説明

サービス提供支援システム、および、サービス提供支援方法

【課題】サービスの受給人あるいはサービスの提供人が、他方の者の位置を確認しながら合流可能な技術を提供する。
【解決手段】荷物配達支援システム10は、受取人が利用する第1の端末装置と配達人が利用する第2の端末装置とを備えている。荷物配達支援システム10は、第1の端末装置の現在位置である第1の位置、および、第2の端末装置の現在位置である第2の位置の少なくとも一方を取得する。そして、第1の位置を表す第1の位置情報を第2の端末装置に送信する第1の位置情報送信処理と、第2の位置を表す第2の位置情報を第1の端末装置に送信する第2の位置情報送信処理と、の少なくとも一方を実行する。第1の端末装置および第2の端末装置の少なくとも一方は、荷物配達支援システム10から送信された位置情報を受信して、自己の表示部に、受信した位置情報に応じた表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスを提供する提供人から、サービスを受給する受給人へのサービスの提供を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子商取引の拡大により、通信販売サイトを利用してパソコンや携帯電話から商品を購入するユーザが増加している。通常、ユーザは、自宅や勤務先などを受け取り場所に指定して、配達人から荷物の受け取りを行う。このような荷物の配達サービスを支援するシステムに関して、例えば、特許文献1に記載の配達確認システムでは、受取人の携帯電話と配達人の携帯電話とのそれぞれの位置を配達業者側に用意されたサーバで検出し、それらの位置を照合することで、荷物が受取人に配達されたかを確認している。
【0003】
しかし、特許文献1に記載された技術では、受取人や配達人は他方の者の位置を直接、確認することはできなかった。そのため、ユーザが受け取り場所として、町中や公園内、観光地などの任意の場所を指定した場合には、受取人と配達人とは、お互いを正確に識別することができず、荷物の引き渡しが滞る可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−29631号公報
【特許文献2】特開2002−257580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、荷物の配達サービスのような所定のサービスの提供時において、サービスの受給人あるいはサービスの提供人が、他方の者の位置を確認しながら合流可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]表示部を有しサービスを受給する受給人が利用する第1の端末装置と、表示部を有し前記サービスを提供する提供人が利用する第2の端末装置とを備え、前記受給人と前記提供人との合流場所までの移動を支援するサービス提供支援システムであって、前記第1の端末装置の現在位置である第1の位置、および、前記第2の端末装置の現在位置である第2の位置の少なくとも一方を取得する位置取得部と、前記第1の位置を表す第1の位置情報を前記第2の端末装置に送信する第1の位置情報送信処理と、前記第2の位置を表す第2の位置情報を前記第1の端末装置に送信する第2の位置情報送信処理と、の少なくとも一方を実行する情報送信部とを備え、前記第1の端末装置および前記第2の端末装置の少なくとも一方は、前記情報送信部から送信された位置情報を受信して、自己の表示部に、前記受信した位置情報に応じた表示を行うサービス提供支援システム。
【0008】
このような構成のサービス提供支援システムであれば、サービスの受給人が利用する第1の端末装置と、サービスの提供人が利用する第2の端末装置と、の少なくとも一方は、他方の現在位置を示す表示を行うことができる。そのため、受給人や提供人は、他方の者の位置を確認しながら合流することが可能になる。この結果、両者の合流場所を任意の場所に指定した場合などにおいて、サービスの提供が滞ってしまうことを抑制することが可能になる。
【0009】
[適用例2]適用例1に記載のサービス提供支援システムであって、前記位置取得部は、前記第1の位置と前記第2の位置とを取得し、前記情報送信部は、前記第1の位置情報送信処理と前記第2の位置情報送信処理とを実行するサービス提供支援システム。このような構成であれば、第1の端末装置と第2の端末装置とは、両者がそれぞれ互いの位置を表示することが可能になる。
【0010】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載のサービス提供支援システムであって、前記情報送信部は、更に、前記第1の端末装置に対して、前記提供人を識別するための提供人識別情報を送信し、前記第1の端末装置は、前記情報送信部から送信された前記提供人識別情報を表示するサービス提供支援システム。このような構成であれば、受給人に対する提供人の識別性を向上させることができるので、サービスの提供をスムーズに行わせることが可能になる。
【0011】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載のサービス提供支援システムであって、前記情報送信部は、更に、前記第2の端末装置に対して、前記受給人を識別するための受給人識別情報を送信し、前記第2の端末装置は、前記情報送信部から送信された前記受給人識別情報を表示するサービス提供支援システム。このような構成であれば、提供人に対する受給人の識別性を向上させることができるので、サービスの提供をスムーズに行わせることが可能になる。
【0012】
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載のサービス提供支援システムであって、前記第1の位置情報には、前記第1の位置と、前記第2の位置から前記第1の位置までの距離と、前記第2の位置から前記第1の位置への方角と、前記第2の位置から前記第1の位置までの移動時間と、のうち少なくとも1つが含まれ、前記第2の位置情報には、前記第2の位置と、前記第1の位置から前記第2の位置までの距離と、前記第1の位置から前記第2の位置への方角と、前記第1の位置から前記第2の位置までの移動時間と、のうち少なくとも1つが含まれるサービス提供支援システム。このような構成であれば、受給人や提供人に対して、他方の者の位置を示す様々な情報を提供することが可能になる。
【0013】
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載のサービス提供支援システムであって、更に、気象情報、道路交通情報、および、交通規制情報の少なくとも一つを取得する情報取得部を備え、前記情報送信部は、更に、前記情報処理部が取得した情報に応じて、前記合流場所の変更を促す通知を前記第1の端末装置に送信するサービス提供支援システム。このような構成であれば、気象情報や、道路交通情報が表す渋滞、工事等の情報、交通規制情報が表す一方通行等の情報に応じて、受給人と提供人の合流場所の変更を勧めることが可能になる。
【0014】
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載のサービス提供支援システムであって、更に、前記第1の端末装置および前記第2の端末装置の少なくとも一方から、前記サービスを前記受給人が受給した旨を示す受給確認通知を受信し、該受信した受給確認通知に基づいて、前記提供人から前記受給人に前記サービスが提供されたかを判断する受給判断部を備えるサービス提供支援システム。このような構成であれば、サービスが受給人に提供されたかを確認することが可能になる。
【0015】
[適用例8]適用例7に記載のサービス提供支援システムであって、前記情報送信部は、更に、前記第1の端末装置に、前記受給人または前記サービスを一意に示す識別子データを送信し、前記第2の端末装置は、前記識別子データの入力を受け付ける識別子入力部を備え、前記受給判断部は、前記受給確認通知として前記識別子データを前記第2の端末装置から受信して前記判断を行う、サービス提供支援システム。このような構成であれば、受給人が、第1の端末装置に送信された識別子データを、提供人の利用する第2の端末装置に対して入力することで、サービスが提供されたかを判断することが可能になる。なお、サービスを一意に示す識別子データには、そのサービスの提供に係るもの(例えば、配達サービスにおける荷物)を一意に示す識別子データも含まれる。
【0016】
本発明は、上述したサービス提供支援システムとしての構成のほか、サービス提供支援方法や、コンピュータプログラムとしても構成することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、メモリカード、ハードディスク等の種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】荷物配達支援システム10の概略構成を示す説明図である。
【図2】配達人データベース242のデータ構造を示す図である。
【図3】受取人データベース244のデータ構造を示す図である。
【図4】荷物データベース246のデータ構造を示す図である。
【図5】発注処理のフローチャートである。
【図6】配達支援処理のフローチャートである。
【図7】受取人端末100aに配達人の位置等が表示された例を示す図である。
【図8】配達人端末100bに受取人の位置等が表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.荷物配達支援システムの構成:
B.発注処理:
C.配達支援処理:
D.変形例:
【0019】
A.荷物配達支援システムの構成:
図1は、本発明の実施例としての荷物配達支援システム10の概略構成を示す説明図である。この荷物配達支援システム10には、測位機能を有する携帯電話である受取人端末100aおよび配達人端末100bと、受取人端末100aおよび配達人端末100bに対して、これらの端末から受信した位置データを送信するサーバ装置200と、サーバ装置200に対して気象情報を配信する気象情報提供サーバ500と、サーバ装置200に対して道路交通情報を提供する道路交通情報提供サーバ600と、が含まれる。受取人端末100aは、荷物を受け取る受取人に利用され、配達人端末100bは、荷物を受取人に配達する配達人によって利用される。荷物配達支援システム10を構成するこれらの装置は、インターネットや携帯電話網等からなる通信ネットワークNTによって相互に接続されている。サーバ装置200は、通信ネットワークNTを通じて受取人端末100aやパーソナルコンピュータ等に向けた電子商取引サイトを提供している。
【0020】
受取人端末100aは、GPS回路110と、無線通信回路120と、CPUやRAM、ROM等からなる制御マイコン130と、液晶モニタ140と、を備えている。GPS回路110は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から電波を受信して受取人端末100aの存在する現在位置を測位する。制御マイコン130は、GPS回路110によって測位された受取人の現在位置を表す位置データ(以下、「受取人位置データ」という)を、無線通信回路120を介してサーバ装置200に送信する。また、制御マイコン130は、無線通信回路120を介してサーバ装置200から配達人の現在位置を示す位置データ(以下、「配達人位置データ」という)を受信した場合に、この配達人位置データによって表される配達人の位置を液晶モニタ140に表示する。もちろん、受取人端末100は、上述した回路以外にも、音声通話やデータ通信を行うための回路を備えている。
【0021】
配達人端末100bは、上述した受取人端末100aと同一のハードウェア構成であるため、詳細な説明は省略する。ただし、以下の説明において、受取人端末100aと配達人端末100bとで、構成部品を区別して表記する場合には、受取人端末100aの構成部品については、符号の末尾に「a」を付し(例えば、GPS回路110a)、配達人端末100bの構成部品については、符号の末尾に「b」を付す(例えば、GPS回路110b)。なお、配達人端末100bの制御マイコン130bは、GPS回路110bによって測位された配達人位置データを、無線通信回路120bを介してサーバ装置200に送信する。また、制御マイコン130bは、無線通信回路120bを介してサーバ装置200から受取人位置データを受信した場合に、この受取人位置データによって表される受取人の位置を液晶モニタ140に表示する。
【0022】
サーバ装置200は、CPU210と、RAM220と、通信ネットワークNTに対する通信を制御する通信インターフェース230と、制御プログラムや種々のデータベースを記憶するハードディスク240とを備えている。CPU210は、ハードディスク240に記憶された制御プログラムをRAM220にロードして実行することにより、位置取得部212や、情報送信部214、配達判断部216、情報取得部218、として機能する。
【0023】
位置取得部212は、通信インターフェース230を介して受取人端末100aから受取人位置データを受信し、配達人端末100bから配達人位置データを受信する。
【0024】
情報送信部214は、位置取得部212が受取人端末100aから受取人位置データを受信した場合に、この受取人位置データを、配達人端末100bに送信する処理を実行する。また、情報送信部214は、位置取得部212が配達人端末100bから配達人位置データを受信した場合に、この配達人位置データを、受取人端末100aに送信する処理を実行する。
【0025】
配達判断部216は、サーバ装置200から受取人に対して通知されたパスワードを配達人端末100bから受信することで、配達人から受取人に荷物が配達されたかを判断する。つまり、本実施例では、配達人から受取人に対して荷物が手渡された際に、受取人が配達人の配達人端末100bを借りてパスワードを入力することで、配達判断部216によって、配達が完了したかが判断される。この判断処理の詳細については後述する。
【0026】
情報取得部218は、通信ネットワークNTを介して、気象情報提供サーバ500から配達場所周辺の気象情報を取得し、道路交通情報提供サーバ600から配達場所周辺の道路交通情報を取得する。道路交通情報には、例えば、渋滞情報や工事情報が含まれる。こうして取得された気象情報や道路交通情報は、荷物の配達場所を変更するか否かの判断に利用される。これらの情報の利用法については後述する。
【0027】
サーバ装置200のハードディスク240には、配達人データベース242と、受取人データベース244と、荷物データベース246と、地図データベース248と、が記憶されている。地図データベース248には、地物の形状を表す図形データや、道路のつながり状態を表す道路ネットワークデータが記録されている。道路ネットワークデータは、道路を表すリンクデータと、交差点や端点、屈曲点を表すノードデータとによって構成されている。リンクデータやノードデータには、属性情報として、交通規制情報(一方通行や進入禁止、右折禁止、左折禁止等の情報)が対応付けられている。
【0028】
図2は、配達人データベース242のデータ構造を示す図である。配達人データベース242には、配達人毎に、配達人に対して一意に割り振られた配達人IDや、その配達人が荷物を配達可能なエリア(配達エリア)、配達人の名前、性別、服装、その配達人を識別するための目印(名札や鞄など)、配達人の移動手段(徒歩、バイク、トラックなど)、配達人の顔画像、が含まれる。以下では、配達人の名前、性別、服装、目印、移動手段、顔写真のことを、まとめて、「配達人識別情報」という。なお、配達人識別情報の各項目は、一部を省略してもよい。
【0029】
図3は、受取人データベース244のデータ構造を示す図である。受取人データベース244には、受取人毎に、受取人に対して一意に割り振られた受取人IDや、受取人の名前、性別、服装、受取人を識別するための目印、受取人の移動手段、受取人の顔画像、が含まれる。以下では、受取人の名前、性別、服装、目印、移動手段、顔画像のことを、まとめて、「受取人識別情報」という。なお、受取人識別情報の各項目は、一部を省略してもよい。
【0030】
図4は、荷物データベース246のデータ構造を示す図である。荷物データベース246には、受取人から受注した荷物毎に、その荷物に一意に割り当てられた荷物IDや、その荷物を発注した受取人の受取人ID、その荷物を配達する配達人の配達人ID、各荷物の受け取り時に利用される識別子データとしてのパスワード、受取人から指定された配達場所(受取人と配達人の合流場所)の経緯度、受取人から指定された配達日時、その荷物の配達が完了したか否かを示す配達状態、が含まれる。
【0031】
B.発注処理:
図5は、受取人端末100aからサーバ装置200に対して商品の注文を行う発注処理のフローチャートである。図5には、受取人端末100aで実行される処理内容と、サーバ装置200で実行される処理内容とを併記している。
【0032】
まず、受取人端末100aは、サーバ装置200が提供する電子使用取引サイトを通じて、受取人からの指示に応じて商品の注文を行う(ステップS100)。商品注文時には、受取人に予め割り振られた受取人IDが、受取人端末100aからサーバ装置200に送信される。サーバ装置200は、受取人端末100aから受取人IDを受信すると共に商品を受注すると(ステップS200)、その商品の荷物IDを一意に決定する(ステップS202)。
【0033】
商品注文後、受取人端末100aは、受取人から、荷物の配達場所の位置(経緯度)および配達時間の指定を受け付け(ステップS102)、サーバ装置200に対して、指定された配達場所の位置と配達時間とを送信する(ステップS104)。サーバ装置200は、こうして受取人端末100aから送信された配達場所の位置と配達時間とを受信する(ステップS204)。上記ステップS102では、受取人は、配達場所の位置を、受取人端末100aの液晶モニタ140aに表示された地図上から指定する。また、GPS回路110aによって測位された現在位置の経緯度を配達場所の位置として指定することも可能である。なお、配達場所は、受取人端末100a(あるいはサーバ装置200)に対して予め登録しておいた複数の位置からプルダウンメニュー等のユーザインタフェースを用いて選択してもよい。その他にも、受取人端末100aが、ユーザから配達場所の住所の入力を受け付け、住所と経緯度が対応付けられた所定のデータベースを参照することで、この住所に対応する経緯度を、受取人端末100a側あるいはサーバ装置200側で判別してもよい。
【0034】
配達場所の位置と配達時間の指定を受け付けると、受取人端末100aは、受取人識別情報(図3参照)の入力を受け付ける(ステップS106)。上述したように、受取人識別情報には、受取人の名前、性別、服装、目印、移動手段、顔画像が含まれる。受取人は、これらのうち、自分が他人から認識可能な項目(例えば、名前)の入力を行い、他の項目については必要に応じて入力を行う。受取人の名前は匿名でも構わない。顔画像は、例えば、受取人端末100aに備えられたカメラによって撮像することができる。なお、受取人識別情報は、予め、受取人端末100aあるいはサーバ装置200に登録されていることとしてもよい。受取人識別情報の入力を受け付けると、受取人端末100aは、入力された受取人識別情報をサーバ装置200に送信する(ステップS108)。
【0035】
サーバ装置200は、受取人端末100aから受取人識別情報を受信すると(ステップS206)、ステップS200において受注した荷物に対して固有のパスワードを生成する。パスワードは、例えば、配達場所の位置や配達時間、受取人識別情報等を、パスワードを生成するための所定の関数に代入することで生成する。
【0036】
サーバ装置200は、パスワードを生成すると、続いて、受注した荷物を配達する配達人を決定する(ステップS210)。具体的には、サーバ装置200は、配達人データベース242に登録された各配達人の配達エリアを参照し、その配達エリア内に、配達場所の位置が含まれる者を配達人として決定する。複数の配達人が該当する場合には、荷物データベース246を参照して、指定された配達日時において配達する荷物が最も少ない者を選択する。その他、例えば、配達人の配達エリアに、指定された配達場所の位置が最も近い者を選択してもよい。
【0037】
配達人を決定すると、サーバ装置200は、決定された配達人の配達人IDに対応する配達人識別情報を配達人データベース242から読み出し、この配達人識別情報と、ステップS208で生成したパスワードと、ステップS202で決定した荷物IDと、を受取人端末100aに送信する(ステップS212)。受取人端末100aは、これらの情報をサーバ装置200から受信すると(ステップS110)、受信したこれらの情報を受取人端末100aのRAMに記憶し(ステップS112)、液晶モニタ140aへの表示を行う(ステップS114)。
【0038】
サーバ装置200は、受取人端末100aに対して配達人識別情報と荷物IDとパスワードとを送信すると、配達人端末100bに対して、荷物IDと、ステップS206において受取人端末100aから受信した受取人識別情報とを、送信する(ステップS214)。配達人端末100bは、荷物IDと受取人識別情報とを受信すると、これらの情報を配達人端末100b内のRAMに記憶する。
【0039】
サーバ装置200は、配達人端末100bに対して荷物IDと受取人識別情報とを送信すると、ステップS206で受信した受取人識別情報を、受取人データベース244に登録する(ステップS216)。そして、更に、ステップS200で受信した受取人IDと、ステップS202で決定した荷物IDと、ステップS204で受取人端末100aから受信した配達場所の位置および配達時間と、ステップS208で生成したパスワードと、ステップS210で決定した配達人IDと、をそれぞれ荷物データベース246に対して登録する(ステップS218)。以上で説明した一連の処理により、発注処理は完了する。
【0040】
C.配達支援処理:
図6は、配達支援処理のフローチャートである。この配達支援処理は、上述した発注処理によってサーバ装置200が受注した商品の荷物を、配達人が配達する際に実行される。具体的には、配達人端末100bが、配達人からの指示に応じて、荷物の配達を開始する旨の配達開始通知を、荷物IDを指定してサーバ装置200に送信する。そして、サーバ装置200が、この配達開始通知の受信に応じて、受取人端末100aおよび配達人端末100bに対して、当該配達支援処理を開始する旨を通知することで、当該配達支援処理が、受取人端末100a、サーバ装置200、および、配達人端末100bにおいて実行される。図6には、これらの装置で実行される処理内容を併記している。
【0041】
この配達支援処理が開始されると、まず、受取人端末100aは、GPS回路110aによって受取人の現在位置を測位し(ステップS300)、測位された現在位置を表す受取人位置データをサーバ装置200に送信する(ステップS302)。また、配達人端末100bは、配達人の現在位置をGPS回路110bによって測位し(ステップS500)、測位された現在位置を表す配達人位置データをサーバ装置200に送信する(ステップS502)。
【0042】
サーバ装置200は、位置取得部212によって、受取人端末100aと配達人端末100bとから、それぞれ、受取人位置データと配達人位置データとを受信すると(ステップS400)、受信したこれらの位置データに基づいて、受取人と配達人との間の距離(以下、「合流距離」という)、受取人から配達人への方角、配達人から受取人への方角、受取人と配達人とが合流する時間(以下、「合流時間」という)、を算出する(ステップS402)。合流時間は、受取人と配達人のそれぞれの移動手段に応じた平均時速に基づいて算出する。平均時速は、例えば、徒歩であれば、4km/h、車やバイクであれば、30km/h、のように、移動手段に応じて予め設定されている。
【0043】
ステップS402において、合流距離、方角、合流時間を算出すると、サーバ装置200は、受取人の現在位置と配達人の現在位置とを含む地図データを地図データベース248から読み出し、この地図データと、荷物データベース246に登録されている配達場所の位置と、位置データと、方角と、合流距離と、合流時間とを、情報送信部214によって受取人端末100aおよび配達人端末100bに送信する(ステップS404)。このとき、受取人端末100aには、方角として、受取人から配達人への方角が送信され、位置データとして、配達人位置データが送信される。また、配達人端末100bには、方角として、配達人から受取人への方角が送信され、位置データとして、受取人位置データが送信される。
【0044】
受取人端末100aは、サーバ装置200から、地図データ、配達場所の位置、配達人位置データ、方角、合流距離、合流時間を受信すると(ステップS304)、受信したこれらの情報を、液晶モニタ140aに表示する(ステップS306)。具体的には、受信した地図データが表す地図画像上に、受取人位置データと配達人位置データとが表す位置をそれぞれ表示し、更に、配達場所の位置と、方角と、合流距離と、合流時間とを表示する。
【0045】
また、配達人端末100bは、サーバ装置200から、地図データ、配達場所の位置、受取人位置データ、方角、合流距離、合流時間を受信すると(ステップS504)、受信したこれらの情報を、液晶モニタ140bに表示する(ステップS506)。具体的には、受信した地図データが表す地図画像上に、受取人位置データと配達人位置データとが表す位置をそれぞれ表示し、更に、配達場所の位置と、方角と、合流距離と、合流時間とを表示する。
【0046】
図7は、受取人端末100aの液晶モニタ140a上に、配達人位置データ等が表示された例を示す図である。本実施例では、受取人の位置R1が地図画像の中央付近に矢印で表示され、配達人の位置D1が逆三角形のマークで表示されている。また、地図画像上には、受取人の位置R1と配達人の位置D1の過去の位置を示す軌跡TR1,TD1が、点線状に表されている。更に、配達場所の位置P1が、星印のマークで表示されている。地図画像の下部には、配達人の方角、合流距離、合流時間が表示されている。さらに、液晶モニタ140a上には、配達人の顔画像や名前、性別等の配達人識別情報が、受取人端末100aのRAMから読み込まれて表示されている。また、現在配達中の荷物の荷物IDと、上述した受注処理においてサーバ装置200から通知されたパスワードが表示されている。なお、本実施例では、これらの情報が同一画面上にすべてまとめて表示されているが、例えば、配達人識別情報とその他の情報とを切り換え可能に表示してもよい。また、パスワードは表示しないこととしてもよい。
【0047】
図8は、配達人端末100bの液晶モニタ140b上に、受取人位置データ等が表示された例を示す図である。本実施例では、配達人の位置Dが地図画像の中央付近に矢印で表示され、受取人の位置R1が逆三角形のマークで表示されている。また、地図画像上には、受取人の位置R1と配達人の位置D1の過去の位置を示す軌跡TR1,TD1が、点線状に表されている。更に、配達場所の位置P1が、星印のマークで表示されている。地図画像の下部には、受取人の方角、合流距離、合流時間が表示されている。さらに、液晶モニタ140b上には、受取人の顔画像や名前、性別等の受取人識別情報が配達人端末100bのRAMから読み込まれて表示されている。また、現在配達中の荷物の荷物IDと、パスワードの入力を受け付けるパスワード入力欄PW(詳細は後述)が表示されている。なお、本実施例では、これらの情報が同一画面上にすべてまとめて表示されているが、例えば、受取人識別情報とその他の情報とを切り換え可能に表示してもよい。
【0048】
上述したステップS404において、位置データ等を各端末に送信すると、サーバ装置200は、情報取得部218によって、気象情報提供サーバ500から配達場所近辺の気象情報を、道路交通情報提供サーバ600から配達場所近辺の道路交通情報を、地図データベース248から交通規制情報をそれぞれ取得する(ステップS406)。そして、取得したこれらの情報に基づいて、以下に説明するレコメンド処理を行う(ステップS408)。
【0049】
レコメンド処理とは、気象情報や道路交通情報、交通規制情報に基づいて、配達場所の変更を受取人に勧める処理である。このレコメンド処理では、例えば、サーバ装置200は、気象情報提供サーバ500から取得した気象情報に基づいて、配達場所近辺が雨であるかを判断する。配達場所付近が雨であれば、サーバ装置200は、現在の配達場所付近で屋根のある場所を地図データベース248から検索する。そして、検索された場所に配達場所を変更するかを受取人端末100aに問い合わせる。また、サーバ装置200は、道路交通情報提供サーバ600から取得した道路交通情報に基づいて、配達場所付近が渋滞しているか、あるいは、工事中であるかを判断する。配達場所付近にこれらの事象が生じていれば、サーバ装置200は、現在の配達場所付近で渋滞、あるいは工事が発生していない場所を道路交通情報と地図データベース248とから検索する。そして検索された場所に配達場所を変更するかを受取人端末100aに問い合わせる。その他には、サーバ装置200は、地図データベース248から取得した交通規制情報に基づいて、配達場所付近に、進入禁止や一方通行、右折(左折)禁止などの規制が敷かれていないかを検索し、これらの規制が敷かれている場合には、両者が効率的に合流できる配達場所(例えば、交通規制を考慮して最短経路で合流可能な配達場所)を地図データベース248から検索する。そして、検索された場所に配達場所を変更するかを受取人端末100aに問い合わせる。これらのように、サーバ装置200から受取人端末100aに対して、サーバ装置200が検索した場所に配達場所を変更するかを問い合わせることを、以下では、「レコメンド通知」という。このレコメンド通知には、サーバ装置200によって検索された新たな配達場所の経緯度が含まれる。なお、本実施例では、サーバ装置200から受取人端末100aに対してレコメンド通知がなされるものとするが、配達人端末100bに対してレコメンド通知がなされてよい。また、受取人端末100aと配達人端末100bとの両者に対してレコメンド通知がなされてもよい。
【0050】
受取人端末100aは、サーバ装置200からレコメンド通知を受信すると(ステップS308)、レコメンド通知によって通知された位置に、配達場所を変更するかを所定のグラフィカルユーザインタフェースによってユーザに問い合わせる(ステップS310)。ユーザは、このとき、レコメンド通知によって通知された位置を、液晶モニタ140に表示された地図上で修正することが可能である。受取人端末100aは、配達場所の変更指示をユーザから受け付けると、サーバ装置200に対して、配達場所を変更する旨の通知(配達場所変更通知)を送信する(ステップS312)。この配達場所変更通知には、変更後の配達場所の経緯度が含まれる。サーバ装置200は、受取人端末100aから配達場所変更通知を受信すると、ステップS408のレコメンド処理において、変更後の配達場所を荷物データベース246に登録する処理を行う。こうして、変更後の配達場所が荷物データベース246に登録されれば、次回、上述したステップS404の処理が実行されることで、変更後の配達場所の位置が、受取人端末100aと配達人端末100bとに配信されることになる。受取人端末100aと配達人端末100bとは、配達場所の位置が変更された場合に、配達場所が配達された旨を示すメッセージを液晶モニタ140に表示する。その他、例えば、変更後の配達場所を示すマークを所定時間、点滅表示するなどしてもよい。受取人端末100aは、上述したステップS308においてレコメンド通知を受信しなかった場合や、ステップS310において配達場所の変更がユーザから指示されなかった場合には、ステップS312における配達場所変更通知の送信処理をスキップする。
【0051】
配達人端末100bは、上述したステップS506において、受取人の位置等を液晶モニタ140bに表示した後、図8に示したパスワード入力欄PWに、パスワードが入力されたかを判断する(ステップS508)。前述のように、このパスワードは、配達人端末100bではなく、受取人端末100aに対して通知されているものであるため、このパスワードは、受取人が配達人の配達人端末100bを借りて、その操作ボタンにより入力を行う。なお、パスワードの入力は、操作ボタンによる入力以外にも、赤外線やBluetooth(登録商標)等の無線通信機能、あるいは、有線ケーブルによる通信機能によって、受取人端末100aから配達人端末100bに送信されることとしてもよい。
【0052】
配達人端末100bは、パスワード入力欄PWにパスワードが入力されたと判断すると、サーバ装置200に対して、入力されたパスワードを、荷物を受け取った旨を示す受取確認通知として送信する(ステップS510)。パスワードが入力されていないと判断した場合には、当該ステップS510の処理をスキップする。サーバ装置200は、配達人端末100bからパスワードを受信すると(ステップS410)、荷物データベース246を参照し、配達判断部216によって、受信したパスワードと、現在配達中の荷物の荷物IDに対応付けられたパスワードとが一致するかを認証する(ステップS412)。これらのパスワードが一致しない場合には、認証が失敗したと判断し、処理をステップS400に戻して、上述した一連の処理を繰り返す。一方、パスワードが一致して認証が成功した場合には、配達が完了したと判断できるので、配達が完了した旨の通知(配達完了通知)を、受取人端末100aと配達人端末100bとに送信する(ステップS414)。そして、荷物データベース246に対して、現在の荷物IDに対応する「配達状態」の欄に配達が完了した旨を登録し(ステップS416)、当該配達支援処理を終了する。サーバ装置200は、当該配達支援処理を終了した後には、受取人端末100aとの間で、必要な決済処理を行う。決済処理には、例えば、銀行振込、クレジットカード、代引き、現金授受、コンビニエンスストア決済、受取人端末100aによる直接決済、電子マネー等による決済が含まれる。
【0053】
受取人端末100aは、サーバ装置200から配達完了通知を受信すると(ステップS314)、当該配達支援処理を終了する。配達完了通知を受信しなかった場合には、処理をステップS300に戻して、上述した一連の処理を繰り返す。また、配達人端末100bも、サーバ装置200から配達完了通知を受信した場合には(ステップS512)、当該配達支援処理を終了し、配達完了通知を受信しなかった場合には、処理をステップS500に戻して、上述した一連の処理を繰り返す。
【0054】
以上で説明した本実施例の荷物配達支援システム10によれば、荷物の配達時に、受取人端末100aには、配達人の位置が表示され、配達人端末100bには、受取人の位置が表示される。そのため、受取人と配達人とはお互いの位置を正確に把握することができ、荷物の引き渡しをスムーズに行うことが可能になる。また、本実施例では、配達人の位置や受取人の位置のほか、お互いの方角や距離、合流時間などもそれぞれの端末に表示されるため、両者の合流を効果的に支援することができる。更に、本実施例では、受取人端末100aには、配達人の顔画像や名前等の配達人識別情報が表示され、配達人端末100bには、受取人の顔画像や名前等の受取人識別情報が表示されるため、お互いの識別性を格段に向上させることが可能になる。
【0055】
D.変形例:
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、以下のような変形が可能である。
【0056】
(D1)変形例1:
上記実施例では、受取人端末100aには配達人の位置が表示され、配達人端末100bには受取人の位置が表示される。これに対して、受取人端末100aに配達人の位置を表示し、配達人端末100bには、受取人の位置を表示しないこととしてもよい。また、逆に、配達人端末100bに受取人の位置を表示し、受取人端末100aには配達人の位置を表示しないこととしてもよい。つまり、荷物配達支援システム10は、受取人端末100aと配達人端末100bのいずれか一方の端末に、相手方の位置が表示される構成であってもよい。
【0057】
(D2)変形例2:
上記実施例では、荷物の配達開始時から、受取人端末100aに配達人の位置を表示し、配達人端末100bに受取人の位置を表示している。これに対して、例えば、配達開始後に配達場所の変更がなされた場合にのみ、これらの表示を行うこととしてもよい。この場合、上述した配達支援処理は、受取人端末100aから配達場所の変更指示がサーバ装置200に通知された場合に実行される。このようにすれば、配達開始後に、配達場所が当初の位置から変更された場合において、受取人と配達人とを確実に合流させることが可能になる。
【0058】
(D3)変形例3:
上記実施例では、配達人と受取人の合流を支援するため、受取人端末100aと配達人端末100bとに、配達人や受取人の位置、方角、距離、合流時間等を表示させる。しかし、受取人端末100aや配達人端末100bは、これらの情報に加えて(あるいは、換えて)、音声やアラーム、メールなどによって、合流までのタイミングを受取人や配達人に通知してもよい。例えば、合流まで、残り5分や3分(あるいは、300mや100m)などのタイミングになった場合に、そのタイミングにあわせて、音声やアラームを鳴らしたり、サーバ装置200から各端末にメールを送信する。こうすることで、お互いの合流タイミングを効果的に受取人や配達人に知らせることが可能になる。なお、音声やメールなどによって合流のタイミングを通知する場合には、一方の者が他方の者に近づく方角や方面(地名など)、距離等をあわせて通知してもよい。
【0059】
(D4)変形例4:
上記実施例では、受取人端末100aに通知されたパスワードを、配達人端末100bに入力することで荷物の配達が完了したかを判断している。これに対して、例えば、パスワードを、サーバ装置200から配達人端末100bに対して通知し、受取人端末100aに対して、このパスワードを入力することで荷物の配達が完了したかを判断してもよい。また、受取人端末100aと配達人端末100bとに対してそれぞれパスワードを発行し、お互いに、それぞれのパスワードを入力することで荷物の配達が完了したかを判断してもよい。
【0060】
(D5)変形例5:
上記実施例では、受取人端末100aと配達人端末100bとには、それぞれ、配達場所付近の地図データが配信されて表示される。これに対して、受取人端末100aと配達人端末100bとには、地図データに加えて、それぞれの出発地から配達場所までの経路を表す経路データが配信されてもよい。サーバ装置200は、周知のダイクストラ法等のアルゴリズムに基づき、地図データベース248に含まれる道路ネットワークデータを用いることで、配達場所までの経路の探索を行うことができる。受取人端末100aと配達人端末100bとは、こうして配信された経路データを用いることで、受取人や配達人に対して配達場所までの経路案内を行うことが可能になる。なお、受取人端末100aによって配達場所が変更された場合には、サーバ装置200は、変更後の配達場所までの経路をリルートして、各端末に配信する。こうすることで、配達場所が変更された場合において、その配達場所までの経路を速やかに案内することが可能になる。
【0061】
(D6)変形例6:
上記実施例では、受取人端末100aと配達人端末100bとは、それぞれの端末に備えられたGPS回路110によって現在位置を測位している。これに対して、例えば、サーバ装置200が、受取人端末100aと配達人端末100bとが接続している基地局の位置を検出することで、それぞれの現在位置を測位してもよい。
【0062】
(D7)変形例7:
上記実施例では、各荷物に対して個別にパスワードが設定されて荷物データベース246に登録されている(図4参照)。これに対して、パスワードは、受取人に対して個別に設定されてもよい。この場合、パスワードは、受取人データベース244に登録される。受取人データベース244にパスワードが登録される場合には、サーバ装置200は、パスワードの認証時において(図6のステップS412)、受取人データベース244に登録されたパスワードと、配達人端末100bから受信したパスワードとが一致するかを判断する。
【0063】
(D8)変形例8:
上記実施例では、受取人端末100aと配達人端末100bとは、それぞれ携帯電話によって構成されているものとした。これに対して、受取人端末100aと配達人端末100bとは、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)、PND(Personal Navigation Device)、カーナビゲーションシステム、ゲーム機等によって構成されてもよい。
【0064】
(D9)変形例9:
上記実施例では、荷物の配達時において、受取人端末100aに配達人の位置を表示し、配達人端末100bに受取人の位置を表示している。これに対して、例えば、所定のサービスの提供時に、受取人端末100aにサービス提供者の位置を表示し、配達人端末100bにサービス受給者の位置を表示してもよい。所定のサービスとしては、例えば、タクシーの配車や、各種修理・保守サービス、清掃サービス、家事代行サービス、ベビーシッターサービス、ペットシッターサービスなどが挙げられる。このような構成とすれば、サービス受給者とサービス提供者との合流を支援することが可能になる。
【0065】
(D10)変形例10:
上記変形例9に記載のように、例えば、タクシーの配車サービスを行う場合には、サーバ装置200によって、サービス受給者(客)の乗車位置(実施例における配達場所)と、タクシーの進行方向とのマッチングを行うこととしてもよい。具体的には、サーバ装置200は、タクシーの現在位置を配達人端末100bから取得し、この現在位置の履歴に基づいて、タクシーの進行方向を検出する。そして、タクシーの進行方向が、客の乗車位置とは逆側の車線の進行方向(換言すれば、客から見て左方向から右方向に向かう進行方向)であれば、受取人端末100aに対して、反対側の車線に移動するようリコメンド通知を送信する。そして、このリコメンド通知を受信した受取人端末100aは、客に対して、乗車位置を変更するか問い合わせる。客が、乗車位置の変更を指示すれば、受取人端末100aは、サーバ装置200に対して、乗車位置を反対側の車線に変更する旨を通知する。このように、タクシーの進行方向に応じて乗車位置の変更を客に通知すれば、タクシーと客との合流をスムーズに行わせることが可能になる。なお、本変形例では、客に対して乗車位置の変更を促すこととしたが、客の乗車位置に応じて、タクシーの進行方向を変更するように促すこととしてもよい。また、サーバ装置200は、地図データベース248を参照して、客の乗車位置が一方通行の道上の場合には、客に対して対面通行可能な場所をレコメンドしてもよい。また、タクシーに対して、その一方通行の場所に進行するための経路をレコメンドしてもよい。その他にも、例えば、客の乗車位置が駐停車禁止の場所である場合に、客に対して、駐停車が禁止されていない場所への移動をレコメンドしてもよい。なお、このような処理は、タクシーの配車の場合に限らず、移動手段として車やバイクを用いる他のサービス提供時や、荷物の配達時にも同様に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
10…荷物配達支援システム
100a…受取人端末
100b…配達人端末
110…GPS回路
120…無線通信回路
130…制御マイコン
140…液晶モニタ
200…サーバ装置
210…CPU
212…位置取得部
214…情報送信部
216…配達判断部
218…情報取得部
220…RAM
230…通信インターフェース
240…ハードディスク
242…配達人データベース
244…受取人データベース
246…荷物データベース
248…地図データベース
500…気象情報提供サーバ
600…道路交通情報提供サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有しサービスを受給する受給人が利用する第1の端末装置と、表示部を有し前記サービスを提供する提供人が利用する第2の端末装置とを備え、前記受給人と前記提供人との合流場所までの移動を支援するサービス提供支援システムであって、
前記第1の端末装置の現在位置である第1の位置、および、前記第2の端末装置の現在位置である第2の位置の少なくとも一方を取得する位置取得部と、
前記第1の位置を表す第1の位置情報を前記第2の端末装置に送信する第1の位置情報送信処理と、前記第2の位置を表す第2の位置情報を前記第1の端末装置に送信する第2の位置情報送信処理と、の少なくとも一方を実行する情報送信部とを備え、
前記第1の端末装置および前記第2の端末装置の少なくとも一方は、前記情報送信部から送信された位置情報を受信して、自己の表示部に、前記受信した位置情報に応じた表示を行う
サービス提供支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス提供支援システムであって、
前記位置取得部は、前記第1の位置と前記第2の位置とを取得し、
前記情報送信部は、前記第1の位置情報送信処理と前記第2の位置情報送信処理とを実行する、サービス提供支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサービス提供支援システムであって、
前記情報送信部は、更に、前記第1の端末装置に対して、前記提供人を識別するための提供人識別情報を送信し、
前記第1の端末装置は、前記情報送信部から送信された前記提供人識別情報を表示する、サービス提供支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のサービス提供支援システムであって、
前記情報送信部は、更に、前記第2の端末装置に対して、前記受給人を識別するための受給人識別情報を送信し、
前記第2の端末装置は、前記情報送信部から送信された前記受給人識別情報を表示する、サービス提供支援システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のサービス提供支援システムであって、
前記第1の位置情報には、前記第1の位置と、前記第2の位置から前記第1の位置までの距離と、前記第2の位置から前記第1の位置への方角と、前記第2の位置から前記第1の位置までの移動時間と、のうち少なくとも1つが含まれ、
前記第2の位置情報には、前記第2の位置と、前記第1の位置から前記第2の位置までの距離と、前記第1の位置から前記第2の位置への方角と、前記第1の位置から前記第2の位置までの移動時間と、のうち少なくとも1つが含まれる、サービス提供支援システム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のサービス提供支援システムであって、
更に、気象情報、道路交通情報、および、交通規制情報の少なくとも一つを取得する情報取得部を備え、
前記情報送信部は、更に、前記情報処理部が取得した情報に応じて、前記合流場所の変更を促す通知を前記第1の端末装置に送信する、サービス提供支援システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のサービス提供支援システムであって、
更に、前記第1の端末装置および前記第2の端末装置の少なくとも一方から、前記サービスを前記受給人が受給した旨を示す受給確認通知を受信し、該受信した受給確認通知に基づいて、前記提供人から前記受給人に前記サービスが提供されたかを判断する受給判断部を備えるサービス提供支援システム。
【請求項8】
請求項7に記載のサービス提供支援システムであって、
前記情報送信部は、更に、前記第1の端末装置に、前記受給人または前記サービスを一意に示す識別子データを送信し、
前記第2の端末装置は、前記識別子データの入力を受け付ける識別子入力部を備え、
前記受給判断部は、前記受給確認通知として前記識別子データを前記第2の端末装置から受信して前記判断を行う、サービス提供支援システム。
【請求項9】
表示部を有しサービスを受給する受給人が利用する第1の端末装置と、表示部を有し前記サービスを提供する提供人が利用する第2の端末装置と、コンピュータとによって、前記受給人と前記提供人との合流場所までの移動を支援するサービス提供支援方法であって、
前記コンピュータが、前記第1の端末装置の現在位置である第1の位置、および、前記第2の端末装置の現在位置である第2の位置の少なくとも一方を取得する位置取得工程と、
前記コンピュータが、前記第1の位置を表す第1の位置情報を前記第2の端末装置に送信する第1の位置情報送信処理と、前記第2の位置を表す第2の位置情報を前記第1の端末装置に送信する第2の位置情報送信処理と、の少なくとも一方を実行する情報送信工程と、
前記第1の端末装置および前記第2の端末装置の少なくとも一方が、前記コンピュータから送信された位置情報を受信して、自己の表示部に、前記受信した位置情報に応じた表示を行う
サービス提供支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−235269(P2010−235269A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85706(P2009−85706)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】