サービスステーション用車両点検整備情報管理システム
【課題】システムの利用に必要な登録手続をサービスステーション(SS)で行う必要がなく、個人情報の扱いに配慮がなされており、第三者が他人の車両に関する情報を不正に登録したり閲覧したりすることを防ぐことができる車両点検整備情報管理システムを提供する。
【解決手段】SS端末30は、その端末に車両ナンバ等が入力されると(S52)、入力された番号に対応するアクセスキーを発行する(S54)。そのアクセスキーがユーザ端末40に入力されてサーバ20に送信されると(S16)、サーバ20は受信したアクセスキーに対応するアカウントからのアクセスを許可するようになる(S37)。サーバ20は、アクセス許可されたアカウントが入力されたユーザ端末40からの指示に応じて、そのアカウントに関連付けられた点検整備データをユーザ端末40に送信する。
【解決手段】SS端末30は、その端末に車両ナンバ等が入力されると(S52)、入力された番号に対応するアクセスキーを発行する(S54)。そのアクセスキーがユーザ端末40に入力されてサーバ20に送信されると(S16)、サーバ20は受信したアクセスキーに対応するアカウントからのアクセスを許可するようになる(S37)。サーバ20は、アクセス許可されたアカウントが入力されたユーザ端末40からの指示に応じて、そのアカウントに関連付けられた点検整備データをユーザ端末40に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスステーションで実施される車両の点検整備に関する情報を管理するシステムであって、ネットワーク(データ通信ネットワーク)に接続されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の点検整備制度に関する規制緩和措置により、従来義務づけられていた車両の6ヶ月法定点検が廃止され、12ヶ月法定点検が大幅に簡素化された。それとともに、車両の保守管理責任がユーザ自身にあることが明確化され、ユーザの判断により車両の点検整備を行うことの重要性が高まった。
【0003】
車両の点検整備は、カーディーラや車両整備工場に限らず、サービスステーション(以下、SSと称す)やカー用品ショップ等でも実施される。このうち、SSは、全国に約47,000店存在し、ユーザが給油のために比較的高い頻度(例えば月に1〜2回程度)で利用する場所である。そのため、SSでの車両点検整備のサービスは、ユーザにとって手軽に利用しやすいものである。
【0004】
従来より、SSで実施される点検整備の結果を、インターネット等のネットワークを利用して、パソコンや携帯電話などの端末から閲覧可能にする車両点検整備情報管理システムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムにより、ユーザ自らがSSで実施された車両の点検整備の結果やその履歴を容易に確認することができ、ユーザの車両点検整備に対する意識が向上する。
【0005】
SSでの車両点検整備のサービスは、SS側にとっては、燃料油以外の商品(例えばタイヤやエンジンオイル等)の販売や、有料の整備サービスの受注などに繋がるというメリットがある。
【0006】
【特許文献1】特開2002-92213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記車両点検整備情報管理システムでは、ユーザの氏名等の個人情報が記録された給油カードを用いて、点検整備された車両のユーザを判別する。そのため、ユーザは上記システムを利用するためにSSにて給油カードの発行手続を行うことになる。しかし、その手続は煩わしく、また、個人情報を提供しなければならないため、手続をためらうユーザもいる。
【0008】
ユーザがSSで給油カードの発行手続を行う代わりに、ネットワークに接続されたユーザ端末からシステムの利用に必要な情報を入力し、システムへの登録手続を行うことも考えられる。このとき、少なくともユーザの車両を特定するための情報が必要である。そのような情報としてはナンバープレートに記載された数字や文字を用いることが一般的である。しかし、ナンバープレートの情報は車両を見れば第三者が容易に入手することができるものであるため、第三者がネットワークに接続された端末から他人のナンバープレート情報を勝手に登録したり、他人の車両の点検整備結果等を不正に閲覧するおそれがある。
【0009】
本発明は以上のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、システムの利用に必要な登録手続をSSで行う必要がなく、個人情報の扱いに配慮がなされており、第三者が他人の車両に関する情報を不正に登録したり閲覧したりすることを防ぐことができる車両点検整備情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る車両点検整備情報管理システムは、
サービスステーションに設置され、ネットワークに接続されており、該サービスステーションで点検整備された車両の車両識別番号及び点検整備データが入力されるSS端末と、
前記ネットワークに接続され、前記車両識別番号、前記点検整備データ及びユーザ固有のアカウントが相互に関連付けられて保存されているデータベースを有するサーバと、
を備える車両点検整備情報管理システムであって、
前記SS端末が、
該SS端末に前記車両識別番号が入力されると、該車両識別番号に対応するアクセスキーを発行するアクセスキー発行手段を備え、
前記サーバが、
前記ネットワークに接続されたユーザ端末から前記アクセスキーを受信すると、該アクセスキーに対応する前記車両識別番号に関連付けられている前記アカウントからのアクセスを許可する認証手段と、
アクセス許可された前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、該アカウントに関連付けられた前記点検整備データを該ユーザ端末に送信する点検整備データ送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記「車両識別番号」は、ナンバープレートや車体番号のように車両の識別に用いられる数字や文字の情報を意味する。また、上記「点検整備データ」は、車両の点検整備項目の点検結果や整備内容、点検整備の作業日・実施場所等に関するデータを意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両点検整備情報管理システムによれば、ユーザはSSで発行されるアクセスキーをネットワークに接続されたユーザ端末に入力するだけで、該端末からユーザの車両に関する点検整備データを閲覧することができるため、SSで煩雑な登録手続を行わなくてもよい。また、本システムはユーザの車両を特定するために個人情報を用いないため、ユーザはSS側に個人情報を提供しなくてもよい。また、ナンバープレート等の車両識別番号がSSに設置された端末から入力されるとともに、その入力により発行されるアクセスキーがないと点検整備データを閲覧することができないため、第三者により車両識別番号が勝手に登録されたり、車両に関する情報が不正に閲覧されることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明の一実施形態である車両点検整備情報管理システムを含むネットワークの概略図を示す。ネットワーク10は、インターネット等の既存のネットワークである。ネットワーク10には、データベースサーバプログラム及びWebサーバプログラムがインストールされたサーバ20と、車両の点検整備サービスが実施される各サービスステーション(SS)に設置され、データベースクライアントプログラムがインストールされたSS端末30と、Webブラウザを備えるパソコンや携帯電話等のユーザ端末40とが接続されている。各SS端末30には、車両識別番号や点検整備データ等を入力するための入力装置31及び点検整備結果等を印刷するためのプリンタ32が接続されている。
【0014】
図2に、サーバ20のデータベースサーバプログラムによって管理されるデータベース21の構成図を示す。データベース21には、車両マスタ22と会員マスタ23が関連付けられて設けられている。車両マスタ22には、点検履歴テーブル24、整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26が関連付けられており、点検履歴テーブル24には点検結果マスタ27が、販売履歴テーブル26には商品マスタ28がそれぞれ関連付けられている。
【0015】
車両マスタ22には、車両識別番号と、後述するアクセスキー及びアクセス許可データが登録される。ここでは車両識別番号として、車両のナンバープレートに記載された数字や文字である車両ナンバを用いるが、車体番号等を用いてもよい。車両マスタ22には、各車両のメーカー名、車種名、形式、車検情報など車両に関する各種情報も登録される。同一の車両の重複登録を防ぐため、車両マスタ22における主キーを車両識別番号に設定することが好ましい。
【0016】
点検履歴テーブル24には、車両点検の作業日、実施場所、実施された点検項目の結果が登録される。点検項目は、例えばタイヤ、ウォッシャ液、ワイパーブレード、バッテリ、ブレーキランプ、エンジンオイル、ラジエータ液、オートマオイル、ブレーキ液などである。点検結果マスタ27には、図3に示すように、点検結果マスタ27の主キー271に対応して、点検項目272と点検の結果273が登録されるとともに、それらに対応するように、定型文であるコメント274及びコメント274をユーザへ伝達すべきかどうかを示す指標である重要度275が登録される。結果273及び重要度275は、数値や○、△、×のように段階的に表現することが好ましい。
【0017】
整備履歴テーブル25には、車両整備の作業日、実施場所、実施内容が登録される。実施内容は、見出しと詳細な内容に分けて登録してもよい。
【0018】
販売履歴テーブル26には、各車両向けに販売された商品の商品識別コード(例えばJANコード)、その販売日などが登録される。商品マスタ28には、商品識別コードに対応する商品名、メーカー名、値段等が登録される。
【0019】
会員マスタ23には、ユーザ固有のアカウントとパスワードが登録される。また、ユーザのメールアドレスや、氏名・住所・電話番号などが登録されてもよい。各アカウントには、車両マスタ22の車両識別番号が1つ又は複数関連付けられる。
【0020】
サーバ20は、データベースサーバプログラムを実行することにより、各SS端末30に入力される車両識別番号及び点検整備データを受信し、それらをデータベース21に登録する機能を実現する。また、データベース21に保存されているデータを各SS端末30に送信する機能、Webサーバプログラムにより指示されるデータの閲覧要請に応じて、データを抽出する機能なども実現する。
【0021】
サーバ20は、Webサーバプログラムを実行することにより、ユーザ端末40からの指示に応じてウェブサイトを表すHTML(HyperText Markup Language)文書や画像等のHTMLデータをユーザ端末40に送信する機能を実現する。また、ユーザ端末40からの指示に応じてデータベースサーバプログラム用の命令文を作成する機能、データベース21から抽出されたデータをWebブラウザで閲覧可能な形態に変換しユーザ端末40に送信する機能なども実現する。
【0022】
SS端末30に接続された入力装置31は一般的なキーボードやマウス等でもよいが、点検整備データを点検整備の作業場所で入力するためには、SS端末30との間で無線通信が可能なPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末であることが好ましい。
【0023】
SS端末30にはデータベースクライアントプログラムによって管理されるSS用データベースが設けられている。SS用データベースは、サーバ20のデータベース21に設けられた車両マスタ22、点検履歴テーブル24、整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26、点検結果マスタ27及び商品マスタ28と同じものを含む。なお、会員マスタ23は個人情報を含むことがあるため、個人情報の漏洩の可能性を減らすためにSS用データベースには含めないことが好ましい。
【0024】
SS端末30は、データベースクライアントプログラムを実行することにより、入力装置31により入力されるデータをSS用データベースに登録する機能、サーバ20とデータ通信を行い、各データベースの共通するマスタ及びテーブルを同期させる機能などを実現する。
【0025】
本実施形態の車両点検整備情報管理システムを利用するには、ユーザは本システムにアカウントを登録する。その手順は従来より知られている任意の方法を用いればよい。その後、次のように車両ナンバの仮登録を行う。
【0026】
図4は車両ナンバの仮登録手順を示すフローチャートである。ユーザは登録されたアカウントを用いてユーザ端末40から本システムにログインし、ユーザ端末40に会員専用画面を表示させる(ステップS11)。ユーザ端末40は、ユーザによりその画面内の新規車両情報登録ボタンがクリックされると、そのボタンに対応するURL(Uniform Resource Locator)をサーバ20に送信する(ステップS12)。サーバ20はそのURLを受信すると、図5に示す車両ナンバ仮登録用画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS31)。ユーザ端末40はその画面を表示し、車両ナンバ入力ボックス50に車両ナンバが入力され、仮登録ボタン51がクリックされると、入力された車両ナンバをサーバ20に送信する(ステップS13)。サーバ20は受信した車両ナンバをデータベース21に登録し(ステップS32)、図6に示すような、仮登録された車両ナンバ52が記載された会員専用画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS33)。ユーザ端末40はその画面を表示し(ステップS14)、車両ナンバが本システムに仮登録されたことをユーザに伝える。サーバ20は、登録された車両ナンバを各SS端末30に送信する(ステップS34)。SS端末30は受信した車両ナンバをSS用データベースに登録する(ステップS51)。
【0027】
次に、システムは仮登録された車両ナンバに対応するアクセスキーを発行し、そのアクセスキーを用いて車両ナンバの本登録を行う。図7はアクセスキーの発行及び車両ナンバの本登録の手順を示すフローチャートである。上記のようにユーザの車両の車両ナンバが仮登録された後、その車両がSSにて点検整備されると、SS端末30にその車両の車両ナンバと点検整備結果(点検整備データ)が入力される(ステップS52)。SS端末30は入力された点検整備データを車両ナンバに関連付けてSS用データベースに登録する(ステップS53)。SS端末30は、車両ナンバに対応するアクセスキーを作成し(ステップS54)、そのアクセスキーと点検整備データを含む印刷用データを作成し、その印刷用データを用いてプリンタ32から点検整備結果シートを印刷する(ステップS55)。このとき、点検整備データとともに又はその代わりに、SS用データベースの点検結果マスタ27に登録されているコメント274を印刷してもよい。更に、点検結果マスタ27に登録されている重要度275をもとに、重要度の高いコメント274のみを選択的に印刷してもよい。点検整備結果シートには、QRコード等の二次元コードで本システムのウェブサイトのURL等を表記してもよい。
【0028】
SS端末30はサーバ20に、車両ナンバ、点検整備データ及びアクセスキーを送信する(ステップS56)。サーバ20は受信した点検整備データ及びアクセスキーを車両ナンバに関連付けてデータベース21に登録する(ステップS35)。このとき、点検整備データのうち、点検に関するデータは点検履歴テーブル24に、整備に関するデータは整備履歴テーブル25に登録される。アクセスキーは車両マスタ22に登録される。
【0029】
ユーザは前記ステップS14で表示された会員専用画面(図6)をユーザ端末40に表示させる(ステップS15)。ユーザ端末40はアクセスキー入力用テキストボックス53にアクセスキーが入力され、本登録ボタン54がクリックされると、入力されたアクセスキーをサーバ20に送信する(ステップS16)。サーバ20は受信したアクセスキーと、ステップS35で登録されたアクセスキーを照合し(ステップS36)、それらが一致していれば車両ナンバに対応するアクセス許可データを車両マスタ22に登録する(ステップS37)。このアクセス許可データは、車両ナンバに関連付けられた点検整備データの閲覧を許可するためのフラグである。サーバ20は本登録された車両ナンバが記載された会員専用画面(図8)のHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS38)。ユーザ端末40はその会員専用画面を表示し(ステップS17)、車両ナンバ52が本システムに本登録されたことをユーザに伝える。サーバ20はアクセス許可データをSS端末30に送信する(ステップS39)。SS端末30は受信したアクセス許可データをSS用データベースに登録する(ステップS57)。
【0030】
ユーザにより各会員専用画面の上部にある点検履歴照会ボタン55がクリックされると、ユーザ端末40には図9に示す点検履歴照会画面が表示される。この例ではユーザのアカウントに登録されている3台の車両の車両ナンバ52a、52b、52cが表示されている。
この画面で、車両ナンバ毎に設けられている詳細ボタン56がクリックされると、その車両に関する点検履歴一覧画面(図10)が表示される。この画面では、点検が実施された作業日57、実施店舗58、各点検項目の結果59が一覧表示される。これらはサーバ20のデータベース21の点検履歴テーブル24から抽出されたものである。結果59については点検項目毎に○、△、×のように表示させることが好ましい。これにより、点検結果をユーザが視覚的に容易に確認することができる。
更に、作業日毎に設けられた詳細表示ボタン60がクリックされると、図11に示す点検詳細画面が表示される。この例では、図10においても表示された結果59とともに、その詳細な内容を示す詳細結果61が表示されている。具体的には、タイヤの溝・ヒビ・圧力の状態、バッテリの液量・交換時期・負荷電圧、及び、エンジンオイルの液量・交換時期等が表示されている。これらはサーバ20のデータベース21の点検履歴テーブル24から抽出されたものである。また、結果59に対応するコメント62も表示されている。コメント62は、点検結果マスタ27から抽出されたものである。
【0031】
ユーザにより各会員専用画面の上部にある整備履歴照会63ボタンがクリックされると、ユーザ端末40には図12に示す整備履歴照会画面が表示される。ここで、プルダウンリスト64より閲覧したい車両ナンバを選択すると、その車両の整備履歴(作業日、実施場所、実施内容等)が表示される。この例では、SSで実施された整備については詳細表示ボタン65が設けられており、詳細表示ボタン65がクリックされると、図13に示す整備結果詳細画面が表示される。ここでは、SSで実施された整備の詳細内容66が表示される。
【0032】
ユーザが車両の点検整備をSS以外の場所で行った場合、本システムではその点検整備データも登録することができる。図14はユーザによる車両の整備データの入力手順を示すフローチャートである。ユーザにより各会員専用画面の上部にある整備履歴照会ボタン63がクリックされると、ユーザ端末40は図12に示した整備履歴照会画面を表示する(ステップS18)。ここでユーザ整備入力ボタン67がクリックされると、ユーザ端末40はそのボタンに対応するURLをサーバ20に送信する(ステップS19)。サーバ20は図15に示すユーザ整備登録画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS40)。ユーザ端末40はその画面を表示し、ユーザによりプルダウンリスト64から車両ナンバが選択され、総メータ数・整備実施日・整備実施場所・整備実施内容に関するテキストボックス68にデータが入力されて、登録ボタン69がクリックされると、それらのデータ(整備データ)がサーバ20に送信される(ステップS20)。サーバ20は受信した整備データを整備履歴テーブル25に登録する(ステップS41)。サーバ20はその整備データをSS端末30に送信する(ステップS42)。SS端末30は受信した整備データをSS用データベースに登録する(ステップS58)。
なお、ここではユーザによる整備データの登録手順を説明したが、ユーザによる点検データの登録手順も同様に行うことができる。
【0033】
本システムのユーザがSSにてタイヤ等の各種商品を購入した場合には、その内容がSS端末30に入力されて、SS用データベースの販売履歴テーブルに登録される。その後、そのデータはサーバ20に送信され、サーバ20のデータベース21に設けられた販売履歴テーブル26にも登録される。SS端末30への登録には各商品の商品識別コードをバーコードリーダ等により読み取ることが好ましい。
【0034】
本システムは、ユーザが氏名や住所などの個人情報を入力しなくても利用可能ではあるが、ユーザが個人情報の提供に同意すれば、個人情報をデータベース21の会員マスタ23に登録してもよい。その際には、ユーザはユーザ端末40に表示された各会員専用画面の上部にあるお客様情報ボタン70をクリックし、入力画面を表示させ、個人情報を入力する。ユーザ端末40は入力された個人情報のデータをサーバ20に送信する。サーバ20はそのデータを会員マスタ23に登録する。個人情報の登録をこのように行えば、個人情報がSSの店員の目に触れることがないため、ユーザは安心して個人情報の登録を行うことができる。また、本システムに個人情報を登録し、ユーザの連絡先が分かるようにしておけば、例えば点検履歴テーブル24や整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26等に保存されているデータに基づいてユーザに点検整備の実施を促すことや、交換時期が近づいている商品を知らせることを電子メールや郵便等により送ることができる。
【0035】
ユーザが車両の点検整備を依頼した場合や、商品を購入した場合などに、SSで所定のサービス(例えば商品の購入や割引、有料サービスの利用等)を受けられるポイントをユーザの車両ナンバ毎又はユーザのアカウント毎に付与してもよい。そのポイントは、車両マスタ22、販売履歴テーブル26又は会員マスタ23等に登録する。ポイントの残高はユーザ端末40から閲覧可能にすることが好ましい。本システムにこのようなポイントシステムを導入すれば、ユーザがSS端末30が設置されたSSに繰り返し来店することを期待することができ、燃料油やその他の商品の販売に繋がる。
【0036】
会員マスタ23において、1つのアカウントに複数の車両ナンバを関連付けておけば、例えばユーザの家族が所有する複数の車両や、事業所が所有する複数の車両に関する点検整備データを1つのアカウントで一括管理することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0037】
上記実施形態は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。例えば、サーバ20からユーザ端末40に送信されるデータは、Webブラウザではなく専用のソフトウェアにより表示されるものでもよい。上記実施形態では、ユーザの車両ナンバが仮登録された後に車両の点検整備が実施され、その後に車両ナンバが本登録されるが、車両の点検整備の後に車両ナンバを登録してもよい。サーバ20にデータベースクライアントプログラムをインストールし、サーバ20とは別の第2のサーバにデータベースサーバプログラムをインストールして、第2のサーバに保存されているデータをサーバ20及びSS端末30に保存されているデータと同期させてもよい。データの同期は、各サーバ及びSS端末の間で定期的に更新データ(差分データ)をやり取りすることで行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態である車両点検整備情報管理システムを含むネットワークの概略図。
【図2】サーバのデータベースサーバプログラムによって管理されるデータベースの構成図。
【図3】点検結果マスタの一例を示す図。
【図4】車両ナンバの仮登録手順を示すフローチャート。
【図5】車両ナンバ仮登録用画面を示す図。
【図6】仮登録された車両ナンバが記載された会員専用画面を示す図。
【図7】アクセスキーの発行及び車両ナンバの本登録の手順を示すフローチャート。
【図8】仮登録された車両ナンバが記載された会員専用画面を示す図。
【図9】点検履歴照会画面を示す図。
【図10】点検履歴一覧画面を示す図。
【図11】点検詳細画面を示す図。
【図12】整備履歴照会画面を示す図。
【図13】整備結果詳細画面を示す図。
【図14】ユーザによる車両の整備データの入力手順を示すフローチャート。
【図15】ユーザ整備登録画面を示す図。
【符号の説明】
【0039】
10…ネットワーク
20…サーバ
21…データベース
22…車両マスタ
23…会員マスタ
24…点検履歴テーブル
25…整備履歴テーブル
26…販売履歴テーブル
27…点検結果マスタ
28…商品マスタ
30…SS端末
30…ユーザ端末
31…入力装置
32…プリンタ
40…ユーザ端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスステーションで実施される車両の点検整備に関する情報を管理するシステムであって、ネットワーク(データ通信ネットワーク)に接続されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の点検整備制度に関する規制緩和措置により、従来義務づけられていた車両の6ヶ月法定点検が廃止され、12ヶ月法定点検が大幅に簡素化された。それとともに、車両の保守管理責任がユーザ自身にあることが明確化され、ユーザの判断により車両の点検整備を行うことの重要性が高まった。
【0003】
車両の点検整備は、カーディーラや車両整備工場に限らず、サービスステーション(以下、SSと称す)やカー用品ショップ等でも実施される。このうち、SSは、全国に約47,000店存在し、ユーザが給油のために比較的高い頻度(例えば月に1〜2回程度)で利用する場所である。そのため、SSでの車両点検整備のサービスは、ユーザにとって手軽に利用しやすいものである。
【0004】
従来より、SSで実施される点検整備の結果を、インターネット等のネットワークを利用して、パソコンや携帯電話などの端末から閲覧可能にする車両点検整備情報管理システムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムにより、ユーザ自らがSSで実施された車両の点検整備の結果やその履歴を容易に確認することができ、ユーザの車両点検整備に対する意識が向上する。
【0005】
SSでの車両点検整備のサービスは、SS側にとっては、燃料油以外の商品(例えばタイヤやエンジンオイル等)の販売や、有料の整備サービスの受注などに繋がるというメリットがある。
【0006】
【特許文献1】特開2002-92213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記車両点検整備情報管理システムでは、ユーザの氏名等の個人情報が記録された給油カードを用いて、点検整備された車両のユーザを判別する。そのため、ユーザは上記システムを利用するためにSSにて給油カードの発行手続を行うことになる。しかし、その手続は煩わしく、また、個人情報を提供しなければならないため、手続をためらうユーザもいる。
【0008】
ユーザがSSで給油カードの発行手続を行う代わりに、ネットワークに接続されたユーザ端末からシステムの利用に必要な情報を入力し、システムへの登録手続を行うことも考えられる。このとき、少なくともユーザの車両を特定するための情報が必要である。そのような情報としてはナンバープレートに記載された数字や文字を用いることが一般的である。しかし、ナンバープレートの情報は車両を見れば第三者が容易に入手することができるものであるため、第三者がネットワークに接続された端末から他人のナンバープレート情報を勝手に登録したり、他人の車両の点検整備結果等を不正に閲覧するおそれがある。
【0009】
本発明は以上のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、システムの利用に必要な登録手続をSSで行う必要がなく、個人情報の扱いに配慮がなされており、第三者が他人の車両に関する情報を不正に登録したり閲覧したりすることを防ぐことができる車両点検整備情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る車両点検整備情報管理システムは、
サービスステーションに設置され、ネットワークに接続されており、該サービスステーションで点検整備された車両の車両識別番号及び点検整備データが入力されるSS端末と、
前記ネットワークに接続され、前記車両識別番号、前記点検整備データ及びユーザ固有のアカウントが相互に関連付けられて保存されているデータベースを有するサーバと、
を備える車両点検整備情報管理システムであって、
前記SS端末が、
該SS端末に前記車両識別番号が入力されると、該車両識別番号に対応するアクセスキーを発行するアクセスキー発行手段を備え、
前記サーバが、
前記ネットワークに接続されたユーザ端末から前記アクセスキーを受信すると、該アクセスキーに対応する前記車両識別番号に関連付けられている前記アカウントからのアクセスを許可する認証手段と、
アクセス許可された前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、該アカウントに関連付けられた前記点検整備データを該ユーザ端末に送信する点検整備データ送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記「車両識別番号」は、ナンバープレートや車体番号のように車両の識別に用いられる数字や文字の情報を意味する。また、上記「点検整備データ」は、車両の点検整備項目の点検結果や整備内容、点検整備の作業日・実施場所等に関するデータを意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両点検整備情報管理システムによれば、ユーザはSSで発行されるアクセスキーをネットワークに接続されたユーザ端末に入力するだけで、該端末からユーザの車両に関する点検整備データを閲覧することができるため、SSで煩雑な登録手続を行わなくてもよい。また、本システムはユーザの車両を特定するために個人情報を用いないため、ユーザはSS側に個人情報を提供しなくてもよい。また、ナンバープレート等の車両識別番号がSSに設置された端末から入力されるとともに、その入力により発行されるアクセスキーがないと点検整備データを閲覧することができないため、第三者により車両識別番号が勝手に登録されたり、車両に関する情報が不正に閲覧されることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明の一実施形態である車両点検整備情報管理システムを含むネットワークの概略図を示す。ネットワーク10は、インターネット等の既存のネットワークである。ネットワーク10には、データベースサーバプログラム及びWebサーバプログラムがインストールされたサーバ20と、車両の点検整備サービスが実施される各サービスステーション(SS)に設置され、データベースクライアントプログラムがインストールされたSS端末30と、Webブラウザを備えるパソコンや携帯電話等のユーザ端末40とが接続されている。各SS端末30には、車両識別番号や点検整備データ等を入力するための入力装置31及び点検整備結果等を印刷するためのプリンタ32が接続されている。
【0014】
図2に、サーバ20のデータベースサーバプログラムによって管理されるデータベース21の構成図を示す。データベース21には、車両マスタ22と会員マスタ23が関連付けられて設けられている。車両マスタ22には、点検履歴テーブル24、整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26が関連付けられており、点検履歴テーブル24には点検結果マスタ27が、販売履歴テーブル26には商品マスタ28がそれぞれ関連付けられている。
【0015】
車両マスタ22には、車両識別番号と、後述するアクセスキー及びアクセス許可データが登録される。ここでは車両識別番号として、車両のナンバープレートに記載された数字や文字である車両ナンバを用いるが、車体番号等を用いてもよい。車両マスタ22には、各車両のメーカー名、車種名、形式、車検情報など車両に関する各種情報も登録される。同一の車両の重複登録を防ぐため、車両マスタ22における主キーを車両識別番号に設定することが好ましい。
【0016】
点検履歴テーブル24には、車両点検の作業日、実施場所、実施された点検項目の結果が登録される。点検項目は、例えばタイヤ、ウォッシャ液、ワイパーブレード、バッテリ、ブレーキランプ、エンジンオイル、ラジエータ液、オートマオイル、ブレーキ液などである。点検結果マスタ27には、図3に示すように、点検結果マスタ27の主キー271に対応して、点検項目272と点検の結果273が登録されるとともに、それらに対応するように、定型文であるコメント274及びコメント274をユーザへ伝達すべきかどうかを示す指標である重要度275が登録される。結果273及び重要度275は、数値や○、△、×のように段階的に表現することが好ましい。
【0017】
整備履歴テーブル25には、車両整備の作業日、実施場所、実施内容が登録される。実施内容は、見出しと詳細な内容に分けて登録してもよい。
【0018】
販売履歴テーブル26には、各車両向けに販売された商品の商品識別コード(例えばJANコード)、その販売日などが登録される。商品マスタ28には、商品識別コードに対応する商品名、メーカー名、値段等が登録される。
【0019】
会員マスタ23には、ユーザ固有のアカウントとパスワードが登録される。また、ユーザのメールアドレスや、氏名・住所・電話番号などが登録されてもよい。各アカウントには、車両マスタ22の車両識別番号が1つ又は複数関連付けられる。
【0020】
サーバ20は、データベースサーバプログラムを実行することにより、各SS端末30に入力される車両識別番号及び点検整備データを受信し、それらをデータベース21に登録する機能を実現する。また、データベース21に保存されているデータを各SS端末30に送信する機能、Webサーバプログラムにより指示されるデータの閲覧要請に応じて、データを抽出する機能なども実現する。
【0021】
サーバ20は、Webサーバプログラムを実行することにより、ユーザ端末40からの指示に応じてウェブサイトを表すHTML(HyperText Markup Language)文書や画像等のHTMLデータをユーザ端末40に送信する機能を実現する。また、ユーザ端末40からの指示に応じてデータベースサーバプログラム用の命令文を作成する機能、データベース21から抽出されたデータをWebブラウザで閲覧可能な形態に変換しユーザ端末40に送信する機能なども実現する。
【0022】
SS端末30に接続された入力装置31は一般的なキーボードやマウス等でもよいが、点検整備データを点検整備の作業場所で入力するためには、SS端末30との間で無線通信が可能なPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末であることが好ましい。
【0023】
SS端末30にはデータベースクライアントプログラムによって管理されるSS用データベースが設けられている。SS用データベースは、サーバ20のデータベース21に設けられた車両マスタ22、点検履歴テーブル24、整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26、点検結果マスタ27及び商品マスタ28と同じものを含む。なお、会員マスタ23は個人情報を含むことがあるため、個人情報の漏洩の可能性を減らすためにSS用データベースには含めないことが好ましい。
【0024】
SS端末30は、データベースクライアントプログラムを実行することにより、入力装置31により入力されるデータをSS用データベースに登録する機能、サーバ20とデータ通信を行い、各データベースの共通するマスタ及びテーブルを同期させる機能などを実現する。
【0025】
本実施形態の車両点検整備情報管理システムを利用するには、ユーザは本システムにアカウントを登録する。その手順は従来より知られている任意の方法を用いればよい。その後、次のように車両ナンバの仮登録を行う。
【0026】
図4は車両ナンバの仮登録手順を示すフローチャートである。ユーザは登録されたアカウントを用いてユーザ端末40から本システムにログインし、ユーザ端末40に会員専用画面を表示させる(ステップS11)。ユーザ端末40は、ユーザによりその画面内の新規車両情報登録ボタンがクリックされると、そのボタンに対応するURL(Uniform Resource Locator)をサーバ20に送信する(ステップS12)。サーバ20はそのURLを受信すると、図5に示す車両ナンバ仮登録用画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS31)。ユーザ端末40はその画面を表示し、車両ナンバ入力ボックス50に車両ナンバが入力され、仮登録ボタン51がクリックされると、入力された車両ナンバをサーバ20に送信する(ステップS13)。サーバ20は受信した車両ナンバをデータベース21に登録し(ステップS32)、図6に示すような、仮登録された車両ナンバ52が記載された会員専用画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS33)。ユーザ端末40はその画面を表示し(ステップS14)、車両ナンバが本システムに仮登録されたことをユーザに伝える。サーバ20は、登録された車両ナンバを各SS端末30に送信する(ステップS34)。SS端末30は受信した車両ナンバをSS用データベースに登録する(ステップS51)。
【0027】
次に、システムは仮登録された車両ナンバに対応するアクセスキーを発行し、そのアクセスキーを用いて車両ナンバの本登録を行う。図7はアクセスキーの発行及び車両ナンバの本登録の手順を示すフローチャートである。上記のようにユーザの車両の車両ナンバが仮登録された後、その車両がSSにて点検整備されると、SS端末30にその車両の車両ナンバと点検整備結果(点検整備データ)が入力される(ステップS52)。SS端末30は入力された点検整備データを車両ナンバに関連付けてSS用データベースに登録する(ステップS53)。SS端末30は、車両ナンバに対応するアクセスキーを作成し(ステップS54)、そのアクセスキーと点検整備データを含む印刷用データを作成し、その印刷用データを用いてプリンタ32から点検整備結果シートを印刷する(ステップS55)。このとき、点検整備データとともに又はその代わりに、SS用データベースの点検結果マスタ27に登録されているコメント274を印刷してもよい。更に、点検結果マスタ27に登録されている重要度275をもとに、重要度の高いコメント274のみを選択的に印刷してもよい。点検整備結果シートには、QRコード等の二次元コードで本システムのウェブサイトのURL等を表記してもよい。
【0028】
SS端末30はサーバ20に、車両ナンバ、点検整備データ及びアクセスキーを送信する(ステップS56)。サーバ20は受信した点検整備データ及びアクセスキーを車両ナンバに関連付けてデータベース21に登録する(ステップS35)。このとき、点検整備データのうち、点検に関するデータは点検履歴テーブル24に、整備に関するデータは整備履歴テーブル25に登録される。アクセスキーは車両マスタ22に登録される。
【0029】
ユーザは前記ステップS14で表示された会員専用画面(図6)をユーザ端末40に表示させる(ステップS15)。ユーザ端末40はアクセスキー入力用テキストボックス53にアクセスキーが入力され、本登録ボタン54がクリックされると、入力されたアクセスキーをサーバ20に送信する(ステップS16)。サーバ20は受信したアクセスキーと、ステップS35で登録されたアクセスキーを照合し(ステップS36)、それらが一致していれば車両ナンバに対応するアクセス許可データを車両マスタ22に登録する(ステップS37)。このアクセス許可データは、車両ナンバに関連付けられた点検整備データの閲覧を許可するためのフラグである。サーバ20は本登録された車両ナンバが記載された会員専用画面(図8)のHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS38)。ユーザ端末40はその会員専用画面を表示し(ステップS17)、車両ナンバ52が本システムに本登録されたことをユーザに伝える。サーバ20はアクセス許可データをSS端末30に送信する(ステップS39)。SS端末30は受信したアクセス許可データをSS用データベースに登録する(ステップS57)。
【0030】
ユーザにより各会員専用画面の上部にある点検履歴照会ボタン55がクリックされると、ユーザ端末40には図9に示す点検履歴照会画面が表示される。この例ではユーザのアカウントに登録されている3台の車両の車両ナンバ52a、52b、52cが表示されている。
この画面で、車両ナンバ毎に設けられている詳細ボタン56がクリックされると、その車両に関する点検履歴一覧画面(図10)が表示される。この画面では、点検が実施された作業日57、実施店舗58、各点検項目の結果59が一覧表示される。これらはサーバ20のデータベース21の点検履歴テーブル24から抽出されたものである。結果59については点検項目毎に○、△、×のように表示させることが好ましい。これにより、点検結果をユーザが視覚的に容易に確認することができる。
更に、作業日毎に設けられた詳細表示ボタン60がクリックされると、図11に示す点検詳細画面が表示される。この例では、図10においても表示された結果59とともに、その詳細な内容を示す詳細結果61が表示されている。具体的には、タイヤの溝・ヒビ・圧力の状態、バッテリの液量・交換時期・負荷電圧、及び、エンジンオイルの液量・交換時期等が表示されている。これらはサーバ20のデータベース21の点検履歴テーブル24から抽出されたものである。また、結果59に対応するコメント62も表示されている。コメント62は、点検結果マスタ27から抽出されたものである。
【0031】
ユーザにより各会員専用画面の上部にある整備履歴照会63ボタンがクリックされると、ユーザ端末40には図12に示す整備履歴照会画面が表示される。ここで、プルダウンリスト64より閲覧したい車両ナンバを選択すると、その車両の整備履歴(作業日、実施場所、実施内容等)が表示される。この例では、SSで実施された整備については詳細表示ボタン65が設けられており、詳細表示ボタン65がクリックされると、図13に示す整備結果詳細画面が表示される。ここでは、SSで実施された整備の詳細内容66が表示される。
【0032】
ユーザが車両の点検整備をSS以外の場所で行った場合、本システムではその点検整備データも登録することができる。図14はユーザによる車両の整備データの入力手順を示すフローチャートである。ユーザにより各会員専用画面の上部にある整備履歴照会ボタン63がクリックされると、ユーザ端末40は図12に示した整備履歴照会画面を表示する(ステップS18)。ここでユーザ整備入力ボタン67がクリックされると、ユーザ端末40はそのボタンに対応するURLをサーバ20に送信する(ステップS19)。サーバ20は図15に示すユーザ整備登録画面を表すHTMLデータをユーザ端末40に送信する(ステップS40)。ユーザ端末40はその画面を表示し、ユーザによりプルダウンリスト64から車両ナンバが選択され、総メータ数・整備実施日・整備実施場所・整備実施内容に関するテキストボックス68にデータが入力されて、登録ボタン69がクリックされると、それらのデータ(整備データ)がサーバ20に送信される(ステップS20)。サーバ20は受信した整備データを整備履歴テーブル25に登録する(ステップS41)。サーバ20はその整備データをSS端末30に送信する(ステップS42)。SS端末30は受信した整備データをSS用データベースに登録する(ステップS58)。
なお、ここではユーザによる整備データの登録手順を説明したが、ユーザによる点検データの登録手順も同様に行うことができる。
【0033】
本システムのユーザがSSにてタイヤ等の各種商品を購入した場合には、その内容がSS端末30に入力されて、SS用データベースの販売履歴テーブルに登録される。その後、そのデータはサーバ20に送信され、サーバ20のデータベース21に設けられた販売履歴テーブル26にも登録される。SS端末30への登録には各商品の商品識別コードをバーコードリーダ等により読み取ることが好ましい。
【0034】
本システムは、ユーザが氏名や住所などの個人情報を入力しなくても利用可能ではあるが、ユーザが個人情報の提供に同意すれば、個人情報をデータベース21の会員マスタ23に登録してもよい。その際には、ユーザはユーザ端末40に表示された各会員専用画面の上部にあるお客様情報ボタン70をクリックし、入力画面を表示させ、個人情報を入力する。ユーザ端末40は入力された個人情報のデータをサーバ20に送信する。サーバ20はそのデータを会員マスタ23に登録する。個人情報の登録をこのように行えば、個人情報がSSの店員の目に触れることがないため、ユーザは安心して個人情報の登録を行うことができる。また、本システムに個人情報を登録し、ユーザの連絡先が分かるようにしておけば、例えば点検履歴テーブル24や整備履歴テーブル25、販売履歴テーブル26等に保存されているデータに基づいてユーザに点検整備の実施を促すことや、交換時期が近づいている商品を知らせることを電子メールや郵便等により送ることができる。
【0035】
ユーザが車両の点検整備を依頼した場合や、商品を購入した場合などに、SSで所定のサービス(例えば商品の購入や割引、有料サービスの利用等)を受けられるポイントをユーザの車両ナンバ毎又はユーザのアカウント毎に付与してもよい。そのポイントは、車両マスタ22、販売履歴テーブル26又は会員マスタ23等に登録する。ポイントの残高はユーザ端末40から閲覧可能にすることが好ましい。本システムにこのようなポイントシステムを導入すれば、ユーザがSS端末30が設置されたSSに繰り返し来店することを期待することができ、燃料油やその他の商品の販売に繋がる。
【0036】
会員マスタ23において、1つのアカウントに複数の車両ナンバを関連付けておけば、例えばユーザの家族が所有する複数の車両や、事業所が所有する複数の車両に関する点検整備データを1つのアカウントで一括管理することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0037】
上記実施形態は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。例えば、サーバ20からユーザ端末40に送信されるデータは、Webブラウザではなく専用のソフトウェアにより表示されるものでもよい。上記実施形態では、ユーザの車両ナンバが仮登録された後に車両の点検整備が実施され、その後に車両ナンバが本登録されるが、車両の点検整備の後に車両ナンバを登録してもよい。サーバ20にデータベースクライアントプログラムをインストールし、サーバ20とは別の第2のサーバにデータベースサーバプログラムをインストールして、第2のサーバに保存されているデータをサーバ20及びSS端末30に保存されているデータと同期させてもよい。データの同期は、各サーバ及びSS端末の間で定期的に更新データ(差分データ)をやり取りすることで行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態である車両点検整備情報管理システムを含むネットワークの概略図。
【図2】サーバのデータベースサーバプログラムによって管理されるデータベースの構成図。
【図3】点検結果マスタの一例を示す図。
【図4】車両ナンバの仮登録手順を示すフローチャート。
【図5】車両ナンバ仮登録用画面を示す図。
【図6】仮登録された車両ナンバが記載された会員専用画面を示す図。
【図7】アクセスキーの発行及び車両ナンバの本登録の手順を示すフローチャート。
【図8】仮登録された車両ナンバが記載された会員専用画面を示す図。
【図9】点検履歴照会画面を示す図。
【図10】点検履歴一覧画面を示す図。
【図11】点検詳細画面を示す図。
【図12】整備履歴照会画面を示す図。
【図13】整備結果詳細画面を示す図。
【図14】ユーザによる車両の整備データの入力手順を示すフローチャート。
【図15】ユーザ整備登録画面を示す図。
【符号の説明】
【0039】
10…ネットワーク
20…サーバ
21…データベース
22…車両マスタ
23…会員マスタ
24…点検履歴テーブル
25…整備履歴テーブル
26…販売履歴テーブル
27…点検結果マスタ
28…商品マスタ
30…SS端末
30…ユーザ端末
31…入力装置
32…プリンタ
40…ユーザ端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスステーションに設置され、ネットワークに接続されており、該サービスステーションで点検整備された車両の車両識別番号及び点検整備データが入力されるSS端末と、
前記ネットワークに接続され、前記車両識別番号、前記点検整備データ及びユーザ固有のアカウントが相互に関連付けられて保存されているデータベースを有するサーバと、
を備える車両点検整備情報管理システムであって、
前記SS端末が、
該SS端末に前記車両識別番号が入力されると、該車両識別番号に対応するアクセスキーを発行するアクセスキー発行手段を備え、
前記サーバが、
前記ネットワークに接続されたユーザ端末から前記アクセスキーを受信すると、該アクセスキーに対応する前記車両識別番号に関連付けられている前記アカウントからのアクセスを許可する認証手段と、
アクセス許可された前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、該アカウントに関連付けられた前記点検整備データを該ユーザ端末に送信する点検整備データ送信手段と、
を備えることを特徴とする車両点検整備情報管理システム。
【請求項2】
前記データベースにおいて、前記車両識別番号が主キーとして設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項3】
前記データベースにおいて、1つの前記アカウントに対して、複数の車両の前記車両識別番号が関連付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項4】
前記データベースにおいて、前記点検整備データにおける少なくとも一つの点検項目の結果に対応する定型文が登録されているとともに、
前記サーバが、前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、前記定型文を前記点検整備データとともに又は該点検整備データの代わりに前記ユーザ端末に送信する定型文送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項5】
前記サーバが、前記サービスステーション以外で点検整備された車両の点検整備データを前記アカウントが入力された前記ユーザ端末から受信すると、該点検整備データを前記データベースに登録する点検整備データ登録手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項6】
前記サーバが、前記車両のユーザの個人情報を、前記アカウントが入力された前記ユーザ端末から受信すると、該アカウントに関連付けて前記データベースに登録する個人情報登録手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項1】
サービスステーションに設置され、ネットワークに接続されており、該サービスステーションで点検整備された車両の車両識別番号及び点検整備データが入力されるSS端末と、
前記ネットワークに接続され、前記車両識別番号、前記点検整備データ及びユーザ固有のアカウントが相互に関連付けられて保存されているデータベースを有するサーバと、
を備える車両点検整備情報管理システムであって、
前記SS端末が、
該SS端末に前記車両識別番号が入力されると、該車両識別番号に対応するアクセスキーを発行するアクセスキー発行手段を備え、
前記サーバが、
前記ネットワークに接続されたユーザ端末から前記アクセスキーを受信すると、該アクセスキーに対応する前記車両識別番号に関連付けられている前記アカウントからのアクセスを許可する認証手段と、
アクセス許可された前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、該アカウントに関連付けられた前記点検整備データを該ユーザ端末に送信する点検整備データ送信手段と、
を備えることを特徴とする車両点検整備情報管理システム。
【請求項2】
前記データベースにおいて、前記車両識別番号が主キーとして設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項3】
前記データベースにおいて、1つの前記アカウントに対して、複数の車両の前記車両識別番号が関連付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項4】
前記データベースにおいて、前記点検整備データにおける少なくとも一つの点検項目の結果に対応する定型文が登録されているとともに、
前記サーバが、前記アカウントが入力された前記ユーザ端末からの指示に応じて、前記定型文を前記点検整備データとともに又は該点検整備データの代わりに前記ユーザ端末に送信する定型文送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項5】
前記サーバが、前記サービスステーション以外で点検整備された車両の点検整備データを前記アカウントが入力された前記ユーザ端末から受信すると、該点検整備データを前記データベースに登録する点検整備データ登録手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【請求項6】
前記サーバが、前記車両のユーザの個人情報を、前記アカウントが入力された前記ユーザ端末から受信すると、該アカウントに関連付けて前記データベースに登録する個人情報登録手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両点検整備情報管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−282655(P2009−282655A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132687(P2008−132687)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(505126322)藤野商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(505126322)藤野商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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