説明

サービス認証システム

【課題】
店舗で店舗利用者に対して提供するサービスについてのサービス認証システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
利用者が利用する利用者端末から、利用者が選択したサービスの申込情報を受け付けて認証情報記憶部に記憶させるサービス選択受付部と、利用者によるサービスの利用時に、利用者端末または利用者端末と通信可能なR/W装置から利用情報を受け取り、利用情報と一致する情報を含む申込情報が認証情報記憶部に存在する場合には申込情報について認証済と判定し、認証情報記憶部に記憶させる認証処理部と、店舗端末に対して、認証情報記憶部に基づいて、サービスの利用に対する実績情報を送る実績照会部と、を有するサービス認証システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店をはじめとしたさまざまな店舗や施設(以下、これらを総称して「店舗」とする)で店舗利用者に対して提供するサービスについてのサービス認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの店舗では、利用者による店舗利用を促すために、料金の減免やサービスが付加されるなどの各種特典を受けられる、さまざまなサービスを提供している。そのサービスの一例としてクーポンがある。クーポンをはじめとした、店舗が提供するサービスは、一般的には印刷され街頭で配布されるクーポンマガジン、印刷された広告、ウェブサイト上の画面を印刷した紙を店員に提示する、あるいは携帯端末(携帯電話、スマートフォン、PHS、ネットブックなどの可搬型通信端末)の表示装置に所定の画面を表示させ、それを店員に提示することで、店舗利用者はサービスを享受することが出来る。たとえばクーポンを用いたシステムの場合には、下記特許文献が一例としてあげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−208535号公報
【特許文献2】特開2004−326303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献あるいは従来技術によるシステムでは、店舗利用者は、店舗利用時に所定の内容が印刷・表示された紙や携帯端末を提示することで、気軽に利益を享受することができる点で有益である。
【0005】
しかしながら、ウェブサイト上の画面を印刷したクーポンの場合は、少なくともサーバ上には印刷の指示がユーザからなされた旨のログが残るが、街頭で配布され、複製自由に配布されたクーポンマガジンによるクーポンの配布の場合は、まったく認証が行えない。このような課題をかかえつつも、実際の店舗運営においては、紙や画面を店員が確認することでサービスの利用を認めていることが多く、店舗にとっては、実際にサービスが利用されたかどうかの確認が、店員の善意に依存してしまう。従って、たとえば店員が悪意によって、サービスが利用されたことを登録してしまえば、店員による売上の着服などもあり得る。
【0006】
たとえば、ある店舗、たとえば飲食店が10%割引のクーポンを発行していたとする。当該店舗のある利用者が正規料金(クーポンを利用しない料金)で1万円を支払った場合、本来であれば、店舗の売上として1万円が計上される。しかし、悪意ある店員が、当該利用者がクーポンを利用して支払ったことにして処理をすることがある。
【0007】
この場合、店舗の売上として9000円(1万円の10%割引)が登録される一方、残りの1000円を店員が着服する。店舗としては、実際にクーポンが利用されたかどうかの確認は、店員に委ねられているので、確認のしようがない。つまり、紙に印刷されたクーポンの場合、クーポンを印刷することは通常容易であることから、当該店員があらかじめ印刷しておき、それを利用者が提示したことにして、店舗での記録に代えてしまうことができる。また、携帯端末の表示装置のクーポン画面の場合には、店員から、当該利用者から携帯端末の表示装置のクーポン画面を見せられたと主張されれば、それも確認のしようがない。
【0008】
このようなことへの対策の一つとして、紙の所定箇所に利用者の住所、氏名の記入欄を設け、そこに記入してもらう方法がある。しかし、個人情報への意識の高まりによって、自主的に記入してもらうことは容易ではなく、店舗側からそれを強制することも容易ではない。そのため、記入されていない場合であっても、店舗利用者サービスの観点から受け付けざるを得ない場合も多い。また、記入を求めたとしても、そこに真実の住所、氏名が記入される保証がなく、悪意ある店員が自ら印刷したクーポンに、架空の住所、氏名を記入してしまうおそれもある。
【0009】
以上のように、従来の紙や携帯端末の表示装置による場合では、店舗の店員の善意が前提となっている。しかし、実際には、悪意ある店員がいないわけではなく、店舗にとっては、サービスを行うための確認としての紙や画面の作成は諸刃の剣になりかねない。そのため、このようなサービス提供に二の足を踏む店舗もある。
【0010】
そこで、利用者が実際にサービスを利用したことを確認可能な、サービス認証システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上述の課題に鑑み、サービス認証システムを発明した。
【0012】
第1の発明は、利用者が店舗でサービスを利用したことを確認可能なサービス認証システムであって、前記サービス認証システムは、利用者が利用する利用者端末から、前記利用者が選択したサービスの申込情報を受け付けて認証情報記憶部に記憶させるサービス選択受付部と、前記利用者によるサービスの利用時に、前記利用者端末または前記利用者端末と通信可能なR/W装置から利用情報を受け取り、前記利用情報と一致する情報を含む申込情報が前記認証情報記憶部に存在する場合には前記申込情報について認証済と判定し、前記認証情報記憶部に記憶させる認証処理部と、前記店舗端末に対して、前記認証情報記憶部に基づいて、前記サービスの利用に対する実績情報を送る実績照会部と、を有するサービス認証システムである。
【0013】
第2の発明は、利用者が店舗でサービスを利用したことを確認可能なサービス認証システムであって、前記サービス認証システムは、利用者が利用する利用者端末から、前記利用者が選択したサービスの申込情報を受け付けて認証情報記憶部に記憶させるとともに、識別情報を生成し、前記識別情報を含む前記出力データを前記利用者端末に送るサービス選択受付部と、前記出力データに基づいて出力された紙に表示された前記識別情報の入力を前記店舗が利用する店舗端末から受け付け、前記識別情報に基づいて、前記認証情報記憶部において対応する申込情報を特定し、前記申込情報が特定できた場合には前記申込情報について認証済と判定し、前記認証情報記憶部に記憶させる認証処理部と、前記店舗端末に対して、前記認証情報記憶部に基づいて、前記サービスの利用に対する実績情報を送る実績照会部と、を有するサービス認証システムである。
【0014】
これらの発明のように構成することで、利用者が利用者端末の表示装置に表示された画面を店員に提示することでサービスを享受する場合、サービスが受けられることを示す紙を店員に提示することでサービスを享受する場合、のいずれであっても、利用者が実際にサービスを利用したことの記録が残る。そのため、その実績情報に基づいて、店舗側は店員によるサービスの不正利用があるかを確認することが出来る。
【0015】
上述の発明において、前記店舗端末は、さらに、前記サービス認証システムから取得した前記店舗における実績情報のうち、認証済フラグが存在しない情報を抽出する、サービス認証システムのように構成することができる。
【0016】
また上述の発明において、前記店舗端末は、さらに、前記サービス認証システムから取得した前記店舗における実績情報と、前記店舗における売上情報とを比較し、対応する売上情報がない認証情報、またはサービスの利用登録がある売上情報であって、該売上情報に対応する認証情報がない売上情報を抽出する、サービス認証システムのように構成することができる。
【0017】
サービスの不正利用の有無を店舗側で判定する場合には、上述のような処理を店舗端末で行うことで、自動的に判定することが可能となる。
【0018】
上述の発明において、前記申込情報は、前記利用者端末を識別する利用者端末識別情報と、前記利用者端末で選択されたサービスを特定するためのサービス識別情報とから構成される、サービス認証システムのように構成することができる。
【0019】
このように構成することで、利用者端末を利用する利用者が選択したサービスごとに認証を行うことが出来る。
【発明の効果】
【0020】
本発明のサービス認証システムによって、利用者が実際に、来店前に利用申し込みを行い同利用者が実際に来店した上でサービスを受けたことを店舗側が確認することができるので、組織的なクーポンの不正利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のサービス認証システムのシステム構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】サーバのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
【図3】実施例1の処理の一例を模式的に示すフローチャートである。
【図4】サービス情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図5】認証情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図6】サービスの利用申込をした時点での認証情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図7】実施例2のサービス認証システムのシステム構成の一例を模式的に示す図である。
【図8】PIDが表示された紙の一例を模式的に示す図である。
【図9】実施例2の処理の一例を模式的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明では主に二つの態様がある。一つは携帯端末の表示装置に表示された画面によりサービスの確認を行う場合(実施例1)であり、もう一つは紙への印刷によりサービスの確認を行う場合(実施例2)である。
【実施例1】
【0023】
本実施態様におけるサーバ2では、携帯端末の表示装置に表示された画面によりサービスの確認を行う場合である。この場合のシステム構成の一例を図1に示す。本発明のサービス認証システム1では、利用者が利用するコンピュータ端末、携帯端末、ICカード(以下、「利用者端末3」という)と、利用者端末3と接触または非接触により情報の送受信が可能なR/W装置4と、サーバ2と、店舗が利用するコンピュータ端末である店舗端末5とを有している。
【0024】
サーバ2は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と、ディスプレイ(画面)などの表示装置72と、キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と、演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置71から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置70における処理に用いる。図2にサーバ2のハードウェア構成の一例を模式的に示す。また、サーバ2における処理は、複数のサーバ2に、その機能が分散配置されていても良い。
【0025】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0026】
利用者端末3は、利用者が利用するコンピュータ端末、携帯端末、ICカードであって、後述するR/W装置4と接触または非接触により情報の送受信が可能である。また利用者端末3では、当該利用者端末を識別可能なUDID(利用者端末識別情報)を利用者端末3の記憶装置に記憶している。従って、本発明においてサーバ2では、利用者を個別に識別するものではなく、あくまでも利用者の使用している端末を識別することを目的としている。もちろん、図示しないがサーバ2に利用者の会員情報などを記憶した会員情報記憶装置などが接続している構成の場合は、事前にUDIDと当該会員情報を紐づけることで会員と装置が対応され、結果としてサービスを利用する利用者を一意に特定できる構成としてもよい。
【0027】
R/W装置4は、接触または非接触によって利用者端末3と通信が可能な装置であって、店舗またはR/W装置4を識別可能なID(以下、総称して「RID」(店舗識別情報)という)が記憶されている。R/W装置4と利用者端末3との間の通信にはさまざまな通信方式があるが、たとえばNFC方式(Near Field Communication)などのRFIDが一例としてある。なお、これには限定されない。また、R/W装置4には、インターネットなどのネットワークでの通信が可能な装置と、ネットワークでの通信が行えない装置のいずれも用いることができる。
【0028】
ネットワークでの通信が可能なR/W装置4の場合、利用者端末3の所定の記憶装置に記憶されたUDIDを読み取り、読み取ったUDIDとRIDとを利用情報としてサーバ2に送信する。なお、ここでネットワークでの通信が可能なR/W装置4とは、R/W装置4そのものに通信機能が内蔵されているほか、R/W装置4と接続された、ネットワークでの通信が可能な装置(たとえばPOSレジやコンピュータ端末など)の場合も含む。
【0029】
ネットワークでの通信が行えないR/W装置4の場合、R/W装置4に記憶されたRIDを利用者端末3に送り、利用者端末3から、UDIDとRIDとを利用情報としてサーバ2に送信する。なおこの場合、R/W装置4は、アクセス先となるサーバ2の情報もRIDと併せて利用者端末3に送り、その情報に基づいて利用者端末3は利用情報をサーバ2に送る。
【0030】
サーバ2は、サービス登録受付部20とサービス情報記憶部21とサービス選択受付部22と認証情報記憶部23と認証処理部24と実績照会部25とを有する。
【0031】
サービス登録受付部20は、店舗が店舗利用者に対して提供するサービス(たとえばクーポン、以下同様)に関する情報を、店舗端末5から受け付ける。たとえばクーポンに関する情報などがその一例としてあるが、それに限定されるものではない。
【0032】
サービス情報記憶部21は、各店舗が提供するサービスに関する情報を記憶する。サービスに関する情報としては、店舗を識別するRID、サービスを識別するSID(サービス識別情報)、それぞれのサービスの内容、たとえばサービスがクーポンであれば毎週月曜日は20%引き等のクーポンの内容に関する情報などがあり、それらが対応づけて記憶されている。図4にサービス情報記憶部21の一例を模式的に示す。
【0033】
サービス選択受付部22は、店舗利用者が利用する利用者端末3から、利用者が利用を希望する店舗のサービスの選択を示す申込情報を受け付け、申込情報を後述する認証情報記憶部23に記憶させる。具体的には、利用者が利用者端末3において取得しているサービスに関する情報のうち、利用を希望するサービスを選択することで、利用者端末3からサーバ2に、RID、SID、UDIDが申込情報として送られ、それらを認証情報記憶部23に記憶させる。
【0034】
なお、利用者端末3におけるサービスに関する情報は、たとえば利用者端末3からサーバ2のウェブサイトにアクセスし、サービス情報記憶部21に記憶されたサービスに関する情報から利用するクーポンを選択する方法がある。あるいは利用者端末3において、クーポンなどのサービスに関するアプリケーションソフトウェアを取得しておき、そのアプリケーションソフトウェアを起動させ、サービス情報記憶部21に記憶されたサービスに関する情報から、利用者が利用を希望する店舗、サービスごとのクーポンを選択する方法もある。
【0035】
認証情報記憶部23は、認証情報を記憶する。認証情報としては、RID、SID、申込日時、申込時のUDID、認証時のUDID、認証済フラグ、認証日時に関する情報などがある。また認証情報は、それ自体を一意に識別するための識別子(GID)に対応づけられている。そのため、申込情報、利用情報は認証情報に含まれる。図5に認証情報記憶部23の一例を模式的に示す。
【0036】
認証処理部24は、店舗利用者が実際にサービスを受ける場合に、R/W装置4に利用者端末3をかざすことで、利用者端末3またはR/W装置4から、RIDとUDIDとを含む利用情報を受け取り、認証情報記憶部23に記憶させる。利用情報におけるRIDとUDIDに同一の、RIDと申込時のUDIDとを含む申込情報が認証情報記憶部23に記憶されている場合には、認証済としてフラグを立て、その認証の日時情報を認証情報記憶部23に記憶させる。また利用情報におけるRIDとUDIDが同一の申込情報が認証情報記憶部23に記憶されていない場合には、認証済のフラグは立てない。
【0037】
実績照会部25は、定期的にまたは店舗端末5からの要求に応じて、当該店舗で所定期間内に利用されたサービスに対しての実績の情報を店舗端末5に送る。具体的には、店舗端末5から期間の入力を受け付け、その期間内における当該店舗のRIDを有する認証情報記憶部23に記憶されている認証情報の一部または全部を抽出し、店舗端末5に送る。正規に利用されていれば認証済フラグ、認証日時が認証情報に記憶されているが、正規に利用されていなければ認証済フラグ、認証日時が記憶されていない。また、サーバ2から取得した認証情報と、店舗で管理している売上情報とを対比させ、店舗には記憶されているサービスの利用であるにもかかわらず、サーバ2から取得した認証情報には対応するものがない、といった場合には、店舗は不正を疑うことが出来る。
【0038】
次に本実施例における処理の一例を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
まず本発明のサービス認証システム1を用いてサービスの提供を行うことを希望する店舗は、店舗端末5で所定の操作を行うことで、クーポンなどのサービスに関する情報を入力し、それをサーバ2に送る。サーバ2のサービス登録受付部20では、サービスに関する情報を受け付け、サービス情報記憶部21に記憶させる(S100)。
【0040】
この際に、SIDは、サービスに関する情報を新たにサービス情報記憶部21に記憶させる際に、自動的に割り当てられても良いし、店舗利用者が任意に入力できても良い。また、RIDは、店舗がサービスに関する情報の入力のログインの際に用いた情報としても良い。
【0041】
利用者は、利用者端末3から所定の操作をすることでサーバ2にアクセスし、利用者が利用を希望するサービスを選択する(S110)。この選択処理によって、利用者端末3からサーバ2に、利用者がサービスの利用を希望する店舗のRID、サービスを識別するSID、利用者端末3を識別するUDIDが送られる。サービス選択受付部22は、利用者端末3からRID、SID、UDIDを申込情報として受け付け、それを認証情報記憶部23に記憶する。この状態の認証情報記憶部23を模式的に示すのが図6である。なお申込日時については、認証情報記憶部23に記憶した時点でも良いし、利用者が選択をした時点であっても良い。またGIDについては、任意に付与することができる。
【0042】
以上のようにすることで、利用者は店舗のサービスの利用登録が行える。そして利用者が店舗を訪れると、店舗の所定箇所に設置されたR/W装置4に利用者端末3をかざす(S120)。これによって、R/W装置4または利用者端末3からサーバ2に、RIDとUDIDが利用情報として送られ、それを認証処理部24で受け付ける。
【0043】
認証処理部24で利用情報のRIDとUDIDとを受け付けると、認証処理部24は、認証情報記憶部23に記憶する情報のうち、まだ認証済フラグが立っていないGIDに対応づけられた申込情報であって、同一のRIDとUDID(申込時のUDID)を含む申込情報があるかを判定する。もしあった場合には、認証時のUDID(R/W装置4または利用者端末3から受け付けた利用情報のUDID)を書き込み、認証済フラグをONにし、認証日時を書き込むことで認証処理を実行する(S130)。この状態の認証情報記憶部23を模式的に示すのが図5である。
【0044】
また利用情報のRIDとUDIDに同一の、申込情報のRIDとUDID(申込時のUDID)を含む認証情報がなかった場合には、サービスの利用登録がされていません、といったようなエラー通知を利用者端末3または店舗端末5に送信しても良いし、そのまま次のステップへ進んでも良い。
【0045】
そしてあらかじめ定められたタイミング(たとえば一日、一週間、一ヶ月など)、あるいは店舗端末5からの要求に応じて、実績照会部25は、所定期間における認証情報の一部または全部を認証情報記憶部23から抽出し、それを店舗端末5に送る(S140)。この認証情報を店舗端末5で受け取った店舗は、認証情報のうち、認証済フラグが立っていない情報と、店舗で管理する売上情報とを対比する。認証済フラグが立っていない情報に対応する売上情報が存在しない場合には、利用登録が行われたものの実際にはサービスの利用がなかった情報である。そのため、不正の可能性がある。またそもそもサーバ2から取得した認証情報が存在しないにもかかわらず、店舗で管理する売上情報がある場合もある。この場合にも店舗側での不正の可能性がある。
【0046】
このように、サーバ2から取得する認証情報と店舗で管理する売上情報とを対比することで(好ましくは認証日時と売上日時とをキーに基づいて対応関係を特定する)、不正の防止、あるいは不正の確認を行うことが出来る。なお、この対比を自動的に行っても良い。すなわち、売上情報を管理する端末(たとえばPOS端末)から、サーバ2から取得した認証情報の期間に対応する期間の売上情報を取得し、日時情報に基づいて認証情報と売上情報とをマッチングさせる。そして対応する売上情報が存在しない認証情報を抽出・表示する、あるいはサービスの利用登録(たとえばクーポンによる割引)がある売上情報であって、対応する認証情報が存在しない売上情報を抽出、表示する、ことで自動的に処理を行うことが出来る。また、マッチングに際しては、完全に日時情報が一致していなくても、あらかじめ定められた範囲(30分以内など)であれば一致すると判定することができる。
【実施例2】
【0047】
本実施態様におけるサーバ2では、紙によりサービスの確認を行う場合である。この場合のシステム構成の一例を図7に示す。本発明のサービス認証システム1では、サーバ2と、店舗が利用するコンピュータ端末である店舗端末5とを有している。なお店舗端末5は実施例1と同様である。
【0048】
本実施態様におけるサーバ2は、サービス登録受付部20とサービス情報記憶部21とサービス選択受付部22と認証情報記憶部23と認証処理部24と実績照会部25とを有する。サービス登録受付部20とサービス情報記憶部21と認証情報記憶部23と実績照会部25は実施例1と同様である。なお実施例1の利用者端末3は主に携帯端末やICカードの場合であったが、本実施例の利用者端末3は主にコンピュータ端末の場合である。
【0049】
サービス選択受付部22は、実施例1における機能に加え、サービス選択の入力を利用者端末3から受け付け後、当該利用者端末3に対して、所定の方法で当該利用者または申込を識別するPIDを生成、発行し、それを含めた出力用データを利用者端末3に送る。利用者端末3では、PIDを含んだ出力用データをサーバ2から受け取り、それを紙に印刷する。なお、この印刷された紙には、PIDが表示されている。図8にその一例を示す。PIDを生成するためには、GID、RID、SID、UDIDのうちいずれか一以上を用いて任意の方法で生成することが出来る。またPIDが、GIDやUDIDと同一であっても良い。すなわち、PIDは利用者または申込を識別できる情報であれば如何なる方法で生成されても良い。PIDとして「1234567」が表示された紙の一例を示す。なお、本実施例ではPIDはGIDに基づいて生成された場合を説明する。また、上述のPIDは数字で表記されたが、文字、記号などであっても良く、また所定のコード、たとえばバーコード、2次元コードで図形化されていても良い。
【0050】
認証処理部24は、利用者が店舗の店員に対して提示した、PIDが印刷された紙に表示されたPIDの入力を店舗端末5から受け付け、PIDに基づいてGIDに変換し、認証処理を実行する。たとえば、店舗端末5からPID「1234567」の入力を受け付けると、それを所定の方法でGID「00001」に変換し、認証情報記憶部23における当該GIDに対応する認証時のUDIDに申込時のUDIDを書き込み、認証済フラグをONにし、認証日時を書き込む。これによって、認証処理が行われる。また、対応するGIDがない場合には、実施例1と同様に、エラー通知を行ったり、そのまま次のステップの処理を実行する。
【0051】
次に本実施例における処理の一例を図9を用いて説明する。まず本発明のサービス認証システム1を用いてサービスの提供を行うことを希望する店舗は、店舗端末5で所定の操作を行うことで、クーポンなどのサービスに関する情報を入力し、それをサーバ2に送る。サーバ2のサービス登録受付部20では、サービスに関する情報を受け付け、サービス情報記憶部21に記憶させる(S200)。
【0052】
利用者は、利用者端末3から所定の操作をすることでサーバ2にアクセスし、利用者が利用を希望するサービスを選択する(S210)。この選択処理によって、利用者端末3からサーバ2に、RID、SID、UDIDが申込情報として送られる。サービス選択受付部22は、利用者端末3からRID、SID、UDIDを申込情報として受け付け、それを認証情報記憶部23に記憶する。RID、SID、UDIDの申込情報はそれらを識別するGIDに対応づけて認証情報記憶部23に記憶される。また、サービス選択受付部22は、GIDに基づいて、利用者や申込を識別するPIDを生成し(S220)、生成したPIDとサービスの内容に関する情報を含む出力データを利用者端末3に送り、利用者はそれを紙で出力する(S230)。
【0053】
以上のようにすることで、利用者は店舗のサービスの利用登録が行える。そして利用者が店舗を訪れると、S230で出力したPIDが表示された紙を店員に提示することで(S240)、当該紙に表示された(S210で利用者が選択した)サービスを享受することが出来る。
【0054】
一方、店員は、S240で提示を受けた紙に表示されたPIDを所定のタイミングで、店舗端末5から入力をする。なおPIDがコード化されている場合には、バーコードリーダなどの読取装置を用いて入力されればよい。この入力によって、PIDおよびRIDが店舗端末5からサーバ2に送られ、それをサーバ2の認証処理部24で受け付ける(S250)。そしてPIDを所定の方法でGIDに変換(GIDからPIDに変換したときの逆変換)し、対応するGIDが認証情報記憶部23に存在すれば、認証情報記憶部23における当該GIDに対応する認証時のUDIDを申込時のUDIDに基づいて書き込み、認証済フラグをONにし、認証日時を書き込むことで認証処理を実行する(S260)。
【0055】
なおGIDに変換できない、あるいは対応するGIDが認証情報記憶部23に存在しなかった場合には、たとえばサービスの利用登録がされていません、といったようなエラー通知を利用者端末3または店舗端末5に送信しても良いし、そのまま次のステップへ進んでも良い。
【0056】
以降の処理は実施例1のS140と同様である。
【0057】
以上のようにすることで、紙媒体の場合であっても、サービスの利用に対する認証を実行することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上述のサービス認証システム1によって、利用者が実際に、来店前に利用申し込みを行い同利用者が実際に来店した上でサービスを受けたことを店舗側が確認することができるので、組織的なクーポンの不正利用を防止することができる。
【符号の説明】
【0059】
1:サービス認証システム
2:サーバ
3:利用者端末
4:R/W装置
5:店舗端末
20:サービス登録受付部
21:サービス情報記憶部
22:サービス選択受付部
23:認証情報記憶部
24:認証処理部
25:実績照会部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が店舗でサービスを利用したことを確認可能なサービス認証システムであって、
前記サービス認証システムは、
利用者が利用する利用者端末から、前記利用者が選択したサービスの申込情報を受け付けて認証情報記憶部に記憶させるサービス選択受付部と、
前記利用者によるサービスの利用時に、前記利用者端末または前記利用者端末と通信可能なR/W装置から利用情報を受け取り、前記利用情報と一致する情報を含む申込情報が前記認証情報記憶部に存在する場合には前記申込情報について認証済と判定し、前記認証情報記憶部に記憶させる認証処理部と、
前記店舗端末に対して、前記認証情報記憶部に基づいて、前記サービスの利用に対する実績情報を送る実績照会部と、
を有することを特徴とするサービス認証システム。
【請求項2】
利用者が店舗でサービスを利用したことを確認可能なサービス認証システムであって、
前記サービス認証システムは、
利用者が利用する利用者端末から、前記利用者が選択したサービスの申込情報を受け付けて認証情報記憶部に記憶させるとともに、識別情報を生成し、前記識別情報を含む前記出力データを前記利用者端末に送るサービス選択受付部と、
前記出力データに基づいて出力された紙に表示された前記識別情報の入力を前記店舗が利用する店舗端末から受け付け、前記識別情報に基づいて、前記認証情報記憶部において対応する申込情報を特定し、前記申込情報が特定できた場合には前記申込情報について認証済と判定し、前記認証情報記憶部に記憶させる認証処理部と、
前記店舗端末に対して、前記認証情報記憶部に基づいて、前記サービスの利用に対する実績情報を送る実績照会部と、
を有することを特徴とするサービス認証システム。
【請求項3】
前記店舗端末は、さらに、
前記サービス認証システムから取得した前記店舗における実績情報のうち、認証済フラグが存在しない情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサービス認証システム。
【請求項4】
前記店舗端末は、さらに、
前記サービス認証システムから取得した前記店舗における実績情報と、前記店舗における売上情報とを比較し、対応する売上情報がない認証情報、またはサービスの利用登録がある売上情報であって、該売上情報に対応する認証情報がない売上情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のサービス認証システム。
【請求項5】
前記申込情報は、
前記利用者端末を識別する利用者端末識別情報と、前記利用者端末で選択されたサービスを特定するためのサービス識別情報とから構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のサービス認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−226560(P2012−226560A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93653(P2011−93653)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(500175565)株式会社ぐるなび (43)
【Fターム(参考)】