説明

シクロヘキサンカルボン酸の製造方法

【課題】シクロヘキサンカルボン酸を容易で安全に製造する方法を提供する。
【解決手段】ベンゼンカルボン酸を、水素化触媒および塩基の存在下、0.7〜4MPaの圧力下で水素添加させることを特徴とするシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロヘキサンカルボン酸の製造方法に関する。より詳しくは、ベンゼンカルボン酸を水素添加させることによるシクロヘキサンカルボン酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シクロヘキサンカルボン酸は、耐熱性樹脂の製造原料等として有用な化合物である。
【0003】
シクロヘキサンカルボン酸の製造方法として、種々の方法が知られている。例えば、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液に、カルボキシル基として当量のテレフタル酸を加え、ニッケル触媒存在下、140℃〜260℃、水素圧7.8〜11.8MPaで1.5〜7時間かけて水素添加させた後、濾過し、強酸処理して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を得る方法(特許文献1参照)、イソフタル酸および当該カルボキシル基と当量の水酸化ナトリウム水溶液を用いてイソフタル酸ナトリウム水溶液を調製し、二酸化ルテニウム触媒存在下、110℃、水素圧4.1〜9.0MPaで2〜6時間かけて水素添加させた後、濾過し、塩酸処理して乾燥し、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を得る方法(特許文献2参照)、トリメリット酸無水物および当該カルボキシル基と当量の水酸化ナトリウム水溶液を用いてトリメリット酸ナトリウム水溶液を調製し、ルテニウム触媒存在下、120℃、水素圧約16.5MPaで水素添加させた後、塩酸処理し、濾過して乾燥し、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸を得る方法(特許文献3参照)等が知られている。
【0004】
しかしながら、これらの製造方法によると、高温高圧反応に適した特別な設備が必要となり、また安全に製造するための特別な注意が必要となる。
【特許文献1】特公昭50−10581号公報
【特許文献2】米国特許第2828335号明細書
【特許文献3】米国特許第3444237号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、シクロヘキサンカルボン酸を容易で安全に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記に示すとおりのシクロヘキサンカルボン酸の製造方法を提供するものである。
項1. ベンゼンカルボン酸を、水素化触媒および塩基の存在下、0.7〜4MPaの圧力下で水素添加させることを特徴とするシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
項2. 水素化触媒が、白金族触媒であることを特徴とする項1に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
項3. 塩基が、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種である項1または2に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
項4. ベンゼンカルボン酸が、イソフタル酸またはテレフタル酸である項1〜3のいずれか1項に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法は、ベンゼンカルボン酸を、水素化触媒および塩基の存在下、0.7〜4MPaの圧力下で水素添加させることを特徴とする。
【0009】
本発明に用いられるベンゼンカルボン酸は、当該ベンゼン環に少なくとも1個のカルボキシル基が結合してなる化合物であり、当該ベンゼン環には、カルボキシル基以外の置換基が結合していてもよい。カルボキシル基以外の置換基としては、例えば、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基およびアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0010】
このベンゼンカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4−アミノ安息香酸、トリメリット酸および無水トリメリット酸等を挙げることができる。これらの中でも、イソフタル酸およびテレフタル酸が好適に用いられる。
【0011】
本発明に用いられる水素化触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウムおよび白金等の白金族触媒を挙げることができる。これらの中でも、反応性や経済性の観点から、ルテニウム、パラジウムおよびロジウムが好ましい。白金族触媒は、白金族金属をアルミナ、シリカ、活性炭等の担体に担持させたものが好ましく、その担持量は、触媒全体量に対して1〜20重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。なお、これら水素化触媒は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
水素化触媒の使用割合は、特に限定されるものではないが、ベンゼンカルボン酸100重量部に対して、0.025〜2.5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。
【0013】
本発明に用いられる塩基としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でも、工業化に際してコスト的に有利である観点から、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好適に用いられる。なお、これら塩基は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
塩基の使用割合は、特に限定されるものではないが、収率の観点から、使用するベンゼンカルボン酸のカルボキシル基に対して0.5〜1当量であることが好ましい。塩基の使用量を低減することにより、目的物である反応生成物を単離するために用いる酸の使用量をも低減することができる。さらに、塩基の使用量を低減することにより、これを溶解するために用いられる反応溶媒の使用量を低減することができることから、反応容器の容積効率を向上させることができる。
【0015】
本発明において、水素添加に用いられる水素源としては、通常、水素ガスが用いられる。また、水素添加の反応圧力は0.7〜4MPaである。
【0016】
一般に、ベンゼンカルボン酸は、当該化合物中の芳香環が共鳴エネルギーにより安定であることから、当該芳香環に対する水素添加反応は、高温、高圧条件で行う必要があると考えられていた。本発明において、反応圧力が従来法に比べて顕著に低圧であってもベンゼンカルボン酸の水素添加反応が充分に進行し、シクロヘキサンカルボン酸を高収率で得ることができる理由は詳らかではないが、当該反応において塩基が触媒的に作用するためであると考えられる。
【0017】
水素添加に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性であれば特に制限されず、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類や水等の水性溶媒が挙げられ、中でも水が好適に用いられる。
【0018】
反応溶媒の使用量は、特に制限されないが、ベンゼンカルボン酸100重量部に対して、300〜1500重量部であることが好ましく、400〜1000重量部であることがより好ましい。
【0019】
反応温度は、特に制限されるものではないが、20〜250℃が好ましく、30〜150℃がより好ましく、40〜130℃が特に好ましい。また、反応時間は、反応圧力や反応温度等により異なるが、1〜60時間が好ましく、5〜30時間がより好ましい。
【0020】
水素添加の反応操作としては、例えば、先に、所定量のベンゼンカルボン酸、水素化触媒、塩基および反応溶媒を反応器に仕込んだ後、反応系内を水素ガスで置換して昇圧し、所定の温度に昇温して反応させる方法が挙げられ、水素の消費が認められなくなった時点をもって反応終了とする。
【0021】
かくして得られたシクロヘキサンカルボン酸は、常法通り、当該反応液を濾過して水素化触媒を除去した後、塩酸等の酸を適当量加えて酸性化して晶析する方法等により単離することができる。
【0022】
上記のようにして得られるシクロヘキサンカルボン酸の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸および1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高温高圧反応のための特別な設備を用いることなく、シクロヘキサンカルボン酸を容易で安全に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
【0025】
実施例1
内容積1,000ml容のオートクレーブに、テレフタル酸181.1g、8%水酸化ナトリウム水溶液745g(テレフタル酸のカルボキシル基に対して0.68当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:50.00%))36.2gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、130℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ130℃で54時間反応させた。反応終了後、薄層クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、テレフタル酸は認められなかった。反応終了後の反応液を濾過して5%Ru/活性炭触媒を除去した後、35%塩酸233gを加え、濾過し、乾燥して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸139gを得た。
【0026】
実施例2
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、テレフタル酸1.661g、8%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(テレフタル酸のカルボキシル基に対して1.0当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で8時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は99.3%であった。
【0027】
実施例3
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、テレフタル酸1.661g、6%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(テレフタル酸のカルボキシル基に対して0.75当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で10時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は98.9%であった。
【0028】
実施例4
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、テレフタル酸1.661g、4%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(テレフタル酸のカルボキシル基に対して0.5当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で10時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は99.0%であった。
【0029】
実施例5
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、テレフタル酸1.661g、4%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(テレフタル酸のカルボキシル基に対して0.5当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を4.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を3.0〜4.0MPaに維持しつつ60℃で6時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は98.5%であった。
【0030】
比較例1
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、テレフタル酸1.661g、水10.0gおよび5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、130℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、130℃にて8時間保持した。なお、当該保持時間中において、オートクレーブ内の水素圧は低下することはなかった。8時間経過後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の生成は認められず、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は0%であった。
【0031】
実施例2〜5および比較例1の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

実施例6
内容積1,000ml容のオートクレーブに、イソフタル酸124.6g、8%水酸化ナトリウム水溶液745g(イソフタル酸のカルボキシル基に対して1.0当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:50.00%))24.7gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、130℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ130℃で35時間反応させた。反応終了後、薄層クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、イソフタル酸は認められなかった。反応終了後の反応液を濾過して5%Ru/活性炭触媒を除去した後、35%塩酸234gを加え、濾過し、乾燥して1,3−シクロヘキサンジカルボン酸104.4gを得た。
【0033】
実施例7
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、イソフタル酸1.661g、8%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(イソフタル酸のカルボキシル基に対して1.0当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で12時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は99.1%であった。
【0034】
実施例8
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、イソフタル酸1.661g、6%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(イソフタル酸のカルボキシル基に対して0.75当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で18時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は99.4%であった。
【0035】
実施例9
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、イソフタル酸1.661g、4%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(イソフタル酸のカルボキシル基に対して0.5当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を0.7〜1.0MPaに維持しつつ60℃で20時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は98.7%であった。
【0036】
実施例10
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、イソフタル酸1.661g、4%水酸化ナトリウム水溶液10.0g(イソフタル酸のカルボキシル基に対して0.5当量)および5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、60℃まで昇温した。その後、水素を4.0MPaまで圧入し、オートクレーブ内の圧力を3.0〜4.0MPaに維持しつつ60℃で6時間反応させた。反応終了後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は98.3%であった。
【0037】
比較例2
内容積100ml容のマグネティックスターラー撹拌式オートクレーブに、イソフタル酸1.661g、水10.0gおよび5%Ru/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社製:5%Ruカーボン粉末(含水品)Aタイプ(HO:51.04%))0.339gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気を窒素で置換した後、さらに水素で置換し、130℃まで昇温した。その後、水素を1.0MPaまで圧入し、130℃にて8時間保持した。なお、当該保持時間中において、オートクレーブ内の水素圧は低下することはなかった。8時間経過後、高速液体クロマトグラフィーを用いて反応液を分析したところ、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の生成は認められず、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の反応収率は0%であった。
【0038】
実施例7〜10および比較例2の結果を表2に示す。
【0039】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゼンカルボン酸を、水素化触媒および塩基の存在下、0.7〜4MPaの圧力下で水素添加させることを特徴とするシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
【請求項2】
水素化触媒が、白金族触媒であることを特徴とする請求項1に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
【請求項3】
塩基が、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
【請求項4】
ベンゼンカルボン酸が、イソフタル酸またはテレフタル酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。

【公開番号】特開2009−40717(P2009−40717A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207111(P2007−207111)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【出願人】(805000018)財団法人名古屋産業科学研究所 (55)
【Fターム(参考)】