説明

シクロブテンポリマーおよびその製造方法

シクロブテンのモノマー単位を含み、前記シクロブテンが、少なくとも1つの縮合環系で置換され、10mol%以下の前記シクロブテンの開環単位を含み、少なくとも1,000の分子量を有し、場合によりコモノマーと共重合してそれとともにコポリマーを形成した、シクロブテンポリマーが記載される。その組成物およびその製造方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2006年8月23日に出願された米国仮特許出願第60/839,522号明細書の恩典を主張し、本開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、ポリマーならびにその製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
内部二重結合は、歪みのある環内にシス結合として組み込まれているのでなければ、挿入方式での重合が困難であることが知られている。3員、5員、および歪みのある二環式(ノルボルネン誘導体)の挿入重合の例は一般的であるが、4員環で目立った例は存在しない。シクロブテンは31kcal/molという十分な環歪みを有するが(Schleyer,P.v.R.et al.,J.Am.Chem.Soc.1970,92,(8),2377)、シクロブテンのビニル重合の例はほとんど知られていない。これは、単純なシクロブテンは、迅速なペリ環状開環反応が進行してブタジエンを形成するか、あるいはROMPが進行するためである。シクロブテンを重合させる試みでは、シクロブテン繰り返し単位と1,4−ブタジエン繰り返し単位との両方を含有するポリマーが得られている。これらのブタジエンの繰り返しによってポリマーの熱安定性が低下する(Dall’asta,G.et al.,Die Makromolekulare Chemie 1962,56,(1),224)。
【0004】
1960年代において、Dall’astaおよびその共同研究者らは、シクロブテンの重合に関するいくつかの刊行物を報告しているが、それらのポリマーはブタジエン単位および開環重合単位を含有する。また、その分子量情報は不明瞭である(例えば、Dall’asta,G.Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry 1968,6,2397;Natta,Get al.,G.Die Makromolekulare Chemie 1963,69−1,163を参照されたい)。彼らは縮合環系の重合も試みたが、得られたポリマーは非常に低分子量であり、最大10mol%の開環単位を含有する(Dall’asta,G.Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry 1968,6,2405)。本発明者らの知る限りでは、いずれのシクロブテン誘導体の高分子量で真のビニルポリマーに関する報告も公開されていない。
【0005】
近年、ノルボルネンの挿入重合によって多数の新規な高性能エンジニアリング材料が調製されている。これらのポリマーは、低吸湿、低誘電率、耐薬品性、低複屈折、高破壊電圧、および高ガラス転移温度などの顕著な性質を有することができる。多数のこれらのポリノルボルネン材料は現在市販され、そのようなものとしてはAppear(登録商標)フラットパネルおよび導波路用光学ポリマー材料、Aprima(登録商標)接着剤およびカバーコート、Avatrel(登録商標)低κ材料、Duvcor(登録商標)193nmおよび157nmフォトレジスト(プロメラス(Promerus))、ならびにオレフィンとノルボルネンとのコポリマー、Topas(登録商標)(トパス・アドバンスト・ポリマーズ(Topas Advanced Polymers))、およびApel(登録商標)(三井化学(Mitsui Chemical))が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、非常に歪みが大きいが4員環の挿入重合はあまり成功していない。シクロブテンからより安定なブタジエンへの望ましくないペリ環状開環のためにこの分野の発展が制限されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シクロブテンのモノマー単位を含み、そのシクロブテンが少なくとも1つの縮合環系(例えば4〜8個の炭素の縮合環系)で置換され、その他は置換または非置換である、シクロブテンポリマー(コポリマーを含む)を提供する。本ポリマーは、場合により、ノルボルネンなどの1種類以上の好適なコモノマーとのコポリマーの形態であってもよい。本ポリマーは架橋性ポリマーであってよい。
【0008】
本発明のポリマーは、有機溶媒中で遷移金属触媒を使用して好適なシクロブテンモノマーを反応させて本発明のポリマーを生成することによって製造することができる。
【0009】
本発明のポリマー、中でも特に、マイクロエレクトロニクスデバイス中の低誘電率絶縁材料に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)VIの触媒、および(b)VIIの触媒によるモノマー1からのポリマー生成物のo−DCB−d中室温におけるH−NMRスペクトルである。
【図2】o−DCB中130℃におけるポリ−1の13C−NMRスペクトルである。
【図3】o−DCB中130℃におけるポリ(1−コ−E)の13C−NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述したように、本発明は、シクロブテンのモノマー単位を含み、そのシクロブテンが少なくとも1つの縮合環系(例えば4〜8個の炭素の縮合環系)で置換されている、シクロブテンポリマー(コポリマーを含む)を提供する。
【0012】
ある実施形態においては、本ポリマーは好ましくは、10、5、3、2、または1mol%以下のシクロブテンの開環単位を含む(開環単位はポリマーのTおよび熱安定性に悪影響を与える)。
【0013】
ある実施形態においては、本ポリマーは、少なくとも1,000、10,000、20,000、または50,000、最高1,000,000以上の分子量を有する高分子量ポリマーである。
【0014】
本発明のポリマーは、場合により、ノルボルネンなどの1種類以上の好適なコモノマーとのコポリマーの形態であってもよい。本明細書において使用される場合「コポリマー」は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、テーパーブロックコポリマー、ジブロックコポリマー ターポリマー、および架橋材料などのあらゆる種類のコポリマーを含んでいる。
【0015】
ある実施形態においては、本ポリマーは50〜300℃の間のガラス転移温度を有するが、あるより具体的な実施形態(特にポリマーがノルボルネンのモノマー単位とのコポリマーである場合)においては、本ポリマーは、80℃と300℃との間または200℃と300℃との間のガラス転移温度を有する。
【0016】
シクロブテンのモノマー単位、および/または、場合によりノルボルネンなどのコモノマーのモノマー単位は、1つ以上の官能基で置換されていてもよいし、非置換であってもよい(例えば、縮合環系上に置換基を含有する)。ある実施形態においては、シクロブテンモノマー上よりもノルボルネンなどのコモノマー上に1つ以上の官能基を有することがより経済的となる場合がある。あらゆる好適な官能基、または複数の置換基の組み合わせを使用することができ、ポリマーの特定の使用に依存するが多数のものが当業者には公知である。接着性基、極性基、結晶化を促進または抑制する基、架橋性基、ガラス転移温度を上昇または低下させる基などのすべてを、望まれる場合に官能基として使用することができる。ある実施形態においては、公知のノルボルネンポリマー中のノルボルネン上を置換するものと同じ官能基を使用することができる。例えば米国特許第6,914,328号明細書、第6,509,134号明細書、第6,492,433号明細書、第6,008,873号明細書などを参照されたい(本明細書で引用されたすべての米国特許文献の開示全体を参照により本明細書に組み込む)。好適な置換基または官能基の例としては、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシル、エステル、シラノール、アミノ、ニトリル、ハロゲン、アシル、スルホン酸、およびカルボン酸無水物基;および/または、水酸化物、ボレート、シロキサン、カルボン酸、チオール、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ハロアルキル基、ハロアリール基、ハロアリールアルキル基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
このような官能基は、例えば、重合前にモノマー上に含むこと、または所望の官能基を含有する不飽和化合物などの化合物とのポリマーのグラフト反応など、当業者に公知の技術および方法を使用してポリマーに付加することができる。
【0018】
ある実施形態においては、シクロブテンのモノマー単位は式I
【化1】

を有することができ、
式中、Rが存在する場合、各Rは独立に選択された官能基(例えば前述のもの)であり;mは0、1、2、3、または4であり;nは、1,000または50,000〜1,000,000以上のポリマーの分子量に対応する整数であり;oは0〜2m+4(ある実施形態においては0〜5)の整数である。
【0019】
本発明のポリマーは、例えば、好適なモノマーを、場合によりノルボルネンコモノマーなどの1種類以上のコモノマーと、トルエンなどの有機溶媒中またはバルクモノマー中、遷移金属触媒を使用して反応させて、本明細書に記載のポリマーを生成することによって製造することができる。この反応は、メチルアルミノキサン(MAO)活性化剤などの活性化剤の存在下で行うことができるが、反応を促進し、より高分子量のポリマーの形成を促進するために、活性化剤の量は、例えば20または50または100〜800または1000当量の活性剤に限定することができる。この反応は、当業者に公知であり、実施されているような、あらゆる好適な時間および温度で行うことができる。好適なシクロブテンモノマーとしては、限定するものではないが、式i
【化2】

の化合物が含まれ、式中、各R(存在する場合)は独立に選択された官能基であり;mは0、1、2、3、または4であり;oは0〜2m+4(またはある実施形態においては0または1〜4または5)の整数である。
【0020】
好ましいチタン錯体触媒の1つは式VIII
【化3】

の化合物である。他の反応条件は、本開示に基づけば当業者には明らかとなる。
【0021】
有用性
本発明のポリマーは、本発明のポリマーを含む、本発明のポリマーからなる、または本発明のポリマーから実質的になる成形物品の形成に使用することができ、その例としては、フラットパネルディスプレイ、導波路、絶縁体などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリマーは、本発明のポリマーを含む、本発明のポリマーからなる、または本発明のポリマーから実質的になる接着剤組成物の形成に使用することができる。
【0023】
本発明のポリマーは、本発明のポリマーを含む、本発明のポリマーからなる、または本発明のポリマーから実質的になる架橋組成物の形成に使用することができる。
【0024】
本発明のポリマーは、本発明のポリマーを含む、本発明のポリマーからなる、または本発明のポリマーから実質的になるフォトレジスト組成物の形成に使用することができる。
【0025】
本発明のポリマーは、本発明のポリマーを含む、本発明のポリマーからなる、または本発明のポリマーから実質的になる低誘電率絶縁材料の形成に使用することができる。
【0026】
本発明のポリマーは、低誘電率絶縁材料を、場合により1種類以上の半導体および/または導体と関連して含むマイクロエレクトロニクスデバイス(例えば回路)の形成に使用することができ、この絶縁材料は、本発明のポリマーを含む、からなる、またはから実質的になる。
【実施例】
【0027】
実施例1〜7
シクロブテン化合物を重合させる従来の試みでは、不飽和単位を有する材料が得られていた。この不飽和は、4員環からブタジエン誘導体へのペリ環状開環の後、共重合が起こり得る結果によるものである。ペリ環状開環反応をなくそうという本発明者らの方法では、ブタジエンの3,4−炭素を、追加の縮合環を介してともに結合させた。この「シス」縮合環は、トランス二重結合を環状構造内に押し込めるため、容易にペリ環状開環が起こるのが防止される。ビシクロ[4.2.0]オクタ−7−エン(1)およびビシクロ[3.2.0]ヘプタ−6−エン(2)はこれらの縮合系の2つの例である。モノマー1および2の合成をスキーム1にまとめている。すべての段階は、非常に容易に適度な収率で進行する。
スキーム1.1,5−シクロオクタジエンおよび1,3−シクロヘプタジエンのそれぞれからのモノマー1および2の合成
【化4】

【0028】
モノマー1および2は、ノルボルネンに類似した縮合環系を有するので、ブレット(Bredt)則のために重合中のβ−水素化物脱離は重要な過程とはならないと推測した。後期遷移金属触媒は、ブルックハート(Brookhart)型ニッケル触媒またはパラジウム触媒中などの嵩高い配位子が使用されなければ、β−水素化物脱離が起こりやすい。β−水素化物脱離を引き起こす固有の性質を有さないノルボルネンのようなモノマーの場合、単純なニッケル錯体またはパラジウム錯体は、非常に活性の高い触媒系となり得る(Arndt,M.;Gosmann,M.Polymer Bulletin 1998,41,433)。後期遷移金属触媒系の中で、ニッケル(アセチルアセトネート)またはその誘導体とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの系は単純であるが、ノルボルネンの重合に対して高い活性を示す(例えば、Barnes,D.A.et al.;Macromolecules 2003,36,2623;Lassahn,P.−G.et al.;Zeitschrift fuer Naturforschung,B:Chemical Sciences 2001,56b,(12),1289を参照されたい)。ノルボルネンの重合に対して活性である別の単純なニッケル触媒系は、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケルおよびメチルアルミノキサン(MAO)である。この触媒系は最初は1993年にエチレン重合に関して報告され(Busby,R.et al.;C.J.Chem.Soc.Dalton Trans.1993,3767)、Janiakおよびその共同研究者らは近年、この系がノルボルネンに対して良好な重合活性を示すことを報告している(Janiak,C.et al.,V.Macromol.Symp.2006,236,88)。これらの単純なニッケル錯体はノルボルネンの重合に対して非常に良く機能する。グラブス(Grubbs)型などの十分に設計された嵩高の配位子を有するニッケル錯体またはパラジウム錯体、サリチルアルジミネート中性ニッケル触媒系(Younkin,T.R.et al.,Science(Washington,D.C.)2000,287,(5452),460−46)、またはブルックハート型α−ジイミンパラジウム陽イオン性触媒系もノルボルネン/官能化ノルボルネンとエチレンとの共重合に対して活性であると報告されている(Kiesewetter,J.et al.;Polymer 2006,47,3302;Kiesewetter,J.;Kaminsky,W.Chem.Eur.J.2003,9,(8),1750)。
【0029】
対照的に、チタンまたはジルコニウムを主成分とする早期遷移金属触媒は、β−水素化物脱離が起こりにくいことが知られている。しかし、例えばビスシクロペンタジエニルチタンなどを主成分とするチタン錯体が、ノルボルネンの開環メタセシス重合を触媒することも知られている(Tritto,I.et al.,P.Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 1998,133,139;Qian,Y.et al.,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 1998,133,135)。対照的に、活性化されたビスシクロペンタジエニルジルコニウム錯体はノルボルネンの付加重合を排他的に触媒する(例えば、McKnight,A.L.;Waymouth,R.M.Macromolecules 1999,32,2816を参照されたい)。立体反発のため、ビスシクロペンタジエニルジルコニウム種は、ノルボルネンに対して高い触媒活性を示さず、ジルコノセンまたはチタノセンのより開いた形態は、ノルボルネンなどの歪みのある環状オレフィンにより適している。この研究に使用した触媒をチャート1に示している。
【化5】

【0030】
驚くべきことに、試験されノルボルネンに対して活性であった後期遷移金属触媒系で、モノマー1に関して活性を示すものはなかった。VI/MAO、VII/MAO、およびVIII/MAOのみが活性を示した。VIによって触媒された1の重合によるポリマー生成物は、1,2−ジクロロベンゼンに対して可溶性であり、トルエンおよびクロロホルムに対して部分的に可溶性であるため、本発明者らは、NMRによってその構造を調べると、オレフィン系プロトンの信号が見られた。ゲル浸透クロマトグラフィーは、比較的低分子量の三峰性ポリマー分布を示した。
【0031】
3,400当量のMAOで活性化させたジルコニウム錯体VIIを使用してトルエン中でモノマー1を重合させる試験では、低分子量のポリマー生成物(M=3,300)が得られ、64%の中程度の収率であった。モノマー2も同じ条件下で重合させると、収率が74%であった。ポリ−2は、高温でさえもすべての溶媒に対して不溶性であることが分かった。VIおよびVIIを使用して得たポリ−1のH−NMRを図1に示す。触媒VIIを使用して得た材料でオレフィンピークが消えたことがはっきりと分かる。
【0032】
嵩高モノマーは常にエチレンと競合するわけではないが、モノマー1がエチレンと共重合することも発見した。モノマー1とエチレンとの共重合は触媒VIIを使用することで成功した。ポリ(1−コ−E)は室温において可溶性ではなく、そのため本発明者らはホモポリマーおよびコポリマーの高温13C−NMRを行った。2つのスペクトルの差は、ランダムコポリマーの形成を明確に示し、2種類のホモポリマーまたはブロックコポリマーの混合物は示されていない。モノマー混入比を定量13C−NMRに基づいて計算するとエチレン/1=5/1となる。再びGPC分析を行うと、比較的低分子量の材料(M=8,200)であることが示され、−35℃〜380℃の間にTgは検出できなかった。
【0033】
NMR試料中のオレフィンピークの原因を調べることにより、β−水素化物脱離を介してオレフィンが形成されたと結論づけた。対照実験より、ペリ環状開環により得られる1,3−シクロオクタジエンはVIIを使用しても重合せず、ROMPポリマー(グラブスのルテニウム触媒と1とを使用して調製)は非常に異なるNMRスペクトルを示すことが分かった。橋頭オレフィンが形成されるため(ブレット則)、ポリ−1鎖からのβ−水素化物脱離は起こりそうにないが、この場合に橋頭オレフィンのビシクロ[4.2.0]オクタ−8−エンは公知であり、単離可能である(Salomon,R.G.et al.,M.F.J.Am.Chem.Soc.1978,100,(2),520)。末端繰り返し単位における橋頭オレフィン構造を確認しやすくするために、2D−NMR実験を使用した。VIを使用したモノマー1の重合によるポリマー試料のH−13C短距離(1つの結合の相互作用)および長距離(2つの結合の相互作用)2D−NMRスペクトルは、オレフィン系プロトンと対応する炭素との間の相互作用を明らかに示し、それぞれ132ppmおよび44ppmに見られる。これら2つの炭素ピークは、ビシクロ[4.2.0]オクタ−8−エン単位の7位および8位の予測値とよく一致している。
【0034】
アルミニウムへの連鎖移動によって分子量などの多くの要因に影響を与えるMAO、その純度、および濃度は公知である。これに対する多数の解決方法が提案され、そのようなものとしては、トリメチルアルミニウムを含有しない(「乾燥した」)MAO、アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)および住友化学(Sumitomo Chemical)によって製造または報告されている改質MAO、ならびにボランまたは他の添加剤の使用が含まれる(Fujita,M.et al.,Macromol.Chem.Phys.2004,205,884;Ioku,A.et al.,Macromol.Chem.Phys.2002,203,748;Saito,J.et al.,Macromolecular Chemistry and Physics 2002,203,(1),59−65)。
【0035】
可能性のあるこれらすべての解決方法を考慮して、本発明者らは、高分子量ポリ−1の生成を試みるために活性化剤改質実験を行った。すべてのVIIおよび活性化剤の組み合わせでポリマーを生成し、得られたすべての材料は1,2−ジクロロベンゼンに対して室温で不溶性であるため、高温GPCを行った。これらの結果から、MAO量を500当量まで減少させると優れた生産性で高分子量ポリ−1が生成されることが明らかとなった。多分散性が2.0未満であることは1種類の活性種を示している。水およびペンタフルオロフェニルで改質したMAOは、収率の改善がわずかに示されたが、分子量は改善されなかった。「乾燥」MAOも、良好な生産性ではるかに高に分子量のポリ−1が生成された。最後に、上記改質MAOも高い生産性を示した。
【0036】
熱重量分析から、ポリ−1およびポリ−2の両方が、非常に低分子量でさえも400℃付近間で熱安定性であることが分かった。低分子量および高分子量の両方の試料(ポリ−1、ポリ−2試料の分子量は不溶性であるため未知である)の示差走査熱分析から、両方のポリマーは、分子量とは無関係に、80℃付近のほぼ同じガラス転移温度を有することが分かった。本発明者らは本発明のポリマーがポリノルボルネンと類似の熱的挙動を示すと予想していたので、この結果は本発明者らにとって非常に驚くべきものであった。
【0037】
ガラス転移温度は、ポリマーの微細構造、ポリマー主鎖の剛性、側鎖の立体的な嵩高さ、および立体規則性に依存する。ポリノルボルネンの高いガラス転移温度>340℃は、その強く結合した嵩高の繰り返し単位、および比較的規則的な微細構造のために強く充填されたポリマー鎖(小さい自由体積)に起因すると理解される。ポリ−1の低いガラス転移温度は、ポリマーの充填構造があまり密ではない(より大きな自由体積)に一部が起因している可能性がある。
【0038】
ホモポリマー(ポリ−1)の13C−NMRスペクトルを図2に示し、コポリマー(ポリ(1−コ−E))の13C−NMRスペクトルを図3に示している。
【0039】
実験の項
一般手順および特性決定。1,5−シクロオクタジエン、カリウムtert−ブトキシド、アセトフェノン、1,3−シクロヘプタジエン、1,2−ビス(フェニルホスフィノ)−エタン、3−tertブチルサリチルアルデヒド、アニリン、グリオキサール、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,6−ジアセチルピリジン、n−ブチルリチウム、メチルアルミノキサン(MAO)、チイソブチルアルミニウム(tiisobutylaluminum)は、アルドリッチ・ケミカル・インコーポレイテッド(Aldrich Chemical Inc.)より購入し、入手した状態で使用した。ペンタフルオロフェノールは東京化成(Tokyo Kasei Ltd.)より購入した。塩化ニッケル(II)六水和物、(COD)PdCl、塩化鉄(II)四水和物、塩化ジルコニウム(IV)テトラヒドロフラネート(tetrahydrofranate)、ニッケル(II)アセチルアセトナト、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、およびジルコニウムモノシクロペンタジエントリクロリドは、ストレム・ケミカルズ・インコーポレイテッド(Strem Chemicals Inc.)より購入し、ニッケル(II)アセチルアセトナト以外は入手した状態で使用し、ニッケル(II)アセチルアセトナトはベンゼン溶液から再結晶させた。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランおよびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルメチルは、アルバマール・コーポレーション(Albemarle Corp.)より提供された。水は逆浸透フィルターで精製した。
【0040】
トルエン、ヘキサン、ベンゼン、ジクロロメタン、およびジエチルエーテルは、アルドリッチ・ケミカル・インコーポレイテッドより無水グレードとして購入し、エムブラウン(Mbraun)乾燥溶媒システムに通して使用した。他の溶媒は、アルドリッチ・ケミカル・インコーポレイテッドまたはフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)より購入し、必要に応じて標準的な精製を行ったり行わなかったりした。空気/水分に敏感な材料を取り扱う場合、エムブラウン・ユニラブ・ドライボックスシステム(Mbraun Unilab Dry−Box system)または標準的なシュレンク(Schlenk)技術を必要に応じて使用した。
【0041】
H−NMRスペクトルは、記載のようにバリアン・マーキュリー(Varian Mercury)400(400MHz)、バリアン・マーキュリー300(300MHz)分光計、またはブロッカー・アバンス(Broker AVANCE)500(500MHz)を使用して求めた。化学シフトはδ(ppm)で報告し、溶媒の選択した残留プロトンピークまたは内部標準を参照している。顕著なH NMRデータを以下の順序でまとめている。化学シフト、多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br:ブロード)、ヘルツの単位の結合定数、プロトン数。
【0042】
ゲル浸透クロマトグラフィーは、2つのPLゲル混合B(PL gel Mixed B)カラムおよび蒸発光散乱検出器(ELSD)を使用し、トリクロロベンゼン中160℃で実施した。すべての試料は、HPLCグレードの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中2mg/mLの概算濃度で調製した。これらの試料は160℃で振盪してポリマー試料を溶解させた。一晩振盪した後、すべての試料は可溶性であると思われた。すべての試料は2μmステンレス鋼フリットフィルターで濾過した。ポリスチレン標準物質を基準のために使用した。
【0043】
示差走査熱分析および熱重量分析は、TAインストルメント・システムズ(TA instrument systems)モデルDSC 2920およびHi−Res TGA 2950を使用して行った。
【0044】
手順
モノマーの合成:文献の手順(Evaprabhakara,D.et al.,J.Am.Chem.Soc.1963,85,1553)により1,5−シクロオクタジエンから1,3−シクロオクタジエンを調製した。
【0045】
ビシクロ[4.2.0]オクタ−7−エンである1は、文献の手順(Liu,R.S.H.J.Am.Chem.Soc.1967,89,112)により調製した。
【0046】
ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−6−エンである2は、文献の手順(Inoue,Y.et al.,J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1985,1307)により調製した。
【0047】
活性化剤(乾燥MAO)の合成:乾燥MAOは、文献の手順(Shiono,T.et al.,Macromolecules 2001,34,3142により調製した。
【0048】
触媒の合成:[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)は、文献の手順(Busby,Ret al.,J.Chem.Soc.Dalton Trans.1993,3767)により調製した。
【0049】
[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)−アニリナト]−フェニル−トリフェニルホスフィンニッケル(II)は、文献の手順(Matsui,S.et al.,J.Am.Chem.Soc.2001,123,(28),6847−6856;Matsui,S.et al.,J.Am.Chem.Soc.2001,123,(28),6847−6856)を修正したものを使用して合成した。
【0050】
[(ArN=C(H)−C(H)=NAr)]Pd(CH)Clは、文献の手順Johnson,L.K.et al.,J.Am.Chem.Soc.1995,117,(23)、6414−15)により調製した。
【0051】
2,6−ビス−[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)クロリドは、文献の手順(Small,B.L.et al.,J.Am.Chem.Soc.1998,120,(16),4049−4050)により調製した。
【0052】
ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリドは、文献の手順(Matsui,S.et al.,J.Am.Chem.Soc.2001,123,(28),6847−6856)により調製した。
【0053】
重合手順:すべての操作は、標準的なシュレンク技術またはドライボックスを使用して窒素下で行う。
【0054】
実験1:ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)をシュレンクフラスコ中に入れ、トルエン中のMAOの1.7M溶液20mLを室温で加えた。1.0g(9.24mmol)のモノマー1をこの溶液に加えた。室温で24時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.64gのポリ−1を白色粉末として得た(収率64%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=3,300、Mn=1,100
【0055】
実験2:トルエン中のMAOの1.7M溶液3mLをシュレンクフラスコ中に入れ、続いてビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を次に室温で加えた。1.0g(9.24mmol)のモノマー1をこの溶液に加えた。室温で18時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.97gのポリ−1を白色粉末として得た(収率97%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=219,000、Mn=141,000
【0056】
実験3:(Ioku,A.et al.,Macromol.Chem.Phys.2002,203,748):トルエン中のMAOの1.7M溶液3mLをシュレンクフラスコ中に入れ、次に溶媒および揮発性のトリメチルアルミナム(trimethylalminum)を4時間減圧除去した。3mLのトルエンを加えて「乾燥した」MAOを溶解させ、ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を次に室温で加えた。6mLのトルエン中のモノマー1(1.0g、9.24mmol)溶液をこの溶液に加えた。室温で18時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.83gのポリ−1を白色粉末として得た(収率83%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=164,000、Mn=99,000
【0057】
実験4(Fujita,M.et al.,Macromol.Chem.Phys.2004,205,884):トルエン中のMAOの1.7M溶液3mLをシュレンクフラスコ中に入れ、次に18μlの水をMAO溶液に加え、室温で10分間撹拌を続けた。3mLのトルエン中の0.84gのペンタフルオロフェノールを加え、さらに10分間撹拌した。ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を次にこの溶液に加え、続いて3mLのトルエン中のモノマー1(1.0g、9.24mmol)溶液をこの溶液に加えた。室温で20時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.9gのポリ−1を白色粉末として得た(収率90%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=7,400、Mn=2,100
【0058】
実験5:(Saito,J.et al.,Macromol.Chem.Phys.2002,203,(1),59−65):トルエン中のトリイソブチルアルミニウム溶液(1.0M)1mLをシュレンクフラスコ中に入れた。3mLのトルエンをこの溶液に加え、続いてビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を加えた。室温で10分間撹拌した後、2mLのトルエン中の18.5mgのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルメチルを加え、次に3mLのトルエン中のモノマー1(1.0g、9.24mmol)溶液を加えた。室温で20時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.14gのポリ−1を白色粉末として得た(収率14%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=2,400、Mn=700
【0059】
実験6:(Ioku,A.et al.,Macromol.Chem.Phys.2002,203,748):0.42mLのトリオクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.48M)をシュレンクフラスコ中に入れ、ヘキサンを減圧除去した。4mLのトルエンを加えた後、ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリド(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を加えた。3mLのトルエン中の5.12mgのトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを加え、続いて3mLのトルエン中のモノマー1(1.0g、9.24mmol)溶液を加えた。室温で18時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。ごく微量のポリマー材料が得られた。
【0060】
実験7:室温において、トルエン中の1.5.mLのトリイソブチルアルミニウム溶液(1.0M)および27μLの水を、2mLのトルエンを入れたシュレンクフラスコ中で反応させた。このフラスコに、2.1mLのMAOのトルエン溶液(1.7M)を加えた。ビス[N−(3−tert−ブチルサリチリデン)アニリナト]ジルコニウム(IV)ジクロリドのトルエン溶液(1mLの10.0μmol/mLトルエン溶液)を加え、続いて、3.5mLのトルエン中のモノマー1(1.0g、9.24mmol)を加えた。室温で22時間撹拌した後、得られた濁った溶液を酸性メタノール中に注いだ。得られたポリマー生成物を次に洗浄し、濾過し、減圧乾燥した。0.86gのポリ−1を白色粉末として得た(収率86%)。高温(130℃)GPC分析:Mw=245,000、Mn=155,000
【0061】
モノマー1に使用した手順と同じ手順を使用してモノマー2の重合を行った。
【0062】
実施例8〜9
本発明の実施に有用な触媒系は、(CpTi(OBn)/MAO)(「Transition Metal Catalysis in Macromolecular Design」,Boffa,L.S.;Novak,ACS Symposium Series 760,American Chemical Society,2000,Chapter 10中の、Wu,Qing;Lu,Yingying;Lu,Zejian,「Addition Polymerization of Norbornene:Catalysis of Monocyclopentadienyltitanium Compounds Activated with Methylaluminoxane」)であり、これは十分に作用すると思われ、約220℃のTg値を有するNB/CBコポリマーをほぼ定量的な収率で得られる。
【0063】
実施例8
(80/20 NB/CB)
25mLのシュレンクフラスコ中に、0.75gのノルボルネン(NB)(8.0mmol)および0.22gのビシクロ[4.2.0]オクタ−7−エン(CB)(2.0mmol)を2mLのトルエンとともに入れた。次にこのフラスコを60〜65℃の油浴上に置いた。乾燥MAOのトルエン溶液0.6mmol(0.6mLの1.0mmol/mL)およびCpTi(OBn)のトルエン溶液10μmol(0.2mLの50μmol/mL)を次に、このモノマー溶液に加えた。触媒添加直後にこの反応混合物はオレンジ色に変化し、5分後には粘稠になった。60〜65℃で24時間撹拌した後、反応混合物を過剰量の酸性メタノール中に注いだ。減圧濾過および減圧乾燥によって、0.94gの白色ポリマー材料を得た(収率97%)。このポリマーは室温でトルエンに対して可溶性であった。Tg=220℃(DSC、5℃/分、−30〜350℃)。GPC M=35,000 M/M=2.3(ポリスチレンとの比較)。H NMRによってオレフィンピークは検出できなかった。
【0064】
実施例9
(95/5 NB/CB)
25mLのシュレンクフラスコ中に、0.89gのノルボルネン(9.5mmol)および0.05gのビシクロ[4.2.0]オクタ−7−エン(0.5mmol)を2mLのトルエンとともに入れた。次にこのフラスコを60〜65℃の油浴上に置いた。乾燥MAOのトルエン溶液0.6mmol(0.6mLの1.0mmol/mL)およびCpTi(OBn)のトルエン溶液10μmol(0.2mLの50μmol/mL)を次に、このモノマー溶液に加えた。触媒添加直後にこの反応混合物はオレンジ色に変化し、5分未満で非常に粘稠になった。60〜65℃で24時間撹拌した後、反応混合物を過剰量の酸性メタノール中に注いだ。減圧濾過および減圧乾燥によって、0.93gの白色ポリマー材料を得た(収率99%)。このポリマーは室温でトルエンに対して可溶性であったが、約60℃における高温では可溶性であった。DSC(5℃/分、−30〜350℃)を使用してTgは検出できなかった。
【0065】
以上は本発明の説明であり、本発明を限定するものと見なすべきではない。本発明は以下の特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲の同等物もそれに含まれる。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロブテンのモノマー単位を含み、前記シクロブテンが、少なくとも1つの縮合環系で置換され、
10mol%以下の前記シクロブテンの開環単位を含み;
少なくとも1,000の分子量を有し;
場合によりコモノマーと共重合してそれとのコポリマーを形成した、シクロブテンポリマー。
【請求項2】
1,000〜1,000,000または1,000,000以上の分子量を有し、5mol%以下の前記シクロブテンの開環単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
50〜300℃の間のガラス転移温度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー。
【請求項4】
前記コモノマーが、接着性基で置換されている、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー。
【請求項5】
ノルボルネンのモノマー単位とのコポリマーであり、ガラス転移温度が、80〜300℃の間のガラス転移温度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー。
【請求項6】
前記ノルボルネンが、接着性基で置換されている、請求項5に記載のポリマー。
【請求項7】
前記シクロブテンのモノマー単位が、式I
【化1】

を有し、式中、
Rが存在する場合、各Rは独立に選択された官能基であり;
mは、0〜4であり;
nは、1,000〜1,000,000の前記ポリマーの分子量に対応する整数であり;
oは、0〜2m+4の整数である、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー。
【請求項8】
前記官能基のそれぞれが、接着性基で置換されている、請求項7に記載のポリマー。
【請求項9】
架橋性ポリマーである、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー。
【請求項10】
先行する請求項のいずれかに記載のポリマーを含む成形物品。
【請求項11】
フラットパネルディスプレイ、導波路、または絶縁体である、請求項10に記載の成形物品。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーを含む接着剤組成物。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーを含むフォトレジスト組成物。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーを含む低誘電率絶縁材料。
【請求項15】
低誘電率絶縁材料を含み、前記絶縁材料が請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーを含むマイクロエレクトロニクスデバイス。
【請求項16】
遷移金属触媒を使用してシクロブテンモノマーを有機溶媒中またはバルク中で反応させて、請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーを生成するステップを含む、請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
【請求項17】
前記シクロブテンモノマーが、式I
【化2】

のモノマーであり、式中、
Rが存在する場合、各Rは独立に選択された官能基であり;
mは0〜4であり;
oは0〜2m+4の整数である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記反応が、20〜1000当量のメチルアルミノキサン(MAO)活性化剤の存在下で行われる、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記溶媒が、トルエンであり、前記触媒が式VIII
【化3】

の化合物である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒が、トルエンであり、前記ジルコニウム錯体触媒が、式VII
【化4】

の化合物である、請求項16または17に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−501663(P2010−501663A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525562(P2009−525562)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/018036
【国際公開番号】WO2008/024241
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508290987)ノース・キャロライナ・ステイト・ユニヴァーシティ (7)
【Fターム(参考)】