説明

シ−ト層の搬送装置とシ−ト層から成る鱗流れを形成搬送させる方法

【課題】多層状帯紙から切断されたシート層の速い搬送速度が比較的短い路区間にて保管するのに適した速度に減少されて、保管堆積部に慎重に供給される前記種類の搬送装置を創作すること。
【解決手段】大幅にすべってずれないシ−ト層(3)に対してシ−トを封鎖する封鎖ユニット(30、31)を有する第一搬送装置(10)と、第一搬送装置(10)の後方配置されていて且つシ−ト層(3)の追跡走行する端を偏向させる偏向ユニット(43)を有する第二搬送装置(40)と、第二搬送装置(40)にシ−ト層(3)の後方配置されて上下のシ−ト層の付着が確実に阻止されるように、シ−ト層から成る鱗流れを保管領域に供給する第三搬送装置(50)とを備えるシ−ト層(3)の搬送装置に関する。これは、第二搬送装置(40)と第三搬送装置(50)の間にはシ−ト層用の落下段(H2)が形成されていることによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、大幅にすべってずれないシ−ト層に対してシ−トを封鎖する封鎖ユニットを有する第一搬送装置と、第一搬送装置にシ−ト層の輸送方向において後方配置されていて且つシ−ト層の追跡走行する端を偏向させる偏向ユニットを有する第二搬送装置と、第二搬送装置にシ−ト層の輸送方向において後方配置されていてシ−ト層の付着が上下に確実に阻止されるように、シ−ト層から成る鱗流れを保管領域に供給される第三搬送装置とを備えるシ−ト層の搬送装置に関する。これは第二搬送装置と第三搬送装置との間にシ−ト層の落下段が形成されていることによって達成される。
【0002】
この発明は、さらにシ−ト層から成る鱗流れを形成搬送させる方法に関する。
【0003】
適切なこの種の搬送装置では、横裁断器から来るシート或いはシ−ト層の連続的流れが集積領域に供給されていて、この種の搬送装置が比較的速い速度により作動する。この速い速度では、このシ−ト層を損傷させることなしに、シ−ト層を集積領域に集積させることが難しい。そのほかにシ−ト層の損傷しない堆積ができないので、シート或いはシ−ト層の速度は集積の際に著しく低下されて、これは規則的にシート或いはシ−ト層の鱗流れの形成によって行われる。紙クリップ或いは短いクリップと呼ばれる紙層とは、例えば紙や合成樹脂箔製の2から8枚の枚葉紙の平らな堆積及び例えば紙や箔製の結合材枚葉紙と理解される。特に輝きのある或いは非常に滑らかな表面を備える紙の幅広製品スペクトルの内部では、紙層の輸送において損傷を生じ得て、付着力のほかに、望まれない静電荷電も、周辺条件も、実質的に横裁断器、堆積保管部とそれら横裁断器と堆積保管部の間に配置された搬送装置とから成る紙加工機械に連動され得る。この場合には、特別な挑戦は、一方では紙層の枚葉紙の十分な上下の付着の確保と他方では紙層の出来るだけ僅かな上下の付着とを意味する。上下のシ−ト層の強過ぎる付着は最終的に堆積保管領域において問題とならない。
【0004】
出願人の欧州特許第1266854号明細書(特許文献1)には、三つの前後に配置された搬送装置を備える実際に照明された搬送装置が開示されていて、それらの内の第二と第三の搬送装置は第一の搬送装置より遅い搬送速度を有する。これらの公知の搬送装置が第一搬送装置の領域には紙層が静電的に荷電できるイオン化装置を包含する。第二搬送装置の領域には紙層が紙層の少なくとも一つの領域に吸引空気を作用できる吸引装置が配置されている。紙層の鱗流れを発生させる重なりの形成のために、第一搬送装置と第三搬送装置の間には段が設けられていて、それにより紙層が重なることができる。
【0005】
ドイツ特許出願公開第2725547号明細書(特許文献2)には、シート状或いは分冊状の平らな対象から成る鱗流れを形成させる横裁断器の後方に配置された装置が開示されている。この公知の装置は高速走行上ベルトを有し、この高速走行上ベルトが共通に供給領域にわたり及び放出領域にわたり案内されている。さらに高速走行下ベルトが供給領域に設けられ、後方配置されて緩慢走行下ベルトが放出領域に設けられている。放出領域におけるこの緩慢走行下ベルトがブレーキベルトとして用いられ、鱗流れの形成を奏する。高速走行上ベルトが放出領域におけるその下側により偏心的に支承されたロールによって僅かに高さを調整でき、緩慢走行下ベルトに対する間隔を発生させる鱗流れの高さに適切に適合できる。さらに、この公知の装置は重なりフィンガーと後方配置された吸引箱とを有し、そこ吸引箱が輸送方向に或いは輸送方向と反対に調整できる。さらに、吸引箱には下側に配置された付属支持ロールを備える上側に配置されたブレーキロールが後方配置されている。この種の機械或いはこの種の方法とこの種の装置は、無論、傷み易い紙や非常に速い速度に僅かに適している、というのは、これによってシート或いはシート層が損傷され得るからである。
【0006】
ドイツ特許出願公開第19945114号明細書(特許文献3)には、鱗流れを形成させる横裁断器の後方に配置された装置が記載されている。この公知の装置は排除装置、加速上ベルトと下ベルト及び後方配置されてブレーキベルトとして用いられる下ベルトを備える吸引箱を有する。形成すべき鱗流れの高さへの適合では、輸送平面に対する上ベルトの間隔が調整できる。さらに、上下ベルトがファーマット調整のために輸送方向や輸送方向と反対に調整自在に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1266854号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第2725547号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第19945114号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この先行技術に比べて、この発明の課題は、多層状帯状物から切断されたシート層が非常に速い速度により輸送され得て、この速い搬送速度が比較的短い路区間にて保管するのに適した速度に減少されて、前揃え器によって限定されている保管堆積部に慎重に供給される前記種類の搬送装置を創作することである。この場合には、シート或いはシート層の損傷並びに上下のシート層の過剰な付着が排除される。さらに、この発明の別の課題は、特許文献1(欧州特許第1266854号明細書)に記載された搬送装置から出発して、処理が特に難しい加工すべき紙種類やファーマットの特性に依存して簡単に且つ非常に短い時間に適切に適合されるように、前記種類の装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、この発明によると、大幅にすべってずれないシ−ト層に対してシ−トを封鎖する封鎖ユニットを有する第一搬送装置と、第一搬送装置にシ−ト層の輸送方向において後方配置されていて且つシ−ト層の追跡走行する端を偏向させる偏向ユニットを有する第二搬送装置と、第二搬送装置にシ−ト層の輸送方向において後方配置されていて上下のシ−ト層の付着が確実に阻止されるか、或いは少なくとも著しく減少されるように、シ−ト層から成る鱗流れを保管領域に供給される第三搬送装置とを備えるシ−ト層の搬送装置によって解決される。これは、第二搬送装置と第三搬送装置との間にはシ−ト層用の落下段が形成されている構造的措置によって達成される。
【0010】
この代わりに、良い完全性のために、前記概念「封鎖ユニット」がイオン化装置に限定されずに、とりわけ付着力を基礎とするユニットも押圧ロールの支持によって設けられ得ることが示されている。他方では、既にここで引用された先行技術に異なった種類の偏向ユニットが知られていて、それはとりわけ:回転する/周期的重なりフィンガー、吹出空気ノズル、弾力的に支承された押圧ロール、イオン化装置と異なった吸引装置である。
【0011】
特に好ましい実施態様は、異なった高さの少なくとも二つの輸送側部分が形成されて、それにより別の落下段が今やこれら輸送側部分の間に形成されるように、第三搬送装置が平行に配置された搬送ベルトを偏向させる第一調整手段を包含するときに、与えられる。
【0012】
別の特に好ましい実施態様は、第二搬送装置に隣接した輸送側部分を延長させ、下流に接続する輸送側部分を短縮させる、即ち逆にさせるために、第三搬送装置が第二調整手段を有するときに、与えられる。
【0013】
さらに特に、それぞれの第一調整手段が少なくとも転向ロールと昇降手段を包含し、各昇降手段が直線アクチュエータとして、特に空圧シリンダとして形成されて、別の始動部に設けられている。
【0014】
好ましくは、第二調整手段が前後に移動可能なキャリッジを包含する直線駆動手段を有する。適した直線駆動手段として、ラック−/歯車駆動手段としての実施例が設けられていて、ラックは固定式に支持体に保持されて、歯車が回転自在にキャリッジに固定されている。選択的にここでは、とりわけ取り扱い易い歯付きベルト直線ユニットが設けられ得る。
【0015】
とりわけ、単数或いは複数の第一調整手段が水平に前後に移動可能に第二調整手段に支承されている。
【0016】
最終的に、好ましくは、第一、第二と第三搬送装置がそれぞれに多数の搬送方向を横切って平行に間隔を置いたコンベアベルトを包含し、これらコンベアベルトが最も簡単な場合に共通の第一調整手段が付属されている共通グループを形成する。別の構成では、コンベアベルトが少なくとも二つのグループに区分されていて、各グループには第一調整手段が付属されている。けれども、とりわけ、第一調整手段の数がコンベアベルトの数と一致するときに、最大柔軟性は構成可能なコンベアベルトグループ、所謂ベルトカーペットの形成に関して達成できる。
【0017】
この発明によると、紙加工機械が少なくとも一つの前に示された搬送装置を備えている。この種の紙加工機械は特に一つのロール或いは複数のロールの紙を巻き解き、切断して堆積させ、最後に例えば包装機或いは印刷機のような再加工機械に供給させるのに用いられる。
【0018】
この課題は、さらに、次の工程:
・シート層の大幅にすべってずれない輸送のために、シート層に対してシートを封鎖させ、
・輸送方向において連続的シート層が重ねられる重なり領域に封鎖させたシート層を輸送させ、
・先行するシート層の搬送方向において後端に重ねて先行シート層を偏向させて、重なりを形成するために後続するシート層を追跡搬送させ、
・シート層間の付着力減少の下で後続搬送装置のより深く配置された搬送平面の第一輸送側部分へ重ねられたシート層を輸送させる
ことを備えて、シート層の鱗流れを形成搬送する方法によって解決される。
【0019】
シート層間の特に有効な付着力減少は、更なる付着力減少の下で、搬出ベルトの第一輸送側部分から搬出ベルトの深くに配置されて連続的第二輸送側部分までシート層を再輸送することによって達成される。
【0020】
好ましくは、輸送方向に或いは輸送方向と反対に搬出ベルトの第一輸送側部分と第二輸送側部分の間の引渡し箇所或いは落下段の位置の調整が行われ、搬出ベルトの第一輸送側部分と第二輸送側部分の間の高さ差が特にシート層のファーマットや材料に依存して生じる。
【0021】
この代わりに、この発明によると、更なる構成では、当然に、第二搬送装置のブレーキベルトと第三搬送装置の搬出ベルトの第一輸送側部分との間の引渡し箇所或いは落下段が位置と高さを調整可能に形成され得ることが示されている。
【0022】
さらに、搬出ベルトの第一と第二輸送側部分に駆動手段を含めて別の搬出ベルトを付属させることがこの発明思想の維持の下で同様に可能であり、場合によっては有効であるか、或いは好ましくなる。そのような選択的実施態様の利点は、出来るだけシート層の重なり長さを変更させるために、簡単な駆動手段により第一搬出ベルトの第一輸送側部分が第二搬出ベルトの輸送側部分とは異なる搬送速度により駆動できたことにある。
【0023】
それに対して、現行と次に記載された実施態様の利点は、とりわけ、二つの長さと異なった高さの可変な輸送側部分を創作することが簡単な措置により、ここでは調整手段により達成され、別の搬送ベルト用の費用のかかる補償手段が必要することなしに、第一部分の長さ増加が第二部分の長さ減少と金銭的に同じであることである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】公知のこの種の搬送装置の本質的部分の側面図を概略的表現で示す。
【図2】第一作動状態においてこの種の搬送装置の改良された実施態様の重なり搬出領域の詳細図を示す。
【図3】第二作動状態においてこの種の搬送装置の図2による改良された実施態様の重なり搬出領域の詳細図を示す。
【図4】第三作動状態においてこの種の搬送装置の図2による改良された実施態様の搬出領域の断面拡大部を示す。
【図5】図2による搬出領域における調整手段の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明は、次に、一般的発明思想の制限なしに実施例に基づいて図面に関連して記載される。
【0026】
図1乃至5に図示された装置では、それぞれにここでその全体を図示されていない紙加工機械が取り扱われており、多層状紙帯が同様に図示されていない横裁断器に搬出ベルトによって供給され、この横裁断器により所望シート長さに裁断される。裁断されたシートは引き続いて装置によって図示されていない堆積箇所に案内されてそこで堆積部に上下に堆積される。
【0027】
この代わりに、良い完全性のために、単に簡略化された表現の理由から図のベルトコンベアが個々のコンベアベルトとして描かれていて 次の詳細な説明には上げられているけれども、事実、一グループの共通に駆動されて、互いに平行に配置されたコンベアベルトを有し、そのようなグループのコンベアベルトがコンベアカーペットとして描かれている。図示されて且つ次に記載されたコンベアベルトでは、図示されていない個別駆動手段により駆動される無端ベルトが取り扱われている。
【0028】
以下の図には、機能の同じ要素は同じ符号を備えているので、それぞれの図において新たな紹介は行われない。
【0029】
図1は公知のこの種の搬送装置の本質的部分の側面図を示し、この搬送装置は次に短縮されて記載されていて、完全な明細書は特許文献1(欧州特許第1266854号明細書)に採用され得る。
【0030】
紙クリップ3が上ベルト25とコンベアベルト15の間に搬送方向Aにおいて減速ベルト45の方向に輸送される。上ベルト25は転向ロール21によって転向され、図1には図示されていない駆動ロール或いは駆動ユニットによって駆動される。一致して、コンベアベルト15が転向ロール11によって転向されて駆動ロール12によって駆動される。同じことが減速ベルト45と下ベルト55に適用される。
【0031】
例えば2乃至8枚のシートのような若干の紙シートから成る紙クリップが電気的接続部31を備えているイオン化器30によってこれにより発生された静電界32に電気的に荷電されるので、紙シートがそれぞれの紙クリップ3に結合される。静電界を焦束させるために、とりわけ、逆電極34が設けられている。
【0032】
適切に荷電された紙クリップ3は重なり領域2に輸送されて、この紙クリップが後方領域に、つまり追跡走行端に、即ち図1において左領域に吸引空気44によって下へ引かれれ、減速ベルト45の作用領域にもたらされる。紙クリップ3に吸引空気を作用させるために、この実施例では、吸引箱43が設けられている。
【0033】
重なり領域2では、複数の紙クリップ3が重なる。これらは上ベルト25と搬出ベルト55の間で重ねられて、さらに輸送方向に右へ(図1に)搬送されて、これら紙クリップが引き続いて図示されていない前ストリッパに慎重に且つ緩慢に停止されるので、適切なシート堆積が発生される。この場合には、減速ベルト45の速度がおよそ搬出ベルト55の速度に一致する。
【0034】
図2と3は第一作動状態(図2)或いは第二作動状態(図3)における重なり搬出領域の詳細図を備えるこの発明により改良された搬送装置の側面図を断片的に示す。これらの図では、特に第一搬送装置(10)から第二搬送装置(40)へ、さらに第三搬送装置(50)への引渡しが、或いはより正確に表現されると、供給ベルト(15)から減速ベルト(45)へ、さらに搬出ベルト(55)への引渡しが図示されている。
【0035】
図4は図2からの側面図の断面拡大部を示し、さらにこの発明による落下段(H2、H3)が図示されている。
【0036】
図2と3に図示された搬送装置は、まず最初に供給領域と下流に供給領域に接続する搬出領域とに区分されて、この実施例では図2乃至5に図示されていないシート層(3)の輸送が図に示された矢印Aの方向に、つまり図2乃至4により左から右へ行われる。図示された搬出領域はさらに三つの部分(I,II,III)に区分され、即ち三つの搬送装置(50)の搬出ベルト(55)の減速重なり領域I、重なり領域に接続する第一輸送側部分IIとさらに下流に接続する第二輸送側部分IIIに区分される。
【0037】
装置は供給コンベアベルト15を有し、このコンベアベルトが端部にて減速重なり領域Iに隣接して転向ロール11により転向される。減速重なり領域Iは減速ベルト45を有し、この減速ベルトは上側の開始部に供給領域に隣接して図示されていない転向ロールを介して輸送方向に転向されて、直接に吸引箱の上部に次の転向ロール41まで案内される。図2と3から認識されるように、減速ベルト45の上側が供給コンベアベルト15の上側より高さH1だけ深く(下方)に位置し、これによって重なりのために必要であり、通常の段が輸送平面に形成されている。
【0038】
搬出領域は静止転向ロール51の周りに案内されている搬出ベルト55を有する。この発明によると、搬出ベルトの上側が減速ベルト45の上側より高さH2だけ深くに位置し、これによってこの段状引渡し箇所の通過の際にクリップの先行辺が僅かに平らにされているので、互いのクリップ間の付着力が例えば曲げ或いは空気投与によって減少される。
【0039】
さらに、この発明によると、搬出ベルト55の上側には、水平に及び/又は垂直に移動可能な転向ロール56、57、58が設けられていて、これら転向ロールは第一調整手段53と第二調整手段60との作用連結されている。後者の調整手段60は転向ロール56、57、58の水平調整を奏して、それにより搬出領域が二つの変更可能な輸送側部分11とIIIに区分されている。この調整手段60はラック/歯車駆動手段61、62として形成されている直線駆動手段と移動可能なキャリッジ64を包含し、ラック61が固定式に支持体63に保持されていて、ラック61に噛み合う歯車62が図示されていないモータによってキャリッジ64を水平に移動させる。このキャリッジ64は最終的に移動可能な転向ロール56、57、58の軸受部を支持するので、これらは必要で且つファーマットに一致する位置を例えば500mmの最小部分長さL1或いは例えば1000mmの部分長さL1’により採用できる。
【0040】
調整手段53は昇降手段によって転向ロール58の垂直調整を奏して、それにより搬出領域の下流に置かれた輸送側部分IIIが段の形成のために異なった高さH3に形成され得る。
【0041】
図2と3では、昇降手段54が転向ロール58と支持板59を含めて最上位置に図示されていて、それ故に、この作動状態では、段の高さH3=0である。この最上位置には、静止転向ロール51と上移動可能なロール56、58がある高さに位置するので、部分11(L2、L2’)とIIIを備える輸送側が上流から下流までに置かれた転向ロール51の一平面において水平に延びている。
【0042】
図4では、昇降手段54が転向ロール58と支持板59を含めて最下位置に図示されていて、それ故に、この作動状態では、段の最高高さが与えられ、高さH3が例えば25mmの値である。この最下位置には、静止転向ロール51と上移動可能なロール56がさらに、それに対して上移動可能なロール58がH3=25の値だけ深くに位置する高さに位置するので、部分IIIを備える輸送側が容易に上昇して移動可能なロール58から下流までに配置された転向ロール51に延びている。この僅かな勾配は、特殊な紙種類ではクリップの輸送行動に有効に、特に引渡しの際に図示されていない連続水平に配置された保管堆積部に作用する。別の利点は、シート層の保管領域への引渡し点が同じままである高さを維持する。
【0043】
異なった紙種類とここで特に異なった文法或いは異なった表面粗さを考慮するために、調整手段53の数をベルトカーペットのコンベアベルト55の数に一致して備えることが企図されている。この昇降手段は別に切換え自在に実施されるので、それぞれに紙種類及び/又は紙ファーマットに適合されて−適したグループが作用に存在するコンベアベルト55により形成される。特に昇降手段54の行程H3が調整可能に実施される。適した昇降手段として、ここで特に空圧シリンダが設けられていて、調整可能な端位置減衰部を有する。昇降手段として、ソレノイド、電気シリンダと他の直線アクチュエータのような選択的電気機械式調整手段が考慮されていて、さらに、直線アクチュエータが無端行程状態を有し得る。可変な高さH3の落下段のこの発明による形成は、コンベアベルト55の下流に置かれた輸送側部分IIIが調整可能な転向ロール58と下流に配置された静止転向ロール51の間の平らは角度の下で上昇する結果を生じる、これは図2乃至5において図示されていない。この種の上昇が望まれないならば、前もって静止ロール51に垂直調整を備えることであり、調整すべき高さが高さH3に後で案内される。
【0044】
図5では、実質的に調整手段53が斜視的に詳細に図示されている。搬送装置50の全作業幅にわたり延びている支持体上には、多数の昇降手段54が転向ロール57と58及び支持板59を含めて互いに並んで輸送方向を横切って配置されている。さらに、見本により一つの搬出ベルト55が図示されている。
【0045】
シート層或いは紙クリップを集合搬送させる方法の作用態様のために、次の実施例が上げられている:まず最初に紙クリップ3がイオン化器30によって荷電されるので、紙クリップ或いは紙クリップのシートが結束されている。荷電された紙クリップの重なり領域2への別の輸送の際に紙クリップ3が重なるようになっていて、重なり領域に直線に輸送された紙クリップ3の後方領域には、吸引空気が作用される。これは、紙クリップ3の後領域が重なり領域に到達する瞬間に減速ベルト45の適切な吸引孔が吸引箱43の作用領域に取付けられることによって生じる。
【0046】
別の輸送路上では、紙クリップ3が第二(減速)搬送装置4から第三(放出)搬送装置50へ移送されて、この場合には、クリップ3が第一のこの発明による落下段H2を通過し、それによりクリップが上下に容易に固定されるか、或いは他に表現されて、クリップが搬出ベルト55の輸送側部分II、L2、L2’上に到達する前に、付着力減少が例えば曲げ或いは空気投与によってクリップ3間に傍を案内される。
【0047】
次に、紙クリップ3が搬出ベルト55の輸送側部分II、L2、L2’から下流に接続する輸送側部分IIIへ移送されて、この場合には、クリップ3が第二のこの発明による落下段H3を通過し、それにより必要な場合に、即ち昇降手段54の適切な始動の際にクリップが搬出ベルト55の輸送側部分IIIに到達する前に、別の付着力減少が例えば曲げ或いは空気投与によってクリップ3間の傍を案内される。
【0048】
紙クリップ3のコンベアの別の経過では、これら紙クリップが保管領域における図示されていない前揃え器にて慎重に紙堆積するように保管プラットホーム及び/又はパレット上に一緒に移動される。
【符号の説明】
【0049】
1.....搬送装置
2.....重なり領域
3.....シート層、紙クリップ、クリップ
10....第一搬送装置
11....転向ロール
12....駆動ロール
15....コンベアベルト
20....上搬送装置
21....転向ロール
25....上ベルト
30....イオン化器
31....電気接続部
32....静電界
40....第二搬送装置
41....転向ロール
42....駆動ロール
43....吸引箱
44....吸引空気
45....減速ベルト
50....第三搬送装置
51....転向ロール
52....駆動ロール
53....第一調整手段
54....昇降手段
55....搬出ベルト
56....転向ロール
57....転向ロール
58....転向ロール
59....支持板
60....第二調整手段
61....ラック
62....歯車
63....支持体
64....キャリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大幅にすべってずれないシ−ト層(3)に対してシ−トを封鎖する封鎖ユニット(30、31)を有する第一搬送装置(10)と、第一搬送装置(10)にシ−ト層(3)の輸送方向において後方配置されていて且つシ−ト層(3)の追跡走行する端を偏向させる偏向ユニット(43)を有する第二搬送装置(40)と、第二搬送装置(40)にシ−ト層(3)の輸送方向において後方配置されている第三搬送装置(50)とを備えるシ−ト層(3)の搬送装置において、第二搬送装置(40)と第三搬送装置(50)の間には落下段(H2)が形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
第一、第二と第三搬送装置(10,40,50)はそれぞれに多数の平行に間隔を置いたコンベアベルト(15,45,55)を包含することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
第三搬送装置(50)は、少なくとも二つの輸送側部分(II,III)が異なった高さを形成されて、それにより輸送側部分(II,III)間の落下段(H3)が形成されるように、コンベアベルト(55)を転向させる第一調整手段(53)を包含することを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
第三搬送装置(50)は、第二搬送装置に隣接した輸送側部分(II,L2,L2’)を延長させ、下流に接続する輸送側部分(III)を短縮させる、即ち逆にさせるために、第二調整手段(60)を有することを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
第一調整手段(53)が移動可能に第二調整手段(60)上に支承されていることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
第二調整手段(60)が直線駆動手段(61,62)を備えて形成され、前後に移動可能なキャリッジ(64)を包含することを特徴とする請求項4或いは5に記載の搬送装置。
【請求項7】
直線駆動手段(61,62)がラック−/歯車駆動手段(61,62)として形成されていて、ラック(61)が固定式に支持体(63)に保持され、歯車(62)が回転可能にキャリッジ(64)に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
コンベアベルト(55)が少なくとも二つのグループに区分されて、各グループには第一調整手段(53)が付属されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
第一調整手段(53)の数がコンベアベルト(55)の数に一致することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項10】
第一調整手段(53)がそれぞれに少なくとも一つの転向ロール(58)と昇降手段(54)を包含することを特徴とする請求項3乃至9のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項11】
各昇降手段(54)が直線アクチュエータとして、特に空圧シリンダとして形成されていて、個別の始動のために設けられていることを特徴とする請求項10に記載の搬送装置。
【請求項12】
請求項1至11のいずれか一項に記載に基づく横裁断器と保管領域及び少なくとも一つの搬送装置を備える紙加工機械。
【請求項13】
次の工程を備えるシート層(3)から成る鱗流れを形成させて搬送する方法において、 ・シート層(3)の大幅にすべってずれない輸送のために、シート層(3)に対してシートを封鎖させ、
・輸送方向において連続的シート層(3)が重ねられる重なり領域(2)に封鎖させたシート層(3)を輸送させ、
・先行するシート層(3)の搬送方向において後端に重ねて先行シート層(3)を偏向させて、重なりを形成するために後続するシート層(3)を追跡搬送させ、
・シート層(3)間の付着力減少の下で後続搬送装置(50)のより深く配置された搬送平面の第一輸送側部分(II)へ重ねられたシート層(3)を輸送させる
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
シート層(3)間の更なる付着力減少の下で、搬送装置(50)の第一輸送部分(II)からより深く配置されて後続する第二輸送部分(III)へのシート層(3)の更なる輸送が行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
搬送装置(50)の第一輸送部分(II)と第二輸送部分(III)の間の引渡し箇所の位置が調整されること及び/又は搬送装置(50)の第一輸送部分(II)と第二輸送部分(III)の間の高さ差(H3)が特にシート層(3)のファーマットと材料に依存して調整されることを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−286634(P2009−286634A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127379(P2009−127379)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(304015597)エー・ツエー・ハー・ウイル・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (6)
【Fターム(参考)】