説明

サーマルプリンタアセンブリ

サーマルプリンタアセンブリ(10)が示される。このサーマルプリンタアセンブリ(10)は、印刷媒体進路(17)および圧胴ローラー(16)に実質的に直交して方向付けられる細長熱式印刷ヘッド(12)、ならびにこの細長熱式印刷ヘッド(10)と整列してかつ対向し、そして印刷ヘッド(10)に対して印刷媒体(16)を押し付けるよう適合される圧胴ローラー(16)を、備える。このアセンブリは、一つ以上のさらなる印刷ヘッド(12、24)を備え得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2002年12月23日に出願された、仮出願第60/436,168号の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、サーマルプリンタアセンブリに関し、そして特にこのようなアセンブリを通る印刷媒体の曲がりくねった進路に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
圧胴ローラーは通常、線形の(linear)印刷術または連続印刷術において使用され、種々の形式の印刷ヘッドに対するしっかりした土台を提供する。サーマルプリンタにおいて、圧胴ローラーは、熱式印刷ヘッドに対して印刷媒体を押し付けるために使用されて、印刷ヘッドと媒体との間に適切な熱伝導を提供する。圧胴ローラーはまた、最小限の摩擦特性に起因して、印刷媒体の正確な移動を可能にする。特定の型の熱式印刷ヘッドは、最大限の半径の圧胴ローラーを使用するように限定され、これにより印刷媒体に対して特定のローラーラップおよび特定の屈曲を必要とする。不運にも、圧胴ローラーによって印刷媒体進路に導入された屈曲は、複数の印刷ヘッドを使用するプリンタの機構に対して設計上の挑戦を創出し得る。なぜなら、この屈曲は漸増性であるからである。このようなゆがんだ進路を通って印刷媒体を引っ張ることは、この装置に対するさらに多くの設計上の挑戦を与える。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、引っ張られた印刷媒体を用いた使用のためのサーマルプリンタアセンブリに関し、このアセンブリは、印刷媒体の進路に対して実質的に直交性に方向付けられた細長熱式印刷ヘッド、およびこの細長熱式印刷ヘッドと整列されかつこれに対向し、そしてこの印刷ヘッドに対して印刷媒体を押し付けるよう適合された圧胴ローラーを、備える。この圧胴ローラーは、印刷媒体進路に対する屈曲を規定し、そして第二ローラーは印刷ヘッドに対して隣接しかつ実質的に並行して位置付けられ、そして全体的により線形的な印刷媒体進路を提供するため、印刷媒体進路の屈曲の少なくとも一部を正すように適合される。
【0005】
サーマルプリンタアセンブリは、印刷ヘッドに隣接してかつ実質的に並列して位置付けられ、そして印刷媒体進路の屈曲をさらに正すように適合された、第三ローラーを備え得る。この第二ローラーおよび第三ローラーは、熱式印刷ヘッドの対向する長い方の面に隣接して位置付けられ得、そしてこれらは不動式に装着され得る。
【0006】
印刷ヘッドおよび圧胴ローラーのうちの一方は不動式に装着され得、そしてもう一方は可動式に付勢され得る。また、第二ローラーは第二圧胴ローラーであり得、そしてこのアセンブリは、第一圧胴ローラーに隣接して装着され、そしてこの第二圧胴ローラーと整列された、第二印刷ヘッドをさらに備え得る。この第一印刷ヘッドおよび第二印刷ヘッドは、印刷媒体の対向する面上に、そして印刷媒体進路を横切って印刷するよう適合され得る。
【0007】
第一印刷ヘッドおよび第二印刷ヘッドは、第一印刷ヘッドアセンブリを構成し得、そして全体的なアセンブリは、印刷媒体進路を横切って印刷するよう方向付けられた第二印刷ヘッドアセンブリを、さらに備え得る。各々の印刷ヘッドアセンブリのうちの第一熱式印刷ヘッドおよび第二熱式印刷ヘッドは、印刷媒体進路に沿って連続して位置付けられ得、そして第一印刷ヘッドアセンブリおよび第二印刷ヘッドアセンブリは、印刷媒体進路に沿って連続して、隣接して位置付けられ得る。連続して位置付けられた第一印刷ヘッドアセンブリのうちの連続して最後に位置付けられた圧胴ローラーは、一方向に印刷媒体進路を曲げるよう適合され得、一方、隣接した連続した次の印刷ヘッドアセンブリのうちの連続した最初の圧胴ローラーは、この方向に対向して印刷媒体進路を曲げるよう適合される。
【0008】
この印刷ヘッドアセンブリは、印刷ヘッドおよびそれらのそれぞれの圧胴ローラーについて非常に有効な配置を提供し、そして印刷媒体の全体的な屈曲を実質的に排除する。この配置は、印刷媒体進路を横切る片面印刷術または両面印刷術を実施し得、これらの進路は、個々の印刷ヘッドの長い方の方向より小さくてもよいし、この方向と同等でもよいし、この方向より幅広であってもよい。この配置の線形性の有効性は、印刷媒体の個々のページのうちの上部に発生する、印刷不可能な空白を最小限にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(好ましい実施形態の説明)
図1は、熱式印刷アセンブリ10の側面模式図であり、この熱式印刷アセンブリ10は一般的に、熱式印刷ヘッド12および圧胴ローラー14を備える。印刷媒体16の区画は、印刷媒体進路17に沿って移動するにつれて(矢印によって参照される)、印刷ヘッド12に対するローラー14によって物理的に付勢される。言及したように、ローラー14を用いて印刷媒体16を付勢することの必要性は、必然的に印刷媒体進路において屈曲を引き起こし、この屈曲はローラー14に対して下方向に現れる。また、第二ローラー18も備えられ、この第二ローラー18は、印刷ヘッド12に隣接し、そして圧胴ローラー14に実質的に並列して位置付けられる。熱式印刷ヘッド12ならびにローラー14およびローラー18は模式図の平面に対して垂直方向に延びることが、図1に関して理解されるべきである。同様に印刷媒体進路17は、図1の平面に対して直交して延びる幅を有する。この様式において、印刷ヘッド12ならびにローラー14およびローラー18は、実質的に印刷媒体進路17を横切って方向付けられる。圧胴ローラー14から印刷媒体進路の反対面上の第二ローラー18の位置決めは、圧胴ローラー14によって引き起こされる屈曲から反対方向に、印刷媒体16の進路を曲げさせる。
【0010】
ローラー20もまた示され、このローラー20も、印刷ヘッド14に隣接してかつ印刷媒体16の進路を横切って実質的に直交して位置付けられる。同様にローラー20は圧胴ローラー14に対向してかつ実質的に並列に位置付けられるので、ローラー20もまた印刷媒体16の進路に屈曲を導入し、この屈曲は、圧胴ローラー14によって導入された屈曲をさらに正す。
【0011】
図1において、印刷ヘッド12は、不動式に装着されるように示され、そして圧胴ローラー14は可動式に装着され、そして印刷ヘッド12に向かってばね機構22によって付勢されるように示される。他の用途において、印刷ヘッドまたは圧胴ローラーのうちの一方が他方に対して印刷媒体16を押し付けるために可動式に付勢される限り、装着の形はそれぞれ逆転し得る。装着の任意の適切な形式はまた、ローラー18、ローラー20に対して使用され得、そしてそれぞれの装着は、同様であっても、異なっていてもよい。
【0012】
アセンブリ10のさらなる改良において、第二印刷ヘッド24は、第二ローラー18に対向して示される。第二印刷ヘッド24は、上記で議論したように可動式に装着されるように示される。この配置において、第二ローラー18は、第二圧胴ローラーの形式で提供され、そして第二印刷ヘッド24はこれと整列される。非圧胴ローラー(例えば、ローラー20)は任意の適切な形式で提供され得るが、圧胴ローラーは代表的に、それぞれの印刷ヘッドに対して均一に印刷媒体をよりよく押し付けるために、外側のゴムの表面を供える。
【0013】
印刷媒体16の対向面上に印刷ヘッド12および24を有するアセンブリ10が例示されているが、両方の印刷ヘッドは、印刷媒体の同じ面上に装着され得ることが、理解される。
【0014】
図2は、印刷媒体30の区画の進路に沿って連続して位置付けられた、複数の印刷ヘッドおよび圧胴ローラーの斜視図を示す。印刷ヘッド32、34は、印刷媒体30の下側面に連続して位置付けられるように示され、そして印刷ヘッド33、35は、第一印刷ヘッド32、34と(これらが印刷媒体30の進路の上側に位置付けられている場合を除いて)、連続して内側に突起をつけられる(inter−digitated)ように示される。各々の印刷ヘッド32−35は、それぞれの印刷ヘッドに対して印刷媒体30を押し付けるために位置付けられたそれぞれの圧胴ローラー42−45を有するように示される。複数の線48−51は、印刷媒体30を横切って示され、そしれこれらは印刷媒体30の屈曲における曲りを示すよう意図される。
【0015】
印刷ヘッド32−35は、印刷媒体進路にわたってずれているように示されるが、これらの印刷ヘッドは、任意の配置で配置され得る(例えば、2つ以上の印刷ヘッドは互いと一列に位置付けられ得る)ことが、理解されるべきである。
【0016】
図2において示される配置によって、印刷ヘッド32および33は、印刷媒体30の進路に沿って連続して位置付けられ、そしてこれらは隣接して位置付けられる。同様に、印刷ヘッド34および35は、印刷媒体30の進路に沿って、連続してそして隣接して位置付けられる。この様式において、印刷ヘッド32および33ならびにそれぞれの圧胴ローラー42および43は第一印刷ヘッドアセンブリを表し、そして印刷ヘッド34および35ならびにそれぞれの圧胴およびローラー44および45は、第二印刷ヘッドアセンブリを表す。連続して位置付けられた第一印刷ヘッドアセンブリのうちの連続して最後に位置付けられた圧胴ローラー43は、一方向(示されるように一般的に下向き)に印刷媒体を屈曲させるよう適合され、そして隣接した隣の連続印刷ヘッドアセンブリのうちの最初の連続圧胴ローラー44は、その一方向の反対(示されるように一般的に上向き)に印刷媒体30を屈曲させるように適合されることもまた、理解される。さらに、例示される実施形態において、第一印刷ヘッドアセンブリおよび第二印刷ヘッドアセンブリは、印刷媒体31の実質的に異なる側面部分を横切って、位置付けられる。
【0017】
記載される様式において、本発明の印刷ヘッドアセンブリは、印刷ヘッドおよびそれらのそれぞれの圧胴ローラーの非常に有効な配置を提供し、そして印刷媒体進路の全体的な屈曲を排除する。この特定の配置は、個々の印刷ヘッドの長い方の方向よりも幅広な印刷媒体進路を横切る両面印刷を実施する。この配置の線形性の有効性は、個々の印刷媒体のページの上部および下部に生じる、印刷不可能な空白を最小にする。印刷不可能な領域は、最初の連続印刷ヘッド32と最後方の連続印刷ヘッド35との間の距離54によって、決定される。印刷媒体進路31は、印刷媒体進路の全体的な屈曲を排除するように設計されるので、印刷ヘッド32−35は、最も可能に近接して位置付けられ、これによって印刷不可能な領域を最小にする。
【0018】
本発明は、その種々の好ましい実施形態に関して詳細に記載されているが、本発明はこれに限定されるのではなく、むしろバリエーションおよび改変が本発明においてなされ得、これらは本発明の趣旨内にあり、かつ補正される特許請求の範囲の範囲内にあることが、当業者によって認識される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明ならびに他の目的およびこれらのさらなる特徴のよりよい理解のため、添付の図面とともに取り上げられる、これらの種々の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明に対して、参照される。
【図1】図1は、本発明に従った、熱式印刷ヘッドアセンブリの1つの実施形態の側面図である;そして
【図2】図2は、本発明に従った、複数の熱式印刷ヘッドアセンブリの1つの実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引っ張られた印刷媒体と共に使用するためのサーマルプリンタアセンブリであって、以下:
印刷媒体進路に実質的に直交して方向付けられた、細長熱式印刷ヘッド;
該細長熱式印刷ヘッドと整列されかつ対向し、そして該印刷ヘッドに対して印刷媒体を押し付けるよう適合された、圧胴ローラーであって;ここで、該圧胴ローラーは該印刷媒体進路に対して屈曲を規定する、圧胴ローラー;および
該印刷ヘッドに隣接しかつ該印刷媒体進路に対して直交して位置付けられ、そして該印刷媒体進路の該屈曲の少なくとも一部を正すよう適合される、第二ローラー、
を備える、サーマルプリンタアセンブリ。
【請求項2】
前記印刷ヘッドに隣接しかつ並列して位置付けられ、そして前記印刷媒体進路の前記屈曲をさらに正すよう適合される、第三ローラーをさらに備える、請求項1に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項3】
前記第二ローラーおよび前記第三ローラーが、前記熱式印刷ヘッドの対向する長い方の面に隣接して位置付けられる、請求項2に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項4】
前記第二ローラーおよび前記第三ローラーが不動式に装着される、請求項3に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項5】
前記印刷ヘッドおよび前記圧胴ローラーのうちの一方が不動式に装着され、そして該印刷ヘッドおよび該圧胴ローラーのうちの他方が可動式に付勢される、請求項1に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項6】
前記第二ローラーが第二圧胴ローラーであり、そして前記第一圧胴ローラーに並列してかつ隣接して、そして該第二圧胴ローラーから前記印刷媒体進路を横切って装着される第二印刷ヘッドをさらに備える、請求項1に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項7】
前記第一印刷ヘッドおよび前記第二印刷ヘッドが、前記印刷媒体進路を横切って前記印刷媒体の対向面上に印刷するよう適合される、請求項6に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項8】
前記第一印刷ヘッドおよび前記第二印刷ヘッドが第一印刷ヘッドアセンブリを構成し、そして前記印刷媒体進路を横切って印刷するよう方向付けられた第二印刷ヘッドアセンブリをさらに備える、請求項7に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項9】
前記第一印刷ヘッドアセンブリおよび前記第二印刷ヘッドアセンブリが、前記印刷媒体進路の実質的に異なる部分を横切って印刷するよう位置付けられる、請求項8に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項10】
各々の印刷ヘッドアセンブリのうちの前記第一熱式印刷ヘッドおよび前記第二熱式印刷ヘッドが前記印刷媒体に沿って連続して位置付けられ、そしてさらにここで前記第一印刷ヘッドアセンブリおよび前記第二印刷ヘッドアセンブリが該印刷媒体進路に沿って連続して隣接して位置付けられる、請求項8に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項11】
連続して位置付けられる第一印刷ヘッドアセンブリのうちの連続して位置付けられる最後の圧胴ローラーが、前記印刷媒体進路を一方向に曲げるよう適合され、そして隣接した次の連続した印刷ヘッドアセンブリのうちの連続した最初の圧胴ローラーが、該一方向に対向して該印刷媒体進路を曲げるよう適合される、請求項10に記載のサーマルプリンタアセンブリ。
【請求項12】
前記第一印刷ヘッドアセンブリおよび前記第二印刷ヘッドアセンブリが、前記印刷媒体進路の実質的に異なる部分を横切って印刷するよう位置付けられる、請求項11に記載のサーマルプリンタアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−511371(P2006−511371A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564013(P2004−564013)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/041125
【国際公開番号】WO2004/058508
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(591193347)ポラロイド コーポレイション (27)
【Fターム(参考)】