説明

シクロスポリン組成物

シクロスポリンに関する処置方法、組成物および医薬を開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
涙腺機能または流涙に関連する異常はしばしば、そのような異常を起こしている哺乳動物に不快をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをニュージーランド白ウサギの両眼に1回点眼した後の、角膜における平均(±SD)シクロスポリンA濃度(片対数)。
【図2】3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをニュージーランド白ウサギの両眼に1回点眼した後の、結膜における平均(±SD)シクロスポリンA濃度(片対数)。
【図3】3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをニュージーランド白ウサギの両眼に1回点眼した後の、強膜における平均(±SD)シクロスポリンA濃度(片対数)。
【図4】3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをニュージーランド白ウサギの両眼に1回点眼した後の、眼瞼縁における平均(±SD)シクロスポリンA濃度(片対数)。
【図5】3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをニュージーランド白ウサギの両眼に1回点眼した後の、鼻涙管における平均(±SD)シクロスポリンA濃度(片対数)。
【発明を実施するための形態】
【0003】
シクロスポリンAを約0.0001%(w/v)ないし約0.05%(w/v)未満の濃度で含有する組成物を開示する。
驚くべきことに本発明者は、処置に有効であり得る約0.05%(w/v)未満の濃度のシクロスポリンA組成物を調製し得ることを見出した。
【0004】
一態様においては、本発明の組成物を、角膜に影響を及ぼす手術後の角膜知覚の低下を処置するために、それを必要とする哺乳動物の眼に投与する。
他の一態様においては、本発明の組成物を、角膜に影響を及ぼす手術後の角膜知覚の回復を促進するために、それを必要とする哺乳動物の眼に投与する。
【0005】
他の一態様においては、本発明の組成物を、ヘルペス後の角膜知覚の低下を処置するために、それを必要とする哺乳動物の眼に投与する。
他の一態様においては、本発明の組成物を、ドライアイ疾患を処置するために、それを必要とする哺乳動物の眼に投与する。
【0006】
【化1】

【0007】
シクロスポリンA(cyclosporin A)は、上記構造を有する免疫抑制作用を有する環状ペプチドである。これは、他の名称、例えばシクロスポリン(cyclosporine)、シクロスポリンA(cyclosporine A)、シクロスポリン(ciclosporin)およびシクロスポリンA(ciclosporin A)でも知られる。
【0008】
処置方法
一態様は、シクロスポリンAを0.0001%(w/v)ないし約0.05%(w/v)未満の濃度で含有する組成物を、それを必要とする哺乳動物に局所投与することを含んで成る、角膜知覚の低下を処置する方法である。
【0009】
本発明の処置は通例、哺乳動物またはヒトの眼または複数の眼に、本発明が開示する組成物の10〜50μLの液滴を局所投与することを含んで成る。有効な処置を提供するためのヒトまたは哺乳動物に投与する1日当たりの滴数は、当業者の通常の技術の範囲内で決定する。
【0010】
角膜知覚の低下は、いくつもの要因に関連しうる。例えば、角膜知覚の低下はしばしば、角膜に影響を及ぼす手術、またはウイルス感染によって起こりうる。
【0011】
角膜知覚の低下を招きうる手術の例は、角膜屈折矯正手術または全層角膜移植手術、例えば下記の手術を包含する:
放射状角膜切開術、
光屈折矯正角膜切開術(photorefractive keratotomy)、
レーシック(laser-assisted in situ keratomileusis)(LASIK)、
ラセック(laser assisted sub-epithelial keratomileusis)(LASEK)、
SB-LASIK、
EPI-LASIK、
その他。
【0012】
角膜知覚の低下を招きうるウイルス感染の例は、下記のものを包含する:
HSV-1、
HSV-2、
VZV、
その他。
【0013】
一態様においては、組成物を1日1〜4回投与する。
他の一態様においては、組成物を1日2回投与する。
他の一態様においては、組成物を1日に1回だけ投与する。
【0014】
他の一態様においては、組成物を3ヶ月間にわたり1日1回だけ投与したとき、眼灼熱感を持つ患者は14%に満たない。
他の一態様においては、組成物を3ヶ月間にわたり1日1回だけ投与したとき、眼灼熱感を持つ患者は10%に満たない。
他の一態様においては、組成物を3ヶ月間にわたり1日1回だけ投与したとき、眼灼熱感を持つ患者は8%に満たない。
【0015】
本発明の開示のために、「処置する」または「処置」とは、化合物、組成物、処置活性剤または薬物を、疾患もしくは他の望ましくない状態の診断、治癒、緩和、治療、防止に、またはヒトもしくは他の動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすために使用することを指す。
【0016】
組成物
シクロスポリンAの濃度は約0.05%未満である。このことは、Restasis(登録商標)として知られる市販の0.05%シクロスポリンAエマルジョンよりも濃度が低いことを意味する。
【0017】
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.005〜0.04%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.02〜0.04%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.005%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.015%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.0015%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.02%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.03%(w/v)である。
他の一態様においては、シクロスポリンA濃度が約0.04%(w/v)である。
【0018】
眼科学的に許容し得る液体を、眼に局所投与できるように調製する。快適性は、できる限り最大にすべきであるが、場合によっては、製剤化の都合(例えば薬物の安定性、バイオアベイラビリティーなど)で最適快適性より低くせざるを得ないこともある。快適性を最大にできない場合、局所眼使用において液体が患者に許容されるように、液体を調製すべきである。さらに、眼科学的に許容される液体は、単回使用用に包装すべきであるか、または複数回使用による汚染を防止するために保存剤を含有すべきである。
【0019】
眼科学的な適用のためには、生理食塩液を主な賦形剤として用いて、液剤または製剤を調製する場合が多い。眼用液剤はしばしば、適切な緩衝系によって快適なpHに保つ。製剤は、薬学的に許容し得る通常の保存剤、安定剤および界面活性剤も含有し得る。
【0020】
得られる製剤が眼科学的に許容される限り、種々の緩衝剤および手段をpH調節に用いてよい。従って、緩衝剤は、酢酸、クエン酸、リン酸およびホウ酸の緩衝剤を包含するが、それらに限定されない。製剤のpHを調節するために、必要に応じて酸または塩基を使用し得る。
【0021】
他の一態様においては、本発明の組成物は保存剤を含有する。
本発明が開示する医薬組成物中に使用し得る保存剤は、下記のものを包含するが、それらに限定されない:
カチオン性保存剤、例えば第四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、polyquadなどを包含する)、グアニジン系保存剤(PHMB、クロルヘキシジンなどを包含する);
クロロブタノール;
水銀保存剤、例えばチメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀:並びに
酸化保存剤、例えば安定化オキシクロロ複合体(例えばPurite(登録商標))。
【0022】
他の一態様においては、本発明の組成物は界面活性剤を含有する。
界面活性剤は、賦形剤もしくは活性剤の溶解を促進するため、固体もしくは液体を組成物中に分散させるため、湿潤を向上するため、液滴サイズを調節するため、または他の多くの目的のために使用し得る。有用な界面活性剤は下記群の界面活性剤を包含するが、それらに限定されない:アルコール;アミンオキシド;ブロックポリマー;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;カルボン酸/脂肪酸;エトキシル化アルコール;エトキシル化アルキルフェノール;エトキシル化アリールフェノール;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステルまたは油(動物性および植物性);脂肪エステル;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;グリセロールエステル;グリコールエステル;ラノリン系誘導体;レシチンおよびレシチン誘導体;リグニンおよびリグニン誘導体;メチルエステル;モノグリセリドおよび誘導体;ポリエチルエングリコール;ポリマー界面活性剤;プロポキシル化およびエトキシル化脂肪酸、アルコールまたはアルキルフェノール;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;ソルビタン誘導体;スクロースおよびグルコースエステルおよび誘導体。
【0023】
エトキシレート界面活性剤が特に有用である。
エトキシレート界面活性剤は、-O(CH2CH2O)n-OH部分(ここでnは少なくとも約1である)を有するものである。
一態様においては、nが約1〜約10000である。
他の一態様においては、nが1〜約1000である。
他の一態様においては、nが約1〜約500である。
【0024】
いくつかのエトキシレートは、1個のエトキシレート部分を有する。換言すれば、各分子にエトキシレート鎖が1個存在する。
エトキシレート部分を1個有する界面活性剤の例は下記のものを包含するが、それらに限定されない:
アルコールが1個のヒドロキシル単位を有するエトキシル化アルコール;アルキルフェノールエトキシレート;エトキシル化脂肪酸;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;ポリエチレングリコールなど。
【0025】
エトキシレートは、1個より多いエトキシレート部分を有し得る。換言すれば、複数のエトキシレート部分が複数の異なる分子部分に結合し得る。その例は、ブロックポリマー;エトキシル化油、ソルビタン誘導体、スクロースおよびグルコースのエトキシレートなどを包含するが、それらに限定されない。
【0026】
ブロックポリマー:ブロックポリマーは構造A−B−A’を有するポリマーで、AおよびA’はエチレン単位数1またはそれ以上のポリエチレン鎖であり、Bはプロピレン単位数1またはそれ以上のポリプロピレン鎖である。AおよびA’は、必ずしもそうではないが通例ほぼ同じ長さである。
【0027】
一態様においては、AおよびA’は約2〜200のエチレン単位を有する。
他の一態様においては、AおよびA’は約5〜100のエチレン単位を有する。
他の一態様においては、AおよびA’は約7〜15のエチレン単位を有する。
他の一態様においては、AおよびA’は約7、約8または約12のエチレン単位を有する。
【0028】
他の一態様においては、Bは約25〜100のプロピレン単位を有する。
他の一態様においては、Bは約30〜55のプロピレン単位を有する。
他の一態様においては、Bは約30、約34または約54のプロピレン単位を有する。
【0029】
他の一態様においては、分子量が約1000〜20000である。
他の一態様においては、分子量が約2000〜10000である。
他の一態様においては、分子量が約2500、約3000、約3800または約8400である。
【0030】
そのようなブロックポリマーは下記のものを包含するが、それらに限定されない:
ポロキサレン:Aが約12のエチレンオキシド単位を有し、Bが約34のプロピレンオキシド単位を有し、A’が約12のエチレンオキシド単位を有し、平均分子量が約3000である。
ポロキサマー182:Aが約8のエチレンオキシド単位を有し、Bが約30のプロピレンオキシド単位を有し、A’が約8のエチレンオキシド単位を有し、平均分子量が約2500である。
ポロキサマー188:Aが約75のエチレンオキシド単位を有し、Bが約30のプロピレンオキシド単位を有し、A’が約75のエチレンオキシド単位を有し、平均分子量が約8400である。
ポロキサマー331:Aが約7のエチレンオキシド単位を有し、Bが約54のプロピレンオキシド単位を有し、A’が約7のエチレンオキシド単位を有し、平均分子量が約3800である。
【0031】
エトキシル化アルコール
エトキシル化アルコールは下記のものを包含するが、それらに限定されない:
炭素原子数約6〜20の直鎖アルコールのエトキシレート。
【0032】
一態様においては、直鎖アルコールは炭素原子を約10〜16個有する。
他の一態様においては、nが約1〜100である。
他の一態様においては、nが約1〜50である。
他の一態様においては、nが約5〜50エチレンオキシド単位である。
他の一態様においては、nが約1〜20エチレンオキシド単位である。
他の一態様においては、nが約30〜50エチレンオキシド単位である。
【0033】
エトキシル化アルキルフェノール
エトキシル化アルキルフェノールは、エトキシル化された、すなわちフェノール性OHがエトキシレート部分で置換されたアルキルフェノールである。
エトキシル化アルキルフェノールは下記のものを包含するが、それらに限定されない:
オクチルフェノールエトキシレート、すなわちC8H17Ph(OCH2CH2O)nH;
ノニルフェノールエトキシレート、すなわちC9H19Ph(OCH2CH2O)nH;
上記式中のnが約1〜100であるアルキルフェノール;
上記式中のnが約1〜50であるアルキルフェノール;
上記式中のnが約9〜15であるアルキルフェノール;
【0034】
オクチルフェノール1.5モルエトキシレート(すなわちnが約1.5の平均値);オクチルフェノール5モルエトキシレート;オクチルフェノール7モルエトキシレート;オクチルフェノール9モルエトキシレート;オクチルフェノール12モルエトキシレート;オクチルフェノール40モルエトキシレート;ノニルフェノール1.5モルエトキシレート;ノニルフェノール4モルエトキシレート;ノニルフェノール6モルエトキシレート;ノニルフェノール9モルエトキシレート;ノニルフェノール10モルエトキシレート;ノニルフェノール10.5モルエトキシレート;ノニルフェノール12モルエトキシレート;ノニルフェノール15モルエトキシレート;ノニルフェノール15モルエトキシレート;ノニルフェノール30モルエトキシレート;およびノニルフェノール40モルエトキシレート。
【0035】
エトキシル化脂肪酸
エトキシル化脂肪酸は下記のものを包含するが、それらに限定されない:
モノエステル、すなわちRCO2(CH2CH2O)nOH[ここでRCO2Hは脂肪酸である];または
ジエステル、すなわちRCO2(CH2CH2O)nC(=O)R
を形成するようにエステル化されたエトキシレート。
【0036】
脂肪酸は下記のものを包含するが、それらに限定されない:
飽和脂肪酸:これはC=C部分を持たず、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸を包含する。
【0037】
不飽和脂肪酸:下記のものを包含する:
モノ不飽和脂肪酸:これはC=C基を1個有し、例えばパルミトレイン酸、オレイン酸およびネルボン酸である;
ジ不飽和脂肪酸:これはC=C基を2個有し、例えばリノール酸である;
トリ不飽和脂肪酸:これはC=C基を3個有し、例えばα−リノレン酸およびγ−リノレン酸である;
テトラ不飽和脂肪酸:これはC=C基を4個有し、例えばアラキドン酸である;および
ペンタ不飽和脂肪酸:これはC=C基を5個有し、例えばエイコサペンタエン酸である。
【0038】
下記のものも使用し得る:
ラウリン酸;炭素数14の脂肪酸、例えばミリスチン酸;炭素数16の脂肪酸、例えばパルミチン酸およびパルミトレイン酸;炭素数18の脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸およびγ−リノレン酸;炭素数20の脂肪酸、例えばエイコサペンタエン酸;炭素数22の脂肪酸例えばアラキジン酸;並びに炭素数24の脂肪酸、例えばリグノセリン酸およびネルボン酸。
【0039】
一態様においては、nが約2〜100である。
他の一態様においては、nが約5〜50である。
他の一態様においては、nが約30〜50である。
【0040】
エトキシル化脂肪エステルまたは油(動物性および植物性)
これは、エチレンオキシドと脂肪エステルまたは油との反応によって得られる生成物である。脂肪油を使用する場合、生成物は、該油中に存在する脂肪酸のエトキシレート、グリセロールのエトキシレート、モノおよびジグリセリドのエトキシレートなどの混合物である。
【0041】
その例は下記のものを包含するが、それらに限定されない:
下記油のエトキシレート:アニス油、ヒマシ油、丁子油、カッシア油、桂皮油、アーモンド油、コーン油、落花生油、綿実油、ベニバナ油、トウモロコシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、オリーブ油、キャラウェー油、ローズマリー油、ピーナツ油、ペパーミント油、ヒマワリ油、ユーカリ油、ゴマ油、コリアンダー油、ラベンダー油、シトロネラ油、ジュニパー油、レモン油、オレンジ油、クラリーセージ油、ナツメグ油、ティーツリー油、ヤシ油、獣脂油およびラード。
【0042】
一態様においては、トリグリセリド油1モル当たり1〜約50モルのエチレンオキシドを用いる。
他の一態様においては、トリグリセリド油1モル当たり約30〜約40モルのエチレンオキシドを用いる。
【0043】
エチレンオキシドを、式RCO2R'で示される脂肪酸エステルと反応させて、RCO2(CH2CH2O)nR'を生成することもできる。すなわち、式RCO2(CH2CH2O)nR'[ここで、RCO2Hは脂肪酸であり、R'は炭素数1〜6のアルキルである。]で示される界面活性剤が意図される。
一態様は、R'がメチルである脂肪酸メチルエステルエトキシレートである。
【0044】
他の一態様においては、RCO2Hが、ラウリン酸;炭素数14の脂肪酸、例えばミリスチン酸;炭素数16の脂肪酸、例えばパルミチン酸およびパルミトレイン酸;炭素数18の脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸およびγ−リノレン酸;炭素数20の脂肪酸、例えばエイコサペンタエン酸;炭素数22の脂肪酸、例えばアラキジン酸;または炭素数24の脂肪酸、例えばリグノセリン酸およびネルボン酸である。
【0045】
ポリエチレングリコールは、エトキシレートであって、不置換であるか、または両末端に酸素を有する、すなわちHO(CH2CH2O)nHである。
【0046】
ソルビタン誘導体:
これは、エトキシル化ソルビタンであって、エトキシル化鎖の1つまたはそれ以上の末端に脂肪酸が結合したものである。例えばポリソルベート80は下記構造に示すようにオレエート末端基を有する。
【化2】

【0047】
このような化合物は、POE(w+x+y+z)ソルビタンモノ(またはジもしくはトリ)脂肪酸と称される。
例えばポリソルベート80はPOE(20)ソルビタンモノオレエートである。
すなわち、括弧内の数値は、分子中のエチレンオキシド単位の総数であり、末尾は酸末端基の数と名称である。
【0048】
ソルビタン誘導体は下記のものを包含するが、それらに限定されない:
エチレンオキシド単位の総数が3〜30であるソルビタン誘導体;
エチレンオキシド単位の総数が4、5または20であるソルビタン誘導体;
末端酸がラウレート、パルミテート、ステアレートまたはオレエートであるソルビタン誘導体。
【0049】
ソルビタン誘導体は、
POEソルビタンモノラウレート;
POEソルビタンジラウレート;
POEソルビタントリラウレート;
POEソルビタンモノパルミテート;
POEソルビタンジパルミテート;
POEソルビタントリパルミテート;
POEソルビタンモノステアレート;
POEソルビタンジステアレート;
POEソルビタントリステアレート;
POEソルビタンモノオレエート;
POEソルビタンジオレエート;または
POEソルビタントリオレエート
であり得る。
【0050】
特定の例は、POE(20)ソルビタンモノラウレート;POE(4)ソルビタンモノラウレート;POE(20)ソルビタンモノパルミテート;POE(20)モノステアレート;POE(20)ソルビタンモノステアレート;POE(4)ソルビタンモノステアレート;POE(20)ソルビタントリステアレート;POE(20)ソルビタンモノオレエート;POE(20)ソルビタン15モノオレエート;POE(5)ソルビタン10モノオレエート;POE(20)ソルビタントリオレエートを包含する。
【0051】
スクロースおよびグルコースのエステルおよび誘導体
スクロースおよびグルコース系の界面活性剤は多数存在するが、スクロースおよびグルコースのエステルおよび誘導体のいくつかは前記ソルベート誘導体に類似している。換言すれば、糖のヒドロキシル部分の1つ、複数または全部がエトキシル化され、エトキシレート鎖の1つまたは複数の末端にカルボン酸が結合している。他のいくつかのスクロースおよびグルコースエステルは、エトキシル化されているだけで、末端カルボン酸を有さない。他のいくつかのスクロースおよびグルコースエステルは、エトキシル化され、アルコールとの反応によって生成したアルキル基を末端に有し得る。他のいくつかのスクロースおよびグルコースエステルは、糖と疎水性鎖とのエステルまたはエーテルで、糖の別の部分に置換したエトキシレートを有し得る。
【0052】
本発明が開示する眼用製剤中には、様々な有用な賦形剤を使用し得る。そのような賦形剤は、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびアクリレート(例えばPemulen(登録商標))を包含するが、それらに限定されない。
【0053】
浸透圧調節剤を、必要に応じて、または好都合に使用し得る。それは、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリン、または他の適当な眼科学的に許容し得る浸透圧調節剤を包含するが、それらに限定されない。
【0054】
同様に、眼科学的に許容し得る酸化防止剤は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシルトルエンを包含するが、それらに限定されない。
【0055】
眼用製剤中に含ませ得る他の佐剤成分はキレート剤である。有用なキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、その代わりに、またはそれと共に他のキレート剤を使用してもよい。
【0056】
組成物は水性の溶液もしくはエマルジョン、または他の許容し得る液体の形態であり得る。エマルジョンには、1種またはそれ以上の油をエマルジョン形成のために使用し得、場合によっては1種またはそれ以上の界面活性剤が必要であり得る。適当な油は、アニス油、ヒマシ油、丁子油、カッシア油、桂皮油、アーモンド油、コーン油、落花生油、綿実油、ベニバナ油、トウモロコシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、オリーブ油、キャラウェー油、ローズマリー油、ピーナツ油、ペパーミント油、ヒマワリ油、ユーカリ油、ゴマ油などであるが、それらに限定されない。
【0057】
一態様においては、組成物は水溶液である。
他の一態様においては、組成物はエタノールを含有しない。
他の一態様においては、組成物はヒアルロン酸を含有しない。
他の一態様においては、組成物はビタミンE TPGSを含有しない。
他の一態様においては、組成物はシクロデキストリンAを含有しない。
他の一態様においては、組成物はシクロデキストリンを含有しない。
【0058】
実施例1

【0059】
組成物P、A、BおよびCを下記手順で調製する。
1.バッチサイズの約90%まで精製水を計量し、適当なビーカーまたは容器に入れる。
2.強力なミキサー(Rotosolver)で水の撹拌を開始し、強い渦を生じさせる。
3.予め計量したカルボキシメチルセルロースナトリウムを強い渦に加える。少なくとも1時間、強力な混合を続ける。
4.ミキサーを低速にする。
【0060】
5.予め計量したポリソルベート80を加え、溶解させる。
6.予め計量したグリセロールを加え、溶解させる。
7.予め計量したマンニトールを加え、溶解させる。
8.予め計量したクエン酸ナトリウム二水和物を加え、溶解させる。
9.予め計量したホウ酸を加え、溶解させる。
10.予め計量したホウ酸ナトリウム十水和物を加え、溶解させる。
11.予め計量した塩化カリウムを加え、溶解させる。
【0061】
12.pHを測定し、必要なら調節する。pHは7.5±0.1とする。
13.予め計量したPuriteを加え、溶解させる。
14.最終バッチ体積とするのに充分量の精製水を加える。これにより、最終プラセボ製剤(P)を調製し得る。
【0062】
0.03%(A)、0.04%(B)、0.05%(C)の調製手順
15.バッチサイズ要件を満たすのに必要なプラセボ(9815X)量を正確に量り、磁気撹拌子の入ったメディアボトルに入れる。
16.予め計量したシクロスポリンを加え、溶解させる。発泡しないよう、低速で撹拌する。シクロスポリンを完全に溶解させるのに、通例一晩の混合を要し得る。
17.一晩の混合が完了したら、ポンプを用いてシクロスポリン溶液をMillipore MilligardプレフィルターおよびPall Suporlife滅菌フィルターに通し、無菌的に濾液を回収する。
18.次いで、無菌溶液を、眼用に適当な複数用量のドロッパーボトルに無菌的に充填する。
19.最終生成物を、シクロスポリンアッセイ、pH、浸透圧、粘度、Purite、無菌性および抗微生物有効性に関して試験すべきである。
20.最終生成物を室温で遮光して保存すべきである。
【0063】
実施例2
下記製剤を調製した。DおよびEは、当分野で知られる標準的な方法で調製した。Fは、カルボキシメチルセルロースナトリウムの代わりにPemulen TR-2を用い、クエン酸およびホウ酸緩衝剤を加えなかったことを除いては、A〜Cに関して先に記載したように調製した。
【0064】

【0065】
バイオアベイラビリティー
本発明において開示および使用する組成物は、処置有効量のシクロスポリンAを哺乳動物に提供する。しかし、本発明の範囲を限定することを意図しないが、本発明の組成物中のシクロスポリンAの濃度は、通常処置有効濃度に関連する濃度よりも顕著に低濃度であり得る。例えば、Allergan, Inc.からRestasis(登録商標)として市販されている製剤は、0.05%シクロスポリンAヒマシ油エマルジョンである。現在開発中の他の組成物は、濃度が0.1%またはそれ以上である。
【0066】
ウサギにおけるインビボ実験の薬理動態データを報告する。ウサギの実験は、ヒトを包含する他の哺乳動物におけるバイオアベイラビリティーの有用なモデルであると考えられる。すなわち、バイオアベイラビリティーのパラメータを開示し特徴付ける(特許請求の範囲において)が、それは処置をウサギのみに限定するものと解釈すべきではなく、ウサギにおけるバイオアベイラビリティーによって特徴付けられ定義される組成物は、他の哺乳動物(特にヒト)の処置における使用も意図される。
【0067】
一態様においては、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
一態様においては、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
一態様においては、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをヒトの角膜に提供する。
【0068】
一態様においては、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
一態様においては、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
一態様においては、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
他の一態様においては、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをヒトの結膜に提供する。
【0069】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約500ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0070】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約1000ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0071】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約1400ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0072】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約2000ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0073】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約2400ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0074】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与から30分後において、ウサギの角膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供される。
【0075】
他の一態様においては、前記組成物はシクロスポリンAを0.005〜約0.04%含有する水溶液であり、雌ニュージーランドウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、角膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供されることが下記のように測定される:
被験雌ニュージーランド白ウサギ15匹のそれぞれの各眼に前記組成物を局所投与し;被験体への投与後約0.5時間、約2時間、約6時間、約12時間および約24時間の時点で3被験体の角膜におけるシクロスポリンA量を測定する;ここで、角膜中のシクロスポリンA量の測定は、各被験体について1回だけ行う。
【0076】
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、角膜1g当たり少なくとも約30000ngのシクロスポリンAをウサギの角膜に提供する。
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、角膜1g当たり少なくとも約45000ngのシクロスポリンAをウサギの角膜に提供する。
【0077】
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、角膜1g当たり少なくとも約95000ngのシクロスポリンAをウサギの角膜に提供する。
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、角膜1g当たり少なくとも約155000ngのシクロスポリンAをウサギの角膜に提供する。
【0078】
他の一態様においては、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、局所投与後24時間にわたってウサギの結膜1g当たり少なくとも約6000ngのシクロスポリンAがウサギの結膜に提供される。
【0079】
他の一態様においては、前記組成物はシクロスポリンAを0.005〜約0.04%含有する水溶液であり、ニュージーランドウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、結膜1g当たり少なくとも約6000ngのシクロスポリンAがウサギの結膜に提供されることが下記のように測定される:
被験雌ニュージーランド白ウサギ15匹のそれぞれの各眼に前記組成物を局所投与し;被験体への投与後約0.5時間、約2時間、約6時間、約12時間および約24時間の時点で3被験体の結膜におけるシクロスポリンA量を測定する;ここで、結膜中のシクロスポリンA量の測定は、各被験体について1回だけ行う。
【0080】
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、結膜1g当たり少なくとも約5000ngのシクロスポリンAをウサギの結膜に提供する。
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、結膜1g当たり少なくとも約7000ngのシクロスポリンAをウサギの結膜に提供する。
【0081】
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、結膜1g当たり少なくとも約10000ngのシクロスポリンAをウサギの結膜に提供する。
他の一態様においては、ニュージーランドウサギの各眼に投与する前記組成物が、結膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAをウサギの結膜に提供する。
【0082】
他の一態様においては、組成物35μL滴を12ヶ月間にわたり両眼に1日2回局所投与したヒトにおいて、シクロスポリンAの血中レベルは0.1mg/mL未満である。
【0083】
薬物動態試験1
3試験製剤の1つを35μLの量で、雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与した(各時点でウサギn=3)。投与後0.5、2、6、12、24、48および144時間の時点で、角膜、結膜、強膜、眼瞼縁、鼻涙管および血液のサンプルを採取した。未処置ウサギ(n=2)から得たサンプルを、投与前サンプルに供した。定量範囲は、血液では0.2〜0.4ng/mL、角膜および結膜では0.1〜200ng、眼瞼縁および鼻涙管では0.1〜100ng、強膜および涙腺では0.1〜20ngであった。
【0084】
3つの0.05%シクロスポリンA製剤のうちの1つを1回点眼した後の眼組織中のシクロスポリンAの薬物動態パラメータを表1−1に示す。
【0085】
【表1−1】

【0086】
すなわち、0.05%シクロスポリンA製剤の単回点眼後、最も高いシクロスポリンA眼組織暴露レベルがもたらされたのは組成物Fを用いた場合で、その次に組成物E、組成物Dの順であった。
【0087】
材料
試験材料
前記組成物D、EおよびFをこの試験に使用した。
化学薬品、試薬および供給物
他の化学薬品はいずれも、試薬級またはそれ以上であった。
動物
種類、系統、性別、齢、大きさ、供給元および識別
体重1.8〜2.6kgの雌ニュージーランド白ウサギをCharles River(カナダ、ケベック、サンコンスタン)から購入した。動物の識別のために永久耳タグを使用した。
【0088】
正当性
ウサギとヒトの眼解剖学は類似しているので、ウサギは好適な動物モデルである。
【0089】
動物の管理
毎日12時間を明るく、12時間を暗くする時間調節蛍光照明システムを備えた、環境調節された設備の中に、すべての動物を収容した。室温を61〜72°Fに保ち、相対湿度を30〜70%に保った。空気流は、毎時10〜30換気の範囲とした。温度、湿度および空気流は、Edstrom Watchdogシステム・バージョン4.0でモニターした。
品質保証高繊維ウサギ飼料(Certified Hi-Fiber Rabbit Diet)を動物に与えた。飼料の品質証明および分析は販売元から提供された。製造元提供の分析以外に分析は実施しなかった。逆浸透法で精製した飲料水を自由に摂取させた。定期的に水を分析して、この試験の実施を妨害し得る汚染物がないか調べた。
製造元が動物飼料の分析を行った。
【0090】
動物馴化
Allerganにおける馴化期間中、動物を毎日観察して、全体的健康状態または挙動に変化がないか調べた。試験開始前少なくとも5日間、ウサギを検疫した。すべての動物が、試験前および試験期間中、健康に見えた。
【0091】
動物の死および処分
少なくとも1mLのペントバルビタールナトリウムの耳介静脈内注射によって、動物を安楽死させた。
【0092】
試験デザインおよび試験方法
試験デザイン
【表1−2】

【0093】
単回両眼投与、各時点でウサギ3匹(6眼および3血液サンプル)。群4の2匹には投薬せず、生物分析対照として用いた。投与前に65匹の動物を体重測定し、4試験群に分けた。試験デザインを表1−2に示す。4試験群を下記の表2に示す。
【0094】
【表2】

n=各群の動物数
F=雌
【0095】
前処置検査
試験に付す前に、各動物の身体検査を行った。標準化されたデータ収集シートを使用して、投薬前および眼投与直後の目視観察結果を記録した。
【0096】
無作為化
投与前に65匹の動物を体重測定し、無作為に4試験群に分けた。
【0097】
投与手順
試験の時間0の時点で、動物の両眼に1回点眼した。投与直前に眼を検査して、異常、例えば感染、充血または目に見える損傷がないか調べた。目に見える異常のない動物だけを使用した。下眼瞼をそっとつまんで眼から離した。Gilson精密ピペットで35μLの投与溶液を各眼の下結膜円蓋に滴下した。投薬時刻を記録した。眼に薬物が均一に行き渡るように、約5秒間眼をそっと閉じたままにした。投与後に眼の目視観察を行った。投与した眼を含んで動物に主観的な刺激の徴候がないか調べた。観察結果を記録した。
【0098】
死亡率/疾病率
試験期間中、動物の死亡率/疾病率を調べた。
【0099】
体重
投薬前日およびその後は無作為に、動物の体重を測定した。
【0100】
剖検前の採血
安楽死/剖検前に各ウサギから採血した。ケタミン/キシラジンカクテル(ケタミン87mg/mL、キシラジン13mg/mL)を0.1mL/kg量静脈内注射して、動物を麻酔した。採血は心穿刺により行った。血液約5mLを、キャップがラベンダー色(K EDTA)の10mLチューブに採った。血液サンプルを生物分析するまで約−15℃またはそれ以下で保存した。
【0101】
安楽死
採血後、市販の安楽死溶液を静脈内注射して動物を安楽死させた。
【0102】
剖検および眼組織の採取
剖検時に、眼サンプルを両眼から採り、場合によっては水分を拭き取り、重量測定し、適当なラベルを付けた個別のシラン処理バイアルに入れた。眼表面に残留する製剤を落とすために、両眼をLENS PLUS(登録商標)で濯いだ。
【0103】
結膜
各眼から上下の結膜を採り、プールし、重量を記録し、個別のねじ蓋付きガラス製13×100シラン処理試験管に入れ、すぐに氷上に置いた。サンプルを生物分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0104】
角膜
各眼から角膜全体を採り、重量を記録し、個別のねじ蓋付きガラス製13×100シラン処理試験管に入れ、すぐに氷上に置いた。サンプルを生物分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0105】
強膜
各眼から強膜を採り、重量を記録し、個別のねじ蓋付きガラス製13×100シラン処理試験管に入れ、すぐに氷上に置いた。サンプルを生物学的分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0106】
鼻涙管
各眼に付随する鼻涙管を含む組織を採り、重量を記録し、ねじ蓋付きガラス製13×100シラン処理試験管に入れ、すぐに氷上に置いた。サンプルを生物分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0107】
眼瞼縁
各眼から眼瞼縁を採り、重量を記録し、個別のねじ蓋付きガラス製13×100シラン処理試験管に入れ、すぐに氷上に置いた。サンプルを生物分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0108】
サンプルの保存
血液および眼組織のサンプルを、生物分析するまで−15℃またはそれ以下で保存した。
【0109】
生物分析
眼組織および血液中の濃度を、下記方法で定量した。
眼組織サンプルを抽出するために、4℃でメタノール2.0mLに一晩浸漬した。その後、メタノール2.0mLによる2回目の浸漬を行い、室温で約1時間振盪した。全部で4mLの有機抽出物から1mLを採り(涙腺サンプルに関しては4mL全部を分析した)、内部標準を加えた(CsG500ng/mLを20μL)。メタノール抽出物を蒸発乾固し、50:50のアセトニトリル:水中の2mM酢酸アンモニウム/0.4%ギ酸200μLで再構成して、LC MS/MS分析した。血液サンプル分析のための生物分析方法では、K3 EDTA処理ウサギ血液の0.5mLに内部標準CsGを加えた(500ng/mLを10μL)。
【0110】
血液サンプルを37℃で30分間インキュベーション後、サンプルを0.1N−HCl(2mL)で酸性化した。各サンプルにメチルt−ブチルエーテル(4mL)を加え、15分間混合した。有機相を分離し、0.1N−NaOH(2mL)を加えて塩基性化した。有機抽出物を水相から分離し、蒸発乾固し、50:50のアセトニトリル:水中の2mM酢酸アンモニウム/0.4%ギ酸200μLで再構成して、LC MS/MS分析した。再構成サンプルの50μL量をLS−MS/MS分析するのに、PE Sciex API3000質量分析計(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティー)、Leapオートサンプラー(ノースカロライナ州カーボロ)、およびHPLCポンプ(Shimadzu Scientific Instruments、メリーランド州コロンビア)を使用した。逆相HPLCを行うのにKeystone BDS C8カラム(3μm、2.1×50mm、65℃)を使用し、流速0.3mL/分で溶媒勾配溶出を行った(A=水中の2mM酢酸アンモニウム/0.4%ギ酸、B=アセトニトリル中の2mM酢酸アンモニウム/0.4%ギ酸)。MRM分析に用いたプリカーサー−プロダクトイオンのペアは、CsAには1203(MH)→425.5、IS(シクロスポリンG)にはm/z1217(MH)→425.5であった。総分析時間は5分間で、CsAおよびCsGの保持時間はそれぞれ約1.82分および約1.86分であった。
【0111】
データ処理
データ収集
・処置前および処置後の肉眼的な眼検査
・体重:日−1において無作為化
・投与記録
・死亡率/疾病率
・血液サンプル:剖検前
・眼組織サンプル:剖検後
【0112】
データ計算およびアウトライアー分析
生データ中、正当な理由で排除したもの以外、すべてのデータを計算に用いた。
【0113】
薬物動態分析
Thermo Electron Watson(商標)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)およびMicrosoft(登録商標)Excel(ワシントン州レドモンド)を用いて、薬物動態計算を行った。下記薬物動態パラメータを、既知のノンコンパートメントアプローチで計算した(Tang-Luiら、Pharmaceutical Research, Vol. 5, No. 4, 1988, 238-241参照)。薬物動態データを記述統計学、例えば平均および標準偏差(可能な場合)で記載した。濃度−時間曲線下面積(AUC)の値は、複合AUCおよび可能な場合は±標準誤差(SEM)として記した。
【0114】

【0115】
定量限界未満の値および丸め
平均の計算に寄与する濃度値の半数を越えるものが定量限界未満(BLQ)であった場合は、統計を計算不能(NC)として報告した。半数またはそれ以上の値が定量可能であった場合は、BLQ値があればそれを値「0」で置き替え、そのように置き替えた値を用いて平均およびその標準偏差(SD)を計算した。各処置群の各サンプリング時点について、平均および平均の標準偏差を計算した。サンプルサイズが2に満たないかまたは2に等しい場合は、平均値のみを報告した。平均値はすべて3つの有効数字まで報告し、標準偏差は対応する平均値と同じ小数位まで報告した。
【0116】
プロトコル逸脱
6時間後の時点の眼組織サンプル採取に先立ち、眼表面に残留する製剤を落とすためのLens Plus(登録商標)による眼の濯ぎを行わなかった。この逸脱が本試験から導かれる結果に及ぼす影響は最小限であると考えられる。なぜなら、この薬物は通例、眼表面から短時間で吸収されるからである。また、6時間の間のウサギの瞬目が、表面の残留製剤を落とすように作用したはずである。
【0117】
略号

【0118】

注:挙げられた略号が必ずしも本報告に用いられるわけではない。
【0119】
結果および考察
角膜
平均濃度および薬物動態パラメータを表3および表4に示す。3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをウサギの両眼に1回点眼後の、角膜におけるシクロスポリンAの濃度−時間グラフを図1に示す。
【0120】
【表3】

【0121】
【表4】

【0122】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に角膜に吸収され、最高角膜濃度(Cmax)4050±1220ng/gが投与後0.500時間で得られた。最終定量可能時点までの濃度−時間曲線下面積(AUC0-t)の値は163000±7000ng・時間/g、AUC0-24値は59000ng・時間/gであった。消失半減期(t1/2)は41.3時間、平均滞留時間(MRT)は50.3時間であった。
【0123】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは角膜に吸収され、Cmax値1100±190ng/gが投与後2.00時間で得られた。AUC0-t値は76200±3300ng・時間/g、AUC0-24値は22100ng・時間/gであった。消失t1/2は41.7時間、MRTは56.5時間であった。
【0124】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは角膜に吸収され、Cmax値536±138ng/gが投与後6.00時間で得られた。AUC0-t値は29300±2000ng・時間/g、AUC0-24値は9450ng・時間/gであった。消失t1/2は49.8時間、MRTは61.6時間であった。
【0125】
結膜
平均濃度および薬物動態パラメータを表5および表6に示す。3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをウサギの両眼に1回点眼後の、結膜におけるシクロスポリンAの濃度−時間グラフを図2に示す。
【0126】
【表5】

【0127】
【表6】

【0128】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に結膜に吸収され、Cmax値4460±650ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は18100±800ng・時間/g、AUC0-24値は17100ng・時間/gであった。消失t1/2は11.3時間、MRTは7.37時間であった。
【0129】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に結膜に吸収され、Cmax値2560±1070ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は11600±700ng・時間/gであった。消失t1/2は5.57時間、MRTは5.93時間であった。
【0130】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に結膜に吸収され、Cmax値694±410ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は5290±480ng・時間/gであった。消失t1/2は4.55時間、MRTは6.07時間であった。
【0131】
強膜
平均濃度および薬物動態パラメータを表7および表8に示す。3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをウサギの両眼に1回点眼後の、強膜におけるシクロスポリンAの濃度−時間グラフを図3に示す。
【0132】
【表7】

【0133】
【表8】

【0134】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に強膜に吸収され、Cmax値545±98ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は6110±260ng・時間/g、AUC0-24値は3900ng・時間/gであった。消失t1/2は29.7時間、MRTは25.3時間であった。
【0135】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に強膜に吸収され、Cmax値136±43ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は2480±150ng・時間/g、AUC0-24値は1560ng・時間/gであった。消失t1/2は24.8時間、MRTは26.7時間であった。
【0136】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは強膜に吸収され、Cmax値53.0±10.9ng/gが投与後6.00時間で得られた。AUC0-t値は1040±50ng・時間/g、AUC0-24値は792ng・時間/gであった。消失t1/2は18.7時間、MRTは23.8時間であった。
【0137】
眼瞼縁
平均濃度および薬物動態パラメータを表9および表10に示す。3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをウサギの両眼に1回点眼後の、眼瞼縁におけるシクロスポリンAの濃度−時間グラフを図4に示す。
【0138】
【表9】

【0139】
【表10】

【0140】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に眼瞼縁に吸収され、Cmax値3120±1040ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は38300±5300ng・時間/g、AUC0-24値は19900ng・時間/gであった。消失t1/2は42.5時間、MRTは40.5時間であった。
【0141】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に眼瞼縁に吸収され、Cmax値2020±980ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は42200±10800ng・時間/g、AUC0-24値は17600ng・時間/gであった。消失t1/2は38.1時間、MRTは38.4時間であった。
【0142】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは眼瞼縁に吸収され、Cmax値2450±970ng/gが投与後2.00時間で得られた。AUC0-t値は27700±3300ng・時間/g、AUC0-24値は18000ng・時間/gであった。消失t1/2は24.4時間、MRTは21.9時間であった。
【0143】
鼻涙管
平均濃度および薬物動態パラメータを表11および表12に示す。3つの0.05%シクロスポリンA製剤の1つをウサギの両眼に1回点眼後の、鼻涙管組織におけるシクロスポリンAの濃度−時間グラフを図5に示す。
【0144】
【表11】

【0145】
【表12】

【0146】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に鼻涙管組織に流れ込んで吸収され、Cmax値195±201ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は2190±350ng・時間/g、AUC0-12値は478±86ng・時間/gであった。MRTは17.6時間であった。
【0147】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に鼻涙管組織に流れ込んで吸収され、Cmax値74.4±20.9ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は1190±210ng・時間/g、AUC0-12値は465±106ng・時間/gであった。MRTは24.7時間であった。
【0148】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、シクロスポリンAは急速に鼻涙管組織に流れ込んで吸収され、Cmax値72.0±91.7ng/gが投与後0.500時間で得られた。AUC0-t値は279±39ng・時間/gであった。MRTは12.1時間であった。
【0149】
血液
シクロスポリンAの平均血中濃度を表13に示す。
【表13】

【0150】
組成物F
組成物Fを両眼に1回点眼してから0.5時間後および2時間後の時点で、シクロスポリンAの血中濃度はそれぞれ2.21±0.33ng/mLおよび0.463±0.021ng/mLであった。それ以降のいずれの時点においても、シクロスポリンAのレベルは定量限界未満であった。
【0151】
組成物E
組成物Eを両眼に1回点眼してから0.5時間後の時点で、シクロスポリンAの血中濃度は0.441±0.126ng/mLであった。それ以降のいずれの時点においても、シクロスポリンAのレベルは定量限界未満であった。
【0152】
組成物D
組成物Dを両眼に1回点眼後、いずれの時点においても、シクロスポリンAのレベルは定量限界未満であった。
【0153】
組成物Fをウサギに投与した場合は全般的に、最も高いレベルでシクロスポリンAが眼組織に送達され、平均で、濃度−時間曲線下面積(AUC)が組成物Dと比較して5倍大きかった。組成物Eをウサギに投与した場合は、組成物Dと比較して、AUCが平均で2倍大きかった。本アッセイにおいて組成物Dをニュージーランド白ウサギに投与して得られた薬物動態データは、過去に報告されたデータとよく一致していた。
【0154】
全般的に消失半減期および平均滞留時間は、組成物Fの場合が最大で、次に組成物E、組成物Dの順であった。すなわち、最終定量可能時点までのAUC値を求め、さらに角膜、結膜、強膜および眼瞼縁については24時間のAUCを、鼻涙管については12時間のAUCを求めて、1日1回投与後の薬物レベルを同じ間隔で評価した。全般的に、AUC0-t値の比較により示された傾向は、AUC0-24またはAUC0-12の比較によるものと一致していた。
【0155】
結論として、0.05%シクロスポリンA製剤を1回点眼後、最も高いシクロスポリンA眼組織暴露レベルが認められたのは、薬物を水性組成物Fとして製剤化した場合であり、次いで、組成物E、組成物Dの順であった。血液薬物暴露にも付随する傾向が見られた。
【0156】
本発明の範囲の制限を意図するわけではないが、そのような薬物動態試験結果は、従来知られていたよりも顕著に低い濃度でシクロスポリンAを局所眼用組成物中に使用し得、それでもなお処置有効量のシクロスポリンAをもたらし得ることを示すと考えられる。
【0157】
薬物動態試験2
下記組成物を、組成物D、EおよびFと同様の方法で調製した。

【0158】
前記と同様の分析方法を用いて薬物動態試験を行った。パラメータを次に示す。

【0159】
角膜、涙液および血液中の結果を次表に示す。
【表14】

【0160】
【表15】

【0161】
【表16】

【0162】
標準組成物
組成物(AA〜MM)は、本発明が開示する組成物を特徴付けるための比較用標準として用いることが特に意図される。
【0163】
下記組成物は、引用により本書の一部とするKanaiら、Transplantation Proceedings, Vol. 21, No. 1(2月), 1989: 3150-3152に開示されたのと同じものを意味するものとする:
組成物AA:シクロスポリンA(0.025%)、αシクロデキストリン(40mg/mL)および水から成る溶液;
組成物BB:シクロスポリンA(0.009%)、αシクロデキストリン(20mg/mL)および水から成る溶液;
組成物CC:シクロスポリンA(0.003%)、αシクロデキストリン(10mg/mL)および水から成る溶液。
【0164】
下記組成物は、引用により本書の一部とするCheeksら、Current Eye Research, Vol. 11, No. 7 (1992), 641-649に開示されているのと同じものを意味するものとする。
組成物DD:シクロスポリンA(0.025%)を含有するαシクロデキストリン(40mg/mL)の溶液。
【0165】
下記組成物は、引用により本書の一部とするTamilvanan, Stp Pharma Sci, 11-12月; 11(6):421-426に開示されているのと、シクロスポリンAの濃度以外は同じものを意味するものとする:
組成物EE:シクロスポリンA(0.05w/w%)、ヒマシ油(2.5w/w%)、ステアリルアミン(0.12w/w%)、α−トコフェロール(0.01w/w%)、塩化ベンザルコニウム(0.01w/w%)および水(100w/w%とする)から成るエマルジョン。
【0166】
下記組成物は、米国特許第5051402号(第7欄)に開示されたサンプルC〜Eと同じものを意味するものとする。該米国特許の開示全部を引用により本書の一部とする。
組成物FF:シクロスポリンA(0.25mL/mL)、α−シクロデキストリン(40mg/mL)および塩化ナトリウム(7.79mg/mL);
組成物GG:シクロスポリンA(0.10mL/mL)、α−シクロデキストリン(20mg/mL)および塩化ナトリウム(8.40mg/mL);
組成物HH:シクロスポリンA(0.05mL/mL)、α−シクロデキストリン(10mg/mL)および塩化ナトリウム(8.70mg/mL)。
【0167】
下記組成物は、引用により本書の一部とするAbdulrizak, Stp Pharma Sci, 11-12月; 11(6):427-432に開示されたのと、シクロスポリンAの濃度以外は同じものを意味するものとする:
組成物II:シクロスポリンA(0.05w/w%)、ヒマシ油(2.5w/w%)、ポロキサマー188(0.425w/w%)、グリセロール(2.25w/w%)、Lipoid E-80(0.5w/w%)、ステアリルアミン(0.12w/w%)、トコフェロール(0.01w/w%)、塩化ベンザルコニウム(0.01w/w%)および水から成るエマルジョン。
【0168】
下記組成物は、Kuwano Mitsuakiら、Phram Res 2002年8月; 19(1):108-111に開示されたのと同じものを意味するものとする。
組成物JJ:シクロスポリンA(0.0865%)、エタノール(0.1%)、MYS-40(2%)、HPMC(0.3w/v%)、リン酸二水素ナトリウム(0.2w/v%)およびEDTA二ナトリウム(0.01w/v%)、浸透圧を287mOsmに調節するための塩化ナトリウム並びに水から成る溶液。
【0169】
組成物KKは、引用により本書の一部とするUS20010041671の表1に製剤1として開示されたものを意味するものとする。組成物LLは、シクロスポリン濃度を低下した以外は引用により本書の一部とするUS20010041671の製剤3として開示されたものである。
組成物KK:シクロスポリンA(0.02%)、ヒアルロン酸ナトリウム(0.05%)、Tween 80(0.05%)、Na2HPO4・12H2O(0.08%)、ソルビトール(5.46%)、精製水(100mLとする)、pH7.0〜7.4、mOsm/L=295〜305。
組成物LL:シクロスポリンA(0.2%)、ヒアルロン酸ナトリウム(0.10%)、Tween 80(5.00%)、Na2HPO4・12H2O(0.08%)、ソルビトール(5.16%)、精製水(100mLとする)、pH7.0〜7.4、mOsm/L=295〜305。
【0170】
下記組成物は、引用により本書の一部とするUS5951971の実施例2に開示されたものを意味するものとする。
組成物MM:シクロスポリンA(0.025g)、ポリオキシ40ステアレート(0.5g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(0.2g)、ブチル化ヒドロキシトルエン(0.0005g)、エタノール(0.1g)、塩化ナトリウム(0.73g)、リン酸二水素ナトリウム(0.2g)、エデト酸ナトリウム(0.1g)、pH6.0に調節するための水酸化ナトリウム、および水(100mLとする)。
【0171】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物AA1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0172】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物BB1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0173】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物CC1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0174】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物DD1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0175】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物EE1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0176】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物FF1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0177】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物GG1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0178】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物HH1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0179】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物II1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0180】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物JJ1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0181】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物KK1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0182】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物LL1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0183】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物MM1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0184】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物AA1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0185】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物BB1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0186】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物CC1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0187】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物DD1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0188】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物EE1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0189】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物FF1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0190】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物GG1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0191】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物HH1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0192】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物II1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0193】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物JJ1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0194】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物KK1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0195】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物LL1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0196】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物MM1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与した30分後に、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0197】
ヒトまたは動物における二組成物の比較は、例えば、本発明の組成物を一つの眼に、第二の組成物を第二の眼に投与することによって行い得る。
【0198】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物AA1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0199】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物BB1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0200】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物CC1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0201】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物DD1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0202】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物EE1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0203】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物FF1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0204】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物GG1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0205】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物HH1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0206】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物II1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0207】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物JJ1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0208】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物KK1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0209】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物LL1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0210】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物MM1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0211】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物AA1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物AAよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0212】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物BB1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物BBよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0213】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物CC1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物CCよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0214】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物DD1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物DDよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0215】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物EE1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物EEよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0216】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物FF1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物FFよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0217】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物GG1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物GGよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0218】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物HH1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物HHよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0219】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物II1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物IIよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0220】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物JJ1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物JJよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0221】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物KK1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物KKよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0222】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物LL1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物LLよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0223】
他の一態様においては、本発明の組成物1滴または組成物MM1滴を同じ体積で雌ニュージーランド白ウサギの眼に局所投与後24時間にわたり、本発明の組成物は組成物MMよりも多くのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0224】
一態様においては、前記組成物1滴35μLを雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与し、局所投与の30分後の時点で角膜1g当たり少なくとも約500ngのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0225】
他の一態様においては、前記組成物1滴35μLを雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与し、局所投与の30分後の時点で角膜1g当たり少なくとも約2000ngのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0226】
他の一態様においては、前記組成物1滴35μLを雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与し、局所投与の30分後の時点で角膜1g当たり少なくとも約2400ngのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0227】
他の一態様においては、前記組成物1滴35μLを雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与し、局所投与後24時間の間に角膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAをウサギ角膜に提供する。
【0228】
他の一態様においては、前記組成物1滴35μLを雌ニュージーランド白ウサギの各眼に局所投与し、局所投与後24時間の間に結膜1g当たり少なくとも約3300ngのシクロスポリンAをウサギ結膜に提供する。
【0229】
他の一態様においては、前記組成物はシクロスポリンAを0.005%〜約0.04%含有する水溶液であり、ニュージーランドウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、角膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAがウサギの角膜に提供されることが下記のように測定される:
被験雌ニュージーランド白ウサギ15匹のそれぞれの各眼に前記組成物を局所投与し;被験体への投与から約0.5時間、約2時間、約6時間、約12時間および約24時間の時点で3被験体の角膜におけるシクロスポリンA量を測定する;ここで、角膜中のシクロスポリンA量の測定は、各被験体について1回だけ行う。
【0230】
他の一態様においては、前記組成物はシクロスポリンAを0.005%〜約0.04%含有する水溶液であり、ニュージーランドウサギの各眼に前記組成物1滴35μLを局所投与すると、結膜1g当たり少なくとも約17000ngのシクロスポリンAがウサギの結膜に提供されることが下記のように測定される:
被験雌ニュージーランド白ウサギ15匹のそれぞれの各眼に前記組成物を局所投与し;被験体への投与から約0.5時間、約2時間、約6時間、約12時間および約24時間の時点で3被験体の結膜におけるシクロスポリンA量を測定する;ここで、結膜中のシクロスポリンA量の測定は、各被験体について1回だけ行う。
【0231】
前記の通り、本発明の組成物は、ウサギのほか、ヒトを包含する哺乳動物に使用するのに適当である。すなわち、特許請求の範囲またはそれ以外に記載される、インビボ ウサギバイオアベイラビリティー試験により特徴付けられる組成物はいずれも、ヒトまたは他の哺乳動物にも使用することが意図される。ウサギにおけるバイオアベイラビリティーに関して組成物を定義するからと言って、該組成物を使用する処置方法をウサギに対する適用に限定すると解釈すべきではなく、該組成物による処置はヒトおよび他の哺乳動物の処置を包含すると解釈すべきである。
【0232】
前記記載は、本発明の実施に用い得る特定の方法および組成物を詳しく説明したもので、考えられる最善の様式を表す。しかし、所望の薬理学的性質を有する更なる組成物を同様の方法で調製し得ることは、当業者に明らかである。すなわち、本書における前記記載がいかに詳細なものであったとしても、その全体的範囲を制限するものと解釈すべきではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の法的構成によってのみ規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角膜知覚の低下を処置する方法であって、シクロスポリンAを約0.0001%(w/v)ないし約0.05%(w/v)未満の濃度で含有する組成物を、それを必要とする個体に投与することを含んで成る方法。
【請求項2】
組成物が、0.01〜0.02%(w/v)の濃度のシクロスポリンA、および保存剤を含有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組成物中のシクロスポリンAの濃度が約0.015%(w/v)である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
組成物中のシクロスポリンAの濃度が約0.04%(w/v)である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
組成物中のシクロスポリンAの濃度が約0.005%(w/v)である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
角膜知覚の低下が、角膜に影響を及ぼす手術、またはウイルス感染に関連する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
角膜知覚の低下が、角膜屈折矯正手術または全層角膜移植手術に関連する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
角膜知覚の低下が、放射状角膜切開術を受けた個体において引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
角膜知覚の低下が、光屈折矯正角膜切開術によって引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項10】
角膜知覚の低下が、レーシックによって引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項11】
角膜知覚の低下が、ラセックによって引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項12】
角膜知覚の低下が、SB-LASIKによって引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項13】
角膜知覚の低下が、EPI-LASIKによって引き起こされる請求項7に記載の方法。
【請求項14】
角膜知覚の低下が、ウイルス感染によって引き起こされる請求項6に記載の方法。
【請求項15】
ウイルス感染がHSV-1によるものである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ウイルス感染がHSV-2によるものである請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ウイルス感染がVZVによるものである請求項14に記載の方法。
【請求項18】
組成物中のシクロスポリンAの濃度が約0.0015%(w/v)である請求項2に記載の方法。
【請求項19】
シクロスポリンAを約0.0015%(w/v)の濃度で含有する液体組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−540446(P2010−540446A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525937(P2010−525937)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/076756
【国際公開番号】WO2009/099467
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】