説明

サーバ装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム

【課題】センシング情報に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制する。
【解決手段】サーバ装置100は、複数の端末装置が自端末装置の周囲の他の端末装置を検出して送信したスキャン情報に基づいて、相互に検出している端末装置群のグループを生成するグループ生成部162を備える。サーバ装置100は、端末装置群の中から自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択する担当選択部164を備える。サーバ装置100は、端末装置群のうち担当端末装置以外の端末装置に対してセンシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信する通信部102を備える。サーバ装置100は、担当端末装置から送信されたセンシング情報に基づくサービスをグループ内の端末装置群へ提供するサービス制御部166を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの端末装置に対して、端末装置のセンシング情報に基づくサービスをサーバ装置から提供することが知られている。すなわち、センシング情報に基づくサービスに登録している複数の端末装置はそれぞれ、自端末装置に搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機を用いて自端末装置の位置情報を逐次収集し、センシング情報としてサーバ装置へ送信する。
【0003】
サーバ装置は、各端末装置から送信されたセンシング情報を受信する。サーバ装置は、例えば、各端末装置を所有するユーザが所望する情報のジャンルをあらかじめ保持しており、受信したセンシング情報に含まれる位置情報とユーザが所望する情報のジャンルに基づいて、各端末装置にサービス情報を提供する。例えば、サーバ装置は、デパートなどのショッピング施設の情報を所望するユーザの端末装置については、近くにあるデパートなどの施設の情報を抽出して、サービス情報として提供する。また、例えば、サーバ装置は、レストランなどの飲食施設の情報を所望するユーザの端末装置については、近くにあるレストランなどの施設の情報を抽出して、サービス情報として提供する。
【0004】
このようなセンシング情報を用いたサービスにおいては、各端末装置が自端末装置の位置情報のセンシングを常時行い、センシング情報をサーバ装置に逐次アップロードするため、端末装置の消費電力が増加する傾向にある。
【0005】
これに対して従来技術では、複数の端末装置間で位置情報の測位タイミングを分散させ、各端末装置が近距離無線通信を用いて近くの端末装置と互いの位置情報を交換し、新しいほうの位置情報を利用することが知られている。これにより、各端末装置では位置情報を測位してアップロードする間隔が広がるので端末装置の省電力に寄与すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−71962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術は、センシング情報に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制することについては考慮されていない。
【0008】
すなわち、従来技術は、近くに存在する端末装置間でペアリングをして相互に位置情報を送受信するので、仮に近くにペアリングの相手となる端末装置が存在しない場合は、この端末装置からサーバ装置へアップロードされる位置情報は間欠的になる。その結果、サーバ装置から得られるサービス情報も間欠的となり、サービス性能が低下するおそれがある。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、センシング情報に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制することができるサーバ装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示するサーバ装置は、一つの態様において、複数の端末装置が自端末装置の周囲の他の端末装置を検出して送信したスキャン情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から相互に検出している端末装置群のグループを生成する生成部を備える。また、サーバ装置は、前記生成部によって生成されたグループ内の端末装置群の中から自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択する選択部を備える。また、サーバ装置は、前記グループ内の端末装置群のうち前記選択部によって選択された担当端末装置以外の端末装置に対して前記センシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信する送信部を備える。また、サーバ装置は、前記担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報に基づくサービスを前記グループ内の端末装置群へ提供するサービス制御部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示するサーバ装置の一つの態様によれば、センシング情報に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、センシング情報を用いたサービスシステムの概要を示す図である。
【図2】図2は、端末装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】図3は、省電動作時履歴の一例を示す図である。
【図4】図4は、担当端末情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、サーバ装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】図7は、ID照合用記憶部の一例を示す図である。
【図8】図8は、端末情報記憶部の一例を示す図である。
【図9】図9は、グループ情報の一例を示す図である。
【図10】図10は、グループ履歴の一例を示す図である。
【図11】図11は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図12】図12は、端末装置の処理フローの一例を示す図である。
【図13】図13は、端末装置の処理フローの一例を示す図である。
【図14】図14は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。
【図15】図15は、グループ生成の一例を示す図である。
【図16】図16は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。
【図17】図17は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示するサーバ装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0014】
以下の説明では、まず、本実施形態におけるセンシング情報を用いたサービスシステムの概要を説明し、その後、サーバ装置及び端末装置の詳細について説明する。図1は、センシング情報を用いたサービスシステムの概要を示す図である。図1に示すように、センシング情報を用いたサービスシステムは、サーバ装置100と、複数の端末装置200−a,200−b,200−cとを備える。
【0015】
まず、端末装置200−a,200−b,200−cはそれぞれ、自端末装置の周囲の所定距離内に存在する他の端末装置を検出した結果であるスキャン情報301をサーバ装置100へ送信する。
【0016】
サーバ装置100は、端末装置200−a,200−b,200−cから受信したスキャン情報301に基づいて、同行行動している端末装置群のグループを生成する。図1の例では、端末装置200−a,200−b,200−cが相互に他の端末装置を検出しており、端末装置200−a,200−b,200−cの端末装置群でグループ201が生成されたものとする。
【0017】
サーバ装置100は、グループ202内の端末装置200−a,200−b,200−cの中からセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択する。例えば、サーバ装置100は、センシング情報の送信を中止する省電動作を前回実行してからの経過時間が最も短い端末装置、又はバッテリ残量が最も多い端末装置を担当端末として選択する。図1の例では、端末装置200−aが担当端末装置として選択されたと仮定する。
【0018】
サーバ装置100は、担当端末装置として選択された端末装置200−a以外の端末装置200−b,200−cに対して、センシング情報の送信を中止させる省電力信号302を送信する。
【0019】
端末装置200−b,200−cは、省電力信号302を受信したら、センシング情報の送信を中止する。一方、担当端末装置として選択された端末装置200−aは、省電力信号302を受信していないので、通常どおりの動作として、自端末装置の位置情報を含むセンシング情報を収集する。そして、端末装置200−aは、収集したセンシング情報304をサーバ装置100へ送信する。
【0020】
サーバ装置100は、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304を、端末装置200−aとして扱うとともに、端末装置200−b,200−cのセンシング情報として扱う。つまり、サーバ装置100は、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304を、端末装置200−b,200−cのセンシング情報とみなして流用する。サーバ装置100は、センシング情報304の位置情報に基づいて、例えば端末装置200−a,200−b,200−cの近くにあるデパートなどの施設の情報をサービス情報306として端末装置200−a,200−b,200−cへ送信する。
【0021】
図1では、センシング情報304が端末装置200−a,200−b,200−cの位置情報である例を示したが、これには限られない。例えば、センシング情報304には、端末装置200−a,200−b,200−cの位置情報だけではなく、端末装置200−a,200−b,200−cに搭載された加速度センサを用いて検出された加速度などの移動情報も含むことができる。この場合、サーバ装置100は、センシング情報304に含まれる移動情報を用いて、サービス情報306を送信するか否かを判定することが考えられる。例えば、サーバ装置100は、加速度が比較的小さい場合には、端末装置200−a,200−b,200−cを所有するユーザが徒歩で移動しているとみなしてサービス情報306を送信すると判定することができる。一方、サーバ装置100は、加速度が比較的大きい場合には、端末装置200−a,200−b,200−cを所有するユーザが電車や車などで移動しているとみなしてサービス情報306を送信しないと判定することができる。
【0022】
次に、端末装置の機能ブロックについて説明する。図2は、端末装置の機能ブロックを示す図である。端末装置200−a,200−b,200−cは基本的には同様の機能ブロックを備えるので、以下の説明では、説明の便宜上、端末装置200−a,200−b,200−cをまとめて端末装置200という場合がある。図2に示すように、端末装置200は、周囲機器スキャン部202、通信部204、動作制御部206、バッテリ残量取得部208、センシング情報取得部210、及び記憶部212を備える。
【0023】
周囲機器スキャン部202は、自端末装置200の周囲機器をスキャンし、自端末装置200の周囲の所定距離内に存在する周囲機器(例えば他の端末装置)の周囲機器ID(IDentification)を取得して記憶部212に保存する。周囲機器スキャン部202は、例えば無線LAN(Local Area Network)、又はbluetooth(登録商標)などによって実現される。また、周囲機器スキャン部202は、例えば動作制御部206から送信された周囲機器のスキャン実行命令に応じて、自端末装置200の周囲機器をスキャンする。
【0024】
通信部204は、例えばサーバ装置100に対してスキャン情報301やセンシング情報304を送信したり、サーバ装置100から送信された省電力信号を受信したりすることによって、サーバ装置100との間で無線信号の送受信を制御する。
【0025】
動作制御部206は、サーバ装置100から通信部204を介して受信した省電力信号に基づいて、端末装置200の省電力モードと通常モードを切り替える。バッテリ残量取得部208は、自端末装置200が搭載するバッテリの残量を取得する。
【0026】
センシング情報取得部210は、自端末装置200に搭載されたGPS受信機を用いて自端末装置200の位置情報を取得するとともに、自端末装置200に搭載された加速度センサを用いて自端末装置200の加速度(移動情報)を取得する。センシング情報取得部210は、取得した位置情報と移動情報とを、センシング情報304として記憶部212に格納する。
【0027】
記憶部212は、端末装置200で用いられる各種情報として、例えば、省電動作時履歴と担当端末情報とを格納するテーブルである。省電動作時履歴と担当端末情報については以下、詳細に説明する。
【0028】
図3は、省電動作時履歴の一例を示す図である。図3に示すように、省電動作時履歴は、周囲機器ID214と、周囲機器ID214に対応する時刻216とを有する。周囲機器ID214は、周囲機器スキャン部202によって検出されたスキャン情報301(他の端末装置のID)であり、省電動作モードの際に取得されたスキャン情報301が蓄積される。なお、周囲機器ID214は、例えばMAC(Media Access Control)アドレスのように、各端末装置200に対して一意に識別可能に割り当てられている物理アドレスである。また、時刻216は、周囲機器ID214が検出された時刻を表すものである。
【0029】
例えば、図3は、端末装置200−cにおける省電動作時履歴の一例を示すものであり、端末装置200−aの機器IDである「A」と、端末装置200−bの機器IDである「B」が格納されているものとする。
【0030】
図4は、担当端末情報の一例を示す図である。図4に示すように、担当端末情報は、担当端末機器ID218と、担当端末機器ID218に対応する担当終了時刻220とを有する。担当端末機器ID218は、センシング情報304の収集及び送信を行う担当端末装置として選択されている端末装置のIDである。なお、担当端末機器ID218は、例えばMACアドレスのように、各端末装置200に対して一意に識別可能に割り当てられている物理アドレスである。また、担当終了時刻220は、担当端末装置として選択されている端末装置が、センシング情報304の収集及び送信の担当を終了する時刻を表すものである。
【0031】
例えば、図4は、端末装置200−cにおける省電動作時履歴の一例を示すものであり、担当端末装置として選択されている端末装置200−aの機器IDである「A」が格納されているものとする。
【0032】
次に、端末装置のハードウェア構成について説明する。図5は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、端末装置200は、GPS受信機252、加速度センサ254、HDD(Hard Disk Drive)258、バッテリ260、CPU(Central Processing Unit)262、及びROM(Read Only Memory)264を備える。例えば、GPS受信機252、加速度センサ254、HDD258、バッテリ260、CPU262、及びROM264は、バス270を介して相互に接続される。
【0033】
GPS受信機252は、GPS衛星から受信した電波に基づいて、自端末装置の現在位置を検出する。加速度センサ254は、自端末装置の加速度を検出するセンサである。GPS受信機252及び加速度センサ254は、センシング情報取得部210によってセンシング情報304を収集する際に用いられる。HDD258は、端末装置200で用いられる各種情報を格納するメモリである。HDD258の内部には、図2で説明した記憶部212の省電動作時履歴と担当端末情報が格納される。
【0034】
バッテリ260は、端末装置200の各回路に電源を供給する電池である。ROM264は、通信制御プログラム264aを保持する。なお、ここでは、通信制御プログラム264aを保持する記録媒体の例としてROM264を挙げたが、HDD、RAM(Random Access Memory)、CD(Compact Disc)−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納することもできる。また、記憶媒体を遠隔地に配置し、端末装置が、その記憶媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをその端末装置自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0035】
CPU262は、通信制御プログラム264aを読み出して実行することで、周囲機器スキャン部202、通信部204、動作制御部206、バッテリ残量取得部208、及びセンシング情報取得部210と同様の動作を実現する。
【0036】
次に、サーバ装置の機能ブロックについて説明する。図6は、サーバ装置の機能ブロックを示す図である。図6に示すように、サーバ装置100は、通信部102、ID照合用記憶部104、端末情報記憶部106、及びグループ管理用記憶部108を備える。また、サーバ装置100は、グループ生成部162、担当選択部164、サービス制御部166、及び孤立端末抽出部168を備える。
【0037】
通信部102は、センシング情報304を用いたサービスシステムに登録されている複数の端末装置200からスキャン情報301やセンシング情報304などのデータを受信するとともに、端末装置200に対して省電力信号などのデータを送信する。
【0038】
ID照合用記憶部104は、端末装置200から送信されたMACアドレスなどの機器IDを、センシング情報304を用いたサービス用のIDに変換するためのテーブルである。ここで、図7を用いてID照合用記憶部104の一例について説明する。
【0039】
図7は、ID照合用記憶部の一例を示す図である。図7に示すように、ID照合用記憶部104は、機器ID152と、機器ID152に対応する端末ID154を有する。機器ID152は、端末装置200から送信されたMACアドレスなどの機器IDである。端末ID154は、機器ID152に対応して割り当てられており、センシング情報304を用いたサービス用のIDである。
【0040】
図7の例では、機器ID152が「A」の端末装置には、端末ID154として「a」が割り当てられているものとする。また、図7の例では、機器ID152が「B」の端末装置には、端末ID154として「b」が割り当てられ、機器ID152が「C」の端末装置には、端末ID154として「c」が割り当てられているものとする。
【0041】
図6の説明に戻って、端末情報記憶部106は、端末装置200ごとに、端末ID、現在の動作モード、バッテリ残量、及び情報履歴を格納するテーブルである。ここで、図8を用いて端末情報記憶部106の一例を説明する。
【0042】
図8は、端末情報記憶部の一例を示す図である。図8に示すように、端末情報記憶部106は、端末ID112、動作モード114、バッテリ残量116、及び情報履歴118を有する。
【0043】
端末ID112は、サーバ装置100がセンシング情報304を用いたサービスに関して管理する端末装置のIDである。なお、端末ID112は、ID照合用記憶部104を用いて変換されたIDである。端末ID112が「a」の端末装置は端末装置200−aに対応し、端末ID112が「b」の端末装置は端末装置200−bに対応し、端末ID112が「c」の端末装置は端末装置200−cに対応する。
【0044】
動作モード114には、各端末装置が現在、通常動作モードであるのか又は省電力動作モードであるのかを示す情報が格納される。ここで、通常動作モードとは、サーバ装置100から省電力信号が送信されていないため、通常の動作として、周囲機器に対するスキャンを行ってスキャン情報301をアップロードするとともに、センシング情報304を収集してアップロードする動作モードである。一方、省電力動作モードとは、サーバ装置100から省電力信号が送信されたため、センシング情報304のアップロードを中止するとともに、周囲機器に対するスキャンを行ってスキャン情報301を収集して蓄積する動作モードである。図8の例では、端末ID112が「a」の端末装置は通常動作モードに設定され、端末ID112が「b,c」の端末装置は省電力動作モードに設定されているものとする。
【0045】
バッテリ残量116には、各端末装置200のバッテリの残量を示す情報が格納される。バッテリ残量116には、例えば、各端末装置200のバッテリが完全に充電された状態を100%とした場合のバッテリの残量の割合を示す情報が格納される。図8の例では、端末ID112が「a」の端末装置はバッテリ残量が「70%」であり、端末ID112が「b」の端末装置はバッテリ残量が「60%」であり、端末ID112が「c」の端末装置はバッテリ残量が「50%」であるものとする。
【0046】
情報履歴118は、時刻120、位置122、加速度124、及び周囲端末ID126を有する。位置122は、担当端末装置として選択された端末装置から送信された位置情報を示し、加速度124は、担当端末装置として選択された端末装置から送信された移動情報を示すものである。時刻120は、担当端末装置として選択された端末装置が位置情報及び移動情報を取得した時刻を示すものである。周囲端末ID126は、各端末装置の周囲の所定距離内に存在する周囲機器(例えば他の端末装置)のIDであり、担当端末装置が切り替えられた際に省電動作モードの担当端末から送信された省電動作時履歴が保存される。なお、情報履歴118には、各端末装置200の現在の情報だけではなく、過去の情報の履歴が蓄積されるものである。
【0047】
ここで、位置情報及び移動情報を含むセンシング情報304は、担当端末装置として選択されて通常動作モードの端末装置200−aから送信される一方、省電力動作モードである端末装置200−b,200−cからは送信されない。端末装置200−aから送信されたセンシング情報304は、端末ID112が「a」である端末装置のセンシング情報として時刻120、位置122、及び加速度124に格納される。これに加えて、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304は複写されて、端末ID112が「b」である端末装置のセンシング情報として時刻120、位置122、及び加速度124に格納される。さらに、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304は複写されて、端末ID112が「c」である端末装置のセンシング情報として時刻120、位置122、及び加速度124に格納される。つまり、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304は、端末装置200−aのセンシング情報として扱われるとともに、端末装置200−b及び端末装置200−cのセンシング情報にも流用される。
【0048】
図6の説明に戻って、グループ管理用記憶部108は、グループ情報と、グループ履歴とを有する。グループ情報は、現在の同行行動グループの複数の端末装置の端末ID、現在の担当端末装置の端末ID、担当端末装置の担当が終了する時刻、グループが開始された時刻などを格納するテーブルである。グループ履歴は、グループの複数の端末装置の端末IDと、この複数の端末装置によるグループが過去に成立していた時間が蓄積されるテーブルである。以下、図9,10を用いて、グループ情報、及びグループ履歴について説明する。
【0049】
図9は、グループ情報の一例を示す図である。図9に示すようにグループ情報は、メンバ端末ID132、担当端末ID134、担当終了時刻136、及びグループ開始時刻138を有する。メンバ端末ID132には、同行行動している複数の端末装置によって生成されたグループのメンバとなっている端末装置の端末IDが格納される。図9の例では、端末IDが「a」,「b」,「c」の端末装置がメンバ端末ID132に格納される。
【0050】
担当端末ID134には、グループを形成する複数の端末装置の中でセンシング情報304の収集と送信を行う担当端末装置の端末IDが格納される。図9の例では、端末IDが「a」の端末装置が担当端末ID134に格納される。
【0051】
担当終了時刻136には、担当端末装置がセンシング情報304の収集と送信を行うことを終了する時刻が格納される。グループ開始時刻138には、同行行動している複数の端末装置によってグループが生成された時刻が格納される。
【0052】
図10は、グループ履歴の一例を示す図である。図10に示すようにグループ履歴は、メンバ端末ID142と、グループ成立時間144とを有する。メンバ端末ID142には、同行行動している複数の端末装置によって生成されたグループのメンバとなっている端末装置の端末IDが格納される。図10の例では、端末IDが「a」,「b」,「c」の端末装置がメンバ端末ID142に格納される。グループ成立時間144は、メンバ端末ID142に格納された複数の端末装置によってグループが過去に成立していた通算の時間が蓄積して格納される。
【0053】
図6の説明に戻って、グループ生成部162は、複数の端末装置200から送信されたスキャン情報301に基づいて、複数の端末装置200の中から同行行動している端末装置群のグループを生成する。担当選択部164は、グループ生成部162によって生成されたグループ内の端末装置群の中からセンシング情報304の収集及び送信を行う担当端末装置を選択する。そして、担当選択部164は、通信部102を介して、グループ内の端末装置群のうち選択した担当端末装置以外の端末装置に対してセンシング情報304の送信を中止させる省電力信号を生成し、通信部102を介して送信する。例えば、担当選択部164は、端末装置200−aを担当端末として選択した場合は、端末装置200−b,200−cに対して省電力信号を送信する。
【0054】
サービス制御部166は、担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報304を、担当端末装置のセンシング情報として扱うとともに、同一のセンシング情報を担当端末以外の端末装置のセンシング情報として扱う。例えば、端末装置200−aが担当端末として選択された場合、サービス制御部166は、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304を端末装置200−aのセンシング情報として端末情報記憶部106に格納する。これに加えて、サービス制御部166は、端末装置200−aから送信されたセンシング情報304を端末装置200−b,200−cのセンシング情報として端末情報記憶部106に格納する。そして、サービス制御部166は、担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報304に基づくサービスをグループ内の端末装置群へ提供する。
【0055】
孤立端末抽出部168は、グループに属していない端末装置から送信されたセンシング情報304に含まれる位置情報に基づいて、自端末装置の周囲の所定距離内に他の端末装置が存在しない端末装置を抽出する。また、孤立端末抽出部168は、グループに属しておらず、かつ、自端末装置の周囲の所定距離内に他の端末装置が存在しない端末装置に対しては、スキャン情報301の送信を停止させるスキャン停止信号を生成し、通信部102を介して送信する。
【0056】
次に、サーバ装置100のハードウェア構成について説明する。図11は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図11に示すように、サーバ装置100は、HDD180、CPU182、及びROM184を備える。例えば、HDD180、CPU182、及びROM184は、バス170を介して相互に接続される。
【0057】
HDD180は、サーバ装置100で用いられる各種情報を格納するメモリである。HDD180の内部には、図6で説明したID照合用記憶部104、端末情報記憶部106、及びグループ管理用記憶部108が格納される。
【0058】
ROM184は、通信制御プログラム184aを保持する。なお、ここでは、通信制御プログラム184aを保持する記録媒体の例としてROM184を挙げたが、HDD、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納することもできる。また、記憶媒体を遠隔地に配置し、サーバ装置100が、その記憶媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのサーバ装置100自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0059】
CPU182は、通信制御プログラム184aを読み出して実行することで、グループ生成部162、担当選択部164、サービス制御部166、及び孤立端末抽出部168と同様の動作を実現する。
【0060】
次に、端末装置200の処理フローについて説明する。図12,13は、端末装置の処理フローの一例を示す図である。図12は、サーバ装置100から動作指示信号を受信した際の処理フローであり、図13は、スキャン情報やセンシング情報を送信する際の処理フローである。
【0061】
まず、図12に示すように、通信部204は、サーバ装置100から動作指示信号を受信する(ステップS101)。続いて、動作制御部206は、受信した動作指示信号が省電動作を示すものであるか否かを判定する(ステップS102)。
【0062】
続いて、動作制御部206は、受信した動作指示信号が省電動作を示すものであると判定した場合は(ステップS102、Yes)、動作指示信号に含まれている担当端末機器ID、及び担当終了時刻を、記憶部212の担当端末情報に保存する(ステップS103)。続いて、動作制御部206は、センシング情報取得部210に対して、センシング情報304の取得処理を停止する指令を送る(ステップS104)。
【0063】
一方、動作制御部206は、受信した動作指示信号が省電動作を示すものでないと判定した場合は(ステップS102、No)、センシング情報取得部210に対して、センシング情報304を取得する処理を開始する指令を送る(ステップS105)。
【0064】
次に、図13に示すように、動作制御部206は、周囲機器スキャン部202にスキャン指令を送り、周囲機器スキャン部202によって、自端末装置の周囲の器機IDを取得する(ステップS201)。周囲機器スキャン部202は、例えば無線LAN又はbluetooth(登録商標)などの低消費電力の近距離無線通信を用いて周囲機器をスキャンすることにより、自端末装置の周囲の器機IDを取得する。続いて、動作制御部206は、現在自端末装置が省電力中であるか否かを判定する(ステップS202)。つまり、動作制御部206は、自端末装置が担当端末装置であり通常動作モードで動作しているのか、又は省電力動作モードで動作しているのかを判定する。
【0065】
また、動作制御部206は、現在自端末装置が省電力中であると判定したら(ステップS202、Yes)、取得された周囲の機器IDの中に、現在の担当端末装置の機器IDが含まれているか否かを判定する(ステップS203)。つまり、動作制御部206は、自端末装置又は担当端末装置の移動などによって担当端末装置との距離が所定距離以上離れたか否かを判定する。動作制御部206は、取得された周囲の機器IDの中に、現在の担当端末装置の機器IDが含まれていると判定したら(ステップS203、Yes)、現在時刻が担当終了時刻になっているか否かを判定する(ステップS204)。
【0066】
動作制御部206は、現在時刻が担当終了時刻になっていないと判定したら(ステップS204、No)、取得した周囲の機器IDを記憶部212の省電動作時履歴に記憶する(ステップS205)。
【0067】
一方、動作制御部206は、現在時刻が担当終了時刻になっていると判定したら(ステップS204、Yes)、省電力中の周囲の機器IDを記憶部212から取得する(ステップS206)。そして、動作制御部206は、取得した省電力中の周囲の機器IDを含む送信データを生成し(ステップS207)、通信部204を介してサーバ装置100へ送信する(ステップS208)。つまり、担当端末装置がセンシング担当の終了時刻となったら、担当端末装置以外の端末装置は周囲機器のスキャン情報301の履歴をサーバ装置100へアップロードする。
【0068】
また、動作制御部206は、取得された周囲の機器IDの中に、現在の担当端末装置の機器IDが含まれていないと判定したら(ステップS203、No)、省電力動作モードから通常動作モードに変更する(ステップS209)。続いて、動作制御部206は、センシング情報取得部210へセンシング指令を送り、センシング情報取得部210によって、センシング情報304を取得する(ステップS210)。続いて、動作制御部206は、省電力中の周囲の機器IDを記憶部212から取得する(ステップS211)。
【0069】
続いて、動作制御部206は、取得したセンシング情報304及び省電力中の周囲の機器IDを含む送信データを生成し(ステップS212)、通信部204を介してサーバ装置100へ送信する(ステップS213)。
【0070】
一方、動作制御部206は、現在自端末装置が省電力中ではないと判定したら(ステップS202、No)、センシング情報取得部210へセンシング指令を送り、センシング情報取得部210によって、センシング情報304を取得する(ステップS214)。続いて、動作制御部206は、取得したセンシング情報304を含む送信データを生成し(ステップS215)、通信部204を介してサーバ装置100へ送信する(ステップS216)。
【0071】
次に、サーバ装置100の処理フローについて説明する。図14は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。図14は、サーバ装置100が、同行行動をしている端末装置群のグループを生成して、グループの中から担当端末装置を選択する処理を示すものである。
【0072】
図14に示すように、まず、グループ生成部162は、現在通常動作モードで互いに検出し合っている複数の端末装置群Aを抽出する(ステップS301)。続いて、グループ生成部162は、端末装置群Aの中で一定期間互いに検出し合っている端末装置群A´を抽出する(ステップS302)。
【0073】
ここで、グループの生成について図15を用いて説明する。図15は、グループ生成の一例を示す図である。図15に示すように、複数の端末装置200−a,200−b,200−c,200−d,200−eが存在しているとする。例えば、図15の例では、端末装置200−a,200−b,200−cは、相互に自端末装置の周囲の所定距離内に存在すると検出し合っている。また、端末装置200−eは、端末装置200−cとの間では相互に自端末装置の周囲の所定距離内に存在すると検出し合っているが、端末装置200−a、端末装置200−bとは検出し合っていない。また、端末装置200−dは、端末装置200−cを自端末装置の周囲の所定距離内に存在すると検出しているが、端末装置200−cは端末装置200−dを検出していない。
【0074】
グループ生成部162は、端末装置200−a,200−b,200−cが、相互に自端末装置の周囲の所定距離内に存在すると検出し合っているので、端末装置200−a,200−b,200−cを端末装置群Aとして抽出する。また、グループ生成部162は、端末装置200−a,200−b,200−cがあらかじめ設定された閾値(th)以上の一定期間相互に検出し合っている場合は、端末装置200−a,200−b,200−cを端末装置群A´として抽出し、グループを生成する。
【0075】
ここで、グループ生成部162は、一定期間相互に検出し合っており同行行動しているとみなされる端末装置群を判定するにあたって、過去のグループ成立時間の総時間に基づいて閾値(th)を決定することができる。例えば、グループ生成部162は、以下の式によって閾値(th)を求めることができる。
【0076】
th=α+β(1−(Σt/T)/n)
【0077】
ここで、αは複数の端末装置が一定期間相互に検出し合っていると判定するために最低限求められる時間である。βは所定の定数である。tは判定対象となっている複数の端末装置の過去のグループ成立時間である。Tは1日の時間数である「24」である。nは判定対象となっている複数の端末装置が過去にグループとして成立していた日数である。つまり、(Σt/T)/nは、判定対象となっている複数の端末装置が過去にグループとして成立した割合を示すものである。
【0078】
この割合が大きい、つまり判定対象の複数の端末装置が例えば家族や友人など頻繁に同行行動を行う端末装置の場合は、閾値thの値は小さくなる。したがって、グループ生成部162は、これらの端末装置がグループ成立判定対象の場合は、比較的短時間相互に検出し合っていれば、グループとして成立させる。これにより、家族や友人など頻繁に同行行動を行う端末装置については、早めにグループを成立させてセンシング担当を決定することにより、早めに省電力動作モードに移行することができる。
【0079】
一方、この割合が小さい、つまり判定対象の複数の端末装置が頻繁に同行行動するのではなく、たまたま近くに存在して相互に検出し合っている端末装置の場合は、閾値thの値は大きくなる。したがって、グループ生成部162は、これらの端末装置がグループ成立判定対象の場合は、比較的長時間相互に検出し合っていることを確認して、はじめてグループとして成立させる。これにより、たまたま近くに存在して相互に検出し合っている端末装置については、グループを成立させた後すぐに移動によって離れてグループを消去するという処理の煩雑さを解消することができる。また、複数の端末装置が比較的長時間相互に検出し合っていることを確認して、はじめてグループとして成立させるので、真に同行行動をしている端末装置群についてグループを成立させることができる。
【0080】
図14の説明に戻って、担当選択部164は、端末装置群A´の中から省電動作履歴又はバッテリ残量に基づいて担当端末装置を選択する(ステップS303)。例えば、担当選択部164は、端末装置群A´に属する各端末装置の中で、省電力信号に基づいてセンシング情報304の送信を中止する省電動作を前回実行してからの経過時間が最も短い端末装置を、担当端末装置として選択することができる。この場合、担当選択部164は、端末情報記憶部106を参照して、端末装置群A´に属する各端末装置の中から、省電動作を前回実行してからの経過時間が最も短い端末装置を担当端末装置として選択することができる。これにより、担当端末装置としてセンシング情報304の収集及び送信を繰り返している端末装置を省電力動作モードにすることができるので、端末装置群の消費電力を公平に抑制することができる。
【0081】
一方、担当選択部164は、端末装置群A´に属する各端末装置の中で、バッテリ残量が最も多い端末装置を担当端末として選択することもできる。この場合、担当選択部164は、端末情報記憶部106を参照して、端末装置群A´に属する各端末装置の中から、バッテリ残量が最も多い端末装置を担当端末として選択することができる。これにより、バッテリ残量が少ない端末装置を省電力動作モードにすることができるので、端末装置群の消費電力を公平に抑制することができる。
【0082】
続いて、担当選択部164は、端末装置群A´に属する各端末装置のうち、担当端末として選択された端末装置以外の端末装置に対して省電動作指示を行う(ステップS304)。例えば、担当選択部164は、端末装置群A´に属する各端末装置のうち、担当端末として選択された端末装置以外の端末装置に対して、通信部102を介して、センシング情報304の送信を中止させる省電力信号を送信する。また、省電力信号には、直近の担当端末装置の機器IDと、担当端末装置の担当終了時間も含まれる。これにより、担当端末装置以外の端末装置は、省電動作を行うので、センシング情報304の送信を停止し、周囲機器のスキャンを行ってスキャン情報301の履歴を記憶部212の省電動作時履歴記憶部に保存する。一方、担当端末装置は、通常動作を行うので、センシング情報304及び周囲機器スキャン情報301の取得及び送信を行う。
【0083】
続いて、サービス制御部166は、端末情報記憶部106、及びグループ管理用記憶部108を更新する(ステップS305)。例えば、サービス制御部166は、グループ生成部162によって生成されたグループ及び担当選択部164によって選択された端末装置に基づいて、端末情報記憶部106における各端末装置の動作モード114を「通常」又は「省電力」に更新する。また、例えば、サービス制御部166は、グループ生成部162によって生成されたグループ及び担当選択部164によって選択された端末装置に基づいて、グループ管理用記憶部108の各情報を更新する。
【0084】
なお、サーバ装置100は、グループを生成した後、担当端末装置のセンシング担当の終了時刻になったら、各端末装置から送信された省電動作時の周囲機器のスキャン情報301を端末情報記憶部106、及びグループ管理用記憶部108へ格納し、再度図14のフローに基づいて同行行動している端末装置群のグループの生成等を行う。
【0085】
次に、サーバ装置100の処理フローの他の例を説明する。図16は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。図16は、サーバ装置100が、端末装置からデータを受信した際の処理を示すものである。
【0086】
まず、通信部102は、端末装置200から送信されたデータを受信する(ステップS401)。続いて、サービス制御部166は、受信したデータが担当端末装置から送信されたデータであるか否かを判定する(ステップS402)。
【0087】
サービス制御部166は、受信したデータが担当端末装置から送信されたデータではないと判定したら(ステップS402、No)、受信したデータが担当端末装置を見失ったことを示す担当端末見失い通知であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、担当端末見失い通知とは、あるグループに属しており担当端末装置として選択されていない端末装置が、移動などにより担当端末装置から離れたことにより、スキャン情報301に担当端末装置が含まれなくなった場合に送信する信号である。
【0088】
サービス制御部166は、受信したデータが担当端末見失い通知であると判定した場合(ステップS403、Yes)、端末情報記憶部106、及びグループ管理用記憶部108を更新する(ステップS404)。例えば、サービス制御部166は、担当端末見失い通知を送信した端末装置はグループから抜けて通常動作モードになるので、担当端末見失い通知を送信した端末装置の動作モード114を「省電力」から「通常」に書き換える。また、サービス制御部166は、担当端末見失い通知を送信した端末装置をグループ情報のメンバ端末IDから削除する。また、サービス制御部166は、担当端末見失い通知を送信した端末装置をグループ履歴のメンバ端末IDから削除する。
【0089】
続いて、サービス制御部166は、グループにまだ複数の端末装置が存在しているか否かを判定する(ステップS405)。サービス制御部166は、グループにまだ複数の端末装置が存在していると判定した場合(ステップS405、Yes)、処理を終了する。
【0090】
一方、サービス制御部166は、グループにまだ複数の端末装置が存在していないと判定した場合(ステップS405、No)、グループを消去する(ステップS406)。つまり、サービス制御部166は、グループに属する端末装置の数が1台になった場合は、もはやグループを形成できないので、グループを消去する。
【0091】
また、サービス制御部166は、受信したデータが担当端末見失い通知ではないと判定した場合(ステップS403、No)、受信したデータを、データを送信した端末装置の情報履歴に書き込む(ステップS407)。例えば、受信したデータが担当端末見失い通知ではないということは、データを送信した端末装置は、グループに属さない端末装置ということになる。この場合、サービス制御部166は、端末情報記憶部106におけるセンシング情報304を送信した端末装置の欄に、受信したセンシング情報304を格納する。このように、サーバ装置100は、グループに属さない端末装置からデータがアップロードされた場合は、単にそのデータを送信してきた端末装置の情報履歴にセンシング情報304を格納する。
【0092】
続いて、サービス制御部166は、サービスを提供する周期であれば、各端末装置にセンシング情報304に基づくサービスを提供する(ステップS408)。例えば、サービス制御部166は、グループに属さない端末装置に対しては、それぞれの端末装置から送信されたセンシング情報304に基づくサービスを提供する。
【0093】
一方、サービス制御部166は、受信したデータが担当端末装置から送信されたデータであると判定したら(ステップS402、Yes)、受信したデータ中の周囲の機器IDを端末IDに変換する(ステップS409)。例えば、サービス制御部166は、ID照合用記憶部104を用いて、担当端末装置から送信された送信データ中の周囲の機器ID162を端末ID154に変換する。
【0094】
続いて、サービス制御部166は、受信したデータをグループの他端末装置の情報履歴に書き込む(ステップS410)。例えば、サービス制御部166は、端末情報記憶部106におけるグループの他の端末装置の欄に、担当端末装置から受信したセンシング情報304を格納する。
【0095】
続いて、サービス制御部166は、受信したデータを、データを送信した端末装置の情報履歴に書き込む(ステップS411)。例えば、サービス制御部166は、端末情報記憶部106における担当端末装置の欄に、担当端末装置から受信したセンシング情報304を格納する。このように、サーバ装置100は、担当端末装置からデータがアップロードされた場合は、グループの全端末装置の情報履歴にセンシング情報304を格納する。
【0096】
続いて、サービス制御部166は、サービスを提供する周期であれば、各端末装置にセンシング情報304に基づくサービスを提供する(ステップS412)。例えば、サービス制御部166は、グループとして成立している端末装置群に対しては、担当端末装置から送信されたセンシング情報304に基づくサービスを提供する。
【0097】
次に、サーバ装置100の処理フローの他の例を説明する。図17は、サーバ装置の処理フローの一例を示す図である。図17は、サーバ装置100が、スキャン情報301の停止を指示する際の処理を示すものである。
【0098】
図17に示すように、まず、孤立端末抽出部168は、グループになっておらず、かつ、スキャン情報301に周囲機器IDが含まれない端末装置を抽出する(ステップS501)。続いて、孤立端末抽出部168は、抽出した端末装置が全ての他の端末装置と一定距離以上離れているか否かを判定する(ステップS502)。例えば、孤立端末抽出部168は、複数の端末装置のセンシング情報304に含まれる位置情報に基づいて、抽出された端末装置が全ての他の端末装置と一定距離以上離れているか否かを判定する。
【0099】
続いて、孤立端末抽出部168は、抽出した端末装置が全ての他の端末装置と一定距離以上離れていると判定した場合は(ステップS502、Yes)、周囲機器のスキャン情報301の送信を停止させるスキャン停止信号を生成して、通信部102を介して抽出した端末装置へ送信する(ステップS503)。このように、グループに属しておらず、かつ、他の端末装置と一定距離以上離れている端末装置は、他の端末装置から離れて孤立していると考えられるので、スキャン情報301の送信を停止させることで、消費電力を抑制することができる。
【0100】
一方、孤立端末抽出部168は、抽出した端末装置が全ての他の端末装置と一定距離以上離れていないと判定した場合は(ステップS502、No)、抽出した端末装置が現在孤立モードであるか否かを判定する(ステップS504)。ここで、孤立モードとは、サーバ装置100から送信されたスキャン停止信号に応じてスキャン情報301の送信を停止している動作モードである。
【0101】
孤立端末抽出部168は、抽出した端末装置が現在孤立モードであると判定したら(ステップS504、Yes)、孤立モードでの動作を終了してスキャン情報301の収集等を再開することを示す通常モード指示信号を生成して、通信部102を介して抽出した端末装置へ送信する(ステップS505)。一方、孤立端末抽出部168は、抽出した端末装置が現在孤立モードではないと判定したら(ステップS504、No)、処理を終了する。
【0102】
以上、本実施形態のサーバ装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムによれば、センシング情報304に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制することができる。すなわち、センシング情報304に基づく同じサービスを受けている端末装置が近くに継続して存在する場合、これらの端末装置群は同様のセンシング情報304を収集していると考えられる。そこで、本実施形態では、サーバ装置100が、各端末装置のスキャン情報301に基づいて相互に検出し合っている端末装置群を抽出し、センシング情報304の収集及び送信を行う担当端末装置を選択し、担当以外の端末装置に対してセンシング情報304の送信を停止させる。これにより、担当端末以外の端末装置は、センシング情報304のアップロードを行わなくてよいため、端末装置の消費電力の抑制を実現することができる。これに加えて、本実施形態では、担当端末装置から送信されたセンシング情報304をグループの担当端末群のセンシング情報とみなして、センシング情報304に基づくサービスをグループの端末装置群に提供する。これにより、グループの各端末装置は、消費電力を抑制しつつ、センシング情報304に基づく良質のサービスの提供をリアルタイムに受けることができる。よって、本実施形態によれば、センシング情報304に基づくサービスの性能を保ちつつ端末装置の消費電力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0103】
100 サーバ装置
102 通信部
104 ID照合用記憶部
106 端末情報記憶部
108 グループ管理用記憶部
162 グループ生成部
164 担当選択部
166 サービス制御部
168 孤立端末抽出部
184a 通信制御プログラム
200 端末装置
202 周囲機器スキャン部
204 通信部
206 動作制御部
208 バッテリ残量取得部
210 センシング情報取得部
264a 通信制御プログラム
301 スキャン情報
302 省電力信号
304 センシング情報
306 サービス情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置が自端末装置の周囲の他の端末装置を検出して送信したスキャン情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から相互に検出している端末装置群のグループを生成する生成部と、
前記生成部によって生成されたグループ内の端末装置群の中から自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択する選択部と、
前記グループ内の端末装置群のうち前記選択部によって選択された担当端末装置以外の端末装置に対して前記センシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信する送信部と、
前記担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報に基づくサービスを前記グループ内の端末装置群へ提供するサービス制御部と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記端末装置群の各端末装置の中で、前記省電力信号に基づいて前記センシング情報の送信を中止する省電動作を前回実行してからの経過時間が最も短い端末装置を前記担当端末装置として選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記端末装置群の各端末装置の中で、バッテリ残量が最も多い端末装置を前記担当端末装置として選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記複数の端末装置のスキャン情報に基づいて、自端末装置の周囲の所定距離内に存在すると相互に検出しあっている端末装置群を抽出し、該抽出された端末装置群があらかじめ設定された閾値以上相互に検出しあっている場合に、該端末装置群のグループを生成する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記生成部は、過去にグループとして成立していた端末装置群のグループ成立時間に応じて、該端末装置群が同行行動している端末装置群のグループであるか否かを判定する際の前記閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記グループに属していない複数の端末装置から送信された前記センシング情報に含まれる位置情報に基づいて、前記グループに属していない複数の端末装置の中から、自端末装置の周囲の所定距離内に他の端末装置が存在しない端末装置を抽出する抽出部をさらに備え、
前記送信部は、前記抽出された端末装置に対して、前記スキャン情報の送信を停止させるスキャン停止信号を送信する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
サーバ装置が、
複数の端末装置が自端末装置の周囲の他の端末装置を検出して送信したスキャン情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から相互検出している端末装置群のグループを生成し、
前記生成されたグループ内の端末装置群の中から自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択し、
前記グループ内の端末装置群のうち前記選択された担当端末装置以外の端末装置に対して前記センシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信し、
前記担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報に基づくサービスを前記グループ内の端末装置群へ提供する
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
サーバ装置に、
複数の端末装置が自端末装置の周囲の他の端末装置を検出して送信したスキャン情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から相互検出している端末装置群のグループを生成し、
前記生成されたグループ内の端末装置群の中から自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置を選択し、
前記グループ内の端末装置群のうち前記選択された担当端末装置以外の端末装置に対して前記センシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信し、
前記担当端末装置として選択された端末装置から送信されたセンシング情報に基づくサービスを前記グループ内の端末装置群へ提供する
処理を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項9】
端末装置に、
自端末装置の周囲の他の端末装置を検出し、
前記検出によって得られた情報をスキャン情報としてサーバ装置へ送信し、
前記スキャン情報に基づいて相互検出している端末装置群のグループを生成し、生成されたグループ内の端末装置群のうち自端末装置の位置情報を含むセンシング情報の収集及び送信を行う担当端末装置以外の端末装置に対して前記センシング情報の送信を中止させる省電力信号を送信するサーバ装置から前記省電力信号を受信したら、前記センシング情報の送信を中止する
処理を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−115443(P2013−115443A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256751(P2011−256751)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】