サーマルプリンタ
【課題】プラテンローラとサーマルヘッドとの位置決め精度を向上させ、発熱素子を発熱素子許容範囲内に確実に配設することができるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】位置決め機構38は、ヘッド支持体23を着脱フレーム21に対して移動可能とさせる貫通孔40と、ヘッド支持体23に形成された規制面44aと、規制面44aがプラテンローラ6の軸受け18に当接するように、ヘッド支持体23を付勢する弾性部材42と、ヘッド支持体23に形成され、カバーユニット4の装着動作に伴って軸受け18に摺動しながらヘッド支持体23を貫通孔40に沿って移動させ、規制面44aが軸受け18に当接するようにヘッド支持体23を導くガイド部44bとを備え、規制面44aは平坦面に形成され、規制面44aの法線方向がサーマルヘッド19のヘッド面19aに平行な面内においてプラテンローラ6の軸方向に直交する方向に一致していることを特徴とする。
【解決手段】位置決め機構38は、ヘッド支持体23を着脱フレーム21に対して移動可能とさせる貫通孔40と、ヘッド支持体23に形成された規制面44aと、規制面44aがプラテンローラ6の軸受け18に当接するように、ヘッド支持体23を付勢する弾性部材42と、ヘッド支持体23に形成され、カバーユニット4の装着動作に伴って軸受け18に摺動しながらヘッド支持体23を貫通孔40に沿って移動させ、規制面44aが軸受け18に当接するようにヘッド支持体23を導くガイド部44bとを備え、規制面44aは平坦面に形成され、規制面44aの法線方向がサーマルヘッド19のヘッド面19aに平行な面内においてプラテンローラ6の軸方向に直交する方向に一致していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙から引き出された記録紙に各種の情報を印字するサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリンタは、熱を加えると発色する特殊な記録紙(感熱紙)をプラテンローラとサーマルヘッドとで挟持し、プラテンローラの回転により記録紙を紙送りしながら記録紙の印字面(感熱面)をサーマルヘッドの発熱素子により加熱することで、印字面を発色させて印字を行うものである。この種のサーマルプリンタとしては、例えばレジ等に組み込まれてレシート等の印字に使用するヘッドオープンタイプのサーマルプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このタイプのサーマルプリンタは、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体側にプラテンローラが設けられ、筐体の開口部を開閉可能にするカバー側にサーマルヘッドが設けられている構成とされている。この構成によれば、印字面が上方を向いた状態で、かつ印字面に印字された情報が顧客に対して正方向に向いた状態で記録紙が排出される。そのため、店員は記録紙の向きを変えることなく記録紙を顧客に手渡すことができ、レジ処理をスムーズに行うことができる。
【0003】
ここで、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図19に示すように、従来のサーマルプリンタ100は、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体(不図示)側に固定される本体フレーム111を有する本体ユニット110と、筐体の開口部を開閉可能にするカバー(不図示)側に固定されるカバーフレーム121を有するカバーユニット120と、本体フレーム111に固定され、本体ユニット110に対してカバーユニット120を回動可能に支持するシャフト109と、本体フレーム111に対してカバーフレーム121を着脱可能に組み合わせるロック機構107とを備えている。
【0004】
まず、本体ユニット110は、本体フレーム111に対して回転可能に支持されたプラテンローラ104を備えている。一方、カバーユニット120は、ライン状に並んだ多数の発熱素子101を有するサーマルヘッド102と、サーマルヘッド102を支持すると共に、上述したシャフト109に対して回動可能に支持されたヘッド支持体103と、サーマルヘッド102をプラテンローラ104に圧接させるようにヘッド支持体103を付勢する弾性部材105とを備えている。
【0005】
このように構成されているので、ロック機構107を利用してカバーフレーム121を本体フレーム111に容易に組み付けたり、ロック機構107によるロックを解除してカバーフレーム121を本体フレーム111から容易に離脱させたりすることができる。
また、ヘッド支持体103は、弾性部材105によって付勢されることで、プラテンローラ104に圧接するようにシャフト109を中心に回動するようになっている。そのため、カバーフレーム121を本体フレーム111に組み付けた際、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との間で確実に記録紙Pを挟持しながら印字を行えるように設計されている。
【0006】
ところで、記録紙Pへの良好な印字を行うためには、図20に示すように、プラテンローラ104に対するサーマルヘッド102の発熱素子101の位置が許容範囲(発熱素子許容範囲L1)内に収まっている必要がある。発熱素子101が発熱素子許容範囲L1内に存在しない場合には、発熱素子101の熱が記録紙Pに十分に伝わらない虞があるため、適正な印字濃度が得られない等の印字品質が低下する問題が生じてしまう。
【0007】
ここで、発熱素子許容範囲L1とは、ニップ幅L2から所定のマージンMを差し引いた範囲である。このニップ幅L2は、主にプラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触範囲によって決定される。ニップ幅L2の中心は、通常、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触基準点N(ヘッド面102aにおいてプラテンローラ104の中心O1までの距離が最短となる点)と一致しない場合が多い。これは、プラテンローラ104の回転や、サーマルヘッド102表面(ヘッド面102a)の形状によって、プラテンローラ104の撓みが、回転上流と下流で不均一となるためである。またマージンMは、部品の寸法バラツキによる誤差を吸収する目的で設定している。
【0008】
従って、発熱素子許容範囲L1の中心に関しても、通常、接触基準点Nよりもプラテンローラ104の回転上流側にオフセットしている。なお、発熱素子許容範囲L1の中心が発熱素子101の理想的な狙い位置とされている。この際、この狙い位置と接触基準点Nとのずれ量は、オフセット量L3と呼ばれている。
【0009】
そして、記録紙Pに対して良好な印字品質で印字を行うためには、発熱素子101の位置が、発熱素子許容範囲L1内に収まるようにする必要がある。
ところで、ニップ幅L2は、主にプラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触範囲によって決定されると先に述べたが、これ以外にも、使用する記録紙Pのコシや厚み等の特性や、記録紙Pの搬送経路等の各条件によってもニップ幅L2が変化してしまう。従って、発熱素子許容範囲L1に関しても上述した各条件によって同様に変化してしまう。
【0010】
例えば、厚みのある記録紙Pの場合、ニップ幅が図20に示す幅L2だとすると、薄い記録紙Pの場合には、プラテンローラ104の外周面に馴染み易いのでニップ幅は幅L2よりも大きくなる。従って、当然に発熱素子許容範囲L1も異なってしまう。
このように、使用する記録紙Pに応じて発熱素子許容範囲L1が異なってしまうので、全ての記録紙Pに対応しようとした場合には、それぞれの発熱素子許容範囲L1が重なる範囲に発熱素子101を位置させる必要がある。従って、使用する記録紙Pの種類が増えるほど、全ての記録紙Pに対応した発熱素子許容範囲L1が制限を受けて短くなってしまう。よって、この範囲内に収まるように発熱素子101を高精度に位置決めさせる必要性が生じてしまう。よって、プラテンローラ104に対する発熱素子101の高い位置決め精度が要求されている。
【0011】
ところで、このような要求に応え易くするために、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触圧(プラテン圧)を増加させてニップ幅L2を拡大し、発熱素子許容範囲L1そのものを拡大することも考えられる。
しかしながら、接触圧を増加してしまうと、プラテンローラ104を駆動させるモータのモータ負荷の増加に繋がってしまう。特に近年では、装置の小型化に伴ってプラテンローラ104を駆動させるモータの小型化が進んでいるため、十分なニップ幅L2を確保するために必要な接触圧の増加を許容できるほどモータトルクに余裕が無いのが現状である。
従って、装置の小型化を図りながら、同時に発熱素子許容範囲L1そのものを拡大することは難しいものであった。
【0012】
そこで、従来、プラテンローラ104に対して発熱素子101を少しでも高精度に位置決めするための手段として、ヘッド支持体103に対してサーマルヘッド102を精度良く貼り付けることを行っている。
具体的には、図19に示すように、まず、ヘッド支持体102の端部には、サーマルヘッド102とヘッド支持体103との位置合わせ面となる度当たり部108が形成されている。そして、サーマルヘッド102をヘッド支持体103の貼付面に貼付する際、サーマルヘッド102の端面102bを度当たり部108に位置合わせした状態で貼り付けている。これにより、安価な治具でもヘッド支持体103に対してサーマルヘッド102を精度良く貼り付けることができ、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置決めの高精度化に繋げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−318260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、近年の小型化の流れの中で、従来の方法では、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置精度は十分なものではなくなってきた。
この点について、以下詳細に説明する。
はじめに、プラテンローラ104と発熱素子101との位置決め精度は、主に以下の寸法精度が影響するものと考えられる(図19参照)。
1) プラテンローラ104の中心軸O1と、ヘッド支持体103の回動中心O2との距離D1
2) ヘッド支持体103におけるサーマルヘッド102の貼付面103aから回動中心O2までの、貼付面103aの法線方向(ヘッド支持体103の厚み方向)の距離D2
3) ヘッド支持体103の回動中心O2からヘッド支持体103の度当り部108までの距離D3
4) サーマルヘッド102の端面102bから発熱素子101までの距離D4
5) ヘッド支持体103にサーマルヘッド102を貼り付ける際の貼付公差(度当り部108とサーマルヘッド102の端面102bとの距離)
【0015】
上述した条件のうち、3)〜5)の条件については、サーマルヘッド102をヘッド支持体103に貼り付ける際の位置決め精度に依存するものであり、特にサーマルヘッド102をヘッド支持体103に貼り付ける際、設備コストの増加に繋がってしまうが画像認識装置等を使用し、発熱素子101の位置を直接、回動中心O2との距離で管理することで、公差をさらに縮小することが可能である。
しかしながら、仮に設備コストの増加を受け入れて3)〜5)の公差を縮小したとしても、1),2)で発生する公差の影響が大きく、プラテンローラ104に対して発熱素子101を要求される精度で位置決めさせることが困難な場合があった。
【0016】
つまり、ヘッド支持体103は、常時弾性部材105によって付勢されていると共に、シャフト109を中心に回動するようになっている。これにより、カバーフレーム121がロック機構107によって本体フレーム111に組み合わされた際、プラテンローラ104とサーマルヘッド102とが適度な接触圧で接触するようになっている。この際、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置を設計段階で決定している。具体的に、従来のサーマルプリンタ100では、ヘッド支持体103の回動中心O2となるシャフト109を基準にして、プラテンローラ104の位置(即ち、上述した距離D1)と発熱素子101の位置とを決定している。上述した3)〜5)の条件は、全てこの前提のうえに成り立っている。
【0017】
ところが、カバーフレーム121を本体フレーム111に装着した際に、本体ユニット110及びカバーユニット120の部品寸法精度や、本体フレーム111とカバーフレーム121との組付精度等によって、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置が設計段階で決定した位置よりも若干位置ずれ(距離D1が変化)する場合があった。このような場合であっても、上述したようにヘッド支持体103は弾性部材105による付勢によってシャフト109を中心に回動するので、プラテンローラ104とサーマルヘッド102とが適度な接触圧で接触することに変わりはないが、ヘッド支持体103の傾斜角度が変わってしまう。
つまり、図19に示す状態よりも、図21に示すようにヘッド支持体103が前傾してしまったり、図22に示すように後傾してしまったりする。また、発熱素子101の位置がプラテンローラ104の位置に対してヘッド面102aと平行にずれた場合には、ヘッド支持体103が傾斜することなく、発熱素子101の位置が発熱素子許容範囲L1の中心からずれることになる。
【0018】
このような場合、サーマルヘッド102がヘッド支持体103に対して正確に位置決めされていたとしても、プラテンローラ104に対して発熱素子101を正確に位置決めさせることができず、発熱素子許容範囲L1外に発熱素子101が配設されてしまう可能性もあった。
【0019】
また、仮に本体フレーム110に対してプラテンローラ104が正確に装着されて上述した距離D1が変化しない場合であっても、ヘッド支持体103の部品寸法精度によって上述した距離D2が変化した場合には、やはりヘッド支持体103の傾斜角度が変化してしまう。
【0020】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、プラテンローラとサーマルヘッドとの位置決め精度を向上させ、発熱素子を発熱素子許容範囲内に確実に配設することができるサーマルプリンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のサーマルプリンタは、記録紙を紙送りするプラテンローラを有する本体ユニットと、前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられる着脱ユニットと、前記本体ユニットと前記着脱ユニットとをロックするロック機構とを備えたサーマルプリンタであって、前記着脱ユニットは、着脱フレームと、前記着脱ユニットの装着時において、前記プラテンローラの軸方向と平行に配置されるヘッド面に、前記記録紙に印字を行う発熱素子が配されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドが貼付固定され、前記着脱フレームに設けられた回動軸回りに回動可能に支持されたヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を介して、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに圧接させるように付勢する第1付勢手段と、前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの位置決めを行う位置決め機構とを備え、前記位置決め機構は、前記サーマルヘッドの前記ヘッド面に平行な面内において前記プラテンローラの軸方向に直交する第1方向に沿って、前記ヘッド支持体を前記着脱フレームに対して移動可能とさせる案内部と、前記ヘッド支持体に形成され、該ヘッド支持体に前記サーマルヘッドを位置決め固定する際の位置決め基準部として機能すると共に、前記プラテンローラの装着時に該プラテンローラを当接させて、該プラテンローラに対する前記発熱素子を位置決めさせる規制部と、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように、前記ヘッド支持体を前記第1方向に沿って付勢する第2付勢手段と、前記ヘッド支持体に形成され、前記着脱ユニットの装着動作に伴って前記プラテンローラに摺動しながら前記ヘッド支持体を前記案内部に沿って移動させ、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように前記ヘッド支持体を導くガイド部とを備え、前記規制部は平坦面に形成され、前記平坦面の法線方向が前記第1方向に一致していることを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、使用時に着脱ユニットと本体ユニットとをロック機構によりロックすることで、プラテンローラとサーマルヘッドとの間に記録紙を挟持することができるので、プラテンローラによって紙送りしながら該記録紙への印字を行うことができる。また、ロック機構のロックを解くことで、本体ユニットから着脱ユニットを離脱させることができる。
【0023】
また、着脱ユニットを装着する際、着脱ユニットを本体ユニットに接近させると、まずヘッド支持体のガイド部がプラテンローラに接触する。そして、着脱ユニットの装着動作に伴って、ガイド部がプラテンローラ上を摺動することで、ヘッド支持体が案内部に沿って移動し、規制部とプラテンローラとが当接するようにヘッド支持体が導かれる。これにより、ヘッド支持体の規制部がプラテンローラに当接する。より詳しくは、プラテンローラの軸受けが規制部に当接する。このとき、ヘッド支持体は第2付勢手段によって第1方向に沿って付勢されているので、プラテンローラと規制部とが接触した後、プラテンローラから規制部が離間することなく、接触した状態で以降の装着動作を行うことができる。そして、着脱ユニットの装着動作をさらにすすめると、プラテンローラとヘッド支持体とが接触する。このとき、サーマルヘッドはヘッド支持体を介して第1付勢手段によって付勢されているので、サーマルヘッドのヘッド面はプラテンローラに圧接されることになる。
【0024】
このように、第1付勢手段によりサーマルヘッドのヘッド面がプラテンローラに圧接されると共に、第2付勢手段により規制部がプラテンローラに当接することになるので、プラテンローラに対するサーマルヘッドの相対位置が規制される。このとき、規制部は法線方向が第1方向に一致するように形成された平坦面であると共に、プラテンローラの軸受けが規制部に当接した際に良好な印字品質が得られる位置にサーマルヘッドが規制部に対して位置決め固定されているので、プラテンローラとサーマルヘッドの発熱素子との相対位置を良好な印字品質が得られる位置に高精度に位置決めすることができる。また、上述したようにヘッド支持体は第2付勢手段によって第1方向に沿って付勢されているので、プラテンローラと規制部とが接触した状態で、しかもプラテンローラの外周面と発熱素子との位置関係が良好な印字品質が得られる上記のような位置関係を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
その後、ロック機構により着脱フレームが本体フレームにロックされることで、本体フレームへのサーマルヘッドのセットが完了する。
【0025】
着脱ユニットが本体ユニットに装着される際、仮に着脱ユニットにおけるサーマルヘッドの設置位置が設計段階で決定された位置よりも若干位置ずれしていたり、ヘッド貼付面の厚み方向誤差が生じていたりして、ヘッド支持体の傾斜角度が所定の位置から変化していたとしても、従来のものとは異なり、プラテンローラと発熱素子との位置関係を上述した位置関係のままの状態にすることができる。
つまり、第1付勢手段によりサーマルヘッドのヘッド面がプラテンローラに圧接されると共に、第2付勢手段により規制部がプラテンローラに当接するので、プラテンローラ、規制部及びサーマルヘッドの相対位置を良好な印字品質が得られる発熱素子許容範囲内にある状態を維持したままで、プラテンローラとサーマルヘッドの発熱素子とを確実に位置決めすることができる。
【0026】
また、前記案内部は、前記ヘッド支持体に形成された前記第1方向を長径方向とする長孔であり、前記長孔内には前記回動軸が挿通されていることを特徴としている。
この構成によれば、ヘッド支持体が第1方向に沿ってスライド移動することになるので、別体の移動機構等を設ける必要がない。これにより、構成の簡素化を図ると共に、製造コストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、規制部を基準にしてプラテンローラとサーマルヘッドとの位置が決定されるため、従来問題とされていた、大きな公差要因となる条件1),2)の影響を排除することができ、プラテンローラとサーマルヘッドとの位置関係において、発熱素子許容範囲内に確実に配置することができる。これにより、厚さやコシ等の異なる複数種類の記録紙を使用する場合においても発熱素子許容範囲内に発熱素子を高精度に配置することができ、良好な印字品質で印字を行うことができる。
また、上述したようにヘッド支持体には、規制部をプラテンローラに当接させるように導くガイド部が形成されているので、装着動作時においてヘッド支持体を案内部に沿って滑らかに移動させることができる。その結果、規制部とプラテンローラとが当接する際に、着脱ユニットの装着動作が妨げられることがなく、着脱ユニットを速やかに本体ユニットに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】カバーの閉状態を示すサーマルプリンタの外観斜視図である。
【図2】カバーの開状態を示すサーマルプリンタの外観斜視図である。
【図3】カバーの閉状態を示すサーマルプリンタの側面図である。
【図4】図1のA−Aに沿う断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図6】貼付治具の平面図である。
【図7】貼付治具の側面図である。
【図8】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図9】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図10】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図11】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図12】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図13】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図14】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図15】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図16】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図17】ヘッド支持体が前傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図18】ヘッド支持体が後傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図19】従来のサーマルプリンタの側面図である。
【図20】プラテンローラと発熱素子との位置関係を説明するための説明図である。
【図21】従来のサーマルプリンタにおいて、ヘッド支持体が前傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図22】従来のサーマルプリンタにおいて、ヘッド支持体が後傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、プラテンローラが装着された本体ユニットが、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体側に設けられ、サーマルヘッドが装着されたカバーユニットが、筐体の開口部を開閉可能にするカバー側に設けられる、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタについて説明する。
【0030】
図1,図2は、本発明に係るサーマルプリンタの斜視図であり、図1はカバーユニットの装着状態、図2はカバーユニットの非装着状態を示している。また、図3はカバーユニットの装着状態を示すサーマルプリンタの側面図であり、図4は図1のA−A線に沿う断面図、図5は図1のB−B線に沿う断面図である。なお、図中においては、サーマルプリンタが組み付けられる筐体やカバー等の部材を省略する。また、以下の説明では後述するカバーユニット4の装着時において、プラテンローラ6の軸方向に一致する方向をX方向、このX方向に平行に設けられたサーマルヘッド19のヘッド面19aに平行な面内においてプラテンローラ6の軸方向(X方向)に直交する方向をY方向(第1方向)、ヘッド面19aに直交する方向をZ方向として説明する。
図1〜図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタ1は、レジ等に組み込まれ、ロール紙(不図示)から引き出された記録紙P(図1参照)にレシート印字を行う、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタ1である。具体的に、サーマルプリンタ1は、本体ユニット3と、本体ユニット3に対して着脱可能に組み合わされるカバーユニット(着脱ユニット)4とを備えている。
【0031】
本体ユニット3は、装置幅方向(X方向)に沿って対向配置された一対の側壁部5aを有する本体フレーム5と、本体フレーム5に装着されたプラテンローラ6(図2参照)とを備えている。
本体フレーム5は、箱型形状のものであり、各側壁部5a間には記録紙Pを案内するための用紙ガイド5bが形成されている(図2参照)。そして、記録紙Pは、用紙ガイド5bに紙面裏面を向けた状態で搬送される。
【0032】
また、側壁部5aの装置奥行方向(Y方向)における一端側の角部には、カバーユニット4の後述するレバー部材22が係合される係合凹部10(図1〜図3参照)が形成されている。この係合凹部10は、奥行方向他端側から一端側にかけて高さ方向(Z方向)に沿って傾斜する傾斜面11と、この傾斜面11の高さ方向一端側において奥行方向他端側に向かって深く切り込まれた凹部12とを備えている。なお、レバー部材22及び係合凹部10により、本体ユニット3とカバーユニット4とをロックするロック機構を構成している。
一方、両側壁部5aの奥行方向他端側には、側壁部5aを幅方向に沿って貫通する貫通孔13が形成されており、この貫通孔13内にはカバーユニット4を回動可能に支持する回動シャフト15が挿通される。
【0033】
各側壁部5aには、プラテンローラ6が回転可能に支持されている。このプラテンローラ6は、幅方向に沿って延在するローラシャフト6aにゴム等からなるローラ本体6bを一体化させたものである。ローラシャフト6aの軸方向(X方向)両端部には、軸受け18が装着されており、側壁部5aに軸受け18が保持されることにより、プラテンローラ13が中心軸O1回りに回転可能に支持されている。なお、ローラシャフト6aの軸方向一端側には、歯車輪列機構(不図示)に噛合する図示しないギアが固定されている。そして、歯車輪列機構を介して本体フレーム5に設けられたモータ等の駆動手段(不図示)からの駆動力をギアに伝達し、プラテンローラ6を回転しうるように構成されている。ローラ本体6bは、周方向における一部が本体フレーム5の用紙ガイド5bから高さ方向他端側に向けて突出するように配置されており、カバーユニット4を装着したときに、ロール紙から引き出された記録紙Pを間に挟んだ状態で、後述するサーマルヘッド19に対して外周面が接触するようになっている。
【0034】
カバーユニット4は、本体フレーム5に対して回動可能に支持されたカバーフレーム(着脱フレーム)21と、カバーユニット4の装着動作に伴って本体ユニット3に係合されるレバー部材22と、カバーフレーム21に設けられ、ヘッド面19aに多数の発熱素子14(図5参照)を有するサーマルヘッド19と、このサーマルヘッド19を支持するヘッド支持体23(図4,図5参照)と、ヘッド支持体23をプラテンローラ6に圧接するように付勢するコイルバネ等の弾性部材(第1付勢手段)24とを備えている。
【0035】
カバーフレーム21は、幅方向両側が高さ方向一端側に向けて屈曲形成された例えばコ字状のプレートである。カバーフレーム21の側壁部21aの奥行方向他端側には、幅方向に沿って貫通する貫通孔(不図示)が形成され、この貫通孔内には上述した回動シャフト15が挿通されている。これにより、カバーユニット4は本体ユニット3に対して回動シャフト15回りに回動可能に支持される。
【0036】
レバー部材22は、幅方向両側が奥行方向他端側に向けて屈曲形成されたコ字状のプレートであり、本体フレーム5を奥行方向一端側から覆うように配置されている。カバーフレーム21及びレバー部材22には、各側壁部21a,22aと幅方向から見て重なる位置にシャフト30が挿通されており、カバーフレーム21に対してレバー部材22がシャフト30回りに回動可能に支持されている。レバー部材22の側壁部22aの奥行方向他端側には、上述した本体フレーム5の係合凹部10に係合される係合凸部31が形成されている。この係合凸部31は、高さ方向他端側から一端側にかけて奥行方向他端側に向かって傾斜する傾斜面32と、この傾斜面32の高さ方向一端側において奥行方向他端側に向けて突出する凸部33とを備えている。そして、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の凹部12内に嵌り込むことで、本体ユニット3とカバーユニット4とが係合されるようになっている。なお、図示しないが、レバー部材22とカバーフレーム21との間には、弾性部材が介在しており、係合凸部31が係合凹部10内に嵌まり込む方向に向けてレバー部材22を付勢している。
【0037】
レバー部材22の奥行方向一端側における壁部22bは、本体フレーム5の奥行方向一端側における壁部5cと重なる位置まで延在しており、その高さ方向一端側は奥行方向一端側へ向けて約90度屈曲された操作部34を構成している。そして、この操作部34を高さ方向他端側に向けて引き上げることで、レバー部材22がシャフト30回りに回動して係合凸部31の係合が解除されるようになっている。なお、レバー部材22の壁部22bには、用紙ガイド5bに沿って搬送される記録紙Pを排出するための排出口22cが形成されている。この排出口22cは、壁部22bの幅方向に沿って延在するスリット形状のものであり、例えばレジのユーザー(店員)側に向けて開口している。
【0038】
ここで、図4,図5に示すように、ヘッド支持体23は、幅方向を長手方向とした平板状の支持体本体37と、カバーユニット4の装着時にプラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の位置決めを行う位置決め機構38とを備えている。
【0039】
支持体本体37には、その表面(高さ方向一端側の面)が上述したサーマルヘッド11が貼付固定される貼付面37aとして機能する。サーマルヘッド19は、カバーフレーム21の側壁部21a間において、幅方向を長手方向とする平面視(高さ方向から見て)矩形状のものであり、ヘッド面19aにはプラテンローラ13の軸方向に平行に、且つライン状に並んだ多数の発熱素子14が配列されている。なお、ヘッド面19aとは、記録紙Pの印字面との対向面であり、カバーユニット4の装着時において、ヘッド面19aと、プラテンローラ13におけるローラ本体13cの外周面との間で記録紙Pを挟持しうるようになっている。つまり、記録紙Pは印字面を高さ方向他端側に向けた状態で、かつ印字面に印字された情報が顧客に対して正方向に向いた状態で記録紙Pが排出される。そのため、店員は記録紙Pの向きを変えることなく記録紙Pを顧客に手渡すことができ、レジ処理をスムーズに行うことができる。なお、サーマルヘッド19は、後述する貼付治具50(図6,図7参照)によって支持体本体37の貼付面37aにおける所定位置に貼り付けられるようになっている。また、支持体本体37の幅方向両側における奥行方向他端側には、高さ方向一端側に向けて延出する取付片39(図5参照)が形成されており、この取付片39には幅方向に沿って貫通する貫通孔(案内部)40が形成されている。
【0040】
貫通孔40は、カバーユニット4の装着時において、長径方向が奥行方向(ヘッド支持体37の短手方向)に一致するように延在する長円形状に形成されている。この貫通孔40内には、上述した回動シャフト15が挿通されている。したがって、ヘッド支持体23は、カバーフレーム21と同様に回動シャフト15の中心軸を回動中心O2にして回動可能に支持されると共に、長円形状の貫通孔40に沿って回動シャフト15上を奥行方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。
【0041】
ヘッド支持体23とカバーフレーム21との間には、弾性部材24が介在しており、弾性部材24によってカバーフレーム21とヘッド支持体23とは互いに反発する方向に付勢されている。すなわち、弾性部材24は、ヘッド支持体23をプラテンローラ6側に向けて常に付勢するように構成されている。
また、ヘッド支持体23の貼付面37aとは反対側の面における中央部には、高さ方向に向けて突出するフック部41が立設されている。このフック部41は、側面視(幅方向から見て)L字状のものであり、フック部41とシャフト30との間には、コイルバネ等からなる弾性部材(第2付勢手段)42が介在している。この弾性部材42は、その一端がシャフト30に連結される一方、他端がフック部41に連結されることで、ヘッド支持体23を奥行方向一端側に向けて付勢している。したがって、カバーフレーム21の装着時においては、図4,図5に示すように貫通孔40内の中間位置に回動シャフト15が配置される一方、カバーフレーム21の非装着時においては、図9に示すように貫通孔40内の一端位置に配置されことになる。
【0042】
支持体本体37の幅方向両側には、プラテンローラ6が配置される方向(高さ方向一端側)に向けて延出する規制プレート(規制部)44が形成されている。この規制プレート44は、例えば平板状の部材であり、プラテンローラ6の装着時においてプラテンローラ6の軸受け18の外周面と接する端面(奥行方向一端側の端面)は、平坦面からなる規制面44a(図4参照)が形成されている。この規制面44aの法線方向はサーマルヘッド19の短手方向(奥行方向)に一致している。すなわち、規制面44aの面方向は、サーマルヘッド19の短手方向に直交するように設けられている。規制面44aは、サーマルヘッド19をヘッド支持体23に貼り付ける際の位置決め基準面として機能すると共に、プラテンローラ6の装着時にプラテンローラ6の軸受け18の外周面を当接させ、プラテンローラ6に対してサーマルヘッド19の発熱素子14が所定の位置に位置するように設けられたものである。
【0043】
また、規制プレート44の先端は、例えば高さ方向一端側に向かって先細るテーパ形状に形成されており、奥行方向一端側の端面はプラテンローラ6の軸受け18に接触可能に構成され、カバーユニット4の装着動作に伴って規制面44aが軸受け18に当接するようにヘッド支持体23の移動を案内するガイド部44bを構成している。また、カバーユニット4の装着状態において、規制プレート44の高さ方向一端側は、用紙ガイド5bに形成された逃げ溝5d(図4参照)内へ入り込むようになっている。
そして、上述した貫通孔40、規制プレート44及び弾性部材42によって、本実施形態の位置決め機構38が構成されている。
【0044】
(サーマルヘッドの貼付方法)
次に、上述したヘッド支持体23にサーマルヘッド19を貼り付ける際の貼付方法について説明する。
上述したように、サーマルヘッド19は、貼付治具50を用いてヘッド支持体23に貼り付けられる。そのため、以下の説明では、まず貼付治具50の構成について説明する。
【0045】
(貼付治具)
図6は貼付治具の平面図であり、図7は側面図である。
図6,図7に示すように、貼付治具50は、平面視矩形状のセット部51と、セット部51に対して支持体本体37の短手方向に沿って移動可能(図6中矢印S参照)な保持部材52とを備えている。
セット部51の表面部は、ヘッド支持体23がセットされるセット面として機能しており、セット部51の表面部における一方側には支持体本体37のフック部41を避ける凹部53がセット部51の厚さ方向に沿って形成されている。また、セット部51における凹部53が形成された一方側とは反対側の他方側には、セット部51の高さ方向(短手方向)に沿って延在する長円形のガイド溝55が形成されている。なお、ガイド溝55は、セット部51の幅方向(長手方向)に亘って2箇所に設けられている。
【0046】
保持部材52は、セット部51の幅方向に沿って延在するベース部54を備え、ベース部54のセット部51と対向する端面には上述した各ガイド溝55内に望むように延出するガイドバー56が設けられている。このガイドバー56は、ガイド溝55内を移動可能に構成されており、これにより、保持部材52はセット部51の表面部上をセット部51の高さ方向に沿って移動可能に構成されている。
【0047】
ベース部54の幅方向両端部には、セット部51との間に間隙を空けた状態で、ベース部54からセット部51の表面部に沿ってセット部51の一方側に向かって延出する位置決め部59がベース部54の幅方向に亘って2箇所形成されている。各位置決め部59は、サーマルヘッド19の貼付時にヘッド支持体23の規制面44aに対するサーマルヘッド19の位置決めを行うものである。具体的に説明すると、位置決め部59は、それぞれベース部54の幅方向両端側に向かうにつれ、段々と上記一方側に向けて突出する階段状に形成されたものであり、内側に形成されたヘッド位置決め部57と、外側に形成された規制プレート位置決め部58とで構成されている。
【0048】
規制プレート位置決め部58は、ベース部54の幅方向に沿って延在する平坦面であり、サーマルヘッド19の貼付作業時において、規制プレート44の規制面44aを当接させるものである。なお、セット部51に対するヘッド支持体23の位置決めは、凹部53の内部にフック部41を固定することによって行う。
一方、ヘッド位置決め部57も、ベース部54の幅方向に沿って延在する平坦面であり、セット部51の一方側に向かってヘッド位置決め部57、規制プレート位置決め部58の順で階段状にそれぞれ平行に配置されている。このヘッド位置決め部57は、サーマルヘッド19の貼付作業時において、サーマルヘッド19の短手方向における一端面19bを当接させ、支持体本体37の貼付面37a上におけるサーマルヘッド19の位置決めを行うものである。この場合、規制プレート位置決め部58を規制面44aに当接させることにより、規制面44aに対するサーマルヘッド19の貼付位置が決定されるようになっている。これにより、サーマルヘッド19が、規制面44aを基準にして支持体本体37の貼付面37aに貼り付けられるようになっている。
【0049】
次に、上述した貼付治具50を用いてヘッド支持体23の貼付面37aにサーマルヘッド19を貼り付ける手順について説明する。
まず保持部材52をガイド溝55の上記他方側に移動させた状態で、ヘッド支持体23をセット部51にセットする。
【0050】
続いて、保持部材52をガイド溝55に沿ってセット部51の一方側方向に移動させ、規制プレート位置決め部58を規制プレート44の規制面44aに当接させる。これにより、ヘッド支持体23の規制面44aに対するヘッド位置決め部57の相対位置が固定される。
【0051】
そして、接着剤等を介してヘッド支持体23の貼付面37aにサーマルヘッド19を固定する。具体的には、サーマルヘッド19の端面19bをヘッド位置決め部57に当接させた状態で、支持体本体37の貼付面37aにサーマルヘッド19を貼り付ける。これにより、支持体本体37の規制面44aに対して所定の位置に、サーマルヘッド19の発熱素子14を高精度に配置することができる。
【0052】
(作用)
次に、本実施形態の位置決め機構の作用について説明する。
図8〜図16は、カバーユニットの装着動作時における動作を説明するための説明図であり、図8,図11,図14は図3に、図9,図12,図15は図4に、図10,図13,図16は図5に相当している。
図8〜図10に示すように、カバーフレーム21を押下してカバーユニット4の装着動作を行うと、まずヘッド支持体23の規制プレート44の先端がプラテンローラ6の軸受け18の外周面に当接する。なお、ヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に付勢されているので、カバーユニット4の非装着時には、貫通孔40内の一端位置に回動シャフト15が配置されている。
【0053】
カバーフレーム21をさらに押下すると、図11〜図13に示すように、規制プレート44のガイド部44bが軸受け18の外周面上を摺動し、ヘッド支持体23が回動シャフト15上を貫通孔40に沿って奥行方向他端側に向けて移動する。同時に、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の傾斜面11に当接した後、凸部33が本体フレーム5の傾斜面11上を摺動する。なお、カバーユニット4の装着動作時において、規制プレート44は用紙ガイド5bに接触することはなく、本体フレーム5の逃げ溝5d内に入り込んでいく。そのため、規制プレート44によってカバーユニット4の装着動作が妨げられることがない。
【0054】
その後、図14〜図16に示すように、軸受け18の外周面がガイド部44bを乗り越えて規制面44aに当接する。このとき、ヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に向けて付勢されているので、プラテンローラ6の軸受け18と規制面44aとが接触した後、軸受け18から規制面44aが離間することなく、接触した状態を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
【0055】
そして、カバーユニット4の装着動作をさらに進めると、ローラ本体6bの外周面がサーマルヘッド19に当接する。この時、サーマルヘッド19はヘッド支持体23を介して弾性部材24によって付勢されているので、サーマルヘッド19のヘッド面19aはローラ本体6bの外周面に圧接されることになる。
このように、弾性部材24によりサーマルヘッド19のヘッド面19aがプラテンローラ6のローラ本体6bに圧接されると共に、弾性部材42により規制面44aがプラテンローラ6の軸受け18に当接することになるので、プラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の相対位置が規制される。このとき、規制面44aはサーマルヘッド19の短手方向に直交する平坦面であると共に、サーマルヘッド19が規制面44aに対して位置決め固定されているので、プラテンローラ6に対してサーマルヘッド19の発熱素子14を確実に位置決めすることができる。そして、プラテンローラ6の軸受け18が規制プレート44に当接した際に良好な印字品質が得られる位置にサーマルヘッド19が規制面44aに対して位置決め固定されているので、良好な印字品質が得られる位置、即ち、発熱素子許容範囲L1内にプラテンローラ6とサーマルヘッド19の発熱素子14とを確実に位置決めすることができる。また、上述したようにヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に向けて付勢されているので、プラテンローラ6の軸受け18と規制面44aとが接触した状態で、しかもローラ本体6aの外周面と発熱素子14との位置関係が良好な印字品質が得られる上記のような位置関係を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
【0056】
一方、プラテンローラ6と規制面44aとが当接した後、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の傾斜面11を乗り越えることで、レバー部材22が回動し、凸部33が本体フレーム5の凹部12内に嵌り込む。これにより、プラテンローラ6とサーマルヘッド19との間に記録紙Pを挟んだ状態で、カバーユニット4が本体ユニット3に装着される。
【0057】
ところで、仮に本体ユニット3に対するプラテンローラ6の設置位置や、カバーユニット4におけるサーマルヘッド19の設置位置、カバーユニット4が本体ユニット3に装着された際、プラテンローラ6に対する発熱素子14の相対位置等が、製造公差等により設計段階で決定された位置よりも若干位置ずれしていたり、ヘッド支持体23における貼付面37aの厚み方向誤差が生じていたりして、ヘッド支持体23の傾斜角度が理想位置から変化していたとしても、従来のものとは異なり、プラテンローラ6と発熱素子14との位置関係は上述した位置関係のままの状態を維持することができる。
【0058】
例えば、上述した条件1)の距離D1や条件2)の距離D2(何れも図5参照)が製造公差等により設計段階で決定した位置よりも若干ずれて、ヘッド支持体19が前傾になった場合には、ヘッド支持体23が前傾した分だけ規制面44aも前傾する。ところが、本実施形態では、図17に示すように、プラテンローラ6の軸受け18が規制部44aに当接した時点で、弾性部材24によりサーマルヘッド19のヘッド面19aがプラテンローラ6に圧接されると共に、弾性部材24により規制面44aがプラテンローラ6に当接する。そのため、ヘッド支持体23が前傾した分だけ、プラテンローラ6の外周面及び軸受け18の外周面に沿って、規制面44a及びサーマルヘッド19のヘッド面19aが摺動するようにヘッド支持体23が貫通孔40を利用したスライド移動を行って、プラテンローラ13と発熱素子14とが良好な印字品質が得られる位置、即ち、発熱素子許容範囲L1内にあるように位置決めされる。また、例えば図18に示すように、ヘッド支持体23が後傾となった場合も同様である。
【0059】
このように、本実施形態では、規制面44aを基準にしてプラテンローラ6とサーマルヘッド19との相対位置を決定するように構成することで、従来問題とされていた、例えば条件1),2)のような位置ズレ要因の影響を受けないようにすることができる。そのため、プラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の位置決め精度を向上させ、発熱素子14を所定の発熱素子許容範囲L1内に確実に配置することができる。これにより、厚さやコシ等の異なる複数種類の記録紙Pの全てに対応した発熱素子許容範囲L1内に発熱素子14を配置することが可能となり、同一の装置によって全ての記録紙Pに良好な印字品質で印字を行うことも可能となる。
【0060】
また、上述したようにヘッド支持体23には、規制面44aをプラテンローラ6に当接させるように導くガイド部44bが形成されているので、装着動作時においてヘッド支持体23を貫通孔35に沿って滑らかに移動させることができる。その結果、規制面44aとプラテンローラ6とが当接する際に、カバーユニット4の装着動作が妨げられることがなく、カバーユニット4を速やかに本体ユニット3に装着することができる。
【0061】
さらに、ヘッド支持体23を移動可能とする貫通孔40が長孔に形成されているので、ヘッド支持体23が回動シャフト15に対して奥行方向に沿ってスライド移動することになる。これにより、ヘッド支持体23が奥行方向に沿ってスライド移動することになるので、別体の移動機構等を設ける必要がない。これにより、構成の簡素化を図ると共に、製造コストの低減を図ることができる。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、本実施形態では、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタ1をレジ等に採用した場合について説明したが、これに限らず、例えば駐車場或いはセルフ式のガソリンスタンドにおける給油機の精算機や、各種の飲食店舗内等に設置される券売機、携帯型の情報端末等、に採用することも可能である。
また、上述した実施形態では、第2付勢手段にコイルバネを用いる場合について説明したが、これに限らず板バネ等を用いることも可能である。
さらに、上述した実施形態では、本体フレーム5に対するヘッド支持体23の回動中心と、本体フレーム5に対するカバーフレーム21の回動中心とが回動シャフト15の中心軸に一致している構成について説明したが、これに限らず本体フレーム5に対するヘッド支持体23の回動中心と、本体フレーム5に対するカバーフレーム21の回動中心とを別々に設定する構成にしても構わない。
【符号の説明】
【0063】
1…サーマルプリンタ 3…本体ユニット 4…カバーユニット(着脱ユニット) 6…プラテンローラ 19…サーマルヘッド 21…着脱フレーム 23…ヘッド支持体 24…弾性部材(第1付勢手段) 30…回動シャフト(回動軸) 38…位置決め機構 40…貫通孔(案内部) 42…弾性部材(第2付勢手段) 44…規制プレート(規制部) 44a…規制面 44b…ガイド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙から引き出された記録紙に各種の情報を印字するサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリンタは、熱を加えると発色する特殊な記録紙(感熱紙)をプラテンローラとサーマルヘッドとで挟持し、プラテンローラの回転により記録紙を紙送りしながら記録紙の印字面(感熱面)をサーマルヘッドの発熱素子により加熱することで、印字面を発色させて印字を行うものである。この種のサーマルプリンタとしては、例えばレジ等に組み込まれてレシート等の印字に使用するヘッドオープンタイプのサーマルプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このタイプのサーマルプリンタは、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体側にプラテンローラが設けられ、筐体の開口部を開閉可能にするカバー側にサーマルヘッドが設けられている構成とされている。この構成によれば、印字面が上方を向いた状態で、かつ印字面に印字された情報が顧客に対して正方向に向いた状態で記録紙が排出される。そのため、店員は記録紙の向きを変えることなく記録紙を顧客に手渡すことができ、レジ処理をスムーズに行うことができる。
【0003】
ここで、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図19に示すように、従来のサーマルプリンタ100は、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体(不図示)側に固定される本体フレーム111を有する本体ユニット110と、筐体の開口部を開閉可能にするカバー(不図示)側に固定されるカバーフレーム121を有するカバーユニット120と、本体フレーム111に固定され、本体ユニット110に対してカバーユニット120を回動可能に支持するシャフト109と、本体フレーム111に対してカバーフレーム121を着脱可能に組み合わせるロック機構107とを備えている。
【0004】
まず、本体ユニット110は、本体フレーム111に対して回転可能に支持されたプラテンローラ104を備えている。一方、カバーユニット120は、ライン状に並んだ多数の発熱素子101を有するサーマルヘッド102と、サーマルヘッド102を支持すると共に、上述したシャフト109に対して回動可能に支持されたヘッド支持体103と、サーマルヘッド102をプラテンローラ104に圧接させるようにヘッド支持体103を付勢する弾性部材105とを備えている。
【0005】
このように構成されているので、ロック機構107を利用してカバーフレーム121を本体フレーム111に容易に組み付けたり、ロック機構107によるロックを解除してカバーフレーム121を本体フレーム111から容易に離脱させたりすることができる。
また、ヘッド支持体103は、弾性部材105によって付勢されることで、プラテンローラ104に圧接するようにシャフト109を中心に回動するようになっている。そのため、カバーフレーム121を本体フレーム111に組み付けた際、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との間で確実に記録紙Pを挟持しながら印字を行えるように設計されている。
【0006】
ところで、記録紙Pへの良好な印字を行うためには、図20に示すように、プラテンローラ104に対するサーマルヘッド102の発熱素子101の位置が許容範囲(発熱素子許容範囲L1)内に収まっている必要がある。発熱素子101が発熱素子許容範囲L1内に存在しない場合には、発熱素子101の熱が記録紙Pに十分に伝わらない虞があるため、適正な印字濃度が得られない等の印字品質が低下する問題が生じてしまう。
【0007】
ここで、発熱素子許容範囲L1とは、ニップ幅L2から所定のマージンMを差し引いた範囲である。このニップ幅L2は、主にプラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触範囲によって決定される。ニップ幅L2の中心は、通常、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触基準点N(ヘッド面102aにおいてプラテンローラ104の中心O1までの距離が最短となる点)と一致しない場合が多い。これは、プラテンローラ104の回転や、サーマルヘッド102表面(ヘッド面102a)の形状によって、プラテンローラ104の撓みが、回転上流と下流で不均一となるためである。またマージンMは、部品の寸法バラツキによる誤差を吸収する目的で設定している。
【0008】
従って、発熱素子許容範囲L1の中心に関しても、通常、接触基準点Nよりもプラテンローラ104の回転上流側にオフセットしている。なお、発熱素子許容範囲L1の中心が発熱素子101の理想的な狙い位置とされている。この際、この狙い位置と接触基準点Nとのずれ量は、オフセット量L3と呼ばれている。
【0009】
そして、記録紙Pに対して良好な印字品質で印字を行うためには、発熱素子101の位置が、発熱素子許容範囲L1内に収まるようにする必要がある。
ところで、ニップ幅L2は、主にプラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触範囲によって決定されると先に述べたが、これ以外にも、使用する記録紙Pのコシや厚み等の特性や、記録紙Pの搬送経路等の各条件によってもニップ幅L2が変化してしまう。従って、発熱素子許容範囲L1に関しても上述した各条件によって同様に変化してしまう。
【0010】
例えば、厚みのある記録紙Pの場合、ニップ幅が図20に示す幅L2だとすると、薄い記録紙Pの場合には、プラテンローラ104の外周面に馴染み易いのでニップ幅は幅L2よりも大きくなる。従って、当然に発熱素子許容範囲L1も異なってしまう。
このように、使用する記録紙Pに応じて発熱素子許容範囲L1が異なってしまうので、全ての記録紙Pに対応しようとした場合には、それぞれの発熱素子許容範囲L1が重なる範囲に発熱素子101を位置させる必要がある。従って、使用する記録紙Pの種類が増えるほど、全ての記録紙Pに対応した発熱素子許容範囲L1が制限を受けて短くなってしまう。よって、この範囲内に収まるように発熱素子101を高精度に位置決めさせる必要性が生じてしまう。よって、プラテンローラ104に対する発熱素子101の高い位置決め精度が要求されている。
【0011】
ところで、このような要求に応え易くするために、プラテンローラ104とサーマルヘッド102との接触圧(プラテン圧)を増加させてニップ幅L2を拡大し、発熱素子許容範囲L1そのものを拡大することも考えられる。
しかしながら、接触圧を増加してしまうと、プラテンローラ104を駆動させるモータのモータ負荷の増加に繋がってしまう。特に近年では、装置の小型化に伴ってプラテンローラ104を駆動させるモータの小型化が進んでいるため、十分なニップ幅L2を確保するために必要な接触圧の増加を許容できるほどモータトルクに余裕が無いのが現状である。
従って、装置の小型化を図りながら、同時に発熱素子許容範囲L1そのものを拡大することは難しいものであった。
【0012】
そこで、従来、プラテンローラ104に対して発熱素子101を少しでも高精度に位置決めするための手段として、ヘッド支持体103に対してサーマルヘッド102を精度良く貼り付けることを行っている。
具体的には、図19に示すように、まず、ヘッド支持体102の端部には、サーマルヘッド102とヘッド支持体103との位置合わせ面となる度当たり部108が形成されている。そして、サーマルヘッド102をヘッド支持体103の貼付面に貼付する際、サーマルヘッド102の端面102bを度当たり部108に位置合わせした状態で貼り付けている。これにより、安価な治具でもヘッド支持体103に対してサーマルヘッド102を精度良く貼り付けることができ、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置決めの高精度化に繋げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−318260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、近年の小型化の流れの中で、従来の方法では、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置精度は十分なものではなくなってきた。
この点について、以下詳細に説明する。
はじめに、プラテンローラ104と発熱素子101との位置決め精度は、主に以下の寸法精度が影響するものと考えられる(図19参照)。
1) プラテンローラ104の中心軸O1と、ヘッド支持体103の回動中心O2との距離D1
2) ヘッド支持体103におけるサーマルヘッド102の貼付面103aから回動中心O2までの、貼付面103aの法線方向(ヘッド支持体103の厚み方向)の距離D2
3) ヘッド支持体103の回動中心O2からヘッド支持体103の度当り部108までの距離D3
4) サーマルヘッド102の端面102bから発熱素子101までの距離D4
5) ヘッド支持体103にサーマルヘッド102を貼り付ける際の貼付公差(度当り部108とサーマルヘッド102の端面102bとの距離)
【0015】
上述した条件のうち、3)〜5)の条件については、サーマルヘッド102をヘッド支持体103に貼り付ける際の位置決め精度に依存するものであり、特にサーマルヘッド102をヘッド支持体103に貼り付ける際、設備コストの増加に繋がってしまうが画像認識装置等を使用し、発熱素子101の位置を直接、回動中心O2との距離で管理することで、公差をさらに縮小することが可能である。
しかしながら、仮に設備コストの増加を受け入れて3)〜5)の公差を縮小したとしても、1),2)で発生する公差の影響が大きく、プラテンローラ104に対して発熱素子101を要求される精度で位置決めさせることが困難な場合があった。
【0016】
つまり、ヘッド支持体103は、常時弾性部材105によって付勢されていると共に、シャフト109を中心に回動するようになっている。これにより、カバーフレーム121がロック機構107によって本体フレーム111に組み合わされた際、プラテンローラ104とサーマルヘッド102とが適度な接触圧で接触するようになっている。この際、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置を設計段階で決定している。具体的に、従来のサーマルプリンタ100では、ヘッド支持体103の回動中心O2となるシャフト109を基準にして、プラテンローラ104の位置(即ち、上述した距離D1)と発熱素子101の位置とを決定している。上述した3)〜5)の条件は、全てこの前提のうえに成り立っている。
【0017】
ところが、カバーフレーム121を本体フレーム111に装着した際に、本体ユニット110及びカバーユニット120の部品寸法精度や、本体フレーム111とカバーフレーム121との組付精度等によって、プラテンローラ104に対する発熱素子101の位置が設計段階で決定した位置よりも若干位置ずれ(距離D1が変化)する場合があった。このような場合であっても、上述したようにヘッド支持体103は弾性部材105による付勢によってシャフト109を中心に回動するので、プラテンローラ104とサーマルヘッド102とが適度な接触圧で接触することに変わりはないが、ヘッド支持体103の傾斜角度が変わってしまう。
つまり、図19に示す状態よりも、図21に示すようにヘッド支持体103が前傾してしまったり、図22に示すように後傾してしまったりする。また、発熱素子101の位置がプラテンローラ104の位置に対してヘッド面102aと平行にずれた場合には、ヘッド支持体103が傾斜することなく、発熱素子101の位置が発熱素子許容範囲L1の中心からずれることになる。
【0018】
このような場合、サーマルヘッド102がヘッド支持体103に対して正確に位置決めされていたとしても、プラテンローラ104に対して発熱素子101を正確に位置決めさせることができず、発熱素子許容範囲L1外に発熱素子101が配設されてしまう可能性もあった。
【0019】
また、仮に本体フレーム110に対してプラテンローラ104が正確に装着されて上述した距離D1が変化しない場合であっても、ヘッド支持体103の部品寸法精度によって上述した距離D2が変化した場合には、やはりヘッド支持体103の傾斜角度が変化してしまう。
【0020】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、プラテンローラとサーマルヘッドとの位置決め精度を向上させ、発熱素子を発熱素子許容範囲内に確実に配設することができるサーマルプリンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のサーマルプリンタは、記録紙を紙送りするプラテンローラを有する本体ユニットと、前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられる着脱ユニットと、前記本体ユニットと前記着脱ユニットとをロックするロック機構とを備えたサーマルプリンタであって、前記着脱ユニットは、着脱フレームと、前記着脱ユニットの装着時において、前記プラテンローラの軸方向と平行に配置されるヘッド面に、前記記録紙に印字を行う発熱素子が配されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドが貼付固定され、前記着脱フレームに設けられた回動軸回りに回動可能に支持されたヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を介して、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに圧接させるように付勢する第1付勢手段と、前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの位置決めを行う位置決め機構とを備え、前記位置決め機構は、前記サーマルヘッドの前記ヘッド面に平行な面内において前記プラテンローラの軸方向に直交する第1方向に沿って、前記ヘッド支持体を前記着脱フレームに対して移動可能とさせる案内部と、前記ヘッド支持体に形成され、該ヘッド支持体に前記サーマルヘッドを位置決め固定する際の位置決め基準部として機能すると共に、前記プラテンローラの装着時に該プラテンローラを当接させて、該プラテンローラに対する前記発熱素子を位置決めさせる規制部と、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように、前記ヘッド支持体を前記第1方向に沿って付勢する第2付勢手段と、前記ヘッド支持体に形成され、前記着脱ユニットの装着動作に伴って前記プラテンローラに摺動しながら前記ヘッド支持体を前記案内部に沿って移動させ、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように前記ヘッド支持体を導くガイド部とを備え、前記規制部は平坦面に形成され、前記平坦面の法線方向が前記第1方向に一致していることを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、使用時に着脱ユニットと本体ユニットとをロック機構によりロックすることで、プラテンローラとサーマルヘッドとの間に記録紙を挟持することができるので、プラテンローラによって紙送りしながら該記録紙への印字を行うことができる。また、ロック機構のロックを解くことで、本体ユニットから着脱ユニットを離脱させることができる。
【0023】
また、着脱ユニットを装着する際、着脱ユニットを本体ユニットに接近させると、まずヘッド支持体のガイド部がプラテンローラに接触する。そして、着脱ユニットの装着動作に伴って、ガイド部がプラテンローラ上を摺動することで、ヘッド支持体が案内部に沿って移動し、規制部とプラテンローラとが当接するようにヘッド支持体が導かれる。これにより、ヘッド支持体の規制部がプラテンローラに当接する。より詳しくは、プラテンローラの軸受けが規制部に当接する。このとき、ヘッド支持体は第2付勢手段によって第1方向に沿って付勢されているので、プラテンローラと規制部とが接触した後、プラテンローラから規制部が離間することなく、接触した状態で以降の装着動作を行うことができる。そして、着脱ユニットの装着動作をさらにすすめると、プラテンローラとヘッド支持体とが接触する。このとき、サーマルヘッドはヘッド支持体を介して第1付勢手段によって付勢されているので、サーマルヘッドのヘッド面はプラテンローラに圧接されることになる。
【0024】
このように、第1付勢手段によりサーマルヘッドのヘッド面がプラテンローラに圧接されると共に、第2付勢手段により規制部がプラテンローラに当接することになるので、プラテンローラに対するサーマルヘッドの相対位置が規制される。このとき、規制部は法線方向が第1方向に一致するように形成された平坦面であると共に、プラテンローラの軸受けが規制部に当接した際に良好な印字品質が得られる位置にサーマルヘッドが規制部に対して位置決め固定されているので、プラテンローラとサーマルヘッドの発熱素子との相対位置を良好な印字品質が得られる位置に高精度に位置決めすることができる。また、上述したようにヘッド支持体は第2付勢手段によって第1方向に沿って付勢されているので、プラテンローラと規制部とが接触した状態で、しかもプラテンローラの外周面と発熱素子との位置関係が良好な印字品質が得られる上記のような位置関係を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
その後、ロック機構により着脱フレームが本体フレームにロックされることで、本体フレームへのサーマルヘッドのセットが完了する。
【0025】
着脱ユニットが本体ユニットに装着される際、仮に着脱ユニットにおけるサーマルヘッドの設置位置が設計段階で決定された位置よりも若干位置ずれしていたり、ヘッド貼付面の厚み方向誤差が生じていたりして、ヘッド支持体の傾斜角度が所定の位置から変化していたとしても、従来のものとは異なり、プラテンローラと発熱素子との位置関係を上述した位置関係のままの状態にすることができる。
つまり、第1付勢手段によりサーマルヘッドのヘッド面がプラテンローラに圧接されると共に、第2付勢手段により規制部がプラテンローラに当接するので、プラテンローラ、規制部及びサーマルヘッドの相対位置を良好な印字品質が得られる発熱素子許容範囲内にある状態を維持したままで、プラテンローラとサーマルヘッドの発熱素子とを確実に位置決めすることができる。
【0026】
また、前記案内部は、前記ヘッド支持体に形成された前記第1方向を長径方向とする長孔であり、前記長孔内には前記回動軸が挿通されていることを特徴としている。
この構成によれば、ヘッド支持体が第1方向に沿ってスライド移動することになるので、別体の移動機構等を設ける必要がない。これにより、構成の簡素化を図ると共に、製造コストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、規制部を基準にしてプラテンローラとサーマルヘッドとの位置が決定されるため、従来問題とされていた、大きな公差要因となる条件1),2)の影響を排除することができ、プラテンローラとサーマルヘッドとの位置関係において、発熱素子許容範囲内に確実に配置することができる。これにより、厚さやコシ等の異なる複数種類の記録紙を使用する場合においても発熱素子許容範囲内に発熱素子を高精度に配置することができ、良好な印字品質で印字を行うことができる。
また、上述したようにヘッド支持体には、規制部をプラテンローラに当接させるように導くガイド部が形成されているので、装着動作時においてヘッド支持体を案内部に沿って滑らかに移動させることができる。その結果、規制部とプラテンローラとが当接する際に、着脱ユニットの装着動作が妨げられることがなく、着脱ユニットを速やかに本体ユニットに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】カバーの閉状態を示すサーマルプリンタの外観斜視図である。
【図2】カバーの開状態を示すサーマルプリンタの外観斜視図である。
【図3】カバーの閉状態を示すサーマルプリンタの側面図である。
【図4】図1のA−Aに沿う断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図6】貼付治具の平面図である。
【図7】貼付治具の側面図である。
【図8】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図9】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図10】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図11】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図12】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図13】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図14】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図15】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図16】カバーの閉動作を説明するための説明図である。
【図17】ヘッド支持体が前傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図18】ヘッド支持体が後傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図19】従来のサーマルプリンタの側面図である。
【図20】プラテンローラと発熱素子との位置関係を説明するための説明図である。
【図21】従来のサーマルプリンタにおいて、ヘッド支持体が前傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【図22】従来のサーマルプリンタにおいて、ヘッド支持体が後傾でプラテンローラに接触した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、プラテンローラが装着された本体ユニットが、ロール状に巻回された記録紙が収納される筐体側に設けられ、サーマルヘッドが装着されたカバーユニットが、筐体の開口部を開閉可能にするカバー側に設けられる、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタについて説明する。
【0030】
図1,図2は、本発明に係るサーマルプリンタの斜視図であり、図1はカバーユニットの装着状態、図2はカバーユニットの非装着状態を示している。また、図3はカバーユニットの装着状態を示すサーマルプリンタの側面図であり、図4は図1のA−A線に沿う断面図、図5は図1のB−B線に沿う断面図である。なお、図中においては、サーマルプリンタが組み付けられる筐体やカバー等の部材を省略する。また、以下の説明では後述するカバーユニット4の装着時において、プラテンローラ6の軸方向に一致する方向をX方向、このX方向に平行に設けられたサーマルヘッド19のヘッド面19aに平行な面内においてプラテンローラ6の軸方向(X方向)に直交する方向をY方向(第1方向)、ヘッド面19aに直交する方向をZ方向として説明する。
図1〜図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタ1は、レジ等に組み込まれ、ロール紙(不図示)から引き出された記録紙P(図1参照)にレシート印字を行う、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタ1である。具体的に、サーマルプリンタ1は、本体ユニット3と、本体ユニット3に対して着脱可能に組み合わされるカバーユニット(着脱ユニット)4とを備えている。
【0031】
本体ユニット3は、装置幅方向(X方向)に沿って対向配置された一対の側壁部5aを有する本体フレーム5と、本体フレーム5に装着されたプラテンローラ6(図2参照)とを備えている。
本体フレーム5は、箱型形状のものであり、各側壁部5a間には記録紙Pを案内するための用紙ガイド5bが形成されている(図2参照)。そして、記録紙Pは、用紙ガイド5bに紙面裏面を向けた状態で搬送される。
【0032】
また、側壁部5aの装置奥行方向(Y方向)における一端側の角部には、カバーユニット4の後述するレバー部材22が係合される係合凹部10(図1〜図3参照)が形成されている。この係合凹部10は、奥行方向他端側から一端側にかけて高さ方向(Z方向)に沿って傾斜する傾斜面11と、この傾斜面11の高さ方向一端側において奥行方向他端側に向かって深く切り込まれた凹部12とを備えている。なお、レバー部材22及び係合凹部10により、本体ユニット3とカバーユニット4とをロックするロック機構を構成している。
一方、両側壁部5aの奥行方向他端側には、側壁部5aを幅方向に沿って貫通する貫通孔13が形成されており、この貫通孔13内にはカバーユニット4を回動可能に支持する回動シャフト15が挿通される。
【0033】
各側壁部5aには、プラテンローラ6が回転可能に支持されている。このプラテンローラ6は、幅方向に沿って延在するローラシャフト6aにゴム等からなるローラ本体6bを一体化させたものである。ローラシャフト6aの軸方向(X方向)両端部には、軸受け18が装着されており、側壁部5aに軸受け18が保持されることにより、プラテンローラ13が中心軸O1回りに回転可能に支持されている。なお、ローラシャフト6aの軸方向一端側には、歯車輪列機構(不図示)に噛合する図示しないギアが固定されている。そして、歯車輪列機構を介して本体フレーム5に設けられたモータ等の駆動手段(不図示)からの駆動力をギアに伝達し、プラテンローラ6を回転しうるように構成されている。ローラ本体6bは、周方向における一部が本体フレーム5の用紙ガイド5bから高さ方向他端側に向けて突出するように配置されており、カバーユニット4を装着したときに、ロール紙から引き出された記録紙Pを間に挟んだ状態で、後述するサーマルヘッド19に対して外周面が接触するようになっている。
【0034】
カバーユニット4は、本体フレーム5に対して回動可能に支持されたカバーフレーム(着脱フレーム)21と、カバーユニット4の装着動作に伴って本体ユニット3に係合されるレバー部材22と、カバーフレーム21に設けられ、ヘッド面19aに多数の発熱素子14(図5参照)を有するサーマルヘッド19と、このサーマルヘッド19を支持するヘッド支持体23(図4,図5参照)と、ヘッド支持体23をプラテンローラ6に圧接するように付勢するコイルバネ等の弾性部材(第1付勢手段)24とを備えている。
【0035】
カバーフレーム21は、幅方向両側が高さ方向一端側に向けて屈曲形成された例えばコ字状のプレートである。カバーフレーム21の側壁部21aの奥行方向他端側には、幅方向に沿って貫通する貫通孔(不図示)が形成され、この貫通孔内には上述した回動シャフト15が挿通されている。これにより、カバーユニット4は本体ユニット3に対して回動シャフト15回りに回動可能に支持される。
【0036】
レバー部材22は、幅方向両側が奥行方向他端側に向けて屈曲形成されたコ字状のプレートであり、本体フレーム5を奥行方向一端側から覆うように配置されている。カバーフレーム21及びレバー部材22には、各側壁部21a,22aと幅方向から見て重なる位置にシャフト30が挿通されており、カバーフレーム21に対してレバー部材22がシャフト30回りに回動可能に支持されている。レバー部材22の側壁部22aの奥行方向他端側には、上述した本体フレーム5の係合凹部10に係合される係合凸部31が形成されている。この係合凸部31は、高さ方向他端側から一端側にかけて奥行方向他端側に向かって傾斜する傾斜面32と、この傾斜面32の高さ方向一端側において奥行方向他端側に向けて突出する凸部33とを備えている。そして、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の凹部12内に嵌り込むことで、本体ユニット3とカバーユニット4とが係合されるようになっている。なお、図示しないが、レバー部材22とカバーフレーム21との間には、弾性部材が介在しており、係合凸部31が係合凹部10内に嵌まり込む方向に向けてレバー部材22を付勢している。
【0037】
レバー部材22の奥行方向一端側における壁部22bは、本体フレーム5の奥行方向一端側における壁部5cと重なる位置まで延在しており、その高さ方向一端側は奥行方向一端側へ向けて約90度屈曲された操作部34を構成している。そして、この操作部34を高さ方向他端側に向けて引き上げることで、レバー部材22がシャフト30回りに回動して係合凸部31の係合が解除されるようになっている。なお、レバー部材22の壁部22bには、用紙ガイド5bに沿って搬送される記録紙Pを排出するための排出口22cが形成されている。この排出口22cは、壁部22bの幅方向に沿って延在するスリット形状のものであり、例えばレジのユーザー(店員)側に向けて開口している。
【0038】
ここで、図4,図5に示すように、ヘッド支持体23は、幅方向を長手方向とした平板状の支持体本体37と、カバーユニット4の装着時にプラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の位置決めを行う位置決め機構38とを備えている。
【0039】
支持体本体37には、その表面(高さ方向一端側の面)が上述したサーマルヘッド11が貼付固定される貼付面37aとして機能する。サーマルヘッド19は、カバーフレーム21の側壁部21a間において、幅方向を長手方向とする平面視(高さ方向から見て)矩形状のものであり、ヘッド面19aにはプラテンローラ13の軸方向に平行に、且つライン状に並んだ多数の発熱素子14が配列されている。なお、ヘッド面19aとは、記録紙Pの印字面との対向面であり、カバーユニット4の装着時において、ヘッド面19aと、プラテンローラ13におけるローラ本体13cの外周面との間で記録紙Pを挟持しうるようになっている。つまり、記録紙Pは印字面を高さ方向他端側に向けた状態で、かつ印字面に印字された情報が顧客に対して正方向に向いた状態で記録紙Pが排出される。そのため、店員は記録紙Pの向きを変えることなく記録紙Pを顧客に手渡すことができ、レジ処理をスムーズに行うことができる。なお、サーマルヘッド19は、後述する貼付治具50(図6,図7参照)によって支持体本体37の貼付面37aにおける所定位置に貼り付けられるようになっている。また、支持体本体37の幅方向両側における奥行方向他端側には、高さ方向一端側に向けて延出する取付片39(図5参照)が形成されており、この取付片39には幅方向に沿って貫通する貫通孔(案内部)40が形成されている。
【0040】
貫通孔40は、カバーユニット4の装着時において、長径方向が奥行方向(ヘッド支持体37の短手方向)に一致するように延在する長円形状に形成されている。この貫通孔40内には、上述した回動シャフト15が挿通されている。したがって、ヘッド支持体23は、カバーフレーム21と同様に回動シャフト15の中心軸を回動中心O2にして回動可能に支持されると共に、長円形状の貫通孔40に沿って回動シャフト15上を奥行方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。
【0041】
ヘッド支持体23とカバーフレーム21との間には、弾性部材24が介在しており、弾性部材24によってカバーフレーム21とヘッド支持体23とは互いに反発する方向に付勢されている。すなわち、弾性部材24は、ヘッド支持体23をプラテンローラ6側に向けて常に付勢するように構成されている。
また、ヘッド支持体23の貼付面37aとは反対側の面における中央部には、高さ方向に向けて突出するフック部41が立設されている。このフック部41は、側面視(幅方向から見て)L字状のものであり、フック部41とシャフト30との間には、コイルバネ等からなる弾性部材(第2付勢手段)42が介在している。この弾性部材42は、その一端がシャフト30に連結される一方、他端がフック部41に連結されることで、ヘッド支持体23を奥行方向一端側に向けて付勢している。したがって、カバーフレーム21の装着時においては、図4,図5に示すように貫通孔40内の中間位置に回動シャフト15が配置される一方、カバーフレーム21の非装着時においては、図9に示すように貫通孔40内の一端位置に配置されことになる。
【0042】
支持体本体37の幅方向両側には、プラテンローラ6が配置される方向(高さ方向一端側)に向けて延出する規制プレート(規制部)44が形成されている。この規制プレート44は、例えば平板状の部材であり、プラテンローラ6の装着時においてプラテンローラ6の軸受け18の外周面と接する端面(奥行方向一端側の端面)は、平坦面からなる規制面44a(図4参照)が形成されている。この規制面44aの法線方向はサーマルヘッド19の短手方向(奥行方向)に一致している。すなわち、規制面44aの面方向は、サーマルヘッド19の短手方向に直交するように設けられている。規制面44aは、サーマルヘッド19をヘッド支持体23に貼り付ける際の位置決め基準面として機能すると共に、プラテンローラ6の装着時にプラテンローラ6の軸受け18の外周面を当接させ、プラテンローラ6に対してサーマルヘッド19の発熱素子14が所定の位置に位置するように設けられたものである。
【0043】
また、規制プレート44の先端は、例えば高さ方向一端側に向かって先細るテーパ形状に形成されており、奥行方向一端側の端面はプラテンローラ6の軸受け18に接触可能に構成され、カバーユニット4の装着動作に伴って規制面44aが軸受け18に当接するようにヘッド支持体23の移動を案内するガイド部44bを構成している。また、カバーユニット4の装着状態において、規制プレート44の高さ方向一端側は、用紙ガイド5bに形成された逃げ溝5d(図4参照)内へ入り込むようになっている。
そして、上述した貫通孔40、規制プレート44及び弾性部材42によって、本実施形態の位置決め機構38が構成されている。
【0044】
(サーマルヘッドの貼付方法)
次に、上述したヘッド支持体23にサーマルヘッド19を貼り付ける際の貼付方法について説明する。
上述したように、サーマルヘッド19は、貼付治具50を用いてヘッド支持体23に貼り付けられる。そのため、以下の説明では、まず貼付治具50の構成について説明する。
【0045】
(貼付治具)
図6は貼付治具の平面図であり、図7は側面図である。
図6,図7に示すように、貼付治具50は、平面視矩形状のセット部51と、セット部51に対して支持体本体37の短手方向に沿って移動可能(図6中矢印S参照)な保持部材52とを備えている。
セット部51の表面部は、ヘッド支持体23がセットされるセット面として機能しており、セット部51の表面部における一方側には支持体本体37のフック部41を避ける凹部53がセット部51の厚さ方向に沿って形成されている。また、セット部51における凹部53が形成された一方側とは反対側の他方側には、セット部51の高さ方向(短手方向)に沿って延在する長円形のガイド溝55が形成されている。なお、ガイド溝55は、セット部51の幅方向(長手方向)に亘って2箇所に設けられている。
【0046】
保持部材52は、セット部51の幅方向に沿って延在するベース部54を備え、ベース部54のセット部51と対向する端面には上述した各ガイド溝55内に望むように延出するガイドバー56が設けられている。このガイドバー56は、ガイド溝55内を移動可能に構成されており、これにより、保持部材52はセット部51の表面部上をセット部51の高さ方向に沿って移動可能に構成されている。
【0047】
ベース部54の幅方向両端部には、セット部51との間に間隙を空けた状態で、ベース部54からセット部51の表面部に沿ってセット部51の一方側に向かって延出する位置決め部59がベース部54の幅方向に亘って2箇所形成されている。各位置決め部59は、サーマルヘッド19の貼付時にヘッド支持体23の規制面44aに対するサーマルヘッド19の位置決めを行うものである。具体的に説明すると、位置決め部59は、それぞれベース部54の幅方向両端側に向かうにつれ、段々と上記一方側に向けて突出する階段状に形成されたものであり、内側に形成されたヘッド位置決め部57と、外側に形成された規制プレート位置決め部58とで構成されている。
【0048】
規制プレート位置決め部58は、ベース部54の幅方向に沿って延在する平坦面であり、サーマルヘッド19の貼付作業時において、規制プレート44の規制面44aを当接させるものである。なお、セット部51に対するヘッド支持体23の位置決めは、凹部53の内部にフック部41を固定することによって行う。
一方、ヘッド位置決め部57も、ベース部54の幅方向に沿って延在する平坦面であり、セット部51の一方側に向かってヘッド位置決め部57、規制プレート位置決め部58の順で階段状にそれぞれ平行に配置されている。このヘッド位置決め部57は、サーマルヘッド19の貼付作業時において、サーマルヘッド19の短手方向における一端面19bを当接させ、支持体本体37の貼付面37a上におけるサーマルヘッド19の位置決めを行うものである。この場合、規制プレート位置決め部58を規制面44aに当接させることにより、規制面44aに対するサーマルヘッド19の貼付位置が決定されるようになっている。これにより、サーマルヘッド19が、規制面44aを基準にして支持体本体37の貼付面37aに貼り付けられるようになっている。
【0049】
次に、上述した貼付治具50を用いてヘッド支持体23の貼付面37aにサーマルヘッド19を貼り付ける手順について説明する。
まず保持部材52をガイド溝55の上記他方側に移動させた状態で、ヘッド支持体23をセット部51にセットする。
【0050】
続いて、保持部材52をガイド溝55に沿ってセット部51の一方側方向に移動させ、規制プレート位置決め部58を規制プレート44の規制面44aに当接させる。これにより、ヘッド支持体23の規制面44aに対するヘッド位置決め部57の相対位置が固定される。
【0051】
そして、接着剤等を介してヘッド支持体23の貼付面37aにサーマルヘッド19を固定する。具体的には、サーマルヘッド19の端面19bをヘッド位置決め部57に当接させた状態で、支持体本体37の貼付面37aにサーマルヘッド19を貼り付ける。これにより、支持体本体37の規制面44aに対して所定の位置に、サーマルヘッド19の発熱素子14を高精度に配置することができる。
【0052】
(作用)
次に、本実施形態の位置決め機構の作用について説明する。
図8〜図16は、カバーユニットの装着動作時における動作を説明するための説明図であり、図8,図11,図14は図3に、図9,図12,図15は図4に、図10,図13,図16は図5に相当している。
図8〜図10に示すように、カバーフレーム21を押下してカバーユニット4の装着動作を行うと、まずヘッド支持体23の規制プレート44の先端がプラテンローラ6の軸受け18の外周面に当接する。なお、ヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に付勢されているので、カバーユニット4の非装着時には、貫通孔40内の一端位置に回動シャフト15が配置されている。
【0053】
カバーフレーム21をさらに押下すると、図11〜図13に示すように、規制プレート44のガイド部44bが軸受け18の外周面上を摺動し、ヘッド支持体23が回動シャフト15上を貫通孔40に沿って奥行方向他端側に向けて移動する。同時に、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の傾斜面11に当接した後、凸部33が本体フレーム5の傾斜面11上を摺動する。なお、カバーユニット4の装着動作時において、規制プレート44は用紙ガイド5bに接触することはなく、本体フレーム5の逃げ溝5d内に入り込んでいく。そのため、規制プレート44によってカバーユニット4の装着動作が妨げられることがない。
【0054】
その後、図14〜図16に示すように、軸受け18の外周面がガイド部44bを乗り越えて規制面44aに当接する。このとき、ヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に向けて付勢されているので、プラテンローラ6の軸受け18と規制面44aとが接触した後、軸受け18から規制面44aが離間することなく、接触した状態を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
【0055】
そして、カバーユニット4の装着動作をさらに進めると、ローラ本体6bの外周面がサーマルヘッド19に当接する。この時、サーマルヘッド19はヘッド支持体23を介して弾性部材24によって付勢されているので、サーマルヘッド19のヘッド面19aはローラ本体6bの外周面に圧接されることになる。
このように、弾性部材24によりサーマルヘッド19のヘッド面19aがプラテンローラ6のローラ本体6bに圧接されると共に、弾性部材42により規制面44aがプラテンローラ6の軸受け18に当接することになるので、プラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の相対位置が規制される。このとき、規制面44aはサーマルヘッド19の短手方向に直交する平坦面であると共に、サーマルヘッド19が規制面44aに対して位置決め固定されているので、プラテンローラ6に対してサーマルヘッド19の発熱素子14を確実に位置決めすることができる。そして、プラテンローラ6の軸受け18が規制プレート44に当接した際に良好な印字品質が得られる位置にサーマルヘッド19が規制面44aに対して位置決め固定されているので、良好な印字品質が得られる位置、即ち、発熱素子許容範囲L1内にプラテンローラ6とサーマルヘッド19の発熱素子14とを確実に位置決めすることができる。また、上述したようにヘッド支持体23は弾性部材42によって奥行方向一端側に向けて付勢されているので、プラテンローラ6の軸受け18と規制面44aとが接触した状態で、しかもローラ本体6aの外周面と発熱素子14との位置関係が良好な印字品質が得られる上記のような位置関係を維持したまま、以降の装着動作を行うことができる。
【0056】
一方、プラテンローラ6と規制面44aとが当接した後、レバー部材22の凸部33が本体フレーム5の傾斜面11を乗り越えることで、レバー部材22が回動し、凸部33が本体フレーム5の凹部12内に嵌り込む。これにより、プラテンローラ6とサーマルヘッド19との間に記録紙Pを挟んだ状態で、カバーユニット4が本体ユニット3に装着される。
【0057】
ところで、仮に本体ユニット3に対するプラテンローラ6の設置位置や、カバーユニット4におけるサーマルヘッド19の設置位置、カバーユニット4が本体ユニット3に装着された際、プラテンローラ6に対する発熱素子14の相対位置等が、製造公差等により設計段階で決定された位置よりも若干位置ずれしていたり、ヘッド支持体23における貼付面37aの厚み方向誤差が生じていたりして、ヘッド支持体23の傾斜角度が理想位置から変化していたとしても、従来のものとは異なり、プラテンローラ6と発熱素子14との位置関係は上述した位置関係のままの状態を維持することができる。
【0058】
例えば、上述した条件1)の距離D1や条件2)の距離D2(何れも図5参照)が製造公差等により設計段階で決定した位置よりも若干ずれて、ヘッド支持体19が前傾になった場合には、ヘッド支持体23が前傾した分だけ規制面44aも前傾する。ところが、本実施形態では、図17に示すように、プラテンローラ6の軸受け18が規制部44aに当接した時点で、弾性部材24によりサーマルヘッド19のヘッド面19aがプラテンローラ6に圧接されると共に、弾性部材24により規制面44aがプラテンローラ6に当接する。そのため、ヘッド支持体23が前傾した分だけ、プラテンローラ6の外周面及び軸受け18の外周面に沿って、規制面44a及びサーマルヘッド19のヘッド面19aが摺動するようにヘッド支持体23が貫通孔40を利用したスライド移動を行って、プラテンローラ13と発熱素子14とが良好な印字品質が得られる位置、即ち、発熱素子許容範囲L1内にあるように位置決めされる。また、例えば図18に示すように、ヘッド支持体23が後傾となった場合も同様である。
【0059】
このように、本実施形態では、規制面44aを基準にしてプラテンローラ6とサーマルヘッド19との相対位置を決定するように構成することで、従来問題とされていた、例えば条件1),2)のような位置ズレ要因の影響を受けないようにすることができる。そのため、プラテンローラ6に対するサーマルヘッド19の位置決め精度を向上させ、発熱素子14を所定の発熱素子許容範囲L1内に確実に配置することができる。これにより、厚さやコシ等の異なる複数種類の記録紙Pの全てに対応した発熱素子許容範囲L1内に発熱素子14を配置することが可能となり、同一の装置によって全ての記録紙Pに良好な印字品質で印字を行うことも可能となる。
【0060】
また、上述したようにヘッド支持体23には、規制面44aをプラテンローラ6に当接させるように導くガイド部44bが形成されているので、装着動作時においてヘッド支持体23を貫通孔35に沿って滑らかに移動させることができる。その結果、規制面44aとプラテンローラ6とが当接する際に、カバーユニット4の装着動作が妨げられることがなく、カバーユニット4を速やかに本体ユニット3に装着することができる。
【0061】
さらに、ヘッド支持体23を移動可能とする貫通孔40が長孔に形成されているので、ヘッド支持体23が回動シャフト15に対して奥行方向に沿ってスライド移動することになる。これにより、ヘッド支持体23が奥行方向に沿ってスライド移動することになるので、別体の移動機構等を設ける必要がない。これにより、構成の簡素化を図ると共に、製造コストの低減を図ることができる。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、本実施形態では、ヘッドオープンタイプのサーマルプリンタ1をレジ等に採用した場合について説明したが、これに限らず、例えば駐車場或いはセルフ式のガソリンスタンドにおける給油機の精算機や、各種の飲食店舗内等に設置される券売機、携帯型の情報端末等、に採用することも可能である。
また、上述した実施形態では、第2付勢手段にコイルバネを用いる場合について説明したが、これに限らず板バネ等を用いることも可能である。
さらに、上述した実施形態では、本体フレーム5に対するヘッド支持体23の回動中心と、本体フレーム5に対するカバーフレーム21の回動中心とが回動シャフト15の中心軸に一致している構成について説明したが、これに限らず本体フレーム5に対するヘッド支持体23の回動中心と、本体フレーム5に対するカバーフレーム21の回動中心とを別々に設定する構成にしても構わない。
【符号の説明】
【0063】
1…サーマルプリンタ 3…本体ユニット 4…カバーユニット(着脱ユニット) 6…プラテンローラ 19…サーマルヘッド 21…着脱フレーム 23…ヘッド支持体 24…弾性部材(第1付勢手段) 30…回動シャフト(回動軸) 38…位置決め機構 40…貫通孔(案内部) 42…弾性部材(第2付勢手段) 44…規制プレート(規制部) 44a…規制面 44b…ガイド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を紙送りするプラテンローラを有する本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられる着脱ユニットと、
前記本体ユニットと前記着脱ユニットとをロックするロック機構とを備えたサーマルプリンタであって、
前記着脱ユニットは、着脱フレームと、
前記着脱ユニットの装着時において、前記プラテンローラの軸方向と平行に配置されるヘッド面に、前記記録紙に印字を行う発熱素子が配されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドが貼付固定され、前記着脱フレームに設けられた回動軸回りに回動可能に支持されたヘッド支持体と、
前記ヘッド支持体を介して、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに圧接させるように付勢する第1付勢手段と、
前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの位置決めを行う位置決め機構と、を備え、
前記位置決め機構は、
前記サーマルヘッドの前記ヘッド面に平行な面内において前記プラテンローラの軸方向に直交する第1方向に沿って、前記ヘッド支持体を前記着脱フレームに対して移動可能とさせる案内部と、
前記ヘッド支持体に形成され、該ヘッド支持体に前記サーマルヘッドを位置決め固定する際の位置決め基準部として機能すると共に、前記プラテンローラの装着時に該プラテンローラを当接させて、該プラテンローラに対する前記発熱素子を位置決めさせる規制部と、
前記規制部が前記プラテンローラに当接するように、前記ヘッド支持体を前記第1方向に沿って付勢する第2付勢手段と、
前記ヘッド支持体に形成され、前記着脱ユニットの装着動作に伴って前記プラテンローラに摺動しながら前記ヘッド支持体を前記案内部に沿って移動させ、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように前記ヘッド支持体を導くガイド部とを備え、
前記規制部は平坦面に形成され、前記平坦面の法線方向が前記第1方向に一致していることを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記案内部は、前記ヘッド支持体に形成された前記第1方向を長径方向とする長孔であり、
前記長孔内には前記回動軸が挿通されていることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項1】
記録紙を紙送りするプラテンローラを有する本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して着脱可能に設けられる着脱ユニットと、
前記本体ユニットと前記着脱ユニットとをロックするロック機構とを備えたサーマルプリンタであって、
前記着脱ユニットは、着脱フレームと、
前記着脱ユニットの装着時において、前記プラテンローラの軸方向と平行に配置されるヘッド面に、前記記録紙に印字を行う発熱素子が配されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドが貼付固定され、前記着脱フレームに設けられた回動軸回りに回動可能に支持されたヘッド支持体と、
前記ヘッド支持体を介して、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに圧接させるように付勢する第1付勢手段と、
前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの位置決めを行う位置決め機構と、を備え、
前記位置決め機構は、
前記サーマルヘッドの前記ヘッド面に平行な面内において前記プラテンローラの軸方向に直交する第1方向に沿って、前記ヘッド支持体を前記着脱フレームに対して移動可能とさせる案内部と、
前記ヘッド支持体に形成され、該ヘッド支持体に前記サーマルヘッドを位置決め固定する際の位置決め基準部として機能すると共に、前記プラテンローラの装着時に該プラテンローラを当接させて、該プラテンローラに対する前記発熱素子を位置決めさせる規制部と、
前記規制部が前記プラテンローラに当接するように、前記ヘッド支持体を前記第1方向に沿って付勢する第2付勢手段と、
前記ヘッド支持体に形成され、前記着脱ユニットの装着動作に伴って前記プラテンローラに摺動しながら前記ヘッド支持体を前記案内部に沿って移動させ、前記規制部が前記プラテンローラに当接するように前記ヘッド支持体を導くガイド部とを備え、
前記規制部は平坦面に形成され、前記平坦面の法線方向が前記第1方向に一致していることを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記案内部は、前記ヘッド支持体に形成された前記第1方向を長径方向とする長孔であり、
前記長孔内には前記回動軸が挿通されていることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−110917(P2011−110917A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272375(P2009−272375)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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