説明

シクロパミンアナログ及びその使用方法

【課題】スムースンド依存性経路の活性化を調整する組成物及び方法の提供。
【解決手段】ヘッジホッグ機能獲得型、Ptc機能欠失型、又はスムースンド機能獲得型変異からもたらされるような、ヘッジホッグ経路の不所望の活性化の表現型効果を克服するのに使用し得るシクロパミンの類似体。前記化合物は、とりわけ癌の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、以下の米国特許出願:2004年8月27日に出願された第60/605,020号、2004年10月8日に出願された第60/617,170号、2004年11月5日に出願された第60/625,676号、及び、2005年5月19日に出願された第60/683,169号、に関連し、該各出願の全体は参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヘッジホッグシグナル経路は、胚発生中の多数のプロセスにとって必須である。分泌型タンパク質の前記ヘッジホッグファミリーのメンバーは、細胞増殖、分化、及び組織パターン形成を制御する。前記経路は、最初に、ショウジョウバエ(fruit fly Drosophila)で解明されたが、無脊椎動物及びヒトを含む脊椎動物で高度に保存されていることが示されている。ほとんどの細胞において、胚形成後には、前記ヘッジホッグシグナル経路の全活性が減退するが、ある種の成体細胞においては前記経路の活性が残存している。前記ヘッジホッグ経路の制御されていない活性化が、以下に詳述するように、ある種の型の癌をもたらすことが示された。
【0003】
ヘッジホッグポリペプチドは、前記ヘッジホッグ経路においてシグナル伝達リガンドとして機能する分泌型タンパク質である。典型的なヘッジホッグ遺伝子及びタンパク質は、PCT国際公報WO95/18856及びWO96/17924に記述されている。3つの異なる型の前記ヘッジホッグタンパク質がヒトで発見されている; すなわち、ソニックヘッジホッグ(Shh)、デザートヘッジホッグ(Dhh)、及びインディアンヘッジホッグ(Ihh)。ソニックヘッジホッグは、哺乳類において、最も一般的なヘッジホッグメンバーであり、また、前記ヘッジホッグファミリーの中で、最も特徴づけがなされているリガンドである。分泌前に、Shhは、分子内切断と脂質修飾反応がなされる。前記脂質修飾されたペプチドが、全てのシグナル伝達活性における原因である。
【0004】
二つの膜貫通型タンパク質が、前記ヘッジホッグ経路に関与する;12回-膜貫通のパッチ受容体(Ptc)、及び7回-膜貫通のスムースンド(Smoothened)タンパク質(Smo)。
【0005】
従来技術における知見は、ヘッジホッグが、Ptcに結合し、それによってSmoに対するPtcの抑制効果を解除することによって作用することを示唆している。PtcとSmoが共に膜貫通タンパク質であることから、間接的な作用機序ももっともらしいものであるが、提唱されているシナリオは、レセプター複合体を形成するように物理的に会合しているというものである。Ptc抑制からのSmoの前記抑制解除は、たぶん、Smoの高次構造上の変化に関わる。しかしながら、Smoがパッチタンパク質の完全な非存在下で、構成的に(恒常的に)活性化されることから、PtcはSmoの活性にとって必須ではない(Alcedo et al., 上掲; Quirk et al. (1997) Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 62: 217-226)。いったんSmoが抑制解除されると、急速且つ高度にリン酸化され、そしてGli転写制御因子(ショウジョウバエCiタンパク質の相同体)を介した転写を活性化するシグナルを伝達する(Alexandre et al. (1996) Genes Dev. 10: 2003-13)。前記Gli一転写制御因子は、増殖及び発生に関わる多くの遺伝子を上方制御する(Alexandre et al., 上掲)。ヘッジホッグシグナル伝達は、発生の多くのステージ、とりわけ左右対称形成において、必須である。ヘッジホッグシグナル伝達の欠損又は減少は、複合的な発生上の欠損及び形成異常(それらのうち最も著しいものの一つは単眼奇形である)をもたらす(Belloni et al. (1996) Nature Genetics 14: 353-6)。
【0006】
最近、ヘッジホッグ経路変異の活性化が、孤発性基底細胞腫において(Xie et al. (1998) Nature 391: 90-2)、及び、中枢神経系の原始神経外胚葉性腫瘍において(Reifenberger et al. (1998) Cancer Res 58: 1798-803)、生じていることが報告された。前記ヘッジホッグ経路の制御されていない活性化はまた、膵臓、食道、胃癌を含む消化管癌(Berman et al. (2003) Nature 425: 846-51, Thayer et al. (2003) Nature 425: 851-56)、肺癌(Watkins et al. (2003) Nature 422: 313-317)、前立腺癌(Karhadkar et al (2004) Nature 431: 707-12, Sheng et al. (2004) Molecular Cancer 3: 29-42, Fan et al. (2004) Endocrinology 145: 3961-70)、乳癌(Kubo et al. (2004) Cancer Research 64: 6071-74, Lewis et al. (2004) Journal of Mammary Gland Biology and Neoplasia 2: 165-181)、及び、肝細胞性癌(Sicklick et al. (2005) ASCO conference, Mohini et al. (2005) AACR conference)のような多数の型の癌で、示されている。
【0007】
ヘッジホッグ経路活性の低分子抑制は、制御されていないヘッジホッグ経路活性化を有する幾つかの異なる種類の癌において、細胞死をもたらすことが示されている(例えば、Berman et al., 2003 Nature 425: 846-51を参照されたい)。
【0008】
ヘッジホッグ経路拮抗物質は、現在、その状態又は障害に対してヘッジホッグ経路活性の1以上の態様を抑制することによって治療効果が獲得され得るような多くの臨床状態において、探索されている。最初の焦点は癌に向けられているが、研究者らは、前記ヘッジホッグ経路の低分子抑制が乾癬の症状を寛解することを示した(Tas, et al., 2004 Dermatology 209: 126-131、 公開された米国特許出願20040072913(参照により本書に組み込む))。乾癬は、皮膚におけるもの及び体の他の部分におけるものと変化があるが、典型的には紅斑性丘疹及び銀色のかさぶたのプラークを通常含む皮膚病変によって特徴づけられる、非常に一般的な慢性の皮膚障害である。乾癬は、現在、自己免疫疾患であると考えられているが、その病因学はまだ十分に理解されていない。
【0009】
相当の興味を惹くヘッジホッグ経路阻害薬は、天然物シクロパミンである。シクロパミンは、放牧されているヒツジの子孫が重篤な出生奇形を伴って産まれることが発見された後に、ユリ バイケイソウ属(californicum)から1966年に最初に単離された。これらの出生奇形を惹起する原因を同定する努力の中で、FDAは、考えられ得る源について研究し、そして、出生奇形の原因である催奇形物質として前記化合物シクロパミンを含むステロイド性アルカロイドのジェルビン(jervine)ファミリーを同定した。
【0010】
だいぶ後に、シクロパミンの作用機序が 、前記ヘッジホッグ経路活性の抑制を介することが判明した(Cooper et al. (1998) Science 280: 1603-7, Chen et al., (2002) Genes and Development 16: 2743-8)。シクロパミン及び関連化合物は、前記ヘッジホッグ経路への作用を介して、抗癌活性を有することが示された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
当初の見込みにもかかわらず、この化合物ファミリーのメンバー、又はそれらの類似体は、抗癌薬として首尾よくは開発されなかった。本発明は、この必要性を満たすと共に、他の関連する利点も有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、癌のような増殖性障害の治療等における、細胞の増殖抑制及び/又は細胞におけるアポトーシス促進に有用な、前記シクロパミンファミリーのステロイド性アルカロイドの類似体を提供する。本発明の前記ヘッジホッグ経路拮抗物質は、Ptc機能欠失型の表現型、Smo機能獲得型の表現型、又はヘッジホッグ機能獲得型の表現型を有するものとして、特徴付けられる患者などにおける、細胞又は組織の増殖抑制(又は他の生物学的結果)のために使用され得る。
【0013】
ある種の使用において、本発明の方法は、ヘッジホッグ機能獲得型の、Ptc機能欠失型、又はSmo機能獲得型の変異によりもたらされるような、ヘッジホッグ経路の望ましくない活性化の表現型効果の影響を弱めるのに使用される。例えば、本方法は、細胞(試験管内で又は生体内で)を、Smo−依存的経路の活性化を拮抗するのに十分量の本発明のヘッジホッグ経路拮抗物質(以下に定義)と接触させることに関係し得る。このような拮抗作用は、望ましくない細胞増殖を停止又は遅らせ、そして、細胞死を導き得る。
【0014】
ある実施形態において、本発明の前記方法及び化合物は、頭部、首、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺、傍神経節腫、膵臓、胃、皮膚、食道、肝臓及び胆管、骨、腸、大腸、直腸、卵巣、前立腺、肺、乳房、リンパ系、血液、骨髄、中枢神経系、又は脳の悪性障害の治療などにおいて、細胞増殖及び/又は細胞死を、試験管内で及び/又は生体内で、制御するのに使用され得る。
【0015】
ある実施形態において、本発明の前記方法及び化合物は、対象における乾癬の症状を治療するのに使用され得る。本発明の前記化合物は、単一の薬剤として、又は、1以上の抗−乾癬剤の組み合わせとして、乾癬を治療するのに使用され得る。特定の実施形態において、本発明の前記化合物は、治療の必要のある対象に、局所的に投与される。
【0016】
本発明の前記化合物は更に、癌治療の手段として患者に投与するために、医薬的に許容され得る賦形剤を含む医薬調製物として製剤化されてもよい。本発明の前記ヘッジホッグ経路拮抗物質及び/又はそれらを含む調製物は、望ましくない細胞増殖を含む状態(例えば、頭部、首、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺、傍神経節腫、膵臓、胃、皮膚、食道、肝臓及び胆管、骨、腸、大腸、直腸、卵巣、前立腺、肺、乳房、リンパ系、血液、骨髄、中枢神経系、又は脳の癌及び/又は腫瘍)の治療のために患者に投与され得る。ある実施形態において、そのような化合物又は調製物は、全身性に(例えば非経口的に)、及び/又は、局所的に(例えば局所に)、投与される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
本書で使用される用語の定義には、化学及び製薬分野の各用語について認識されている現在の技術定義を取り込ませる。適切な場合には、適例を用意する。個々に又はより大きな群の一部として特定の事例において限定される他は、本定義は、本明細書を通じて使用される際に前記用語に適用される。
【0018】
用語「ヘテロ原子(heteroatom)」は、技術分野で理解されており、且つ、炭素又は水素以外の、任意の要素の原子を指している。ヘテロ原子の例には、ホウ素、窒素、酸素、リン、イオウ、及びセレンを含む。
【0019】
用語「アルキル(alkyl)」は、技術分野で理解されており、且つ、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を含む。ある実施形態において、直鎖又は分枝鎖アルキルは、凡そ30又はそれ以下の炭素原子をその主鎖(backbone)内に有し(例えば、直鎖についてはC−C30、分枝鎖についてはC−C30)、また、或いは、凡そ20又はそれ以下を有する。また、シクロアルキル類は、凡そ3〜凡そ10炭素原子をその環構造内に有し、また、或いは、凡そ5、6若しくは7炭素を該環構造内に有する。特に断らない限り、アルキル基は、適当な置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、典型的には、前記アルキル基上の利用可能な結合価の数により制限され;それゆえ、一つのアルキル基は、未置換基上に存在するであろう1以上の水素原子の置き換えにより置換され得る。アルキル基についての好適な置換基には、ハロ、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、NR’、SR’、SOR’、SONR’、NR’SOR’、NR’CONR’、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CONR’、OOCR’、COR’、及びNOを含む、ここで、各R’は、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cアシル、C−Cヘテロアシル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アリールアルキル、又はC−C12ヘテロアリールアルキル(但し、その各々は、ハロ、C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cアシル、C−Cヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、及び=Oから選択される1以上の基で置換されていてもよい);また、ここで、同一置換基上の又は隣接原子上にある二つのR’は、N、O及びSから選択される3までのヘテロ原子を含有していてもよい3〜7員環を形成するために結合し得る。
【0020】
前記炭素の数について特に断らない限り、「低級アルキル」は、その背骨構造内に、1から凡そ10の炭素、或いは、1から凡そ6炭素原子を有する上記したアルキル基である。また、「低級アルキル」と「低級アルキニル」は、同様の鎖長である。
【0021】
用語「アラルキル」は、技術分野で理解されており、且つ、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、芳香族又は芳香族複素基)を指す。
【0022】
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、技術分野で理解されており、また、少なくとも一つの二重又は三重結合を各々含み且つ二重及び三重の両結合の混合を含んでもよい、上述のアルキルと類似の長さで且つ置換可能な、不飽和脂肪族基を指す。アルケニル及びアルキニル基は、特に断らない限り、アルキル基について上述したのと同一の置換基により、置換されていてもよい。
【0023】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、及び「ヘテロアルキニル」等は、その他の対応するヒドロカルビル(アルキル、アルケニル、及びアルキニル)基と類似したものとして定義されるが、ここで、「ヘテロ」なる用語は、その背骨残基内に1〜3のO、S若しくはNのヘテロ原子又はそれらの組み合わせを含む;それゆえ、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、又はヘテロアルキニルを形成するために、指定されたヘテロ原子の一つにより、その相当するアルキル、アルケニル、又はアルキニルの少なくとも一つの炭素原子が置換される。アルキル、アルケニル、及びアルキニルのヘテロ型についての典型的及び好適なサイズは、一般に、その対応するヒドロカルビル基におけるものと同一であり、そして、該ヘテロ型の上に存在してもよい置換基は、該ヒドロカルビル基任意について上述したものと同一のものである。化学的安定性のために、特に断らない限り、オキソ基がスルホニル基内のN又はS上に存在する場合を除き、そのような基は2を上回る隣接するヘテロ原子を含まないことも理解されている。
【0024】
用語「アリール」は、技術分野で理解されており、且つ、0から4のヘテロ原子を含んでいてもよい5-,6-及び7-員の単環芳香族基を指す(例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジン等)。前記環構造内にヘテロ原子を有するそれらのアリール基は、「アリールヘテロ環(aryl heterocycles)」又は「ヘテロ芳香族(heteroaromatics)」と呼んでもよい。前記の芳香族環は、1以上の環位置において、上述されたような置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族若しくはヘテロ芳香族成分、−CF、又は−CN等 で置換されてもよい。用語「アリール」は、2以上の炭素が二つの隣接する環に共有されている(該環は、「融合環」である)2以上の環式の環(但し、少なくとも該環の一つは芳香族である(例えば、他の環式環はシクロアルキル類、シクロアルケニル類、シクロアルキニル類、アリール類、及び/又はヘテロシクリル類))を有する多環式の環系をも含む。
【0025】
オルト、メタ及びパラの用語は、技術分野で理解されており、各々、1,2−、1,3−、及び1,4−の二置換ベンゼンを指す。例えば、名称 1,2−ジメチルベンゼン及びオルト−ジメチルベンゼンは、同義である。
【0026】
用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロ環基(heterocyclic group)」は、技術分野で理解されており、その環内に1から4のヘテロ原子を含む3−から凡そ10−員環構造、或いは、3−から凡そ7−員環構造を指す。ヘテロ環は、多環であってもよい。ヘテロシクリル基には、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサンテン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン類、アゼチジノン類及びピロリジノン類のようなラクタム類、スルタム類、並びに、スルトン類などを含む。ヘテロ環式環は、1以上の位置において、上述されたような置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリルの、芳香族の若しくはヘテロ芳香族の成分、−CF、又は−CN等で、置換されてもよい。
【0027】
用語「ポリシクリル(polycyclyl)」又は「多環式の(polycyclic)基」は、技術分野で理解されており、そして、2以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、及び/又はヘテロシクリル)(そこにおいて(2以上の炭素は二つの隣接する環、例えば該環は「融合環」に共有される))を指す。用語「架橋(bridged)」は、非-隣接性原子を介して結合された環である。前記ポリシクリルの前記環の各々は、上述されたような置換基(例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、へテロシクリル、芳香族の若しくはヘテロ芳香族の成分、−CF、若しくは−CN等)により、置換され得る。
【0028】
用語「炭素環(carbocycle)」は、技術分野で理解されており、その環の各原子が炭素であることを特徴とする芳香族又は非-芳香族の環を指す。
【0029】
用語「ニトロ」は、技術分野で理解されており、−NOを指し;用語「ハロゲン」は、技術分野で理解されており、−F、−Cl、−Br又は−Iを指し;用語「スルフヒドリル」は、技術分野で理解されており、−SHを指し;用語「ヒドロキシル」は、−OHを指し;及び、用語「スルホニル」は、技術分野で理解されており、−SOを指す。「ハライド(halide)」は、前記ハロゲンの対応する陰イオンを表し、そして、「偽性ハライド(pseudohalide)」は、Cotton及びWilkinsonによる「Advanced Inorganic Chemistry(上級無機化学)」の560に定義が記されている。
【0030】
用語「アミン」、「アミノ」、及び「アンモニウム」は、技術分野で理解されており、非置換型及び置換型アミンの両方、例えば、以下の一般式で表されてよい成分である:

ここで、R50、R51及びR52は各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61を表すか、又は、窒素原子とR50及びR51のまとまり(該まとまりは該窒素と結合している)は、4〜8原子を有するヘテロ環を前記環構造上に形成し;R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環若しくは多環を示し;並びに、mはゼロ若しくは1〜8の範囲にある整数である。他の実施形態においては、R50及びR51(及び任意的にR52)の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル又は−(CH−R61を示す。それゆえ、用語「アルキルアミン」は、上に規定したように、それと結合した置換型又は非置換型のアルキルを有するアミン基を含む(すなわち、少なくとも一つのR50及びR51はアルキル基である)。
【0031】
用語「アシルアミノ」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよい成分を指す:

ここで、R50は上のように規定され、且つ、R54は水素、アルキル、アルケニル又は−(CH−R61を示す(但しm及びR61は上のように規定される)。
【0032】
用語「アミド」は、アミノ置換カルボニルとして技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよい成分を含む:

ここで、R50及びR51は上のように規定される。本発明における該アミドのある実施形態においては、不安定であり得るイミド類を含まないであろう。
【0033】
用語「アルキルチオ」は、それと結合した硫黄基を有する、上のように規定されるアルキル基を指す。ある実施形態においては、「アルキルチオ」成分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、及び−S−(CH−R61の一つによって表される(但しm及びR61は上のように規定される)。代表的なアルキルチオ基は、メチルチオ、及びエチルチオ等を含む。
【0034】
用語「カルボキシル」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を含む:

ここで、X50は結合であるか又は酸素若しくは硫黄で表され、
並びに、R55及びR56は水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61又は医薬的に許容し得る塩を示し、R56は水素、アルキル、アルケニル又は−(CH−R61を表す(但しm及びR61は上のように規定される)。X50が酸素で且つR55又はR56が水素でない場合、前記式は、「エステル」を表す。X50が酸素で且つR55が上のように規定される場合、前記成分はカルボキシル基とするが、とりわけ、R55が水素である場合、前記式は、「カルボン酸」を表す。X50が酸素で且つR56が水素である場合、前記式は、「ギ酸」を表す。一般に、上記式の酸素原子がイオウにより置換された場合、該式は「チオールカルボニル」基を表す。X50が硫黄で且つR55又はR56が水素でない場合、前記式は、「チオールエステル」を表す。X50が硫黄で且つR55が水素である場合、前記式は、「チオールカルボン酸」を表す。X50が硫黄で且つR56が水素である場合、前記式は、「チオールギ酸」を表す。一方、X50が結合で且つR55が水素でない場合、上記式は、「ケトン」を表す。X50が結合で且つR55が水素である場合、上記式は、「アルデヒド」を表す。
【0035】
用語「カルバモイル」は、−O(C=O)NRR´を指す(ただし、R及びR´は、独立して、H、脂肪族基、アリール基、又はヘテロアリール基である)。
【0036】
用語「オキソ」は、カルボニル酸素(=O)を指す。
【0037】
用語「アルコキシル」又は「アルコキシ」は、技術分野で理解されており、それと結合した酸素基を有する、上のように規定されるアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、及びtert−ブトキシ等を含む。「エーテル」は、酸素によって共有結合性に連結された二つの炭化水素である。従って、アルキルをエーテルならしめるアルキルの置換基は、アルコキシルであるか又はこれに類似し、例えば、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(CH−R61の1つによって表わすことができる(但しm及びR61は上のように規定される)。
【0038】
用語「スルホン酸」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を指す:

ここで、R57は、電子対、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールである。
【0039】
用語「硫酸」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を含む:

ここで、R57は、上記のように規定される。
【0040】
用語「スルホンアミド」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を含む:

ここで、R50及びR56は、上記のように規定される。
【0041】
用語「スルファモイル」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を指す:

ここで、R50及びR51は、上記のように規定される。
【0042】
用語「スルホニル」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を指す:

ここで、R58は以下のうちの一つである:水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール。
【0043】
用語「スルホキシド」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよいような成分を指す:

ここで、R58は、上記のように規定される。
【0044】
用語「ホスホリル」は、技術分野で理解されており、一般に以下の式で表されてよい:

ここで、Q50は、S又はOであり、且つ、R59は、水素、低級アルキル又はアリールを表す。例えば、アルキルが置換されるのに使用される場合、前記ホスホリルアルキルの前記ホスホリル基は、以下の一般式で表され得る:

ここで、Q50及びR59は、各々独立して、上のように規定され、且つ、Q51は、O、S又はNを表す。Q50がSである場合、前記ホスホリル成分は「ホスホロチオ酸」である。
【0045】
用語「ホスホラミダイト」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよい:

ここで、Q51、R50、R51及びR59 は、上のように規定される。
【0046】
用語「ホスホナミダイト」は、技術分野で理解されており、以下の一般式で表されてよい:

ここで、Q51、R50、R51及びR59は、上のように規定され、且つ、R60は低級アルキル又はアリールを表す。
【0047】
例えば、アミノアルケニル類、アミノアルキニル類、アミドアルケニル類、アミドアルキニル類、イミノアルケニル類、イミノアルキニル類、チオアルケニル類、チオアルキニル類、カルボニル置換アルケニル類又はアルキニル類を作成するために、アルケニル及びアルキニル基に、アナログ置換がなされ得る。
【0048】
各表現、例えば、アルキル、m、及びnについての定義は、任意の構造において一度以上現れる場合、該同一構造上の他のところの該定義と独立であることを意図している。
【0049】
用語「セレノアルキル」は、技術分野で理解されており、置換されたセレノ基を有するアルキル基(該アルキル基と該セレノ基は結合している)を指す。前記アルキル上で置換され得る典型的な「セレノエーテル類」は、−Se−アルキル、−Se−アルケニル、−Se−アルキニル、及び−Se−(CH−R61、mの一つから選択され、且つ、R61は上のように規定される。
【0050】
用語トリフリル、トシル、メシル、及びノナフリルは、技術分野で理解されており、各々、トリフルオロメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニル、及びノナフルオロブタンスルホニル基を指す。用語トリフレート、トシレート、メシレート、及びノナフレートは、技術分野で理解されており、各々、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、及びノナフルオロブタンスルホン酸エステル官能基、並びに、該基を含む分子を指す。
【0051】
前記略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、及びMsは、各々、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、及びメタンスルホニルを表す。有機的化分野の当業者に用いられる、より包括的な略語のリストは、the Journal of Organic Chemistryの各巻の第1号にある;このリストは典型的には、略語標準リストと名付けられた表中に表されている。
【0052】
本発明の組成物中に含まれるある化合物は、特に、幾何学的又は立体異性な型で存在し得る。本発明は、本発明の範囲内にある限りにおいて、シス−及びトランス−異性体、R−及びS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらのその他の混合物を含む、全てのそのような化合物を、意図している。付加的な不斉炭素原子が、アルキル基のような置換基中に存在していてもよい。全てのそのような異性体、並びに、それらの混合物が、本発明中に、含まれることが意図されている。
【0053】
例えば、本発明の化合物の特定の鏡像異性体が望ましいのであれば、不斉合成により、又はキラルな補助での誘導により、調製され得る(但し、得られたジアステレオ異性混合物が分離され、及び該純粋な所望の鏡像異性体を提供するために該補助基が切断される)。或いは、前記分子が、アミノのような塩基性官能基、又はカルボキシルのような酸性官能基を含む場合、ジアステレオ異性塩が適切な光学活性のある酸又は塩基で形成され、該ジアステレオマーの分別が当業者に周知された分別再結晶又はクロマトグラフィー手法によりなされ、そして、それから該純粋な鏡像異性体の回収が続く。同様に、ラセミ混合物中の特定の鏡像異性体は、当業者既知のキラルクロマトグラフィー法によりその鏡像異性体から分離され得る。
【0054】
「置換」又は「で置換された」は、該置換された原子及び該置換基の許容される原子価と一致し、且つ、該置換が安定な化合物(例えば、該化合物は、再編成、環化、除去、又は他の反応などにより自然に形質転換しない)であるという暗黙の但し書きを含むと理解されるであろう。
【0055】
用語「置換された」はまた、有機化合物の全ての許容可能な置換基を意図する。広い態様において、前記許容可能な置換基には、有機化合物の、非環式及び環式、分枝及び分岐していない、炭素環式及び複素環式、芳香族の及び非芳香族の置換基を含む。実例となる置換基には、例えば、上のように記述されたものを含む。前記許容可能な置換基は、1以上であって、且つ、適切な有機化合物と同一か又は異なっていてよい。本発明の目的のためには、窒素のような前記ヘテロ原子が、水素置換基及び/又は本書に記載された有機化合物の任意の許容可能な置換基(但し、前記ヘテロ原子の前記原子価を満たす)を有し得る。本発明は、どんな形にせよ、有機化合物の前記許容可能な置換基によって制限されることは意図していない。
【0056】
「保護基」なる前記言い回しは、本書では、非所望の化学的形質転換から潜在的な反応性官能基を保護する、一時的置換基を意味するものとして使用する。そのような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びに、アルデヒド及びケトンのアセタール及びケタール(各々)を含む。保護基化学の分野については、レビューがなされている(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 第二版; Wiley:ニューヨーク、1991)。本発明の化合物の保護された形状は、本発明の範囲内に含まれる。
【0057】
本発明のために、前記化学元素は、元素周期表(CASバージョン)、化学と物理学のハンドブック、67版、1986-87、内表紙、に従って同定する。
【0058】
言い回し「遺伝子の異常な改変又は変異」は、遺伝的破壊(例えば、遺伝子に対するヌクレオチドの欠失、置換若しくは添加、並びに、該遺伝子の全体の染色体の再編成及び/又は該遺伝子の異常なメチル化)のようなものを指す。同様に、遺伝子の異常発現とは、同様の条件下での正常細胞における転写と比較して異常なレベルの転写、並びに、該遺伝子から転写されたmRNAの非野生型スプライシングを指す。
【0059】
「基底細胞腫(Basal cell carcinomas)」は、結節状-潰瘍性、表在性、色素性、モルヘア様、繊維上皮腫(fibroepithelioma)、及び母斑性基底細胞癌症候群(nevoid syndrome)のような、種々の臨床的及び組織学的な形状で存在する。基底細胞腫は、ヒトで見られる最も一般的な皮膚の新生物である。非-黒色腫皮膚癌の新しい症例の大部分は、このカテゴリーにあてはまる。
【0060】
前記用語「癌腫」とは、周囲組織を浸潤し且つ転移が生じる傾向のある上皮細胞を構成する悪性新増殖(malignant new growth)を指す。典型的な癌腫には以下を含む: 「基底細胞腫」(すなわち、めったに転移性とはならないが、局所性浸潤及び破壊の可能性を有する皮膚の上皮性腫瘍);「扁平上皮癌」(すなわち、扁平上皮から生じ且つ立方(cuboid)細胞を有する癌腫を指す);「癌肉腫」(すなわち、癌性及び肉腫様の組織を構成する悪性腫瘍を含む);「アデノ嚢胞性癌腫(adenocystic carcinoma)」(すなわち、乳房及び唾液腺、並びに気道の粘膜腺において生じる、小上皮細胞の巣又はコードによって分離又は囲まれた、硝子質のシリンダー若しくはバンド又は粘液性間質によって特徴付けられる癌腫);「類表皮癌」(すなわち、表皮と同じように分化する傾向(表皮は有棘細胞を形成し角化が起こる傾向にある)がある癌性細胞を指す);「上咽頭癌」(すなわち、鼻部の後のスペースにある上皮性裏打ち内に生じる悪性腫瘍を指す);及び、「腎細胞癌」(すなわち、異なる配列で尿細管細胞を構成する腎臓実質の癌腫に属する)。
【0061】
その他の癌性上皮性増殖は、「乳頭腫」(すなわち、上皮に由来し且つ原因物質としてのパピローマウイルスを有する良性腫瘍を指す);及び、「epidermoidomas」(すなわち、神経溝の閉鎖時に外胚葉性エレメントの包含によって形成される大脳又は髄膜の腫瘍を指す)である。
【0062】
用語「ED50」は、その最大反応又は効果の50%を生成する薬用量を意味する。
【0063】
本治療方法についての対象化合物の「効果的な量」とは、治療されるべき前記疾患に対し、臨床的に許容し得る基準に従って、変化(例えば、細胞増殖率及び/又は細胞の生存率における変化)を引き起こす所望の投与計画の一部として適用される場合の、調製物中における前記拮抗物質の量を指す。
【0064】
前記用語「上皮(epithelia)」、「上皮性(epithelial)」、及び「上皮ないし皮覆組織(epithelium)」とは、腺及びその他の構造(例えば、角膜の、食道の、上皮性、及び毛包の上皮細胞に由来する)を含む、内部及び外部体表(皮膚の、粘膜の、及び漿液の)の細胞性被覆を指す。その他の典型的な上皮性組織には、嗅上皮(すなわち、鼻腔の嗅覚領域を裏打ちする偽重層上皮であり、嗅覚の受容体を含む);腺性上皮(すなわち、分泌細胞を構成する上皮である);扁平上皮(すなわち、平板化したプレート様細胞を構成する上皮を指す)が含まれる。前記用語上皮はまた、収縮及び膨張のために大きな機械的変化を受ける裏打ち凹窩器官(lining hollow organs)(例えば、重層化された扁平上皮と円柱上皮との間の遷移を表わす組織)において特徴的に見出されるような移行上皮を含み得る。
【0065】
細胞の前記「増殖状態」とは、前記細胞の増殖率、及び/又は、前記細胞の分化状態を指す。「変化した増殖状態」とは、異常な速度の増殖によって特徴付けられる増殖状態(例えば、正常細胞と比較して増殖が増加した又は減少した速度を示す細胞)を指す。
【0066】
用語「ヘッジホッグ経路拮抗物質」とは、前記ヘッジホッグ経路の機能を抑制(例えば、正常細胞において前記細胞とヘッジホッグとの接触により誘導される標的遺伝子(Glil及びPtc遺伝子)の転写抑制)する薬剤を指す。smoothened依存的経路を変化させることに加え、ある実施形態においては、本発明の前記ヘッジホッグ経路拮抗物質は、Ptc機能欠失型、smoothened機能獲得型、及び/又はヘッジホッグ機能獲得型を克服するために使用され得る。前記用語「機能欠失型」、及び「機能獲得型」とは、適切には、遺伝子(例えばPtc遺伝子、ヘッジホッグ遺伝子又はsmoothened遺伝子)の異常な修飾又は変異、或いは、そのような遺伝子の発現量の減少又は増加を指すものであって、その結果、例えば、ヘッジホッグ経路の異常な活性化又はSmo機能の類似した欠損のような、ヘッジホッグタンパク質と細胞を接触させるのに似た表現型がもたらされる。前記変異は、前記Ptc又はSmo遺伝子産物が、Gli/Ciタンパク質(例えば、Glil、Gli2及びGli3)の活性レベルを制御する能力の減少を含んでもよい。
【0067】
本書で使用する場合、「不死化細胞」とは、化学的及び/又は組換え的手法を介して、無限数の分裂を通じて増殖する能力を有する細胞へと、改変された細胞を意味する。
【0068】
前記用語「LD50」とは、被検対象の50%において致死に至る薬剤の用量を意味する。
【0069】
本方法によって治療されるべき「患者」又は「対象」とは、ヒト又は非ヒト動物の何れかであり得る。
【0070】
「医薬的に許容し得る」なる語句が本書において使用される場合、医薬的に許容し得る化合物、物質、組成物、及び/又は剤形が、正常な医学的判断の範囲内で、合理的な利点/リスク比と釣り合って、過剰の毒性、刺激作用、アレルギー応答、又はその他の問題若しくは合併症無しに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しているものを指す。
【0071】
「医薬的に許容し得る担体」なる語句が本書において使用される場合、一つの器官、又は体の一部分から、別の器官、又は体の一部分へと、前記対象化合物を運搬又は輸送するのに関わる、液体又は固体の賦形剤、希釈液、賦形剤、製造援助(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、カルシウム又はステアリン酸亜鉛、又は立体酸)、又は物質をカプセル化する溶媒のような、医薬的に許容し得る物質、組成物又は媒体を意味する。各担体は、前記製剤の他の成分との適合性があり且つ前記患者に対し傷害性でないという意味において、「許容し得る」ものでなければならない。医薬的に許容し得る担体として供することが可能な物質の例には、以下を含む:(1)ラクトース、グルコース及びショ糖のような糖類;(2)コーンスターチ及びジャガイモデンプンのようなデンプン;(3)セルロース、及びナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロース酢酸塩のようなその誘導体;(4)粉末のトラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑石;(8)カカオバター及び坐薬ワックスのような賦形剤類;(9)ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油のような油;(10)プロピレングリコールのようなグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールのようなポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝化剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質‐自由水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)水素イオン指数緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物類;並びに(22)その他の医薬製剤に使用される無毒の適合性物質。
【0072】
用語「プロドラッグ」とは、生理的条件下において、本発明の治療上活性な薬剤へ変換される化合物を含む。プロドラッグを作製する一般的な方法は、目的分子を出現させるために生理的条件下において加水分解される選択された部分を含ませることである。他の実施形態において、プロドラッグは宿主動物の酵素活性(又は他の生理的活性)によって変換される。
【0073】
本明細書において、「増殖する」又は「増殖」とは、細胞が有糸分裂することをいう。
【0074】
本出願を通じて、用語「増殖性皮膚疾患」とは、皮膚組織の望ましくない又は異常な増殖によって特徴付けられるあらゆる皮膚の病気/疾患である。これらの状態は、上皮細胞の増殖又は不完全な細胞分化によって特徴付けられ、例えば、X連鎖性魚鱗癬、乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮溶解性角化症、脂漏性皮膚炎を含む。例えば、表皮異形成は表皮の不完全な分化の一形態である。他の例は、「表皮溶解」であり、これは自然発症的又は外傷部位の何れかにできる小胞及び水疱の形成を伴う皮膚の緩んだ状態を称する。
【0075】
用語「治療的指標」とは、LD50/ED50として規定される薬剤の治療的指標をいう。
【0076】
用語「形質転換細胞」とは、制御できない増殖状態へ自然発症的に変換された細胞をいう。すなわち、それらは培養器において無限の分裂回数を通じて増殖する能力を獲得する。形質転換細胞は、それらの増殖制御の欠損に関し、腫瘍性、未分化性及び/又は過形成性のような用語によって特徴付けられてもよい。
【0077】
本明細書において、用語「対象」とは、治療、観察、及び/又は実験の目的となる動物、典型的には哺乳動物又はヒトをいう。この用語が化合物又は薬剤の投与と組み合わせて使用されるときは、当該対象は治療、観察及び/又はその化合物又は薬剤の投与の目的となる。本明細書において、「治療上有効量」なる語句は、本発明の化合物を含む化合物、材料又は組成物が少なくとも動物細胞の亜集団において何らかの医学的処置に適用可能な利益/危険割合において所望の治療効果を発揮するために有効な量をいう。
【0078】
本明細書において、「非経口的な投与」及び「非経口的に投与する」なる語句は、経腸的及び局所的な投与以外の投与様式であって、通常は注射を意味し、非限定的に静脈内、筋肉内、動脈内、莢膜内、眼窩内、心筋内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、角質下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、並びに胸骨内注射及び注入(輸液)を含む。
【0079】
本明細書において、「全身投与」、「全身投与する」、「末梢投与」及び「末梢投与する」なる語句は、ヘッジホッグ経路が媒介する疾患部位へ直接以外の方法で化合物、薬剤又はその他の材料を投与することを意味し、例えば、それは患者の系内に入り、代謝やその他の過程にさらされ、例えば、皮下投与である。
【0080】
本明細書において、用語「糖」とは、1以上のピラノース又はフラノース環を含む天然の又は非天然の単糖、二糖、オリゴ糖をいう。この糖は、本発明のステロイド性アルカロイドにエーテル結合又はアルキル結合を介して共有結合していてもよい。ある実施形態において、この糖成分は、本発明のステロイド性アルカロイドに、糖環のアノマー中心で共有結合していてもよい。
【0081】
本明細書において、用語「ジラジカル」とは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキル基からなる一連の二価の基の何れかをいう。例えば、

は、アルキルジラジカルであり;

もまたアルキルジラジカルであり;

は、アラルキルジラジカルであり;そして

は、(アルキル)ヘテロアラルキルジラジカルである。典型的な例としては、一般構造(CHのアルキレン(xは1〜6)、及び2〜6個の炭素原子及び1つ以上の二重結合又は三重結合を有する対応するアルケニレン及びアルキニレンリンカー;3〜8員環からなるシクロアルキレン基;並びに1つの開いた結合手がアリール基に、他の1つがアルキル部分にあるアラルキル基であって、例えば

及びその異性体を含む。
【0082】
本発明の化合物
本発明は、合成及び半合成アナログ並びにそのようなアナログを含む医薬組成物を含む、シクロパミンのアナログ並びにそれらの単離された及び抽出された型を提供する。一つの実施形態においては、本発明は、式1の化合物によって表される化合物を提供する:

又は、その医薬的に許容し得る塩;
ここで、RとRの各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、カルボキシル、ニトリル、スルファート、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は、−X−C(L)−X−R21
ここで、Rは糖であってもよく;
Xは、O又はNR、但しRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はアラルキル;
Lは、O又はS;
及びRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ニトリル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
及びR11の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、アルキルセレノ、アラルキルセレノ、アリールセレノ、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
、R、R、R、R13及びR14の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
或いは、R及びR及び/又はR及びRは、まとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−、−(C=S)−、−(C=N(OR20))−、−(C=N(R20))−、−(C=N(N(R20)(R20)))を形成するか、又は、置換されていてもよい3〜8員環を形成する;又は
及びRのまとまり及び/又はR及びRのまとまり及び/又はR10及びR11のまとまりが二重結合を形成するか、又は、1b

(但し、ZはNR21、O,又はC(R23)(R23)である)で表される基を形成し;
12はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
(但し、Wはジラジカル、且つqは1、2、3、4、5、又は6);
15、R16、及びR17は独立して、H、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ;又は、R15及びR16のまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−又は−C(S)−を形成し;
18及びR19は独立して、H、アルキル,アラアルキル,ハライド,アミド、又はエステル;
20は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、同一置換基上の任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
21は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25(但し、pは0−6);或いは、同一置換基上の任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環(該環は、N、O、S,及びPから選択される0〜3のヘテロ原子を含有)を形成し得るし;
23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、シリルオキシ、ニトリル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、及び−C(O)N(R21
25は、H、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR20、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)である。
【0083】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R13、R14、R15、R16、及びR17が水素であることを特徴とする式1によって表される。
【0084】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rが、水素、糖、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は−X−C(L)−X−R21であるか;或いは、前記R及びRはまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成していることを特徴とする式1によって表される。
【0085】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0086】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−を形成していることを特徴とする式1によって表される。
【0087】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、且つ、前記Rが水素であることを特徴とする式1によって表される。
【0088】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、前記Rが水素であり;且つ、
前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R及びRのまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0089】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R10及びR11のまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0090】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成し、且つ、前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0091】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が−C(O)−を形成し;前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が−C(O)−を形成し;且つ、前記R10及びR11のまとまりが二重結合を形成するか;若しくは、前記R10及びR11のまとまりが1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0092】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、且つ、前記Rが水素であり;前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R10及びR11のまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0093】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRが水素であるか;或いは、前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−を形成していることを特徴とする式1によって表される。
【0094】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0095】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R13、R14、R15、R16、及びR17が水素であり;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0096】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが二重結合を形成し;前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−を形成し;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0097】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記前記Rがヒドロキシルで且つ前記Rが水素であり;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0098】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、次式の化合物によって表される:

ここで、
12は、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
qは、1、2、3、4、5、又は6;
20は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
21は、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25;或いは、任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
25は、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR19、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)である。
【0099】
本発明は、とりわけ、以下より成る群によって表される化合物を提供する:









【0100】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前述の化合物の何れかのうち、前記化合物が次式によって表されることを特徴とする:

【0101】
一つの実施形態においては、本発明は、以下の式2の化合物を提供する:

又は、その医薬的に許容し得る塩;
ここで、R及びRの各々は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、カルボキシル、ニトリル、スルファート、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は−X−C(L)−X−R21
ここで、Rは糖であってもよく;
Xは、O又はNR(但し、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、又はアラルキル);
Lは、O又はS;
及びRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハラリド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
各R及びR11は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハリド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、アルキルセレノ、アラルキルセレノ、アリールセレノ、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
各R、R、R、R、R13及びR14は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハリド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
ここで、R及びR及び/又はR及びRは、まとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−、−(C=S)−、−(C=N(OR20))−、−(C=N(R20))−、−(C=N(N(R20)(R20)))を形成し、又は、3〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
及びRのまとまり及び/又はR及びRのまとまり及び/又はR10及びR11のまとまりが二重結合を形成するか、又は、

(但し、ZはNR21、O,又はC(R23)(R23)である)で表される基を形成し;
12は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
(但し、Wはジラジカルであり、且つ、qは1、2、3、4、5、又は6);
15、R16、及びR17は独立して、H、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ;又は、R15及びR16のまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−又は−C(S)−を形成し;
18及びR19は独立して、H、アルキル、アラアルキル、ハライド、アミド、又はエステル;
20は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、同一置換基上の任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
21は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25(但し、pは0−6);或いは、同一置換基上の任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、シリルオキシ、ニトリル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、及び−C(O)N(R21
25は、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR20、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20);
ただし、前記式2の化合物は、少なくとも1つの式1bで表される基を有するものとする。
【0102】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R13、R14、R15、R16、及びR17が水素であることを特徴とする式1によって表される。
【0103】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rが、ヒドロキシル、糖、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は−X−C(L)−X−R21であるか; 或いは、前記R及びRのまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0104】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0105】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0106】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、且つ、前記RがHであることを特徴とする式1によって表される。
【0107】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、前記Rが水素であり;且つ、
前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R及びRのまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0108】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R10及びR11のまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0109】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成し、且つ、前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0110】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成し;RとRがまとまって二重結合を形成し;且つ、前記R10及びR11のまとまりが二重結合を形成するか;若しくは、前記R10及びR11のまとまりが1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0111】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記Rがヒドロキシルで、且つ、前記Rが水素であり;前記R10及びR11のまとまりが、二重結合を形成するか;又は、前記R10及びR11のまとまりが、1b

(但し、ZはC(R23)(R23)である)で表される基を形成することを特徴とする式1によって表される。
【0112】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRが水素であるか;或いは、前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成していることを特徴とする式1によって表される。
【0113】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0114】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R13、R14、R15、R16、及びR17が水素であり;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0115】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記R及びRのまとまりが二重結合を形成し;前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成し;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0116】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前記前記Rがヒドロキシルで且つ前記Rが水素であり;且つ、前記R12が、H、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−C(O)]21、又は−[(W)−C(O)O]21であることを特徴とする式1によって表される。
【0117】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、次式の化合物によって表される:

ここで、
12は、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
qは、1、2、3、4、5、又は6;
20は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
21は、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25;或いは、任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
25は、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR19、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)である。
【0118】
本発明は、とりわけ、以下より成る群によって表される化合物を提供する:








【0119】
ある実施形態においては、本発明の前記化合物は、前述の化合物の何れかのうち、前記化合物が次式によって表されることを特徴とする:

【0120】
ある実施形態においては、本発明は、任意の1以上の前述の化合物、及び医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0121】
ステロイド性アルカロイド化合物の合成
本発明の前記シクロプロピルステロイド性アルカロイド誘導体は、天然産物として単離された(若しくは合成された)ステロイド性アルカロイド又はこれらの化合物のN−保護型から、直接的に調製し得る。好適な窒素保護基には、Fmoc、Alloc、Boc、Troc、トリフルオロ酢酸、トシル、Cbz、シアン化エチル、及びBnを含むがこれらに限定されない。
【0122】
種々のシクロプロパン化剤を、前記ステロイド性アルカロイドをシクロプロパン化するために使用し得る。カルベノイドとして呼称される反応性種を含む1,1−ハロアルキルメタル複合体は、一般に、オレフィン類のシクロプロパン化に使用される。これらの試薬は、典型的には、ジヨードアルカン又はジアゾアルカン、及び、EtZn、iBuAl、サマリウム、銅、ロジウム、又はパラジウムのような金属又は有機金属種、を用いて作成される。ある実施形態において、EtZn及びジヨードメタンが、前記シクロプロパン化に作用させるために使用される。CH又はCH−アルキル又はCH−アリール基を付加するカルボニルと抱合したオレフィンと反応するイオウイリド、並びに、ジアゾメタン及びジアゾ酢酸エチルのようなジアゾアルキル及びα−ジアゾ−カルボニル化合物の金属触媒分解を利用するような、その他の既知のシクロプロパン化法をも、利用し得る:これらの方法は容易にアルキル、アリール、アルコキシカルボニル(COOR)、又はアシル置換基を有するシクロプロパン類を提供する。例えば、銅又はパラジウムのような金属触媒を含む有機溶剤中でのオレフィン化合物へのジアゾプロピオン酸エチル(EtOC−C(N)−Me)の添加は、式1b(但し、ZはC(R23であり、ここで、一つのR23はMeであり且つその他のR23はCOOEtである)で表わされる基を含有するシクロプロパンの形成を、もたらす。
【0123】
シクロプロパン化剤を注意深く選択することによって、1つ以上のオレフィンによるステロイド性アルカロイドのシクロプロパン化における部位選択性を達成することができる。例えば、ジヨードメタン及びEtZnがある条件下においてジェルビンをシクロプロパン化するために用いられたとき、より電子に富むオレフィンのみが反応するであろう。
【0124】
シクロプロパン化のジアステレオ選択性は、多くの方法で制御することができる。例えば、シクロプロパン化反応温度を低下させると、より高いジアステレオ選択性に導かれる。或いは、キラルなシクロプロパン化剤を用いるとステロイド性アルカロイドのジアステレオ面の夫々を識別することができる。シクロプロパン化の面選択性は基質指向性反応(すなわち、EtZn/CHを用いたアリルアルコールのシクロプロパン化)を用いることによっても達成することができる。
【0125】
シクロプロパン化反応は、非プロトン性の溶媒、好ましくはその中では反応成分が実質的に可溶性である溶媒の中で行なってもよい。適切な溶媒としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化溶媒;ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ペンテン等の脂肪族又は奉公族炭化水素溶媒;酢酸エチル、アセトン、及び2−ブタノンのようなエステル及びケトン;アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等の極性非プロトン性溶媒;又はこれら2又はそれ以上の組み合わせを含む。1つの好ましい実施形態において、ジクロロメタンは、ジアルキル亜鉛及びジヨードメタンを用いたときのシクロプロパン化のために用いられる溶媒である。
【0126】
シクロプロパン化されたステロイド性アルカロイド核の合成に続いて、当該技術分野において公知の種々の官能化反応を用いて当該化合物は誘導体化されうる。代表的な例としては、アルケニルハライド又はアリールハライドへの白金結合反応、酸化、還元、吸核試薬による反応、吸電子性試薬による反応、ペリ環状反応、保護基の設置、保護基の脱離等を含む。
【0127】
ルイス酸又はブレンステッド酸の存在下において、本発明のシクロプロピルシクロプロパンアナログはヘテロな見慣れない転移及び環の拡張を経て、D環が炭素1個だけ拡張された新規なシクロパミンアナログを与える。このシクロプロピル環は置換されていてもいなくてもよい。シクロプロピル環が置換されている場合、シクロプロパンのメチレンに結合する基は、転移及び環の拡張後にD環に設置されるであろう。適切な酸としてはZnI、BF、メタンスルホン酸、ジアリールオキシリン酸、及び塩酸を含むがこれらに限定されない。本発明の1つの好ましい実施形態において、ルイス酸はBFである。これらに類似するアナログは、当該技術分野において公知の種々の官能化反応を用いてさらに官能基化することができる。代表的な例としては、アルケニルハライド又はアリールハライドへの白金結合反応、酸化、還元、吸核試薬による反応、吸電子性試薬による反応、ペリ環状反応、保護基の設置、保護基の脱離等を含む。
【0128】
本発明の方法
本発明はさらに、過増殖性障害すなわち癌並びにその他のヘッジホッグ経路仲介障害又は状態について、1以上の症状を治療、寛解、又は、その重症度を減弱する方法を提供する。
【0129】
ヘッジホッグ経路拮抗物質は、現在、その状態又は障害に対してヘッジホッグ経路活性の1以上の態様を抑制することによって治療効果が獲得され得るような多くの臨床状態において、探索されている。最初の焦点は癌に向けられたが、研究者らは、前記ヘッジホッグ経路の低分子抑制が乾癬の症状を寛解することを発見した(Tas, et al., 2004 Dermatology 209: 126-131、 公開された米国特許出願20040072913(参照により本書に組み込む))。乾癬は、皮膚におけるもの及び体の他の部分におけるものと変化があるが、典型的には紅斑性丘疹及び銀色のかさぶたのプラークを通常含む皮膚病変によって特徴づけられる、非常に一般的な慢性の皮膚障害である。乾癬は、現在、自己免疫疾患であると考えられているが、その病因学はまだ十分に理解されていない。ある研究においては、乾癬病変へのシクロパミンの局所的適用は、病変の完全な又は部分的な退行と共に炎症細胞の減少をもたらした(Tas et al.、上掲)。
【0130】
本発明の前記ヘッジホッグ経路拮抗物質は、単一の薬剤として投与される場合に、又は、1以上の他の抗-乾癬剤(すなわち、副腎皮質ステロイド類、タール、カルシポトリエン、タザロテン、カルシニュリン阻害薬、紫外線照射、メトトレキセート、レチノイド類、シクロスポリン、免疫調節薬類、エタネルセプト、アレファセプト、エファリツマブ、及びインフリキシマブを含むがこれらに限定されない)と組み合わせて投与される場合に、乾癬を治療又は予防するのに使用し得る。
【0131】
多くの腫瘍及び増殖性状態が、前記ヘッジホッグ経路に依存することが示されてきた。そのような細胞の前記増殖及び生存は、本発明の前記化合物での治療により、影響され得る。例えば、前記ヘッジホッグ経路活性の低分子抑制は、基底細胞腫の前記増殖(Williams, et al., 2003 PNAS 100: 4616-21)、髄芽腫(Berman et al., 2002 Science 297: 1559-61)、膵癌(Berman et al., 2003 Nature 425: 846-51)、消化器癌(Berman et al., 2003 Nature 425: 846-51, published PCT application WO 05/013800)、食道癌(Berman et al., 2003 Nature 425: 846-51)、肺癌(Watkins et al., 2003. Nature 422: 313-7)、及び、前立腺癌(Karhadkar et al., 2004. Nature 431: 707-12)を抑制することが示されている。
【0132】
さらに加えて、多くの型の癌で、前記ヘッジホッグ経路の制御されていない活性化があることが示されている:例えば、乳癌(Kubo et al., 2004. Cancer Research 64: 6071-4)、肝細胞癌(Patil et al., 2005. 96th Annual AACR conference, abstract #2942 Sicklick et al., 2005. ASCO annual meeting, abstract #9610)、造血器腫瘍(Watkins and Matsui, unpublished results)、基底癌腫(basal carcinoma)(Bale & Yu, 2001. Human Molec. Genet. 10:757-762 Xie et al., 1998 Nature 391: 90-92)、髄芽腫(Pietsch et al., 1997. Cancer Res. 57: 2085-88)、及び胃癌(Ma et al., 2005 Carcinogenesis May 19, 2005 (Epub))。
【0133】
本発明の化合物及び組成物の投与により治療され得る癌又は新生物疾患並びに関連する障害には、以下を含むがこれらに限定されるものではない:副腎皮質癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳/中枢神経系腫瘍、乳癌、頸部癌、非-ホジキンリンパ腫、大腸癌、直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍、眼の癌、胆嚢癌、消化管のカルチノイド腫瘍、消化管の間質性腫瘍、妊娠性栄養膜の疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭の癌、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、小児性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓癌、肺癌、肺カルチノイド腫瘍、非-ホジキン型リンパ腫、雄性乳房癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び鼻傍の癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、口咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、黒色腫皮膚癌、非メラノーマ皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰部癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、並びに、ウィルムス腫瘍。
【0134】
本発明の前記方法及び組成物は、ヒトの癌(例えば、基底細胞腫及びその他の、皮膚のような上皮性組織の腫瘍)の治療において、使用し得る。さらに、本発明の化合物は、治療の必要のある対象に治療上有効量の少なくとも1以上の本発明の前記化合物を単剤として又は他の抗癌剤と組み合わせて投与によって、基底細胞腫、膵癌、前立腺癌、肉腫、リンパ腫、白血病、消化器癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、神経膠腫、乳癌、肝細胞性癌、又は髄芽腫の治療の一部として使用し得る。
【0135】
本発明の前記方法及び組成物は、中枢神経系などに生じうるような、新生物の又は過形成性形質転換の治療において、使用し得る。例えば、本発明の前記方法及び組成物は、そのような形質転換細胞がポスト有糸分裂性又はアポトーシス性になるようにするのに、使用し得る。それゆえ、本方法は、例えば、悪性神経膠腫、髄膜腫、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、及び上衣細胞腫、のための治療の一部として使用し得る。
【0136】
一つの実施形態において、本方法は、悪性髄芽細胞腫及びその他の原発性中枢神経系悪性神経外胚葉性腫瘍のための治療管理の一部として、使用し得る。
【0137】
ある実施形態においては、本発明は、治療の必要のある対象に治療上有効量の上述の化合物の任意の1以上を投与することを含む、癌の治療方法に関する。
【0138】
ある実施形態においては、本発明は、治療の必要のある対象に治療上有効量の上述の化合物の任意の1以上を投与することを含む、癌の治療方法に関する(但し、該癌は、頭部、首、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺、傍神経節腫、膵臓、胃、皮膚、食道、肝臓及び胆管、骨、腸、大腸、直腸、卵巣、前立腺、肺、乳房、リンパ系、血液、骨髄、中枢神経系、又は脳である)。
【0139】
ある実施形態においては、本発明は、治療の必要のある対象に、前記化合物の何れか1以上の治療上有効量の化合物を投与することを含む癌を治療する方法に関し、前記癌は、基底細胞癌、膵癌、前立腺癌、肉腫、リンパ腫、白血病、胃癌、食道性癌、胆道癌、大腸癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、神経膠腫、乳癌、肝細胞性又は髄芽腫である。
【0140】
ある実施形態においては、本発明は前記方法に関するものであって、前記化合物は放射線療法又はその他の抗癌化学療法剤と組み合わせて使用される。
【0141】
ある実施形態においては、本発明は前記何れかの方法に関するものであって、前記化合物が癌に局所的に、又は患者に全身に投与される。
【0142】
ある実施形態においては、本発明は前記何れかの方法に関するものであって、前記化合物の投与様式が、吸入、経口、静脈内、舌下、眼球の、経皮性、経直腸の、経膣の、局所的、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、経口腔、又は経鼻である。
【0143】
ある実施形態においては、本発明は前記何れかの方法に関するものであって、前記投与様式が経口、静脈内又は局所的である。
【0144】
ある実施形態においては、本発明は、スムースンドを発現する細胞と、有効量の何れか1以上の前記化合物とを接触させることを含む、細胞内のヘッジホッグ経路を拮抗(アンタゴナイズ)する方法に関する。
【0145】
ある実施形態においては、本発明は、スムースンドを発現する細胞と、有効量の何れか1以上の前記化合物とを接触させることを含む、細胞内のヘッジホッグ経路を拮抗(アンタゴナイズ)する方法に関し、前記スムースンドを発現する細胞は前記化合物とインビトロにおいて接触される。
【0146】
ある実施形態においては、本発明は、スムースンドを発現する細胞と、有効量の何れか1以上の前記化合物とを接触させることを含む、細胞内のヘッジホッグ経路を拮抗(アンタゴナイズ)する方法に関し、前記スムースンドを発現する細胞は前記化合物とインビボ(個体内)において接触される。
【0147】
ある実施形態においては、本発明は、スムースンドを発現する細胞と、有効量の何れか1以上の前記化合物とを接触させることを含む、細胞内のヘッジホッグ経路を拮抗(アンタゴナイズ)する方法に関し、前記Smoを発現する細胞は患者の体内にある。
【0148】
ある実施形態においては、本発明は、治療の必要のある対象に治療上有効量の何れか1以上の前記化合物を投与することを含む、対象の乾癬を治療又は予防する方法に関する。
【0149】
ある実施形態においては、本発明は、前記化合物の投与様式が局所的である、前記乾癬を治療又は予防する方法に関する。
【0150】
ある実施形態においては、本発明の1以上の化合物は、1以上の抗乾癬薬と組み合わせて乾癬を治療又は予防するために使用され、当該抗乾癬薬は、副腎皮質ステロイド、タール、カルシポトリエン、タザロテン、カルシニューリン阻害剤、紫外線照射、メソトレキセート、レチノイド、シクロスポリン、免疫調節薬、エタネルセプト、アレファセプト、エファリツマブ及びインフリキシマブを含むがこれらに限定されない。
【0151】
化学療法又は放射線療法との組み合わせにおける癌の治療
ある実施形態において、本発明の1以上の化合物が、以下から成る群を含むがこれらに限定されることのない1以上の抗癌性、化学療法剤と組み合わせて、癌又は新生物疾患を治療又は予防するのに使用される:ゲムシタビン、メトトレキサート、タキソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン、エトポシド、プレドニゾロン、デキサメサゾン、シタラビン、カンパセシン類、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、及びドセタキセル。好ましい実施形態においては、本発明の1以上の化合物が、以下から成る群を含むがこれらに限定されることのない1以上の化学療法性剤又はその他の抗癌剤と組み合わせて、癌又は新生物疾患を治療又は予防するのに使用される:照射(例えばγ線照射)、ナイトロジェンマスタード類(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、及びメルファラン)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU))、アルキルスルホン酸塩類(例えば、ブスルファン及びトレオスルファン)、トリアゼン類(例えば、ダカルバジン及びテモゾロミド)、白金含有化合物類(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチン)、ビンカアルカロイド類(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビン)、タキソイド類(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、エピポドフィリン類(例えば、エトポシド、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、クリスナトール(Crisnatol)、及びマイトマイシンC)、代謝拮抗剤類、DHFR阻害剤類(例えば、メトトレキサート及びトリメトレキセート)、IMP脱水素酵素阻害剤類(例えば、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、及びEICAR)、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤類(例えば、ヒドロキシ尿素及びデフェロキサミン)、ウラシル類似体類(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド(Ratitrexed)、及びカペシタビン)、シトシン類似体類(例えば、シタラビン(araC)、シトシンアラビノシド、及びフルダラビン)、プリン類似体類(例えば、メルカプトプリン及びチオグアニン)、抗エストロゲン薬類(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、及びメゲストロール)、LHRH刺激薬類(例えば、ゴスクルクリン(goscrclin)及びリュープロリド酢酸塩)、抗アンドロゲン類(例えば、フルタミド及びビカルタミド)、ビタミンD3類似体類(例えば、EB1089、CB1093、及びKH1060)、光線動力学療法剤類(例えば、ベルテポルフィン(BPD−MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、及びデメトキシ−ヒポクレリンA(Demethoxy-hypocrellin A)(2BA−2−DMHA))、サイトカイン類(例えば、インターフェロンα、インターフェロンγ、及び腫瘍壊死因子)、イソプレニル化阻害剤類(例えば、ロバスタチン)、ドパミン作動性神経毒類(例えば、1−メチル−4−フェニルピリジニウム イオン)、細胞周期阻害剤類(例えば、スタウロスポリン)、アクチノマイシン類(例えば、アクチノマイシンD及びダクチノマイシン)、ブレオマイシン類(例えば、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、及びペプロマイシン)、アントラサイクリン類(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、及びミトキサントロン)、多剤耐性阻害剤類(例えば、ベラパミル)、Ca2+ATP分解酵素阻害剤類(例えば、タプシガルジン)、抗体類(例えば、アバスチン(Avastin)、エルビタックス(Erbitux)、リツキサン(Rituxan)、及びベクサー(Bexxar))、副腎皮質ステロイド類(例えば、プレドニロン(prednilone)、プレジソン(predisone)、など)、イマチニブ、サリドマイド、レナリドマイド、ボルテゾミブ、ゲムシタビン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ(Sorafenib)、及びスチニブ(Sutinib)。
【0152】
前記化学療法剤及び/又は放射線療法は、当該技術分野において公知の治療プロトコルに従って投与することができる。化学療法剤の投与及び/又は放射線療法は、治療される疾患、及び当該化学療法剤及び/又は放射線療法がその疾患に及ぼす既知の効果に依存して異なりうることは当業者にとって自明であろう。また、熟練した臨床家の知識に従えば、治療プロトコル(例えば、投与量及び投与時間)は、投与された治療薬(即ち、抗腫瘍剤又は照射)の患者に対する観察された効果、並びに投与された治療薬に対する疾患の観察された応答及び副作用に鑑みて変更することができる。
【0153】
また、一般的に、本発明の化合物及び化学療法剤は、同一の医薬組成物で投与される必要はなく、異なる物理化学的特徴のために、異なる経路で投与してもよい。例えば、本発明の化合物は、良好な血中レベルを達成し維持するために静脈内に投与されてもよく、一方で、化学療法剤は経口投与されてもよい。投与様式の決定及び可能であれば同一の医薬組成物で投与することの得策は、熟練した臨床家の知識の十分範囲内である。最初の投与は従来技術において確立されたプロトコルに従って行なうことができ、その後、観察される効果に基づいて、投与量、投与様式、投与時間を熟練した臨床家により修正することができる。
【0154】
化学療法剤又は照射の特別な選択は、医師の診断及び患者の状態の判断及び適切な治療プロトコルに依存するであろう。
【0155】
本発明の化合物、並びに化学療法剤及び/又は放射線は、増殖性疾患の性質、患者の状態、本発明の化合物と組み合わせて投与される化学療法剤及び/又は照射の現実の選択に依存して、同時に(例えば、同時に、実質的に同時に又は同一の治療プロトコル範囲内で)、又は経時的に投与されてもよい。
【0156】
もし、本発明の化合物、並びに化学療法剤及び/又は放射線が同時に又は実質的に同時に投与されない場合は、本発明の化合物、並びに化学療法剤及び/又は放射線の投与の最適順序は、異なる腫瘍ごとに異なってもよい。従って、ある状況においては本発明の化合物が最初に投与され、化学療法剤の投与及び/又は照射がこれに続いて行われ;そして他の状況においては、化学療法剤の投与及び/又は照射が最初に行なわれ、続いて本発明の化合物が投与されてもよい。この交互の投与は単一の治療プロトコル内で繰り返されてもよい。投与の順序の決定、並びに1つの治療プロトコルの間でそれぞれの治療剤の投与の繰り返し数は、治療される疾患及び患者の状態を評価した熟練した医師の知識内に十分ある。例えば、化学療法剤及び/又は放射線が最初に投与され、特にそれが細胞障害性薬剤であるとき、そして有利であると判断された場合に化学療法剤の投与及び/又は照射等に続く本発明の化合物の投与で治療プロトコルが完了するまで治療を継続してもよい。
【0157】
このように、経験や知識に従って、開業医は、治療が進行する際に個別の患者の要求に従って治療の構成成分(治療薬、即ち、本発明の化合物、化学療法剤又は放射線)の投与に対するそれぞれのプロトコルを、修正することができる。
【0158】
医薬組成物
他の実施形態において、本発明は1以上の医薬的に許容しうる担体(添加剤)及び/又は希釈剤と共に処方された、治療上有効量の1以上の上述の化合物(式1及び2)を含む医薬的に許容可能な組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、以下の形態に適合させた物を含む固体状又は液体状で投与用に特別に処方されてもよい:(1)経口投与、例えば、水薬(水溶液若しくは非水溶液又は懸濁物)、錠剤、例えば口内、舌下及び全身吸収を指向するもの、ボーラス(巨丸剤)、粉末、顆粒、舌へ適用するためのペースト;(2)非経口投与、例えば、滅菌した溶液若しくは懸濁液、又は徐放製剤のような皮下、筋肉内、静脈内又は硬膜外への注射;(3)局所適用、例えば、クリーム、軟膏、又は徐放性パッチ若しくは皮膚へ適用されるスプレイのような;(4)経膣的又は経直腸の、例えば、ペッサリー、クリーム又は泡のような;(5)舌下;(6)眼球の;(7)経皮性;(8)肺の;又は(9)経鼻。すでに説明したように、ある実施形態において本発明の化合物は、アミノ基又はアルキルアミノ基のような塩基性の官能基を含むことができ、それ故、医薬的に許容可能な酸と医薬的に許容可能な塩を形成することができる。これに関して、用語「医薬的に許容可能な塩」とは、本発明の化合物の比較的非毒性の無機酸及び有機酸付加塩をいう。これらの塩は、投与溶媒中又は剤形の製造工程中のその場で調製することができ、或いは遊離の塩基型の精製された本発明の化合物と、適切な有機酸又は無機酸とを別個に反応させ、このようにして形成された塩を後続の精製工程中に単離して調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトネート、ラクトビオン酸塩、及びラウリルスルホン酸塩等を含む(例えば、Berge et al. (1977) "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66:1-19参照)。
【0159】
本発明の化合物の医薬的に許容可能な塩は、例えば非毒性の有機又は無機酸からの当該化合物の通常の無毒の塩、又は四級アンモニウム塩を含む。例えば、このような通常の無毒の塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等のような無機酸から由来するもの;及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸等のような有機酸から調製される塩である。
【0160】
他の場合において、本発明の化合物は1以上の酸性の官能基を含むことができ、それ故、医薬的に許容可能な塩基と医薬的に許容可能な塩を形成することができる。これらの例において、用語「医薬的に許容可能な塩」とは、本発明の化合物の比較的非毒性の無機塩基及び有機塩基付加塩をいう。これらの塩は、投与溶媒中又は剤形の製造工程中のその場で調製することができ、或いは遊離の酸型の精製された本発明の化合物と、医薬的に許容可能な金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩のような適切な塩基と、アンモニアと、又は医薬的に許容可能な有機一級アミン、二級アミン若しくは三級アミンとを別個に反応させて調製することができる。塩基付加塩の生成に有用な代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等を含む(例えば、上述のBerge et al.,参照)。
【0161】
湿潤剤、ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸マグネシウムのような乳化剤及び潤滑剤、及び着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、着香剤、保存剤、及び抗酸化剤もまた組成物中に存在することができる。
【0162】
医薬的に許容可能な抗酸化剤の例としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤;(2)アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α―トコフェロール等の油性抗酸化剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤を含む。
【0163】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物と担体及び任意に1以上の付属成分とを会合させる工程を含む。一般的に、当該製剤は、本発明の化合物と液体の担体若しくは微細に分割された固体の担体又はその両方とを均一に且つ緊密に会合させ、その後、必要に応じ製品を形作る。
【0164】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、1以上の本発明の化合物と、1以上の医薬的に許容可能な滅菌された等張性の水性又は非水性の溶液、分散物、懸濁液又は乳化液か、或いは、使用直前に滅菌注射溶液又は分散液中へ再構成可能な滅菌粉末であって、糖類、アルコール類、抗酸化剤、緩衝剤、抗菌剤、当該製剤を目的とする受容者の血液と等張にする溶質、又は懸濁又は肥濃化剤と、を含む。
【0165】
本発明の医薬組成物に使用することのできる水性又は非水性担体の適切な例としては、水、エタノール、ポリオール類(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びそれらの適当な混合物、オリーブオイルなどの野菜油、並びにオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンのような被覆材の使用、分散物の場合に要求される粒子サイズを維持すること、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0166】
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤のような補助剤を含んでもよい。本発明の化合物に対する微生物の作用を抑止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含むことで確保される。糖類、食塩等の等張化剤を組成物に含ませることもまた望ましい。さらに、注射用医薬型の延長された吸収は、モノステアリン酸アルブミンやゼラチンなどの吸収を遅らせる剤を含ませることによって達成される。
【0167】
ある場合には、薬剤の効果を長引かせるために、皮下又は筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性の乏しい結晶性又は非晶性材料の液体懸濁液の使用によって達成されるかもしれない。薬剤の吸収速度はその溶解速度に依存し、それはまた結晶の大きさや結晶型に依存する。或いは、非経口的に投与される薬剤型の遅延吸収は、当該薬剤を油性溶媒に溶解又は懸濁することによって達成される。
【0168】
注射可能な持効性製剤は、本発明の化合物のミクロ被包物基質をポリ乳酸―ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中に形成することによってなされる。薬剤とポリマーとの割合、及び用いられる特定のポリマーの性質に依存して、薬剤の放出速度が制御される。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルソエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。持効性注射製剤は、生体組織に適合するリポソーム又はミクロ乳化物中に薬剤を封入することによって調製されてもよい。
【0169】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェ剤、ピル(丸薬)、錠剤、トローチ剤(通常、ショ糖やアカシア又はトラガカントなどの香味料基剤を用いる)、粉末、顆粒、又は水性又は非水性液体に溶液又は懸濁液のような、又は水中油型又は油中水型液体乳化物、又はエリキシル剤のような、又は香錠(ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアのような不活性基剤を用いる)のような、及び/又は洗口剤等の形態であっても良く、それぞれ本発明化合物の所定量を活性成分として含む。本発明の化合物はまた、大量瞬時、練薬又はペーストとして投与されてもよい。
【0170】
本発明の化合物がヒト及び動物に医薬として投与される場合、それ自体で、又は、例えば医薬的に許容可能な担体と組み合わせた0.1〜99%(より好ましくは10〜30%)の活性成分を含む医薬組成物として与えられることができる。
【0171】
これらの化合物は、ヒト及びその他の動物に治療のために、経口、例えば噴霧のような経鼻による、経直腸、経膣的、非経口的、嚢内及び局所的に、粉体、軟膏又は口内及び舌下を含むドロップによるような何れか適当な投与経路によって投与することができる。
【0172】
選択された投与経路にかかわりなく、本発明の化合物は、適切な水和物の形態で及び/又は本発明の医薬組成物で使用されてもよいが、当業者に公知の通常の方法によって医薬的に許容可能な剤形に製剤される。
【0173】
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量は、特定の患者、組成物及び投与様式に対して患者に対して毒性がなく所望の治療的効果を達成するために有効な活性成分の量が得られるように変更されうる。
【0174】
選択された投与量は、使用された本発明の特定の化合物、又はそのエステル、塩若しくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用された特定の化合物の排泄又は代謝速度、吸収速度及び程度、治療期間、使用された特定の化合物と組み合わせて使用された他の薬剤、化合物及び/又は材料、治療された患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康及びこれまでの病歴、並びに医薬分野における周知の同様の因子を含む種々の因子に依存するであろう。
【0175】
当該技術分野における通常の医師又は獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するために要求されるよりも低いレベルで当該医薬組成物に含まれる使用される本発明の化合物量からはじめ、徐々に所望の効果が取得されるまでその量を増加させることができる。
【0176】
一般的には、本発明の化合物の適切な毎日の投与量は治療効果を得るために有効な最も低濃度の化合物量であろう。このような有効量は、一般的に上述したような因子に依存するであろう。一般的に、経口の、静脈内の、脳室内の及び皮下への本発明化合物の投与量は、示された鎮痛効果のために使用されるとき、一日当たり体重1キログラム当たり約0.0001〜約100mgの範囲内であろう。
【0177】
所望の場合、活性化合物の有効な一日量は、一日の間に適当な間隔をおいて2、3、4、5、6又はそれ以上の分割量で、任意的に均一の剤形にて別々に投与されうる。好ましい投与は一日当たり一回の投与である。
【0178】
本発明の化合物は単独で投与されてもよいが、当該化合物を医薬剤形(組成物)として投与することが好ましい。
【0179】
本治療を受ける対象は、霊長類、特にヒト、及びウマ、ウシ、ブタ、及び羊などの他の哺乳動物、及び家禽及び一般的なペットを含む必要性のあるあらゆる動物である。
【0180】
本発明化合物は、そのまま或いは医薬的に許容可能な担体と混合して投与されることができ、また、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド及びグリコペプチドのような抗菌剤と組み合わせても投与されうる。組み合わせ治療は、このように、活性化合物の、最初に投与されたものの治療効果が全く消失しないうちに後続を投与するような方法で、逐次的に、同時に、及び別々の投与を含む。
【実施例】
【0181】
これまで本発明を一般的に記載したが、下記実施例を参考にして、本発明が、より容易に理解されるであろう。尚、下記実施例は、単に本発明のある一定の視点及び形態の詳述を目的として含まれるものであり、本発明を限定することを目的としたものではない。
【0182】
[実施例1]
シクロパミン(Cyclopamine)の誘導体の調製


パートA

室温でシクロパミン2(250mg、0.6mmol、1当量(eq))を含むDCM(10mL)に、Fmoc−OSu(205mg、0.6mmol、1当量)を加え、生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。その後生じた粗Fmoc−シクロパミンの溶液を、0℃まで冷却し、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(0.5mL、0.6mmol、1当量)で処理し、30分間撹拌した(フラスコA)。
【0183】
0℃でジヨードメタン(0.4ml、6mmol、10当量)を含むDCM(20mL)を、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(3mL、3mmol、5当量)で処理し、生じた溶液を、5分間撹拌した(フラスコB)。
【0184】
フラスコBの内容物を、カニューレを通じてフラスコAに移し、生じた懸濁液を、室温で5時間撹拌した。得られた反応液について、HCl(1M)を用いて反応を停止させ、10分間(全ての白色固体が再溶解するまで)撹拌を行い、DCM(5×)を用いて抽出を行った。有機抽出物を、(MgSO)乾燥させ、セライト(Celite)を通じて濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(1:1、Hex/AcOEt)により精製した。目的とする11,12−モノシクロプロパンを、20%のジアステレオ異性のビス−シクロプロパン化した生成物と共に、ジアステレオ異性体の9:1混合物として得た(80%全回収率)。この混合物を、調製用SCFクロマトグラフィー(preparative SCF chromatography)を用いて分離した。
【0185】
パートB

室温でFmoc−モノシクロプロピルシクロパミン3(100mg、0.15mmol、1当量)を含むDCM(2mL)を、一晩ジエチルアミン(0.5mL、4.8mmol、32当量)で処理し、生じた溶液を、真空濃縮した。残滓を、シリカゲルに吸収させて、得られたものを、フラッシュクロマトグラフィー(2:1→1:1 Hex/AcOEt、その後95:5→90:10→20:80 DCM/MeOH)により精製した。望ましい生成物を、白色固体(95%収率)として得た。MS(ESI(+))m/e 426.31(M+H)
【0186】
[実施例2]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

75℃でヒドロ桂皮酸5(3.01g、20mmol、1当量)を含む無水クロロホルム(30mL)の溶液に、塩化チオニル(1.75mL、24.1mmol、1.2当量)を、3分間かけて滴下(添加)した。得られた混合物を、3.5時間還流した。溶媒を、蒸留・除去して、粗酸塩化物(crude acid chloride)を、淡黄色粘性液体として得た。粗製物を、更に精製しないで、用いた。
【0187】
パートB

25℃で化合物7(3.16g、24.1mmol、1.2当量)を含むDCM(30mL)とNaOH水溶液(2.0M、30mL、3当量)との二相性の混合物に、酸塩化物6(3.38g、20mmol、1当量)を含むDCM(10mL)の溶液を加え、生じた混合物を、25℃で3時間撹拌した。その後得られた混合物を、HCl水溶液(aqueous HCl)(2M、30mL)を用いて中和した。その後有機層を、分離し、水層について、DCM(3×50mL)を用いて抽出を行った。合わせた有機層を、HCl(2.0M、25mL)、水(3×50mL)、飽和鹹水(saturated brine)(50mL)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、溶媒を、減圧下蒸発させた。得られた粗製物について、5%MeOH:DCMを溶出液として用いてシリカゲルによるクロマトグラフを行った。その後カラムで、10%MeOH:DCMを用いて溶出を行って、1.141gの化合物8を得た。
【0188】
パートC

0℃で前記酸8(264mg、1mmol、1当量)、EDCI(231mg、1.2mmol、1.2当量)、及びトリエチルアミン(168μL、1.2mmol、1.2当量)を含むDCM(2mL)の混合物に、アリルアミン(90.3μL、1.2mmol、1.2当量)を加え、生じた混合物を、0℃で1時間撹拌し、2時間かけて25℃まで温めておいた。反応混合物を、水(50mL)に加え、得られたものについてDCM(4×25mL)を用いて抽出を行い、合わせた有機層を、1M HCl(2×25mL)、水(3×25mL)、飽和鹹水(25mL)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、溶媒を、減圧下蒸発・除去して、287.5mgの望ましい生成物を得た。この物質を、更に精製しないで、用いた。
【0189】
パートD

前記アリルアミド9(70mg、0.23mmol、1当量)を含むアセトン(1mL)及び水(0.3mL)の溶液に、四酸化オスミウム溶液(0.35mL、0.035mmol、0.15当量、t−ブタノール中に2.5w/w)を加えた。OsO溶液の添加直後に、反応混合物を、氷中で急冷し、生じた暗褐色溶液を、0℃で15分間撹拌した。過ヨウ素酸ナトリウム(110mg、0.51mmol、2.2当量)を、上記混合物に5度で加え、撹拌を、0℃で1時間継続し、得られた混合物を、2時間かけて25℃まで温めておいた。反応混合物を、DCM(3mL)を用いて希釈し、硫酸マグネシウムの短いプラグ(short plug)を通じて濾過し、濾過ケーキを、DCM(4×3mL)を用いて洗浄した。濾液を、濃縮し、残滓(67.9mg)を、5%MeOH:DCMを用いてRPシリカゲルの短いプラグ(詰め物)を通じて濾過して、38.9mgの望ましい生成物を得た。
【0190】
パートE

前記1(10mg、0.023mmol、1当量)を含むアセトニトリル(2mL)の懸濁液に、前記アルデヒド10(17mg、0.056mmol、2.4当量)を含むアセトニトリル(0.3mL)の溶液を加え、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(sodium triacetoxy borobydride)(6.5mg、0.031mmol、1.3当量)を加え、得られた反応混合物を、25℃で16時間撹拌した。その後溶媒を、減圧下蒸発させ、残滓について、3%MeOH:DCMを用いてシリカゲル(7cm×10mm)によるクロマトグラフを行って、24.6mgの粗製物を得た。この物質を、2%MeOH:DCMを用いてシリカゲルによるクロマトグラフィーに再度付し、18.2mgの不純物含有生成物(impure product)を回収し、これを、更に3%MeOH:DCMを展開溶媒(developing solvent)として用いて調製用TLC(preparation TLC)により精製して(2回)、6.3mgの望ましい生成物を得た。MS(ESI(+))m/e 714.4(M+H)
【0191】
[実施例3]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

シクロパミン2(20mg、0.049mmol、1当量)を、乾燥トルエン(0.6mL)中に懸濁させ、シクロヘキサノン(150μL、1.47mmol、30当量)を加え、次いでアルミニウムイソプロポキシド(aluminium isopropoxide)(79mg、0.392mmol、8当量)を加えた。生じた混合物を、2時間還流加熱し、室温まで冷却し、AcOEtを用いて希釈し、ロッシェル塩(Rochelle's salt)溶液を用いて反応を停止させた。二相性の混合物を、一晩撹拌し、層を、分離し、水溶性のもの(aqueous)について、AcOEtを用いて抽出を行った。合わせた有機抽出物を、(MgSO)乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM、DCM/MeOH 98:2及び95:5)により精製した。目的とするものを、白色結晶固体(70%収率)として得た。
【0192】
パートB

0℃でジヨードメタン(40μL、0.5mmol、25当量)を含むDCM(0.52mL)を、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(0.2mL、0.2mmol、10当量)で処理し、生じた溶液を、5分間撹拌した。化合物12(10mg、0.02mmol、1当量)を含むDCM(0.35mL)を加え、生じた混合物を、室温で(氷浴を取り除いて)3時間撹拌し、2N NaOHを用いて反応を停止させ、この混合物を、10分間撹拌した。層を、分離させ、水層についてDCM(2×)を用いて抽出を行った。有機抽出物を、(MgSO)乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 92:8)により精製した。シクロプロパン化した物質を、白色固体として得た。MS(ESI(+))m/e 424.5(M+H)
【0193】
[実施例4]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

室温でシクロプロパン2(250mg、0.6mmol、1当量)を含むDCM(10mL)の溶液に、Fmoc−OSu(205mg、0.6mmol、1当量)を加え、生じた混合物を、室温で一晩撹拌し、真空濃縮した。粗Fmoc−シクロパミンを、オフホワイト(off-white)発泡体として得た。
【0194】
パートB

粗Fmoc−シクロパミン3(15mg、0.024mmol、1当量)を含むDCM(0.5mL)の溶液を、−78℃まで冷却し、炭酸水素ナトリウム(4mg、0.047mmol、1.96当量)で処理し、次いでmCPBA(4mg、0.024mmol、1当量)で処理した。得られた反応混合物を、−78℃で1時間撹拌し、HOを用いて希釈し、DCM(3×)を用いて抽出を行った。有機抽出物を、10%NaHCO及び鹹水を用いて洗浄し、(MgSO)乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製物を、調製用TLC(Hex/AcOEt 1:2)により精製して、エポキシドを、白色発泡体(70%収率)として得た。
【0195】
パートC

室温で化合物14(11mg、0.017mmol、1当量)を含むDCM(0.5mL)の溶液を、EtNH(0.5mL、4.8mmol、282当量)で処理し、生じた溶液を、一晩撹拌し、真空濃縮した。残滓を、調製用TLC(DCM/MeOH 9:1)により精製した。化合物13を、白色固体(90%収率)として得た。MS(ESI(+))m/e 428.5(M+H)
【0196】
[実施例5]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物2(1.30g、3.2mmol、1当量)を秤量し、反応容器に充填した。炭酸カリウム(0.91g、6.6mmol、2.1当量)を秤量し、反応容器に充填し、次いでジクロロエタン(6.0mL、76mmol、23.8当量)及び無水DMSO(5mL)を充填した。反応液を、窒素雰囲気下、70℃まで36時間加熱した。反応液を、室温まで冷却し、DCM(15mL)を用いて希釈し、水(2×15mL)を用いて2回洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し(必要に応じてDCMリンスする)、濃縮乾固して、淡黄色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)により、目的とする物質を白色結晶固体として得た。
【0197】
パートB

化合物16(0.111g、0.233mmol、1当量)を、反応フラスコに移し、窒素雰囲気下におき、無水DCM(2mL)に溶解させた。得られたものにクロロヨードメタンを加えた(0.238mL、3.27mmol、14当量)。得られた溶液を、−15℃まで冷却した。ジエチル亜鉛(ヘプタン中に1M、1.63mL、1.63mmol、6.5当量)を、発熱を注意深く制御しながら30分間かけて滴下した。反応液を、出発原料が消費されていることをTLCが示すまで、数時間、−10℃から−14℃で維持した。その後反応液に、THF(6mL)、次いでクエン酸バッファ水溶液(pH4.5、10mL)を注意深く加えて反応を停止させた。層を、室温まで温めておいた。飽和硫酸ナトリウム(10mL)。層を、よく混合し、過剰のDCMを入れた分液ロートに移し、有機層を集めた。有機層を、水酸化ナトリウム水溶液(1N、10mL)、及び飽和硫酸ナトリウム(10mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、その後濃縮乾固させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、望ましい生成物を55%収率で得た。
【0198】
[実施例6]
シクロパミンの誘導体の調製:




化合物11(5mg、0.01mmol、1当量)及び化合物10(10mg、0.04mmol、3当量)を含む無水DCM(5mL)の溶液に、固体トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(sodium triacetoxy borobydride)(8mg、0.04mmol、3当量)を加え、生じた懸濁液を、25℃で2時間撹拌した。得られた反応混合物について、炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)を用いて反応を停止させ、DCM(4×10mL)を用いて抽出を行った。有機層を集め、飽和鹹水(1×20mL)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、減圧濃縮した。粗製物を、PTLC(DCM/MeOH 95:5)により精製して、8mgの望ましい生成物を得た。
【0199】
[実施例7]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

シクロパミン2(20mg、0.049mmol)を、乾燥トルエン(0.6mL)に懸濁させ、得られたものに、シクロヘキサノン(150μL、1.47mmol、30当量)、次いでアルミニウムイソプロポキシド(79mg、0.392mmol、8当量)を加えた。生じた混合物を、2時間還流加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチルを用いて希釈し、ロッシェル塩溶液を用いて反応を停止させた。二相性の混合物を、一晩撹拌し、層を、分離し、水溶性のものについて、酢酸エチルを用いて抽出を行った。合わせた有機抽出物を、(MgSOを通じて)乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM、DCM/メタノール 98:2及び95:5)により精製した。目的とする12を、白色結晶固体(70%収率)として得た。
【0200】
パートB

0℃でジヨードメタン(40μL、0.5mmol、2.5当量)を含むDCM(0.52mL)を、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(0.2mL、0.2mmol、1当量)で処理し、生じた溶液を、5分間撹拌した(ここで、白色析出物が確認された)。前記エノン12(10mg、0.02mmol、1当量)を含むDCM(0.35mL)を加え、生じた混合物を、室温で(氷浴を取り除いて)3時間撹拌し、NaOH(2N)を用いて反応を停止させ、この混合物を、10分間撹拌した。層を、分離させ、水層についてDCM(2回)を用いて抽出を行った。有機抽出物を、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/メタノール 92:8)により精製した。シクロプロパン化した物質11を、白色固体として得た。
【0201】
パートC

シクロプロピレノン11(10mg、24μmol、1当量)を含むDCM(0.5ml)の溶液に、0℃でアルゴン雰囲気下、BF・EtO(30μL、0.24mmol、10当量)を加えた。生じた溶液を、0℃で1.5時間撹拌し、DCMを用いて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムを用いて、反応を停止させた。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウムを用いて洗浄し、合わせた水層について、DCMを用いて抽出を行った。合わせた有機層を、鹹水を用いて洗浄し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、調製用TLC(DCM/メタノール 9:1)により精製した。目的とする18を、白色固体(90%収率)として得た。MS(ESI(+))m/e 424.62(M+H)
【0202】
[実施例8]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

室温でシクロパミン2(250mg、0.6mmol、1当量)を含むDCM(10mL)の溶液に、Fmoc−OSu(205mg、0.6mmol、1当量)を加え、生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。その後生じた粗Fmoc−シクロパミンの溶液を、0℃まで冷却し、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(0.5mL、0.6mmol、1当量)で処理し、30分間撹拌した(フラスコA、黄色溶液)。
【0203】
0℃でジヨードメタン(0.4mL、6mmol、10当量)を含むDCM(20mL)を、15%ジエチル亜鉛を含むトルエン(3mL、3mmol、5当量)で処理し、生じた溶液を、5分間撹拌した(フラスコB、白色析出物)。
【0204】
フラスコBの内容物を、カニューレを通じてフラスコAに移し、生じた懸濁液を、室温で5時間撹拌した。得られた反応液について、1N 塩酸を用いて反応を停止させ、これを10分間(全ての白色固体が再溶解するまで)撹拌し、DCM(5×)を用いて抽出を行った。有機抽出物を、MgSOを通じて乾燥させ、セライトを通じて濾過し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精製した。目的とする11,12−モノシクロプロパン5を、20%のジアステレオ異性のビス−シクロプロパン化した生成物と共に、ジアステレオ異性体の9:1混合物として得た(80%全回収率)。この混合物を、調製用SCFクロマトグラフィーを用いて分離した。
【0205】
パートB

Fmoc−シクロプロピルシクロパミン3(14mg、22μmol、1当量)を、DCM(0.5ml)に溶解させ、得られたものを、0℃まで冷却し、1時間BF・EtO(27μL、0.22mmol、10当量)で処理し、飽和炭酸水素ナトリウムを用いて反応を停止させた。層を、分離させ、水層について、DCMを用いて抽出を行った。合わせた有機抽出物を、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残滓を、調製用薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により精製した。目的とする、Fmoc−拡張シクロパミン(Fmoc-expanded cyclopamine)を、透明油状物として得た。
【0206】
粗Fmoc−拡張シクロパミン(20mg、31μmol、1当量)を含むDCM(0.5ml)の溶液を、一晩EtNH(0.5mL、4.8mmol、154当量)で処理し、真空濃縮した。残滓を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM、DCM/メタノール 98:2及び95:5)により精製した。望ましい化合物を、静置させて結晶化される油状物として得た。MS(ESI(+))m/e 426.29(M+H)
【0207】
[実施例9]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物6(23mg、54μmol、1当量)を、DCM(1mL)に溶解させ、得られたものにヨウ化メチル(0.17mL、0.54mmol、10当量)を加えた。得られた反応液を、窒素雰囲気下、室温で一晩、撹拌しておいた。翌朝、TCL/LC−MSにより、いくらかのSMがまだ存在することが示された。一へら(a spatula)のNaCOを加え、得られた混合物を、更に1時間撹拌した。得られた粗製物を、Biotage 25 Si+Mに入れ、DCM/EtOAc/MePH(82.5/10/7.5)を用いて溶出させた。非晶質の物質が得られた:16mg。MS(ESI(+))m/e 440.32(M+H)
【0208】
[実施例10]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

ヒドロシンナモイルクロリド(hydrocinnamoyl chloride)22(1.13g、6.7mmol、1当量)及びアリルアミン(0.77mL、10mmol、1.5当量)を、THF(20mL)中で可溶化し、得られた反応液を、室温で24時間撹拌した。白色析出物が形成された。反応混合物を濾過した。濾液を、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。蝋状固体に変化する無色の油状物(1.1g)を、単離した。
【0209】
0℃でアリルアミド(0.81mg、0.27mmol、1当量)を含むアセトン:水の混合物(9mL;3:1)の溶液に、OsO(0.55mL、t−BuOH中に2.5w/w)の溶液を加え、生じた褐色混合物を、10分間撹拌した。固体過ヨウ素酸ナトリウム(0.13g、0.59mmol、2.2当量)を、3回に分けて加え、得られた混合物を、0℃で撹拌し、2時間かけて25℃まで温めておいた。得られたライトオフホワイトの(light off white)クリーム状混合物を、DCM(25mL)を用いて希釈し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、固体を、セライトのパッド(pad)を通じて濾過・除去し、濾液を、減圧濃縮した。粗製物は、ゆっくりと黄黒色になった。粗製物を、Biotage 25+Sに入れ、ヘキサン/EtOAc(1:1〜1:2)を用いて溶出させて精製して、一旦乾燥させて凝固させた無色の油状物(250mg)を得た。
【0210】
パートB



18(108mg、0.25mmol、1当量)及び前記アルデヒド21(100mg、0.52mmol、2.1当量)を含むDCM(5mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg、0.47mmol、1.9当量)を、一度で加え、得られたスラリーを、室温で7時間撹拌した。得られた反応液について、MeOHを加えることにより反応を停止させ、これを、セライトを通じて濾過した。蒸発乾固により230mgの油状物を得た。物質を、ヘキサン/EtOAc(4:6〜2:8)を用いて溶出させてクロマトグラフィー(SiO、カラム3cm×4cm)により精製して、38mgの望ましい生成物を得た。MS(ESI(+))m/e 599.74(M+H)
【0211】
[実施例11]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

2−フェニルエタンスルホニルクロリド(2-phenylethanesulfonyl chloride)25(1.13g、5.5mmol、1当量)及びアリルアミン(0.56mL、7.3mmol、1.3当量)を、THF(20mL)中で可溶化し、一晩室温で24時間反応させておいた。白色析出物が形成された。反応混合物を濾過した。濾液を、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。わずかに黄色い油状物(1.1g)を、単離した。この粗製物を、次の工程において直接使用した。
【0212】
0℃でアリルスルホンアミド(0.15g、0.66mmol、1当量)を含むアセトン:水の混合物(4mL;3:1)の溶液に、OsO溶液(0.13mL、t−BuOH中に2.5w/w)を加え、生じた褐色混合物を、10分間撹拌した。固体過ヨウ素酸ナトリウム(0.31g、0.46mmol、2.2当量)を、三度で加え、得られた混合物を、0℃で撹拌し、2時間かけて25℃まで温めておいた。得られたライトオフホワイトのクリーム状混合物を、DCM(25mL)を用いて希釈し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、固体を、セライトのパッドを通じて濾過・除去し、濾液を、減圧濃縮した。得られた粗製物を、ヘキサン/EtOAc(7:3)を用いて溶出させてSiO(カラム 2cm×12cm)で精製して、望ましい物質(16mg)を得た。
【0213】
パートB

室温で18(15mg、35.4μmol、1当量)及びアルデヒド26(16mg、70μmol、2当量)を含むDCM(3mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(20mg、94μmmol、2.6当量)を、一度で加えた。24時間後、得られた反応液について、数滴のMeOHを加えることにより反応を停止させ、これを、セライトを通じて濾過した。粗製物を、調製用TLC 1mm(第一溶出:トルエン/アセトン(9:1)、第二溶出:トルエン/アセトン(4:1))により精製して、4mgの無色の油状物を得た。MS(ESI(+))m/e 635.43(M+H)
【0214】
[実施例12]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物2(1.30g、3.2mmol、1当量)を秤量し、反応容器に充填した。炭酸カリウム(0.91g、6.6mmol、2.1当量)を秤量し、反応容器に充填し、次いでジクロロエタン(6.0mL、76mmol、23.8当量)及び無水DMSO(5mL)を充填した。反応液を、窒素雰囲気下、70℃まで36時間加熱した。反応液を、室温まで冷却し、DCM(15mL)を用いて希釈し、水(2×15mL)を用いて2回洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し(必要に応じてDCMリンスする)、濃縮乾固して、淡黄色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/EtOAc)により、目的とする物質を白色結晶固体として得た。
【0215】
パートB

化合物16(0.111g、0.233mmol、1当量)を、反応フラスコに移し、窒素雰囲気下におき、無水DCM(2mL)に溶解させた。得られたものにクロロヨードメタンを加えた(0.238mL、3.27mmol、14当量)。得られた溶液を、−15℃まで冷却した。ジエチル亜鉛(ヘプタン中に1M、1.63mL、1.63mmol、6.5当量)を、発熱を注意深く制御しながら30分間かけて滴下した。反応液を、出発原料が消費されていることをTLCが示すまで、数時間、−10℃から−14℃で維持した。その後反応液に、THF(6mL)、次いでクエン酸バッファ水溶液(pH4.5、10mL)を注意深く加えて反応を停止させた。層を、室温まで温めておいた。飽和硫酸ナトリウム(10mL)。層を、よく混合し、過剰のDCMを入れた分液ロートに移し、有機層を集めた。有機層を、水酸化ナトリウム水溶液(1N、10mL)、及び飽和硫酸ナトリウム(10mL)を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、その後濃縮乾固させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、望ましい生成物を55%収率で得た。
【0216】
パートC

化合物15(1.25g、2.56mmol、1当量)を、窒素雰囲気下、DCM(22mL)に溶解させ、得られた溶液を、0.9℃の内部温度まで冷却した。純粋BF−OEt(neat BF3-OEt2)(1.6mL、12.8mmol、5当量)を、LCMSによる反応のモニタリングの間、数時間かけて複数回で、加えた。反応液を、反応が完全なものになるまでゆっくりと10℃まで温めておいた。反応液について、0℃でMeOH(5mL)を用いて反応を停止させ、これを、KOH(2M、30mL)を用いて希釈し、室温で2時間撹拌した。層を、分離させ、有機層を、水を用いて洗浄し、NaSOを通じて乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。DCM/EtOAcを用いるクロマトグラフィーにより、望ましい生成物を得た。
【0217】
[実施例13]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物27(29mg、60μmol、1当量)を、5mLの丸底フラスコ中に入れた。ブタノン(2mL)及びAl(OiPr)(12.3mg、60μmol、1当量)を加えた。丸底フラスコの内容物を、アルゴン雰囲気下、7時間還流加熱した。その後反応混合物を、室温で10時間撹拌した。その後得られた反応混合物について、クエン酸(500g)、NaOH(15.7g)及び水(500mL)を混合して作製した溶液(2mL)を用いて反応を停止させた。生じた混合物を、エマルションが散逸するまで急速に撹拌した。その後得られた混合物について、EtOAc(3×10mL)を用いて抽出を行った。有機層を集め、NaSOを通じて乾燥させ、濾過した。粗製物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。MS(ESI(+))m/e 486.26(M+H)
【0218】
[実施例14]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物28(25mg、0.051mmol、1当量)を、無水2−メトキシエタノール(1mL、12.7mmol、234当量)に溶解させた。得られたものに炭酸カルシウム(7.1mg、0.051mmol、1当量)を加え、得られた混合物を、120℃まで加熱した。反応液を、TLCによりモニタリングした。TCLにより反応が停止したことが示されたとき、反応液を、室温まで冷却した。その後反応液を、酢酸エチルを用いて希釈し、水を用いて洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、濃縮乾固させた。DCM/EtOAcを用いるクロマトグラフィーにより、望ましい生成物を得た。MS(ESI(+))m/e 526.66(M+H)
【0219】
[実施例15]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

75℃でヒドロ桂皮酸5(3.01g、20mmol、1当量)を含む30mLの無水クロロホルムの溶液に、塩化チオニル(1.75mL、24.1mmol、1.2当量)を、3分間かけて滴下(添加)した。得られた混合物を、3.5時間還流した。溶媒を、蒸留・除去して、粗酸塩化物(crude acid chloride)を、淡黄色粘性液体として得た。粗製物を、更に精製しないで、用いた。
【0220】
パートB

25℃で7(3.16g、24.1mmol、1.2当量)を含むDCM(30mL)とNaOH水溶液(2.0M、30mL、3当量)との二相性の混合物に、前記酸塩化物6(3.38g、20mmol、1当量)を含むDCM(10mL)の溶液を加え、生じた混合物を、25℃で3時間撹拌した。その後得られた混合物を、HCl水溶液(aqueous HCl)(2M、30mL)を用いて中和した。その後有機層を、分離し、水層について、DCM(3×50mL)を用いて抽出を行った。合わせた有機層を、HCl(2.0M、25mL)、水(3×50mL)、飽和鹹水(50mL)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、溶媒を、減圧下蒸発させた。得られた粗製物について、5%MeOH:DCMを溶出液として用いてシリカゲルによるクロマトグラフを行った。その後カラムで、10%MeOH:DCMを用いて溶出を行って、1.141gの化合物8を得た。
【0221】
パートC

0℃で前記酸8(264mg、1mmol、1当量)、EDCI(231mg、1.2mmol、1.2当量)、及びトリエチルアミン(168μL、1.2mmol、1.2当量)を含むDCM(2mL)の混合物に、アリルアミン(90.3μL、1.2mmol、1.2当量)を加え、生じた混合物を、0℃で1時間撹拌し、2時間かけて25℃まで温めておいた。反応混合物を、水(50mL)に加え、得られたものについてDCM(4×25mL)を用いて抽出を行い、合わせた有機層を、1M HCl(2×25mL)、水(3×25mL)、飽和鹹水(25mL)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを通じて乾燥させ、溶媒を、減圧下蒸発・除去して、287.5mgの望ましい生成物を得た。この物質を、更に精製しないで、用いた。
【0222】
パートD

前記アリルアミド9(70mg、0.23mmol、1当量)を含むアセトン(1mL)及び水(0.3mL)の溶液に、四酸化オスミウム溶液(0.35mL、0.035mmol、t−ブタノール中に2.5w/w)を加え、OsO溶液の添加後に、反応混合物を、氷浴中で急冷した。生じた暗褐色溶液を、0℃で15分間撹拌した。過ヨウ素酸ナトリウム(110mg、0.51mmol、2.2当量)を、上記混合物に5度で加え、撹拌を、0℃で1時間継続し、得られた混合物を、2時間かけて25℃まで温めておいた。反応混合物を、DCM(3mL)を用いて希釈し、硫酸マグネシウムの短いプラグを通じて濾過し、濾過ケーキを、DCMを用いて(数回)洗浄した。濾液を、濃縮し、残滓(67.9mg)を、5%MeOH:DCMを用いてRPシリカゲルの短いプラグを通じて濾過して、38.9mgの望ましい生成物を得た。
【0223】
パートE

23℃で19(0.0242g、0.0569mmol、1当量)、及び前記アルデヒド10(0.0346g、0.114mmol)を含む3.0mLのDCMの溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(24.1mg、0.114mmol、2当量)を一度で加え、生じた混合物を、16時間撹拌した。LCMS及びTLCから明らかに分かるように出発原料が望ましい生成物に完全に転換した後、混合物を、2.5mLのメタノールに吸収させ、逆相調製用HPLC(Reverce Phase preparative HPLC)(アセトニトリル−20mM 炭酸アンモニウム(ammonium carbonater)バッファ、基本法(baic method))により精製した。画分を、濃縮し、最小容量のアセトニトリルに吸収させ、得られた溶液を、凍結及び乾燥させて、0.007g(0.0098mmol、17%)の白色固体を得た。MS(ESI(+))m/e 714.6(M+H)
【0224】
[実施例16]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(35mg、0.08mmol、1当量)及びアルデヒド32(34mg、0.17mmol、2.0当量)を含むTHF(2.0mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(35mg、0.17mmol、2.0当量)を一度で加えた。溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、1:1 ヘキサン:酢酸エチル、次いで1:2、及び1:4 ヘキサン:酢酸エチル及び純粋な酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。いくらかの物質はまだ溶出していたため、その後カラムを9:1 酢酸エチル:メタノールを用いて洗い流した。望ましい生成物は、いくらかのアルデヒドと共に溶出したため、その後その物質を調製用HPLCにより精製した。(基本法 50_100)。望ましい画分を、凍結及び凍結乾燥させて、油状残滓(12mg、0.02mmol、24%収率)を得た。MS(ESI(+))m/e 614.44(M+H)
【0225】
[実施例17]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(8.0mg、0.02mmol、1当量)及びアルデヒド34(6.0mg、0.04mmol、2.0当量)を含むCHCl(1.0mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.0mg、0.17mmol、2.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、1:1、次いで1:2、及び1:4 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、いくらかのアルデヒドと共に溶出する望ましい生成物を単離した。その後、得られた物質を、調製用HPLCにより精製した。得られた画分を、凍結及び凍結乾燥させて、白色粉末(4.9mg、0.009mmol、46%収率)を得た。MS(ESI(+))m/e 570.41(M+H)
【0226】
[実施例18]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(6.0mg、0.01mmol、1当量)及びベンズアルデヒド36(3.0mg、0.02mmol、2.0当量)を含むCHCl(0.5mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.0mg、0.02mmol、2.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、4:1、次いで1:1 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、いくらかのアルデヒドと共に溶出する望ましい生成物を単離した。その後、得られた物質を、調製用HPLCにより精製した。望ましい画分を、凍結及び凍結乾燥させて、白色粉末(0.6mg、0.001mmol、8%収率)を得た。
【0227】
[実施例19]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(6.0mg、0.01mmol、1当量)及び4−フェノキシベンズアルデヒド38(6.0mg、0.02mmol、2.0当量)を含むCHCl(0.5mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.0mg、0.02mmol、2.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、4:1、次いで1:1 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、いくらかのアルデヒドと共に溶出する望ましい生成物を単離した。その後、得られた物質を、調製用HPLCにより精製した。望ましい画分を、凍結及び凍結乾燥させて、白色粉末(1.8mg、0.003mmol、21%収率)を得た。MS(ESI(+))m/e 606.4(M+H)
【0228】
[実施例20]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(40mg、0.09mmol、1当量)及び炭酸水素ナトリウム(15mg、0.18mmol、2.0当量)を含むCHCl(0.5mL)の混合物に、ブロモエタノール40(33μL、0.47mmol、5.0当量)を加えた。得られた溶液を、4時間還流加熱しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、DCM、次いで38:1:1 ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール、次いで36:3:1のもの、次いで17:2:1のものの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、望ましい生成物を油状物(12mg、0.026mmol、27%収率)として単離した。MS(ESI(+))m/e 468.24(M+H)
【0229】
[実施例21]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(100mg、0.24mmol、1当量)及びアルデヒド42(42mg、0.35mmol、1.5当量)を含むCHCl(2.5mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg、0.47mmol、2.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。この溶液は、LCMSにより、わずか50%転換を示す。得られた混合物に、別の当量のアルデヒド36(26mg、0.24mmol、1.0当量)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(48mg、0.24mmol、1.0当量)を加え、2時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、1:1、次いで1:2、及び1:4 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、いくらかのアルデヒドと共に溶出する望ましい生成物を単離した。その後、得られた物質を、調製用HPLCにより精製した。望ましい画分を、凍結及び凍結乾燥させて、白色粉末(53mg、0.10mmol、43%収率)を得た。MS(ESI(+))m/e 526.66(M+H)
【0230】
[実施例22]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(15mg、0.04mmol、1当量)及びアルデヒド44(6.9mg、0.04mmol、1.0当量)を含むCHCl(0.6mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(15mg、0.07mmol、2.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で12時間撹拌しておいた。この溶液は、LCMSにより、わずか50%転換を示す。得られた混合物に、別の当量のアルデヒド44(6.9mg、0.04mmol、1.0当量)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7.5mg、0.04mmol、1.0当量)を加え、12時間撹拌しておいた。その後得られた混合物を、濃縮し、1:1、次いで1:2、及び1:4 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、望ましい生成物を油状物(12mg、0.19mmol、54%収率)として単離した。MS(ESI(+))m/e 635.43(M+H)
【0231】
[実施例23]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(12mg、0.03mmol、1当量)及び炭酸カリウム(40mg、0.28mmol、10当量)を含むDMF(0.5mL)の混合物に、塩化2−(ジメチルアミノ)エチル塩酸塩46(20mg、0.14mmol、5.0当量)を一度で加えた。得られた溶液を、23℃で2時間撹拌した。いかなる反応も、起こらなかった。その後得られた溶液を、65℃で12時間加熱し、得られたものについて水(2mL)を用いて反応を停止させ、その後ジエチルエーテル(2×10mL)を用いて抽出を行った。合わせた有機性溶液を、鹹水を用いて洗浄し、MgSOを用いて乾燥させた。その後混合物を、濃縮し、調製用HPLCにより精製した。望ましい画分を、凍結及び凍結乾燥させて、白色粉末(17、1.8mg、0.004mmol、13%収率)を得た。MS(ESI(+))m/e 495.71(M+H)
【0232】
[実施例24]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

18(100mg、0.24mmol、1当量)及びクロロアセトアミド48(250mg、1.2mmol、5.0当量)を含むCHCl(1.0mL)の溶液に、トリエチルアミン(160μg、1.2mmol、5.0当量)を加えた。得られた溶液を、還流加熱し、72時間撹拌した。その後得られた混合物を、濃縮し、4:1、次いで2:1、1:1及び1:2 ヘキサン:酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、望ましい生成物を2スポット(two spots)の混合物として単離した。同様のカラム条件を繰り返し、望ましい生成物を油状物(17mg、0.14mmol、12%収率)として得た。
【0233】
[実施例25]
シクロパミンの誘導体の調製:


パートA

化合物18(103mg、0.24mmol、1当量)を、DCM(3.0mg)に溶解させ、得られたものを−78℃まで冷却した。この溶液に、mCPBA(77重量%、54mg、0.24mmol、1.0当量)を加え、その後得られた溶液を、12時間かけて22℃まで温めておいた。反応を、50%転換(LCMS)まで進めた。その溶液について、炭酸水素ナトリウムを用いて反応を停止させ、DCMを用いて抽出を行った。合わせた有機物を、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、濾過し、濃縮した。その後得られた物質を、95:2.5:2.5、次いで92.5:5.0:2.5、次いで85:10:5のDCM:EtOAc:MeOHの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、少量の何か他のものと共に溶出する望ましい生成物を単離した。合わせた画分を、濃縮し、調製用HPLCにより精製して、3.4mgの望ましい生成物を得た。MS(ESI(+))m/e 440.63(M+H)
【0234】
[実施例26]
シクロパミンの類似体を用いる細胞培養におけるヘッジホッグ経路の阻害:
ヘッジホッグ経路特異的癌細胞死効果は、下記測定法を使用して確認されうる。C3H10T1/2細胞は、ソニックヘッジホッグペプチド(Shh−N)と接触したとき、骨芽細胞に分化する。分化に際し;これらの骨芽細胞は、酵素測定法において測定されうる高レベルのアルカリホスファターゼ(AP)を産生する(Nakamuta et al., 1997 BBRC 237: 465)。C3H10T1/2の骨芽細胞への分化(Shh依存性の現象)を遮断する化合物は、それゆえAP産生の低下により同定されうる(van der Horst et al., 2003 Bone 33: 899)。測定法の詳細については、以下に記載する。分化測定結果の概算値(阻害のEC50)を、下記表1に示す。
【0235】
測定プロトコル
細胞培養
マウス胚性中胚葉線維芽細胞C3H10T1/2細胞(ATCCから得られるもの)を、空気雰囲気中5%COと共に37℃で、10%熱失活FBS(Hyclone)、50単位/mlペニシリン及び50ug/mlストレプトマイシン(Gibco/Invitrogen)を追加した基本MEM培地(Gibco/Invitrogen)中で培養した。
【0236】
アルカリホスファターゼ測定
C3H10T1/2細胞を、8×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに蒔いた。細胞を、集密するまで(72時間)増殖させた。ソニックヘッジホッグ(250ng/ml)、(R&D Systems)及び/又は化合物処理の後、細胞を、110ulの溶解バッファ(50mM Tris pH7.4、0.1%TritonX100)中に溶解させ、プレートを、超音波処理し、溶解物を、0.2umPVDFプレート(Corning)により回転させた。40μlの溶解物について、1mg/ml p−ニトロフェニルホスフェ−トを含むアルカリバッファ溶液(Sigma)におけるAP活性を測定した。37℃で30分間のインキュベート後、プレートを、405nmでEnvisionプレートリーダーにより読み取った。全タンパク質を、ピアス社のBCAタンパク質測定キットを用いてメーカーの指示に従って、定量した。AP活性を、全タンパク質に対して正規化した。「A」は、IC50が200nM未満であることを示し、「B」は、IC50が200〜500nMであることを示し、「C」は、IC50が>500nMであることを示すことを述べる。
【0237】
【表1】

【0238】
[実施例27]
調製用超臨界流体クロマトグラフ(SCF)精製法
本発明の化合物を精製するための調製用超臨界流体クロマトグラフ法について記載する。

使用した機器:
SCF:Berger PrepSFC System
紫外線検出器:Knauer Model K−2501
カラム:Berger 5ミクロンシリカ、20mm×250mm

SFC条件:
移動相:CO−95%;メタノール−5%
流量:50.00mL/min
カラム温度:35℃
超臨界CO中5%エタノールで40分間 均一濃度(isocratic)
注入容量:1000μL
サンプル濃度は、標準的に5.0mg/mLにされる
サンプル調製:サンプルを、20%DCM/80%メタノールに溶解させる
生成物は25から40分間で溶出する

紫外線検出器のパラメータ
波長=210nm;及び分解能=1.0nm
【0239】
[実施例28]
液体クロマトグラフィー 質量分析(LCMS)法:
本発明の化合物の液体クロマトグラフィー 質量分析法について記載する。

[A]インレット法(Inlet Method)報告

























報告終了

[B]実験報告





[C]ZQ調整パラメータ(ZQ Tune Parameters)








【0240】
参照による組み込み
本書で引用した米国特許及び米国公開特許出願の全ては、参照により本書に組み込まれる。
【0241】
均等
当業者は、ただ通常の実験法のみを用いて、本書において記載した本発明の特定の形態との多くの均等物を認識し、確認することが可能であろう。そのような均等物は、下記請求の範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物:

又は、その医薬的に許容し得る塩;
ここで、RとRの各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、スルファート、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は、−X−C(L)−X−R21
ここで、Rは糖であってもよく;
各Xは、独立してO又はNR、但しRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はアラルキル;
Lは、O又はS;
及びRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ニトリル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
及びR11の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、アルキルセレノ、アラルキルセレノ、アリールセレノ、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
、R、R、R、R13及びR14の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
或いは、R及びR及び/又はR及びRは、まとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−、−(C=S)−、−(C=N(OR20))−、−(C=N(R20))−、−(C=N(N(R20)(R20)))を形成するか、又は、N、O、及びSから選択される2までのヘテロ原子を含有する置換されていてもよい3〜8員環を形成する;又は
及びRのまとまり及び/又はR及びRのまとまり及び/又はR10及びR11のまとまりが二重結合を形成するか、又は、1b

(但し、ZはNR21、O,又はC(R23)(R23)である)で表される基を形成し;
12はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
(但し、各Wは独立してジラジカル、且つqは1、2、3、4、5、又は6);
15、R16、及びR17は独立して、H、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ;又は、R15及びR16のまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−又は−C(S)−を形成し;
18及びR19は独立して、H、アルキル,アラアルキル,ハライド,アミド、又はエステル;
各R20は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、同一置換基上の任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
各R21は独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25(但し、pは0−6);或いは、同一置換基上の任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環(該環は、N、O、S,及びPから選択される0〜3のヘテロ原子を含有)を形成し得るし;
各R23は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、シリルオキシ、ニトリル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、及び−C(O)N(R21
各R25は独立して、H、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR20、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)である。
【請求項2】
a.式2の第一の化合物:


[ここで、R及びRの各々は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、スルファート、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は−X−C(L)−X−R21
ここで、Rは糖であってもよく;
各Xは独立してO又はNR(但し、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、又はアラルキル);
Lは、O又はS;
及びRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ニトリル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシル、ハリド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
各Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハリド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、アルキルセレノ、アラルキルセレノ、アリールセレノ、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
各R、R、R、R、R13及びR14は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハリド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
或いは、R及びR及び/又はR及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−、−(C=S)−、−(C=N(OR20))−、−(C=N(R20))−、−(C=N(N(R20)(R20)))を形成し、又は、3〜8員の置換されていてもよい環(該環は、N、O、及びSから選択される2までのヘテロ原子を含有)を形成し得るし;
及びRのまとまり及び/又はR及びRのまとまりが二重結合を形成し;
10及びR11のまとまりが二重結合を形成し;
12は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
(但し、各Wは独立してジラジカルであり、且つ、qは1、2、3、4、5、又は6);
各R15、R16、及びR17は独立して、H、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ;又は、R15及びR16のまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−又は−C(S)−を形成し;
各R20は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、同一置換基上の任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
各R21は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25(但し、pは0−6);或いは、同一置換基上の任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環(該環は、N、O、S,及びPから選択される2までのヘテロ原子を含有)を形成し得るし;
各R25は独立して、H、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R21、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR20、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)];
をシクロプロパン化剤と反応させて式2の第二の化合物を形成すること[但し、前記式2の第二の化合物におけるR、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は上述のように定義され;且つ、前記式2の第二の化合物におけるR10及びR11のまとまりが1b

(但し、ZはC(R23)(R23)であり、且つ、各R23は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、シリルオキシ、ニトリル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、或いは−C(O)N(R21である)で表される基を形成する]
;並びに
b.前記式2の第二の化合物をルイス酸又はブレンステッド酸と反応させて式1の化合物:

又は、その医薬的に許容し得る塩を形成すること;
[ここで、RとRの各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、スルファート、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は、−X−C(L)−X−R21
ここで、Rは糖であってもよく;
各Xは、独立してO又はNR、但しRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はアラルキル;
Lは、O又はS;
及びRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ニトリル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシル、ハライド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、アルキルセレノ、アラルキルセレノ、アリールセレノ、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
、R、R、R、R13及びR14の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;
或いは、R及びR及び/又はR及びRは、まとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−、−(C=S)−、−(C=N(OR20))−、−(C=N(R20))−、−(C=N(N(R20)(R20)))を形成するか、又は、N、O、及びSから選択される2までのヘテロ原子を含有する置換されていてもよい3〜8員環を形成し;
及びRのまとまり及び/又はR及びRのまとまりが二重結合を形成し;
10及びR11のまとまりが二重結合を形成し;
12はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシル、−C(O)R21、−CO21、−SO21、−C(O)N(R21)(R21)、−[C(R21−R21、−[(W)−N(R21)C(O)]21、−[(W)−C(O)]21、−[(W)−C(O)O]21、−[(W)−OC(O)]21、−[(W)−SO21、−[(W)−N(R21)SO21、−[(W)−C(O)N(R21)]21、−[(W)−O]21、−[(W)−N(R21)]21、又は−[(W)−S]21
(但し、各Wは独立してジラジカル、且つqは1、2、3、4、5、又は6);
15、R16、及びR17は独立して、H、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、ハライド、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ;又は、R15及びR16のまとまりに炭素が加わったもの(該まとまりは該炭素と結合している)が、−C(O)−又は−C(S)−を形成し;
18及びR19は独立して、H、アルキル,アラアルキル,ハライド,アミド、又はエステル;
各R20は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキル;或いは、同一置換基上の任意の二つのR20の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環を形成し得るし;
各R21は独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又は−[C(R20−R25(但し、pは0−6);或いは、同一置換基上の任意の二つのR21の存在がまとまって、4〜8員の置換されていてもよい環(該環は、N、O、S,及びPから選択される2までのヘテロ原子を含有)を形成し得るし;
各R25は独立して、H、ヒドロキシル、アシルアミノ、−N(R20)COR20、−N(R20)C(O)OR20、−N(R20)SO(R20)、−COR20N(R20、−OC(O)R20N(R20)(R20)、−SON(R20)(R20)、−N(R20)(R20)、−COOR20、−C(O)N(OH)(R21)、−OS(O)OR20、−S(O)OR20、−OP(L)(OR20)(OR20)、−NP(O)(OR20)(OR20)、又は−P(O)(OR20)(OR20)である。]
を含む方法。
【請求項3】
前記R13、R14、R15、R16、及びR17が各々Hであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記Rが、OH、糖、−OP(L)(OR20、−X−C(L)−R21、又は−X−C(L)−X−R21で、且つ、前記Rが、Hであるか;或いは、前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成していることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記RがOHで、且つ、前記RがHであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記R及びRのまとまりが、二重結合を形成することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記Rが、−X−C(L)−X−R21であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記R12が、−CO21で、且つ、前記R21が、アラルキルであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記R及びRが各々Hであるか;或いは、前記R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−C(O)−を形成していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記シクロプロパン化剤が、1,1−ハロアルキルメタル複合体であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記1,1−ハロアルキルメタル複合体が、ジヨードメタン及びEtZnから形成され、シクロプロパン化反応が、ジクロロメタン中で行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ルイス酸又はブレンステッド酸が、ZnI、BF、メタンスルホン酸、ジアリールオキシリン酸、及び塩酸から選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記式2の化合物、前記式2の第二の化合物及び前記式1の化合物について:
前記Rが保護基−X−C(L)−X−R21で、前記RがHで、R及びRのまとまりが二重結合を形成し、且つ、前記R12が保護基−CO−アラルキルであり、
さらに、前記R及びR12保護基を除去して式1の第二の化合物(但し、前記RがOHで、前記RがHで、R及びRのまとまりが二重結合を形成し、且つ、前記R12がHである)を形成することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記式1の第二の化合物がAl(Oi−Pr)を用いて酸化されて式1の第三の化合物(但し、R及びRがまとまってそれらが結合している炭素と共に、−(C=O)−を形成し、前記R及びRのまとまりが二重結合を形成し、且つ、R12がHである)を形成することを特徴とする請求項15に記載の方法。

【公開番号】特開2012−232997(P2012−232997A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164081(P2012−164081)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【分割の表示】特願2007−530162(P2007−530162)の分割
【原出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(507063584)インフィニティ ファーマスーティカルズ、インク. (6)
【Fターム(参考)】