説明

シクロペンタンカルボキサミド誘導体、このような化合物を含む薬物及びそれらの使用

本発明は式1
【化1】


(式中、R1、R2、R3、LO、W、AR1 、nは請求項1に定義されたとおりである)
のシクロペンタンカルボキサミド誘導体、脂肪酸シンターゼインヒビターとしてのそれらの使用、それらの治療上の使用方法及びそれらを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシクロペンタンカルボキサミド誘導体、このような化合物の調製方法、脂肪酸シンターゼインヒビターとしてのそれらの使用、それらの治療上の使用のための方法及びそれらを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満及び糖尿病は米国、欧州、日本及び発展途上国で流行の比率に達しつつある。肥満は代謝症候群、特に2型糖尿病の並存症の主要な動因である。
肥満に有効な薬物療法が現在まで利用できず、また現在の糖尿病治療薬はその疾患の進行を停止しないので、大きな満たされない医療上の要望がある。
脂肪酸シンターゼ (FAS)は内因性脂質生成に重要な酵素であり、脂質及び炭水化物細胞代謝の主要な中間体の変調に重要な役割を果たす。FAS は高度の代謝活性を有する組織(例えば、肝臓、脂肪組織及び脳)中で高度に発現され、FAS インヒビターが末梢組織中で有益な代謝作用を生じると考えるのには良い理由がある。加えて、視床下部中のFAS の抑制は低減された食物摂取をもたらすかもしれない。非特異性の不可逆的FAS インヒビターセルレニン及びC-75 が食欲促進の神経ペプチドの脳レベルを低下し、食物摂取を低減すると文献に報告されていた。
FAS はまたヒト皮脂細胞(脂腺の脂質生成細胞)中で高度に発現される。アクネは脂腺を伴なう最も普通の疾患である。アクネの病因は脂腺による脂質(過剰)生成を伴ない、哺乳類のFAS のインヒビターが皮脂細胞中の皮脂の生成を抑制することが報告されていた (US 2005/0053631) 。アクネは皮脂脂質なしでは生じ得ない。アクネの治療において皮脂生成を低減する薬剤についての満たされない医療上の要望がある。
バクテリア中の脂肪酸合成は細胞生存に必須であるので、バクテリアのFAS (II型シンターゼ) が抗菌治療に潜在的な標的として出現した。殆どのその他の原核生物中と違って、ミコバクテリア中の脂肪酸シンターゼ活動は哺乳類のFAS の関連する高分子量の、多機能性ペプチド一本鎖(I型シンターゼ)により行なわれる。ミコバクテリアのI型FAS が抗菌療法、例えば、結核の治療に潜在的な標的として記載されていた。結核菌、及び発生しているマイコバクテリウム・ツベルクローシスの多剤耐性株で感染されている世界の人口の1/3では、新規結核治療薬についての高度の医療上の要望がある (Silvana C. Ngo ら著: ピラジンアミド類似体による分離されたミコバクテリウム・ツベルクローシス脂肪酸シンターゼの抑制; Antimicrobial agents and Chemotherapy 51,7 (2007) 2430-2435)。
【0003】
最近、スフィンゴミエリン及びコレステロールに富む細胞器官膜のミクロドメイン(“脂質ラフト”と称される)がC型肝炎ウイルス(HCV) 複製複合体のスカフォードとして作用すると考えられていた (F. Amemiyaら著: C型肝炎ウイルス感染症の治療における脂質代謝のターゲッティング. The Journal of Infectious Diseases 197 (2008) 361-70)。それ故、膜脂質の組成及び/又は分布の変化がウイルスの複製に影響し得る。実際に、多不飽和脂肪酸又はHMG-CoA 還元酵素インヒビター(スタチン)のような脂質代謝に関連する薬剤が遺伝子型1 HCV (dto) の複製に影響すると示されていた。これらの薬剤はそれらの薬理学的作用に従って、脂質ラフトの破壊によりHCV 複製を転写減衰し得る。HCV 複製の抑制をおそらく担う別の分子メカニズムは脂質アンカーリングの変化によりホストタンパク質の局在化を変化することによる (S. M. Sagan ら著: ホスト細胞構造及びC型肝炎ウイルス複製についてのコレステロール及び脂質代謝の影響 Biochem. Cell Biol. 84 (2006) 67-79) 。
多不飽和脂肪酸と違って、培養SfiI細胞への飽和脂肪酸又はオレイン酸の添加がHCV RNA 複製を促進した(S. B. Kapadia, F. V. Chisari 著: C型肝炎ウイルスRNA 複製がホストゲラニルゲラニル化及び脂肪酸により調節される PNAS 102 (2005) 2561-66)。これに一致して、脂肪酸シンターゼの発現がHCV 感染後にヒト肝癌細胞系中で増大されたことが報告されていた (W. Yang ら著: 脂肪酸シンターゼがC型肝炎ウイルス感染中にアップレギュレーションされ、C型肝炎ウイルス侵入を調節する Hepatology 48,5 (2008) 1396-1403)。更に、TOFA (アセチル-CoAカルボキシラーゼのインヒビター) 又は脂肪酸シンターゼのインヒビター (セルレニン, C75)による脂肪酸生合成の抑制が、減少されたHCV 生成(dto) へと導いた。
【0004】
ウイルス複製又は感染についての脂肪酸シンターゼ(FAS) 活性の効果はHCV に限定されないことが明らかであるが、またHIV (D. H. Nguyen, D. D. Taub著: HIV 感染を予防するための脂質ターゲッティング Molecular Interventions 4,6 (2004) 318-320) 、ポリオウイルス(R. Guinea, L. Carrasco著: ポリオウイルス感染細胞における脂質合成及びウイルスRNA 複製についての脂肪酸の効果 Virology 185 (1991) 473-476) 、エプスタイン・バールウイルス (Y.Li.ら著: 脂肪酸シンターゼ発現がエプステイン・バールウイルス即時早期タンパク質BRLF1 により誘発され、溶菌ウイルス遺伝子発現のために必要とされる Journal of Virology 78,8 (2004) 4197-4206) 、ヒトパピローマウイルス (L. Louwら著: HPV-誘発再発喉頭乳頭腫症: 脂肪酸役割プレイヤーAsia Pac J Clin Nutr 17 (S1) (2008) 208-211)、コクサッキーウイルスB3 (A. Rassmann ら著: ヒト脂肪酸シンターゼ: コクサッキーウイルスB3誘発疾患の新しい治療標的? Antiviral Research 76 (2007) 150-158) 、ラウス肉腫ウイルス (H. Goldfine ら著: ラウス肉腫ウイルスの複製についての脂質合成のインヒビターの効果 主要非グリコシル化ウイルス構造タンパク質のプロセシングについてのセルレニンの特異的効果 Biochimica et Biophysica Acta 512 (1978) 229-240)だけでなく、ヒトサイトメガロウイルス (HCMV) 、及びインフルエンザAウイルス (J. Mungerら著: システム-レベル代謝フラックスプロファイリングが脂肪酸合成を坑ウイルス治療の標的として同定するNature Biotechnology 26 (2008) 1179-1186)について報告されていた。
一緒にされて、ホストのFAS の活性がウイルス感染及びウイルス複製に重要な役割を果たすという証拠が増大しつつあり、FAS を坑ウイルス治療の標的として示唆する。
FAS の発現は多くの癌で強く増大され、有効な脂肪酸合成が腫瘍細胞生存に必要とされるという証拠がある。それ故、FAS の抑制が腫瘍学の新しい方向と示唆されていた (Expert Opin. Investig. Drugs 16,1 (2007)1817-1829) 。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は新規シクロペンタンカルボキサミド誘導体、特に酵素脂肪酸シンターゼ (FAS) に関して活性であるものを提供することである。
本発明の更なる目的はin vitro及び/又はin vivo で酵素FAS に対して抑制効果を有し、かつそれらを薬物として使用するのに適した薬理学的性質及び薬物動態学的性質を有するシクロペンタンカルボキサミド誘導体を提供することである。
本発明の更なる目的は特に代謝障害、例えば、肥満及び/又は糖尿病の治療又は予防のための、有効なFAS インヒビターを提供することである。
本発明の更なる目的は少なくとも一種のFAS インヒビターを含む医薬組成物を提供することである。
本発明の更なる目的は種々の疾患を治療又は予防するための方法を提供することである。
本発明の更なる目的は本明細書中の先の記載及び以下の記載並びに実施例により当業者に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の範囲内で、以下に記載される一般式Iのシクロペンタンカルボキサミド誘導体が酵素脂肪酸シンターゼ (FAS)に関して抑制活性を示すことが驚くべきことに今わかった。
それ故、第一の局面において、本発明は式Iの化合物、その互変異性体、これらの立体異性体、これらの混合物及びこれらの塩を提供する。
【0007】
【化1】

【0008】
式中、
Ar1 はフェニル環又は5員もしくは6員単環式ヘテロアリール基を表し、これはN、O及びSからなる群から独立に選ばれた1〜4個のヘテロ原子を有し、
前記フェニル環又は前記5員もしくは6員単環式ヘテロアリール基は単結合を介して基Ar2 に結合されてもよく、又は基Ar2 に縮合されてもよく、
1個以上のC原子が置換基L1で互いに独立に置換されていてもよく、かつ
1個以上のイミノ基が置換基RN0 で互いに独立に置換されていてもよく、かつ
Ar2 は5員又は6員飽和又は不飽和炭素環式環(これはN、O及びSからなる群から独立に選ばれた1個又は2個のヘテロ原子を有してもよく、又は3個もしくは4個のN原子を有してもよい)を表し、かつ
Wは単結合、-C≡C- 、-CH=CH- 、-CH2-CH2- 又は-CH2-O- を表し、
R1はC1-4-アルキルを表し、
R2はH又はC1-4-アルキルを表し、
R3はC1-6-アルキル、C3-6-アルケニル、C3-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル又はRN1RN2N-を表し、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基の夫々がRN1RN2N-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-RN0N-、HO- 、C1-4-アルキルオキシ、C3-7-シクロアルキル、フェニル及びピリジニルからなる群から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
前記シクロアルキル、フェニル及びピリジニルが1個以上の置換基L2で置換されていてもよく、
RN0 はH又はC1-4-アルキルを表し、
RN1 、RN2は互いに独立にH、C1-4-アルキル、フェニル、ピリジニル、フェニル-C1-3-アルキル、ピリジニル-C1-3-アルキルから選ばれ、又はRN1 、RN2 は互いに結合されてRN1RN2N- 基のN原子とともに複素環(ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又は4-(C1-4-アルキル)-ピペラジニルからなる群から選ばれる)を形成し、
L0、L1は互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C1-4-アルキルオキシ、C1-4-アルキルカルボニル、RN1RN2N- 、RN1RN2N-C1-3-アルキル-、RN1RN2N-CO-、C1-4-アルキル-CO-NRN0- 及びC1-4-アルキル-SO2-NRN0-からなる群から選ばれ、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよく、
L2は互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-4-アルキル、C1-4-アルキルオキシ、RN1RN2N-、RN1RN2N-C1-3-アルキル- からなる群から選ばれ、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよく、
nは0から4までの整数を表し、
特にことわらない限り、上記アルキル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0009】
更なる局面において、本発明は一般式Iの化合物の調製方法及びこれらの方法における新規中間体化合物、又はこれらの塩に関する。
更なる局面において、本発明は本発明の一般式Iの化合物の塩、特に生理学上許される塩に関する。
更なる局面において、本発明は必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、本発明の一般式Iの一種以上の化合物又はこれらの一種以上の生理学上許される塩を含む、医薬組成物に関する。
更なる局面において、本発明は一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の酵素脂肪酸シンターゼ(FAS) に関する活性を抑制することにより影響し得る疾患又は症状の治療又は予防方法に関する。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の肥満、過剰体重、体重増又は食事障害の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の食欲及び/又は満腹の調節方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の代謝障害及び/又は代謝障害と関連する合併症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の心血管疾患の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の炎症性疾患の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、本発明は一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の神経変性疾患の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の脂腺の疾患を治療もしくは予防するため、かつ/又は皮脂腺中の皮脂生成を減少するための方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者のミコバクテリア感染症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者のウイルス感染症の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、一般式Iの化合物又はその塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の癌の治療又は予防方法が提供される。
本発明の別の局面によれば、先に、また以下に記載される治療方法及び/又は予防方法のための薬物の製造のための一般式Iの化合物又はその生理学上許される塩の使用が提供される。
本発明の別の局面によれば、先に、また以下に記載される治療方法及び/又は予防方法のための一般式Iの化合物又はその生理学上許される塩が提供される。
本発明のその他の局面が先に、また以下に記載される明細書及び実験部分から当業者に明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
式Iの化合物は二置換シクロペンタン環を示す。こうして、本発明の化合物はシクロペンタン環に二つのキラル中心を有し、その結果、立体異性体RS、SR、RR及びRRが区別し得る。本発明の化合物は1個以上の更なるキラル基を示し得る。本発明の化合物は2種以上の上記立体異性体の混合物として存在し得る。ラセミ体を含む、異なるジアステレオマーの形態の化合物は分離されてもよく、必要により、当業界で知られている方法により精製されてもよい。
一実施態様によれば、本発明の化合物が式I-RSにより記載される。
【0011】
【化2】

【0012】
別の実施態様によれば、本発明の化合物が式I-RRにより記載される。
【化3】

【0013】
更に別の実施態様によれば、本発明の化合物が式I-SSにより記載される。
【化4】

【0014】
更に別の実施態様によれば、本発明の化合物が式I-SRにより記載される。
【化5】

【0015】
一局面によれば、本発明が式I-RS及びI-SRの化合物の混合物に関する。その混合物はラセミ混合物であってもよい。その混合物が50質量%より多い式I-RSの化合物を含むことが好ましい。その混合物が80質量%より多い式I-RSの化合物を含むことが更に好ましい。
別の局面によれば、本発明が式I-RR及びI-SSの化合物の混合物に関する。
特にことわらない限り、基、残基、及び置換基、特にAr1 、Ar2 、W、R1、R2、R3、RN0 、RN1 、RN2 、L0、L1、L2及び指数nは先に、また以下に定義されるとおりである。残基、置換基、又は基が化合物中に数回、例えば、L0、L1又はL2として現れる場合には、それらは同じ意味又は異なる意味を有してもよい。本発明の化合物の個々の基及び置換基の幾つかの好ましい意味が以下に示されるであろう。
【0016】
Ar1:
Ar1-A1:一実施態様において、基Ar1がフェニル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル又はオキサゾリルを表すことが好ましい。
Ar1-A2:この実施態様において、基Ar1 がフェニル、チエニル又はピリジニルを表すことが更に好ましい。
Ar1-B1: 別の実施態様において、基Ar1 がフェニル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル又はオキサゾリルを表すことが好ましく、これらの全てが基Ar2に縮合されている。
Ar1-C1: 更に別の実施態様において、基Ar1 がフェニル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル又はオキサゾリルを表すことが好ましく、これらの全てが単結合を介して基Ar2 に結合されている。
基Ar2 がフェニル、ピリジル、ピロリル、ジヒドロピロリル、フラニル、ジヒドロフラニル又はジオキソリルを表すことが好ましい。
Ar1-B2:実施態様Ar1-B2 において、基Ar1 がベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、ベンゾ [1,3]ジオキソール、ナフチル、キノリン又はイソキノリンを表すことが更に好ましい。
Ar1-B3: この実施態様において、基Ar1 が下記の基を表すことが最も好ましい。
【0017】
【化6】

【0018】
Ar1-C2: 実施態様Ar1-C1 において、基Ar1 がビフェニル、フェニルピリジニル又はピリジニルフェニル、例えば、5-フェニル-ピリジン-2-イルを表すことが更に好ましい。
前記実施態様において、基Ar2 を含む、基Ar1 、1個以上の炭素原子が互いに独立に置換基L1で置換されていてもよく、また1個以上のイミノ基が互いに独立に置換基RN0 で置換されていてもよい。
L0:
置換基L0が互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C1-3-アルキルオキシ、C1-4-アルキルカルボニル、アミノ、C1-3-アルキルアミノ、及びジ-(C1-3-アルキル)アミノからなる群から選ばれることが好ましく、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよい。
置換基L0の好ましい例はF、Cl、Br、シアノ、OH、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、エテニル、プロペニル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i-プロポキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、アミノ、メチルアミノ、及びジメチルアミノである。
【0019】
L1:
置換基L1が互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C1-3-アルキルオキシ、C1-4-アルキルカルボニル、アミノ、C1-3-アルキルアミノ、ジ-(C1-3-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、C1-3-アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1-3-アルキル)アミノカルボニル、C1-3-アルキル-カルボニルアミノ、及びC1-3-アルキル-スルホニルアミノからなる群から選ばれることが好ましく、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよい。
置換基L1の好ましい例はF、Cl、Br、シアノ、OH、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、エテニル、プロペニル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i-プロポキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、メチルカルボニルアミノ、及びメチルスルホニルアミノである。
n:
整数nが0、1、2又は3を表すことが好ましく、0、1又は2を表すことが更に好ましい。
W:
W-A:一実施態様において、基Wが単結合を表す。
W-B:別の実施態様において、基Wが-C≡C-を表す。
W-C:更に別の実施態様において、基Wが-CH=CH-を表す。
W-D:更に別の実施態様において、基Wが-CH2-CH2-を表す。
W-E:更に別の実施態様において、基Wが-CH2-O-を表す。
【0020】
R1:
置換基R1がメチル又はエチル、特にメチルを表すことが好ましい。
R2:
置換基R2がH又はメチル、特にHを表すことが好ましい。
R3:
R3-A:置換基R3がC1-6-アルキル、C3-4-アルケニル、C3-4-アルキニルもしくはC3-6-シクロアルキル又はRN1RN2N-を表すことが好ましく、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基の夫々がRN1RN2N-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-RN0N-、HO- 、C1-4-アルキルオキシ、C3-7-シクロアルキル、フェニル及びピリジニルからなる群から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、前記シクロアルキル、フェニル及びピリジニルが1個以上の置換基L2で置換されていてもよい。
R3-B:置換基R3がC1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C1-4-アルキルオキシ-C1-3-アルキル、RN1RN2N-、RN1RN2N-C1-6-アルキルを表すことが好ましく、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよい。
R3-C:好ましい置換基R3の例はメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、1-メチルエチル、プロピル、シクロプロピル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アミノペンチル、アミノヘキシル、ジメチルアミノペンチル、ジメチルアミノヘキシル、4-(ジメチルアミノメチル)-シクロヘキシルメチル及び3-(N-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルである。
【0021】
L2:
置換基L2が互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-3-アルキル、C1-3-アルキルオキシ、C1-4-アルキルカルボニル、アミノ、C1-3-アルキルアミノ、ジ-(C1-3-アルキル)アミノ、アミノ-C1-3-アルキル、C1-3-アルキルアミノ-C1-3-アルキル、ジ-(C1-3-アルキル)アミノ-C1-3-アルキル、ピロリジニル-C1-3-アルキル、ピペリジニル-C1-3-アルキル、ピペラジニル-C1-3-アルキル、N-(C1-3-アルキル)ピペラジニル-C1-3-アルキルからなる群から選ばれることが好ましく、夫々のアルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよい。
置換基L2の好ましい例はF、Cl、Br、シアノ、OH、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、エテニル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i-プロポキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、ピペラジニルメチル、N-メチルピペラジニルメチルである。
RN0:
置換基RN0 がH、メチル又はエチル、特にH又はメチルを表すことが好ましい。
RN1, RN2:
置換基RN1 、RN2 が互いに独立にH、C1-3-アルキルから選ばれることが好ましく、又はRN1 、RN2 が互いに結合されてRN1RN2N- 基のN原子と一緒に複素環(ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又は4-(C1-4-アルキル)-ピペラジニルからなる群から選ばれる)を形成する。
置換基RN1 、RN2 の好ましい例はH、メチル、エチルであり、又はRN1 、RN2 が互いに結合されて-NRN1RN2基のN原子と一緒に複素環(ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又は4-メチル-ピペラジニルからなる群から選ばれる)を形成する。
本発明の好ましい下位概念の実施態様の例が下記の表に示され、この場合、夫々の実施態様の夫々の置換基が先に示された定義に従って特定され、また式I又はI-RSの全てのその他の置換基が先に示された定義に従って特定される。
【0022】
【表1】

【0023】
下記の化合物(それらの互変異性体、立体異性体、これらの混合物及びこれらの塩を含む)が、特に好ましい。
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド、
(1R,3S)-3-アセチルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド、
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
用語及び定義
本発明の化合物を記載するために先に、また以下に使用される幾つかの用語が今一層厳密に定義されるであろう。
“本発明の(一種以上の)化合物”、“式 (I)の(一種以上の)化合物”等の用語はそれらの互変異性体、立体異性体、これらの混合物及びこれらの塩、特にこれらの生理学上許される塩、及びこのような化合物の溶媒和物(このような互変異性体、立体異性体及びこれらの塩の溶媒和物を含む)を含む本発明の式 (I)の化合物を表す。
“治療”という用語は特に、顕著な形態の、前記症状を既に発生した患者の治療措置を含む。治療措置は特別な指示の症候を軽減するための対症措置或いは指示の症状を反転もしくは部分反転するため、又はその疾患の進行を停止もしくは遅延するための原因措置であってもよい。こうして、本発明の組成物及び方法は、例えば、時間の期間にわたる治療措置としてだけでなく、慢性治療に使用されてもよい。
【0024】
“予防措置”及び“予防”という用語は互換可能に使用され、前記症状を発生するおそれのある患者の措置を含み、こうして前記おそれを減少する。
本発明が治療又は予防を要する患者に関する場合、それは主としてヒトの治療及び予防に関するが、従って医薬組成物はまた哺乳類の獣医薬物中に使用されてもよい。
本明細書に使用される“置換”という用語は、指定された原子にあるいずれか1個以上の水素が示された基からの選択で置換されていることを意味し、但し、指定された原子の通常の原子価が超えられないこと、及びその置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。
ハロゲンという用語はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれた原子を表す。
C1-n-アルキル(式中、nは1〜18の値を有してもよい)という用語は、1〜n個のC原子を有する飽和、分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル等が挙げられる。
【0025】
C2-n-アルケニル(nは2〜6の値を有する)という用語は、2〜n個のC原子及びC=C二重結合を有する分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
C2-n-アルキニル(nは2〜6の値を有する)という用語は、2〜n個のC原子及びC≡C 三重結合を有する分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。特にことわらない限り、アルキニル基は1位のC原子を介して分子の残部に連結される。それ故、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル等の如き用語は用語1-プロピン-1-イル、2-プロピン-1-イル、1-ブチン-1-イル等と同等である。これはまたC2-n-アルケニル基に同様に適用される。
C1-n-アルコキシという用語はC1-n-アルキル-O 基(C1-n-アルキルは先に定義されたとおりである)を表す。このような基の例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、ネオ-ペントキシ、tert-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ等が挙げられる。
C1-n-アルキルカルボニルという用語はC1-n-アルキル-C(=O) 基(C1-n-アルキルは先に定義されたとおりである)を表す。このような基の例として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソ-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソ-ブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソ-ペンチルカルボニル、ネオ-ペンチルカルボニル、tert-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、イソ-ヘキシルカルボニル等が挙げられる。
【0026】
C3-n-シクロアルキルという用語は3〜n(nは3〜10である)個のC原子を有する飽和単環式、二環式、三環式又はスピロ環式炭素環基を表す。このような基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシル、ビシクロ[3.2.1.]オクチル、スピロ[4.5]デシル、ノルピニル、ノルボニル、ノルカリル、アダマンチル等が挙げられる。C3-7-シクロアルキルという用語が飽和単環式基を表すことが好ましい。
C5-n-シクロアルケニルという用語は先に定義されたとおりであり、更に少なくとも一つのC=C 二重結合を有するC5-n-シクロアルキル基を表す。
C3-n-シクロヘテロアルキルという用語は3-m 〜n-m 個のC原子を有する飽和単環式、二環式、三環式又はスピロ環式炭素環基(nは3〜10を表し、かつmはNRN 、O、S、SO、及びSO2 から独立に選ばれた1〜3個のヘテロ原子を表し、加えてカルボニル基を有してもよい)を表す。このような基の例として、アジリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、アゼパニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラノニル、テトラヒドロピラノニル、ピロリジノニル、ピペリジノニル、ピペラジノニル、モルホリノニルが挙げられる。C3-6-シクロヘテロアルキルという用語が1個又は2個のヘテロ原子を有する飽和単環式基を表すことが好ましい。
C3-n-シクロアルキルカルボニルという用語はC3-n-シクロアルキル-C(=O) 基(C3-n-シクロアルキルは先に定義されたとおりである)を表す。
ジ-(C1-3-アルキル)アミノという用語は同じ又は二つの異なるアルキル基を有するアミノ基を表す。
本発明の化合物は当業者に知られており、また有機合成の文献に記載されている合成の方法を使用して得られてもよい。これらの化合物は以下に更に充分に説明され、特に実験部分に記載された調製の方法と同様にして得られることが好ましい。
【0027】
一般式Iの化合物は下記の方法により調製し得る(リンカー基Wの性質に部分的に依存して)。
1.好ましくは室温における、THF のような溶媒又は溶媒混合物中の1-クロロ-N,N,2-トリメチル-プロペニルアミンの如き適当なカップリング試薬を用いる酸A-1 とアニリン化合物A-2 の縮合。
2.好ましくは室温における、DMF のような溶媒中のR3 部分を含む適当な酸クロリドとTEA のような塩基又は適当なイソシアネートによるアミノシクロペンタン誘導体A-3 のアシル化。
3.好ましくは室温における、メタノール、ジオキサン、DCM のような溶媒混合物中の適当なパラジウム触媒系(例えば、酢酸パラジウム(II)及び2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニルからin situ 生成される)及び炭酸カリウム水溶液のような塩基を用いる、ヨード化合物A-4 とAr1 部分(Wは単結合に等しい)を含むアリールボロン酸又はボロン酸エステルのスズキ型反応。
4.好ましくは室温における、DMF のような溶媒中の適当な触媒系(例えば、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)及びヨウ化銅(I))及びTEA のような塩基を用いる、ヨード化合物A-4 とAr1 部分(Wはアルキンスペーサーに等しい)を含むアリールアセチレンのソノガシラ型反応。
5.上記と同様の反応条件下のアルキン誘導体A-5 とAr1 部分を含むヨウ化アリールのソノガシラ型反応。
6.好ましくは室温における、DMF 、水のような溶媒又は溶媒混合物中のアスコルビン酸を添加して硫酸銅(II)を使用するアリールアジドによるアルキンA-5 の環化付加。
【0028】
【化7】

【0029】
酸A-1 は好ましくは室温で、THF のような溶媒中で水酸化ナトリウム水溶液のような塩基を使用して夫々の3-(R2-N)シクロペンタンカルボン酸及び所望のR3 部分を含む酸クロリドから調製し得る。
3-アルキルアミノシクロペンタンカルボン酸は夫々の3-tert-ブトキシカルボニルアミノシクロペンタンカルボン酸からTHF のような溶媒中で水素化ナトリウムのような塩基を使用して適当なヨウ化アルキルによるアミド窒素のアルキル化(R. Breaら著, Angewandte Chemie, Int. Ed. 44,35 (2005) 5710-5713と比較のこと) 、続いて、例えば、TFAA/DCM中でその中間体を撹拌することによる、tert-ブトキシカルボニル基の除去より調製し得る。
アニリン化合物A-2 (R1 = H を有する)は夫々のニトロ化合物の還元(例えば、ラネーニッケルのような触媒を用いて水素圧力下で)により調製し得る。
アニリン化合物A-2 (R1 = アルキルを有する)は夫々のデスアルキル化合物から(i) トリフルオロアセチル化(無水トリフルオロ酢酸, TEA, DCM) 、(ii) 得られるトリフルオロアセトアミドのアルキル化 (アセトン中で夫々のヨウ化アルキル及び炭酸カリウムによる) 、(iii)トリフルオロアセチル基の除去 (メタノール / 水中で炭酸カリウムによる)を含む反応シーケンスにより調製し得る。
【0030】
N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]-N-アルキル-アミンは先に概説されたように夫々の2-(4-ニトロフェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジンから調製し得る。後者は還流アセトニトリル中で2-ブロモ-1-(4-ニトロフェニル)-エタノンと適当な2-アミノピリジンの反応により調製し得る。
N-(R1)-N-[4-(1-L1-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミン及びN-(R1)-N-[4-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-フェニル]-アミンは夫々の2-(L1-アミノ)-アニリン又は2-アミノフェノールをポリリン酸中で200-210℃で適当な4-(R1-アミノ)-安息香酸と夫々反応させることにより調製し得る。
アミノシクロペンタン誘導体A-3 はR2の隣りの窒素に、例えば、BOC 保護基又はFmoc保護基を有する夫々のカルバメート誘導体から通常の脱保護操作により調製し得る。カルバメート誘導体は酸A-1 とアニリン化合物A-2 の縮合について記載されたように調製し得る。
ヨード化合物A-4 は上記されたように夫々の4-ヨードアニリン及び酸A-1 から調製し得る。
アルキンA-5 は夫々のヨード化合物A-4 からTMS-アセチレンとのソノガシラ型反応(触媒系: ビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウムジクロリド / CuI; 塩基: ジイソプロピルアミン; 溶媒THF;0℃における) 、続いてメタノール/ NaOH水溶液中のTMS 基の除去により調製し得る。
R3、L0、L1、及び/又はL2中に、アルコール、フェノールOH基、一級又は二級アミンのような官能基を有する一般式Iの化合物は当該官能基の一つ以上に結合された公知の保護基を有する前駆体化合物から当業者に知られている通常の脱保護方法により調製し得る。
【0031】
一般式Iの化合物は前記のようなそれらの鏡像体及び/又はジアステレオマーに分割されてもよい。こうして、例えば、シス/トランス混合物がそれらのシス異性体及びトランス異性体に分割されてもよく、またラセミ化合物がそれらの鏡像体に分離されてもよい。
シス/トランス混合物は、例えば、クロマトグラフィーによりこれらのシス異性体及びトランス異性体に分割されてもよい。ラセミ体として生じる一般式Iの化合物はそれ自体知られている方法 (Allinger N. L. 及びEliel E.L.著 “立体化学におけるトピック”, 6巻, Wiley Interscience, 1971を参照のこと) によりそれらの光学鏡像体に分離されてもよく、また一般式Iの化合物のジアステレオマー混合物がそれ自体知られている方法、例えば、クロマトグラフィーを使用してそれらの異なる物理化学的性質を利用することにより分割されてもよく、その後に得られた化合物がラセミ体である場合には、それらが上記のように鏡像体に分割されてもよい。
ラセミ体はキラル相によるカラムクロマトグラフィーにより、もしくは光学活性溶媒からの結晶化により、又は光学活性物質(これは塩又は誘導体、例えば、エステルもしくはアミドを生成する)をラセミ化合物と反応させることにより分割されることが好ましい。塩は塩基性化合物について鏡像体上純粋な酸、また酸性化合物について鏡像体上純粋な塩基で生成されてもよい。ジアステレオマーの誘導体は鏡像体上純粋な補助化合物、例えば、酸、それらの活性化誘導体、又はアルコールで生成される。こうして得られた塩又は誘導体のジアステレオマー混合物の分離はそれらの異なる物理化学的性質、例えば、溶解性の差を利用することにより達成されてもよく、遊離鏡像体が好適な薬剤の作用により純粋なジアステレオマー塩又は誘導体から放出されてもよい。このような目的に普通に使用される光学活性酸は、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジ-o-トリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、ショウノウスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、又はキナ酸のD-形態及びL-形態である。助剤として適用可能な光学活性アルコールは、例えば、(+) 又は(-)-メントールであってもよく、またアミド中の光学活性アシル基は、例えば、 (+)- 又は(-)-メンチルオキシカルボニルであってもよい。
【0032】
上記のように、式Iの化合物は無機酸又は有機酸で塩、特に医薬上の使用のために生理学上許される塩に変換されてもよいが、但し、化合物Iが塩基性残基を有することを条件とする。この目的に使用し得る酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、又はマレイン酸が挙げられる。
式Iの化合物が、例えば、カルボキシ基のような酸性残基を含む場合、それらが無機塩基又は有機塩基で塩、特に医薬上の使用のために生理学上許される塩に変換されてもよい。この目的に適した塩基として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、カルシウムイソプロポキシド、水酸化マグネシウム、マグネシウムエトキシド、水酸化アンモニウム、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチル-D-グルカミン、L-リシン、L-アルギニン、及びピペラジンが挙げられる。
本発明の化合物は以下の実施例に記載された方法(これらはこの目的のためにまた文献から当業者に知られている方法と組み合わされてもよい)を使用して有利に得られる。
既に述べられたように、本発明の一般式(I) の化合物、及びこれらの塩、特に生理学上許される塩は有益な薬理学的性質、特に酵素脂肪酸シンターゼ (FAS)についての抑制効果を有する。
【0033】
薬理学的活性
本発明の化合物の活性が下記のアッセイを使用して実証される。
ヒトFAS 酵素アッセイ
脂肪酸シンターゼはアセチルCoA 及びマロニルCoA からパルミテートへの長鎖脂肪酸の還元的合成を触媒作用する7種の酵素活性を有する酵素複合体である。アセチルCoA 及びマロニルCoA がパルミテートを生成している時に、NADPH が消費されてNADPを生成する。NADPH は蛍光性であるが、NADPはそうではないので、その反応が蛍光の減少を分析することにより測定し得る。
物質:
アセチルコエンザイムA (カタログ番号A-2181) 及びマロニルコエンザイムA (カタログ番号M-4263) はシグマから購入される。NADPH (カタログ番号30316)はセルバから購入される。FAS 酵素はHeLa細胞から調製される。全てのその他の物質は市販の最高グレードのものである。
方法:
プレート中で、蒸留水/DMSO(最終濃度0.1%DMSO)中の試験化合物10μl をリン酸塩緩衝液中のNADPH 及びアセチルCoA の混合物 (f.c. 夫々、326 μM 及び60μM) 35μl 、及び酵素緩衝液中に希釈されたFAS 酵素45μl と混合する。プレートを37℃で60分間インキュベートする。次いでその反応を水に溶解されたマロニルCoA 10μl(200 μM)の添加により開始する。ウェル中の光学密度の減少を37℃で10分間にわたって340 nmの波長で測定する。これらの速度論的データから、傾斜(即ちVmax)を計算し、計算に使用する。
リン酸塩緩衝液:
100 mM KH2PO4/K2HPO4, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, pH 7.0
酵素緩衝液:
20 mM KH2PO4/K2HPO4, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, 5% グリセロール, pH 7.4
夫々のアッセイ96ウェルミクロタイタ・プレートが非抑制酵素活性の基準として化合物に代えてのビヒクル対照 (水中1% DMSO) を含むウェル及び非特異的NADPH 分解についての対照としてのマロニルCoA を含まないウェルを含む。データの分析をマロニルCoA 基質を含まない非特異的バックグラウンドを引いた後の試験対照ウェルのOD減少と較べて試験化合物の存在下のOD減少の計算(傾斜(サンプル)−傾斜(マロニルCoA を含まないサンプル)により行なう。FAS 酵素のインヒビターは対照値(物質を含まない完全反応)と完全抑制の間の値を示すであろう。報告される値はIC50; 上部 (対照:酸化NADPH ナノモル/分/mg); 下部(最大抑制:酸化NADPH ナノモル/分 /mg); 比 (log (IC50 物質/IC50 対照インヒビター))を含むであろう。
【0034】
N-42細胞中の14C-アセテートとり込み
24ウェルプレート中の30000 細胞(N-42) をKrebs-Ringer 緩衝液500 μL に溶解された化合物とともに37℃で60分間インキュベートし、次いで14C-酢酸塩 1:10 希釈液(1 000 000 dpm) 5μL とともに37℃のインキュベーションで4時間インキュベートし、次いでPBS 500μl で洗浄する。クロロホルム/ メタノール1:1 混合物500μL 及び水酸化ナトリウム溶液175 μL を夫々のウェルに加えた。上部フラクションを取り去り、下部フラクションを気化する。クロロホルム/ メタノール 1:1混合物50μL を夫々のウェルに再度加える。夫々10μL を取り、Ultima Gold 4mLとともにシンチレーションバイアルに加える。夫々のバイアルをβ-カウンター中で1分間測定する。
文献で知られているFAS インヒビターである、セルレニンを使用してアッセイを実証する。
本発明の一般式Iの化合物は、例えば、10000 nM未満、特に1000 nM未満、最も好ましくは200 nM 未満のIC50 値を有する。
以下に記載される化合物は上記ヒトFAS 酵素アッセイで測定して下記の範囲のIC50 値を有するFAS のインヒビターである。
【0035】
【表2】

【0036】
上記N-42細胞中の14C-アセテートとり込みについてのアッセイで測定された細胞系中のFAS の抑制が下記の表に例示される。
【表3】

【0037】
脂腺におけるFAS インヒビターのin vivo 活性が下記の実験で例示されるように測定される。
体重200-240gの雌のウィスターラット [Crl:Wi(Han); Charles River, ドイツ] を22±3℃の一定温度で、12時間の明暗サイクルでマクロロン型ケージ中で通常に収容する。食物及び水を随時与える。動物 (グループ当りn=7) に7日間にわたって0.5%のナトロゾールを含む懸濁液中の化合物1.2 3、10及び30 mg/kg を毎日1回経口治療する。全ての実験操作をドイツ動物保護法に従って行なう。最高用量の、治療の4日目で始めて、動物の皮膚及び毛皮についての効果を検出することができた。ラットは進行性頭部脱毛(これは特に眼及び口のまわりで顕著である)を示した。更に口及び眼瞼の皮膚が赤くされ、膨らされた。一層長い治療により、脱毛及び皮膚の病変がまた背中の皮膚で発生した。7日目に、動物を安楽死させ、眼瞼、鼻鏡及び背中の皮膚の代表的な組織サンプルを顕微鏡検査のために4%のホルムアルデヒド溶液中に集める。トリミング後に、固定組織を加工し、パラフィンに埋め、約4μmの厚さで切開し、ヘマトキシリン-エオシン(H&E)で染色する。全ての投薬グループで、顕微鏡検査が眼瞼のマイボーム腺(瞼板腺)(これらはまた(変性)脂腺である)を含む、皮膚の脂腺の治療関連散在性萎縮を明らかにする。この病変はまたわずかな炎症反応により時折伴なわれる。
【0038】
酵素FAS を抑制するそれらの能力に鑑みて、本発明の一般式(I) の化合物及びこれらの相当する塩はFAS 活性の抑制により影響し得る全てのこれらの症状又は疾患の治療及び/又は予防措置に理論上適している。
式(I) の化合物は肥満又は過剰体重の治療及び/又は予防(例えば、体重減の促進及び体重減の維持)、体重増(例えば、薬物誘発又は喫煙の停止後の)の予防、食欲及び/又は満腹、食事障害(例えば、酒宴の食事、多食症及び強迫性食事)の変調に有益である。
式(I) の本化合物は代謝障害及び/又は代謝障害と関連する合併症を治療又は予防するのに有益である。このような障害及び/又は合併症として、インスリンに対する本来の、又は誘発された低下された感受性(インスリン耐性)と関連する臨床上の症状、及び関連代謝障害(また、代謝症候群として知られている)が挙げられる。このような臨床上の症状の例は一般の肥満、腹部肥満、動脈高血圧、高インスリン血症、高血糖、2型糖尿病及びインスリン耐性とともに特徴的に現れる脂質異常である。この脂質異常(また、アテローム発生リポタンパク質プロフィールとして知られている)は、適度に上昇した非エステル化脂肪酸、上昇した非常に低い密度のリポタンパク質(VLDL)トリグリセリドに富む粒子、高Apo B レベル、低apoAI 粒子レベルと関連する低い高密度リポタンパク質(HDL) レベル及び小さい、稠密な、低密度リポタンパク質(LDL) 粒子、表現型Bの存在下の高Apo B レベルにより特徴づけられる。本発明の化合物は代謝症候群のその他の顕在化とともに、又はこれらの顕在化がなく、併合又は混合高脂血症又は種々の程度の高トリグリセリド血症及び食後の脂質異常の患者を治療するのに有益であると予想される。式Iの化合物はまた代謝症候群及びPrader-Willi症候群の治療に有益であり得る。
【0039】
式(I) の本化合物は心血管疾患及び/又は症状を治療又は予防するのに有益である。本化合物による治療はそれらの坑脂質異常特性だけでなく、坑炎症性のためにアテローム硬化症と関連する心血管罹病率及び死亡率を低下すると予想される。心血管症状として、心筋梗塞、うっ血性心不全、脳血管疾患及び下肢の末梢動脈不全を生じる種々の内部器官の大血管形成が挙げられる。それらのインスリン感作効果のために、式Iの化合物はまた代謝症候群からの2型糖尿病及び妊娠時の糖尿病の発生を予防又は遅延すると予想される。それ故、真性糖尿病における慢性高血糖と関連する長期合併症、例えば、腎臓疾患、腎臓損傷及び下肢の末梢血管疾患を生じる微小血管形成の発生が、遅延されると予想される。
加えて、式(I) の本化合物は炎症性かつ/又は神経変性の疾患及び/又は症状を治療又は予防するのに有益である。このような疾患又は症状の例は多のう胞性卵巣症候群及び炎症性疾患の状態(神経変性疾患、例えば、軽度の鬱血障害、アルツハイマー病、パーキンソン病及び多発性硬化症を含む)である。
本発明の化合物はまた全身又は局所の適用後に皮膚の脂腺中の皮脂生成を減少するのに有益であり得る。脂腺の疾患はアクネ、脂漏、脂腺腫及び脂腺癌腫である。アクネの病因は脂腺による脂質(過剰)生成を伴ない、それ故、本発明の化合物はアクネの治療に特に有益であり得る。
更に、式(I) の化合物はミコバクテリアの感染症、例えば、結核の治療における坑ミコバクテリア薬として有益であり得る。
本発明の化合物は、例えば、C型肝炎、AIDS、ポリオ、インフルエンザ、いぼのようなウイルス感染症と関連する症状を治療するのに有益であり得る。
更に、本発明の化合物は、例えば、胸部、前立腺、及び卵巣の癌を含む、広範囲の癌の治療に使用し得る。
【0040】
治療又は予防に相当する活性を得るのに必要とされる用量は投与されるべきである化合物、患者、病気又は症状の性質及び重度並びに投与の方法及び頻度に通常依存し、患者の医師が決めるためのものである。適当に、用量は静脈内経路によれば、1mgから100mgまで、好ましくは1〜30mgであってもよく、また経口経路によれば、1〜1000mg、好ましくは1〜100mgであってもよく、夫々の場合に1日1〜4回投与される。この目的のために、本発明に従って調製された式Iの化合物は、必要によりその他の活性物質と一緒に、一種以上の不活性の通常の担体、賦形剤及び/又は希釈剤と一緒に製剤化されて、通常のガレン製剤、例えば、単純錠剤又は被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液、座薬又は局所適用のための製剤を製造してもよい。
本発明の化合物はまた特に上記疾患及び症状の治療及び/又は予防のための、その他の活性物質、即ち、医薬活性成分と連係して使用されてもよい。このような組み合わせに好適であるその他の活性物質として、例えば、記載された指示の一つに関して本発明のFAS インヒビターの治療効果を強化し、かつ/又は本発明のFAS インヒビターの用量が減少されることを可能にするものが挙げられる。
本発明の化合物は肥満の治療に有益である別の治療薬、例えば、その他の坑肥満薬、エネルギー消費、解糖、糖新生、グルコーゲン分解、脂肪分解、脂質生合成、脂肪吸収、脂肪貯蔵、脂肪排泄、空腹及び/又は満腹及び/又は渇望メカニズム、食欲/動機付け、食物摂取、又はG-I 運動性に影響する別の治療薬と組み合わされてもよい。
【0041】
更に、本発明の化合物は肥満と関連する疾患、例えば、高血圧、高脂血症、脂質異常、糖尿病、睡眠時無呼吸、喘息、心臓疾患、アテローム硬化症、大血管疾患及び微小血管疾患、肝脂肪症、癌、関節疾患、及び胆嚢疾患の治療に有益である別の治療薬と組み合わされてもよい。例えば、本発明の化合物は血圧を低下し、もしくはLDL:HDL の比を減少する別の治療薬又はLDL-コレステロールの循環レベルの減少を生じる薬剤と組み合わせて使用されてもよい。真性糖尿病の患者では、本発明の化合物がまた微小血管障害に関連する合併症を治療するのに使用される治療薬と組み合わされてもよい。
本発明の化合物は肥満及びその関連合併症、代謝症候群及び2型糖尿病の治療のためのその他の治療薬と一緒に使用されてもよく、これらとして、ビグアニド薬、インスリン(合成インスリン類似体を含む)及び経口坑血糖薬(これらは食事のグルコース調節薬及びアルファ-グルコシダーゼインヒビターに分けられてもよい)が挙げられる。
本発明の別の局面において、式Iの化合物は、PPAR変調薬と混在して投与されてもよい。PPAR変調薬として、PPARアルファアゴニスト及び/又はガンマアゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、本発明の組み合わせがスルホニル尿素と連係して使用されてもよい。本発明はまたコレステロール低下薬と組み合わせて本発明の化合物を含む。この出願に言及されるコレステロール低下薬として、HMG-CoA 還元酵素 (3- ヒドロキシ-3-メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素) のインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。好適には、HMG-CoA 還元酵素インヒビターがスタチンである。
本件出願において、コレステロール低下薬という用語はまたHMG-CoA 還元酵素インヒビターの化学変性物質、例えば、エステル、プロドラッグ及び代謝産物(活性又は不活性)を含む。
【0042】
本発明はまた回腸胆汁酸輸送系のインヒビター (IBATインヒビター) と組み合わせて本発明の化合物を含む。本発明はまた胆汁酸樹脂と組み合わせて本発明の化合物を含む。
本発明はまた胆汁酸封鎖剤と組み合わせて本発明の化合物を含む。
本発明はまたCEPT(コレステリルエステル輸送タンパク質)インヒビター;コレステロール吸収アンタゴニスト;MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)インヒビター;ニコチン酸誘導体(遅延放出製品及び組み合わせ製品を含む);フィトステロール化合物;プロブコール;血液凝固阻止薬;オメガ-3脂肪酸;その他の坑肥満化合物;アルドース還元酵素インヒビター;グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター;グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター;グルコキナーゼアクチベーター;止血モジュレーター;坑血栓薬;線維素溶解のアクチベーター;坑血小板物質;トロンビンアンタゴニスト;因子Xaインヒビター;5HT 輸送体インヒビター;坑高血圧化合物、例えば、アンギオテンシン転化酵素(ACE) インヒビター、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン作用ブロッカー、アルファアドレナリン作用ブロッカー、ベータアドレナリン作用ブロッカー、混合アルファ/ベータアドレナリン作用ブロッカー、アドレナリン作用刺激薬、カルシウムチャンネルブロッカー、AT-Iブロッカー、塩分排泄剤、利尿薬又は血管拡張薬;メラニン濃縮ホルモン(MCH) モジュレーター;NPY 受容体モジュレーター、例えば、NPY アゴニストもしくはNPY2アゴニスト又はNPY5アンタゴニスト;Mc4rモジュレーター、例えば、Mc4rアゴニスト;Mc3rモジュレーター、例えば、Mc3rアゴニスト;オレキシン受容体モジュレーター、例えば、アンタゴニスト;ホスホイノシチド依存性タンパク質キナーゼ(PDK) モジュレーター;又は核受容体のモジュレーター、例えば、LXR 、FXR 、RXR 、GR、ERR&アルファ、&ベータ; PAR&アルファ, &ベータ, &ガンマ; &デルタ;及びRORアルファ;モノアミン伝達変調薬、例えば、選択的セロトニン再摂取インヒビター(SSRI)、ノルアドレナリン再摂取インヒビター(NARI)、ノルアドレナリン-セロトニン再摂取インヒビター(SNRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、三環式坑鬱病薬(TCA) 、ノルアドレナリン作用性かつ特異的セロトニン作用性坑鬱病薬 (NaSSA);坑精神病薬;セロトニン受容体モジュレーター;レプチン/レプチン受容体モジュレーター;CBl 受容体モジュレーター、例えば、逆アゴニスト又はアンタゴニスト;GLK 受容体モジュレーター; DPP-IVインヒビター;コレステロール吸収インヒビター;GLP-I アゴニスト;SGLT-2インヒビター;DGATl インヒビター;DGAT2 インヒビター; DGAT2 インヒビターアンチセンスオリゴヌクレオチド;グレリン抗体;グレリンアンタゴニスト;11ベータ-HSD-I インヒビター; UCP-1, 2 又は3 アクチベーターからなる群から選ばれた更なる薬物と組み合わせて本発明の化合物を含む。
【0043】
本発明はまた坑増殖薬と組み合わせて本発明の化合物を含む。
本発明はまた抗菌薬、坑ミコバクテリア薬又は坑ウイルス薬と組み合わせて本発明の化合物を含む。
本発明はまたアクネ、脂漏、脂腺腫又は脂腺癌腫の治療又は予防に適している一種以上の治療薬、例えば、13-シス-レチノイン酸及び全身性坑アンドロゲン薬(婦人のみの使用のため)と組み合わせて本発明の化合物を含む。
それ故、別の局面において、本発明は酵素FAS を抑制することにより影響し得る疾患又は症状、特に前記疾患又は症状の治療又は予防に適している医薬組成物を調製するための、組み合わせパートナーとして上記された活性物質の少なくとも一種と組み合わされた本発明の化合物の使用に関する。
別の活性物質と組み合わせての本発明の化合物の使用は同時又はずらされた時間に起こってもよいが、特に時間の短い間隔内に起こってもよい。それらが同時に投与される場合、2種の活性物質が患者に一緒に与えられ、一方、それらがずらされた時間に使用される場合、2種の活性物質が12時間以下、特に6時間以下の期間内に患者に与えられる。
【0044】
その結果、別の局面において、本発明は必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、本発明の化合物及び組み合わせパートナーとして上記された活性物質の少なくとも一種を含む医薬組成物に関する。
本発明の化合物及びそれと組み合わされる付加的な活性物質は一つの製剤、例えば、錠剤もしくはカプセル中に両方とも一緒に存在してもよく、又は二つの同じもしくは異なる製剤、例えば、所謂パーツのキット中に別々に存在してもよい。
本発明の付加的な更なる局面によれば、必要により医薬上許される希釈剤又は担体と一緒の、有効量の式Iの化合物、又はその生理学上許される塩の投与と、非常に低いカロリー食(VLCD)又は低カロリー食(LCD) の同時、逐次又は別々の投与を含む組み合わせ治療が提供される。
以下の実施例は本発明を説明することを目的とするが、それを限定しない。“周囲温度”及び“室温”という用語は互換可能に使用され、約20℃の温度を示す。
【実施例】
【0045】
備考:
原則として、1H-NMR スペクトル及び/又は質量スペクトルを調製された化合物について得た。Rf値を、チャンバー飽和を用いないで既製シリカゲル 60 TLC プレートF254 (E. Merck, ダルムスタット, 品目番号1.05714) を使用して、又はチャンバー飽和を用いないで既製酸化アルミニウム60 F254 TLC プレート(E. Merck, ダルムスタット, 品目番号1.05713)を使用して測定する。溶離剤について示された比は当該溶媒の容積基準の単位に関する。NH3 についての容積基準の単位は水中のNH3 の濃縮溶液に関する。ミリポア製シリカゲル (MATREXTM, 35-70 my) をクロマトグラフィー精製に使用する。Alox (E. Merck, ダルムスタット, 標準化酸化アルミニウム90, 63-200 μm, 品目番号1.01097.9050)をクロマトグラフィー精製に使用する。
示されたHPLCデータを下記のパラメーターのもとに測定する。
移動相 A: 水:ギ酸 99.9:0.1
移動相 B: アセトニトリル:ギ酸 99.9:0.1
方法 1:分析カラム: アトランチスC18; 2.5 μm, 4.6 mm x 30 mm; カラム温度: 室温 勾配:
【表4】

【0046】
移動相 A: 水:トリフルオロ酢酸 99.9:0.1
移動相 B: アセトニトリル:トリフルオロ酢酸 99.9:0.1
方法 2: 分析カラム: XTerra C18; 3.5 μm, 4.6 mm x 50 mm; カラム温度: 40℃. 勾配:
【表5】

【0047】
方法 3: 分析カラム: XTerra C18; 3.5 μm, 4.6 mm x 50 mm; カラム温度: 40℃. 勾配:
【表6】

【0048】
方法 4:分析カラム: XTerra C18; 3.5 μm, 4.6 mm x 50 mm; カラム温度: 40℃. 勾配:
【表7】

【0049】
下記の略号を先に、また以下に使用する。
DIPEA ジイソプロピル-エチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
EII 電子衝撃イオン化
HCl 塩酸
NaH 水素化ナトリウム
RT 周囲温度 (約20℃)
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
DCM 塩化メチレン
Fmoc 9H-フルオレン-9-イル-メトキシカルボニル
TFAA トリフルオロ酢酸
BOC tert-ブトキシカルボニル
TMS トリメチルシリル
出発化合物の調製:
例 l
例 l.1
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸-N-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0050】
【化8】

【0051】
l.1.a
N-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミン
o-フェニレンジアミン5.00 g (46.2 ミリモル) 及び4-(メチルアミノ)安息香酸 6.99 g (46.2 ミリモル) をポリリン酸40.0 g 中で210℃で4時間撹拌する。その混合物を80℃に冷却し、水に注ぎ、周囲温度で一夜撹拌する。その混合物を水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にする。沈殿を濾過し、水で洗浄する。生成物を真空で70℃で乾燥させる。
収量: 9.87 g (理論値の96%)
C14H13N3
EII 質量スペクトル: m/z = 224 [M+H]+
Rf 値: 0.40 (シリカゲル, DCM/メタノール = 9:1)
【0052】
l.1.b
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸-N-[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
(1S,3R)-(N)-Fmoc-1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸395.0 mg (1.12 ミリモル) をTHF 30 mL に溶解する。ジフェニルホスフィンクロリド270.0 mg (1.14 ミリモル) 及びTEA 650.0 μL (4.63 ミリモル) を添加し、周囲温度で10分間撹拌する。[4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-メチル-アミン (遊離体 l.1.a) 250.0 mg (1.12 ミリモル) を添加し、60℃で一夜撹拌する。その混合物を塩基性アルミナにより濾過し、DCM / メタノール (9:1)の混合物で洗浄する。溶媒を減圧で除去する。残渣をTHF に溶解し、ピペリジン5 mLを添加する。その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。その物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (勾配: DCM: メタノール/アンモニア (9/1); 100:0 -> 5:1) により精製する。溶媒を蒸発させる。
収量: 211.0 mg (理論値の56%)
C20H22N4O
EII 質量スペクトル: m/z = 335 [M+H]+
例 ll
例 ll.1
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0053】
【化9】

【0054】
ll.1.a
N-(ビフェニル-4-イル)-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド
4-アミノビフェニル5.00g (24.3 ミリモル) 及びTEA 4.20 mL (29.9 ミリモル) を氷浴による冷却下でDCM 50 mL 中で撹拌する。無水トリフルオロ酢酸4.20 mL (30.2 ミリモル) を滴下して添加する。その混合物を周囲温度に温め、1時間撹拌する。その混合物を水で洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
収量: 4.30 g (理論値の67%)
C14H10F3NO
EII 質量スペクトル: m/z = 264 [M-H]-
Rf 値: 0.66 (シリカゲル, DCM)
ll.1.b
N-(ビフェニル-4-イル)- N-メチル-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド
N-(ビフェニル-4-イル)-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド (ll.1.a) 13.00g (49.0 ミリモル) をアセトン200 mLに溶解し、炭酸カリウム13.5 g ( 98.0 ミリモル) を添加する。ヨウ化メチル3.50 mL ( 55.7 ミリモル) を添加し、その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。溶媒を蒸発させる。残渣を水に吸収させ、酢酸エチルで抽出する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
収量: 11.53 g (理論値の84%)
C15H12F3NO
EII 質量スペクトル: m/z = 280 [M+H]+
Rf 値: 0.90 (シリカゲル, DCM)
【0055】
ll.1.c
ビフェニル-4-イル-メチル-アミン塩酸塩
N-(ビフェニル-4-イル)-N-メチル-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド (ll.1.b) 11.5g (0.04モル) 及び炭酸カリウム5.57 g (0.04モル) をメタノール/水 120 mL 中で一夜撹拌する。その混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を乾燥させ、蒸発させる。酢酸エチル/ HCl を添加する。沈澱を濾過し、乾燥させる。
収量: 8.60 g (理論値の95%)
C13H13N * HCl
EII 質量スペクトル: m/z = 184 [M+H]+
Rf 値: 0.80 (シリカゲル, DCM)
ll.1.d
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
(1S,3R)-(N)-Fmoc-1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸351.4 mg (1.00 ミリモル) を周囲温度でDMF 中で撹拌する。DIPEA 500.0 mg (4.00 ミリモル) 及びTBTU 417.3 mg (1.3 ミリモル) を添加する。ビフェニル-4-イル-メチル-アミン塩酸塩 (ll.1.c) 219.0 mg (1.0 ミリモル) を添加し、その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。溶媒を蒸発させる。生成物をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加)) により精製し、凍結乾燥する。残渣をDCM に吸収させ、ジエチルアミンを添加する。周囲温度で2時間撹拌した後、その混合物を濾過し、蒸発させる。
収量: 150.0 mg (理論値の51%)
C19H22N2O
EII 質量スペクトル: m/z = 517 [M+H]+
例 lll
例 lll.1
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸-N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミド
【0056】
【化10】

【0057】
lll.1.a
N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミン
N-メチル-o-フェニレンジアミン10.14 mL (86.5 ミリモル) 及び4-(メチルアミノ)安息香酸13.08 g (86.5 ミリモル) をポリリン酸70.0 g 中で200℃で3時間撹拌する。その混合物を80℃に冷却し、水に注ぎ、周囲温度で一夜撹拌する。その混合物を水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にする。沈殿を濾過し、水で洗浄する。生成物を真空で50℃で乾燥させる。
収量: 18.54 g (理論値の90%)
C15H15N3
EII 質量スペクトル: m/z = 238 [M+H]+
lll.1.b
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸-N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミド
その化合物を上記された方法 (例 l.1.b) と同様にしてN-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミン (遊離体 IIl.1.a) 及び遊離体としての (1S,3R)-(N)-Fmoc-1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸を用いて合成する。
収率: 理論値の33%
C21H24N4O
EII 質量スペクトル: m/z = 349 [M+H]+
例 lV
例 lV.1
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸
【0058】
【化11】

【0059】
(1R,3S)-3-アミノシクロペンタンカルボン酸100.0 mg (0.77 ミリモル)をTHF 2.0 mL 及び水酸化ナトリウム溶液(2 モル/l) 0.77 mL (1.55 ミリモル) 中で撹拌する。塩化プロピオニル74.0 μL (0.85 ミリモル) を滴下して添加し、その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。溶媒を蒸発させる。その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。生成物をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加)) により精製し、凍結乾燥する。
収量: 80.0 mg (理論値の56%)
C9H15NO3
EII 質量スペクトル: m/z = 184 [M-H]-
例 lV.2
N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミントリフルオロ酢酸塩
【0060】
【化12】

【0061】
例 lV.2.a
2-(4-ニトロ-フェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジン
2-ブロモ-1-(4-ニトロフェニル)-エタノン 5.00 g ( 20.49 ミリモル) 及び2-アミノピリジン3.86 g ( 40.98 ミリモル) をアセトニトリル50 mL 中で3時間にわたって加熱、還流する。その混合物を周囲温度に冷却する。溶媒を蒸発させる。残渣をエタノール中で懸濁させ、アンモニア溶液でアルカリ性にする。沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。
収量: 4.50 g (理論値の92%)
C13H9N3O2
EII 質量スペクトル: m/z = 240 [M+H]+
例 lV.2.b
4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニルアミン
2-(4-ニトロ-フェニル)-イミダゾ[1,2-a]ピリジン4.50 g (18.8 ミリモル) 及びラネーニッケル0.45 g を周囲温度でエタノール50 mL 及び酢酸エチル50 mL中で水素 (50 psi(3.5kg/cm2))の下で撹拌する。その混合物を濾過し、溶媒を蒸発させる。
収量: 3.32 g (理論値の84%)
C13H11N3
EII 質量スペクトル: m/z = 210 [M+H]+
【0062】
例 lV.2.c
N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]- 2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド
その化合物を上記された方法 (遊離体 ll.1.a) と同様にして4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニルアミン (遊離体 lV.2.b) を遊離体として用いて合成する。
収率: 理論値の93%
C15H10F3N3O
EII 質量スペクトル: m/z = 306 [M+H]+
Rf 値: 0.50 (シリカゲル, DCM/ メタノール: 9/1)
例 lV.2.d
N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]-N-メチル-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド
N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]- 2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド (遊離体 lV.2.c) 0.95 g (3.11 ミリモル) をDMF 10 mL に溶解する。NaH (鉱油中60%) 0.14 g (3.73 ミリモル) を添加する。次いでヨウ化メチル195 μL (3.11 ミリモル) を添加し、その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。その混合物を水に注ぐ。沈澱を濾過し、真空で50℃で乾燥させる。
収量: 0.75 g (理論値の76%)
C16H12F3N3O
EII 質量スペクトル: m/z = 320 [M+H]+
例 lV.2.e
N-(4-[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル]-フェニル)-N-メチル-アミントリフルオロ酢酸塩
2,2,2-トリフルオロ-N-(4-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル-フェニル)-N-メチル-アセトアミド (遊離体 lV.2.d) 0.75 g ( 2.35 ミリモル) 及び炭酸カリウム0.65 g (4.70 ミリモル) をメタノール20 mL 及び水20 mL 中で懸濁させ、50℃で一夜撹拌する。その混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を乾燥させ、蒸発させる。生成物をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加))により精製し、凍結乾燥する。
収量: 0.45 g (理論値の57%)
C14H13N3 * C2HF3O2
EII 質量スペクトル: m/z = 224 [M+H]+
例 V.1
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミドトリフルオロ酢酸塩
【0063】
【化13】

【0064】
例 V.1.a
(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-メチル-アミン
2-アミノフェノール15.1 g (138.0 ミリモル) 及び4-メチル-アミノ安息香酸21.5 g (138.0 ミリモル) を4時間にわたってポリリン酸150 mL中で205℃まで加熱する。その混合物を80℃に冷却し、水に注ぎ、周囲温度で一夜撹拌する。その混合物を水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にする。沈殿を濾過し、水で洗浄する。生成物を乾燥させる。
収量: 25.6 g (理論値の83%)
C14H12N2O
EII 質量スペクトル: m/z = 225 [M+H]+
例 V.1.b
{3-[N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-カルバモイル]-シクロペンチル}-カルバミン酸 9H-フルオレン-9-イル-メチル-エステル
(-)-(1S,3R)-N-Fmoc-1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸250 mg (0.71 ミリモル) 及び1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロペニルジアミン0.14 mL (1.07 ミリモル) をDCM 5 mLに溶解し、2時間撹拌する。得られる生成物をDCM 5 mL中の(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-メチル-アミン159.6 mg (0.71 ミリモル) 及び2,4,6-コリジン 0.14 mL (1.07 ミリモル) の混合物に添加する。その反応混合物を周囲温度で一夜撹拌する。その混合物を減圧で濃縮する。残渣を水に吸収させ、DCM で抽出する。有機層を乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。生成物をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加))により精製する。溶媒を蒸発させる。
収量: 327 mg (理論値の82 %)
C35H31N3O4
EII 質量スペクトル: m/z = 558 [M+H]+
【0065】
例 V.1.c
(1R,3S)-3-アミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミドトリフルオロ酢酸塩
{3-[(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-メチル-カルバモイル]-シクロペンチル}-カルバミン酸 9H-フルオレン-9-イル-メチル-エステル238 mg (0.43 ミリモル) 及びジエチルアミン0.35 mL (3.31 ミリモル) をTHF 10 mL中で周囲温度で一夜撹拌する。ジエチルアミンを更に添加し、その混合物をもう1日撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌する。残渣を減圧で濃縮する。生成物をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加))により精製する。溶媒を蒸発させる。
収量: 220 mg (理論値の84 %)
C20H21N3O2 * C2HF3O2
EII 質量スペクトル: m/z = 336 [M+H]+
最終化合物の調製:
実施例 1.1
(1R,3S)-3-(3-エチル-ウレイド)-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0066】
【化14】

【0067】
例 V.1 55.9 mg (0.12 ミリモル) 及びエチルイソシアネート0.01 mL (0.15 ミリモル)をDMF 3 mL 及びTEA 0.02 mL (0.15 ミリモル) に溶解する。その混合物を周囲温度で1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM に吸収させ、水で洗浄する。有機層を分離し、乾燥させ、減圧で濃縮する。
収量: 21.0 mg (理論値の42 %)
C23H26N4O3
EII 質量スペクトル: m/z = 407 [M+H]+
保持時間: 2.85分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.2
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0068】
【化15】

【0069】
遊離体 V.1 256 mg (0.76 ミリモル) 、塩化プロピオニル0.13 mL (1.53 ミリモル) 及びTEA 0.15 mL (1.53 ミリモル) をDMF 5 ml 中で周囲温度で2時間撹拌する。その混合物を減圧で濃縮する。残渣を水に吸収させ、DCM で抽出する。有機層を分離し、乾燥させ、減圧で濃縮する。
収量: 130 mg (理論値の44 %)
C23H25N3O3
EII 質量スペクトル: m/z = 392 [M+H]+
保持時間: 2.96 分(HPLC 方法 1)
実施例 1.3
(1R,3S)-3-アセチルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0070】
【化16】

【0071】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体 V.1 及び遊離体としての塩化アセチルを用いて合成する。
収量: 24.0 mg (理論値の71 %)
C22H23N3O3
EII 質量スペクトル: m/z = 378 [M+H]+
保持時間: 2.63分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.4
(1R,3S)-3-(6-ジメチルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0072】
【化17】

【0073】
例 V.1 44.0 mg (0.0.9 ミリモル) 、6-ジメチルアミノヘキサン酸臭化水素酸塩25.7 mg (0.11 ミリモル) 、TEA 0.03 mL (0.27 ミリモル) 及びTBTU 42.9 mg (0.13 ミリモル)をDMF 3 mLに溶解する。その混合物を一夜撹拌する。その反応混合物を水で希釈し、DCM で抽出する。有機層を分離し、乾燥させ、減圧で濃縮する。残渣をRP-HPLC (水 + 5-95% アセトニトリル (0.1% TFAの添加))により精製する。
収量: 19.0 mg (理論値の45 %)
C28H36N4O3
EII 質量スペクトル: m/z = 477 [M+H]+
保持時間: 2.24分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.5
(1R,3S)-3-(2-メトキシ-アセチルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0074】
【化18】

【0075】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体 V.1 及び遊離体としてのメトキシアセチルクロリドを用いて合成する。
収量: 35.0 mg (理論値の68 %)
C23H25N3O4
EII 質量スペクトル: m/z = 408 [M+H]+
保持時間: 2.86分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.6
(1R,3S)-3-ブチリルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0076】
【化19】

【0077】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体V.1 及び遊離体としての塩化ブチリルを用いて合成する。
収量: 20.0 mg (理論値の44 %)
C24H27N3O3
EII 質量スペクトル: m/z = 406 [M+H]+
保持時間: 3.04分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.7
(1R,3S)-3-(3,3-ジメチル-ウレイド)-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0078】
【化20】

【0079】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体V.1 及び遊離体としてのジメチルカルバモイルクロリドを用いて合成する。
収量: 43.0 mg (理論値の95 %)
C23H26N4O3
EII 質量スペクトル: m/z = 407 [M+H]+
保持時間: 2.96分 (HPLC 方法 1)
実施例 1.8
(1R,3S)-3-(2,2-ジフルオロ-アセチルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
【0080】
【化21】

【0081】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.4) と同様にして遊離体V.1 及び遊離体としてのジフルオロ酢酸を用いて合成する。
収量: 37.0 mg (理論値の72 %)
C22H21F2N3O3
EII 質量スペクトル: m/z = 414 [M+H]+
保持時間: 3.11分 (HPLC 方法 1)
実施例 2
実施例 2.1
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-[4'-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0082】
【化22】

【0083】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体1.1 及び遊離体としての塩化プロピオニルを用いて合成する。
収量: 32.0 mg (理論値の32%)
C23H26N4O2
EII 質量スペクトル: m/z = 391 [M+H]+
保持時間: 1.39分 (HPLC 方法 1)
実施例 2.2
(1R,3S)-3-アセチルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-[4'-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0084】
【化23】

【0085】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体l.1 及び遊離体としての塩化アセチルを用いて合成する。
収量: 10.0 mg (理論値の59 %)
C22H24N4O2
EII 質量スペクトル: m/z = 377 [M+H]+
保持時間: 1.31分 (HPLC 方法 4)
実施例 2.3
(1R,3S)-3-イソブチリルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-[4'-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0086】
【化24】

【0087】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体l.1 及び遊離体としての塩化イソブチリルを用いて合成する。
収量: 10.2 mg (理論値の56 %)
C24H28N4O2
EII 質量スペクトル: m/z = 405 [M+H]+
保持時間: 1.64分 (HPLC 方法 4)
実施例 2.4
(1R,3S)-3-(3-エチル-ウレイド)-シクロペンタンカルボン酸 N-[4'-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0088】
【化25】

【0089】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.1) と同様にして遊離体l.1 及び遊離体としてのエチルイソシアネートを用いて合成する。
収量: 8.3 mg (理論値の46 %)
C23H27N5O2
EII 質量スペクトル: m/z = 406 [M+H]+
保持時間: 1.58分 (HPLC 方法 4)
実施例 2.5
(1R,3S)-3-(6-ジメチルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-[4'-(1H-ベンゾイミダゾール-2 イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0090】
【化26】

【0091】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.4) と同様にして遊離体I.1 及び遊離体としての6-ジメチルアミノ-ヘキサン酸臭化水素塩を用いて合成する。
収量: 14.2 mg (理論値の54 %)
C28H37N5O2
EII 質量スペクトル: m/z = 476 [M+H]+
保持時間: 1.28分 (HPLC 方法 4)
実施例 3
実施例 3.1
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0092】
【化27】

【0093】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体ll.1及び遊離体としての塩化プロピオニルを用いて合成する。
収量: 9.1 mg (理論値の58 %)
C22H26N2O2
EII 質量スペクトル: m/z = 351 [M+H]+
保持時間: 2.05分 (HPLC 方法 4)
実施例 3.2
(1R,3S)-3-イソブチリルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0094】
【化28】

【0095】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体ll.1及び遊離体としての塩化イソブチリルを用いて合成する。
収量: 10.5 mg (理論値の64 %)
C23H28N2O2
EII 質量スペクトル: m/z = 365 [M+H]+
保持時間: 2.37分 (HPLC 方法 4)
実施例 3.3
(1R,3S)-3-アセチルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0096】
【化29】

【0097】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.2) と同様にして遊離体ll.1及び遊離体としての塩化アセチルを用いて合成する。
収量: 5.0 mg (理論値の3 %)
C21H24N2O2
EII 質量スペクトル: m/z = 367 [M+H]+
保持時間: 2.77分 (HPLC 方法 1)
実施例 3.4
(1R,3S)-3-(3-エチル-ウレイド)-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0098】
【化30】

【0099】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.1) と同様にして遊離体ll.1及び遊離体としてのエチルイソシアネートを用いて合成する。
収量: 11.7 m g (理論値の71 %)
C22H27N3O2
EII 質量スペクトル: m/z = 366 [M+H]+
保持時間: 2.23分 (HPLC 方法 4)
実施例 3.5
(1R,3S)-3-(6-ジメチルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド
【0100】
【化31】

【0101】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.4) と同様にして遊離体ll.1及び遊離体としての6-ジメチルアミノ-ヘキサン酸臭化水素酸塩を用いて合成する。
収量: 13.5 mg (理論値の55 %)
C27H37N3O2
EII 質量スペクトル: m/z = 436 [M+H]+
保持時間: 1.69分 (HPLC 方法 2)
実施例 4
実施例 4.1
(1R,3S)-3-(3-エチル-ウレイド)-シクロペンタンカルボン酸 N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミド
【0102】
【化32】

【0103】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.1) と同様にして遊離体lll.1 及び遊離体としてのエチルイソシアネートを用いて合成する。
収量: 11.6 mg (理論値の61 %)
C24H29N5O2
EII 質量スペクトル: m/z = 420 [M+H]+
保持時間: 1.58分 (HPLC 方法 3)
実施例 4.2
(1R,3S)-3-(6-ジメチルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-シクロペンタンカルボン酸 N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミド
【0104】
【化33】

【0105】
その化合物を上記された方法 (実施例 1.4) と同様にして合成する。遊離体lll.1 及び6-ジメチルアミノ-ヘキサン酸臭化水素酸塩を遊離体として使用する。
収量: 9.1 mg (理論値の34 %)
C29H39N5O2
EII 質量スペクトル: m/z = 490 [M+H]+
保持時間: 1.25分 (HPLC 方法 2)
実施例 5
実施例 5.1
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミド
【0106】
【化34】

【0107】
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 (遊離体 lV.1) 100.0 mg (0.54 ミリモル) 及び1-クロロ-N,N,2-トリメチル-プロペニルアミン78.6 μL (0.59 ミリモル) を乾燥THF 5 mL中で周囲温度で1時間撹拌する。次いでこの混合物をDCM 中のN-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-フェニル]-アミン (遊離体 lll.1.a) 128.1 mg (0.54 ミリモル) 及び2,4,6-コリジン107.0 μL (0.81 ミリモル) の混合物に周囲温度で加える。その混合物を一夜撹拌する。溶媒を蒸発させる。残渣を水で吸収し、DCM で抽出する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させる。残渣をジエチルエーテルですり砕き、濾過し、乾燥させる。
収量: 136.0 mg (理論値の62%)
C24H28N4O2
EII 質量スペクトル: m/z = 405 [M+H]+
保持時間: 1.38分 (HPLC 方法 4)
実施例 5.2
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-フェニル]-N-メチル-アミド
【0108】
【化35】

【0109】
その化合物を上記された方法 (実施例 5.1) と同様にして遊離体lV.1及び遊離体としての遊離体 lV.2を用いて合成する。
収量: 8.0 mg (理論値の13%)
C23H26N4O2
EII 質量スペクトル: m/z = 391 [M+H]+
製剤の実施例
製剤の下記の実施例(これらは当業界で知られている方法と同様にして得られてもよい)が本発明を更に充分に説明するのに利用でき、それをこれらの実施例の内容に限定しない。“活性物質”という用語は本発明の一種以上の化合物(これらの塩を含む)を表す。
【0110】
実施例 1: 10ml当り活性物質75mgを含む乾燥アンプル
組成:
活性物質 75.0 mg
マンニトール 50.0 mg
注射用の水 10.0 ml添加
調製:
活性物質及びマンニトールを水に溶解する。包装後、その溶液を凍結乾燥する。直ぐに使用する溶液を生成するために、生成物を注射用の水に溶解する。
実施例 2: 2 ml当り活性物質35mgを含む乾燥アンプル
組成:
活性物質 35.0 mg
マンニトール 100.0 mg
注射用の水 2.0 ml添加
調製:
活性物質及びマンニトールを水に溶解する。包装後、その溶液を凍結乾燥する。直ぐに使用する溶液を生成するために、生成物を注射用の水に溶解する。
【0111】
実施例 3: 活性物質50mgを含む錠剤
組成:
(1) 活性物質 50.0 mg
(2) ラクトース 98.0 mg
(3) トウモロコシ澱粉 50.0 mg
(4) ポリビニルピロリドン 15.0 mg
(5) ステアリン酸マグネシウム 2.0 mg
215.0 mg
調製:
(1) 、(2) 及び(3) を一緒に混合し、(4) の水溶液で造粒する。(5) を乾燥造粒物質に添加する。この混合物から、錠剤をプレスする。錠剤は2層(biplanar)であり、両面で刻まれ、一面に分割ノッチを有する。
錠剤の直径:9mm
【0112】
実施例 4:活性物質350 mgを含む錠剤
調製:
(1) 活性物質 350.0 mg
(2) ラクトース 136.0 mg
(3) トウモロコシ澱粉 80.0 mg
(4) ポリビニルピロリドン 30.0 mg
(5) ステアリン酸マグネシウム 4.0 mg
600.0 mg
(1) 、(2) 及び(3) を一緒に混合し、(4) の水溶液で造粒する。(5) を乾燥造粒物質に添加する。この混合物から、錠剤をプレスする。錠剤は2層であり、両面で刻まれ、一面に分割ノッチを有する。
錠剤の直径:12mm
【0113】
実施例 5: 活性物質50 mg を含むカプセル
組成:
(1) 活性物質 50.0 mg
(2) 乾燥トウモロコシ澱粉 58.0 mg
(3) 粉末ラクトース 50.0 mg
(4) ステアリン酸マグネシウム 2.0 mg
160.0 mg
調製:
(1) を(3) ですり砕く。このすり砕いた物を激しく混合しながら(2) 及び(4) の混合物に添加する。この粉末混合物をカプセル充填機中でサイズ3硬質ゼラチンカプセルに詰める。
【0114】
実施例 6: 活性物質350 mgを含むカプセル
組成:
(1) 活性物質 350.0 mg
(2) 乾燥トウモロコシ澱粉 46.0 mg
(3) 粉末ラクトース 30.0 mg
(4) ステアリン酸マグネシウム 4.0 mg
430.0 mg
調製:
(1) を(3) ですり砕く。このすり砕いた物を激しく混合しながら(2) 及び(4) の混合物に添加する。この粉末混合物をカプセル充填機中でサイズ0硬質ゼラチンカプセルに詰める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 I
【化1】

の化合物、又はその塩。
[式中、
Ar1 はフェニル環又は5員もしくは6員単環式ヘテロアリール基を表し、これはN、O及びSからなる群から独立に選ばれた1〜4個のヘテロ原子を有し、
前記フェニル環又は前記5員もしくは6員単環式ヘテロアリール基は単結合を介して基Ar2 に結合されてもよく、又は基Ar2 に縮合されてもよく、
1個以上のC原子が置換基L1で互いに独立に置換されていてもよく、かつ
1個以上のイミノ基が置換基RN0 で互いに独立に置換されていてもよく、かつ
Ar2 は5員又は6員飽和又は不飽和炭素環式環(これはN、O及びSからなる群から独立に選ばれた1個又は2個のヘテロ原子を有してもよく、又は3個もしくは4個のN原子を有してもよい)を表し、かつ
Wは単結合、-C≡C- 、-CH=CH- 、-CH2-CH2- 又は-CH2-O- を表し、
R1はC1-4-アルキルを表し、
R2はH又はC1-4-アルキルを表し、
R3はC1-6-アルキル、C3-6-アルケニル、C3-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル又はRN1RN2N-を表し、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基の夫々がRN1RN2N-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-RN0N-、HO- 、C1-4-アルキルオキシ、C3-7-シクロアルキル、フェニル及びピリジニルからなる群から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
前記シクロアルキル、フェニル及びピリジニルが1個以上の置換基L2で置換されていてもよく、
RN0 はH又はC1-4-アルキルを表し、
RN1 、RN2は互いに独立にH、C1-4-アルキル、フェニル、ピリジニル、フェニル-C1-3-アルキル、ピリジニル-C1-3-アルキルから選ばれ、又はRN1 、RN2 は互いに結合されてRN1RN2N- 基のN原子とともに複素環(ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又は4-(C1-4-アルキル)-ピペラジニルからなる群から選ばれる)を形成し、
L0、L1は互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C1-4-アルキルオキシ、C1-4-アルキルカルボニル、RN1RN2N- 、RN1RN2N-C1-3-アルキル-、RN1RN2N-CO-、C1-4-アルキル-CO-NRN0- 及びC1-4-アルキル-SO2-NRN0-からなる群から選ばれ、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよく、
L2は互いに独立にF、Cl、Br、シアノ、OH、C1-4-アルキル、C1-4-アルキルオキシ、RN1RN2N-、RN1RN2N-C1-3-アルキル- からなる群から選ばれ、アルキル基が一フッ素化又は多フッ素化されていてもよく、
nは0から4までの整数を表し、
特にことわらない限り、上記アルキル基は直鎖又は分岐であってもよい]
【請求項2】
式 I-RS:
【化2】

により特徴づけられる請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
基R1がメチルを表し、かつ基R2がHを表すことを特徴とする、請求項1又は2記載の化合物、又はその塩。
【請求項4】
基Wが単結合を表すことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の化合物、又はその塩。
【請求項5】
基Ar1 がフェニル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル又はオキサゾリルを表すことを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載の化合物、又はその塩。
【請求項6】
基Ar1 がフェニル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル又はオキサゾリルを表し、これらの全てが基Ar2 に縮合されており、Ar2 がフェニル、ピリジル、ピロリル、ジヒドロピロリル、フラニル、ジヒドロフラニル又はジオキソリルを表すことを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載の化合物、又はその塩。
【請求項7】
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-ビフェニル-4-イル-N-メチル-アミド、
(1R,3S)-3-アセチルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド、及び
(1R,3S)-3-プロピオニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸 N-(4-ベンゾオキサゾール-2-イル-フェニル)-N-メチル-アミド
(それらの互変異性体、立体異性体、これらの混合物及びこれらの塩を含む)
からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
請求項1から7の一つ以上に記載の式Iの化合物の塩。
【請求項9】
必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、請求項1から7の一つ以上に記載の一種以上の化合物又はこれらの一種以上の生理学上許される塩を含む、医薬組成物。
【請求項10】
一種以上のその他の活性物質を更に含む、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項1から7の一つ以上に記載の一般式Iの化合物又はその生理学上許される塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の酵素脂肪酸シンターゼ(FAS) に関する活性を抑制することにより影響し得る疾患又は症状の治療又は予防方法。
【請求項12】
請求項1から7の一つ以上に記載の一般式Iの化合物又はその生理学上許される塩を患者に投与することを特徴とするそれを要する患者の肥満、過剰体重、体重増、食事障害、代謝障害、代謝障害と関連する合併症、心血管疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、ミコバクテリア感染症、ウイルス感染症、癌もしくは脂腺の疾患を治療もしくは予防するため、かつ/又は脂腺中の皮脂生成を減少するため、かつ/又は食欲及び/又は満腹を調節するための方法。
【請求項13】
一般式Iの化合物又はその生理学上許される塩を一種以上のその他の活性物質と組み合わせて患者に投与することを特徴とする請求項12記載の方法。

【公表番号】特表2013−508327(P2013−508327A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534638(P2012−534638)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065500
【国際公開番号】WO2011/048018
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】