説明

シェービング用かみそり及びカートリッジ

【課題】ラッチ位置にある時に、ハンドル連結構造体がカートリッジ連結構造体から引っ込むことを阻止する。
【解決手段】カートリッジ12連結構造体は、ハンドル14受入れ領域への連結部入口とハンドル受入れ領域の中へ延びる突出部とを有し、突出部が、連結部入口とは反対方向を向く阻止面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能なカートリッジを有するシェービング用かみそりと、そのようなかみそり用のカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
シェービングシステムは、ハンドル及び交換可能なカートリッジからなることが多く、カートリッジ中には、1枚以上のブレードが、プラスチックハウジングの中に装着されている。カートリッジ内のブレードが使用のために鈍くなった後で、カートリッジは廃棄されて、ハンドル上に新しいカートリッジが置き換えられる。幾つかのシェービングシステムでは、カートリッジのハンドルへの連結部が、カートリッジのハンドルに対する旋回取付けをもたらしており、その結果、カートリッジの角度が、剃られている表面の形状に追従するように調整される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのようなシステムでは、カートリッジは、カートリッジハウジング上のカム表面に当てられてハンドル上に担持された、ばねで偏倚されるプランジャー(カムフォロワー)の作用によって、静止位置向きに偏倚することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一態様において、一般に、ブレードユニットと、ブレードユニットをハンドルに連結するためのカートリッジ連結構造体とが含まれる、交換可能なかみそり用ブレードカートリッジを特徴とする。カートリッジ連結構造体は、ハンドル受入れ領域を部分的に画定し且つハンドルのハンドル連結構造体上の外向き表面と噛み合う、内向き表面を有する。カートリッジ連結構造体は又、ハンドル受入れ領域への連結部入口と、ハンドル受入れ領域の中へ延びる突出部とを有する。突出部は、連結部入口とは反対方向を向く阻止面を有して、ハンドル連結構造体をカートリッジ連結構造体上に保持する。カートリッジ連結構造体には、ブレードユニットを旋回するように受け入れるシェル軸受構造を持つブレードユニット受入れ部分も含まれる。
【0005】
本発明のある実施例は、次の特徴の1つ又はより多くを包含する。ある実施例では、カートリッジ連結構造体に、阻止面が付いた突出部を有するラッチ部材が含まれ、これは、ラッチ位置にある時に、ハンドル連結構造体がカートリッジ連結構造体から引っ込むことを阻止し、及びラッチ解除位置にある時に、ハンドル連結構造体がカートリッジ連結構造体から引っ込むことを可能にする。ラッチ部材には、初期位置から撓み位置まで移動可能な係合構造部が含まれて、係合構造部が初期位置から撓み位置まで移動する時に、阻止面が、ラッチ位置からラッチ解除位置まで移動してもよい。ハンドルのハンドル連結構造体は、ハンドルから延びることができるエゼクターを有してもよく、及び係合構造部が、エゼクターと整列してもよい。カートリッジ連結構造体には、例えばばね体が曲がり部分を有するなどの、ばね復帰体が含まれてもよい。
【0006】
別の態様において、本発明は、一般に、既に説明したようなカートリッジとカートリッジに連結されたハンドルとが含まれる、シェービング用かみそりを特徴とする。
【0007】
別の態様では、本発明は、一般に、既に説明したような交換可能なシェービング用カートリッジをハンドルに連結する、及びカートリッジをハンドルから解き放つラッチ部材の移動によってカートリッジをハンドルから連結解除する方法を特徴とする。
【0008】
本発明の実施形態は、以下の利点の1つ以上を包含してもよい。ラッチ部材を使用すると、カートリッジが、使用中に意図しない脱離の可能性がほとんどなく、確実にハンドルに取付け可能になる。加えて、カートリッジは、交換を望まれる時、小さな力でハンドルから解放及び取去りが可能である。
【0009】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図及び以下の説明に示す。本発明の他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1及び2を参照して、シェービング用かみそり10には、使い捨てのカートリッジ12及びハンドル14が含まれる。図2に示すように、カートリッジ12には、カートリッジ12をハンドル14の連結部分19に取外し可能に連結する連結部材18と、連結部材18に対して旋回するように連結されたブレードユニット16とが含まれる。任意に、カートリッジには、ブレードユニット16上に取り付けられたシェービングエイドホルダー30が含まれてもよい。シェービングエイドホルダー30については、本出願と同日付で出願された「シェービング用かみそり及びカートリッジ」という名称の米国特許出願シリアル番号10/969,373にて説明されている。図1を参照して、ブレードユニット16には、プラスチックハウジング20、ハウジング20の前部にガード22、及びガード22とハウジング20の後部との間にブレード28が含まれる。
【0011】
ブレードユニット16は、米国特許第5,661,907号に記載されるブレードユニットと類似であり、その開示全体を参考として本明細書に組み入れる。ハンドル14は、米国特許第5,855,071号、第5,956,851号、及び第6,052,903号に記載されるものと類似であり、その開示全体を参考として本明細書に組み入れる。ブレードユニット16をハンドル14に連結するのに使用される連結部材18については、以下で説明する。
【0012】
図1及び2を参照して、上で説明したように、かみそり10には、使い捨てのカートリッジ12及びハンドル14が含まれる。図2に示すように、カートリッジ12には、カートリッジ12をハンドル14の連結部分19に取外し可能に連結する連結部材18と、連結部材18に対して旋回するように連結されたブレードユニット16とが含まれる。
【0013】
連結部材18が、図3〜3Aにて詳細に示される。連結部材18には、ハンドル14上の延長部126(図6)に取外し可能かつ固定的に取り付けられる基部127と、図5に示されるようにその2つの側面でブレードユニット16を旋回するように支持する2つのアーム128とが含まれる。したがって、以下で更に詳細に説明されるように、基部127が、ハンドル14の連結部分19に連結され、一方、アーム128が、ブレードユニット16に連結される。可撓性のばね復帰体145が、基部127から延び、及びブレードユニット16上のカム表面に対して作用して、ブレードユニット16を前方に偏倚した静止向きとする。図2に示すように、ばね復帰体には、基部127の成形を容易にする曲り部200が含まれる。
【0014】
まず、図3〜5を参照して、アーム128のブレードユニット16への連結を説明する。
【0015】
最初に図4Aを参照して、ブレードユニットのハウジング20の底部に、延長部134、136が配置されている。延長部134、136は、曲り表面420、440をそれぞれ有する、内向きに延びた対向する曲面状レール138、141を支える。ハウジング20の下面460、480が、同様の曲面であって、米国特許第4,488,357号、第4,498,235号、第4,492,025号、第4,573,266号、第4,586,255号、第4,756,082号にて詳細に記載されるように、延長部134、136と共に旋回連結構造を提供しており、これらの特許を参考として本明細書に組み入れる。
【0016】
曲面状レール138、141は、ハウジング20の下面460、480とあいまって、連結部材18のアーム128(図3)を受け入れるように適合された、弧状スロット98、100を画定する。アーム128は、下面460、480に係合する、シェル軸受面を画定する。このように、アーム128すなわち「シェル軸受」は、表面460、480と協働して、ブレード組立体のかみそりハンドル14への旋回連結を助ける。この噛み合い係合を、本明細書において「シェル軸受連結」と呼ぶ。
【0017】
レール138、141の上面とハウジングの下面460、480は、旋回軸線の周りに曲率半径を有しており、旋回軸線は、例えばブレードユニットの第二のブレード201(図4)の切断エッジに位置してもよい。延長部134、136の曲面420、440も、同様に旋回軸線周りで曲線状である。これらの相補的な表面によってなされる旋回移動のためのすきまを提供するために、シェービングエイドホルダー30には、切り取り区域(図示せず)が含まれる。
【0018】
シェル軸受は、米国特許第5,661,907号に記載されるように、前向き旋回停止位置及び後ろ向き旋回停止位置を提供する、停止面(図示せず)を有する。シェル軸受は又、曲線状下面460、480上にそれぞれ形成された停止面135、137(図4A)と噛み合う窪み(図示せず)を有し、後ろ向き旋回停止位置を補完して、更なる「下向き」移動を防ぐ。
【0019】
図4を参照して、ハウジング20の底部に、カム表面250が形成されている。表面250は、2つの反対側に傾斜する同一サイズの表面と、カム表面250の前部と後部の間の中間点に位置する頂点とを有する。カム表面250は、シェービング中にブレードユニットが前向き及び後ろ向きに同程度旋回することを可能にしており、及びばね体145を受け入れてカートリッジを全回転例えば40から45度までの弧の範囲内で偏倚させるように適合されている。
【0020】
ここで、図3〜3A及び6〜8を参照して、ハンドル14の連結部分19に対する基部127の連結を説明する。
【0021】
図3A及び7を参照して、基部127は、内向き表面134により部分的に画定されるハンドル受入れ領域132を有する。連結部入口136(図7)が、ハンドル受入れ領域132へのアクセスを提供する。内向き表面134が、ハンドル14の延長部126上の外向き表面138(図8)と噛み合う。基部127は又、ハンドル14上の角度付き表面142を受け入れるための角度付き窪み領域140を有する。
【0022】
図3A及び8を参照して、基部127は、基部の底壁246に形成されたラッチ部材244を有する。ラッチ部材244は、片持ちビーム構造を有し、及び基部領域248において底壁246に連結されている。ラッチ部材244は、米国特許第5,956,851号に記載されるように、係合部材154の自由端部において外向き(すなわち、図7の連結軸線76に沿って左方への)成分を有する力をかけられると旋回する傾向があり、その特許を上記の参考として組み入れる。底壁246は又、ラッチ部材44の旋回を推進するための溝256を有する。
【0023】
2つの突出部158(図3A及び7)が、ハンドル14の延長部126の下面に形成された凹部160(図8)と相互作用するために、ラッチ部材244から上向きに延びる。各突出部158は、前阻止面162と、上面164と、角度付き導入面166とを有しており、導入面が、連結軸線76と約45度の角度をなして、延長部126が、基部127への連結及びこれからの引込み中にこれに沿って移動する。他の角度、例えば30〜60度の間を使用することも可能である。凹部160も同様に、突出部158の前阻止面162と相互作用するための前面168と、上面164及び導入面166をそれぞれ受け入れるための上面170及び後ろ角度付き面172を有する。突出部158の前阻止面162は、連結軸線76と約90度の角度を作る。
【0024】
ハンドル14に対するカートリッジ12の連結及び連結解除中のハンドル14及びカートリッジ12の構成要素の相互作用は、米国特許第5,956,851号にて更に詳細に説明されており、その開示を上記の参考として組み入れる。手短に言えば、ハンドル14の延長部126がハンドル受入れ領域132の中へ移動される時、延長部126の傾斜面90(図8)が、導入面166に乗り上げる。このことが、ラッチ部材244及び特にその上の突出部158を、連結軸線76及び挿入方向に対して実質的に垂直な撓み軸線に沿って、下向きに移動させる。
【0025】
傾斜面90が突出部158を過ぎて前進し、及びラッチ部材244がラッチ位置まで移動して突出部158が延長部126の凹部160の中へスナップ留めされた時、カートリッジ12は、ハンドル14にしっかりと取り付けられて、使用中の無意図的な脱離の可能性はほとんどない。その取り付けは、ハンドル14上の表面168(図8)とカートリッジ12上の阻止面162(図7)との干渉のために、特に確実である。その2つの連結を解くためには延長部126が基部127に相対的にそれに沿って移動を要する軸線76に対して、表面162及び168は、実質的に垂直である。したがって、ラッチ部材244が最初にラッチを解かれない場合、カートリッジ12をハンドル14から連結解除するためには、軸線76に沿って非常に大きな力を及ぼす必要がある。
【0026】
ハンドル14の連結部分19が、図6〜6B及び8にて詳細に示される。図6を参照して、カートリッジ支持構造体142が、ハンドル14の端部から延びる。カートリッジ支持構造体142には、上で説明された台形延長部126と、カートリッジ12のハンドル14からの排出をもたらす構成要素群とが含まれる。
【0027】
ばね偏倚プランジャー144と、ばね146と、U形状イジェクト148とが、カートリッジ支持構造体142の窪み149に受け入れられている。イジェクトボタン150が、支持構造体142の上面の開口部152に受け入れられ、及びイジェクト148の後部の細い部分における方形領域内156に受け入れられた底延長部154を有する。これらの構成要素については、米国特許第5,855,071号にて詳細に説明されており、その開示が上記の参考として組み入れられた。イジェクト148は、ハンドル14のハンドル連結構造体内の窪みの中に摺動可能に取り付けられ、及びハンドル14上のボタン150を動かすことにより、わずかに前進することができる。
【0028】
ユーザーがカートリッジ12をハンドル14から連結解除することを望む時、ボタン150が、延長部126に相対的にラッチを解く方向へ移動され、このことが、イジェクト148を軸線76に沿って排出方向へ移動させる。イジェクト148(図8)が、係合部材154を外向きに押して、ラッチ部材244が基部領域248にて曲がる時、突出部158を下向きに移動させる。この下向き移動により、突出部158が凹部160をから離れて、延長部126がラッチ部材244から解き放たれ、その結果、延長部126が、基部127に相対的に引込み方向へ移動する。次に、新しいカートリッジが、上で説明されたように、ハンドルの連結部分19をハンドル受入れ領域132に挿入することによって、ハンドル上に取り付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態によるかみそりのヘッド及び首部分の斜視図。
【図1A】図1に示されるヘッド及び首部分の、後ろから見た斜視図。
【図2】図1のかみそりの分解斜視図。
【図3】図1に示されるかみそりにおいてカートリッジをハンドルに連結するのに使用される連結部材の、異なる角度から見た斜視図。
【図3A】図1に示されるかみそりにおいてカートリッジをハンドルに連結するのに使用される連結部材の、異なる角度から見た斜視図。
【図4】図1に示されるかみそりのブレードユニットの斜視図。
【図4A】図1に示されるかみそりのブレードユニットの端面図。
【図5】図3及び3Aに示される連結部材によってハンドルに連結された図4及び4Aのブレードユニットの、後ろから見た斜視図。
【図6】図2に示されるハンドルの上端部におけるハンドル連結構造体の分解図。
【図6A】図2に示されるハンドルの上端部におけるハンドル連結構造体の平面図。
【図6B】図2に示されるハンドルの上端部におけるハンドル連結構造体の側面図。
【図7】図3〜3Aに示される連結部材の後ろ部分の断面図。
【図8】図6〜6Aに示されるハンドル連結構造体の対応する部分の、図6Aの線8−8における断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なかみそり用ブレードカートリッジであって、
ブレードユニットと、
前記ブレードユニットをハンドルに連結するためのカートリッジ連結構造体とを備え、
前記カートリッジ連結構造体は、ハンドル受入れ領域を部分的に画定し且つ前記ハンドルのハンドル連結構造体上の外向き表面と噛み合う、内向き表面を有し、
前記カートリッジ連結構造体は、前記ハンドル受入れ領域への連結部入口と前記ハンドル受入れ領域の中へ延びる突出部とを有し、前記突出部が、前記連結部入口とは反対方向を向く阻止面を有して、前記ハンドル連結構造体を前記カートリッジ連結構造体上に保持し、
前記カートリッジ連結構造体は又、前記ブレードユニットを旋回するように受け入れるシェル軸受構造を持つブレードユニット受入れ部分を有する、交換可能なかみそり用ブレードカートリッジ。
【請求項2】
前記阻止面は、ラッチ位置にある時に、前記ハンドル連結構造体が前記カートリッジ連結構造体から引っ込むことを阻止し、ラッチ解除位置にある時に、前記ハンドル連結構造体が前記カートリッジ連結構造体から引っ込むことを可能にするものである、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
初期位置から撓み位置まで移動可能な係合構造部が含まれるラッチ部材を更に含み、前記係合構造部が、前記初期位置から前記撓み位置まで移動する時に、前記阻止面が、前記ラッチ位置から前記ラッチ解除位置まで移動する、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ハンドルの前記ハンドル連結構造体が、前記ハンドルから延びることができるエゼクターを有し、前記係合構造部が、前記エゼクターと整列する、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ連結構造体が、前記ブレードユニットを前記カートリッジ連結構造体に対して偏倚させるためのばね復帰体を含む、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ばね復帰体が曲り部分を含む、請求項5記載のカートリッジ。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196489(P2012−196489A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132234(P2012−132234)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2007−537925(P2007−537925)の分割
【原出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)