説明

シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物を含有する発泡体形成組成物およびポリイソシアネートベースの発泡体の製造におけるその使用

シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物を含有する発泡体形成組成物が開示される。有効量の発泡体形成組成物と好適なポリイソシアネートとの反応から製造される独立気泡のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体もまた開示される。有効量の発泡体形成組成物を好適なポリイソシアネートと反応させることによる独立気泡のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体の製造方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書での開示は、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物、および活性水素含有化合物とを含む発泡体形成組成物、ならびにポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体を製造するためのかかる組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
独立気泡ポリイソシアネートベースの発泡体は、断熱目的のために、例えば、ビルディング建築におよびエネルギー効率的な電化製品の製造に広く使用されている。建設業界では、ポリウレタン/ポリイソシアヌレート・ボードストックは、その断熱および荷重負荷容量のために屋根材料および羽目板に使用されている。現場打ちおよび溶射ポリウレタンフォームは、断熱屋根、貯蔵タンプなどの断熱性の大構造物、冷蔵庫および冷凍庫などの断熱電化製品、断熱性の冷蔵トラックおよび列車などをはじめとする様々な用途向けに広く使用されている。
【0003】
これらの様々なタイプのポリウレタン/ポリイソシアヌレート発泡体の全てが、それらの製造のために発泡剤(発泡膨張剤または発泡膨張組成物としても知られる)を必要とする。断熱性発泡体は、ポリマーを発泡させるためにのみならず、主としてそれらの低い蒸気熱伝導性、断熱値について非常に重要な特性に関してもハロカーボン発泡剤の使用に依存する。歴史的に、ポリウレタンフォームは、主発泡剤としてCFC(クロロフルオロカーボン、例えばCFC−11、トリクロロフルオロメタン)およびHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン、例えばHCFC−141b、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)を使用した。しかしながら、成層圏オゾンの破壊におけるCFCおよびHCFCなどの塩素含有分子のかかわり合いが原因で、CFCおよびHCFCの生産および使用は、モントリオール議定書(Montreal Protocol)によって制限されてきた。最近、成層圏オゾンの破壊の一因とならない、ハイドロフルオロカーボン(HFC)がポリウレタンフォーム用の発泡剤として用いられてきている。この用途に用いられるHFCの例は、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)である。HFCは、成層圏オゾンの破壊の一因とならないが、「温室効果」へのそれらの関与、すなわち、それらが地球温暖化の一因となるために関心事である。地球温暖化へのそれらの関与の結果として、HFCは監視下に置かれ、それらの広範囲に及ぶ使用もまた将来には制限されるかもしれない。
【0004】
炭化水素もまた発泡剤として提案されてきた。しかしながら、これらの化合物は可燃性であり、多くは光化学的に反応性であり、その結果として地表面オゾン(すなわち、スモッグ)の生成の一因となる。かかる化合物は典型的には、揮発性有機化合物(VOC)と言われ、環境規制の対象である。
【0005】
特開平5−179043号公報は、ポリウレタンフォーム用の発泡剤としてシス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンを開示し、それを使用することを試みている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、(a)シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物と;(b)2個以上の活性水素を有する活性水素含有化合物とを含む発泡体形成組成物を提供する。
【0007】
本開示はまた、有効量の発泡体形成組成物と、好適なポリイソシアネートとの反応から製造された独立気泡ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体を提供する。
【0008】
本開示はまた、独立気泡ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体の製造方法を提供する。本方法は、有効量の発泡体形成組成物と、好適なポリイソシアネートとを反応させる工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の組成物は、(a)シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(Z−FC−1336mzz、またはZ−CF3CH=CHCF3)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa、またはCF3CH2CF2H)との混合物;および(b)ヒドロキシル基の形態での、2個以上の活性水素を有する活性水素含有化合物を含む発泡体形成組成物である。本開示では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの混合物が発泡剤として使用される。典型的にはこれらは、発泡体形成組成物中の他の成分と混合する前に組み合わせられる。あるいはまた、1つを、他のものが混ぜ込まれる前に他の成分の幾つかまたは全てと混合することができる。例えば、Z−FC−1336mzzを、HFC−245faが加えられる前に発泡体形成組成物中の他の成分と先ず混合することができる。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの混合物は、それらの両方とも全体が参照により本明細書によって援用される、PCT国際公開第2008/134061号パンフレットおよび2007年12月20日出願の米国仮特許出願第61/015218号明細書[FL1443 US PRV]に記載されているように共沸混合物様である。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの混合物は共沸混合物様ではない。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの混合物は、約1〜25重量%のZ−FC−1336mzzと約99〜75重量%のHFC−245faとを含有する。本発明の幾つかの実施形態では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの混合物は、約25〜95重量%のZ−FC−1336mzzと約75〜5重量%のHFC−245faとを含有する。本発明の幾つかの実施形態では、Z−FC−1336mzzとHFC−245faとの共沸混合物様混合物は、約23重量%のZ−FC−1336mzzと約77重量%のHFC−245faとを含有する。
【0013】
Z−FC−1336mzzは既知の化合物であり、その製造方法は、例えば、全体が参照により本明細書によって援用される、2007年4月26日出願の米国仮特許出願第60/926293号明細書[FL1346 US PRV]に開示された。
【0014】
「クリーム時間」とは、活性水素含有化合物とポリイソシアネートとの混合から始まって、発泡が起こり始め、混合物の色が変化し始めるときに終わる期間を意味することを意図される。
【0015】
「立上がり時間」とは、活性水素含有化合物とポリイソシアネートとの混合から始まって、発泡体立上がりが止まるときに終わる期間を意味することを意図される。
【0016】
「不粘着時間」とは、活性水素含有化合物とポリイソシアネートとの混合から始まって、発泡体の表面がもはや粘着性ではないときに終わる期間を意味することを意図される。
【0017】
「初期R値」とは、発泡体が形成され、不粘着になった後24時間内に75°Fの平均温度で測定されるポリマー発泡体の断熱値(耐熱性)を意味することを意図される。
【0018】
当該技術分野で認められているように、共沸もしくは共沸混合物様混合物は、所与の圧力下に液体形態にあるときに、個々の成分の沸騰温度より高いかまたは低いかもしれない実質的に一定の温度で沸騰し、かつ、沸騰を受けている液体組成に本質的に同一の蒸気組成を提供するであろう2つ以上の異なる成分の混合物である。
【0019】
本議論のために、共沸混合物様混合物は、共沸混合物のように挙動する(すなわ、一定の沸騰特性または沸騰もしくは蒸発時に分留しない傾向を有する)組成物を意味する。このように、沸騰もしくは蒸発中に形成される蒸気の組成は、元の液体組成と同じものまたは実質的に同じものである。従って、沸騰もしくは蒸発中に、液体組成は、仮にそれが変化する場合でも、最小限のまたは無視できる程度に変化するにすぎない。これは、沸騰もしくは蒸発中に、液体組成がかなりの程度に変化する非共沸混合物様組成物と対比されるべきである。
【0020】
さらに、共沸混合物様組成物は、圧力差が実質的に全くない露点圧力および沸点圧力を示す。すなわち、所与の温度での露点圧力と沸点圧力との差は小さい値であろう。本発明では、(沸点圧力を基準として)3パーセント以下の露点圧力と沸点圧力との差の組成物は共沸混合物様であると考えられる。
【0021】
従って、共沸もしくは共沸混合物様組成物の本質的な特徴は、所与の圧力で、液体組成物の沸点が一定であること、および沸騰している組成物の上方蒸気の組成が本質的に、沸騰している液体組成物のそれである(すなわち、液体組成物の成分の分留が起こらない)ことである。共沸もしくは共沸混合物様液体組成物が異なる圧力で沸騰にかけられるときに、共沸組成物の各成分の沸点および重量百分率の両方が変化し得ることはまた当該技術分野で認められている。このように、共沸もしくは共沸混合物様組成物は、成分の間に存在する特異な関係の観点からか、または成分の組成範囲観点からか、または特定の圧力での一定の沸点によって特徴付けられる組成物の各成分の正確な重量百分率の観点から定義されてもよい。様々な共沸組成(特定の圧力でのそれらの沸点を含めて)が計算され得ることもまた当該技術分野で認められている(例えば、W.Schotte Ind.Eng.Chem.Process Des.Dev.19(1980)、432−439ページを参照されたい)。同じ成分を含む共沸組成物の実験的同定は、かかる計算の正確さを確認するためにおよび/または同じもしくは他の温度および圧力での計算を修正するために用いられてもよい。
【0022】
本発明の活性水素含有化合物は、参照により本明細書によって援用される、米国特許第4,394,491号明細書に記載されるなどの、イソシアネート基とよく反応する活性水素原子を含有する2個以上の基を有する化合物を含むことができる。かかる化合物の例は、1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、より具体的には、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールなどの、ポリオールを含む。かかるポリオールの例は、約50〜約700の、普通は約70〜約300の、より典型的には約90〜約270の当量を有し、そして少なくとも2個のヒドロキシル基、通常は3〜8個のかかる基を持っているものである。
【0023】
好適なポリオールの例は、芳香族ポリエステルポリオール、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)スクラップをジエチレングリコールなどのグリコールとエステル交換させることによって製造された、または無水フタル酸をグリコールと反応させることによって製造されたものなどのポリエステルポリオールと含む。生じたポリエステルポリオールは、追加の内部アルキレンオキシ基を含有する延長ポリエステルポリオールを形成するためにエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとさらに反応させられてもよい。
【0024】
好適なポリオールの例はまた、とりわけ、末端ヒドロキシル基を持ったポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、混合ポリエチレン−プロピレンオキシドなどのポリエーテルポリオールを含む。他の好適なポリオールは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを、例えば、グリセロール、ペンタエリスリトールおよびソルビトール、グルコース、スクロースおよび類似のポリヒドロキシ化合物などの炭水化物中に存在するような2〜16個、一般には3〜8個のヒドロキシル基を有する開始剤と反応させることによって製造することができる。好適なポリエーテルポリオールはまた、脂肪族または芳香族アミンベースのポリオールを含むことができる。好適なポリエーテルポリオールはまた、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールを含むことができる。
【0025】
本発明はまた、有効量の発泡体形成組成物を好適なポリイソシアネートと反応させることによる独立気泡ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体の製造方法に関する。
【0026】
典型的には、好適なポリイソシアネートと反応させる前に、本明細書で上に記載された活性水素含有化合物および任意選択的に他の添加剤が、発泡体形成組成物を形成するために発泡剤(例えばZ−FC−1336mzzおよびHFC−245faの混合物)と混合される。かかる発泡体形成組成物は典型的には、イソシアネート反応性プレブレンド物、またはB−サイド組成物として当該技術分野で知られている。本発明の発泡体形成組成物は、所望量の各成分を単に量り取り、その後、それらを適切な温度および圧力で適切な容器中で組み合わせることをはじめとする、当業者に便利な任意の方法で調製することができる。
【0027】
ポリイソシアネートベースの発泡体を製造するとき、ポリイソシアネート反応剤は普通、活性水素含有化合物のそれに対して、イソシアネート基の当量対活性水素基の当量の比、すなわち、発泡体指数が約0.9〜約10、ほとんどの場合に約1から約4であるような割合で選択される。
【0028】
任意の好適なポリイソシアネートを即時法で用いることができるが、ポリイソシアネートベースの発泡体を製造するために有用な好適なポリイソシアネートの例は、とりわけ、芳香族、脂肪族および脂環式ポリイソシアネートの少なくとも1つを含む。これらの化合物の代表的なメンバーは、とりわけ、メタ−またはパラ−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート(および異性体)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチルフェニル−2,4−フェニルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート、4,4−ビフェニレンジイソシアネートおよび3,3−ジメトキシ−4,4−ビフェニレンジイソシアネートならびに3,3−ジメチルジフェニルプロパン−4,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート;トルエン−2,4,6−トリイソシアネートなどのトリイソシアネートならびに4,4−ジメチルジフェニルメタン−2,2,5,5−テトライソシアネートおよび様々なポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、それらの混合物などのポリイソシアネートを含む。
【0029】
トルエンジアミンを含む混合物のホスゲン化によって得られる粗トルエンジイソシアネート、または粗ジフェニルメタンジアミンのホスゲン化によって得られる粗ジフェニルメタンジイソシアネートなどの、粗ポリイソシアネートもまた本発明の実施に使用されてもよい。かかる化合物の具体的な例は、ポリウレタンを架橋するそれらの能力のために、メチレン橋架けポリフェニルポリイソシアネートを含む。
【0030】
ポリイソシアネートベースの発泡体を製造する際に少量の添加剤を用いることは多くの場合に望ましい。これらの中で添加剤は、とりわけ当該技術分野で周知の、触媒、界面活性剤、難燃剤、防腐剤、着色剤、酸化防止剤、強化剤、フィラー、帯電防止剤からなる群からの1つ以上のメンバーを含む。
【0031】
組成物に依存して、界面活性剤は、硬化の間ずっと発泡反応混合物を安定化させるために用いることができる。かかる界面活性剤は普通は、液体または固体有機シリコーン化合物を含む。界面活性剤は、発泡反応混合物を崩壊から安定化させるのに、かつ、大きい、一様でない気泡の形成を防ぐのに十分な量で用いられる。本発明の一実施態様では、全発泡成分(すなわち、発泡剤+活性水素含有化合物+ポリイソシアネート+添加剤)の総重量を基準として約0.1重量%〜約5重量%の界面活性剤が使用される。本発明の別の実施形態では、全発泡成分の総重量を基準として約1.5重量%〜約3重量%の界面活性剤が使用される。
【0032】
活性水素含有化合物、例えばポリオールと、ポリイソシアネートとの反応のための1つ以上の触媒もまた用いられてもよい。任意の好適なウレタン触媒が用いられてもよいが、具体的な触媒は、第三級アミン化合物および有機金属化合物を含む。例示的なかかる触媒は、例えば、その開示が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,164,419号明細書に開示されている。例えば、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属カルボン酸塩、または第四級アミン化合物などの、ポリイソシアネートの三量化のための触媒もまた任意選択的に本明細書で用いられてもよい。かかる触媒は、ポリイソシアネートの反応の速度を計れる程度に増大させる量で使用される。触媒の典型的な量は、全発泡成分の総重量を基準として約0.1重量%から約5重量%である。
【0033】
ポリイソシアネートベースの発泡体を製造するための本発明の方法において、活性水素含有化合物(例えば、ポリオール)、ポリイソシアネートおよび他の成分は、接触させられ、十分に混合され、発泡させられ、多孔質ポリマーへ硬化させられる。混合装置は決定的に重要であるわけではなく、様々な従来タイプの混合ヘッドおよびスプレー装置が用いられる。従来装置とは、フルオロトリクロロメタン(CCl3F、CFC−11)などの、従来のイソシアネートベースの発泡体発泡剤が用いられる、イソシアネートベースの発泡体の製造に従来用いられた装置、設備、および手順を意味する。かかる従来装置は、H.Bodenらによって、G.Oerter編Polyurethane Handbook,Hanser Publishers,New York,1985年の第4章;SPI 34th Annual Technical/Marketing Conference,1992年10月21日−10月24日,New Orleans,LouisianaからのPolyurethanes92に発表された“Fine Celled CFC−Free Rigid Foam−New Machinery with Low Boiling Blowing Agents”という表題のH.Grunbauerらによる論文;およびProceedings of the SPI/ISOPAからPolyurethanes World Congress 1991,1991年9月24−26日,Acropolis,Nice,Franceで発表された“Soluble or Insoluble Alternative Blowing Agents? Processing Technologies for Both Alternatives,Presented by the Equipment Manufacturer”という表題のM.Tavernaらによる論文に議論されている。これらの開示は、参照により本明細書によって援用される。
【0034】
本発明の一実施態様では、ある種の原料のプレブレンド物は、ポリイソシアネートと活性水素含有成分とを反応させる前に調製される。例えば、ポリオール、発泡剤、界面活性剤、触媒および、ポリイソシアネートを除く、他の発泡成分をブレンドし、次にこのブレンド物をポリイソシアネートと接触させることが多くの場合に有用である。あるいはまた、発泡成分が全て、ポリイソシアネートとポリオールとが接触させられる混合ゾーンに個別に導入されてもよい。ポリオールの全てまたは一部をポリイソシアネートと前もって反応させてプレポリマーを形成することもまた可能である。
【0035】
本発明組成物および方法は、例えば、インテグラルスキン、RIMおよび可撓性発泡体、ならびに現場注入電化製品発泡体として、または硬質の断熱性ボードストックおよびラミネートとして、スプレー断熱に有用な特に硬質の独立気泡ポリマー発泡体をはじめとする、あらゆる種類の発泡ポリウレタンフォームの製造に適用できる。
【0036】
本発明はまた、有効量の本開示の発泡体形成組成物と、好適なポリイソシアネートとの反応から製造された独立気泡ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体に関する。
【実施例】
【0037】
実施例
本開示は、以下の実施例でさらに明確にされる。これらの実施例は、好ましい実施形態を示すが、例示のつもりで示されるにすぎないことが理解されるべきである。上記の議論およびこれらの実施例から、当業者は、好ましい特徴を確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件にそれを適合させるために様々な変更および修正を行うことができる。
【0038】
ポリオールAは、Huntsman Polyurethanes(West Deptford,NJ 08066−1723)製のマンニッヒ(Mannich)塩基ポリエーテルポリオール(JEFFOL 315X)である。ポリオールAは、25℃で2400センチポアズの粘度を有する。ポリオール中のヒドロキシル基の含有率は、ポリオールの1グラム当たり336mgKOHに等しい。
【0039】
ポリオールBは、Invista Polyurethanes(Wichita,KS 67220)製のポリエステルポリオール(Terate 2031)である。ポリオールBは、25℃で10,000センチポアズの粘度を有する。ポリオール中のヒドロキシル基の含有率は、ポリオールの1グラム当たり307mgKOHに等しい。
【0040】
ポリオールCは、Dow Chemicals Inc.(Midland,MI,49641−1206)から購入したトルエンジアミン(o−TDA)開始芳香族ポリエーテルポリオール(VORANOL 391)である。ポリオールは25℃で4740センチポアズの粘度を有する。ポリオール中のヒドロキシル基の含有率は、ポリオールの1グラム当たり391mgKOHに等しい。
【0041】
界面活性剤A(DABCO DC193)は、Air Products Inc.(7201 Hamilton Blvd,Allentown PA 18195)からから購入したポリシロキサンである。
【0042】
界面活性剤Bはシリコン型界面活性剤であり、Momentive Performance Materials(187 Danbury Road,Wilton,CT 06897 USA)から購入した70%ポリアルキレンオキシドメチルシロキサンと30%ポリアルキレンオキシドとの混合物(Niax Silicone L−5440)である。
【0043】
発泡剤エンハンサー(Dabco PM300)は、Air Products Inc.(7201 Hamilton Blvd,Allentown PA 18195)から購入した2−ブトキシエタノールである。
【0044】
アミン触媒A(Polycat 30)は、Air Products Inc.(7201 Hamilton Blvd,Allentown PA 18195)から購入した第三級アミンである。
【0045】
アミン触媒B(Polycat 8)は、Air Products Inc.(7201 Hamilton Blvd,Allentown PA 18195)から購入したN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンである。
【0046】
カリウム触媒(Potassium HEX−CEM 977)は、25重量%ジエチレングリコールとOMG Americas Inc.(127 Public Square,1500 Key Tower,Cleveland OH 44114)から購入した75重量%2−エチルヘキサン酸カリウムとを含有する。
【0047】
助触媒(Curithane 52)は、Air Products Inc.(7201 Hamilton Blvd,Allentown PA 18195)から購入した2−メチル(N−メチルアミノb−酢酸ナトリウムノニルフェノール)である。
【0048】
難燃剤(PUMA 4010)は、ExpoMix Corporation(Wauconda,IL 60084)から購入したトリス−(1−クロロ−2−プロピル)ホスフェート(TCPP)である。
【0049】
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PAPI 27)は、Dow Chemicals,Inc.(Midland,MI,49641−1206)から購入する。
【0050】
初期R値は、75°Fの平均温度でLaserComp FOX 304 Thermal Conductivity Meter(熱伝導率計)によって測定する。R値の単位はフィート2−時間−°F/BTU−インチである。
【0051】
実施例1
HFC−245faから製造されるポリウレタンフォーム
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(HFC−245fa)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。HFC−245faは1気圧で15.2℃の沸点を有する。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表1および2に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
実施例2
Z−FC−1336mzzから製造されるポリウレタンフォーム
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(Z−FC−1336mzz)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。Z−FC−1336mzzは1気圧で33.4℃の沸点を有する。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表3および4に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
実施例3
23重量%Z−FC−1336mzzと77重量%HFC−245faとの混合物から製造されるポリウレタンフォーム
発泡剤Z−FC−1336mzzおよびHFC−245faをプレミックスして23重量%のZ−FC−1336mzzと77重量%のHFC−245faとを含有する混合物を形成した。この発泡剤混合物は1気圧で17.2℃の沸点を有する。
【0058】
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(77重量%のHFC−245faおよび23重量%のZ−FC−1336mzz)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表5および6に示す。
【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
実施例4
50重量%Z−FC−1336mzzと50重量%HFC−245faとの混合物から製造されるポリウレタンフォーム
発泡剤Z−FC−1336mzzおよびHFC−245faをプレミックスして50重量%のZ−FC−1336mzzと50重量%のHFC−245faとを含有する混合物を形成した。この発泡剤混合物は1気圧で20.4℃の沸点を有する。
【0062】
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(50重量%のHFC−245faおよび50重量%のZ−FC−1336mzz)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表7および8に示す。
【0063】
【表7】

【0064】
【表8】

【0065】
実施例5
83重量%Z−FC−1336mzzと17重量%HFC−245faとの混合物から製造されるポリウレタンフォーム
発泡剤Z−FC−1336mzzおよびHFC−245faをプレミックスして83重量%のZ−FC−1336mzzと17重量%のHFC−245faとを含有する混合物を形成した。この発泡剤混合物は1気圧で26.9℃の沸点を有する。
【0066】
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(83重量%のHFC−245faおよび17重量%のZ−FC−1336mzz)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表9および10に示す。
【0067】
【表9】

【0068】
【表10】

【0069】
実施例6
Z−FC−1336mzzおよびHFC−245fa共沸混合物様混合物から製造されるポリウレタンフォーム
発泡剤Z−FC−1336mzzおよびHFC−245faをプレミックスして20重量%のZ−FC−1336mzzと80重量%のHFC−245faとを含有する共沸混合物様混合物を形成した。
【0070】
ポリオール、界面活性剤、触媒、水および発泡剤(80重量%のHFC−245faおよび20重量%のZ−FC−1336mzz)を手動によりプレミックスし、次にポリイソシアネートと混合した。生じた混合物を8インチ×8インチ×2.5インチ紙箱に注ぎ込み、ポリウレタンフォームを形成した。発泡体の調合物および特性を下の表11および12に示す。
【0071】
【表11】

【0072】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとの混合物;および
(b)2個以上の活性水素を有する活性水素含有化合物
を含む発泡体形成組成物。
【請求項2】
前記活性水素含有化合物がポリエーテルポリオールである請求項1に記載の発泡体形成組成物。
【請求項3】
前記ポリエーテルポリオールがマンニッヒ塩基ポリエーテルポリオールである請求項2に記載の発泡体形成組成物。
【請求項4】
前記活性水素含有化合物がポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの混合物である請求項1に記載の発泡体形成組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の有効量の発泡体形成組成物と好適なポリイソシアネートとの反応から製造される独立気泡のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体。
【請求項6】
前記ポリマー発泡体が7.0フィート2−時間−°F/BTU−インチより大きい初期R値を有する請求項5に記載の独立気泡のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体。
【請求項7】
請求項1に記載の有効量の発泡体形成組成物を好適なポリイソシアネートと反応させる工程を含む独立気泡のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートポリマー発泡体の製造方法。

【公表番号】特表2012−516931(P2012−516931A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549200(P2011−549200)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/022506
【国際公開番号】WO2010/090951
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】