説明

シクロプロペンを有する組成物

【課題】シクロプロペンを有する組成物を提供する。
【解決手段】1以上のシクロプロペンを含有し:(AA)シクロプロペンでない1以上の植物成長調節剤、または(BB)1以上の界面活性剤、1以上のアルコール、1以上の油、およびその混合物からなる群から選択される1以上のアジュバント、または(CC)前記(AA)および前記(BB)の1以上の混合物の1以上:を含有する組成物が提供される。かかる組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシクロプロペンを有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
植物または植物の部分をシクロプロペンと接触させることが望ましいことが多い。米国特許出願第11/131,614号は、1以上のある特定のシクロプロペン化合物、封入剤、およびアジュバントを含有する組成物を植物または植物の部分に適用することを開示している。比較的小さな組のシクロプロペン化合物に限定される方法は、その組に含まれないシクロプロペン化合物を使用できないが、例えば、最適のシクロプロペン化合物のコストまたは他の処方成分との適合性または特定の植物に対するその影響またはその任意の組み合わせに基づいて、特定の用途に最適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第11/131,614号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物または植物の部分を処置するのに有用であり、1以上の広範囲に及ぶシクロプロペン化合物を含有する組成物を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明において、
(I)式:
【化1】

の1以上のシクロプロペン
【0006】
〔式中:
a)各R、R、RおよびRは、Hおよび式:
−(L)−Z
の化学基からなる群から独立して選択され、
式中:
i)nは0〜12の整数である;
ii)各Lは独立して、D1、D2、E、およびJからなる群から選択され、ここにおいて:
D1は式:
【0007】
【化2】

【0008】
のものであり;
D2は式:
【0009】
【化3】

【0010】
のものであり;
Eは式:
【0011】
【化4】

【0012】
のものであり;
Jは式:
【0013】
【化5】

【0014】
のものである;
式中:
A)各XおよびYは独立して、式:
−(L)−Z
の化学基であり;
B)mは0〜8の整数であり;および
C)2つより多いD2またはE基は互いに隣接せず、かつJ基は互いに隣接しない;
iii)各Zは独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、イオデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、および化学基G(ここにおいて、Gは3〜14員環系である)からなる群から選択される;および
iv)−(L)−Zにおけるヘテロ原子の合計数は0〜6である;並びに
b)前記化合物における非水素原子の合計数は50以下である〕;並びに
(II)(AA)シクロプロペンでない1以上の植物成長調節剤;または
(BB)1以上の界面活性剤、1以上のアルコール、1以上の油、およびその混合物からなる群から選択される1以上のアジュバント;または
(CC)前記(AA)および前記(BB)の1以上の混合物;
の1以上:
を含む組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において用いられる場合、他に特に特定しない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセントであり、すべての部は重量部であり、両端を含み、組み合わせ可能である。すべての比は重量比であり、全ての比の範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。すべてのモル範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。
【0016】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」なる用語は、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−エチルプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル、ペンチル、オクチル、およびデシルをはじめとする、直鎖、分岐鎖、または環状(C−C20)基を意味する。「アルケニル」および「アルキニル」なる用語は、例えば、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、および2−プロピニルなどの(C−C20)アルケニルおよび(C−C20)アルキニル基を意味する。「シクロアルキルアルキル」なる用語は、たとえば、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、およびシクロペンチルエチルなどの、(C−C)シクロアルキル基で置換された(C−C15)アルキル基を意味する。「ハロアルキル」なる用語は、水素原子の1以上がハロゲン原子により置換されたアルキル基を意味する。「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素の1以上を意味する。
【0017】
本発明の実施は、1以上のシクロプロペンの使用を含む。本明細書において用いられる場合、「シクロプロペン」は、式:
【0018】
【化6】

【0019】
を有する任意の化合物を意味する。本発明における使用に好適なシクロプロペンは、本明細書において前記の特性a)およびb)を有するものである。
【0020】
本発明の目的に関して、様々なL基の構造表示において、各開放結合は、もう一つ別のL基、Z基、またはシクロプロペン部分との結合を示す。例えば、構造表示:
【化7】

は、2つの他の原子との結合を有する酸素原子を示し;ジメチルエーテル部分を表すのではない。
【0021】
、R、R、およびRの少なくとも1つが水素でなく、かつ1より多いL基を有する具体例において、特定のR、R、R、およびR基内のL基は、同じR、R、R、およびR基内の他のL基と同じであってもよいし、あるいは特定のR、R、R、およびR基内の任意の数のL基は、同じR、R、R、およびR基内の他のL基と異なっていてもよい。
【0022】
、R、R、およびRの少なくとも1つが1より多いZ基を含有する具体例において、R、R、R、およびR基内のZ基は、R、R、R、およびR基内の他のZ基と同じであってもよいし、あるいはR、R、R、およびR基内の任意の数のZ基はR、R、R、およびR基内の他のZ基と異なっていてもよい。
【0023】
、R、R、およびR基は、独立して、好適な基から選択される。R、R、R、およびR基は、互いに同じであってもよいし、あるいは任意の数のそれらは互いに異なっていてもよい。R、R、R、およびRの1以上としての使用に好適である基には、例えば、脂肪族基、脂肪族オキシ基、アルキルホスホナト基、脂環式基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、ヘテロサイクリック基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、他の基、ならびにその混合物および組み合わせがある。R、R、R、およびRの1以上としての使用に好適な基は、置換または非置換であってよい。独立して、R、R、R、およびRの1以上としての使用に好適な基は、シクロプロペン環と直接結合していてもよいし、あるいは介在基、例えば、ヘテロ原子含有基を介してシクロプロペン環と結合することもできる。
【0024】
好適なR、R、R、およびR基には、例えば、脂肪族基がある。好適な脂肪族基は、例えば、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基を包含する。好適な脂肪族基は、置換または非置換基であってよい。ある好適な置換脂肪族基としては、例えば、アセチルアミノアルケニル、アセチルアミノアルキル、アセチルアミノアルキニル、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキニル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキル(アルコキシイミノ)アルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキニル、ハロアルコキシアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキニル、ハロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキニル、トリアルキルシリルアルケニル、トリアルキルシリルアルキル、トリアルキルシリルアルキニル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルチオアルケニル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルキニル、ハロアルキルチオアルケニル、ハロアルキルチオアルキル、およびハロアルキルチオアルキニルが挙げられる。
【0025】
好適なR、R、R、およびR基には、例えば、置換および非置換脂肪族オキシ基、例えば、アルケノキシ、アルコキシ、アルキノキシ、およびアルコキシカルボニルオキシがある。
【0026】
好適なR、R、R、およびR基にはさらに、例えば、置換および非置換アルキルホスホナト、置換および非置換アルキルホスファト、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換アルキルスルホニル、置換および非置換アルキルカルボニル、ならびに置換および非置換アルキルアミノスルホニル、例えば、アルキルホスホナト、ジアルキルホスファト、ジアルキルチオホスファト、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、およびジアルキルアミノスルホニルがある。
【0027】
、R、R、またはRとして好適な脂肪族基には、例えば、シクロアルケニル、シクロアルキル、およびシクロアルキニルをはじめとする脂環式基がある。好適な脂環式基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。好適な置換脂環式基には、例えば、アセチルアミノシクロアルケニル、アセチルアミノシクロアルキル、アセチルアミノシクロアルキニル、シクロアルケノキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキノキシ、アルコキシアルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルケニル、アルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキニル、アルコキシカルボニルシクロアルケニル、アルコキシカルボニルシクロアルキル、アルコキシカルボニルシクロアルキニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルケニル、カルボキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルキニル、ハロシクロアルコキシシクロアルケニル、ハロシクロアルコキシシクロアルキル、ハロシクロアルコキシシクロアルキニル、ハロシクロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキニル、ヒドロキシシクロアルケニル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキニル、トリアルキルシリルシクロアルケニル、トリアルキルシリルシクロアルキル、トリアルキルシリルシクロアルキニル、ジアルキルアミノシクロアルキル、アルキルスルホニルシクロアルキル、シクロアルキルカルボニルオキシアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、アルキルチオシクロアルケニル、アルキルチオシクロアルキル、アルキルチオシクロアルキニル、ハロアルキルチオシクロアルケニル、ハロアルキルチオシクロアルキル、およびハロアルキルチオシクロアルキニルがある。
【0028】
また、好適なR、R、R、およびR基には、たとえば、置換および非置換シクロアルキルスルホニル基およびシクロアルキルアミノ基、例えば、ジシクロアルキルアミノスルホニルおよびジシクロアルキルアミノがある。
【0029】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、置換および非置換ヘテロサイクリル基(すなわち、少なくとも1個のヘテロ原子を環中に有する非芳香族環状基)がある。好適な置換ヘテロサイクリル基には、例えば、アルケニルヘテロサイクリル、アルキルヘテロサイクリル、アルキニルヘテロサイクリル、アセチルアミノヘテロサイクリル、アルコキシアルコキシヘテロサイクリル、アルコキシヘテロサイクリル、アルコキシカルボニルヘテロサイクリル、アルキルカルボニルオキシヘテロサイクリル、カルボキシヘテロサイクリル、ハロアルコキシヘテロサイクリル、ハロヘテロサイクリル、ヒドロキシヘテロサイクリル、トリアルキルシリルヘテロサイクリル、ジアルキルアミノヘテロサイクリル、アルキルスルホニルヘテロサイクリル、アルキルチオヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルチオアルキル、およびハロアルキルチオヘテロサイクリルがある。
【0030】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、またはスルホニル基により二重結合付加シクロプロペン化合物に結合した置換および非置換ヘテロサイクリル基があり;かかるR、R、R、およびR基の例は、ヘテロサイクリルオキシ、ヘテロサイクリルカルボニル、ジヘテロサイクリルアミノ、およびジヘテロサイクリルアミノスルホニルである。
【0031】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、置換および非置換アリール基がある。好適な置換アリール基は、例えば、アルケニルアリール、アルキルアリール、アルキニルアリール、アセチルアミノアリール、アリールオキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシカルボニルアリール、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシアリール、カルボキシアリール、ジアリールアミノ、ハロアルコキシアリール、ハロアリール、ヒドロキシアリール、トリアルキルシリルアリール、ジアルキルアミノアリール、アルキルスルホニルアリール、アリールスルホニルアルキル、アルキルチオアリール、アリールチオアルキル、ジアリールアミノスルホニル、およびハロアルキルチオアリールがある。
【0032】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、置換および非置換ヘテロアリール基がある。好適な置換ヘテロアリール基は、例えば、アルケニルヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール、アセチルアミノヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルコキシアルコキシヘテロアリール、アルコキシヘテロアリール、アルコキシカルボニルヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、ジヘテロアリールアミノ、ハロアルコキシヘテロアリール、ハロヘテロアリール、ヒドロキシヘテロアリール、トリアルキルシリルヘテロアリール、ジアルキルアミノヘテロアリール、アルキルスルホニルヘテロアリール、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルチオヘテロアリール、およびハロアルキルチオヘテロアリールである。
【0033】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基、またはアミノスルホニル基により二重結合付加シクロプロペン化合物と結合した置換および非置換ヘテロアリール基があり;例えば、このようなR、R、R、およびR基の例は、ジヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、およびジヘテロアリールアミノスルホニルである。
【0034】
また、好適なR、R、R、およびR基には、例えば、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、イオデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ;アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、パークロラト、アレニル;ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル;およびその置換類似体がある。
【0035】
本明細書において用いられる場合、化学基Gは、3〜14員環系である。化学基Gとして好適な環系は、置換または非置換であってよく;芳香族(例えば、フェニルおよびナフチルを包含する)または脂肪族(不飽和脂肪族、部分的不飽和脂肪族、または飽和脂肪族を包含する)であってよく;炭素環式または複素環式であってよい。複素環式G基において、好適なヘテロ原子は、例えば、窒素、硫黄、酸素、およびその組み合わせである。化学基Gとして好適な環系は、単環式、二環式、三環式、多環式、または縮合環であってよく;二環式、三環式、または縮合環である好適な化学基G環系において、一つの化学基Gにおける様々な環は全て同じ種類であってもよいし、あるいは2種類以上であってもよい(例えば、芳香族環が脂肪族環と縮合していてもよい)。
【0036】
いくつかの具体例において、Gは、飽和または不飽和3員環を含有する環系、例えば、置換または非置換シクロプロパン、シクロプロペン、エポキシド、またはアジリジン環である。
【0037】
いくつかの具体例において、Gは4員複素環を含有する環系であり;このような具体例のいくつかにおいて、複素環は正確に1個のヘテロ原子を含有する。独立して、いくつかの具体例において、Gは5以上の員数を有する複素環を含有する環系であり;このような具体例のいくつかにおいて、複素環は、1〜4個のヘテロ原子を含有する。独立して、いくつかの具体例において、Gにおける環は非置換であり;他の具体例において、環系は1〜5個の置換基を含有し;Gが置換基を含有するいくつかの具体例において、各置換基は、独立して、前記定義のXの種類の化学基から選択される。Gが炭素環式環系である具体例も好適である。
【0038】
好適なG基には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペント−3−エン−1−イル、3−メトキシシクロヘキサン−1−イル、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3−ニトロフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、2−メチル−3−メトキシフェニル、2,4−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、2−クロロナフチル、2,4−ジメトキシフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ヨード−4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジニル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジニル、トリアゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インドリニルおよび5−メチル−6−クロマニル、アダマンチル、ノルボルニル、およびその置換類似体、例えば:3−ブチル−ピリジン−2−イル、4−ブロモ−ピリジン−2−イル、5−カルボエトキシ−ピリジン−2−イル、および6−メトキシエトキシ−ピリジン−2−イルがある。
【0039】
いくつかの具体例において、各Gは、独立して、置換または非置換フェニル、ピリジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、トリアゾリル、ピラゾリル、1,3−ジオキソラニル、またはモルホリニルである。これらの具体例には、例えば、Gが非置換または置換フェニル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロヘキシルである具体例が含まれる。これらの具体例のいくつかにおいて、Gはシクロペンチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、フェニル、または置換フェニルである。Gが置換フェニルである具体例には、例えば、1、2、または3個の置換基がある具体例がある。独立して、Gが置換フェニルである具体例には、例えば、置換基が独立して、メチル、メトキシ、およびハロから選択される具体例がある。
【0040】
いくつかの具体例において、R、R、R、およびRの1以上が水素である1以上のシクロプロペンが用いられる。いくつかの具体例において、RもしくはR、またはRとRとの両方が水素である。独立して、いくつかの具体例において、RもしくはR、またはRとRとの両方が水素である。独立して、いくつかの具体例において、R、R、およびRは水素である。
【0041】
いくつかの具体例において、本発明の組成物は、式:
【0042】
【化8】

【0043】
(式中、Rは水素、または置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり;置換基は、存在する場合には、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換フェノキシである)のシクロプロペンを含有しない。
【0044】
いくつかの具体例において、R、R、R、またはRの少なくとも1つは二重結合を有さない基である。独立して、いくつかの具体例において、R、R、R、またはRの少なくとも1つは三重結合を有さない基である。独立して、いくつかの具体例において、R、R、R、またはRの少なくとも1つはハロゲン原子置換基を有さない基である。独立して、いくつかの具体例において、R、R、R、またはRの少なくとも1つは、イオン性である置換基を有さない基である。独立して、いくつかの具体例において、R、R、R、またはRの少なくとも1つは酸素化合物を生成することができない基である。
【0045】
本発明に適用可能なシクロプロペンは、任意の方法により調製することができる。シクロプロペンのいくつかの適当な調製法は、米国特許第5,518,988号および第6,017,849号に開示されている方法である。
【0046】
本発明の組成物中のシクロプロペンの量は、組成物の種類および意図される使用法に応じて、広範囲に変化し得る。いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は、組成物の合計重量基準で、99重量%以下;または4重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.05重量%以下である。独立して、いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は、組成物の合計重量基準で、0.000001重量%以上;または0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.001重量%以上である。
【0047】
水を含む本発明の組成物において、シクロプロペンの量は、百万あたりの部(すなわち、水1,000,000重量部あたりのシクロプロペンの重量部、「ppm」)または10億あたりの部(すなわち、水1,000,000,000重量部あたりのシクロプロペンの重量部、「ppb」)により特定できる。いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は1ppb以上;または10ppb以上;または100ppb以上である。独立して、いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は10,000ppm以下;または1,000ppm以下である。
【0048】
いくつかの具体例において、本発明の実施は、1以上の金属錯化剤の使用を含む。金属錯化剤は、金属原子と配位結合を形成できる1以上の原子を含有する化合物である。ある金属錯化剤はキレート化剤である。本明細書において用いられる場合、「キレート化剤」は、金属原子と配位結合を形成できる2以上の原子を含有する化合物であり、キレート化剤の1つの分子は、1つの金属原子と2以上の配位結合を形成することができる。好適なキレート化剤は、たとえば、有機および無機キレート化剤を包含する。好適な無機キレート化剤には、たとえば、リン酸塩、たとえば、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、およびヘキサメタリン酸がある。好適な有機キレート化剤には、大環状構造および非大環状構造を有するものがある。好適な大環状有機キレート化剤には、たとえば、ポルフィン化合物、環状ポリエーテル(クラウンエーテルともいう)、ならびに窒素および酸素原子の両方を有する大環状化合物がある。
【0049】
非大環状構造を有するある好適な有機キレート化剤は、たとえば、アミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基、フェノール、アミノフェノール、オキシム、シッフ塩基、硫黄化合物、およびその混合物である。いくつかの具体例において、キレート化剤は、1以上のアミノカルボン酸、1以上のヒドロキシカルボン酸、1以上のオキシム、またはその混合物を含む。ある好適なアミノカルボン酸としては、たとえば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびその混合物が挙げられる。ある好適なヒドロキシカルボン酸としては、たとえば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、およびその混合物が挙げられる。ある好適なオキシムとしては、たとえば、ジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、およびその混合物が挙げられる。いくつかの具体例において、EDTAが使用される。
【0050】
さらなる好適なキレート化剤は、ポリマーである。好適なポリマーキレート化剤としては、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリメタクリロイルアセトン、ポリ(アクリル酸)、およびポリ(メタクリル酸)が挙げられる。ポリ(アクリル酸)がいくつかの具体例において用いられる。
【0051】
キレート化剤でない、好適な金属錯化剤は、たとえば、アルカリ炭酸塩、たとえば、炭酸ナトリウムである。
【0052】
金属錯化剤は、中性形態または1以上の塩の形態において存在することができる。好適な金属錯化剤の混合物も好適である。
【0053】
金属錯化剤が使用されない本発明の具体例も企図される。
【0054】
本発明のいくつかの具体例は、水を含有しない。
【0055】
いくつかの具体例において、本発明の組成物は水を含有し;かかる具体例のいくつかにおいては、水は1以上の金属イオン、たとえば、鉄イオン、銅イオン、他の金属イオン、またはその混合物を含有する。いくつかの具体例において、水は0.1ppm以上の1以上の金属イオンを含有する。
【0056】
1以上の金属錯化剤を使用する具体例においては、本発明において使用される金属錯化剤の量も広範囲にわたって変化し得る。いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、これらの具体例において存在するかまたは存在することが予想される量の金属イオンと錯体形成するために十分になるように調節される。例えば、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、比較的有効なキレート化剤(すなわち、水中のすべてまたはほぼすべての金属イオンと錯体を形成するキレート化剤)が使用されるならば、キレート化剤のモルの金属イオンのモルに対する比は、0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.8以上である。比較的有効なキレート化剤を使用するこのような具体例においては、キレート化剤のモルの金属イオンのモルに対する比は、2以下;または1.5以下;または1.1以下である。
【0057】
独立して、いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、組成物の合計重量基準で、25重量%以下;または10重量%以下;または1重量%以下である。独立して、いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、組成物の合計重量基準で、0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.01重量%以上である。
【0058】
独立して、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、水中の金属錯化剤のモル濃度により有用に決定されうる。いくつかの具体例において、金属錯化剤の濃度は、0.00001mM(すなわち、ミリモル濃度)以上;または0.0001mM以上;または0.001mM以上;または0.01mM以上;または0.1mM以上である。独立して、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、金属錯化剤の濃度は、100mM以下;または10mM以下;または1mM以下である。
【0059】
いくつかの具体例において、本発明の1以上の組成物は、少なくとも1つのイオン性錯化剤を含む。イオン性錯化剤は、シクロプロペンと相互作用して、水中で安定な錯体を形成する。好適なイオン性錯化剤は、例えば、リチウムイオンを含む。いくつかの具体例において、イオン性錯化剤は使用されない。
【0060】
いくつかの具体例において、本発明の組成物は、少なくとも1種の分子封入剤を含む。有用な分子封入剤は、たとえば、有機および無機分子封入剤を包含する。好適な有機分子封入剤としては、たとえば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが挙げられる。好適な無機分子封入剤としては、たとえば、ゼオライトが挙げられる。好適な分子封入剤の混合物も好適である。本発明のいくつかの具体例において、封入剤はアルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、またはその混合物である。好ましい封入剤はR基のサイズに応じて変化するであろう。しかしながら、当業者には理解されるように、任意のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン、またはその混合物も本発明にしたがって利用できる。シクロデキストリンはWacker Biochem Inc.,Adrian,MIまたはCerestar USA,Hammond,IN、ならびに他の業者から入手可能である。
【0061】
分子封入剤が本発明の組成物において用いられる場合、分子封入剤の一部または全部は、1以上のシクロプロペンを封入すると考えられる。分子封入剤の分子中に封入されたシクロプロペンまたは置換シクロプロペン分子は、本発明においては「シクロプロペン分子封入剤複合体」と呼ばれる。シクロプロペン分子封入剤複合体は、任意の手段により調製することができる。一調製法において、たとえば、かかる複合体は、シクロプロペンを分子封入剤の溶液またはスラリーと接触させ、次いで再度、米国特許第6,017,849号に開示されている一般法を用いて複合体を単離することにより調製される。一方法において、シクロプロペンは気体であり、シクロプロペンガスをシクロデキストリンの水中溶液に吹き込み、これから複合体がまず沈殿し、次いで濾過により単離される。
【0062】
分子封入剤を使用するいくつかの具体例において、分子封入剤の量は、分子封入剤のモルのシクロプロペンのモルに対する比により有用に特定できる。いくつかの具体例において、分子封入剤のモルのシクロプロペンのモルに対する比は、0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.9以上である。独立して、いくつかの具体例において、分子封入剤のモルのシクロプロペンのモルに対する比は2以下;または1.5以下である。
【0063】
いくつかの具体例において、分子封入剤は使用されない。
【0064】
本発明のいくつかの具体例において、1以上の界面活性剤が使用される。好適な界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびその組み合わせが挙げられる。
【0065】
好適なアニオン性界面活性剤の一群は、たとえば、モノ−およびジアルキルスルホコハク酸のアルカリ塩を包含するスルホコハク酸塩である。いくつかの具体例において、例えば、4個以上の炭素、または6個以上の炭素を有するアルキル基を有するものなどを包含するジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩が使用される。いくつかの具体例において、例えば、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩が使用される。
【0066】
好適なアニオン性界面活性剤のもう一つ別の群は、例えば、アルキル硫酸のアルカリ塩をはじめとする硫酸塩およびスルホン酸塩である。いくつかの具体例において、例えば、4個以上の炭素、または6個以上の炭素、または8個以上の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするアルキル硫酸のナトリウム塩が使用される。いくつかの具体例において、例えば、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするアルキル硫酸のナトリウム塩が使用される。
【0067】
いくつかの好適な界面活性剤は、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルフェノールエトキシレート(例えば、Dowから得られるTriton(商標)X−100)、セチルピリジニウムブロミド、およびシリコーン系界面活性剤(例えば、Osi Specialtiesから得られるSilwet(商標)L−77界面活性剤)である。
【0068】
好適な界面活性剤の混合物も好適である。
【0069】
好適な界面活性剤は様々な性質を有する。例えば、シクロプロペンをある植物または植物の部分と接触した状態にするのに優れているものもあれば;処方の他の成分中に容易に溶解するものもあれば;植物または植物の部分において植物毒性を引き起こさないものもある。どの性質においても優れた界面活性剤は非常に少ないが、例えば、処置されることが望まれる種および組成物において使用されることが望まれる他の成分を考慮して、所望の使用に最も適切な性質のバランスを有する界面活性剤または界面活性剤の混合物を実施者は容易に選択することができる。
【0070】
界面活性剤を使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、0.025重量%以上;または0.05重量%以上;または0.1重量%以上の量で界面活性剤を使用する。独立して、界面活性剤を使用する具体例のうち、ある具体例は、組成物の合計重量基準で、75重量%以下;または50重量%以下;または20重量%以下;または5重量%以下;または2重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.3重量%以下の量で界面活性剤を使用する。
【0071】
いくつかの具体例において、界面活性剤は本発明の組成物中に存在しない。
【0072】
本発明のいくつかの具体例において、1以上の油が使用される。本明細書において用いられる場合、「油」とは、25℃、1気圧で液体であり、かつ1気圧で30℃以上の沸点を有する化合物である。本明細書において用いられる場合、「油」は水を含まず、界面活性剤(以下に記載)を含まず、アルコール(以下に記載)を含まない。
【0073】
油を使用するいくつかの具体例において、50℃以上;または75℃以上;または100℃以上の沸点を有する1以上の油を使用することができる。独立して、油を使用するいくつかの具体例において、100以上;または200以上;または500以上の平均分子量を有する1以上の油を使用することができる。
【0074】
油は炭化水素油(すなわち、その分子が炭素および水素の原子のみを含有する油)または非炭化水素油(すなわち、その分子が、炭素でも水素でもない少なくとも1個の原子を含有する油)のいずれかである。
【0075】
ある炭化水素油は、6個以上の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状アルカン化合物である。他の好適な炭化水素油は、1以上の炭素−炭素二重結合、1以上の炭素−炭素三重結合、または1以上の芳香族環を、おそらくは互いの組み合わせおよび/または1以上のアルカン基との組み合わせにおいて有する。ある炭化水素油は、石油蒸留から得られ、化合物の混合物を、場合によっては不純物とともに含有する。石油蒸留から得られる炭化水素油は、比較的広範囲に及ぶ組成の混合物を含有するか、または比較的純粋な組成物を含有することができる。いくつかの具体例において、6個以上の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。いくつかの具体例において、18個以下の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。ある好適な炭化水素油は、例えば、ヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ディーゼル油、精製パラフィン油(例えば、Sun Companyから得られるUltrafine(商標)スプレーオイル)、およびその混合物を含む。
【0076】
非炭化水素油を使用する具体例において、好適な非炭化水素油は、例えば、脂肪族非炭化水素油である。「脂肪族」とは、本明細書においては、1以上の脂肪酸残基を含有する任意の化合物を意味する。脂肪酸は、少なくとも4個の炭素原子の鎖長を有する長鎖カルボン酸である。典型的な脂肪酸は、4〜18個の炭素原子の鎖長を有するが、さらに長い鎖を有するものもある。直鎖、分岐鎖、または環状脂肪族基をこの長鎖に付加することができる。脂肪酸残基は、飽和であっても不飽和であってもよく、これらは、例えばアルキル基、エポキシド基、ハロゲン、スルホネート基、またはヒドロキシル基を包含する官能基を含有することができ、これらは天然に存在するかまたは付加されたもののいずれかである。いくつかの好適な脂肪族非炭化水素油は、例えば、脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂肪酸のアミド;その二量体、三量体、オリゴマー、またはポリマー;およびその組み合わせである。
【0077】
いくつかの好適な脂肪族非炭化水素油は、例えば、脂肪酸のエステルである。このようなエステルは、例えば、脂肪酸のグリセリドを含む。グリセリドは脂肪酸のグリセロールとのエステルであり、これらは、モノ−、ジ−、またはトリグリセリドである。様々なトリグリセリドが天然において見いだされる。天然に存在するトリグリセリドのほとんどは、いくつかの異なる長さおよび/または組成の脂肪酸の残基を含有する。いくつかの好適なトリグリセリドは、動物源、例えば、乳製品、動物油脂、および魚において見いだされる。好適なトリグリセリドのさらなる例は、植物において見いだされる油、例えば、例えば、ココナツ油、ヤシ油、綿実油、オリーブ油、タル油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、キャノーラ油、柑橘類種子油、ココア油、オート麦油、パーム油、パーム核油、米ぬか油、クフェア油、または菜種油などである。
【0078】
好適なトリグリセリドには、これらが見いだされる所とは関係なく、例えば、14個以上の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪酸残基を含有するものがある。いくつかの好適なトリグリセリドは、残基の重量基準で、50重量%以上の、14個以上、または16個以上、または18個以上の炭素原子を有する脂肪酸残基を含有する脂肪酸残基を有する。好適なトリグリセリドの一例は、大豆油である。
【0079】
好適な脂肪族非炭化水素油は、合成または天然または天然油の修飾あるいはその組み合わせまたは混合物であってよい。好適な天然油の修飾には、例えば、アルキル化、水素化、ヒドロキシル化、アルキルヒドロキシル化、アルコール分解、加水分解、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化、酸化、重合、およびその組み合わせがある。いくつかの具体例において、アルキル化(例えば、メチル化およびエチル化を包含する)油が使用される。好適な修飾された天然油の1つは、メチル化大豆油である。
【0080】
好適な脂肪族非炭化水素油には、脂肪酸の自己乳化性エステルもある。
【0081】
好適な非炭化水素油のもう一つ別の群は、シリコーン油である。シリコーン油は、部分的または完全に−Si−O−結合から構成される主鎖を有するオリゴマーまたはポリマーである。シリコーン油は、例えば、ポリジメチルシロキサン油を包含する。ポリジメチルシロキサン油は:
【0082】
【化9】

【0083】
の形態の単位を含有するオリゴマーまたはポリマーであり、少なくとも1つの単位は、X1=CHを有する。他の単位において、X1は、例えば、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルキルポリアルコキシル、その置換体、またはその組み合わせを包含する、Siと結合できる任意の他の基でありうる。置換基は、例えば、ヒドロキシル、アルコキシル、ポリエトキシル、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、他の置換基、またはその任意の組み合わせを包含することができる。いくつかの好適なポリジメチルシロキサン油において、全てのX1基はメチルである。いくつかの好適なポリジメチルシロキサンにおいて、少なくとも1つの単位はメチルでないX1基を有し;1より多くの非メチルX1単位が存在するならば、非メチルX1単位は互いに同一であってもよいし、あるいは2以上の異なる非メチルX1単位が存在してもよい。ポリジメチルシロキサン油は、例えば、水素、メチル、他のアルキル、またはその任意の組み合わせを包含する広範囲におよぶ化学基の任意のものでエンドキャップされていてもよい。環状ポリジメチルシロキサン油も企図される。
【0084】
好適な油の混合物も好適である。
【0085】
油を使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の全重量基準で、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量で油を使用する。独立して、油を使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量で油を使用する。
【0086】
いくつかの具体例において、本発明の組成物中に油は存在しない。
【0087】
本発明のいくつかの具体例は、1以上のアルコールの使用を含む。好適なアルコールは、例えば、アルキルアルコールおよび他のアルコールを包含する。本明細書において用いられる場合、アルキルアルコールは、1個のヒドロキシル基を有するアルキル化合物であり;アルキル基は、直鎖、分岐鎖、環状、またはその組み合わせであってよく;アルコールは、第一、第二、または第三であってよい。本発明において、2個以上の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。いくつかの具体例において、エタノール、イソプロパノール、またはその混合物が使用される。いくつかの具体例において、20個以下の炭素原子;または10個以下の炭素原子;または6個以下の炭素原子;または3個以下の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。
【0088】
アルコールを使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量でアルコールを使用する。アルコールを使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量でアルコールを使用する。
【0089】
いくつかの具体例において、本発明の組成物中にアルコールは存在しない。
【0090】
前記アジュバントは、単独または任意の組み合わせにおいて用いることができる。例えば、次の組成物:1以上の界面活性剤を含有するが、炭化水素油およびアルコールを含有しない組成物;1以上の炭化水素油を含有するが、界面活性剤およびアルコールを含有しない組成物;および1以上のアルコールを含有するが、界面活性剤および炭化水素油を含有しない組成物:の使用を包含する様々な具体例が企図される。いくつかの具体例において、1以上の界面活性剤および1以上の炭化水素油を含有する組成物が使用される;または1以上の界面活性剤および1以上のアルコールを含有する組成物が使用される。いくつかの具体例において、1以上の界面活性剤、1以上の炭化水素油、および1以上のアルコールを含有する組成物が使用される。
【0091】
界面活性剤、アルコール、および炭化水素油に加えて、1以上の任意のアジュバントを組成物中に含むのが望ましい場合がある。このような追加のアジュバントは、例えば、増量剤、顔料、充填剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、粘着剤、接着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤、および乳化剤を包含する。当該分野において通常使用されるこのようなアジュバントのいくつかは、John W.McCutcheon,Inc.の刊行物Detergents and Emulsifiers,Annual,Allured Publishing Company,Ridgewood,New Jersey,U.S.A.において見いだすことができる。いくつかの態様においては、このような追加のアジュバントは本発明の組成物中に存在していない。
【0092】
植物および植物の部分は、様々な生物学的プロセス、例えば、成長、熟成、老化、成熟、落果、および分解を受ける。植物または植物の部分を1以上の化学組成物と接触させることにより、植物または植物部分における生物学的プロセスを変更することは、植物成長調節として公知である。植物成長調節を引き起こす化学組成物は、本明細書において、「植物成長調節剤」と呼ばれる。植物成長調節剤は、それを促進するか(例えば、プロセスを加速または増大させる);それを阻害するか(例えば、プロセスを遅延させるか、または低下させる);それを開始するか;またはその組み合わせのいずれかによりプロセスを変更することができる。1以上の植物成長調節剤により引き起こされる植物または植物の部分における生物学的プロセスの変更は、本明細書において「植物応答」と称する。
【0093】
本発明のいくつかの具体例は、シクロプロペンでない少なくとも1種の植物成長調節剤(少なくとも1種の非シクロプロペン植物成長調節剤)の使用を含む。植物成長調節剤として有効であり、シクロプロペンでない任意の化合物が好適である。シクロプロペンでない好適な植物成長調節剤の種類の数例は次の通りである:
(PGR−I)エチレン、非シクロプロペンエチレン放出剤、および高エチレン活性を有する非シクロプロペン化合物。好適なエチレン放出剤としては、例えば、2−クロロエチルホスホン酸(エテホン)、アブシジン酸、プロピレン、塩化ビニル、一酸化炭素、アセチレン、1−ブテン、および高エチレン活性を有する化合物の前駆化合物である非シクロプロペン化合物が挙げられる。
(PGR−II)エチレン合成またはエチレンレセプター部位作用または両方を阻害する非シクロプロペン化合物。好適な例は、活性金属イオン(例えば、銀イオンまたは他の金属イオン)およびエチレン合成を阻害するレアアミノ酸、例えば、アミノエトキシビニルグリシンおよびアミノオキシ酢酸をはじめとする非シクロプロペン化合物を包含する。
(PGR−III)サイトカイニン活性を有する非シクロプロペン化合物。好適な例は、ベンジルアデニン、キネチン、ゼアチン、アデニン、ジヒドロゼアチン、テトラヒドロピラニルベンジルアデニン、ジメチルアリルアデニン、メチルチオゼアチン、エトキシエチルアデニン、ベンジルアミノベンズイミダゾール、クロロフェニルフェニル尿素、ベンズチオゾリオキシ酢酸、およびサイトカイニン反応を惹起するフルオロフェニルビウレット化合物を包含する。
(PGR−IV)非シクロプロペンオーキシン。好適な例は、インドール酢酸、インドールプロピオン酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸、ベータ−ナフトキシ酢酸、4−クロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロオキシ酢酸、トリクロロフェノキシ酢酸、トリクロロ安息香酸、および4アミノ3,5,6トリクロロピコリン酸を包含する。
(PGR−V)ジベレリン。好適なジベレリンは、例えば、様々に置換されたジベレリン主鎖構造を有するGA、GA、GA、GA、GA、およびGAを包含する。さらに好適な例は、ジベレリン様活性を示す非シクロプロペン化合物、例えば、ヘルミントスポリン酸、ファセオリン酸、カウレン酸、およびステビオールを包含する。
(PGR−VI)IAAオキシダーゼの共同因子および阻害剤。好適な例は、クロロゲン酸、クマリン酸、クエルシチン、カフェー酸、および他の非シクロプロペンフェノール阻害剤をはじめとする、フェニルアラニンまたはチロシン経路の中間体である非シクロプロペンフェノール阻害剤を包含する。
(PGR−VII)例えば、ジャスモン酸メチルを包含する非シクロプロペン2次成長阻害剤。
(PGR−VIII)非シクロプロペン天然成長ホルモン。好適な非シクロプロペン天然成長ホルモンは、ケルプ、藻類、および細菌由来のものを包含する。非シクロプロペン天然成長ホルモンを使用するいくつかの具体例において、ホルモンは未精製形態において使用される。
【0094】
シクロプロペンでない少なくとも1種の植物成長調節剤が使用される具体例において、組成物中の、シクロプロペンでない植物成長調節剤の量は、組成物の種類、所望の植物応答、および意図される使用法の1以上に応じて広範囲に変化し得る。いくつかの具体例において、シクロプロペンでない植物成長調節剤の量は、組成物の合計重量基準で、4重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.05重量%以下である。独立して、いくつかの具体例において、シクロプロペンでない植物成長調節剤の量は、組成物の合計重量基準で、0.000001重量%以上;または0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.001重量%以上である。
【0095】
いくつかの具体例において、シクロプロペンでない植物成長調節剤は本発明の組成物中に存在しない。
【0096】
本発明の様々な具体例は、1以上のシクロプロペンの使用に加えて、前記の成分の任意のものを、単独または任意の組み合わせにおいて使用することを含む。
【0097】
本発明の実施において、植物の処置は、本発明の組成物が植物と接触するのを許容する任意の方法により行うことができる。本発明の組成物は、固体、液体、気体、またはその組み合わせである。本発明の組成物は、均一であっても、不均一であってもよい。本発明の組成物が液体であるならば、溶液または分散液またはその組み合わせであってよい。
【0098】
1以上の液体組成物が使用される具体例において、接触法のいくつかの例は、例えば、噴霧、発泡、雲霧、注入、ブラッシング、浸漬、類似の方法、およびその組み合わせである。いくつかの具体例において、噴霧または浸漬またはその両方が使用される。いくつかの具体例において、噴霧が使用される。
【0099】
本発明の組成物は、植物全体と接触してもよいし、あるいは1以上の植物の部分と接触してもよい。植物の部分は、例えば、花、蕾、開花、種、切り花、根、球根、果実、野菜、葉、およびその組み合わせを包含する。本発明の組成物は、植物全体、植物本体に結合した植物の部分、植物本体から取り外された植物の部分、またはその任意の組み合わせと接触させることができる。
【0100】
ある植物は、1以上の植物の部分を、かかる部分が有用な製品と見なされる場合に取り外す目的で成長させられる。本発明のいくつかの具体例において、有用な植物の部分を産生する植物は、有用な植物の部分が収穫される前に本発明の組成物で処理される(このような処理を、本明細書においては、「収穫前」処理と呼ぶ)。このような具体例において、使用される各組成物は、使用できる他の組成物と独立して、植物の全体または一部と接触させることができる。組成物が植物の部分と接触させられる場合、その部分は、収穫が意図される有用な植物の部分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0101】
いくつかの具体例において、植物は、土中に根ざしたまま処理される。いくつかの具体例において、植物は生きたまま処理される。いくつかの具体例において、少なくとも1つの処理は、発芽後であるが、任意の有用な植物の部分が収穫される前の植物に関して行われる。いくつかの収穫前処理において、植物は、開花後少なくとも1回処理される(植物開花前の追加処理は行っても、行わなくてもよい)。独立して、果実または野菜をもたらす植物の収穫前処理において、植物は、果実または野菜ができた後に少なくとも1回処理される(果実または野菜ができる前の追加処理は、行っても、行わなくてもよい)。
【0102】
好適な処理は、畑、庭、建物内(例えば、温室)、または別の場所に植えられた植物に対して行われる。好適な処理は、空地、1以上の容器(例えば、鉢、プランター、または花瓶)、密閉または揚床、あるいは他の場所に植えられた植物に関して行われてもよい。
【0103】
屋内でない、畑または他の場所における植物を処理するために、本発明の方法が使用される具体例において、本発明の組成物の量は、1ヘクタールあたり0.001グラム以上;または0.01グラム以上;または0.1グラム以上のシクロプロペンの量が得られるように用いることができる。独立して、かかる具体例において、シクロプロペンの量は、10000g/ヘクタール以下;または1000g/ヘクタール以下;または100g/ヘクタール以下である。
【0104】
本発明のいくつかの具体例において、本発明の方法で植物群を処理することにより、本発明の方法で処理されなかった場合の植物群の作物収穫量と比較して、その植物群の作物収穫量が増大する。作物収穫量の増大は、広範囲に及ぶ様々な方法により得ることができる。作物収穫量の増大の一方法は、例えば、各植物がより多くの数の有用な植物の部分を生産できることで達成されうる。もう一つ別の例として、作物収穫量の増大の一方法は、それぞれの有用な植物の部分がより多くの重量を有しうることにより達成されうる。第三の例として、作物収穫量は、より多くの潜在的に有用な植物の部分が、許容される品質についての最低基準を満たす場合に増大し得る。作物収穫量を増大させる他の方法も、本発明の実施の結果得られうる。任意の方法の組み合わせにより起こる作物収穫量の増大も企図される。
【0105】
本発明のいくつかの具体例の実施の考えられる利点には、作物の一般的品質が改善され得ることがある。すなわち、本発明の方法により生産される作物は、作物について適正な品質基準により判断されるように、本発明の方法を用いずに生産された比較作物よりも、より高い一般的または平均的品質レベルを有しうる。いくつかの場合において、かかる高品質の作物は、販売する際により高く売れる可能性がある。
【0106】
様々な利点が本発明の実施の結果得られる。処理された植物の有利な効果は、例えば、1以上の次の効果(そのいくつかは既に論議され、いくつかは上述したのとは異なる):バイオマス体積の増大、バイオマス品質の向上、果実の増大、果実のサイズの増大(所望により)、果実のサイズの減少(所望により)、収穫時期(所望により促成または遅延)、細胞膨圧の減少、褐色斑点の減少、ストレス応答の低減、損傷応答の低下、収穫された植物の部分の保存寿命の増大、頂芽優勢、器官離脱防止、老化防止、黄化防止、成長中の活力の増大、輸送中の活力の増大、移植中の活力の増大、およびその組み合わせを包含する。
【0107】
本発明の成分は、任意の手段により、任意の順序で混合することができる。
【0108】
いくつかの具体例において、本発明の組成物中に水が存在する。いくつかの具体例において、水は本明細書において記載される成分と組み合わせられる。他の具体例において、水は1以上の水溶性有機溶媒と、水の水溶性有機溶媒に対する重量比が100/0、または90/10、または85/15、または80/20、または75/25、または70/30、または65/35である溶液において存在することができる。
【0109】
水が組成物中に含まれない具体例も企図される。かかる具体例において、1以上のシクロプロペンおよび1以上のアジュバントが、任意に1以上の分子封入剤および任意に追加のアジュバントと混合されて、水と混合せずに使用できる組成物が形成される。
【実施例】
【0110】
シクロプロペンの調製
次の生物学的に活性なシクロプロペンを製造した。その製造法およびそのトマト上偏成長試験結果は、米国特許出願公開第2005/0065033号に開示されている:
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
作物の処理
水、シクロプロペンと適当な封入化シクロプロペンとの複合体を含有する処方を、0.9:1または1:1または1.1:1のモル比のシクロプロペンとシクロデキストリン、および次のものの少なくとも1つ:シクロプロペンでない1以上の植物成長調節剤;界面活性剤、アルコール、油、およびその混合物からなる群から選択される1以上のアジュバント;またはその混合物:を用いて製造することができた。これらの処方は、成分の任意のものを以下に記載する量で含有することができた。
【0115】
以下のリストにおいて、「%」は処方の重量基準での成分の重量パーセントを意味し;「ppm」は水100万重量部当たりの成分の重量部を意味し;「ppb」は水10億重量部当たりの成分の重量部を意味する。処方において使用できる成分は:担体流体:水、または水と1以上の水中に可溶性である有機溶媒の1以上との溶液であり、水の水溶性有機溶媒に対する重量比は、100/0または85/15または70/30である。
【0116】
複合体中に含まれるシクロプロペン:実施例1〜80の任意のもの。
複合体の量:1ppb、または10ppb、または100ppb、または1ppm、または10ppm、または100ppm、または1000ppmの量のシクロプロペンを提供するのに十分な量。
界面活性剤の種類:なし;またはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、またはドデシル硫酸ナトリウム、またはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、またはオクチルフェノールエトキシレート、またはシリコーン界面活性剤(0.1%、または1%、または10%の量)。
キレート化剤:なし;またはEDTAのナトリウム塩(10ppmまたは100ppmまたは1000ppmの量)
アルコール:なし;またはエタノールまたはイソプロパノール(0.1%または1%または10%の量)。
油:なし;または鉱油または精製パラフィン油またはアルカン(7〜16個の炭素を有する)または植物性油またはシリコーン油(0.1%または1%または10%の量)。
シクロプロペンでない植物成長調節剤:なし;またはエテホン、または銀イオン、またはベンジルアデニン、またはインドール酢酸、またはジベレリンGA、またはクロロゲン酸、またはジャスモン酸メチル、またはケルプ成長ホルモン(10ppmまたは100ppmまたは1000ppmまたは10000ppmの量)。
【0117】
前記成分の任意の組み合わせを含有する任意の組成物を、任意に他の成分と共に、収穫前の畑の植物に適用することができた。シクロプロペンの量が1ヘクタールあたり0.2グラムまたは2グラムまたは20グラムになるように、植物に組成物を噴霧することができた。
【0118】
さらに、前記成分の任意の組み合わせを含有する任意の組成物を、任意に他の成分と共に、組成物で流れるまで噴霧することにより、屋内の植物に施用することができた。
【0119】
このような組成物が、1以上のシクロプロペンに加えて、1以上の界面活性剤、1以上のアルコール、1以上の油、1以上のシクロプロペンでない植物成長調節剤、またはその混合物を含有する限り、このような組成物は、その後に収穫される植物の部分に対して有用な効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)式:
【化1】

の1以上のシクロプロペン
〔式中:
a)各R、R、RおよびRは、Hおよび式:
−(L)−Z
の化学基からなる群から独立して選択され
(式中:
i)nは0〜12の整数である;
ii)各Lは独立して、D1、D2、E、およびJからなる群から選択され、ここにおいて:
D1は式:
【化2】

のものであり;
D2は式:
【化3】

のものであり;
Eは式:
【化4】

のものであり;および
Jは式:
【化5】

のものである;
式中:
A)各XおよびYは独立して、式:
−(L)−Z
の化学基であり;
B)mは0〜8の整数であり;および
C)2つより多いD2またはE基は互いに隣接せず、かつJ基は互いに隣接しない;
iii)各Zは独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、イオデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、および化学基G(ここにおいて、Gは3〜14員環系である)からなる群から選択される;および
iv)−(L)−Zにおけるヘテロ原子の合計数は0〜6である;および
b)前記化合物における非水素原子の合計数は50以下である〕;並びに
(II)(AA)シクロプロペンでない1以上の植物成長調節剤;または
(BB)1以上の界面活性剤、1以上のアルコール、1以上の油、およびその混合物からなる群から選択される1以上のアジュバント;または
(CC)前記(AA)および前記(BB)の1以上の混合物:
の1以上:
を含む組成物であって、
前記組成物は液体であり、
前記組成物は、分子封入剤のそれぞれの中に1以上の前記シクロプロペンが封入されている1以上の分子封入剤をさらに含み、並びに、
前記組成物は式:
【化6】

(式中、Rは、水素または置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり;置換基は、存在する場合には、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換フェノキシである)
のシクロプロペンを含有しない、組成物。
【請求項2】
1以上のアジュバントが少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項3】
1以上のアジュバントが少なくとも1種のアルキルアルコールを含む請求項1記載の組成物。
【請求項4】
組成物が少なくとも1種の炭化水素油をさらに含む請求項1記載の組成物。
【請求項5】
組成物が、少なくとも1種の金属錯化剤をさらに含む請求項1記載の組成物。
【請求項6】
請求項1記載の組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む方法。
【請求項7】
前記接触が、噴霧、浸漬、またはその組み合わせにより行われる請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記接触が噴霧により行われる請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記接触が屋内ではない場所で行われる請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が水をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
1以上のアジュバントが少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項10記載の組成物。
【請求項12】
1以上のアジュバントが少なくとも1種のアルキルアルコールを含む請求項10記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、少なくとも1種の炭化水素油をさらに含む請求項10記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、少なくとも1種の金属錯化剤をさらに含む請求項10記載の組成物。
【請求項15】
請求項10記載の組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む、植物または植物部分における1以上の生物学的プロセスを変更する方法。
【請求項16】
前記接触が、噴霧、浸漬、またはその組み合わせにより行われる請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記接触が、噴霧により行われる請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記接触が屋内ではない場所で行われる請求項15記載の方法。

【公開番号】特開2011−68688(P2011−68688A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−67(P2011−67)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2006−311613(P2006−311613)の分割
【原出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】