説明

シベレスタットの合成方法

【課題】全身性炎症反応症候群を伴う急性肺炎症の治療に適応されるヒト好中球エラスターゼ阻害薬であるシベレスタットを利用し易い方法により合成する方法を提供する。
【解決手段】4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムおよび無水イサト酸から出発して、シベレスタット(1)、すなわち2-(2-(4-(ピバロイルオキシ)フェニルスルホンアミド)ベンズアミド)酢酸を調製する方法。


シベレスタット前記方法は、大部分の中間体を単離することなく行われ、収率および生産性において特に有利である。さらに、得られるシベレスタットは純度が高く、シベレスタットナトリウム四水和物に利用し易い方法により変換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムおよび無水イサト酸から出発して、シベレスタット(1)、すなわち2-(2-(4-(ピバロイルオキシ)フェニルスルホンアミド)ベンズアミド)酢酸を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シベレスタットは、全身性炎症反応症候群を伴う急性肺炎症の治療に適応されるヒト好中球エラスターゼである。より詳しくは、シベレスタットナトリウム四水和物が治療に用いられる。シベレスタットの合成は、EP 3472168、EP 539223およびBiorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134 (小野薬品工業株式会社)に開示されている。シベレスタットの主な合成スキームが以下に報告されている。
・EP 3472168、EP 539223およびBiorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134によるシベレスタットナトリウム四水和物の合成
【0003】
【化1】

【0004】
この方法は、それぞれの出発材料4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3および2-ニトロ安息香酸7から中間体6および10が別々に得られる収束合成に基づくものである。中間体6は中間体10と反応して中間体11を与え、これは次に脱ベンジル化されてシベレスタットを与え、次に、このシベレスタットを水の存在下に塩化して四水和物ナトリウム塩2を得ることができる。前記方法は、最終的塩化以外に、7つの合成工程を含む。既知の方法は、全ての中間体を単離して乾燥することを含み、それにより、効率および生産性に影響を与え、最終生成物の労働費用に大きな影響が及ぶ。全収率は、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3から出発して22%未満であり、中間体5の合成の工程は、特に収率が低く、産業的方法には不満足なものである。さらに、中間体5の合成は水中で行われ、(中間体6の調製のための塩化チオニルを用いる)次の工程は水と不適合であるので、中間体5を回収および乾燥することが必須であり、そのために、プロセス所要時間が非常に長く、生産性が非効率的である。
【0005】
JP 09040692(小野薬品工業株式会社)は、以下のスキームに従う、シベレスタットおよびその四水和物ナトリウム塩の合成のための手順を開示している。
・JP 0904092に従うシベレスタットナトリウム四水和物の合成
【0006】
【化2】

【0007】
JP 9040692に開示のシベレスタットの合成は、最終的な塩化に加え、5つの合成工程を含む。EP 3472168、EP 539223およびBiorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134に開示の合成手順と比べると、合成のための2つの出発材料の一方(2-ニトロ安息香酸7)が、市販のアントラニル酸12に取り換えられ、そのために、方法が工程数という事項において単純化されるが、反応に比較的費用のかかる塩化トリメチルシリルを用いたトリメチルシリル誘導体15の状態でグリシン14のカルボキシル基を保護する必要がある。
【0008】
特許出願IN 2007MU01508(Macleods Pharmaceuticals Ltd.)に開示されたシベレスタットおよびその四水和物ナトリウム塩の合成のためのもう一つの手順が、以下のスキームに報告されている。
・IN 2007MU01508によるシベレスタットナトリウム四水和物の合成
【0009】
【化3】

【0010】
前記合成は、塩化に加えて、6つの工程を含む。この方法は、JP 9040692に記載のものと同様に、塩化トリメチルシリルの使用を含む。
【0011】
以下の公報は、先に報告した最初のスキームのものと同様に、シベレスタット、ナトリウム塩および四水和物ナトリウム塩の調製のための方法を開示している。
・シベレスタットナトリウムの合成。Huaxue Shijie (2004), 45(1), 29-31, 25。
・シベレスタットナトリウム水和物の調製。Nanjing Gongye Daxue Xuebao, Ziran Kexueban (2005), 27(1), 89-92。
・シベレスタットナトリウムの合成。Zhongguo Yiyao Gongye Zazhi (2003), 34(8), 369-370. 399。
・シベレスタットの合成。Zhongguo Yaowu Huaxue Zazhi (2006), 16(2), 79-81, 111。
Hecheng Huaxue (2004), 12(6), 580-582は、JP 09040692と同じ合成スキームに基づくシベレスタットナトリウム塩の調製方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第3472168号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許第539223号明細書
【特許文献3】特開平09−040692号公報
【特許文献4】IN 2007MU01508
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Biorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134
【非特許文献2】Huaxue Shijie (2004), 45(1), 29-31, 25
【非特許文献3】Nanjing Gongye Daxue Xuebao, Ziran Kexueban (2005), 27(1), 89-92
【非特許文献4】Zhongguo Yiyao Gongye Zazhi (2003), 34(8), 369-370. 399
【非特許文献5】Zhongguo Yaowu Huaxue Zazhi (2006), 16(2), 79-81, 111
【非特許文献6】Hecheng Huaxue (2004), 12(6), 580-582
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
今回、以下に報告された新規合成手順により、シベレスタットおよびシベレスタットナトリウム四水和物を利用し易い方法により調製することができることが発見された。
本発明によるシベレスタットナトリウム四水和物の合成
【0015】
【化4】

【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の方法は、以下の工程を含む。
【0017】
a) 4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3を有機塩基の存在下に塩化ピバロイルと反応させて、対応する4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸塩を得る工程、
b) a)で得られた4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸塩をハロゲン化剤と反応させて、ピバル酸4-(ハロスルホニル)フェニルを得る工程、
c) 無水イサト酸をグリシン酸ベンジル(benzyl glycinate:ベンジル グリシネート)と反応させて、2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10を得る工程、
d) 2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10をピバル酸4-(ハロスルホニル)フェニルと反応させて、ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11を得る工程、
e) ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11を脱ベンジル化反応させて、シベレスタット1を得る工程、および
f) シベレスタット1を塩化して、シベレスタット四水和物ナトリウム塩2を得る工程。
【0018】
アルキル、アリールまたはアルキル-アリールアミン、例えば、トリエチルアミン、ベンジルアミン等が、有機塩基として好ましく用いられる。
【0019】
この場合、アルキル、アリールおよびアルキル-アリールアンモニウム4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸塩の合成は、有機塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、有機溶媒中、好ましくは、トルエンのような芳香族溶媒、ジクロロメタンのような塩素化溶媒、およびそれらの混合物中において行われる。トリエチルアミンを用いる場合、中間体19が得られる。
【0020】
ピバル酸4-(ハロスルホニル)フェニルの合成は、従来のハロゲン化剤、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、好ましくは、塩化チオニルを用いて行われる。塩化チエニルを用いる場合、中間体6が得られる。
【0021】
2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10の合成は、グリシン酸ベンジルまたはその市販の塩、例えば、塩酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩を塩基として用いて行われる。
【0022】
中間体19は新規であり、本発明の対象でもある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、方法は以下のように行われる。
工程a
典型的には、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3を、1.5〜3.0当量、好ましくは2.0〜2.5当量の有機塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の塩化ピバロイルと反応させる。反応は、トルエンのような芳香族溶媒、ジクロロメタンのような塩素化溶媒、およびそれらの混合物、好ましくは、ジクロロメタン中において、0℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃の温度で行われる。4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3の量に対して2〜15体積、好ましくは4〜8体積の溶媒が用いられる。反応を、C18カラムおよび相溶離剤としての0.05M一塩基性リン酸緩衝液/アセトニトリルを用いて、HPLC分析によりモニターする。反応終了後、4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム19を油状物として得ることができ、これを数日間貯蔵することができる。あるいは、本発明の好ましい態様によれば、得られる溶液を、工程bにおいて直接用いる。
【0024】
2〜15体積の水を加え、相を分離し、溶媒が完全に除去されるまで有機相を濃縮して、油状物としての4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム塩19を得る。4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム19を油状物として得る。
工程b
典型的には、工程a)からの4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム19(油状物として単離したもの、または、最終反応溶液から直接)を、触媒量(0.3当量)のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下に、トルエンのような芳香族溶媒、ジクロロメタンのような塩素化溶媒、およびそれらの混合物、好ましくはジクロロメタン中で、1.0〜3.0当量、好ましくは1.2〜1.6当量の塩化チオニルまたは好ましくは塩化オキサリルと反応させることができる。塩化チオニルを用いる場合、反応は0℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃の温度で行われ、一方、塩化オキサリルを用いる場合、反応は0℃〜10℃の温度で行われる。4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム19の量に対して2〜10体積、好ましくは4〜6体積の溶媒が用いられる。反応を、C18カラムおよび相溶離剤としての0.05M一塩基性リン酸緩衝液/アセトニトリルを用いて、HPLC分析によりモニターする。反応終了後、中間体であるピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル6を固形物として回収し、任意に乾燥することができる、または、得られる溶液を工程dで直接用いることができる。
【0025】
中間体であるピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル6は、溶媒の蒸発時に固形物として回収され;ジクロロメタンを用いる場合、残渣をトルエンに溶解し、懸濁液を濾過する。トルエンを用いる場合、反応完了後、混濁溶液を濾過し、得られる透明溶液を濃縮し、n-ヘキサンから結晶化させる。懸濁液を濾過し、生成物を減圧下に40℃で12時間乾燥する。
工程c
典型的には、無水イサト酸4を、約1当量のグリシン酸ベンジルと、遊離塩基としてまたはその塩、例えば、塩酸塩またはパラトルエンスルホン酸塩、好ましくは、パラトルエンスルホン酸塩として反応させる。反応は、グリシン酸ベンジルをその塩として用いる場合、アセトニトリルのような有機溶媒中または水中、好ましくは水中で、20℃〜100℃の温度で、トリエチルアミンのような有機塩基の存在下に行う。無水イサト酸4の量に対して1〜15体積、好ましくは5〜10体積の溶媒が用いられる。反応を、C18カラムおよび相溶離剤としての0.05M一塩基性リン酸緩衝液/アセトニトリルを用いて、HPLC分析によりモニターする。反応終了後、存在する場合は有機溶媒を蒸発除去し、無水イサト酸4の量に対して5〜10体積の水を添加する。懸濁液を濾過し、生成物を減圧下に60℃で12時間乾燥して2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10を得て、これを回収し乾燥して固形物とする。
工程d
典型的に、工程c)からの中間体である2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10を、工程b)において最終溶液から直接得られる、または、単離された中間体6をトルエンのような芳香族溶媒、ジクロロメタンのような塩素化溶媒またはそれらの混合物、好ましくはジクロロメタン中に溶解することにより得られる約1当量のピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル6と反応させる。反応は、ピリジンまたはトリエチルアミンのような有機塩基の存在下に、0℃〜35℃の温度、好ましくは20℃〜25℃の温度で行われる。中間体である2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10の量に対して2〜15体積、好ましくは5〜10体積の溶媒が用いられる。反応を、C18カラムおよび相溶離剤としての0.05M一塩基性リン酸緩衝液/アセトニトリルを用いて、HPLC分析によりモニターする。反応終了後、水を加え、相を分離する。有機相を、10%塩酸および、次に、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗う。有機溶媒を減圧下に濃縮する。得られる残渣を、2〜15体積のメタノールのようなアルコール溶媒に溶解し、工程e)で直接用いることができる、または、2〜10体積のジイソプロピルエーテルの添加により残渣を結晶化する。懸濁液を濾過し、生成物を減圧下に60℃で12時間乾燥してピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11を得て、これを回収し乾燥して固形物とする。
工程e
典型的に、d)において単離前に溶媒を蒸発した後の濃縮溶液から直接得られる中間体ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11、または、単離された中間体11を、金属触媒、好ましくはPdの存在下に水素雰囲気下に反応させる。反応を、アルコール溶媒、好ましくはメタノール中、10〜60℃の温度、好ましくは20〜25℃の温度で行う。ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11の量に対して3〜15体積、好ましくは5〜10体積の溶媒を用いる。反応終了後、触媒を濾去し、溶媒を蒸発除去する。ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11の量に対して5〜10体積のトルエンを添加することにより生成物を結晶化する。懸濁液を濾過し、生成物を減圧下に60℃で12時間乾燥してシベレスタット1を得る。
工程f
典型的に、e)で得られるシベレスタット1を、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムから選択される無機塩基を用いて塩化する。塩化は、文献から知られているように、水/テトラヒドロフラン中にて0℃〜25℃の温度で行われる。塩基の添加後、テトラヒドロフランを蒸発除去し、得られる懸濁液を濾過する。生成物を水で洗い、続いて、減圧下に25℃〜40℃で12時間乾燥してシベレスタット四水和物ナトリウム塩2を得る。
【0026】
本発明の方法は、大部分の中間体を単離することなく行われるので、特に有利である。特に、中間体19、6および11の単離が回避される。4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3からの中間体6の「ワンポット」合成は、既知の方法の中間体5に反して、新規中間体19が有機溶媒に溶解性であるために実施することができる。従って、塩化ピバロイルを用いるエステル化と、塩化チオニルとの反応との両方を、同じ溶媒を用いて行うことができ、中間体を単離し乾燥する必要がない。
【0027】
この合成方法は、EP 3472168およびEP 539223に開示のような3つの工程と比較して単一の合成工程において中間体10が合成される点においても非常に有利である。さらに、無水イサト酸は比較的安価な市販の出発材料である。
【0028】
本発明を、以下の実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
EP 3472168、EP 539223およびBiorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134に開示の手順に従った4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(5)
【0030】
【化5】

【0031】
4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(3)(107g, 0.616mol)、水(300ml)、NaOH(52.8g, 1.294mol)およびTHF(200ml)の溶液の塩化ピバロイル(82.6g, 0.678mol)への添加を、0〜5℃で機械的攪拌下に30分間で滴下により行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、0〜5℃で2時間攪拌し続けた。反応終了後、混合物を濾過し、水(30ml)で洗い、減圧下に45℃で16時間乾燥して、白色粉末状固形物126.7g(73.4%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 281
1H-NMR(D2O中)(4.7ppmでの溶媒の信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.24(9H, s, t-but); 7.14および7.81(系AA'XX', 4H, 芳香族)
13C-NMR(ppm): 26.1(CH3 t-but); 38.8; 122.0(芳香族CH); 127.3(芳香族CH); 140.4; 152.4; 180.1(COOR)
FT-IR(UATR, cm-1): 2970, 1746, 1591, 1235, 1185, 1117, 1044, 1010, 900, 698
(実施例2)
EP 3472168、EP 539223およびBiorganic & Medicinal Chemistry (1996), 4(12), 2115-2134に開示の手順に従ったピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル(6)
【0032】
【化6】

【0033】
実施例1に従って調製した4-(ピバロイルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(5)(1.5g, 0.0054mol)をDMF(7ml)中に含む懸濁液の塩化チオニル(0.78g, 0.0065mol)への添加を、0〜5℃で5分間で滴下で行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、この温度で1時間攪拌し続け、次に、室温でさらに30分間攪拌し続ける。反応終了後、水(10ml)を加え、混合物を濾過し、水で充分に洗い、次に、減圧下に45℃で16時間乾燥して、白色固形物1.2g(81.6%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 277
1H-NMR(CDCl3中)(TMSの信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.40(9H, s, t-but); 7.37および8.09(系AA'XX', 4H, 芳香族)
13C-NMR(ppm): 26.8(CH3 t-but); 39.2 122.8(芳香族CH); 128.7(芳香族CH); 140.9; 156.2; 175.9(COOR)
FT-IR(UATR, cm-1): 2981, 1748, 1590, 1576, 1479, 1370, 1100, 844, 682
(実施例3)
4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム(19)
【0034】
【化7】

【0035】
4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(3)(10g, 0.049mol)、DCM(50ml)およびTEA(10.0g, 0.098mol)の溶液の塩化ピバロイル(8.9g, 0.074mol)への添加を、20〜25℃で磁気攪拌下に約30分間で滴下で行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、20〜25℃で2時間攪拌し続ける。反応終了後、水(30ml)を加え、有機相を分離し、溶媒を減圧下に蒸発除去して透明油状物15.7g(89%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 281
1H-NMR(CDCl3中)(TMSの信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.33(9H, t, J=7.4Hz, CH3 TEA); 1.35(9H, s, t-but); 3.11(6H, q, J=7.4Hz, CH2 TEA); 7.04および7.88(系AA'XX', 4H, 芳香族)
13C-NMR(ppm): 8.9(CH3 TEA); 26.7(C t-but), 27.3(CH3 t-but); 46.2(CH2 TEA); 121.5(芳香族CH); 127.6(芳香族CH); 142.9(C-S); 152.4(C-O); 177.1(COOR)
FT-IR(UATR, cm-1): 2978, 2704, 2511, 1808, 1746, 1592, 1479,1119, 1005, 898, 696.
(実施例4)
非単離(19)からのピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル(6)
【0036】
【化8】

【0037】
4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(3)(1.0g, 0.0049mol)、DCM(6ml)およびTEA(1.0g, 0.0098mol)の溶液の塩化ピバロイル(0.84g, 0.0069mol)への添加を20〜25℃で磁気攪拌下に約5分間で滴下で行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、20〜25℃で2時間攪拌し続ける。反応終了後、DMF(0.11g, 0.0015mol)を加え、塩化チオニル(0.77g, 0.0064mol)を20〜25℃で15分間で滴加する。混合物を、HPLCでモニターしつつ、この温度で2時間攪拌し続ける。反応終了後、溶媒を減圧下に蒸発除去し、トルエン(10ml)を加え、塩を濾過除去し、溶媒を減圧下に濃縮する。得られる残渣に、n-ヘキサン5mlを加え、次に、0℃に冷却し、得られる懸濁液を濾過し、生成物をn-ヘキサンで洗う。淡黄色固形物1.1g(81.1%)を得る。
【0038】
(実施例5)
2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)
【0039】
【化9】

【0040】
グリシンベンジルエステル塩酸塩(2.5g, 0.012mol)、アセトニトリル(15ml)およびトリエチルアミン(1.3g, 0.013mol)の懸濁液の無水イサト酸(2.0g, 0.012mol)への添加を、攪拌下に少しずつ加えることで行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、3時間還流する。反応終了後、溶媒を蒸発除去し、水(10ml)を加える。混合物を濾過し、生成物を水で洗う。生成物を減圧下に60℃で12時間乾燥する。白桃色固形物2.92g(85.6%)を得る。
【0041】
(実施例6)
2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)
【0042】
【化10】

【0043】
グリシンベンジルエステルp-トルエンスルホネート(10.0g, 0.030mol)、アセトニトリル(60ml)およびトリエチルアミン(3.3g, 0.032mol)の懸濁液の無水イサト酸(5.1g, 0.030mol)への添加を、攪拌下に少しずつ加えることで行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、2時間還流する。反応終了後、溶媒を蒸発除去し、水(50ml)を加える。混合物を濾過し、生成物を水で洗い、次に、減圧下に60℃で12時間乾燥する。白桃色固形物7.65g(89.7%)を得る。
【0044】
(実施例7)
2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)
【0045】
【化11】

【0046】
グリシンベンジルエステルp-トルエンスルホネート(100.0g, 0.296mol)、アセトニトリル(500ml)およびトリエチルアミン(31.4g, 0.311mol)の懸濁液の無水イサト酸(48.3g, 0.296mol)への添加を、機械的攪拌下に少しずつ加えることで行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、2時間還流する。反応終了後、溶媒を蒸発除去し、水(500ml)を加える。混合物を濾過し、生成物を水(50ml)で洗い、次に、減圧下に60℃で12時間乾燥する。白桃色固形物77.5g(92.1%)を得る。
【0047】
(実施例8)
2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)
【0048】
【化12】

【0049】
グリシンベンジルエステルp-トルエンスルホネート(5.0g, 0.015mol)、水(30ml)およびトリエチルアミン(1.6g, 0.016mol)の懸濁液の無水イサト酸(2.5g, 0.015mol)への添加を、攪拌下に加えることで行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、室温で6時間攪拌し続ける。反応終了後、混合物を濾過し、生成物を水で洗い、次に、減圧下に60℃で12時間乾燥する。白桃色固形物3.9g(91.4%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 285
1H-NMR(CD3COCD3中)(TMS信号に対してppmで表わされる化学シフト): 4.18(d, J=6Hz, 2H, CH2); 5.20(s, 2H, -CH2OR); 6.29(1H, bs, NH2); 6.59(bt, J=9Hz, 1H, H-4芳香族); 6.78(d, J=9Hz, H-3); 7.18(1H, dt, J=8, 1.5Hz, H-4芳香族); 7.30-7.60(m, 5H, 芳香族); 7.60 (dd, 1H, J=8, 1Hz, H-4芳香族); 7.90(1H, bt, NH)
13C-NMR(CD3COCD3中)(ppm): 40.6(CH2); 65.6(CH2OR); 113.9; 114.6 (芳香族CH); 116.3(芳香族CH); 127.3 (CH); 127.5 (CH); 127.9 (CH); 131.7 (芳香族CH); 135.9; 149.7; 169.0 (CONR); 169.4 (COOR)
融点: 142℃
FT-IR(UATR, cm-1): 3451, 3339, 2928, 1742, 1635, 1528, 1198, 1166, 971, 750, 739
(実施例9)
ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル(11)
【0050】
【化13】

【0051】
実施例8に従って調製された2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)(1.0g, 0.0035mol)をピリジン(16ml)中に含む溶液の、実施例4に従って調製されたピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル(6)(1.2g, 0.0042mol)への添加を、0〜5℃の温度で少しずつ加えることで行う。添加終了後、混合物を20〜25℃に温め、16時間攪拌し続け、50%硫酸(70ml)を加え、酢酸エチル(40ml)で抽出する。その後、有機相を水(20ml)、10%重炭酸ナトリウム(20ml)、水(20ml)およびNaCl飽和水溶液(20ml)で洗う。溶媒を減圧下に蒸発除去する。残渣をn-ヘキサン(10ml)から結晶化し、濾過し、減圧下に50℃で乾燥する。黄色生成物1.51g(82.2%)を得る。
【0052】
(実施例10)
ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル(11)
【0053】
【化14】

【0054】
実施例8に従って調製された2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)(1.4g, 0.0049mol)をジクロロメタン(9ml)およびピリジン(1.2g, 0.015mol)中に含む懸濁液の、実施例4に従って調製されたピバル酸4-(クロロスルホニル)フェニル(6)(1.4g, 0.0049mol)をジクロロメタン(7ml)中に含む溶液への添加を、20〜25℃で約30分間で滴下により行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、3時間攪拌し続ける。反応終了後、水(10ml)を加え、相を分離する。有機相を、次に、10%塩酸(10ml)およびNaCl飽和水溶液(10ml)で洗う。混合物をイソプロピルエーテル(10ml)から結晶化し、濾過し、減圧下に40℃で乾燥する。白色固形物2.3g(89.5%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 525
1H-NMR(CD3COCD3中)(TMS信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.33(9H, s, t-but); 4.18(d, J=6Hz, 2H, CH2); 5.25(s, 2H, -CH2OR); 7.15(dt, J=8, 1.5Hz, 1H, 芳香族); 7.30-7.80(m, 8H, 芳香族); 7.33および7.80(系AA'XX', 4H, 芳香族); 8.41(1H, bt, NH); 11.33(1H, bs, NH)
13C-NMR (CD3COCD3中)(ppm): 27.5(CH3 t-but); 40.1; 42.5(CH2); 67.6(CH2OR); 121.7(芳香族CH); 122.0; 123.8(芳香族CH); 124.9 (芳香族CH); 129.2(芳香族CH); 129.3(芳香族CH); 129.4(芳香族 CH); 129.7(芳香族CH); 130.1(芳香族CH); 134.1(芳香族CH); 137.4; 137.8; 140.3; 155.9; 170.3 (CONHR 170.3 (COOR); 177.0 (COOR)
融点: 135℃
FT-IR(UATR, cm-1): 3423, 2976, 1748, 1638, 1493, 1154, 1091, 935, 753
(実施例11)
シベレスタット(1)
【0055】
【化15】

【0056】
実施例9に従って得られたピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル(11)(1.0g, 0.0019mol)、メタノール(11ml)および10%Pd/C(0.11g)の混合物を、水素雰囲気(1atm)下に20〜25℃で3時間攪拌し続ける。混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸発除去する。白色固形物0.77g(93.3%)を得る。
【0057】
(実施例12)
シベレスタット(1)
【0058】
【化16】

【0059】
実施例10に従って得られたピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル(11)(2.0g, 0.0038mol)、メタノール(20ml)および10%Pd/C(0.20g)の混合物を、スチールオートクレーブに入れ、水素雰囲気(3atm)下に20〜25℃で2時間攪拌し続ける。混合物を濾過し、フィルターをメタノールで充分に洗う。メタノールを、溶媒としてのトルエン(7ml)に置き換える。混合物を0〜5℃で約30分間攪拌し続ける。白色固形物1.56g(94.5%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 435
1H-NMR(DMSO中)(TMS信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.27(9H, s, t-but); 3.91(d, J=6Hz, 2H, CH2); 7.16(dt, J=8, 1.5Hz, 1H, H-4芳香族); 7.45-7.55(2H, m, H-5およびH-6芳香族); 7.30および7.83(系AA'XX', 4H, 芳香族); 7.75(bd, 1H, J=8Hz, H-3芳香族); 9.27(1H, bt, NH); 11.80(2H, ブロード, NH eCOOH)
13C-NMR(DMSO中)(ppm): 26.6(CH3 t-but); 38.7; 41.3(CH2); 119.4(芳香族CH); 120.2; 122.8(芳香族CH); 123.5(芳香族CH); 128.5(芳香族CH); 128.7(芳香族CH); 132.8(芳香族CH); 135.9; 138.4; 154.1; 168.5(CONR); 170.8(COOH); 175.8(COOR)
融点: 211-213℃
FT-IR(UATR, cm-1): 3431, 2979, 1747, 1718, 1645, 1521, 1152, 1104, 926, 756
(実施例13)
非単離(19)、(6)および(11)からのシベレスタット(1)
【0060】
【化17】

【0061】
4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(3)(0.50g, 0.0025mol)、DCM(3ml)およびTEA(0.50g, 0.0049mol)の溶液の、塩化ピバロイル(0.42g, 0.0035mol)への添加を、磁気攪拌下に20〜25℃で約5分間で滴下で行う。混合物を、HPLCでモニターしつつ、20〜25℃で2時間攪拌し続ける。反応終了後、DMF(0.055g, 0.00075mol)を加え、次に、塩化チオニル(0.39g, 0.0032mol)を20〜25℃で15分間で滴加する。混合物を、HPLCでモニターしつつ、この温度で2時間攪拌し続ける。反応終了後、溶媒を減圧下に蒸発除去し、トルエン(5ml)を加え、塩を濾去し、ジクロロメタン(3ml)を加える。得られる溶液を、次に、実施例8に従って調製された2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル(10)(0.5g, 0.0018mol)をジクロロメタン(4ml)およびピリジン(0.43g, 0.0054mol)中に含む懸濁液に、20〜25℃で約30分間で滴下する。混合物を、HPLCでモニターしつつ、3時間攪拌し続ける。反応終了後、水(5ml)を加え、混合物を分離する。有機相を、次に、10%塩酸(5ml)およびNaCl飽和水溶液(5ml)で洗う。溶媒をメタノール(10ml)に取り換え、10%Pd/C(0.10g)を加える。懸濁液をスチール実験室用オートクレーブに入れ、水素雰囲気(3atm)下に20〜25℃で2時間攪拌し続ける。混合物を濾過し、フィルターをメタノールで充分に洗う。溶媒をトルエン(3ml)に取り換える。混合物を0〜5℃で約30分間攪拌し続ける。白色固形物0.80g(73.6%)を得る。
【0062】
(実施例14)
シベレスタットナトリウム四水和物(2)
【0063】
【化18】

【0064】
実施例12に従って得られたシベレスタット(1)(0.93g, 0.0021mol)をTHF(5ml)中に含む溶液の5N NaOH(0.44ml, 0.0022mol)への添加を、0〜5℃で滴下で行う。混合物をこの温度で15分間攪拌し続け、次に、溶媒を減圧下に蒸発除去する。残渣を水(4ml)から結晶化し、次に、0〜5℃で濾過し、冷水で洗い、減圧下に25℃で乾燥する。白色固形物0.83g(74.8%)を得る。
【0065】
(実施例15)
実施例13のシベレスタットからのシベレスタットナトリウム四水和物
【0066】
【化19】

【0067】
実施例13で得られたシベレスタット(1)(0.60g, 0.0014mol)をTHF(3ml)中に含む溶液の、5N NaOH(0.29ml, 0.0014mol)への添加を、0〜5℃で滴下で行う。混合物をこの温度で1時間攪拌し続け、次に、溶媒を減圧下に蒸発除去する。残渣を水(3ml)から結晶化し、0〜5℃で濾過し、冷水で洗い、減圧下に25℃で乾燥する。白色固形物0.60g(84.1%)を得る。
LC-MS(APCI+)[M+H]+: 435
1H-NMR(DMSO中)(TMS信号に対してppmで表わされる化学シフト): 1.28(9H, s, t-but); 3.91(s, 2H, CH2); 6.70(bt, J = 8 Hz, 1H, H-4芳香族); 7.11(1H, dt, J=8, 1.5Hz, H-5芳香族); 7.14および7.76(系AA'XX', 4H, 芳香族); 7.30(1H, bd, J=8Hz, H-6芳香族); 7.84(bd, 1H, J=8Hz, H-3芳香族); 10.90(1H, bs, NH)
(2.50ppm: dmso, 4.20 - 4.50: H2O)
13C-NMR(DMSO中)(ppm): 26.6(CH3 t-but); 38.6; 42.1(CH2); 118.2(芳香族CH); 119.4(芳香族CH); 121.5; 121.8(芳香族CH); 128.0(芳香族CH); 129.6(芳香族CH); 131.1(芳香族CH); 141.6; 146.0; 152.2; 167.2(CONR); 171.9(COO-); 176.0(COOR)
FT-IR(UATR, cm-1): 3439, 3303, 2979, 1754, 1624, 1586, 1547, 1271, 1152, 1123, 941, 751
KF: 13.6%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シベレスタットおよびその四水和物ナトリウム塩を調製する方法であって、
a) 4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3を有機塩基の存在下に塩化ピバロイルと反応させて、対応する4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸塩を得る反応、
b) 4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸塩をハロゲン化剤と反応させて、ピバル酸4-(ハロスルホニル)フェニルを得る反応、
c) 無水イサト酸をグリシン酸ベンジルと反応させて、2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10を得る反応、
d) 2-(2-アミノベンズアミド)酢酸ベンジル10をピバル酸4-(ハロスルホニル)フェニルと反応させて、ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11を得る反応、
e) ピバル酸4-(N-(2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルカルバモイル)フェニル)スルファモイル)フェニル11を脱ベンジル化反応させて、シベレスタット1を得る脱ベンジル化反応、および
f) シベレスタット1を塩化して、シベレスタット四水和物ナトリウム塩2を得る工程
を含んでなる塩化。
【請求項2】
工程a)の有機塩基が、アルキル、アリールまたはアルキル-アリールアミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミンがトリエチルアミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程b)において、ハロゲン化剤として、塩化チオニル、塩化オキサリルまたはオキシ塩化リンを、好ましくは、塩化オキサリルまたは塩化チオニルを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程c)において、塩基としてグリシン酸ベンジルまたはその塩を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
4-ピバロイルオキシベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウム。

【公開番号】特開2011−51974(P2011−51974A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−170367(P2010−170367)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(510207368)プロコス ソシエタ ペル アチオニ (1)
【氏名又は名称原語表記】PROCOS S.P.A.
【Fターム(参考)】