刷データに関する情報が互いに授受されるようになっているからである。また、第1のサーバ装置10aの記憶部12にも、図4に示す印刷データテーブルと同じデータ構造を有する印刷データテーブルが記憶される。
【0042】
第2のサーバ装置10b(情報送受信部42)は、受信した印刷データに関する情報を印刷データテーブルに登録した後、「第2のサーバ装置10bによって受信され、かつ、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶されている印刷データ」の一覧を示す一覧データを第1のサーバ装置10aに送信する(S104)。この一覧データは、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶されている印刷データテーブルから、「受信サーバ装置ID」フィールドが第2のサーバ装置10bを示しているレコードを抽出することによって生成される。このため、この一覧データは、「第2のサーバ装置10bにおいて受信され、かつ、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶されている印刷データ」に関する情報(ID、印刷データ名、PDL種別、データ量、ユーザID、送信元装置ID、受信サーバ装置ID、及び受信日時)を含むデータになる。
【0043】
第1のサーバ装置10a(情報送受信部42)は、第2のサーバ装置10bから一覧データを受信し、受信した一覧データに基づいて、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルを更新する(S105)。具体的には、まず、「第2のサーバ装置10bによって受信され、かつ、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データ」に対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。すなわち、「受信サーバ装置ID」フィールドが第2のサーバ装置10bを示しているレコードが削除される。その後、受信した一覧データの内容が印刷データテーブルに登録される。このようにして、「第2のサーバ装置10bによって受信され、かつ、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データ」に関する情報が、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて最新の状態に更新される。さらに、この場合、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時として現在日時が第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される。以上で処理は終了する。
【0044】
なお、以上では、第2のサーバ装置10bが印刷データを受信した場合に実行される処理の一例について説明したが、第1のサーバ装置10aが印刷データを受信した場合にも同様の処理が実行される。第1のサーバ装置10a(印刷データ受信部41)が印刷データを受信した場合には、その印刷データが第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶されるとともに、その印刷データに関する情報が、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルに登録される。その後、第1のサーバ装置10a(情報送受信部42)は、「第1のサーバ装置10aによって受信され、かつ、第1のサーバ装置10aに記憶される印刷データ」の一覧を示す一覧データを第2のサーバ装置10bに送信する。そして、第2のサーバ装置10b(情報送受信部42)は、第1のサーバ装置10aから一覧データを受信し、受信した一覧データに基づいて、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルを更新する。その結果、「第1のサーバ装置10aによって受信され、かつ、第1のサーバ装置10aに記憶される印刷データ」に関する情報が、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて最新の状態に更新される。
【0045】
ところで、一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが他のサーバ装置に送信されるタイミングは、該一のサーバ装置において印刷データが受信された場合に限られない。
【0046】
例えば、一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが予め定められた時間ごとに他のサーバ装置に送信されるようにしてもよい。また、一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが予め定められた時点において他のサーバ装置に送信されるようにしてもよい。
【0047】
また例えば、一のサーバ装置の負荷が予め定められた基準よりも低い場合に、該一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが他のサーバ装置に送信されるようにしてもよい。
【0048】
また例えば、一のサーバ装置に対して他のサーバ装置から要求された場合に、該一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが該他のサーバ装置に送信されるようにしてもよい。
【0049】
また例えば、一のサーバ装置に記憶される印刷データが削除された場合に、該一のサーバ装置に記憶される印刷データの一覧データが他のサーバ装置に送信されるようにしてもよい。なお、印刷データは、その印刷データに基づく印刷処理が印刷装置20で実行された場合に削除される。また、印刷データは、その印刷データに対する削除指示操作が印刷装置20又は情報処理装置30で行われた場合に削除される。
【0050】
次に、データ送信部43について説明する。データ送信部43は、他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置20から受け付けた場合、記憶部12に記憶される印刷データテーブルに登録された「他のサーバ装置が受信した印刷データに関する情報」に基づくデータを印刷装置20に送信する。例えば、本実施形態の場合、「他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求」とは、あるユーザの印刷データの一覧を示す一覧データの要求である。この要求は、ユーザが、自らの情報(例えばユーザID等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせた場合に、例えば負荷分散装置を介して、いずれかのサーバ装置に送信される。
【0051】
データ送信部43の動作の詳細について説明する。図5は、あるユーザが、自らの情報(例えばユーザID等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせた場合に印刷システム1で実行される処理の一例を説明するための図である。なお、ここでは具体的な例として、ユーザXが、自らの情報(例えばユーザID等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせた場合に実行される処理について説明する。
【0052】
なお、本実施形態の場合、印刷装置20ではWebブラウザ機能によって、第1のサーバ装置10a(又は第2のサーバ装置10b)への要求が実行され、第1のサーバ装置10a(又は第2のサーバ装置10b)ではWebサーバ機能によって、印刷装置20からの要求の受付及びその要求に対する応答が実行される。
【0053】
図5に示すように、ユーザXが、自らの情報(例えばユーザID等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせた場合、印刷装置20は、ユーザXのユーザIDを送信することによって、ユーザXの印刷データの一覧を示す一覧データXを要求する(S201)。
【0054】
一覧データXの要求を受け付けた第1のサーバ装置10aは、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルを参照し、第1のサーバ装置10aに記憶されているユーザXの印刷データの一覧を取得する(S202)。
【0055】
その後、第1のサーバ装置10aは、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時から予め定められた基準時間(例えば10分)が経過しているか否かを判定する(S203)。なお、上述したように、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時は記憶部12に記憶されている。
【0056】
第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時から基準時間が経過している場合、第1のサーバ装置10aは、第2のサーバ装置10bとの通信状態が予め定められた状態であるか否かを判定する。すなわち、第1のサーバ装置10aは、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生している状態であるか否かを判定する(S204)。ここで、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生している状態には、例えば、第2のサーバ装置10b自体に障害が生じている状態と、第2のサーバ装置10bとの間の通信手段に障害が生じている状態と、が含まれる。
【0057】
例えば、第1のサーバ装置10aは、予め定められた時間ごとにテストデータを第2のサーバ装置10bに送信し、テストデータが第2のサーバ装置10bから予め定められた時間内に戻ってくるか否かを判定する。そして、テストデータが予め定められた期間内に第2のサーバ装置10bから返信されてきた場合、第2のサーバ装置10bとの通信状態が正常な状態であると判定される。一方、テストデータが予め定められた期間内に第2のサーバ装置10bから返信されてこなかった場合には、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生しており、第2のサーバ装置10bとの通信状態が正常な状態でないと判定される。
【0058】
第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していない場合(S204:N)、第1のサーバ装置10aは、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データの一覧を示す一覧データを送信するように第2のサーバ装置10bに要求する(S205)。この要求を受け付けた第2のサーバ装置10bは、要求された一覧データを印刷データテーブルから取得し、第1のサーバ装置10aに送信する(S206)。
【0059】
第2のサーバ装置10bから一覧データを受信した第1のサーバ装置10aは、その一覧データに基づいて印刷データテーブルを更新する(S207)。この処理は図3のS105の処理と同様に実行される。この場合、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データに関する情報が最新の状態に更新されることになる。さらに、この場合、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時が現在日時に更新される。
【0060】
その後、第1のサーバ装置10aは、S207で更新された後の印刷データテーブルを参照し、第2のサーバ装置10bに記憶されているユーザXの印刷データの一覧を取得する(S208)。そして、第1のサーバ装置10aは、S202で取得された、第1のサーバ装置10aに記憶されているユーザXの印刷データの一覧と、S208で取得された、第2のサーバ装置10bに記憶されているユーザXの印刷データの一覧と、に基づいて、一覧データXを生成し(S209)、一覧データXを印刷装置20に送信する(S210)。一覧データXを受信した印刷装置20は、ユーザXの印刷データの一覧を示す一覧画面を表示部24に表示する(S211)。図6は、この場合の一覧画面の一例を示す。なお、本実施形態の場合、一覧データXは、一覧画面を印刷装置20のWebブラウザ機能によって表示できるように、HTML形式のデータとして生成される。
【0061】
一方、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最新受信日時から基準時間が経過していない場合(S203:N)や、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生している場合(S204:Y)、第1のサーバ装置10aは、S205〜S207の処理を実行せずに、印刷データテーブルを参照して、第2のサーバ装置10bに記憶されているユーザXの印刷データの一覧を取得する(S208)。そして、第1のサーバ装置10a(データ送信部43)は、S202で取得された、第1のサーバ装置10aに記憶されているユーザXの印刷データの一覧と、S208で取得された、第2のサーバ装置10bに記憶されているユーザXの印刷データの一覧と、に基づいて、一覧データXを生成し(S209)、生成した一覧データXを印刷装置20に送信する(S210)。一覧データXを受信した印刷装置20は、ユーザXの印刷データの一覧を示す一覧画面を表示部24に表示する(S211)。図7は、この場合の一覧画面の一例を示す。なお、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生している場合には、図7に示す一覧画面における「文書F」の印刷データのように、第2のサーバ装置10bに記憶される印刷データに関し、「印刷不可」と表示され、ユーザXが選択できないようになる。
【0062】
図6及び図7に示す一覧画面において、ユーザXは、印刷出力させたい印刷データを選択する。ここで、一覧画面においてユーザXがいずれかの印刷データを選択した場合に印刷システム1で実行される処理について説明する。図8及び図9は本処理の一例を説明するための図である。なお以下では、一覧画面でユーザXが選択した印刷データのことを「印刷データX」と記載する。
【0063】
図8に示すように、印刷装置20は、印刷データXのIDを第1のサーバ装置10aに送信することによって、第1のサーバ装置10aに印刷データXを要求する(S301)。この要求を受け付けた第1のサーバ装置10aは、印刷データXが第1のサーバ装置10aに記憶されている印刷データであるか否かを判定する(S302)。この判定は、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶されている印刷データテーブルに基づいて実行される。
【0064】
印刷データXが第1のサーバ装置10aに記憶されている印刷データでない場合、すなわち、印刷データXが第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データである場合、第1のサーバ装置10aは、印刷データXのIDを第2のサーバ装置10bに送信することによって、第2のサーバ装置10bに印刷データXを要求する(S303)。この要求を受け付けた第2のサーバ装置10bは、印刷データXを記憶部12から読み出し、第1のサーバ装置10aに送信する(S304)。また、印刷データXを受信した第1のサーバ装置10aは、要求元の印刷装置20に印刷データXを送信する(S305)。
【0065】
印刷データXを受信した印刷装置20は、印刷データXに基づく印刷処理を実行する(S306)。その結果、文書データ等が印刷出力される。印刷データXに基づく印刷処理が完了した場合には、その旨を示す完了通知が第1のサーバ装置10aを介して第2のサーバ装置10bに供給される(S307,S308)。なお、完了通知には印刷データXのIDが含まれる。
【0066】
完了通知を受け取った第2のサーバ装置10bは印刷データXを削除する(S309)。この場合、印刷データXに対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。さらに、この場合、第2のサーバ装置10bは、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データの一覧を示す一覧データを印刷データテーブルから取得し、第1のサーバ装置10aに送信する(S310)。
【0067】
第2のサーバ装置10bから一覧データを受信した第1のサーバ装置10aは、その一覧データに基づいて、印刷データテーブルを更新する(S311)。この処理は図3のS105の処理と同様に実行される。この場合、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データに関する情報が、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて最新の状態に更新されることになる。さらに、この場合、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時が現在日時に更新される。
【0068】
ところで、印刷データXが第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データである場合、印刷装置20は、第1のサーバ装置10aを介さずに、第2のサーバ装置10bに印刷データXを要求するようにしてもよい。また、この場合、第2のサーバ装置10bは、第1のサーバ装置10aを介さずに、要求元の印刷装置20に印刷データXを送信するようにしてもよい。さらに、この場合、印刷データXに基づく印刷処理を完了したことを示す完了通知も、第1のサーバ装置10aを介さずに、第2のサーバ装置10bに送信されるようにしてもよい。
【0069】
一方、S302において印刷データXが第1のサーバ装置10aに記憶されている印刷データであると判定された場合、図9に示すように、第1のサーバ装置10aは印刷データXを記憶部12から読み出し、要求元の印刷装置20に送信する(S401)。
【0070】
印刷データXを受信した印刷装置20は、印刷データXに基づく印刷処理を実行する(S402)。その結果、文書データ等が印刷出力される。印刷データXに基づく印刷処理が完了した場合には、その旨を示す完了通知が第1のサーバ装置10aに送信される(S403)。なお、完了通知には印刷データXのIDが含まれる。
【0071】
完了通知を受け取った第1のサーバ装置10aは、印刷データXと予め定められた関係を有する印刷データが第2のサーバ装置10bに記憶されているか否かを判定する(S404)。「予め定められた関係」とは、印刷データXと同じ文書データ等に基づく印刷データであると推測されるような関係である。より具体的には、「印刷データXと予め定められた関係を有する印刷データ」とは、例えば、「印刷データ名」、「データ量」、及び「ユーザID」が印刷データXと同じであるような印刷データである。
【0072】
印刷データXと予め定められた関係を有する印刷データ(以下「印刷データY」と記載する。)が第2のサーバ装置10bに記憶されている場合、第1のサーバ装置10aは、印刷データXが、第2のサーバ装置10bとの通信状態が予め定められた状態であった期間内に受信された印刷データであるか否かを判定する。すなわち、第1のサーバ装置10aは、印刷データXが、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していた期間内に受信された印刷データであるか否かを判定する(S405)。なお、第1のサーバ装置10aは、予め定められた時間ごとにテストデータを第2のサーバ装置10bに送信し、テストデータが第2のサーバ装置10bから予め定められた時間内に戻ってくるか否かを判定することによって、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生しているか否かを監視するようになっている。そして、第1のサーバ装置10aは、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していた期間を記憶部12に記憶するようになっている。このステップ(S405)では、印刷データXの受信日時が印刷データテーブルから取得され、印刷データXの受信日時が、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していた期間内であるか否かが判定される。
【0073】
印刷データXが、第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していた期間内に受信された印刷データである場合、第1のサーバ装置10a(他サーバ装置制御部44)は、印刷データYに関する処理を実行するように第2のサーバ装置10bを制御する。より具体的には、第1のサーバ装置10aは、印刷データYのIDを第2のサーバ装置10bに送信することによって、印刷データYの削除を第2のサーバ装置10bに指示する(S406)。なお、この時点で第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生している場合には、第2のサーバ装置10bとの通信が正常な状態に回復した後に、第1のサーバ装置10aは、印刷データYのIDを第2のサーバ装置10bに送信することによって、印刷データYの削除を第2のサーバ装置10bに指示する。
【0074】
印刷データYの削除指示を受け付けた第2のサーバ装置10bは、印刷データYを削除する(S407)。この場合、印刷データYに対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。
【0075】
ところで、例えば、図7に示す一覧画面では、「文書F」の印刷データが記憶されている第2のサーバ装置10bとの通信に障害が発生していることによって、「文書F」の印刷データが「印刷不可」になっている。このような場合、「文書F」の印刷を実行したいユーザは、「文書F」の印刷指示操作を情報処理装置30において再度実行するものと考えられる。その場合、「文書F」の印刷データが、通信状態が正常である他のサーバ装置(この場合、第1のサーバ装置10a)に送信され、そのサーバ装置に記憶されることになる。すなわち、「文書F」の印刷データが第1のサーバ装置10aと第2のサーバ装置10bとの両方に記憶されることになる。このような状態で、ユーザが、第1のサーバ装置10aに記憶される「文書F」の印刷データを一覧画面において選択し、「文書F」の印刷データに基づく印刷処理が実行された場合、S404及びS405の条件が満足されることになる。その結果、S406及びS407の処理が実行され、第2のサーバ装置10bに記憶されている「文書F」の印刷データが、すでに不要になった印刷データとして削除されるようになる。
【0076】
第2のサーバ装置10bに記憶される印刷データYが削除された場合、第2のサーバ装置10bは、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データの一覧を示す一覧データを印刷データテーブルから取得し、第1のサーバ装置10aに送信する(S408)。
【0077】
第2のサーバ装置10bから一覧データを受信した第1のサーバ装置10aは、その一覧データに基づいて、印刷データテーブルを更新する(S409)。この処理は図3のS105の処理と同様に実行される。この場合、第1のサーバ装置10aの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて、第2のサーバ装置10bに記憶されている印刷データに関する情報が最新の状態に更新されることになる。さらに、この場合、第2のサーバ装置10bからの一覧データの最終受信日時が現在日時に更新される。
【0078】
また、第1のサーバ装置10aは印刷データXを削除する(S410)。この場合、印刷データXに対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。さらに、第1のサーバ装置10aは、第1のサーバ装置10aに記憶されている印刷データの一覧を示す一覧データを印刷データテーブルから取得し、第2のサーバ装置10bに送信する(S411)。
【0079】
第1のサーバ装置10aから一覧データを受信した第2のサーバ装置10bは、その一覧データに基づいて、印刷データテーブルを更新する(S412)。この場合、第2のサーバ装置10bの記憶部12に記憶される印刷データテーブルにおいて、第1のサーバ装置10aに記憶されている印刷データに関する情報が最新の状態に更新されることになる。さらに、この場合、第1のサーバ装置10aからの一覧データの最終受信日時が現在日時に更新される。以上で処理は終了する。
【0080】
以上説明した本実施形態によれば、例えば、ユーザXの印刷データの一覧データが印刷装置によって要求された場合において、あるサーバ装置との通信に障害が生じている場合であっても、該サーバ装置に記憶されているユーザXの印刷データの一覧を含む一覧データが印刷装置に送信されるようになる。
【0081】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0082】
例えば、以上に説明した処理はいずれも一例であって、以上に説明した方法とは異なる方法によって実現されることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るサーバ装置が実現する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】印刷システムで実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図4】印刷データテーブルの一例を示す図である。
【図5】印刷システムで実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図6】一覧画面の一例を示す図である。
【図7】一覧画面の他の一例を示す図である。
【図8】印刷システムで実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図9】印刷システムで実行される処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0084】
1 印刷システム、10a 第1のサーバ装置、10b 第2のサーバ装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、20 印刷装置、21 制御部、22 記憶部、23 通信部、24 表示部、25 操作部、26 印刷出力部、27 カード読み取り部、30 情報処理装置、41 印刷データ受信部、42 情報送受信部、43 データ送信部、44 第1のデータ送信部、45 第2のデータ送信部、44 他サーバ装置制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
情報処理装置から送信される印刷データを受信する他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段と、
前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段と、
前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段と、
を含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記データ送信手段は、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する前記要求を前記印刷装置から受け付けた場合において、前記他のサーバ装置との通信状態が予め定められた状態である場合、前記記憶手段に予め記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記データ送信手段は、前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する前記要求を前記印刷装置から受け付けた場合において、前記他のサーバ装置から前記情報を受信してからの経過時間が基準時間未満である場合に、前記記憶手段に予め記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信する手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記他のサーバ装置が受信した第1の印刷データと、前記印刷データ受信手段によって受信された第2の印刷データと、が予め定められた関係を有し、かつ、前記第2の印刷データが、前記他のサーバ装置との通信状態が予め定められた状態であった期間内に受信された印刷データである場合において、前記第2の印刷データに基づく印刷処理が前記印刷装置で実行された場合に、前記第1の印刷データに関する処理を実行するように前記他のサーバ装置を制御する他サーバ装置制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
複数のサーバ装置と、印刷装置と、を含み、
前記複数のサーバ装置は、それぞれ、
情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
前記複数のサーバのうちの他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段と、
前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段と、
前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段と、を含む、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
情報処理装置から送信される印刷データを受信する印刷データ受信手段、
情報処理装置から送信される印刷データを受信する他のサーバ装置との間で、受信した印刷データに関する情報を送受信し合う情報送受信手段、
前記他のサーバ装置から受信した前記情報を記憶手段に記憶させる手段、及び、
前記他のサーバ装置が受信した印刷データに関連する要求を印刷装置から受け付けた場合、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づくデータを前記印刷装置に送信するデータ送信手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−218202(P2010−218202A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64071(P2009−64071)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】