サーマルプリンタ
【課題】既製部品であるスイッチを使用することなく、簡易な構成にすることでコストダウンを実現し、なお且つ確実にカバーの開閉を検出できるサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、を有するサーマルプリンタであって、前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出する。
【解決手段】プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、を有するサーマルプリンタであって、前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルヘッドとプラテンとを有する感熱式印字部を備えたサーマルプリンタは、部品点数が比較的少なく小型化が容易であり、携帯型プリンタとしても広く用いられる様になってきている。
【0003】
サーマルプリンタは、内部に収納するロール状の感熱紙の補充入れ替え等のための開閉式カバーを有して構成されるのが一般的である。この様なカバーを有するサーマルプリンタでは、カバー開放時に駆動部への指の巻き込み、あるいは電源部への接触による感電を防止するためにカバーの開閉検出手段を設け、カバー開放時には内部装置への電源供給を遮断することで安全性を確保している。
【0004】
そのために、図10に示した従来例に係るサーマルプリンタ100では、本体ケース1と開閉カバー2との間に既製のスイッチ5が設けられている。開閉カバー2を閉めると開閉カバー2の凸部4が本体ケース1のスイッチ5を押下することによってカバー2の開閉検出を行うものである。
【0005】
この様な従来例に係るサーマルプリンタ100では、図11に示した様にカバーの開閉を検出する回路を有する基板8にスイッチ5が接続され、カバー2が閉じられてスイッチ5が押下されたことを開閉検出回路で電気的に検出する様に構成されている。
【0006】
また、例えば特許文献1には、開閉カバーを閉じると、位置決め部材がホルダを上下に移動させ、開閉カバーに形成された押し圧部材に対してホルダに固定の開閉カバーの開閉状態を検知するスイッチとの位置決めが自動的に行われ、この押し圧部材によりスイッチを動作させる画像形成装置が開示されている。
【0007】
当該画像形成装置によれば、開閉カバーを閉じると、スイッチを押し圧する押し圧部材に対してスイッチが所定の位置に位置決めされるので、開閉カバーの開閉状態の検知、すなわちスイッチのON・OFFを正確に動作させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−234230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、屋外においても使用される可能性のある携帯型のサーマルプリンタでは、砂埃や塵、用紙の紙粉等の影響によりスイッチ内部にある接点部分の接触不良が発生し、カバーの開閉を確実に検知できなくなる場合があった。
【0010】
この様にして接触不良が発生した場合に、スイッチ内部の接点部をクリーニングするにしても、既製の機械式スイッチの接点はスイッチケースの内部にある為容易にクリーニングすることが出来ず、スイッチ自体又はアセンブリ部品を交換することになってしまう。
【0011】
また、防塵性タイプのスイッチはサイズが大きく、小型化が必要な携帯型サーマルプリンタには不向きであり、搭載することは困難である。
【0012】
そこで本発明では、既製部品であるスイッチを使用することなく、簡易な構成にすることでコストダウンを実現し、なお且つ確実にカバーの開閉を検出できるサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題に鑑み、プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、を有するサーマルプリンタであって、前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記開閉カバーの開閉を検出する回路を有する基板を備え、前記開閉カバーの前記第二の接点部及び前記本体ケースの前記第一の接点部と、前記基板とは、フレキシブルプリント基板によって接続することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記開閉カバーの前記第一の接点部は、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開閉カバーから前記本体ケースの方向に付勢されたバネ状部材で構成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記本体ケースの前記第一の接点部を備え、前記開閉カバーに連動して前記本体ケースに設けられた開口部から前記第一の接点部を露出させるシャッターを前記本体ケース内部に有し、前記シャッターに形成された前記第一の接点部は、前記開閉カバーが開いた状態で前記本体ケースの内部に収納され、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開口部から露出して前記開閉カバーの前記第一の接点部と接触することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記開閉カバーに設けられた前記第一の接点部は、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに押圧するヘッドバネと一体で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によれば、既製のスイッチを用いることなく簡易な構成でカバーの開閉を検出できるためコストダウンが可能になり、且つ、確実にカバーの開閉を検出することができるサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るサーマルプリンタの概略構成の例を示す図
【図2】実施形態に係るサーマルプリンタの開閉カバーが開閉する様子を示す図
【図3】実施形態に係る操作レバー及び固定爪の構成例を示す図
【図4】実施形態に係る第一の接点部の構成例を示す図
【図5】実施形態に係る開閉カバーの第一の接点部の構成例を示す図
【図6】実施形態に係る本体ケースの第一の接点部の他の構成例を示す図
【図7】実施形態に係る第二の接点部の構成例を示す図
【図8】実施形態に係るカバーの開閉を検出する配線の構成例を示す図
【図9】実施形態に係る第一及び第二の接点部の配線の構成例を示す図
【図10】従来例に係るサーマルプリンタの概略構成を示す図
【図11】従来例に係るカバー開閉を検出する配線の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の概略構成例を示す。以下の図中に示したX1−X2方向はサーマルプリンタ10の幅方向、Y1−Y2方向はサーマルプリンタ10の奥行き方向、Z1−Z2方向は高さ方向である。
【0022】
本体ケース1は、内部にプラテンローラ3を回転可能に支持し、収納するロール状の感熱紙の着脱等が可能な開口部18を前面に有している。後部には取り外しできるバッテリーを搭載し、当該バッテリーからプリントに必要な電力が供給される。
【0023】
本体ケース1の開口部18を覆う開閉カバー2は、内部に不図示のサーマルヘッドを備えており、閉じた状態で当該サーマルヘッドが本体ケース1のプラテンローラ3に押し当てられて感熱紙に印字出来る様に構成されている。
【0024】
開閉カバー2は、前面に操作レバー19を有し、操作レバー19に連動する固定爪15,16が本体ケース1側に支持されている。操作レバー19及び固定爪15,16の詳細については後述する。
【0025】
開閉カバー2が閉じられると、固定爪15,16の端部が開閉カバー2の側面に設けられた開口部6から露出し、本体ケース1の側板に設けられた嵌合部14に嵌合して開閉カバー2を本体ケース1に固定する。
【0026】
本実施形態に係るサーマルプリンタ10は、開閉カバー2の開閉状態を、開閉カバー2及と本体ケース1のそれぞれに構成された第一の接点部11,13と、開閉カバー2と固定爪15のそれぞれに構成された第二の接点部17,20とで検出する。
【0027】
開閉カバー2の側面に設けられた第一の接点部11は、開閉カバー2の開口部12から露出し、開閉カバー2が閉じた状態で本体ケース1に設けられた第一の接点部13と接触して導通する。
【0028】
また、固定爪15に設けられた第二の接点部20は、開閉カバー2が閉じて固定された状態で開閉カバー2に設けられた第二の接点部17と接触して導通する。
【0029】
本実施形態に係るサーマルプリンタ10は、開閉カバー2の開閉状態を上記した第一及び第二の接点部の導通状態から検出する。
【0030】
図2に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の開閉カバー2が開閉する様子を示す。図2(a)は開閉カバー2が閉じた状態で、図2(b)は開閉カバー2が開けられた状態を示している。
【0031】
開閉カバー2は端部が本体ケース1に支持されており、支持された部分を中心に図中Z方向に開閉する様に構成されている。
【0032】
開閉カバー2が閉じられると固定爪15が本体ケース1の嵌合部14に嵌合して本体ケース1に固定され、開閉カバー2の第一の接点部11が本体ケース1の第一の接点部13に接触する。
【0033】
図3に、開閉カバー2に設けられた操作レバー19及び固定爪15,16の構成例を示す。
【0034】
開閉カバー2の本体ケース1側には固定爪15,16が支持され、開閉カバー2の前面の操作レバー19に連動して図中X方向に移動可能に構成されている。
【0035】
固定爪15,16はそれぞれピン22,24からバネ23,25によって開閉カバー2の側板の方向に付勢されている。固定爪15,16の端部15b、16bは開閉カバー2から突出して本体ケースの嵌合部に嵌合することで開閉カバー2を本体ケース1に固定することができる。
【0036】
固定爪15,16の間には2段ギヤ21が組み込まれており、固定爪15,16に形成されたラック部15a,16aと噛み合っている。2段ギヤ21は、操作レバー19の下面のラック部19aとも噛み合っており、操作レバー19を図中Y方向に動かすと連動して回転する。
【0037】
操作レバー19のノブ19bを掴み図中Y2方向に移動させると、2段ギヤ21が図中反時計回りに回転し、固定爪15はX1方向に、固定爪16はX2方向にそれぞれ2段ギヤ21の回転に伴って移動する。固定爪15,16が移動することによって端部15b、16bが本体ケース1の嵌合部から外れ、本体ケース1との間のロックを解除して開閉カバー2を開けることができる。
【0038】
図4に、本実施形態に係る第一の接点部の構成例を示す。図4(a)は開閉カバー2の第一の接点部11、図4(b)は本体ケース1の第一の接点部13を含む構成を示している。
【0039】
開閉カバー2の第一の接点部11は導電性部材で構成され、例えば金属部品を用いて線バネや板バネ形状にし、閉じた状態で本体ケース1方向に付勢されていることが好ましい。本体ケース1側の第一の接点部13との接触をより確実に行うことが可能になる。
【0040】
開閉カバー2の第一の接点部11は、開閉カバー2の内部で、後述する開閉カバー2の第二の接点部17に接続している。
【0041】
本体ケース1の第一の接点部13は、開閉カバー2が閉じた状態で開閉カバー2の第一の接点部11と接触する位置に開口部26から露出する様に構成されている。また、本体ケース1の第一の接点部13は導電性の部材であり、本体ケース1内に設けられた開閉検出回路を有する基板に接続している。
【0042】
本体ケース1及び開閉カバー2はモールド成型時にインサート成型又はダブルモールディング成型することで部品点数を削減し、コストダウンを図ることができる。
【0043】
また、図5に実施形態に係る開閉カバー2の第一の接点部の構成例を示す。
【0044】
開閉カバー2は、閉じた状態で本体ケース1のプラテンローラ3に接触するサーマルヘッド36を有しており、サーマルヘッド36はヘッドバネ35によってプラテンローラ3の方向に付勢されている。
【0045】
ヘッドバネ35は導電性の金属部品であり、開閉カバー2近傍の端部を延伸して開閉カバー2の第一の接点部11を兼ねる一つの部品として形成することができる。ヘッドバネ35の一部である第一の接点部11は、開閉カバー2の第2の接点部17に接続している。
【0046】
開閉カバー2の第一の接点部11は別途部品を設ける構成とすることもできるが、ヘッドバネ35が第一の接点部11を兼ねることで、部品点数を減らすことが可能になる。
【0047】
また、図6に本実施形態に係る本体ケース1の第一の接点部の他の構成例を示す。
【0048】
図示した例では、本体ケース1の第一の接点部13は、本体ケース1内部に収納され、開閉カバー2が開閉する動作に連動して図中Z方向に動くシャッター27と一体に形成されている。
【0049】
シャッター27は回転軸28を中心に回転する様に支持され、バネ31によって図中Z1方向に付勢されている。また、開閉カバー2が閉じられた際に開閉カバー2に押し下げられて回転する様に爪部29が形成されている。
【0050】
シャッター27は開閉カバー2が開放された状態ではバネ31により付勢されてZ1方向に回転し、開閉カバー2が閉じた状態では爪部29が開閉カバー2に押し下げられてZ2方向に回転する。
【0051】
また、シャッター27には、開閉カバー2が開放状態で本体ケース1に隠れ、開閉カバー2が閉じた状態で本体ケース1の開口部26から露出する位置に、本体ケース1の第一の接点部13が一体に形成されている。
【0052】
開閉カバー2が開放状態では第一の接点部13が本体ケース1内に収納されるため、第一の接点部13に人の手が触れたり、粉塵が付着することがない。したがって、第一の接点部13が汚れ、開閉カバー2の第一の接点部11と接触しても導通が取れないといった不具合を防止することができる。
【0053】
図7に、本実施形態に係る第二の接点部の構成例を示す。図7(a)は図中Y2方向に操作された操作レバー19に連動して固定爪15が開閉カバー2内に収納された状態で、図7(b)は開閉カバー2から固定爪15の端部15bが突き出て本体ケース1の嵌合部14と嵌合し、開閉カバー2が固定されている状態を示している。
【0054】
開閉カバー2及び固定爪15に形成された第二の接点部17,20には、それぞれ接触する部分に導電性部材17a、20aが設けられており、開閉カバー2が閉じた状態で接触して導通が取れる様に構成されている。
【0055】
また、開閉カバー2の第二の接点部17は、開閉カバー2の第一の接点部11と接続し、固定爪15の第二の接点部20は、開閉検出回路を有する基板と接続する様に配線されている。
【0056】
開閉カバー2の操作レバー19が操作されて固定爪15がX1方向に移動すると、第二の接点部17,20が離れて導通が取れない状態になり、開閉カバーが閉じた状態で固定爪15が図中X2方向に移動して端部15bが本体ケース1の嵌合部14に嵌合すると、第二の接点部17,20が接触して導通する。
【0057】
2つ設けられた固定爪15,16は連動する構成であり、両方が本体ケース1の嵌合部に嵌って開閉カバー2が固定状態にならない限り第二の接点部17,20が接触することは無い。したがって、第二の接点部17,20は固定爪15,16のいずれか一方に設けるだけで良く、部品点数の増加を抑えた上で確実に開閉カバー2の開閉検出を行うことができる。
【0058】
図8に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10のカバーの開閉を検出する配線の構成例を示す。
【0059】
第一の接点部11,13及び第二の接点部17,20は開閉カバー2の開閉によって導通するスイッチの様に作用する。本体ケース1の第一の接点部13及び固定爪15の第二の接点部20は開閉カバー2の開閉検出回路を有する基板8に接続し、開閉カバー2の第一の接点部11と第二の接点部17とが接続する様に配線されている。
【0060】
第一及び第二の接点部の導通状態に基づいて、基板8に設けられた検出回路が開閉カバー2の開閉状態を検出する。開閉カバー2が閉じられると第一の接点部11,13及び第二の接点部17,20が接触して導通し、開閉カバー2が閉じられたことが検出される。また、第一及び第二の接点部のいずれかが非接触状態で導通が取れない場合には開閉カバー2が開放状態であることが検出される。
【0061】
第一の接点部11,13だけでは、開閉カバー2が半締り状態でも接触して導通が取れる場合があり、開閉カバー2が閉じた状態であると誤検知してしまう可能性がある。しかし、第二の接点部17,20を備えることで、固定爪15,16により確実に開閉カバー2が本体ケース1に固定された状態にならなければ開閉カバー2が閉じた状態であることが検出されないため、上記した様な誤検知を防止することができる。
【0062】
図9に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の第一及び第二の接点部の配線の構成例を示す。図示した例では、第一、第二の接点部及び基板の間の配線をフレキシブルプリント基板32,33,34で構成している。フレキシブルプリント基板は薄く柔軟性があるため、サーマルプリンタの小型化に寄与し、開閉カバー2の開閉部を通して配線できるというメリットがある。
【0063】
本体ケース1の側部には開閉カバー2の開閉を検出する回路等を搭載した基板8が設けられている。フレキシブルプリント基板33は、基板8の制御回路から開閉カバー2が備えるサーマルヘッドに電気信号の送信を行うための配線を有し、端部37はサーマルヘッドに接続されている。
【0064】
また、フレキシブルプリント基板33は基板8の開閉カバー2の開閉を検出する回路にも接続し、途中で分岐して固定爪15の第二の接点部20で接点用のランド20aが形成されている。サーマルヘッドに接続するフレキシブルプリント基板33から分岐させることで、部品点数を増やすことなく第二の接点部20から基板8への配線を構成することが可能になる。
【0065】
本体ケース1の第一の接点部13は、基板8に接続するフレキシブルプリント基板32に形成された接点用のランド部である。
【0066】
開閉カバー2の第一の接点部11はフレキシブルプリント基板34の配線と接続する板バネで形成され、第二の接点部17でフレキシブルプリント基板34に接点用のランド部が形成されている。
【0067】
第一の接点部は、開閉カバー2が閉じた状態でフレキシブルプリント基板32に形成された接点用のランド部13とフレキシブルプリント基板34に接続する板バネ11とが接触する様に構成されている。
【0068】
また、第2の接点部では、開閉カバー2が閉じた状態で固定爪15が本体ケース1の嵌合部14と嵌合した時に、フレキシブルプリント基板33,34に形成された接点用のランド部が接触する様に構成されている。
【0069】
第一及び第2の接点部の両方が接触して導通すると、基板8内の開閉検出回路が開閉カバー2が閉じた状態にあることを検出する。
【0070】
以上説明した様に、本発明の実施形態によれば、既製のスイッチを用いることなく簡易な構成でカバーの開閉を検出できるためコストダウンが可能になる。また、第一及び第二の接点部を有することにより確実にカバーの開閉を検出することができる。
【0071】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 本体ケース
2 開閉カバー
3 プラテンローラ
8 基板
10 サーマルプリンタ
11,13 第一の接点部
14 嵌合部
15、16 固定爪
17,20 第二の接点部
18 開放部
26 開口部
28 シャッター
32,33 フレキシブルプリント基板
35 ヘッドバネ
36 サーマルヘッド
38 用紙ロール
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルヘッドとプラテンとを有する感熱式印字部を備えたサーマルプリンタは、部品点数が比較的少なく小型化が容易であり、携帯型プリンタとしても広く用いられる様になってきている。
【0003】
サーマルプリンタは、内部に収納するロール状の感熱紙の補充入れ替え等のための開閉式カバーを有して構成されるのが一般的である。この様なカバーを有するサーマルプリンタでは、カバー開放時に駆動部への指の巻き込み、あるいは電源部への接触による感電を防止するためにカバーの開閉検出手段を設け、カバー開放時には内部装置への電源供給を遮断することで安全性を確保している。
【0004】
そのために、図10に示した従来例に係るサーマルプリンタ100では、本体ケース1と開閉カバー2との間に既製のスイッチ5が設けられている。開閉カバー2を閉めると開閉カバー2の凸部4が本体ケース1のスイッチ5を押下することによってカバー2の開閉検出を行うものである。
【0005】
この様な従来例に係るサーマルプリンタ100では、図11に示した様にカバーの開閉を検出する回路を有する基板8にスイッチ5が接続され、カバー2が閉じられてスイッチ5が押下されたことを開閉検出回路で電気的に検出する様に構成されている。
【0006】
また、例えば特許文献1には、開閉カバーを閉じると、位置決め部材がホルダを上下に移動させ、開閉カバーに形成された押し圧部材に対してホルダに固定の開閉カバーの開閉状態を検知するスイッチとの位置決めが自動的に行われ、この押し圧部材によりスイッチを動作させる画像形成装置が開示されている。
【0007】
当該画像形成装置によれば、開閉カバーを閉じると、スイッチを押し圧する押し圧部材に対してスイッチが所定の位置に位置決めされるので、開閉カバーの開閉状態の検知、すなわちスイッチのON・OFFを正確に動作させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−234230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、屋外においても使用される可能性のある携帯型のサーマルプリンタでは、砂埃や塵、用紙の紙粉等の影響によりスイッチ内部にある接点部分の接触不良が発生し、カバーの開閉を確実に検知できなくなる場合があった。
【0010】
この様にして接触不良が発生した場合に、スイッチ内部の接点部をクリーニングするにしても、既製の機械式スイッチの接点はスイッチケースの内部にある為容易にクリーニングすることが出来ず、スイッチ自体又はアセンブリ部品を交換することになってしまう。
【0011】
また、防塵性タイプのスイッチはサイズが大きく、小型化が必要な携帯型サーマルプリンタには不向きであり、搭載することは困難である。
【0012】
そこで本発明では、既製部品であるスイッチを使用することなく、簡易な構成にすることでコストダウンを実現し、なお且つ確実にカバーの開閉を検出できるサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題に鑑み、プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、を有するサーマルプリンタであって、前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記開閉カバーの開閉を検出する回路を有する基板を備え、前記開閉カバーの前記第二の接点部及び前記本体ケースの前記第一の接点部と、前記基板とは、フレキシブルプリント基板によって接続することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記開閉カバーの前記第一の接点部は、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開閉カバーから前記本体ケースの方向に付勢されたバネ状部材で構成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記本体ケースの前記第一の接点部を備え、前記開閉カバーに連動して前記本体ケースに設けられた開口部から前記第一の接点部を露出させるシャッターを前記本体ケース内部に有し、前記シャッターに形成された前記第一の接点部は、前記開閉カバーが開いた状態で前記本体ケースの内部に収納され、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開口部から露出して前記開閉カバーの前記第一の接点部と接触することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記開閉カバーに設けられた前記第一の接点部は、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに押圧するヘッドバネと一体で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によれば、既製のスイッチを用いることなく簡易な構成でカバーの開閉を検出できるためコストダウンが可能になり、且つ、確実にカバーの開閉を検出することができるサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るサーマルプリンタの概略構成の例を示す図
【図2】実施形態に係るサーマルプリンタの開閉カバーが開閉する様子を示す図
【図3】実施形態に係る操作レバー及び固定爪の構成例を示す図
【図4】実施形態に係る第一の接点部の構成例を示す図
【図5】実施形態に係る開閉カバーの第一の接点部の構成例を示す図
【図6】実施形態に係る本体ケースの第一の接点部の他の構成例を示す図
【図7】実施形態に係る第二の接点部の構成例を示す図
【図8】実施形態に係るカバーの開閉を検出する配線の構成例を示す図
【図9】実施形態に係る第一及び第二の接点部の配線の構成例を示す図
【図10】従来例に係るサーマルプリンタの概略構成を示す図
【図11】従来例に係るカバー開閉を検出する配線の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の概略構成例を示す。以下の図中に示したX1−X2方向はサーマルプリンタ10の幅方向、Y1−Y2方向はサーマルプリンタ10の奥行き方向、Z1−Z2方向は高さ方向である。
【0022】
本体ケース1は、内部にプラテンローラ3を回転可能に支持し、収納するロール状の感熱紙の着脱等が可能な開口部18を前面に有している。後部には取り外しできるバッテリーを搭載し、当該バッテリーからプリントに必要な電力が供給される。
【0023】
本体ケース1の開口部18を覆う開閉カバー2は、内部に不図示のサーマルヘッドを備えており、閉じた状態で当該サーマルヘッドが本体ケース1のプラテンローラ3に押し当てられて感熱紙に印字出来る様に構成されている。
【0024】
開閉カバー2は、前面に操作レバー19を有し、操作レバー19に連動する固定爪15,16が本体ケース1側に支持されている。操作レバー19及び固定爪15,16の詳細については後述する。
【0025】
開閉カバー2が閉じられると、固定爪15,16の端部が開閉カバー2の側面に設けられた開口部6から露出し、本体ケース1の側板に設けられた嵌合部14に嵌合して開閉カバー2を本体ケース1に固定する。
【0026】
本実施形態に係るサーマルプリンタ10は、開閉カバー2の開閉状態を、開閉カバー2及と本体ケース1のそれぞれに構成された第一の接点部11,13と、開閉カバー2と固定爪15のそれぞれに構成された第二の接点部17,20とで検出する。
【0027】
開閉カバー2の側面に設けられた第一の接点部11は、開閉カバー2の開口部12から露出し、開閉カバー2が閉じた状態で本体ケース1に設けられた第一の接点部13と接触して導通する。
【0028】
また、固定爪15に設けられた第二の接点部20は、開閉カバー2が閉じて固定された状態で開閉カバー2に設けられた第二の接点部17と接触して導通する。
【0029】
本実施形態に係るサーマルプリンタ10は、開閉カバー2の開閉状態を上記した第一及び第二の接点部の導通状態から検出する。
【0030】
図2に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の開閉カバー2が開閉する様子を示す。図2(a)は開閉カバー2が閉じた状態で、図2(b)は開閉カバー2が開けられた状態を示している。
【0031】
開閉カバー2は端部が本体ケース1に支持されており、支持された部分を中心に図中Z方向に開閉する様に構成されている。
【0032】
開閉カバー2が閉じられると固定爪15が本体ケース1の嵌合部14に嵌合して本体ケース1に固定され、開閉カバー2の第一の接点部11が本体ケース1の第一の接点部13に接触する。
【0033】
図3に、開閉カバー2に設けられた操作レバー19及び固定爪15,16の構成例を示す。
【0034】
開閉カバー2の本体ケース1側には固定爪15,16が支持され、開閉カバー2の前面の操作レバー19に連動して図中X方向に移動可能に構成されている。
【0035】
固定爪15,16はそれぞれピン22,24からバネ23,25によって開閉カバー2の側板の方向に付勢されている。固定爪15,16の端部15b、16bは開閉カバー2から突出して本体ケースの嵌合部に嵌合することで開閉カバー2を本体ケース1に固定することができる。
【0036】
固定爪15,16の間には2段ギヤ21が組み込まれており、固定爪15,16に形成されたラック部15a,16aと噛み合っている。2段ギヤ21は、操作レバー19の下面のラック部19aとも噛み合っており、操作レバー19を図中Y方向に動かすと連動して回転する。
【0037】
操作レバー19のノブ19bを掴み図中Y2方向に移動させると、2段ギヤ21が図中反時計回りに回転し、固定爪15はX1方向に、固定爪16はX2方向にそれぞれ2段ギヤ21の回転に伴って移動する。固定爪15,16が移動することによって端部15b、16bが本体ケース1の嵌合部から外れ、本体ケース1との間のロックを解除して開閉カバー2を開けることができる。
【0038】
図4に、本実施形態に係る第一の接点部の構成例を示す。図4(a)は開閉カバー2の第一の接点部11、図4(b)は本体ケース1の第一の接点部13を含む構成を示している。
【0039】
開閉カバー2の第一の接点部11は導電性部材で構成され、例えば金属部品を用いて線バネや板バネ形状にし、閉じた状態で本体ケース1方向に付勢されていることが好ましい。本体ケース1側の第一の接点部13との接触をより確実に行うことが可能になる。
【0040】
開閉カバー2の第一の接点部11は、開閉カバー2の内部で、後述する開閉カバー2の第二の接点部17に接続している。
【0041】
本体ケース1の第一の接点部13は、開閉カバー2が閉じた状態で開閉カバー2の第一の接点部11と接触する位置に開口部26から露出する様に構成されている。また、本体ケース1の第一の接点部13は導電性の部材であり、本体ケース1内に設けられた開閉検出回路を有する基板に接続している。
【0042】
本体ケース1及び開閉カバー2はモールド成型時にインサート成型又はダブルモールディング成型することで部品点数を削減し、コストダウンを図ることができる。
【0043】
また、図5に実施形態に係る開閉カバー2の第一の接点部の構成例を示す。
【0044】
開閉カバー2は、閉じた状態で本体ケース1のプラテンローラ3に接触するサーマルヘッド36を有しており、サーマルヘッド36はヘッドバネ35によってプラテンローラ3の方向に付勢されている。
【0045】
ヘッドバネ35は導電性の金属部品であり、開閉カバー2近傍の端部を延伸して開閉カバー2の第一の接点部11を兼ねる一つの部品として形成することができる。ヘッドバネ35の一部である第一の接点部11は、開閉カバー2の第2の接点部17に接続している。
【0046】
開閉カバー2の第一の接点部11は別途部品を設ける構成とすることもできるが、ヘッドバネ35が第一の接点部11を兼ねることで、部品点数を減らすことが可能になる。
【0047】
また、図6に本実施形態に係る本体ケース1の第一の接点部の他の構成例を示す。
【0048】
図示した例では、本体ケース1の第一の接点部13は、本体ケース1内部に収納され、開閉カバー2が開閉する動作に連動して図中Z方向に動くシャッター27と一体に形成されている。
【0049】
シャッター27は回転軸28を中心に回転する様に支持され、バネ31によって図中Z1方向に付勢されている。また、開閉カバー2が閉じられた際に開閉カバー2に押し下げられて回転する様に爪部29が形成されている。
【0050】
シャッター27は開閉カバー2が開放された状態ではバネ31により付勢されてZ1方向に回転し、開閉カバー2が閉じた状態では爪部29が開閉カバー2に押し下げられてZ2方向に回転する。
【0051】
また、シャッター27には、開閉カバー2が開放状態で本体ケース1に隠れ、開閉カバー2が閉じた状態で本体ケース1の開口部26から露出する位置に、本体ケース1の第一の接点部13が一体に形成されている。
【0052】
開閉カバー2が開放状態では第一の接点部13が本体ケース1内に収納されるため、第一の接点部13に人の手が触れたり、粉塵が付着することがない。したがって、第一の接点部13が汚れ、開閉カバー2の第一の接点部11と接触しても導通が取れないといった不具合を防止することができる。
【0053】
図7に、本実施形態に係る第二の接点部の構成例を示す。図7(a)は図中Y2方向に操作された操作レバー19に連動して固定爪15が開閉カバー2内に収納された状態で、図7(b)は開閉カバー2から固定爪15の端部15bが突き出て本体ケース1の嵌合部14と嵌合し、開閉カバー2が固定されている状態を示している。
【0054】
開閉カバー2及び固定爪15に形成された第二の接点部17,20には、それぞれ接触する部分に導電性部材17a、20aが設けられており、開閉カバー2が閉じた状態で接触して導通が取れる様に構成されている。
【0055】
また、開閉カバー2の第二の接点部17は、開閉カバー2の第一の接点部11と接続し、固定爪15の第二の接点部20は、開閉検出回路を有する基板と接続する様に配線されている。
【0056】
開閉カバー2の操作レバー19が操作されて固定爪15がX1方向に移動すると、第二の接点部17,20が離れて導通が取れない状態になり、開閉カバーが閉じた状態で固定爪15が図中X2方向に移動して端部15bが本体ケース1の嵌合部14に嵌合すると、第二の接点部17,20が接触して導通する。
【0057】
2つ設けられた固定爪15,16は連動する構成であり、両方が本体ケース1の嵌合部に嵌って開閉カバー2が固定状態にならない限り第二の接点部17,20が接触することは無い。したがって、第二の接点部17,20は固定爪15,16のいずれか一方に設けるだけで良く、部品点数の増加を抑えた上で確実に開閉カバー2の開閉検出を行うことができる。
【0058】
図8に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10のカバーの開閉を検出する配線の構成例を示す。
【0059】
第一の接点部11,13及び第二の接点部17,20は開閉カバー2の開閉によって導通するスイッチの様に作用する。本体ケース1の第一の接点部13及び固定爪15の第二の接点部20は開閉カバー2の開閉検出回路を有する基板8に接続し、開閉カバー2の第一の接点部11と第二の接点部17とが接続する様に配線されている。
【0060】
第一及び第二の接点部の導通状態に基づいて、基板8に設けられた検出回路が開閉カバー2の開閉状態を検出する。開閉カバー2が閉じられると第一の接点部11,13及び第二の接点部17,20が接触して導通し、開閉カバー2が閉じられたことが検出される。また、第一及び第二の接点部のいずれかが非接触状態で導通が取れない場合には開閉カバー2が開放状態であることが検出される。
【0061】
第一の接点部11,13だけでは、開閉カバー2が半締り状態でも接触して導通が取れる場合があり、開閉カバー2が閉じた状態であると誤検知してしまう可能性がある。しかし、第二の接点部17,20を備えることで、固定爪15,16により確実に開閉カバー2が本体ケース1に固定された状態にならなければ開閉カバー2が閉じた状態であることが検出されないため、上記した様な誤検知を防止することができる。
【0062】
図9に、本実施形態に係るサーマルプリンタ10の第一及び第二の接点部の配線の構成例を示す。図示した例では、第一、第二の接点部及び基板の間の配線をフレキシブルプリント基板32,33,34で構成している。フレキシブルプリント基板は薄く柔軟性があるため、サーマルプリンタの小型化に寄与し、開閉カバー2の開閉部を通して配線できるというメリットがある。
【0063】
本体ケース1の側部には開閉カバー2の開閉を検出する回路等を搭載した基板8が設けられている。フレキシブルプリント基板33は、基板8の制御回路から開閉カバー2が備えるサーマルヘッドに電気信号の送信を行うための配線を有し、端部37はサーマルヘッドに接続されている。
【0064】
また、フレキシブルプリント基板33は基板8の開閉カバー2の開閉を検出する回路にも接続し、途中で分岐して固定爪15の第二の接点部20で接点用のランド20aが形成されている。サーマルヘッドに接続するフレキシブルプリント基板33から分岐させることで、部品点数を増やすことなく第二の接点部20から基板8への配線を構成することが可能になる。
【0065】
本体ケース1の第一の接点部13は、基板8に接続するフレキシブルプリント基板32に形成された接点用のランド部である。
【0066】
開閉カバー2の第一の接点部11はフレキシブルプリント基板34の配線と接続する板バネで形成され、第二の接点部17でフレキシブルプリント基板34に接点用のランド部が形成されている。
【0067】
第一の接点部は、開閉カバー2が閉じた状態でフレキシブルプリント基板32に形成された接点用のランド部13とフレキシブルプリント基板34に接続する板バネ11とが接触する様に構成されている。
【0068】
また、第2の接点部では、開閉カバー2が閉じた状態で固定爪15が本体ケース1の嵌合部14と嵌合した時に、フレキシブルプリント基板33,34に形成された接点用のランド部が接触する様に構成されている。
【0069】
第一及び第2の接点部の両方が接触して導通すると、基板8内の開閉検出回路が開閉カバー2が閉じた状態にあることを検出する。
【0070】
以上説明した様に、本発明の実施形態によれば、既製のスイッチを用いることなく簡易な構成でカバーの開閉を検出できるためコストダウンが可能になる。また、第一及び第二の接点部を有することにより確実にカバーの開閉を検出することができる。
【0071】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 本体ケース
2 開閉カバー
3 プラテンローラ
8 基板
10 サーマルプリンタ
11,13 第一の接点部
14 嵌合部
15、16 固定爪
17,20 第二の接点部
18 開放部
26 開口部
28 シャッター
32,33 フレキシブルプリント基板
35 ヘッドバネ
36 サーマルヘッド
38 用紙ロール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、
サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、
前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、
を有するサーマルプリンタであって、
前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、
前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、
前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出する
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記開閉カバーの開閉を検出する回路を有する基板を備え、
前記開閉カバーの前記第二の接点部及び前記本体ケースの前記第一の接点部と、前記基板とは、フレキシブルプリント基板によって接続する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記開閉カバーの前記第一の接点部は、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開閉カバーから前記本体ケースの方向に付勢されたバネ状部材で構成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記本体ケースの前記第一の接点部を備え、前記開閉カバーに連動して前記本体ケースに設けられた開口部から前記第一の接点部を露出させるシャッターを前記本体ケース内部に有し、
前記シャッターに形成された前記第一の接点部は、前記開閉カバーが開いた状態で前記本体ケースの内部に収納され、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開口部から露出して前記開閉カバーの前記第一の接点部と接触する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記開閉カバーに設けられた前記第一の接点部は、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに押圧するヘッドバネと一体で形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーマルプリンタ。
【請求項1】
プラテンローラを回転可能に支持し、収納する用紙ロールを着脱できる開放部が設けられた本体ケースと、
サーマルヘッドを備え、前記開放部を覆う様に前記本体ケースに開閉可能に取り付けられた開閉カバーと、
前記開閉カバーに移動可能に支持され、前記本体ケースに設けられた嵌合部に嵌合することで前記開閉カバーを固定する固定爪と、
を有するサーマルプリンタであって、
前記開閉カバー及び前記本体ケースの両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが閉じた状態で接触して導通する第一の接点部と、
前記開閉カバー及び前記固定爪の両方にそれぞれ設けられ、前記開閉カバーが前記本体ケースに固定された状態で接触して導通する第二の接点部と、を備え、
前記第一及び第二の接点部の導通状態から前記開閉カバーの開閉を検出する
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記開閉カバーの開閉を検出する回路を有する基板を備え、
前記開閉カバーの前記第二の接点部及び前記本体ケースの前記第一の接点部と、前記基板とは、フレキシブルプリント基板によって接続する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記開閉カバーの前記第一の接点部は、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開閉カバーから前記本体ケースの方向に付勢されたバネ状部材で構成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記本体ケースの前記第一の接点部を備え、前記開閉カバーに連動して前記本体ケースに設けられた開口部から前記第一の接点部を露出させるシャッターを前記本体ケース内部に有し、
前記シャッターに形成された前記第一の接点部は、前記開閉カバーが開いた状態で前記本体ケースの内部に収納され、前記開閉カバーが閉じた状態で前記開口部から露出して前記開閉カバーの前記第一の接点部と接触する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記開閉カバーに設けられた前記第一の接点部は、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに押圧するヘッドバネと一体で形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーマルプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−10271(P2013−10271A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144951(P2011−144951)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]