説明

シクロアルキルアミノ−ヒダントイン化合物およびβ−セクレターゼ調節のためのその使用

本発明は、式Iの2−アミノ−5−シクロアルキル−ヒダントイン化合物を提供し、本発明はまた、β−セクレターゼ(BACE)の阻害をよびβアミロイド沈着および神経変性障害の処置のための方法および組成物を提供する。本発明はまた、β−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置のためのシクロアルキルアミノ−ヒダントイン化合物の使用に関する。本発明の化合物は、特に、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害を処置するために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、シクロアルキルアミノ−ヒダントイン化合物およびβ−セクレターゼ(BACE)を調節(そして好ましくは、阻害)するため、そしてβ−アミロイド沈着および神経原線維変化を処置するためにそれらを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
β−アミロイド沈着および神経原線維変化は、アルツハイマー病(AD)に関連した2つの主要な病理学的特徴である。臨床的に、ADは、記憶、認識、推理、判断および見当識の喪失によって特徴付けられる。この疾患が進行するにつれて、複数の認識機能の全般的な障害が起こるまで、運動能力、知覚能力、および言語能力もまた影響される。これらの認識の喪失は徐々に生じるが、代表的には4〜12年の間に深刻な障害が起こり、結果として死に至る。
【0003】
アミロイド生成(amyloidogenic)斑および血管アミロイド血管障害はまた、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害を有する患者の脳を特徴付ける。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害においても生じる。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害を含む他の神経変性障害においても生じる(非特許文献1)。
【0004】
β−アミロイド沈着は、主に、Aβペプチド(換言するとアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解である)の凝集である。より具体的には、Aβペプチドは、1つ以上のγ−セクレターゼによるC末端におけるAPPの切断、およびβ−セクレターゼ酵素(BACE)によるN末端におけるAPPの切断から生じ、そのβ−セクレターゼはまた、β−アミロイド生成経路の一部としてのアスパルチルプロテアーゼとして公知である。
【0005】
BACE活性は、APPからのAβペプチドの産生に直接的に相関し(非特許文献2)、そして研究は、ますます、BACEの阻害がAβペプチドの産生を阻害することを示す(非特許文献3)。
【非特許文献1】Varghese,J.ら、Journal of Medicinal Chemistry、2003年、第46巻、p.4625−4630
【非特許文献2】Sinhaら、Nature、1999年、第402巻、p.537−540
【非特許文献3】Roberds,S.L.ら、Human Molecular Genetics、2001年、第10巻、p.1317−1324
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、β−セクレターゼのインヒビターであり、そして患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルによって特徴付けられる疾患または障害の処置、予防または改善において治療剤として有用である化合物を提供することが、本発明の目的である。
【0007】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルによって特徴付けられる疾患または障害の処置、予防または改善に有用な治療方法および薬学的組成物を提供することが、本発明の別の目的である。
【0008】
提供される化合物がまた、β−セクレターゼ酵素をさらに研究し、そしてそれを解明するのに有用であり得ることは、本発明の特徴である。
【0009】
本発明のこれらの目的および他の目的は、以下に示される詳細な説明によってさらに明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、式I:
【0011】
【化2】

の化合物、あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Aは、シクロアルキルであり;
Wは、CO、CSまたはCHであり;
、R、およびRは、各々独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル(cycloheteroalkyl)基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
、R、およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR、COR、CO、CONR、NR、NRCOR、NRSO10、SONRもしくはSO10または各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基であるか、あるいは隣接する炭素原子に結合されている場合、RおよびRまたはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
nは、0、1、または2であり;
は、各出現において独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
およびRは、各出現において各々独立して、H、OR、COR、COまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;そして
10は、各出現において独立して、各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物を提供する。
【0012】
本発明はまた、β−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置のためのシクロアルキルアミノ−ヒダントイン化合物の使用に関する。本発明の化合物は、特に、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害を処置するために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
アルツハイマー病(AD)は、脳の重大な変性疾患であり、これは、臨床的に、記憶、認知、推理、判断および情動安定性の進行的な喪失を示し、徐々に、深い痴呆および死に至る。ADの正確な原因は知られていないが、この疾患の病因において、アミロイドベータペプチド(A−ベータ)が中心的な役割を果たすという証拠が増えている(D.B.Schenk;R.E.Rydelら、Journal of Medicinal Chemistry,1995,21,4141およびD.J.Selkoe,Physiology Review,2001,81,741)。ADに罹患した患者は、特徴的な神経病理学的マーカー(例えば、神経突起プラーク)(およびβ−アミロイド血管症においては、脳血管における沈着)だけでなく、解剖において脳で検出される神経原線維変化を示す。A−ベータは、ADの脳における神経突起プラークの主成分である。それに加えて、β−アミロイド沈着および血管β−アミロイド血管症はまた、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血、ならびに他の神経変性および痴呆誘発障害に罹患した患者の特徴である。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の過剰発現、APPのA−ベータへの変化した開裂または患者の脳からのA−ベータのクリアランスの減少は、脳における可溶形状または繊維形状のA−ベータのレベルを高め得る。β−部位APP開裂酵素BACE1(これはまた、メマプシン−2またはAsp−2とも呼ばれる)は、1999に確認された(R.Vassar,B.D.Bennettら、Nature,1999,402,537)。BACE1は、膜結合アスパラギン酸プロテアーゼであり、これは、β−セクレターゼの全ての公知の特性および特徴を備えている。BACE1またはβ−セクレターゼの低分子量である非ペプチドの非基質関連インヒビターは、β−セクレターゼ酵素の研究を助けるものおよび潜在的な治療剤の両方として、熱心に探求されている。
【0014】
驚くべきことに、現在、式Iの2−アミノ−5−シクロアルキル−ヒダントイン化合物がβ−セクレターゼの阻害およびBACE1の選択的阻害を示すことが見出された。有利なことに、上記シクロアルキル−ヒダントイン化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を処置、予防または改善するのに有効な治療剤として、使用され得る。従って、本発明は、式I:
【0015】
【化3】

の2−アミノ−5−シクロアルキル−ヒダントイン化合物あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Aは、シクロアルキルであり;
Wは、CO、CSまたはCHであり;
、R、およびRは、各々独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
、R、およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR、COR、CO、CONR、NR、NRCOR、NRSO10、SONRもしくはSO10または各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基であるか、あるいは隣接する炭素原子に結合されている場合、RおよびRまたはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
nは、0、1、または2であり;
は、各出現において独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
およびRは、各出現において各々独立して、H、OR、COR、COまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;そして
10は、各出現において独立して、各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物を提供する。
【0016】
特許請求の範囲は全ての可能な立体異性体、互変異性体、およびプロドラッグを包含することが、理解される。さらに、特にに示されない限り、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、必要に応じて置換されていることが企図される。
【0017】
1つの実施形態において、Rは、アルキル、アルコキシまたはハロアルコキシである。好ましいハロアルコキシ基は、OCFおよびOCHFである。
【0018】
Aは、単環式シクロアルキルまたは多環式シクロアルキルであり得る。
【0019】
1つの実施形態において、Aは、多環式であり得る。
【0020】
好ましい実施形態において、Aは、架橋多環式シクロアルキル基(例えば、ノルボルニルまたはアダマンチル)である。したがって、好ましいA構成成分は、式IIまたは式III:
【0021】
【化4】

のものであり、mは、1または2である。より好ましくは、Aは、アダマンチルである。
【0022】
他の実施形態において、Aは、単環式シクロアルキル基である。
【0023】
特定の実施形態において、Rは、CN、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシまたはシクロアルキルによって必要に応じて置換されたフェニルであり、好ましくはトリフルオロメチルによって必要に応じて置換されたフェニルである。
【0024】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、20個(例えば、3個〜12個)までの特定の数の炭素原子を有する環化したアルキル鎖(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル)をいい、それは、単一の環(単環式)であっても、一緒に縮合されているかまたは共有結合されている複数の環(スピロ環、縮合環、および架橋環を含む多環式、3個までの環)であってもよい。
【0025】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、N、OまたはSから選択される同じであっても異なっていてもよい1個、または2個のヘテロ原子を含み、そして必要に応じて、1つの二重結合を含む5員〜7員のシクロアルキル環系をいう。例示的なヘテロシクロアルキル環系は、以下:
【0026】
【化5】

の環であり、Xは、NR、OまたはSであり、そしてRは、Hまたは下に定義されるような任意の置換基である。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、特定の数の炭素原子を有する分枝鎖の飽和した脂肪族炭化水素基および直鎖の飽和した脂肪族炭化水素基の両方(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシルなど)を含む。用語「アルキル」は、不飽和の炭化水素基ならびに一飽和、二飽和および三飽和の炭化水素基(特に好ましくは、ハロゲン置換を有する)の両方をさらに含む。
【0028】
用語「アルケニル」とは、特定の数の炭素原子(例えば、2個〜6個)を有する不飽和の脂肪族炭化水素基または部分的に不飽和の脂肪族炭化水素基(例えば、エテニル、1−プロペニル、2,ブテニルなど)をいう。用語「アルケニル」は、不飽和の炭化水素基ならびに一飽和、二飽和および三飽和の炭化水素基(特に好ましくは、ハロゲン置換を有する)の両方をさらに含む。
【0029】
用語「アルキニル」とは、1つ以上の三重炭素−炭素結合を有するアルキルをいう。アルキニル基は、好ましくは、2個〜6個の炭素原子を含む。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、下に記載されるように、4個までの置換基によって置換され得る。
【0030】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、ヨウ素、および臭素をいう。
【0031】
用語「アリール」とは、20個までの炭素原子(例えば、6個〜20個の炭素原子)の芳香族炭素環式部分をいい、それは、単一の環(単環式)であっても、一緒に縮合されているかまたは共有結合されている複数の環(二環式、3個までの環)であってもよい。アリール部分の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニル、アセナフテニル、アセナフチレニルなどのような化学基が挙げられるが、これらに限定されない。用語「アリール」は、未置換の炭素環式基および1〜5個の置換を含む炭素環式基の両方をさらに含む。
【0032】
用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を組み込む5員〜7員の炭素含有芳香環をいう。このようなヘテロアリール環系としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズイソオキサゾリル(benzisoxazolyl)などが挙げられる。
【0033】
必要に応じて置換されている部分は、1種以上の置換基によって置換され得る。必要に応じて存在する置換基は、それらの構造/活性、存続、吸収、安定性または他の有利な特性に影響を及ぼすために、薬学的化合物の開発またはこのような化合物の改変において通例使用される1種以上の置換基であり得る。このような置換基の具体的な例としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、チオシアナト基、シアナト基、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル(suphinyl)基、アルキルスルホニル基、カルバモイル基、アルキルアミド基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール)基またはシクロアルキル基が挙げられる。
【0034】
任意の置換基は、例えば、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ))、ハロゲン、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヘテロアリール(例えば、フリル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、カルバモイル、カルボキシル、アルコキシカルボニルなどであり得る(好ましくは、ハロゲン原子または低級アルキル基、低級アルコキシ基または低級ハロアルコキシ基であり得、ここで「低級」は、1個〜4個の炭素原子を示す)。代表的に、0〜4個の置換基が、存在し得る。
【0035】
任意の上述の置換基がアルキル置換基を示すかまたは含む場合、これは、直線状であっても分枝状であってもよく、そして12個までの炭素原子、好ましくは6個までの炭素原子、より好ましくは4個までの炭素原子を含み得る。
【0036】
本発明の化合物は、当該分野で認識された手順を使用して塩(特に、薬学的に受容可能な塩)に変換され得る。塩基を用いた適切な塩は、例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩またはマグネシウム塩)、またはアンモニアもしくは有機アミン(例えば、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル−tert−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンまたはジメチルプロピルアミン)、あるいはモノ−、ジ−、またはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン))を用いた塩である。内部塩(internal salt)が、さらに形成され得る。薬学的使用に不適切であるが、(例えば、遊離の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の単離または精製のために)使用され得る塩も、含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、本発明の化合物が塩基性部分を含む場合、無機酸および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸(camphorsulfonic acid))から誘導される塩、ならびに類似の公知の受容可能な塩をいう。塩はまた、本発明の化合物がカルボン酸部分またはフェノール部分を含む場合、有機塩基および無機塩基から形成され得る(好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、リチウム、またはカリウム))か、あるいは塩基付加塩を形成し得る類似の部分から形成され得る。
【0037】
本発明の化合物は、1種以上の互変異性体として存在し得る。当業者は、式Iの化合物もまた下に示されるような互変異性体として存在し得ることを認識する。
【0038】
【化6】

互変異性体は、しばしば、互いに平衡で存在する。これらの互変異性体は環境条件下および生理学的条件下で相互変換するので、それらは、同じ有用な生物学的効果を提供する。本発明は、このような互変異性体の混合物、ならびに式Iおよび式Itの個々の互変異性体を含む。
【0039】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を含み得、そして本発明の化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含み得、したがって光学異性体およびジアステレオマーを生じ得る。式Iにおいて立体化学を考慮しないで示される一方で、本発明は、このような光学異性体およびジアステレオマー;ならびにラセミ体ならびに分離された、鏡像異性的に純粋なR立体異性体およびS立体異性体;ならびにR立体異性体とS立体異性体との他の混合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩を含む。立体異性体が好ましい場合、それは、いくつかの実施形態において、対応する鏡像異性体を実質的に含まずに提供され得る。したがって、対応する鏡像異性体を実質的に含まない鏡像異性体とは、分離技術によって単離または分離されるか、あるいは対応する鏡像異性体を含まずに調製される化合物をいう。本明細書中で使用される場合、「実質的に含まない」は、化合物が著しく大きい割合(好ましくは、約50%未満、より好ましくは、約75%未満、およびさらにより好ましくは、約90%未満)の1つの立体異性体から構成されることを意味する。
【0040】
本発明の好ましい化合物は、WがCOである式Iの化合物である。RおよびRが各々独立してHまたはアルキルである式Iの化合物もまた、好ましい。好ましい化合物の別の群は、RがORである式Iの化合物である。好ましい化合物のさらに別の群は、Rがアルキルである式Iの化合物である。
【0041】
本発明のより好ましい化合物は、WがCOであり、そしてAがアダマンチルである式Iの化合物である。より好ましい化合物の別の群は、WがCOであり;Aがアダマンチルであり;そしてRおよびRがHである式Iの化合物である。より好ましい化合物のさらなる群は、WがCOであり;Aがアダマンチルであり;そしてRがジフルオロメトキシである式Iの化合物である。.
式Iの好ましい化合物としては、いかが挙げられる:
(5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3−エチル−4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−2,3−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ヘキサヒドロ−2,5−メタノペンタレン(methanopentalen)−3a(1H)−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(3’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−[3−(3−フリル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−4−カルボニトリル;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−4−カルボニトリル;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’,4’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(3,5−ジフルオロベンジル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−シクロヘキシル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2,2−ジエトキシエチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(2−フェニルエチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2−フルオロエチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−[2−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
N−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]−L−アスパラギン酸;
N−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]−D−アスパラギン酸;
トランス−4−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸;
6−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ヘキサン酸;
5−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ペンタン酸;
4−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ブタン酸;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(5−ジヒドロペンチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)プロピオン酸;
3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−2−メチルプロピオン酸;
2−アミノ−3−ベンジル−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−イソブチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−ヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3,5−ジシクロヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−ジヒドロブチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(シクロヘキシルメチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2−フリルメチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−ジヒドロフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(3−ジヒドロフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(チエン−2−イルメチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(2−チエン−2−イルエチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−[2−(4−ジヒドロフェニル)エチル]−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
[4−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]酢酸;
4−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]安息香酸;
5−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−2−ジヒドロ安息香酸;
エチル 3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゾエート;
5−シクロブチル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−(3−ベンジルフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(4−フルオロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(3−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(3,4−ジクロロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(4−フェノキシフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−(3−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(1,1’−ビフェニル−2−イル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(2,5−ジメチルフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(2−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(4−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロペンチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロヘキシルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
N−{3−[2−アミノ−4−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]フェニル}−2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メトキシプロパンアミド;
(2R)−N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシ−2−フェニルアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メチル−2−フルアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N〜1〜−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−N〜2〜,N〜2〜−ジメチルグリシンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−4−(ジメチルアミノ)ブタンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−メチルピペリジン−4−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−シクロプロピルアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フェノキシプロパンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2−メトキシフェニル)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フルアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(ベンジルオキシ)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3,4−ジメトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド;
(2E)−N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]ブタ−2−エンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]ブタンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(3−メトキシフェニル)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパンアミド;
あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
【0042】
本発明の化合物は、容易に入手可能な試薬および出発物質を利用する従来の方法を使用して調製され得る。本発明の化合物の調製に使用される試薬は、商業的に得られ得るか、または文献に記載される標準的な手順によって調製され得るかのいずれかである。本発明の代表的な化合物は、以下の合成スキームを使用して調製され得る。当業者は、それ自体が当該分野において周知であるこれらの反応順序の改変を使用する方法を理解する。例えば、WがCOであり、そしてRおよびRがHである式Iの化合物(Ia)は、流れ図Iに示される以下の合成スキームに従って調製され得る。
【0043】
(流れ図I)
【0044】
【化7】

流れ図Iにおいて、臭化ベンジル1または塩化ベンジル1は、トリフェニルホスフィン(phospine)および非極性溶媒(すなわち、トルエン)による処理の際に、ホスホニウム塩2へと変換される。そのホスホニウム塩2は、最初に、その後の酸クロリド3の添加に不利に影響しない溶媒(すなわち、トルエン、エーテル、テトラヒドロフラン)中で、塩基(すなわち、アルキルリチウム、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド)によって処理され、次いで産生されたアニオンは、対応するイリド4を生成するためにカルボン酸クロリド3によって処理される。上記酸クロリド3は、商業的に得られるか、または塩素化剤(例えば、塩化オキサリルまたは塩化チオニル)による処理の際に対応するカルボン酸から調製されるかのいずれかである。上記イリド4は、ジケトン5を提供するために、極性溶媒または非極性溶媒(すなわち、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトン)中で硫酸マグネシウムの存在下において過マンガン酸カリウムによって酸化する。極性溶媒(すなわち、エチルアルコール、ジオキサン、N,N−ジメチホルムアミド)中での無機塩基(すなわち、炭酸ナトリウム)の存在下における置換グアニジン8とジケトン5との縮合は、式Iaの所望の化合物を与える。
【0045】
あるいは、式Iaの化合物は、流れ図IIに示されるように調製され得、Etは、エチルを示し、そしてMeは、メチルを示す。
【0046】
(流れ図II)
【0047】
【化8】

流れ図IIにおいて、ベンズアルデヒド9は、シリル−エーテル10を生成するために非プロトン性溶媒(すなわち、トルエン)中の亜リン酸トリエチルおよびクロロトリメチルシランによって処理される。化合物10は、シリルオキシ(sililoxy)エーテル11を与えるために塩基(すなわち、リチウムジイソプロピルアミド)および酸クロリド3によって連続して処理される。水性無機塩基(すなわち、炭酸水素ナトリウム)におけるシリルオキシエーテルの加水分解は、アルコール12を与える。化合物12は、ジケトン5を生成するために二酸化マンガンによって酸化される。極性溶媒(すなわち、エチルアルコール、ジオキサンまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中での無機塩基(すなわち、炭酸ナトリウム)の存在下における上記ジケトンと上記置換グアニジン8との縮合は、式Iaの所望の化合物を与える。
【0048】
あるいは、式Iaの化合物は、流れ図IIIに示される合成スキームに従って調製され得る。
流れ図III
【0049】
【化9】

流れ図IIIにおいて、グリニャール試薬14は、インサイチュで生成され、そしてグリコール酸クロリド13と反応してジケトン5を与える。上記ジケトンは、流れ図IおよびIIにおいて上に記載されるように、式Iaの所望の化合物を提供するために置換グアニジン8と縮合される。
【0050】
WがCOであり;RおよびRがHであり;そしてRがアリールまたはヘテロアリールである式Iの化合物(Ib)は、流れ図IVに示される以下の合成スキームに従って調製され得、ここでHalは、Cl、BrまたはIを示す。
【0051】
(流れ図IV)
【0052】
【化10】

流れ図IVにおいて、ジケトン15は、ジケトン7を得るために、非極性溶媒もしくは極性溶媒(すなわち、トルエン、ジエトキシエチル エーテル、ジオキサン)における種々のPd(0)触媒もしくはPd(II)触媒(例えば、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、Pd(OAc)/トリ−o−トリルホスフィン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など)の存在下でのヘテロアリールボロン酸6もしくはアリールボロン酸6またはヘテロアリールトリアルキル/トリアリール錫6もしくはアリールトリアルキル/トリアリール錫6を用いたパラジウム触媒性クロスカップリング反応(Suzuki、Stille)において使用されるか、あるいは無機塩基(すなわち、炭酸カリウム)の存在下におけるSuzuki反応のために使用され、ここでRは、ヘテロアリール基またはアリール基である。流れ図Iに記載されるような上記置換グアニジン8とジケトン7との縮合は、式Ibの所望の化合物を与える。
【0053】
上記置換グアニジン8は、従来の反応(例えば、塩酸1−H−ピラゾール−1−カルボキサミドと第一級アミン(RNH)との反応)を使用して調製され得る。
【0054】
Aがアダマンチルであり;RおよびRがHであり;そしてRが置換フェニル基(Ic)である式Iの化合物は、流れ図Vに示されるように調製され得、ここでRは、1つ以上の任意の置換基を示す。
【0055】
(流れ図V)
【0056】
【化11】

流れ図Vにおいて、臭化ブロモベンジル16は、対応するグリニャール試薬を与えるためにマグネシウム(削り状)によって処理し、そのグリニャール試薬は、ケトン17を得るために1−塩化アダマントイル(adamantoyl)によってインサイチュで処理される。17とボロン酸18とのSuzukiカップリングは、ビフェニル化合物19をもたらす。ビフェニル19は、対応するジケトン20を与えるために二酸化セレンによって酸化される。流れ図Iにおいて上に記載されるようなジケトン20と置換グアニジン8との縮合は、式Icの所望の化合物を与える。
【0057】
WがCOであり;R、R、RおよびRがHであり;そしてRがシクロヘキシルまたはシクロペンチルである式Iの化合物(Id)は、流れ図VIにおいて示されるように調製され得、ここでmは、1または2である。
【0058】
(流れ図VI)
【0059】
【化12】

流れ図VIにおいて、塩化ブロモフェニルアセチル22は、ケトン24を与えるために、インサイチュで生成されたグリニャール試薬23と反応される。上記ケトンとシクロペンテンまたはシクロヘキセンとのHeckカップリングは、化合物25を提供する。化合物25の水素添加、その後の二酸化セレンによる酸化は、ジケトン26を与える。化合物26と置換グアニジン8との縮合は、式Idの所望の化合物をもたらす。
【0060】
WがCOでありそしてRおよびRがHである式Iの化合物(Ia)はまた、流れ図VIIに示される合成スキームに従って調製され得る。
【0061】
(流れ図VII)
【0062】
【化13】

流れ図VIIにおいて、シクロアルキルアルデヒド27は、アルキン28を与えるために、KCOおよびメタノールの存在下でジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネートと反応される。化合物28は、化合物30を与えるために置換ハロベンゼン29とカップリングされる。化合物30は、ジケトン5を与えるためにNaHCO水溶液およびMgSO水溶液と反応され、次いでKMnOによって処理される。次いで上記ジケトンは、式Iaの所望の化合物を与えるために、上に記載されるようにグアニジン8と縮合される。
【0063】
WがCSである式Iの化合物(Ie)は、従来の手順(例えば、式Ieの所望の化合物を得るために式Iaの化合物と溶媒の存在下においてCSとを反応させること)を使用して容易に調製され得る。同様に、WがCHである式Iの化合物(If)は、式Ifの所望の化合物を得るために、式Iaの化合物と適切な還元試薬(例えば、SnCl)とを反応させることによって調製され得る。その反応は、流れ図VIIIに示される。
【0064】
(流れ図VIII)
【0065】
【化14】

およびRがH以外である式Iの化合物は、従来の手順(例えば、R1およびRがH以外である式Iの化合物を与えるために、式Ia、式Ieまたは式Ifの化合物とアルキル化剤(例えば、アルキルハライド)とを反応させること)を使用することによって容易に調製され得る。1当量または2当量以上のいずれかの上記アルキル化剤を使用することによって、RがH以外であり;そしてRがHである式Iの化合物またはRおよびRがH以外である式Iの化合物が、得られ得る。
【0066】
有利には、式Iの化合物は、アルツハイマー病、21トミソリー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害などの疾患に関連したβ−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置または予防のためにBACEインヒビターとして作用する。したがって、本発明は、BACEを調節するための方法ならびにアルツハイマー病、21トミソリー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害などの疾患および障害に関連したβ−アミロイド沈着および神経原線維変化を処置、予防、または改善するための方法を提供する。このような方法は、一般に、上記疾患または障害に罹患していると推定されるかあるいは上記疾患または障害に陥り易い患者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する。また、本発明に従って、ヒトまたは他の哺乳動物においてアルツハイマー病および関連する老年痴呆を処置する方法が、提供され、その方法は、ヒトまたは他の哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを包含する。
【0067】
本発明はまた、BACEの活性を調節(そして好ましくは、阻害)するための方法を提供し、その方法は、患者に有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を投与すること、および/またはBACEのレセプターと有効量の少なくとも1種の式Iの化合物とを接触させることを包含する。特定の方法は、上記接触させることの前または後のいずれかにおいてBACE活性を決定することをさらに包含する。
【0068】
本発明はまた、哺乳動物においてβ−アミロイド沈着を改善する方法を提供し、その方法は、その哺乳動物に有効量の式Iの少なくとも1種の化合物を投与することを包含する。さらなる方法は、哺乳動物において神経原線維変化を改善し、そしてその方法は、その哺乳動物に有効量の式Iの少なくとも1種の化合物を投与することを包含する。
【0069】
また、哺乳動物においてアルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害の症状を改善する方法が、提供され、その方法は、その哺乳動物に有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を投与することを包含する。
【0070】
本発明に従って使用される場合、本発明によって網羅される化合物または物質の提供に関して、用語「提供すること」は、このような化合物または物質を直接投与すること、あるいは身体内で有効量の化合物もしくは物質を形成するプロドラッグ、誘導体、またはアナログを投与することのいずれかを意味する。本発明はまた、本明細書中に開示された疾患状態を処置するために本発明の化合物を提供すること網羅し、その化合物は、処置するために有用である。
【0071】
本明細書中で使用される場合、用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」とは、患者に化合物または組成物を直接投与すること、あるいは患者の身体内で対応量の活性化合物または活性物質を形成するその化合物のプロドラッグ誘導体またはアナログを投与することのいずれかをいう。
【0072】
本明細書中で使用される場合、用語「患者」とは、哺乳動物(好ましくは、ヒト)をいう。
【0073】
本明細書中で使用される場合、用語「有効量」、「治療有効量」および「有効投薬量」は、患者に投与される場合に、患者が罹患していると推定される状態を少なくとも部分的に改善(および、好ましい実施形態において、治癒)するのに有効である、化合物の量をいう。本発明の活性化合物の有効投薬量は、利用される特定の化合物、投与様式、処置される状態の状態およびその重篤度、ならびに処置される個体に関連した種々の身体的因子に依存して変動し得ることが、理解される。アルツハイマー病および他の関連する老年痴呆を処置するために、一般に、満足な結果は、本発明の化合物が体重1kgあたり約0.1mg〜約1mgの日用量で必要がある個体に投与される(好ましくは、1日あたり2回〜6回の分割用量または徐放形態で投与される)場合に得られ得る。ほとんどの大型哺乳動物に対して、総日用量は、約3.5mg〜約140mg、好ましくは、約3.5mg〜約5mgである。70kgのヒト成人の場合において、総日用量は、一般に、約7mg〜約70mgであり、そして最適な治療結果を提供するように調整され得る。このレジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。
【0074】
本発明はまた、有効量の式Iの化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物を提供する。
【0075】
本明細書中で使用される場合、用語「キャリア」は、キャリア、賦形剤、および希釈剤を包含する。キャリアの例は、当業者に周知であり、そして例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonoso R.Gennaro編、Mack Publishing Company、Easton、PA(1985)(それは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるもののような受容可能な薬学的手順に従って調製される。薬学的に受容可能なキャリアは、処方中の他の成分と適合性であり、そして生物学的に受容可能であるキャリアである。
【0076】
本発明の化合物は、従来の薬学的キャリアを含まない(neat)かまたは従来の薬学的キャリアと組み合せて、経口的または非経口的に投与され得る。受容可能な固体キャリアは、1種以上の物質を含み得、その物質はまた、香料、滑沢剤、可溶化剤、懸濁剤、フィラー(filler)、流動促進剤(glidant)、圧縮助剤(compression aid)、結合剤または錠剤崩壊剤、あるいは封入材料(encapsulating material)として作用し得る。それらは、従来の様式(例えば、公知の抗高血圧剤、利尿剤およびβ遮断剤のために使用されるものと同様の様式)で処方される。本発明の活性化合物を含む経口処方物は、任意の便宜的に使用される経口形態を含み得、その経口形態としては、錠剤、カプセル剤、口腔粘膜(buccal)形態、トローチ剤、ロゼンジおよび経口用の液剤、懸濁液または溶液が挙げられる。散剤において、キャリアは、微細に分割された活性成分との混合物である微細に分割された固体である。錠剤において、活性成分は、必要な圧縮特性を有するキャリアと適切な比率で混合され、そして所望の形状およびサイズに圧縮される。散剤および錠剤は、好ましくは、99%までの活性成分を含む。
【0077】
カプセル剤は、活性化合物と、薬学的に受容可能なデンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶セルロースおよび微結晶性セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ゴムなどのような不活性なフィラーおよび/または希釈剤との混合物を含み得る。
【0078】
有用な錠剤処方物は、従来の圧縮法、湿式造粒法または乾式造粒法によって作製され得、そして薬学的に受容可能な希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改変剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定化剤を利用し、それらとしては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンゴム、クエン酸ナトリウム、複合ケイ酸塩(complex silicate)、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい表面改変剤としては、非イオン性表面改変剤およびアニオン性表面改変剤が挙げられる。表面改変剤の代表例としては、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。経口処方物は、本明細書中で、活性化合物の吸収を変化させるために、標準的な遅延処方物または時間放出処方物を利用し得る。経口処方物はまた、適切な可溶化剤または必要な場合に乳化剤を含む水または果汁中の活性成分を投与することからなり得る。
【0079】
液体キャリアは、溶液、懸濁液、乳剤、シロップおよびエリキシルを調製するのに使用され得る。本発明の活性成分は、薬学的に受容可能な液体キャリア(例えば、水、有機溶媒、その両方の混合物、あるいは薬学的に受容可能な油または脂肪の混合物)に溶解または懸濁され得る。液体キャリアは、他の適切な薬学的添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香料、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定化剤または浸透圧調整剤)を含み得る。経口投与および非経口投与のための液体キャリアの適切な例としては、水(特に、上記のような添加剤(例えば、セルロース誘導体(好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液))を含む)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール(例えば、グリコール)を含む)およびそれらの誘導体、ならびに油(例えば、ヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与ために、キャリアはまた、油性エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピル)であり得る。無菌の液体キャリアは、非経口投与のための無菌の液体形態組成物において使用される。加圧した組成物のための液体キャリアは、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に受容可能な噴霧剤であり得る。
【0080】
無菌の溶液または懸濁液である液体薬学的組成物は、例えば、筋肉内注射、腹腔内注射または皮下注射によって利用され得る。無菌の溶液はまた、静脈内に投与され得る。経口投与のための組成物は、液体形態または固体形態のいずれかにあり得る。
【0081】
好ましくは、上記薬学的組成物は、単位投薬形態(例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒剤、または坐剤)にある。このような形態において、その組成物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分され;その単位投薬形態は、パッケージ化された組成物(例えば、パケット単位に区切られた(packeted)散剤、バイアル、アンプル、予め充填された注射器または液体を含む小袋)であり得る。上記単位投薬形態は、例えば、カプセルまたは錠剤自体であり得るか、あるいはそれは、パッケージ形態にある適切な数の任意のこのような組成物であり得る。このような単位投薬形態は、約1mg/kg〜約250mg/kgを含み得、そして単一用量または2つ以上の分割用量で与えられ得る。このような用量は、本明細書中の活性化合物をレシピエントの血流に導くのに有用な任意の様式で投与され得、その様式としては、経口、移植物によるもの、非経口(静脈内注射、腹腔内注射および皮下注射を含む)、直腸、膣、および経皮が挙げられる。このような投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣)において、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を使用して行われ得る。
【0082】
特定の疾患状態または障害の処置または阻害のために投与される場合、有効投薬量は利用される特定の化合物、投与様式、処置される状態の状態およびその重篤度、ならびに処置される個体に関連した種々の身体的因子に依存して変動し得ることが、理解される。治療用途において、本発明の化合物は、既に疾患に罹患している患者に、疾患の症状およびその合併症を治癒するかあるいは少なくとも部分的に改善するのに十分な量で提供される。これを達成するのに適切な量は、「治療有効量」として定義される。特定の症例の処置において使用される投薬量は、担当医によって主観的に決定されなければならない。関与する変数としては、特定の状態ならびに患者のサイズ、年齢、および応答パターンが挙げられる。
【0083】
いくつかの場合において、上記化合物をエーロゾルの形態で気道に直接投与することが、望まれ得る。鼻腔内噴霧または気管支内噴霧による投与のために、本発明の化合物は、水性かまたは部分的に水性の溶液中に処方され得る。
【0084】
本発明の化合物は、非経口的か、または腹腔内に投与され得る。遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としてのこれらの活性化合物の溶液または懸濁液は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシル−プロピルセルロース)と適切に混合された水において調製され得る。分散物もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよび油中のそれらの混合物において調製され得る。保存および使用の通常条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を阻害するために、保存剤を含む。
【0085】
注射用途に適した薬学的形態としては、無菌の水溶液または分散物および無菌の注射可能な溶液または分散物の即時調製のための無菌の粉末が挙げられる。全ての場合において、上記形態は、無菌でなければならず、そして容易な注入可能性(syringability)が存在する程度まで流動性であるべきである。それは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。
【0086】
本発明の化合物は、経皮パッチの使用によって経皮的に投与され得る。この開示の目的のために、経皮投与は、上皮組織および粘膜組織を含む身体の表面および身体的通路の内層を横切る全ての投与を含むと理解される。このような投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣)において、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を使用して行われ得る。
【0087】
経皮投与は、活性化合物および活性化合物に対して不活性であり、皮膚に対して無毒であり、そして皮膚を介した血流中への全身吸収のための薬剤の送達を可能にするキャリアを含む経皮パッチの使用によって達成され得る。そのキャリアは、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲルならびに密封デバイス(occlusive device)などの多数の形態をとり得る。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中水型のいずれかである粘性の液体または半固体の乳剤であり得る。活性成分を含む鉱油または親水性の鉱油に分散した吸収性の粉末から構成されるペーストもまた、適切であり得る。種々の密封デバイス(例えば、キャリアを伴うかまたはキャリアを伴わずに活性成分を含むレザバを覆う半透膜、あるいは活性成分を含むマトリックス)は、血流中に活性成分を放出するために使用され得る。他の密封デバイスは、文献において公知である。
【0088】
特定の実施形態において、本発明は、プロドラッグに関する。プロドラッグの種々の形態は、例えば、Bundgaard(編)、Design of Prodrugs、Elsevier(1985);Widderら(編)、Methods in Enzymology、第4巻、Academic Press(1985);Krogsgaard−Larsenら(編)、「Design and Application of Prodrugs」、Textbook of Drug Design and Development、第5章、113−191(1991)、Bundgaardら、Journal of Drug Deliver reviews、8:1−38(1992)、Bundgaard,J.、Pharmaceutical Sciences、77:285以下参照(1988);ならびにHiguchiおよびStella(編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems、American Chemical Society(1975)(これらの各々は、その全体が参考として援用される)において考察されるように、当該分野において公知である。
【0089】
これらの化合物の投薬量、レジメンおよび投与様式は、処置される疾病および個体に従って変動し、そして関与する医師の判断に従うことが、理解される。本明細書中の化合物の1種以上の投与は、低用量で始まり、そして所望の効果が達成されるまで増加されることが、好ましい。
【0090】
より明確な理解のため、そして本発明をより明確に例示するために、その特定の実施例が、本明細書中で以下に示される。以下の実施例は、単なる例示であり、そして決して本発明の範囲および基本原理を限定するものとして理解されるべきではない。本明細書中に記載される改変に加えて、本発明の種々の改変は、上述の記載から当業者に明らかである。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが、意図される。
【0091】
特に明記されない限り、全ての部は、重量部である。以下の略語が、使用される:Phは、フェニルを示し、TEAは、トリエチルアミンであり、DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり、NMRは、プロトン核磁気共鳴であり、そしてMSは、一般にはM+1(またはM+H)吸収(M=分子量である)を与えるポジティブモードに関する(+)を伴う質量分析である。
【実施例】
【0092】
(実施例1)
(2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0093】
【化15】

工程a)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸の調製
この化合物を、Reike,R.D.;Bales,S.E.;Hundnall,P.M.;Burns,T.P.;Poindexter,G.S.;Org Syn、1988(VI)845に記載された手順に従って合成した。
【0094】
工程b)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボニルクロリドの調製
1滴のDMFを添加した塩化チオニル中のビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸(0.3g、2.1mmol)の溶液を、還流温度にて3時間にわたって加熱し、そして減圧下で乾燥状態まで濃縮した。残留物を、さらなる精製を全く行わずに使用した。
【0095】
工程c)3−Mエチル,4−メトキシ−ベンジルトリフェニルホスフィンクロリドの調製
トルエン中のトリフェニルホスフィン(3g、11.4mmol)の溶液を、3−メチル−4−メトキシベンジルクロリド(1.9g、11.4mmol)によって処理し、還流温度にて3時間にわたって加熱し、室温まで冷却し、そして濾過した。そのフィルターケークを、少量のエーテルによって洗浄し、そして乾燥して、白色固体(1.9g(収率33%))を得た。MS m/e(M)397;H NMR(DMSOd 300MHz)δ1.9(s,3H),3.72(s,3H),5.3(d,2H),6.55(s,1H),6.82(m,2H),7.65(t,6H),7.75(m,6H),7.92(t,3H)。
【0096】
工程d)1−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−2−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−エタン−1,2−ジオンの調製
トルエン中の3−メチル−4−メトキシベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(1.8g、4.2mmol)の溶液を、2.5Nのn−BuLi(4.2mmol)によって処理し、15分間にわたって室温にて撹拌し、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボニルクロリド(0.33g、2.1mmol)のトルエン溶液によって少しずつ処理し、室温にて3時間にわたって撹拌し、そして濾過した。その濾液を、水によって希釈し、KMnO(0.5g、4.2mmol)およびMgSO(1g、8.4mmol)によって処理し、60℃にて16時間にわたって加熱し、室温まで冷却し、そして濾過した。そのフィルターケークを、エーテルおよび水によって洗浄した。その洗浄液を、その濾液と合わせ、そしてその相を、分離した。その有機相を、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、20:1のエチルアセトン/ヘキサン中のシリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題ジケトンを黄色の油状物(0.04g)として得た。MS m/e(M)272 H NMR(DMSOd 300MHz)δ1.3(m,2H),1.6(m,6H),2.1(s,3H),2.3(m,1H),3.8(s,3H),7.1(d,1H),7.6(m,2H)。
【0097】
工程e)2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
エタノール(3mL)および水(1mL)中の、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エタン−1,2−ジオン(0.40g、0.14mmol)の溶液を、塩酸1−メチルグアニジン(0.05g、0.44mmol)によって処理し、次いでKCO(0.06g、0.44mmol)によって処理し、還流温度にて3時間にわたって加熱し、室温まで冷却し、そしてまで濃縮して、エタノールを除去した。残った水性混合物を、水によって希釈し、そしてCHClによって抽出した。その有機抽出物を、合わせ、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、10%メタノール/エチルアセトン中のシリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物を白色固体(0.01g(収率24%))として得た;HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.2(m,7H),1.6(m,1H),2.05(m,1H),2.1(s,3H),2.95(s,3H),3.8(s,3H),6.4(b,2H),6.8(d,2H),7.4(m,3H);MS m/e 328(M)
【0098】
(実施例2)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0099】
【化16】

工程a)1−(1−アダマンチル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン−1,2−ジオンの調製
トルエン中の4−メトキシベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(4.19g、10mmol)の溶液を、2.5Nのn−BuLi(10mmol)によって処理し、15分間にわたって室温にて撹拌し、1−アダマンタンカルボニルクロリド(1g、5mmol)のトルエン溶液によって少しずつ処理し、室温にて3時間にわたって撹拌し、そして真空中で乾燥状態まで濃縮した。その残留物を、水とトルエンとの混合物に溶解し、KMnO(1.58g、10mmol)およびMgSO(4.8g、40mmol)によって処理し、60℃にて16時間にわたって加熱し、室温まで冷却し、そして濾過した。そのフィルターケークを、エーテルおよび水によって洗浄した。その洗浄液を、その濾液と合わせ、そしてその相を、分離した。その有機相を、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、20:1のエチルアセトン/ヘキサン中のシリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題ジケトンを黄色の油状物(0.15g)として得た。MS m/e 298(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.7(m,6H),1.8(m,6H),2.0(m,3H),2.4(s,1H),3.8(s,3H),7.1(d,2H),7.7(d,2H)。
【0100】
工程b)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
本質的に実施例1、工程eに記載した同一の手順を用い、そして1−(1−アダマンチル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび塩酸1−メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体(0.04g(収率26%)として得る。MS m/e 352(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.4(m,6H),1.5(m,3H),1.6(m,3H),1.9(m,3H),2.95(s,3H),3.7(s,3H),6.4(b,2H),6.8(d,2H),7.5(d,2H)。
【0101】
(実施例3)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0102】
【化17】

本質的に実施例2、工程aおよび実施例1、工程eに記載した同一の手順を用い、そして1−(1−アダマンチル)−2−(4−エトキシフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび塩酸1−メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体として得た。MS m/e 368(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.2(t,3H),1.3(m,6H),1.5(m,3H),1.6(m,3H),1.8(m,3H),2.8(s,3H),4.0(t,2H),6.4(b,2H),6.8(d,2H),7.5(d,2H)。
【0103】
(実施例4)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0104】
【化18】

本質的に実施例2、工程aおよび実施例1、工程eに記載した同一の手順を用い、そして1−(1−アダマンチル)−2−(4−ブトキシフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび塩酸1−メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体として得た。MS m/e 396(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ0.9(t,3H),1.4(m,8H),1.6(m,3H),1.7(m,5H),1.9(m,3H), 2.9(s,3H),3.9(t,2H),6.4(b,2H),6.8(d,2H),7.5(d,2H)。
【0105】
(実施例5)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3−エチル−4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0106】
【化19】

本質的に実施例2、工程aおよび実施例1、工程eに記載した同一の手順を用い、そして1−(1−アダマンチル)−2−(3−エチル−4−メトキシフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび塩酸1−メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体として得た。MS m/e 382(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.0(t,3H),1.4(m,7H),1.5(m,3H),1.6(m,3H),1.8(m,3H),2.4(q,2H),2.8(t,2H),3.7(s,3H),6.4(b,2H),6.8(d,1H),7.4(m,2H)。
【0107】
(実施例6)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0108】
【化20】

工程a)5−クロロメチル−2−メトキシ−1,3−ジメチルベンゼンの調製
氷酢酸中の2−メトキシ−1,3−ジメチルベンゼン(10g、73mmol)の溶液を、パラホルムアルデヒド(12g、142mmol)によって処理し、HCl(気体)をバブリングしながら60℃まで4時間にわたって加熱し、そして室温まで冷却した。その反応物を、水に注ぎ、そしてエーテルによって抽出した。その抽出物を、合わせ、水、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液およびブラインによって連続して洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、蒸留(100℃かつ0.2mmHg)して、クロロメチルベンゼン化合物を透明な油状物(2.3g(収率17%))として得た。HNMR(DMSO−d,300MHz)δ2.2(s,6H),3.6(s,3H),4.6(s,2H),7.0(s,2H)。
【0109】
工程b)の調製(4−Mエトキシ−3,5−ジメチル−ベンジル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド
本質的に実施例1、工程cに記載した同一の手順を用い、そして5−クロロメチル−2−メトキシ−1,3−ジメチル−ベンゼンおよびトリフェニルホスフィンを使用して、表題ホスホニウムクロリドを、白色固体として得た。MS m/e 411(M)HNMR(DMSO−d、300MHz)δ1.9(s、6H)、3.3(s、3H)、5.0(d、2H)、7.6(m、6H)、7.7(m、6H)、7.9(m、3H)。
【0110】
工程c)の調製1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−エタン−1,2−ジオン
本質的に実施例2、工程aに記載した同一の手順を用い、そして(4−メトキシ−3,5−ジメチル−ベンジル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリドおよび1−アダマンタンカルボニルクロリドを使用して、表題ジケトンを黄色の油状物として得た。MS m/e 327(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.6(m,6H),1.8(m,6H),2.0(m,3H),2.3(s,6H),3.7(s,3H),7.4(s,2H)。
【0111】
工程d)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
本質的に実施例1、工程eに記載した同一の手順を用い、そして1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび1−メチルグアニジンを使用して、表題生成物を白色固体として得た。MS m/e 382(M)HNMR(DMSO−d,300MHz)δ1.4(m,6H),1.5(m,3H),1.7(m,3H),1.8(m,3H),2.1(s,6H),2.8(s,3H), 3.6(s,3H),6.4(b,2H),7.2(s,2H)。
【0112】
(実施例7)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0113】
【化21】

工程a)ジエチル 1−フェニル−1−(トリメチルシリルオキシ)メエタンホスフェートの調製
窒素雰囲気下において、ベンズアルデヒド(10.15mL、0.1mmol)およびトリエチル亜リン酸(19.1mL、0.1mol)の冷溶液(0℃)に、クロロトリメチルシラン(12.6mL、0.1mol)を10分間にわたって滴下した。その添加が完了した後、氷浴を、取り外し、そしてその反応混合物を、120℃(油浴)まで8時間にわたって加熱し、そして蒸留(180℃、10.0mmHg)して、表題化合物を無色の油状物(25g、79%の収率)として得た;MS m/e(M+H)317;H NMR(400MHZ,CDCl)δ0.08(s,9H),1.22(m,6H),4.01(m,4H),4.97(d,1H),7.32(m,3H),7.44(m,2H)。
【0114】
工程b)(2−アダマンタン−1−イル−2−オキソ−1−フェニル−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル)−ホスホン酸ジエチルエステルの調製
窒素雰囲気下において、THF中のジエチル 1−フェニル)[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ホスホネート(3.16g、10mmol)の冷溶液(−78℃)に、リチウムジイソプロピルアミド(2M、5.25mL)を10分間滴下した。その反応混合物を、さらに30分間にわたって撹拌し、THF中のアダマンタン−1−カルボン酸クロリド(2.09g、10mmol)によって処理し、一晩ゆっくりと室温まで加熱した。冷却下で、その反応混合物を、NHCl飽和溶液に注ぎ、そしてエーテルによって抽出した。その抽出物を、合わせ、MgSO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲル(95/5のヘキサン/EtOAc)におけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題ジエステルを無色の油状物(2.1g(43%収率))として得た。MS m/e(M+H)479.1;H NMR(400MHZ,DMSOd)δ0.21(s,9H),1.13(t,6H),1.45−1.82(m,15H),3.91(dq,4H),7.30−7.43(m,5H)。
【0115】
工程c)1−アダマンタン−1−イル−2−フェニル−エタン−1,2−ジオン
(2−アダマンタン−1−イル−2−オキソ−1−フェニル−1−トリメチルシラニルオキシエチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(2.1g、4.38mmol)とメタノール中のNaHCO飽和水溶液(1:1)の混合物との混合物を、還流温度にて2時間にわたって加熱し、冷却し、2N HClによって酸性化し、そしてエーテルによって抽出した。そのエーテル抽出物を、合わせ、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。シリカゲル(95/5のヘキサン/EtOAc)におけるフラッシュクロマトグラフィーによるこの残留物の精製により、表題ジケトンを黄色の油状物(0.21g、収率18%)を得た;MS m/e(M+)268.15;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.70(m,6H),1.90(bs,6H),2.02(m,3H),7.62(m,2H),7.79(m,3H)。
【0116】
工程d)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
ジオキサンおよびEtOH中の、1−アダマンタン−1−イル−2−フェニルエタン−1,2−ジオン(0.21g、0.78mmol)と、NaCO(0.25g、2.34mmol)と、塩酸N−メチルグアニジン(0.12g、1,01mmol)と、HO(0.70mL)との混合物を、80℃にて18時間にわたって撹拌し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、CHClに溶解し、水によって洗浄し、KCOで乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートした。シリカゲル(7.5/2/0.5のEtOAc/CHCl/EtN)におけるフラッシュクロマトグラフィーによるこの残留物の精製により、表題生成物を白色固体(0.11g、収率43%、融点250℃)として得た;MS m/e(M+H)324;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.50(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.85(s,3H),6.40(bs,2H),722(m,3H),7.62(m,2H)。
【0117】
(実施例8)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0118】
【化22】

工程a)ジエチル{(4−メトキシ−3 メチルフェニル)[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ホスホネートの調製
窒素雰囲気下において、3−メチル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(15g、0.1mol)と亜リン酸トリエチル(19.1mL、0.1mol)との冷溶液(0℃)に、クロロトリメチルシラン(12.6mL、0.1mol)を10分間にわたって滴下し、120℃(油浴)にて8時間にわたって加熱し、そして蒸留(180℃、10.0mmHg)した。その蒸留物を、シリカゲル(7/2.5/0.5のヘキサン/エチルアセトン/イソプロピルアルコール)におけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題ホスホネート化合物を白色固体(16g、44%の収率、融点37℃)として得た;MS m/e(M+H)361;H NMR(400MHZ,DMSOd)δ0.1(s,9H),1.18(dt,6H),2.1(s,3H),3.68(s,3H),3.85(m,4H),4.97(d,1H),6.87(m,1H),7.20(m,2H)。
【0119】
工程b)2−アダマンタン−1−イル−1−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−2−オキソ−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステルの調製
実質的に実施例7、工程bに記載した同一の手順を用い、そしてジエチル{(4−メトキシ−3−メチルフェニル)[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ホスホネート(3.6g、10mmol)およびアダマンタン−1−カルボン酸クロリド(2.09g、10mmol)を使用して、表題ジエステル化合物を、黄色の油状物(0.98g、収率22%)として得た;MS m/e(M+H)523.2;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ0.21(s,9H),1.15(t,6H),1.45−1.82(m,15H),2.17(s,3H),3.78(s,3H),3.91(dq,4H),6.90(d,1H),7.20(m,2H)。
【0120】
工程c)1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−エタン−1,2−ジオンの調製
実質的に実施例7、工程cに記載した同一の手順を用い、そして2−アダマンタン−1−イル−1−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−2−オキソ−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(0.32g、0.61mmol)を使用して、表題ジケトンを黄色の油状物として得た(0.21g、収率53%);MS m/e(M+H)313.14;H NMR(400MHZ,CDCl)δ1.69(m,6H),1.93(bs,6H),2.01(bs,3H),2.21(s,3H),3.87(s,3H),6.85(d,1H,),7.60(m,2H)。
【0121】
工程d)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
実質的に実施例7、工程dに記載した同一の手順を用い、そして1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−エタン−1,2−ジオン(0.21g、0.67mmol)を使用して、表題生成物を、白色固体(0.105g、収率42%、融点255℃)として得た;MS m/e(M+H)368;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.55(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H)2.10(s,3H),2.85(s,3H),3.78(s,3H),6.30(bs,2H),6.80(d,1H),7.42(m,2H)。
【0122】
(実施例9)
((5S)−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0123】
【化23】

ラセミ体の5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを、1.0mL/分の流速で移動相EtOH:HO(0.1% DEAで6:4)を使用したChiralcel AD、046×25cmにおけるHPLC技術によって分離した。表題S−異性体を、エバポレーション後に白色固体として得た;融点376℃;MS m/e(M+H)368;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.55(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.10(s,3H),2.85(s,3H),3.70(s,3H),6.40(bs,2H),6.80(d,1H),7.42(m,2H)。
【0124】
(実施例10)
((5R)−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0125】
【化24】

ラセミ体の5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを、1.0mL/分の流速で移動相EtOH:HO(0.1% DEAで6:4)を使用したChiralcel AD、046×25cmにおけるHPLC技術によって分離した。表題R−異性体を、エバポレーション後に、白色固体として得た;融点376℃;MS m/e(M+H)368;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.50(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.10(s,3H),2.85(s,3H),3.70(s,3H),6.40(bs,2H),6.80(d,1H),7.42(m,2H)。
【0126】
(実施例11)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0127】
【化25】

本質的に実施例7、工程a〜dに記載した同一の手順を用い、そしてジエチル{(3,4−ジメトキシフェニル)[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ホスホネートを出発物質として使用して、表題生成物を白色固体(0.08g(収率60%))として得た。融点130℃;MS m/e(M+H)384;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.50(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.85(s,3H),3.65(ds,6H),6.30(bs,2H),6.80(d,1H),7.20(m,2H)。
【0128】
(実施例12)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−2,3−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0129】
【化26】

工程a)1−クロロメチル−4−メトキシ−2,3−ジメチル−ベンゼンの調製
ジオキサン中の(4−メトキシ−2,3−ジメチル−フェニル)−メタノール(5g、30.08mmol)の冷却撹拌溶液(0℃)に、無水ZnCl(0.1g)を添加し、次いでジオキサン(6ml)中のSOCl(4.4ml、60.16mmol)を1時間にわたって添加した。その反応混合物を、室温になるまで放置し、そしてさらに1時間にわたって撹拌した。揮発成分を、真空中で除去し、そしてその残留物を、エーテルに溶解し、そしてNaHCO飽和水溶液によって洗浄し、次いでMgSOで乾燥した。蒸留によるエバポレーションおよび精製により、表題クロロメチルベンゼン化合物を白色固体(1.2g、収率22%)として得た。MS m/e(M)184;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ2.01(s,3H),2.41(s,3H),76(s,3H),4.78(s,2H),6.77(d,1H),7.19(d,1H)。
【0130】
工程b)4−Mエトキシ−2,3−ジメチルベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドの調製
トルエン中の、1−クロロメチル−4−メトキシ−2,3−ジメチル−ベンゼン(1.02g、5.52mmol)とトリフェニルホスフィン(1.46g、5.57mmol)との溶液を、還流温度にて18時間にわたって加熱した。得られた白色懸濁物を、にヘキサンよって希釈し、そして濾過した。そのフィルターケークを、ヘキサンによって洗浄し、そして表題ホスホニウムクロリドを白色固体(1.93g、収率80%)として得た;MS m/e(M)411;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.38(s,3H),1.88(s,3H),3.67(s,3H),4.99(d,2H),6.66(d,1H),6.77(d,1H),7.58(m,6H),7.68(m,6H),7.86(m,3H)。
【0131】
工程c)1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−2,3,ジメチルフェニル)−エタン−1,2−ジオンの調製
窒素雰囲気下において、トルエン中の4−メトキシ−2,3−ジメチル−ベンジル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド(1.90g、4.3mmol)の冷懸濁物(0℃)を、10分間にわたってn−BuLi(ヘキサン中に2.5M、1.8mL)を滴下して処理し、室温まで加熱し、80分間にわたって撹拌し、0℃まで冷却し、にトルエン中の新鮮に調製したアダマンタン−1−カルボン酸クロリド(0.427g、2.15mmol)の溶液よって処理し、室温まで温め、18時間にわたって撹拌し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、HOとアセトンとの混合物に溶解し、MgSO(2.0g)およびKMnO(1.3g)によって処理し、エーテルおよびHOと一緒に50℃にて18時間にわたって撹拌し、そしてsolka flocを通して濾過した。その濾液を、分離し;その有機相を、MgSOで乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートした。この残留物を、シリカゲル(95/5のヘキサン/EtOAc)におけるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、くすんだ白色の固体として表題ジケトン化合物(0.21g、収率30%、融点140℃)を得た;MS m/e(M+H)327.1;H NMR(400MHZ,CDCl)δ1.70(m,6H),1.95(m,6H),2.02(m,3H),2.17(s,3H),2.57(s,3H),3.85(s,3H),6.72(d,1H),7.29(d,1H)。
【0132】
工程d)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−2,3−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
実質的に実施例7、工程dに記載した同一の手順を用い、そして1−アダマンタン−1−イル−2−(4−メトキシ−2,3,ジメチルフェニル)エタン−1,2−ジオン(0.19g、0.582mmol)および塩酸メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体として(0.12g、収率54%、融点295℃)得た;MS m/e(M−H)380;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.50(m,3H),1.70(m,3H),1.80(bs,3H),2.00(s,3H),2.60(s,3H),2.80(s,3H),3.65(s,3H),6.20(bs,2H,),6.60(d,1H),7.85(d,1H)。
【0133】
(実施例13)
(2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0134】
【化27】

本質的に実施例7、工程dに記載した同一の手順を用い、そして1−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび塩酸メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体(0.175g、収率34%、融点121℃)として得た;MS m/e(M+H)326;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ0.85−1.40(m,8H),1.60(m,1H),1.70(m,1H),2.01(bs,1H),2.10(s,3H),2.90(s,3H),3.78(s,3H),6.40(bs,2H),6.81(d,1H),7.30(m,2H)。
【0135】
(実施例14)
(2−アミノ−5−ヘキサヒドロ−2,5−メタノペンタレン−3a(1H)−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0136】
【化28】

工程a)[2−(ヘキサヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレン−3a−イル)−1−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−2−オキソ−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステルの調製
実質的に実施例7、工程bに記載した同一の手順を用い、そしてジエチル{(4−メトキシ−3−メチルフェニル)[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}−ホスホネート(3.61g、10mmol)およびビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸クロリド(10mmol)を使用して、表題ジエステルを、黄色の油状物(2.2g、収率42%)として得た;MS m/e(M+H)509.2;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ0.25(s,9H),1.15(t,3H),1.22(t,3H),1.36−2.03(m,13H),2.18(s,3H),3.80(s,3H),4.04(m,4H),6.76(d,1H),7.29(m,2H)。
【0137】
工程b)1−(ヘキサヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレン−3a−イル)−2−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−エタン−1,2−ジオンの調製
実質的に実施例7、工程cに記載した同一の手順を用い、そして[2−(ヘキサヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレン−3a−イル)−1−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−2−オキソ−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル]−ホスホン酸ジエチルエステル(1.1g、2.17mmol)を使用し、かつメタノールをジオキサンによって置換して、表題ジケトン化合物を、黄色の油状物(0.125g、収率20%)として得た;MS m/e(M+H)299.4;H NMR(400MHZ,CDCl)δ1.59−1.61(m,5H),1.80(m,4H),2.18(m,2H),2.20(s,3H),2.37(m,2H),3.95(s,3H),6.84(d,1H),7.65(m,2H)。
【0138】
工程c)2−アミノ−5−ヘキサヒドロ−2,5−メタノペンタレン−3a(1H)−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
本質的に実施例7、工程dに記載した同一の手順を用い、そして1−(ヘキサヒドロ−2,5−メタノ−ペンタレン−3a−イル)−2−(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)エタン−1,2−ジオン(0.11g、0.36mmol)および塩酸メチルグアニジンを使用して、表題生成物を、白色固体(0.07g、収率54%、融点160℃)として得た;MS m/e(M+H)354;H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.10−1.40(m,11H),1.80(m,1H),2.00(m,1H),2.10(s,3H),2.81(s,3H),3.70(s,3H),6.30(bs,2H),6.78(d,1H),7.42(m,2H)。
【0139】
(実施例15)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0140】
【化29】

工程a)の調製1−(1−アダマンチル)−2−(3−ブロモフェニル)エタノン
臭化3−ブロモベンジル1(7.50g)を、ジエチルエーテルに溶解した。その溶液を、0〜30℃まで冷却し、そしてマグネシウム(0.72g)を、添加した。その反応混合物を、2時間にわたって撹拌した。臭化銅(I)(4.32g)および無水臭化リチウム(5.22g)を、テトラヒドロフランに溶解した。その溶液を、−78℃まで冷却した。グリニャール溶液を、ゆっくりと添加し、そしてそれを、−78℃にて維持した。テトラヒドロフラン中のアダマンタン−1−カルボニルクロリド(5.94g)の溶液を、添加し、そしてその反応物を、10分間にわたって−78℃にて撹拌し、そして10分間にわたって0℃にて撹拌した。その反応溶液を、ジエチルエーテルによって希釈し、そして1M塩酸および1M水酸化ナトリウムによって洗浄した。その有機相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてエバポレートした。その残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(9:1のヘキサン:エチルアセトン)によって精製して、表題エタノン化合物を無色の油状物(5.70g)として得た。H NMR:7.40−7.00(m,4H),3.70(s,2H),2.05(s,2H),1.85(s,6H),2.00−1.60(m,6H)。
【0141】
工程b)5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
DMF中の1−(1−アダマンチル)−2−(3−ブロモフェニル)エタノン(121mg)の溶液を、4−メチルフェニルボロン酸(122mg)によって処理し、次いで無水炭酸カリウム(250mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)によって処理した。その反応混合物を、シールし、脱ガスし、そしてマイクロ波オーブン中で150℃にて30時間にわたって加熱した。その反応物を、冷却し、そして濾過した。その濾液を、真空中でエバポレートした。得られた残留物を、ジエチルエーテルに溶解し、水によって洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートした。得られた油状物を、1,4−ジオキサンに溶解し、酸化セレン(IV)(60mg)によって処理し、95℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、ヘキサンによって希釈し、そして濾過した。その濾液を、黄色の油状残留物になるまで濃縮した。この油状物を、エチルアルコールに溶解し、塩酸1−メチルグアニジン(42mg)によって処理し、水中の炭酸ナトリウム(119mg)の溶液によって処理し、70℃にて一晩加熱し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、DMSOに溶解し、そして濾過した。その濾液を、Gilson分取逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DADによって精製して、表題生成物をLCMS分析によって特徴付けられる白色の非晶質固体として得た。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0142】
(実施例16〜26)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(置換−フェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0143】
【化30】

本質的に上で実施例15に記載した同一の手順を用い、表Iに示す化合物を得て、そしてHNMR分析および質量スペクトル分析によって分析した。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50 mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。表Iにおいて、RTは、保持時間を示す。
【0144】
【表1】

(実施例27)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0145】
【化31】

工程a)化合物2の調製
テトラヒドロフラン(52.3mL、52.3mmol)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0M溶液を、テトラヒドロフラン中の(4−メトキシ−ベンジル)−トリフェニルホスホニウムクロリド(21.9g、52.3mmol)の撹拌懸濁物に添加した。その混合物を、15分間にわたって室温にて撹拌し、−5℃まで冷却し、THF中の1−アダマンタンカルボン酸クロリド1(9.44g、47.5mmol)の溶液によって処理し、そしてゆっくりと室温まで温めながらさらに2時間にわたって撹拌した。その混合物を、水および過ヨウ素酸ナトリウム(11.18g、52.3mmol)によって処理し、50℃にて17時間にわたって撹拌し、室温まで冷却し、そしてエチルアセトンによって希釈した。その有機相を、分離し、そして水およびブラインによって連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、5:95〜10:90のエチルアセトン/ヘキサン)による得られた残留物の精製により、2(6.85g、48%)を黄色の固体として得た:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.78(d,J=8.9Hz,2H),6.96(d,J=8.9Hz,2H),3.89(s,3H),2.05−1.55(m,15H);ESI MS m/z 299[C1922+H]
【0146】
工程b)化合物5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製
ジオキサンおよびエタノール中の、2(6.71g、22.5mmol)と塩酸1−メチルグアニジン(11.1g、101mmol)との混合物を、室温にて5分間にわたって撹拌し、炭酸ナトリウム(10.7g、101mmol)の水溶液によって処理し、撹拌しながら3.25時間にわたって85℃にて加熱し、室温まで冷却し、そして真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.5のメチレンクロリド/メタノール/濃水酸化アンモニウム)による得られた残留物の精製により、表題生成物を白色固体(3.41g(収率43%))として得た。融点150〜155℃;H NMR(300MHz,CDCl)δ7.55(d,J=6.9Hz,2H),6.86(d,J=6.9Hz,2H),3.78(s,3H),3.02(s,3H),1.93-1.44(m,15H);IR(ATR)3358,2903,1663,1508,1459,1308,1248,1177,1102,1033,998,837,804,729cm-1;ESI MS m/z 354[C2127+H]
【0147】
(実施例28)
((5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0148】
【化32】

5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、移動相EtOH:ヘキサン(0.1% DEAを含んで1:9)および1.0mL/分の流速を使用してChiralcel AD、0.46×25cmにおけるHPLCによって分離して、表題S−異性体(A),融点215℃;[α]25=−17.4(C=MeOH中の1%);H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.55(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.10(s,3H),2.85(s,3H),3.70(s,3H),6.40(bs,2H),6.80(d,2H),7.42(d,2H);MS m/e(M−H)352;および表題R−異性体(B),融点215℃;[α]25=−17.6(C=MeOH中の1%);H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(m,6H),1.50(m,3H),1.70(m,3H),1.85(bs,3H),2.10(s,3H),2.85(s,3H),3.70(s,3H),6.40(bs,2H),6.80(d,2H),7.42(d,2H);MS m/e(M−H)352;を得た。
【0149】
(実施例29)
(5(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0150】
【化33】

本質的に実施例27に記載した同一の手順を用い、そして工程1において[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]トリフェニルホスホニウムブロミドを使用して、表題化合物を、白色固体(融点125℃)として得て、NMR分析および質量スペクトル分析によって同定した。
【0151】
(実施例30)
(5−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オンの調製)
【0152】
【化34】

工程a)化合物2の調製
テトラヒドロフラン(60mL)中の、1(11.84g)とマグネシウム(1.62g)との混合物を、1,2−ジブロモエタン(100μL)によって処理し、室温にて1時間にわたって撹拌し、還流温度にて1時間にわたって加熱し、そして放置して室温まで冷却した。別個のフラスコにおいて、臭化銅(I)(6.84g)および臭化リチウム(7.83g)を、テトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。この溶液を、0℃まで冷却し、そして上記グリニャール溶液によって処理した。その反応溶液を、−78℃にてテトラヒドロフラン(100mL)中の塩化オキサリル(19.6mL)にゆっくりと添加し、−78℃にて10分間にわたって保ち、放置して1時間にわたって室温まで温め、ブライン(200mL)含むフラスコに慎重に注ぎ(発熱(heat evolution))、そしてジエチルエーテル(300mL)によって抽出した。その有機相を、分離し、1M塩酸(200mL)によって洗浄し、そして水酸化ナトリウムの5M溶液によって抽出した。塩基性の水性抽出物を、合わせ、セライトパッドを通して濾過し、濃塩酸によってpH1まで酸性化し、そしてジエチルエーテルによって抽出した。そのエーテル抽出物を、合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、2を黄色の油状物(6.67g)として得た(LCMS分析によって同定した、保持時間1.60分、255[M−H]))。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0153】
工程b)化合物3の調製
化合物(2)(6.67g)を、ジクロロメエタンに溶解し、DMF(500μL)によって処理し、塩化オキサリル(26mL)を用いてゆっくりと処理(ガス発生(gas evolution))し、3時間にわたって撹拌し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、ジエチルエーテルに溶解し、そしてセライトを通して濾過した。その濾液を、乾燥状態までエバポレートして、3を黄色の液体(5.94g)を得た。
【0154】
工程c)化合物4の調製
0℃において、臭化フェニルマグネシウム(0.5mL、THF中の0.5M溶液)を、THF中の、臭化銅(I)(111mg)と臭化リチウム(134mg)との溶液に添加した。この混合物を、THF中の酸クロリド(3)(212mg)の溶液によって処理し、放置して室温まで温め、そしてジエチルエーテルによって希釈し、1M塩酸および1M水酸化ナトリウムによって連続して洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートして、4を黄色の油状物(200mg)として得た。
【0155】
工程c)5−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オンの調製
エタノール中の、4(200mg)と塩酸1−N−メチルグアニジン(85mg)との溶液は、水中の炭酸ナトリウム(245mg)によって処理し、3時間にわたって70℃まで加熱し、そして真空中で濃縮する。得られた残留物を、分取用逆相HPLCを使用して精製して、表題生成物を白色の非晶質(amphorous)固体(18mg)として得た(LCMS分析によって特徴付けた、348[M+H];保持時間2.82分)。
【0156】
Gilson分取用逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0157】
(実施例31)
(アダマンタン−1−カルボアルデヒドの調製)
【0158】
【化35】

メチレンクロリド(100ml)中のクロロクロム酸ピリジニウム(3.88g、18mmol)の懸濁液に、メチレンクロリド(30ml)中の1−アダマンタンメタノール(2.0g、12mmol)の溶液を少しずつ添加する。2時間にわたって室温にて撹拌した後、その反応混合物を、エーテル(50ml)によって希釈する。その混合物を、シリカゲル(20g)を詰めた漏斗を通して濾過し、そしてエーテルによって洗浄する。その濾液を、濃縮して、表題化合物(1.7g(85%))を白色固体として得る。融点:132〜135℃。MS(+)ES:165(M+H)
【0159】
(実施例32)
(1−エチニルアダマンタンの調製)
【0160】
【化36】

メタノール(200ml)中の、アダマンタン−1−カルボアルデヒド(2.0g、12.2mmol)とKCO(3.36g、24.4mmol)との撹拌混合物に、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(2.8g、14.6mmol)を滴下する。4時間にわたって室温にて撹拌した後、その反応混合物を、エーテル(100ml)によって希釈する。その混合物を、NaHCO溶液(水中の5%、300ml)によって洗浄する。有機層を、分離し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、100%ヘキサン)によって精製して、表題化合物(1.5g(75%))を白色固体として得る。融点:80〜82℃。MS(+)ES:161(M+H)
【0161】
(実施例33)
(1−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}アダマンチンの調製)
【0162】
【化37】

トリエチルアミン(6ml)およびアセトニトリル(3ml)中の、1−エチニルアダマンタン(320mg、2mmol)と、4−ジフルオロメトキシ−4−ヨードベンゼン(540mg、2mmol)と、CuI(19mg、0.1mmol)と、Pd(PPh(92mg、0.08mmol)との混合物を、3時間にわたって還流する。溶媒の除去後、その粗混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/エチルアセトン:95/5)によって精製して、表題化合物(470mg(78%))を透明な油状物として得る。MS(+)ES:303(M+H)
【0163】
(実施例34)
(1−(1−アダマンチル)−2−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]エタン−1,2−ジオンの調製)
【0164】
【化38】

アセトン(20ml)中の1−(4−ジフルオロメトキシフェニルエチニル)アダマンチン(460mg、1.5mmol)の溶液に、水(10ml)中の、NaHCO(77mg、0.91mmol)とMgSO(270mg、2.25mmol)との溶液を添加し、次いでKMnO(711mg、4.5mmol)を少しずつ添加する。24時間にわたって室温にて撹拌した後、その反応混合物を、ヘキサン(2×20ml)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、乾燥(MgSO)する。溶媒の除去により、表題化合物(480mg(94%))を白色固体として得る。融点:118〜120℃。MS(+)ES:335(M+H)
【0165】
(実施例35)
(5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0166】
【化39】

エタノールおよび水中の、1−アダマンタン−1−イル−2−(4−ジフルオロメトキシフェニルエチニル)エタン−1,2−ジオン(480mg、1.44mmol)と、塩酸メチルグアニジン(313mg、2.88mmol)と、NaCO(453mg、4.32mmol)との混合物を、3時間にわたって還流し、そして真空中で濃縮する。得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/2.0MエタノールNH:95/5)によって精製して、表題化合物(108mg(20%))を白色固体(融点216〜218℃)として得る(NMR分析および質量スペクトル分析によって同定する)。MS(+)ES:390(M+H)
【0167】
(実施例36)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0168】
【化40】

本質的に実施例35に記載した同一の手順を用い、そして1−シクロヘキシル−2−(4−ジフルオロメトキシフェニルエチニル)エタン−1,2−ジオンおよびメチルグアニジンを使用して、表題化合物を固体(融点178〜180℃)として得た(NMR分析および質量スペクトル分析によって同定する)。MS(+)APPI:338(M+H)
【0169】
(実施例37)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(3,5−ジフルオロベンジル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0170】
【化41】

フェニルグリコール酸(2)(10.8g)を、ジクロロメエタン(200mL)に溶解した。N,N−ジメチルホルムアミド(100uL)を、添加し、次いで塩化オキサリル(72mL、ジクロロメエタン中の2.0M)を添加し、12時間後に溶媒を除去し、そして残留物を、ジエチルエーテル(100mL)に再溶解した。不溶性粒子を、濾取(セライト)し、そして溶媒を、除去し、茶色の液体(11.80g)を得た。13C NMR:181.1、166.7、135.9、130.5、129.4、129.3。
【0171】
臭化銅(I)(7.20g)および臭化リチウム(8.70g)を、テトラヒドロフラン(300mL)に溶解した。その溶液を、−78℃まで冷却し、そしてシクロヘキシルマグネシウムクロリド(25mL、ジエチルエーテル中の2.0M)を、添加した。その溶液を、この温度にて10分間にわたって保った。テトラヒドロフラン(10mL)中のフェニルグリコール酸クロリド2(8.40g)を、添加した。その溶液を、15分間にわたって撹拌し、次いで、それを、室温まで30分間にわたって温めた。ジエチルエーテル(500mL)を、添加し、その溶液を、1M塩酸(2×200mL)および1M水酸化ナトリウム(200mL)によって洗浄した。硫酸マグネシウムによる乾燥および溶媒の除去により、粗生成物を生成した。フラッシュクロマトグラフィー(25:1のヘキサン:エチルアセトン)による精製により、黄色の油状物(5.51g)を得た。H NMR:8.00−8.90(m,2H),7.70−58(m,1H),7.56−7.40(m,2H),3.18−3−00(m,1H),2.00−1.05(m,10H)。13c NMR:206.1,194.2,134.5,132.5,129.9,128.8,45.8,27.1,25.7,25.3。
【0172】
3,5−ジフルオロベンジルアミン(72mg)塩酸1−H−ピラゾール−1−カルボキサミド(73mg)を、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(0.74mL)を、添加し、そしてその溶液を、40℃にて一晩加熱した。溶媒を、エバポレートし、そして粗生成物を、さらに精製することなく使用した。
【0173】
化合物3(107.5mg)および粗化合物5を、エタノール(5mL)に溶解した。水(1ml)中の炭酸ナトリウム(79mg)を、添加し、そしてその溶液を、70℃にて一晩加熱した。上記溶媒を、エバポレートし、そして粗生成物を、分取用逆相HPLC(Gilson分取用逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20 mm×50 mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD)を使用して精製して、白色の非晶質固体(32mg)を得た。その化合物を、LCMS分析(LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD)によって特徴付けた。
【0174】
(実施例38〜73)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−置換−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0175】
【化42】

本質的に実施例37に記載した同一の手順を用い、そして適切な置換グアニジンを使用して、表IIに示す化合物を得て、HNMR分析および質量スペクトル分析によって同定した。LCMS条件は、実施例37において使用したものと同じであった。
【0176】
【表2−1】

【0177】
【表2−2】

【0178】
【表2−3】

(実施例74〜88)
(2−アミノ−5−シクロアルキル−5−フェニル−3−置換−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【化43】

本質的に実施例37に記載した同一の手順を用い、そして適切なシクロアルキルマグネシウムクロリドおよび所望の置換グアニジンを使用して、表IIIに示す化合物を得て、HNMR分析および質量スペクトル分析によって同定した。使用したLCMS条件は、実施例37に記載したものと同じであった。RTは、保持時間を示す。
【0179】
【表3】

(実施例89)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(2−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0180】
【化44】

THF中の、臭化銅(I)(72mg)と臭化リチウム(87mg)との溶液を、0℃まで冷却し、によって処理し臭化2−トルイルマグネシウム(toluylmagnesiumu)(1mL、テトラヒドロフラン中の0.5M)、0℃にて10分間にわたって保ち、THF中のシクロヘキシルグリコール酸クロリド(85mg)の溶液によって処理し、15分間にわたって撹拌し、ジエチルエーテルによって希釈し、1M塩酸および1M水酸化ナトリウムによって連続して洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、ジケトン2を黄色の油状物(73mg)として得た。
【0181】
2(73mg)と1−N−塩酸メチルグアニジン(55mg)とのエタノール溶液を、水中の炭酸ナトリウム(159mg)によって処理し、70℃にて一晩加熱し、そして乾燥状態までエバポレートした。得られた残留物を、分取用HPLC(Gilson分取用逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD)によって精製して、表題生成物を非晶質固体(7mg)として得た([M+H]286、保持時間1.73分、LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DADを使用した)。
【0182】
(実施例90〜107)
(2−アミノ−5−アリール−5−シクロヘキシル−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0183】
【化45】

本質的に実施例89に記載した同一の手順を用い、そして適切な臭化フェニルマグネシウムを使用して、表IVに示す化合物を、得て、HNMR分析および質量スペクトル分析によって同定した。LCMS条件は、実施例89において使用したものと同じである。RTは、保持時間を示す。
【0184】
【表4−1】

【0185】
【表4−2】

(実施例108)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロペンチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0186】
【化46】

−78℃におけるTHF中の、臭化銅(I)(2.47g)と無水臭化リチウム(2.99g)との溶液を、シクロヘキシルマグネシウムクロリド(8.59mL、ジエチルエーテル中の2.0M溶液)によって処理し、次いでTHF中の3−ブロモフェニルアセチルクロリド(4.00g)の溶液によって処理し、10分間にわたって撹拌し、放置して室温にし、ジエチルエーテルによって希釈し、1M塩酸および1M水酸化ナトリウムによって連続して洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてエバポレートした。得られた残留物を、4:1のヘキサン:エチルアセトン中に採取し、そしてシリカゲルのパッドを通して濾過して、2を無色の油状物(4.61g)として得た;H NMR:7.40−7.05(m,4H),3.70(s,2H),2.40(m,1H),1.90−1.60(m,5H),1.40−1.05(m,5H);13C NMR:210.2,136.5,132.4,129.9,129.8,128.1,122.4,50.4,46.9,28.4,25.7,25.5。
【0187】
DMF(1.0mL)中の溶液2(280mg)を、ジイソプロピルエチル−アミン(1.0mL)によって処理し、次いでパラジウムアセトン(II)(23mg)、トリ(o−トリル)ホスフィン(61mg)、およびシクロペンテン(0.5mL)によって処理した。その反応混合物を、150℃にて300秒間にわたってマイクロ波オーブンで加熱し、そして乾燥状態までエバポレートした。残留物を、ジエチルエーテル中に採取し、水によって洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、暗色の油状残留物を得た。その油状物を、分取用逆相HPLCシステムによって精製して、化合物3を得た。
【0188】
メタノール中の3の溶液を、水酸化パラジウムによって処理し(20mg、炭素中の10%)、そして気圧下で6時間にわたって水素添加した。得られた反応混合物を、濾過し、そしてその濾液を、乾燥状態までエバポレートして、茶色の残留物を得た。この残留物を、ジオキサンに溶解し、二酸化セレン(IV)(100mg)によって処理し、95℃にて一晩加熱し、周囲温度まで冷却し、ヘキサンによって希釈し、そして濾過した。その濾液を、真空中で濃縮して、ジケトン4を茶色の油状物(約70mg)として得た。
【0189】
ジケトン4を、メチルグアニジン実施例27、工程bに記載されるものと本質的に同じ様式で反応させて、Gilson分取用逆相HPLCによって精製した後に表題生成物を白色の非晶質固体(93mg)として得た(LCMS分析によって特徴付けた、340[M+H]、保持時間2.65分間)。
Gilson分取用逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD)システムおよび提供された溶媒の除去。
LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間 O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0190】
(実施例109)
(2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロヘキシルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0191】
【化47】

本質的に実施例108に記載した同一の手順を用い、そしてHeckカップリング反応においてシクロヘキセンを使用して、表題生成物を、得た、LCMS2.65分間、[M+H]340。
条件は、実施例108において使用したものと同じであった。
【0192】
(実施例110)
(N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メトキシベンズアミドの調製)
【0193】
【化48】

本質的に実施例34および35に記載した同一の手順を用い、そして塩化3−メトキシベンゾイルを使用して、表題生成物を得て、Gilson分取用逆相HPLCシステム:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間 0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD、保持時間2.6分間、420[M+H]を使用して同定した。
【0194】
(実施例111〜135)
(N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−ベンズアミド誘導体の調製)
【0195】
【化49】

本質的に実施例110に記載した同一の手順を用い、そして適切な酸クロリドを使用して、表Vに示す化合物を、得て、LCおよび質量スペクトル分析によって同定した。(LCMS条件は、実施例110において使用したものと同じである)。
【0196】
【表5−1】

【0197】
【表5−2】

(実施例136)
((5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オントリフルオロ酢酸塩[A]および(5R)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オントリフルオロ酢酸塩[B]の調製)
【0198】
【化50】

5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、ヘキサン/TFA中の移動相10%(ヘキサン/TFA中の20%エタノール)および21mL/分の流速を使用したChiralcel AD−H、25×2cmにおけるHPLCによって分離して、表題S異性体(A),融点225〜226℃;[α]25=+10.4(C=DMSO中の1%);H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(t,6H),1.55(q,6H),1.92(s,3H),3.06(s,3H),7.22(d,2H),7.22(t,1H),7.58(d,2H);MS m/e(M−H)388;および表題R異性体(B),融点225−226℃;[α]25=−12.8(C=DMSO中の1%);H NMR(400MHZ,DMSO−d)δ1.40(t,6H),1.55(q,6H),1.92(s,3H),3.06(s,3H),7.22(d,2H),7.22(t,1H),7.58(d,2H);MS m/e(M−H)388を得た。
【0199】
(実施例137)
(試験化合物のBACE−1結合親和性の評価)
(蛍光動力学的アッセイ)
最終的なアッセイ条件:10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1)、25μM基質(WABC−6、MW 1549.6、AnaSpec製)、緩衝液:50mM酢酸Na(pH4.5)、0.05% CHAPS、25% PBS、室温。酢酸Naは、Aldrich製、カタログ番号24,124−5であり、CHAPSは、Research Organics製、カタログ番号1304C 1Xであり、PBSは、Mediatech(Cellgro)製、カタログ番号21−031−CVであり、ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpaは、AnaSpec製、ペプチド名:WABC−6であった。
【0200】
ストック基質(AbzSEVNLDAEFRDpa)濃度の決定:約25mMストック溶液を、ペプチドの重量およびMWを使用してDMSOにおいて調製し、そして1×PBSにおいて約25μM(1:1000)に希釈する。濃度を、18172M−1cm−1の吸光係数εを使用して354nmにおける吸光度によって決定し、ストック基質の濃度を、補正し、そして基質ストックを、−80℃において少量のアリコートで保存した。
[基質ストック]=ABS354nm * 10/18172(mMにおいて)
吸光係数ε354nmを、同じ消光剤−フルオロフォア対を有するTACEペプチド基質から適合した。
【0201】
ストック酵素濃度の決定:各酵素のストック濃度を、6M塩酸グアニジン(Research Organics製、カタログ番号5134G−2)(pH約6)において、hBACE1およびMuBACE1について64150M−1cm−1のεを使用して280nmにおける吸光度によって決定した。各酵素についての吸光係数ε280nmを、公知のアミノ酸組成ならびにTrp(5.69M−1cm−1)残基およびTyr(1.28M−1cm−1)残基(Anal.Biochem.182、319−326)についての公開された吸光係数に基づいて算出した。
【0202】
希釈工程および混合工程:総反応容量:100μL
緩衝液A(66.7mM酢酸Na、pH4.5、0.0667% CHAPS)中の2×インヒビター希釈物を調製し、
緩衝液A(66.7mM酢酸Na、pH4.5、0.0667% CHAPS)中の4×酵素希釈物を調製し、
1×PBS中の100μM基質希釈物を調製し、そして
50μLの2×インヒビター、25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologies製、VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、その直後に、25μLの4×酵素を添加し(インヒビターと基質との混合物に添加した)、そして蛍光の読み取りを、開始する。
【0203】
蛍光の読み取り:λex 320nmおよびλem 420nmにおける読み取りを、30分間にわたって室温にて40秒毎に行い、そして基質切断速度(v)についての線形の勾配を決定した。
【0204】
%阻害の算出:
%阻害=100*(1−v/v
:インヒビターの存在下における基質切断速度
:インヒビターの非存在下における基質切断速度。
【0205】
IC50の決定:
%阻害=((B*IC50)+(100*I))/(IC50+I
(ExcelにおけるLSW Tool BarからのModel # 39(Bは、酵素コントロール由来の%阻害であり、それは、0に接近するべきである))。%阻害は、対インヒビター濃度(I)でプロットされ、そしてデータは、各化合物についてのIC50値およびHill数(n)を得るために上記方程式に適合する。少なくとも10種の異なるインヒビター濃度を試験することが、好ましい。得られたデータを、以下で、表IXにおいて示す。
【0206】
(表VIについて)
A=0.01μM〜1.00μM
B=1.10μM〜10.0μM
C=>10.0μM
【0207】
【表6−1】

【0208】
【表6−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Aは、シクロアルキルであり;
Wは、CO、CSまたはCHであり;
、R、およびRは、各々独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
、R、およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR、COR、CO、CONR、NR、NRCOR、NRSO10、SONRもしくはSO10または各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であるか、あるいは隣接する炭素原子に結合されている場合、RおよびRまたはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
nは、0、1、または2であり;
は、各出現において独立して、Hまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
およびRは、各出現において各々独立して、H、OR、COR、COまたは各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはRおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子が必要に応じて介在する必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;そして
10は、各出現において独立して、各々独立して置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物。
【請求項2】
Wは、COである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aは、アダマンチルである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRは、Hである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
は、C〜Cアルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、ORである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。.

【請求項7】
Aは、アダマンチルであり、そしてRおよびRは、Hである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
は、C〜Cアルキルであり、そしてRは、ORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
は、CHFである、請求項6または8に記載の化合物。
【請求項10】
本質的に、
(5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3−エチル−4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−2,3−ジメチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−ヘキサヒドロ−2,5−メタノペンタレン−3a(1H)−イル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(3’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−[3−(3−フリル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−4−カルボニトリル;
3’−[4−(1−アダマンチル)−2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−4−カルボニトリル;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(3’,4’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−(1−アダマンチル)−2−アミノ−3−メチル−5−(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(3,5−ジフルオロベンジル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−シクロヘキシル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2,2−ジエトキシエチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(2−フェニルエチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2−フルオロエチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−[2−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
N−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]−L−アスパラギン酸;
N−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]−D−アスパラギン酸;
トランス−4−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸;
6−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ヘキサン酸;
5−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ペンタン酸;
4−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ブタン酸;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(5−ジヒドロペンチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)プロピオン酸;
3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−2−メチルプロピオン酸;
2−アミノ−3−ベンジル−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−イソブチル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−ヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3,5−ジシクロヘキシル−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−ジヒドロブチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(シクロヘキシルメチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(2−フリルメチル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−ジヒドロフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(3−ジヒドロフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(チエン−2−イルメチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−フェニル−3−(2−チエン−2−イルエチル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−3−[2−(4−ジヒドロフェニル)エチル]−5−フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
[4−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]酢酸;
4−[(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]安息香酸;
5−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−2−ジヒドロ安息香酸;
エチル 3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゾエート;
5−シクロブチル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−2−イミノ−3−メチル−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−3−エチル−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−2−イミノ−5−フェニル−3−プロピルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロブチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘプチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−(2−アダマンチル)−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロペンチル−3−(3−ジヒドロプロピル)−2−イミノ−5−フェニルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−(3−ベンジルフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(4−フルオロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(3−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(3,4−ジクロロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−(4−フェノキシフェニル)イミダゾリジン−4−オン;
5−(3−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(1,1’−ビフェニル−2−イル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−5−(2,5−ジメチルフェニル)−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(2−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−シクロヘキシル−2−イミノ−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
5−(4−クロロフェニル)−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロペンチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−シクロヘキシル−5−(3−シクロヘキシルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−シクロヘキシル−2−イミノ−3−メチルイミダゾリジン−4−オン;
N−{3−[2−アミノ−4−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]フェニル}−2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メトキシプロパンアミド;
(2R)−N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシ−2−フェニルアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−メチル−2−フルアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N〜1〜−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−N〜2〜,N〜2〜−ジメチルグリシンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−(ジメチルアミノ)ベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−4−(ジメチルアミノ)ブタンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−メチルピペリジン−4−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−シクロプロピルアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フェノキシプロパンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2−メトキシフェニル)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フルアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(ベンジルオキシ)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−3,4−ジメトキシベンズアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(2,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド;
(2E)−N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]ブタ−2−エンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]ブタンアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(3−メトキシフェニル)アセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパンアミド;
その互変異性体;
その立体異性体;および
その薬学的に受容可能な塩;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
過剰なBACE活性に関連した疾患または障害の処置が必要な患者において、過剰なBACE活性に関連した疾患または障害を処置するための方法であって、該患者に、治療有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を提供する工程を包含する、方法。
【請求項12】
前記疾患または障害は、本質的に、アルツハイマー病;認知障害;ダウン症候群;HCHWA−D;認知低下;老年痴呆;脳アミロイド血管症;および神経変性障害からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患または障害は、β−アミロイド沈着または神経原線維変化の産生によって特徴付けられる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患または障害は、アルツハイマー病である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
BACEの活性を調節するための方法であって、BACEのレセプターと、有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物とを接触させる工程を包含する、方法。
【請求項16】
薬学的に受容可能なキャリアと、有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物とを含む、薬学的組成物。

【公表番号】特表2009−502924(P2009−502924A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524017(P2008−524017)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/028580
【国際公開番号】WO2007/016012
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】