説明

サーバ装置、対応付け方法、及び携帯機器用プログラム

【課題】ユーザを識別するための識別情報をユーザに発行しなくても、カラオケシステムのセキュリティを保ちながら携帯機器とカラオケ装置との対応付けを可能とする。
【解決手段】サーバ装置は、カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり予め定められた時間間隔で変化する権限情報の出力指令を、カラオケ装置または選曲装置の少なくとも何れか一方に送信し、携帯機器から、権限情報と、カラオケ装置を識別する識別情報であり携帯機器により取得された識別情報とを受信し、受信された権限情報と識別情報とに基づいて、権限情報が識別情報により識別されるカラオケ装置の利用権限があることを示すかを判定し、権限情報が識別情報により識別されるカラオケ装置の利用権限があることを示すと判定された場合、権限情報を送信した携帯機器と、識別情報により識別されるカラオケ装置とを対応付ける処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ曲の選曲に用いられるリモコンと、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、を備えるカラオケシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なカラオケシステムにおいて、リモコンとカラオケ装置との間の通信による誤動作を防ぐために、一般的に、例えばカラオケボックスにおける同室内に設置されたリモコンとカラオケ装置とは、対応付けが行われている。この対応付けにより、ある部屋のリモコンから発信されたコマンド信号が、他室のカラオケ装置により受信されず、対応付けされたカラオケ装置に送信することができる。なお、対応付けは、くくり付け、又はペアリングとも呼ばれる。このような対応付けに関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術では、赤外線通信により、信号の送信先のコマンダを認証し、認証できない場合に、リモコンとコマンダとの対応付けを解除することにより、コマンダの誤動作を防止することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−159557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のスマートフォン等の携帯機器の普及により、ユーザは携帯機器でカラオケ曲の予約を含む操作処理を行いたいという要望がある。例えば、操作処理の1つである予約処理を例に挙げて、以下説明する。携帯機器でカラオケ曲を予約するためには、携帯機器とカラオケ装置との対応付けが必要となる。
【0005】
しかしながら、携帯機器とカラオケ装置との対応付けを不用意に行うと、カラオケシステムのセキュリティが低下する場合がある。その一方で、セキュリティを高める方法として、携帯機器とカラオケ装置との対応付けの際に、予めユーザに対して発行された専用の識別情報を用いてログイン認証することが考えられる。しかしながら、この場合は、ユーザが識別情報を取得するための手間等が発生する。従って、識別情報を取得することがユーザの負担となるため、ユーザにとって利便性が低下する場合がある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ユーザを識別するための識別情報をユーザに発行しなくても、カラオケシステムのセキュリティを保ちながら携帯機器とカラオケ装置との対応付けを可能とするサーバ装置、対応付け方法、及び携帯機器用プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置とから構成されるカラオケシステムにおけるサーバ装置において、前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり予め定められた時間間隔で変化する権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信するする送信手段と、前記携帯機器から、権限情報と、前記カラオケ装置を識別する識別情報であり前記携帯機器により取得された識別情報とを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記権限情報と前記識別情報とに基づいて、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すかを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと判定された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行する対応付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記送信手段は、前記カラオケ装置の利用権限があることを示す前記権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置に対応付けられた前記選曲装置に送信することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記受信手段は、さらに前記カラオケ装置の管理に用いられる管理装置から、前記カラオケ装置の利用開始または利用停止の何れかを示す通知情報を受信し、前記送信手段は、前記受信手段により利用開始を示す前記通知情報が受信されたとき、前記出力指令を送信し、前記受信手段により利用停止を示す前記通知情報が受信されたとき、前記権限情報の出力の制限指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記受信手段は、カラオケに関する所定のサービスの利用が許可されたユーザを識別する第2識別情報と、前記権限情報及び前記識別情報との何れかを前記携帯機器から受信し、前記対応付け手段は、前記受信手段により前記第2識別情報が受信された場合、前記第2識別情報に基づいて、前記第2識別情報を送信した前記携帯機器と、前記第2識別情報により識別されるユーザが対応付けられている前記カラオケ装置とを、対応付ける処理を実行し、前記受信手段により前記権限情報及び前記識別情報が受信された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置とから構成されるカラオケシステムにおけるサーバ装置により実行される対応付け方法において、前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり予め定められた時間間隔で変化する権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信するする送信ステップと、前記携帯機器から、権限情報と、前記カラオケ装置を識別する識別情報であり前記携帯機器により取得された識別情報とを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された前記権限情報と前記識別情報とに基づいて、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと判定された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行する対応付けステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムにおける前記携帯機器に含まれるコンピュータに、前記携帯機器のユーザが利用する前記カラオケ装置を識別する識別情報と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方から予め定められた時間間隔で変化するように出力された権限情報とを取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記識別情報及び前記権限情報を前記サーバ装置へ送信する第1送信ステップと、前記送信ステップにより送信された前記権限情報が前記送信ステップにより送信された前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと前記サーバ装置により判定されることにより前記識別情報により識別される前記カラオケ装置と前記携帯機器とが前記サーバ装置により対応付けられたことを示す通知情報を前記サーバ装置から受信する受信ステップと、前記受信ステップにより前記通知情報が受信された場合、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作要求を、前記サーバ装置へ送信する第2送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、5または6に記載の発明によれば、カラオケ装置と対応付ける携帯機器を、そのカラオケ装置または選曲装置から出力された権限情報を携帯電話機から送信することができる範囲内にいるユーザの携帯機器に限定することができる。そのため、ユーザに専用の識別情報を発行しなくても、カラオケシステムのセキュリティを保ちながら携帯機器とカラオケ装置との対応付けが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、権限情報が選曲装置から出力されるので、カラオケ装置が権限情報を出力することでカラオケ装置により別の情報を出力することが妨げられることを防ぐことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、カラオケ装置の利用が許可されていないときには、権限情報が出力されないようにすることができる。そのため、カラオケ装置の利用が許可されていないユーザの携帯機器とカラオケ装置とが対応付けられることを防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、識別情報を取得しているユーザは、識別情報を用いて、カラオケに関するサービスを携帯機器で利用することができる。また、識別情報を取得していないユーザも、カラオケに関するサービスを携帯機器で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。
【図2】ゲストユーザの携帯端末T1とコマンダ2との対応付けの動作を示すシーケンス図である。
【図3】(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。(D)は、携帯端末T1の概要構成例を示すブロック図である。
【図4】携帯端末T1の制御部41の処理例を示すフローチャートである。
【図5】管理サーバ3の制御部31の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、例えばカラオケ店舗において利用されるカラオケシステムに対して、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0019】
[1.カラオケシステムの構成及び動作の概要]
始めに、図1を参照して、本実施形態におけるカラオケシステムの構成の概要について説明する。図1は、本実施形態におけるカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。なお、図1に示す例では、説明の便宜上、カラオケ店舗のカラオケルーム(客室)を1室のみ示し、リモコン1及びカラオケ装置2をそれぞれ1台ずつ示している。なお、カラオケ装置を、以下、「コマンダ」という。
【0020】
図1に示すように、カラオケシステムSは、リモコン1、コマンダ2、及び管理サーバ3を含んで構成される。管理サーバ3には、それぞれカラオケ店舗の利用者であるユーザにより所有される携帯端末T1〜4が携帯基地局B及びネットワークNWを介して接続可能になっている。なお、以下では、携帯端末T1〜4を代表して、携帯端末T1について説明する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、携帯通信網、及びゲートウェイ等により構成される。各カラオケ店舗には、有線LAN、アクセスポイントAP、及びルータRが設置されている。各カラオケルームに設置されたコマンダ2は、それぞれ有線LAN(Local Area Network)に接続されている。アクセスポイントAPは、有線LANと無線LANとを相互接続するための通信機器である。各リモコン1は、無線LAN、及びアクセスポイントAPを介して、有線LANに接続することができる。また、同一の店舗のリモコン1とコマンダとは、無線LAN、及び有線LANを介して互いに通信が可能である。また、リモコン1と管理サーバ3とは、無線LAN、有線LAN、ルータR、及びインターネットを介して互いに通信が可能である。また、コマンダ2と管理サーバ3とは、有線LAN、ルータR、及びインターネットを介して互いに通信が可能である。
【0021】
リモコン1は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置である。なお、リモコン1は、ナビ端末又は検索端末ともいう。リモコン1には、リモコンIDが付与されている。リモコンIDは、リモコン1を識別するための識別情報である。リモコンIDは、リモコン1を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよい。例えばリモコン1に割り当てられたIPアドレスがリモコンIDとされても良い。各リモコン1は、同じカラオケルーム内に設置されたコマンダ2との間で対応付けが行われている。なお、対応付けは、くくり付け、又はペアリングとも呼ばれる。リモコン1は、赤外線通信により、リモコン1と対応付け状態にあるコマンダ2へ各種指令を送信することができる。例えば、リモコン1は、ユーザにより選曲されたカラオケ曲の予約指令を送信する。この予約指令には、選曲されたカラオケ曲のカラオケ曲番号が含まれる。カラオケ曲番号は、カラオケ曲を一意に識別するための識別番号である。また、リモコン1は、無線LANを介してコマンダ2へ指令を送信することもできる。
【0022】
ユーザは、リモコン1に対してログイン操作を行うことにより、カラオケシステムSにログインすることができる。ログイン操作においては、ユーザのカラオケ用ユーザID及びパスワードが入力される。カラオケ用ユーザIDは、例えばカラオケシステムSを利用するために会員登録を行ったユーザに対して発行される識別情報である。ユーザは、リモコン1からログインすることにより、カラオケシステムSの会員専用のサービスを利用することができる。なお、カラオケシステムSに会員登録していないユーザを、「ゲストユーザ」という。
【0023】
次に、コマンダ2は、予約されたカラオケ曲を演奏する演奏装置である。コマンダ2には、コマンダIDが付与されている。コマンダIDは、コマンダ2を識別するための識別情報である。コマンダIDは、コマンダ2を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよい。例えばコマンダ2に割り当てられたIPアドレスがコマンダIDとされても良い。また、コマンダ2は、赤外線通信によりリモコン1から送信された各種指令を受信する。例えば、コマンダ2は、予約指令を受信すると、予約指令に含まれるカラオケ曲番号等を演奏予約リストに登録する。演奏予約リストには、例えば、カラオケ曲番号が予約順に登録される。なお、リストへの「登録」は「記録」ともいう。コマンダ2は、演奏予約リストに登録されたカラオケ曲番号の順に、カラオケ曲の演奏を行う。また、コマンダ2は、ユーザのカラオケ曲の歌唱に対して採点処理を行う。この採点処理は、ユーザによって採点が指示されたカラオケ曲の演奏時に行われる。コマンダ2は、採点処理により、ユーザの歌唱の良し悪しを示す点数を決定し、その点数を演奏終了時にディスプレイに表示する。また、コマンダ2は、カラオケ曲の演奏に合わせてユーザが歌唱する姿を、カラオケルームに設置されたビデオカメラにより動画撮影させる。この動画撮影は、ユーザによって撮影が指示されたカラオケ曲の演奏時に行われる。コマンダ2は、マイクによって集音されたユーザの歌唱音声の信号と、ユーザが歌唱する姿を撮影した動画の信号とを含む動画データを生成する。そして、コマンダ2は、生成した動画を、ディスプレイに表示したり、管理サーバ3へアップロードしたりする。なお、動画を撮影するサービスは、カラオケシステムSの会員専用のサービスである。
【0024】
次に、管理サーバ3は、本発明のサーバ装置の一例である。管理サーバ3は、インターネットに接続されており、Webサーバとしての機能を有する。また、管理サーバ3は、ユーザのログイン状態等を管理する。また、管理サーバ3は、コマンダ2の採点処理により決定された点数に基づいて、カラオケ曲を歌唱したユーザの順位付けを行う。この順位は、例えば、カラオケシステムSに会員登録しているユーザの中での順位である。また、この順位付けは、例えば、カラオケ曲ごとに行われる。管理サーバ3が順位を決定すると、コマンダ2は、決定された順位を、採点処理により決定した点数とともにディスプレイに表示する。なお、ユーザの歌唱に対して順位を付けるサービスは、カラオケシステムSの会員専用のサービスである。また、管理サーバ3は、コマンダ2からアップロードされた動画データを登録する。携帯端末T1等の端末装置は、管理サーバ3にアクセスすることにより、登録された動画データを再生する。これにより、ユーザは、他のユーザがカラオケ曲を歌唱した姿を撮影した動画を視聴することができる。
【0025】
次に、携帯端末T1は、それぞれ本発明における携帯機器の一例である。携帯端末T1の例としては、スマートフォン、携帯電話機、又はタブレット等が挙げられる。携帯端末T1は、ネットワークNWを介して管理サーバ3へアクセスし、通信することができる。
【0026】
カラオケシステムSにおいては、ユーザが携帯端末T1を操作することにより、カラオケ曲を選曲してコマンダ2に演奏を予約することを可能とさせる。そのため、管理サーバ3が、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けを行う。先ず、ユーザは、リモコン1でログイン操作を行う。すると、リモコン1は、ログイン要求を管理サーバ3へ送信する。このログイン要求は、ユーザにより入力されたカラオケ用ユーザID及びパスワードと、リモコン1と対応付け状態にあるコマンダ2のコマンダIDとを含む。管理サーバ3は、リモコン1からログイン要求を受信すると、ログイン要求に含まれるカラオケ用ユーザID及びコマンダIDを対応付けて、リモコンログインリストに登録する。リモコンログインリストは、リモコン1からログインしたユーザのカラオケ用ユーザIDを登録するリストである。
【0027】
次に、ユーザが携帯端末T1に対してログイン操作を行う。このログイン操作においては、ユーザの携帯端末用ユーザID及びパスワードが入力される。携帯端末用ユーザIDは、例えば、携帯端末T1からアクセス可能な楽曲提供サイトで会員登録を行ったユーザに対して発行される識別情報である。同一のユーザに対して発行されたカラオケ用ユーザIDと携帯端末用ユーザIDとは対応付けられている。この対応付けを示す情報は、登録ユーザリストとして、管理サーバ3に記憶される。登録ユーザリストは、例えばカラオケシステムSを利用するために会員登録されたユーザのユーザ情報を登録するリストである。カラオケ用ユーザIDと携帯端末用ユーザIDとが同一の場合もある。この場合、カラオケ用ユーザIDと携帯端末用ユーザIDとは、特に区別されることなくユーザIDとして用いられる。ログイン操作が行われると、携帯端末T1は、ログイン要求を管理サーバ3へ送信する。このログイン要求には、入力された携帯端末用ユーザID及びパスワードが含まれる。管理サーバ3は、携帯端末T1からログイン要求を受信すると、リモコンログインリストを参照する。そして、管理サーバ3は、ログイン要求に含まれる携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザIDがコマンダIDに対応付けられているか否かを判定する。ここで、携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザIDは、登録ユーザリストから特定される。管理サーバ3は、カラオケ用ユーザIDがコマンダIDに対応付けられている場合には、携帯端末T1とコマンダ2との対応付け処理を実行する。この対応付け処理で、管理サーバ3は、ログイン要求に含まれる携帯端末用ユーザIDと、カラオケ用ユーザIDに対応付けられているコマンダIDとを対応付けて携帯端末ログインリストに登録する。携帯端末ログインリストは、携帯端末T1からログインしたユーザの携帯端末用ユーザIDを登録するリストである。言い換えれば、携帯端末ログインリストは、携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けるためのリストである。携帯端末ログインリストへの登録により、携帯端末T1からのログインが完了し、携帯端末T1とコマンダ2とが対応付けられる。
【0028】
ログインしたユーザの携帯端末T1が管理サーバ3へ要求を送信するとき、その要求には、ユーザの携帯端末用ユーザIDが含まれる。例えば、携帯端末T1は、ユーザにより選曲されたカラオケ曲の予約要求を送信する。予約要求は、本発明の操作要求の一例である。管理サーバ3は、携帯端末T1からの要求を受信すると、要求に含まれる携帯端末用ユーザIDに対応するコマンダIDを、携帯端末ログインリストから取得する。そして、管理サーバ3は、取得したコマンダIDに基づいて、携帯端末T1から受信した要求を、携帯端末T1と対応付け状態にあるコマンダ2へ転送する。なお、携帯端末T1において選曲されたカラオケ曲に対する操作としては、カラオケ曲の予約の操作に限られるもではない。例えば、カラオケ曲の音量を変更する操作や、キーを変更する操作等が可能になっていても良い。携帯端末T1は、これらの操作に応じた要求を管理サーバ3へ送信する。管理サーバ3は、受信した要求をコマンダ2へ転送する。そして、コマンダ2が、受信した要求に応じて、例えば、カラオケ曲の音量を変更したり、キーを変更したりする。
【0029】
ところで、カラオケシステムSに会員登録していないゲストユーザには、カラオケ用ユーザID及び携帯端末用ユーザIDが発行されていない。そこで、カラオケシステムSは、ゲストユーザの携帯端末T1とコマンダ2との対応付けを、上述した方法とは異なる方法で行う。ゲストユーザの携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けるため、管理サーバ3が、リモコン1またはコマンダ2にワンタイム権限情報を表示させる制御を行う。そして、管理サーバ3は、ワンタイム権限情報を用いて、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けを行う。これにより、ゲストユーザであっても、携帯端末T1を用いたカラオケ曲の予約を可能となる。ワンタイム権限情報は、そのワンタイム権限情報を表示するリモコン1と対応付け状態にあるコマンダ2の利用権限を示す情報である。または、ワンタイム権限情報は、そのワンタイム権限情報を表示するコマンダ2の利用権限を示す情報である。また、ワンタイム権限情報は、予め設定された時間間隔でその内容が変化する情報である。ワンタイム権限情報が変化するまでの間に、表示されたワンタイム権限情報を携帯端末T1が取得して管理サーバ3へ送信することで、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けが可能となる。なお、以下では、ワンタイム権限情報をリモコン1に表示させる場合を例として説明する。
【0030】
図2は、ゲストユーザの携帯端末T1とコマンダ2との対応付けの動作を示すシーケンス図である。
【0031】
カラオケ店舗に来店したユーザは、カラオケ店舗の受付で、カラオケルームの利用の手続きをする。カラオケ店舗の従業員は、受付端末4を操作して、ユーザに割り当てるカラオケルームを指定する。すると、図2に示すように、受付端末4は、管理サーバ3へ利用開始通知を送信する(ステップS1)。利用開始通知は、カラオケルームの利用が開始されることを示すメッセージである。利用開始通知には、例えば、従業員が指定したカラオケルームに設置されているコマンダ2のコマンダIDが含まれる。管理サーバ3は、受信した利用開始通知に含まれるコマンダIDが示すコマンダ2と対応付け状態にあるリモコン1に、権限情報表示抑制解除指示を送信する(ステップS2)。権限情報表示抑制解除指示は、ワンタイム権限情報の表示の抑制の解除を指示するメッセージである。リモコン1は、権限情報表示抑制解除指示を受信すると、権限情報表示フラグをONに変更する。権限情報表示フラグは、リモコン1によるワンタイム権限情報を表示が可能な状態であるか否かを示す情報である。権限情報表示フラグがOFFに設定されている場合、ワンタイム権限情報の表示が不可能な状態である。権限情報表示フラグがONに設定されている場合、ワンタイム権限情報の表示が可能な状態である。権限情報表示フラグの初期値はOFFである。
【0032】
従業員に指示されたカラオケルームに入室したユーザは、リモコン1を操作する。リモコン1は、権限情報表示フラグがONに設定されているため、ワンタイム権限情報を表示するためのメニュー項目を表示する。ユーザが、ワンタイム権限情報の表示を選択すると、リモコン1は、ワンタイム権限情報を生成して、後述する表示部15に表示する(ステップS3)。具体的に、リモコン1は、リモコン1と対応付け状態にあるコマンダ2のコマンダIDと、制御部11の時計機能から取得した現在時刻とに基づいて、ワンタイム権限情報を生成する。例えば、1分間隔でワンタイム権限情報を変化させる場合、リモコン1は、コマンダIDと、現在時刻の時、分及び秒のうち、時と分のみを示す情報とを接続して、ワンタイム権限情報の元となる平文を生成する。そして、リモコン1は、例えば、カラオケシステムSにおいて共通のハッシュ関数を用いて平文のハッシュ値を計算する。これにより、リモコン1は、ワンタイム権限情報を生成する。リモコン1は、生成したワンタイム権限情報を表示するとき、例えば、文字で表示しても良い。また、リモコン1は、例えば、ワンタイム権限情報を、バーコード、2次元コード、ウォーターマーク等の画像に変換して表示しても良い。この後、リモコン1は、表示部15に表示されるワンタイム権限情報が予め設定された時間間隔で変化するように、この時間間隔よりも短い周期で、ワンタイム権限情報を生成し直す。そして、リモコン1は、生成し直したワンタイム権限情報を表示部15に表示する。リモコン1の表示部15にワンタイム権限情報が表示されるので、コマンダ2がワンタイム権限情報をディスプレイに表示させる必要がない。そのため、コマンダ2がディスプレイに様々な情報が表示させることがワンタイム権限情報の表示によって妨げられることを防止することができる。なお、管理サーバ3は、権限情報表示抑制解除指示をコマンダ2に送信することにより、コマンダ2によりディスプレイにワンタイム権限情報を表示させても良い。
【0033】
ユーザは、携帯端末T1を操作して、カラオケ用アプリケーションプログラムを起動させる。そして、ユーザは、携帯端末T1を操作して、リモコン1の表示部15に表示されたワンタイム権限情報を携帯端末T1に取得させる(ステップS4)。例えば、ワンタイム権限情報が文字で表示されている場合、ユーザは、携帯端末T1の操作部44を操作して、ワンタイム権限情報を文字入力しても良い。また例えば、ワンタイム権限情報がバーコード、2次元コード、ウォーターマーク等の画像として表示されている場合、ユーザは、携帯端末T1の後述するカメラ48で、表示された画像を撮影しても良い。これにより、ワンタイム権限情報が画像として取得される。携帯端末T1は、取得した画像から、ワンタイム権限情報を復元する。また、ユーザは、ユーザがいる店舗の店舗IDと、ユーザがいるカラオケルームの部屋IDとを携帯端末T1に入力する(ステップS5)。店舗IDは、カラオケ店舗を識別する識別情報である。部屋IDは、カラオケルームを識別する識別情報である。例えば、カラオケ店舗の従業員が、店舗IDと部屋IDをユーザに知らせても良い。携帯端末T1は、取得したワンタイム権限情報、店舗ID及び部屋IDと、携帯端末T1の携帯端末IDとを含む第1対応付け要求を、管理サーバ3へ送信する(ステップS6)。携帯端末IDは、携帯端末T1を識別するための識別情報である。携帯端末IDは、携帯端末T1を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、携帯端末IDは、携帯端末T1が生成したランダムな識別情報であっても良い。
【0034】
管理サーバ3は、第1対応付け要求を受信すると、第1対応付け要求に含まれる店舗ID及び部屋IDに対応するコマンダIDを、コマンダリストから取得する。コマンダリストは、各カラオケルームに設置されているコマンダの情報を登録するリストである。このコマンダリストには、店舗ID、部屋ID及びコマンダIDが対応付けて登録される。コマンダリストに登録されたコマンダIDは、店舗IDが示す店舗において、部屋IDが示すカラオケルームに設置されたコマンダ2のコマンダIDである。店舗IDと部屋IDとの組み合わせにより、店舗ID及び部屋IDにより特定されるカラオケルームに設置されたコマンダ2が識別される。管理サーバ3は、取得したコマンダIDと現在時刻とに基づいて、ワンタイム権限情報を生成する。ワンタイム権限情報の生成方法は、リモコン1によるワンタイム権限情報の生成方法と同様である。そして、管理サーバ3は、生成したワンタイム権限情報と、第1対応付け要求に含まれるワンタイム権限情報とを比較する(ステップS7)。このとき、管理サーバ3は、ワンタイム権限情報が一致する場合には、セッション認証情報を生成する(ステップS8)。例えば、管理サーバ3は、ランダムなセッション認証情報を生成する。そして、管理サーバ3は、生成したセッション認証情報を、リモコン1に送信する(ステップS9)。
【0035】
リモコン1は、受信したセッション認証情報を、表示部15に表示する(ステップS10)。このとき、リモコン1は、セッション認証情報を、例えば、文字、バーコード、2次元コード、ウォーターマーク等で表示しても良い。なお、管理サーバ3は、セッション認証情報をコマンダ2に送信することにより、コマンダ2によりディスプレイにセッション認証情報を表示させても良い。ユーザは、表示されたセッション認証情報を、携帯端末T1に取得させる(ステップS11)。セッション認証情報の取得方法は、ワンタイム権限情報の取得方法と同様であっても良い。携帯端末T1は、取得したセッション認証情報と携帯端末IDとを含む第2対応付け要求を、管理サーバ3へ送信する(ステップS12)。管理サーバ3は、ステップS8において生成したセッション認証情報と、受信した第2対応付け要求に含まれるセッション認証情報とを比較する(ステップS13)。このとき、管理サーバ3は、セッション認証情報が一致する場合には、携帯端末T1とコマンダ2との対応付け処理を実行して、セキュアセッションを確立する(ステップS14)。この対応付け処理で、管理サーバ3は、第2対応付け要求に含まれる携帯端末IDと、ステップS7においてコマンダリストから取得したコマンダIDとを対応付けてゲストユーザセッションリストに登録する。ゲストユーザセッションリストは、ゲストユーザが利用する携帯端末T1がコマンダ2と対応付けられた場合に、対応付けられた携帯端末T1とコマンダ2の情報が登録されるリストである。管理サーバ3は、対応付け処理を終えると、対応付け成功応答を携帯端末T1へ送信する(ステップS15)。対応付け成功応答は、対応付けが成功したことを通知するメッセージである。こうして、対応付けが完了する。対応付けが完了したゲストユーザの携帯端末T1が管理サーバ3へ要求を送信するとき、その要求には、携帯端末IDが含まれる。管理サーバ3は、受信した要求に含まれる携帯端末IDと、ゲストユーザセッションリストとに基づいて、要求を送信した携帯端末T1と対応付け状態にあるコマンダ2を特定することができる。
【0036】
携帯端末T1は、対応付け成功応答を受信すると、カラオケシステムSから提供されるカラオケサービスを利用するためのメニューを表示部43に表示する。ユーザがカラオケシステムSの会員としてログインせずに、ゲストユーザとしてカラオケサービスを利用する場合、利用可能なカラオケサービスが制限される。例えば、ゲストユーザの場合、カラオケ曲を選曲してコマンダ2に演奏を予約することのみが可能とされても良い。または、携帯端末T1においては、例えば、選曲されたカラオケ曲の予約、選曲されたカラオケ曲の音量の変更、選曲されたカラオケ曲のキーの変更等、基本的なサービスのみが利用可能となっていても良い。一方、カラオケシステムSに会員登録されたユーザがログインした場合、カラオケ曲の予約等の基本的なサービスのほか、会員専用のサービスを利用することができる。会員専用のサービスとしては、例えば、動画を撮影するサービス、ユーザの歌唱に対して順位を付けるサービス等がある。携帯端末T1がコマンダ2と対応付けられた後に表示部43に表示されるメニューには、カラオケサービスの全サービスのうち、ユーザが利用可能なサービスのみが選択可能に表示される。なお、ゲストユーザに対するサービスの制限は、管理サーバ3が行っても良い。例えば、管理サーバ3が携帯端末T1から、会員専用のサービスを利用するための要求を受信したとき、受信した要求に携帯端末用ユーザIDが含まれているか否かを判定する。そして、管理サーバ3は、携帯端末用ユーザIDが含まれていない場合には、受信した要求に対応する処理を実行しない。
【0037】
ユーザは、携帯端末T1を操作して、選曲したカラオケ曲の予約を指示すると、携帯端末T1は、予約要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS16)。管理サーバ3は、受信した予約要求を、携帯端末T1と対応付け状態にあるコマンダ2に転送する(ステップS17)。コマンダ2は、受信した予約要求に含まれるカラオケ曲番号を、予約リストに登録する(ステップS18)。これにより、カラオケ曲の予約が完了する。
【0038】
また、ユーザは、カラオケルームの利用を終えるとき、携帯端末T1を操作して、カラオケサービスの利用の終了を指示する。すると、携帯端末T1は、対応付け解除要求を管理サーバ3へ送信する。対応付け解除要求は、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けの解除の要求を示すメッセージである。管理サーバ3は、対応付け解除要求を受信すると、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けを解除して、セキュアセッションを破棄する。その後、カラオケ店舗の従業員は、受付端末4を操作して、ユーザに割り当てていたカラオケルームの利用停止を指示する。すると、受付端末4は、管理サーバ3へ利用終了通知を送信する。利用開始通知は、カラオケルームの利用が終了することを示すメッセージである。利用終了通知には、従業員が指定したカラオケルームに設置されているコマンダ2のコマンダIDが設定される。管理サーバ3は、受信した利用終了通知に含まれるコマンダIDが示すコマンダ2と対応付け状態にあるリモコン1に、権限情報表示抑制指示を送信する。権限情報表示抑制指示は、ワンタイム権限情報の表示の抑制を指示するメッセージである。リモコン1は、権限情報表示抑制指示を受信すると、権限情報表示フラグを、OFFに変更する。そして、リモコン1は、ワンタイム権限情報を表示するためのメニュー項目を表示部15に表示させない。そのため、ユーザがリモコン1を操作しても、ワンタイム権限情報は表示されない。このように、管理サーバ3が、カラオケルームの利用が開始されるときに権限情報表示抑制解除指示を送信し、利用が終了するときに権限情報表示抑制指示を送信する。これにより、コマンダ2の利用が許可されていないときには、ワンタイム権限情報が表示されないようにすることができる。そのため、コマンダ2の利用が許可されていないユーザの携帯端末T1とコマンダ2とが対応付けられることを防止することができる。
【0039】
[2.各装置の構成]
次に、図3を参照して、カラオケシステムSに含まれる各装置の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるカラオケシステムSに含まれる各装置の概要構成例を示すブロック図である。
【0040】
図3(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。図3(A)に示すように、リモコン1は、制御部11、記憶部12、ビデオRAM13、映像制御部14、表示部15、操作部16、操作処理部17、赤外線送信部18、及び無線LAN(Local Area Network)通信部19等を備えて構成される。制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部12は、例えば、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部12には、OS(Operating System)及びリモコン処理プログラムが記憶されている。制御部11は、OS及びリモコン処理プログラムを実行することにより、リモコン1全体を統括制御する。また、記憶部12には、選曲対象となるカラオケ曲の情報を登録する楽曲リストが記憶されている。カラオケ曲の情報には、カラオケ曲番号、曲名、及び歌手名等が含まれる。この楽曲リストに含まれるカラオケ曲の曲名等は、制御部11により、ビデオRAM13及び映像制御部14を介して表示部15に選択可能に表示される。また、制御部11は、ユーザによる操作部16からの指示を、操作処理部17を介して受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又はカラオケ曲の選曲、音量調整等の指示がある。また、制御部11は、赤外線送信部18を介してコマンダ2の赤外線受信部29cへ各種指令を送信することができる。また、無線LAN通信部19は、例えばIEEE 802.11の諸規格に準拠する無線LANの通信を行うためのものである。記憶部12には、リモコン1のリモコンIDと、このリモコン1に対応付け状態にあるコマンダ2のコマンダIDとが対応付けられて記憶されている。また、記憶部12には、権限情報表示フラグが記憶されている。なお、記憶部12には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。
【0041】
図3(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。図3(B)に示すように、コマンダ2は、制御部21、記憶部22、ビデオRAM23、映像再生部24、映像制御部25、マイク制御部26、シンセサイザ27、ミキシングアンプ28、操作部29a、操作処理部29b、赤外線受信部29c、及びLAN通信部29d等を備えて構成される。制御部21は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部22は、例えば、ハードディスク等により構成される。記憶部22には、OS及びコマンダ処理プログラムが記憶されている。制御部21は、OS及びコマンダ処理プログラムを実行することにより、コマンダ2全体を統括制御する。また、記憶部22には、演奏予約リストが記憶されている。また、記憶部22には、カラオケ曲に対応する楽曲データ及び映像データ等が記憶される。シンセサイザ27は、楽曲データを用いてカラオケ曲の演奏を行い、演奏信号をミキシングアンプ28へ出力する。また、マイク制御部26は、マイクにより集音されたユーザの歌唱音声信号をミキシングアンプ28へ出力する。ミキシングアンプ28は、演奏信号と歌唱音声信号とをミキシングしてスピーカへ出力する。また、映像データ等はビデオRAM23及び映像再生部24により再生される。そして、映像制御部25は、再生された映像信号をディスプレイへ出力する。また、制御部21は、ビデオカメラにより撮影された動画を、動画信号として取得する。また、制御部21は、ユーザによる操作部29aからの指示を、操作処理部29bを介して受け付ける。また、制御部21は、赤外線受信部29cを介して、リモコン1からの各種指令を受信することができる。LAN通信部29dは、有線LANに接続して通信を行うためのものである。また、記憶部22には、コマンダ2のコマンダIDと、このコマンダ2と対応付け状態にあるリモコン1のリモコンIDとが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部22には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。
【0042】
図3(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。図3(C)に示すように、管理サーバ3は、制御部31、記憶部32、及び通信部33等を備えて構成される。制御部31は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部32は、例えば、ハードディスク等により構成される。記憶部32には、OS及びサーバプログラム等が記憶されている。制御部31は、OS及びサーバプログラムを実行することにより、管理サーバ3全体を制御する。また、制御部31は、本発明における送信手段、受信手段、判定手段、及び対応付け手段等として機能し、後述する処理を行う。なお、制御部31は、時計機能及びタイマ機能を有する。
【0043】
更に、記憶部32には、登録ユーザリスト、リモコンログインリスト、携帯端末ログインリスト、コマンダリスト、及びゲストユーザセッションリストが記憶されている。登録ユーザリストには、ユーザ情報が登録される。このユーザ情報には、カラオケ用ユーザID、携帯端末用ユーザID、パスワード、氏名、及びメールアドレス等が含まれる。リモコンログインリストには、カラオケ用ユーザIDとコマンダIDとが対応付けられて登録される。携帯端末ログインリストには、携帯端末用ユーザIDとコマンダIDとが対応付けられて登録される。コマンダリストには、店舗ID、部屋ID及びコマンダIDが対応付けられて登録される。ゲストユーザセッションリストには、携帯端末IDとコマンダIDとが対応付けられて登録される。
【0044】
図3(D)は、携帯端末T1の概要構成例を示すブロック図である。図3(D)に示すように、携帯端末T1は、制御部41、記憶部42、表示部43、操作部44、スピーカ45、マイク46、及び携帯無線通信部47、及びカメラ48等を備えて構成される。制御部41は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部42は、例えば、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部42には、OS及び端末処理プログラム等が記憶されている。制御部41は、OS及び端末処理プログラムを実行することにより、携帯端末T1全体を制御する。端末処理プログラムには、カラオケ用アプリケーションプログラムが含まれる。カラオケ用アプリケーションプログラムは、本発明の携帯機器用プログラムの一例である。カラオケ用アプリケーションプログラムは、ユーザが携帯端末T1でカラオケシステムSを利用するためのプログラムである。カラオケ用アプリケーションプログラムは、コンピュータとしての制御部41に、取得ステップと、第1送信ステップと、受信ステップと、第2送信ステップと、を少なくとも実行させることができる。なお、カラオケ用アプリケーションプログラムは、例えば、他のサーバからネットワークNWを介してダウンロードされるようにしても良いし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブを介して読み込まれるようにしても良い。また、制御部41は、ユーザによる操作部44からの指示を受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又はカラオケ曲の選曲等の指示がある。カラオケ曲に対する操作としては、例えば、カラオケ曲の選曲操作、カラオケ曲の予約操作、カラオケ曲の音量操作、キー変更操作などが挙げられる。また、制御部41は、カメラ48により撮影された画像を、画像データとして取得する。また、記憶部42には、ユーザが所望するカラオケ曲の情報を登録する楽曲リストが記憶される。カラオケ曲の情報には、カラオケ曲番号、曲名、歌手名、及び登録日付等が含まれる。ユーザが所望するカラオケ曲の情報は、例えば携帯端末T1からアクセスした楽曲提供サイトから取得される。なお、登録日付には時刻が含まれてもよい。なお、記憶部42には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。
【0045】
受付端末4は、カラオケ店舗の受付に設置されている端末装置である。受付端末4は、カラオケ店舗内のリモコン1、コマンダ2等の管理に用いられる。受付端末4は、有線LANに接続されている。そして、受付端末4は、有線LANを介して、リモコン1やコマンダ2に、指令を送信することができる。また、受付端末4は、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へアクセスし、通信することができる。
【0046】
[3.カラオケシステムSの動作]
次に、カラオケシステムSの動作について説明する。
【0047】
[3−1.携帯端末T1の動作]
先ず、図4を参照して、携帯端末T1の動作について説明する。図4は、携帯端末T1の制御部41の処理例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、ユーザが携帯端末T1を操作して、カラオケ用アプリケーションプログラムの実行を指示したときに開始される。また、図4に示す処理は、カラオケ用アプリケーションプログラムに基づいて実行される。
【0048】
先ず、制御部41は、カラオケ用アプリケーションプログラムを起動する(ステップS31)。次いで、制御部41は、ユーザの操作に基づいて、リモコン1の表示部15に表示されたワンタイム権限情報を取得する(ステップS32)。次いで、制御部41は、店舗IDと部屋IDを入力するための入力画面を表示部43に表示する(ステップS33)。次いで、制御部41は、ユーザによる店舗IDと部屋IDの入力を受け付ける(ステップS34)。そして、制御部41は、取得したワンタイム権限情報、店舗ID、部屋ID及び携帯端末T1の携帯端末IDを含む第1対応付け要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS35)。その後、制御部41は、第1対応付け要求に対する管理サーバ3からの応答を受信する(ステップS36)。管理サーバ3からの応答としては、権限認証成功応答と権限認証失敗応答とがある。権限認証成功応答は、ワンタイム権限情報を用いた認証が成功したことを示す。権限認証失敗応答は、ワンタイム権限情報を用いた認証が失敗したことを示す。制御部41は、受信した応答が権限認証成功応答であるか否かを判定する(ステップS37)。このとき、制御部41は、受信した応答が権限認証失敗応答であると判定した場合には(ステップS37:NO)、対応付けが失敗したことを示すメッセージを表示部43に表示する(ステップS38)。そして、制御部41は、図4に示す処理を終了させる。
【0049】
一方、制御部41は、受信した応答が権限認証成功応答であると判定した場合には(ステップS37:YES)、セッション認証情報の入力を促すメッセージを表示部43に表示する(ステップS39)。次いで、制御部41は、ユーザの操作に基づいて、リモコン1の表示部15に表示されたセッション認証情報を取得する(ステップS40)。次いで、制御部41は、取得したセッション認証情報と携帯端末IDとを含む第2対応付け要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS41)。その後、制御部41は、第2対応付け要求の送信に対する管理サーバ3からの応答を受信する(ステップS42)。管理サーバ3からの応答としては、対応付け成功応答と対応付け失敗応答とがある。制御部41は、受信した応答が対応付け成功応答であるか否かを判定する(ステップS43)。このとき、制御部41は、受信した応答が対応付け失敗応答であると判定した場合には(ステップS43:NO)、ステップS38に進む。
【0050】
一方、制御部41は、受信した応答が対応付け成功応答であると判定した場合には(ステップS43:YES)、対応付けが成功したことを示すメッセージを表示部43に表示する(ステップS44)。また、制御部41は、カラオケサービスを利用するためのメニューを表示部43に表示する。その後、制御部41は、ユーザの操作に応じて、管理サーバ3へ要求を送信する。これにより、ユーザは、カラオケサービスを利用する(ステップS45)。携帯端末T1から送信される要求としては、例えば、予約要求等がある。制御部41は、送信する要求に、携帯端末IDを設定する。
【0051】
制御部41は、ユーザの操作によってカラオケサービスの利用の終了指示がされたか否かを判定する(ステップS46)。このとき、制御部41は、終了指示がされていないと判定した場合には(ステップS46:NO)、ステップS45に戻る。一方、制御部41は、終了指示がされたと判定した場合には(ステップS46:YES)、携帯端末IDを含む対応付け解除要求を、管理サーバ3へ送信する(ステップS47)。制御部41は、この処理を終えると、カラオケ用アプリケーションプログラムを終了させて、図4に示す処理を終了させる。
【0052】
[3−2.管理サーバ3の動作]
次に、図5を参照して、管理サーバ3の動作について説明する。図5は、管理サーバ3の制御部31の処理例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、例えば、管理サーバ3の電源がONとされたときに開始される。
【0053】
先ず、制御部31は、携帯端末T1からログイン要求を受信したか否かを判定する(ステップS61)。このとき、制御部31は、ログイン要求を受信していないと判定した場合には(ステップS61:NO)、ステップS63に進む。一方、制御部31は、ログイン要求を受信したと判定した場合には(ステップS61:YES)、ログイン処理を実行する(ステップS62)。ログイン処理において、制御部31は、ログイン要求に含まれる携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザIDを、登録ユーザリストから取得する。次いで、制御部31は、取得したカラオケ用ユーザIDに対応するコマンダIDがリモコンログインリストに登録されているか否かを判定する。このとき、制御部31は、登録されていると判定した場合には、携帯端末T1とコマンダ2とを対応付ける。具体的に、制御部31は、カラオケ用ユーザIDに対応するコマンダIDと、ログイン要求に含まれる携帯端末用ユーザIDとを対応付けて、携帯端末ログインリストに登録する。制御部31は、ログイン処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0054】
ステップS63において、制御部31は、受付端末4から利用開始通知を受信したか否かを判定する。このとき、制御部31は、利用開始通知を受信していないと判定した場合には(ステップS63:NO)、ステップS65に進む。一方、制御部31は、利用開始通知を受信したと判定した場合には(ステップS63:YES)、利用開始通知に含まれるコマンダIDに対応するリモコンIDが示すリモコン1へ、権限情報表示抑制解除指示を送信する(ステップS64)。コマンダIDに対応するリモコンIDは、コマンダ−リモコン対応付リストから特定される。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0055】
ステップS65において、制御部31は、受付端末4から利用終了通知を受信したか否かを判定する。このとき、制御部31は、利用終了通知を受信していないと判定した場合には(ステップS65:NO)、ステップS67に進む。一方、制御部31は、利用終了通知を受信したと判定した場合には(ステップS65:YES)、利用終了通知に含まれるコマンダIDに対応するリモコンIDが示すリモコン1へ、権限情報表示抑制指示を送信する(ステップS66)。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0056】
ステップS67において、制御部31は、携帯端末T1から第1対応付け要求を受信したか否かを判定する。このとき、制御部31は、第1対応付け要求を受信していないと判定した場合には(ステップS67:NO)、ステップS76に進む。一方、制御部31は、第1対応付け要求を受信したと判定した場合には(ステップS67:YES)、第1対応付け要求に含まれる店舗ID及び部屋IDに対応するコマンダIDを、コマンダリストから取得する(ステップS68)。次いで、制御部31は、制御部31の時計機能から現在時刻を取得する。そして、制御部31は、取得したコマンダIDと現在時刻に基づいて、ワンタイム権限情報を生成する(ステップS69)。次いで、制御部31は、第1対応付け要求に含まれるワンタイム権限情報と、生成したワンタイム権限情報とを比較する(ステップS70)。そして、制御部31は、比較したワンタイム権限情報同士が一致するか否かを判定する(ステップS71)。このとき、制御部31は、一致しないと判定した場合には(ステップS71:NO)、第1対応付け要求の送信元の携帯端末T1へ、権限情報認証失敗応答を送信する(ステップS75)。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。一方、制御部31は、一致すると判定した場合には(ステップS71:YES)、セッション認証情報を生成する(ステップS72)。次いで、制御部31は、コマンダリストから取得したコマンダIDに対応するリモコンIDが示すリモコン1へ、生成したセッション認証情報を送信する(ステップS73)。次いで、制御部31は、生成したセッション認証情報と、第1対応付け要求に含まれる携帯端末IDと、コマンダリストから取得したコマンダIDとを対応付けて、制御部31のRAMに記憶させる。そして、制御部31は、第1対応付け要求の送信元の携帯端末T1へ、権限認証成功応答を送信する(ステップS74)。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0057】
ステップS76において、制御部31は、携帯端末T1から第2対応付け要求を受信したか否かを判定する。このとき、制御部31は、第2対応付け要求を受信していないと判定した場合には(ステップS76:NO)、ステップS81に進む。一方、制御部31は、第2対応付け要求を受信したと判定した場合には(ステップS76:YES)、第2対応付け要求に含まれる携帯端末IDに対応するセッション認証情報をRAMから取得する。次いで、制御部31は、第2対応付け要求に含まれるセッション認証情報と、RAMから取得したセッション認証情報とを比較する(ステップS77)。そして、制御部31は、セッション認証情報同士が一致するか否かを判定する(ステップS78)。このとき、制御部31は、一致しないと判定した場合には(ステップS78:NO)、第1対応付け要求の送信元の携帯端末T1へ対応付け失敗応答を送信して(ステップS75)、ステップS61に戻る。一方、制御部31は、一致すると判定した場合には(ステップS78:YES)、携帯端末T1とコマンダ2との対応付け処理を実行して、セキュアセッションを確立する(ステップS79)。具体的に、制御部31は、第2対応付け要求に含まれる携帯端末IDに対応するコマンダIDをRAMから取得する。そして、制御部31は、第2対応付け要求に含まれる携帯端末IDと、取得したコマンダIDとを対応付けてゲストユーザセッションリストに登録する。制御部31は、対応付け処理を終えると、第2対応付け要求の送信元の携帯端末T1へ、対応付け成功応答を送信する(ステップS80)。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0058】
ステップS81において、制御部31は、携帯端末T1から対応付け解除要求を受信したか否かを判定する。このとき、制御部31は、対応付け解除要求を受信していないと判定した場合には(ステップS81:NO)、ステップS83に進む。一方、制御部31は、対応付け解除要求を受信したと判定した場合には(ステップS81:YES)、携帯端末T1とコマンダ2との対応付けを解除して、セキュアセッションを破棄する(ステップS82)。具体的に、制御部31は、ゲストユーザセッションリストから、対応付け解除要求に含まれる携帯端末IDと、この携帯端末IDに対応付けられたコマンダIDとを削除する。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。
【0059】
ステップS83において、制御部31は、携帯端末T1からコマンダ2に対する要求を受信したか否かを判定する。コマンダ2に対する要求としては、例えば、予約要求等がある。このとき、制御部31は、コマンダ2に対する要求を受信していないと判定した場合には(ステップS83:NO)、ステップS85に進む。一方、制御部31は、コマンダ2に対する要求を受信したと判定した場合には(ステップS83:YES)、要求の転送を行う(ステップS84)。具体的に、制御部31は、受信した要求に携帯端末用ユーザIDが含まれているか否かを判定する。このとき、制御部31は、携帯端末用ユーザIDが含まれていると判定した場合には、携帯端末ログインリストから、携帯端末用ユーザIDに対応するコマンダIDを取得する。そして、制御部31は、取得したコマンダIDが示すコマンダ2へ、受信した要求を送信する。一方、制御部31は、受信した要求に携帯端末用ユーザIDが含まれていないと判定した場合には、受信した要求に含まれる携帯端末IDに対応するコマンダIDを、ゲストユーザセッションリストから取得する。そして、制御部31は、取得したコマンダIDが示すコマンダ2へ、受信した要求を送信する。制御部31は、この処理を終えると、ステップS61に戻る。なお、制御部31は、転送した要求に対する応答をコマンダ2から受信した場合には、要求を送信した携帯端末T1へ、受信した応答を転送する。
【0060】
ステップS85において、制御部31は、カラオケシステムSの管理者から電源OFFが要求されたか否かを判定する。このとき、制御部31は、電源OFFが要求されなかったと判定した場合には(ステップS85:NO)、ステップS61に戻る。一方、制御部31は、電源OFFが要求されと判定した場合には(ステップS85:YES)、図5に示す処理を終了させる。
【0061】
以上説明したように、上記実施形態によれば、リモコン1の表示部15またはコマンダ2のディスプレイに、予め設定された時間間隔で変化するワンタイム権限情報が表示される。従って、携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けるためには、ユーザが、ワンタイム権限情報が変化する前に、表示されたワンタイム権限情報を携帯端末T1に取得させて管理サーバ3へ送信させる必要がある。従って、コマンダ2と対応付ける携帯端末T1を、コマンダ2またはリモコン1により表示されたワンタイム権限情報を取得して管理サーバ3へ送信することができる範囲内にいるユーザの携帯機器に限定することができる。これにより、カラオケルームから離れた場所にいるユーザが携帯する携帯端末T1とコマンダ2とが対応付けられることを防止することができる。そのため、カラオケシステムSに会員登録していないゲストユーザの携帯端末T1であっても、カラオケシステムSのセキュリティを保ちながらコマンダ2との対応付けが可能となる。
【0062】
また、リモコン1の表示部15またはコマンダ2のディスプレイに、携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けるためのセッション認証情報が表示される。そして、携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けるためには、ユーザが、表示されたセッション認証情報を更に携帯端末T1に取得させて管理サーバ3へ送信させる必要がある。そのため、カラオケシステムSのセキュリティをより高めることができる。具体的に、ワンタイム権限情報は、コマンダIDと現在時刻との組み合わせに対して一意に対応する情報である。これは、管理サーバ3とリモコン1とで、同一のワンタイム権限情報を生成するためである。そのため、過去に表示されたワンタイム権限情報を分析することで、これから表示されるワンタイム権限情報をユーザに特定されてしまう可能性がある。これに対し、セッション認証情報を、例えば、ランダムな情報とすることで、コマンダIDや現在時刻との関連がない情報とすることができる。そのため、ワンタイム権限情報とセッション認証情報とを用いることで、セキュリティをより高めることができる。
【0063】
なお、ワンタイム権限情報をリモコン1またはコマンダ2に表示させるとき、例えば、そのワンタイム権限情報を管理サーバ3が生成しても良い。例えば、管理サーバ3が、予め設定された時間間隔で変化するように、ワンタイム権限情報を定期的に生成して送信しても良い。そして、リモコン1またはコマンダ2は、受信したワンタイム権限情報を表示しても良い。この場合に生成されるワンタイム権限情報は、コマンダIDと現在時刻との組み合わせに対して一意の情報ではなくても良い。また、管理サーバ3は、ワンタイム権限情報とセッション認証情報のうち、ワンタイム権限情報のみを用いて携帯端末T1とコマンダ2とを対応付けても良い。この場合、図3のステップS7において、管理サーバ3は、ワンタイム権限情報が一致すると判定した場合には、ステップS14の対応付け処理を実行すれば良い。そのため、図4に示す携帯端末T1の処理において、ステップS36〜S41の処理は不要である。携帯端末T1は、ステップS35において第1対応付け要求を管理サーバ3へ送信した後、ステップS42において管理サーバ3からの応答を受信すればよい。また、図5に示す管理サーバ3の処理において、ステップS72〜S74、S76〜78の処理は不要である。
【0064】
また、リモコン1またはコマンダ2は、ワンタイム権限情報を表示する代わりに、例えば、ワンタイム権限情報を読み上げる音声を、スピーカから出力させても良い。この場合、ユーザは、例えば、読み上げられたワンタイム権限情報を携帯端末T1に入力すれば良い。
【符号の説明】
【0065】
1 リモコン
2 コマンダ
3 管理サーバ
4 受付端末
T1 携帯端末
S カラオケシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置とから構成されるカラオケシステムにおけるサーバ装置において、
前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり予め定められた時間間隔で変化する権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信するする送信手段と、
前記携帯機器から、権限情報と、前記カラオケ装置を識別する識別情報であり前記携帯機器により取得された識別情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記権限情報と前記識別情報とに基づいて、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと判定された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行する対応付け手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記カラオケ装置の利用権限があることを示す前記権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置に対応付けられた前記選曲装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記受信手段は、さらに前記カラオケ装置の管理に用いられる管理装置から、前記カラオケ装置の利用開始または利用停止の何れかを示す通知情報を受信し、
前記送信手段は、前記受信手段により利用開始を示す前記通知情報が受信されたとき、前記出力指令を送信し、前記受信手段により利用停止を示す前記通知情報が受信されたとき、前記権限情報の出力の制限指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記受信手段は、カラオケに関する所定のサービスの利用が許可されたユーザを識別する第2識別情報と、前記権限情報及び前記識別情報との何れかを前記携帯機器から受信し、
前記対応付け手段は、前記受信手段により前記第2識別情報が受信された場合、前記第2識別情報に基づいて、前記第2識別情報を送信した前記携帯機器と、前記第2識別情報により識別されるユーザが対応付けられている前記カラオケ装置とを、対応付ける処理を実行し、前記受信手段により前記権限情報及び前記識別情報が受信された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置とから構成されるカラオケシステムにおけるサーバ装置により実行される対応付け方法において、
前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり予め定められた時間間隔で変化する権限情報の出力指令を、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方に送信するする送信ステップと、
前記携帯機器から、権限情報と、前記カラオケ装置を識別する識別情報であり前記携帯機器により取得された識別情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記権限情報と前記識別情報とに基づいて、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記権限情報が前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと判定された場合、前記権限情報を送信した前記携帯機器と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置とを対応付ける処理を実行する対応付けステップと、
を含むことを特徴とする対応付け方法。
【請求項6】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、予約されたカラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムにおける前記携帯機器に含まれるコンピュータに、
前記カラオケ装置を識別する識別情報と、前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示す権限情報であり、前記カラオケ装置または前記選曲装置の少なくとも何れか一方から予め定められた時間間隔で変化するように出力された権限情報とを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記識別情報及び前記権限情報を前記サーバ装置へ送信する第1送信ステップと、
前記送信ステップにより送信された前記権限情報が前記送信ステップにより送信された前記識別情報により識別される前記カラオケ装置の利用権限があることを示すと前記サーバ装置により判定されることにより前記識別情報により識別される前記カラオケ装置と前記携帯機器とが前記サーバ装置により対応付けられたことを示す通知情報を前記サーバ装置から受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより前記通知情報が受信された場合、前記携帯機器において選曲されたカラオケ曲に対する操作要求を、前記サーバ装置へ送信する第2送信ステップと、
を実行させることを特徴とする携帯機器用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37148(P2013−37148A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172403(P2011−172403)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】