説明

サーミスタの取付構造

【課題】サーミスタの取付構造において取付作業を簡素化する。
【解決手段】単電池群10には、複数の単電池11の並び方向に沿って配置されるとともに、単電池11の並び方向に延びて配される導電路32が形成された本体部31を有するフレキシブルプリント基板30が配される。フレキシブルプリント基板30には、導電路32Aの一方の端末から連なり、隣り合う単電池11の間に導入される導入線部34と、導入線部34に実装されたサーミスタ35とを備える導入片33が、本体部31と一体的に設けられている。本発明のサーミスタ35の取付構造においては、導入片33を隣り合う単電池11の間に挿入することにより、サーミスタ35が単電池群10に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーミスタの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、出力を大きくするために多数の単電池が横並びに接続されている。隣り合う単電池の電極端子間はバスバーなどの接続部材で接続することにより複数の単電池が直列や並列に接続されるようになっている。
【0003】
ところで、電池モジュールを高温状態で使用すると寿命が低下することがあり、リチウムイオン電池などを複数個接続してなる電池モジュールでは、充電の際に高温になることにより発火することがある。そこで、このような事態を避けるべく、電池モジュールには電池温度を検知するための温度センサが取り付けられる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4540429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、プリント基板に温度センサを固定して、温度センサを電池モジュールを収納するケースに貫通させて配置する構成が提案されている。
【0006】
しかしながら、このような構成の電池モジュールにおいては、温度センサをケースに貫通させる必要があるうえに、温度センサがリード線を介してプリント基板に接続されているため、温度センサを接続する際に、半田接続を行う必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、温度を検知するためのサーミスタの取付作業を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の単電池を並べて接続してなる単電池群に取り付けられるサーミスタの取付構造であって、前記単電池群には、前記単電池の並び方向に沿って配置されるとともに、前記単電池の並び方向に延びて配される導電路が形成された本体部を有するフレキシブルプリント基板が配され、前記フレキシブルプリント基板には、前記導電路の一方の端末から連なり、隣り合う前記単電池の間に導入される導入線部と、前記導入線部に実装されたサーミスタとを備える導入片が、前記本体部と一体的に設けられ、前記導入片を隣り合う前記単電池の間に挿入することにより、前記サーミスタが前記単電池群に取り付けられところに特徴を有する。
【0009】
本発明においては、導電路を形成した本体部と、導電路の一方の端末から連なる導入線部および導入線部に実装されたサーミスタを備える導入片と、を設けたフレキシブルプリント基板を、単電池群に配置して、導入片を隣り合う単電池の間に導入するだけでサーミスタを取り付けることができる。したがって、本発明によれば、サーミスタの取付作業を簡素化することができる。
【0010】
本発明は、以下の構成であってもよい。
前記サーミスタはチップタイプであってもよい。このような構成とすると、リード線により接続される温度センサを備える場合よりも部品コストを低減することができる。
【0011】
隣り合う前記単電池の間に配されるセパレータを備え、前記セパレータには前記フレキシブルプリント基板の前記導入片を受け入れ可能な導入片受入孔が設けられていてもよい。
このような構成とすると、単電池のケースが金属製であってケース同士が接触することによる短絡が発生しうる場合に短絡の発生を防止しつつ、フレキシブルプリント基板の導入片を単電池の間で保持することができる。
【0012】
前記フレキシブルプリント基板には、前記単電池の電圧を検知する電圧検知端子部と、前記電圧検知端子部に接続されて電圧検知回路を構成する検知用導電路と、が設けられ、前記電圧検知端子部が前記単電池に接続されていてもよい。
このような構成とすると、1つのフレキシブルプリント基板を取り付けるだけで、温度制御のための回路と電圧検知回路の双方を組み付けることができるので、組み付け作業を簡素化できるうえに、部品点数を少なくすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サーミスタの取付構造において取付作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の電池モジュールの斜視図
【図2】電池モジュールの平面図
【図3】隣り合う単電池の電極端子の接続状態を示す一部断面図
【図4】図2のA−A線における一部断面図
【図5】電池モジュールの一部平面図
【図6】図2のB−B線における一部断面図
【図7】図6の一部拡大断面図
【図8】単電池群にフレキシブルプリント基板を取り付ける様子を説明する斜視図
【図9】図8に示す状態における一部断面図
【図10】図9の一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の一実施形態を、図1ないし図10を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電池モジュールMの斜視図である。本実施形態の電池モジュールMは、電気自動車又はハイブリッド自動車等に搭載され、駆動用の電源として使用される。図1に示されるように、電池モジュールMは、単電池群10と、フレキシブルプリント基板30(以下FPC30ともいう)とを備える。以下では、図6の上方を上方、下方を下方として説明する。
【0016】
本実施形態において、単電池群10は、複数個(本実施形態では24個)の単電池11を一列に並べて直列に接続したものである。詳しくは、単電池群10を構成する単電池11は、電極端子20の延出方向が互いに異なっている2種類の単電池11A,11Bからなり、これら二種類の単電池11A,11Bを交互に配置して接続することにより単電池群10が構成される。
【0017】
単電池11Aは、扁平な直方体状のケース12と、このケース12の上面から上方に向けて突出した正負一対の電極端子20(20A,20B)とを備える。
【0018】
ケース12内には、例えば周知のリチウムイオン電池を構成する電池要素(図示せず)が収容されており、その電池要素の正極側が電極端子20A,負極側が電極端子20Bに連なっている。
【0019】
単電池11A(図1の左端から2番目の単電池11Aを参照)の一対の電極端子20のうち、図1の手前側にある一方の電極端子20Aが正極側の電極端子20A(正極端子20A)であり、奥側にある他方の電極端子20Bが負極側の電極端子20B(負極端子20B)である。
【0020】
正極端子20Aと、負極端子20Bとは、共に単電池11の並び方向に撓み変形可能な薄板状の金属板材料から形成されている。正極端子20Aは、図1および図3に示すように、ケース12の上面から上方に突出する立ち上がり部21Aと、立ち上がり部21Aの上端からL字状に折れ曲がって手前側(図示左側)に向かう平坦面部22Aと、平端部22Aの先端で先上がりに傾斜する操作部23とを備える。
【0021】
負極端子20Bは、図1および図3に示すように、単電池11のケース12の上面から上方に突出する立ち上がり部21Bと、立ち上がり部の上端からL字状に折れ曲がって奥側(図示右側)に向かう平坦面部22Bとを備える。負極端子20Bの平坦面部22Bは、隣り合う単電池11の正極端子20Aと電気的に接続される部分である。
【0022】
負極端子20Bにおいては、平坦面部22Bが、図3に示すように、正極端子20Aの平坦面部22Aの下側に配されるように、折り曲げ位置が設定されている。
【0023】
ケース12の上面の負極端子20Bと隣り合う位置には、図1に示すように、絶縁隔壁15が立設されている。この絶縁隔壁15は、負極端子20Bの横幅よりも広く設定され、隣り合う単電池11の異極性の電極端子20A,20B間に導電製材料からなる工具や部材等が落ち込むことによる短絡の発生を防止している。
【0024】
正極端子20Aにおける平坦面部22Aには、バネ部材24が取り付けられている。バネ部材24は、負極端子20Bの平坦面部22Bを受け入れて挟み付ける挟持バネ部25と、FPC30の延出片36(詳細は後述する)を受け入れて挟みつける補助バネ部26と、が一体に設けられた部材である。バネ部材24は、正極端子20Aとは別体の例えばステンレス鋼等のばね性に優れた金属板材をプレス加工することにより形成されている。
【0025】
挟持バネ部25は、金属板材の一端部に板幅方向に延びるスリット25Aを形成して、当該金属板材の他端部がスリット25A側に向かうように回曲させて形成したものである。挟持バネ部25のスリット25Aには、正極端子20Aの操作部23が貫通されており、正極端子20Aの平坦面部22Aと挟持バネ部25のスリット25Aの下側の内周縁との間に、単電池11の並び方向に沿って負極端子20Bの平坦面部22Bを受け入れる挿入口25Bが形成されている。挿入口25Bに負極端子20Bの平坦面部22Bが挿入されると、挟持バネ部25の弾発力により、正極端子20Aの平坦面部22Aがケース12側(下側)に押さえつけられ、負極端子20Bの平坦面部22Bの上面に圧接される。
【0026】
補助バネ部26は、図4に示すように、挟持バネ部25の構成を幅方向に小さくしたような構成をなし、具体的には、正極端子20Aの操作部23と並んで設けられた補助操作部27を、補助バネ部26に設けた補助スリット26Aに貫通させてなる。補助バネ部26には、正極端子20Aの補助操作部27と補助スリット26Aの下側の内周縁との間に、FPC30の延出片36を受け入れる補助挿入口26Bが形成されている。
【0027】
挟持バネ部25と補助バネ部26とは、補助挿入口26Bが開くのに連動して挿入口25Bが開くことがないよう、また、逆に挿入口25Bが開くのに連動して補助挿入口26Bが開くことがないよう、スリット25Aと補助スリット26Aとの間を切り欠くこと(切欠部28)により隔てられている。
【0028】
正負一対の電極端子20の間には、FPC30を載置する合成樹脂製の基板載置部16が上方に突出して設けられている。基板載置部16はFPC30の本体部31が載置される本体載置部16Aと本体載置部16Aから連なりFPC30の延出片36が載置される延出片載置部16Bとからなる。基板載置部16の高さは、補助バネ部26の補助挿入口26Bの高さと概ね同じ高さとなるように設定されており、FPC30の延出片36を屈曲させずに補助挿入口26Bに挿入することができるようになっている。
【0029】
単電池11Bの基本的な構成は、上述した単電池11Aと同様であり、ケース12と、正負一対の電極端子20A,20Bとを備える。ただし、単電池11Bと、単電池11Aとでは、各電極端子20A、20Bの平坦面部22A,22BのL字状に折れ曲がる向きが、逆になっている。
【0030】
隣り合う単電池11Aと単電池11Bの間には、絶縁樹脂製のセパレータ17が配置されている。セパレータ17には、図6に示すように、FPC30の導入片33を挿入可能な導入片受入孔18が設けられている。
【0031】
単電池群10に取り付けられているFPC30は、詳細は図示しないが、例えばポリイミドフィルムや液晶状フィルム等からなる絶縁性のベースフィルムの片面または両面にプリント配線技術により複数の導電路32を形成し(図5および図8を参照)、その導電路32の表面を保護フィルム(例えば、ポリイミド製フィルム)で覆った構造とされる。なお、図5では電圧検知回路を構成する導電路32B(検知用導電路32Bの一例)のみを示しており、図8では温度制御回路を構成する導電路32Aのみを示し、その他の図では導電路32の図示を省略している。
【0032】
FPC30は帯状(長尺状)の本体部31(FPC本体部31という)と、FPC本体部31の幅方向の端部から延出されている複数の延出片36と、FPC本体部31の略中央に設けられている2本の導入片33とを備える。
【0033】
FPC本体部31は、図2に示すように、基板載置部16の本体載置部16Aの上に載置され、単電池11の並び方向に沿って配置されている。FPC本体部31には、複数の電圧検知回路用の検知用導電路32Bと、2本の温度制御回路用の導電路32Aと、が単電池11の並び方向に延びて形成されている(図5および図8を参照)。
【0034】
導入片33は、FPC本体部31の幅方向の略中央部に方形状の切り込みを形成することにより設けられており、長方形状をなしている。2本の導入片33には、それぞれ、温度制御用の導電路32Aの一方の端末から連なる導入線部34が設けられている。各導入線部34にはチップタイプのNTCサーミスタ35が実装されている。各導入片33は隣り合う単電池11A,11B間に挿入されるようになっており、本実施形態では8個の単電池11ごとに1本の導入片33が挿入されている。単電池11間に挿入された導入片33はセパレータ17に設けた導入片受入孔18に受け入れられて収容されている(図6および図7を参照)。温度制御用の導電路32Aの他方の端末は、図示しないECUに接続されている。サーミスタ35で得られた温度に関する情報は、導入線部34及び導電路32Aを通じてECUに取り込まれ、各単電池11の温度が検知されるようになっている。
【0035】
ここで、ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等の検知、各単電池11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0036】
延出片36はFPC本体部31の長手方向に沿って延出されており、導入片33よりも短い長方形状をなしている。延出片36はFPC本体部31の幅方向の2つの端部から、交互に、長手方向においてずらした位置に延出されている。延出片36は基板載置部16の延出片載置部16Bに載置される。
【0037】
延出片36には、検知用導電路32Bの一方の端末から連なって延出片36の端部に延びる導入線部37が形成されており、延出片36における導入線部37の端部には電圧検知端子部38が実装されている。
【0038】
延出片36の電圧検知端子部38は、正極端子20Aに取り付けられている補助バネ部26に挟みつけられることにより、電気的に接続されている。検知用導電路32Bの他方の端末には、例えばECUなどが接続されている。電圧検知端子部38で得られた電圧に関する情報は、導入線部37及び導電路32を通じて図示しないECUなどに取り込まれ、各単電池11の電圧が検知されるようになっている。
【0039】
次に、電池モジュールMの組み付け方法について説明する。
まず、単電池群10とFPC30をそれぞれ作製する。複数の延出片36および導入片33を形成した所定形状のFPC30に、導電路32、電圧検知端子部38、サーミスタ35、電子部品などを実装・接続して本実施形態のFPC30を作製する。
【0040】
次に、単電池群10の作製方法について説明する。単電池群10は、2種類の単電池11(11A,11B)を合計24個用いて、電極端子20A,20Bの極性を交互に逆にした状態で同一平面上に横並びにする。このとき、単電池11Aの電極端子20Aと、単電池11Bの電極端子20Bとが対向する状態となるようにし隣り合う単電池11A,11Bの間にセパレータ17を配置する。
【0041】
次に、単電池11Aと単電池11Bとを単電池11の並び方向に近づけると、負極端子20Bの平坦面部22Bと正極端子20Aの挿入口25Bとが対向する位置に配されて、平坦面部22Bは電極端子20Aの操作部23にガイドされて挿入口25Bに誘い込まれる。
【0042】
さらに、単電池11Aと単電池11Bとを近づけて、平坦面部22Bを挿入口32に挿入すると、バネ部材24が弾性復帰し、負極端子20Bの平坦面部22Bと正極端子20Aの平坦面部22Aとがバネ部材24の弾発力により圧接される(図3を参照)。これにより、正極端子20Aに設けられた挟持バネ部に負極端子20Bの平坦面部22Bが挟み付けられた状態となり、一対の単電池11A,11Bの組み付けが完了する。このような作業を繰り返し、24個の単電池11(11A,11B)を順次組み付けると、単電池群10の組み付けが完了し、各単電池11が導通可能に接続される。
【0043】
次に、単電池群10の上面に、FPC30を上方から組み付ける(図8〜図10を参照)。詳細には、図8における左から8個目の単電池11Aと左から9個目の単電池11Bとの間および、図8における右から8個目の単電池11Bと右から9個目の単電池11Aとの間に導入片33を導入すると、導入片33はセパレータ17に形成された導入片受入孔18に受け入れられ、これにより、サーミスタ35の取り付けが完了する。
【0044】
次に、FPC30の各延出片36を、それぞれ、補助バネ部26の補助挿入口26Bに差し込むと、補助バネ部26が弾性変形して、補助挿入口26Bが開き、FPC30の延出片36を受け入れ可能となる。さらに、FPC30の延出片36を補助挿入口26Bに挿入すると、補助バネ部26が弾性復帰し、FPC30の延出片36と正極端子20Aの平坦面部22Aとがバネ部材24の弾発力により圧接される(図4を参照)。これにより、正極端子20Aに設けられた補助バネ部26にFPC30が挟み付けられた状態となり、延出片36に設けた電圧検知端子部38と単電池11とが電気的に接続可能となる。FPC30の延出片36を全て補助バネ部26に挟みつけた状態とすると、電池モジュールMが完成する。
【0045】
本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態においては、導電路32Aを形成した本体部31と、導電路32Aの一方の端末から連なる導入線部34および導入線部34に実装されたサーミスタ35を備える導入片33と、を設けたFPC30を、単電池群10に配置して、導入片33を隣り合う単電池11の間に導入するだけでサーミスタ35を取り付けることができる。したがって、本実施形態によれば、サーミスタ35の取付作業を簡素化することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、サーミスタ35はチップタイプであるから、リード線により接続される温度センサを備える場合よりも部品コストを低減することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、隣り合う単電池11の間に配されるセパレータ17を備え、セパレータ17にはFPC30の導入片33を受け入れ可能な導入片受入孔18が設けられているから、単電池11のケース12が金属製であってケース12同士が接触することによる短絡が発生しうる場合に短絡の発生を防止しつつ、FPC30の導入片33を単電池11の間で保持することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、FPC30には、単電池11の電圧を検知する電圧検知端子部38と、電圧検知端子部38に接続されて電圧検知回路を構成する検知用導電路32Bと、が設けられ、電圧検知端子部38が単電池11に接続されているから、1つのFPC30を取り付けるだけで、温度制御のための回路と電圧検知回路の双方を組み付けることができるので、組み付け作業を簡素化できるうえに、部品点数を少なくすることもできる。
【0049】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、チップタイプのNTCサーミスタ35を実装したFPC30を示したが、チップタイプ以外のサーミスタや、NTCサーミスタ以外のサーミスタが実装されていてもよい。
(2)上記実施形態では単電池11間にセパレータ17が配される構成のものを示したが、セパレータを備えないものであってもよい。
(3)上記実施形態では、電圧検知回路と温度制御回路とを備えるFPC30を示したが、温度制御回路のみを備えるFPCであってもよい。
(4)上記実施形態では、基板載置部16を備える単電池11を示したが、基板載置部16を備えないものであってもよい。
(5)上記実施形態では、バスバーなどの接続部材を用いずに電極端子同士を直接接続するタイプの単電池11を示したが、ボルト状の電極端子を有し、バスバーにより接続される単電池を備える単電池群に、本発明のサーミスタ35の取付構造を適用してもよい。
(6)上記実施形態では、セパレータ17にサーミスタ35を受け入れる導入片受入孔18を設けたが、単電池11にサーミスタ25を受け入れる凹み部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0050】
M…電池モジュール
10…単電池群
11…単電池
11A…単電池
11B…単電池
12…ケース
17…セパレータ
18…導入片受入孔
20…電極端子
20A…正極側の電極端子(正極端子)
20B…負極側の電極端子(負極端子)
30…FPC(フレキシブルプリント基板)
31…FPC本体部(本体部)
32…導電路
32A…(温度制御回路用)導電路
32B…検知用導電路
33…導入片
34…導入線部
35…サーミスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池を並べて接続してなる単電池群に取り付けられるサーミスタの取付構造であって、
前記単電池群には、前記単電池の並び方向に沿って配置されるとともに、前記単電池の並び方向に延びて配される導電路が形成された本体部を有するフレキシブルプリント基板が配され、
前記フレキシブルプリント基板には、前記導電路の一方の端末から連なり、隣り合う前記単電池の間に導入される導入線部と、前記導入線部に実装されたサーミスタとを備える導入片が、前記本体部と一体的に設けられ、
前記導入片を隣り合う前記単電池の間に挿入することにより、前記サーミスタが前記単電池群に取り付けられることを特徴とするサーミスタの取付構造。
【請求項2】
前記サーミスタがチップタイプであることを特徴とする請求項1に記載のサーミスタの取付構造。
【請求項3】
隣り合う前記単電池の間に配されるセパレータを備え、前記セパレータには前記フレキシブルプリント基板の前記導入片を受け入れ可能な導入片受入孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーミスタの取付構造。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板には、前記単電池の電圧を検知する電圧検知端子部と、前記電圧検知端子部に接続されて電圧検知回路を構成する検知用導電路と、が設けられ、
前記電圧検知端子部が前記単電池に接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のサーミスタの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−98031(P2013−98031A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240195(P2011−240195)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】