説明

シクロプロペン化合物を含む油配合物

(a)注入可能な非水性流体と、(b)前記注入可能な流体(a)中に分散した液滴であって、(i)固体または高粘度の液体である非水性連続相および(ii)前記連続相(i)中に分散した固体粒子を含む液滴とを含む組成物であって、前記固体粒子(ii)が、最大寸法で測定して、100マイクロメートル以下のメジアン径を有し、前記固体粒子(ii)が、1種または複数のシクロプロペン化合物および1種または複数の分子封入剤を含む組成物。また、かかる組成物を植物または植物の部分と接触させるステップを含む、植物または植物の部分を処理する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2010年3月1日に出願された米国特許仮出願第61/309,073号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
シクロプロペン化合物を保存および輸送する便利な様式は、分子封入剤との錯体の形態を取る。かかる錯体は、例えば、植物または植物の部分を錯体と接触させて植物または植物の部分とシクロプロペンとを接触させることによって、植物または植物の部分の処理に使用するために有用である。植物または植物の部分のかかる処理は、植物または植物の部分において、1つまたは複数のエチレンが介在する過程を所望通りに妨げるのにしばしば有効である。例えば、植物の部分のかかる処理は場合によっては、好ましくない熟成を所望通りに遅らせることができる。もう1つの例として、収穫前の作物植物のかかる処理は場合によっては、作物の収穫高を改善することができる。
【0003】
米国特許出願公開第2009/0035380号は、粒子が分散している油媒体を開示しており、粒子は、シクロプロペン化合物および分子封入剤を含有する。US2009/0035380によって説明されている油は、水ではない液体である。一般にかかる油は、分散した粒子を、油と空気または水との間の境界へ容易に拡散させ得る。かかる粒子がかかる境界に遭遇すると、結果として、粒子からシクロプロペン化合物が時期尚早に放出されることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シクロプロペン化合物および分子封入剤を含有する粒子が非水性連続相中に分散している組成物であって、粒子を非水性連続相の境界へこのように容易に拡散させない組成物を提供することが望まれる。かかる組成物は、組成物自体を植物もしくは植物の部分と接触させることによるか、または組成物を例えば水等の希釈剤中に分散させ、その後、得られた分散液を植物もしくは植物の部分と接触させることによるかのいずれかによって、植物または植物の部分を処理するのに有用であり得ると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様において、
(a)注入可能な非水性流体と
(b)前記注入可能な流体(a)中に分散した液滴であって、
(i)固体または高粘度の液体である非水性連続相および
(ii)前記連続相(i)中に分散した固体粒子
を含む液滴と
を含む組成物であって、前記固体粒子(ii)が、最大寸法で測定して、100マイクロメートル以下のメジアン径を有し、前記固体粒子(ii)が、1種または複数のシクロプロペン化合物および1種または複数の分子封入剤を含む組成物が提供される。
【0006】
本発明のもう1つの態様には、かかる組成物を植物または植物の部分と接触させるステップを含む、植物または植物の部分の処理方法がある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用する「流体」とは、25℃および1気圧で液体であり、かつ1気圧での沸点が30℃以上である材料である(これは単一の化合物または化合物の混合物であり得る)。本明細書で使用される場合、流体は、流体の重量に基づく重量で、10%以下の水を含有する場合は、「非水性」である。本明細書で使用される場合、流体は、0.01秒−1の剪断速度における25℃での粘度が1Pa・s(10ポアズ)以下である場合は、「注入可能」である。
【0008】
本明細書において「分散した」とは、1つの材料(例えば液体の液滴または固体粒子等の任意の分割された形態であることができる「分散」材料)の離散塊が、粒子の周りに連続媒体を形成する第2の材料の全体にわたって分配されていることを意味する。連続媒体中に分散した離散塊の系は、本明細書では「分散液」と称する。分散材料のそれぞれの分配された離散塊は、分散材料の複数の分子を有する。一般的には、分散材料の離散塊は、10ナノメートル以上のメジアン粒径を有する。
【0009】
本明細書で定義する「分散剤」は、離散塊が連続媒体中で安定な分散液を形成することを支援することができる化合物である。分散液中では分散剤の一部または全てが、離散塊の表面上またはこの表面の近くに存在する。
【0010】
本明細書で定義する物質(「溶質」)は、溶質の個々の分子が溶媒全体にわたって分配されている場合に別の物質(「溶媒」)中に溶解していると述べられる。
【0011】
本明細書で定義するように、混合物が100グラムの第2の物質(「S2」)当たり10グラムの物質(「S1」)で作られている場合に、S2中に溶解するS1の量が100グラムのS2当たり1グラム未満のS1であるならば、S1はS2中に溶解性でないと述べられる。
【0012】
本明細書で定義する水性媒体とは、その流体の重量に基づいて50重量%以上の水を含有する流体である。
【0013】
化合物は、それが炭素を含有する場合であって、かつそれが無機であると通常みなされる化合物、例えば、酸化炭素、カーバイド、二硫化炭素、金属シアン化物、金属カルボニル、ホスゲン、硫化カルボニルおよびその他などではない場合、有機物である。
【0014】
本明細書で使用する「曇り点」とは、それより上では全ての成分が溶解して通常は透明な溶液を形成し、それより下では成分のうちの1つまたは複数の一部または全てが溶媒中に溶解した状態になるよりもむしろ分散した状態になって、曇った外観を有する混合物を形成する混合物の温度である。
【0015】
ビニルポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの炭素−炭素二重結合の重合の結果である。ビニルポリマーは、ホモポリマー(ここではそれぞれの繰り返し単位が同じである)であってもよく、またはコポリマー(2つ以上の異なる繰り返し単位を含有する)であってもよい。
【0016】
本明細書で使用する「脂肪族基」とは、少なくとも8個の炭素原子の長さである炭素原子の少なくとも1つの鎖を含有する化学基である。「脂肪族化合物」とは、脂肪族基を含有する任意の化合物である。
【0017】
本発明の実施は、1種または複数のシクロプロペン化合物の使用を伴う。本明細書で使用するシクロプロペン化合物は、式
【化1】

[式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、Hおよび式
−(L)−Z
(式中、nは0から12までの整数である)
の化学基からなる群から独立して選択される]
を有する任意の化合物である。各Lは、二価の基である。適切なL基としては、例えば、H、B、C、N、O、P、S、Si、またはそれらの混合物から選択される1個または複数の原子を含有する基が挙げられる。L基中の原子は、単結合、二重結合、三重結合、またはそれらの混合物により互いに結合していてもよい。各L基は、線状、分枝状、環状、またはそれらの組合せであり得る。いずれか1つのR基(すなわち、R、R、RおよびRのいずれか1つ)において、ヘテロ原子(すなわち、HでもなくCでもない原子)の総数は0から6までである。独立的に、いずれか1つのR基において、非水素原子の総数は、50以下である。各Zは、一価の基である。各Zは、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、およびGが3〜14員環系である化学基Gからなる群から独立して選択される。
【0018】
、R、RおよびR基は、適切な基から独立して選択される。R、R、RおよびRの1つまたは複数として使用するために適する基のうち、例えば、脂肪族基、脂肪族オキシ基、アルキルホスホナト基、脂環式基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、その他の基、ならびにそれらの混合物および組合せがある。R、R、RおよびRの1つまたは複数として使用するために適する基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。
【0019】
適切なR、R、RおよびR基のうち、例えば、脂肪族基がある。いくつかの適切な脂肪族基としては、例えば、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基が挙げられる。適切な脂肪族基は、線状、分枝状、環状、またはそれらの組合せであり得る。独立的に、適切な脂肪族基は置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。
【0020】
本明細書で使用する、対象の化学基は、対象の化学基の1個または複数の水素原子が置換基によって置き換えられている場合に「置換されている」と述べられる。
【0021】
また、適切なR、R、RおよびR基には、例えば、シクロプロペン化合物に、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、またはスルホニル基を介して結合している置換および非置換ヘテロシクリル基があり、かかるR、R、RおよびR基の例は、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ジヘテロシクリルアミノ、およびジヘテロシクリルアミノスルホニルである。
【0022】
また、適切なR、R、RおよびR基には、例えば、シクロプロペン化合物に、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基、またはアミノスルホニル基を介して結合している置換および非置換複素環基があり、かかるR、R、RおよびR基の例は、ジヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、およびジヘテロアリールアミノスルホニルである。
【0023】
また、適切なR、R、RおよびR基には、例えば、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト(chlorato)、ブロマト(bromato)、ヨーダト(iodato)、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、ペルクロラト、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、およびそれらの置換された類似体がある。
【0024】
本明細書で使用する化学基Gは、3〜14員環系である。化学基Gとして適する環系は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよく、それらは芳香族(例えばフェニルおよびナフチルを含む)または脂肪族(不飽和脂肪族、部分的に飽和した脂肪族、または飽和脂肪族を含む)であることができ、それらは炭素環式または複素環式であり得る。複素環式G基のうち、いくつかの適切なヘテロ原子は、例えば、窒素、硫黄、酸素、およびそれらの組合せである。化学基Gとして適する環系は、単環式、二環式、三環式、多環式、スピロ、または縮合式であり得、二環式、三環式、または縮合式である適切な化学基G環系のうち、単一の化学基G中のさまざまな環は、全て同じタイプであってもよく、または2つ以上のタイプであってもよい(例えば、芳香環は脂肪族環と縮合していてもよい)。
【0025】
いくつかの実施形態において、R、R、RおよびRの1つまたは複数は、水素または(C〜C10)アルキルである。いくつかの実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素または(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素または(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素またはメチルである。いくつかの実施形態において、Rは(C〜C)アルキルであり、R、RおよびRのそれぞれは水素である。いくつかの実施形態において、Rはメチルであり、R、RおよびRのそれぞれは水素であり、シクロプロペン化合物は本明細書では「1−MCP」と称する。
【0026】
いくつかの実施形態において、1気圧での沸点が50℃以下、または25℃以下、または15℃以下であるシクロプロペン化合物が使用される。独立的に、いくつかの実施形態において、1気圧での沸点が−100℃以上、−50℃以上、または−25℃以上、または0℃以上であるシクロプロペン化合物が使用される。
【0027】
本発明の組成物は、少なくとも1種の分子封入剤を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の分子封入剤は、1種もしくは複数のシクロプロペン化合物または1種もしくは複数のシクロプロペン化合物の一部を封入する。分子封入剤の分子中に封入されたシクロプロペン化合物分子またはシクロプロペン化合物分子の一部を含有する錯体は、本明細書では「シクロプロペン化合物錯体」と称する。
【0028】
いくつかの実施形態において、包接錯体である少なくとも1種のシクロプロペン化合物錯体が存在する。かかる包接錯体において、分子封入剤は、空洞を形成し、シクロプロペン化合物またはシクロプロペン化合物の一部はこの空洞中に位置づけられている。
【0029】
独立的に、かかる包接錯体のいくつかにおいて、分子封入剤の空洞の内部は、実質的に無極性または疎水性あるいはその両方であり、シクロプロペン化合物(またはこの空洞中に位置づけられているシクロプロペン化合物の一部)も、実質的に無極性または疎水性あるいはその両方である。本発明はいかなる特定の理論または機構にも限定されないが、かかる無極性シクロプロペン化合物錯体中ではファンデルワールス力、または疎水性相互作用あるいはその両方によって、シクロプロペン化合物分子またはその一部が分子封入剤の空洞中に留まることが考えられる。
【0030】
分子封入剤の量は、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比によって有用に特徴づけることができる。いくつかの実施形態において、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比は、0.1以上、または0.2以上、または0.5以上、または0.9以上である。独立的に、かかる実施形態の一部において、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子封入剤のモル数の比は、10以下、または5以下、または2以下、または1.5以下である。
【0031】
適切な分子封入剤としては、例えば、有機および無機分子封入剤が挙げられる。適切な有機分子封入剤としては、例えば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが挙げられる。適切な無機分子封入剤としては、例えば、ゼオライトが挙げられる。適切な分子封入剤の混合物も適する。いくつかの実施形態において、この封入剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、またはそれらの混合物である。本発明のいくつかの実施形態において、α−シクロデキストリンが使用される。好ましい封入剤は、使用される1種または複数のシクロプロペン化合物の構造によって変化し得る。任意のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾されたシクロデキストリン、あるいはそれらの混合物も本発明に従って利用することができる。
【0032】
本発明の実施において、注入可能な非水性流体(本明細書では「流体(a)」と呼ばれる)が使用される。
【0033】
いくつかの実施形態において、流体(a)は、1種または複数の有機化合物を含有する。流体(a)中に含有される有機化合物は、本明細書では「第1の」有機化合物と称する。いくつかの適切な第1の有機化合物は、25℃および1気圧で液体であり、1気圧での沸点が30℃以上である。
【0034】
いくつかの適切な第1の有機化合物は、25℃および0.01秒−1の剪断速度での粘度が1Pa・s(10ポアズ)以下、または0.1Pa・s(1ポアズ)以下、または0.01Pa・s(0.1ポアズ)以下である。2種以上の第1の有機化合物の混合物もまた考えられ、この場合混合物は、25℃および0.01秒−1の剪断速度での粘度が1Pa・s(10ポアズ)以下、または0.1Pa・s(1ポアズ)以下、または0.01Pa・s(0.1ポアズ)以下である。
【0035】
いくつかの適切な第1の有機化合物は、極性化合物である。いくつかの適切な第1の有機化合物は、2.5以上、または3以上、または3.5以上の双極子モーメント(デバイ単位で)を有する。独立的に、いくつかの適切な第1の有機化合物は、電気陰性原子に結合した水素原子を有さない。いくつかの適切な第1の有機化合物は、酸素、窒素、または硫黄原子に結合した水素原子を有さない。いくつかの実施形態において、それぞれの水素原子が炭素原子に結合している第1の有機化合物が使用される。
【0036】
いくつかの適切な第1の有機化合物としては、例えば、ジアルキルケトン、炭酸アルキレン、ニトロアルカン、およびそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、第1の有機化合物は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、またはそれらの混合物を含有する。いくつかの実施形態において、第1の有機化合物は、炭酸プロピレンを含有する。
【0037】
いくつかの実施形態において、注入可能な非水性流体(a)中の第1の有機化合物の量は、注入可能な非水性流体(a)の重量に基づく重量で、60%以上、または75%以上、または90%以上、または95%以上である。いくつかの実施形態において、非水性流体(a)中に存在する全ての炭酸アルキレンの重量の合計は、注入可能な非水性流体(a)の重量に基づく重量で、60%以上、または75%以上、または90%以上、または95%以上である。本明細書で使用される場合、「注入可能な非水性流体(a)の重量」とは、流体(a)中に溶解している任意の物質(もしあれば)の重量は含まれるが、流体(a)中に分散した任意の材料(例えば、液滴(b)など)の重量は含まれない流体(a)自体の重量を意味する。
【0038】
本発明の組成物において、液滴(本明細書では「液滴(b)」と称する)は、流体(a)中に分散している。液滴(b)は、固体または高粘度を有する液体である連続相(本明細書では「連続相(i)」と称する)を含有する。液滴(b)は、また、連続相(i)中に分散している固体粒子(本明細書では「固体粒子(ii)」と称する)を含有する。連続相(i)は、単一の液滴(b)内で固体粒子(ii)が連続相(i)中に分散しているので、「連続」であるとみなされる。1つの液滴(b)中に位置づけられている連続相(i)の塊は、介在流体(a)によって分離されている、他の液滴(b)中に位置づけられている連続相(i)のその他の塊から隔離されていると考えられる。
【0039】
いくつかの実施形態において、連続相(i)は固体である。言い換えると、それは25℃で固体である。いくつかの実施形態において、連続相(i)は高粘度を有する液体である。本明細書で使用する、高粘度を有する液体とは、25℃で液体であって、かつ0.01秒−1の剪断速度における25℃での粘度が25Pa・s(250ポアズ)以上である組成物である。
【0040】
いくつかの実施形態において、連続相(i)は、1種または複数の有機化合物(本明細書では「第2の有機化合物」と称する)を含有する。いくつかの実施形態において、25℃で固体である、あるいは0.01秒−1の剪断速度における25℃での粘度が25Pa・s(250ポアズ)以上である液体である1種または複数の第2の有機化合物が使用される。いくつかの実施形態において、50℃以上の融点を有する1種または複数の第2の有機化合物が使用される。いくつかの実施形態において、0.01秒−1の剪断速度における25℃での粘度が25Pa・s(250ポアズ)以上、または100Pa・s(1,000ポアズ)以上、または1,000Pa・s(10,000ポアズ)以上、または10,000Pa・s(100,000ポアズ)以上である液体である1種または複数の第2の有機化合物が使用される。
【0041】
25℃で固体または25℃で高粘度の液体である適切な第2の有機化合物には、多くの適切な組成物があり、例えば、炭化水素、非炭化水素ワックス、脂肪族化合物、有機ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な炭化水素としては、例えば、石油蒸留物、炭化水素ワックス、ワセリン、およびそれらの混合物が挙げられる。いくつかの適切な炭化水素ワックスは、例えば、ポリエチレンワックス、ミクロクリスタリンワックス、その他の合成ワックス、およびそれらの混合物である。いくつかの適切な非炭化水素ワックスは、例えば生物起源のワックスを含み、例えば、脂肪アルコールの脂肪酸エステルの構造を有する化合物を含有するワックスが挙げられる。生物起源のいくつかの適切なワックスとしては、例えば、蜜蝋およびカルナウバ蝋が挙げられる。
【0042】
適切な脂肪族化合物としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸のエステル、脂肪酸のアミド、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な脂肪族化合物は、天然産物(すなわち、生物源から得られた産物)、改質された天然産物、合成化合物、またはそれらの混合物であり得る。適切な脂肪族化合物は、純粋な材料であってもよくまたは脂肪族化合物の混合物であってもよい。天然の脂肪族化合物および改質された天然の脂肪族化合物は、多くの場合混合物である。いくつかの適切な改質された天然の脂肪族化合物としては、例えば、水素化した、ヒドロキシル化した、スルホン酸化した、重合した、またはそれらを組み合わせた天然の脂肪族化合物が挙げられる。
【0043】
1種の適切な脂肪族化合物は、純粋な形態または混合物の形態で使用することができるステアリン酸であり、これは生物源から得ることができる。
【0044】
適切な脂肪族化合物の1つの群は、グリセリドである。グリセリドは、グリセロールのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルである。適切なグリセリドは、少なくとも1つの脂肪族基がエステル結合によりグリセロール分子に結合している化合物である脂肪族グリセリドである。いくつかの適切なグリセリドは、植物油(すなわち、植物により産生された油)または改質された植物油あるいはそれらの混合物である。いくつかの適切なグリセリドは、例えば、水素化した植物油である。適切なグリセリドとしては、例えば、水素化ダイズ油および水素化綿実油が挙げられる。
【0045】
第2の有機化合物として適するいくつかの化合物は、比較的低い双極子モーメントを有する化合物である。いくつかの実施形態において、1.5デバイ以下、または1.0デバイ以下、または0.8デバイ以下の双極子モーメントを有する1種または複数の第2の有機化合物が使用される。いくつかの実施形態において、それぞれの第2の有機化合物は、1.5デバイ以下、または1.0デバイ以下、または0.8デバイ以下の双極子モーメントを有する。
【0046】
いくつかの実施形態において、連続相(i)中の全ての第2の有機化合物の量は、連続相(i)の重量に基づく重量で、60%以上、または75%以上、または85%以上、または95%以上、または99%以上である。本明細書で使用する「連続相(i)の重量」とは、連続相(i)中に溶解している任意の物質(もしあれば)の重量は含むが連続相(i)中に分散している材料(例えば、固体粒子(ii)など)の重量は含まない、連続相(i)自体の重量を意味する。
【0047】
1種または複数の第1の有機化合物が存在しかつ1種または複数の第2の有機化合物が存在する実施形態では、存在する全ての第2の有機化合物の混合物は、存在する全ての第1の有機化合物の混合物中に溶解しない(本明細書において上で定義したとおり)。いくつかの実施形態において、全ての第2の有機化合物の混合物は、全ての第1の有機化合物の混合物中に、25℃で溶解しない。いくつかの実施形態において、全ての第2の有機化合物の混合物は、全ての第1の有機化合物の混合物中に、20℃から最大トップ温度までの温度の範囲にわたって溶解せず、ここでこのトップ温度は40℃以上、または50℃以上、または75℃以上である。
【0048】
いくつかの実施形態(本明細書では「ポリマー混合物」または「PM」の実施形態と呼ばれる)において、連続相(i)は、有機ポリマーと有機流体(本明細書では「PM流体」と呼ばれる)との混合物(本明細書では「PM混合物」と呼ばれる)を含有する。いくつかのPMの実施形態において、このPM混合物は、PM流体中のポリマーの溶液またはPM流体中のポリマーの分散液である。いくつかのPMの実施形態において、PM混合物は、25℃で高粘度の液体である。いくつかのPMの実施形態において、PM混合物は、25℃で固体(例えばゲルなど)である。いくつかのPMの実施形態において、PM混合物は、50℃以上のある温度で、0.01秒−1での粘度が25Pa・s未満である液体であり、PM混合物は、25℃で、固体であるかまたは高粘度の液体であるかのいずれかである。
【0049】
いくつかのPMの実施形態(本明細書では「粘度低下」の実施形態と呼ばれる)において、PM混合物は、低粘度の温度範囲を有する。すなわち、0.01秒−1でのPM混合物の粘度が10Pa・s以下である温度範囲が存在する。粘度低下の実施形態において、低粘度の温度範囲のローエンドは、30℃以上または50℃以上である。粘度低下の実施形態において、低粘度の温度範囲のハイエンドは、180℃以下、または150℃以下、または100℃以下である。粘度低下の実施形態において、PM混合物は、18℃から28℃までの範囲を含む温度範囲にわたって固体であるまたは高粘度の液体である。PM混合物は、撹拌および/または混合を容易にするために加熱して低粘度範囲にもちこみ、次いで25℃まで冷却するか放冷して固体または高粘度の液体になるようにすることができると考えられる。
【0050】
いくつかの粘度低下の実施形態(本明細書では「曇り点」の実施形態と呼ばれる)において、PM混合物は、30℃より高く100℃より低い曇り点を有する。いくつかの曇り点の実施形態において、PM混合物を都合のよい撹拌および/または混合のために曇り点より上に加熱し(何故なら、PM混合物は、曇り点より上のある温度では、0.01秒−1での粘度が10Pa・s未満であるためである)、次いでPM混合物を、PM混合物が固体または高粘度の液体になる曇り点より下まで冷却することが可能である。
【0051】
いくつかのPMの実施形態において、PM流体は、例えば、1種または複数の炭化水素材料を含有する。適切な炭化水素材料は、単一の炭化水素物質であってもよく、または炭化水素物質の混合物であってもよい。いくつかの適切な炭化水素材料は、溶解または分散した固体化合物がいずれも存在しない状態で試験したとき、25℃および0.01秒−1の剪断速度での粘度が1Pa・s(10ポアズ)以下である液体である。いくつかの適切な炭化水素材料は、例えば、石油炭化水素である。
【0052】
いくつかのPMの実施形態は、例えば、1種または複数のビニルポリマーを含有する。適切なビニルポリマーとしては、例えば、1種または複数のモノマーから作られたポリマーおよびコポリマー、例えばスチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、(メタ)アクリル酸の置換されたエステル、(メタ)アクリル酸のアミド、(メタ)アクリル酸の置換されたアミド、アルケン、カルボン酸のビニルエステル、ハロ置換されたアルケン、およびそれらの混合物等が挙げられる。適切なアルケンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ジエン、およびそれらの混合物が挙げられる。適切なカルボン酸のビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニルが挙げられる。いくつかの実施形態において、エチレンと酢酸ビニルとの1種または複数のコポリマーが使用される。
【0053】
いくつかのPMの実施形態において、1.5デバイ以下、または1.0デバイ以下、または0.8デバイ以下の双極子モーメントを有する溶媒が使用される。
【0054】
いくつかのPMの実施形態において、連続相(i)中のPM混合物の量は、連続相(i)の重量に基づく重量で(本明細書において上で定義したように)、60%以上、または75%以上、または85%以上、または95%以上、または99%以上である。
【0055】
PMの実施形態では、PM流体は、存在する全ての第1の有機化合物の混合物中に溶解しない(本明細書において上で定義したとおり)。いくつかの実施形態において、PM流体は、全ての第1の有機化合物の混合物中に、25℃で溶解しない。いくつかの実施形態において、PM流体は、全ての第1の有機化合物の混合物中に、20℃から最大トップ温度までの温度の範囲にわたって溶解せず、ここでこのトップ温度は40℃以上、または50℃以上、または75℃以上である。
【0056】
連続相(i)が本明細書において上で述べた第2の有機化合物のうちの2種以上の混合物を含有する実施形態もまた考えられる。
【0057】
いくつかの実施形態において、連続相(i)は、注入可能な流体(a)中に溶解しない。いくつかの実施形態において、連続相(i)は、注入可能な流体(a)中に25℃で溶解しない。いくつかの実施形態において、連続相(i)は、注入可能な流体(a)中に、20℃から最大トップ温度までの温度の範囲にわたって溶解せず、ここでこのトップ温度は40℃以上、または50℃以上、または75℃以上である。
【0058】
本発明の組成物において、液滴(b)は、連続媒体(i)中に分散している固体粒子(ii)も含有する。
【0059】
連続媒体(i)中に分散している本発明の粒子は、最大寸法で測定した場合のメジアン径が100マイクロメートル以下である。すなわち、粒子の集合は、大きさを決定するために評価される。評価の1つの適切な方法は、例えば、顕微鏡を使用する検査である。粒子の画像、例えば、顕微鏡で得られるそれらの画像は、場合により長さの標準を参照しながら目により検査および評価することができ、または、別法では、画像は適切な画像解析方法、例えばコンピュータープログラムなどによって検査および評価することができる。
【0060】
粒子が球形ではない実施形態において、各粒子の最大寸法によって粒子を特徴づけることが有用である。粒子の集合は、最大寸法のメジアン値によって特徴づけるができる。すなわち、集合中の粒子の半分(重量による)は、集合のメジアン値より大きい最大寸法を有す。本発明の実施において、連続相(i)中に分散した粒子の集合が評価される場合、このメジアン値は100マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態において、このメジアン値が50マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、または10マイクロメートル以下、または5マイクロメートル以下、または2マイクロメートル以下である粒子が使用される。
【0061】
いくつかの実施形態において、固体材料は粉末として製造されるが、この粉末の粒径は固体粒子(ii)として使用するために望ましいものより大きい。かかる実施形態において、粉末は、粒径を減じるプロセスにかけることができる。1つの適切なかかるプロセスは空気粉砕(air milling)である。
【0062】
粒子の独立した測定基準は、アスペクト比であり、それは粒子の最小寸法に対する粒子の最大寸法の比である。アスペクト比は、粒子の大きさと無関係である。本発明のいくつかの実施形態において、連続相(i)中に分散した分散粒子(ii)の集合は、20以下、または10以下、または5以下、または2以下のアスペクト比を有する。
【0063】
分散粒子(ii)は、シクロプロペン化合物および分子封入剤を含有する。いくつかの実施形態において、組成物中に存在するシクロプロペン化合物のいくらかまたは全てはシクロプロペン化合物錯体の一部である。本発明は、いかなる特定の理論または規範にも限定はされないが、組成物中に存在するシクロプロペン化合物分子のほとんどまたは全てはシクロプロペン化合物錯体の一部である分子の形態で存在すると考えられる。シクロプロペン化合物錯体の一部ではない組成物中の何らかのシクロプロペン化合物分子が、例えば、溶液中に存在するか、界面上に吸着されて存在するか、その他のある場所に存在するか、またはそれらの組合せで存在することがさらに考えられる。いくつかの実施形態において、シクロプロペン化合物錯体の一部として存在するシクロプロペン化合物の量は、組成物中のシクロプロペン化合物の総量に基づく重量で、80%以上、または90%以上、または95%以上、または99%以上である。
【0064】
いくつかの実施形態において、分散粒子(ii)は、1種または複数のシクロプロペン化合物および1種または複数の分子封入剤のみを含有する。いくつかの実施形態において、分散粒子(ii)は、1種または複数の追加の化合物を含有する。追加の化合物が存在する場合、それらは分子封入剤およびシクロプロペンと同じ固体粒子中に組み込まれてもよく、またはそれらは別の固体粒子中に組み込まれてもよく、あるいはそれらの組合せで組み込まれてもよい。
【0065】
分散粒子(ii)中に含めることができるいくつかの適切な追加の化合物は、例えば不活性固体粉末(すなわち、分子封入過程に関与せず、分散粒子(ii)のその他の成分と化学的に反応しない粉末)である。いくつかの適切な不活性固体粉末としては、例えば、炭水化物、例えばデキストロースなどが挙げられる。不活性固体粉末が使用されるとき、それらは、分散粒子(ii)の重量に基づく重量で、0%より多く、99%以下である量で存在することができる。いくつかの実施形態において、不活性固体粉末の量は、5%〜20%である。
【0066】
分散粒子(ii)中に含めることができるさらなる適切な追加の化合物は、例えば、1種または複数のアミノ酸塩である。アミノ酸塩は、存在する場合、分散粒子(ii)の重量に基づく重量で、0%より多く、5%以下である量で存在することができる。いくつかの実施形態において、アミノ酸塩の量は、1%〜3%である。
【0067】
分散粒子(ii)中に含めることができるさらなる適切な追加の化合物は、例えば水である。水は、存在する場合、分散粒子(ii)の重量に基づく重量で、0%より多く、20%以下である量で存在することができる。いくつかの実施形態において、水の量は、1%〜9%である。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、連続相(i)は、1種または複数の分散剤(本明細書では「p−分散剤」と呼ばれる)を含有する。p−分散剤の一部または全部は、連続相(i)中に溶解していること、p−分散剤の一部または全部は、分散粒子(ii)と連続相(i)との間の界面に(すなわち、分散粒子(ii)の表面上に)位置づけられていること、あるいはそれらの組合せが考えられる。加えて、いくらかの量のp−分散剤(または無し)は、1つまたは複数のその他の場所に、例えば、連続相(i)の表面に、容器の壁上に、分子封入剤との錯体中に、組成物中の他の場所に、またはそれらの組合せなどに位置づけられていてもよいことが考えられる。
【0069】
連続相(i)中で使用するために適するいくつかのp−分散剤は、ビニルポリマーである。いくつかの適切なp−分散剤は、ホモポリマーであるビニルポリマー、または2種以上のモノマーの統計コポリマーであるビニルポリマーである。1種の適切な分散剤は、次の構造:
【化2】

(ここで、R、R、R、およびRのそれぞれはアルキル基であり、nは、10以上である)の繰り返し単位を有する1種または複数のポリマーを含有する。かかるポリマーは、アルキル化ポリビニルピロリドンとして知られる。1種の適切なアルキル化ポリビニルピロリドンは、ISP Corp.からのAGRIMER(商標)AL−22分散剤である。
【0070】
連続相(i)中で使用するために適するその他のp−分散剤は、疎水性基に結合しているポリエチレンオキシドのポリマーである。適切な疎水性基としては、例えば、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、およびポリヒドロキシステアリン酸が挙げられる。いくつかの適切なかかるp−分散剤としては、例えば、Croda Corp.からのAtlox(商標)4912分散剤およびAtlox(商標)4914分散剤が挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態において、注入可能な流体(a)は、1種または複数の分散剤(本明細書では「d−分散剤」と呼ばれる)を含有する。d−分散剤の一部または全部は、注入可能な流体(a)中に溶解していること、d−分散剤の一部または全部は、液滴(b)と注入可能な流体(a)との間の界面に(すなわち、分散した液滴(b)の表面上に)位置づけられていること、あるいはそれらの組合せが考えられる。加えて、いくらかの量のd−分散剤(または無し)は、1つまたは複数のその他の場所に、例えば、注入可能な流体(a)の表面に、容器の壁上に、組成物中の他の場所に、またはそれらの組合せなどに位置づけられていてもよいことが考えられる。
【0072】
1種または複数のd−分散剤は、存在する場合、1種または複数のp−分散剤と同じ組成を有することができる。いくつかの実施形態において、本発明におけるp−分散剤のいずれとも異なる組成を有する1種または複数のd−分散剤が存在する。いくつかの実施形態において、本発明におけるd−分散剤のいずれとも異なる組成を有する1種または複数のp−分散剤が存在する。いくつかの実施形態において、p−分散剤のそれぞれは、d−分散剤のそれぞれと異なる。
【0073】
いくつかの適切なd−分散剤は、ビニルポリマーである。いくつかの適切なd−分散剤は、ホモポリマーであるビニルポリマー、または2種以上のモノマーの統計的コポリマーであるビニルポリマーである。いつかの実施形態において、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマーである1種または複数のd−分散剤が使用される。
【0074】
いくつかの実施形態において、1種または複数の微粒子状鉱物が組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、ヒュームドシリカが存在する。ヒュームドシリカは、通常は5〜50nmのメジアン粒径を有する。いくつかの実施形態において、存在するヒュームドシリカは、ジメチルジクロロシランにより処理されている。ヒュームドシリカは、組成物中に存在する場合、注入可能な流体(a)および連続相(i)の1つまたは両方の中に存在し得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、p−分散剤の量は、分散した液滴(b)の総重量に基づく重量で、0.2%以上、または0.5%以上、または1%以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、p−分散剤の量は、分散した液滴(b)の総重量に基づく重量で、5%以下、または10%以下である。
【0076】
いくつかの実施形態において、固体粒子(ii)の量は、分散した液滴(b)の総重量に基づく重量で、10%以上、または20%以上、または50%以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、固体粒子(ii)の量は、分散した液滴(b)の総重量に基づく重量で、80%以下、または70%以下である。
【0077】
いくつかの実施形態において、液滴(b)の量は、組成物の総重量に基づく重量で、5%以上、または10%以上、または20%以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、液滴(b)の量は、組成物の総重量に基づく重量で、70%以下、または60%以下、または50%以下、または40%以下である。
【0078】
いくつかの実施形態において、存在する微粒子状鉱物の量は、組成物の総重量に基づく重量で、0.2%以上、または0.5%以上、または1%以上、または2%以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、存在する微粒子状鉱物の量は、組成物の総重量に基づく重量で、20%以下、または10%以下、または5%以下である。いくつかの実施形態において、微粒子状鉱物は存在しない。
【0079】
いくつかの実施形態において、存在するd−分散剤の量は、組成物の総重量に基づく重量で、0.1%以上、または0.2%以上、または0.5%以上、または1%以上である。いくつかの実施形態において、存在するd−分散剤の量は、組成物の総重量に基づく重量で、10%以下、または5%以下、または2%以下である。
【0080】
本発明の組成物を利用するいくつかの適切な方法は、組成物全体を水または水性媒体中に入れることを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、水性媒体の重量に基づく重量で、75%以上、または90%以上、または95%以上の量で水を含有する水性媒体中に入れられる。かかる実施形態のいくつかにおいて、組成物の量は、組成物の重量と水または水性媒体の重量との合計に基づく重量で、0.1%以上、または0.2%以上、または0.5%以上、または1%以上、または2%以上、または5%以上、または10%以上、または20%以上である。かかる実施形態のいくつかにおいて、組成物の量は、組成物の重量と水または水性媒体の重量との合計に基づく重量で、80%以下、または60%以下である。
【0081】
本発明の組成物を水中に入れようとする場合、本発明の組成物を水と混合する前に本発明の組成物中に乳化剤を含めることが時として望ましい。いくつかの適切な乳化剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびそれらの相溶性混合物が挙げられる。
【0082】
いくつかの適切なアニオン性界面活性剤としては、例えば、スルフェート、スルホネート、カルボネート、およびそれらの混合物から選択されるアニオンを有するものが挙げられる。いくつかの適切なカチオン性界面活性剤としては、例えば、第四級アンモニウムカチオンを有するものが挙げられる。いくつかの適切な両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン類が挙げられる。
【0083】
いくつかの適切な非イオン性界面活性剤は、例えば、ブロックコポリマーである。いくつかの適切なブロックコポリマーは、例えば、ブチル系ブロックコポリマーである。乳化剤が本発明の組成物中に存在する場合、その量は、例えば、組成物の総重量に基づく重量で、0.5%以上、または1%以上、または5%以上であり得る。独立的に、いくつかの実施形態において、乳化剤の量は、例えば、組成物の総重量に基づく重量で、15%以下、または10%以下、または7%以下であり得る。
【0084】
本発明の組成物が、水または水性媒体中に入れられるとき、組成物の一部または全部は、水または水性媒体中に分散した状態になることが時として望ましい。いくつかの実施形態において、注入可能な流体(a)の一部または全部は、水または水性媒体中に溶解した状態になり得、液滴(b)は水または水性媒体中に分散した状態になり得る。いくつかの実施形態において、注入可能な流体(a)の一部または全部は、液滴(b)とは別個の離散塊としてか、あるいはそれぞれがいくらかの注入可能な流体(a)および1つまたは複数の液滴(b)を含有する離散塊としてかのいずれかで、水または水性媒体中に分散した状態になり得る。
【0085】
本発明の組成物が、水性媒体中に入れられる場合、いくつかの実施形態において、シクロプロペン化合物の量は、組成物+水性媒体の総重量に基づく重量で、100万分の1部(ppm)以上、または10ppm以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、シクロプロペン化合物の量は、組成物+水性媒体の総重量に基づく重量で、1,000ppm以下、または500ppm以下である。
【0086】
シクロプロペン化合物錯体が使用される場合、シクロプロペン化合物錯体と水との間の直接接触によってシクロプロペン化合物が錯体から望まれるよりも早く放出を引き起こされることもあり、またシクロプロペン化合物が(例えば、組成物からの拡散、化学反応、またはそれらの組合せにより)失われる可能性もある。本発明の組成物が水と混合される本発明のこれらの実施形態の実施において、シクロプロペン化合物錯体は固体粒子(ii)中に留まり、その結果、シクロプロペン化合物錯体と水との間の接触が最小にされるかまたは排除され、これによって組成物のうちの所望の高い割合のシクロプロペン化合物分子が、所望されないほど短くはない時間にわたって組成物中に留まると考えられる。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、15℃以下から30℃以上までの温度範囲にわたって液体である。
【0088】
本発明の組成物の1つの可能な使用は、本発明の組成物を植物または植物の部分と接触させることによって植物または植物の部分を処理することである。かかる接触は、さまざまな様式で達成することができる。例えば、本発明の組成物は、植物または植物の部分と直接接触させることができる。別の例として、本発明の組成物は、希釈剤と混合することができ、得られた混合物は植物または植物の部分と直接接触させることができる。いくつかの実施形態において、かかる希釈剤は、水または水性媒体(本明細書において上で記載されているとおり)であり得る。
【0089】
液体組成物(本発明の組成物または本発明の組成物と希釈剤との混合物であり得る)は、植物または植物の部分と、例えば、噴霧、浸漬、どぶづけ、煙霧(fogging)、およびそれらの組合せを含む任意の方法によって適切に接触させることができる。いくつかの適切な方法としては、噴霧または浸漬あるいはそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において噴霧が使用される。噴霧が使用される場合、本発明の液体組成物は、植物または植物の部分の表面の全部または一部上に噴霧されると考えられる。浸漬が使用される場合、植物の部分は本発明の液体組成物中に浸漬されると考えられる。
【0090】
有用な植物の部分を産生する植物は、本明細書では「作物植物」と称する。処理は、成長している植物に対してまたは成長している植物から収穫された植物の部分に対して実施することができる。成長している植物に対する処理の実施において、本発明の組成物は、植物全体と接触させてもよく、または1つもしくは複数の植物の部分と接触させてもよいことが考えられる。植物の部分としては、植物の任意の部分を含み、例えば、花、芽、果粉、種子、さし木、根、球根、果実、野菜、葉、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0091】
作物植物からの有用な植物の部分の除去は収穫として知られている。いくつかの実施形態において、作物植物は、有用な植物の部分の収穫前に、本発明の組成物により処理される。
【0092】
適切な処理は、田畑に、庭に、建物(例えば温室など)に、またはその他の場所に植えられている植物に対して実施することができる。適切な処理は、露地に、1つまたは複数の容器(例えば、植木鉢、プランター、または花瓶など)に、範囲が限定されているまたはかさ上げされている苗床に、あるいはその他の場所に植えられている植物に対して実施することができる。いくつかの実施形態において、処理は、建物内以外の場所にある植物に対して実施される。実施形態によっては、植物は、それらが、例えば、植木鉢、薄い木箱、または持ち運びできる苗床等の容器で成長している間に処理される。
【0093】
本発明の実施において使用するために適する植物の多くは、カテゴリーまたはグループに有用に分けることができる。かかるグループを定義するための1つの有用な方法は、2006年3月23日以前に、「草案」として国際連合の国連食糧農業機関(the Food and Agriculture Organization(「FAO」))により出版された「物資の定義および分類(Definition and Classification of Commodities)」である。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態の実施において、以下の作物のグループのいずれか1つに含まれる1種または複数の作物を産生する植物を使用することが考えられる。
【0095】
作物グループ1は、穀類であり、例えば、コムギ、コメ、オオムギ、トウモロコシ、ポップコーン、ライムギ、オートムギ、キビ、ソルガム、ソバ、キオナ(quiona)、フォニオ、ライコムギ、カナリーシード、カナグア(canagua)、キウイチャ(quihuicha)、ハトムギ、ワイルドライス、および他の穀類が挙げられる。作物グループ3は、糖科作物であり、例えば、サトウキビ、テンサイ、サトウカエデ、サトウモロコシ、サトウヤシおよび他の糖科作物が挙げられる。作物グループ4は、豆類であり、例えば、マメ(beans)、ヒヨコマメ、ガルバンゾ、ササゲ、キマメ、ヒラマメ、およびその他の豆類が挙げられる。作物グループ5は、堅果類であり、例えば、ブラジルナッツ、カシューナッツ、クリ、アーモンド、クルミ、ピスタシオ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、マカダミアナッツ、および他の堅果類が挙げられる。作物グループ6は、採油作物であり、例えば、ダイズ、ラッカセイ(ピーナツを含む)、ココナッツ、アブラヤシ果実、オリーブ、カリテナッツ、トウゴマの実、ヒマワリ種子、ナタネ、キャノーラ、アブラギリナッツ、ベニバナ種子、ゴマ種子、マスタード種子、ケシの種、メロン種子、ナンキンハゼ種子、カポック果実、実綿、アマニ、アサの実およびその他の油料種子が挙げられる。いくつかの実施形態において、ダイズ植物が適する。作物グループ7は、野菜であり、例えば、キャベツ、アーティチョーク、アスパラガス、レタス、ホウレンソウ、カッサバ葉、トマト、カリフラワー、カボチャ、キュウリおよびガーキン、ナス、トウガラシおよびペッパー、グリーンオニオン、ドライオニオン、ニンニク、ニラネギ、他のネギ野菜、グリーンビーンズ、グリーンピース、グリーンブロードビーンズ、サヤエンドウ、ニンジン、オクラ、青トウモロコシ、マッシュルーム、スイカ、カンタロープメロン、タケノコ、サトウダイコン、フダンソウ、ケーパー、カルドン、セロリ、チャービル、クレス、ウイキョウ、セイヨウワサビ、マジョーラム、オイスタープラント、パセリ、パースニップ、ラディッシュ、ルバーブ、ルタバガ、セイボリー、フタナミソウ、スイバ、クレソン、およびその他の野菜が挙げられる。作物グループ8は、果実であり、例えば、バナナおよびプランテーン;カンキツ果実;ナシ状果;核果;ベリー類;ブドウ;トロピカルフルーツ;雑多な(miscellaneous)果実;および他の果実が挙げられる。作物グループ9は、繊維であり、例えば、ワタ、アマ、アサ、カポック、ジュート、ラミー、サイザルアサ、および植物由来のその他の繊維が挙げられる。いくつかの実施形態において、ワタ植物が適する。作物グループ10は香辛料である。作物グループ11は飼料作物である。飼料作物は主として動物の餌のために栽培される作物である。作物グループ12は、刺激物作物、例えば、コーヒー、ココアマメ、茶、マテ茶、茶のような浸出液を作るために使用される他の植物、およびその他の刺激物作物が挙げられる。作物グループ13は、タバコおよびゴムおよびその他の作物であり、例えば、香料、食品、およびその他の産業において使用される植物油、除虫菊、タバコ、天然ゴム、天然ガム、その他の樹脂、および植物蝋が挙げられる。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明は任意の非カンキツ植物(すなわち、ミカン(Citrus)属でない任意の植物)の処理を含む。他の実施形態において、本発明の実施は非カンキツ植物の処理に限定される。独立的に、いくつかの実施形態において、処理される全ての植物は、タバコ(Nicotiana)属のメンバーではない。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、田畑で成長している作物植物を処理するために使用される。かかる処理作業は、特定のグループの作物植物に対して単一の成長期の間に1回または2回以上実施することができる。いくつかの実施形態において、1回の処理で使用されるシクロプロペン化合物の量は、ヘクタール当たり0.1グラム(g/ha)以上、または0.5g/ha以上、または1g/ha以上、または5g/ha以上、または25g/ha以上、または50g/ha以上、または100g/ha以上である。独立的に、いくつかの実施形態において、1回の噴霧作業で使用されるシクロプロペン化合物の量は、6000g/ha以下、または3000g/ha以下、または1500g/ha以下である。
【0098】
収穫された植物の部分を処理する実施形態もまた考えられる。
【0099】
本発明の組成物を水または水性媒体中へ添加することを含むいくつかの実施形態において、水または水性媒体は、1種または複数のキレート剤を含有する。キレート剤は、金属原子との2つ以上の配位結合を形成することができる2個以上の電子供与体原子を含有する化合物である。
【0100】
1種または複数のキレート剤が使用される実施形態において、適切なキレート剤としては、例えば、有機および無機キレート剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、キレート剤としては、1種または複数のアミノカルボン酸、1種または複数のそれらの塩、1種または複数のヒドロキシカルボン酸、1種または複数のそれらの塩、1種または複数のオキシム、あるいはそれらの混合物が挙げられる。いくつかの適切なアミノカルボン酸としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびそれらの混合物の中性または塩の形態が挙げられる。いくつかの適切なヒドロキシカルボン酸としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、およびそれらの混合物の中性または塩の形態が挙げられる。いくつかの適切なオキシムとしては、例えばジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、およびそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、EDTAの中性または塩の形態が使用される。いくつかの実施形態において、金属錯化剤は使用されない。
【0101】
本明細書および特許請求の範囲においては、特に別の記述がない限り、作業は、空気中で1気圧において25℃で実施されることを理解されたい。
【実施例】
【0102】
以下の実施例では、次の材料を使用した:
錯体1=重量で4.7%の1−MCPが含有された1−MCPとα−シクロデキストリンとの錯体を含有する乾燥粉末。錯体1は、最大寸法で測定した場合のメジアン径が50マイクロメートル未満となるように空気粉砕にかけた。
HC01=ExxonMobil ChemicalからのISOPAR(商標)V炭化水素、C12〜C20の石油炭化水素。
PAVP=AGRIMER(商標)AL−22分散剤、アルキル化ビニルピロリドンのポリマー、ISP Corporation。
PVPVA=AGRIMER(商標)VA5I分散剤、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ISP Corporation。
BCP=TOXIMUL(商標)8320乳化剤、ブチル系ブロックコポリマー、Stepan Co.。
シリカ1=AEROSIL(商標)R972シリカ、ジメチルジクロロシランで処理したヒュームドシリカ、粒径5〜50ナノメートル、Evonik Industries。
PC=JEFFSOL(商標)AG−1550溶媒、炭酸プロピレンを含有する、Huntsman Performance Products。
ワックス=パラフィンワックス、融点53〜57℃、Aldrich Chemical。
ゼリー=VASELINE(商標)ワセリン(Unilever United States製、Aldrich Chemicalから入手可能)。
Soy=DRITEX(商標)S水素化ダイズ油、完全水素化、Stratus Foods。
EVA=ELVAX(商標)250エチレン−酢酸ビニルコポリマー、DuPont。
HC02=UNIPAR(商標)260石油炭化水素、UniSource Energy, Inc.。
【0103】
「ベース」(注入可能な流体(a)用)
2.5gのシリカ1および55.51gのPCを混合し、高剪断ミキサーにより分散させて懸濁液を形成し、それを60℃〜70℃に加熱した。
【0104】
比較例A
液滴配合物:13.44gのHC0lおよび0.65gのPAVPを混合し、60℃〜70℃に加熱し、次いで21.50gの錯体1を混ぜ合わせた。まだ60℃〜70℃である間に、この液滴配合物をベース(同様に60〜70℃で)と組み合わせ、高剪断ミキサーにより、粘度が非常に濃厚に見えるまで分散させた。1.4gのPVPVAを添加し、混合物を手で振盪した。次に5.00gのBCPを添加し、混合物を手で振盪した。PVPVAおよびBCPの添加後、粘度は幾分低下するように見える。得られたエマルジョンは25℃まで放冷した。これはHC01が25℃で高粘度の液体ではないので比較例である。
【0105】
実施例1〜4
13.44gのHCOlを、13.44gの次のさまざまな成分に置き換えたこと以外は比較例Aの方法を使用して組成物を作った:
実施例1はワックス(25℃で固体)を使用した
実施例2はゼリー状のもの(25℃で高粘度の液体)を使用した
実施例3はSoy(25℃で固体)を使用した
実施例4はHC02中のEVAの溶液(溶液の重量に基づく重量で10%のEVA)(25℃でゲル)を使用した。
【0106】
観察:
それぞれの実施例を炭酸プロピレン中に希釈し、結果を、倍率400倍の光学顕微鏡で観察した。さらにそれぞれの実施例を水中に希釈し、結果を、倍率400倍の光学顕微鏡で観察した。それぞれの場合において、錯体1の粒子は液滴中に分散しているのが観察され、液滴は視野全体にわたって分散しているのが観察された。
【0107】
錯体1の粒子は、その組成が各実施例における液滴配合物である液敵中に分散していることが観察された。
【0108】
希釈した配合物の観察は、実施例1〜4のそれぞれが、固体粒子(ii)として作用する錯体1の粒子を有することを示した。これらの粒子は、液滴(b)として作用するさまざまな液滴配合物で作られた液滴中に分散していた。液滴は、注入可能な流体(a)として作用する炭酸プロピレン中に分散していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)注入可能な非水性流体と
(b)前記注入可能な流体(a)中に分散した液滴であって、
(i)固体または高粘度の液体である非水性連続相および
(ii)前記連続相(i)中に分散した固体粒子
を含む液滴と
を含む組成物であって、前記固体粒子(ii)が、最大寸法で測定して、100マイクロメートル以下のメジアン径を有し、前記固体粒子(ii)が、1種または複数のシクロプロペン化合物および1種または複数の分子封入剤を含む、組成物。
【請求項2】
前記注入可能な流体(a)が、1種または複数の炭酸アルキレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記注入可能な流体(a)が、2.5デバイ以上の双極子モーメントを有する1種または複数の有機化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記連続相(i)が、炭化水素、非炭化水素ワックス、脂肪族化合物、有機ポリマーおよび有機流体を含有する混合物、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の有機化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記連続相(i)が、1.5デバイ以下の双極子モーメントを有する1種または複数の有機化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記連続相(i)が、前記注入可能な流体(a)中に溶解性でない、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
水をさらに含み、水の量が前記組成物の重量に基づいて50重量%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記植物または植物の部分を請求項1に記載の組成物と接触させるステップを含む、植物または植物の部分を処理する方法。
【請求項9】
前記植物または植物の部分を請求項7に記載の組成物と接触させるステップを含む、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2013−521283(P2013−521283A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556080(P2012−556080)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2011/024120
【国際公開番号】WO2011/109144
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】