シェード昇降装置
【課題】遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないように、完全に当該窓枠開口内以上を覆い得ることができ、室内から見ても見栄えのよいこと。
【解決手段】窓枠1内にL字状の金具70によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【解決手段】窓枠1内にL字状の金具70によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠とその室内側に配設される、例えば、ローマンシェード等の遮蔽部材を、昇降紐で昇降させることによって開閉するシェード昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記公知文献1に掲載の装置は、両端部に装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを使用しており、カーテンの縦縁と室内側壁面との間には装飾用キャップの長さ分だけ隙間が生じ、窓を完全に覆うことができない。そこで、カーテンで窓を完全に覆い得るように、装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを取付けるカーテンレール受構造が発明されている。
【0003】
そこで、上記公知文献1では、室内側壁面と窓側壁面との入隅部の室内側壁面にカーテンレール受部を近接させた状態にカーテンレール受具を設置し、該カーテンレール受具の前記カーテンレール受部に前記カーテンレールの入隅側端部を装飾用キャップを取付けない状態で受けさせているものである。前記カーテンレール受部に前記カーテンレールの入隅側端部を受けさせるためには、カーテンレール受部にカーテンレールの入隅側端部を挿入させる受穴を設けても良いし、前記入隅側端部及び前記受穴をねじにして両者を螺着するようにしてもよい。
【0004】
このように構成された構造では、カーテンレールの入隅側端部が、該入隅側端部を装飾用キャップなしで受けるカーテンレール受具によって、入隅部の室内側壁面に近接した状態で取付けられている。
【特許文献1】特開平5−91940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公知文献1に掲載の技術は、両端部に装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを使用した場合の窓枠とカーテンの幅のみを問題としているものの、窓枠とカーテンの間の隙間、距離については解決されるものがない。
【0006】
即ち、窓とカーテンとの間には、窓枠を形成する空間が存在するが、その窓枠が形成する空間はカーテン側で開放されており、室内空間と一体となって対流が自在になっている。現実には、窓枠とカーテンの間の隙間が室内空間の対流に関与し、室内空間の温度を変化させる要因となっている。したがって、室内の空調の熱効率を低下させる要因になっている。
【0007】
また、窓枠を斜めからみると、窓枠との間の隙間から窓枠または窓の外が見え、視界の遮断的機能も果たしておらず見栄えがよくなかった。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事実に鑑みなされたものであり、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないように、完全に当該窓枠開口内以上を覆い得ることができ、室内から見ても見栄えのよいシェード昇降装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠の室内側の面側に取付けられる金属板からなる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が取付けられる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材とを具備するものである。
【0010】
したがって、窓枠内に配置された昇降機構は、窓枠の室内側に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を遮蔽部材の下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材の上端は、装飾部材の意匠面によって覆われるので、前記遮蔽部材の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側に分離及び一体化自在な部材取付手段を介して取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。よって、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【0011】
請求項2のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形された合成樹脂、木材、竹、皮革、金属板の何れかからなる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が位置し、前記室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも前記室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内との間にあって、一方を前記装飾部材の反意匠面側に、他方を前記窓枠内の複数個所に各々配設する前記装飾部材を前記窓枠に接続する一対の金具とを具備するものである。
【0012】
したがって、窓枠内に位置する昇降機構は、遮蔽部材の上部を意匠面で覆う装飾部材が、前記装飾部材に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠外方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠に外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材の上端は、ブラケットに取付ける装飾部材によって覆われるので、前記遮蔽部材の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側に位置するブラケットに分離及び一体化自在に取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。よって、前記装飾部材の反意匠面側の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。更に、前記装飾部材を前記窓枠に接続する金具は、前記装飾部材と前記窓枠に接続した一対の金具としたものであり、一対の金具の相互間の接続によって取付けが可能となる。加えて、装飾部材の反意匠面側に位置する金具に取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。また、遮蔽部材の上部は、装飾部材によって室内側が覆われ、その取付け状態が露出しないので、前記遮蔽部材の見栄えがよくなる。よって、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、請求項1に係るシェード昇降装置においては、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠に取付けられる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠内に取付けられる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材とを具備するものである。
【0014】
したがって、窓枠開口内に配設された昇降機構は、室内側窓枠または室内側壁面に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用する構成となっているので、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠内で外気温度の影響を遮断し、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側とし、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。故に、装飾部材が装飾取付手段と共に構成されているので、前記遮蔽部材の上部を取付ける手段として種々選択でき、堅固に見栄えのよい取付けが容易になる。
【0015】
よって、遮蔽部材と室内側窓枠または室内側壁面との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構の取付状態を問われることがない。
【0016】
請求項2のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形された装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠内に位置し、室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠との間にあって、前記装飾部材を前記窓枠に接続する金具とを具備するものである。
【0017】
したがって、装飾部材の反意匠面側に、昇降機構及び遮蔽部材を取付けておき、装飾部材の反意匠面側を金具によって窓枠または壁面に取付ければ、施工が完了するから、取付作業性がよい。また、窓枠の室内側に金具を介して取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を下部に取付けられているので、少なくとも、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠内で外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【0018】
よって、遮蔽部材と室内側の窓枠との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構及びその機構取付手段やその取付状態を問われることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態のシェード昇降装置について説明する。ここで、各実施の形態において、同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものである。
実施の形態1
【0020】
図1は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の断面図であり、図2は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置のバルーンタイプのローマンシェードに使用したもので、窓枠外を覆った場合の説明図(a)、本発明の実施の形態1のシェード昇降装置のフラットタイプのローマンシェードに使用したもので、窓枠外を覆った場合の説明図(b)である。また、図3は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【0021】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、ローマンシェードとして使用されるものであり、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。ガラス戸3等が窓枠1に配設されている。木の窓枠1にはアルミサッシ、鉄サッシ等の金属サッシを設けることもあるし、直接、木の窓枠1を使用することなしにサッシ等を施工する場合もあるし、棚板を設けることもある。本発明を実施する場合には、基本的に、何れも使用態様が同じであるから、ここでは、それらを区別することなく、木の窓枠1を前提に説明する。そして、窓枠開口とは、光が透過される空間領域を意味する。
【0022】
また、室内側窓枠は窓枠1の室内側の面を含む領域であり、室内側壁面は室内側の窓枠1付近の壁面を意味する。
昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設されるもので、公知のシェード等からなる遮蔽部材20の昇降装置等である。この昇降機構10は窓枠1の内側上面に配設される。その取付けは、公知の四角枠型またはL字状の取付具11(図10の70参照)によって取付けられている。なお、この実施の形態の遮蔽部材20が窓枠1の室内面側に配設され、昇降機構10は窓枠1内の上部内側面に取付けられ、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、昇降を行うものであり、基本的に、バルーンタイプ及びフラットタイプのローマンシェードは同じである。なお、遮蔽部材20の使用形態としては、ここでは、両者に共通するローマンシェードとして説明する。
【0023】
また、遮蔽部材20の下端には、昇降機構10に一端を固着された昇降紐12の他端側が固着されている。この昇降紐12は、通常、遮蔽部材20の幅、20〜50cm程度の間隔で複数本配置される。昇降紐12の下端から昇降機構10までの間は、遮蔽部材20の随所に複数のリング13bが配設されていて、そこを昇降紐12が挿通されている。したがって、複数のリング13bが一体となって順次開放または閉鎖される。なお、本実施例で使用した複数のリング13は、図10に示すように、リングテープ13(図示せず)として、布テープ13a(図示せず)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものである。
【0024】
遮蔽部材20の上端は、窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けられる。部材取付手段40は金属帯41に複数繰り返し連続して釘足42を突出させるべく溶接したもので、釘足42が室内方向を向くように、窓枠1に木ネジ43で金属帯41を固着するものである。なお、この実施の形態の遮蔽部材20は、昇降紐12の一端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けたものである。このように、遮蔽部材20の上部を、窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けたものであるから、洗濯の際には、遮蔽部材20のみを取外すことにより、単一の材質となり、好ましい、クリーニングが可能となる。
【0025】
本実施の形態の装飾部材30は、合成樹脂製からなり、窓枠サイズまたは窓枠サイズより長く成形されたものである。室内側の装飾面となる意匠面31側は硬質合成樹脂からなり、意匠面31には木目模様または装飾模様が直接印刷または印刷紙等を貼着することにより形成されている。勿論、無模様であってもよい。反意匠面32側の段部33を形成した部材取付手段40の釘足42が当接する箇所は、軟質合成樹脂で形成されている。したがって、装飾部材30の取付状態で部材取付手段40の釘足42が、反意匠面32側の段部33の軟質合成樹脂に食込んだ状態で取付けられるようになっている。装飾部材30は複数本の化粧ボルト34によって、窓枠1に取付けられている。この実施の形態の装飾部材30は、遮蔽部材20の上端の室内面を装飾面である意匠面31で覆うものであればよい。なお、図示していないが、装飾部材30は合成樹脂を押出成型したもので、端部のみを射出成形品の部材を接合して一体化したものである。
【0026】
また、本実施の形態の装飾部材30は、合成樹脂製からなり、窓枠サイズまたは窓枠サイズより長く成形したものであるが、本発明を実施する場合には、合成樹脂製に限定されるものではなく、木材または竹、皮革、芯地を用いて形成した長尺状の装飾体とすることもできる。芯地を用いて形成した長尺状の装飾部材30は、遮蔽部材20と同一のものまたは色違いのものを使用すると好適である。
ここで、複数本の化粧ボルト34は、本発明の実施の形態の装飾部材30の装飾取付手段を構成している。なお、この化粧ボルト34についても、本発明を実施する場合には、他にネジを化粧ネジで覆うものであってもよい。
【0027】
また、公知の四角枠型またはL字状の取付具11は、本発明の実施の形態の機構取付手段を構成している。
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31で覆う装飾部材30とを具備するものである。
【0028】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40を介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0029】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40を設けるものであるから、図2(a)及び(b)に示す形態が好適である。
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0030】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0031】
更に、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30によって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30によって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0032】
したがって、装飾部材30の裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
また、遮蔽部材20が部材取付手段40と分離が容易であるから、洗濯の際には遮蔽部材20のみを単独で洗濯することができ、糸等が部材取付手段40に纏わり付くことがない。
【0033】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面または窓枠1が突出しておれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態2
【0034】
図4は本発明の実施の形態2のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0035】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
装飾部材30Aは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズと同一または窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Aの反意匠面32aに形成した段部33aには、永久磁石39aが埋設されている。段部33aは窓枠1の上部との係合用の突部34aとなっている。
【0036】
ステンレス製の部材取付手段40Aは蝶番状のもので、軸41aを中心に回動する対向面42aには無数の先鋭な突起43aが切り起こしによって形成されており、遮蔽部材20の上端は対向する面の無数の先鋭な突起43aが食い込むことによって把持される。この蝶番状の部材取付手段40Aで、蔽部材20の上端を把持した状態で、窓枠1の所定の位置に仮止めし、位置が決定されたところで、木ネジ44aまたは釘によって蝶番状の部材取付手段40Aが開口しないようにし、窓枠1に取付ける。取付けが完了したときに、装飾部材30Aの永久磁石39aで部材取付手段40Aに吸着させ、装飾部材30Aを窓枠1に固着する。
【0037】
したがって、部材取付手段40Aに遮蔽部材20の上端を把持させた状態で、両者を一体化でき、必要によって、蝶番状の部材取付手段40Aを開口させれば、分離可能である。部材取付手段40Aと遮蔽部材20の接合は、通常状態では、容易に離れないようになっている。
ここで、永久磁石39aは、本発明の実施の形態の装飾部材30Aの装飾取付手段を構成している。また、蝶番状の部材取付手段40Aは、木ネジ44aまたは釘または接着剤等の固着手段と共に本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0038】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Aを介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31aで覆う装飾部材30Aとを具備するものである。
【0039】
したがって、窓枠開口内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Aを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させることがない。
特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Aを設けるものであるから、図2(a)及び(b)に示す形態が好適である。
【0040】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
【0041】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、図2(a)及び(b)に示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。また、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Aによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0042】
また、本実施の形態の装飾部材30は、実施の形態1と同様に構成するものとすることができる。
【0043】
したがって、装飾部材30Aの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構10の取付け状態を問われることがない。故に、装飾部材30Aの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0044】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Aによって覆われるので、前記遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
実施の形態3
【0045】
図5は本発明の実施の形態3のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0046】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0047】
装飾部材30Bは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズまたは窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Bには金属薄帯からなるインサート36bが埋設されていて、装飾部材30Bの意匠面31b側が温度によって変形し難く、かつ、係合凹部37bに通して係合する係合頭部35bbとが安定した状態で係合可能となるようにしている。装飾部材30Bの反意匠面32b側に形成した段部33bには、接着剤で接合した一方の接着布38bが配設されている。
【0048】
木の窓枠1には係合ピン35bが打ち込まれている。この係合ピン35bの係合頭部35bbは、前述したように、係合凹部37bに通して係合する部位であり、係合凹部37bと係合頭部35bbとの係合によって、装飾部材30Bが窓枠1に取付けられる。
【0049】
遮蔽部材20の上端は、装飾部材30Bの反意匠面側の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Bによって取付けられる。部材取付手段40Bは装飾部材30Bの反意匠面32b側に接着剤で接合した接着布38bと、遮蔽部材20の上端に縫着した接着布22によって一体に接合される。
【0050】
したがって、装飾部材30Bの取付状態で部材取付手段40Bの接着布38bと、遮蔽部材20の上端に縫着した接着布22によって一体に接合され、係合凹部37bと係合頭部35bbとの係合によって、両装飾部材30Bの接着布38bと遮蔽部材20の接着布22は、容易に離れないようになっている。この実施の形態の装飾部材30Bは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31bで覆うものであればよい。
【0051】
ここで、金属薄帯からなるインサート36b、係合凹部37b及び係合凹部37bに係合する係合頭部35bbを有する係合ピン35bは、本発明の実施の形態の装飾部材30Bの装飾取付手段を構成している。また、両装飾部材30Bの接着布38bと遮蔽部材20の接着布22は、本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0052】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、窓枠1の室内側に配置させた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上部を反意匠面32b側に遮蔽部材20の上部を分離及び一体化自在な接着布38b及び接着布22からなる部材取付手段40Bを介して取付け、室内面を意匠面31bとして遮蔽部材20の上端を覆う装飾部材30Bとを具備するものである。
【0053】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側の部材取付手段40Bを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1の閉じた空間で外気温度の影響を遮断し、それが室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0054】
また、必要に応じて、遮蔽部材20で窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Bによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Bの反意匠面32b側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Bを介して取付け、室内面を装飾した意匠面31bとして遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。
【0055】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Bを設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0056】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0057】
また、そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Bによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0058】
このように、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Cによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0059】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。故に、装飾部材30Bの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態4
【0060】
図6は本発明の実施の形態4のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0061】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0062】
装飾部材30Cは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズまたは窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Cには突出部51が一体に形成されていて、装飾部材30Cを窓枠1に木ネジ52または釘で固定できるようになっている。ここで、装飾部材30Cの反意匠面32c側に位置する突出部51と木ネジ52は本実施の形態の装飾取付手段50を構成している。
【0063】
遮蔽部材20の上端は、窓枠1内に配設された昇降機構10またはその室内側の機構取付手段14に取付けられる。図6の実施の形態においては、昇降機構10をその長さ方向に延びる室内側の取付具14aと室外側の取付具14bによって取付けられている。室内側の取付具14aと室外側の取付具14bとは、対称形状(同一形状)を呈しており、木ネジ15で窓枠1の上面に取付けられている。なお、室内側の取付具14aが突出する場合には、装飾部材30Cがそれを吸収できる凹部を形成している。
【0064】
図6の実施の形態においては、昇降機構10をその長さ方向に固定している室内側の取付具14aの室内側に、接着剤で接合した接着布16が設けられている。また、遮蔽部材20の上端にも接着布23が縫着されている。これら接着布16と接着布23は本実施の形態の部材取付手段40Cを構成している。
【0065】
したがって、装飾部材30Cの取付状態に関係なく、取付具14aの室内側の接着布16と遮蔽部材20の上端の接着布23が一体に接合され、取付具14aの接着布16と遮蔽部材20の接着布23は、容易に離れないようになっている。装飾部材30Cは、両接着布16と接着布23による接合された遮蔽部材20の上端が露出するのを防いでいる。なお、この実施の形態の装飾部材30Cは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31cで覆うものであればよい。
【0066】
なお、上記昇降機構10をその長さ方向に延びる室内側の取付具14aと室外側の取付具14bは、本発明を実施する場合の機構取付手段14を構成する。
【0067】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に機構取付手段14で配設された昇降機構10と、昇降紐12の他端を下部に取付け、窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に取付けた遮蔽部材20と、室内面を意匠面31cとして遮蔽部材20の上部を覆う装飾部材30Cとを具備し、装飾部材30Cの反意匠面32c側に位置する突出部51と木ネジ52からなる装飾取付手段50で前記装飾部材30Cを取付けるものである。
【0068】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材10の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1に外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0069】
また、窓枠1の内側を完全に塞ぐことができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0070】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の内側に入れたものでは、窓枠1の内側の全体に対して、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。特に、この実施の形態は、窓枠1内に部材取付手段40Cを設けるものであるから、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0071】
また、遮蔽部材20の上端は、最後に窓枠1に取付ける装飾部材30Cによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Cの反意匠面31c側に位置する突出部51を木ネジ52を用いて固定できる簡単な装飾取付手段50を介して取付け、室内面を装飾面として遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。したがって、装飾部材30Cの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態5
【0072】
図7は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。また、図8は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の部材取付手段を示す要部正面図である。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0073】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0074】
本実施の形態のブラケット60は、窓枠1の上面位置から室内側の壁面方向に並行するように略L字形に折曲し、かつ、更に、昇降機構10を取付けるように他端もL字状に折曲したものである。このブラケット60は、窓枠1に2〜5箇所設置してもよいし、窓枠1の内面寸法の長さとして1個配設するようにしてもよい。ブラケット60の窓枠1の室内側の位置には、窓枠1との間に3〜10mmの距離をクランク状に設けた上部に位置する切り起した起立片61及び下部に位置する起立片62を有している。また、窓枠1の上側の下面から下方に突出し、その先端で昇降機構10の下部を保持するように係合部63を有している。窓枠1の下面に密着する取付部64は、木ネジ65aでブラケット60を窓枠1の下面に取付けるようになっており、また、窓枠1の室内側の面にも木ネジ65b,65cでブラケット60を窓枠1の室内側の面に取付けるようになっている。また、先端で昇降機構10の下部を保持する係合部63の反対側は、先端で昇降機構10の下部を保持する係合部63の反対側を保持する係合部66を有する補助支持片67が、木ネジ65aで窓枠1の上側の下面に取付けられることにより昇降機構10が窓枠1の上側の下面に固着される。
【0075】
図8に示す遮蔽部材20の部材取付手段40Dは、2枚のステンレス板からなり、当該ステンレス板の両方の取付板40AD,40BDに共通する複数の取付孔46が穿設されている。この複数の取付孔46は、両方の取付板40AD,40BDを、取付板40ADに穿設したネジ穴47aにネジ47を螺合することにより一体に固着するものである。取付板40ADには複数列条(図示では2条)に、各略三角形状に切り起した起立片48が形成されている。取付板40BDには取付板40ADの起立片48に対応した嵌合口49が形成されている。嵌合口49は起立片48の先端部分が挿入可能になっている。
【0076】
取付板40ADには複数列条の略三角形状に切り起した起立片48と取付板40BDの嵌合口49によって、遮蔽部材20の上部を挟み、ネジ穴47aにネジ47を螺合することにより一体に固着する。
【0077】
装飾部材30Dは、合成樹脂製で窓枠サイズより長く成形されたものである。室内側の装飾面となる意匠面31d側は硬質合成樹脂からなり、反意匠面32d側の段部33dを形成し、また、当該段部33dの上端には、ブラケット60の起立片61を収容する嵌合部34dを形成している。当該嵌合部34dは起立片61を収容することにより、装飾部材30Dの下端が浮き上がることのないように密に嵌合する形態を有している。勿論、下側に形成された起立片62を使用して、装飾部材30Dの下端が浮き上がることのないようしてもよい。段部33dは、起立片61及び起立片62を収容できる厚みだけ、段差を形成している。この実施の形態の装飾部材30Dは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31dで覆うものであればよい。
【0078】
ここで、ブラケット60の起立片61と、それを収容する嵌合部34dは、本発明の実施の形態の装飾部材30Dの装飾取付手段を構成している。また、2枚のステンレス板からなる取付板40AD及び取付板40BDは、本発明の実施の形態の部材取付手段40Dを構成している。そして、昇降機構10を保持する係合部63を有する取付部64及び係合部66を有する補助支持片67は、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成する。なお、実施の形態によって、ブラケット60は、装飾取付手段、機構取付手段、部材取付手段の1以上が同一部品となり得るものである。
【0079】
このように構成された遮蔽部材20の上部に取付けられた部材取付手段40Dは、ブラケット60のクランク状に設けた起立片62に複数の取付孔46を挿入することによって窓枠1の室内側の面に取付けたブラケット60に取付ける。ブラケット60には、その起立片61に装飾部材30Dの嵌合部34dを嵌め込み取付けを行う。なお、必要に応じて、起立片62も取付けに用いてもよい。
【0080】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、窓枠1の上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲したブラケット60と、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内のブラケット60に取付けた昇降機構10と、昇降紐12の他端を下部に取付け、上部をブラケット60の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31dで覆うブラケット60の室内側に取付けた装飾部材30Dとを具備するものである。
【0081】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにできるから、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものに使用するのが好適である。
【0082】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0083】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0084】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0085】
そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Dによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。故に、装飾部材30Dの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0086】
本実施の形態のシェード昇降装置は、少なくとも、窓枠1の内側上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲形成され、窓枠1に取付けられるブラケット60と、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、反意匠面32d側でブラケット60に取付けられ、ブラケット60の室内側端部を意匠面31dで覆う装飾部材30Dと、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして昇降紐12の下端の昇降を行うと共に、装飾部材30Dの反意匠面32d側でブラケット60に接続され、窓枠1内に位置する昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、昇降機構10よりも室内側に配置され、室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が装飾部材30Dの意匠面31dで覆われる遮蔽部材20とを具備するものである。
【0087】
したがって、窓枠1内のブラケット60を介して配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用する構成となっているから、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、窓枠1内で外気温度の影響を遮断し、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、装飾部材30Dによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Dの反意匠面32d側に位置するブラケット60に取付け、前記室内面を装飾面として遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。
【0088】
よって、装飾部材30Dが遮蔽部材20の上部に取付けるものであり、かつ、その取付け手段が種々選択でき、堅固に見栄えのよい取付けが容易になり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよい。
【0089】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態6
【0090】
図9は本発明の実施の形態6のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0091】
窓枠1内の複数箇所にL字状の金具70(詳しくは図10参照)が配設されている。このL字状の金具70は本実施の形態の昇降機構10を取付ける機構取付手段を構成するものである。装飾部材30Eの反意匠面側には、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段(詳しくは図10の82参照)によって、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10に取付けられている。勿論、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段を使用することなく、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に取付けてもよい。しかし、一対の金具80からなる装飾取付手段を使用することにより、窓枠1の窓側に配置することができる。なお、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に螺子で止めた場合には、当該螺子が装飾取付手段を構成する。
【0092】
装飾部材30Eの反意匠面側の下部には、接着布39が接合配設されている。また、遮蔽部材20の上部には、接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は部材取付手段40Dを構成している。
【0093】
遮蔽部材20の窓側面には、リングテープ13(図示せず)として、布テープ13a(図示せず)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものを縫着している。したがって、昇降機構10から下降する昇降紐12は、複数のリング13bを介して窓側方向に力を与える配置となっている。
【0094】
なお、昇降機構10を保持するL字状の金具70は、装飾部材30Eを取付ける機能を有することから、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成している。また、L字状の金具70は、装飾部材30Eを保持することを前提とすれば、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、実施の形態によっては、装飾取付手段と機構取付手段が同一部品となることを示すものである。
【0095】
この実施の形態のシェード昇降装置は、まず、装飾部材30Eの反意匠面(裏面)側の下部に接着布39を接合しておく。そして、装飾部材30Eの反意匠側に、一対の金具80からなる機構取付手段を用いて昇降機構10を取付ける。また、装飾部材30Eの下部に接着布39には、部材取付手段40Dの接着布22を接合する。このように組付けたものの昇降機構10を予め窓枠1に取付けておいたL字状の金具70に取付ける。
【0096】
このように、窓枠1内にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、反意匠面側に配設したL字状の金具70からなる装飾取付手段によって昇降機構10に取付けることにより、昇降機構10を意匠面で覆う装飾部材30Eと、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Eの反意匠面側に分離及び一体化自在な接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0097】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0098】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。
【0099】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0100】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0101】
また、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Eによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。したがって、装飾部材30Eの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態7
【0102】
図10は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の部品展開図、図11は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を示す平面図(a)、背面から見た正面図(b)、底面図(c)、右側面図(d)、左側面図(e)である。また、図12は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を窓側から見た斜視図である。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0103】
窓枠1内の複数箇所にL字状の金具70が配設されている。L字状の金具70は、図11に示すように、スプリングで弾性力を付与された移動部材71に配設された爪によって、昇降機構10のケーシング(カーテンレール)を係合するように構成されている。端部72を押圧することにより、移動部材71に配設された爪は昇降機構10のケーシングとの係合を解除し、昇降機構10をL字状の金具70から取外すことができる構造となっている。なお、窓枠1内に取付けられたL字状の金具70の厚みにより、窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生する。
【0104】
昇降機構10の一端には、端部封止材10Aが挿着され、昇降機構10の開口側に止め金具10Bとの間を、ボルト10Cで締め付けることにより装着状態を維持するようになっている。昇降機構10の他端には、紐側端部封止材10Hが挿着され、昇降機構10の開口側に止め金具10Jとの間を、ナット10Kとボルト10Lで締め付けることにより装着状態を堅固に維持するようになっている。この紐側端部封止材10Hでは、複数本の引き紐が交差することのないようにまとめている。
【0105】
そして、昇降機構10の複数箇所には、昇降機構10から垂下する紐を分岐する紐搬送部材10Dが配置され、それが、昇降機構10の開口側に止め金具10Eとの間を、ナット10Fとボルト10Gで締め付けることにより装着状態を堅固に維持するようになっている。
【0106】
装飾部材30Fの反意匠面側の下部には、接着布39が接合配設されている。また、遮蔽部材20の上部には、接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0107】
また、装飾部材30Fの反意匠面側には、昇降機構10の下部に取付けられるU字状の開口を設けた単数または複数の下部取付具82が固着されている。そして、昇降機構10の上部に当接し、単数または複数の下部取付具82と共に昇降機構10を保持する単数または複数の上部取付具81が固着されている。
【0108】
これらの下部取付具82と上部取付具81は、次のように組付けが行われる。
【0109】
窓枠1に取付けた昇降機構10に対して、L字状の金具70の厚みにより窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するから、そこに、上部取付具81を挿入し、昇降機構10の上面に密着させる。同時に、下部取付具82が昇降機構10の下面に密着される。ここで、昇降機構10の複数箇所に下部取付具82が配置され、それが、昇降機構10の開口側にナット82aとボルト82bで締め付けることにより堅固に固着される。なお、昇降機構10を取付けるL字状の金具70は、図示の逆方向(垂直線に対して対称方向)の配設とすることもできる。
【0110】
このように構成される実施の形態のシェード昇降装置は、次のように組付けられる。
【0111】
まず、窓枠1内の適当な位置の複数箇所に、L字状の金具70を配設する。
【0112】
昇降機構10の複数箇所に垂下する紐を分岐する紐搬送部材10Dが取付けられ、また、端部には端部封止材10Aが装着され、他端には紐側端部封止材10Hが装着され、紐側端部封止材10Hから複数本の引き紐が交差することのないようにまとめられる。
【0113】
また、装飾部材30Fの反意匠面側には、単数または複数のL字状の下部取付具82を固着し、同様に、単数または複数の上部取付具81を固着する。
【0114】
そして、装飾部材30Fの反意匠面側の下部には接着布39を接合する。遮蔽部材20の上部に接着布22を縫着しておき、その遮蔽部材20の上部の接着布22を装飾部材30Fの下部の接着布39に接合する。このとき、遮蔽部材20は窓枠1内に配設する場合には、窓枠1の下上面に軽く当接する長さとする接合位置とする。特に、遮蔽部材20の下端に錘をつけたものでは、その錘の荷重を計算した長さの接合位置とする。この接着布39と接着布22の接合位置により、遮蔽部材20を窓枠1内に配設する場合の長さを任意に設定することができる。
【0115】
装飾部材30Fの反意匠面側にL字状の下部取付具82、上部取付具81を固着し、遮蔽部材20の上部の接着布22を装飾部材30Fの下部の接着布39に接合した状態で、窓枠1に取付けた昇降機構10はL字状の金具70の厚みによって窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するから、そこに、上部取付具81を挿入し、昇降機構10の上面に密着させ、下部取付具82を昇降機構10の下面に密着させる。そして、昇降機構10の複数箇所に下部取付具82が配置され、それが、昇降機構10の開口側にナット82aとボルト82bで締め付けることにより堅固に昇降機構10に固着される。したがって、比較的簡易(ワンタッチ)に取付が可能となる。昇降機構10の取外しは、端部72をドライバー等で押圧することにより、移動部材71に配設された爪は昇降機構10のケーシングとの係合を解除し、昇降機構10をL字状の金具70から取外すことができる。
【0116】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置おいては、室内面を意匠面で覆う反意匠面側に壁面または窓枠に間接的に(昇降機構10を介して)取付ける装飾部材30Fの反意匠面側に配設したL字状の下部取付具82、上部取付具81からなる装飾取付手段を有する装飾部材30Fと、装飾部材30Fの反意匠面側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって取付けられた昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Fの背面に接着布39と接着布22からなる部材接続手段を取り付けられた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0117】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段を介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)に示すように、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにできるから、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものに使用するのが好適である。
【0118】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0119】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段を設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0120】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、遮蔽部材20の下端に錘をつけたものでは、その錘が窓枠1に衝突しないように荷重を計算した長さの接合位置とすることができる。この接着布39と接着布22の相対的接合位置により、遮蔽部材20を窓枠1内に配設する場合の長さを任意に設定することができる。
【0121】
そして、遮蔽部材20の上端及び窓枠1に取付けた昇降機構10は、L字状の金具70の厚みによって窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するが、最後に取付ける装飾部材30Fによって覆われるので、見栄えがよくなる。故に、装飾部材30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0122】
更に、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態8
【0123】
図13は本発明の実施の形態8のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0124】
窓枠1の室内側の面に複数箇所にL字状の金具70(詳しくは図10参照)が配設されている。このL字状の金具70は本実施の形態の昇降機構10を取付ける機構取付手段を構成するものである。装飾部材30Eの反意匠面側には、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段(詳しくは図10の82参照)によって、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と一体に取付けられている、この装飾取付手段はコ字状金具とすることもできる。勿論、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段を使用することなく、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に取付けてもよい。なお、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に螺子で止めた場合には、当該螺子が装飾取付手段を構成する。
【0125】
装飾部材30Eの反意匠面側の下部には、接着布39がホッチキスの針またはネジ、釘等により接合される。また、遮蔽部材20の上部には、接着布39と接合及び分離自在な接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は部材取付手段40Dを構成している。
【0126】
遮蔽部材20の窓側面には、リングテープ13(図12参照)として、布テープ13a(図12参照)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものを縫着している。したがって、昇降機構10から下降する昇降紐12は、複数のリング13b、特に、最上位置のリング13bを介して窓側方向に力を与える配置となっている。
【0127】
なお、昇降機構10を保持するL字状の金具70は、装飾部材30Eを取付ける機能を有することから、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成している。また、同一のL字状の金具70は、装飾部材30Eを保持することを前提とすれば、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、実施の形態によっては、装飾取付手段と機構取付手段が同一部品となることを示すものである。
【0128】
この実施の形態のシェード昇降装置のL字状の金具70からなる機構取付手段は、窓枠1の室内側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設されているが、本発明を実施する場合、機構取付手段の取り付け箇所は、窓枠1の室内側のみではなく、窓枠1の室内側に位置する面側、即ち、壁面等の装飾面とすることができる。
【0129】
この実施の形態のシェード昇降装置は、まず、装飾部材30Eの反意匠面(裏面)側の下部に接着布39を接合し、装飾部材30Eの反意匠側に、一対の金具80からなる機構取付手段を用いて昇降機構10を取付ける。また、装飾部材30Eの接着布39には、部材取付手段40Dの接着布22を接合する。このように組付けたものの昇降機構10を、予め窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面に取付けたL字状の金具70に取付ける。
【0130】
このように、窓枠1の室内側の面側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、反意匠面側に配設したL字状の金具70からなる装飾取付手段によって昇降機構10を取付けることにより、昇降機構10を意匠面で覆う装飾部材30Eと、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Eの反意匠面側に分離及び一体化自在な接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0131】
したがって、窓枠1の室内側の面側に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材20の下部に昇降紐12の下端を取付けているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10に取付けた昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0132】
予め窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面に取付けたL字状の金具70の場合であっても、同様に取付けることができる。この場合には、窓枠1の室内面と遮蔽部材20との間に間隔が生じざるを得ない。しかし、窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面から装飾部材30Eの反意匠面側の距離までの距離を極力短くすること、接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dにより、窓枠1の室内面と遮蔽部材20との間の間隔を極力少なくすることができる。
【0133】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0134】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の室内側に出したものとなるから、遮蔽部材20は窓枠1の全体に広がり、窓枠1の室内側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を極力少なくすることができる。このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0135】
また、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Eによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。したがって、装飾部材30Eの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態9
【0136】
図14は本発明の実施の形態9のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1及び図13の断面図に相当する。特に、本実施の形態は、基本的構成を図13の実施の形態と同一とし、L字状の金具90とコ字状金具95は、装飾部材30Eを保持することを前提とするものであるから、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、図13の実施の形態と違い、装飾取付手段と機構取付手段が別部品となることを示すものである。
【0137】
なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0138】
図14において、L字状の金具90は、板金を切曲加工または鋳込みにより形成したもので、一方の面には、装飾部材30Eに木螺子等で螺子止めする螺子孔91が複数穿設されている。また、コ字状金具95は板金を切曲加工または鋳込みにより形成したもので、窓枠1の下面に取付けられる。具体的には、その両側平面を木螺子等で螺子止めする螺子孔96が、両側平面に複数穿設されている。本実施の形態では、螺子孔96を長円孔として、木螺子による取付け作業性を良くしている。両側平面に挟まれた中央段部は、L字状の金具90の他方の面を挿入する空間を窓枠1と共に形成するものである。窓枠1にコ字状金具95が取付けられた状態で、L字状の金具90の他方の面を挿入すると、装飾部材30Eを窓枠1に取付けることができる。このとき、装飾部材30Eの長さ、重さ、形状、材質等によって、窓枠1にコ字状金具95を1個乃至5個程度取付けられ、それに相当するL字状の金具90の数が装飾部材30Eに取付けられる。
【0139】
なお、窓枠1にコ字状金具95が取付けられた状態で、L字状の金具90の他方の面を挿入すれば、装飾部材30Eを窓枠1に取付けることができる。しかし、装飾部材30Eを堅固に窓枠1に取り付けるために、コ字状金具95には離脱防止ビス孔97が設けられており、そこにビスを螺合して、L字状の金具90が抜け出さないように固着している。
【0140】
本実施の形態のシェード昇降装置は、少なくとも、窓枠1の内側上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲形成され、窓枠1に取付けられる金具70と、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、反意匠面側で金具70に取付けられ、金具70の室内側端部を意匠面で覆う装飾部材30E,30Fと、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして昇降紐12の下端の昇降を行うと共に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側で金具70と接続され、窓枠1内に位置する昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、昇降機構10よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が装飾部材30E,30Fの意匠面で覆われる遮蔽部材20とを具備するものである。
【0141】
したがって、昇降機構10を取付けた金具70に対して、装飾部材30E,30Fの反意匠面側で取付けを行い、更に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側に遮蔽部材20を取付けるものであるから、装飾部材30E,30Fに遮蔽部材20を取付けておき、それを窓枠開口内に昇降機構10を配設した金具70に取付けるだけで完成するから、取付作業性がよい。また、室内側窓枠に取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、少なくとも、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内で外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、装飾部材30E,30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構10の取付手段、その状態を問われることがない。更に、装飾部材30E,30Fを窓枠1に取付ける金具は、装飾部材30E,30Fと窓枠1に接続した一対の金具70としたものであるから、一対の金具70の結合によって容易に取付けができる。
【0142】
よって、遮蔽部材30E,30Fと室内側の窓枠1との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材30E,30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構10及びその機構取付手段14やその取付状態を問われることがない。
【0143】
ところで、上記各実施の形態で説明した装飾取付手段、部材取付手段、機構取付手段は、互いに特定の実施例にのみ実現できるものではなく、本発明を実施する場合には、相互に組み合わせて使用することができる。
【0144】
また、上記各実施の形態で説明したように、本発明を実施する場合には、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構の取付手段、その状態を問われることがない。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】図1は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の窓枠外を覆った場合の説明図(a)、本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の窓枠開口内を覆った場合の説明図(b)である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態2のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図5】図5は本発明の実施の形態3のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図6】図6は本発明の実施の形態4のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図7】図7は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図8】図8は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付手段を示す要部正面図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態6のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。
【図10】図10は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の部品展開図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を示す平面図(a)、背面(窓側)からみた正面図(b)、底面図(c)、右側面図(d)、左側面図(e)である。
【図12】図12は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を窓側から見た斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態8のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。
【図14】図14は本発明の実施の形態9のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図13の断面図に相当する。
【符号の説明】
【0146】
1 窓枠
10 昇降機構
12 昇降紐
14 機構取付手段
20 遮蔽部材
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F 装飾部材
31,31a,31b,31c,31d 意匠面
40,40A,40B,40C,40D 部材取付手段
50 装飾取付手段
60 ブラケット
70 金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠とその室内側に配設される、例えば、ローマンシェード等の遮蔽部材を、昇降紐で昇降させることによって開閉するシェード昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記公知文献1に掲載の装置は、両端部に装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを使用しており、カーテンの縦縁と室内側壁面との間には装飾用キャップの長さ分だけ隙間が生じ、窓を完全に覆うことができない。そこで、カーテンで窓を完全に覆い得るように、装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを取付けるカーテンレール受構造が発明されている。
【0003】
そこで、上記公知文献1では、室内側壁面と窓側壁面との入隅部の室内側壁面にカーテンレール受部を近接させた状態にカーテンレール受具を設置し、該カーテンレール受具の前記カーテンレール受部に前記カーテンレールの入隅側端部を装飾用キャップを取付けない状態で受けさせているものである。前記カーテンレール受部に前記カーテンレールの入隅側端部を受けさせるためには、カーテンレール受部にカーテンレールの入隅側端部を挿入させる受穴を設けても良いし、前記入隅側端部及び前記受穴をねじにして両者を螺着するようにしてもよい。
【0004】
このように構成された構造では、カーテンレールの入隅側端部が、該入隅側端部を装飾用キャップなしで受けるカーテンレール受具によって、入隅部の室内側壁面に近接した状態で取付けられている。
【特許文献1】特開平5−91940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公知文献1に掲載の技術は、両端部に装飾用キャップが取付けられるカーテンレールを使用した場合の窓枠とカーテンの幅のみを問題としているものの、窓枠とカーテンの間の隙間、距離については解決されるものがない。
【0006】
即ち、窓とカーテンとの間には、窓枠を形成する空間が存在するが、その窓枠が形成する空間はカーテン側で開放されており、室内空間と一体となって対流が自在になっている。現実には、窓枠とカーテンの間の隙間が室内空間の対流に関与し、室内空間の温度を変化させる要因となっている。したがって、室内の空調の熱効率を低下させる要因になっている。
【0007】
また、窓枠を斜めからみると、窓枠との間の隙間から窓枠または窓の外が見え、視界の遮断的機能も果たしておらず見栄えがよくなかった。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事実に鑑みなされたものであり、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないように、完全に当該窓枠開口内以上を覆い得ることができ、室内から見ても見栄えのよいシェード昇降装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠の室内側の面側に取付けられる金属板からなる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が取付けられる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材とを具備するものである。
【0010】
したがって、窓枠内に配置された昇降機構は、窓枠の室内側に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を遮蔽部材の下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材の上端は、装飾部材の意匠面によって覆われるので、前記遮蔽部材の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側に分離及び一体化自在な部材取付手段を介して取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。よって、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【0011】
請求項2のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形された合成樹脂、木材、竹、皮革、金属板の何れかからなる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が位置し、前記室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも前記室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内との間にあって、一方を前記装飾部材の反意匠面側に、他方を前記窓枠内の複数個所に各々配設する前記装飾部材を前記窓枠に接続する一対の金具とを具備するものである。
【0012】
したがって、窓枠内に位置する昇降機構は、遮蔽部材の上部を意匠面で覆う装飾部材が、前記装飾部材に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠外方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠に外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材の上端は、ブラケットに取付ける装飾部材によって覆われるので、前記遮蔽部材の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側に位置するブラケットに分離及び一体化自在に取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。よって、前記装飾部材の反意匠面側の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。更に、前記装飾部材を前記窓枠に接続する金具は、前記装飾部材と前記窓枠に接続した一対の金具としたものであり、一対の金具の相互間の接続によって取付けが可能となる。加えて、装飾部材の反意匠面側に位置する金具に取付け、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。また、遮蔽部材の上部は、装飾部材によって室内側が覆われ、その取付け状態が露出しないので、前記遮蔽部材の見栄えがよくなる。よって、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、請求項1に係るシェード昇降装置においては、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠に取付けられる装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠内に取付けられる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材とを具備するものである。
【0014】
したがって、窓枠開口内に配設された昇降機構は、室内側窓枠または室内側壁面に取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用する構成となっているので、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠内で外気温度の影響を遮断し、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。特に、遮蔽部材の上部は、装飾部材の反意匠面側とし、前記室内面を装飾面として前記遮蔽部材の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。故に、装飾部材が装飾取付手段と共に構成されているので、前記遮蔽部材の上部を取付ける手段として種々選択でき、堅固に見栄えのよい取付けが容易になる。
【0015】
よって、遮蔽部材と室内側窓枠または室内側壁面との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構の取付状態を問われることがない。
【0016】
請求項2のシェード昇降装置は、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形された装飾部材と、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠内に位置し、室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠との間にあって、前記装飾部材を前記窓枠に接続する金具とを具備するものである。
【0017】
したがって、装飾部材の反意匠面側に、昇降機構及び遮蔽部材を取付けておき、装飾部材の反意匠面側を金具によって窓枠または壁面に取付ければ、施工が完了するから、取付作業性がよい。また、窓枠の室内側に金具を介して取付けた遮蔽部材の垂下方向に対し、昇降紐の下端を下部に取付けられているので、少なくとも、本来の遮蔽部材の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠と遮蔽部材の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材と窓枠との間に隙間が生じないので、窓枠内で外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、前記装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構の取付け状態を問われることがない。
【0018】
よって、遮蔽部材と室内側の窓枠との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構及びその機構取付手段やその取付状態を問われることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態のシェード昇降装置について説明する。ここで、各実施の形態において、同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものである。
実施の形態1
【0020】
図1は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の断面図であり、図2は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置のバルーンタイプのローマンシェードに使用したもので、窓枠外を覆った場合の説明図(a)、本発明の実施の形態1のシェード昇降装置のフラットタイプのローマンシェードに使用したもので、窓枠外を覆った場合の説明図(b)である。また、図3は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【0021】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、ローマンシェードとして使用されるものであり、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。ガラス戸3等が窓枠1に配設されている。木の窓枠1にはアルミサッシ、鉄サッシ等の金属サッシを設けることもあるし、直接、木の窓枠1を使用することなしにサッシ等を施工する場合もあるし、棚板を設けることもある。本発明を実施する場合には、基本的に、何れも使用態様が同じであるから、ここでは、それらを区別することなく、木の窓枠1を前提に説明する。そして、窓枠開口とは、光が透過される空間領域を意味する。
【0022】
また、室内側窓枠は窓枠1の室内側の面を含む領域であり、室内側壁面は室内側の窓枠1付近の壁面を意味する。
昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設されるもので、公知のシェード等からなる遮蔽部材20の昇降装置等である。この昇降機構10は窓枠1の内側上面に配設される。その取付けは、公知の四角枠型またはL字状の取付具11(図10の70参照)によって取付けられている。なお、この実施の形態の遮蔽部材20が窓枠1の室内面側に配設され、昇降機構10は窓枠1内の上部内側面に取付けられ、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、昇降を行うものであり、基本的に、バルーンタイプ及びフラットタイプのローマンシェードは同じである。なお、遮蔽部材20の使用形態としては、ここでは、両者に共通するローマンシェードとして説明する。
【0023】
また、遮蔽部材20の下端には、昇降機構10に一端を固着された昇降紐12の他端側が固着されている。この昇降紐12は、通常、遮蔽部材20の幅、20〜50cm程度の間隔で複数本配置される。昇降紐12の下端から昇降機構10までの間は、遮蔽部材20の随所に複数のリング13bが配設されていて、そこを昇降紐12が挿通されている。したがって、複数のリング13bが一体となって順次開放または閉鎖される。なお、本実施例で使用した複数のリング13は、図10に示すように、リングテープ13(図示せず)として、布テープ13a(図示せず)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものである。
【0024】
遮蔽部材20の上端は、窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けられる。部材取付手段40は金属帯41に複数繰り返し連続して釘足42を突出させるべく溶接したもので、釘足42が室内方向を向くように、窓枠1に木ネジ43で金属帯41を固着するものである。なお、この実施の形態の遮蔽部材20は、昇降紐12の一端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けたものである。このように、遮蔽部材20の上部を、窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けたものであるから、洗濯の際には、遮蔽部材20のみを取外すことにより、単一の材質となり、好ましい、クリーニングが可能となる。
【0025】
本実施の形態の装飾部材30は、合成樹脂製からなり、窓枠サイズまたは窓枠サイズより長く成形されたものである。室内側の装飾面となる意匠面31側は硬質合成樹脂からなり、意匠面31には木目模様または装飾模様が直接印刷または印刷紙等を貼着することにより形成されている。勿論、無模様であってもよい。反意匠面32側の段部33を形成した部材取付手段40の釘足42が当接する箇所は、軟質合成樹脂で形成されている。したがって、装飾部材30の取付状態で部材取付手段40の釘足42が、反意匠面32側の段部33の軟質合成樹脂に食込んだ状態で取付けられるようになっている。装飾部材30は複数本の化粧ボルト34によって、窓枠1に取付けられている。この実施の形態の装飾部材30は、遮蔽部材20の上端の室内面を装飾面である意匠面31で覆うものであればよい。なお、図示していないが、装飾部材30は合成樹脂を押出成型したもので、端部のみを射出成形品の部材を接合して一体化したものである。
【0026】
また、本実施の形態の装飾部材30は、合成樹脂製からなり、窓枠サイズまたは窓枠サイズより長く成形したものであるが、本発明を実施する場合には、合成樹脂製に限定されるものではなく、木材または竹、皮革、芯地を用いて形成した長尺状の装飾体とすることもできる。芯地を用いて形成した長尺状の装飾部材30は、遮蔽部材20と同一のものまたは色違いのものを使用すると好適である。
ここで、複数本の化粧ボルト34は、本発明の実施の形態の装飾部材30の装飾取付手段を構成している。なお、この化粧ボルト34についても、本発明を実施する場合には、他にネジを化粧ネジで覆うものであってもよい。
【0027】
また、公知の四角枠型またはL字状の取付具11は、本発明の実施の形態の機構取付手段を構成している。
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40を介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31で覆う装飾部材30とを具備するものである。
【0028】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40を介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0029】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40を設けるものであるから、図2(a)及び(b)に示す形態が好適である。
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0030】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0031】
更に、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30によって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30によって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0032】
したがって、装飾部材30の裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
また、遮蔽部材20が部材取付手段40と分離が容易であるから、洗濯の際には遮蔽部材20のみを単独で洗濯することができ、糸等が部材取付手段40に纏わり付くことがない。
【0033】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面または窓枠1が突出しておれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態2
【0034】
図4は本発明の実施の形態2のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0035】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
装飾部材30Aは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズと同一または窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Aの反意匠面32aに形成した段部33aには、永久磁石39aが埋設されている。段部33aは窓枠1の上部との係合用の突部34aとなっている。
【0036】
ステンレス製の部材取付手段40Aは蝶番状のもので、軸41aを中心に回動する対向面42aには無数の先鋭な突起43aが切り起こしによって形成されており、遮蔽部材20の上端は対向する面の無数の先鋭な突起43aが食い込むことによって把持される。この蝶番状の部材取付手段40Aで、蔽部材20の上端を把持した状態で、窓枠1の所定の位置に仮止めし、位置が決定されたところで、木ネジ44aまたは釘によって蝶番状の部材取付手段40Aが開口しないようにし、窓枠1に取付ける。取付けが完了したときに、装飾部材30Aの永久磁石39aで部材取付手段40Aに吸着させ、装飾部材30Aを窓枠1に固着する。
【0037】
したがって、部材取付手段40Aに遮蔽部材20の上端を把持させた状態で、両者を一体化でき、必要によって、蝶番状の部材取付手段40Aを開口させれば、分離可能である。部材取付手段40Aと遮蔽部材20の接合は、通常状態では、容易に離れないようになっている。
ここで、永久磁石39aは、本発明の実施の形態の装飾部材30Aの装飾取付手段を構成している。また、蝶番状の部材取付手段40Aは、木ネジ44aまたは釘または接着剤等の固着手段と共に本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0038】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Aを介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31aで覆う装飾部材30Aとを具備するものである。
【0039】
したがって、窓枠開口内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Aを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させることがない。
特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Aを設けるものであるから、図2(a)及び(b)に示す形態が好適である。
【0040】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
【0041】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、図2(a)及び(b)に示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。また、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Aによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0042】
また、本実施の形態の装飾部材30は、実施の形態1と同様に構成するものとすることができる。
【0043】
したがって、装飾部材30Aの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、昇降機構10の取付け状態を問われることがない。故に、装飾部材30Aの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0044】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Aによって覆われるので、前記遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
実施の形態3
【0045】
図5は本発明の実施の形態3のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0046】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0047】
装飾部材30Bは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズまたは窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Bには金属薄帯からなるインサート36bが埋設されていて、装飾部材30Bの意匠面31b側が温度によって変形し難く、かつ、係合凹部37bに通して係合する係合頭部35bbとが安定した状態で係合可能となるようにしている。装飾部材30Bの反意匠面32b側に形成した段部33bには、接着剤で接合した一方の接着布38bが配設されている。
【0048】
木の窓枠1には係合ピン35bが打ち込まれている。この係合ピン35bの係合頭部35bbは、前述したように、係合凹部37bに通して係合する部位であり、係合凹部37bと係合頭部35bbとの係合によって、装飾部材30Bが窓枠1に取付けられる。
【0049】
遮蔽部材20の上端は、装飾部材30Bの反意匠面側の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Bによって取付けられる。部材取付手段40Bは装飾部材30Bの反意匠面32b側に接着剤で接合した接着布38bと、遮蔽部材20の上端に縫着した接着布22によって一体に接合される。
【0050】
したがって、装飾部材30Bの取付状態で部材取付手段40Bの接着布38bと、遮蔽部材20の上端に縫着した接着布22によって一体に接合され、係合凹部37bと係合頭部35bbとの係合によって、両装飾部材30Bの接着布38bと遮蔽部材20の接着布22は、容易に離れないようになっている。この実施の形態の装飾部材30Bは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31bで覆うものであればよい。
【0051】
ここで、金属薄帯からなるインサート36b、係合凹部37b及び係合凹部37bに係合する係合頭部35bbを有する係合ピン35bは、本発明の実施の形態の装飾部材30Bの装飾取付手段を構成している。また、両装飾部材30Bの接着布38bと遮蔽部材20の接着布22は、本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0052】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に配設された昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、窓枠1の室内側に配置させた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上部を反意匠面32b側に遮蔽部材20の上部を分離及び一体化自在な接着布38b及び接着布22からなる部材取付手段40Bを介して取付け、室内面を意匠面31bとして遮蔽部材20の上端を覆う装飾部材30Bとを具備するものである。
【0053】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側の部材取付手段40Bを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1の閉じた空間で外気温度の影響を遮断し、それが室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0054】
また、必要に応じて、遮蔽部材20で窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Bによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Bの反意匠面32b側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Bを介して取付け、室内面を装飾した意匠面31bとして遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。
【0055】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Bを設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0056】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0057】
また、そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Bによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0058】
このように、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、室内と室外とが遮蔽部材20で遮断されるので、防犯に対して有効であり、また、プライバシーも維持できる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく、前述の効果を奏することができる。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Cによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。
【0059】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。故に、装飾部材30Bの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態4
【0060】
図6は本発明の実施の形態4のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0061】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0062】
装飾部材30Cは硬質合成樹脂からなり、通常、窓枠サイズまたは窓枠サイズより若干長く成形されている。装飾部材30Cには突出部51が一体に形成されていて、装飾部材30Cを窓枠1に木ネジ52または釘で固定できるようになっている。ここで、装飾部材30Cの反意匠面32c側に位置する突出部51と木ネジ52は本実施の形態の装飾取付手段50を構成している。
【0063】
遮蔽部材20の上端は、窓枠1内に配設された昇降機構10またはその室内側の機構取付手段14に取付けられる。図6の実施の形態においては、昇降機構10をその長さ方向に延びる室内側の取付具14aと室外側の取付具14bによって取付けられている。室内側の取付具14aと室外側の取付具14bとは、対称形状(同一形状)を呈しており、木ネジ15で窓枠1の上面に取付けられている。なお、室内側の取付具14aが突出する場合には、装飾部材30Cがそれを吸収できる凹部を形成している。
【0064】
図6の実施の形態においては、昇降機構10をその長さ方向に固定している室内側の取付具14aの室内側に、接着剤で接合した接着布16が設けられている。また、遮蔽部材20の上端にも接着布23が縫着されている。これら接着布16と接着布23は本実施の形態の部材取付手段40Cを構成している。
【0065】
したがって、装飾部材30Cの取付状態に関係なく、取付具14aの室内側の接着布16と遮蔽部材20の上端の接着布23が一体に接合され、取付具14aの接着布16と遮蔽部材20の接着布23は、容易に離れないようになっている。装飾部材30Cは、両接着布16と接着布23による接合された遮蔽部材20の上端が露出するのを防いでいる。なお、この実施の形態の装飾部材30Cは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31cで覆うものであればよい。
【0066】
なお、上記昇降機構10をその長さ方向に延びる室内側の取付具14aと室外側の取付具14bは、本発明を実施する場合の機構取付手段14を構成する。
【0067】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内に機構取付手段14で配設された昇降機構10と、昇降紐12の他端を下部に取付け、窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に取付けた遮蔽部材20と、室内面を意匠面31cとして遮蔽部材20の上部を覆う装飾部材30Cとを具備し、装飾部材30Cの反意匠面32c側に位置する突出部51と木ネジ52からなる装飾取付手段50で前記装飾部材30Cを取付けるものである。
【0068】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材10の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1に外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0069】
また、窓枠1の内側を完全に塞ぐことができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0070】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の内側に入れたものでは、窓枠1の内側の全体に対して、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。特に、この実施の形態は、窓枠1内に部材取付手段40Cを設けるものであるから、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0071】
また、遮蔽部材20の上端は、最後に窓枠1に取付ける装飾部材30Cによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Cの反意匠面31c側に位置する突出部51を木ネジ52を用いて固定できる簡単な装飾取付手段50を介して取付け、室内面を装飾面として遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。したがって、装飾部材30Cの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態5
【0072】
図7は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。また、図8は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の部材取付手段を示す要部正面図である。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0073】
図において、本実施の形態のシェード昇降装置は、コンクリートまたは土壁等の壁2に埋め込んだ木の窓枠1が形成されている場合の事例である。この実施の形態の窓枠1内に配設された昇降機構10は、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりすることによって、遮蔽部材20の昇降を行うものであればよく、基本的構成は実施の形態1と相違するものではない。
【0074】
本実施の形態のブラケット60は、窓枠1の上面位置から室内側の壁面方向に並行するように略L字形に折曲し、かつ、更に、昇降機構10を取付けるように他端もL字状に折曲したものである。このブラケット60は、窓枠1に2〜5箇所設置してもよいし、窓枠1の内面寸法の長さとして1個配設するようにしてもよい。ブラケット60の窓枠1の室内側の位置には、窓枠1との間に3〜10mmの距離をクランク状に設けた上部に位置する切り起した起立片61及び下部に位置する起立片62を有している。また、窓枠1の上側の下面から下方に突出し、その先端で昇降機構10の下部を保持するように係合部63を有している。窓枠1の下面に密着する取付部64は、木ネジ65aでブラケット60を窓枠1の下面に取付けるようになっており、また、窓枠1の室内側の面にも木ネジ65b,65cでブラケット60を窓枠1の室内側の面に取付けるようになっている。また、先端で昇降機構10の下部を保持する係合部63の反対側は、先端で昇降機構10の下部を保持する係合部63の反対側を保持する係合部66を有する補助支持片67が、木ネジ65aで窓枠1の上側の下面に取付けられることにより昇降機構10が窓枠1の上側の下面に固着される。
【0075】
図8に示す遮蔽部材20の部材取付手段40Dは、2枚のステンレス板からなり、当該ステンレス板の両方の取付板40AD,40BDに共通する複数の取付孔46が穿設されている。この複数の取付孔46は、両方の取付板40AD,40BDを、取付板40ADに穿設したネジ穴47aにネジ47を螺合することにより一体に固着するものである。取付板40ADには複数列条(図示では2条)に、各略三角形状に切り起した起立片48が形成されている。取付板40BDには取付板40ADの起立片48に対応した嵌合口49が形成されている。嵌合口49は起立片48の先端部分が挿入可能になっている。
【0076】
取付板40ADには複数列条の略三角形状に切り起した起立片48と取付板40BDの嵌合口49によって、遮蔽部材20の上部を挟み、ネジ穴47aにネジ47を螺合することにより一体に固着する。
【0077】
装飾部材30Dは、合成樹脂製で窓枠サイズより長く成形されたものである。室内側の装飾面となる意匠面31d側は硬質合成樹脂からなり、反意匠面32d側の段部33dを形成し、また、当該段部33dの上端には、ブラケット60の起立片61を収容する嵌合部34dを形成している。当該嵌合部34dは起立片61を収容することにより、装飾部材30Dの下端が浮き上がることのないように密に嵌合する形態を有している。勿論、下側に形成された起立片62を使用して、装飾部材30Dの下端が浮き上がることのないようしてもよい。段部33dは、起立片61及び起立片62を収容できる厚みだけ、段差を形成している。この実施の形態の装飾部材30Dは、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31dで覆うものであればよい。
【0078】
ここで、ブラケット60の起立片61と、それを収容する嵌合部34dは、本発明の実施の形態の装飾部材30Dの装飾取付手段を構成している。また、2枚のステンレス板からなる取付板40AD及び取付板40BDは、本発明の実施の形態の部材取付手段40Dを構成している。そして、昇降機構10を保持する係合部63を有する取付部64及び係合部66を有する補助支持片67は、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成する。なお、実施の形態によって、ブラケット60は、装飾取付手段、機構取付手段、部材取付手段の1以上が同一部品となり得るものである。
【0079】
このように構成された遮蔽部材20の上部に取付けられた部材取付手段40Dは、ブラケット60のクランク状に設けた起立片62に複数の取付孔46を挿入することによって窓枠1の室内側の面に取付けたブラケット60に取付ける。ブラケット60には、その起立片61に装飾部材30Dの嵌合部34dを嵌め込み取付けを行う。なお、必要に応じて、起立片62も取付けに用いてもよい。
【0080】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置は、窓枠1の上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲したブラケット60と、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする窓枠1内のブラケット60に取付けた昇降機構10と、昇降紐12の他端を下部に取付け、上部をブラケット60の室内側に分離及び一体化自在な部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20と、遮蔽部材20の上端の室内面を意匠面31dで覆うブラケット60の室内側に取付けた装飾部材30Dとを具備するものである。
【0081】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにできるから、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものに使用するのが好適である。
【0082】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0083】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0084】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0085】
そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Dによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。故に、装飾部材30Dの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0086】
本実施の形態のシェード昇降装置は、少なくとも、窓枠1の内側上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲形成され、窓枠1に取付けられるブラケット60と、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、反意匠面32d側でブラケット60に取付けられ、ブラケット60の室内側端部を意匠面31dで覆う装飾部材30Dと、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして昇降紐12の下端の昇降を行うと共に、装飾部材30Dの反意匠面32d側でブラケット60に接続され、窓枠1内に位置する昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、昇降機構10よりも室内側に配置され、室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が装飾部材30Dの意匠面31dで覆われる遮蔽部材20とを具備するものである。
【0087】
したがって、窓枠1内のブラケット60を介して配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用する構成となっているから、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、窓枠1内で外気温度の影響を遮断し、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠開口部との間に隙間が生じないので、室内側窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、装飾部材30Dによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。特に、遮蔽部材20の上部は、装飾部材30Dの反意匠面32d側に位置するブラケット60に取付け、前記室内面を装飾面として遮蔽部材20の上端を覆うものであるから、組み付けが容易である。
【0088】
よって、装飾部材30Dが遮蔽部材20の上部に取付けるものであり、かつ、その取付け手段が種々選択でき、堅固に見栄えのよい取付けが容易になり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよい。
【0089】
ところで、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態6
【0090】
図9は本発明の実施の形態6のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0091】
窓枠1内の複数箇所にL字状の金具70(詳しくは図10参照)が配設されている。このL字状の金具70は本実施の形態の昇降機構10を取付ける機構取付手段を構成するものである。装飾部材30Eの反意匠面側には、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段(詳しくは図10の82参照)によって、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10に取付けられている。勿論、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段を使用することなく、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に取付けてもよい。しかし、一対の金具80からなる装飾取付手段を使用することにより、窓枠1の窓側に配置することができる。なお、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に螺子で止めた場合には、当該螺子が装飾取付手段を構成する。
【0092】
装飾部材30Eの反意匠面側の下部には、接着布39が接合配設されている。また、遮蔽部材20の上部には、接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は部材取付手段40Dを構成している。
【0093】
遮蔽部材20の窓側面には、リングテープ13(図示せず)として、布テープ13a(図示せず)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものを縫着している。したがって、昇降機構10から下降する昇降紐12は、複数のリング13bを介して窓側方向に力を与える配置となっている。
【0094】
なお、昇降機構10を保持するL字状の金具70は、装飾部材30Eを取付ける機能を有することから、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成している。また、L字状の金具70は、装飾部材30Eを保持することを前提とすれば、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、実施の形態によっては、装飾取付手段と機構取付手段が同一部品となることを示すものである。
【0095】
この実施の形態のシェード昇降装置は、まず、装飾部材30Eの反意匠面(裏面)側の下部に接着布39を接合しておく。そして、装飾部材30Eの反意匠側に、一対の金具80からなる機構取付手段を用いて昇降機構10を取付ける。また、装飾部材30Eの下部に接着布39には、部材取付手段40Dの接着布22を接合する。このように組付けたものの昇降機構10を予め窓枠1に取付けておいたL字状の金具70に取付ける。
【0096】
このように、窓枠1内にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、反意匠面側に配設したL字状の金具70からなる装飾取付手段によって昇降機構10に取付けることにより、昇降機構10を意匠面で覆う装飾部材30Eと、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Eの反意匠面側に分離及び一体化自在な接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0097】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10の昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0098】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにしている。
【0099】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0100】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0101】
また、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Eによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。したがって、装飾部材30Eの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態7
【0102】
図10は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の部品展開図、図11は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を示す平面図(a)、背面から見た正面図(b)、底面図(c)、右側面図(d)、左側面図(e)である。また、図12は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を窓側から見た斜視図である。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0103】
窓枠1内の複数箇所にL字状の金具70が配設されている。L字状の金具70は、図11に示すように、スプリングで弾性力を付与された移動部材71に配設された爪によって、昇降機構10のケーシング(カーテンレール)を係合するように構成されている。端部72を押圧することにより、移動部材71に配設された爪は昇降機構10のケーシングとの係合を解除し、昇降機構10をL字状の金具70から取外すことができる構造となっている。なお、窓枠1内に取付けられたL字状の金具70の厚みにより、窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生する。
【0104】
昇降機構10の一端には、端部封止材10Aが挿着され、昇降機構10の開口側に止め金具10Bとの間を、ボルト10Cで締め付けることにより装着状態を維持するようになっている。昇降機構10の他端には、紐側端部封止材10Hが挿着され、昇降機構10の開口側に止め金具10Jとの間を、ナット10Kとボルト10Lで締め付けることにより装着状態を堅固に維持するようになっている。この紐側端部封止材10Hでは、複数本の引き紐が交差することのないようにまとめている。
【0105】
そして、昇降機構10の複数箇所には、昇降機構10から垂下する紐を分岐する紐搬送部材10Dが配置され、それが、昇降機構10の開口側に止め金具10Eとの間を、ナット10Fとボルト10Gで締め付けることにより装着状態を堅固に維持するようになっている。
【0106】
装飾部材30Fの反意匠面側の下部には、接着布39が接合配設されている。また、遮蔽部材20の上部には、接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は本発明の実施の形態の部材取付手段を構成している。
【0107】
また、装飾部材30Fの反意匠面側には、昇降機構10の下部に取付けられるU字状の開口を設けた単数または複数の下部取付具82が固着されている。そして、昇降機構10の上部に当接し、単数または複数の下部取付具82と共に昇降機構10を保持する単数または複数の上部取付具81が固着されている。
【0108】
これらの下部取付具82と上部取付具81は、次のように組付けが行われる。
【0109】
窓枠1に取付けた昇降機構10に対して、L字状の金具70の厚みにより窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するから、そこに、上部取付具81を挿入し、昇降機構10の上面に密着させる。同時に、下部取付具82が昇降機構10の下面に密着される。ここで、昇降機構10の複数箇所に下部取付具82が配置され、それが、昇降機構10の開口側にナット82aとボルト82bで締め付けることにより堅固に固着される。なお、昇降機構10を取付けるL字状の金具70は、図示の逆方向(垂直線に対して対称方向)の配設とすることもできる。
【0110】
このように構成される実施の形態のシェード昇降装置は、次のように組付けられる。
【0111】
まず、窓枠1内の適当な位置の複数箇所に、L字状の金具70を配設する。
【0112】
昇降機構10の複数箇所に垂下する紐を分岐する紐搬送部材10Dが取付けられ、また、端部には端部封止材10Aが装着され、他端には紐側端部封止材10Hが装着され、紐側端部封止材10Hから複数本の引き紐が交差することのないようにまとめられる。
【0113】
また、装飾部材30Fの反意匠面側には、単数または複数のL字状の下部取付具82を固着し、同様に、単数または複数の上部取付具81を固着する。
【0114】
そして、装飾部材30Fの反意匠面側の下部には接着布39を接合する。遮蔽部材20の上部に接着布22を縫着しておき、その遮蔽部材20の上部の接着布22を装飾部材30Fの下部の接着布39に接合する。このとき、遮蔽部材20は窓枠1内に配設する場合には、窓枠1の下上面に軽く当接する長さとする接合位置とする。特に、遮蔽部材20の下端に錘をつけたものでは、その錘の荷重を計算した長さの接合位置とする。この接着布39と接着布22の接合位置により、遮蔽部材20を窓枠1内に配設する場合の長さを任意に設定することができる。
【0115】
装飾部材30Fの反意匠面側にL字状の下部取付具82、上部取付具81を固着し、遮蔽部材20の上部の接着布22を装飾部材30Fの下部の接着布39に接合した状態で、窓枠1に取付けた昇降機構10はL字状の金具70の厚みによって窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するから、そこに、上部取付具81を挿入し、昇降機構10の上面に密着させ、下部取付具82を昇降機構10の下面に密着させる。そして、昇降機構10の複数箇所に下部取付具82が配置され、それが、昇降機構10の開口側にナット82aとボルト82bで締め付けることにより堅固に昇降機構10に固着される。したがって、比較的簡易(ワンタッチ)に取付が可能となる。昇降機構10の取外しは、端部72をドライバー等で押圧することにより、移動部材71に配設された爪は昇降機構10のケーシングとの係合を解除し、昇降機構10をL字状の金具70から取外すことができる。
【0116】
このように、本実施の形態のシェード昇降装置おいては、室内面を意匠面で覆う反意匠面側に壁面または窓枠に間接的に(昇降機構10を介して)取付ける装飾部材30Fの反意匠面側に配設したL字状の下部取付具82、上部取付具81からなる装飾取付手段を有する装飾部材30Fと、装飾部材30Fの反意匠面側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって取付けられた昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Fの背面に接着布39と接着布22からなる部材接続手段を取り付けられた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0117】
したがって、窓枠1内に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に部材取付手段を介して取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。例えば、図2(a)に示すように、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにできるから、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものに使用するのが好適である。
【0118】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0119】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の外側に出したものでは、窓枠1の外側の全体に広がり、窓枠1の外側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を発生させないようにすることができる。特に、この実施の形態は、窓枠1の室内側に部材取付手段を設けるものであるから、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがなく好適である。
【0120】
このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、遮蔽部材20の下端に錘をつけたものでは、その錘が窓枠1に衝突しないように荷重を計算した長さの接合位置とすることができる。この接着布39と接着布22の相対的接合位置により、遮蔽部材20を窓枠1内に配設する場合の長さを任意に設定することができる。
【0121】
そして、遮蔽部材20の上端及び窓枠1に取付けた昇降機構10は、L字状の金具70の厚みによって窓枠1と昇降機構10との間に隙間が発生するが、最後に取付ける装飾部材30Fによって覆われるので、見栄えがよくなる。故に、装飾部材30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
【0122】
更に、本実施の形態では、遮蔽部材20を窓枠1の上部室内側に配設する説明をしたが、本発明を実施する場合には、窓枠1と壁面が同一平面であれば、窓枠1の左右に延ばした壁位置まで、遮蔽部材20を施工することができる。
実施の形態8
【0123】
図13は本発明の実施の形態8のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0124】
窓枠1の室内側の面に複数箇所にL字状の金具70(詳しくは図10参照)が配設されている。このL字状の金具70は本実施の形態の昇降機構10を取付ける機構取付手段を構成するものである。装飾部材30Eの反意匠面側には、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段(詳しくは図10の82参照)によって、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と一体に取付けられている、この装飾取付手段はコ字状金具とすることもできる。勿論、一対のL字状の金具80からなる装飾取付手段を使用することなく、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に取付けてもよい。なお、直接、昇降機構10を装飾部材30Eの反意匠面側に螺子で止めた場合には、当該螺子が装飾取付手段を構成する。
【0125】
装飾部材30Eの反意匠面側の下部には、接着布39がホッチキスの針またはネジ、釘等により接合される。また、遮蔽部材20の上部には、接着布39と接合及び分離自在な接着布22が縫着されている。これら、接着布39と接着布22は部材取付手段40Dを構成している。
【0126】
遮蔽部材20の窓側面には、リングテープ13(図12参照)として、布テープ13a(図12参照)の10〜30cm程度の間隔に複数のリング13bを配設したものを縫着している。したがって、昇降機構10から下降する昇降紐12は、複数のリング13b、特に、最上位置のリング13bを介して窓側方向に力を与える配置となっている。
【0127】
なお、昇降機構10を保持するL字状の金具70は、装飾部材30Eを取付ける機能を有することから、本発明を実施する場合の機構取付手段を構成している。また、同一のL字状の金具70は、装飾部材30Eを保持することを前提とすれば、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、実施の形態によっては、装飾取付手段と機構取付手段が同一部品となることを示すものである。
【0128】
この実施の形態のシェード昇降装置のL字状の金具70からなる機構取付手段は、窓枠1の室内側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設されているが、本発明を実施する場合、機構取付手段の取り付け箇所は、窓枠1の室内側のみではなく、窓枠1の室内側に位置する面側、即ち、壁面等の装飾面とすることができる。
【0129】
この実施の形態のシェード昇降装置は、まず、装飾部材30Eの反意匠面(裏面)側の下部に接着布39を接合し、装飾部材30Eの反意匠側に、一対の金具80からなる機構取付手段を用いて昇降機構10を取付ける。また、装飾部材30Eの接着布39には、部材取付手段40Dの接着布22を接合する。このように組付けたものの昇降機構10を、予め窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面に取付けたL字状の金具70に取付ける。
【0130】
このように、窓枠1の室内側の面側にL字状の金具70からなる機構取付手段によって配設され、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構10と、反意匠面側に配設したL字状の金具70からなる装飾取付手段によって昇降機構10を取付けることにより、昇降機構10を意匠面で覆う装飾部材30Eと、昇降紐12の下端を下部に取付け、上部を窓枠1に配設した昇降機構10の室内側に配置した装飾部材30Eの反意匠面側に分離及び一体化自在な接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dを介して取付けた遮蔽部材20とを具備するものである。
【0131】
したがって、窓枠1の室内側の面側に配設された昇降機構10は、窓枠1の室内側に取付けた遮蔽部材20の下部に昇降紐12の下端を取付けているので、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも昇降機構10に取付けた昇降紐12が関与するだけ、窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまる。仮に、遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠1方向にベクトル力が作用しない条件であったとしても、取付位置の垂下方向となり、室内から見て、見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。
【0132】
予め窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面に取付けたL字状の金具70の場合であっても、同様に取付けることができる。この場合には、窓枠1の室内面と遮蔽部材20との間に間隔が生じざるを得ない。しかし、窓枠1の室内側の面または室内側の壁面等の内面から装飾部材30Eの反意匠面側の距離までの距離を極力短くすること、接着布39と接着布22からなる部材取付手段40Dにより、窓枠1の室内面と遮蔽部材20との間の間隔を極力少なくすることができる。
【0133】
また、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1の開口部との間に隙間が生じないので、室内側の窓枠1または室内側壁面に対して平面的であるので、室内が広くなり、室内から見ても見栄えがよく、窓枠平面に不自然な意匠性を表象することがない。そして、窓枠1の開口部を完全に覆い得ることができ、防犯に好適であり、プライバシーが維持できる。
【0134】
例えば、図2(a)及び(b)に示すように、遮蔽部材20を窓枠1の室内側に出したものとなるから、遮蔽部材20は窓枠1の全体に広がり、窓枠1の室内側の全体を覆って、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間を極力少なくすることができる。このように、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内の空気が外気温度の影響を遮断し、かつ、室内の対流に関与しなくなるから、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。
【0135】
また、図2(a)及び(b)示すものでは、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、遮蔽部材20の上端は、最後に取付ける装飾部材30Eによって覆われるので、遮蔽部材20の上端の見栄えがよくなる。したがって、装飾部材30Eの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構10の取付け状態を問われることがない。
実施の形態9
【0136】
図14は本発明の実施の形態9のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1及び図13の断面図に相当する。特に、本実施の形態は、基本的構成を図13の実施の形態と同一とし、L字状の金具90とコ字状金具95は、装飾部材30Eを保持することを前提とするものであるから、本発明を実施する場合の装飾取付手段を構成する。即ち、この実施の形態は、図13の実施の形態と違い、装飾取付手段と機構取付手段が別部品となることを示すものである。
【0137】
なお、図中の上記実施の形態と同一符号または同一記号は同一または相当する構成部分を示すものであるから、特に相違点の説明のみを行い、説明のない事項は前述の実施の形態と同一または近似する機能部分である。
【0138】
図14において、L字状の金具90は、板金を切曲加工または鋳込みにより形成したもので、一方の面には、装飾部材30Eに木螺子等で螺子止めする螺子孔91が複数穿設されている。また、コ字状金具95は板金を切曲加工または鋳込みにより形成したもので、窓枠1の下面に取付けられる。具体的には、その両側平面を木螺子等で螺子止めする螺子孔96が、両側平面に複数穿設されている。本実施の形態では、螺子孔96を長円孔として、木螺子による取付け作業性を良くしている。両側平面に挟まれた中央段部は、L字状の金具90の他方の面を挿入する空間を窓枠1と共に形成するものである。窓枠1にコ字状金具95が取付けられた状態で、L字状の金具90の他方の面を挿入すると、装飾部材30Eを窓枠1に取付けることができる。このとき、装飾部材30Eの長さ、重さ、形状、材質等によって、窓枠1にコ字状金具95を1個乃至5個程度取付けられ、それに相当するL字状の金具90の数が装飾部材30Eに取付けられる。
【0139】
なお、窓枠1にコ字状金具95が取付けられた状態で、L字状の金具90の他方の面を挿入すれば、装飾部材30Eを窓枠1に取付けることができる。しかし、装飾部材30Eを堅固に窓枠1に取り付けるために、コ字状金具95には離脱防止ビス孔97が設けられており、そこにビスを螺合して、L字状の金具90が抜け出さないように固着している。
【0140】
本実施の形態のシェード昇降装置は、少なくとも、窓枠1の内側上面位置から室内側の壁面方向に並行するように折曲形成され、窓枠1に取付けられる金具70と、窓枠横幅サイズまたは窓枠横幅サイズより若干長く成形され、反意匠面側で金具70に取付けられ、金具70の室内側端部を意匠面で覆う装飾部材30E,30Fと、昇降紐12の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして昇降紐12の下端の昇降を行うと共に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側で金具70と接続され、窓枠1内に位置する昇降機構10と、昇降紐12の下端を下部に取付け、昇降機構10よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が装飾部材30E,30Fの意匠面で覆われる遮蔽部材20とを具備するものである。
【0141】
したがって、昇降機構10を取付けた金具70に対して、装飾部材30E,30Fの反意匠面側で取付けを行い、更に、装飾部材30E,30Fの反意匠面側に遮蔽部材20を取付けるものであるから、装飾部材30E,30Fに遮蔽部材20を取付けておき、それを窓枠開口内に昇降機構10を配設した金具70に取付けるだけで完成するから、取付作業性がよい。また、室内側窓枠に取付けた遮蔽部材20の垂下方向に対し、昇降紐12の下端を下部に取付けられているので、少なくとも、本来の遮蔽部材20の垂下方向よりも窓枠方向にベクトル力が作用し、窓枠1と遮蔽部材20の下部とが自然にまとまり、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、窓枠1内で外気温度の影響を遮断し、室内の対流に関与しなくなり、室内の空調機器の熱効率をよくすることができる。また、窓枠1を完全に覆い得ることができ、遮蔽部材20と窓枠1との間に隙間が生じないので、室内から見ても見栄えがよく、不自然な意匠性を表象することがない。そして、装飾部材30E,30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構10の取付手段、その状態を問われることがない。更に、装飾部材30E,30Fを窓枠1に取付ける金具は、装飾部材30E,30Fと窓枠1に接続した一対の金具70としたものであるから、一対の金具70の結合によって容易に取付けができる。
【0142】
よって、遮蔽部材30E,30Fと室内側の窓枠1との間に隙間が生じないように完全に覆い得ることができ、室内から見ても見栄えがよく、かつ、室内が広く見える。また、室内と室外の遮光が完全になるから、防犯に好適であり、かつ、プライバシーが守られる。更に、装飾部材30E,30Fの裏面で遮蔽部材20の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点からみても、昇降機構10及びその機構取付手段14やその取付状態を問われることがない。
【0143】
ところで、上記各実施の形態で説明した装飾取付手段、部材取付手段、機構取付手段は、互いに特定の実施例にのみ実現できるものではなく、本発明を実施する場合には、相互に組み合わせて使用することができる。
【0144】
また、上記各実施の形態で説明したように、本発明を実施する場合には、装飾部材の裏面で遮蔽部材の取付位置の調整を行うことができるから、その高さ調節が容易であり、かつ、見栄えの点から昇降機構の取付手段、その状態を問われることがない。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】図1は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の窓枠外を覆った場合の説明図(a)、本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の窓枠開口内を覆った場合の説明図(b)である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態2のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図5】図5は本発明の実施の形態3のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図6】図6は本発明の実施の形態4のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図7】図7は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す拡大断面図で、図3の拡大断面図に相当する。
【図8】図8は本発明の実施の形態5のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付手段を示す要部正面図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態6のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。
【図10】図10は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の部品展開図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を示す平面図(a)、背面(窓側)からみた正面図(b)、底面図(c)、右側面図(d)、左側面図(e)である。
【図12】図12は本発明の実施の形態7のシェード昇降装置の取付状態を窓側から見た斜視図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態8のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図1の断面図に相当する。
【図14】図14は本発明の実施の形態9のシェード昇降装置の遮蔽部材の取付状態を示す断面図で、図13の断面図に相当する。
【符号の説明】
【0146】
1 窓枠
10 昇降機構
12 昇降紐
14 機構取付手段
20 遮蔽部材
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F 装飾部材
31,31a,31b,31c,31d 意匠面
40,40A,40B,40C,40D 部材取付手段
50 装飾取付手段
60 ブラケット
70 金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠の室内側の面側に取付けられる金属板からなる装飾部材と、
昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が取付けられる昇降機構と、
前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と
を具備することを特徴とするシェード昇降装置。
【請求項2】
窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形された合成樹脂、木材、竹、皮革、金属板の何れかからなる装飾部材と、
昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内側にその全体が位置し、前記室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、
前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも前記室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、
前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内との間にあって、一方を前記装飾部材の反意匠面側に、他方を前記窓枠内の複数個所に各々配設する前記装飾部材とを接続する一対の金具と
を具備することを特徴とするシェード昇降装置。
【請求項1】
窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形され、前記窓枠の室内側の面側に取付けられる金属板からなる装飾部材と、
昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側の前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内にその全体が取付けられる昇降機構と、
前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と
を具備することを特徴とするシェード昇降装置。
【請求項2】
窓枠横幅サイズに形成され、または前記窓枠横幅サイズより若干長く成形された合成樹脂、木材、竹、皮革、金属板の何れかからなる装飾部材と、
昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりして前記昇降紐の下端の昇降を行うと共に、前記装飾部材の反意匠面側に取付けられ、前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内側にその全体が位置し、前記室内側が前記装飾部材の意匠面で覆われる昇降機構と、
前記昇降紐の下端を下部に取付け、前記昇降機構よりも前記室内側に配置され、前記室内と室外との視覚を遮断すると共に、前記装飾部材の反意匠面側に上部が取付けられ、かつ、該上部が前記装飾部材の意匠面で覆われる遮蔽部材と、
前記装飾部材の反意匠面側と前記窓枠の室内側の面よりも窓枠内との間にあって、一方を前記装飾部材の反意匠面側に、他方を前記窓枠内の複数個所に各々配設する前記装飾部材とを接続する一対の金具と
を具備することを特徴とするシェード昇降装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−175519(P2007−175519A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45169(P2007−45169)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【分割の表示】特願2004−156498(P2004−156498)の分割
【原出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【出願人】(500540121)株式会社イマイ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【分割の表示】特願2004−156498(P2004−156498)の分割
【原出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【出願人】(500540121)株式会社イマイ (5)
【Fターム(参考)】
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