説明

サービス提供システム

【課題】ユーザのサービス利用の登録を簡単にできるサービス提供システムを提供すること。
【解決手段】個体識別情報37を記憶し、ユーザによって所持される携帯電話端末9と、前記携帯電話端末9と通信し、パチンコ機3で遊技する前記ユーザに前記携帯電話端末9を通じてサービスを提供するサービス提供サーバ6と、を備えたサービス提供システム1であって、前記携帯電話端末9から個体識別情報37を取得する識別媒体R/W70を有し、前記パチンコ機3に併設されたCRユニット5と、前記サービス提供サーバ6、及び前記CRユニット5と通信可能な店舗サーバ7と、を備え、前記店舗サーバ7は、前記CRユニット5から取得した前記個体識別情報37を前記サービス提供サーバ6に送信し、前記個体識別情報37を記録した携帯電話端末9に対して前記サービスの利用を許可するための登録処理を行う構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機で遊技するユーザを対象にサービスを提供するサービス提供技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機で遊技するユーザに対し、ユーザ個人が遊技を行ったことで発生する遊技履歴をユーザごとに管理し、遊技履歴を管理するサーバにユーザが携帯電話端末等を利用してアクセスすることで簡単に参照できるようにしつつ、更に、遊技履歴を蓄積するごとにポイントを付与し、ポイントの蓄積に応じた特典をユーザが享受できるようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のシステムでは、一般に、遊技機がユーザの遊技履歴を採取し、遊技終了時に遊技履歴、及び管理サーバのネットワークアドレスを符号化した2次元コードを表示し、この2次元コードをユーザが携帯電話端末等で撮影して読み取らせることで、携帯電話端末等から管理サーバに接続し遊技履歴を送信して簡単に登録できるようになっている。
さらに、この種のシステムでは、セキュリティを確保するために、管理サーバに携帯電話端末等からアクセスする際に、会員登録時に登録したID、及びパスワードによる本人認証を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−213700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、ユーザが所持する携帯電話端末が2次元コードの読取機能を有していない場合には、遊技履歴等の登録を行うことができずサービスを受けることができない、といった問題がある。
また、会員登録時には、ID、及びパスワードを携帯電話端末から入力する必要があり、また管理サーバにアクセスするごとにパスワード等の入力が求められるため、操作が煩雑となり、サービス利用促進の妨げとなっている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザのサービス利用の登録を簡単にできるサービス提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、個体識別情報を記憶し、ユーザによって所持されるユーザ所持端末と、前記ユーザ所持端末と通信し、遊技機で遊技する前記ユーザに前記ユーザ所持端末を通じてサービスを提供するサービス提供サーバと、を備えたサービス提供システムであって、前記ユーザ所持端末から個体識別情報を取得する個体識別情報取得手段を有し、前記遊技機に併設された台間機と、前記サービス提供サーバ、及び前記台間機と通信可能な店舗サーバと、を備え、前記店舗サーバは、前記台間機から取得した前記個体識別情報を前記サービス提供サーバに送信し、前記個体識別情報を記録した前記ユーザ所持端末に対して前記サービスの利用を許可するための登録処理を行うことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記遊技機を設置した店舗によって前記ユーザに発行された店舗会員識別情報を記録した店舗会員記録媒体を備え、前記台間機は、前記店舗会員記録媒体から店舗会員識別情報を読み取る店舗会員識別情報読取手段を有し、前記店舗サーバは、前記店舗会員識別情報と前記ユーザの個人情報とを紐付けて管理し、前記登録処理を行うときには、前記店舗会員識別情報に紐付く個人情報を前記個体識別情報とともに前記サービス提供サーバに送信することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記店舗サーバは、前記登録処理が完了している個体識別情報に紐付いた店舗会員識別情報を前記台間機から取得した場合、当該店舗会員識別情報に紐付けて管理している個体識別情報に基づいて、前記個体識別情報の読み取りの有無にかかわらず、サービスのデータを前記サービス提供サーバから受信して前記台間機に送信し、当該台間機を通じて前記ユーザに提供することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記店舗サーバは、前記登録処理が完了している個体識別情報を前記台間機から取得した場合、店舗会員識別情報の読み取りにかかわらず、当該個体識別情報に基づいて、サービスのデータを前記サービス提供サーバから受信して前記台間機に送信し、当該台間機を通じて前記ユーザに提供することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記台間機は、前記遊技機から遊技に関する遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記ユーザの遊技の間に逐次取得した前記遊技情報を前記店舗サーバを通じて前記サービス提供サーバに送信し、前記サービス提供サーバは、前記ユーザの遊技情報を蓄積し、当該蓄積に応じたサービスを提供することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記台間機は、前記遊技機で出現した遊技演出を前記遊技情報取得手段によって取得して前記店舗サーバを通じて前記サービス提供サーバに送信し、前記サービス提供サーバは、出現した遊技演出に応じた価値のサービスを提供することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記サービス提供システムにおいて、前記台間機は、前記ユーザの遊技中に、前記遊技機で出現した遊技演出を前記サービス提供サーバに逐次送信し、前記サービス提供サーバは、出現した遊技演出によって所定の条件が満たされた場合、当該条件に対応して設定されたサービス遊技演出を行うように前記遊技機に指示入力するための指示データを前記店舗サーバを通じて前記台間機に送信し、前記遊技機は、前記ユーザの遊技中に、前記台間機からの前記指示データの入力に基づいて前記サービス遊技演出を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技機に併設された台間機がユーザ所持端末から個体識別情報を取得し、この個体識別情報に基づいて店舗サーバがサービス提供サーバに対して登録処理を行う構成であるため、遊技機で遊技するユーザは、ユーザ所持端末の個体識別情報を台間機に取得させるだけでサービスを利用するための登録処理が完了し、かかる登録を簡単に済ませることができる。また登録以降、ユーザはIDやパスワードの入力等をせずとも、ユーザ所持端末の個体識別情報を用いてサービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るサービス提供システムの全体構成を示す図である。
【図2】パチンコ機、及びCRユニットの機能的構成を示す図である。
【図3】店舗サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】店舗会員データベースのデータ構造の一例を示す模式図である。
【図5】サービス提供サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】戦績データの一例を示す図である。
【図7】機種毎遊技履歴データの一例を示す図である。
【図8】サービス利用の録手順を示すシーケンス図である。
【図9】遊技開始画面の一例を示す図である。
【図10】仮登録画面の一例を示す図である。
【図11】仮登録完了画面の一例を示す図である。
【図12】QRコード表示画面の一例を示す図である。
【図13】ユーザがサービスを利用する場合のCRユニットの動作を示すフローチャートである。
【図14】遊技開始画面の一例を示す図である。
【図15】終了画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、遊技機としてパチンコ機を例にして実施形態を説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るサービス提供システム1の構成を示す図である。
このサービス提供システム1は、パチンコ機3で遊技するユーザからサービス利用の登録を受け付け、登録完了後に、ユーザが所持する携帯電話端末9、及びユーザが遊技しているパチンコ機3に併設されたCRユニット5を通じて、遊技に関連した各種のサービスを提供するシステムである。
すなわち、サービス提供システム1は、図1に示すように、複数の遊技店舗2のそれぞれに設置された上記パチンコ機3と、各パチンコ機3に併置された台間機の一例たるCRユニット5と、各遊技店舗2に設置された店舗サーバ7と、公衆通信回線の一例たるインターネット8を介して各店舗サーバ7と接続されたデータセンタ10と、パチンコ機3で遊技するユーザが所持するユーザ所持端末としての携帯電話端末9と、各携帯電話端末9、及びCRユニット5に対してインターネット8を介して各種のサービスのデータを提供するサービス提供サーバ6と、パチンコ機3の製造メーカによるサービスを提供するメーカ側サーバ22と、を備えている。
【0017】
パチンコ機3は、遊技球を遊技媒体に使用して遊技するものである。このパチンコ機3は、価値を記録した記録媒体たるプリペイド媒体4を遊技者が購入し、或いはプリペイド媒体4に現金をチャージし、該プリペイド媒体4の残価値を対価として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR(Card Reader)機と呼ばれる遊技機である。
パチンコ機3は、プリペイド媒体4を読み取る上記CRユニット5と通信可能に接続され、このCRユニット5と接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0018】
パチンコ機3の構造について詳細には、パチンコ機3は、遊技盤(ゲージ盤)11の前面に前面ガラス12を設け、該前面ガラス12を通じて遊技盤11の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体13を備えている。遊技盤11の遊技領域には、遊技球通過時に賞球が得られる始動口14や入賞口15、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)16と、これら始動口14、入賞口15及び大入賞口16のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆる外れ玉)を遊技領域から遊技盤11の裏側に導いて回収するアウト口17と、多数の障害釘18と、始動口14への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器19とが設けられている。
【0019】
パチンコ機本体13の正面には、遊技球の貸出操作用の貸出スイッチ20A、プリペイド媒体4の返却(遊技終了の指示)操作用の返却スイッチ20B、遊技機液晶表示器19での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン20C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体13の右下には、遊技球を遊技盤11の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル21が設けられている。遊技球発射ハンドル21の操作に伴って発射された遊技球が始動口14を通過したことを契機にパチンコ機3は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器19に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機3は、大入賞口16を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
【0020】
ここで、このパチンコ機3は、所定個数の遊技球をパチンコ機本体13に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体13の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機3は、遊技盤11に発射され、入賞口15等に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及びアウト口17に回収された遊技球(いわゆる外れ玉)をそれぞれ遊技盤11の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機3においては、パチンコ機本体13の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体13の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体13の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス12の下)には、タッチ液晶モジュール23が設けられている。
タッチ液晶モジュール23は、パチンコ機本体13の台枠に一体に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット5の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
【0021】
CRユニット5は、各パチンコ機3の片側に配置され互いに通信可能に接続され、パチンコ機3への遊技球の貸し出しを制御する遊技球貸出装置である。すなわち、CRユニット5は、貸出スイッチ20Aの操作を示す貸出スイッチ押下信号をパチンコ機3から受信すると、プリペイド媒体4の残価値がゼロでない事を条件に、貸出指示信号をパチンコ機3に応答として出力することで、パチンコ機3に遊技球の貸し出しを許可する。
【0022】
プリペイド媒体4にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン4A及びカード型の会員カード4Bが用いられている。会員カード4Bは、遊技店舗2に会員登録しているユーザ(店舗会員)に対して遊技店舗2によって発行されて貸与される店舗会員記録媒体であり、ICコイン4Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与されるビジター用記録媒体である。プリペイド媒体4には、ユーザを一意に識別する情報である店舗会員識別情報24(図2参照)が記録されており、この店舗会員識別情報24には店舗会員番号が用いられている。
【0023】
また、このCRユニット5は、ビジターにICコイン4Aを発行する機能、及び会員カード4Bに残価値をチャージする機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口25、ICコイン4Aを投入するコイン投入口26、ICコイン4Aを排出するコイン排出口27、会員カード4Bを挿入する会員カード挿入口28が設けられている。
CRユニット5は、紙幣挿入口25に紙幣が投入された場合、会員カード4Bが挿入されていないときには、紙幣の価値に応じて残価値を付与したICコイン4Aを新規に発行し、会員カード4Bが挿入されているときには、紙幣の価値に応じて残価値を会員カード4Bの残価値に加算してプリペイド残高をチャージする。
またCRユニット5は、プリペイド媒体4が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール23に表示し、貸出スイッチ20Aの操作により貸玉が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール23に表示し、返却スイッチ20Bが操作されたときにプリペイド媒体4を排出する。
【0024】
これらパチンコ機3、及びCRユニット5の構成について、図2を参照して更に詳述する。
図2は、上記パチンコ機3、及びCRユニット5の機能的構成を示す図である。
パチンコ機3は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板40は、主制御基板とも呼ばれ、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機3は、始動口14、入賞口15及び大入賞口16のそれぞれに遊技球の入賞を検知する入賞検知センサ44を備え、それぞれから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。遊技機メイン基板40は、入賞が検知されるごとに賞球の払い出しを指示する賞球(払出)指示信号を払出制御基板41に出力する。
【0025】
また遊技機メイン基板40は、始動口14への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)45に表示する。特賞当選時には、遊技機メイン基板40は遊技状態を特別遊技状態(いわゆる大当たり遊技状態や確率変動状態、時間短縮遊技状態など)に移行させ、特別遊技状態の終了条件成立に伴って通常の遊技状態に移行する。図柄表示部45は、遊技盤11に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部45では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板40が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板40は、遊技機液晶表示器19や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板42に出力する。
【0026】
さらに遊技機メイン基板40は、パチンコ機3の外部の器機に出力する信号として、外部端子出力信号Sout、及び汎用信号を出力する。外部端子出力信号Soutは、遊技者の遊技の進行に伴う自身の動作に係る情報を外部に通知するための外部出力情報を出力するものである。特に、この外部出力情報には、当落抽選に関する当落抽選関連情報、賞球発生に関する賞球関連情報、及び遊技状態に関する遊技状態情報のそれぞれが含まれている。
当落抽選関連情報には、当落抽選契機となる始動口14への入賞を示す始動入賞信号、パチンコ機3での大当たり発生(当選)を示す大当り信号、当落抽選の結果表示のために図柄を変動表示させている最中であることを示す図柄回転中信号、図柄の変動停止を示す図柄停止信号(いわゆる、スタート信号)が含まれる。
また賞球関連情報には、大入賞口16への入賞を示す大入賞口入賞信号、及び他の入賞口15への入賞を示す周辺入賞信号が含まれている。
遊技状態情報には、パチンコ機3が遊技中に移行した遊技状態(例えば、確率変動遊技状態や時短遊技状態、通常遊技状態、大当たり遊技中である特別遊技状態)を示す遊技状態信号が含まれている。
【0027】
この外部端子出力信号Soutは、遊技機メイン基板40から払出制御基板41を経て後述する遊技機搭載暗号基板56に入力され、この遊技機搭載暗号基板56からCRユニット5に送信される。
CRユニット5等の外部の器機にあっては、当該外部端子出力信号Soutを受信することで、出玉関連情報などに基づいて遊技者の持球やパチンコ機3の差玉を管理できる。
なお、後述するファウル玉(戻り玉)検知センサ50A及びアウト玉検知センサ50Eを遊技機メイン基板40に設けた場合には、ファウル玉の発生を示すファウル玉信号、及びアウト玉の発生を示す外れ玉信号も外部端子出力信号Soutに含めて出力される。
【0028】
汎用信号は、パチンコ機3の状態を外部の既設の器機(例えばデータ表示器やホールコンピュータ等)に知らせる汎用的な信号であり、遊技機メイン基板40から払出制御基板41を経て出力される。
【0029】
払出制御基板41は、遊技機メイン基板40の賞球払出指示信号に基づいて遊技球を払い出す制御を行い、さらに当該遊技球の発射を管理する基板であり、払出制御CPU41Aを備えている。また、払出制御基板41は、CRユニット5との通電状態に基づいて接続状態を監視し、正常に接続されていない(非導通状態)の場合は、遊技球の発射を禁止し、遊技を不能にする。
ここで、このパチンコ機3は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機3の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部46を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット5から貸出(払出)指示信号が後述する遊技機搭載暗号基板56を介して入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を示す貸出(払出)結果信号をCRユニット5に返信する。
【0030】
また、払出制御基板41には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、ファウル玉を検知するファウル玉(戻り玉)検知センサ50A、外れ玉を検知する外れ玉検知センサ50B、発射玉検知センサ50C、玉抜き玉検知センサ50D、及びアウト玉検知センサ50Eの検知信号が入力される。
ファウル玉とは、発射装置(図示略)の発射台に送り込まれて弾発された後、遊技盤11の遊技領域に到達することなく発射レール(図示略)を逆走し、ファウル経路(図示略)を経由して遊技盤11の裏側に回収された遊技球を指す。換言すれば、ファウル玉は、打ち損じにより遊技に供されなかった遊技球とも言える。このファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aは、ファウル経路を通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
外れ玉とは、発射装置(図示略)による弾発によって遊技盤11の遊技領域に投入された後、いずれの入賞口15、16及び始動口14にも入賞せずに、遊技盤11の盤面最下部の上記アウト口17(いわゆる、アウト穴)を通過した遊技球を指す。外れ玉検知センサ50Bは、アウト口17を通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
【0031】
発射玉検知センサ50Cは、遊技球が発射装置(図示略)の発射台に送り出された遊技球(発射玉)として検知するセンサであり、発射台に至る経路を通過する通過センサとして構成されている。発射玉検知センサ50Cが遊技球を検知するごとに、当該遊技球が発射されるものとして、払出制御基板41は発射可能玉数を減算する。
【0032】
玉抜き玉検知センサ50Dは、発射台に送り出された後、遊技中断によって弾発される事なく発射台に残留し、図示せぬ玉抜き機構によって、所定の玉抜き経路(図示略)を通じてパチンコ機本体13の裏側に回収された遊技球(玉抜き玉)を検知するセンサであり、玉抜き経路を通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
アウト玉検知センサ50Eは、各入賞口15、16から回収された遊技球及びアウト口17から回収された外れ玉を称したアウト玉を検知する。パチンコ機3では、図示を省略するが、各入賞口15、16から回収された遊技球及びアウト口17から回収された外れ玉は、遊技盤11の裏側で合流して下端側の回収部に所定の経路を通じて導かれており、この所定の経路に遊技球P(アウト玉)を検知する通過センサとしてアウト玉検知センサ50Eが設けられている。
【0033】
アウト玉は、遊技盤11の遊技領域を経て回収された遊技球及び外れ玉のいずれかであることから、発射台にセットされた後、実際に遊技に供された遊技球と言える。
これに対して、上記ファウル玉及び玉抜き玉は、発射台に送り込まれたものの、打ち損じ、或いは遊技中断によって遊技に供されなかった遊技球であることから、これらは総称して「戻り玉」とも呼ばれる。戻り玉検知時には、払出制御基板41は発射可能玉数を加算更新して、戻り玉を発射可能玉数に戻す。
払出制御基板41が発射可能玉数を加算更新する契機には、戻り玉の発生時の他に、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号を受けたとき、及びCRユニット5から貸出指示信号が入力されたときがある。
【0034】
払出制御基板41は、これら賞球発生やセンサ検知によって発射可能玉数を増減するごとに遊技球の増減結果を示す貸出(払出)結果信号を後述する遊技機搭載暗号基板56を通じてCRユニット5に出力し、また、増減結果の発射可能玉数を遊技機管理発射可能玉数表示灯52に外部から視認可能に常時表示する。遊技中の発射可能玉数は、CRユニット5の制御の下、パチンコ機3に設けられたタッチ液晶モジュール23にも表示される。これに加え、遊技機管理発射可能玉数表示灯52を外部から視認可能に設けることで、タッチ液晶モジュール23が故障などしても、遊技者は遊技中の持玉数を把握することができるようになっている。なお、ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aや外れ玉検知センサ50B等の各検知センサの出力を遊技機メイン基板40に入力し、当該遊技機メイン基板40から払出制御基板41に出力する構成としても良い。また、上記貸出指示は、プリペイド媒体4の残価値を対価とした貸出に限らず、貯玉を用いた再プレイ、持玉の払い出しの利用に基づく指示も含む。このとき、不正防止を目的に1回の貸出あたりの玉数に上限をCRユニット5等に設定することもできる。
【0035】
払出制御基板41が管理する上記発射可能玉数は、遊技終了時に決済される。すなわち、遊技者が遊技を終了すべく、会員カード4Bの返却スイッチ20Bを操作すると、CRユニット5から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット5に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。CRユニット5に移行した価値は、当該CRユニット5から遊技店舗2の所定の管理サーバー(図示せず)に出力され遊技者(より詳細にはプリペイド媒体4)に紐付けて管理される。
【0036】
上記発射制御基板43は、発射許可信号が払出制御基板41から入力されている事を条件に遊技球の発射を制御する基板であり、また遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板41に出力する。この発射制御基板43により、図示せぬ発射装置が制御され、遊技球発射ハンドル21の操作量に応じた弾発力で遊技球が発射される。
【0037】
演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40の演出指示信号に基づいて遊技演出を選定し、選定した遊技演出に基づいて遊技機液晶表示器19や図示せぬ音源、台枠ランプを制御し、当落抽選結果に応じた演出を行う回路を搭載した基板であって、遊技機メイン基板40に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板40の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。
演出用サブ基板42は、遊技機液晶表示器19での表示演出に用いる画像データ等の各種の遊技演出用のデータを記憶した演出データ記憶部42Aを備え、演出指示信号、及び演出の進行に合わせて遊技演出用のデータを演出データ記憶部42Aから順次読み出し、遊技機液晶表示器19や音源、台枠ランプを制御して遊技演出を行う。
【0038】
さらに演出データ記憶部42Aには、通常の遊技演出のデータの他に、サービス提供サーバ6がサービスとして提供する多数のサービス用遊技演出データが格納されている。サービス用遊技演出データのそれぞれは、遊技機メイン基板40の演出指示信号に対応付けられており、当該演出指示信号に予め対応付けられた通常の遊技演出のデータに代えて実行できるようになっている。
演出用サブ基板42には、このサービス用遊技演出データに基づく遊技演出を行う事を指示した演出指示入力信号がタッチ液晶モジュール23を介してCRユニット5から入力可能に構成されており、かかる演出指示入力信号が入力された場合には、通常の遊技演出データに代えて、サービス用遊技演出データに基づく遊技演出を実行する。
【0039】
サービス用遊技演出データが提供する遊技演出には、遊技機液晶表示器19を使って行われる表示演出のほか、ランプの点灯/点滅や音声出力を用いて行われる演出、役物の作動態様によって表現される演出といった各種の演出が含まれる。また表示演出としては、図柄の変動表示中に行われる、いわゆるリーチ演出や予告演出、特賞発生を画面表示により通知する特賞発生通知画面表示演出、特賞発生に伴う特別遊技中に行われる表示演出等が含まれる。これらのサービス用の遊技演出は、通常の遊技演出に比べ、希少価値のあるキャラクター画像や背景画像が使用されたり、演出の趣向が凝らされていたりといったように付加価値の高い演出となっている。また、このような付加価値のランクが異なる多数のサービス用遊技演出データが演出データ記憶部42Aに予め格納されており、上記演出指示入力信号には、どのランクのサービス用遊技演出を出現させるかを指定するランク指定情報が含まれている。
【0040】
さらに演出用サブ基板42は、遊技の間、通常の遊技演出を行うごとに当該遊技演出の内容を一意に特定可能な演出種別信号を後述するタッチ液晶モジュール23にも逐次に出力している。この演出種別信号は、タッチ液晶モジュール23を通じて逐次にCRユニット5に入力されており、CRユニット5では、演出種別信号に基づいて、パチンコ機3で出現した遊技演出をリアルタイムに認識できるようになっている。
【0041】
パチンコ機3は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板54と、CR基板55と、遊技機搭載暗号基板56とを備え、さらに、パチンコ機本体13には上述のタッチ液晶モジュール23が組み込まれている。
外部端子板54は、遊技機メイン基板40が出力する上記外部端子出力信号Sout及び汎用信号をCRユニット5等に一方向に出力する端子板である。CRユニット5にあっては、外部端子出力信号Soutを取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定し、また、外れ玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理できるようになっている。
【0042】
CR基板55は、上記貸出スイッチ20A及び返却スイッチ20Bのスイッチ操作信号をCRユニット5に出力する基板である。また、このCR基板55には、度数表示器57及び貸出可能ランプ58が接続されており、CR基板55は、CRユニット5から入力されたプリペイド媒体4の残価値を示す度数を度数表示器57に7セグメント等で表示するとともに、CRユニット5からの貸出許可信号の有無に応じて貸出可能ランプ58を点灯する。
【0043】
上記遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット5との間でシリアル通信する通信インターフェース機能を備え、CRユニット5との間で、主に、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータを暗号化して送受する。かかるデータは、例えば、CRユニット5がパチンコ機3に入力する貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や、払出制御基板41が出力する、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号、CR基板55がCRユニット5に出力する貸出スイッチ20A及び返却スイッチ20Bのスイッチ押下信号などである。かかるデータをCRユニット5との間で暗号化して通信することで、通信データの改ざん等による不正行為が防止できる。
ただし、外部端子出力信号Soutについては、出球に影響を及ぼす虞れがあるデータが含まれていないため、遊技機搭載暗号基板56で復号化した後、非暗号化状態でCRユニット5に送信される。
なお、遊技機搭載暗号基板56は上記外部端子板54とともに1つの中継基板の上に設けてもよい。
【0044】
タッチ液晶モジュール23は、CRユニット5により制御されて当該CRユニット5の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット5が遊技球貸出装置60の装置本体に、タッチ液晶モジュール23が遊技球貸出装置60の表示部及び操作部にそれぞれ相当する。
【0045】
タッチ液晶モジュール23は、遊技球貸出装置60の装置本体に相当するCRユニット5に互いに通信可能に接続されており、タッチパネルを備えた液晶表示部61を備え、この液晶表示部61の表示を制御する表示制御信号がCRユニット5から入力されている。液晶表示部61に対するタッチ操作は、CRユニット5にタッチ操作入力信号として出力され、当該CRユニット5にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール23は、パチンコ機3に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット5によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット5に出力されており、CRユニット5の表示部及び操作部として構成されている。
【0046】
また、CRユニット5からタッチ液晶モジュール23には、当該タッチ液晶モジュール23の電力供給線67を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール23は、CRユニット5との間でパチンコ機3を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット5から供給を受ける構成であるため、パチンコ機3が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。
【0047】
このタッチ液晶モジュール23は、パチンコ機3の内部で演出用サブ基板42と相互に通信可能に接続されており、遊技機液晶表示器19で行われた表示演出の種別を示す演出種別信号を演出用サブ基板42から逐次に受信し、さらに、CRユニット5から上記演出指示入力信号を受信したときには当該演出指示入力信号を演出用サブ基板42に入力する。タッチ液晶モジュール23は、演出用サブ基板42から逐次に受信する演出種別信号を順次にCRユニット5に出力し、CRユニット5では、この演出種別信号に基づいて所定の遊技演出が遊技中に出現したか否かリアルタイムに判定される。
【0048】
かかるCRユニット5の構成について詳述すると、CRユニット5は、図2に示すように、貸出装置制御基板68と、プリペイド媒体4を読み書きする価値媒体R/W69と、遊技者が所持する電子決済機能付き携帯電話端末9と近距離無線通信(例えば、NFC)により通信し後述の個体識別情報37を取得する識別媒体R/W70と、紙幣識別機71と、貸出装置搭載暗号基板72と、電源モジュール73とを備えている。
【0049】
貸出装置搭載暗号基板72は、パチンコ機3の遊技機搭載暗号基板56を介して入出力される通信データを、所定のアルゴリズムで生成した暗号キーで暗号化/復号化する。
電源モジュール73は、CRユニット5の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール23にも電力を供給する。また、この電源モジュール73の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機3の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット5との導通状態を検知する。
【0050】
貸出装置制御基板68は、制御手段として各部を制御する主制御用のCPU76Aと、高速I/O(Input/Output)用のCPU76Bとを、それぞれに別々に有している。CPU76Bは、主としてタッチ液晶モジュール23に各種情報を表示するための画像処理や、当該タッチ液晶モジュール23に対するタッチ操作の受付処理といった、高速なデータのI/Oを要求される処理の制御を主に実行するものである。
すなわち、貸出装置制御基板68には、高速I/O部品として、高速通信I/F80が設けられており、これがCPU76Bによって制御される。高速通信I/F80は、タッチ液晶モジュール23との間で、タッチ液晶モジュール23の表示を制御する表示制御データや、上記タッチ操作出力、演出種別信号、演出指示入力信号等の各種の信号を送受する通信I/Fである。
【0051】
CPU76Bは、さらにタッチ液晶モジュール23から逐次入力される演出種別信号に基づいて所定の遊技演出が遊技機液晶表示器19の表示演出として出現したか否かを判定し、所定の遊技演出が出現した場合に、その旨をCPU76Aに出力する演出判定部85として機能する。かかる所定の遊技演出は、店舗サーバ7を通じてCRユニット5に予め設定されている。
【0052】
CRユニット5では、高速I/Oが要求される信号処理用に専用のCPU76Bを設けることで、タッチ液晶モジュール23での表示処理は勿論のこと、上述の遊技演出の判定やサービス用遊技演出の指示等の遅延が防止されている。
【0053】
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体4の読み書き、パチンコ機3に対する貸球制御、個体識別情報37及び遊技情報の店舗サーバ7への送信等を行う。
またCPU76Aは、上記CPU76Bが高速I/O部品を制御したのに対して、それよりも低速で良いI/O部品を制御する。すなわち、貸出装置制御基板68には、店内LANや専用通信線を介して店舗サーバ7と通信するためのシリアル通信I/F82や、パチンコ機3の外部端子板54との通信インターフェースである入力専用のシリアル通信I/F83、貸出装置搭載暗号基板72との通信インターフェースであるシリアル通信I/F84が設けられ、これらがCPU76Aによって制御されている。
【0054】
更に、このCPU76Aは、接続されているパチンコ機3の識別情報等を含む遊技機情報を取得する遊技機情報取得部86として機能する。遊技機情報は、パチンコ機3の製造メーカを一意に特定する識別コード(遊技機メーカコード)や遊技機機種を一意に特定できる識別コード(機種コード)、遊技機個体を一意に特定できる識別コード(遊技機ID)等を含む情報であり、かかる遊技機情報は、CRユニット5の電源投入時等にパチンコ機3、或いは、遊技店舗2に設置された管理コンピュータ(図示せず)から取得され、上記の遊技情報が店舗サーバ7に送信されるときに、当該遊技情報と対応付けて送信される。
【0055】
なお、上記遊技機情報取得部86は、遊技機情報を、パチンコ機3、及び遊技店舗2に設置された管理コンピュータ(図示せず)の双方から取得し、両者から取得した情報を照合して、それらが一致した場合に限って、当該機種の有効な遊技データとして扱うよう集計処理を行うようにしてもよい。また、両者の情報が不一致の場合には、どちらの遊技機情報を正とするかを予め設定できるようにしても良い。
これにより、遊技者の遊技に固有の遊技情報が、そのときに遊技した機種と異なる機種に対応付けて送信されて、後述のように、データセンタ10に登録されてしまう事を防止できる。
【0056】
上記遊技情報は、遊技者個人が遊技を行ったことで発生する情報であり、具体的には、上記外部端子出力信号Soutとパラレル出力とに含まれる各種情報、及び演出判定部85によって判定された所定の遊技演出の出現情報が含まれている。
これらの遊技情報のうち、遊技演出の出現情報については、遊技者が遊技を行っている間、CRユニット5から逐次に店舗サーバ7に送信される。また残余の遊技情報については、CPU76Aは、遊技者が遊技を開始してから終了するまでの間(すなわちプリペイド媒体4を挿入してから返却スイッチ20Bを操作するまでの間)、CRユニット5の図示せぬキャッシュメモリに蓄積し、遊技の終了時に、遊技情報に含まれる各種の数値(例えば回転数、大当たり回数、発射玉数、出玉数、貸球に投じた金額など)を集計し、一括して店舗サーバ7に送信する。
【0057】
なお、遊技店舗2には、各パチンコ機3の稼働状況や出玉、各遊技者の持玉や貯球を管理する各種の管理コンピュータ(図示せず)が設置されており、これらの管理コンピュータにもCRユニット5から遊技情報が適宜に送信されて各管理コンピュータでの管理に供されている。
【0058】
図3は、店舗サーバ7の機能的構成を示すブロック図である。
店舗サーバ7は、各CRユニット5、サービス提供サーバ6、及びデータセンタ10と相互に通信可能に接続されたサーバコンピュータであり、図3に示すように、店舗内通信部30、及び店舗外通信部31と、制御部32と、店舗会員管理部33と、を備えている。
店舗内通信部30は、店内LANや専用通信線を通じて遊技店舗2の中の各CRユニット5と通信し、また店舗外通信部31は、インターネット8を介してデータセンタ10、サービス提供サーバ6、及びメーカ側サーバ22と通信する。制御部32は、店舗サーバ7の各部を中枢的に制御する。店舗会員管理部33は、上記店舗会員を管理するものであり、店舗会員の各種情報を記録した店舗会員データベース34を備えている。
【0059】
図4は、店舗会員データベース34のデータ構造の一例を示す模式図である。
店舗会員データベース34は、図4に示すように、上記店舗会員識別情報24、店舗会員の個人情報35、及びサービス登録情報36等のデータフィールドを備え、これらの情報が紐付けられて管理されている。個人情報35は、店舗会員に固有の情報であり、氏名やニックネーム等の呼称、住所やメールアドレス等の連絡先、会員登録した遊技店舗名が含まれている。サービス登録情報36は、店舗会員がサービス提供サーバ6に対してサービス利用の登録を済ませているか否かを示す登録済み情報、並びに、サービス利用登録が済んでいる場合には当該店舗会員が所持する携帯電話端末9の個体識別情報37が含まれている。
【0060】
個体識別情報37は、携帯電話端末9を一意に特定する情報のうち、携帯電話端末9から通信により外部の端末に送信できる情報である。本実施形態では、近距離無線通信により決済データを送受する電子マネーを用いた電子決済機能が携帯電話端末9に備えられているものとし、この電子決済機能により携帯電話端末9に付与されている識別情報を個体識別情報37として用いることとしている。
かかる個体識別情報37は、遊技者が所持する携帯電話端末9がCRユニット5に近づけられると識別媒体R/W70(図2)に読み取られ、会員カード4Bに記録されている店舗会員識別情報24と対応付けてCRユニット5から店舗サーバ7に送信される。
【0061】
また制御部32は、遊技中のユーザのサービス利用を許可するための利用登録を個体識別情報37に基づいてサービス提供サーバ6に対して行う登録処理の機能と、データセンタ10に遊技情報を送信する遊技情報送信機能と、サービス提供サーバ6とCRユニット5の間のデータ通信を中継する中継機能とを備えている。
【0062】
登録処理機能について詳細には、制御部32は、店舗会員識別情報24、及び個体識別情報37を登録要求とともにCRユニット5から受信すると、上記登録処理をサービス提供サーバ6に対して行う。
具体的には、制御部32は、店舗会員識別情報24に紐付いている個人情報35、及び個体識別情報37を対応付けてサービス提供サーバ6に送信し、この個体識別情報37に対するサービス利用の登録を行う。これにより、この個体識別情報37を記録した携帯電話端末9を通じてサービス提供サーバ6からのサービスが利用可能になる。
【0063】
遊技情報送信機能について詳細には、制御部32は、遊技情報、及び遊技機情報をCRユニット5から受信した場合、CRユニット5から取得している店舗会員識別情報24、又は個体識別情報37に基づいて、遊技中の遊技者がサービス提供サーバ6のサービス利用登録を完了しているか否かを判断し、完了しているときには、遊技情報、及び遊技機情報に少なくとも個体識別情報を対応付けてデータセンタ10に送信する。
これにより、データセンタ10には、ユーザが所持する携帯電話端末9の個体識別情報37に、当該ユーザが遊技したパチンコ機3の遊技機情報、及び遊技情報が関連付けて遊技の度に蓄積されることとなる。
【0064】
データセンタ10は、前掲図1に示すように、蓄積データベース38を備え、この蓄積データベース38に、各遊技店舗2から送信されて来る遊技機情報、遊技情報、及び個体識別情報37が互いに紐付けられて管理される。
またデータセンタ10は、サービス提供サーバ6に対して、蓄積データベース38に蓄積しているデータを、当該サービス提供サーバ6が要求する仕様(必要なデータ内容)に応じて加工し逐次に提供する。
【0065】
図5は、サービス提供サーバ6の機能的構成を示すブロック図である。
同図において、登録情報格納部89は、サービス利用の登録をしたユーザの登録情報を格納する。この登録情報には、ユーザの個人情報(例えばニックネーム、住所、メールアドレス等)と、当該ユーザが所持する携帯電話端末9の個体識別情報37と、このユーザを一意に特定するサービス利用IDが含まれている。個人情報、及び個体識別情報37は、上述のように、各店舗サーバ7が登録処理を実行することによりサービス提供サーバ6に送信されてきたものである。サービス提供サーバ6は、これらを受信すると、新規のサービス利用IDを発行し、個人情報、及び個体識別情報37と対応付けて登録情報格納部89に格納することで、サービス利用を許可するユーザの登録を行う。
また、このときに登録された個体識別情報37がサービス提供サーバ6からサービス提供を受けるためのアクセスキーとして用いられる。
【0066】
遊技情報取得部90は、遊技情報、遊技機情報、及び個体識別情報37をデータセンタ10から取得して遊技情報蓄積部91に出力する。
遊技情報蓄積部91は、個体識別情報37ごとに遊技情報を蓄積して管理するものであり、例えば戦績データ96、及び、機種毎遊技履歴データ97が管理されている。この遊技情報蓄積部91で管理されている遊技情報は、例えば個体識別情報37をキーにして、登録情報格納部89に格納されている登録情報と関連付けられている。
【0067】
戦績データ96は、蓄積された遊技情報を集計して得られるデータであり、図6に示すように、使用金額、ボーナス回数、総回転数、稼働日数、過去最高連チャン数、及び過去最高獲得玉数を含んでいる。使用金額は、これまで遊技に使用したトータル金額を示し、ボーナス回数は、これまでに発生した特賞のトータル回数を示す。また、総回転数は、これまでにパチンコ機3で行われた当落抽選回数を示し、稼働日数は遊技をした日数を示す。また過去最高連チャン数は確率変動遊技状態を有したパチンコ機3において当該確率変動遊技の最高継続数を示し、過去最高獲得玉数は1回の遊技での獲得玉数の最高数を示す。なお、過去最高連チャン数、及び過去最高獲得玉数については、遊技したパチンコ機3の機種も対応付けて管理されており、どの機種で達成したかが参照可能になっている。
【0068】
機種毎遊技履歴データ97は、蓄積された遊技情報をパチンコ機3の機種毎に集計して得られるデータであり、図7に示すように、総回転数、出玉、ボーナス回数、確率、過去最高連チャン数、ミッションコンプリート率を含んでいる。
総回転数、ボーナス回数、及び過去最高連チャン数は、それぞれ上記戦績データ96で説明した総回転数、ボーナス回数、及び過去最高連チャン数を特定の機種について抽出したデータである。
出玉は、獲得玉数の総数を示し、プラス/マイナスの記号を付して、獲得玉数の正負が識別可能に記録されている。確率は、ボーナス発生確率の実績値を示し、総回転数をボーナス回数で除して得られる。ミッションコンプリート率は、例えば遊技機メーカが予め設定した課題(ミッション)の数に対し、ユーザが解決できた数の割合いを示すものであり、かかる課題には、パチンコ機3で遊技をすることで解決できる課題(例えば使用金額、遊技時間、所定の遊技演出の出現)などが設定されている。
【0069】
ポイント付与部92は、遊技情報として、所定の遊技演出を出現させた旨を示す出現情報が含まれている場合に、所定の遊技演出に応じて予め規定されたポイント数を付与して遊技情報蓄積部91に出力する。遊技情報蓄積部91では、付与されたポイント数が個体識別情報37と対応付けて管理されており、新たにポイント数が付与されるごとに既存のポイント数に加算更新される。
【0070】
サービス遊技演出許可判定部93は、個体識別情報37と対応付いたポイント数に基づいて、サービス遊技演出の実行を許可するか否かを判定し、許可する場合には、演出指示信号を店舗サーバ7に送信する。さらに詳述すると、サービス遊技演出許可判定部93は、ポイント付与部92によってポイントが付与されるごとに、累積のポイント数が基準値を超えたか否かを判定し、基準値を超えている場合に、サービス遊技演出の実行を許可する。この基準値には、複数の値が設定されており、より大きな値の基準値を超えるほど、付加価値の高いサービス遊技演出の実行が許可されるようになっている。
【0071】
携帯サイト提供部94は、利用登録が成されている個体識別情報37を格納した携帯電話端末9からアクセス可能なWEBサイト(いわゆる携帯サイト)を提供するWEBサーバ機能を備えるものである。すなわち、携帯サイト提供部94は、携帯電話端末9からアクセスがあると個体識別情報37を要求し、受け取った個体識別情報37が登録情報格納部89に記録されているか否かに基づいて認証を行う。なお、アクセスパスワードを個体識別情報37に紐付けて登録情報格納部89に予め記録しておき、当該アクセスパスワードに基づいて携帯サイト提供部94が認証を行う構成を付加しても良い。これにより、ユーザは任意の携帯電話端末9に限らず任意の端末からアクセスパスワードを用いて携帯サイト提供部94が提供するWEBサイトにアクセスできる。
また携帯サイト提供部94は、遊技情報蓄積部91と連携し、アクセスしてきた携帯電話端末9を所持するユーザの戦績データ96、及び、機種毎遊技履歴データ97を携帯電話端末9から閲覧可能にして、遊技履歴の提供サービスを実現する。
【0072】
メーカ側サービス連携部95は、遊技情報蓄積部91が管理する機種毎遊技履歴データ97を、当該機種のパチンコ機3を製造した製造メーカのメーカ側サーバ22に送信する。メーカ側サーバ22で機種毎遊技履歴をユーザごとに管理することで、製造メーカでは、ユーザに対して、遊技履歴に応じたノベルティグッズを贈呈するといったサービスを提供することができる。
このように、パチンコ機3の機種毎に遊技情報を蓄積することで、機種毎に異なるサービス、或いは各種情報やコンテンツの提供を受けることができる。
【0073】
次いで、サービス提供システム1において、パチンコ機3で遊技するユーザがサービス提供サーバ6に対して利用登録する手順について説明する。
本実施形態では、利用登録に、仮登録、及び本登録の2つの作業ステップを設けており、仮登録がCRユニット5から実行可能になっている。
図8は、サービス利用の録手順を示すシーケンス図である。
店舗会員の会員カード4BがCRユニット5に挿入されると(ステップS1:Yes)、CRユニット5は、会員カード4Bから店舗会員識別情報24を読み取り(ステップS2)、またタッチ液晶モジュール23に遊技開始画面100(図9)を表示する(ステップS3)。この遊技開始画面100には、サービス利用登録を申請する登録ボタン101が表示されている。この登録ボタン101がタッチ操作されると(ステップS4:Yes)、CRユニット5は、店舗会員のユーザが所持する携帯電話端末9をCRユニット5の識別媒体R/W70に近づける旨の指示をタッチ液晶モジュール23に表示し(ステップS5)、携帯電話端末9の個体識別情報37を取得した場合に(ステップS6:Yes)、仮登録画面102をタッチ液晶モジュール23に表示する(ステップS7)。
【0074】
仮登録画面102には、図10に示すように、サービス利用に要する情報の入力欄が設けられている。本実施形態では、サービス提供サーバ6が提供するサービスに、利用登録したユーザのアバターを遊技開始画面100に表示するサービスが含まれており、仮登録画面102では、かかるアバターの作成に必要な情報の入力欄として、アバターの名前であるニックネーム入力欄103、アバターの所属地域(遊技店舗名など)を入力する所属地域入力欄104、アバターの性別を入力する性別入力欄105、アバター画像を選択するアバター画像選択欄106がそれぞれ設けられている。
なお、アバターとは、遊技者の写真に代えて表示される擬似的なキャラクターを指し、このキャラクターを描いた画像がアバター画像である。
【0075】
仮登録画面102の完了ボタン107が操作されて仮登録情報の入力完了が指示されると(ステップS8:Yes)、CRユニット5は、仮登録完了画面110(図11参照)を表示しつつ、店舗サーバ7に対して仮登録要求を送信し(ステップS9)、仮登録情報(すなわち、アバターの生成に必要な情報)、店舗会員識別情報24、及び個体識別情報37を対応付けて送信する(ステップS10)。
店舗サーバ7は、CRユニット5から仮登録要求を受信すると、同じくサービス提供サーバ6に対して仮登録要求を行い(ステップS11)、個体識別情報37、店舗会員識別情報24に紐付いた個人情報35、及び仮登録情報を送信する(ステップS12)。この仮登録時に、店舗サーバ7が店舗会員識別情報24に紐付いた個人情報35をサービス提供サーバ6に送信することで、ユーザが個人情報35を別途にサービス提供サーバ6に送信して登録する手間を省くことができる。
【0076】
サービス提供サーバ6は、個体識別情報37、個人情報35、及び仮登録情報を仮登録要求とともに受信すると、これらの情報を登録情報格納部89に、仮登録状態である事を示す情報とともに記録して仮登録する(ステップS13)。次いで、サービス提供サーバ6は、本登録用サイトのURLを生成し(ステップS14)、店舗サーバ7に送信する(ステップS15)。
店舗サーバ7は、本登録用サイトのURLをサービス提供サーバ6から受信すると、これを仮登録の作業を行っているCRユニット5に転送する(ステップS16)。
CRユニット5では、本登録用サイトのURLを受信すると、このURLのQRコード112を生成し、図12に示すように、このQRコード112を含むQRコード表示画面113を表示し(ステップS17)、仮登録処理を完了する。
【0077】
その後、ユーザが携帯電話端末9にてQRコード112を読み取り、携帯電話端末9から本登録用のサイトにアクセスし、暗証番号等の付随的な情報の入力設定が成されると(ステップS18:YES)、サービス提供サーバ6は、仮登録状態の登録情報を本登録に変更し、これにより、サービス利用の登録を完了する(ステップS19)。また、本登録が完了すると、サービス提供サーバ6から店舗サーバ7に対して、その旨が通知され、店舗会員データベース34のサービス登録情報36に反映される。
そして、かかるサービス利用登録の完了により、その後に表示されるサービス利用者の専用の遊技開始画面120(図14)には、ユーザが作成したアバター画像119が表示されることとなる。
【0078】
なお、本登録を省略し、ステップS13にて仮登録が成されたときに、そのまま本登録として登録情報を登録しても良いことは勿論である。
【0079】
図13は、ユーザがサービスを利用する場合のCRユニット5の動作を示すフローチャートである。
ユーザが携帯電話端末9をCRユニット5に近づけて個体識別情報37を読み取らせると(ステップS30)、CRユニット5は、この個体識別情報37について登録処理が完了しているか否かを店舗サーバ7に問い合わせて、サービス利用の登録状況を確認する(ステップS31)。店舗サーバ7では、この問い合わせに対して、店舗会員データベース34を参照して登録完了の有無を調べ、CRユニット5に返信する。
個体識別情報37が登録済みでない場合(ステップS32:NO)、この個体識別情報37ではサービス利用ができないため、CRユニット5は本処理を終了する。一方、個体識別情報37が登録済みである場合(ステップS32:YEs)、CRユニット5は、店舗サーバ7を通じてサービス提供サーバ6から、この個体識別情報37に紐付いたアバターを取得し、アバター画像119を表示した専用の遊技開始画面120(図14参照)をタッチ液晶モジュール23に表示する(ステップS33)。
なお、専用の遊技開始画面120の表示に先立って、サービス利用のためにユーザが予め登録した暗証番号の入力を求めることで、セキュリティの向上を図ることもできる。
【0080】
その後、貸出スイッチ20Aの操作に応じて遊技球が貸し出され、遊技が開始されると(ステップS34:Yes)、パチンコ機3から遊技中に逐次送信されてくる遊技情報を蓄積するとともに、演出種別信号に基づいて所定の遊技演出が出現したか否かを判定する(ステップS35)。
所定の遊技演出が出現した場合(ステップS36:Yes)、所定の遊技演出が出現した事を示す出現情報を店舗サーバ7を通じてサービス提供サーバ6に送信する。これにより、サービス提供サーバ6では、出現した遊技演出に対してポイントが付与され、その結果、ポイントの累積値が所定の基準値を超えた場合には、当該ポイントの累積値に対応するサービス遊技演出の実行を指示する演出指示入力信号が店舗サーバ7を通じてCRユニット5に送信される。
CRユニット5は、かかる演出指示入力信号を受信した場合(ステップS38:Yes)、タッチ液晶モジュール23を介してパチンコ機3の演出用サブ基板42に入力する(ステップS39)。これにより、演出用サブ基板42では、演出指示入力信号で指示されたサービス遊技演出が実行されることとなり、出現させた遊技演出に応じてリアルタイムに遊技演出が変化する。
【0081】
そして、CRユニット5は、返却スイッチ20Bが操作される等して遊技が終了するまでの間、ステップS35〜S39の処理を繰り返し実行し、遊技が終了した場合(ステップS40:Yes)には、ステップS35で蓄積していた遊技情報を集計し(ステップS41)、集計値を表示した終了画面130(図15)を表示し(ステップS42)、また、かかる遊技情報の集計値を店舗サーバ7を通じてサービス提供サーバ6に送信して(ステップS43)、本処理を終了する。
これにより、サービス提供サーバ6では、送信されてきた遊技情報の集計値が遊技情報蓄積部91に蓄積され、戦績データ96、及び、機種毎遊技履歴データ97が生成されて携帯サイトから閲覧可能になる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、サービス利用の仮登録に際し、パチンコ機3に併設された台間機たるCRユニット5が携帯電話端末9から個体識別情報37を取得し、この個体識別情報37に基づいて店舗サーバ7がサービス提供サーバ6に対してサービス利用の仮登録を要求して仮登録を行う構成とした。
これにより、ユーザは、携帯電話端末9の個体識別情報37をCRユニット5に読み取らせるだけでサービスを利用するための仮登録処理を完了し、簡単に仮登録を済ませることができる。特に、仮登録を以って本登録とすれば、それ以降の登録処理が不要となり、携帯電話端末9を操作して携帯サイトにアクセスせずとも簡単に登録できる。
また登録が完了した以降は、個体識別情報37をサービス提供サーバ6へのアクセスキーとしてサービスを受けることができることから、サービス提供サーバ6にアクセスする際のIDやパスワードの入力を不要にもできる。
【0083】
更に、本実施形態では、携帯電話端末9から通信により外部の端末に送信可能な情報を個体識別情報37として用いているため、個体識別情報37をCRユニット5に簡単に読み取らせることができ、登録時の操作が簡単になる。またセキュリティが十分に確保されている電子決済機能の識別情報を個体識別情報37として用いているため、成りすまし等の悪用を防止できる。
【0084】
また本実施形態によれば、仮登録に際し、店舗サーバ7が店舗会員識別情報24に紐付く個人情報35をサービス提供サーバ6に送信するため、ユーザは、自身の個人情報35を改めてサービス提供サーバに登録する必要はなく、更に簡単にサービス利用の登録を行うことができる。
【0085】
また本実施形態によれば、CRユニット5が遊技情報をパチンコ機3から取得し、ユーザの遊技の間に逐次取得した遊技情報を店舗サーバ7を通じてサービス提供サーバ6に送信し、サービス提供サーバ6は、ユーザの遊技情報を蓄積し、当該蓄積に応じたサービスを提供する構成とした。
この構成によれば、遊技情報の蓄積に応じたサービスが提供されるため、サービス利用のモチベーションを維持することができ、ユーザが飽きることのないサービスを提供できる。
【0086】
また本実施形態によれば、CRユニット5は、パチンコ機3で出現した遊技演出を店舗サーバ7を通じてサービス提供サーバ6に送信し、サービス提供サーバ6は、出現した遊技演出に応じた価値のサービスを提供する構成とした。
これにより、提供されるサービスの価値を遊技時間(遊技量)で決定した場合に比べ、価値の高いサービスが早期に受けられるという期待感をユーザに与え、サービス利用の促進を図ることができる。
さらに、新たな遊技演出を出現させることで、新たな価値のサービスを受けることができるため、サービス提供を受けようとするモチベーションの持続効果が得られる。
【0087】
また本実施形態によれば、CRユニット5は、ユーザの遊技中に、パチンコ機3で出現した遊技演出をサービス提供サーバ6に逐次送信し、サービス提供サーバ6は、出現した遊技演出によって所定の条件が満たされた場合(すなわち、出現した遊技演出に応じて付与されるポイントの累積値が基準値を超えた場合)、当該条件に対応して設定されたサービス遊技演出を行うように遊技機に指示入力するための演出指示入力信号を店舗サーバ7を通じてCRユニット5に送信し、パチンコ機3は、ユーザの遊技中に、CRユニット5からの演出指示入力信号の入力に基づいてサービス遊技演出を行う構成とした。
これにより、ユーザの遊技中に、遊技演出の出現状況に応じてサービス遊技演出をリアルタイムに出現させることができ、遊技機での遊技演出に多様性を持たせることができる。
さらに、遊技演出の出現に基づき所定の条件を満たすごとに新たなサービス遊技演出を出現させることができるため、遊技機の遊技演出に対する興味を持続させることができ、遊技機の陳腐化を防止できる。
【0088】
また本実施形態によれば、サービス提供サーバ6が提供するサービス(例えばアバターを用いた専用の遊技開始画面120など)のデータは、当該サービス提供サーバ6からCRユニット5に配信される構成であるため、新しいキャラクターやサービスなどの拡張、更新を容易に行うことができる。
【0089】
また、ユーザが遊技店舗2の外から、自身が所持する携帯電話端末9を用いてサービス提供サーバ6にアクセスし、サービス提供サーバ6が提供するサービスのデータ(例えば、アバターの設定や、個人情報等)を変更などした場合にも、当該携帯電話端末9の個体識別情報37によって、サービスを受けるユーザが紐付けて管理されていることから、次回、遊技店舗2からCRユニット5を通じてサービス提供サーバ6から提供されるサービスに、きちんと反映されて提供される。
【0090】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0091】
(変形例1)
上述した実施形態において、登録処理が完了している個体識別情報37に紐付いた店舗会員識別情報24をCRユニット5が取得した場合、店舗サーバ7は、個体識別情報37を携帯電話端末9から読み取ることなく、当該店舗会員識別情報24に紐付けて管理している個体識別情報37に基づいて、サービスのデータをサービス提供サーバ6から受信してCRユニット5に送信し、当該CRユニット5を通じてユーザに提供する構成としても良い。
この構成によれば、遊技の際に携帯電話端末9を忘れる等して所持していなくとも、ユーザは会員カード4Bを利用してサービスを受けることができる。
【0092】
(変形例2)
上述した実施形態において、登録処理が完了している個体識別情報37をCRユニット5が取得した場合、店舗会員識別情報24の読み取りの有無にかかわらず、店舗サーバ7は、当該個体識別情報37に基づいて、サービスのデータをサービス提供サーバ6から受信してCRユニット5に送信し、当該CRユニット5を通じてユーザに提供する構成としても良い。
この構成によれば、ユーザが会員カード4Bを忘れるなどして遊技の際に所持していなくとも、携帯電話端末9の個体識別情報37を用いてサービスを受けることができる。
なお、この構成において、店舗会員識別情報24の読み取りの有無にかかわらず、サービスのデータをサービス提供サーバ6から受信してユーザに提供するか否かを、遊技店舗2側が店舗サーバ7に設定可能にしても良い。この設定に際しては、ユーザ(店舗会員)、遊技メーカ、或いは遊技機の種別ごと等に応じて柔軟に設定を可変できるようにしても良い。
【0093】
(変形例3)
上述した実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ機3を例示したが、これに限らず、台間機が併置され、遊技媒体を使用して遊技する遊技機であれば、例えばパチスロ機などの任意の遊技機に本発明を適用することができる。
また上述した実施形態では、ユーザ所持端末の一例として携帯電話端末9を例示したが、これに限らず、ポータブルコンピュータ、PDA、ノート型パソコン等の携帯型電子機器であっても良い。
また上述した実施形態では、台間機の一例として、遊技機に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置を例示したが、これに限らない。更に、台間機は、1台の遊技機に対して併設されていれば良く、2台の遊技機の間に位置する必要はない。
またサービス提供サーバ6は、1台のサーバコンピュータで構成しても、或いは、複数台のサーバコンピュータをサービス提供のために連携させて構成しても良い。
【0094】
(変形例4)
また上述した実施形態では、遊技演出の出現により付与されたポイントに応じてサービス遊技演出がパチンコ機3で実行される構成としたが、これに限らず、付与されたポイントに応じて、画像や音声、映像、各種情報といったコンテンツデータがユーザに与えられるようにしても良い。また、このようにして入手したポイントやコンテンツデータを、利用登録しているユーザの間で仮想的に取引できるようにしても良い。
【0095】
(変形例5)
また上述した実施形態において、利用登録しているユーザが遊技している複数のCRユニット5を対象にして、サービス提供サーバ6が、いずれかのCRユニット5に入力された文字列を全てのCRユニット5に送信して表示させることで、遊技店舗2の内外のユーザの間でのチャットサービスを提供するようにしても良い。
【符号の説明】
【0096】
1 サービス提供システム
2 遊技店舗
3 パチンコ機(遊技機)
4 プリペイド媒体
4B 会員カード(店舗会員記録媒体)
5 CRユニット(台間機)
6 サービス提供サーバ
7 店舗サーバ
9 携帯電話端末(ユーザ所持端末)
10 データセンタ
22 メーカ側サーバ
23 タッチ液晶モジュール
24 店舗会員識別情報
35 個人情報
37 個体識別情報
42 演出用サブ基板
42A 演出データ記憶部
60 遊技球貸出装置
69 価値媒体R/W(店舗会員識別情報読取手段)
70 識別媒体R/W(個体識別情報取得手段)
85 演出判定部
86 遊技機情報取得部(遊技情報取得手段)
89 登録情報格納部
90 遊技情報取得部
91 遊技情報蓄積部
92 ポイント付与部
93 サービス遊技演出許可判定部
94 携帯サイト提供部
95 メーカ側サービス連携部
96 戦績データ
97 機種毎遊技履歴データ
100 遊技開始画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体識別情報を記憶し、ユーザによって所持されるユーザ所持端末と、
前記ユーザ所持端末と通信し、遊技機で遊技する前記ユーザに前記ユーザ所持端末を通じてサービスを提供するサービス提供サーバと、を備えたサービス提供システムであって、
前記ユーザ所持端末から個体識別情報を取得する個体識別情報取得手段を有し、前記遊技機に併設された台間機と、
前記サービス提供サーバ、及び前記台間機と通信可能な店舗サーバと、を備え、
前記店舗サーバは、前記台間機から取得した前記個体識別情報を前記サービス提供サーバに送信し、前記個体識別情報を記録した前記ユーザ所持端末に対して前記サービスの利用を許可するための登録処理を行う
ことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
前記遊技機を設置した店舗によって前記ユーザに発行された店舗会員識別情報を記録した店舗会員記録媒体を備え、
前記台間機は、前記店舗会員記録媒体から店舗会員識別情報を読み取る店舗会員識別情報読取手段を有し、
前記店舗サーバは、前記店舗会員識別情報と前記ユーザの個人情報とを紐付けて管理し、前記登録処理を行うときには、前記店舗会員識別情報に紐付く個人情報を前記個体識別情報とともに前記サービス提供サーバに送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記店舗サーバは、前記登録処理が完了している個体識別情報に紐付いた店舗会員識別情報を前記台間機から取得した場合、当該店舗会員識別情報に紐付けて管理している個体識別情報に基づいて、前記個体識別情報の読み取りの有無にかかわらず、サービスのデータを前記サービス提供サーバから受信して前記台間機に送信し、当該台間機を通じて前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記店舗サーバは、前記登録処理が完了している個体識別情報を前記台間機から取得した場合、店舗会員識別情報の読み取りにかかわらず、当該個体識別情報に基づいて、サービスのデータを前記サービス提供サーバから受信して前記台間機に送信し、当該台間機を通じて前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項2または3に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記台間機は、
前記遊技機から遊技に関する遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
前記ユーザの遊技の間に逐次取得した前記遊技情報を前記店舗サーバを通じて前記サービス提供サーバに送信し、
前記サービス提供サーバは、前記ユーザの遊技情報を蓄積し、当該蓄積に応じたサービスを提供する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記台間機は、
前記遊技機で出現した遊技演出を前記遊技情報取得手段によって取得して前記店舗サーバを通じて前記サービス提供サーバに送信し、
前記サービス提供サーバは、
出現した遊技演出に応じた価値のサービスを提供する
ことを特徴とする請求項5に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記台間機は、
前記ユーザの遊技中に、前記遊技機で出現した遊技演出を前記サービス提供サーバに逐次送信し、
前記サービス提供サーバは、
出現した遊技演出によって所定の条件が満たされた場合、当該条件に対応して設定されたサービス遊技演出を行うように前記遊技機に指示入力するための指示データを前記店舗サーバを通じて前記台間機に送信し、
前記遊技機は、
前記ユーザの遊技中に、前記台間機からの前記指示データの入力に基づいて前記サービス遊技演出を行う
ことを特徴とする請求項6に記載のサービス提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−433(P2013−433A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135956(P2011−135956)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】