説明

サービス提供システム

【課題】携帯電話機などの公衆無線通信端末装置を用いてサービスの提供を受けるサービス提供システムに関し、システムを容易に実現できるサービス提供システムを提供する。
【解決手段】近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置111と、サービス提供装置111に個別に割り当てられた無線タグ112と、公衆無線通信網を介して交信可能とされ、サービス提供装置111と近距離無線通信により交信可能とされ、無線タグ112からデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置113と、公衆無線通信端末装置113と公衆無線通信網115を介して交信可能とされたサーバ114とから構成され、公衆無線通信端末装置113は無線タグ112から得られるサーバ114の特定アドレス情報とサービス提供装置111の特定アドレス情報を使って、サーバ114から取得した操作情報に基づいてサービス提供装置111を操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサービス提供システムに係り、特に、携帯電話機などの公衆無線通信端末装置を用いてサービスの提供を受けるサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の普及にともない、携帯電話機を用いたサービス提供システムが開発されている。携帯電話機を用いたサービス提供システムとしては、例えば、携帯電話機に無線タグ(RFID)リーダを内蔵し、携帯電話機によりサービス提供装置に添付された無線タグから情報を読み取り、読み取った情報に基づいて携帯電話機によりサービス提供サイトにアクセスし、サービス提供サイトからサービス提供装置を起動するサービス提供システムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−145519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、従来のサービス提供システムでは、サービス提供装置とサービス提供サイトを提供するサーバとでデータ通信を行う必要があるため、サービス提供装置を公衆回線網に接続する必要があった。このため、サービス提供装置を容易に設置することができなかった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、システムを容易に実現できるサービス提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、公衆無線通信網を介して交信可能とされ、サービス提供装置と近距離無線通信により交信可能とされ、無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、公衆無線通信端末装置と公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、公衆無線通信端末装置は無線タグの読み取り動作が行なわれたときにサーバを特定する第1のアドレス情報及びサービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを無線タグから読み取り、第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバと公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、第2のアドレス情報に基づいて特定されたサービス提供装置と近距離無線通信により交信を行い、サーバから取得した操作情報に基づいてサービス提供装置を操作することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、公衆無線通信網を介して交信可能とされ、サービス提供装置と近距離無線通信により交信可能とされ、無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、公衆無線通信端末装置と公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、公衆無線通信端末装置は無線タグの読み取り動作が行なわれたときに自己を特定するIDを含むデータを無線タグから読み取り、IDをキーとしてデータベースを索引し、サーバを特定する第1のアドレス情報及びサービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを取得し、第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバと公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、第2のアドレス情報に基づいて特定されたサービス提供装置と近距離無線通信により交信を行い、サーバから取得した操作情報に基づいてサービス提供装置を操作することを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明は、近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、公衆無線通信網を介して交信可能とされ、サービス提供装置と近距離無線通信により交信可能とされ、無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、公衆無線通信端末装置と公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、公衆無線通信端末装置は無線タグの読み取り動作が行なわれたときにサーバを特定する第1のアドレス情報及び自己を特定するIDを含むデータを無線タグから読み取り、第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバにおいてIDをキーとしてデータベースを索引し、サービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを取得し、第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバと公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、第2のアドレス情報に基づいて特定されたサービス提供装置と近距離無線通信により交信を行い、サーバから取得した操作情報に基づいてサービス提供装置を操作することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、請求項1乃至3の発明において、公衆通信網を介してサーバと交信可能とされ、かつ、近距離無線通信によりサービス提供装置と交信可能とされた公衆通信端末装置を有し、公衆無線通信端末装置はサーバと公衆無線通信網を介して交信を行い、サーバは公衆通信端末装置と公衆通信網を介して交信を行い、公衆通信端末装置はサービス提供装置と近距離無線通信により交信を行い、サーバから取得した操作情報に基づいてサービス提供装置を操作することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、請求項1乃至4の発明において、サービス提供装置は電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠であり、サーバは電子錠の施錠、解錠を管理する錠管理サーバであり、サーバである錠管理サーバから取得した錠操作情報に基づいてサービス提供装置である電子錠を施錠又は解錠することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、請求項1乃至5の発明において、サービス提供装置は電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた通い箱であり、サーバは通い箱の送り側において公衆無線通信端末装置により無線タグからデータを読み取ったときに、サービス提供装置である通い箱の電子錠を施錠し、サーバは通い箱の受け側において、予め指定された公衆無線通信端末装置により無線タグからデータを読み取ったときに、サービス提供装置である通い箱の電子錠を解錠することを特徴とする。
【0011】
本発明は、請求項1乃至5の発明において、サービス提供装置は電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた格納庫であり、無線タグは格納庫毎に貼付されており、サーバは公衆無線通信端末装置により無線タグからデータを読み取ったときに、無線タグに対応するサービス提供装置である格納庫の電子錠を施錠、又は、解錠することを特徴とする。
【0012】
本発明は、請求項1乃至4の発明において、サービス提供装置はバイタルセンサであり、サーバは公衆無線通信端末装置により無線タグからデータを読み取ったときに、バイタルセンサを操作し、バイタルセンサからデータを読み取らせ、送信させることを特徴とする。
【0013】
本発明は、請求項1乃至4の発明において、サービス提供装置はビデオ端末装置であり、サーバは公衆無線通信端末装置により無線タグからデータを読み取ったときに、サービス提供装置であるビデオ端末装置を操作可能とすることを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項1乃至9の発明において、無線タグに代えて、バーコードを設け、公衆無線通信端末装置は無線タグの読み取りに代えてバーコードを読み取り可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、公衆無線通信網を介して交信可能とされ、サービス提供装置と近距離無線通信により交信可能とされ、無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、公衆無線通信端末装置と公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、公衆無線通信端末装置は無線タグの読み取り動作が行なわれたときにサーバを特定する第1のアドレス情報及びサービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを無線タグから読み取り、第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバと公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、第2のアドレス情報に基づいて特定されたサービス提供装置と近距離無線通信により交信を行い、サーバから取得した操作情報に基づいてサービス提供装置を操作することにより、操作を容易に行なえ、サービス提供装置は比較的低電力で交信可能な近距離無線通信により通信でき、通信ケーブルなどが不要となるので、設置を容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施例〕
〔システム構成〕
図1は本発明の第1実施例のシステム構成図を示す。
【0017】
本実施例のサービス提供システム100は、請求項1に記載のサービス提供システムに相当しており、サービス提供装置111、無線タグ112、公衆無線通信端末装置113、サーバ114、公衆無線通信網115から構成されている。
【0018】
サービス提供装置111は、例えば、無線LAN、ブルートゥース、Zigbee、赤外線インタフェースなどの近距離無線通信方式により交信が可能な構成とされている。無線タグ112は、誘導電磁界又は電波によって、非接触で半導体メモリのデータを読み出し、書き込みを可能とする、いわゆる、RFタグや非接触ICカードなどから構成されており、サービス提供装置111に個別に割り当てられている。
【0019】
公衆無線通信端末装置113は、例えば、携帯電話機やPDAなどの携帯無線通信機器であり、無線タグ112からデータを読み取り可能な構成とされている。サーバ114は、コンピュータシステムであり、公衆無線通信網115を介して公衆無線端末装置113と交信が可能な構成とされている。
【0020】
〔動作〕
図2は本発明の第1実施例の動作説明図を示す。
【0021】
ステップS1−1で公衆無線通信端末装置113により無線タグ112の読み取り動作が行なわれると、無線タグ112はステップS1−2でデータを公衆無線通信端末装置113に送信する。なお、このとき、無線タグ112から公衆無線通信端末装置113に送信されるデータは、サーバ114を特定するための第1のアドレス情報及びサービス提供装置111を特定するための第2のアドレス情報を含んでいる。
【0022】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−3で無線タグ112から第1のアドレス情報と第2のアドレス情報とを含むデータを受信すると、ステップS1−4で第1のアドレス情報に基づいて特定されるサーバ114に対して公衆無線通信網115を介して交信要求を発行する。
【0023】
サーバ114は、ステップS1−5で公衆無線通信端末装置113との通信が確立すると、サーバ114と公衆無線通信端末装置113とは、ステップS1−6、S1−7で交信を行なう。
【0024】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−8でユーザによるキースイッチ、ポインタなどの操作によってサービス提供装置111を操作するための要求入力があると、ステップS1−9で要求入力をサーバ114に送信する。
【0025】
サーバ114は、ステップS1−10で公衆無線通信端末装置113からの要求入力を受信すると、ステップS1−11で、要求入力に応じており、かつ、第2のアドレス情報に基づいて特定されるサービス提供装置111に宛てたコマンドを作成し、ステップS1−12でコマンドを公衆無線通信端末装置113に送信する。
【0026】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−13でサーバ114からコマンドを受信すると、ステップS1−14でコマンドをサービス提供装置111に近距離無線通信により送信する。
【0027】
サービス提供装置111は、ステップS1−15でコマンドを近距離無線通信により受信すると、ステップS1−16でコマンドに応じた動作、例えば、電子錠であれば、解錠、あるいは施錠を行い、公衆無線通信端末装置113に近距離無線通信により応答を返す。
【0028】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−14でサービス提供装置111から応答を受信すると、サーバ114に公衆無線通信網115を介して応答を返す。
【0029】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−17でサービス提供装置111の操作が終了し、サーバ114との交信終了が指示されると、ステップS1−18でサーバ114に対して交信終了要求を送信して、サーバ114との交信を終了する。
【0030】
サーバ114は、ステップS1−19で公衆無線通信端末装置113から交信終了要求を受信すると、公衆無線通信端末装置113との交信を終了する。
【0031】
なお、ステップS1−6、S1−7で行なわれる公衆無線通信端末装置113とサーバ114との交信により、サーバ114の各種設定が可能とされている。また、本実施例では、ステップS1−7で行なわれる交信、及び、ステップS1−8で行なわれる要求入力、並びに、ステップS1−9で行なわれる要求送信は説明を分かりやすくするために分離した記載としているが、例えば、要求を入力した後にサーバの要求により暗礁番号の入力をする場合などの動作も考えられ、現実には、これらのステップS1−7、S1−8、S1−9は一体的なものであり、混合している場合が多い。
【0032】
〔効果〕
サービス提供装置111は、近距離無線通信を行う装置が設けられていれば、公衆無線通信網、あるいは、公衆通信網と通信を行うための手段は不要となるので、サービス提供装置111の設置が容易に行なえる。また、このとき、近距離無線通信では、公衆無線通信網、あるいは、公衆通信網と通信を行う場合に比べて消費電力が小さくて済むので、二次電池や太陽電池などによって駆動が可能となる。
【0033】
〔第2実施例〕
〔構成〕
図3は本発明の第2実施例のシステム構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
本実施例では無線タグ112には、自己を特定するIDのみが記憶させている。また、公衆無線通信網115を介して公衆無線通信端末装置113と交信可能とされたデータベース211を索引可能な構成とされている。データベース211は、IDをキーとしてサーバ114を特定する第1のアドレス情報及びサービス提供装置111を特定する第2のアドレス情報を含むデータを索引可能な構成とされている。
【0035】
〔動作〕
図4は本発明の第2実施例の動作説明図を示す。同図中、図2と同一処理ステップには同一符号を付し、その説明は省略する。
【0036】
本実施例では、公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−3で無線タグ112から自己を特定するIDを含むデータを受信すると、ステップS2−1でデータベース211に対してIDをキーとしてデータベース索引する要求を行なう。データベース211は、ステップS2−2で公衆無線端末装置113からの要求に応じて無線タグ112のIDをキーとしてデータベース211を索引する。
【0037】
データベース211は、ステップS2−3で、索引の結果、第1のアドレス情報及び第2のアドレス情報を含むデータを取得すると、ステップS2−4で第1のアドレス情報及び第2のアドレス情報を含むデータを公衆無線通信端末装置113に送信する。
【0038】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS2−5でデータベース211から第1のアドレス情報及び第2のアドレス情報を含むデータを受信すると、ステップS1−4でデータベース211の索引の結果得られた第1のアドレス情報に基づいて特定されるサーバ114に交信要求を行なう。また、公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−14でデータベース211の索引の結果得られた第2のアドレス情報に基づいて特定されるサービス提供装置111にコマンドを送信することになる。
【0039】
〔第3実施例〕
〔構成〕
図5は本発明の第3実施例のブロック構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
本実施例では、無線タグ112にサーバ113を特定する第1のアドレス情報と自己を特定するIDを記憶させておく。また、サーバ113は、第1のアドレス情報により特定され、IDをキーとして第2のアドレス情報を取得可能なデータベース311を索引可能な構成とされている。
【0041】
〔動作〕
図6は本発明の第3実施例の動作説明図を示す。同図中、図2と同一処理ステップには同一符号を付し、その説明は省略する。
【0042】
公衆無線通信端末装置113は、ステップS1−4で第1のアドレス情報に基づいて特定されたサーバ114に交信要求、及び、IDを送信する。サーバ113は、ステップS1−5で公衆無線通信端末装置114からの交信要求に基づいて通信が確立すると、ステップS3−1でIDをキーとしてデータベース311を索引する。
【0043】
サーバ113は、ステップS3−2でデータベース311の索引の結果、第2のアドレス情報を含むデータを取得する。
【0044】
〔第4実施例〕
〔構成〕
図7は本発明の第4実施例のシステム構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
本実施例のサービス提供システム400は、公衆無線通信端末装置113により直接、サービス提供装置111と交信を行なえない場合などに有効となる構成であり、公衆通信網415によりサーバ114と交信可能とされ、かつ、近距離通信によりサービス提供装置111と交信可能とされた公衆通信端末装置411を有する。公衆通信端末装置411は、例えば、固定電話機などであり、通常の公衆通信網415による通信に加えて、無線LAN、ブルートゥース、Zigbee、赤外線インタフェースなどの近距離無線通信方式により交信が可能な構成とされている。なお、公衆通信端末装置411は、サービス提供装置111と近距離無線通信が可能な距離に配置されている。
【0046】
〔動作〕
図8は本発明の第4実施例の動作説明図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0047】
本実施例では、公衆無線通信端末装置113とサービス提供装置111とが近距離無線通信により交信できない距離にある場合などに適用されるものであり、サーバ114はステップS1−10で公衆無線通信端末装置113から要求入力を受信すると、ステップS1−11でコマンドを作成し、ステップS4−1で公衆通信網415を介して公衆通信端末装置411にコマンドを送信する。
【0048】
公衆通信端末装置411は、ステップS4−2でサーバ114からコマンドを受信すると、ステップS4−3で近距離無線通信によりサービス提供装置111にコマンドを送信する。
【0049】
サービス提供装置111は、ステップS1−15でコマンドを近距離無線通信により受信すると、ステップS1−16でコマンドに応じた動作、例えば、電子錠であれば、解錠、あるいは施錠を行い、公衆通信端末装置411に近距離無線通信により応答を返す。
【0050】
公衆通信端末装置411は、ステップS4−3でサービス提供装置111から応答を受信し、サーバ114に公衆通信網415を介して応答を返す。
【0051】
また、サーバ114は、ステップS4−1で公衆通信端末装置411からの応答を受信し、公衆無線通信端末装置113に公衆無線通信網115を介して応答を返す。
【0052】
なお、本実施例では、公衆無線通信端末装置113によりサービス提供装置111を遠隔操作することを前提としており、操作者は直接サービス提供装置111の状態を把握できないため、公衆無線通信端末装置113はサーバ114から応答を受信すると、ステップS4−4で要求動作が終了したと判断し、次の交信を可能としたり、交信を終了可能するように動作する。
【0053】
本実施例のサービス提供システム400では、公衆無線端末装置113は公衆無線通信網115によりサーバ114と交信を行い、サーバ114は公衆通信端末装置411と公衆通信網415を介して交信を行い、公衆通信端末装置411はサービス提供装置111と近距離無線通信により交信を行うことにより、公衆無線通信端末装置113がサービス提供装置111との近距離無線通信が行えない位置にある場合でも、公衆無線通信端末装置113によりサービス提供装置111を操作することが可能となる。
【0054】
なお、本実施例では、第1実施例に公衆通信端末装置411を設けた場合について説明したが、第2、第3実施例でも適用可能であることは言うまでもない。
【0055】
〔適用例〕
上記サービス提供システム100〜400の適用例としては電子錠システム、介護、医療サービス、ビデオ提供サービスなどが考えられる。以下に、代表的な適用例を説明する。
【0056】
〔第1適用例〕
サービス提供システム100〜400を電子錠の施錠、解錠に適用する場合には、サービス提供装置111を電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠とし、サーバ114を電子錠の施錠、解錠を管理する錠管理サーバとし、サーバ114である錠管理サーバから取得した錠操作情報に基づいてサービス提供装置111である電子錠を施錠又は解錠するようにする。
【0057】
このとき、無線タグ112を電子錠に貼付してもよいが、関係者が携帯するようにしてもよい。無線タグ112を関係者が携帯することにより、遠隔操作が可能となるとともに、安全性を高めることができる。さらに、サーバ114にて錠の施錠、解錠の記録をとることができるため、錠の信頼性をより高めることができる。
【0058】
〔第2適用例〕
また、サービス提供システム100〜400を通い箱に適用する場合には、サービス提供装置111を電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた通い箱とし、サーバ114を通い箱の送り側において公衆無線通信端末装置113により無線タグ112からデータを読み取ったときにサービス提供装置111である通い箱の電子錠を施錠し、サーバ114は通い箱の受け側において、予め指定された公衆無線通信端末装置113により無線タグ112からデータを読み取ったときに、サービス提供装置111である通い箱の電子錠を解錠するようにする。なお、解錠の際、第4実施例のように固定電話機などの公衆通信端末装置411を用いることにより、操作を行なう場所が固定電話機設置場所付近に限定されるので、錠の信頼性をより一層高めることができる。
【0059】
このとき、例えば、図2のステップS1−6、S1−7における公衆無線通信端末装置113とサーバ114との交信により、解錠を行なう公衆無線通信端末装置113の設定を行なうことができる。
【0060】
〔第3適用例〕
さらに、サービス提供システム100〜400をコインロッカーなどの格納庫の施錠、解錠に適用する場合には、サービス提供装置111を電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた格納庫とし、無線タグ112は格納庫毎に貼付されており、サーバ114は公衆無線通信端末装置113により無線タグ112からデータを読み取ったときに公衆無線通信端末装置113と交信して無線タグ112に対応するサービス提供装置111である格納庫の電子錠を施錠、又は、解錠するようにする。
【0061】
コインロッカーに適用することにより、コインロッカーと同じ操作性を持たせることができる。すなわち、格納庫単位に同時多重操作が可能となり、また、錠操作と格納庫操作とを同じ場所で行なえ、さらに、誰でも簡単に操作することができるようになる。
【0062】
〔第4適用例〕
また、サービス提供システム100〜400は、電子錠の施錠、解錠だけでなく、介護医療サービスにおいて、個人の血圧、心拍などの生体情報をバイタルセンサなどにより取得し管理するサービスにも適用できる。この場合、サービス提供装置111をバイタルセンサとし、サーバ114を公衆無線通信端末装置113により無線タグ111からデータを読み取ったときに公衆無線通信端末装置113と交信してバイタルセンサを操作し、バイタルセンサからデータを読み取らせ、サーバ114に送信する。サーバ114で個人の生体情報を管理することが可能となる。また、無線タグ111を公衆無線通信端末装置113により読み取ることにより、コンタクトセンターをいつどこでも呼び出すことができる。これによって、独居老人などのへの介護サービスや医療サービスを提供できる。
【0063】
〔第5適用例〕
さらに、サービス提供システム100〜400をビデオ提供サービスに適用する場合には、サービス提供装置111をビデオ端末装置であり、サーバ114は公衆無線通信端末装置113により無線タグ111からデータを読み取ったときに公衆無線通信端末装置113と交信して、サービス提供装置111であるビデオ端末装置を操作可能とし、ビデオ提供サービスを享受できるようにする。また、公衆無線通信端末装置113によりサービス提供装置111であるビデオ端末装置を操作できるだけでなく、サーバ114からビデオなどをサービス提供装置111であるビデオ端末装置に配信するようにすることもできる。
【0064】
このとき、第4実施例で説明したサービス提供システム400を用いることにより、公衆無線通信端末装置113がサービス提供装置111であるビデオ端末装置と近距離無線通信が行なえない場所にあるときでも、サーバ113、ビデオ端末装置に近接して設けられた固定電話機などの公衆通信端末装置411を経由してサービス提供装置111であるビデオ端末装置を制御することができる。
【0065】
〔変形例〕
また、第1乃至第4実施例では、無線タグによりサービス提供を行なっているが、無線タグ112に代えて、2次元バーコードなどのバーコードを設け、公衆無線通信端末装置113を無線タグ112の読み取りに代えてバーコードを読み取り可能とすることにより、第1乃至第4の実施例と同様なサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の動作説明図である。
【図3】本発明の第2実施例のシステム構成図である。
【図4】本発明の第2実施例の動作説明図である。
【図5】本発明の第3実施例のシステム構成図である。
【図6】本発明の第3実施例の動作説明図である。
【図7】本発明の第4実施例のシステム構成図である。
【図8】本発明の第4実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
【0067】
100〜400 サービス提供システム
111 サービス提供装置、112 無線タグ、113 公衆無線通信端末装置
114 サーバ、115 公衆無線通信網
211、311 データベース
411 公衆通信端末装置、415 公衆通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、
前記サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、
公衆無線通信網を介して交信可能とされ、前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信可能とされ、前記無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、
前記公衆無線通信端末装置と前記公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、
前記公衆無線通信端末装置は、前記無線タグの読み取り動作が行なわれたときに前記サーバを特定する第1のアドレス情報及び前記サービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを前記無線タグから読み取り、前記第1のアドレス情報に基づいて特定された前記サーバと前記公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、前記第2のアドレス情報に基づいて特定された前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信を行い、前記サーバから取得した操作情報に基づいて前記サービス提供装置を操作することを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、
前記サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、
公衆無線通信網を介して交信可能とされ、前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信可能とされ、前記無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、
前記公衆無線通信端末装置と前記公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、
前記公衆無線通信端末装置は、前記無線タグの読み取り動作が行なわれたときに自己を特定するIDを含むデータを前記無線タグから読み取り、前記IDをキーとしてデータベースを索引し、前記サーバを特定する第1のアドレス情報及び前記サービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを取得し、前記第1のアドレス情報に基づいて特定された前記サーバと前記公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、前記第2のアドレス情報に基づいて特定された前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信を行い、前記サーバから取得した操作情報に基づいて前記サービス提供装置を操作することを特徴とするサービス提供システム。
【請求項3】
近距離無線通信により交信可能とされたサービス提供装置と、
前記サービス提供装置に個別に割り当てられた無線タグと、
公衆無線通信網を介して交信可能とされ、前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信可能とされ、前記無線タグからデータを読み取り可能とされた公衆無線通信端末装置と、
前記公衆無線通信端末装置と前記公衆無線通信網を介して交信可能とされたサーバとを有し、
前記公衆無線通信端末装置は、前記無線タグの読み取り動作が行なわれたときに前記サーバを特定する第1のアドレス情報及び自己を特定するIDを含むデータを前記無線タグから読み取り、前記第1のアドレス情報に基づいて特定された前記サーバにおいて前記IDをキーとしてデータベースを索引し、前記サービス提供装置を特定する第2のアドレス情報を含むデータを取得し、前記第1のアドレス情報に基づいて特定された前記サーバと前記公衆無線通信網を介して交信を行なうとともに、前記第2のアドレス情報に基づいて特定された前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信を行い、前記サーバから取得した操作情報に基づいて前記サービス提供装置を操作することを特徴とするサービス提供システム。
【請求項4】
公衆通信網を介して前記サーバと交信可能とされ、かつ、前記近距離無線通信により前記サービス提供装置と交信可能とされた公衆通信端末装置を有し、
前記公衆無線通信端末装置は、前記サーバと前記公衆無線通信網を介して交信を行い、
前記サーバは、前記公衆通信端末装置と前記公衆通信網を介して交信を行い、
前記公衆通信端末装置は、前記サービス提供装置と前記近距離無線通信により交信を行い、前記サーバから取得した操作情報に基づいて前記サービス提供装置を操作することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記サービス提供装置は、電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠であり、
前記サーバは、前記電子錠の施錠、解錠を管理する錠管理サーバであり、
前記サーバである錠管理サーバから取得した錠操作情報に基づいて前記サービス提供装置である前記電子錠を施錠又は解錠することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記サービス提供装置は、電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた通い箱であり、
前記サーバは、前記通い箱の送り側において前記公衆無線通信端末装置により前記無線タグからデータを読み取ったときに、前記サービス提供装置である通い箱の前記電子錠を施錠し、
前記サーバは、前記通い箱の受け側において、予め指定された前記公衆無線通信端末装置により前記無線タグからデータを読み取ったときに、前記サービス提供装置である通い箱の前記電子錠を解錠することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記サービス提供装置は、電子的に、施錠、解錠を行なう電子錠が設けられた格納庫であり、
前記無線タグは、前記格納庫毎に貼付されており、
前記サーバは、前記公衆無線通信端末装置により前記無線タグからデータを読み取ったときに、前記無線タグに対応する前記サービス提供装置である格納庫の前記電子錠を施錠、又は、解錠することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記サービス提供装置は、バイタルセンサであり、
前記サーバは、前記公衆無線通信端末装置により前記無線タグからデータを読み取ったときに、前記バイタルセンサを操作し、前記バイタルセンサからデータを読み取らせ、送信させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記サービス提供装置は、ビデオ端末装置であり、
前記サーバは、前記公衆無線通信端末装置により前記無線タグからデータを読み取ったときに、前記サービス提供装置であるビデオ端末装置を操作可能とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のサービス提供システム。
【請求項10】
前記無線タグに代えて、バーコードを設け、
前記公衆無線通信端末装置は、前記無線タグの読み取りに代えて、前記バーコードを読み取り可能としたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項記載のサービス提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−37019(P2007−37019A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221157(P2005−221157)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(599021055)株式会社 アイ・シー・エー (1)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】