サーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法
【課題】自動処理装置が処理した取引に関する情報を、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報と組み合わせることによって有効に利用する。
【解決手段】自動取引システム10において、自動取引装置110が顧客Cの操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置120が検出した顧客の自動取引装置110への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置200は、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含む。
【解決手段】自動取引システム10において、自動取引装置110が顧客Cの操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置120が検出した顧客の自動取引装置110への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置200は、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法に関し、特に、顧客の自動取引装置への接近および離隔に関する情報を利用するサーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばATM(Automated Teller Machine)などの自動取引装置を用いた自動取引システムは、金融機関の営業店などにおいて広く普及している。自動取引装置は、顧客の操作に基づいて、例えば入金、出金、残高照会、振込などの取引を処理する。また、自動取引装置は、金融機関のキャッシュカードだけでなく、クレジットカードなどの他の種類のカードを取り扱い可能である場合が多い。このような場合、自動取引装置が処理する取引には、金融機関の口座への入金および出金だけでなく、例えばクレジットカードを用いた借入および返済の取引なども含まれる。
【0003】
かかる自動取引システムでは、同一の顧客が複数の取引のために連続して自動取引装置を操作することによって、他の顧客が自動取引装置を操作するための待ち時間が増大するという事象が発生していた。そこで、顧客の自動取引装置への接近および離隔を近接センサによって検知し、ある顧客が自動取引装置に接近した状態で連続して処理された取引を、この顧客による連続した取引と認識してカウントする技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。このような技術によって、例えば自動取引装置が混雑時間帯に長時間連続して同一の顧客に占有されることを防止することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−46805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、自動取引装置が処理した取引に関する情報には、例えば取引の種別を示す情報、および口座の名義を示す情報など、多様な情報が含まれている。しかし、例えば特許文献1に記載されているような技術では、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報に、自動取引装置が処理した取引の件数を組み合わせて利用しているにすぎない。つまり、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報との組み合わせという面では、自動取引装置が処理した取引に関する情報は有効に利用されているとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、自動処理装置が処理した取引に関する情報を、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報と組み合わせることによって有効に利用することが可能な、新規かつ改良されたサーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、自動取引システムにおいて、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置が検出した顧客の自動取引装置への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置であって、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含むことを特徴とするサーバ装置が提供される。
【0008】
かかる構成によって、例えば、近接情報に基づいて特定された顧客の連続取引の内容に応じて顧客関連情報が生成されるため、顧客の取引実態に応じたより適切な顧客関連情報を得ることができる。
【0009】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の種別を示す取引種別情報を含み、関連情報生成部は、連続取引の取引種別情報に基づき顧客に金融商品を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0010】
かかる構成によって、例えば、顧客の取引実態に応じたより適切な推奨情報が得られるため、顧客への金融商品の推奨をより適切に行うことができる。
【0011】
上記サーバ装置において、関連情報生成部は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す取引種別情報を含む場合に、顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0012】
かかる構成によって、例えば、短期資金必要見込み顧客がより的確に推定され、推定結果に基づいて小口融資を推奨することによって推奨に対する契約率を向上させることができる。
【0013】
上記サーバ装置は、取引情報の履歴を格納する記憶部、または取引情報の履歴を格納する外部記憶装置と通信する通信部をさらに含み、関連情報生成部は、取引情報の履歴を参照し、顧客の取引情報の履歴に含まれる取引種別情報によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0014】
かかる構成によって、例えば、短期資金必要見込み顧客がより高い精度で推定され、小口融資の推奨に対する契約率をさらに向上させることができる。
【0015】
上記サーバ装置は、推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口のうち少なくとも1つに送信する通信部をさらに含んでもよい。
【0016】
かかる構成によって、例えば、生成された推奨情報が金融商品の推奨のための部署に送られることによって、推奨情報を有効に活用することができる。
【0017】
上記サーバ装置において、関連情報生成部は、連続取引のうち、最初の取引については顧客の来店を通知する通知情報を生成し、残りの取引については通知情報を生成しなくてもよい。
【0018】
かかる構成によって、例えば、顧客の連続取引に対する重複した通知情報の生成が抑制され、より的確なタイミングで通知情報を生成することができる。
【0019】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、関連情報生成部は、最初の取引と残りの取引との間で口座名義情報が異なる場合でも残りの取引については通知情報を生成しなくてもよい。
【0020】
かかる構成によって、例えば、家族の口座などの異なる名義の口座に対する連続取引であっても、同一の顧客についての重複した通知情報の生成を抑制することができる。
【0021】
上記サーバ装置は、通知情報を自動取引装置が設置された営業店の役席端末に送信する通信部をさらに含んでもよい。
【0022】
かかる構成によって、例えば、役席端末に送信される通知情報が同一顧客について重複することを抑制し、頻繁な通知が役席端末における業務の妨げとなることを防ぐことができる。
【0023】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、関連情報生成部は、連続取引の口座名義情報が互いに異なる場合に不正な取引への注意を促す警告情報を生成してもよい。
【0024】
かかる構成によって、例えば、他人のカードを悪用した不正な取引が疑われる取引について、注意を促すことができる。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客の操作に基づいて取引を処理し、取引の内容を示す取引情報を送信する自動取引装置と、顧客の自動取引装置への接近および離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を送信する近接検出装置と、取引情報および近接情報を受信し、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含むサーバ装置とを含むことを特徴とする自動取引システムが提供される。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、顧客の自動取引装置への接近を示す接近情報を取得するステップと、接近の後に、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した第1の取引の内容を示す第1の取引情報を取得するステップと、第1の取引の後に、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した第2の取引の内容を示す第2の取引情報を取得するステップと、第2の取引の後に、顧客の自動取引装置からの離隔を示す離隔情報を取得するステップと、少なくとも第1の取引情報および第2の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成するステップとを含むことを特徴とする自動取引方法が提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、自動処理装置が処理した取引に関する情報を、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報と組み合わせることによって有効に利用することができ、例えば、顧客へのサービス、または営業店における業務効率などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自動取引システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るATMの機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る近接センサの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るATMによって生成される取引情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る近接センサの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る近接センサによって生成される近接情報の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバの動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される連続取引情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る自動取引システムの機能構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る役席端末の機能構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るATMによって生成される取引情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバの動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される連続取引情報の一例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される通知情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
また、本明細書および図面において、複数存在しうる構成要素について、符号の末尾にアルファベットを付することによって区別する場合がある。このアルファベットを省略した符号によるこれらの構成要素の参照は、これらの構成要素の総称であり、このうち任意の1つを参照しうるものとする。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、図1〜図10を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態において、自動取引装置はATM110として、近接検出装置は近接センサ120として、サーバ装置は関連情報生成サーバ200として、それぞれ実現されている。本実施形態では、営業店100に設置されたATM110から送信される顧客Cの取引情報と、ATM110に対応する近接センサ120から送信される顧客Cの近接情報とを受信した関連情報生成サーバ200が、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。
【0032】
(自動取引システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引システム10の機能構成を示すブロック図である。図1を参照すると、自動取引システム10は、営業店100に設置されるATM110および近接センサ120、これらと通信する関連情報生成サーバ200、ならびに関連情報生成サーバ200と通信する顧客DB300を含む。
【0033】
以下で、図1において示される自動取引システム10の各構成要素について詳述する。なお、図1では、自動取引システム10の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、自動取引システム10は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0034】
ATM110は、顧客Cの操作に基づいて取引を処理し、取引の内容を示す取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。ATM110は、複数の営業店100に複数設置されうる。図では、複数の営業店100が営業店100a,100bとして、複数のATM110がATM110a,110b,110cとして、また複数のATM110をそれぞれ操作する複数の顧客Cが顧客Ca,Cb,Ccとして例示されている。なお、営業店100、ATM110、および顧客Cの数は、図示された例には限られない。ATM110は、営業店100の店番号、およびATM110自身の機番によって、個別に識別されうる。
【0035】
近接センサ120は、顧客CのATM110への接近および離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を関連情報生成サーバ200に送信する。近接センサ120は、複数のATM110にそれぞれ対応して複数設置されうる。図では、複数の近接センサ120が近接センサ120a,120b,120cとして例示されている。なお、近接センサ120の数は、図示された例には限られない。近接センサ120は、営業店100の店番号、対応するATM110の機番、および近接センサ120自身の機番によって、個別に識別されうる。
【0036】
関連情報生成サーバ200は、ATM110および近接センサ120と通信し、ATM110からの取引情報と、近接センサ120からの近接情報をそれぞれ受信する。また、関連情報生成サーバ200は、取引情報および近接情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。さらに、関連情報生成サーバ200は、顧客DB300とも通信し、取引情報、取引情報の履歴、および推奨情報を、必要に応じて送受信してもよい。また、関連情報生成サーバ200は、生成された推奨情報を、図示しないダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信してもよい。
【0037】
なお、ここで、営業店100は、ATM110および近接センサ120が設置される場所であり、例えば金融機関の支店などでありうる。また、顧客DB300は、関連情報生成サーバ200の処理に関連する情報が格納される外部記憶装置であり、例えば金融機関のホストコンピュータのデータベースなどでありうる。また、関連情報生成サーバ200は、営業店100の外部に設置されるように図示されているが、これには限られず、営業店100の内部に設置されてもよい。
【0038】
(ATMの構成)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るATM110の機能構成を示すブロック図である。図2を参照すると、ATM110は、取引処理部111、取引情報生成部113、通信部115、および記憶部117を含む。
【0039】
以下で、図2において示されるATM110の各構成要素について詳述する。なお、図2では、ATM110の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、ATM110は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0040】
取引処理部111は、顧客Cの操作に基づいて取引を処理する。ここでいう顧客Cの操作には、例えば、図示しない液晶ディスプレイおよびタッチパネルなどのユーザインターフェースを介した指示操作、カードまたは通帳の挿入、現金の授受などが含まれうる。取引処理部111は、これらの顧客Cの操作から取得した情報に基づいて、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引を処理する。顧客Cの操作から取得される情報には、例えば、入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別、取引の金額、および取引の対象になる口座の名義などが含まれる。取引処理部111は、顧客Cの操作によって取得された情報の一部または全部を取引情報生成部113に提供してもよい。また、取引処理部111は、これらの情報を記憶部117に一時的に格納してもよい。かかる取引処理部111は、例えばATM110を制御するCPU(Central Processing Unit)が記憶部117に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0041】
取引情報生成部113は、取引処理部111によって処理された取引の内容を示す取引情報を生成する。取引情報生成部113は、例えば、取引の種別を示す取引種別情報、および取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含む取引情報を生成しうる。取引情報は、さらに、取引情報が生成されたATM110を識別するために、営業店100の店番号、およびATM110の機番を含んでもよい。取引情報生成部113は、取引情報を生成するための情報を取引処理部111から取得してもよく、また記憶部117に一時的に格納された情報を読み出してもよい。なお、取引情報の具体的な例については後述する。かかる取引データ生成部113は、例えばATM110を制御するCPUが記憶部117に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0042】
通信部115は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ200と通信するための通信インターフェースである。通信部115は、取引情報生成部113によって生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。また、通信部115は、取引情報を別途に顧客DB300に送信してもよい。通信部115と関連情報生成サーバ200などとの間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0043】
記憶部117は、ATM110の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部117には、例えば、CPUが取引処理部111および取引情報生成部113などの機能を実現するためのプログラム、および取引処理部111および取引情報生成部113などにおいて生成される取引情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部117は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0044】
(近接センサの構成)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120の機能構成を示すブロック図である。図3を参照すると、近接センサ120は、検出部121、近接情報生成部123、通信部125、および記憶部127を含む。
【0045】
以下で、図3において示される近接センサ120の各構成要素について詳述する。なお、図3では、近接センサ120の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、近接センサ120は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0046】
検出部121は、顧客CのATM110への接近または離隔を検出するセンサ部分である。検出部121は、例えば超音波または赤外線を用いて顧客Cまでの距離を測定し、この距離の変化を検知することによって、顧客CのATM110への接近または離隔を検出する。この目的のために、検出部121は、例えば、ATM110の顧客Cと対面する部分に設置されてもよい。また、別の例として、検出部121は、ATM110が設置されたブースのドア部分に設置され、ドアの開閉を検知することによって、ATM110への顧客Cの接近または離隔を検出してもよい。検出部121は、顧客CのATM110への接近または離隔の検出結果を近接情報生成部123に提供してもよく、また記憶部127に一時的に格納してもよい。
【0047】
近接情報生成部123は、検出部121によって検出された顧客CのATM110への接近または離隔を示す近接情報を生成する。近接情報生成部123は、例えば、顧客Cの接近および離隔をフラグとして示す接近フラグを含む近接情報を生成しうる。近接情報は、さらに、近接情報が生成された近接センサ120、および顧客Cが接近または離隔したATM110を識別するために、営業店100の店番号、近接センサ120の機番、および近接センサ120に対応するATM110の機番を含んでもよい。近接情報生成部123は、顧客CのATM110への接近または離隔の情報を検出部121から取得してもよく、また記憶部117に一時的に格納された情報を読み出してもよい。なお、近接情報の具体的な例については後述する。かかる近接情報生成部123は、例えば近接センサ120を制御するCPUが記憶部127に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0048】
通信部125は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ200と通信するための通信インターフェースである。通信部125は、近接情報生成部123によって生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。通信部125と関連情報生成サーバ200との間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0049】
記憶部127は、近接センサ120の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部127には、例えば、CPUが近接情報生成部123などの機能を実現するためのプログラム、および検出部121および近接情報生成部123などにおいて生成される近接情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部127は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0050】
(関連情報生成サーバの構成)
図4は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200の機能構成を示すブロック図である。図4を参照すると、関連情報生成サーバ200は、通信部210、連続取引情報生成部220、推奨情報生成部230、および記憶部240を含む。なお、推奨情報生成部230は本実施形態における関連情報生成部である。関連情報生成サーバ200は、例えば、単一のサーバ装置として実現されてもよく、またネットワーク上に分散したリソースによって提供される機能の集合体として実現されてもよい。
【0051】
以下で、図4において示される関連情報生成サーバ200の各構成要素について詳述する。なお、図4では、関連情報生成サーバのうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ200は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0052】
通信部210は、ネットワークを通じてATM110および近接センサ120と通信するための通信インターフェースである。通信部210は、ATM110が送信した取引情報、および近接センサ120が送信した近接情報を受信する。また、通信部210は、顧客DB300とも通信し、取引情報、取引情報の履歴、および推奨情報生成部230が生成した推奨情報を必要に応じて送受信してもよい。さらに、通信部210は、推奨情報生成部230が生成した推奨情報を、ダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信してもよい。通信部115と、ATM110および近接センサ120その他との間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0053】
連続取引情報生成部220は、通信部210が受信した取引情報および近接情報を結合させて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する。また、連続取引情報生成部220は、取引情報または近接情報に応じて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する。連続取引情報生成部220は、例えば、取引情報および近接情報に含まれる営業店100の店番号とATM110の機番とによって取引情報と近接情報とを対応付けてもよい。連続取引情報は、例えば、取引情報および近接情報に含まれる、取引種別情報、口座名義情報、および接近フラグなどを含む情報でありうる。なお、連続取引情報の具体的な例については後述する。かかる連続取引情報生成部220は、例えば関連情報生成サーバ200を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0054】
推奨情報生成部230は、連続取引情報生成部220が生成および更新する連続取引情報に基づいて、顧客CのATM110への接近と離隔との間に処理された複数の取引を、顧客Cによる連続取引として特定する。また、推奨情報生成部230は、特定された連続取引の取引種別情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。さらに、推奨情報生成部230は、記憶部240に格納された取引情報の履歴に基づいて推奨情報を生成してもよい。また、推奨情報生成部230は、通信部210を介して顧客DB300に格納された取引情報の履歴を参照してもよい。推奨情報生成部230は、生成した推奨情報を通信部210に提供してもよく、記憶部240に格納してもよい。なお、生成される推奨情報の具体例については後述する。かかる推奨情報生成部230は、例えば関連情報生成サーバ200を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0055】
記憶部240は、関連情報生成サーバ200の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部240には、例えば、CPUが連続取引情報生成部220および推奨情報生成部230などの機能を実現するためのプログラム、および連続取引情報生成部220および推奨情報生成部230などによって生成される連続取引情報および推奨情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部240は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0056】
(推奨情報の例)
ここで、関連情報生成サーバ200の推奨情報生成部230によって生成される推奨情報の具体的な例について説明する。本実施形態において、推奨情報生成部230は、顧客Cによる連続取引の取引種別情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。
【0057】
例えば、推奨情報生成部230は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す取引種別情報を含む場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成しうる。この場合、クレジットカードによる出金と、それに続く金融機関口座への入金は、顧客Cがカードローンなどで資金を借り入れて、銀行の引き落とし口座に入金したことを示すと考えられる。それゆえ、顧客Cは小口融資を必要とする短期資金必要見込み顧客である可能性が高い。
【0058】
また、例えば、推奨情報生成部230は、上記の条件に加えて、記憶部240または顧客DB300に格納された取引情報の履歴を参照し、顧客Cの取引情報の履歴に含まれる取引情報種別によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。所定の回数の条件は、例えば、出金が過去1ヶ月に5回以上、残高照会が過去1ヶ月に7回以上といった条件でありうる。このように、顧客Cの取引情報の履歴を参照することによって、顧客Cが小口融資を必要とする短期資金必要見込み顧客である場合をさらに高い精度で推定することが可能になる。
【0059】
上述のように、関連情報生成サーバ200は、通信部210を用いて、生成された推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信しうる。短期資金必要見込み顧客である顧客Cを特定して、小口融資を推奨する推奨情報が上記各部署に提供されることによって、ダイレクトメール、電話、または窓口勧誘による小口融資の契約率を向上させることが可能になる。
【0060】
なお、推奨情報生成部230は、上記の例のように「出金→入金」の連続取引について生成される推奨情報の他にも、「出金→出金」の連続取引、または「入金→出金」の連続取引などを条件にして、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0061】
(ATMの動作)
図5は、本発明の第1の実施形態に係るATM110の動作を示すフローチャートである。なお、図5では、ATM110の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、ATM110の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0062】
まず、顧客Cのカード挿入によって取引が開始される(ステップS101)。ここで、顧客Cによって挿入されるカードは、例えばキャッシュカードまたはクレジットカードなどである。ATM110の取引処理部111は、このカードから読み取られた情報から、例えば取引の対象になる口座の名義などの情報を取得しうる。
【0063】
次に、顧客Cの操作に基づいて、ステップS101において挿入されたカードを用いた取引が処理される(ステップS103)。ここで、取引処理部111は、ATM110のユーザインターフェースを通じて、顧客Cの取引に関する指示操作を取得し、この指示操作に従って取引を処理する。取引処理部111は、この指示操作から、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別、および取引の金額などの情報を取得しうる。
【0064】
次に、ステップS103において取引処理部111によって処理された取引について、取引情報生成部113が取引情報を生成する(ステップS105)。ここで、取引情報生成部113によって生成される取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報、および取引の種別を示す取引種別情報を含みうる。
【0065】
次に、通信部115が、ステップS105において生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する(ステップS107)。ここで送信される取引情報の具体的な例については後述する。
【0066】
次に、顧客Cにカードを返却して取引が終了される(ステップS109)。なお、ステップS109の取引の終了は、ステップS105およびステップS107の前、またはこれらのステップと並行して実行されてもよい。
【0067】
以上が、ATM110が顧客Cの操作に基づいて1件の取引を処理し、この取引の内容を示す取引情報を送信するための動作である。顧客Cが連続して複数の取引を実行する場合、ATM110によって上記の各ステップが繰り返して実行される。
【0068】
(取引情報の例)
図6は、本発明の第1の実施形態に係るATM110によって生成される取引情報1001の一例を示す図である。図6を参照すると、取引情報1001の例として、顧客CがATM110で連続して実行した、クレジットカードによる出金および金融機関口座への入金の取引によってそれぞれ生成される取引情報1001a,1001bが示されている。
【0069】
取引情報1001は、店番号、ATM機番、CIF番号、科目番号、口座番号、および取引種別の情報を含む。店番号およびATM機番は、上述のように、取引情報1001が生成されたATM110を特定する情報である。また、CIF(Customer Information File)番号は、顧客Cに一意に割り当てられる番号である。また、科目番号および口座番号は、顧客Cが保有する口座を特定する情報である。取引種別は、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別を示す情報である。
【0070】
図示された例において、取引情報1001aと取引情報1001bとは、同一の営業店100に設置された同一のATM110で生成された情報であるため、店番号およびATM機番が共通している。また、クレジットカードによる出金に係る口座と金融機関口座への入金に係る口座とは、いずれも同一の顧客Cの口座であるため、CIF番号も共通している。一方、取引情報1001aと取引情報1001bとの間では、科目番号、口座番号、および取引種別が異なっている。なお、ここで、取引種別「11」はクレジットカードによる出金の取引を示し、取引種別「01」は金融機関口座への入金の取引を示すものとする。
【0071】
ATM110では、取引情報生成部113が以上のような取引情報を生成し、通信部115がこの取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。関連情報生成サーバ200に送信された後の取引情報に関する処理については、関連情報生成サーバ200の動作についての説明で後述する。
【0072】
(近接センサの動作)
図7は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120の動作を示すフローチャートである。なお、図7では、近接センサ120の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、近接センサ120の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0073】
まず、近接センサ120の検出部121が、顧客Cの動きを検知する(ステップS201)。上述のように、検出部121は、例えば超音波または赤外線を用いて測定した顧客Cまでの距離の変化として、顧客Cの動きを検知しうる。
【0074】
次に、検出部121、または近接情報生成部123が、ステップS201において検知された顧客Cの動きを分析し、顧客CがATM110に接近しているか否かを判定する(ステップS203)。例えば、検出部121が顧客Cまでの距離の変化として顧客Cの動きを検出する場合、顧客Cまでの距離が縮小していれば、顧客CがATM110に接近していると判定される。
【0075】
ステップS203において、顧客CがATM110に接近していると判定された場合、近接情報生成部123は、接近フラグ=1の近接情報を生成する(ステップS205)。一方、ステップS203において、顧客CがATM110に接近していないと判定された場合、近接情報生成部123は、接近フラグ=0の近接情報を生成する(ステップS207)。ここで、接近フラグは、近接情報に含まれる情報の一例であり、「1」で顧客CがATM110に接近していることを示し、「0」で顧客CがATMから離隔していることを示すものでありうる。
【0076】
次に、通信部125が、ステップS205またはステップS207において生成された近接情報を、関連情報生成サーバ200に送信する(ステップS209)。
【0077】
以上が、近接センサ120が顧客CのATM110への接近または離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を送信するための動作である。顧客CのATM110への接近と離隔の際にそれぞれ、近接センサ120によって上記の各ステップが実行される。
【0078】
(近接情報の例)
図8は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120によって生成される近接情報1003の一例を示す図である。図8を参照すると、近接情報1003の例として、顧客CのATM110への接近および離隔の際にそれぞれ生成される近接情報1003a,1003bが示されている。
【0079】
近接情報1003は、店番号、センサ機番、ATM機番、接近フラグ、および検知時刻の項目を含む。店番号およびセンサ機番は、上述のように、近接情報1003が生成された近接センサ120を特定する情報である。ATM機番は、近接情報1003によって顧客Cの接近および離隔が示されるATM110を特定する情報である。また、接近フラグは、上述のように、顧客CのATM110への接近および離隔を示す情報である。検知時刻は、顧客CのATM110への接近または離隔が検出された時刻を示す情報である。
【0080】
図示された例において、近接情報1003aと近接情報1003bとは、同一の営業店100に設置された同一のATM110に対応する同一の近接センサ120で生成された情報であるため、店番号、センサ機番およびATM機番が共通している。一方、近接情報1003aと近接情報1003bとの間では、接近フラグおよび検知時刻が異なっている。なお、ここで、上述のように、接近フラグ「1」は顧客CのATM110への接近を示し、接近フラグ「0」は顧客CのATM110からの離隔を示すものとする。
【0081】
近接センサ120では、近接情報生成部123が以上のような近接情報を生成し、通信部125がこの近接情報を関連情報生成サーバ200に送信する。関連情報生成サーバ200に送信された後の近接情報に関する処理については、関連情報生成サーバ200の動作についての説明で後述する。
【0082】
(関連情報生成サーバの動作)
図9は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200の動作を示すフローチャートである。なお、図9では、関連情報生成サーバ200の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ200の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0083】
まず、関連情報生成サーバ200の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信する(ステップS301)。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「1」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110への接近を示す情報である。
【0084】
次に、連続取引情報生成部220が、ステップS301において受信された近接情報に基づいて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する(ステップS303)。後述するように、連続取引情報は、近接情報と取引情報とを結合させた情報であり、店番号、ATM機番および取引種別などの情報を含む。ステップS303において、生成される連続取引情報の取引種別はnullである。すなわち、連続取引情報に含まれる取引種別情報は、この時点では設定されない。
【0085】
次に、通信部210が、近接センサ120に対応するATM110から取引情報を受信する(ステップS305)。ここで受信される取引情報は、例えば図6において取引情報1001a,1001bとして図示されたような情報でありうる。なお、近接センサ120に対応するATM110は、例えば近接情報および取引情報のいずれにも含まれる店番号およびATM機番によって識別されうる。
【0086】
次に、推奨情報生成部230が、記憶部240に既に格納されている連続取引情報と、ステップS305において通信部210によって新たに受信された取引情報とに基づいて推奨情報を生成する。ここで、推奨情報生成部230は、記憶部240に格納されている連続取引情報に、取引種別情報が設定されているか否かを判定する(ステップS307)。
【0087】
ステップS307において、連続取引情報に取引種別情報が設定されていると判定された場合、推奨情報生成部230は、既に格納された連続取引情報に反映されている取引と、新たに受信された取引情報に対応する取引とを、顧客Cによる連続取引として特定する。この場合、推奨情報生成部230は、連続取引のそれぞれの取引情報に基づいて推奨情報を生成する(ステップS309)。例えば、推奨情報生成部230は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金と銀行口座への入金をそれぞれ示す場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0088】
一方、ステップS307において、連続取引情報に取引種別情報が設定されていないと判定された場合、推奨情報生成部230は、格納されている連続取引情報には取引が反映されていない、つまり新たに受信された取引情報に対応する取引が顧客Cによる今回の最初の取引であると判断する。この場合、推奨情報生成部230は、ステップS309をスキップし、推奨情報を生成しない。
【0089】
次に、連続取引情報生成部220は、ステップS305において受信された取引情報に基づいて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する(ステップS311)。ステップS311において、更新された連続取引情報には、ステップS305において受信された取引情報に含まれる取引種別情報が設定される。それゆえ、更新された連続取引情報の取引種別はnullではない。
【0090】
次に、接近フラグ=0の近接データが受信されたか否かが判定される(ステップS313)。ステップS305において受信された取引情報が、顧客CがATM110で実行した最後の取引であれば、通信部210が次に受信する情報は、顧客CがATM110から離隔したことを示す、近接センサ120からの近接情報になる。それゆえ、ステップS313において接近フラグ=0の近接データが受信された場合、顧客Cによる連続取引は終了したと判断され、処理が終了される。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003bとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「0」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110からの離隔を示す情報である。
【0091】
一方、ステップS313において接近フラグ=0の近接データが受信されなかった場合、すなわち通信部210が次に受信する情報がATM110からの別の取引情報であった場合、処理は終了されず、ステップS305の取引情報の受信に戻る。
【0092】
以上が、関連情報生成サーバ200がATM110における顧客Cの連続取引、すなわち顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された複数の取引を特定し、連続取引の取引種別情報に基づいて推奨情報を生成するための動作である。なお、顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された取引が1件である場合、ステップS307では連続取引情報に取引種別が設定されていないためにステップS309は実行されず、続くステップS313で接近フラグ=0の近接情報が受信されて処理が終了するため、結果として推奨情報は生成されない。
【0093】
(連続取引情報の例)
図10は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200によって生成される連続取引情報1005の一例を示す図である。図10を参照すると、連続取引情報1005の例として、クレジットカードによる出金および金融機関口座への入金の取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される連続取引情報1005a〜1005cが示されている。
【0094】
連続取引情報1005は、CIF番号、科目番号、口座番号、取引種別、接近フラグ、店番号、およびATM機番を含む。このうち、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別は、ATM110によって生成される取引情報1001に含まれる情報と同様の情報であり、取引情報1001に基づいて設定される。接近フラグは、近接センサ120によって生成される近接情報1003に含まれる情報と同様の情報であり、近接情報1003に基づいて設定される。店番号およびATM機番は、取引情報1001および近接情報1003の両方に含まれる情報であり、取引情報1001または近接情報1003のいずれかに基づいて設定される。
【0095】
図示された例において、連続取引情報1005aは、関連情報生成サーバ200の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信したときに生成され、記憶部240に格納される連続取引情報である。ここで、近接センサ120から受信される近接情報は、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005aが生成されるステップは、図9においてステップS303として図示されたステップに相当する。
【0096】
ここで、連続取引情報1005aには、接近フラグ、店番号、およびATM機番が設定されている。それ以外の、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別は、近接情報1003には含まれていないため、設定されない。図では、設定されない情報が(null)として示されている。この状態で、図9においてステップS307として図示されたステップの判定が実行されると、取引種別が設定されていないため結果はNOになり、続くステップS309の推奨情報の生成は実行されない。
【0097】
図示された例において、連続取引情報1005bは、通信部210が、ATM110から取引情報を受信した後に、記憶部240に格納された連続取引情報1005aが更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図6において取引情報1001aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005aが更新されて連続取引情報1005bになるステップは、図9においてステップS311として図示されたステップに相当する。
【0098】
ここで、連続取引情報1005bには、接近フラグ、店番号、およびATM機番に加えて、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別が設定されている。これらの新たに設定された情報は、取引情報1001aに含まれる情報である。なお、記憶部240に格納された連続取引情報1005aと、連続取引情報1005aの更新に用いられる取引情報1001aとは、店番号およびATM機番が一致することによって関連付けられうる。
【0099】
図示された例において、連続取引情報1005cは、通信部210が、ATM110からさらに取引情報を受信したときに、記憶部240に格納された連続取引情報1005bがさらに更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図6において取引情報1001bとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005bが更新されて連続取引情報1005cになるステップは、図9においてステップS311として図示されたステップが2回目に実行される場合に相当する。
【0100】
ここで、連続取引情報1005cでは、連続取引情報1005bと比較して、口座番号、および取引種別が変化している。それゆえ、図9において、連続取引情報1005bが取引情報1001bに基づいて更新されて連続取引情報1005cになるステップS311の直前に実行されるステップS307では、連続取引情報1005bに取引種別が設定されているため結果がYESになり、続くステップS309において、連続取引情報1005bの取引種別「11」と、取引情報1001bの取引種別「01」とに基づいて、推薦情報の生成が実行される。上述のように、取引種別「11」がクレジットカードによる出金の取引を示し、取引種別「01」が金融機関口座への入金の取引を示す場合、ここで生成される推薦情報は、顧客Cに小口融資を推奨する情報でありうる。
【0101】
(第2の実施形態)
次に、図11〜図17を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においても、自動取引装置はATM110として、近接検出装置は近接センサ120として、サーバ装置は関連情報生成サーバ200として、それぞれ実現されている。本実施形態では、営業店100に設置されたATM110から送信される顧客Cの取引情報と、ATM110に対応する近接センサ120から送信される顧客Cの近接情報とを受信した関連情報生成サーバ200が、顧客Cの来店を通知する通知情報を生成する。通知情報は、顧客Cが異なる名義の口座を対象として連続取引を実行した場合でも、連続取引のうち最初の取引については生成され、残りの取引については生成されない。
【0102】
なお、以下の本発明の第2の実施形態の説明では、第1の実施形態とは異なる部分を主に説明する。それゆえ、詳細な説明が省略されている部分については、第2の実施形態の構成は第1の実施形態の構成と同様でありうる。また、かかる部分では、第1の実施形態に係る図面および説明が適時参照されうる。
【0103】
(自動取引システムの構成)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る自動取引システム20の機能構成を示すブロック図である。図11を参照すると、自動取引システム20は、営業店600に設置されるATM110、近接センサ120および役席端末630、これらと通信する関連情報生成サーバ700、ならびに関連情報生成サーバ700と通信する顧客DB300を含む。
【0104】
以下で、図11において示される自動取引システム20の各構成要素について詳述する。なお、図11では、自動取引システム20のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、自動取引システム20は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。なお、ATM110、近接センサ120および顧客DB300については、図1を参照して説明した自動取引システム10と同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
役席端末630は、営業店600における取引を管理する役席者が使用する端末装置である。本実施形態では、関連情報生成サーバ700において生成された通知情報が役席端末630に送信され、役席者に顧客Cの来店を知らせる。役席端末630は、複数の営業店600に複数設置されうる。図では、複数の営業店600が営業店600a,600bとして、複数の役席端末630が役席端末630a,630bとして例示されている。なお、営業店600および役席端末630の数は、図示された例には限られない。
【0106】
(役席端末の構成)
図12は、本発明の第2の実施形態に係る役席端末630の機能構成を示すブロック図である。図12を参照すると、役席端末630は、通信部631、通知画面生成部633、表示部635、および記憶部637を含む。役席端末630は、例えば、デスクトップ型またはノート型などのパーソナルコンピュータ、または表示部および入力部などを有する専用の端末装置として実現されうる。
【0107】
以下で、図12において示される役席端末630の各構成要素について詳述する。なお、図12では、役席端末630の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、役席端末630は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0108】
通信部631は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ700と通信するための通信インターフェースである。通信部631は、関連情報生成サーバ700によって生成された通知情報を受信する。通信部631と関連情報生成サーバ700などとの間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0109】
通知画面生成部633は、通信部631から通知情報を取得した通知情報に基づいて通知画面を生成し、生成した通知画面を表示部635に提供する。通知画面生成部633は、例えば役席端末630を制御するCPUが記憶部637に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0110】
表示部635は、通知画面生成部633から提供された通知画面を表示する。ここで、通知画面は、例えば役席者が通常の業務を行っている画面にポップアップとして表示されるものであってもよい。表示部635は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置によって実現されうる。
【0111】
記憶部637は、役席端末630の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部637には、例えば、CPUが通知画面生成部633などの機能を実現するためのプログラム、および通知画面生成部633などにおいて生成される通知画面などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部637は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0112】
(関連情報生成サーバの構成)
図13は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700の機能構成を示すブロック図である。図13を参照すると、関連情報生成サーバ700は、通信部210、連続取引情報生成部220、通知情報生成部730、および記憶部240を含む。なお、通知情報生成部730は本実施形態における関連情報生成部である。関連情報生成サーバ700は、例えば、単一のサーバ装置として実現されてもよく、またネットワーク上に分散したリソースによって提供される機能の集合体として実現されてもよい。
【0113】
以下で、図13において示される関連情報生成サーバ700の各構成要素について詳述する。なお、図13では、関連情報生成サーバのうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ700は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。なお、本発明の第1の実施形態と同一の符号が付された通信部210、連続取引情報生成部220、および記憶部240については、図4を参照して説明した関連情報生成サーバ200におけるものと同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。
【0114】
通知情報生成部730は、連続取引情報生成部220が生成および更新する連続取引情報に基づいて、顧客CのATM110への接近と離隔との間に処理された複数の取引を、顧客Cによる連続取引として特定する。また、通知情報生成部730は、特定された連続取引のうち、最初の取引については顧客Cの来店を通知する通知情報を生成し、通信部210を介して役席端末630に送信するが、連続取引のうちの残りの取引については、通知情報を生成しない。なお、生成される通知情報の具体例については後述する。かかる通知情報生成部730は、例えば関連情報生成サーバ700を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0115】
(取引情報の例)
図14は、本発明の第2の実施形態に係るATM110によって生成される取引情報2001の一例を示す図である。図14を参照すると、取引情報2001の例として、顧客CがATM110で連続して実行した、互いに異なる名義の口座での取引によって生成される取引情報2001a,2001bが示されている。
【0116】
取引情報2001は、取引種別情報を含まない点において、図6を参照して説明した取引情報1001a,1001bとは異なるが、それ以外の点においては取引情報1001a,1001bと同様である。本実施形態では、関連情報生成サーバ700によって生成される通知情報が取引種別情報を必要としないため、取引情報2001は必ずしも取引種別情報を含まなくてもよい。なお、取引情報2001に含まれるCIF番号は、上述のように顧客Cに一意に割り当てられる番号であり、本実施形態では取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報にあたる。
【0117】
(関連情報生成サーバの動作)
図15は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700の動作を示すフローチャートである。なお、図15では、関連情報生成サーバ700の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ700の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0118】
まず、関連情報生成サーバ700の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信する(ステップS401)。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「1」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110への接近を示す情報である。
【0119】
次に、連続取引情報生成部220が、ステップS401において受信された近接情報に基づいて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する(ステップS403)。後述するように、連続取引情報は、近接情報と取引情報とを結合させた情報であり、店番号、ATM機番および通知フラグなどの情報を含む。ここで、通知フラグは、連続取引情報に含まれる情報の一例であり、「1」で顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要であることを示し、「0」で通知情報の生成が不要であることを示すものでありうる。ステップS403において、生成される連続取引情報の通知フラグは「1」である。つまり、この時点では、顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要とされている。
【0120】
次に、通信部210が、近接センサ120に対応するATM110から取引情報を受信する(ステップS405)。ここで受信される取引情報は、例えば図14において取引情報2001a,2001bとして図示されたような情報でありうる。なお、近接センサ120に対応するATM110は、例えば近接情報および取引情報のいずれにも含まれる店番号およびATM機番によって識別されうる。
【0121】
次に、通知情報生成部730が、記憶部240に既に格納されている連続取引情報に基づいて通知情報を生成する。ここで、通知情報生成部730は、記憶部240に格納されている連続取引情報の通知フラグ=1であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0122】
ステップS407において、連続取引情報の通知フラグ=1であると判定された場合、通知情報生成部730は、格納されている連続取引情報には取引が反映されていない、つまり新たに受信された取引情報に対応する取引が顧客Cによる今回の最初の取引であると判断する。この場合、通知情報生成部730は、顧客Cの来店を通知する通知情報を生成し、通信部210を介して役席端末630に送信する(ステップS409)。
【0123】
一方、ステップS407において、連続取引情報の通知フラグ=1ではないと判定された場合、通知情報生成部730は、格納されている連続取引情報に前回の取引が反映されていると判断し、前回の取引と新たに受信された取引情報に対応する取引とを、顧客Cによる連続取引として特定する。この場合、通知情報生成部730は、ステップS409をスキップし、通知情報を生成しない。
【0124】
次に、連続取引情報生成部220は、ステップS405において受信された取引情報に基づいて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する(ステップS411)。ステップS311において、連続取引情報の通知フラグは「0」に更新される。つまり、これ以降は、顧客Cの来店を必要とする通知情報の生成は必要とされない。
【0125】
次に、接近フラグ=0の近接データが受信されたか否かが判定される(ステップS413)。ステップS405において受信された取引情報が、顧客CがATM110で実行した最後の取引であれば、通信部210が次に受信する情報は、顧客CがATM110から離隔したことを示す、近接センサ120からの近接情報になる。それゆえ、ステップS413において接近フラグ=0の近接データが受信された場合、顧客Cによる連続取引は終了したと判断され、処理が終了される。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003bとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「0」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110からの離隔を示す情報である。
【0126】
一方、ステップS413において接近フラグ=0の近接データが受信されなかった場合、すなわち通信部210が次に受信する情報がATM110からの別の取引情報であった場合、処理は終了されず、ステップS405の取引情報の受信に戻る。
【0127】
以上が、関連情報生成サーバ700がATM110における顧客Cの連続取引、すなわち顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された複数の取引を特定し、連続取引のうちの最初の取引について通知情報を生成するための動作である。なお、顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された取引が1件である場合にも、ステップS407では連続取引情報通知フラグ=1であるためにステップS409が実行され、続くステップS313で接近フラグ=0の近接情報が受信されて処理が終了するため、結果として通知情報は生成される。
【0128】
(連続取引情報の例)
図16は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700によって生成される連続取引情報2005の一例を示す図である。図16を参照すると、連続取引情報2005の例として、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される連続取引情報2005a〜2005cが示されている。
【0129】
連続取引情報2005は、CIF番号、科目番号、口座番号、通知フラグ、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻を含む。このうち、CIF番号、科目番号、口座番号、接近フラグ、店番号、およびATM機番は、図10を参照して説明した連続取引情報1005と同様の情報である。通知フラグは、図15を参照して説明したフローチャートにおいて示されたように、関連情報生成サーバ700によって設定される情報である。検知時刻は、図8を参照して説明された近接情報1003に含まれる情報と同様の情報であり、近接センサ120によって生成される近接情報1003に基づいて設定される。
【0130】
図示された例において、連続取引情報2005aは、関連情報生成サーバ700の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信したときに生成され、記憶部240に格納される連続取引情報である。ここで、近接センサ120から受信される近接情報は、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005aが生成されるステップは、図15においてステップS403として図示されたステップに相当する。
【0131】
ここで、連続取引情報2005aには、通知フラグ、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻が設定されている。このうち、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻は、近接情報1003に基づいて設定される。通知フラグは、関連情報生成サーバ700の連続取引情報生成部220によって「1」に設定される。上述のように、通知フラグ「1」は、顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要であることを示す。上記以外の、CIF番号、科目番号、および口座番号は、近接情報1003には含まれていないため、設定されない。図では、設定されない情報が(null)として示されている。この状態で、図15においてステップS407として図示されたステップの判定が実行されると、通知フラグ=1であるため結果はYESになり、続くステップS409において通知情報の生成が実行される。
【0132】
図示された例において、連続取引情報2005bは、通信部210が、ATM110から取引情報を受信した後に、記憶部240に格納された連続取引情報2005aが更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図14において取引情報2001aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005aが更新されて連続取引情報2005bになるステップは、図15においてステップS411として図示されたステップに相当する。
【0133】
ここで、連続取引情報2005bでは、CIF番号、科目番号、および口座番号が新たに設定されている。これらの情報は、取引情報2001aに含まれる情報である。また、連続取引情報2005bでは、通知フラグが、連続取引情報生成部220によって「0」に更新されている。上述のように、通知フラグ「0」は、通知情報の生成が不要であることを示す。なお、記憶部240に格納された連続取引情報2005aと、連続取引情報2005aの更新に用いられる取引情報2001aとは、店番号およびATM機番が一致することによって関連付けられうる。
【0134】
図示された例において、連続取引情報1005cは、通信部210が、ATM110からさらに取引情報を受信したときに、記憶部240に格納された連続取引情報2005bがさらに更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図14において取引情報2001bとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005bが更新されて連続取引情報2005cになるステップは、図15においてステップS411として図示されたステップが2回目に実行される場合に相当する。
【0135】
ここで、連続取引情報2005cでは、連続取引情報2005bと比較して、CIF番号、科目番号、および口座番号が変化している。これは、取引情報2001aに対応する取引と、取引情報2001bに対応する取引とでは、取引の対象になる口座の名義が異なるためである。しかし、図15において取引情報2001が受信された後に連続取引情報2005が更新されるステップS411では、取引情報に含まれる口座名義情報であるCIF番号が変化するか否かにかかわらず、通知フラグが「0」に更新される。それゆえ、2回目以降のステップS407の判定では、結果がNOになり、続くステップS409の通知情報の生成は実行されない。結果として、通知情報は、顧客Cによる連続取引のうち最初の取引については生成され、残りの取引については生成されない。
【0136】
(通知情報の例)
図17は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700によって生成される通知情報2007の一例を示す図である。図17を参照すると、通知情報2007の例として、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される通知情報2007が示されている。
【0137】
通知情報2007は、CIF番号、科目番号、口座番号、店番号、ATM機番、および取引開始時刻を含む。このうち、CIF番号、口座番号、店番号、およびATM機番は、図16を参照して説明した連続取引情報2005と同様の情報である。これらの情報は、通知情報2007が関連情報生成サーバ700の通知情報生成部730によって生成されるときに、記憶部240に格納された連続取引情報2005、または通信部210によって受信された取引情報2001に基づいて設定される。また、取引開始時刻は、連続取引情報2005の検知時刻に基づいて設定されてもよく、また通知情報生成部730が通知情報2007を生成するときの時刻を設定してもよい。
【0138】
かかる通知情報2007は、通知情報生成部730によって生成され、通信部210を介して役席端末630に送信される。上述のように、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合であっても、通知情報2007は、連続取引のうちの最初の取引についての1件が生成され、残りの取引については生成されない。なお、同一の名義の口座を対象とする取引が連続して実行された場合についても同様である。また、3件以上の取引が連続して実行された場合についても同様である。
【0139】
このように、通知情報2007が生成されるのが連続取引のうちの最初の取引に限定されることによって、顧客Cが例えば本人および家族の名義のカード、または本人名義の異なる口座のカードを用いてATM110で連続取引を実行した場合であっても、役席端末630に重複して顧客Cの来店通知が表示されることが抑制され、頻繁な通知が役席端末630を使用する役席者の業務の妨げとなることを防止することが可能になる。
【0140】
(変形例)
上記の第2の実施形態において、互いに口座名義情報が異なる連続取引がATM110によって処理された場合に、通知を抑制するのではなく、逆に通知を生成してもよい。この場合、図15においてステップS407として図示されたステップが、連続取引情報に設定されたCIF番号と、新たに受信された取引情報のCIF番号とが異なるか否かを判定するステップによって代替される。この場合に生成される通知は、他人のカードを悪用した不正な取引への注意を促す警告情報でありうる。
【0141】
(補足)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0142】
例えば、上記実施形態では、関連情報生成サーバが推奨情報または通知情報のいずれかを生成することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、関連情報生成サーバは推奨情報および通知情報の両方を生成してもよく、またこれらとは別の種類の顧客関連情報が単独で、または他の情報と組み合わせて生成されてもよい。
【符号の説明】
【0143】
C 顧客
10,20 自動取引システム
100,600 営業店
110 ATM
120 近接センサ
630 役席端末
200,700 関連情報生成サーバ
210 通信部
220 連続取引情報生成部
230 推奨情報生成部
730 通知情報生成部
240 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法に関し、特に、顧客の自動取引装置への接近および離隔に関する情報を利用するサーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばATM(Automated Teller Machine)などの自動取引装置を用いた自動取引システムは、金融機関の営業店などにおいて広く普及している。自動取引装置は、顧客の操作に基づいて、例えば入金、出金、残高照会、振込などの取引を処理する。また、自動取引装置は、金融機関のキャッシュカードだけでなく、クレジットカードなどの他の種類のカードを取り扱い可能である場合が多い。このような場合、自動取引装置が処理する取引には、金融機関の口座への入金および出金だけでなく、例えばクレジットカードを用いた借入および返済の取引なども含まれる。
【0003】
かかる自動取引システムでは、同一の顧客が複数の取引のために連続して自動取引装置を操作することによって、他の顧客が自動取引装置を操作するための待ち時間が増大するという事象が発生していた。そこで、顧客の自動取引装置への接近および離隔を近接センサによって検知し、ある顧客が自動取引装置に接近した状態で連続して処理された取引を、この顧客による連続した取引と認識してカウントする技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。このような技術によって、例えば自動取引装置が混雑時間帯に長時間連続して同一の顧客に占有されることを防止することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−46805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、自動取引装置が処理した取引に関する情報には、例えば取引の種別を示す情報、および口座の名義を示す情報など、多様な情報が含まれている。しかし、例えば特許文献1に記載されているような技術では、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報に、自動取引装置が処理した取引の件数を組み合わせて利用しているにすぎない。つまり、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報との組み合わせという面では、自動取引装置が処理した取引に関する情報は有効に利用されているとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、自動処理装置が処理した取引に関する情報を、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報と組み合わせることによって有効に利用することが可能な、新規かつ改良されたサーバ装置、自動取引システムおよび自動取引方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、自動取引システムにおいて、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置が検出した顧客の自動取引装置への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置であって、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含むことを特徴とするサーバ装置が提供される。
【0008】
かかる構成によって、例えば、近接情報に基づいて特定された顧客の連続取引の内容に応じて顧客関連情報が生成されるため、顧客の取引実態に応じたより適切な顧客関連情報を得ることができる。
【0009】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の種別を示す取引種別情報を含み、関連情報生成部は、連続取引の取引種別情報に基づき顧客に金融商品を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0010】
かかる構成によって、例えば、顧客の取引実態に応じたより適切な推奨情報が得られるため、顧客への金融商品の推奨をより適切に行うことができる。
【0011】
上記サーバ装置において、関連情報生成部は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す取引種別情報を含む場合に、顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0012】
かかる構成によって、例えば、短期資金必要見込み顧客がより的確に推定され、推定結果に基づいて小口融資を推奨することによって推奨に対する契約率を向上させることができる。
【0013】
上記サーバ装置は、取引情報の履歴を格納する記憶部、または取引情報の履歴を格納する外部記憶装置と通信する通信部をさらに含み、関連情報生成部は、取引情報の履歴を参照し、顧客の取引情報の履歴に含まれる取引種別情報によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0014】
かかる構成によって、例えば、短期資金必要見込み顧客がより高い精度で推定され、小口融資の推奨に対する契約率をさらに向上させることができる。
【0015】
上記サーバ装置は、推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口のうち少なくとも1つに送信する通信部をさらに含んでもよい。
【0016】
かかる構成によって、例えば、生成された推奨情報が金融商品の推奨のための部署に送られることによって、推奨情報を有効に活用することができる。
【0017】
上記サーバ装置において、関連情報生成部は、連続取引のうち、最初の取引については顧客の来店を通知する通知情報を生成し、残りの取引については通知情報を生成しなくてもよい。
【0018】
かかる構成によって、例えば、顧客の連続取引に対する重複した通知情報の生成が抑制され、より的確なタイミングで通知情報を生成することができる。
【0019】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、関連情報生成部は、最初の取引と残りの取引との間で口座名義情報が異なる場合でも残りの取引については通知情報を生成しなくてもよい。
【0020】
かかる構成によって、例えば、家族の口座などの異なる名義の口座に対する連続取引であっても、同一の顧客についての重複した通知情報の生成を抑制することができる。
【0021】
上記サーバ装置は、通知情報を自動取引装置が設置された営業店の役席端末に送信する通信部をさらに含んでもよい。
【0022】
かかる構成によって、例えば、役席端末に送信される通知情報が同一顧客について重複することを抑制し、頻繁な通知が役席端末における業務の妨げとなることを防ぐことができる。
【0023】
上記サーバ装置において、取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、関連情報生成部は、連続取引の口座名義情報が互いに異なる場合に不正な取引への注意を促す警告情報を生成してもよい。
【0024】
かかる構成によって、例えば、他人のカードを悪用した不正な取引が疑われる取引について、注意を促すことができる。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客の操作に基づいて取引を処理し、取引の内容を示す取引情報を送信する自動取引装置と、顧客の自動取引装置への接近および離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を送信する近接検出装置と、取引情報および近接情報を受信し、取引情報および近接情報に基づいて接近と離隔との間に処理された複数の取引を顧客による連続取引として特定し、連続取引の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を含むサーバ装置とを含むことを特徴とする自動取引システムが提供される。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、顧客の自動取引装置への接近を示す接近情報を取得するステップと、接近の後に、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した第1の取引の内容を示す第1の取引情報を取得するステップと、第1の取引の後に、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した第2の取引の内容を示す第2の取引情報を取得するステップと、第2の取引の後に、顧客の自動取引装置からの離隔を示す離隔情報を取得するステップと、少なくとも第1の取引情報および第2の取引情報に基づいて顧客に関する顧客関連情報を生成するステップとを含むことを特徴とする自動取引方法が提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、自動処理装置が処理した取引に関する情報を、顧客の自動取引装置への接近および離隔の情報と組み合わせることによって有効に利用することができ、例えば、顧客へのサービス、または営業店における業務効率などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自動取引システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るATMの機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る近接センサの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るATMによって生成される取引情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る近接センサの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る近接センサによって生成される近接情報の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバの動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される連続取引情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る自動取引システムの機能構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る役席端末の機能構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るATMによって生成される取引情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバの動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される連続取引情報の一例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバによって生成される通知情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
また、本明細書および図面において、複数存在しうる構成要素について、符号の末尾にアルファベットを付することによって区別する場合がある。このアルファベットを省略した符号によるこれらの構成要素の参照は、これらの構成要素の総称であり、このうち任意の1つを参照しうるものとする。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、図1〜図10を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態において、自動取引装置はATM110として、近接検出装置は近接センサ120として、サーバ装置は関連情報生成サーバ200として、それぞれ実現されている。本実施形態では、営業店100に設置されたATM110から送信される顧客Cの取引情報と、ATM110に対応する近接センサ120から送信される顧客Cの近接情報とを受信した関連情報生成サーバ200が、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。
【0032】
(自動取引システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動取引システム10の機能構成を示すブロック図である。図1を参照すると、自動取引システム10は、営業店100に設置されるATM110および近接センサ120、これらと通信する関連情報生成サーバ200、ならびに関連情報生成サーバ200と通信する顧客DB300を含む。
【0033】
以下で、図1において示される自動取引システム10の各構成要素について詳述する。なお、図1では、自動取引システム10の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、自動取引システム10は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0034】
ATM110は、顧客Cの操作に基づいて取引を処理し、取引の内容を示す取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。ATM110は、複数の営業店100に複数設置されうる。図では、複数の営業店100が営業店100a,100bとして、複数のATM110がATM110a,110b,110cとして、また複数のATM110をそれぞれ操作する複数の顧客Cが顧客Ca,Cb,Ccとして例示されている。なお、営業店100、ATM110、および顧客Cの数は、図示された例には限られない。ATM110は、営業店100の店番号、およびATM110自身の機番によって、個別に識別されうる。
【0035】
近接センサ120は、顧客CのATM110への接近および離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を関連情報生成サーバ200に送信する。近接センサ120は、複数のATM110にそれぞれ対応して複数設置されうる。図では、複数の近接センサ120が近接センサ120a,120b,120cとして例示されている。なお、近接センサ120の数は、図示された例には限られない。近接センサ120は、営業店100の店番号、対応するATM110の機番、および近接センサ120自身の機番によって、個別に識別されうる。
【0036】
関連情報生成サーバ200は、ATM110および近接センサ120と通信し、ATM110からの取引情報と、近接センサ120からの近接情報をそれぞれ受信する。また、関連情報生成サーバ200は、取引情報および近接情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。さらに、関連情報生成サーバ200は、顧客DB300とも通信し、取引情報、取引情報の履歴、および推奨情報を、必要に応じて送受信してもよい。また、関連情報生成サーバ200は、生成された推奨情報を、図示しないダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信してもよい。
【0037】
なお、ここで、営業店100は、ATM110および近接センサ120が設置される場所であり、例えば金融機関の支店などでありうる。また、顧客DB300は、関連情報生成サーバ200の処理に関連する情報が格納される外部記憶装置であり、例えば金融機関のホストコンピュータのデータベースなどでありうる。また、関連情報生成サーバ200は、営業店100の外部に設置されるように図示されているが、これには限られず、営業店100の内部に設置されてもよい。
【0038】
(ATMの構成)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るATM110の機能構成を示すブロック図である。図2を参照すると、ATM110は、取引処理部111、取引情報生成部113、通信部115、および記憶部117を含む。
【0039】
以下で、図2において示されるATM110の各構成要素について詳述する。なお、図2では、ATM110の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、ATM110は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0040】
取引処理部111は、顧客Cの操作に基づいて取引を処理する。ここでいう顧客Cの操作には、例えば、図示しない液晶ディスプレイおよびタッチパネルなどのユーザインターフェースを介した指示操作、カードまたは通帳の挿入、現金の授受などが含まれうる。取引処理部111は、これらの顧客Cの操作から取得した情報に基づいて、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引を処理する。顧客Cの操作から取得される情報には、例えば、入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別、取引の金額、および取引の対象になる口座の名義などが含まれる。取引処理部111は、顧客Cの操作によって取得された情報の一部または全部を取引情報生成部113に提供してもよい。また、取引処理部111は、これらの情報を記憶部117に一時的に格納してもよい。かかる取引処理部111は、例えばATM110を制御するCPU(Central Processing Unit)が記憶部117に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0041】
取引情報生成部113は、取引処理部111によって処理された取引の内容を示す取引情報を生成する。取引情報生成部113は、例えば、取引の種別を示す取引種別情報、および取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含む取引情報を生成しうる。取引情報は、さらに、取引情報が生成されたATM110を識別するために、営業店100の店番号、およびATM110の機番を含んでもよい。取引情報生成部113は、取引情報を生成するための情報を取引処理部111から取得してもよく、また記憶部117に一時的に格納された情報を読み出してもよい。なお、取引情報の具体的な例については後述する。かかる取引データ生成部113は、例えばATM110を制御するCPUが記憶部117に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0042】
通信部115は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ200と通信するための通信インターフェースである。通信部115は、取引情報生成部113によって生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。また、通信部115は、取引情報を別途に顧客DB300に送信してもよい。通信部115と関連情報生成サーバ200などとの間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0043】
記憶部117は、ATM110の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部117には、例えば、CPUが取引処理部111および取引情報生成部113などの機能を実現するためのプログラム、および取引処理部111および取引情報生成部113などにおいて生成される取引情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部117は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0044】
(近接センサの構成)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120の機能構成を示すブロック図である。図3を参照すると、近接センサ120は、検出部121、近接情報生成部123、通信部125、および記憶部127を含む。
【0045】
以下で、図3において示される近接センサ120の各構成要素について詳述する。なお、図3では、近接センサ120の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、近接センサ120は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0046】
検出部121は、顧客CのATM110への接近または離隔を検出するセンサ部分である。検出部121は、例えば超音波または赤外線を用いて顧客Cまでの距離を測定し、この距離の変化を検知することによって、顧客CのATM110への接近または離隔を検出する。この目的のために、検出部121は、例えば、ATM110の顧客Cと対面する部分に設置されてもよい。また、別の例として、検出部121は、ATM110が設置されたブースのドア部分に設置され、ドアの開閉を検知することによって、ATM110への顧客Cの接近または離隔を検出してもよい。検出部121は、顧客CのATM110への接近または離隔の検出結果を近接情報生成部123に提供してもよく、また記憶部127に一時的に格納してもよい。
【0047】
近接情報生成部123は、検出部121によって検出された顧客CのATM110への接近または離隔を示す近接情報を生成する。近接情報生成部123は、例えば、顧客Cの接近および離隔をフラグとして示す接近フラグを含む近接情報を生成しうる。近接情報は、さらに、近接情報が生成された近接センサ120、および顧客Cが接近または離隔したATM110を識別するために、営業店100の店番号、近接センサ120の機番、および近接センサ120に対応するATM110の機番を含んでもよい。近接情報生成部123は、顧客CのATM110への接近または離隔の情報を検出部121から取得してもよく、また記憶部117に一時的に格納された情報を読み出してもよい。なお、近接情報の具体的な例については後述する。かかる近接情報生成部123は、例えば近接センサ120を制御するCPUが記憶部127に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0048】
通信部125は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ200と通信するための通信インターフェースである。通信部125は、近接情報生成部123によって生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。通信部125と関連情報生成サーバ200との間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0049】
記憶部127は、近接センサ120の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部127には、例えば、CPUが近接情報生成部123などの機能を実現するためのプログラム、および検出部121および近接情報生成部123などにおいて生成される近接情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部127は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0050】
(関連情報生成サーバの構成)
図4は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200の機能構成を示すブロック図である。図4を参照すると、関連情報生成サーバ200は、通信部210、連続取引情報生成部220、推奨情報生成部230、および記憶部240を含む。なお、推奨情報生成部230は本実施形態における関連情報生成部である。関連情報生成サーバ200は、例えば、単一のサーバ装置として実現されてもよく、またネットワーク上に分散したリソースによって提供される機能の集合体として実現されてもよい。
【0051】
以下で、図4において示される関連情報生成サーバ200の各構成要素について詳述する。なお、図4では、関連情報生成サーバのうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ200は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0052】
通信部210は、ネットワークを通じてATM110および近接センサ120と通信するための通信インターフェースである。通信部210は、ATM110が送信した取引情報、および近接センサ120が送信した近接情報を受信する。また、通信部210は、顧客DB300とも通信し、取引情報、取引情報の履歴、および推奨情報生成部230が生成した推奨情報を必要に応じて送受信してもよい。さらに、通信部210は、推奨情報生成部230が生成した推奨情報を、ダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信してもよい。通信部115と、ATM110および近接センサ120その他との間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0053】
連続取引情報生成部220は、通信部210が受信した取引情報および近接情報を結合させて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する。また、連続取引情報生成部220は、取引情報または近接情報に応じて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する。連続取引情報生成部220は、例えば、取引情報および近接情報に含まれる営業店100の店番号とATM110の機番とによって取引情報と近接情報とを対応付けてもよい。連続取引情報は、例えば、取引情報および近接情報に含まれる、取引種別情報、口座名義情報、および接近フラグなどを含む情報でありうる。なお、連続取引情報の具体的な例については後述する。かかる連続取引情報生成部220は、例えば関連情報生成サーバ200を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0054】
推奨情報生成部230は、連続取引情報生成部220が生成および更新する連続取引情報に基づいて、顧客CのATM110への接近と離隔との間に処理された複数の取引を、顧客Cによる連続取引として特定する。また、推奨情報生成部230は、特定された連続取引の取引種別情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。さらに、推奨情報生成部230は、記憶部240に格納された取引情報の履歴に基づいて推奨情報を生成してもよい。また、推奨情報生成部230は、通信部210を介して顧客DB300に格納された取引情報の履歴を参照してもよい。推奨情報生成部230は、生成した推奨情報を通信部210に提供してもよく、記憶部240に格納してもよい。なお、生成される推奨情報の具体例については後述する。かかる推奨情報生成部230は、例えば関連情報生成サーバ200を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0055】
記憶部240は、関連情報生成サーバ200の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部240には、例えば、CPUが連続取引情報生成部220および推奨情報生成部230などの機能を実現するためのプログラム、および連続取引情報生成部220および推奨情報生成部230などによって生成される連続取引情報および推奨情報などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部240は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0056】
(推奨情報の例)
ここで、関連情報生成サーバ200の推奨情報生成部230によって生成される推奨情報の具体的な例について説明する。本実施形態において、推奨情報生成部230は、顧客Cによる連続取引の取引種別情報に基づいて、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成する。
【0057】
例えば、推奨情報生成部230は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す取引種別情報を含む場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成しうる。この場合、クレジットカードによる出金と、それに続く金融機関口座への入金は、顧客Cがカードローンなどで資金を借り入れて、銀行の引き落とし口座に入金したことを示すと考えられる。それゆえ、顧客Cは小口融資を必要とする短期資金必要見込み顧客である可能性が高い。
【0058】
また、例えば、推奨情報生成部230は、上記の条件に加えて、記憶部240または顧客DB300に格納された取引情報の履歴を参照し、顧客Cの取引情報の履歴に含まれる取引情報種別によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。所定の回数の条件は、例えば、出金が過去1ヶ月に5回以上、残高照会が過去1ヶ月に7回以上といった条件でありうる。このように、顧客Cの取引情報の履歴を参照することによって、顧客Cが小口融資を必要とする短期資金必要見込み顧客である場合をさらに高い精度で推定することが可能になる。
【0059】
上述のように、関連情報生成サーバ200は、通信部210を用いて、生成された推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口などに送信しうる。短期資金必要見込み顧客である顧客Cを特定して、小口融資を推奨する推奨情報が上記各部署に提供されることによって、ダイレクトメール、電話、または窓口勧誘による小口融資の契約率を向上させることが可能になる。
【0060】
なお、推奨情報生成部230は、上記の例のように「出金→入金」の連続取引について生成される推奨情報の他にも、「出金→出金」の連続取引、または「入金→出金」の連続取引などを条件にして、顧客Cに金融商品を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0061】
(ATMの動作)
図5は、本発明の第1の実施形態に係るATM110の動作を示すフローチャートである。なお、図5では、ATM110の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、ATM110の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0062】
まず、顧客Cのカード挿入によって取引が開始される(ステップS101)。ここで、顧客Cによって挿入されるカードは、例えばキャッシュカードまたはクレジットカードなどである。ATM110の取引処理部111は、このカードから読み取られた情報から、例えば取引の対象になる口座の名義などの情報を取得しうる。
【0063】
次に、顧客Cの操作に基づいて、ステップS101において挿入されたカードを用いた取引が処理される(ステップS103)。ここで、取引処理部111は、ATM110のユーザインターフェースを通じて、顧客Cの取引に関する指示操作を取得し、この指示操作に従って取引を処理する。取引処理部111は、この指示操作から、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別、および取引の金額などの情報を取得しうる。
【0064】
次に、ステップS103において取引処理部111によって処理された取引について、取引情報生成部113が取引情報を生成する(ステップS105)。ここで、取引情報生成部113によって生成される取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報、および取引の種別を示す取引種別情報を含みうる。
【0065】
次に、通信部115が、ステップS105において生成された取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する(ステップS107)。ここで送信される取引情報の具体的な例については後述する。
【0066】
次に、顧客Cにカードを返却して取引が終了される(ステップS109)。なお、ステップS109の取引の終了は、ステップS105およびステップS107の前、またはこれらのステップと並行して実行されてもよい。
【0067】
以上が、ATM110が顧客Cの操作に基づいて1件の取引を処理し、この取引の内容を示す取引情報を送信するための動作である。顧客Cが連続して複数の取引を実行する場合、ATM110によって上記の各ステップが繰り返して実行される。
【0068】
(取引情報の例)
図6は、本発明の第1の実施形態に係るATM110によって生成される取引情報1001の一例を示す図である。図6を参照すると、取引情報1001の例として、顧客CがATM110で連続して実行した、クレジットカードによる出金および金融機関口座への入金の取引によってそれぞれ生成される取引情報1001a,1001bが示されている。
【0069】
取引情報1001は、店番号、ATM機番、CIF番号、科目番号、口座番号、および取引種別の情報を含む。店番号およびATM機番は、上述のように、取引情報1001が生成されたATM110を特定する情報である。また、CIF(Customer Information File)番号は、顧客Cに一意に割り当てられる番号である。また、科目番号および口座番号は、顧客Cが保有する口座を特定する情報である。取引種別は、例えば入金、出金、振込、または残高照会などの取引の種別を示す情報である。
【0070】
図示された例において、取引情報1001aと取引情報1001bとは、同一の営業店100に設置された同一のATM110で生成された情報であるため、店番号およびATM機番が共通している。また、クレジットカードによる出金に係る口座と金融機関口座への入金に係る口座とは、いずれも同一の顧客Cの口座であるため、CIF番号も共通している。一方、取引情報1001aと取引情報1001bとの間では、科目番号、口座番号、および取引種別が異なっている。なお、ここで、取引種別「11」はクレジットカードによる出金の取引を示し、取引種別「01」は金融機関口座への入金の取引を示すものとする。
【0071】
ATM110では、取引情報生成部113が以上のような取引情報を生成し、通信部115がこの取引情報を関連情報生成サーバ200に送信する。関連情報生成サーバ200に送信された後の取引情報に関する処理については、関連情報生成サーバ200の動作についての説明で後述する。
【0072】
(近接センサの動作)
図7は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120の動作を示すフローチャートである。なお、図7では、近接センサ120の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、近接センサ120の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0073】
まず、近接センサ120の検出部121が、顧客Cの動きを検知する(ステップS201)。上述のように、検出部121は、例えば超音波または赤外線を用いて測定した顧客Cまでの距離の変化として、顧客Cの動きを検知しうる。
【0074】
次に、検出部121、または近接情報生成部123が、ステップS201において検知された顧客Cの動きを分析し、顧客CがATM110に接近しているか否かを判定する(ステップS203)。例えば、検出部121が顧客Cまでの距離の変化として顧客Cの動きを検出する場合、顧客Cまでの距離が縮小していれば、顧客CがATM110に接近していると判定される。
【0075】
ステップS203において、顧客CがATM110に接近していると判定された場合、近接情報生成部123は、接近フラグ=1の近接情報を生成する(ステップS205)。一方、ステップS203において、顧客CがATM110に接近していないと判定された場合、近接情報生成部123は、接近フラグ=0の近接情報を生成する(ステップS207)。ここで、接近フラグは、近接情報に含まれる情報の一例であり、「1」で顧客CがATM110に接近していることを示し、「0」で顧客CがATMから離隔していることを示すものでありうる。
【0076】
次に、通信部125が、ステップS205またはステップS207において生成された近接情報を、関連情報生成サーバ200に送信する(ステップS209)。
【0077】
以上が、近接センサ120が顧客CのATM110への接近または離隔を検出し、接近または離隔を示す近接情報を送信するための動作である。顧客CのATM110への接近と離隔の際にそれぞれ、近接センサ120によって上記の各ステップが実行される。
【0078】
(近接情報の例)
図8は、本発明の第1の実施形態に係る近接センサ120によって生成される近接情報1003の一例を示す図である。図8を参照すると、近接情報1003の例として、顧客CのATM110への接近および離隔の際にそれぞれ生成される近接情報1003a,1003bが示されている。
【0079】
近接情報1003は、店番号、センサ機番、ATM機番、接近フラグ、および検知時刻の項目を含む。店番号およびセンサ機番は、上述のように、近接情報1003が生成された近接センサ120を特定する情報である。ATM機番は、近接情報1003によって顧客Cの接近および離隔が示されるATM110を特定する情報である。また、接近フラグは、上述のように、顧客CのATM110への接近および離隔を示す情報である。検知時刻は、顧客CのATM110への接近または離隔が検出された時刻を示す情報である。
【0080】
図示された例において、近接情報1003aと近接情報1003bとは、同一の営業店100に設置された同一のATM110に対応する同一の近接センサ120で生成された情報であるため、店番号、センサ機番およびATM機番が共通している。一方、近接情報1003aと近接情報1003bとの間では、接近フラグおよび検知時刻が異なっている。なお、ここで、上述のように、接近フラグ「1」は顧客CのATM110への接近を示し、接近フラグ「0」は顧客CのATM110からの離隔を示すものとする。
【0081】
近接センサ120では、近接情報生成部123が以上のような近接情報を生成し、通信部125がこの近接情報を関連情報生成サーバ200に送信する。関連情報生成サーバ200に送信された後の近接情報に関する処理については、関連情報生成サーバ200の動作についての説明で後述する。
【0082】
(関連情報生成サーバの動作)
図9は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200の動作を示すフローチャートである。なお、図9では、関連情報生成サーバ200の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ200の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0083】
まず、関連情報生成サーバ200の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信する(ステップS301)。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「1」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110への接近を示す情報である。
【0084】
次に、連続取引情報生成部220が、ステップS301において受信された近接情報に基づいて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する(ステップS303)。後述するように、連続取引情報は、近接情報と取引情報とを結合させた情報であり、店番号、ATM機番および取引種別などの情報を含む。ステップS303において、生成される連続取引情報の取引種別はnullである。すなわち、連続取引情報に含まれる取引種別情報は、この時点では設定されない。
【0085】
次に、通信部210が、近接センサ120に対応するATM110から取引情報を受信する(ステップS305)。ここで受信される取引情報は、例えば図6において取引情報1001a,1001bとして図示されたような情報でありうる。なお、近接センサ120に対応するATM110は、例えば近接情報および取引情報のいずれにも含まれる店番号およびATM機番によって識別されうる。
【0086】
次に、推奨情報生成部230が、記憶部240に既に格納されている連続取引情報と、ステップS305において通信部210によって新たに受信された取引情報とに基づいて推奨情報を生成する。ここで、推奨情報生成部230は、記憶部240に格納されている連続取引情報に、取引種別情報が設定されているか否かを判定する(ステップS307)。
【0087】
ステップS307において、連続取引情報に取引種別情報が設定されていると判定された場合、推奨情報生成部230は、既に格納された連続取引情報に反映されている取引と、新たに受信された取引情報に対応する取引とを、顧客Cによる連続取引として特定する。この場合、推奨情報生成部230は、連続取引のそれぞれの取引情報に基づいて推奨情報を生成する(ステップS309)。例えば、推奨情報生成部230は、連続取引の取引種別情報が、クレジットカードによる出金と銀行口座への入金をそれぞれ示す場合に、顧客Cに小口融資を推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0088】
一方、ステップS307において、連続取引情報に取引種別情報が設定されていないと判定された場合、推奨情報生成部230は、格納されている連続取引情報には取引が反映されていない、つまり新たに受信された取引情報に対応する取引が顧客Cによる今回の最初の取引であると判断する。この場合、推奨情報生成部230は、ステップS309をスキップし、推奨情報を生成しない。
【0089】
次に、連続取引情報生成部220は、ステップS305において受信された取引情報に基づいて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する(ステップS311)。ステップS311において、更新された連続取引情報には、ステップS305において受信された取引情報に含まれる取引種別情報が設定される。それゆえ、更新された連続取引情報の取引種別はnullではない。
【0090】
次に、接近フラグ=0の近接データが受信されたか否かが判定される(ステップS313)。ステップS305において受信された取引情報が、顧客CがATM110で実行した最後の取引であれば、通信部210が次に受信する情報は、顧客CがATM110から離隔したことを示す、近接センサ120からの近接情報になる。それゆえ、ステップS313において接近フラグ=0の近接データが受信された場合、顧客Cによる連続取引は終了したと判断され、処理が終了される。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003bとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「0」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110からの離隔を示す情報である。
【0091】
一方、ステップS313において接近フラグ=0の近接データが受信されなかった場合、すなわち通信部210が次に受信する情報がATM110からの別の取引情報であった場合、処理は終了されず、ステップS305の取引情報の受信に戻る。
【0092】
以上が、関連情報生成サーバ200がATM110における顧客Cの連続取引、すなわち顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された複数の取引を特定し、連続取引の取引種別情報に基づいて推奨情報を生成するための動作である。なお、顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された取引が1件である場合、ステップS307では連続取引情報に取引種別が設定されていないためにステップS309は実行されず、続くステップS313で接近フラグ=0の近接情報が受信されて処理が終了するため、結果として推奨情報は生成されない。
【0093】
(連続取引情報の例)
図10は、本発明の第1の実施形態に係る関連情報生成サーバ200によって生成される連続取引情報1005の一例を示す図である。図10を参照すると、連続取引情報1005の例として、クレジットカードによる出金および金融機関口座への入金の取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される連続取引情報1005a〜1005cが示されている。
【0094】
連続取引情報1005は、CIF番号、科目番号、口座番号、取引種別、接近フラグ、店番号、およびATM機番を含む。このうち、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別は、ATM110によって生成される取引情報1001に含まれる情報と同様の情報であり、取引情報1001に基づいて設定される。接近フラグは、近接センサ120によって生成される近接情報1003に含まれる情報と同様の情報であり、近接情報1003に基づいて設定される。店番号およびATM機番は、取引情報1001および近接情報1003の両方に含まれる情報であり、取引情報1001または近接情報1003のいずれかに基づいて設定される。
【0095】
図示された例において、連続取引情報1005aは、関連情報生成サーバ200の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信したときに生成され、記憶部240に格納される連続取引情報である。ここで、近接センサ120から受信される近接情報は、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005aが生成されるステップは、図9においてステップS303として図示されたステップに相当する。
【0096】
ここで、連続取引情報1005aには、接近フラグ、店番号、およびATM機番が設定されている。それ以外の、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別は、近接情報1003には含まれていないため、設定されない。図では、設定されない情報が(null)として示されている。この状態で、図9においてステップS307として図示されたステップの判定が実行されると、取引種別が設定されていないため結果はNOになり、続くステップS309の推奨情報の生成は実行されない。
【0097】
図示された例において、連続取引情報1005bは、通信部210が、ATM110から取引情報を受信した後に、記憶部240に格納された連続取引情報1005aが更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図6において取引情報1001aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005aが更新されて連続取引情報1005bになるステップは、図9においてステップS311として図示されたステップに相当する。
【0098】
ここで、連続取引情報1005bには、接近フラグ、店番号、およびATM機番に加えて、CIF番号、科目番号、口座番号および取引種別が設定されている。これらの新たに設定された情報は、取引情報1001aに含まれる情報である。なお、記憶部240に格納された連続取引情報1005aと、連続取引情報1005aの更新に用いられる取引情報1001aとは、店番号およびATM機番が一致することによって関連付けられうる。
【0099】
図示された例において、連続取引情報1005cは、通信部210が、ATM110からさらに取引情報を受信したときに、記憶部240に格納された連続取引情報1005bがさらに更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図6において取引情報1001bとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報1005bが更新されて連続取引情報1005cになるステップは、図9においてステップS311として図示されたステップが2回目に実行される場合に相当する。
【0100】
ここで、連続取引情報1005cでは、連続取引情報1005bと比較して、口座番号、および取引種別が変化している。それゆえ、図9において、連続取引情報1005bが取引情報1001bに基づいて更新されて連続取引情報1005cになるステップS311の直前に実行されるステップS307では、連続取引情報1005bに取引種別が設定されているため結果がYESになり、続くステップS309において、連続取引情報1005bの取引種別「11」と、取引情報1001bの取引種別「01」とに基づいて、推薦情報の生成が実行される。上述のように、取引種別「11」がクレジットカードによる出金の取引を示し、取引種別「01」が金融機関口座への入金の取引を示す場合、ここで生成される推薦情報は、顧客Cに小口融資を推奨する情報でありうる。
【0101】
(第2の実施形態)
次に、図11〜図17を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においても、自動取引装置はATM110として、近接検出装置は近接センサ120として、サーバ装置は関連情報生成サーバ200として、それぞれ実現されている。本実施形態では、営業店100に設置されたATM110から送信される顧客Cの取引情報と、ATM110に対応する近接センサ120から送信される顧客Cの近接情報とを受信した関連情報生成サーバ200が、顧客Cの来店を通知する通知情報を生成する。通知情報は、顧客Cが異なる名義の口座を対象として連続取引を実行した場合でも、連続取引のうち最初の取引については生成され、残りの取引については生成されない。
【0102】
なお、以下の本発明の第2の実施形態の説明では、第1の実施形態とは異なる部分を主に説明する。それゆえ、詳細な説明が省略されている部分については、第2の実施形態の構成は第1の実施形態の構成と同様でありうる。また、かかる部分では、第1の実施形態に係る図面および説明が適時参照されうる。
【0103】
(自動取引システムの構成)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る自動取引システム20の機能構成を示すブロック図である。図11を参照すると、自動取引システム20は、営業店600に設置されるATM110、近接センサ120および役席端末630、これらと通信する関連情報生成サーバ700、ならびに関連情報生成サーバ700と通信する顧客DB300を含む。
【0104】
以下で、図11において示される自動取引システム20の各構成要素について詳述する。なお、図11では、自動取引システム20のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、自動取引システム20は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。なお、ATM110、近接センサ120および顧客DB300については、図1を参照して説明した自動取引システム10と同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
役席端末630は、営業店600における取引を管理する役席者が使用する端末装置である。本実施形態では、関連情報生成サーバ700において生成された通知情報が役席端末630に送信され、役席者に顧客Cの来店を知らせる。役席端末630は、複数の営業店600に複数設置されうる。図では、複数の営業店600が営業店600a,600bとして、複数の役席端末630が役席端末630a,630bとして例示されている。なお、営業店600および役席端末630の数は、図示された例には限られない。
【0106】
(役席端末の構成)
図12は、本発明の第2の実施形態に係る役席端末630の機能構成を示すブロック図である。図12を参照すると、役席端末630は、通信部631、通知画面生成部633、表示部635、および記憶部637を含む。役席端末630は、例えば、デスクトップ型またはノート型などのパーソナルコンピュータ、または表示部および入力部などを有する専用の端末装置として実現されうる。
【0107】
以下で、図12において示される役席端末630の各構成要素について詳述する。なお、図12では、役席端末630の構成要素のうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、役席端末630は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。
【0108】
通信部631は、ネットワークを通じて関連情報生成サーバ700と通信するための通信インターフェースである。通信部631は、関連情報生成サーバ700によって生成された通知情報を受信する。通信部631と関連情報生成サーバ700などとの間の通信は、専用線または公衆回線を経由し、各種の通信プロトコルを用いるものでありうる。
【0109】
通知画面生成部633は、通信部631から通知情報を取得した通知情報に基づいて通知画面を生成し、生成した通知画面を表示部635に提供する。通知画面生成部633は、例えば役席端末630を制御するCPUが記憶部637に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0110】
表示部635は、通知画面生成部633から提供された通知画面を表示する。ここで、通知画面は、例えば役席者が通常の業務を行っている画面にポップアップとして表示されるものであってもよい。表示部635は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置によって実現されうる。
【0111】
記憶部637は、役席端末630の処理に用いられる各種のデータを格納する。記憶部637には、例えば、CPUが通知画面生成部633などの機能を実現するためのプログラム、および通知画面生成部633などにおいて生成される通知画面などの情報が、一時的または継続的に格納されうる。かかる記憶部637は、例えば半導体メモリ、および磁気ディスクなどによって実現されうる。
【0112】
(関連情報生成サーバの構成)
図13は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700の機能構成を示すブロック図である。図13を参照すると、関連情報生成サーバ700は、通信部210、連続取引情報生成部220、通知情報生成部730、および記憶部240を含む。なお、通知情報生成部730は本実施形態における関連情報生成部である。関連情報生成サーバ700は、例えば、単一のサーバ装置として実現されてもよく、またネットワーク上に分散したリソースによって提供される機能の集合体として実現されてもよい。
【0113】
以下で、図13において示される関連情報生成サーバ700の各構成要素について詳述する。なお、図13では、関連情報生成サーバのうち、本実施形態に係る構成要素が主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ700は、図示しない他の構成要素をさらに含みうる。なお、本発明の第1の実施形態と同一の符号が付された通信部210、連続取引情報生成部220、および記憶部240については、図4を参照して説明した関連情報生成サーバ200におけるものと同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。
【0114】
通知情報生成部730は、連続取引情報生成部220が生成および更新する連続取引情報に基づいて、顧客CのATM110への接近と離隔との間に処理された複数の取引を、顧客Cによる連続取引として特定する。また、通知情報生成部730は、特定された連続取引のうち、最初の取引については顧客Cの来店を通知する通知情報を生成し、通信部210を介して役席端末630に送信するが、連続取引のうちの残りの取引については、通知情報を生成しない。なお、生成される通知情報の具体例については後述する。かかる通知情報生成部730は、例えば関連情報生成サーバ700を制御するCPUが記憶部240に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。
【0115】
(取引情報の例)
図14は、本発明の第2の実施形態に係るATM110によって生成される取引情報2001の一例を示す図である。図14を参照すると、取引情報2001の例として、顧客CがATM110で連続して実行した、互いに異なる名義の口座での取引によって生成される取引情報2001a,2001bが示されている。
【0116】
取引情報2001は、取引種別情報を含まない点において、図6を参照して説明した取引情報1001a,1001bとは異なるが、それ以外の点においては取引情報1001a,1001bと同様である。本実施形態では、関連情報生成サーバ700によって生成される通知情報が取引種別情報を必要としないため、取引情報2001は必ずしも取引種別情報を含まなくてもよい。なお、取引情報2001に含まれるCIF番号は、上述のように顧客Cに一意に割り当てられる番号であり、本実施形態では取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報にあたる。
【0117】
(関連情報生成サーバの動作)
図15は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700の動作を示すフローチャートである。なお、図15では、関連情報生成サーバ700の動作のうち、本実施形態に係るステップが主に示されている。それゆえ、関連情報生成サーバ700の動作は、図示しない他のステップをさらに含みうる。
【0118】
まず、関連情報生成サーバ700の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信する(ステップS401)。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「1」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110への接近を示す情報である。
【0119】
次に、連続取引情報生成部220が、ステップS401において受信された近接情報に基づいて連続取引情報を生成し、記憶部240に格納する(ステップS403)。後述するように、連続取引情報は、近接情報と取引情報とを結合させた情報であり、店番号、ATM機番および通知フラグなどの情報を含む。ここで、通知フラグは、連続取引情報に含まれる情報の一例であり、「1」で顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要であることを示し、「0」で通知情報の生成が不要であることを示すものでありうる。ステップS403において、生成される連続取引情報の通知フラグは「1」である。つまり、この時点では、顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要とされている。
【0120】
次に、通信部210が、近接センサ120に対応するATM110から取引情報を受信する(ステップS405)。ここで受信される取引情報は、例えば図14において取引情報2001a,2001bとして図示されたような情報でありうる。なお、近接センサ120に対応するATM110は、例えば近接情報および取引情報のいずれにも含まれる店番号およびATM機番によって識別されうる。
【0121】
次に、通知情報生成部730が、記憶部240に既に格納されている連続取引情報に基づいて通知情報を生成する。ここで、通知情報生成部730は、記憶部240に格納されている連続取引情報の通知フラグ=1であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0122】
ステップS407において、連続取引情報の通知フラグ=1であると判定された場合、通知情報生成部730は、格納されている連続取引情報には取引が反映されていない、つまり新たに受信された取引情報に対応する取引が顧客Cによる今回の最初の取引であると判断する。この場合、通知情報生成部730は、顧客Cの来店を通知する通知情報を生成し、通信部210を介して役席端末630に送信する(ステップS409)。
【0123】
一方、ステップS407において、連続取引情報の通知フラグ=1ではないと判定された場合、通知情報生成部730は、格納されている連続取引情報に前回の取引が反映されていると判断し、前回の取引と新たに受信された取引情報に対応する取引とを、顧客Cによる連続取引として特定する。この場合、通知情報生成部730は、ステップS409をスキップし、通知情報を生成しない。
【0124】
次に、連続取引情報生成部220は、ステップS405において受信された取引情報に基づいて、記憶部240に格納されている連続取引情報を更新する(ステップS411)。ステップS311において、連続取引情報の通知フラグは「0」に更新される。つまり、これ以降は、顧客Cの来店を必要とする通知情報の生成は必要とされない。
【0125】
次に、接近フラグ=0の近接データが受信されたか否かが判定される(ステップS413)。ステップS405において受信された取引情報が、顧客CがATM110で実行した最後の取引であれば、通信部210が次に受信する情報は、顧客CがATM110から離隔したことを示す、近接センサ120からの近接情報になる。それゆえ、ステップS413において接近フラグ=0の近接データが受信された場合、顧客Cによる連続取引は終了したと判断され、処理が終了される。ここで受信される近接情報は、例えば、図8において近接情報1003bとして図示されたような情報でありうる。上述のように、接近フラグ「0」を含むこの近接情報は、顧客CのATM110からの離隔を示す情報である。
【0126】
一方、ステップS413において接近フラグ=0の近接データが受信されなかった場合、すなわち通信部210が次に受信する情報がATM110からの別の取引情報であった場合、処理は終了されず、ステップS405の取引情報の受信に戻る。
【0127】
以上が、関連情報生成サーバ700がATM110における顧客Cの連続取引、すなわち顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された複数の取引を特定し、連続取引のうちの最初の取引について通知情報を生成するための動作である。なお、顧客CがATM110に接近してから離隔するまでの間にATM110によって処理された取引が1件である場合にも、ステップS407では連続取引情報通知フラグ=1であるためにステップS409が実行され、続くステップS313で接近フラグ=0の近接情報が受信されて処理が終了するため、結果として通知情報は生成される。
【0128】
(連続取引情報の例)
図16は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700によって生成される連続取引情報2005の一例を示す図である。図16を参照すると、連続取引情報2005の例として、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される連続取引情報2005a〜2005cが示されている。
【0129】
連続取引情報2005は、CIF番号、科目番号、口座番号、通知フラグ、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻を含む。このうち、CIF番号、科目番号、口座番号、接近フラグ、店番号、およびATM機番は、図10を参照して説明した連続取引情報1005と同様の情報である。通知フラグは、図15を参照して説明したフローチャートにおいて示されたように、関連情報生成サーバ700によって設定される情報である。検知時刻は、図8を参照して説明された近接情報1003に含まれる情報と同様の情報であり、近接センサ120によって生成される近接情報1003に基づいて設定される。
【0130】
図示された例において、連続取引情報2005aは、関連情報生成サーバ700の通信部210が、近接センサ120から接近フラグ=1の近接情報を受信したときに生成され、記憶部240に格納される連続取引情報である。ここで、近接センサ120から受信される近接情報は、図8において近接情報1003aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005aが生成されるステップは、図15においてステップS403として図示されたステップに相当する。
【0131】
ここで、連続取引情報2005aには、通知フラグ、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻が設定されている。このうち、接近フラグ、店番号、ATM機番、および検知時刻は、近接情報1003に基づいて設定される。通知フラグは、関連情報生成サーバ700の連続取引情報生成部220によって「1」に設定される。上述のように、通知フラグ「1」は、顧客Cの来店を通知する通知情報の生成が必要であることを示す。上記以外の、CIF番号、科目番号、および口座番号は、近接情報1003には含まれていないため、設定されない。図では、設定されない情報が(null)として示されている。この状態で、図15においてステップS407として図示されたステップの判定が実行されると、通知フラグ=1であるため結果はYESになり、続くステップS409において通知情報の生成が実行される。
【0132】
図示された例において、連続取引情報2005bは、通信部210が、ATM110から取引情報を受信した後に、記憶部240に格納された連続取引情報2005aが更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図14において取引情報2001aとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005aが更新されて連続取引情報2005bになるステップは、図15においてステップS411として図示されたステップに相当する。
【0133】
ここで、連続取引情報2005bでは、CIF番号、科目番号、および口座番号が新たに設定されている。これらの情報は、取引情報2001aに含まれる情報である。また、連続取引情報2005bでは、通知フラグが、連続取引情報生成部220によって「0」に更新されている。上述のように、通知フラグ「0」は、通知情報の生成が不要であることを示す。なお、記憶部240に格納された連続取引情報2005aと、連続取引情報2005aの更新に用いられる取引情報2001aとは、店番号およびATM機番が一致することによって関連付けられうる。
【0134】
図示された例において、連続取引情報1005cは、通信部210が、ATM110からさらに取引情報を受信したときに、記憶部240に格納された連続取引情報2005bがさらに更新されたものである。このときATM110から受信される取引情報は、図14において取引情報2001bとして図示されたような情報でありうる。また、連続取引情報2005bが更新されて連続取引情報2005cになるステップは、図15においてステップS411として図示されたステップが2回目に実行される場合に相当する。
【0135】
ここで、連続取引情報2005cでは、連続取引情報2005bと比較して、CIF番号、科目番号、および口座番号が変化している。これは、取引情報2001aに対応する取引と、取引情報2001bに対応する取引とでは、取引の対象になる口座の名義が異なるためである。しかし、図15において取引情報2001が受信された後に連続取引情報2005が更新されるステップS411では、取引情報に含まれる口座名義情報であるCIF番号が変化するか否かにかかわらず、通知フラグが「0」に更新される。それゆえ、2回目以降のステップS407の判定では、結果がNOになり、続くステップS409の通知情報の生成は実行されない。結果として、通知情報は、顧客Cによる連続取引のうち最初の取引については生成され、残りの取引については生成されない。
【0136】
(通知情報の例)
図17は、本発明の第2の実施形態に係る関連情報生成サーバ700によって生成される通知情報2007の一例を示す図である。図17を参照すると、通知情報2007の例として、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合に生成される通知情報2007が示されている。
【0137】
通知情報2007は、CIF番号、科目番号、口座番号、店番号、ATM機番、および取引開始時刻を含む。このうち、CIF番号、口座番号、店番号、およびATM機番は、図16を参照して説明した連続取引情報2005と同様の情報である。これらの情報は、通知情報2007が関連情報生成サーバ700の通知情報生成部730によって生成されるときに、記憶部240に格納された連続取引情報2005、または通信部210によって受信された取引情報2001に基づいて設定される。また、取引開始時刻は、連続取引情報2005の検知時刻に基づいて設定されてもよく、また通知情報生成部730が通知情報2007を生成するときの時刻を設定してもよい。
【0138】
かかる通知情報2007は、通知情報生成部730によって生成され、通信部210を介して役席端末630に送信される。上述のように、互いに異なる名義の口座を対象とする取引が顧客CによってATM110で連続して実行された場合であっても、通知情報2007は、連続取引のうちの最初の取引についての1件が生成され、残りの取引については生成されない。なお、同一の名義の口座を対象とする取引が連続して実行された場合についても同様である。また、3件以上の取引が連続して実行された場合についても同様である。
【0139】
このように、通知情報2007が生成されるのが連続取引のうちの最初の取引に限定されることによって、顧客Cが例えば本人および家族の名義のカード、または本人名義の異なる口座のカードを用いてATM110で連続取引を実行した場合であっても、役席端末630に重複して顧客Cの来店通知が表示されることが抑制され、頻繁な通知が役席端末630を使用する役席者の業務の妨げとなることを防止することが可能になる。
【0140】
(変形例)
上記の第2の実施形態において、互いに口座名義情報が異なる連続取引がATM110によって処理された場合に、通知を抑制するのではなく、逆に通知を生成してもよい。この場合、図15においてステップS407として図示されたステップが、連続取引情報に設定されたCIF番号と、新たに受信された取引情報のCIF番号とが異なるか否かを判定するステップによって代替される。この場合に生成される通知は、他人のカードを悪用した不正な取引への注意を促す警告情報でありうる。
【0141】
(補足)
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0142】
例えば、上記実施形態では、関連情報生成サーバが推奨情報または通知情報のいずれかを生成することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、関連情報生成サーバは推奨情報および通知情報の両方を生成してもよく、またこれらとは別の種類の顧客関連情報が単独で、または他の情報と組み合わせて生成されてもよい。
【符号の説明】
【0143】
C 顧客
10,20 自動取引システム
100,600 営業店
110 ATM
120 近接センサ
630 役席端末
200,700 関連情報生成サーバ
210 通信部
220 連続取引情報生成部
230 推奨情報生成部
730 通知情報生成部
240 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引システムにおいて、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置が検出した前記顧客の前記自動取引装置への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置であって、
前記取引情報および前記近接情報に基づいて前記接近と前記離隔との間に処理された複数の前記取引を前記顧客による連続取引として特定し、前記連続取引の前記取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記取引情報は、取引の種別を示す取引種別情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記取引種別情報に基づき前記顧客に金融商品を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す前記取引種別情報を含む場合に、前記顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記取引情報の履歴を格納する記憶部、または前記取引情報の履歴を格納する外部記憶装置と通信する通信部をさらに備え、
前記関連情報生成部は、前記取引情報の履歴を参照し、前記顧客の前記取引情報の履歴に含まれる前記取引種別情報によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、前記顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口のうち少なくとも1つに送信する通信部をさらに備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記関連情報生成部は、前記連続取引のうち、最初の取引については前記顧客の来店を通知する通知情報を生成し、残りの取引については前記通知情報を生成しないことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記最初の取引と前記残りの取引との間で前記口座名義情報が異なる場合でも前記残りの取引については前記通知情報を生成しないことを特徴とする、請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記通知情報を前記自動取引装置が設置された営業店の役席端末に送信する通信部をさらに備えることを特徴とする、請求項6または7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記口座名義情報が互いに異なる場合に不正な取引への注意を促す警告情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
顧客の操作に基づいて取引を処理し、前記取引の内容を示す取引情報を送信する自動取引装置と、
前記顧客の前記自動取引装置への接近および離隔を検出し、前記接近または前記離隔を示す近接情報を送信する近接検出装置と、
前記取引情報および前記近接情報を受信し、前記取引情報および前記近接情報に基づいて前記接近と前記離隔との間に処理された複数の前記取引を前記顧客による連続取引として特定し、前記連続取引の前記取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を備えるサーバ装置と、
を含むことを特徴とする自動取引システム。
【請求項11】
顧客の自動取引装置への接近を示す接近情報を取得するステップと、
前記接近の後に、前記自動取引装置が前記顧客の操作に基づいて処理した第1の取引の内容を示す第1の取引情報を取得するステップと、
前記第1の取引の後に、前記自動取引装置が前記顧客の操作に基づいて処理した第2の取引の内容を示す第2の取引情報を取得するステップと、
前記第2の取引の後に、前記顧客の前記自動取引装置からの離隔を示す離隔情報を取得するステップと、
少なくとも前記第1の取引情報および前記第2の取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする自動取引方法。
【請求項1】
自動取引システムにおいて、自動取引装置が顧客の操作に基づいて処理した取引の内容を示す取引情報と、近接検出装置が検出した前記顧客の前記自動取引装置への接近または離隔を示す近接情報とを取得するサーバ装置であって、
前記取引情報および前記近接情報に基づいて前記接近と前記離隔との間に処理された複数の前記取引を前記顧客による連続取引として特定し、前記連続取引の前記取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記取引情報は、取引の種別を示す取引種別情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記取引種別情報に基づき前記顧客に金融商品を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記取引種別情報が、クレジットカードによる出金、および金融機関口座への入金を示す前記取引種別情報を含む場合に、前記顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記取引情報の履歴を格納する記憶部、または前記取引情報の履歴を格納する外部記憶装置と通信する通信部をさらに備え、
前記関連情報生成部は、前記取引情報の履歴を参照し、前記顧客の前記取引情報の履歴に含まれる前記取引種別情報によって示される出金または残高照会の取引回数が所定の回数以上である場合に、前記顧客に小口融資を推奨する推奨情報を生成することを特徴とする、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記推奨情報をダイレクトメール発送部署、コールセンター、または営業店窓口のうち少なくとも1つに送信する通信部をさらに備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記関連情報生成部は、前記連続取引のうち、最初の取引については前記顧客の来店を通知する通知情報を生成し、残りの取引については前記通知情報を生成しないことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記最初の取引と前記残りの取引との間で前記口座名義情報が異なる場合でも前記残りの取引については前記通知情報を生成しないことを特徴とする、請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記通知情報を前記自動取引装置が設置された営業店の役席端末に送信する通信部をさらに備えることを特徴とする、請求項6または7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記取引情報は、取引の対象になる口座の名義を示す口座名義情報を含み、
前記関連情報生成部は、前記連続取引の前記口座名義情報が互いに異なる場合に不正な取引への注意を促す警告情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
顧客の操作に基づいて取引を処理し、前記取引の内容を示す取引情報を送信する自動取引装置と、
前記顧客の前記自動取引装置への接近および離隔を検出し、前記接近または前記離隔を示す近接情報を送信する近接検出装置と、
前記取引情報および前記近接情報を受信し、前記取引情報および前記近接情報に基づいて前記接近と前記離隔との間に処理された複数の前記取引を前記顧客による連続取引として特定し、前記連続取引の前記取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成する関連情報生成部を備えるサーバ装置と、
を含むことを特徴とする自動取引システム。
【請求項11】
顧客の自動取引装置への接近を示す接近情報を取得するステップと、
前記接近の後に、前記自動取引装置が前記顧客の操作に基づいて処理した第1の取引の内容を示す第1の取引情報を取得するステップと、
前記第1の取引の後に、前記自動取引装置が前記顧客の操作に基づいて処理した第2の取引の内容を示す第2の取引情報を取得するステップと、
前記第2の取引の後に、前記顧客の前記自動取引装置からの離隔を示す離隔情報を取得するステップと、
少なくとも前記第1の取引情報および前記第2の取引情報に基づいて前記顧客に関する顧客関連情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする自動取引方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−168806(P2012−168806A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30152(P2011−30152)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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