説明

サーバ装置、通信システム、情報処理端末、制御方法およびプログラム

【課題】情報処理端末のユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量を付与する技術を提供する。
【解決手段】記憶手段41は、複数のユーザの各々について、ユーザ/端末識別番号とそのユーザ識別番号/端末に対応し、当該情報処理端末が所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベース411を記憶する。取得手段42は、情報処理端末10から、ユーザ識別番号と販売識別番号との組を取得する。加算手段43は、データベース411に記録されている通信可能量のうち、取得手段42により取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に、決められた加算量の加算をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介してデータを通信する処理を含むアプリケーションプログラムを実行するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭で契約した通信回線を用いて、オンライン対戦のゲームを行うシステムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−97993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信網を介してデータを通信する処理を含むゲームシステムを提供する場合に、通信網を介した通信に対する課金を行うには、通信事業者とユーザとの間で回線契約を結ばなければならない場合があった。
本発明は、アプリケーションプログラムを実行可能な情報処理端末またはそのユーザに対して、当該アプリケーションプログラムの販売に応じて、通信網を介したデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量に決められた加算量を付与する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザまたは情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、当該情報処理端末が所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する記憶手段と、所定のアプリケーションプログラムを実行可能な前記情報処理端末から、ユーザ/端末識別番号と、販売される個々の前記所定のアプリケーションプログラム毎に付与された販売識別番号とを関連させて取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量を加算をする加算手段と、前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算する減算手段とを有するサーバ装置を提供する。
このサーバ装置によれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【0006】
好ましい態様において、前記加算手段は、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応した加算量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応付けられたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に加算してもよい。
このサーバ装置によれば、販売識別番号に応じた加算量を加算することができる。
【0007】
別の好ましい態様において、前記記憶手段は、販売識別番号と加算量とを対応させる第1テーブルを記憶し、前記加算手段は、前記第1テーブルに記録されている加算量のうち、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応する加算量で前記加算をしてもよい。
このサーバ装置によれば、第1テーブルに基づいた加算量を通信可能残量に付与することができる。
【0008】
別の好ましい態様において、前記記憶手段は、複数のアプリケーションプログラムの各々について、前記販売識別番号に対応する加算が処理済みか否かを示すフラグとを対応させる第2テーブルを記憶し、前記加算手段は、前記第2テーブルに記録されているフラグのうち前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応するフラグが処理済みでないことを示している場合に、前記加算をしてもよい。
このサーバ装置によれば、通信可能残量への加算量の二重付与を排除することができる。
【0009】
さらに別の好ましい態様において、このサーバ装置は、前記販売識別番号を最初に取得したときに、前記第2テーブルにおいて前記販売識別番号と対応するフラグを処理済みを示すものに書き換える書き換え手段を有してもよい。
このサーバ装置によれば、販売識別番号を最初に取得した以降、通信可能残量への加算量の二重付与を排除することができる。
【0010】
さらに別の好ましい態様において、前記データベースは、前記ユーザ/端末識別番号に対応する販売識別番号と、前記販売識別番号に対応する加算量とを記録しており、第1販売識別番号を取得した後に、前記第1販売識別番号に対応する第1ユーザ/端末識別番号とは別の第2ユーザ/端末識別番号と前記第1販売識別番号とを前記第1取得手段が取得した場合、前記減算手段は、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち前記第1ユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から前記加算量を減算し、前記加算手段は、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち前記第2ユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に前記加算量の加算をしてもよい。
このサーバ装置によれば、第1ユーザ識別番号から第2ユーザ識別番号に加算量の付け替えをすることができる。
【0011】
さらに別の好ましい態様において、前記加算手段は、前記情報処理端末に関する属性に応じて前記加算量を増加または減少させてもよい。
このサーバ装置によれば、情報処理端末の属性に応じて、通信可能残量に対する加算量を変動させることができる。
【0012】
さらに別の好ましい態様において、前記属性は、前記情報処理端末のユーザのアプリケーションプログラム購入履歴を含んでもよい。
このサーバ装置によれば、ユーザのアプリケーションプログラム購入履歴に応じて、通信可能残量に対する加算量を変動させることができる。
【0013】
さらに別の好ましい態様において、前記属性は、前記情報処理端末の位置を含んでもよい。
このサーバ装置によれば、情報処理端末の位置に応じて、通信可能残量に対する加算量を変動させることができる。
【0014】
さらに別の好ましい態様において、前記加算手段は、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムが発売されてからの経過時間に応じて前記加算量を増加または減少させてもよい。
このサーバ装置によれば、アプリケーションプログラムが発売されてからの経過時間に応じて、通信可能残量に対する加算量を変動させることができる。
【0015】
さらに別の好ましい態様において、前記第2取得手段は、前記販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムの実行中に前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われた通信に係る通信量を取得してもよい。
このサーバ装置によれば、購入したアプリケーションプログラムの処理において、通信可能残量を消費することができる。
【0016】
さらに別の好ましい態様において、前記第2取得手段は、前記販売識別番号に対応するアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムの実行中に前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われた通信に係る通信量を取得してもよい。
このサーバ装置によれば、購入したアプリケーションについての通信可能残量をそのアプリケーションプログラムの処理において消費しきれなかった場合であっても、購入したアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムの処理において、通信可能残量を消費することができる。
【0017】
また、本発明は、アプリケーションプログラム媒体と、情報処理端末と、サーバ装置とを有し、前記アプリケーションプログラム媒体は、所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび前記アプリケーションプログラム媒体毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段を有し、前記情報処理端末は、前記所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、前記情報処理端末のユーザまたは当該情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、前記アプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信する送信手段とを有し、前記サーバ装置は、ユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、前記情報処理端末が前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する第3記憶手段と、前記情報処理端末から、前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とを関連させて取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量で加算をする加算手段と、前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算する減算手段とを有する通信システムを提供する。
この通信システムによれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【0018】
好ましい態様において、前記送信手段は、前記実行手段により前記アプリケーションプログラムの実行が開始されたときに、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信してもよい。
この通信システムによれば、アプリケーションプログラムの実行が開始されたときに、ユーザ/端末識別番号をサーバ装置に送信することができる。
【0019】
さらに、本発明は、所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、前記所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび販売される個々の前記アプリケーションプログラム毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段を有するアプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、ユーザまたは自機を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された前記媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信する送信手段と、前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量であって、前記媒体識別番号および前記ユーザ/端末識別番号に応じて加算された通信可能残量を示す情報を受信する受信手段とを有する情報処理端末を提供する。
この情報処理端末によれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【0020】
さらに、本発明は、所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび販売される個々の前記アプリケーションプログラム毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段を有するアプリケーションプログラム媒体と、前記所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、前記情報処理端末のユーザまたは当該情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、前記アプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と情報処理端末と、ユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、前記情報処理端末が前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する第3記憶手段を有するサーバ装置とを有する通信システムの制御方法であって、前記情報処理端末が、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された前記媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信するステップと、前記サーバ装置が、前記情報処理端末から、前記ユーザ/端末識別番号と前記媒体識別番号とを関連させて取得するステップと、前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記サーバ装置が、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量の加算をするステップと、前記サーバ装置が、前記情報処理端末において前記移動通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得するステップと、前記サーバ装置が、前記取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算するステップとを有する制御方法を提供する。
この制御方法によれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【0021】
さらに、本発明は、制御手段と、ユーザまたは情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、当該情報処理端末が所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する記憶手段を有するコンピュータ装置に、所定のアプリケーションプログラムを実行可能な前記情報処理端末から、ユーザ/端末識別番号と、販売される個々の前記所定のアプリケーションプログラム毎に付与された販売識別番号を関連させて前記制御手段が取得するステップと、前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記制御手段が、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量の加算をするステップと、前記制御手段が、前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得するステップと、前記制御手段が、前記取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
このプログラムによれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、情報処理端末やそのユーザに対して、アプリケーションプログラムの販売に応じて通信可能残量に加算量を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】通信システム1の概要を示す図。
【図2】通信システム1の機能構成を示す図。
【図3】情報処理端末10およびプログラム媒体20のハードウェア構成を示す図。
【図4】管理サーバ40のハードウェア構成を示す図。
【図5】ゲームサーバ50のハードウェア構成を示す図。
【図6】通信可能残量の付与処理を示すシーケンスチャート。
【図7】テーブル413(フラグテーブル)を例示する図。
【図8】テーブル412(ポイントテーブル)を例示する図。
【図9】データベース411を例示する図。
【図10】通信可能残量の付与処理を示すシーケンスチャート。
【図11】通信可能残量の消費処理を示すシーケンスチャート。
【図12】変形例1に係るデータベース411を例示する図。
【図13】変形例1に係る通信可能残量の付け替え処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.構成
図1は、一実施形態に係る通信システム1の概要を示す図である。通信システム1は、アプリケーションプログラム(例えばゲームプログラム)を購入したユーザに対して、移動通信網を介して所定量の通信を行う権利として通信可能残量に決められた加算量を与えるものである。通信システム1は、情報処理端末10と、プログラム媒体20と、通信網30と、管理サーバ40と、ゲームサーバ50とを有する。プログラム媒体20は、アプリケーションプログラム、例えばゲームプログラムを記憶した媒体である。情報処理端末10は、アプリケーションプログラムを実行する装置であり、例えばゲームプログラムを実行するゲーム端末である。通信網30は、移動通信網31およびインターネット32を有する通信網である。管理サーバ40は、通信可能残量を管理するサーバ装置である。ゲームサーバ50は、オンラインゲーム等のサービスを提供するサーバ装置である。
【0025】
移動通信網31は、所定の規格(例えば、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、いわゆる3G、またはLTE(Long Term Evolution)など)に準拠した通信を行う移動通信網であり、通信可能残量を用いてデータの通信量が管理される所定の通信網の一例である。移動通信網31は、基地局311、交換機、ホームメモリ、ゲートウェイ等の装置を有する(基地局311以外は図示略)。この例で、情報処理端末10における移動通信サービスは、情報処理端末10の提供事業者によって提供される。情報処理端末10の提供事業者は、MVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)である。また、情報処理端末10の提供事業者は、管理サーバ40およびゲームサーバ50を運営している。
【0026】
図2は、通信システム1の機能構成を示す図である。情報処理端末10は、移動通信手段11と、記憶手段12と、装着部13と、ゲーム実行手段14と、送信手段15と、受信手段16と、入力手段17と、表示手段18と、制御手段19とを有する。移動通信手段11は、移動通信網31を介した通信を行う。記憶手段12は、ユーザを識別するユーザ/端末識別番号121を記憶する。ユーザ/端末識別番号121は、情報処理端末10のユーザまたは情報処理端末10を識別するための識別番号である。装着部13は、プログラム媒体20を装着(または挿入)するために用いられる。
【0027】
プログラム媒体20は、記憶手段21を有するアプリケーションプログラム媒体の一例である。記憶手段21は、ゲームプログラム211と、販売識別番号212と、フラグ213とを記憶している。ゲームプログラム211は、情報処理端末10においてビデオゲームを実行させるためのプログラムである。販売識別番号212は、販売される個々のゲームプログラム211毎(またはゲームプログラム211の販売単位毎)に付与された番号である。フラグ213は、プログラム媒体20に対応する通信可能残量に決められた加算量が加算済みであるか否かを示すフラグである。
【0028】
ゲーム実行手段14は、ゲームプログラム、例えば、装着部13に装着されているプログラム媒体20に記憶されているゲームプログラムを実行する。送信手段15は、装着部13に装着されているプログラム媒体20から読み出された販売識別番号212および記憶手段12に記憶されているユーザ/端末識別番号121の組を、管理サーバ40に送信する。受信手段16は、販売識別番号212およびユーザ/端末識別番号121の組に応じて加算された通信可能残量を示す情報を受信する。入力手段17は、ユーザの指示をゲーム実行手段14等の要素に入力する。表示手段18は、ゲームプログラム等のプログラムに基づいて画像を表示する。制御手段19は、種々の制御を行う。
【0029】
管理サーバ40は、記憶手段41と、取得手段42と、加算手段43と、取得手段44と、減算手段45と、通信手段46と、書き換え手段47と、制御手段48とを有するサーバ装置の一例である。記憶手段41は、複数のユーザの各々について、ユーザ識別番号とそのユーザ識別番号に対応し、そのゲーム端末が移動通信網31を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベース411を記憶する。取得手段42は、情報処理端末10から、ユーザ識別番号と販売識別番号とを関連させて取得する。「関連させて取得する」とは、ユーザ識別番号と販売識別番号とをセットで同時に取得することだけでなく、ユーザ識別番号と販売識別番号とを異なるタイミングで取得する場合であっても、両者の関連性を示す情報とともに取得することも含む概念である。加算手段43は、データベース411に記録されている通信可能量のうち、取得手段42により取得されたユーザ識別番号に対応する通信可能残量に、決められた加算量の加算をする。すなわち、加算手段43は、データベース411に記憶されている通信可能残量に、加算値を加算する加算処理を行う。この例で、加算値は、取得手段42により取得された販売識別番号に応じて決められる。取得手段44は、情報処理端末10において移動通信網31を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得する。減算手段45は、取得手段44により取得された通信量を、データベース411に記録されている通信可能残量のうち、その通信量に係る通信を行ったユーザのユーザ識別番号に対応する通信可能残量から減算する。通信手段46は、通信網30を介した通信を行う。
【0030】
また、記憶手段41は、さらに、販売識別番号と加算量とを対応させるテーブル412を記憶している。加算手段43は、テーブル412に記録されている加算量のうち、取得手段42により取得された販売識別番号に対応する加算量で前述の加算処理をする。
【0031】
また、記憶手段41は、さらに、複数のゲームプログラムの各々について、販売識別番号と前述の加算処理が処理済みか否かを示すフラグとを対応させるテーブル413を記憶している。加算手段43は、テーブル413に記録されているフラグのうち取得手段42により取得された販売識別番号に対応するフラグが処理済みでないことを示している場合に、前述の加算処理をする。
【0032】
さらに、管理サーバ40は、書き換え手段47および制御手段48を有する。書き換え手段47は、販売識別番号を最初に取得したときに、テーブル413において販売識別番号と対応するフラグを処理済みを示すものに書き換える。制御手段48は、種々の制御を行う。
【0033】
ゲームサーバ50は、記憶手段51と、通信手段52と、制御手段53とを有するサーバ装置の一例である。記憶手段51は、提供するサービスに関する種々のデータ、例えば、ゲームプログラム511と、ゲームプログラム512と、ファームウェア513と、コンテンツ514とを記憶している。ゲームプログラム511およびゲームプログラム512は、情報処理端末10にビデオゲームを実行させるためのプログラムである。ファームウェア513は、情報処理端末10を制御するためのプログラムである。コンテンツ514は、情報処理端末10において再生されるコンテンツ、例えば、動画、静止画、または音楽を示すデータである。通信手段52は、通信網30を介した通信を行う。制御手段53は、種々の制御を行う。
【0034】
図3は、情報処理端末10およびプログラム媒体20のハードウェア構成を示す図である。この例で、情報処理端末10は、携帯用ゲーム装置である。情報処理端末10は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)125と、ROM(Read Only Memory)122と、外部メモリIF123と、カートリッジIF131と、スロット132と、移動通信部140と、SIM(Subscriber Identity Module)−IF141と、SIM142と、入出力IF150と、入力部151と、表示部152と、音声出力部153とを有するコンピュータ装置である。CPU110は、情報処理端末10の他の要素を制御する制御装置(または演算装置)である。RAM121は、CPU110がプログラムを実行する際の作業領域として機能する揮発性の記憶装置である。ROM122は、プログラムおよびデータを記憶した書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。ROM122は、例えば、情報処理端末10の基本プログラムであるOS(Operating System)プログラム、ウェブブラウザおよび音楽プレーヤ等のアプリケーションプログラム(いずれも図示略)、並びに端末ID1221を記憶している。端末ID1221は、情報処理端末10を一意に特定する識別番号であり、ユーザ/端末識別番号121の一例である。換言すると、この例では、ユーザ/端末識別番号121は、情報処理端末10毎に与えられ、情報処理端末10と一対一に対応している。外部メモリIF123は、外部メモリ124に対するデータの読み書きを仲介するインターフェースである。外部メモリ124は、プログラムまたはデータを記憶する記憶装置である。外部メモリ124は、情報処理端末10の基板(図示略)に実装された記憶装置であってもよいし、メモリカード等、着脱式の記憶媒体であってもよい。
【0035】
カートリッジIF131は、プログラム媒体20に対するデータの読み書きを仲介するインターフェースである。スロット132は、所定の形状および大きさを有する。プログラム媒体20は、スロット132に適合する形状および大きさを有する筐体(図示略)と、この筐体に収容されたROM210を有する。ROM210は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置、例えば半導体メモリである。すなわち、プログラム媒体20は、半導体メモリを用いたROMカートリッジである。ROM210は、ゲームプログラム211と、媒体ID2101と、フラグ2102とを記憶している。媒体ID2101は、プログラム媒体20を一意に特定する番号であり、販売識別番号212の一例である。
【0036】
移動通信部140は、移動通信網31を介した通信を行う装置であり、例えば、アンテナや増幅器を含む。SIM−IF141は、SIM142に対するデータの読み書きを仲介するインターフェースである。SIM142は、移動通信網31において加入者を一意に特定する識別番号を記憶した記憶装置である。SIM142は、情報処理端末10から取り外し可能な構成であってもよいし、情報処理端末10の基板に実装されていてもよい。
【0037】
入出力IF150は、CPU110に対するデータの入力およびCPU110からのデータの出力を仲介するインターフェースであり、入力部151、表示部152、および音声出力部153に接続されている。入力部151は、CPU110にデータを入力する装置であり、例えば、キーパッド、タッチパネル(タッチスクリーン)、またはマイクロフォンを含む。表示部152は、CPU110から出力されたデータに基づいて画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイおよび駆動回路を含む。音声出力部153は、CPU110から出力されたデータに基づいて音声を出力する装置であり、例えば、スピーカおよび増幅器を含む。
【0038】
移動通信部140は、移動通信手段11の一例である。RAM121、ROM122、および外部メモリ124は、記憶手段12の一例である。OSプログラムを実行しているCPU110は、ゲーム実行手段14、送信手段15、受信手段16、および制御手段19の一例である。入力部151は、入力手段17の一例である。表示部152は、表示手段18の一例である。スロット132は、装着部13の一例である。
【0039】
図4は、管理サーバ40のハードウェア構成を示す図である。管理サーバ40は、HDD(Hard Disk Drive)410と、CPU420と、ROM421と、RAM422と、通信部430とを有するコンピュータ装置である。HDD410は、不揮発性の記憶装置である。HDD410は、管理サーバプログラム414と、データベース411と、テーブル412と、テーブル413とを記憶している。管理サーバプログラム414は、コンピュータ装置を管理サーバ40として機能させるためのプログラムである。CPU420は、管理サーバ40の他の要素を制御する制御装置である。ROM421は、プログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM422は、CPU420がプログラムを実行する際の作業領域として機能する揮発性の記憶装置である。通信部430は、インターネット32を介した通信を行う装置であり、例えばネットワークインターフェースを含む。HDD410、ROM421、およびRAM422は、記憶手段41の一例である。管理サーバプログラム414を実行しているCPU420は、取得手段42、加算手段43、取得手段44、減算手段45、書き換え手段47、および制御手段48の一例である。通信部430は、通信手段46の一例である。
【0040】
この例で、管理サーバ40はインターネット32に接続されている。しかし、管理サーバ40は、移動通信網31に接続されていてもよい。MVNOとMNO(Mobile Network Operator、移動体通信事業者)の機能および設備の分担を含め、ネットワークの具体的構成は、図1に示すものに限定されない。別の例で、情報処理端末10の提供事業者は、MNOであってもよい。
【0041】
図5は、ゲームサーバ50のハードウェア構成を示す図である。ゲームサーバ50は、HDD510と、CPU520と、ROM521と、RAM522と、通信部530とを有するコンピュータ装置である。HDD510は、不揮発性の記憶装置である。HDD5410は、ゲームサーバプログラム515と、ゲームプログラム511と、ゲームプログラム512と、ファームウェア513と、コンテンツ514とを記憶している。ゲームサーバプログラム515は、コンピュータ装置をゲームサーバ50として機能させるためのプログラムである。CPU420は、ゲームサーバ50の他の要素を制御する制御装置である。ROM521は、プログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM522は、CPU520がプログラムを実行する際の作業領域として機能する揮発性の記憶装置である。通信部530は、インターネット32を介した通信を行う装置であり、例えばネットワークインターフェースを含む。HDD510、ROM521、およびRAM522は、記憶手段51の一例である。ゲームサーバプログラム515を実行しているCPU520は、制御手段53の一例である。通信部530は、通信手段52の一例である。
【0042】
2.動作
2−1.通信可能残量の付与(ゲーム媒体による販売の場合)
図6は、通信システム1における通信可能残量の付与処理を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、ゲームプログラムがプログラム媒体20を介して販売された場合の例である。図6の処理は、所定のイベント、例えば、プログラム媒体20が情報処理端末10に挿入された状態で、情報処理端末10の電源が投入されたことを契機として開始される。また、図6の処理において、情報処理端末10の処理はOSにより、管理サーバ40の処理は管理サーバプログラム414により、それぞれ実現される。以下で説明する他の処理についても同様である。この例において、情報処理端末10の装着部13には、プログラム媒体20が挿入されている。また、また、情報処理端末10は、基地局311と電波を送受信可能な場所(基地局311からの電波が届く範囲)に位置している。移動通信網31において、通信量はパケットを単位として計測される。また、通信可能残量および加算量として、パケットポイントが用いられる。パケットポイントは、通信可能なパケットの数を表す。例えば、パケットポイントが1,000あった場合、あと1,000パケット分の通信が可能であることが示される。
【0043】
ステップS101において、情報処理端末10は、プログラム媒体20からフラグを取得する。具体的には、CPU110が、カートリッジIF131を介して、ROM210からフラグを読み出す。ステップS102において、CPU110は、取得したフラグを確認する。フラグが「済」を示している場合、このプログラム媒体20を購入したときに与えられていたパケットポイントは、既に管理サーバ40に登録済みである。したがって、CPU110は、以降の処理を行わない。フラグが「未済」を示している場合、このプログラム媒体20を購入したときに与えられていたパケットポイントは、まだ管理サーバ40に登録されていない。したがって、パケットポイントを登録するため、CPU110は、以降の処理を行う。
【0044】
ステップS103において、情報処理端末10は、プログラム媒体20から媒体ID2101を取得する。具体的には、CPU110が、カートリッジIF131を介して、ROM210から媒体ID2101を読み出す。CPU110は、さらに、CPU110は、ROM122から端末ID1221を読み出す。CPU110は、媒体ID2101および端末ID1221を、RAM121に記憶する。
【0045】
ステップS104において、情報処理端末10は、パケットポイントの登録要求(または加算要求)を、管理サーバ40に送信する。登録要求は、端末IDおよび媒体IDの組、並びにこの要求がパケットポイントの登録要求であることを示す識別子を含む。具体的には、CPU110が、RAM121から媒体ID2101および端末ID1221を読み出し、これらの識別番号を含む登録要求を生成する。CPU110は、生成した登録要求を、移動通信部140を介して、管理サーバ40に送信する。登録要求の送信先である管理サーバ40のアドレスはあらかじめ決められており、ROM122に記憶されている。
【0046】
ステップS105において、管理サーバ40は、登録要求を受信する。すなわち、管理サーバ40は、媒体ID2101および端末ID1221を取得する。具体的には、CPU420は、通信部430を介して取得した登録要求から、その媒体ID2101および端末ID1221を抽出する。CPU420は、抽出した媒体ID2101および端末ID1221をRAM422に記憶する。
【0047】
ステップS106において、管理サーバ40は、フラグテーブルを確認する。具体的には、CPU420が、HDD410に記憶されているテーブル413から、媒体ID2101に対応するフラグを読み出す。
【0048】
図7は、テーブル413(フラグテーブル)を例示する図である。テーブル413は、媒体IDと、その媒体IDに対応するフラグとの組とを複数、含んでいる。この例では、媒体IDは、10個の文字および数字の組み合わせである。より具体的には、媒体IDは、3個の文字と、7桁の数字の組み合わせである。3個の文字は、ゲームプログラムのタイトルの識別子である。例えば、「AAA」という識別子は、ある特定のゲームプログラムのタイトルを示している。7桁の数字は、そのタイトルのゲームプログラムを記憶した複数のプログラム媒体20を区別する番号である。例えば、識別子「AAA」に対応するゲームプログラムを記憶したプログラム媒体20が100万本、販売された場合、これら100万本のプログラム媒体20には、それぞれ「0000001」から「1000000」までの個別の番号が割り当てられる。フラグは、「済」または「未済」のいずれかである。フラグ「済」および「未済」は、その媒体IDに対応するパケットポイントが付与済みであること、およびまだ付与されていないことを、それぞれ示す。例えば、図7の第1行のデータは、媒体ID「AAA0000001」で特定されるプログラム媒体20のパケットポイントが付与済みであることを示している。
【0049】
再び図6を参照する。テーブル413において、媒体ID2101に対応するフラグとして「済」が記憶されている場合、CPU420は、以降の処理を行わない。テーブル413において、媒体ID2101に対応するフラグとして「未済」が記憶されている場合、CPU420は、以降の処理を行う。
【0050】
ステップS107において、管理サーバ40は、媒体ID2101に対応するパケットポイントを取得する。この例では、パケットポイントは、テーブル412から取得される。具体的には、CPU420が、HDD410に記憶されているテーブル412から、媒体ID2101に対応するパケットポイントを読み出す。
【0051】
図8は、テーブル412(ポイントテーブル)を例示する図である。テーブル412は、媒体IDと、その媒体IDに対応するパケットポイントとの組を複数、含んでいる。この例では、図7で説明した媒体IDのうち、ゲームプログラムのタイトルを識別する3個の文字のみが用いられる。例えば、図8の第1行のデータは、識別子「AAA」に対応するゲームプログラムを記憶したプログラム媒体20に対しては、一律に1,000パケットポイントが付与されることを示している。
【0052】
再び図6を参照する。ステップS108において、管理サーバ40は、取得したパケットポイントを加算値として、情報処理端末10のユーザの残パケットポイントに加算する。具体的には、CPU420が、HDD410に記憶されているデータベース411において、端末ID1221に対応する残パケットポイントに、ステップS107で取得したパケットポイントを加算する。
【0053】
図9は、データベース411を例示する図である。データベース411は、端末IDと、その端末IDに対応する残パケットポイントとの組を複数、含んでいる。例えば、図9の第1行のデータは、端末ID「00000001」に対応するユーザの残パケットポイントが50,000パケットポイントであることを示している。
【0054】
再び図6を参照する。ステップS109において、管理サーバ40は、パケットポイントの登録要求に対する完了通知を、登録要求の送信元である情報処理端末10に送信する。具体的には、CPU420が、端末ID1221に対応する残パケットポイントを含む完了通知を生成する。CPU420は、生成した完了通知を、通信部430を介して情報処理端末10に送信する。
【0055】
管理サーバ40から完了通知を受信すると、情報処理端末10は、完了通知に応じた処理を行う。この例では、情報処理端末10は、プログラム媒体20にフラグを書き込む(ステップS110)。具体的には、CPU110が、カートリッジIF131を介して、ROM210にフラグ「済」を書き込む。さらに、CPU110は、残パケットポイントを示す画像を表示部152に表示させる。
【0056】
2−2.通信可能残量の付与(ダウンロード販売の場合)
図10は、通信システム1における通信可能残量の付与処理を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、ゲームプログラムが通信網を介してダウンロード販売される場合の例である。この例では、販売識別番号212としてダウンロードIDが用いられる。図10の処理は、所定のイベント、例えば、ゲームサーバ50により提供されるオンラインショップにおいて、ゲームプログラムの購入が指示されたことを契機として開始される。例えば、ユーザは、情報処理端末10上のウェブブラウザでオンラインショップのサイトにアクセスしており、入力部151を介してゲームプログラムの購入を指示する。
【0057】
ステップS201において、情報処理端末10は、ゲームサーバ50に対しゲームプログラムのダウンロード要求を送信する。この要求は、ゲームプログラムを識別する識別番号を含む。具体的には、CPU110が、購入を指示されたゲームプログラムの識別番号を含むダウンロード要求を生成する。CPU110は、生成したダウンロード要求を、移動通信部140を介してゲームサーバ50に送信する。
【0058】
情報処理端末10からダウンロード要求を受信すると、ゲームサーバ50は、購入されたゲームプログラムに対してダウンロードID(図面においてDL−IDと表す)を付与する(ステップS202)。具体的には、CPU520が、ダウンロードIDを生成する。ダウンロードIDは、所定のアルゴリズムに従って生成される。この例で、ダウンロードIDは、図7で説明した媒体IDと同様に、3個の文字と、7桁の数字の組みあわせである。3個の文字は、ゲームプログラムのタイトルの識別子である。ある一のタイトルのゲームプログラムがプログラム媒体20およびダウンロードの2つの経路で販売される場合、この3個の文字は、販売経路毎に異なっている。CPU520は、生成したダウンロードIDを、購入されたゲームプログラムの識別番号と対応させてRAM522に記憶する。
【0059】
ステップS203において、ゲームサーバ50は、ダウンロード要求の送信元である情報処理端末10に対し、ダウンロード応答を送信する。ダウンロード応答は、購入されたゲームプログラムと、ダウンロードIDとを含む。具体的には、CPU520が、購入されたゲームプログラムとダウンロードIDとを含むダウンロード応答を生成する。CPU520は、生成したダウンロード応答を、通信部530を介して情報処理端末10に送信する。
【0060】
ダウンロード応答を受信すると、情報処理端末10は、ダウンロード応答に含まれるゲームプログラムをインストールする(ステップS204)。具体的には、CPU110が、ダウンロード応答から、ゲームプログラムを抽出する。CPU110は、抽出したゲームプログラムを、外部メモリIF123を介して外部メモリ124に書き込む。さらに、CPU110は、ゲームプログラムの実行に用いられる設定情報を、ROM122に書き込む。
【0061】
インストールが完了すると、情報処理端末10は、パケットポイントの登録要求を送信する(ステップS205)。この登録要求は、端末ID1221およびダウンロードIDを含む。管理サーバ40は、登録要求を取得する(ステップS206)。管理サーバ40は、テーブル413(フラグテーブル)を確認する(ステップS207)。管理サーバ40は、ダウンロードIDに対応するパケットポイントを取得する(ステップS208)。管理サーバ40は、取得したパケットポイントを、情報処理端末10のユーザの残パケットポイントに加算する(ステップS209)。管理サーバ40は、パケットポイントの登録要求に対する完了通知を、登録要求の送信元である情報処理端末10に送信する(ステップS210)。管理サーバ40におけるステップS205〜S210の処理は、ステップS104〜S109の処理において、媒体ID2101を「ダウンロードID」と読み替えたものと同様である。
【0062】
管理サーバ40から完了通知を受信すると、情報処理端末10は、完了通知に応じた処理を行う。この例では、情報処理端末10は、プログラム媒体20にフラグを書き込む(ステップS211)。具体的には、CPU110が、外部メモリIF123を介して、外部メモリ124にフラグ「済」を書き込む。このフラグは、ダウンロードされたプログラムと対応付けられている。このフラグは、例えば、インストール後に電波状況が悪化してパケットポイントの登録要求を送信することができなかった場合に、所定のタイミング(例えば、次にこのゲームプログラムを起動したとき)で、再度、登録要求を送信するかどうかの判断に用いられる。さらに、CPU110は、残パケットポイントを示す画像を表示部152に表示させる。
【0063】
2−3.通信可能残量の消費(使用)
図11は、通信システム1における通信可能残量の消費処理(使用処理)を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、所定のイベント、例えば、情報処理端末10において実行されているゲームプログラムにおいてゲームサーバ50へのアクセス要求が発生したことを契機として開始される。
【0064】
ステップS301において、情報処理端末10は、アクセス要求を移動通信網31に送信する。このアクセス要求は、端末ID1221を含む。具体的には、ゲームプログラムを実行しているCPU110が、端末ID1221を含むアクセス要求を生成し、生成したアクセス要求を、移動通信部140を介して移動通信網31に送信する。
【0065】
情報処理端末10からのアクセス要求を受信すると、移動通信網31は、管理サーバ40に対し、残パケットポイントの確認要求を送信する(ステップS302)。この確認要求は、アクセス要求に含まれていた端末ID1221を含んでいる。具体的には、移動通信網31が確認要求を生成し、生成した確認要求を管理サーバ40に送信する。
【0066】
移動通信網31からの確認要求を受信すると、管理サーバ40は、確認要求に対する確認応答を送信する(ステップS303)。この確認応答は、残パケットポイントに関する情報、例えば、残パケットポイント数を含む。具体的には、CPU420が、HDD410に記憶されているデータベース411から、確認要求に含まれる端末ID1221に対応する残パケットポイントを読み出す。CPU420は、読み出した残パケットポイントを含む確認応答を生成する。CPU420は、生成した確認応答を、通信部430を介して移動通信網31に送信する。
【0067】
管理サーバ40からの確認応答を受信すると、移動通信網31は、アクセス要求の送信元である情報処理端末10に対し、アクセス要求に対するアクセス応答を送信する(ステップS304)。例えば、確認応答に含まれる残パケットポイントが決められた基準値以上であった場合、アクセス応答は、通信の確立を許可する旨の情報を含む。別の例で、確認応答に含まれる残パケットポイントが基準値未満であった場合、アクセス応答は、通信の確立を許可しない旨の情報を含む。
【0068】
アクセス応答を受信すると、情報処理端末10は、アクセス応答に応じて移動通信網31との間で通信を確立する(ステップS305)。さらに、情報処理端末10は、移動通信網31を介してゲームサーバ50と通信を行う(ステップS306)。この間、移動通信網31は、情報処理端末10とゲームサーバ50との間の通信量を検出(測定)する(ステップS307)。
【0069】
移動通信網31は、所定のタイミングで、情報処理端末10とゲームサーバ50との通信量の通知を、管理サーバ40に送信する(ステップS308)。所定のタイミングとは、例えば、実行中のゲームプログラムにより指定されたタイミング、ゲームプログラムが中断または停止されたタイミング、周期的なタイミングである。この通知は、端末ID1221および通信量を含む。通信量は、通信されたデータのパケット数である。
【0070】
移動通信網31からの通知を受信すると、管理サーバ40は、この通知に係るパケットポイントを減算する(ステップS309)。具体的には、CPU420が、通知に含まれる端末ID1221およびパケット数を抽出する。CPU420は、HDD410に記憶されているデータベース411において、端末ID1221に対応する残パケットポイントから、抽出したパケット数を減算する。例えば、端末ID1221が「00000001」であり、抽出したパケット数が1,000パケットであり、ステップS309の直前における残パケットポイントが図9の状態であった場合、減算後の残パケットポイントは、49,000パケットポイントである。CPU420は、減算結果を新たな残パケットポイントとして、データベース411に書き込む。
【0071】
ステップS309において、管理サーバ40は、通知に対する応答を、移動通信網31に送信する。この応答は、例えば、残パケットポイントを含む。具体的には、CPU420が、残パケットポイントを含む応答を生成する。CPU420は、生成した応答を、通信部430を介して移動通信網31に送信する。
【0072】
管理サーバ40から応答を受信すると、移動通信網31は、応答に応じた処理を行う(ステップS310)。例えば、応答に含まれる残パケットポイントが基準値未満であった場合、移動通信網31は、情報処理端末10との通信を切断する。
【0073】
2−4.動作のまとめ
以上で説明したように、通信システム1によれば、新たなゲームプログラムを購入したユーザに対し、移動通信網31を介して決められた量の通信を行う権利が与えられる。ゲームプログラムをプログラム媒体20の形態で購入した場合には図6の処理により、ダウンロードによりオンラインで購入した場合には図10の処理により、購入したゲームプログラムに応じたパケットポイントが付与される。例えば、あるユーザが、新たに購入したプログラム媒体20を、自身の所有する情報処理端末10に挿入して起動した場合、そのユーザに対してパケットポイントが付与される。この場合において、同じプログラム媒体20を別のユーザに譲渡した場合を考える。この別のユーザが、譲渡されたプログラム媒体20を自身の所有する情報処理端末10に挿入して起動しても、テーブル413を用いた照合により、この別のユーザにはパケットポイントが付与されない。すなわち、パケットポイントの二重登録は排除される。別の例で、あるユーザが、新たに購入したプログラム媒体20を、自身の所有する情報処理端末10に挿入して起動した場合、そのユーザに対してパケットポイントが付与される。この場合において、同じユーザが、先に購入したゲームプログラムと同じタイトルのプログラム媒体20を購入したときは、これら2つのプログラム媒体20はテーブル413により区別されているので、このユーザには、2回分、パケットポイントが付与される。
【0074】
このようにして得られたパケットポイントは、オンラインゲーム等を実行することにより消費(使用)される。この例では、あるゲームプログラムを購入した際に付与されたパケットポイントを、そのゲームプログラムに係る通信で消費するような制限はされていない。したがって、あるゲームプログラムを購入した際に付与されたパケットポイントを、別のゲームプログラムにおける通信により消費することもできる。すなわち、取得手段44は、販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムおよびそれ以外のアプリケーションプログラムの実行中に情報処理端末10において移動通信網31を介して行われた通信に係る通信量を取得している。
【0075】
以上で説明したように、通信システム1によれば、ゲームプログラムの販売に応じて(ゲームプログラムの購入に応じて)通信可能残量を付与することができる。
【0076】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0077】
3−1.変形例1
実施形態において、プログラム媒体20を用いた場合のパケットポイントは、情報処理端末10毎に付与され、また、二重登録は排除されているため、パケットポイントを登録できるのは、初めて通信網30に接続したときに限られていた。例えば、あるユーザが2台の情報処理端末10を所有している場合を考える。以下、これら2台の情報処理端末10を、それぞれ情報処理端末10Aおよび情報処理端末10Bと表記して区別する。また、情報処理端末10Aおよび情報処理端末10Bの端末IDを、端末ID1221Aおよび端末ID1221Bと表記して区別する。
【0078】
このユーザが、新たに購入したプログラム媒体20を情報処理端末10Aに挿入してパケットポイントの登録を行った場合、情報処理端末10Bを用いた通信に対しては、パケットポイントは付与されない。ユーザが、その後、情報処理端末10Bを用いてこのゲームプログラムを実行したいと考えても、実施形態の構成では、情報処理端末10Bを用いた通信に対してパケットポイントを付与することはできなかった。変形例1においては、パケットポイントを登録できるタイミングに幅が与えられ、この期間内であれば、情報処理端末10Aから情報処理端末10Bにパケットポイントを付け替えることができる。
【0079】
変形例1において、データベース411は、ユーザ/端末識別番号121に対応する販売識別番号212と、販売識別番号212に対応する加算量との組を記録している。媒体ID2101を最初に受信してから所定の期間において、媒体ID2101に対応する端末ID1221Aとは別の端末ID1221Bと販売識別番号212との組を取得手段42が取得した場合、減算手段45は、データベース411に記録されている通信可能残量のうち端末ID1221Aに対応する通信可能残量から加算量を減算し、加算手段43は、データベース411に記録されている通信量のうち端末ID1221Bに対応する通信可能残量に、先ほど減算した加算量を加算する。
【0080】
図12は、変形例1に係るデータベース411を例示する図である。変形例1において、データベース411は、1組の端末IDおよび残パケットポイントについて、対応するパケットポイントの付与履歴を含んでいる。この付与履歴は、媒体ID、パケットポイント、および有効期限の組を含んでいる。例えば、図12の第1行のデータは、以下の事項を示している。
(1)端末ID「00000001」のユーザの残パケットポイントが50,000パケットポイントである。
(2)この残パケットポイントには、媒体ID「AAA0000001」で特定されるプログラム媒体20の購入時に付与された1,000パケットポイントが含まれている。
(3)上記の1,000パケットポイントの付け替えの有効期限は、2011年10月7日である。
また、図12の例では、端末ID「00000002」には、媒体ID「ABB0012481」の付与履歴と、媒体ID「ACD0025471」の付与履歴と、2つの付与履歴が対応している。
【0081】
図13は、変形例1に係るパケットポイントの付け替え処理を示すフローチャートである。図13のフローに先立ち、まず、ステップS103およびS104の処理が行われる。すなわち、情報処理端末10は、パケットポイントの登録要求を管理サーバ40に送信する。この登録要求には、端末ID1221Bおよび媒体ID2101が含まれている。この例では、端末ID1221Aが「00000001」であり、端末ID1221Bが「00000002」である。媒体ID2101は「AAA0000001」である。変形例1においては、ステップS101およびS102におけるフラグの取得および確認の処理は省略される。
【0082】
ステップS401において、管理サーバ40は、登録要求に含まれる媒体IDに対応するパケットポイントが付与済みであるか判断する。この判断は、テーブル413に基づいて行われる。具体的には、CPU420が、HDD410に記憶されているテーブル413から、登録要求に含まれる媒体IDに対応するフラグを読み出す。このフラグが「済」であった場合、CPU420は、パケットポイントが付与済みであると判断する。このフラグが「未済」であった場合、CPU420は、パケットポイントが付与済みでないと判断する。パケットポイントが付与済みであると判断された場合(S401:YES)、CPU420は、処理をステップS402に移行する。パケットポイントが付与済みでないと判断された場合(S401:NO)、CPU420は、処理をステップS406に移行する。図7の例では、媒体ID「AAA0000001」に対応するフラグは「済」であるので、パケットポイントが付与済みであると判断される。
【0083】
ステップS402において、CPU420は、付与履歴を取得する。具体的には、CPU420は、データベース411から、登録要求に含まれる媒体IDに対応する付与履歴を読み出す。ステップS403において、CPU420は、現在時刻が、読み出された付与履歴に含まれる有効期限内であるか判断する。現在時刻は、タイマー等の計時手段から取得される。現在時刻が有効期限内であると判断された場合(ステップS403:YES)、CPU420は、処理をステップS404に移行する。現在時刻が有効期限内でないと判断された場合(ステップS403:YES)、CPU420は、その付与履歴をデータベース411から削除し、図13のフローを終了する。
【0084】
ステップS404において、CPU420は、付与履歴からパケットポイントを取得する。図12の例では、媒体ID「AAA0000001」に対応するパケットポイントとして1,000パケットポイントが取得される。
【0085】
ステップS405において、CPU420は、パケットポイントを、従前の端末IDから、登録要求に含まれている端末IDに付け替える。この例では、1,000パケットポイントが、端末ID1221A(00000001)から端末ID1221B(00000002)に付け替えられる。具体的には以下のとおりである。CPU420は、データベース411において、まず端末ID1221Aに対応する残パケットポイントから、1,000パケットポイントを減算する。端末ID1221Aに対応する残パケットポイントは、49,000になる。さらに、CPU420は、媒体ID「AAA0000001」に対応する付与履歴をRAM422に書き込み、データベース411から、媒体ID「AAA0000001」に対応する付与履歴を消去する。次に、CPU420は、データベース411において、端末ID1221Bに対応する残パケットポイントに、1,000パケットポイントを加算する。端末ID1221Bに対応する残パケットポイントは、659,621になる。さらに、CPU420は、媒体ID「AAA0000001」に対応する付与履歴をRAM422から読み出し、データベース411において端末ID1221Bに対応する領域に書き込む。
【0086】
ステップS406において、CPU420は、テーブル412から、媒体ID「AAA0000001」に対応するパケットポイントを取得する。ステップS407において、CPU420は、取得したパケットポイントを加算値として、データベース411において端末ID1221Bに対応するパケットポイントに加算する。これらの処理はステップS107およびS108と同様に行われる。
【0087】
このように、変形例1によれば、決められた有効期限内において、あるユーザから別のユーザにパケットポイントの付け替えをすることができる。なお、パケットポイントの付け替えを行う際に、パスワードによる認証を併用してもよい。
【0088】
また、パケットポイントの付け替えができる条件は、決められた有効期限内であることに限定されない。ゲームプログラムの起動回数など、時間長以外の条件が用いられてもよい。
【0089】
3−2.変形例2
付与されるパケットポイントを決定する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。加算手段43は、情報処理端末10、ユーザ、またはゲームプログラムの属性に応じて増加または減少されたパケットポイントを加算してもよい。パケットポイントの増加または減少の基準となる属性には、例えば以下のものがある。
(1)情報処理端末10の属性の場合
・情報処理端末10の位置情報(この場合、情報処理端末10はGPS受信機等の位置情報取得手段を有する)
・情報処理端末10の機種
(2)ユーザの属性の場合
・ゲームプログラムの購入履歴
・ユーザの年齢、性別、居住地
(3)ゲームプログラムの属性の場合
・発売日からの経過時間
・メーカー(ベンダー)
【0090】
パケットポイントの増加または減少の具体例は例えば以下のとおりである。
(1)増加の例
属性としてゲームプログラムの購入履歴が用いられる。購入履歴としては、これまでの類型購入金額に応じたランクが設定される。このランクが上がるにつれて、パケットポイントに乗算する係数が増加する。例えば、係数の初期値は1.0であり、ランクが上がるにつれ、1.1、1.2、1.3、2.0、というように係数が増加する。
(2)減少の例
属性として発売日からの経過時間が用いられる。発売日からの時間が経過するにつれ、パケットポイントに乗算する係数が減少する。
【0091】
情報処理端末10は、これらの属性を示す情報を、管理サーバ40に送信する。管理サーバ40は、データベース411に、これらの属性を示す情報を記録する。加算されるパケットポイントを決定する際には、この情報が参照される。すなわち、変形例2によれば、各種の属性に応じて、パケットポイントを変動させることができる。
【0092】
3−3.変形例3
ユーザ/端末識別番号121は、端末ID1221、すなわち情報処理端末10と一対一に対応する番号に限定されない。ユーザと一対一に対応するユーザIDが、ユーザ/端末識別番号121として用いられてもよい。1台の情報処理端末10を複数のユーザで共有する場合、ROM122には、各ユーザに対応するユーザ/端末識別番号121が記憶されている。情報処理端末10を起動するときなど所定のタイミングで、ログイン処理などにより、アクティブなユーザIDが選択される。この場合、図6等の処理において端末ID1221の代わりに(ユーザ/端末識別番号121として)送信されるのは、アクティブなユーザIDである。別の例で、1人のユーザが2台の情報処理端末10を所有している場合には、これら2台の情報処理端末10のROM122には、共通のユーザIDが記憶される。
【0093】
変形例3によれば、ユーザと情報処理端末10とが一対一に対応していない場合でも、ユーザ毎にパケットポイントを付与することができる。
【0094】
3−4.変形例4
実施形態において、あるゲームプログラムを購入した際に付与されたパケットポイントを、そのゲームプログラムに係る通信で消費するような制限はされていなかった。しかし、パケットポイントを消費できるゲームプログラムを、そのパケットポイントを付与する契機となったゲームプログラムに限定してもよい。すなわち、取得手段44は、販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムの実行中に情報処理端末において移動通信網31を介して行われた通信に係る通信量を取得する。この場合、データベース411は、販売識別番号毎に、残パケットポイントを記録している。減算手段45は、取得手段44により取得された通信量を、データベース411に記録されている通信可能残量のうち、その通信量に係る通信を行ったアプリケーションプログラムの販売識別番号に対応する残パケットポイントから減算する。
【0095】
3−5.他の変形例
テーブル412は用いられなくてもよい。この場合、付与されるパケットポイントは、ゲームプログラムのタイトルによらず、一律に決められている。加算手段43は、決められたパケットポイントを加算値として加算処理を行う。別の例で、付与されるパケットポイントは、プログラム媒体20に記憶されていてもよい。この場合、パケットポイントの登録要求に、プログラム媒体20から読み出されたパケットポイントが含まれる。管理サーバ40は、登録要求に含まれるパケットポイントを加算値として加算処理を行う。
【0096】
二重登録を排除する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、テーブル413は用いられなくてもよい。この場合、プログラム媒体20または情報処理端末10に記憶されているフラグに応じて、二重登録が排除される。別の例で、プログラム媒体20(ダウンロード販売の場合は外部メモリ124)はフラグ213を記憶していなくてもよい。この場合、プログラム媒体20のROM210は書き換え不能であってもよい。例えば、プログラム媒体20は光ディスクであってもよい。この場合、情報処理端末10においては登録済みか否かを判断できないので、ゲーム起動時等、所定のタイミングで毎回、情報処理端末10は登録要求を送信する。あるいは、プログラム媒体20がフラグ213を記憶している場合でも、フラグの値によらずに毎回、情報処理端末10は登録要求を送信してもよい。すなわち、送信手段15は、ゲーム実行手段14によりゲームプログラムの実行が開始されたときに、装着部13に装着されているプログラム媒体20から読み出された媒体識別番号および記憶手段12に記憶されているユーザ/端末識別番号を、管理サーバ40に送信してもよい。
【0097】
パケットポイントの消費量、すなわちデータベース411から減算されるパケットポイントは、条件に応じて変更されてもよい。例えば、購入したゲームプログラムのダウンロードに係るパケット数は、データベース411から減算されなくてもよい。別の例で、ウェブブラウザ等、特定のプログラムからの通信に係るパケット数は、データベース411から減算されなくてもよい。
【0098】
パケットポイントを増加させる方法は、ゲームプログラムを購入するものに限定されない。例えば、ゲームサーバ50が提供するオンラインショップにおいて、パケットポイントを提供してもよい。
【0099】
情報処理端末10が通信網30を介した通信を行う方法は、移動通信網31を介したものに限定されない。情報処理端末10は、さらに、いわゆるWi−Fiに準拠した無線LAN通信を行う機能を有していてもよい。この場合において、情報処理端末10は、移動通信網31を介してパケットポイントの登録要求を送信することができないとき、例えば、移動通信サービスのサービス圏外にいるときに、無線LANを介して登録要求を送信してもよい。
【0100】
通信量の単位はパケットに限定されない。通信が行われていた時間等、パケットとは別の単位で通信量が計測されてもよい。
【0101】
図2で説明した機能を実現するためのハードウェア構成は、図3、図4、および図5で例示したものに限定されない。図2で説明した機能を実現できるものであれば、どのようなハードウェア構成の装置が用いられてもよい。例えば、実施形態で説明した管理サーバ40の機能または処理を、複数の装置で分担してもよい。別の例で、単一の装置が、管理サーバ40およびゲームサーバ50の機能を兼ね備えていてもよい。
また、図2で説明した機能の一部は省略されてもよい。
【0102】
通信可能残量を用いて通信量が管理される通信網は、移動通信網31に限定されない。移動通信網31以外の通信網に対して、通信可能残量が管理されてもよい。
【0103】
情報処理端末10およびプログラム媒体20は、ゲーム端末およびゲーム媒体に限定されない。記憶手段21に記憶されるアプリケーションプログラムは、文書編集アプリケーション、学習アプリケーション、その他の実用ソフトなど、ゲーム以外の機能を実現させるためのプログラムであってもよい。情報処理端末10は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット端末など、ゲーム端末以外の情報処理装置であってもよい。
【0104】
上述の実施形態においてCPU101等によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…通信システム
10…情報処理端末
11…移動通信手段
12…記憶手段
121…ユーザ識別番号
13…装着部
14…ゲーム実行手段
15…送信手段
16…受信手段
17…入力手段
18…表示手段
19…制御手段
110…CPU
122…ROM
1221…端末ID
123…外部メモリIF
124…外部メモリ
125…RAM
131…カートリッジIF
132…スロット
140…移動通信部
141…SIM−IF
142…SIM
150…入出力IF
151…入力部
152…表示部
153…音声出力部
20…プログラム媒体
21…記憶手段
210…ROM
211…ゲームプログラム
212…販売識別番号
2101…媒体ID
213…フラグ
30…通信網
31…移動通信網
311…基地局
32…インターネット
40…管理サーバ
41…記憶手段
42…取得手段
43…加算手段
44…取得手段
45…減算手段
46…通信手段
47…制御手段
410…HDD
411…データベース
412…テーブル
413…テーブル
414…管理サーバプログラム
420…CPU
421…ROM
422…RAM
430…通信部
50…ゲームサーバ
51…記憶手段
52…通信手段
53…制御手段
510…HDD
511…ゲームプログラム
512…ゲームプログラム
513…ファームウェア
514…コンテンツ
515…ゲームサーバプログラム
520…CPU
521…ROM
522…RAM
530…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザまたは情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、当該情報処理端末が所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する記憶手段と、
所定のアプリケーションプログラムを実行可能な前記情報処理端末から、ユーザ/端末識別番号と、販売される個々の前記所定のアプリケーションプログラム毎に付与された販売識別番号とを関連させて取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量を加算をする加算手段と、
前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算する減算手段と
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記加算手段は、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応した加算量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応付けられたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に加算する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、販売識別番号と加算量とを対応させる第1テーブルを記憶し、
前記加算手段は、前記第1テーブルに記録されている加算量のうち、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応する加算量で前記加算をする
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、複数のアプリケーションプログラムの各々について、前記販売識別番号に対応する加算が処理済みか否かを示すフラグとを対応させる第2テーブルを記憶し、
前記加算手段は、前記第2テーブルに記録されているフラグのうち前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応するフラグが処理済みでないことを示している場合に、前記加算をする
請求項2または3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記販売識別番号を最初に取得したときに、前記第2テーブルにおいて前記販売識別番号と対応するフラグを処理済みを示すものに書き換える書き換え手段を有する
請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記データベースは、前記ユーザ/端末識別番号に対応する販売識別番号と、前記販売識別番号に対応する加算量とを記録しており、
第1販売識別番号を取得した後に、前記第1販売識別番号に対応する第1ユーザ/端末識別番号とは別の第2ユーザ/端末識別番号と前記第1販売識別番号とを前記第1取得手段が取得した場合、前記減算手段は、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち前記第1ユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から前記加算量を減算し、前記加算手段は、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち前記第2ユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に前記加算量の加算をする
請求項2ないし5のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記加算手段は、前記情報処理端末に関する属性に応じて前記加算量を増加または減少させる
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記属性は、前記情報処理端末のユーザのアプリケーションプログラム購入履歴を含む
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記属性は、前記情報処理端末の位置を含む
請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記加算手段は、前記第1取得手段により取得された販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムが発売されてからの経過時間に応じて前記加算量を増加または減少させる
請求項2ないし6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記第2取得手段は、前記販売識別番号に対応するアプリケーションプログラムの実行中に前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われた通信に係る通信量を取得する
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記第2取得手段は、前記販売識別番号に対応するアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムの実行中に前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われた通信に係る通信量を取得する
請求項11に記載のサーバ装置。
【請求項13】
アプリケーションプログラム媒体と、
情報処理端末と、
サーバ装置と
を有し、
前記アプリケーションプログラム媒体は、
所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび前記アプリケーションプログラム媒体毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段
を有し、
前記情報処理端末は、
前記所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、
前記情報処理端末のユーザまたは当該情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、
前記アプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、
前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信する送信手段と
を有し、
前記サーバ装置は、
ユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、前記情報処理端末が前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する第3記憶手段と、
前記情報処理端末から、前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とを関連させて取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記第1取得手段により取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量で加算をする加算手段と、
前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算する減算手段と
を有する
通信システム。
【請求項14】
前記送信手段は、前記実行手段により前記アプリケーションプログラムの実行が開始されたときに、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信する
請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、
前記所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび販売される個々の前記アプリケーションプログラム毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段を有するアプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、
ユーザまたは自機を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、
前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された前記媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量であって、前記媒体識別番号および前記ユーザ/端末識別番号に応じて加算された通信可能残量を示す情報を受信する受信手段と
を有する情報処理端末。
【請求項16】
所定の通信網を介してデータの通信を行う処理を含むアプリケーションプログラムおよび販売される個々の前記アプリケーションプログラム毎に付与された媒体識別番号を記憶した第1記憶手段を有するアプリケーションプログラム媒体と
前記所定の通信網を介したデータの通信を行う通信手段と、前記情報処理端末のユーザまたは当該情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号を記憶する第2記憶手段と、前記アプリケーションプログラム媒体が装着される装着部と、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体に記憶されている前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と情報処理端末と、
ユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、前記情報処理端末が前記所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する第3記憶手段を有するサーバ装置と
を有する通信システムの制御方法であって、
前記情報処理端末が、前記装着部に装着されている前記アプリケーションプログラム媒体から読み出された前記媒体識別番号および前記第2記憶手段に記憶されている前記ユーザ/端末識別番号を、前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置が、前記情報処理端末から、前記ユーザ/端末識別番号と前記媒体識別番号とを関連させて取得するステップと、
前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記サーバ装置が、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量の加算をするステップと、
前記サーバ装置が、前記情報処理端末において前記移動通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得するステップと、
前記サーバ装置が、前記取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算するステップと
を有する制御方法。
【請求項17】
制御手段と、ユーザまたは情報処理端末を識別するためのユーザ/端末識別番号と当該ユーザ/端末識別番号に対応し、当該情報処理端末が所定の通信網を介してデータの通信を行うことを可能にするための通信可能残量とを記録したデータベースを記憶する記憶手段を有するコンピュータ装置に、
所定のアプリケーションプログラムを実行可能な前記情報処理端末から、ユーザ/端末識別番号と、販売される個々の前記所定のアプリケーションプログラム毎に付与された販売識別番号を関連させて前記制御手段が取得するステップと、
前記ユーザ/端末識別番号と前記販売識別番号とが取得された場合に、前記制御手段が、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記取得されたユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量に決められた加算量の加算をするステップと、
前記制御手段が、前記情報処理端末において前記所定の通信網を介して行われたデータの通信に係る通信量を取得するステップと、
前記制御手段が、前記取得された通信量を、前記データベースに記録されている通信可能残量のうち、前記通信量に係る通信を行ったユーザまたは情報処理端末のユーザ/端末識別番号に対応する通信可能残量から減算するステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−89073(P2013−89073A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229716(P2011−229716)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(508324329)
【Fターム(参考)】