サーバ装置、接続確立制御方法及びプログラム
【課題】接続元のデバイスに負荷をかけることなく、接続ポートを容易に追加する。
【解決手段】画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いてデータ通信装置が接続するための接続ポートを作成する。そして、データ通信装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いて接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する(S907)。ここで、接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させる(S908〜S910)。また、接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と画像処理装置とを接続するため使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートの作成を作成工程に指示する(S913)。
【解決手段】画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いてデータ通信装置が接続するための接続ポートを作成する。そして、データ通信装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いて接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する(S907)。ここで、接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させる(S908〜S910)。また、接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と画像処理装置とを接続するため使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートの作成を作成工程に指示する(S913)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続が確立したデバイス相互間でやりとりされるデータを取得したいデバイスからの要求に適応して接続ポートを作成するサーバ装置、接続確立制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばデバイスとしての情報処理装置とデバイスとしての機能処理デバイス(プリンタ等)の間でデータのやり取りを行う際、TCP/IPなどのプロトコルを用いてネットワーク通信を確立していた(例えば、特許文献1)。
【0003】
通常、機能処理デバイス(以下、単にデバイスと呼ぶ)ごとに接続I/F(プロトコルを含む)や対応するデータ形式が異なる。そのため機器間での直接ネットワーク通信を行う場合、接続元の端末側でドライバなどのソフトウエアを用いることでI/Fの差異や対応データの差異を吸収する必要があった。
【0004】
近い将来、あらゆる機器がネットワークに対応し、使用する端末も多様化およびモバイル化していく傾向が強まる。その動きに伴い、例えば、外出先でモバイルからプリンタへ印刷するなどのケースのように、デバイス同士を偶発的に接続する機会が増加していくことが予想される。
現在の技術だと接続元のデバイスにあらかじめ、接続先となりうるあらゆる接続先デバイスに対応するドライバを導入しておくことが必要である。しかしモバイル機器のような場合いつどこでどのようなデバイスと接続を試みるかわからないので非現実的である。
この課題を解決するために、以下のようなシステムの特許提案がなされている(特許文献2)。
【0005】
接続先デバイスの外観画像と位置情報等の識別情報とに紐づく接続ポートを管理する接続サーバを用意する。接続先デバイスの外観画像と位置情報を含む接続指示を接続元デバイスから接続サーバへ送信する。その送信を受けた接続サーバは、接続先デバイスに紐づく接続ポートへと誘導する。このことによりデバイス同士の接続をより簡単に実現できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−169187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例のシステムにおいて、例えばデータ通信装置(ポータブルデバイス)と画像処理装置とを用いて会議などでプレゼンテーションを行う場合を考える。その場合、接続元デバイスが発表者のポータブルデバイスで、接続先デバイスが会議室のプロジェクタ(画像処理装置)となる。この状況で会議の参加者がポータブルデバイスを持っている場合、手元のポータブルデバイスでもプロジェクタで投影されている画像を参照したいという要望が発生する。
【0008】
このような場合において、上記特許文献のシステムを用いれば、発表者のポータブルデバイスから、参加者の手元のポータブルデバイスの外観画像と位置情報などの識別情報を接続サーバに送付することにより接続することは可能である。
しかし、参加者が多数の場合は、その都度、接続元の発表者のポータブルデバイスより接続サーバに、識別情報を送信することになり、接続のための操作手順が発表者に集中する。さらに電話会議のような発表者のポータブルデバイスと、会議室のプロジェクタの間の距離が離れている場合、参加者から発表者への識別情報の送信が必要となり、さらに煩雑な操作を必要とする。
また、転送すべきデバイス数が何らの制限もなく増えてしまうと、プレゼンテーションに参加できるユーザを特定のユーザに制限したいという要求に十分応えることができず、セキュリティの面からのも何からの対応が必要となる場合がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ネットワークを介して1つのデバイスに複数のデバイスを接続する場合に、接続元のデバイスに負荷をかけることなく、先に接続が確立された接続ポートを用いて他のデバイスが先のデバイスとの間で転送されるデータを受信するため接続ポートを容易に追加できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のサーバ装置は以下に示す構成を備える。
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置であって、前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成手段と、いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断手段と、前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワークを介して1つのデバイスに複数のデバイスを接続する場合に、接続元のデバイスに負荷をかけることなく、先に接続が確立された接続ポートを用いて他のデバイスが先のデバイスとの間で転送されるデータを受信するため接続ポートを容易に追加できる。
【0012】
さらに、接続ポートを追加するための許可条件をユーザから受け付けて、ユーザが意図する許可条件に従い画像処理装置とデータ通信装置との間で転送されるデータを転送するための接続ポートの作成を制限して、子接続ポートを利用できるユーザを制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】サーバ装置を適用する情報処理システムの一例を示す図である。
【図2】画像投影装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ポータブルデバイスのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。
【図6】接続ポート管理部が管理するデータテーブルの一例を示す図である。
【図7】情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。
【図8】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図9】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図10】情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。
【図11】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図12】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図13】情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0015】
図1は、本発明の実施形態を示すサーバ装置を適用する情報処理システムの一例を示す図である。本例では、例えばクラウドコンピューティング環境において、ネットワーク接続を確立する接続サーバと複数種類のポータブルデバイスとがインターネットを介して通信可能なシステムを想定する。以下、上述した接続サーバを介したネットワーク通信確立方法のシステムを用いて会議などでプレゼンテーションを行うシステムを想定して実施形態を説明する。また、本実施形態においては、ポータブルデバイスから送信されるデータを画像投影装置等の画像処理装置に転送する例を示すが、データとしては画像データに限るものではない。また、ポータブルデバイスがパソコンの多機能性を持ったスマートフォンに限るものでもなく、通信機能を備えるデバイスであれば、本発明を適用可能である。
ここで、ネットワーク接続を確立する接続サーバ103には、画像投影装置(プロジェクタ装置)102、ポータブルデバイス104A,104B、情報処理装置105等の複数種類のデバイスが接続されている。なお、画像処理装置には、通信機能を備えるデジタルカメラも含まれる。
【0016】
図1において、インターネット101は、各デバイス間で情報をやり取りするための通信回線網である。画像投影装置102、ポータブルデバイス104A、B、情報処理装置105からは、接続サーバ103への通信はファイアーウォールに遮断されることなく行えるものとする。インターネット101は、例えば、TCP/IPプロトコルなどをサポートする通信回線網であり、接続方式に関しては有線・無線は問わない。
接続サーバ103は、本実施形態では、1台のサーバコンピューターで構成されている場合を示すが、複数台で構成されていても構わない。複数台で構成される場合はサーバコンピューター間での通信はファイアーウォールに遮断されることなく行えるものとする。
【0017】
図2は、図1に示した画像投影装置102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、画像投影装置102は、投影ユニット202、CPU204、ROM205、RAM206、Input/Outputインターフェース207、NIC208、バス209から構成される。なおNICはNetwork InterfaceCardの略である。以下省略して表記する。
【0018】
画像投影装置102は、CPU204により制御され、ROM205内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等に基づいてバス209に接続される投影ユニット202に出力情報としての画像信号を出力する。
ROM205内には、CPU204の制御プログラムが記憶されている。Input/Outputインターフェース207は操作パネルへの画面表示や、キー入力等を受け付ける。ネットワークコントローラ(NIC)208はネットワークに接続されおり、ポータブルデバイス104や、情報処理装置105などとの通信処理が可能となっている。RAM206は、CPU204の主メモリや、ワークエリア等として機能する。
図3は、図1に示したポータブルデバイス104A、Bのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図3において、ポータブルデバイス104A,Bは、CPU301、RAM302、ROM303、Input/Outputインターフェース304、NIC305、撮影ユニット306、位置情報取得ユニット307、バス308から構成される。
【0020】
CPU301は、ROM303のプログラム用ROMにロードされたOSや一般アプリケーション、プログラムを実行するとともに、バス308に接続される各デバイスを総括的に制御する。ROM303は、CPU301の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラムや、各種データを記憶する。
RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。Input/Outputインターフェース304は、ディスプレイ表示やディスプレイ上からのキー入力等を制御する。NIC305は、ネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他のデバイス(接続サーバ103を含む)との通信制御処理を実行する。
図4は、図1に示した情報処理装置105およびハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図4において、情報処理装置105は、CPU401、RAM402、ROM403、Input/Outputインターフェース404、NIC405、バス406から構成される。各デバイスの役割は、ポータブルデバイス104と同様であるため、詳細説明は割愛する。なお、接続サーバ103は、図4の情報処理装置105と同様なハードウェア構成である。そのためハードウェア構成の詳細説明は割愛する。
【0022】
図5は、情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。以下、接続サーバ103が備える各機能モジュールを説明する。
図5において、データ要求部501および出力制御部502の機能は、ソフトウエアで実現され画像投影装置102のCPU204で実行される。位置情報取得部509と、撮像部510と、データ送受信部511および出力制御部522は、ソフトウエアで実現されポータブルデバイス104のCPU301で実行される。情報送信部515はソフトウエアで実現され情報処理装置105のCPU401で実行される。接続ポート504とそのサブ機能:データ受付部506〜データ取得部508と、データ変換部514と、接続ポート管理部505およびデバイス接続受付部512は、ソフトウエアで実現され、接続サーバ103のCPU401で実行される。
【0023】
データ要求部501は、接続サーバ103に対して接続を行い、画像投影装置102で投影する画像などのデータを要求する機能を有する。出力制御部502は、データ要求部501が取得したデータを実際に処理・出力する機能を有する。接続ポート管理部505は、接続ポート504を作成・削除・管理する機能を有する。
【0024】
また、接続ポート管理部505は接続要求を発信したデータ要求部501に対し、接続ポート504に含まれるデータ取得部508へ接続を行うよう、誘導する機能を有する。接続ポート504は、データ受付部506、データ・バッファー507、データ取得部508で構成されている。この例で接続ポート504は画像投影装置102に対応しており、一つの画像投影装置に対して一つの接続ポートが作成される。データ受付部506は、ポータブルデバイス104から送信されてくるデータを受け付ける機能と、データ・バッファー507にデータをバッファリングする機能を有する。
【0025】
また、データ受付部506は、送信されてくるデータに関して画像投影装置102で処理可能なデータ形式かの判断を行う。その結果を元に必要に応じてデータ変換部514にデータ変換を依頼する。データ・バッファー507は、データ受付部506よりデータを受け付け、保持し、データ取得部508からの依頼によりデータを渡す。ここでデータ・バッファー507がデータ取得部508にデータを渡す順序は先入れ先出し(FIFO)である。データ取得部508は、データ・バッファー507に対して定期的にテータを要求し、データを取得できた場合には、データ要求部501に対してデータを送信する。
【0026】
位置情報取得部509は、ポータブルデバイス104の存在する位置の情報を、GPSなどの位置情報取得ユニット307を利用して取得する。撮像部510は、撮影ユニット306によりポータブルデバイス104付近に存在する画像投影装置の外観情報を取得する。
データ送受信部511は、ポータブルデバイス104、位置情報取得部509および撮像部510が取得した位置情報および外観情報を元に、接続サーバ103に対して接続要求を行う。またデータ送受信部511は接続が確立された後、ポータブルデバイス104内に格納されているデータをデータ受付部506へと送信する。デバイス接続受付部512は、データ送受信部511からの接続要求を受け付け、データ送受信部511に対してデータ受付部506へ接続を行うよう誘導する。また、デバイス接続受付部512は、受け取った位置情報および外観情報を元に、接続ポート管理部505に問い合わせることで、データ受付部506を特定する機能を有する。
デバイス接続受付部512は、接続ポート管理部505に対して、受付キーと画像投影装置102の外観情報とを送信する機能を有する。受付キーについては後述する。
【0027】
接続ポート管理部505は、受付キーを生成する機能を有する。接続ポート管理部505は、さらに接続要求時に含まれる画像投影装置102の外観情報とすでに登録済みの他のデバイスの外観情報との類似度判定を行う機能を有する。データ変換部514は、データ受付部506からの依頼に基づきデータ形式を変換する機能を有する。
【0028】
図6は、図5に示した接続ポート管理部505が管理するデータテーブルの一例を示す図である。
図6において、テーブル6−1は、接続ポートの情報を管理するテーブルである。テーブル6−1の1つのレコードが、接続サーバ103内に作成される接続ポート504に対応する。
テーブル6−1は接続ポート生成時に動的にレコードが追加され、接続要求時にレコードの情報が更新される。テーブル6−2は、接続サーバ103と通信するデバイス機器の情報を管理するテーブルである。テーブル6−2は、本システムの対象デバイスが増加する度に、管理者が情報を追加していくテーブルである。
なお、テーブル6−1とテーブル6−2は、双方のテーブルのデバイス機種IDで関連づけられている。テーブル6−3は、親子関係を許可する際の条件を管理するテーブルである。テーブル6−1とテーブル6−3は、双方のテーブルの親子関係許可条件IDで関連づけられている。詳細については第2実施形態で説明する。
【0029】
なお、テーブル6−1は、接続ポートを識別するID6−1−1と、デバイス識別子6−1−2、デバイス機種ID6−1−3、データ受付部のアドレス6−1−4、データ取得部のアドレス6−1−5を含んで構成されている。さらに、テーブル6−1は、位置情報6−1−6、受付キー6−1−7、使用状況6−1−8、子の接続ポートのデータ受付部のアドレス6−1−9、親子関係許可条件ID6−1−10、外観情報6−1−11を含んで構成されている。
また、テーブル6−2はデバイス機種ID6−2−1、デバイスタイプ6−2−2、機種名6−2−3、データ形式6−2−4、子として接続可能なデバイス機種ID6−2−5を含んで構成されている。
【0030】
また、テーブル6−3は、親子関係許可条件ID6−3−1、許可/付加情報6−3−2、親子関係の最大距離6−3−3、親の写真の有効期限6−3−4、接続元への確認の要否6−3−5を含んで構成されている。なお、各テーブル6−1、6−2、6−3の関係については、後述するフローチャートにおいて説明する。
【0031】
図7は、本実施形態を示す情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。図7の(a)は、画像投影装置102の操作画面例である。図7の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例である。
図7の(a)において、701は外観情報を表示するための領域で、画像投影装置102を表す画像情報を表示する。本領域701への表示する画像は、画像投影装置102の製品出荷時にあらかじめ画像投影装置102内に装置画像データが格納されていてもよい。または画像投影装置102のNIC208経由で画像情報を受け付け、その画像を表示してもよい。
【0032】
702はオプションチェックボックスであり、領域701に外観情報を表示せずに、他の情報処理装置より接続要求のための外観情報を送信する際にチェックされる。703はボタンで、接続要求を実行開始する際に押下される。704は接続要求の状況や結果を表示するための領域である。705はボタンで、親子関係許可条件などの接続に関する詳細情報を設定する際に押下される。このボタン705が押下された場合の動作の詳細に関しては、第2実施形態において説明する。
【0033】
図7の(b)において、711はボタンで、撮像部510を動作させるために押下される。ボタン711を押下すると、撮影ユニット306で撮影した画像が712に表示される。712は撮影ユニット306で撮影した画像を表示させる領域であり、データの出力先デバイス、つまり本実施形態では画像投影装置102の外観情報を表示させて使用する。
713は、領域712で表示した出力先デバイスへの接続要求を、接続サーバ103に送信するためのボタンである。714は親子関係許可条件などの接続に関する詳細情報を設定するボタンである。このボタンが押下された場合の動作の詳細に関しては第2実施形態で説明する。
【0034】
〔画像投影装置102の接続ポート生成処理〕
図8は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、画像投影装置102から接続サーバ103に対して接続を確立するための、接続ポート生成要求を処理する例である。なお、S806は、情報処理装置105において実行されるステップであり、S801、S804、S805、S811、S814は、画像投影装置102のCPU204が実行するステップである。また、S802、S803、S807〜S810、S812、S813,S815は接続サーバ103のCPU401が図5に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、画像投影装置102を接続サーバ103に接続する際に、画像投影装置102の外観情報を関連づけられた接続ポートを作成する処理を説明する。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0035】
本接続ポート生成要求送信は、図7の(a)のボタン703がユーザの操作で押下されることにより開始される。
S801で、画像投影装置102のデータ要求部501はボタン703の押下を受けて接続ポート生成要求を接続サーバ103の接続ポート管理部505に対して送信する。この接続ポート生成要求には、画像投影装置102が記憶しているデバイス識別子、デバイスタイプ、機種名が含まれる。ここで、前記接続ポート生成要求に画像投影装置102が設置されている場所の位置情報と画像投影装置102の外観情報は含まれていても、いなくても構わない。
【0036】
次に、S802で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は接続ポート生成要求を画像投影装置102から受け取り、この接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報が含まれているかどうかを判断する。ここで、接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報が含まれていると接続ポート管理部505が判断した場合、接続サーバ103の接続ポート管理部505はS808へ処理を進める。
【0037】
一方、接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報のどちらかが含まれていないと接続ポート管理部505が判断した場合には、S803へと処理を進める。
そして、S803で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、S801で受け取る画像投影装置102からの接続ポート生成要求に対して仮受付した印となる受付キーを生成する。ここで生成する受付キーは一意に特定できる情報であればよく、例えば数値でも文字列でも構わない。
【0038】
更に、接続ポート管理部505は画像投影装置102のデータ要求部501から送信された接続ポート生成要求に含まれる情報とこの受付キーと格納するレコードを図6に示したテーブル6−1に追加する。
その後、接続ポート管理部505は、画像投影装置102のデータ要求部501に対して受付キーを応答として送信する。受付キーの送信後、接続ポート管理部505は仮接続要求の情報を保持した状態で待機する。
【0039】
S804で、画像投影装置102のデータ要求部501が接続ポート管理部505から送られてきた受付キーを受信すると、図7の(a)の領域704に受付キーを表示する。この結果、画像投影装置102の操作者は、接続サーバ103から受付キーを確実に入手することができる。
S806で、情報処理装置105の情報送信部515は、操作者によって入力された受付キーと画像投影装置102の外観情報を接続サーバ103の接続ポート管理部505へ送信する。そして、S807では、接続サーバ103の接続ポート管理部505が情報処理装置105の情報送信部515から送信されてきた受付キーを元に対応する待機中の仮接続要求を探し出す。そして、接続サーバ103の接続ポート管理部505が、仮接続要求と情報送信部515から送信されてきた位置情報と外観情報を紐付ける処理を行う。
【0040】
次に、S808では、接続サーバ103の接続ポート管理部505がテーブル6−1の外観情報6−1−11に格納されている既存の他のデバイスの外観情報とS801またはS807で受信した外観情報との比較を行う。外観情報の類似度判定に関しては、画像の領域内に含まれる色の分布具合を比較して判定するなど既知の技術を利用する。そのため、類似度判定の画像処理の詳細についてはここでは説明しない。
【0041】
S809では、S808における画像投影装置102の外観情報に対する類似度判定の結果、ある一定以上の類似度であるかどうかを接続ポート管理部505が判断する。ここで、S808における類似度判定の結果、ある一定以上の類似度であると接続ポート管理部505が判断した場合S810へ進み、そうでないと判断した場合は、S812へと進む。
【0042】
S810では、受け取った画像投影装置102に対して類似の外観情報があると判定されているので、新たな接続ポートの生成を接続ポート管理部505が登録拒否する通知を、画像投影装置102のデータ要求部501へ送信する。S811では、画像投影装置102のデータ要求部501は既に登録済みであることを示す登録拒否通知を受信して、画像投影装置102に基づく処理を終了する。
【0043】
一方、S812では、接続サーバ103の接続ポート管理部505が画像投影装置102のデータ要求部501および情報処理装置105の情報送信部515から受信した接続ポート生成要求のために新しい接続ポート504を生成する。さらに、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、その接続ポート504を管理するために、S802でデータテーブル6−1に追加したレコードに対して、新しい接続ポートに関する情報を、次に示すように格納する。接続ポート管理部505は、まず追加したレコードのIDとして一意に決まる接続ポートのID情報6−1−1を生成してテーブル6−1に格納する。
【0044】
次に、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、S801の接続ポート生成要求のデバイスタイプ、機種名を用いてテーブル6−2から該当するデバイス機種ID6−2−1を検索する。そして、接続ポート管理部505は、その検索結果をテーブル6−1の作成した接続ポートのためのレコードのデバイス機種IDをデバイス機種ID6−1−3へ格納する。
更に作成した接続ポートのデータ受付部506のIPアドレスをテーブル6−1のデータ受付部のアドレス6−1−4に格納するとともに、接続ポートのデータ取得部508のIPアドレスをテーブル6−1のデータ取得部のアドレス6−1−5に格納する。
【0045】
なお、接続ポートの生成時は使用中ではないので、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の使用状況6−1−8には未使用を示す"−"を格納する。また、現在は、接続ポート自身が親子関係を結んでいない状態なので、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の子の接続ポートのデータ受付部のアドレス6−1−9のIPアドレスには、未接続の状態を表す値"−"を格納する。
また、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の親子関係の許可条件ID6−1−10に関しては、本実施形態では、特に制限を設定しないIDである"0"を格納する。その他の値の場合の動作に関しては、第2実施形態において説明する。
【0046】
S813で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、画像投影装置102のデータ要求部501に対してS812で生成した新しい接続ポート504のデータ取得部508へリダイレクトするよう応答を返す。S814では、画像投影装置102のデータ要求部501が接続ポート管理部505からのリダイレクト応答を受けて、接続サーバ103のデータ取得部508へとリダイレクトを行う。そして、S815では、接続サーバ103のデータ取得部508がデータ要求部501からの接続要求を受け付けて接続の確立を行う。
ここでの接続確立は、COMETやWEB Socketといった双方向通信可能な接続形態での接続確立を意味する。図8に示す手順により、接続サーバ103上に画像投影装置102用の接続ポート504が作成され、画像投影装置102との接続が確立される。
【0047】
〔ポータブルデバイス104Aの接続確立処理〕
図9は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、ポータブルデバイス104A,Bから接続サーバ103に対して接続を確立する接続確立制御例である。なお、S901、S906、S909はポータブルデバイス104のCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。また、S902〜S905、S907、S908、S910、S912〜S914、S916、S917、S919は接続サーバ103のCPUが図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。
さらに、S911、S915、S918はポータブルデバイス104BのCPUが図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0048】
本処理において、接続先の画像投影装置102は現在未使用状態で、他の接続元のデバイスと通信が確立されていない状態において、ポータブルデバイス104Aのボタン713をユーザが押下することを受けて接続要求が実行される。ポータブルデバイス104Aのボタン713の押下を受けて、S901では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して接続要求を行う。また、この接続要求には、画像投影装置102の位置情報と画像投影装置102の外観情報が含まれる。ここで、位置情報と外観情報とを含めて特定情報と呼ぶ。
【0049】
ここで、画像投影装置102の位置情報とは、ポータブルデバイス104Aの位置情報取得部509が取得するポータブルデバイス104Aが存在する場所の位置情報と同一であると見なす。なお、撮影時にポータブルデバイス104Aにおいて、撮影時の方角や、被写体までの距離を計測して画像投影装置102の位置情報を補正してもよい。この接続要求には、ポータブルデバイス104Aのデバイス識別子、デバイスタイプ、機種名、および位置情報も含まれる。
【0050】
次に、S902では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511によって実行された接続要求を接続サーバ103のデバイス接続受付部512が受信する。S903では、接続サーバ103のデバイス接続受付部512がポータブルデバイス104Aから受信した接続要求に含まれる画像投影装置102の外観情報と位置情報を元に接続ポート管理部505に問い合わを行う。ここで、接続ポート管理部505が外観情報と位置情報を元に目的の接続ポート情報をテーブル601を検索して取得する。この接続要求に含まれる外観情報は、テーブル6−1に登録されている外観情報(画像情報)6−1−11と比較を行うが、双方の特徴量を抽出した上で比較を行うなど、公知の画像検索技術を用いる事を想定している。
【0051】
一方、ポータブルデバイス104Aから受信する接続要求に含まれる位置情報と、接続ポート管理部505がテーブル6−1に登録されている位置情報6−1−6とから距離を算出する。そして、接続ポート管理部505は、算出した距離があらかじめ決められた閾値内にあるかどうかでS903の検索条件に適合するかどうかを判断する。S904では、接続ポート管理部505が検索条件に適合した接続ポートがないと判断した場合はS905へ進む。一方、検索条件に適合した接続ポートがあると、接続ポート管理部505が判断した場合には、S907へと進む。
【0052】
S904では、接続ポート管理部505が検索条件に適合した接続ポートがないと判断するので、S905で、接続ポート管理部505が該当の接続ポートが見つからないとの通知をポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aに対して送信する。S906で、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aは、該当の接続ポートが見つからないとの通知を受信して、本処理を終了する。
【0053】
S907では、デバイス接続受付部512が、検索条件に適合した接続ポートの使用状況について接続ポート管理部505に問い合わせる。接続ポート管理部505はテーブル6−1の該当の接続ポートの情報(使用状況6−1−8)を参照し、未使用か、使用中かをデバイス接続受付部512に返す。ここで接続ポートの使用状況が未使用であると接続ポート管理部505が判断した場合は、S908へ進み、使用中であると判断した場合には、S912へと進む。
【0054】
そして、S908では、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、テーブル6−1の該当の接続ポート504Aの使用状況6−1−8を「使用中」に変更することを接続ポート管理部505に依頼する。その依頼を受けて接続ポート管理部505は、テーブル6−1の該当の接続ポート504Aの使用状況6−1−8を「使用中」に変更する。その後、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、特定した接続ポート504Aに含まれるデータ受付部506Aへポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aを誘導するようリダイレクトの応答を返す。
【0055】
S909では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが接続サーバ103のデバイス接続受付部512Aからのリダイレクト応答に従いデータ受付部506Aへ接続要求を行う。そして、S910で、データ受付部506Aがデータ送受信部511Aからの接続要求を受け付けて接続の確立を行う。これにより、図9のS901からS910へつながるシーケンスよりポータブルデバイス104Aと画像投影装置102との接続が確立される。これにより、図5で示す接続ポート504Aを用いて接続サーバ103が画像投影装置102とポータブルデバイス104Aとの接続が確立される。
【0056】
このように本実施形態では、ポータブルデバイス104Aの接続要求に含まれる画像投影装置102の外観情報を用いて画像投影装置102との接続ポートを特定して、ポータブルデバイス104Aから受信する画像情報を画像投影装置102で投影可能となる。
【0057】
〔ポータブルデバイス104Bの接続確立処理〕
次に、ポータブルデバイス104Aと接続サーバ103との接続の確立後に、図1に示す他のポータブルデバイス104Bを所持するユーザが接続サーバ103へ接続要求を出した場合の処理シーケンスについて説明する。なお、このユーザは、ポータブルデバイス104Aのユーザとは他のユーザであって、画像投影装置102が投影している画像情報を自分のポータブルデバイス104Bでも表示して確認したい要求として接続要求を接続サーバ103に行っている場合を想定する。
【0058】
また、ポータブルデバイス104Bによる一連のシーケンスは、図9のS911、S902〜S904、S912〜S919の流れとなる。本処理実行により、接続サーバ103において、最終的に確立される親子関係の接続状態の機能モジュールの構成を図10に示す。
【0059】
ポータブルデバイス104Bの接続要求も、S901と同様に、ポータブルデバイス104Bのユーザが図7で示されるボタン713の押下することを受け付けて実行される。
ポータブルデバイス104Bのユーザがボタン713を押下することを受付て、S911では、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して接続要求を行う。
ここで、ポータブルデバイス104Bからの接続要求に含まれる情報は、S901と同じである。S902〜S906における処理は既に説明したものと同じである。よってここでの説明を割愛する。この時点でポータブルデバイス104Aと接続サーバ103との接続は既に確立されている。そのため、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、S907においてS912へと処理を進める。
【0060】
S912で、デバイス接続受付部512は、ポータブルデバイス104Bから接続要求があった接続ポート504Bと接続要求元のポータブルデバイス104Aとの間で、親子関係の接続を行ってよい条件が成立するかを接続ポート管理部505に問い合わせる。接続ポート管理部505は、親子関係の条件が成立するかを次の手順で判断する。
【0061】
まず、接続ポート管理部505は、S904で接続要求に該当した接続ポート504Aのデバイス機種IDをテーブル6−1のデバイス機種ID6−1−3から取得する。次に、接続ポート管理部505は、S911の接続要求に含まれる接続元のデバイスタイプ、機種名を元に、テーブル6−2のデバイス機種ID6−2−1より該当レコードを検索し、接続要求元のデバイス機種IDを得る。さらに接続ポート管理部505は、テーブル6−2の該当した接続ポート504Aのデバイス機種IDの子として接続可能なデバイス機種ID6−2−5に接続要求に接続要求元のデバイス機種IDが入っているかを判断する。
【0062】
ここで、テーブル6−2において、接続ポート管理部505が接続ポート504Aのデバイス機種IDに、接続要求元のデバイス機種IDが入っているかどうかを判断する。そして、接続ポート管理部505が接続要求元のデバイス機種IDが入っていると判断した場合、接続ポート管理部505は親子関係の条件が成立することをデバイス接続受付部512に返す。接続ポート504Aのデバイス機種IDとは、テーブル6−2の「子として接続可能なデバイス機種ID」に対応する。
一方、接続ポート管理部505が接続ポート504Aのデバイス機種IDに、接続要求元のデバイス機種IDが入っていないと判断した場合、接続ポート管理部505は親子関係の条件が成立しないことをデバイス接続受付部512に返す。
これにより、S913で、デバイス接続受付部512が親子関係の条件が成立していないと判断した場合、S914に処理を進め、親子関係の条件が成立していると判断した場合、親子関係を作るためにS916に処理を進める。
【0063】
S914で、接続ポート管理部505が接続を拒否する通知をポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bに対して送信する。S915で、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bは、接続ができなかった旨の接続拒否通知を受信して、本処理を終了する。
【0064】
S916では、接続ポート管理部505はデバイス接続受付部512による子接続ポートの作成の指示に従って接続ポート504Aに対する子接続ポート504Bを作成する。具体的には、接続ポート管理部505は、ポータブルデバイス104Bから送信した接続要求に含まれる情報を元に子接続ポート504Bを生成する。そして、接続ポート管理部505は、作成した子接続ポート504Bのためのレコードをテーブル6−1に追加しそのレコードへ接続ポートの管理情報を次のように格納する。本実施形態では、接続ポート管理部505がポータブルデバイス104Bと画像投影装置102とを接続するため使用状態の接続ポート504Aに設定された特定情報を共有する子接続ポート504Bを作成する。
【0065】
まず、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、追加したレコードのIDとして一意に決まる接続ポートのID情報を生成しテーブル6−1に格納する。次に、接続ポート管理部505は、S911の接続要求に含まれるポータブルデバイス104Bのデバイス識別子、位置情報および外観情報を格納する。さらに、接続ポート管理部505は、S911の接続要求のポータブルデバイス104Bのデバイスタイプ、機種名を用いてテーブル6−2から該当するデバイス機種IDを検索する。そして、接続ポート管理部505は検索結果をテーブル6−1の作成した接続ポートのためのレコードのデバイス機種IDへ格納する。
【0066】
加えて、接続ポート管理部505は、作成した子接続ポート504Bのデータ受付部506BのIPアドレスと接続ポートのデータ取得部508BのIPアドレスを格納する。ここで、接続ポートの生成時は「未使用」を格納する。
この時点でポータブルデバイス104Bとしては親子関係を結んでいない状態なので、子接続ポート504Bのデータ受付部506BのIPアドレスには、未接続の状態を表す値"−"を格納する。親子関係の許可条件のIDに関しては、第1実施形態では、特に制限を設定しないIDである"0"を格納する。
【0067】
次に、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、更にポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aから受信したデータをポータブルデバイス104Bに転送する必要がある。そのために、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の接続ポート504Aのためのレコードの「子の接続ポートのデータ受付部のアドレス」に、子接続ポート504Bのデータ受付部506Bのアドレスを格納する。そして、接続ポート管理部505は接続ポート504Aのデータ受付部506Aより子接続ポート504Bのデータ受付部506Bの通信を確立する。
次に、S917で、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、データ要求部501Bに対してデータ取得部508Bへリダイレクトするよう応答をポータブルデバイス104Bに返す。そして、S918では、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが接続ポート管理部505からのリダイレクト応答を受けて、データ取得部508Bへと接続要求のリダイレクトを行う。そして、S919では、ポータブルデバイス104Bのデータ取得部508Bがデータ送受信部511Bからの接続要求を受け付けて接続の確立を行い、接続サーバ103側の接続処理を終了する。
【0068】
上記説明した処理を実行すると、接続サーバ103の接続ポートに関わる構成は図10に示すように遷移する。
図10は、本実施形態を示す情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。本例は、ポータブルデバイス104A,Bが同時に接続された状態の各モジュールの状態を示している。この場合において、ポータブルデバイス104Bはポータブルデバイス104Aに対して他のデータ通信装置に対応し、ポータブルデバイス104Bのための接続ポートとして子接続ポートが作成される場合に対応する。
図10において、画像投影装置102が親で、ポータブルデバイス104Bが子となる親子関係の通信が確立される。ポータブルデバイス104Bが複数になっても同様のシーケンスで画像投影装置102と親子関係を結ぶことができる。
【0069】
〔ポータブルデバイス104Aのデータ送信処理〕
図11は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、ポータブルデバイス104Aから接続サーバ103に対してデータを送信する場合の処理する例である。なお、S1101、S1109はポータブルデバイス104A側の処理ステップに対応する。また、S1101、S1109はポータブルデバイス104AのCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。S1102〜S1108は、接続サーバ103側の処理に対応する。また、S1102〜S1108は、接続サーバ103のCPU401が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0070】
S1101では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが画像投影装置102で投影するための画像データを接続サーバ103へ送信する。S1102では、接続サーバ103のデータ受付部506Aがポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aから送信されてきた画像データを受信する。
【0071】
S1103では、データ受付部506Aが接続ポート管理部505に現在の接続ポート504Aが子接続ポート(子接続ポート504B)を持っているかどうかを問い合わせる。接続ポート管理部505はデータテーブル6−1の子接続ポートのデータ受付部6−1−4のアドレスを確認し、子接続ポートを持っているかどうかを判断する。ここで、子接続ポートを持っていると接続ポート管理部505が判断した場合、S1104で、接続ポート管理部505はそのアドレスをデータ受付部506Aへ返して、画像データをポータブルデバイス104Bへ転送し、S1105へ進む。
【0072】
一方、S1103で、子接続ポートを持っていないと判断した場合は、S1105へ進める。S1105では、データ受付部506Aが接続ポート管理部505に問い合わせて受信した画像データをデータ変換する必要があるかどうかを判断する。この判断は、問い合わせ元のデータ受付部506Aを含む接続ポート504Aが対応するデータ形式と、受信した画像データのフォーマットとを比較して判断する。
【0073】
例えば問い合わせ元のデータ受付部506Aのアドレスが「192.168.1.2:100」の場合、図6に示すテーブル6−1から合致するアドレスを備える接続ポートはID6−1−1から「VP00002」と判明する。さらに、テーブル6−1から、この接続ポート504Aはデバイス機種IDが「2」の接続ポートとわかる。そして、図6に示すテーブル6−2から、デバイス機種ID6−2−1が「2」のデータ形式を調べると、この接続ポート504Aが対応しているデータ形式はコンポーネント信号であることがわかる。
【0074】
そこで、S1105でのデータ変換が必要か否かの判断の結果、データ変換が必要であるとデータ受付部506Aが判断した場合はS1106へ、必要ないと判断した場合はS1107へと進む。そして、S1106では、データ受付部506Aがデータ変換部514に依頼して、画像データを接続ポート504Aが対応するデータ形式へと変換してもらう。
次に、S1107では、データ受付部506Aがデータ・バッファー507Aでデータのバッファリングを依頼する。この時、S1106でデータ変換を行っている場合は変換後のデータ、データ変換を行っていない場合は元のデータをバッファリングする。この後、図12に示すS1201からS1208の処理を経て画像投影装置102にて出力される。
【0075】
次に、S1108では、接続ポート504Aのデータ受付部506Aがデータ受信を完了した旨をポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aに対して応答する。そして、S1109では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511AがS1101で行ったデータ送信の結果をデータ受付部506Aのデータ受信完了通知として受け取る。
【0076】
なお、S1104では、データ受付部506Aが子接続ポート504Bへポータブルデバイス104Aから受信した画像データを送信する。このことにより、親の接続ポート504Aより、子接続ポート504Bへ画像データが転送される。その後の処理は、図11で示すシーケンス処理と同様であるが、処理の主体が異なる。例えば、S1101の主体はデータ受付部506Aとなり、S1102はデータ受付部506Bとなる。シーケンス処理は同じなので説明を割愛する。
【0077】
〔ポータブルデバイス104Bへのデータ転送処理〕
図12は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、接続ポート504Aから画像投影装置102へのデータ転送と子接続ポート504Bからポータブルデバイス104Bへのデータ転送処理例である。なお、S1201〜S1203、S1207、S1208は接続サーバ103側のステップに対応する。ここで、S1201〜S1203、S1207、S1208は接続サーバ103のCPU401が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。
S1204〜S1206はポータブルデバイス104Bあるいは、画像投影装置102側のステップに対応する。また、S1204〜S1206はポータブルデバイス104BのCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現される。同様に、S1204〜S1206は画像投影装置102のCPU204が図10に示すモジュールを実行することで実現される。
以下、確立した接続ポート504Aおよび子接続ポート504Bを用いて、画像投影装置102に送信しているデータをポータブルデバイス104Bに転送する転送制御について説明する。なお、この際、図11に示す処理によりポータブルデバイス104Aから受信するデータを画像投影装置102に転送する処理も実行されている。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0078】
S1201では、接続サーバ103において、接続ポート504Aのデータ取得部508Aがデータ・バッファー507Aにバッファリングされている投影すべき画像データの取得要求を行う。これに並行して、接続ポート504Bのデータ取得部508Bがデータ・バッファー507Bにバッファリングされている投影すべき画像データの取得要求を行う。
S1202で、データ取得部508A、Bは投影すべき画像データがバッファリングされているかどうかを判断する。ここで、バッファリングされているとデータ取得部508A、Bが判断した場合はS1203へ処理を進め、投影すべき画像データあるいは出力すべき画像データがバッファリングされていないと判断した場合はS1201へ進む。
【0079】
S1203では、データ取得部508Aがデータ・バッファー507Aから画像データを取得し、投影すべき画像データを画像投影装置102のデータ要求部501へと送信する。これに並行して、データ取得部508Bがデータ・バッファー507Bから画像データを取得し、投影すべき画像データをポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bへと送信する。
S1204では、画像投影装置102のデータ要求部501が接続サーバ103のデータ取得部508Aから送信された投影すべき画像データを受信する。S1205ではデータ要求部501が受信した投影すべき画像データを出力制御部502がレンズを介して外部に投影する。これに並行して、ポータブルデバイス104Bの出力制御部522は、データ送受信部511Bが接続サーバ103から受信した出力すべき画像データを表示部に出力する。
【0080】
次に、S1206では、画像投影装置102は、データ要求部501が処理完了通知を接続サーバ103のデータ取得部508Aへ送信する。これに並行して、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが処理完了通知を接続サーバ103のデータ取得部508Bへ送信する。
そして、S1207では、接続サーバ103のデータ取得部508Aがその処理完了通知を画像投影装置102から受信する。これに並行して、接続サーバ103のデータ取得部508Bがその処理完了通知をポータブルデバイス104Bから受信する。
そして、S1208で、接続サーバ103のデータ取得部508Aが処理完了通知および接続ポートとして終了要求があるかを判断する。ここで、終了要求があるとデータ取得部508Aが判断した場合は、データ取得部508Aは、接続サーバ103側の処理を終了し、終了要求がないと判断した場合は、S1201へ処理を進め、次のデータのバッファリングのために処理を継続する。これに並行して、接続サーバ103のデータ取得部508Bが処理完了通知および接続ポートとして終了要求があるかを判断する。ここで、終了要求があるとデータ取得部508Bが判断した場合は、データ取得部508Bは、接続サーバ103側の処理を終了し、終了要求がないと判断した場合は、S1201へ処理を進め、次のデータのバッファリングのために処理を継続する。
【0081】
なお、子接続ポート504Bからポータブルデバイス104Bへのデータ送信と実行のシーケンスは図12と同様である。処理の主体が異なる。例えば、S1201の主体はデータ受付部506Bとなり、S1204はデータ送受信部511Bとなる。シーケンス処理は同じなので説明を割愛する。
【0082】
上記実施形態によれば、会議の会場において、参加者のポータブルデバイスから接続先とすべき画像投影装置の外観画像と位置情報などの識別情報を接続サーバに送信することにより、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続が確立される。これにより、従来は必要であった接続のための接続元となる側のポータブルデバイスにおけるユーザが実行すべき操作手順を減らすことができる。
つまり、本実施形態では、会議室、会議場等において接続元のポータブルデバイスと接続先の画像投影装置との間で確立した親の接続ポートを利用して、他のポータブルデバイスからの接続要求を受け付けるための子の接続ポートを容易に追加することができる。
【0083】
〔第2実施形態〕
第1実施形態により、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続が容易になる。しかし、会議の部外者があらかじめ撮っておいた画像投影機の外観情報&位置情報を用いて画像投影装置の投影情報を覗き見ることが可能となる場合がある。そこで、第2実施形態において、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続を行う際の親子関連許可条件(接続ポート作成の許可条件)の設定方法と、その条件を用いた親子接続の判断方法について説明する。なお、許可条件の一例を挙げると、親子関係が許可されているかどうか、要求元と接続先との距離が規定値以内かどうか、写真(画像投影装置102の外観情報)の有効期限が規定内かどうか、接続元の許可が必要であるかどうか等がある。これらの許可条件は、これらを組み合わせてユーザの接続許可条件に対して柔軟に設定できるように構成することが好ましい。
【0084】
図13は、本実施形態を示す情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。図13の(a)は、画像投影装置102の操作画面例である。図13の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例であって、図7の(a)に示したボタン705の押下をうけて、画像投影装置102の操作画面に表示される。
【0085】
図13において、1301Aはチェックボックスで、親子関係を許可する・しないを制御するためのボタンである。チェックボックス1301Aにチェックがある場合は親子関係を許可し、チェックがない場合は親子関係を許可しない設定とある。この例の場合、親子関係を許可する場合、スピンボックス1302A、1303A、チェックボックス1304Aの設定が可能になる。
【0086】
スピンボックス1302Aは、S911の接続要求で親子関係を結ぶ場合の親デバイスと子デバイス間の最大距離数を設定する。この例の設定では親子間距離が5m以内であれば親子関係の接続を許可し、それ以上離れると許可しないことを表している。
なお、遠隔地からの接続のために、このスピンボックス1302Aでは、親デバイスと子デバイス間の最大距離数を設定しないという選択肢を設けてもよい。また、ここでは距離としたが親子の位置関係を限定できれば、会議室内などの特定のエリアを指定可能でもよい。
【0087】
スピンボックス1303Aは、S911の接続要求で親子関係を結ぶ場合の親の外観情報の写真の有効期限を指定する。この例の場合、親の写真に含まれるEXIF内の情報が、現在の時刻から30分以内の時間であると接続ポート管理部505が判別した場合は、親子関係の接続を許可し、それより古い写真だと許可しないことを表している。このスピンボックス1303Aでは、特に有効期間を指定せず古い写真でもよいという選択肢を設けてもよい。
【0088】
チェックボックス1304Aは、親子条件の判断の場合に、S912で、接続元に確認を取るかを設定する。ここで、チェックボックス1304にチェックがされている場合は、接続元に親子関係の接続を行ってよいかの確認を取る。チェックボックス1304Bにチェックがされていない場合は、特に確認をとらない。なお、図13において、701、703、704は、図7の(a)と同じである。外観情報を示す領域701の押下を受けて実行されるS801の接続ポート生成要求の一部として1301B〜1304Bで設定された情報は、接続ポート管理部505に対して送信される。
【0089】
ここで接続ポート管理部505に対して送信された情報は、S812の接続ポート504の生成時に、図6のデータテーブル6−3を検索し同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成する。その際、接続ポート管理部505は、情報1301A〜1304Aを新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1のS812で生成した接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。
【0090】
図13の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例である。図7の(b)のボタン714の押下をうけて、ポータブルデバイス104の操作画面に表示される。
図13の(b)に示すUIアイテムは、それぞれ図13の(a)の同じ番号と対応した情報を設定できる。例えば図13の(b)のチェックボックス1301Bは、図13の(a)のチェックボックス1301A相当の動作を行う。また、ポータブルデバイス104のボタン713の押下を受けて実行されるS901またはS911の接続要求の一部として、接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して送信される。
【0091】
図9に示したS901の接続要求の場合は、S908で、デバイス接続受付部512の依頼を受けて接続ポート管理部505がデータテーブル6−3を検索する。データテーブル6−3に同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成し1301B〜1304Bの情報を新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1のS903で特定した接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。この操作を行うことにより接続元での親子関連許可条件を親の接続ポートに反映することができる。
【0092】
また、図9に示したS911の接続要求の場合は、S916で接続ポート管理部505がデータテーブル6−3を検索し同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成し1301B〜1304Bの情報を新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1の作成した子の接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。この操作を行うことにより親子関連許可条件を子の接続ポートに反映することが可能になる。
【0093】
親子関係条件の判断処理に関しては、S912で接続ポート管理部505が判断する。S912で、接続ポート管理部505は第1実施形態の接続ポートの「子として接続可能なデバイス機種ID」の判定に加えて、「親子関連許可条件ID」が成立するかを判定条件として加える。
接続ポート管理部505は、「子として接続可能なデバイス機種ID」および「親子関連許可条件ID」の条件がすべて成立する際に、親子関係の条件が成立することをデバイス接続受付部512に返す。ここで、1つでも成立しない場合は、親子関係の条件が成立しないことをデバイス接続受付部512に返す。データテーブル6−3の「接続元への確認が必要」が"必要"となっている場合は、通信を行い接続元から許可があった場合に、親子関係の条件が成立したと判断する。
【0094】
本実施形態によれば、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の設定処理において親子関連許可条件を詳細設定可能とするので、親子関係を許可するユーザが意図する条件を満たす接続のみ親子関係が許可されるようになる。これによって、会議内容を見ようとする部外者からの要求を制限して、セキュリティを確保した状態で投影データを制限のないユーザが所有するポータブルデバイスで確認できる。
〔他の実施形態〕
【0095】
上記実施形態では、S901の接続要求に使う情報として、他のデジタルカメラなどで撮った画像投影装置102の写真画像を使うこともできる。その場合の接続要求の位置情報としては、写真画像に含まれるEXIFなどのデジタルカメラで撮影を行った際の位置情報を利用してもよい。
また、図7の(b)に「子として接続」というボタンを設けて明示的に親子関係を結ぶことを受けつける手段を設けてもよい。
【0096】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0097】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0098】
101 インターネット
102 画像投影装置
104A、104B ポータブルデバイス
105 情報処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続が確立したデバイス相互間でやりとりされるデータを取得したいデバイスからの要求に適応して接続ポートを作成するサーバ装置、接続確立制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばデバイスとしての情報処理装置とデバイスとしての機能処理デバイス(プリンタ等)の間でデータのやり取りを行う際、TCP/IPなどのプロトコルを用いてネットワーク通信を確立していた(例えば、特許文献1)。
【0003】
通常、機能処理デバイス(以下、単にデバイスと呼ぶ)ごとに接続I/F(プロトコルを含む)や対応するデータ形式が異なる。そのため機器間での直接ネットワーク通信を行う場合、接続元の端末側でドライバなどのソフトウエアを用いることでI/Fの差異や対応データの差異を吸収する必要があった。
【0004】
近い将来、あらゆる機器がネットワークに対応し、使用する端末も多様化およびモバイル化していく傾向が強まる。その動きに伴い、例えば、外出先でモバイルからプリンタへ印刷するなどのケースのように、デバイス同士を偶発的に接続する機会が増加していくことが予想される。
現在の技術だと接続元のデバイスにあらかじめ、接続先となりうるあらゆる接続先デバイスに対応するドライバを導入しておくことが必要である。しかしモバイル機器のような場合いつどこでどのようなデバイスと接続を試みるかわからないので非現実的である。
この課題を解決するために、以下のようなシステムの特許提案がなされている(特許文献2)。
【0005】
接続先デバイスの外観画像と位置情報等の識別情報とに紐づく接続ポートを管理する接続サーバを用意する。接続先デバイスの外観画像と位置情報を含む接続指示を接続元デバイスから接続サーバへ送信する。その送信を受けた接続サーバは、接続先デバイスに紐づく接続ポートへと誘導する。このことによりデバイス同士の接続をより簡単に実現できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−169187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例のシステムにおいて、例えばデータ通信装置(ポータブルデバイス)と画像処理装置とを用いて会議などでプレゼンテーションを行う場合を考える。その場合、接続元デバイスが発表者のポータブルデバイスで、接続先デバイスが会議室のプロジェクタ(画像処理装置)となる。この状況で会議の参加者がポータブルデバイスを持っている場合、手元のポータブルデバイスでもプロジェクタで投影されている画像を参照したいという要望が発生する。
【0008】
このような場合において、上記特許文献のシステムを用いれば、発表者のポータブルデバイスから、参加者の手元のポータブルデバイスの外観画像と位置情報などの識別情報を接続サーバに送付することにより接続することは可能である。
しかし、参加者が多数の場合は、その都度、接続元の発表者のポータブルデバイスより接続サーバに、識別情報を送信することになり、接続のための操作手順が発表者に集中する。さらに電話会議のような発表者のポータブルデバイスと、会議室のプロジェクタの間の距離が離れている場合、参加者から発表者への識別情報の送信が必要となり、さらに煩雑な操作を必要とする。
また、転送すべきデバイス数が何らの制限もなく増えてしまうと、プレゼンテーションに参加できるユーザを特定のユーザに制限したいという要求に十分応えることができず、セキュリティの面からのも何からの対応が必要となる場合がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ネットワークを介して1つのデバイスに複数のデバイスを接続する場合に、接続元のデバイスに負荷をかけることなく、先に接続が確立された接続ポートを用いて他のデバイスが先のデバイスとの間で転送されるデータを受信するため接続ポートを容易に追加できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のサーバ装置は以下に示す構成を備える。
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置であって、前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成手段と、いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断手段と、前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワークを介して1つのデバイスに複数のデバイスを接続する場合に、接続元のデバイスに負荷をかけることなく、先に接続が確立された接続ポートを用いて他のデバイスが先のデバイスとの間で転送されるデータを受信するため接続ポートを容易に追加できる。
【0012】
さらに、接続ポートを追加するための許可条件をユーザから受け付けて、ユーザが意図する許可条件に従い画像処理装置とデータ通信装置との間で転送されるデータを転送するための接続ポートの作成を制限して、子接続ポートを利用できるユーザを制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】サーバ装置を適用する情報処理システムの一例を示す図である。
【図2】画像投影装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ポータブルデバイスのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。
【図6】接続ポート管理部が管理するデータテーブルの一例を示す図である。
【図7】情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。
【図8】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図9】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図10】情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。
【図11】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図12】情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図13】情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0015】
図1は、本発明の実施形態を示すサーバ装置を適用する情報処理システムの一例を示す図である。本例では、例えばクラウドコンピューティング環境において、ネットワーク接続を確立する接続サーバと複数種類のポータブルデバイスとがインターネットを介して通信可能なシステムを想定する。以下、上述した接続サーバを介したネットワーク通信確立方法のシステムを用いて会議などでプレゼンテーションを行うシステムを想定して実施形態を説明する。また、本実施形態においては、ポータブルデバイスから送信されるデータを画像投影装置等の画像処理装置に転送する例を示すが、データとしては画像データに限るものではない。また、ポータブルデバイスがパソコンの多機能性を持ったスマートフォンに限るものでもなく、通信機能を備えるデバイスであれば、本発明を適用可能である。
ここで、ネットワーク接続を確立する接続サーバ103には、画像投影装置(プロジェクタ装置)102、ポータブルデバイス104A,104B、情報処理装置105等の複数種類のデバイスが接続されている。なお、画像処理装置には、通信機能を備えるデジタルカメラも含まれる。
【0016】
図1において、インターネット101は、各デバイス間で情報をやり取りするための通信回線網である。画像投影装置102、ポータブルデバイス104A、B、情報処理装置105からは、接続サーバ103への通信はファイアーウォールに遮断されることなく行えるものとする。インターネット101は、例えば、TCP/IPプロトコルなどをサポートする通信回線網であり、接続方式に関しては有線・無線は問わない。
接続サーバ103は、本実施形態では、1台のサーバコンピューターで構成されている場合を示すが、複数台で構成されていても構わない。複数台で構成される場合はサーバコンピューター間での通信はファイアーウォールに遮断されることなく行えるものとする。
【0017】
図2は、図1に示した画像投影装置102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、画像投影装置102は、投影ユニット202、CPU204、ROM205、RAM206、Input/Outputインターフェース207、NIC208、バス209から構成される。なおNICはNetwork InterfaceCardの略である。以下省略して表記する。
【0018】
画像投影装置102は、CPU204により制御され、ROM205内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等に基づいてバス209に接続される投影ユニット202に出力情報としての画像信号を出力する。
ROM205内には、CPU204の制御プログラムが記憶されている。Input/Outputインターフェース207は操作パネルへの画面表示や、キー入力等を受け付ける。ネットワークコントローラ(NIC)208はネットワークに接続されおり、ポータブルデバイス104や、情報処理装置105などとの通信処理が可能となっている。RAM206は、CPU204の主メモリや、ワークエリア等として機能する。
図3は、図1に示したポータブルデバイス104A、Bのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図3において、ポータブルデバイス104A,Bは、CPU301、RAM302、ROM303、Input/Outputインターフェース304、NIC305、撮影ユニット306、位置情報取得ユニット307、バス308から構成される。
【0020】
CPU301は、ROM303のプログラム用ROMにロードされたOSや一般アプリケーション、プログラムを実行するとともに、バス308に接続される各デバイスを総括的に制御する。ROM303は、CPU301の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラムや、各種データを記憶する。
RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。Input/Outputインターフェース304は、ディスプレイ表示やディスプレイ上からのキー入力等を制御する。NIC305は、ネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他のデバイス(接続サーバ103を含む)との通信制御処理を実行する。
図4は、図1に示した情報処理装置105およびハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図4において、情報処理装置105は、CPU401、RAM402、ROM403、Input/Outputインターフェース404、NIC405、バス406から構成される。各デバイスの役割は、ポータブルデバイス104と同様であるため、詳細説明は割愛する。なお、接続サーバ103は、図4の情報処理装置105と同様なハードウェア構成である。そのためハードウェア構成の詳細説明は割愛する。
【0022】
図5は、情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。以下、接続サーバ103が備える各機能モジュールを説明する。
図5において、データ要求部501および出力制御部502の機能は、ソフトウエアで実現され画像投影装置102のCPU204で実行される。位置情報取得部509と、撮像部510と、データ送受信部511および出力制御部522は、ソフトウエアで実現されポータブルデバイス104のCPU301で実行される。情報送信部515はソフトウエアで実現され情報処理装置105のCPU401で実行される。接続ポート504とそのサブ機能:データ受付部506〜データ取得部508と、データ変換部514と、接続ポート管理部505およびデバイス接続受付部512は、ソフトウエアで実現され、接続サーバ103のCPU401で実行される。
【0023】
データ要求部501は、接続サーバ103に対して接続を行い、画像投影装置102で投影する画像などのデータを要求する機能を有する。出力制御部502は、データ要求部501が取得したデータを実際に処理・出力する機能を有する。接続ポート管理部505は、接続ポート504を作成・削除・管理する機能を有する。
【0024】
また、接続ポート管理部505は接続要求を発信したデータ要求部501に対し、接続ポート504に含まれるデータ取得部508へ接続を行うよう、誘導する機能を有する。接続ポート504は、データ受付部506、データ・バッファー507、データ取得部508で構成されている。この例で接続ポート504は画像投影装置102に対応しており、一つの画像投影装置に対して一つの接続ポートが作成される。データ受付部506は、ポータブルデバイス104から送信されてくるデータを受け付ける機能と、データ・バッファー507にデータをバッファリングする機能を有する。
【0025】
また、データ受付部506は、送信されてくるデータに関して画像投影装置102で処理可能なデータ形式かの判断を行う。その結果を元に必要に応じてデータ変換部514にデータ変換を依頼する。データ・バッファー507は、データ受付部506よりデータを受け付け、保持し、データ取得部508からの依頼によりデータを渡す。ここでデータ・バッファー507がデータ取得部508にデータを渡す順序は先入れ先出し(FIFO)である。データ取得部508は、データ・バッファー507に対して定期的にテータを要求し、データを取得できた場合には、データ要求部501に対してデータを送信する。
【0026】
位置情報取得部509は、ポータブルデバイス104の存在する位置の情報を、GPSなどの位置情報取得ユニット307を利用して取得する。撮像部510は、撮影ユニット306によりポータブルデバイス104付近に存在する画像投影装置の外観情報を取得する。
データ送受信部511は、ポータブルデバイス104、位置情報取得部509および撮像部510が取得した位置情報および外観情報を元に、接続サーバ103に対して接続要求を行う。またデータ送受信部511は接続が確立された後、ポータブルデバイス104内に格納されているデータをデータ受付部506へと送信する。デバイス接続受付部512は、データ送受信部511からの接続要求を受け付け、データ送受信部511に対してデータ受付部506へ接続を行うよう誘導する。また、デバイス接続受付部512は、受け取った位置情報および外観情報を元に、接続ポート管理部505に問い合わせることで、データ受付部506を特定する機能を有する。
デバイス接続受付部512は、接続ポート管理部505に対して、受付キーと画像投影装置102の外観情報とを送信する機能を有する。受付キーについては後述する。
【0027】
接続ポート管理部505は、受付キーを生成する機能を有する。接続ポート管理部505は、さらに接続要求時に含まれる画像投影装置102の外観情報とすでに登録済みの他のデバイスの外観情報との類似度判定を行う機能を有する。データ変換部514は、データ受付部506からの依頼に基づきデータ形式を変換する機能を有する。
【0028】
図6は、図5に示した接続ポート管理部505が管理するデータテーブルの一例を示す図である。
図6において、テーブル6−1は、接続ポートの情報を管理するテーブルである。テーブル6−1の1つのレコードが、接続サーバ103内に作成される接続ポート504に対応する。
テーブル6−1は接続ポート生成時に動的にレコードが追加され、接続要求時にレコードの情報が更新される。テーブル6−2は、接続サーバ103と通信するデバイス機器の情報を管理するテーブルである。テーブル6−2は、本システムの対象デバイスが増加する度に、管理者が情報を追加していくテーブルである。
なお、テーブル6−1とテーブル6−2は、双方のテーブルのデバイス機種IDで関連づけられている。テーブル6−3は、親子関係を許可する際の条件を管理するテーブルである。テーブル6−1とテーブル6−3は、双方のテーブルの親子関係許可条件IDで関連づけられている。詳細については第2実施形態で説明する。
【0029】
なお、テーブル6−1は、接続ポートを識別するID6−1−1と、デバイス識別子6−1−2、デバイス機種ID6−1−3、データ受付部のアドレス6−1−4、データ取得部のアドレス6−1−5を含んで構成されている。さらに、テーブル6−1は、位置情報6−1−6、受付キー6−1−7、使用状況6−1−8、子の接続ポートのデータ受付部のアドレス6−1−9、親子関係許可条件ID6−1−10、外観情報6−1−11を含んで構成されている。
また、テーブル6−2はデバイス機種ID6−2−1、デバイスタイプ6−2−2、機種名6−2−3、データ形式6−2−4、子として接続可能なデバイス機種ID6−2−5を含んで構成されている。
【0030】
また、テーブル6−3は、親子関係許可条件ID6−3−1、許可/付加情報6−3−2、親子関係の最大距離6−3−3、親の写真の有効期限6−3−4、接続元への確認の要否6−3−5を含んで構成されている。なお、各テーブル6−1、6−2、6−3の関係については、後述するフローチャートにおいて説明する。
【0031】
図7は、本実施形態を示す情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。図7の(a)は、画像投影装置102の操作画面例である。図7の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例である。
図7の(a)において、701は外観情報を表示するための領域で、画像投影装置102を表す画像情報を表示する。本領域701への表示する画像は、画像投影装置102の製品出荷時にあらかじめ画像投影装置102内に装置画像データが格納されていてもよい。または画像投影装置102のNIC208経由で画像情報を受け付け、その画像を表示してもよい。
【0032】
702はオプションチェックボックスであり、領域701に外観情報を表示せずに、他の情報処理装置より接続要求のための外観情報を送信する際にチェックされる。703はボタンで、接続要求を実行開始する際に押下される。704は接続要求の状況や結果を表示するための領域である。705はボタンで、親子関係許可条件などの接続に関する詳細情報を設定する際に押下される。このボタン705が押下された場合の動作の詳細に関しては、第2実施形態において説明する。
【0033】
図7の(b)において、711はボタンで、撮像部510を動作させるために押下される。ボタン711を押下すると、撮影ユニット306で撮影した画像が712に表示される。712は撮影ユニット306で撮影した画像を表示させる領域であり、データの出力先デバイス、つまり本実施形態では画像投影装置102の外観情報を表示させて使用する。
713は、領域712で表示した出力先デバイスへの接続要求を、接続サーバ103に送信するためのボタンである。714は親子関係許可条件などの接続に関する詳細情報を設定するボタンである。このボタンが押下された場合の動作の詳細に関しては第2実施形態で説明する。
【0034】
〔画像投影装置102の接続ポート生成処理〕
図8は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、画像投影装置102から接続サーバ103に対して接続を確立するための、接続ポート生成要求を処理する例である。なお、S806は、情報処理装置105において実行されるステップであり、S801、S804、S805、S811、S814は、画像投影装置102のCPU204が実行するステップである。また、S802、S803、S807〜S810、S812、S813,S815は接続サーバ103のCPU401が図5に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、画像投影装置102を接続サーバ103に接続する際に、画像投影装置102の外観情報を関連づけられた接続ポートを作成する処理を説明する。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0035】
本接続ポート生成要求送信は、図7の(a)のボタン703がユーザの操作で押下されることにより開始される。
S801で、画像投影装置102のデータ要求部501はボタン703の押下を受けて接続ポート生成要求を接続サーバ103の接続ポート管理部505に対して送信する。この接続ポート生成要求には、画像投影装置102が記憶しているデバイス識別子、デバイスタイプ、機種名が含まれる。ここで、前記接続ポート生成要求に画像投影装置102が設置されている場所の位置情報と画像投影装置102の外観情報は含まれていても、いなくても構わない。
【0036】
次に、S802で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は接続ポート生成要求を画像投影装置102から受け取り、この接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報が含まれているかどうかを判断する。ここで、接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報が含まれていると接続ポート管理部505が判断した場合、接続サーバ103の接続ポート管理部505はS808へ処理を進める。
【0037】
一方、接続ポート生成要求に画像投影装置102の位置情報と外観情報のどちらかが含まれていないと接続ポート管理部505が判断した場合には、S803へと処理を進める。
そして、S803で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、S801で受け取る画像投影装置102からの接続ポート生成要求に対して仮受付した印となる受付キーを生成する。ここで生成する受付キーは一意に特定できる情報であればよく、例えば数値でも文字列でも構わない。
【0038】
更に、接続ポート管理部505は画像投影装置102のデータ要求部501から送信された接続ポート生成要求に含まれる情報とこの受付キーと格納するレコードを図6に示したテーブル6−1に追加する。
その後、接続ポート管理部505は、画像投影装置102のデータ要求部501に対して受付キーを応答として送信する。受付キーの送信後、接続ポート管理部505は仮接続要求の情報を保持した状態で待機する。
【0039】
S804で、画像投影装置102のデータ要求部501が接続ポート管理部505から送られてきた受付キーを受信すると、図7の(a)の領域704に受付キーを表示する。この結果、画像投影装置102の操作者は、接続サーバ103から受付キーを確実に入手することができる。
S806で、情報処理装置105の情報送信部515は、操作者によって入力された受付キーと画像投影装置102の外観情報を接続サーバ103の接続ポート管理部505へ送信する。そして、S807では、接続サーバ103の接続ポート管理部505が情報処理装置105の情報送信部515から送信されてきた受付キーを元に対応する待機中の仮接続要求を探し出す。そして、接続サーバ103の接続ポート管理部505が、仮接続要求と情報送信部515から送信されてきた位置情報と外観情報を紐付ける処理を行う。
【0040】
次に、S808では、接続サーバ103の接続ポート管理部505がテーブル6−1の外観情報6−1−11に格納されている既存の他のデバイスの外観情報とS801またはS807で受信した外観情報との比較を行う。外観情報の類似度判定に関しては、画像の領域内に含まれる色の分布具合を比較して判定するなど既知の技術を利用する。そのため、類似度判定の画像処理の詳細についてはここでは説明しない。
【0041】
S809では、S808における画像投影装置102の外観情報に対する類似度判定の結果、ある一定以上の類似度であるかどうかを接続ポート管理部505が判断する。ここで、S808における類似度判定の結果、ある一定以上の類似度であると接続ポート管理部505が判断した場合S810へ進み、そうでないと判断した場合は、S812へと進む。
【0042】
S810では、受け取った画像投影装置102に対して類似の外観情報があると判定されているので、新たな接続ポートの生成を接続ポート管理部505が登録拒否する通知を、画像投影装置102のデータ要求部501へ送信する。S811では、画像投影装置102のデータ要求部501は既に登録済みであることを示す登録拒否通知を受信して、画像投影装置102に基づく処理を終了する。
【0043】
一方、S812では、接続サーバ103の接続ポート管理部505が画像投影装置102のデータ要求部501および情報処理装置105の情報送信部515から受信した接続ポート生成要求のために新しい接続ポート504を生成する。さらに、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、その接続ポート504を管理するために、S802でデータテーブル6−1に追加したレコードに対して、新しい接続ポートに関する情報を、次に示すように格納する。接続ポート管理部505は、まず追加したレコードのIDとして一意に決まる接続ポートのID情報6−1−1を生成してテーブル6−1に格納する。
【0044】
次に、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、S801の接続ポート生成要求のデバイスタイプ、機種名を用いてテーブル6−2から該当するデバイス機種ID6−2−1を検索する。そして、接続ポート管理部505は、その検索結果をテーブル6−1の作成した接続ポートのためのレコードのデバイス機種IDをデバイス機種ID6−1−3へ格納する。
更に作成した接続ポートのデータ受付部506のIPアドレスをテーブル6−1のデータ受付部のアドレス6−1−4に格納するとともに、接続ポートのデータ取得部508のIPアドレスをテーブル6−1のデータ取得部のアドレス6−1−5に格納する。
【0045】
なお、接続ポートの生成時は使用中ではないので、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の使用状況6−1−8には未使用を示す"−"を格納する。また、現在は、接続ポート自身が親子関係を結んでいない状態なので、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の子の接続ポートのデータ受付部のアドレス6−1−9のIPアドレスには、未接続の状態を表す値"−"を格納する。
また、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の親子関係の許可条件ID6−1−10に関しては、本実施形態では、特に制限を設定しないIDである"0"を格納する。その他の値の場合の動作に関しては、第2実施形態において説明する。
【0046】
S813で、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、画像投影装置102のデータ要求部501に対してS812で生成した新しい接続ポート504のデータ取得部508へリダイレクトするよう応答を返す。S814では、画像投影装置102のデータ要求部501が接続ポート管理部505からのリダイレクト応答を受けて、接続サーバ103のデータ取得部508へとリダイレクトを行う。そして、S815では、接続サーバ103のデータ取得部508がデータ要求部501からの接続要求を受け付けて接続の確立を行う。
ここでの接続確立は、COMETやWEB Socketといった双方向通信可能な接続形態での接続確立を意味する。図8に示す手順により、接続サーバ103上に画像投影装置102用の接続ポート504が作成され、画像投影装置102との接続が確立される。
【0047】
〔ポータブルデバイス104Aの接続確立処理〕
図9は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、ポータブルデバイス104A,Bから接続サーバ103に対して接続を確立する接続確立制御例である。なお、S901、S906、S909はポータブルデバイス104のCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。また、S902〜S905、S907、S908、S910、S912〜S914、S916、S917、S919は接続サーバ103のCPUが図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。
さらに、S911、S915、S918はポータブルデバイス104BのCPUが図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0048】
本処理において、接続先の画像投影装置102は現在未使用状態で、他の接続元のデバイスと通信が確立されていない状態において、ポータブルデバイス104Aのボタン713をユーザが押下することを受けて接続要求が実行される。ポータブルデバイス104Aのボタン713の押下を受けて、S901では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して接続要求を行う。また、この接続要求には、画像投影装置102の位置情報と画像投影装置102の外観情報が含まれる。ここで、位置情報と外観情報とを含めて特定情報と呼ぶ。
【0049】
ここで、画像投影装置102の位置情報とは、ポータブルデバイス104Aの位置情報取得部509が取得するポータブルデバイス104Aが存在する場所の位置情報と同一であると見なす。なお、撮影時にポータブルデバイス104Aにおいて、撮影時の方角や、被写体までの距離を計測して画像投影装置102の位置情報を補正してもよい。この接続要求には、ポータブルデバイス104Aのデバイス識別子、デバイスタイプ、機種名、および位置情報も含まれる。
【0050】
次に、S902では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511によって実行された接続要求を接続サーバ103のデバイス接続受付部512が受信する。S903では、接続サーバ103のデバイス接続受付部512がポータブルデバイス104Aから受信した接続要求に含まれる画像投影装置102の外観情報と位置情報を元に接続ポート管理部505に問い合わを行う。ここで、接続ポート管理部505が外観情報と位置情報を元に目的の接続ポート情報をテーブル601を検索して取得する。この接続要求に含まれる外観情報は、テーブル6−1に登録されている外観情報(画像情報)6−1−11と比較を行うが、双方の特徴量を抽出した上で比較を行うなど、公知の画像検索技術を用いる事を想定している。
【0051】
一方、ポータブルデバイス104Aから受信する接続要求に含まれる位置情報と、接続ポート管理部505がテーブル6−1に登録されている位置情報6−1−6とから距離を算出する。そして、接続ポート管理部505は、算出した距離があらかじめ決められた閾値内にあるかどうかでS903の検索条件に適合するかどうかを判断する。S904では、接続ポート管理部505が検索条件に適合した接続ポートがないと判断した場合はS905へ進む。一方、検索条件に適合した接続ポートがあると、接続ポート管理部505が判断した場合には、S907へと進む。
【0052】
S904では、接続ポート管理部505が検索条件に適合した接続ポートがないと判断するので、S905で、接続ポート管理部505が該当の接続ポートが見つからないとの通知をポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aに対して送信する。S906で、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aは、該当の接続ポートが見つからないとの通知を受信して、本処理を終了する。
【0053】
S907では、デバイス接続受付部512が、検索条件に適合した接続ポートの使用状況について接続ポート管理部505に問い合わせる。接続ポート管理部505はテーブル6−1の該当の接続ポートの情報(使用状況6−1−8)を参照し、未使用か、使用中かをデバイス接続受付部512に返す。ここで接続ポートの使用状況が未使用であると接続ポート管理部505が判断した場合は、S908へ進み、使用中であると判断した場合には、S912へと進む。
【0054】
そして、S908では、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、テーブル6−1の該当の接続ポート504Aの使用状況6−1−8を「使用中」に変更することを接続ポート管理部505に依頼する。その依頼を受けて接続ポート管理部505は、テーブル6−1の該当の接続ポート504Aの使用状況6−1−8を「使用中」に変更する。その後、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、特定した接続ポート504Aに含まれるデータ受付部506Aへポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aを誘導するようリダイレクトの応答を返す。
【0055】
S909では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが接続サーバ103のデバイス接続受付部512Aからのリダイレクト応答に従いデータ受付部506Aへ接続要求を行う。そして、S910で、データ受付部506Aがデータ送受信部511Aからの接続要求を受け付けて接続の確立を行う。これにより、図9のS901からS910へつながるシーケンスよりポータブルデバイス104Aと画像投影装置102との接続が確立される。これにより、図5で示す接続ポート504Aを用いて接続サーバ103が画像投影装置102とポータブルデバイス104Aとの接続が確立される。
【0056】
このように本実施形態では、ポータブルデバイス104Aの接続要求に含まれる画像投影装置102の外観情報を用いて画像投影装置102との接続ポートを特定して、ポータブルデバイス104Aから受信する画像情報を画像投影装置102で投影可能となる。
【0057】
〔ポータブルデバイス104Bの接続確立処理〕
次に、ポータブルデバイス104Aと接続サーバ103との接続の確立後に、図1に示す他のポータブルデバイス104Bを所持するユーザが接続サーバ103へ接続要求を出した場合の処理シーケンスについて説明する。なお、このユーザは、ポータブルデバイス104Aのユーザとは他のユーザであって、画像投影装置102が投影している画像情報を自分のポータブルデバイス104Bでも表示して確認したい要求として接続要求を接続サーバ103に行っている場合を想定する。
【0058】
また、ポータブルデバイス104Bによる一連のシーケンスは、図9のS911、S902〜S904、S912〜S919の流れとなる。本処理実行により、接続サーバ103において、最終的に確立される親子関係の接続状態の機能モジュールの構成を図10に示す。
【0059】
ポータブルデバイス104Bの接続要求も、S901と同様に、ポータブルデバイス104Bのユーザが図7で示されるボタン713の押下することを受け付けて実行される。
ポータブルデバイス104Bのユーザがボタン713を押下することを受付て、S911では、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して接続要求を行う。
ここで、ポータブルデバイス104Bからの接続要求に含まれる情報は、S901と同じである。S902〜S906における処理は既に説明したものと同じである。よってここでの説明を割愛する。この時点でポータブルデバイス104Aと接続サーバ103との接続は既に確立されている。そのため、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、S907においてS912へと処理を進める。
【0060】
S912で、デバイス接続受付部512は、ポータブルデバイス104Bから接続要求があった接続ポート504Bと接続要求元のポータブルデバイス104Aとの間で、親子関係の接続を行ってよい条件が成立するかを接続ポート管理部505に問い合わせる。接続ポート管理部505は、親子関係の条件が成立するかを次の手順で判断する。
【0061】
まず、接続ポート管理部505は、S904で接続要求に該当した接続ポート504Aのデバイス機種IDをテーブル6−1のデバイス機種ID6−1−3から取得する。次に、接続ポート管理部505は、S911の接続要求に含まれる接続元のデバイスタイプ、機種名を元に、テーブル6−2のデバイス機種ID6−2−1より該当レコードを検索し、接続要求元のデバイス機種IDを得る。さらに接続ポート管理部505は、テーブル6−2の該当した接続ポート504Aのデバイス機種IDの子として接続可能なデバイス機種ID6−2−5に接続要求に接続要求元のデバイス機種IDが入っているかを判断する。
【0062】
ここで、テーブル6−2において、接続ポート管理部505が接続ポート504Aのデバイス機種IDに、接続要求元のデバイス機種IDが入っているかどうかを判断する。そして、接続ポート管理部505が接続要求元のデバイス機種IDが入っていると判断した場合、接続ポート管理部505は親子関係の条件が成立することをデバイス接続受付部512に返す。接続ポート504Aのデバイス機種IDとは、テーブル6−2の「子として接続可能なデバイス機種ID」に対応する。
一方、接続ポート管理部505が接続ポート504Aのデバイス機種IDに、接続要求元のデバイス機種IDが入っていないと判断した場合、接続ポート管理部505は親子関係の条件が成立しないことをデバイス接続受付部512に返す。
これにより、S913で、デバイス接続受付部512が親子関係の条件が成立していないと判断した場合、S914に処理を進め、親子関係の条件が成立していると判断した場合、親子関係を作るためにS916に処理を進める。
【0063】
S914で、接続ポート管理部505が接続を拒否する通知をポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bに対して送信する。S915で、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bは、接続ができなかった旨の接続拒否通知を受信して、本処理を終了する。
【0064】
S916では、接続ポート管理部505はデバイス接続受付部512による子接続ポートの作成の指示に従って接続ポート504Aに対する子接続ポート504Bを作成する。具体的には、接続ポート管理部505は、ポータブルデバイス104Bから送信した接続要求に含まれる情報を元に子接続ポート504Bを生成する。そして、接続ポート管理部505は、作成した子接続ポート504Bのためのレコードをテーブル6−1に追加しそのレコードへ接続ポートの管理情報を次のように格納する。本実施形態では、接続ポート管理部505がポータブルデバイス104Bと画像投影装置102とを接続するため使用状態の接続ポート504Aに設定された特定情報を共有する子接続ポート504Bを作成する。
【0065】
まず、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、追加したレコードのIDとして一意に決まる接続ポートのID情報を生成しテーブル6−1に格納する。次に、接続ポート管理部505は、S911の接続要求に含まれるポータブルデバイス104Bのデバイス識別子、位置情報および外観情報を格納する。さらに、接続ポート管理部505は、S911の接続要求のポータブルデバイス104Bのデバイスタイプ、機種名を用いてテーブル6−2から該当するデバイス機種IDを検索する。そして、接続ポート管理部505は検索結果をテーブル6−1の作成した接続ポートのためのレコードのデバイス機種IDへ格納する。
【0066】
加えて、接続ポート管理部505は、作成した子接続ポート504Bのデータ受付部506BのIPアドレスと接続ポートのデータ取得部508BのIPアドレスを格納する。ここで、接続ポートの生成時は「未使用」を格納する。
この時点でポータブルデバイス104Bとしては親子関係を結んでいない状態なので、子接続ポート504Bのデータ受付部506BのIPアドレスには、未接続の状態を表す値"−"を格納する。親子関係の許可条件のIDに関しては、第1実施形態では、特に制限を設定しないIDである"0"を格納する。
【0067】
次に、接続サーバ103の接続ポート管理部505は、更にポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aから受信したデータをポータブルデバイス104Bに転送する必要がある。そのために、接続ポート管理部505は、テーブル6−1の接続ポート504Aのためのレコードの「子の接続ポートのデータ受付部のアドレス」に、子接続ポート504Bのデータ受付部506Bのアドレスを格納する。そして、接続ポート管理部505は接続ポート504Aのデータ受付部506Aより子接続ポート504Bのデータ受付部506Bの通信を確立する。
次に、S917で、接続サーバ103のデバイス接続受付部512は、データ要求部501Bに対してデータ取得部508Bへリダイレクトするよう応答をポータブルデバイス104Bに返す。そして、S918では、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが接続ポート管理部505からのリダイレクト応答を受けて、データ取得部508Bへと接続要求のリダイレクトを行う。そして、S919では、ポータブルデバイス104Bのデータ取得部508Bがデータ送受信部511Bからの接続要求を受け付けて接続の確立を行い、接続サーバ103側の接続処理を終了する。
【0068】
上記説明した処理を実行すると、接続サーバ103の接続ポートに関わる構成は図10に示すように遷移する。
図10は、本実施形態を示す情報処理システムのモジュール構成を説明するブロック図である。本例は、ポータブルデバイス104A,Bが同時に接続された状態の各モジュールの状態を示している。この場合において、ポータブルデバイス104Bはポータブルデバイス104Aに対して他のデータ通信装置に対応し、ポータブルデバイス104Bのための接続ポートとして子接続ポートが作成される場合に対応する。
図10において、画像投影装置102が親で、ポータブルデバイス104Bが子となる親子関係の通信が確立される。ポータブルデバイス104Bが複数になっても同様のシーケンスで画像投影装置102と親子関係を結ぶことができる。
【0069】
〔ポータブルデバイス104Aのデータ送信処理〕
図11は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、ポータブルデバイス104Aから接続サーバ103に対してデータを送信する場合の処理する例である。なお、S1101、S1109はポータブルデバイス104A側の処理ステップに対応する。また、S1101、S1109はポータブルデバイス104AのCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。S1102〜S1108は、接続サーバ103側の処理に対応する。また、S1102〜S1108は、接続サーバ103のCPU401が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0070】
S1101では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aが画像投影装置102で投影するための画像データを接続サーバ103へ送信する。S1102では、接続サーバ103のデータ受付部506Aがポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aから送信されてきた画像データを受信する。
【0071】
S1103では、データ受付部506Aが接続ポート管理部505に現在の接続ポート504Aが子接続ポート(子接続ポート504B)を持っているかどうかを問い合わせる。接続ポート管理部505はデータテーブル6−1の子接続ポートのデータ受付部6−1−4のアドレスを確認し、子接続ポートを持っているかどうかを判断する。ここで、子接続ポートを持っていると接続ポート管理部505が判断した場合、S1104で、接続ポート管理部505はそのアドレスをデータ受付部506Aへ返して、画像データをポータブルデバイス104Bへ転送し、S1105へ進む。
【0072】
一方、S1103で、子接続ポートを持っていないと判断した場合は、S1105へ進める。S1105では、データ受付部506Aが接続ポート管理部505に問い合わせて受信した画像データをデータ変換する必要があるかどうかを判断する。この判断は、問い合わせ元のデータ受付部506Aを含む接続ポート504Aが対応するデータ形式と、受信した画像データのフォーマットとを比較して判断する。
【0073】
例えば問い合わせ元のデータ受付部506Aのアドレスが「192.168.1.2:100」の場合、図6に示すテーブル6−1から合致するアドレスを備える接続ポートはID6−1−1から「VP00002」と判明する。さらに、テーブル6−1から、この接続ポート504Aはデバイス機種IDが「2」の接続ポートとわかる。そして、図6に示すテーブル6−2から、デバイス機種ID6−2−1が「2」のデータ形式を調べると、この接続ポート504Aが対応しているデータ形式はコンポーネント信号であることがわかる。
【0074】
そこで、S1105でのデータ変換が必要か否かの判断の結果、データ変換が必要であるとデータ受付部506Aが判断した場合はS1106へ、必要ないと判断した場合はS1107へと進む。そして、S1106では、データ受付部506Aがデータ変換部514に依頼して、画像データを接続ポート504Aが対応するデータ形式へと変換してもらう。
次に、S1107では、データ受付部506Aがデータ・バッファー507Aでデータのバッファリングを依頼する。この時、S1106でデータ変換を行っている場合は変換後のデータ、データ変換を行っていない場合は元のデータをバッファリングする。この後、図12に示すS1201からS1208の処理を経て画像投影装置102にて出力される。
【0075】
次に、S1108では、接続ポート504Aのデータ受付部506Aがデータ受信を完了した旨をポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511Aに対して応答する。そして、S1109では、ポータブルデバイス104Aのデータ送受信部511AがS1101で行ったデータ送信の結果をデータ受付部506Aのデータ受信完了通知として受け取る。
【0076】
なお、S1104では、データ受付部506Aが子接続ポート504Bへポータブルデバイス104Aから受信した画像データを送信する。このことにより、親の接続ポート504Aより、子接続ポート504Bへ画像データが転送される。その後の処理は、図11で示すシーケンス処理と同様であるが、処理の主体が異なる。例えば、S1101の主体はデータ受付部506Aとなり、S1102はデータ受付部506Bとなる。シーケンス処理は同じなので説明を割愛する。
【0077】
〔ポータブルデバイス104Bへのデータ転送処理〕
図12は、本実施形態を示す情報処理システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、接続ポート504Aから画像投影装置102へのデータ転送と子接続ポート504Bからポータブルデバイス104Bへのデータ転送処理例である。なお、S1201〜S1203、S1207、S1208は接続サーバ103側のステップに対応する。ここで、S1201〜S1203、S1207、S1208は接続サーバ103のCPU401が図10に示すモジュールを実行することで実現されるステップである。
S1204〜S1206はポータブルデバイス104Bあるいは、画像投影装置102側のステップに対応する。また、S1204〜S1206はポータブルデバイス104BのCPU301が図10に示すモジュールを実行することで実現される。同様に、S1204〜S1206は画像投影装置102のCPU204が図10に示すモジュールを実行することで実現される。
以下、確立した接続ポート504Aおよび子接続ポート504Bを用いて、画像投影装置102に送信しているデータをポータブルデバイス104Bに転送する転送制御について説明する。なお、この際、図11に示す処理によりポータブルデバイス104Aから受信するデータを画像投影装置102に転送する処理も実行されている。以下、制御主体をモジュールとして説明する。
【0078】
S1201では、接続サーバ103において、接続ポート504Aのデータ取得部508Aがデータ・バッファー507Aにバッファリングされている投影すべき画像データの取得要求を行う。これに並行して、接続ポート504Bのデータ取得部508Bがデータ・バッファー507Bにバッファリングされている投影すべき画像データの取得要求を行う。
S1202で、データ取得部508A、Bは投影すべき画像データがバッファリングされているかどうかを判断する。ここで、バッファリングされているとデータ取得部508A、Bが判断した場合はS1203へ処理を進め、投影すべき画像データあるいは出力すべき画像データがバッファリングされていないと判断した場合はS1201へ進む。
【0079】
S1203では、データ取得部508Aがデータ・バッファー507Aから画像データを取得し、投影すべき画像データを画像投影装置102のデータ要求部501へと送信する。これに並行して、データ取得部508Bがデータ・バッファー507Bから画像データを取得し、投影すべき画像データをポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bへと送信する。
S1204では、画像投影装置102のデータ要求部501が接続サーバ103のデータ取得部508Aから送信された投影すべき画像データを受信する。S1205ではデータ要求部501が受信した投影すべき画像データを出力制御部502がレンズを介して外部に投影する。これに並行して、ポータブルデバイス104Bの出力制御部522は、データ送受信部511Bが接続サーバ103から受信した出力すべき画像データを表示部に出力する。
【0080】
次に、S1206では、画像投影装置102は、データ要求部501が処理完了通知を接続サーバ103のデータ取得部508Aへ送信する。これに並行して、ポータブルデバイス104Bのデータ送受信部511Bが処理完了通知を接続サーバ103のデータ取得部508Bへ送信する。
そして、S1207では、接続サーバ103のデータ取得部508Aがその処理完了通知を画像投影装置102から受信する。これに並行して、接続サーバ103のデータ取得部508Bがその処理完了通知をポータブルデバイス104Bから受信する。
そして、S1208で、接続サーバ103のデータ取得部508Aが処理完了通知および接続ポートとして終了要求があるかを判断する。ここで、終了要求があるとデータ取得部508Aが判断した場合は、データ取得部508Aは、接続サーバ103側の処理を終了し、終了要求がないと判断した場合は、S1201へ処理を進め、次のデータのバッファリングのために処理を継続する。これに並行して、接続サーバ103のデータ取得部508Bが処理完了通知および接続ポートとして終了要求があるかを判断する。ここで、終了要求があるとデータ取得部508Bが判断した場合は、データ取得部508Bは、接続サーバ103側の処理を終了し、終了要求がないと判断した場合は、S1201へ処理を進め、次のデータのバッファリングのために処理を継続する。
【0081】
なお、子接続ポート504Bからポータブルデバイス104Bへのデータ送信と実行のシーケンスは図12と同様である。処理の主体が異なる。例えば、S1201の主体はデータ受付部506Bとなり、S1204はデータ送受信部511Bとなる。シーケンス処理は同じなので説明を割愛する。
【0082】
上記実施形態によれば、会議の会場において、参加者のポータブルデバイスから接続先とすべき画像投影装置の外観画像と位置情報などの識別情報を接続サーバに送信することにより、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続が確立される。これにより、従来は必要であった接続のための接続元となる側のポータブルデバイスにおけるユーザが実行すべき操作手順を減らすことができる。
つまり、本実施形態では、会議室、会議場等において接続元のポータブルデバイスと接続先の画像投影装置との間で確立した親の接続ポートを利用して、他のポータブルデバイスからの接続要求を受け付けるための子の接続ポートを容易に追加することができる。
【0083】
〔第2実施形態〕
第1実施形態により、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続が容易になる。しかし、会議の部外者があらかじめ撮っておいた画像投影機の外観情報&位置情報を用いて画像投影装置の投影情報を覗き見ることが可能となる場合がある。そこで、第2実施形態において、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の接続を行う際の親子関連許可条件(接続ポート作成の許可条件)の設定方法と、その条件を用いた親子接続の判断方法について説明する。なお、許可条件の一例を挙げると、親子関係が許可されているかどうか、要求元と接続先との距離が規定値以内かどうか、写真(画像投影装置102の外観情報)の有効期限が規定内かどうか、接続元の許可が必要であるかどうか等がある。これらの許可条件は、これらを組み合わせてユーザの接続許可条件に対して柔軟に設定できるように構成することが好ましい。
【0084】
図13は、本実施形態を示す情報処理システムに表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図ある。図13の(a)は、画像投影装置102の操作画面例である。図13の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例であって、図7の(a)に示したボタン705の押下をうけて、画像投影装置102の操作画面に表示される。
【0085】
図13において、1301Aはチェックボックスで、親子関係を許可する・しないを制御するためのボタンである。チェックボックス1301Aにチェックがある場合は親子関係を許可し、チェックがない場合は親子関係を許可しない設定とある。この例の場合、親子関係を許可する場合、スピンボックス1302A、1303A、チェックボックス1304Aの設定が可能になる。
【0086】
スピンボックス1302Aは、S911の接続要求で親子関係を結ぶ場合の親デバイスと子デバイス間の最大距離数を設定する。この例の設定では親子間距離が5m以内であれば親子関係の接続を許可し、それ以上離れると許可しないことを表している。
なお、遠隔地からの接続のために、このスピンボックス1302Aでは、親デバイスと子デバイス間の最大距離数を設定しないという選択肢を設けてもよい。また、ここでは距離としたが親子の位置関係を限定できれば、会議室内などの特定のエリアを指定可能でもよい。
【0087】
スピンボックス1303Aは、S911の接続要求で親子関係を結ぶ場合の親の外観情報の写真の有効期限を指定する。この例の場合、親の写真に含まれるEXIF内の情報が、現在の時刻から30分以内の時間であると接続ポート管理部505が判別した場合は、親子関係の接続を許可し、それより古い写真だと許可しないことを表している。このスピンボックス1303Aでは、特に有効期間を指定せず古い写真でもよいという選択肢を設けてもよい。
【0088】
チェックボックス1304Aは、親子条件の判断の場合に、S912で、接続元に確認を取るかを設定する。ここで、チェックボックス1304にチェックがされている場合は、接続元に親子関係の接続を行ってよいかの確認を取る。チェックボックス1304Bにチェックがされていない場合は、特に確認をとらない。なお、図13において、701、703、704は、図7の(a)と同じである。外観情報を示す領域701の押下を受けて実行されるS801の接続ポート生成要求の一部として1301B〜1304Bで設定された情報は、接続ポート管理部505に対して送信される。
【0089】
ここで接続ポート管理部505に対して送信された情報は、S812の接続ポート504の生成時に、図6のデータテーブル6−3を検索し同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成する。その際、接続ポート管理部505は、情報1301A〜1304Aを新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1のS812で生成した接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。
【0090】
図13の(b)は、ポータブルデバイス104の操作画面例である。図7の(b)のボタン714の押下をうけて、ポータブルデバイス104の操作画面に表示される。
図13の(b)に示すUIアイテムは、それぞれ図13の(a)の同じ番号と対応した情報を設定できる。例えば図13の(b)のチェックボックス1301Bは、図13の(a)のチェックボックス1301A相当の動作を行う。また、ポータブルデバイス104のボタン713の押下を受けて実行されるS901またはS911の接続要求の一部として、接続サーバ103のデバイス接続受付部512に対して送信される。
【0091】
図9に示したS901の接続要求の場合は、S908で、デバイス接続受付部512の依頼を受けて接続ポート管理部505がデータテーブル6−3を検索する。データテーブル6−3に同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成し1301B〜1304Bの情報を新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1のS903で特定した接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。この操作を行うことにより接続元での親子関連許可条件を親の接続ポートに反映することができる。
【0092】
また、図9に示したS911の接続要求の場合は、S916で接続ポート管理部505がデータテーブル6−3を検索し同じ情報がなければ、新しい親子関係許可条件IDを生成し1301B〜1304Bの情報を新しいレコードとして登録する。さらにデータテーブル6−1の作成した子の接続ポートのレコードの「親子関連許可条件ID」に、その親子関係許可条件IDを格納しデータテーブル6−3と関連つける。この操作を行うことにより親子関連許可条件を子の接続ポートに反映することが可能になる。
【0093】
親子関係条件の判断処理に関しては、S912で接続ポート管理部505が判断する。S912で、接続ポート管理部505は第1実施形態の接続ポートの「子として接続可能なデバイス機種ID」の判定に加えて、「親子関連許可条件ID」が成立するかを判定条件として加える。
接続ポート管理部505は、「子として接続可能なデバイス機種ID」および「親子関連許可条件ID」の条件がすべて成立する際に、親子関係の条件が成立することをデバイス接続受付部512に返す。ここで、1つでも成立しない場合は、親子関係の条件が成立しないことをデバイス接続受付部512に返す。データテーブル6−3の「接続元への確認が必要」が"必要"となっている場合は、通信を行い接続元から許可があった場合に、親子関係の条件が成立したと判断する。
【0094】
本実施形態によれば、画像投影装置と参加者のポータブルデバイスとの親子関係の設定処理において親子関連許可条件を詳細設定可能とするので、親子関係を許可するユーザが意図する条件を満たす接続のみ親子関係が許可されるようになる。これによって、会議内容を見ようとする部外者からの要求を制限して、セキュリティを確保した状態で投影データを制限のないユーザが所有するポータブルデバイスで確認できる。
〔他の実施形態〕
【0095】
上記実施形態では、S901の接続要求に使う情報として、他のデジタルカメラなどで撮った画像投影装置102の写真画像を使うこともできる。その場合の接続要求の位置情報としては、写真画像に含まれるEXIFなどのデジタルカメラで撮影を行った際の位置情報を利用してもよい。
また、図7の(b)に「子として接続」というボタンを設けて明示的に親子関係を結ぶことを受けつける手段を設けてもよい。
【0096】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0097】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0098】
101 インターネット
102 画像投影装置
104A、104B ポータブルデバイス
105 情報処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置であって、
前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成手段と、
いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断手段と、
前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記接続ポート管理手段は、前記作成手段が作成する子接続ポートを用いて前記データ通信装置とは他のデータ通信装置との接続要求を確立させることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記接続ポート管理手段が確立した前記接続ポートおよび前記子接続ポートを用いて、前記データ通信装置から受信するデータを前記画像処理装置に転送するとともに、前記画像処理装置に送信しているデータを他のデータ通信装置に転送する転送制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
接続を確立した前記接続ポートに他のデータ通信装置からの接続要求のために子接続ポートの作成を許可するための許可条件を設定する設定手段と、
前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、前記他のデータ通信装置からの接続要求に含まれる特定情報が前記設定手段により設定された許可条件を満たすかどうかを判別する判別手段と、を備え、
前記判別手段が許可条件を満たすと判別した場合、前記接続ポート管理手段は、前記作成手段に前記接続ポートに対する子接続ポートの作成を指示することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記特定情報は、前記画像処理装置の位置情報と外観情報とを含むことを特徴とする請求項1または3記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記データ通信装置または前記他のデータ通信装置は、通信機能を備えるポータブルデバイス、デジタルカメラであることを特徴とする請求項1乃至4項のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記データは、画像データであることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、前記データ通信装置から受信するデータを投影する画像投影装置であることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項9】
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置における接続確立制御方法であって、
前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成工程と、
いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断工程と、
前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理工程と、
を備えることを特徴とする接続確立制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の接続確立制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置であって、
前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成手段と、
いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断手段と、
前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記接続ポート管理手段は、前記作成手段が作成する子接続ポートを用いて前記データ通信装置とは他のデータ通信装置との接続要求を確立させることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記接続ポート管理手段が確立した前記接続ポートおよび前記子接続ポートを用いて、前記データ通信装置から受信するデータを前記画像処理装置に転送するとともに、前記画像処理装置に送信しているデータを他のデータ通信装置に転送する転送制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
接続を確立した前記接続ポートに他のデータ通信装置からの接続要求のために子接続ポートの作成を許可するための許可条件を設定する設定手段と、
前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、前記他のデータ通信装置からの接続要求に含まれる特定情報が前記設定手段により設定された許可条件を満たすかどうかを判別する判別手段と、を備え、
前記判別手段が許可条件を満たすと判別した場合、前記接続ポート管理手段は、前記作成手段に前記接続ポートに対する子接続ポートの作成を指示することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記特定情報は、前記画像処理装置の位置情報と外観情報とを含むことを特徴とする請求項1または3記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記データ通信装置または前記他のデータ通信装置は、通信機能を備えるポータブルデバイス、デジタルカメラであることを特徴とする請求項1乃至4項のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記データは、画像データであることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、前記データ通信装置から受信するデータを投影する画像投影装置であることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項9】
ネットワークを介して複数のデータ通信装置と、データを出力する画像処理装置とを接続するサーバ装置における接続確立制御方法であって、
前記画像処理装置から受け付ける接続要求に含まれる特定情報を用いていずれかのデータ通信装置を接続するための接続ポートを作成する作成工程と、
いずれかのデータ通信装置から受け付ける前記画像処理装置への接続要求に含まれる特定情報を用いて前記接続ポートが未使用状態であるかどうかを判断する判断工程と、
前記接続ポートが未使用状態であると判断した場合、当該未使用状態の接続ポートを用いていずれか1つのデータ通信装置の接続要求を確立させ、前記接続ポートが使用状態であると判断した場合、他のデータ通信装置と前記画像処理装置とを接続するため前記使用状態の接続ポートに設定された特定情報を共有する子接続ポートを作成する接続ポート管理工程と、
を備えることを特徴とする接続確立制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の接続確立制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−42416(P2013−42416A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178883(P2011−178883)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]