サーバ装置、画像処理装置、電源制御方法及びプログラム
【課題】 あらかじめ設定された電源管理対象となる複数の画像処理装置の電力状況に適応して、起動要求される画像処理装置の電源供給により複数の画像処理装置全体で消費される上限値を超えないように制御する。
【解決手段】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置において、ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信して、起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる(S401、S402)。サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行(S405)あるいは起動要求を終了する(S406)。
【解決手段】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置において、ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信して、起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる(S401、S402)。サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行(S405)あるいは起動要求を終了する(S406)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と、複数の画像処理装置とを含む印刷システムにおける電源制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に接続された複数の機器(画像処理装置を含む)で構成される印刷システムにおいて、印刷システム全体の消費電力量が印刷システムで設定された上限値を超えないように、各機器を省電源モードに移行させる制御を行っている。また、印刷システムにおいて、印刷システム全体の消費電力量が印刷システムで設定された上限値を超えないように、電源をOFFしたりする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の消費電力量制御により自動的に電源供給状態をOFF状態に遷移させた機器に対して、ユーザが当該省電源モードに移行した機器の電源供給状態をON状態にさせてしまうことがある。これにより、印刷システムで設定された電力量の上限値を超えた状態となり、効率的に省電源制御を行えないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、あらかじめ設定された電源管理対象となる複数の画像処理装置の電力状況に適応して、起動要求される画像処理装置の電源供給により複数の画像処理装置全体で消費される上限値を超えないように制御できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、あらかじめ設定された電源管理対象となる複数の画像処理装置の電力状況に適応して、起動要求される画像処理装置の電源供給により複数の画像処理装置全体で消費される上限値を超えないように制御できる仕組みを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電力管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した複合機の電源系統を示す図である
【図5】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】サーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図7】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】サーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図10】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図11】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図12】画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。
【図13】画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。
【図14】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0009】
図1は、本実施形態を示す印刷システムの一例を示すブロック図である。本例は、3台の複合機がネットワークを介して電力管理サーバと通信可能なシステム例を示すが、複合機の数は3台に限定されることはない。さらに、複合機それぞれの電力消費量が各複合機で使用する電力消費量も実行する機能処理により変動するものとする。さらに、各複合機の定格電力消費量も同一でないものが組み合わされた印刷システムであっても本発明を適用可能である。本実施形態では、サーバ装置として機能する電力管理サーバ10が画像処理装置の例として、複合機20〜40の3台の電力状況を管理する場合を説明する。以下、電力管理サーバ10が複数の複合機20〜40と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理する実施形態について説明する。
図1において、50は機器を接続する既知の技術を用いたネットワークであり、本実施形態ではTCP/IPプロトコルを使用したイーサネット(登録商標)の使用を想定している。
【0010】
電力管理サーバ10は後述するハードウエア資源を備え、ネットワーク50を介して複合機20〜40の電力量を管理するモジュールを備える。電力管理サーバ10は、ネットワークインタフェースを備え、ネットワーク50を介して各複合機20〜40と通信可能に接続されている。
【0011】
図2は、図1に示した電力管理サーバ10の構成を示すブロック図である。なお、電力管理サーバ10を特定のIPアドレスで管理される専用のサーバ装置として構成してもよいし、クラウドコンピューティング環境で構築されるサーバ装置が提供するサービスサーバ装置として構成してもよい。
【0012】
図2において、CPU101は、電力管理サーバ10全体を制御するコントローラであり、各種の演算なども行う。ROM102は、ブートROMであり、電力管理サーバ10のブートプログラムが格納されている。
【0013】
RAM103は、CPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、CPU101の演算データや、各種プログラムを記憶する。LAN I/F制御部106は、LAN I/Fコネクタ11を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。HDD105は、サイズの大きなプログラムやデータを保存しておく不揮発性の2次記憶装置であり、保存してあるデータやプログラムはRAM103に展開してCPU101が実行する。
【0014】
操作部108は、ユーザが電力管理サーバ10の操作を行い、各種の設定を行う場合に使用する。電力監視プログラム記憶領域104は、ROM102もしくはHDD105にあったものをRAM103に電力監視プログラムを展開する領域である。CPU101は、電力監視プログラムを実行して、各複合機の動作モードと消費電力量の相関を記憶しておき、各複合機20〜40の動作モードにより消費される各消費電力量を合算する。これにより、印刷システム全体の消費電力量を算出する。また、CPU101は電力監視プログラムを実行して、印刷システムで消費できる電力量の上限値をユーザが操作部108から設定し、印刷システムの消費電力量がその設定値を超える場合にある複合機の電源をOFFする制御を実行する。
さらに、CPU101は、電力監視プログラムを実行して、ある複合機の電源をOFFしたり、消費電力量の少ないモードに移行させたりするが、その方法は既知の方法でもよい。
【0015】
図3は、図1に示した複合機20、30、40の構成を示すブロック図である。なお、各複合機は、構成するCPU等の能力や機能処理能力等により定格消費電力量が異なるとともに、各機能処理実行状態に応じて消費電力量も変動する。
【0016】
図3において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続されている。また、プリンタコントローラ200は、複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50に接続し、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0017】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。また、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域215があり、CPU203は複合機システムのブートプログラム実行前に電力確認プログラムを実行し、複合機システムのブートを行うかどうかを決定する。
【0018】
RAM205は、CPU203が動作するためのシステムワークメモリである。プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、プリンタ201の図示しないCPUとそれぞれ通信を行い、また、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。操作部I/F207は操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割を担う。
【0019】
スキャナI/F213はスキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を担う。通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。画像処理部210は、スキャナ212で読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長したりなど各種の画像処理を行う。
【0020】
電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203からの制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は、各デバイス(スキャナ、プリンタ、操作部)への電源の供給を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源をOFFしたりする制御を行う。これらは、システムバス209で互いに接続してある。
【0021】
図4は、図1に示した複合機20、複合機30及び複合機40の電源系統を示す図である。以下、図3に示した電源制御部211が制御する各電源供給系統への接続状態及び電源制御系統について説明する。
図4において、電源系統グループ301は、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214が含まれ、電源ライン306を介して電源制御部211より電源が供給される。
【0022】
電源系統グループ302は、操作部I/F207、操作部202が含まれ電源ライン307を介して電源が供給される。電源系統グループ303は、画像処理部210、RAM205が含まれ、電源ライン308を介して電源が供給される。
【0023】
電源系統グループ304は、プリンタ201、プリンタI/F206が含まれ、電源ライン309を介して電源が供給される。電源系統グループ305は、スキャナ212、スキャナI/F213が含まれ、電源ライン310を介して電源が供給される。
【0024】
電源制御部211内には電源生成部313があり、電源生成部313は電源プラグ311と接続してあり、外部から商用電源(AC電源)が供給される。また、電源制御部211は、電源スイッチ312で電源のON/OFFを行うことができ、ユーザが電源スイッチ312で電源をONにする操作を行うと、電源生成部313は電源プラグ311から各デバイスへの設定されたDC電源を生成する。
【0025】
電源生成部313で生成された電源は、まず電源ライン306にだけ供給され、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させる。供給制御部314は、電源制御部211内にあり、CPU203からの制御信号を受け、電源制御信号ライン319、電源制御信号ライン320、電源制御信号ライン321、電源制御信号ライン322に制御信号を送信する。
【0026】
電源供給スイッチ315は、電源ライン307へ電源を供給するスイッチであり、電源制御信号ライン319の制御信号により、電源ライン307へ電源の供給制御を行う。同様に、電源供給スイッチ316は、電源ライン308への電源供給制御のスイッチであり電源制御信号ライン320の制御信号により、電源ライン308へ電源の供給制御を行う。
【0027】
同様に、電源供給スイッチ317は、電源ライン309への電源供給制御スイッチであり、電源制御信号ライン321の制御信号により、電源ライン309へ電源の供給制御を行う。
同様に、電源供給スイッチ318は、電源ライン310への電源供給制御スイッチであり、電源制御信号ライン322の制御信号により、電源ライン310へ電源の供給制御を行う。
本実施形態では各デバイスへ供給する電源電圧が電源ライン306の一種類であるが、複数の電源電圧があってもよく、複数の電源電圧は電源生成部313で生成されてもよい。
【0028】
図5は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本処理は、各複合機20、複合機30、複合機40において、ユーザが電源ON指示を行った場合における電力管理サーバ10に対する電源オン状態への問い合わせを行う電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
【0029】
S401で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示(起動要求の指示)を行っているかどうかを判断する。ここで、電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S402に進む。
【0030】
そして、S402で、電源制御部211は、電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させ、S403に進む。S403で、CPU203は、ROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況を問い合わせる。ここで、電力管理サーバ10は、後述する図6に示す処理を実行する。
具体的には、ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせを受け取る。そして、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する。
【0031】
次に、S404で、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できるか否かを判断する。つまり、電力管理サーバ10から通知される電力状況に応じて、S401でユーザから受け付けた起動要求を続行あるいは起動要求を終了するかを判断する。ここで、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できると判断した場合、つまり、印刷システム全体では消費電力量が減少した状況にあり、印刷システムで使用できる電力量が増加した場合はS405に進む。一方、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できない判断した場合、つまり、印刷システムで使用できる電力量が増加していないと判断した場合はS406に進む。
【0032】
S405では、CPU203は電源制御部211に対して電源制御信号を出力し、他の電源ライン307、308、309、310により各ブロックに電源の供給を開始して、複合機20を通常動作可能な状態に遷移させ、本処理を終了する。ここで、各ブロックとは、電源系統グループ302、303、304、305が含まれる。また、各電源系統グループ302、303、304、305は、それぞれ異なる機能処理を実行する。
【0033】
また、S406では、消費できる電力量が少ないので、CPU203は、複合機の起動を停止させ、電源制御信号を電源制御部211に出力し、電源ライン306への電源供給を停止し、印刷システムの全体の電源をOFFして、本処理を終了する。この後は、電源スイッチ312が操作されない限り、当該複合機はOFF状態を維持する。
図6は、本実施形態を示すサーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。本処理は、電力管理サーバ10による電力回復あるいは電力不足を問い合わせがなされた複合機に対して通知する電源制御例である。
なお、各ステップは、CPU101がRAM103にロードする電力監視プログラム等を含む制御プログラムを実行することで実現される。以下、ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの複合機から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の複合機で消費される電力量と、複数の複合機に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された複合機に起動要求の可否を通知する処理を説明する。なお、電力管理サーバ10は、ネットワークに接続された複数の複合機の電力状況を管理することがあらかじめ設定されているものとする。ただし、複合機の数は、ユーザが新規登録処理や、削除処理によりその台数は増減する場合がある。
【0034】
まず、S501で、CPU101は、電力管理サーバ10が管理するいずれかの複合機の電源スイッチ312が操作されて、S403が実行されることにより電源がONされたことによる問い合わせがあるかどうかを判断する。ここで、いずれかの複合機から電源がONされたことによる問い合わせがあるとCPU101が判断した場合はS502へ進む。
そして、S502で、電力管理サーバ10のCPU101は電力を管理する印刷システムの動作状況から印刷システムで消費している電力量を演算し、問い合わせがあった複合機が通常起動した場合の消費電力量を予測する。さらに、CPU101は、電力管理サーバ10は、印刷システムの消費電力量と問い合わせがあった複合機を通常動作させた場合の消費電力量を加算して、印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えるかどうかを判断する。
ここで、印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えるとCPU101が判断した場合にはS505に進み、上限値を超えないとCPU101が判断した場合にはS504に進む。
そして、S504では、CPU101が問い合わせを行った複合機に対して待機状態への移行を許可する通知(可通知)を行い、本処理を終了する。一方、S505では、CPU101が問い合わせを行った複合機に対して待機状態への移行を制限する通知(否通知)を行い、本処理を終了する。
これにより、複合機の電源をすべて供給するスタートアップを実行してしまうとあらかじめ設定した最大電力量を超える場合が発生することが予測される場合、電力管理サーバ10が当該複合機のスタートアップ処理を制限する通知を行うことができる。その結果、印刷システムとして設定された最大電力量を超えないように印刷システム全体の消費電力が管理される。
〔第2実施形態〕
【0035】
上記第1実施形態では、複合機が電力管理サーバ10に対して、必ず、待機状態への移行許可通知あるいは移行制限通知を受信してから待機状態へ移行するかそのまま電源をOFFするかどうかを判断する場合について説明した。複合機に対するユーザ設定により、その都度、電力管理サーバ10へ電力状況の問い合わせを行わないように制御してもよい。以下、その実施形態について説明する。例えば季節によって複合機以外の機器を駆動するために必要な電力消費量が少ない場合がある。そこで、ユーザが使用する全ての機器に割り当てた電力使用量の目標値内で、全ての複合機を使用しても目標値内に収まる季節が存在する。そこで、そのような季節においては、上述したような問い合わせを実行しないように制御することも可能である。以下、その実施形態について詳述する。
【0036】
図7は、本実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。なお、本例は、第1実施形態と同一のものには同一の符号を付してある。各複合機は、同一の構成を備えるが、説明上複合機20を例とする。
図7において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部である操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続され。
一方では、プリンタコントローラ200が複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50に接続され、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0037】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。なお、ROM204は、例えばフラッシュROM等で構成され、記憶された内容を書き換えることが可能に構成されている。また、ROMに替えて、NVRAM等で構成される記憶部に、問い合わせフラグ領域を確保してもよい。
また、ROM204内には問い合わせフラグ記憶領域616があり、操作部202からのユーザ設定により問い合わせフラグ記憶領域616に記憶される問い合わせフラグの内容を変更することが可能である。ここで、問い合わせフラグは、問い合わせの可否を決定する情報として記憶され、通信手段に供給される電源で起動するCPU203が参照可能となる。
さらに、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域215があり、複合機システムのブートプログラム実行前に問合わせフラグ記憶領域616の内容を確認し、問合わフラグが立っていないと電源制御部211が判断した場合は、そのまま通常起動を行う。
【0038】
ここで、問い合わせフラグ記憶領域616において、問い合わせフラグが立っていると判断した場合、CPU203は電力確認プログラムを実行し、電力管理サーバ10に問い合わせを行い、複合機システムのブートを行うかどうかを決定する。RAM205は、CPU203が動作するためのシステムワークメモリである。プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、図示しないプリンタ201のCPUとそれぞれ通信を行う。さらに、CPU203は、画像データの同期系/非同期系の変換処理を行う。
【0039】
操作部I/F207は、操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割をする。スキャナI/F213は、スキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を行う。
通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。画像処理部210は、スキャナで読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長など各種の画像処理を行う。
【0040】
電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203から電源制御部I/Fを通じて制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は複合機の各デバイスの電源を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源をOFFしたりする制御を行う。これらは、システムバス209で互いに接続してある。
【0041】
図8は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電源スイッチによる電源オンに連動して問い合わせフラグの状態を判断して、電力管理サーバ10へ問い合わせを行う電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
【0042】
S701で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っているかどうかを判断する。ここで、電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S702に進む。
【0043】
そして、S702では、電源制御部211は電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させる。次に、S703で、CPU203がROM204内にある問い合わせフラグ記憶領域616の内容を確認し、問い合わせフラグが立っていればS704に進み、問い合わせフラグが立っていなければS706に進む。S704で、CPU203はROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況を問い合わせる。
【0044】
次に、S705で電力管理サーバ10からの回答で電力状況が回復した場合つまり、印刷システムでの消費電力量が減少し、印刷システムで使用できる電力量が増加した場合、はS706に進む。そして、S706で、電力状況が回復していない場合つまり、印刷システムで使用できる電力量が増加していない場合はS707に進む。
【0045】
S706では、CPU203からの電源制御部211に対して電源制御信号を出力し、他の電源ライン307、電源ライン308、電源ライン309、電源ライン310に電源を供給して、複合機A20を通常動作させる。S707では消費できる電力が少ないので、CPU203が複合機の起動を停止し、電源制御信号を出力し、電源ライン306への電源供給を停止し、電源をOFFして終了する。
これにより、電源スイッチがOFF状態からON状態にする指示がされた場合に、問い合わせフラグの状態に応じて即座に電源を各部に供給することが可能となる。
【0046】
〔第3実施形態〕
以下、印刷システムを構成するいずれかの複合機から自機に対する電力状況の問い合わせを受信して、問い合わせのあった複合機に対して使用可能な電力量を計算して応答する実施形態について説明する。
【0047】
図9は、本実施形態を示すサーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷システムを構成するいずれかの複合機から自機に対する電力状況の問い合わせを受信して、問い合わせのあった複合機に対して使用可能な電力量を計算して応答する電源制御例である。なお、各ステップは、CPU101がRAM103にロードする電力監視プログラム等を含む制御プログラムを実行することで実現される。以下、サーバ装置が起動要求された複合機からの問い合わせに対して、演算した使用可能な電力量を通知する処理について説明する。
【0048】
まず、S801で、電力管理サーバ10のCPU101は、管理する複合機から電源ONにともなう電力状況に対する問い合わせが受け付けたかどうかを判断する。ここで、管理する複合機から電源ONにともなう電力状況に対する問い合わせが受け付けたとCPU101が判断した場合は、S802へ進む。
【0049】
そして、S802で、電力管理サーバ10のCPU101が電力を管理する印刷システムの動作状況から印刷システムの消費している電力量を算出する。そして、CPU101は、当該電力量と設定された印刷システムの消費電力量の上限値との差分、つまり、問い合わせを行った複合機の使用できる電力量を演算する。次に、S803では、CPU101は、S801で問い合わせを受け付けた複合機へ演算した使用可能電力量を通知して、本処理を終了する。
これにより、複合機は電力管理サーバで計算されて通知される使用可能電力量量に従い、図10に示す手順に従いグループ化された複合機の起動や、各部の機能処理が実行可能かどうかを判断し、設定された消費電力量内で適切な機能処理を行うことができる。
【0050】
図10は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電力管理サーバ10から通知される使用可能電力量量に応じて起動処理、並びに機能処理を制限する電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。以下、電力管理サーバ10から通知される使用可能な電力量に応じて、起動要求を受け付けた複合機において、当該使用可能な電力量に適応して各ブロックへの電源供給を段階的に実行する例を説明する。ここで、各ブロックとは、電源系統グループ302、303、304、305が含まれる。
【0051】
S901で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作して電源をONする指示を行っているかどうかを判断する。ここで、ユーザが電源スイッチ312を操作して電源をONする指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S902に進む。
【0052】
そして、S902で、電源制御部211は、電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させ、S903に進む。S903で、CPU203は、ROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況の問い合わせを行う。
【0053】
次に、S904で、電力管理サーバ10から使用できる電力量の通知を受けるまで待ち、電力管理サーバ10から電力量の通知を受けると、S905に進む。そして、S905では、電源制御部211がCPU203、ROM204、通信部208、電源制御部211で消費する電力量と、S904で通知を受けた使用可能電力量を比較する。そして、使用可能電力量がマイナスであると電源制御部211が判断した場合、つまり印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えていると判断した場合はS906に進み、使用可能な電力量がプラスの場合、S907に進む。
【0054】
そして、S906では、複合機の起動を停止して、電源ライン306への電源供給を遮断して、本処理を終了する。これにより、印刷システムに設定された電力量の上限値をこえる状態において、新たな複合機が起動してしまう状態を回避できる。
一方、S907では、電源制御部211が操作部202の電源をONしても、使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、使用可能電力量を超えないと電源制御部211が判断した場合、S908で、電源ライン307に電源を供給して、操作部202を使用可能としてS909に進む。
一方、S907で使用可能電力量を超えると電源制御部211が判断した場合は、S906で複合機の起動を停止して、本処理を終了する。そして、S909では、図11に示す電源ステータス記憶領域717の図12に示す電源ステータステーブルで管理される操作部に対応づけられたステータスに「ON」を書き込み、S910に進む。
【0055】
S910では、電源制御部211が画像処理部210とRAM205をONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、画像処理部210とRAM205の消費する電力量の推定がS904で通知された使用可能電力量から操作部202の電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合、S911へ進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。一方、S910で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0056】
そして、S911では、電源制御部211が電源ライン308に電源を供給し、画像処理部210とRAM205の電源をONにして使用可能とし、S912に進む。そして、S912では、電源制御部211が電源ステータス記憶領域717の電源ステータステーブルの画像処理部/RAMにONを書き込み、S913に進む。
そして、S913では、電源制御部211がプリンタIFとプリンタをONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、プリンタIFとプリンタの消費する電力量の推定値がS904で通知された使用可能電力量から操作部と画像処理部/RAMの消費する電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合、S914に進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。一方、S913で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0057】
そして、S914では、電源制御部211が電源ライン309に電源を供給しプリンタIF/プリンタを使用できる状態にしてS915に進む。そして、S915では、電源制御部211が図12に示す電源ステータステーブルのプリンタのステータスに「ON」を書き込み、S916へ進む。S916では、電源制御部211がスキャナIFとスキャナをONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。
ここで、スキャナIFとスキャナの消費する電力量の推定値がS904で通知された使用可能電力量から操作部202と画像処理部210/RAM205とプリンタI/F206/プリンタ201で消費する電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合はS917に進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。
【0058】
一方、S916で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。そして、S917では、電源制御部211が電源ライン310に電源を供給し、スキャナIF/スキャナを使用できる状態にし、S918で、電源制御部211が電源ステータステーブルのスキャナに「ON」を書き込み、本処理を終了する。
【0059】
本実施形態では、操作部をON、画像処理部/RAMをON、プリンタIF/プリンタをON、スキャナIF/スキャナをONの順番で使用可能電力量を超えていないかを確認しているが、判断の順番は上記順序に限定されるものではない。
なお、本実施形態において、電力管理サーバ10から通知される電力状況に応じて、起動要求された複合機のCPU203が各ブロックへの電源供給を停止してしまう場合について説明した。
具体的には、上記処理において、操作部202をONできない場合、複合機の動作を停止させている場合について説明した。しかし、操作部202をONするには十分でないと判別した場合でも、全ブロックの一部のブロックに対応するCPU203/通信部208をONにした状態で待機し、本処理を終了させてもよい。
これにより、通信手段には電源が供給された状態で維持され、所定の時間経過毎に、電力管理サーバ10に上述した問い合わせを継続させる制御を実行して、刻々と変動する印刷システムの電力消費状態に適応して、起動要求を進行させることができる。このため、最初から起動要求を実行する場合に比べて画像処理可能となる時間を短縮できる。
〔第3実施形態〕
図11は、本実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。なお、図1に示した複合機20〜40はそれぞれ同一の構成を備える場合を示す。
【0060】
図11において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続される。また、プリンタコントローラ200は、複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワークに接続し、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0061】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。また、電源ステータス記憶領域717は各デバイスの電源の状態を記憶する領域と各デバイスをONにした場合、消費する電力量の予測値を記憶する記憶領域でもある。
【0062】
さらに、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域718があり、電力確認プログラムが電源ステータス記憶領域717の電源ステータスと消費電力量予測値と電力管理サーバ10から受信した使用可能電力量を超えないかどうかを判断する。さらに、電力確認プログラムは、各デバイスの電源をONにするかどうかを判断する。RAM205はCPU203が動作するためのシステムワークメモリである。
【0063】
プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、図示しないプリンタ201のCPUとそれぞれ通信を行い、また、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。操作部I/F207は操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割をする。スキャナI/F213はスキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を行う。通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。
【0064】
画像処理部210は、スキャナ212で読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長など各種の画像処理を行う。電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203からの制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は複合機の各デバイスの電源を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源のOFFを行う。
【0065】
また、本実施形態では電源ステータス記憶領域717をROM204に備える場合を示すが、RAM205内にあってもよく、他のメディアで構成されていてもよい。
【0066】
図12は、本実施形態を示す画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。本テーブルは、電源をONすべき対象デバイス毎にオン/オフに対応付けられたステータス802を管理する場合を示す。
【0067】
図12において、電源制御部211は電源ラインに接続してある対象デバイスに電源が供給されていればONを書き込み、電源が供給されていなければOFFを書き込む。また、このステータステーブルは複合機をOFFにする場合は、電源制御部211がすべてのステータス802で管理する対象デバイス全てをOFFに書き換えてから、複合機をOFFにするように制御している。
図13は、本実施形態を示す画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。本テーブルは、電源グループ901と、待機時の消費電力量902とを対応づけて管理する場合を示す。なお、各消費電力量は、各デバイスの消費電力量の予測値(W)の一例である。
【0068】
図13において、電源グループ901は、各電源ライン306〜310に接続してあるデバイスのグループを示している。消費電力量902は、各電源ライン306〜310に接続してあるデバイスが待機時に消費する電力量の予測値である。この消費電力量の予測値はあらかじめ出荷時にROM204に記録してある。この消費電力量の予測値と電力管理サーバ10の消費可能電力量を比較し、図10で示すフローのように処理を行う。
【0069】
図14は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、図10に示した制御に基づいて電源がOFFのままのデバイスがある場合における電源投入処理例である。なお、なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
まず、S1001で、電源制御部211は、図12に示した電源ステータステーブルを確認し、S1002で、電源制御部211は、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがあるかどうかを判断する。ここで、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがあると電源制御部211が判断した場合は、S1003に進み、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがないと電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0070】
次に、S1003で、電源制御部211は、図12に示した電源ステータステーブルの画像処理部/RAMが「OFF」であるかどうかを判断する。ここで、電源ステータステーブル中の画像処理部/RAMが「OFF」であると電源制御部211が判断した場合は、S1004へ進み、「ON」であると電源制御部211が判断した場合には、S1008に進む。そして、S1004では、CPU203が電力管理サーバ10に対して、複合機の電力状況を問い合わせ、S1005で、電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1006に進む。
【0071】
そして、S1006で、CPU203は、画像処理部/RAMに接続してある電源ライン308に電源を投入しても、S1005で受信した使用可能電力量と図13に示す画像処理部/RAMの消費電力量予測値を比較する。そして、CPU203は、S1005で受信した使用可能電力量より消費電力量予測値が小さいかどうかを判断する。
ここで、消費電力量予測値が小さいとCPU203が判断した場合は、つまり画像処理部/RAMのステータスを「ON」にしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合、S1007に進む。そして、S1007で、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合は、S1001に戻る。
【0072】
そして、S1007では、CPU203は画像処理部/RAMの電源ライン308に電源を供給し、電源ステータステーブルの画像処理部/RAMのステータス802を「ON」に変更し、S1001に戻る。
一方、S1008では、電源制御部211が図12に示す電源ステータステーブルのプリンタIF/プリンタのステータス802が「OFF」になっているかを判断する。ここで、ステータス802が「OFF」であると電源制御部211が判断した場合はS1009に進み、ステータス802が「ON」であると電源制御部211が判断した場合は、S1013に進む。
そして、S1009では、CPU203は、電力管理サーバ10に対して、複合機が電力状態を問い合わせ、S1010で、CPU203が電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1011に進む。
【0073】
そして、S1011では、CPU203がS1010で電力管理サーバ10から取得した使用可能電力量と、図13に示したプリンタIF/プリンタの消費電力量予測値を比較し、消費電力量予測値の方が小さいかどうかを判断する。ここで、消費電力量予測値の方が小さいとCPU203が判断した場合、つまり、プリンタIF/プリンタをONしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合、S1012に進む。そして、S1012で、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合S1001に戻る。
【0074】
そして、S1012では。電源制御部211がプリンタIF/プリンタに接続してある電源ライン309に電源を投入し、プリンタIF/プリンタの電源を「ON」にする。さらに、CPU203は、電源ステータステーブルのプリンタIF/プリンタのステータス802を「OFF」から「ON」に変更する。
そして、S1013では、CPU203が電源ステータスのスキャナIF/スキャナのステータス802が「OFF」であるかどうかを判断する。ここで、ステータス802が「OFF」であるとCPU203が判断した場合は、S1014に進み、ステータス802が「ON」であると判断した場合は、本処理を終了する。
そして、S1014では、CPU203が電力管理サーバ10に対して、複合機が電力状況を問い合わせ、S1015で、CPU203が電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1016に進む。
【0075】
そして、S1016では、CPU203はS1015で受信した使用可能電力量と、図13に示したスキャナIF/スキャナの消費電力量予測値とを比較し、消費電力量予測値の方が小さいと判断した場合、S1017に進む。つまり、スキャナIF/スキャナをONしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合S1017に進み、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合はS1001に戻る。
そして、S1017では、電源制御部211がスキャナIF/スキャナに接続してある電源ライン310に電源を投入する。さらに、電源制御部211がスキャナIF/スキャナの電源をONにし、図12に示した電源ステータステーブルのスキャナIF/スキャナのステータス802を「OFF」から「ON」に変更して、本処理を終了する。
【0076】
本実施形態では、画像処理部/RAM、プリンタIF/プリンタ、スキャナIF/スキャナの順に電源ステータステーブルから電源がON状態かOFF状態かを判断する場合を説明したが、他の順番でもよく、もっと細かく電源ラインを構成してもよい。また、ジョブが入力された時に、そのジョブで使用するデバイスをCPUで解析し、そのジョブで使用する対象デバイスの電源をONにするシーケンスでもよい。
【0077】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0078】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 電力管理サーバ
20〜40 画像処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と、複数の画像処理装置とを含む印刷システムにおける電源制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に接続された複数の機器(画像処理装置を含む)で構成される印刷システムにおいて、印刷システム全体の消費電力量が印刷システムで設定された上限値を超えないように、各機器を省電源モードに移行させる制御を行っている。また、印刷システムにおいて、印刷システム全体の消費電力量が印刷システムで設定された上限値を超えないように、電源をOFFしたりする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の消費電力量制御により自動的に電源供給状態をOFF状態に遷移させた機器に対して、ユーザが当該省電源モードに移行した機器の電源供給状態をON状態にさせてしまうことがある。これにより、印刷システムで設定された電力量の上限値を超えた状態となり、効率的に省電源制御を行えないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、あらかじめ設定された電源管理対象となる複数の画像処理装置の電力状況に適応して、起動要求される画像処理装置の電源供給により複数の画像処理装置全体で消費される上限値を超えないように制御できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、あらかじめ設定された電源管理対象となる複数の画像処理装置の電力状況に適応して、起動要求される画像処理装置の電源供給により複数の画像処理装置全体で消費される上限値を超えないように制御できる仕組みを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電力管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した複合機の電源系統を示す図である
【図5】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】サーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図7】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】サーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図10】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図11】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図12】画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。
【図13】画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。
【図14】画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0009】
図1は、本実施形態を示す印刷システムの一例を示すブロック図である。本例は、3台の複合機がネットワークを介して電力管理サーバと通信可能なシステム例を示すが、複合機の数は3台に限定されることはない。さらに、複合機それぞれの電力消費量が各複合機で使用する電力消費量も実行する機能処理により変動するものとする。さらに、各複合機の定格電力消費量も同一でないものが組み合わされた印刷システムであっても本発明を適用可能である。本実施形態では、サーバ装置として機能する電力管理サーバ10が画像処理装置の例として、複合機20〜40の3台の電力状況を管理する場合を説明する。以下、電力管理サーバ10が複数の複合機20〜40と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理する実施形態について説明する。
図1において、50は機器を接続する既知の技術を用いたネットワークであり、本実施形態ではTCP/IPプロトコルを使用したイーサネット(登録商標)の使用を想定している。
【0010】
電力管理サーバ10は後述するハードウエア資源を備え、ネットワーク50を介して複合機20〜40の電力量を管理するモジュールを備える。電力管理サーバ10は、ネットワークインタフェースを備え、ネットワーク50を介して各複合機20〜40と通信可能に接続されている。
【0011】
図2は、図1に示した電力管理サーバ10の構成を示すブロック図である。なお、電力管理サーバ10を特定のIPアドレスで管理される専用のサーバ装置として構成してもよいし、クラウドコンピューティング環境で構築されるサーバ装置が提供するサービスサーバ装置として構成してもよい。
【0012】
図2において、CPU101は、電力管理サーバ10全体を制御するコントローラであり、各種の演算なども行う。ROM102は、ブートROMであり、電力管理サーバ10のブートプログラムが格納されている。
【0013】
RAM103は、CPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、CPU101の演算データや、各種プログラムを記憶する。LAN I/F制御部106は、LAN I/Fコネクタ11を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。HDD105は、サイズの大きなプログラムやデータを保存しておく不揮発性の2次記憶装置であり、保存してあるデータやプログラムはRAM103に展開してCPU101が実行する。
【0014】
操作部108は、ユーザが電力管理サーバ10の操作を行い、各種の設定を行う場合に使用する。電力監視プログラム記憶領域104は、ROM102もしくはHDD105にあったものをRAM103に電力監視プログラムを展開する領域である。CPU101は、電力監視プログラムを実行して、各複合機の動作モードと消費電力量の相関を記憶しておき、各複合機20〜40の動作モードにより消費される各消費電力量を合算する。これにより、印刷システム全体の消費電力量を算出する。また、CPU101は電力監視プログラムを実行して、印刷システムで消費できる電力量の上限値をユーザが操作部108から設定し、印刷システムの消費電力量がその設定値を超える場合にある複合機の電源をOFFする制御を実行する。
さらに、CPU101は、電力監視プログラムを実行して、ある複合機の電源をOFFしたり、消費電力量の少ないモードに移行させたりするが、その方法は既知の方法でもよい。
【0015】
図3は、図1に示した複合機20、30、40の構成を示すブロック図である。なお、各複合機は、構成するCPU等の能力や機能処理能力等により定格消費電力量が異なるとともに、各機能処理実行状態に応じて消費電力量も変動する。
【0016】
図3において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続されている。また、プリンタコントローラ200は、複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50に接続し、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0017】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。また、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域215があり、CPU203は複合機システムのブートプログラム実行前に電力確認プログラムを実行し、複合機システムのブートを行うかどうかを決定する。
【0018】
RAM205は、CPU203が動作するためのシステムワークメモリである。プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、プリンタ201の図示しないCPUとそれぞれ通信を行い、また、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。操作部I/F207は操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割を担う。
【0019】
スキャナI/F213はスキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を担う。通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。画像処理部210は、スキャナ212で読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長したりなど各種の画像処理を行う。
【0020】
電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203からの制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は、各デバイス(スキャナ、プリンタ、操作部)への電源の供給を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源をOFFしたりする制御を行う。これらは、システムバス209で互いに接続してある。
【0021】
図4は、図1に示した複合機20、複合機30及び複合機40の電源系統を示す図である。以下、図3に示した電源制御部211が制御する各電源供給系統への接続状態及び電源制御系統について説明する。
図4において、電源系統グループ301は、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214が含まれ、電源ライン306を介して電源制御部211より電源が供給される。
【0022】
電源系統グループ302は、操作部I/F207、操作部202が含まれ電源ライン307を介して電源が供給される。電源系統グループ303は、画像処理部210、RAM205が含まれ、電源ライン308を介して電源が供給される。
【0023】
電源系統グループ304は、プリンタ201、プリンタI/F206が含まれ、電源ライン309を介して電源が供給される。電源系統グループ305は、スキャナ212、スキャナI/F213が含まれ、電源ライン310を介して電源が供給される。
【0024】
電源制御部211内には電源生成部313があり、電源生成部313は電源プラグ311と接続してあり、外部から商用電源(AC電源)が供給される。また、電源制御部211は、電源スイッチ312で電源のON/OFFを行うことができ、ユーザが電源スイッチ312で電源をONにする操作を行うと、電源生成部313は電源プラグ311から各デバイスへの設定されたDC電源を生成する。
【0025】
電源生成部313で生成された電源は、まず電源ライン306にだけ供給され、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させる。供給制御部314は、電源制御部211内にあり、CPU203からの制御信号を受け、電源制御信号ライン319、電源制御信号ライン320、電源制御信号ライン321、電源制御信号ライン322に制御信号を送信する。
【0026】
電源供給スイッチ315は、電源ライン307へ電源を供給するスイッチであり、電源制御信号ライン319の制御信号により、電源ライン307へ電源の供給制御を行う。同様に、電源供給スイッチ316は、電源ライン308への電源供給制御のスイッチであり電源制御信号ライン320の制御信号により、電源ライン308へ電源の供給制御を行う。
【0027】
同様に、電源供給スイッチ317は、電源ライン309への電源供給制御スイッチであり、電源制御信号ライン321の制御信号により、電源ライン309へ電源の供給制御を行う。
同様に、電源供給スイッチ318は、電源ライン310への電源供給制御スイッチであり、電源制御信号ライン322の制御信号により、電源ライン310へ電源の供給制御を行う。
本実施形態では各デバイスへ供給する電源電圧が電源ライン306の一種類であるが、複数の電源電圧があってもよく、複数の電源電圧は電源生成部313で生成されてもよい。
【0028】
図5は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本処理は、各複合機20、複合機30、複合機40において、ユーザが電源ON指示を行った場合における電力管理サーバ10に対する電源オン状態への問い合わせを行う電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
【0029】
S401で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示(起動要求の指示)を行っているかどうかを判断する。ここで、電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S402に進む。
【0030】
そして、S402で、電源制御部211は、電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させ、S403に進む。S403で、CPU203は、ROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況を問い合わせる。ここで、電力管理サーバ10は、後述する図6に示す処理を実行する。
具体的には、ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせを受け取る。そして、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する。
【0031】
次に、S404で、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できるか否かを判断する。つまり、電力管理サーバ10から通知される電力状況に応じて、S401でユーザから受け付けた起動要求を続行あるいは起動要求を終了するかを判断する。ここで、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できると判断した場合、つまり、印刷システム全体では消費電力量が減少した状況にあり、印刷システムで使用できる電力量が増加した場合はS405に進む。一方、電力管理サーバ10からの通知で電力状況を回復できない判断した場合、つまり、印刷システムで使用できる電力量が増加していないと判断した場合はS406に進む。
【0032】
S405では、CPU203は電源制御部211に対して電源制御信号を出力し、他の電源ライン307、308、309、310により各ブロックに電源の供給を開始して、複合機20を通常動作可能な状態に遷移させ、本処理を終了する。ここで、各ブロックとは、電源系統グループ302、303、304、305が含まれる。また、各電源系統グループ302、303、304、305は、それぞれ異なる機能処理を実行する。
【0033】
また、S406では、消費できる電力量が少ないので、CPU203は、複合機の起動を停止させ、電源制御信号を電源制御部211に出力し、電源ライン306への電源供給を停止し、印刷システムの全体の電源をOFFして、本処理を終了する。この後は、電源スイッチ312が操作されない限り、当該複合機はOFF状態を維持する。
図6は、本実施形態を示すサーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。本処理は、電力管理サーバ10による電力回復あるいは電力不足を問い合わせがなされた複合機に対して通知する電源制御例である。
なお、各ステップは、CPU101がRAM103にロードする電力監視プログラム等を含む制御プログラムを実行することで実現される。以下、ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの複合機から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の複合機で消費される電力量と、複数の複合機に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された複合機に起動要求の可否を通知する処理を説明する。なお、電力管理サーバ10は、ネットワークに接続された複数の複合機の電力状況を管理することがあらかじめ設定されているものとする。ただし、複合機の数は、ユーザが新規登録処理や、削除処理によりその台数は増減する場合がある。
【0034】
まず、S501で、CPU101は、電力管理サーバ10が管理するいずれかの複合機の電源スイッチ312が操作されて、S403が実行されることにより電源がONされたことによる問い合わせがあるかどうかを判断する。ここで、いずれかの複合機から電源がONされたことによる問い合わせがあるとCPU101が判断した場合はS502へ進む。
そして、S502で、電力管理サーバ10のCPU101は電力を管理する印刷システムの動作状況から印刷システムで消費している電力量を演算し、問い合わせがあった複合機が通常起動した場合の消費電力量を予測する。さらに、CPU101は、電力管理サーバ10は、印刷システムの消費電力量と問い合わせがあった複合機を通常動作させた場合の消費電力量を加算して、印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えるかどうかを判断する。
ここで、印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えるとCPU101が判断した場合にはS505に進み、上限値を超えないとCPU101が判断した場合にはS504に進む。
そして、S504では、CPU101が問い合わせを行った複合機に対して待機状態への移行を許可する通知(可通知)を行い、本処理を終了する。一方、S505では、CPU101が問い合わせを行った複合機に対して待機状態への移行を制限する通知(否通知)を行い、本処理を終了する。
これにより、複合機の電源をすべて供給するスタートアップを実行してしまうとあらかじめ設定した最大電力量を超える場合が発生することが予測される場合、電力管理サーバ10が当該複合機のスタートアップ処理を制限する通知を行うことができる。その結果、印刷システムとして設定された最大電力量を超えないように印刷システム全体の消費電力が管理される。
〔第2実施形態〕
【0035】
上記第1実施形態では、複合機が電力管理サーバ10に対して、必ず、待機状態への移行許可通知あるいは移行制限通知を受信してから待機状態へ移行するかそのまま電源をOFFするかどうかを判断する場合について説明した。複合機に対するユーザ設定により、その都度、電力管理サーバ10へ電力状況の問い合わせを行わないように制御してもよい。以下、その実施形態について説明する。例えば季節によって複合機以外の機器を駆動するために必要な電力消費量が少ない場合がある。そこで、ユーザが使用する全ての機器に割り当てた電力使用量の目標値内で、全ての複合機を使用しても目標値内に収まる季節が存在する。そこで、そのような季節においては、上述したような問い合わせを実行しないように制御することも可能である。以下、その実施形態について詳述する。
【0036】
図7は、本実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。なお、本例は、第1実施形態と同一のものには同一の符号を付してある。各複合機は、同一の構成を備えるが、説明上複合機20を例とする。
図7において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部である操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続され。
一方では、プリンタコントローラ200が複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50に接続され、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0037】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。なお、ROM204は、例えばフラッシュROM等で構成され、記憶された内容を書き換えることが可能に構成されている。また、ROMに替えて、NVRAM等で構成される記憶部に、問い合わせフラグ領域を確保してもよい。
また、ROM204内には問い合わせフラグ記憶領域616があり、操作部202からのユーザ設定により問い合わせフラグ記憶領域616に記憶される問い合わせフラグの内容を変更することが可能である。ここで、問い合わせフラグは、問い合わせの可否を決定する情報として記憶され、通信手段に供給される電源で起動するCPU203が参照可能となる。
さらに、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域215があり、複合機システムのブートプログラム実行前に問合わせフラグ記憶領域616の内容を確認し、問合わフラグが立っていないと電源制御部211が判断した場合は、そのまま通常起動を行う。
【0038】
ここで、問い合わせフラグ記憶領域616において、問い合わせフラグが立っていると判断した場合、CPU203は電力確認プログラムを実行し、電力管理サーバ10に問い合わせを行い、複合機システムのブートを行うかどうかを決定する。RAM205は、CPU203が動作するためのシステムワークメモリである。プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、図示しないプリンタ201のCPUとそれぞれ通信を行う。さらに、CPU203は、画像データの同期系/非同期系の変換処理を行う。
【0039】
操作部I/F207は、操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割をする。スキャナI/F213は、スキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を行う。
通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。画像処理部210は、スキャナで読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長など各種の画像処理を行う。
【0040】
電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203から電源制御部I/Fを通じて制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は複合機の各デバイスの電源を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源をOFFしたりする制御を行う。これらは、システムバス209で互いに接続してある。
【0041】
図8は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電源スイッチによる電源オンに連動して問い合わせフラグの状態を判断して、電力管理サーバ10へ問い合わせを行う電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
【0042】
S701で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っているかどうかを判断する。ここで、電源スイッチ312を操作し、電源をON状態へ移行させる指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S702に進む。
【0043】
そして、S702では、電源制御部211は電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させる。次に、S703で、CPU203がROM204内にある問い合わせフラグ記憶領域616の内容を確認し、問い合わせフラグが立っていればS704に進み、問い合わせフラグが立っていなければS706に進む。S704で、CPU203はROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況を問い合わせる。
【0044】
次に、S705で電力管理サーバ10からの回答で電力状況が回復した場合つまり、印刷システムでの消費電力量が減少し、印刷システムで使用できる電力量が増加した場合、はS706に進む。そして、S706で、電力状況が回復していない場合つまり、印刷システムで使用できる電力量が増加していない場合はS707に進む。
【0045】
S706では、CPU203からの電源制御部211に対して電源制御信号を出力し、他の電源ライン307、電源ライン308、電源ライン309、電源ライン310に電源を供給して、複合機A20を通常動作させる。S707では消費できる電力が少ないので、CPU203が複合機の起動を停止し、電源制御信号を出力し、電源ライン306への電源供給を停止し、電源をOFFして終了する。
これにより、電源スイッチがOFF状態からON状態にする指示がされた場合に、問い合わせフラグの状態に応じて即座に電源を各部に供給することが可能となる。
【0046】
〔第3実施形態〕
以下、印刷システムを構成するいずれかの複合機から自機に対する電力状況の問い合わせを受信して、問い合わせのあった複合機に対して使用可能な電力量を計算して応答する実施形態について説明する。
【0047】
図9は、本実施形態を示すサーバ装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷システムを構成するいずれかの複合機から自機に対する電力状況の問い合わせを受信して、問い合わせのあった複合機に対して使用可能な電力量を計算して応答する電源制御例である。なお、各ステップは、CPU101がRAM103にロードする電力監視プログラム等を含む制御プログラムを実行することで実現される。以下、サーバ装置が起動要求された複合機からの問い合わせに対して、演算した使用可能な電力量を通知する処理について説明する。
【0048】
まず、S801で、電力管理サーバ10のCPU101は、管理する複合機から電源ONにともなう電力状況に対する問い合わせが受け付けたかどうかを判断する。ここで、管理する複合機から電源ONにともなう電力状況に対する問い合わせが受け付けたとCPU101が判断した場合は、S802へ進む。
【0049】
そして、S802で、電力管理サーバ10のCPU101が電力を管理する印刷システムの動作状況から印刷システムの消費している電力量を算出する。そして、CPU101は、当該電力量と設定された印刷システムの消費電力量の上限値との差分、つまり、問い合わせを行った複合機の使用できる電力量を演算する。次に、S803では、CPU101は、S801で問い合わせを受け付けた複合機へ演算した使用可能電力量を通知して、本処理を終了する。
これにより、複合機は電力管理サーバで計算されて通知される使用可能電力量量に従い、図10に示す手順に従いグループ化された複合機の起動や、各部の機能処理が実行可能かどうかを判断し、設定された消費電力量内で適切な機能処理を行うことができる。
【0050】
図10は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、電力管理サーバ10から通知される使用可能電力量量に応じて起動処理、並びに機能処理を制限する電源制御例である。なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。以下、電力管理サーバ10から通知される使用可能な電力量に応じて、起動要求を受け付けた複合機において、当該使用可能な電力量に適応して各ブロックへの電源供給を段階的に実行する例を説明する。ここで、各ブロックとは、電源系統グループ302、303、304、305が含まれる。
【0051】
S901で、電源制御部211は、ユーザが電源スイッチ312を操作して電源をONする指示を行っているかどうかを判断する。ここで、ユーザが電源スイッチ312を操作して電源をONする指示を行っていると電源制御部211が判断した場合は、S902に進む。
【0052】
そして、S902で、電源制御部211は、電源ライン306に電源を供給し、CPU203、ROM204、通信部208、電源制御部I/F214を動作させ、S903に進む。S903で、CPU203は、ROM204の電力確認プログラム記憶領域215にある電力確認プログラムを実行し、通信部208を制御し、電力管理サーバ10に電力状況の問い合わせを行う。
【0053】
次に、S904で、電力管理サーバ10から使用できる電力量の通知を受けるまで待ち、電力管理サーバ10から電力量の通知を受けると、S905に進む。そして、S905では、電源制御部211がCPU203、ROM204、通信部208、電源制御部211で消費する電力量と、S904で通知を受けた使用可能電力量を比較する。そして、使用可能電力量がマイナスであると電源制御部211が判断した場合、つまり印刷システムで使用できる電力量の上限値を超えていると判断した場合はS906に進み、使用可能な電力量がプラスの場合、S907に進む。
【0054】
そして、S906では、複合機の起動を停止して、電源ライン306への電源供給を遮断して、本処理を終了する。これにより、印刷システムに設定された電力量の上限値をこえる状態において、新たな複合機が起動してしまう状態を回避できる。
一方、S907では、電源制御部211が操作部202の電源をONしても、使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、使用可能電力量を超えないと電源制御部211が判断した場合、S908で、電源ライン307に電源を供給して、操作部202を使用可能としてS909に進む。
一方、S907で使用可能電力量を超えると電源制御部211が判断した場合は、S906で複合機の起動を停止して、本処理を終了する。そして、S909では、図11に示す電源ステータス記憶領域717の図12に示す電源ステータステーブルで管理される操作部に対応づけられたステータスに「ON」を書き込み、S910に進む。
【0055】
S910では、電源制御部211が画像処理部210とRAM205をONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、画像処理部210とRAM205の消費する電力量の推定がS904で通知された使用可能電力量から操作部202の電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合、S911へ進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。一方、S910で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0056】
そして、S911では、電源制御部211が電源ライン308に電源を供給し、画像処理部210とRAM205の電源をONにして使用可能とし、S912に進む。そして、S912では、電源制御部211が電源ステータス記憶領域717の電源ステータステーブルの画像処理部/RAMにONを書き込み、S913に進む。
そして、S913では、電源制御部211がプリンタIFとプリンタをONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。ここで、プリンタIFとプリンタの消費する電力量の推定値がS904で通知された使用可能電力量から操作部と画像処理部/RAMの消費する電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合、S914に進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。一方、S913で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0057】
そして、S914では、電源制御部211が電源ライン309に電源を供給しプリンタIF/プリンタを使用できる状態にしてS915に進む。そして、S915では、電源制御部211が図12に示す電源ステータステーブルのプリンタのステータスに「ON」を書き込み、S916へ進む。S916では、電源制御部211がスキャナIFとスキャナをONしても使用可能電力量を超えないかを判断する。
ここで、スキャナIFとスキャナの消費する電力量の推定値がS904で通知された使用可能電力量から操作部202と画像処理部210/RAM205とプリンタI/F206/プリンタ201で消費する電力量の推定値を引いた値よりも大きいと電源制御部211が判断した場合はS917に進む。この場合は、印刷システムの電力量の上限値を超えないと判断した場合である。
【0058】
一方、S916で、印刷システムの電力量の上限値を超えると電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。そして、S917では、電源制御部211が電源ライン310に電源を供給し、スキャナIF/スキャナを使用できる状態にし、S918で、電源制御部211が電源ステータステーブルのスキャナに「ON」を書き込み、本処理を終了する。
【0059】
本実施形態では、操作部をON、画像処理部/RAMをON、プリンタIF/プリンタをON、スキャナIF/スキャナをONの順番で使用可能電力量を超えていないかを確認しているが、判断の順番は上記順序に限定されるものではない。
なお、本実施形態において、電力管理サーバ10から通知される電力状況に応じて、起動要求された複合機のCPU203が各ブロックへの電源供給を停止してしまう場合について説明した。
具体的には、上記処理において、操作部202をONできない場合、複合機の動作を停止させている場合について説明した。しかし、操作部202をONするには十分でないと判別した場合でも、全ブロックの一部のブロックに対応するCPU203/通信部208をONにした状態で待機し、本処理を終了させてもよい。
これにより、通信手段には電源が供給された状態で維持され、所定の時間経過毎に、電力管理サーバ10に上述した問い合わせを継続させる制御を実行して、刻々と変動する印刷システムの電力消費状態に適応して、起動要求を進行させることができる。このため、最初から起動要求を実行する場合に比べて画像処理可能となる時間を短縮できる。
〔第3実施形態〕
図11は、本実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。なお、図1に示した複合機20〜40はそれぞれ同一の構成を備える場合を示す。
【0060】
図11において、プリンタコントローラ200は、画像出力デバイスであるプリンタ201と操作部202、読み取りデバイスであるスキャナ212、電源制御部211に接続される。また、プリンタコントローラ200は、複合機のLAN I/Fコネクタ21を介してネットワークに接続し、通信制御を行うネットワークコントローラとしても機能する。
【0061】
CPU203は、複合機システム全体を制御するコントローラである。ROM204は、ブートROMであり、複合機システムのブートプログラムが格納されている。また、電源ステータス記憶領域717は各デバイスの電源の状態を記憶する領域と各デバイスをONにした場合、消費する電力量の予測値を記憶する記憶領域でもある。
【0062】
さらに、ROM204内には電力確認プログラム記憶領域718があり、電力確認プログラムが電源ステータス記憶領域717の電源ステータスと消費電力量予測値と電力管理サーバ10から受信した使用可能電力量を超えないかどうかを判断する。さらに、電力確認プログラムは、各デバイスの電源をONにするかどうかを判断する。RAM205はCPU203が動作するためのシステムワークメモリである。
【0063】
プリンタI/F206は、プリンタ201に接続され、図示しないプリンタ201のCPUとそれぞれ通信を行い、また、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。操作部I/F207は操作部202に接続され、操作部202からユーザが入力した情報をCPU203に伝える役割をする。スキャナI/F213はスキャナ212と接続され、スキャナ212から読み込んだ画像データをプリンタコントローラ200のRAM205に取り込む役割を行う。通信部208は、LAN I/Fコネクタ21を介してネットワーク50と接続し、データの送受信を行う。
【0064】
画像処理部210は、スキャナ212で読み取られたRGB(赤、緑、青)画像データをプリント用のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、黒)データに変換したり、画像の圧縮・伸長など各種の画像処理を行う。電源制御I/F214は、電源制御部211に接続され、CPU203からの制御信号を電源制御部211に伝える。電源制御部211は複合機の各デバイスの電源を制御する。また、電力管理サーバ10からの電源制御信号をLAN I/Fコネクタ21を介して、通信部208で受信し、その制御信号をCPU203で解釈し、電源制御部211を制御して、各動作モードへ移行したり、複合機の電源のOFFを行う。
【0065】
また、本実施形態では電源ステータス記憶領域717をROM204に備える場合を示すが、RAM205内にあってもよく、他のメディアで構成されていてもよい。
【0066】
図12は、本実施形態を示す画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。本テーブルは、電源をONすべき対象デバイス毎にオン/オフに対応付けられたステータス802を管理する場合を示す。
【0067】
図12において、電源制御部211は電源ラインに接続してある対象デバイスに電源が供給されていればONを書き込み、電源が供給されていなければOFFを書き込む。また、このステータステーブルは複合機をOFFにする場合は、電源制御部211がすべてのステータス802で管理する対象デバイス全てをOFFに書き換えてから、複合機をOFFにするように制御している。
図13は、本実施形態を示す画像処理装置で管理される電源制御テーブルの一例を示す図である。本テーブルは、電源グループ901と、待機時の消費電力量902とを対応づけて管理する場合を示す。なお、各消費電力量は、各デバイスの消費電力量の予測値(W)の一例である。
【0068】
図13において、電源グループ901は、各電源ライン306〜310に接続してあるデバイスのグループを示している。消費電力量902は、各電源ライン306〜310に接続してあるデバイスが待機時に消費する電力量の予測値である。この消費電力量の予測値はあらかじめ出荷時にROM204に記録してある。この消費電力量の予測値と電力管理サーバ10の消費可能電力量を比較し、図10で示すフローのように処理を行う。
【0069】
図14は、本実施形態を示す画像処理装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、図10に示した制御に基づいて電源がOFFのままのデバイスがある場合における電源投入処理例である。なお、なお、各ステップは、電源制御部211及びCPU203がROM204に記憶される電力確認プログラム等を含む制御プログラムらをロードして実行することで実現される。
まず、S1001で、電源制御部211は、図12に示した電源ステータステーブルを確認し、S1002で、電源制御部211は、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがあるかどうかを判断する。ここで、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがあると電源制御部211が判断した場合は、S1003に進み、電源ステータステーブルの中でOFF状態の電源ラインがないと電源制御部211が判断した場合は、本処理を終了する。
【0070】
次に、S1003で、電源制御部211は、図12に示した電源ステータステーブルの画像処理部/RAMが「OFF」であるかどうかを判断する。ここで、電源ステータステーブル中の画像処理部/RAMが「OFF」であると電源制御部211が判断した場合は、S1004へ進み、「ON」であると電源制御部211が判断した場合には、S1008に進む。そして、S1004では、CPU203が電力管理サーバ10に対して、複合機の電力状況を問い合わせ、S1005で、電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1006に進む。
【0071】
そして、S1006で、CPU203は、画像処理部/RAMに接続してある電源ライン308に電源を投入しても、S1005で受信した使用可能電力量と図13に示す画像処理部/RAMの消費電力量予測値を比較する。そして、CPU203は、S1005で受信した使用可能電力量より消費電力量予測値が小さいかどうかを判断する。
ここで、消費電力量予測値が小さいとCPU203が判断した場合は、つまり画像処理部/RAMのステータスを「ON」にしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合、S1007に進む。そして、S1007で、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合は、S1001に戻る。
【0072】
そして、S1007では、CPU203は画像処理部/RAMの電源ライン308に電源を供給し、電源ステータステーブルの画像処理部/RAMのステータス802を「ON」に変更し、S1001に戻る。
一方、S1008では、電源制御部211が図12に示す電源ステータステーブルのプリンタIF/プリンタのステータス802が「OFF」になっているかを判断する。ここで、ステータス802が「OFF」であると電源制御部211が判断した場合はS1009に進み、ステータス802が「ON」であると電源制御部211が判断した場合は、S1013に進む。
そして、S1009では、CPU203は、電力管理サーバ10に対して、複合機が電力状態を問い合わせ、S1010で、CPU203が電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1011に進む。
【0073】
そして、S1011では、CPU203がS1010で電力管理サーバ10から取得した使用可能電力量と、図13に示したプリンタIF/プリンタの消費電力量予測値を比較し、消費電力量予測値の方が小さいかどうかを判断する。ここで、消費電力量予測値の方が小さいとCPU203が判断した場合、つまり、プリンタIF/プリンタをONしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合、S1012に進む。そして、S1012で、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合S1001に戻る。
【0074】
そして、S1012では。電源制御部211がプリンタIF/プリンタに接続してある電源ライン309に電源を投入し、プリンタIF/プリンタの電源を「ON」にする。さらに、CPU203は、電源ステータステーブルのプリンタIF/プリンタのステータス802を「OFF」から「ON」に変更する。
そして、S1013では、CPU203が電源ステータスのスキャナIF/スキャナのステータス802が「OFF」であるかどうかを判断する。ここで、ステータス802が「OFF」であるとCPU203が判断した場合は、S1014に進み、ステータス802が「ON」であると判断した場合は、本処理を終了する。
そして、S1014では、CPU203が電力管理サーバ10に対して、複合機が電力状況を問い合わせ、S1015で、CPU203が電力管理サーバ10から使用可能電力量の通知を取得したら、S1016に進む。
【0075】
そして、S1016では、CPU203はS1015で受信した使用可能電力量と、図13に示したスキャナIF/スキャナの消費電力量予測値とを比較し、消費電力量予測値の方が小さいと判断した場合、S1017に進む。つまり、スキャナIF/スキャナをONしても電力量が上限値を超えないとCPU203が判断した場合S1017に進み、電力量が上限値を超えるとCPU203が判断した場合はS1001に戻る。
そして、S1017では、電源制御部211がスキャナIF/スキャナに接続してある電源ライン310に電源を投入する。さらに、電源制御部211がスキャナIF/スキャナの電源をONにし、図12に示した電源ステータステーブルのスキャナIF/スキャナのステータス802を「OFF」から「ON」に変更して、本処理を終了する。
【0076】
本実施形態では、画像処理部/RAM、プリンタIF/プリンタ、スキャナIF/スキャナの順に電源ステータステーブルから電源がON状態かOFF状態かを判断する場合を説明したが、他の順番でもよく、もっと細かく電源ラインを構成してもよい。また、ジョブが入力された時に、そのジョブで使用するデバイスをCPUで解析し、そのジョブで使用する対象デバイスの電源をONにするシーケンスでもよい。
【0077】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0078】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 電力管理サーバ
20〜40 画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する通知手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、
前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記サーバ装置から通知される電力状況が前記起動要求を続行できる十分な電力量であるかどうかを判断する判断手段を備え、
前記起動要求を続行できる十分な電力量であると判断した場合、画像処理を実行する複数の機能処理手段に電源の供給を開始し、前記起動要求を続行できる十分な電力量でないと判断した場合、前記通信手段への電源の供給を停止することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記問い合わせの可否を決定する情報を記憶する記憶手段を備え、
前記通信手段は、前記情報が問い合わせ可の状態である場合、前記サーバ装置に問い合わせを実行し、前記情報が問い合わせ否の状態である場合、前記サーバ装置に問い合わせを実行しないことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記サーバ装置から応答される電力状況が前記起動要求の一部を続行できる十分な電力量であるかどうかを判別する判別手段を備え、
前記起動要求の一部を続行できる十分な電力量であると判別した場合、前記通信手段に対する電源の供給を維持し、前記通信手段が所定の時間経過毎に、前記サーバ装置に問い合わせを行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に使用可能な電力量を通知する通知手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、
前記サーバ装置から通知される電力量に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置における電源制御方法であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する通知工程を備えることを特徴とする電源制御方法。
【請求項9】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置における電源制御方法であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信工程と、
前記通信工程により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ工程と、
前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御工程と、
を備えることを特徴とする電源制御方法。
【請求項10】
請求項8または9記載の電源制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する通知手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、
前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記サーバ装置から通知される電力状況が前記起動要求を続行できる十分な電力量であるかどうかを判断する判断手段を備え、
前記起動要求を続行できる十分な電力量であると判断した場合、画像処理を実行する複数の機能処理手段に電源の供給を開始し、前記起動要求を続行できる十分な電力量でないと判断した場合、前記通信手段への電源の供給を停止することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記問い合わせの可否を決定する情報を記憶する記憶手段を備え、
前記通信手段は、前記情報が問い合わせ可の状態である場合、前記サーバ装置に問い合わせを実行し、前記情報が問い合わせ否の状態である場合、前記サーバ装置に問い合わせを実行しないことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記サーバ装置から応答される電力状況が前記起動要求の一部を続行できる十分な電力量であるかどうかを判別する判別手段を備え、
前記起動要求の一部を続行できる十分な電力量であると判別した場合、前記通信手段に対する電源の供給を維持し、前記通信手段が所定の時間経過毎に、前記サーバ装置に問い合わせを行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に使用可能な電力量を通知する通知手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ手段と、
前記サーバ装置から通知される電力量に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
複数の画像処理装置と通信して、各画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置における電源制御方法であって、
ユーザにより起動要求が指示されたいずれかの画像処理装置から受け取る起動要求の問い合わせに対して、可動状態にある他の画像処理装置で消費される電力量と、複数の画像処理装置に対してあらかじめ設定された最大電力量とを比較して起動要求された画像処理装置に起動要求の可否を通知する通知工程を備えることを特徴とする電源制御方法。
【請求項9】
あらかじめ設定された複数の画像処理装置の電力状況を管理するサーバ装置と通信する画像処理装置における電源制御方法であって、
ユーザからの起動要求の指示に従って供給される電源により前記サーバ装置と通信する通信工程と、
前記通信工程により前記サーバ装置に対して前記起動要求を続行できる電力状況かどうかを問い合わせる問い合わせ工程と、
前記サーバ装置から通知される電力状況に応じて、前記起動要求を続行あるいは前記起動要求を終了する制御工程と、
を備えることを特徴とする電源制御方法。
【請求項10】
請求項8または9記載の電源制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−114579(P2013−114579A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262210(P2011−262210)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]