説明

シミュレーション装置およびシミュレーションプログラム

【課題】応答性がよく、かつ、ゲームプレイとしての興趣を保つことが可能なシミュレーション環境の提供。
【解決手段】遊技機の操作スイッチが割り当てられた操作部(20)、遊技機のシミュレーションを制御するシミュレーション制御部(101)及び進行中のゲームプレイにおけるステータス情報を参照・更新しながら遊技機のゲームプレイをシミュレーションするシミュレーション実行部(103)を備え、次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングにおいて進行中のゲームプレイにおけるステータス情報に基づいて次回のゲームプレイにおける演出を決定し、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要とする場合には、外部記憶媒体(109)から特定のムービーデータの読み取りを開始させ、特定のムービーデータの読み取りを必要としない場合には、外部記憶媒体(109)への擬似的な読み取りを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機のゲームプレイをシミュレーションするゲーム機等のシミュレーショ
ン装置およびシミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機は複数の制御基板のそれぞれにマイクロプロセ
ッサを備え、それぞれに機能が割り当てられた複数の制御基板が協働してゲームプレイを
実行するように構成されている。このような遊技機におけるゲームプレイを家庭用ゲーム
機(以下「エンターテイメント装置」ともいう。)において練習できるようにしたシミュ
レーションプログラムが開発されている。
【0003】
エンターテイメント装置で遊技機のゲームプレイをシミュレーションするためには、異
なる装置仕様に整合させるための最小限の改変を除いて、現実の遊技機(以下「実機」と
もいう。)の各制御基板で実行されているソフトウェアプログラムをそのまま用いること
がシミュレーションの忠実性という観点から好ましい。従来のエンターテイメント装置で
実行するシミュレーションとしては、例えば、特開平08−280874号公報に記載さ
れたようなものがあった。この技術は、シミュレーションに必要な機種毎の属性データ及
び機種共通のデータを記憶し、入力操作装置からの操作情報、機種毎の属性データ、及び
機種共通のデータに基づき、家庭用ゲーム機においてパチンコ遊技機の動作をシミュレー
ションし、特賞状態が発生したときに、画面全体を横切るような大当たりキャラクタを表
示するよう構成されたものである(特許文献1、段落0005)。
【0004】
このようなシミュレーション装置により実機とおりのゲームプレイをエンターテイメン
ト装置で再現させることにより、遊技者はゲームプレイの練習をすることができていた。
【特許文献1】特開平08−280874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の遊技機の多くは液晶表示パネルを備えて、3D画像(以下「立体画像」という。
)を生成し表示されるように構成されている。例えば実機がスロットマシンである場合、
レバーを操作した瞬間に抽選が実行され、演出が決定され、演出に対応した画像が生成さ
れて液晶表示パネルに演出画像が表示されるようになっている。
【0006】
このような実機をシミュレーションするためには、まず実機の外観構造を表現する立体
画像を生成し表示させるほかに、液晶表示パネルに表示される立体画像そのものを表示さ
せることを要する。エンターテイメント装置は演算処理能力が実機に比べても劣るので、
演算処理に時間を要する実機外観の立体画像化に加えて液晶表示パネルに表示させる立体
画像も生成することは明らかにエンターテイメント装置の演算処理能力を超えてしまう。
このような演算処理能力の不足を補うために、液晶表示パネルに表示される立体画像を記
録したムービーデータを準備しておき、必要に応じてムービー再生することが考えられる
。一般にムービーデータは容量が大きくエンターテイメント装置に総て転送することはで
きないため、DVD等の外部記録媒体に記録させ、都度読み取るように構成せざるを得な
い。
【0007】
一方、外部記録媒体からまとまった容量のムービーデータを読み取るには時間がかかる
ため、実機におけるレバー操作に対応する操作後に演出画像のムービーが再生されるまで
に相当のタイムラグが発生してしまう。レバー操作後に即座に画像生成され液晶表示パネ
ルに演出画像が表示される実機と同等の応答性をエンターテイメント装置では保つことが
できないのである。ゲームプレイのみならず応答性も忠実に再現してこそシミュレーショ
ン装置といえるのであるから、シミュレーション装置における応答性の悪さは何としても
改善されなければならない。
【0008】
本願発明者は、上記課題に対応するべく、次回のゲームプレイで提供する演出画像のム
ービーファイルの先読みを所定タイミングで実現する発明を考案した。この発明は、次回
のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングにおいて次回のゲームプレイのための
シミュレーションを先行させて抽選結果に応じた次回のゲームプレイにおける演出を決定
し、決定した演出に基づいて演出に対応するムービーデータの読み取りを先行して開始す
るという処理を行うものである。このムービーデータの先行読み取りによって、遊技機の
ゲームプレイについての応答性のよいシミュレーション環境を提供することができる。
【0009】
しかしながら、このような処理についても解決すべき問題が新たに生じる。
ムービーデータはDVD―ROM等の外部記憶媒体にチャプター毎に分離されて記憶さ
れている。何らかのムービーデータの読み取りを開始する際には、外部記録媒体の読取装
置のピックアップが外部記録媒体の該当チャプターを探す、いわゆるシーク音が発生する
。騒音レベルの高い遊技場(ホール)に設置される実機とは異なり、エンターテイメント
装置によるシミュレーションプレイは比較的静かな家庭内で実施されるため、遊技者はシ
ーク音を明らかに知覚することになる。
【0010】
ところが、新たなムービーデータの読み取りが必要となるのは次回のゲームプレイの抽
選結果が当たりであるような特定の場合であるため、次回のゲームプレイの抽選結果が当
たりである場合にはムービーデータの読み取りが必要であり、ハズレである場合にはムー
ビーデータの読み取りが不要となる。本願発明者の発明を適用しようとすれば、次回のゲ
ームプレイの抽選結果が当たりである場合にシーク音が発生し、ハズレである場合にはシ
ーク音が発生しない、ということになる。次回のゲームプレイの前であるにも拘わらず、
シーク音が発生するか否かで、次回のゲームプレイの抽選結果が遊技者に判ってしまうの
である。これでは、全く面白くないシミュレーションプレイになってしまう。
【0011】
よって、本願発明は、応答性がよく、かつ、ゲームプレイとしての興趣を保つことが可
能なシミュレーション環境を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のシミュレーション装置は、遊技機のゲームプレイ
における演出に対応するムービーデータの少なくとも一部を外部記憶媒体から読み取って
再生するシミュレーション装置であって、遊技機の操作スイッチの各々に対応する割当ス
イッチが割り当てられた操作部と、操作部の操作に対応させて遊技機のゲームプレイのシ
ミュレーションを制御するシミュレーション制御部と、シミュレーション制御部の制御に
対応して、進行中のゲームプレイにおけるステータス情報を参照・更新しながら遊技機の
ゲームプレイをシミュレーションした演出を行うシミュレーション実行部と、を備える。
そして、シミュレーション実行部は、次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミ
ングにおいて進行中のゲームプレイにおけるステータス情報に基づいて次回のゲームプレ
イにおける演出を決定し、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデ
ータの読み取りを必要とする場合には、外部記憶媒体から特定のムービーデータの読み取
りを開始させ、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み
取りを必要としない場合には、外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させることを特
徴とする。
【0013】
また本発明のシミュレーションプログラムは、遊技機のゲームプレイをシミュレーショ
ン装置において実行するためのシミュレーションプログラムであって、シミュレーション
装置は、遊技機の操作スイッチの各々に対応する割当スイッチが割り当てられた操作部と
、操作部の操作に対応させて遊技機のゲームプレイのシミュレーションを制御するシミュ
レーション制御部と、シミュレーション制御部の制御に対応して、進行中のゲームプレイ
におけるステータス情報を参照・更新しながら遊技機のゲームプレイをシミュレーション
した演出を行うシミュレーション実行部と、を備える。そして、シミュレーション実行部
に、次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングにおいて進行中のゲームプレ
イにおけるステータス情報に基づいて次回のゲームプレイにおける演出を決定させる機能
と、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要
とする場合には、外部記憶媒体から特定のムービーデータの読み取りを開始させる機能と
、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要と
しない場合には、外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させる機能と、を実行させる

【0014】
係る発明によれば、次回のゲームプレイが開始される前のタイミングにおいて、進行中
のステータス情報が一旦複写され、それを参照・更新しながら次回のゲームプレイにおけ
る演出(ムービーの再生)が決定される。そして、決定された次回のゲームプレイにおけ
る演出が特定のムービーデータの読み取りを必要とする場合には、先行して外部記録媒体
からムービーデータの読み取りが開始されるので、相対的に時間のかかるムービーデータ
の読み取り準備を前倒しすることができ、次回のゲームプレイに開始時には既にムービー
再生の準備が完了しているので、遅滞なく演出の送出が可能となり、実機における演出画
像表示タイミングと同等の応答性を再現可能である。
【0015】
特に本発明によれば、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデー
タの読み取りを必要としない場合であっても、意図的に外部記憶媒体への擬似的な読み取
りを実行させる。このため次回のゲームプレイにおける演出がどのようなものであっても
、擬似的な読み取りによってシーク音が発生することになり、シーク音の有無によって次
回のゲームプレイの結果を知ってしまい、射幸心を殺がれるような事態を回避することが
できる。
【0016】
例えば、シミュレーション実行部は、遊技機における抽選を実行する抽選実行部と、抽
選の結果に対応して演出を決定する演出決定部と、決定された演出に対応した演出を実行
する演出実行部と、外部記憶媒体にアクセスしてムービーデータを再生するムービー再生
部と、を備える。そして、演出実行部は、次回のゲームプレイにおける演出特定のムービ
ーデータの読み取りを必要とする場合には、外部記憶媒体からこのムービーデータの読み
取り開始をムービー再生部に指示し、また次回のゲームプレイにおける演出が特定のムー
ビーデータの読み取りを必要としない場合には、ムービーデータの読み取りを伴わない、
外部記憶媒体の1以上のチャプターへのシークをムービー再生部に指示することは好まし
い。
【0017】
係る構成によれば、次回のゲームプレイにおける演出がムービーデータの読み取りを必
要としない場合であっても外部記録媒体のチャプターへのシークが実行されるため、演出
内容によらずにシーク音を発生させることが可能である。
【0018】
例えば、演出実行部は、シークを一定期間繰り返すことは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
複数のチャプターに跨ることもあり、一定期間の間、シーク音が断続的に発生する。この
点、係る構成によれば、擬似的な読み取りが実行される場合にもシーク音が一定期間繰り
返されるので、ムービーデータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク
音によって演出の有無を判定することができなくなる。
【0019】
例えば、演出実行部は、同一のチャプターへのシークを繰り返すことは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
情報量に応じてはムービーデータが複数の連続したチャプターに跨り、比較的単調な同じ
ようなシーク音が繰り返されることがある。この点、係る構成によれば、擬似的な読み取
りが実行される場合にも同じチャプターに対する、同じようなシーク音が繰り返されるの
で、ムービーデータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって
演出の有無を判定することができなくなる。
【0020】
例えば、演出実行部は、異なるチャプターへのシークを繰り返すことは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
複数の異なるチャプターのそれぞれからムービーデータが読み出され、異なるシーク音が
繰り返されることがある。この点、係る構成によれば、擬似的な読み取りが実行される場
合にも異なるチャプターにアクセスするランダムなシーク音が繰り返されるので、ムービ
ーデータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって演出の有無
を判定することができなくなる。
【0021】
例えば、演出実行部は、乱数を発生させ、発生させた乱数に基づいてシークするチャプ
ターを決定することは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
離れた位置に記録された複数の異なるチャプターのそれぞれからムービーデータが読み出
され、多種多様なシーク音が繰り返されることがある。この点、係る構成によれば、擬似
的な読み取りが実行される場合にも乱数に応じて決定された規則性の無いチャプターに対
してアクセスすることとなり、非常に乱雑なシーク音が繰り返されるので、ムービーデー
タが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって演出の有無を判定
することができなくなる。
【0022】
例えば、演出実行部は、一定の時間間隔でシークを繰り返すことは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
ムービーデータが複数の連続したチャプターに跨ることがあり、チャプターごとの情報量
が等しい場合には一定のインターバルでシーク音が繰り返されることがある。この点、係
る構成によれば、擬似的な読み取りが実行される場合にも同じ時間間隔でシーク音が繰り
返されるので、ムービーデータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク
音によって演出の有無を判定することができなくなる。
【0023】
例えば、演出実行部は、異なる時間間隔でシークを繰り返すことは好ましい。
次回のゲームプレイにおける演出に対応してムービーデータが読み取られる場合には、
離れた位置に記録された複数の異なるチャプターのそれぞれからムービーデータが読み出
され、チャプター毎の情報量の相違やチャプター間の距離に応じてシーク音が発生するイ
ンターバルが不規則に変化することがある。この点、係る構成によれば、擬似的な読み取
りが実行される場合にも異なる時間間隔でシーク音が発生するので、ムービーデータが実
際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって演出の有無を判定するこ
とができなくなる。
【0024】
ここで「次回のゲームプレイが開始される前のタイミング」とは、演出の準備に必要な
時間長だけ前倒しにしたタイミングということである。例えば、回のゲームプレイが開始
される前のタイミングは、直前のゲームプレイの最後に操作される割当スイッチが操作さ
れた時である。
【0025】
係る処理によれば、直前のゲームプレイの最後に操作される割当スイッチが操作された
時(例えばスロットマシンの第3停止に相当)から次のゲームプレイのための演出が決定
され、その準備が開始されるので、次回のゲームプレイが開始した後(例えばスロットマ
シンのレバー操作後)は操作部の操作タイミングに合わせて遅滞なく演出の送出(ムービ
ーの再生)を開始させることができる。
【0026】
また、同時期に読み取りが開始される場合のムービーデータ数は一つに限られない。例
えば、操作部の操作に応じて複数種類の演出を決定し、複数種類の演出の各々に対するム
ービーデータの読み取りを開始するように処理してもよい。
【0027】
このように構成すれば、操作状態等に応じて複数の演出が考えられる場合には想定され
る演出に対応した総ての演出の準備を開始させることが可能である。例えば、スロットマ
シンでは、遊技者の停止ボタンの操作に応じて特別な入賞となる場合(「777」と図柄
が揃う場合等)がある。通常演出のためのムービーデータとともに特別入賞の演出画像に
対応したムービーデータの読み取りを開始させれば、操作状態に応じて特別入賞となった
場合でも遅滞なく特別入賞の演出画像の再生を開始させることが可能である。また例えば
、実機において複数の停止ボタンの操作のたびに演出画像が変更される場合には、それら
複数の演出画像に対応するムービーデータの読み取りを各々開始させてもよい。複数の停
止ボタンに対応する操作をどの順番で行うかは遊技者次第であるが、表示可能性のある総
てのムービーデータの読み取りを開始させておけば、どのような操作がされても遅滞なく
対応する演出画像の再生を開始させることが可能である。
【0028】
さらに、複数種類の演出の各々に操作部の割当スイッチが対応付けられており、当割当
スイッチの各々が操作される度に対応付けられた一つの演出の再生が開始されるように処
理することは好ましい。このように構成すれば、演出の送出準備(例えば、ムービーの再
生準備)が完了しているならば、割当スイッチが操作される度に対応する演出を遅滞なく
送出することが可能である。万一対応する演出の準備(例えば、ムービーの再生準備)が
完了していない場合には、準備が完了した他の演出を代用して開始させるように処理して
もよい。
【0029】
ここで本発明の「遊技機」(実機)は回動式遊技機(スロットマシン)に限定すること
なく、他の形態の遊技機、例えばぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含
む)等を含む。
【0030】
なお、本発明のシミュレーションプログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるもの
である。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種
ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、USBメモリ、SDメモリ、メモリス
ティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、±R/W、RAM、DVD−ROM、
±R/W、RAM、等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラ
ムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送
されたプログラム(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、
コンピュータに実行されるものだからである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、次回のゲームプレイの演出の決定に応じてムービーデータが必要とさ
れる場合には先行して読み取りが開始されるので、遊技機のゲームプレイを応答性よくシ
ミュレーションすることが可能である。特に本発明によれば、決定した次回のゲームプレ
イにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要としない場合であっても意図的
に外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させるので、次回のゲームプレイにおける演
出内容がどのようなものであってもシーク音が発生することになり、シーク音の有無によ
って次回のゲームプレイの結果を知ってしまい、射幸心を殺がれるといった事態を効果的
に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施形態として、家庭用ゲーム機(エンターテイメント装置)に
外部記録媒体からシミュレーションプログラムを読み込んで実行することにより、店舗に
設置される遊技機(スロットマシン、スロットゲーム:実機)をシミュレーションする場
合を例示する。ただし、以下の実施形態は本発明の適応例に過ぎず、本発明は実施形態に
限定されず種々に変更して適用することが可能である。
【0033】
(実施形態1) (エンターテイメント装置の構成)
図1は、エンターテイメント装置1の外観概略構成を示す図である。
図1に示すように、このエンターテイメント装置1は、大きく分けて、装置本体10、
操作入力装置20、表示装置30から構成される。
【0034】
装置本体10は、ディスクホルダー部11、差込口12、コントローラ端子13、PO
WERボタン14、開閉スイッチ15、AVケーブル16、および電源ケーブル17を備
える。
【0035】
ディスクホルダー部11は、本発明に係るシミュレーションプログラムを記録したDV
D−ROMなどの第1の外部記録媒体44aを、後述の第1の外部記録媒体ドライブ44
がデータ読み取り可能な位置にセットするための構造部材である。差込口12は、プログ
ラムの経過情報(セーブデータ)を記録するメモリーカード等の第2の外部記録媒体45
aを後述の第2の外部記録媒体ドライブ45がデータ読み取り/書き込み可能な位置にセ
ットするための挿入口である。コントローラ端子13は、操作入力装置20のケーブルを
後述の操作入力処理部48に接続するための端子である。POWERボタン14は、装置
本体10の電源投入を行うためのスイッチである。開閉スイッチ15は、前述のディスク
ホルダー部11を開閉するためのスイッチである。AVケーブル16は、表示装置30に
演出画像情報および演出音響情報を出力するための接続コードである。電源ケーブル17
は、外部商用電源部に接続するためのケーブルである。
【0036】
操作入力装置20は本発明の操作部に係り、操作者が各種ゲーム操作を行うためのST
ARTボタン21、方向キー22、○ボタン23a、×ボタン23b、□ボタン23c、
△ボタン23d、R1ボタン24a、R2ボタン24b、L1ボタン25a、L2ボタン
25b等を備えている。これらの操作ボタンは、実機の操作ボタンが機能的に割り当てら
れる、本発明の割当スイッチに相当している。
【0037】
表示装置(モニタ装置、TV装置)30は、装置本体10で生成されたシミュレーショ
ン画像を表示するためのブラウン管型や液晶型等の表示画面31、およびム装置本体10
で生成された演出音響を外部に出力するための左右のスピーカ32a、32bを備えてい
る。
【0038】
図2は、図1に示したエンターテイメント装置1の内部のハードウェア構成図である。
図2に示すように、装置本体10は、CPU41、ROM42、メインメモリ(RAM
)43を含む制御系CNTL、第1、第2の外部記録媒体ドライブ44、45、画像処理
部46、音声処理部47、操作入力処理部48、および電源供給インターフェース部49
から構成される。
【0039】
CPU41は、エンターテイメント装置の制御動作の中枢となり、システムバスSBを
介してI/Oアドレスを出力して特定のデバイスを選択し、デバイスとのデータの入出力
を行って装置全体を統括的に制御する。特にCPU41は、第1の外部記録媒体ドライブ
44を介して第1の外部記録媒体44aのシミュレーションプログラムをメインメモリ4
3のゲームプログラム記録領域43aに転送し、そのシミュレーションプログラムを実行
することにより、エンターテイメント装置1を本発明のシミュレーション装置として機能
させる。またCPU41は、フレーム期間毎に画像の描画に必要な画像データやコマンド
を生成し、これを画像処理部46に送信する。
【0040】
ROM42は、エンターテイメント装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を
動かすための基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。電源投入
直後は、CPU41はこのROM42の起動用プログラムを実行し、第1の外部記録媒体
44aがディスクホルダー部11に装着されていることを確認したらその外部記録媒体4
4aのデータをメインメモリ43に転送するように動作する。
【0041】
RAM43は、メインメモリであり、第1の外部記録媒体44aから転送されたシミュ
レーションプログラムや各種データ(モデリング用元データ、演出音響データ、テキスト
データ等)の一部または全部をゲームプログラム記録領域43aに一時記録保持するとと
もに、第2の外部記録媒体45aから読み出したセーブデータ或いはゲーム進行中の作業
データをゲーム進行データ記録領域43bに一時記録保持する。
【0042】
なお、図2中鎖線で示される制御系CNTLには、図示省略のDMACが含まれている
。DMACがシステムバスSBに接続されている周辺機器を対象として割り込み制御やダ
イレクトメモリアクセス(DMA)転送制御を行うことにより、CPU41を介さずに各
種周辺機器とRAM43間でシステムバスSBを介して直接データを転送することができ
る。これにより、CPU41のオーバーヘッドを伴わずに、高速・大容量のデータ転送が
実現される。
【0043】
第1の外部記録媒体ドライブ44は、DVD−ROMなどの第1の外部記録媒体44a
に記録されたシミュレーションプログラム、ムービーファイルに含まれるムービーデータ
、および各種データを読み取る。第2の外部記録媒体ドライブ45は、メモリーカード等
の第2の外部記録媒体45aに対するゲームの進捗状況・フラグ情報を含むゲームデータ
のロードおよびセーブを行う。
【0044】
画像処理部46は、表示画面31に表示するシミュレーション画像(データ)を生成す
るデバイスであり、画像デコーダ46a、フレームバッファ(VRAM)46cを有する
GPU46b、ディスプレイコントローラ46d等の半導体デバイスを備えている。
【0045】
画像処理部46の画像デコーダ46aは、第1の外部記録媒体44aに記憶されたムー
ビーファイルに含まれる動画像圧縮符号化されたムービーデータのデコーダとして機能す
る。すなわち、画像デコーダ46aは、ムービーデータファイルを構成するチャプターの
中から任意のチャプターのムービーデータを読み取って動画像を形成する一連のフレーム
画像を再生する。ここで「ムービーファイル」とは、画像情報と付随する音声情報とが所
定の形式で動画像圧縮フォーマットにより符号化されたムービーデータが検索単位である
チャプター毎に区分けして格納されたファイルをいい、WMV、MPEG、3GP、3G
P2、M4V、swf、flv等の各種形式で符号化されている。ムービーファイルにア
クセスし所望のチャプターのムービーデータを読み込んで、動画像圧縮符号化フォーマッ
トに対応した復号化処理を行うことにより、一連のフレーム画像を再現することができる
ようになっている。特に本実施形態では、各チャプターに記憶されるムービーデータは、
実機においてモデリング処理・レンダリング処理により生成される、液晶表示パネルに表
示される立体画像(以下「ムービー画像」ともいう。)を演出単位に記録した情報である

【0046】
GPU46bは、CPU41からのコマンドに応じて、立体画像データを生成するため
のモデリング処理・レンダリング処理等を行って生成したフレーム画像を例えばビットマ
ップ形式でフレームバッファ46cに描画する。特に本実施形態では、GPU46bによ
ってレンダリングされる画像は実機の外観構造を再現する画像(以下「実機立体画像」と
もいう。)である。
【0047】
以上から判るように、このエンターテイメント装置は、第1の外部記録媒体44aに記
録されたムービーデータを復号化して生成されたムービー画像と、第1の外部記録媒体4
4aからRAM43へ転送されたシミュレーションプログラムを実行することによりモデ
リング処理/レンダリング処理されて生成された実機立体画像とを生成可能に構成されて
いる。特に、画像デコーダ46aにより復号化されたムービー画像はテクスチャデータと
してGPU46bに転送され、GPU46bによりモデリングされた実機の外観構造モデ
ルのうち実機の液晶表示パネルに対応する画像表示エリア64にマッピングすることが可
能になっている。すなわち、本エンターテイメント装置は、実機立体画像中にムービー画
像を配置したシミュレーション画像を生成可能になっている。フレームバッファ46cへ
のシミュレーション画像の描画は、当該シミュレーション画像のためのデータやコマンド
がCPU41により生成されたフレーム時間の次のフレーム時間に実行される。
【0048】
ディスプレイコントローラ46dは、各フレーム時間にフレームバッファ46cに描画
された画像データを、それぞれ次のフレーム時間に読み出し、読み出した画像データに対
応した輝度信号(明るさの情報)と色信号(色の情報)を含む映像信号を生成して表示装
置30に出力する。
【0049】
音声処理部47は、表示装置30の左右のスピーカ32a,32bで出力する効果音や
BGM等のゲームプレイ音響を生成処理するデバイスであって、具体的には、図示省略の
サウンドバッファおよびSPU等を備え、SPUがサウンドバッファから読み出した音デ
ータを合成して音声信号を生成して表示装置30に出力する。
【0050】
操作入力処理部48は、操作者の操作を入力するための操作入力装置20が接続され、
CPU41と操作入力装置20との間で種々の信号の授受を行うI/Oポートであり、操
作入力装置20からの操作信号を、システムバスSBを介してCPU41に送信する。
【0051】
電源供給インターフェース部49は、ACアダプタ機能を有し、外部商用電源からの電
力を装置本体10の内部に供給するインターフェース部である。
【0052】
(実機の構成・動作)
本実施形態のシミュレーション装置は、実機のスロットマシンSMにおける動作、演出
画像・演出音響を忠実に再現するものである。シミュレーション動作を理解するため、ま
ず、実機であるスロットマシンSMの構成について説明する。以下、実機における構成部
材の符号とシミュレーション装置においてシミュレーションされた画像における構成部材
とは同一の符号で表現する。
【0053】
図3に、実機であるスロットマシンSMのフロントパネルイメージを示す。
図3に示すように、実機のスロットマシンSMのフロントパネルには、装飾部品が設け
られ、その中央に画像表示エリア64が設けられている。画像表示エリア64の下部にリ
ール表示エリア63が設けられている。実機では、画像表示エリア64には、液晶表示パ
ネル等に相当する表示領域であり、抽選結果に応じた立体画像が表示されるようになって
いる。
【0054】
リール表示エリア63には、リール群61が表示されている。リール群61は、実機で
は中空の回胴構造をしたリール3つで構成されるもので、左リール61L、中リール31
C、右リール31Rの順番で表示されている。各リールの外周には、複数種類の図柄が表
示される。図柄は、「赤セブン」、「白セブン」、「BAR」、「チェリー」、「カバン
」、「ベル」、「リプレイ」等の種類がある。
【0055】
実機では、各リール61L、61Cおよび61Rはステッピングモータ等で回転制御さ
れ、各リールが回転する際に、リール61L、61Cおよび61Rの図柄が上下にスクロ
ール移動しているように表示される。
【0056】
図3において、リール表示エリア63に示された破線は、有効ライン62a、62bお
よび62cからなる有効ライン群62を示すものである。有効ライン群62は、水平方向
の中段の有効ライン62aと、水平方向の上段および下段の2本の有効ライン62bと、
右下がりおよび左下がりの斜め方向の2本の有効ライン62cとから構成されている。そ
して、リール61L、61Cおよび61Rに付された図柄は、リール61L、61Cおよ
び61Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群
62上に位置するような間隔で配置されている。
【0057】
画像表示エリア64の右下側に当たる位置には、メダル投入口65が設けられている。
実機では、メダル投入口65からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて
有効ライン62a、62bおよび62cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成
されている。すなわち、投入した枚数のメダルが掛け金として徴収される。投入されたメ
ダルが1枚の場合には1つの有効ライン62aが有効になり、2枚のときは水平方向の3
つの有効ライン62aおよび62bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の
2つの有効ライン62cを含む総計で5つの有効ライン62a〜62cが有効になる。例
えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール61L、61Cおよび61Rが停
止した時に、少なくとも1つの有効ライン62a〜62cに特定の図柄の組み合わせが停
止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。当該シミュレーション
装置では、このような実機のメダル投入を操作入力装置20に対するベットスイッチの操
作で代用する。
【0058】
フロントパネルの中央部には、各種の操作スイッチが設けられている。例えば、スター
トスイッチ66、ストップスイッチ群67およびベットスイッチ群68が設けられている

【0059】
スタートスイッチ66は、リール61L、61Cおよび61Rの回転をスタートさせる
ときに操作されるスイッチであり、以下、実機のスタートスイッチを「レバー」と称する
。ストップスイッチ群67は、左リール61Lを停止させるときに操作する左ストップス
イッチ67Lと、中リール61Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ67C
と、右リール61Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ67Rとから構成さ
れている。以下、実機においてレバー操作後に最初に操作されるストップスイッチを「第
1停止」、次に操作されるストップスイッチを「第2停止」、最後に操作されるストップ
スイッチを「第3停止」と称する。
【0060】
ベットスイッチ群68は、クレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指
定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ68aおよびMAXベットスイッ
チ(3ベットスイッチ)68bから構成されている。実機では、1ベット・2ベットスイ
ッチ68aが操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として
徴収され)、MAXベットスイッチ68bが操作されると、最大ベット数である3枚のメ
ダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群68の操作で指定されるベット数が、
クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
本シミュレーション装置では、以上の各スイッチに対する操作は、操作入力装置20に
おける操作ボタンに割り付けて代用している。
【0061】
実機のスロットマシンSMにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシンSMにおいて、メダルが投入されるか、ベットスイッチ群68が操作さ
れるかすると、有効ライン62a〜62cがベット数に応じて有効化される。
【0062】
次いでスタートスイッチ66(レバー)が操作されると、ベット数に応じた役の抽選が
行われると共に、リール61L、61Cおよび61Rが回転し始める。実機では、このタ
イミングで抽選が実行され、第1停止が操作されるまでの演出(以下「第1演出」という
。)が決定される。なお、第1演出はメダル投入、ベットスイッチ群68の操作、スター
トスイッチ66の操作のいずれか最先のものの操作から第1停止までの演出を意味するも
のとする。
【0063】
リール群61が回転している間にストップスイッチ67L、67Cおよび67Rのいず
れかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応したリール61L、61Cまた
は61Rの回転が停止する(第1停止)。実機では、このタイミングで、第1停止操作後
、第2停止が操作されるまでの演出(以下「第2演出」という。)が決定される。
【0064】
次いで停止していない2つのリールに対応したストップスイッチのいずれかが操作され
ると、操作されたストップスイッチに対応したリールの回転が停止する(第2停止)。実
機では、このタイミングで、第2停止操作後、第3停止が操作されるまでの演出(以下「
第3演出」という。)が決定される。
【0065】
最後に、停止していないリールのストップスイッチが操作されると、そのストップスイ
ッチに対応したリールの回転が停止する(第3停止)。実機では、このタイミングで、第
3停止操作後の演出(以下「第4演出」という。)が決定される。すなわち、第3停止操
作時に、スタートスイッチ66の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった
場合には、有効化されている有効ライン群62上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定めら
れた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役
に応じたメダルの払い出し等が行われる。また、ストップスイッチの操作タイミングによ
っては、各リール61L、61Cおよび61Rを特別入賞となる位置で停止することがあ
りうる(例えば、図柄が「7」「7」「7」と揃う場合)。このような特別入賞があった
場合には、第4演出は変更される。
【0066】
(シミュレーション装置における画像表示および基本動作)
次に、上記実機のスロットマシンSMに対応したシミュレーション装置における動作を
説明する。
図4は、シミュレーション装置1の表示画面31に表示される画像表示例であり、図4
(a)はトップ画面50の例である。
トップ画面50は、本発明に係るシミュレーションプログラムを実行することにより最
初に表示される初期画面である。トップ画面50は、シミュレーションプログラムが格納
された第1の外部記録媒体44aがディスクホルダー部11に挿入された状態でエンター
テイメント装置1の電源が投入された場合に表示される画面である。トップ画面50には
、シミュレーションゲームの開始を指示するための「ゲームスタート」アイコン51、お
よび、シミュレーションゲームを終了させるための「終了」アイコン52が表示される。
【0067】
実機のスロットマシンSMをシミュレーションするため、当該シミュレーション装置で
は、メダルの投入および各スイッチの操作を総て操作入力装置20の各操作ボタンに対す
る操作で代用する。「ゲームスタート」アイコン51を操作入力装置20の方向キー22
で選択し、○ボタン23a等を操作することで、シミュレーション処理が開始される。
【0068】
図4(b)は、トップ画面50の「ゲームスタート」アイコン51が選択された場合に
実行されるシミュレーション画面60の例である。シミュレーション画面は、図3におい
て符号60の枠で囲まれた、実機のスロットマシンSMの外観の一部領域に相当し、表示
画面31に表示される部分である。シミュレーション画面60に表示される実機の外観の
一部領域は、操作入力装置20を操作することによって適宜変更することが可能である。
例えば、シミュレーションプログラムにより提供される設定メニューにより、立体画像生
成の視点や視線方向を任意に変更して、シミュレーション画面60に表示させる実機の部
分を変更することが可能になっている。図4(b)には、スロットマシンSMにおける複
数の図柄が配列された複数のリール61L、61C、および61Rを表示するリール表示
エリア63(実機立体画像)と画像表示エリア64(ムービー画像)が示されている。
【0069】
実機のスロットマシンSMの一部領域がシミュレーション画面60に表示されている状
態において、操作者がMAXベットスイッチ68bの押下に割り当てられた操作(例えば
、R1ボタン24aの押下)をすると、シミュレーション装置は、実機のスロットマシン
SMにおいてメダルを3枚投入し、さらにMAXベットスイッチ68bを押下したかのよ
うに動作し、シミュレーション画面60に表示しているスロットマシンSMのメダル投入
数をMAXに設定する。すなわち、操作者がメダル3枚を1度に掛けたことがシミュレー
ションされる。
【0070】
また、操作者が1ベット・2ベットスイッチ68aの押下に割り当てられた操作(例え
ば、L1ボタン25aの押下)を一回すると、シミュレーション装置は、実機のスロット
マシンSMにおいてメダルを1枚投入し、さらに1ベット・2ベットスイッチ68aを一
回押下したかのように動作し、シミュレーション画面60に表示しているスロットマシン
SMのメダル投入数を1ベットに設定する。すなわち、操作者がメダル1枚を掛けたこと
がシミュレーションされる。もう一度操作者が1ベット・2ベットスイッチ68aの押下
に割り当てられた操作をすると、シミュレーション装置は、実機のスロットマシンSMに
おいてメダルを2枚投入し、さらに1ベット・2ベットスイッチ68aを二回押下したか
のように動作し、シミュレーション画面60に表示しているスロットマシンSMのメダル
投入数を2ベットに設定する。すなわち、操作者がメダル2枚を掛けたことがシミュレー
ションされる。1ベット・2ベットスイッチ68aはトグル動作するように設定されてい
るので、シミュレーション装置においても操作入力装置20の操作が繰り返される度に、
1ベット・2ベットスイッチ68aが繰り返し押下されたような動作・表示をする。
【0071】
ベット後、操作者がスタートスイッチ66(レバー)の押下に割り当てられた操作(例
えば、方向キー22の下方向への操作)をすると、シミュレーション装置は、実機のスロ
ットマシンSMにおいてスタートスイッチ66を押下したかのように動作し、シミュレー
ション画面60に表示しているスロットマシンSMの各リール61L、61C、および6
1Rの図柄を変動させる表示(以下「変動表示」という。)を実行する。当該シミュレー
ション装置においても、実機における第1演出と同等の演出が行われる。
【0072】
変動開始後、操作者がストップスイッチ群67のそれぞれの押下に割り当てられた操作
(例えば、□ボタン23c、×ボタン23b、○ボタン23aの押下)をすると、シミュ
レーション装置は、実機のスロットマシンSMにおいて対応するストップスイッチ67L
、67C、または67Rを押下したかのうように動作し、シミュレーション画面60にお
いて変動表示されているリール61L、61C、および61Rの図柄の変動を停止させる
表示をする。第1停止〜第3停止に相当する操作入力装置20の操作をする度に、当該シ
ミュレーション装置においても実機における第2演出〜第4演出と同等の演出が行われる

【0073】
以上、ベット→リール回転開始→各リール停止という一連の操作により1プレイの遊技
が行われ、全てのリール61L、61C、および61Rが停止したときに有効ライン62
a〜62cに特定の図柄の組み合わせが停止しているか否かに応じた抽選結果(入賞役の
成立、不成立)の告知がなされる。
【0074】
すなわち、操作者がタイミングよく、操作入力装置20の□ボタン23c、×ボタン2
3b、○ボタン23aを押下(すなわち実機でいうストップスイッチ67L、67C、お
よび67Rのそれぞれを押下)して、所望の図柄(「ベル」や「カバン」等の小役図柄や
、「BAR」などのRB図柄や、「7」などのBB図柄等)を揃えるスロットゲームを行
うことができる。
【0075】
(シミュレーション装置の機能ブロック)
次に本実施形態におけるシミュレーション装置の機能ブロックを説明する。
上述したように、本シミュレーション装置において、画像表示エリア64に表示される
画像(図3参照)は、ムービーデータから再生されるムービー画像であり、リール表示エ
リア63を含むそれ以外の画像は、モデリング変換、座標変換、マッピング処理により生
成される立体画像(実機立体画像)である。立体画像中の画像表示エリア64にムービー
画像が動画テクスチャとしてマッピングされたような画像構成になっている。
【0076】
ムービー画像を表示するためのムービーファイルを構成する各ムービーデータは第1の
外部記録媒体44aに記録されており、ムービーデータの読み取りには他の処理に比べて
相対的に時間がかかる。本実施形態では、操作入力装置20が操作されたタイミングで遅
滞なくムービーの再生が可能となるように本発明の先行演出準備を適用している。以下、
その機能ブロックについて説明する。
【0077】
図5は、エンターテイメント装置1のCPU41が、第1の外部記録媒体44aに記録
されている本発明に係るシミュレーションプログラムをRAM43に展開し実行すること
によって実現されるシミュレーション装置としての機能ブロック図である。
【0078】
図5に示すように、本発明のシミュレーション装置は、シミュレーション制御部101
、スイッチ割当テーブル102、シミュレーション実行部103、進行ステータス記録部
121、先行ステータス記録部122、ムービーデータ記憶部109、モデリング用元デ
ータ記憶部108を備えて構成されている。シミュレーション実行部103は、抽選実行
部104、演出決定部105、演出実行部106、およびムービー再生部107を備える

【0079】
これらの構成のうち、ムービーデータ記憶部109は、図2の第1の外部記憶媒体44
aに相当し、スッイチ割当テーブル102、進行ステータス記録部121および先行ステ
ータス記録部122は、ゲーム進行データ記録領域43bに相当し、モデリング用元デー
タ記憶部108は、ゲームプログラム記録領域43aに相当している。シミュレーション
制御部101、抽選実行部104、および演出決定部105は、シミュレーションプログ
ラムを実行するCPU41により実現される。演出実行部106は、CPU41の制御に
基づいて動作する画像処理部46および音声処理部48に相当する。ムービー再生部10
7は、CPU41の制御に基づいて動作する第1の記録媒体ドライブ44に相当する。
【0080】
(シミュレーション制御部101:操作情報変換機能)
シミュレーション制御部101は、操作入力装置20の操作に対応させて実機のゲーム
プレイのシミュレーションを制御する機能ブロックである。
【0081】
シミュレーション制御部101の役割の一つは、エンターテイメント装置の操作情報を
実機用の操作情報に変換することである。後述するように、シミュレーション実行部10
3の抽選実行部104および演出決定部105は実機で用いられているソフトウェアモジ
ュールにより動作しており、入力情報も実機用の操作情報である。シミュレーション制御
部101は、操作入力装置20の操作により入力された操作情報D1を読み込み、実機の
各操作スイッチのいずれに割り当てられたスイッチコードであるかを特定し、実機のソフ
トウェアプログラムが解釈可能な割当操作情報D2として出力する。実機の操作スイッチ
と操作入力装置20の割当スイッチの対応関係は、スイッチ割当テーブル102に格納さ
れている。例えば、実機のMAXベットスイッチ68bには、操作入力装置20のR1ボ
タン24aが割り当てられ、実機の1ベット・2ベットスイッチ68aには、操作入力装
置20のL1ボタン25aが割り当てられ、実機のスタートスイッチ66(レバー)には
、操作入力装置20の方向キー22の下方向への操作が割り当てられ、実機のストップス
イッチ67L、67C、および67R(第1停止〜第3停止)には、操作入力装置20の
□ボタン23c、×ボタン23b、○ボタン23aがそれぞれ割り当てられている。
【0082】
シミュレーション制御部101のもう一つの役割は、実機で用いられるソフトウェアモ
ジュールにより動作する抽選実行部104および演出決定部105の外側で、エンターテ
イメント装置1でシミュレーションするために必要な特別な制御処理を実行することであ
る。いわばシミュレーション制御部101がアダプタのような役割を果たすことにより、
エンターテイメント装置で応答性のよい忠実なシミュレーションを可能としているのであ
る。なお、この役割はシミュレーション実行部103のいずれかの機能ブロックに組み入
れてもよい。
【0083】
具体的には、シミュレーション制御部101は、次回のゲームプレイが開始される前の
所定のタイミングにおいて、現在進行中のゲームプレイにおけるステータス情報を進行ス
テータス記録部121から先行ステータス記録部122に複写する。次いで参照すべきス
テータス情報の格納先を先行ステータス記録部122に切り替えて、シミュレーション実
行部103に次回のゲームプレイのためのシミュレーションを先行させて次回のゲームプ
レイにおける演出を決定させる。すなわち、先行ステータス記録部122のステータス情
報を参照・更新させながら、抽選実行部104に抽選を実行させ、演出決定部105に演
出を決定させる。次いで決定された演出に基づいて、演出実行部106に演出の準備を開
始させる。その後再び、抽選実行部104および演出決定部105に対し、参照すべきス
テータス情報の格納先を進行ステータス記録部121に切り替えて、進行ステータス記録
部121に記録された元のステータス情報を利用したシミュレーションを継続させるよう
に制御する。
【0084】
上記次回のゲームプレイが開始される前のタイミングは、例えば、第3停止に相当する
操作情報D1が入力された時であり、このタイミングで、次回のゲームプレイにおける演
出の決定とその準備開始指示までが行われるのである。
【0085】
(シミュレーション実行部103)
シミュレーション実行部103は、本シミュレーションの中心部であり、現在進行中の
ゲームプレイにおけるステータス情報を参照・更新しながら遊技機のゲームプレイをシミ
ュレーションした演出を行う機能ブロックである。シミュレーションを忠実に行うため、
シミュレーション実行部103には実機の制御基板に用いられているソフトウェアモジュ
ールがプロセッサやメモリ空間の相違に対応する等の最低限の改変を除きそのまま用いら
れている。
【0086】
実機のスロットマシンは、典型的に3つの制御基板が相互に協働して動作するようにな
っている。第一の基板はメイン制御基板であり、法例による規制対象となる抽選実行を行
う基板である。メイン制御基板は遊技機の機種によらず共通に用いることが可能である。
第二の基板はサブ制御基板であり、メイン制御基板から供給された抽選結果に基づき画像
および音響による演出の内容(例えば制御コマンドで特定される)を決定する基板である
。サブ制御基板は、演出制御コマンドの体系を共通にしている機種間で共通に用いること
ができる基板である。第三の基板は画像音響制御基板であり、演出制御コマンドで定めら
れる演出の内容に対応させて遊技機毎に独自の演出画像および演出音響を生成可能に構成
された基板である。画像音響制御基板は、機種に特化した基板であり、遊技者が認識でき
る機能を司る基板である。
【0087】
シミュレーション実行部103のうち、抽選実行部104はメイン制御基板に用いられ
ているソフトウェアモジュールにより機能的に実現されている。演出決定部105はサブ
制御基板に用いられているソフトウェアモジュールにより機能的に実現されている。一方
、演出実行部106は、エンターテイメント装置で画像および音響の送出が可能なように
実機で用いられるソフトウェアモジュールを相当程度改変したプログラムで動作する機能
ブロックである。第1の外部記録媒体44aに記憶されているシミュレーションプログラ
ムは、エンターテイメント装置の一つのCPUで実行可能なように、これら複数のソフト
ウェアモジュールをリロケータブルにコンパイルして構成されている。ムービー再生部1
07は本発明に係り、ムービーデータの先読みおよび疑似読み取りを行う機能ブロックで
あり、実機に搭載されるプログラムには存在しない構成である。シミュレーション実行部
103の機能ブロックを以下説明する。
【0088】
(抽選実行部104)
抽選実行部104は、実機のメイン制御基板をシミュレーションするための機能ブロッ
クである。抽選実行部104に入力された割当操作情報D2は、操作タイミングを知らせ
る情報として抽選結果D3とは別に演出決定部105に転送される。
【0089】
まず、「コイン投入」に割り当てられた割当操作情報D2を受信すると、その時点で割
り当てられているステータス情報の記録先、例えば、進行ステータス記録部121に記録
される獲得コイン数を投入されたコイン数だけ減算して更新するとともに、投入されたコ
イン数が所定の値(例えば3枚)に達している場合には、進行ステータス記録部121に
記録されるスタートフラグをオンにセットする。
【0090】
次いで、スタートフラグがオンにセットされている状態で、「リールの変動開始」に割
り当てられた割当操作情報D2が入力されると、所定範囲(例えば0〜65535)の乱
数をソフトウェア的に発生させ、所定の抽選テーブルに規定される乱数の数値と入賞役と
の対応関係に従って抽選結果(当選の有無および当選の場合の入賞役の種類)を決定する
。決定された抽選結果がいずれかの入賞役の当選である場合には、進行ステータス記録部
121において当選した入賞役に対応する入賞役フラグがオンにセットされる。
【0091】
次いで、「左リールの回転停止」、「中リールの回転停止」又は「右リールの回転停止
」のいずれかに割り当てられた操作情報D2が入力された場合には、各「回転停止」の入
力タイミングに応じて特別入賞(大当たり)であるか否かを判定する。特別入賞であると
判定された場合には、進行ステータス記録部121の入賞役フラグが更新される。
【0092】
ここで、進行ステータス記録部121に記録されるステータス情報が同じであれば、こ
のソフトウェア的に発生される乱数も同じになり、入賞役も同じとなる。ここで、ゲーム
プレイの進行のために参照されるステータス情報(獲得コイン数、各種フラグ状態)は、
通常、進行ステータス記録部121に記録されたステータス情報であるが、上述したよう
に、シミュレーション制御部101の指示によって先行ステータス記録部122に切り替
えられる場合がある。
【0093】
(演出決定部105)
演出決定部105は、実機のサブ制御基板をシミュレーションするための機能ブロック
であり、割当操作情報D2および抽選実行部104が決定した抽選結果D3に応じて、画
像および音響における演出の内容を決定する。
【0094】
まず、ベット処理に対応した割当操作情報D2が入力された場合、その時点で割り当て
られているステータス情報の記録先、例えば、進行ステータス記録部121に記録された
フラグ状態に応じた演出を定め、その演出を指示する演出制御コマンドD4を出力する。
この演出は、例えば、コイン投入数に対応して1ベット・2ベットスイッチ68aやMA
Xベットスイッチ68bに「ランプ」が点灯するような演出である。
【0095】
また、スタートスイッチ66(レバー)の操作に相当する「リールの変動開始」に割り
当てられた割当操作情報D2が入力されると、リールの変動中に実施する演出内容を定め
、対応する演出制御コマンドD4を出力する。この演出は、例えば、スタートスイッチ6
6(レバー)が押下されたかの如く動く画像と共に、画像表示エリア64に入賞の期待感
を高めるような内容の画像を表示させる演出である。この画像は実機では立体画像である
が、本シミュレーション装置ではムービー画像である。この演出が「第1演出」である。
【0096】
また、「リールの回動停止」に割り当てられた割当操作情報D2が入力される度に、そ
れが第1停止か第2停止かに応じた演出内容を定め、対応する演出制御コマンドD4を出
力する。この演出は、例えば、ストップスイッチ67L、67C、および67Rのいずれ
か押下されたストップスイッチの「ランプ」が光り、リールの回動が停止する度に入賞へ
の期待感をさらに高めていくような内容の画像を表示させる演出である。この画像は実機
では立体画像であるが、本シミュレーション装置ではムービー画像である。第1停止後に
送出される演出が「第2演出」、第2停止後に送出される演出が「第3演出」である。
【0097】
そして第3停止に相当する割当操作情報D2が入力された場合、その時点で割り当てら
れているステータス情報の記録先、例えば、進行ステータス記録部121に記録された入
賞役フラグに応じた演出内容を定め、対応する演出制御コマンドD4を出力する。この演
出は、例えば、ストップスイッチ67L、67C、および67Rの最後に押下されたスト
ップスイッチの「ランプ」が光り、入賞の有無に応じた画像を画像表示エリア64に表示
させるような演出である。この画像は実機では立体画像であるが、本シミュレーション装
置ではムービー画像である。第3停止に応じた入賞の有無に応じた演出が「第4演出」で
ある。
【0098】
なお、第3停止に相当する割当操作情報D2が入力された場合に、その時点で割り当て
られているステータス情報の記録先、例えば、進行ステータス記録部121に記録された
入賞役フラグが特別入賞を示していた場合には、特別入賞演出を指示する演出制御コマン
ドD4を送出する。
【0099】
上述したように、ゲームプレイの進行のために参照されるステータス情報(獲得コイン
数、各種フラグ状態)は、通常、進行ステータス記録部121に記録されたステータス情
報であるが、シミュレーション制御部101の指示によって先行ステータス記録部122
に切り替えられる場合がある。
【0100】
(演出実行部106)
演出実行部106は、実機の画像音響制御基板をシミュレーションするための機能ブロ
ックであり、演出決定部105から送信された演出制御コマンドD4に対応した演出画像
D5および演出音響D6を生成して表示画面31およびスピーカ32のそれぞれに出力す
る機能ブロックである。演出実行部106はムービー再生部107と協働してムービーデ
ータの読み取りと再生を行う。
【0101】
図6に演出実行部106の詳細な機能ブロックを示す。
図6に示すように、演出実行部106は、管理部110、画像生成部112、および音
響生成部118を備えている。管理部110は、本発明の先行演出準備処理および疑似読
取処理に関連して設けられた機能ブロックである。
【0102】
(ムービーデータ記憶部109)
ムービーデータ記憶部109は、第1の外部記憶媒体44aに相当する大容量記憶部で
あり、ムービーファイルが記録されている。ムービーファイルには、複数のムービーデー
タが所定の動画像圧縮符号化フォーマットで符号化されて、複数のチャプター毎に区分け
されて記録されている。各ムービーデータの内容は、実機では画像表示エリア64に表示
される立体画像を所定のムービーファイルの形式で動画像として記録した情報である。
【0103】
図7に本実施形態におけるムービーファイルのフォーマット図を示す。当該フォーマッ
トは一例に過ぎず種々に変形することが可能である。
図7に示すように、ムービーファイル200は、インデックス情報201が冒頭に付与
され、その後にはチャプター番号ヘッダ202およびムービーデータ203からなる組合
せが所定数(ここではN個とする)記録されて構成されている。
【0104】
チャプター番号ヘッダ202は各ムービーデータ203のヘッダとなっており、第1の
外部記録媒体ドライブ44が各チャプターの頭出しをするために設けられている。ムービ
ーデータ203は、動画像圧縮フォーマットで符号化されている。ムービーデータを、こ
の動画像圧縮フォーマットに対応するデコーダで復号化することにより、連続したフレー
ム画像、すなわち動画像を生成可能となっている。
【0105】
(管理部110)
管理部110は、演出決定部105から送信された演出制御コマンドD4の種類を判別
して、演出制御コマンドの種類に対応した演出の実行を管理する機能ブロックである。管
理部が必要とされる理由は、本実施形態では、ムービーデータを読み取ってムービーを再
生して画像表示エリア64に表示させるムービー画像を生成するという比較的準備に時間
がかかる処理と、モデリング用元データに基づき演出に対応する実機立体画像を生成した
り演出に対応する音響を生成したりという比較的時間のかからない処理とを併行して進め
、両者を同期させなければならないからである。
【0106】
そのため、管理部110は、演出制御コマンドD4で指定された次回のゲームプレイに
おける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要とする場合には(例えば、画像表示
エリア64に第1〜第4演出を新たに表示させる場合)、演出に対応するムービーデータ
の読み取りを開始させる先行読取要求コマンドD7をムービー再生部107に送信する。
先行読取要求に対応したムービーの再生準備が完了した旨を示すステータス情報D8がム
ービー再生部107から送信されてきた場合にはそれを保持する。
【0107】
その後、再び演出決定部105から送信された演出制御コマンドD4が特定の割当スイ
ッチ(例えば、スタートスイッチ66(レバー))の操作を告知するものであった場合に
は、管理部110は、保持しているステータス情報D8を参照して、再生準備が完了して
いるムービーの再生開始を指示する演出開始要求コマンドD9をムービー再生部107に
出力する。この演出開始要求コマンドD9は、演出制御コマンドD4とともに画像生成部
112および音響生成部118に送信される。
【0108】
以上のような管理により、ムービーの再生準備が完了していることを条件に、ムービー
再生部107に対してムービー再生が指示される。また画像生成部112に対して、この
ムービー画像を一部利用した実機立体画像の生成開始が指示され、音響生成部118に対
して、この演出画像に対応した音響の生成が指示される。よって、画像および音響の演出
を操作に同期して開始させることができる。
【0109】
特に本実施形態において、管理部110は、演出制御コマンドD4で指定された次回の
ゲームプレイにおける演出が該特定のムービーデータの読み取りを必要としない場合には
、ムービーデータ記憶部109への擬似的な読み取りを実行させることを特徴とする。例
えば、擬似的な読み取りを実行させる場合には、いずれのムービーデータの読み取りを伴
わない、外部記憶媒体の1以上のチャプターを特定した上でそのチャプターへのシークを
要求するための疑似読取要求D7’をムービー再生部107に出力する。
【0110】
(ムービー再生部107)
ムービー再生部107は、管理部110から先行読取要求コマンドD7が送信されてき
た場合には、対応するムービーデータをムービーデータ記憶部109からの読み取りを開
始する。そして、当該ムービーの再生準備が完了した場合には、準備完了を示すステータ
ス情報D8を管理部110に送信する。またムービー再生部107は、管理部110から
疑似読取要求D7’が送信されてきた場合には、疑似読取要求D7’で特定された1以上
のチャプターへのシーク動作を実行する。以下さらに詳しく説明する。
【0111】
先行読取要求コマンドD7が送信されてきた場合、ムービー再生部107はムービーフ
ァイル200のインデックス情報201を参照して該当するムービーデータが格納されて
いるチャプター番号を取得する。そしてムービーデータ記憶部109のチャプター番号ヘ
ッダ201を検索する、いわゆるシーク動作または頭出し動作を行う。シーク動作中、ム
ービー再生部107のデータ読取手段、すなわち第1の外部記録媒体ドライブ44のピッ
クアップは、ムービーデータ記憶部109のガイド手段であるトラックのそれぞれにトラ
ッキングしながら該当するチャプター番号ヘッダ201が発見されるまでトラック間の移
動を繰り返す。このようなシーク動作では、サーボ制御によりピックアップのアクチュエ
ータが盛んに駆動されて機械的な微振動が発生する。このアクチュエータのサーボに伴う
微振動は、遊技者に認識可能な大きさになることが多く、シーク音といわれる場合がある
。よって、シーク音が発生すれば、新たなムービーデータの検索をしていると遊技者は判
断する可能性がある。
【0112】
ここで、新たなムービーデータが必要となる場合は抽選結果が入賞しているような場合
であり、一方、抽選結果がハズレの場合には新たな演出を送出する必要が無く、新たなム
ービーデータが必要ではない。よって、新たなムービーデータが必要となる場合にのみム
ービーデータ記憶部109へのシーク動作を実行していたのでは、シーク音の有無によっ
て、遊技者は抽選結果まで予知できてしまうことになる。
【0113】
そこで本実施形態では、管理部110では、特定のムービーデータの読み取りを必要と
しない場合であってもシーク音を発生させるための疑似読取要求D7’を出力するように
なっている。ムービー再生部107は、疑似読取要求D7’が送信されてきた場合には、
疑似読取要求D7’で特定された1以上のチャプターへのシーク動作を実行する。このシ
ーク動作は、特定されたチャプターを探しはするが、その後、そのチャプターに格納され
ているムービーデータ202を読み取らない、いわば「空読み」するだけの動作である。
この擬似的な読取動作により、抽選結果がハズレであっても意図的にシーク音を発生させ
てシーク音の有無から抽選結果を予測できないようにしている。疑似読取要求D7’に対
応するシーク動作では、単に該当するチャプター番号を検索するだけであり、ムービーデ
ータの読み取りを伴うものではないので、ステータス情報D8やそれに対応する演出開始
要求D9などのコマンド送受信は不要となる。
【0114】
なお、疑似読取要求D7’に対してはムービーデータの読み取りをしてもそのムービー
データによる画像再生を行わなければよいので、必ずしもムービーデータの読み取りを禁
止しなくてもよい。
【0115】
(画像生成部112)
画像生成部112は、スロットマシンSMの外観を表す実機立体画像を生成するための
機能ブロックであり、モデリング部113、座標変換部114、マッピング部115、出
力用メモリ116、および表示制御部117を備えている。以上のうち出力用メモリ11
6はフレームバッファ46cが相当し、その他はCPU41の制御で動作するGPU46
bが相当する。
【0116】
(モデリング部113)
モデリング部113は、オブジェクトデータ記憶部1081に格納されているオブジェ
クトデータに基づいて拡大縮小・回転・平行移動させるための座標変換演算を行い、オブ
ジェクトを仮想三次元空間に配置するモデリング処理を実行する。具体的には、スロット
マシンSMの各部のパーツ形状を定義するポリゴンからなるオブジェクトデータに基づき
仮想三次元空間(ワールド座標系)における姿勢と配置を定める。例えば、リールに相当
するオブジェクトは、リール表示エリア63に配置される。また、画像表示エリア64に
は、液晶表示パネルに相当する平面オブジェクトが配置される。
【0117】
(座標変換部114)
座標変換部114は、仮想三次元空間に設定された視点を基準として、モデリング変換
後の各オブジェクトに対してビューイング変換を実行し、視点を中心とする座標系に置き
換え、さらに正規化座標系に変換する正規化変換を実行する。そして視点から見た画像と
するために、正規化されたオブジェクトを所定の投影面に投影するために透視投影変換を
行い、シミュレーション画面60に対応する二次元平面におけるオブジェクトの投影位置
を定める。
【0118】
(マッピング部115)
マッピング部115は、視点からの距離(z値)に基づいて隠線処理、隠面処理をして
から、適すチャデータ記憶部1082に格納されたテクスチャデータを参照して、テクス
チャをオブジェクト表面にマッピングするためのレンダリング処理を実施する。必要に応
じてシェーディング処理やシャドウイング処理も併用する。ムービー再生部107からム
ービー画像D10が出力されている場合には、現在のフレーム期間における一枚のフレー
ム画像を画像表示エリア64にマッピングする。この処理により、実機立体画像中にムー
ビー再生によるムービー画像が合成されることになる。
【0119】
以上により、生成されたフレーム画像データは出力用メモリ116に格納される。出力
用メモリ116に格納されたフレーム画像データは、画像更新タイミング毎に表示制御部
117により読み取られ、フレーム画像からコンポジット形式の映像信号に変換され、表
示装置30に出力される。
【0120】
以上の処理によって、画像表示エリア64にムービーデータファイルから再生されたム
ービー画像が子画面のように嵌め込まれたスロットマシンのシミュレーション画面60が
表示されることになる。
【0121】
(音響生成部118)
音響生成部118は、管理部110から転送された演出制御コマンドD4に基づき音源
データを読み取って演出に対応した演出音響(信号)D6を生成し、表示装置30のスピ
ーカ32に出力する。ここで管理部110は、ムービーの再生準備が完了しており、かつ
、操作部から割当スイッチの操作がされたという条件において演出制御コマンドD4を送
出するので、演出音響をスイッチ操作に同期させるとともに演出映像とも同期させること
ができる。
【0122】
(動作の説明)
次に、本実施形態におけるシミュレーション処理を図8〜図11のフローチャートを参
照しながら説明する。
図8は、シミュレーション装置において操作入力装置20が操作された場合のスイッチ
取込ルーチンを示している。
【0123】
操作入力装置20が押下されると、操作入力装置のI/O装置がデコードする、スイッ
チに対応した一つのスイッチコード(操作情報D1)を出力するようになっている。その
とき、装置本体10における操作入力処理部48は、スイッチが押下された旨を示す割り
込みリクエスト信号をCPU41に出力する。図8のフローチャートに示されるルーチン
は、この割り込みリクエスト信号が出力された場合にコールされるプログラムであり、C
PU41は、割り込みリクエスト信号が出力されると、ステップS10にジャンプし、操
作入力処理部48に受信されている操作情報D1を取り込み、スイッチバッファに格納し
て、当該ルーチンから復帰する。
【0124】
図9は、シミュレーションプログラムのうちシミュレーション制御部101で実行され
るシミュレーション制御ルーチンである。当該シミュレーション制御ルーチンは、妥当な
タイミング(例えばフレーム期間毎)で繰り返し実行される。
ステップS100において、シミュレーション制御部101は、スイッチバッファを参
照する。次いでステップS101に移行し、シミュレーション制御部101は、何らかの
操作情報D1がスイッチバッファに受信されていたか否かを判定する。操作情報D1が受
信されていなかった場合(NO)、シミュレーション制御部101は、引き続きステップ
S100のスイッチバッファの監視を継続する。操作情報D1が受信されていた場合(Y
ES)、シミュレーション制御部101は、ステップS102に移行する。
【0125】
ステップS102において、受信された操作入力装置20の操作情報D1を実機の操作
スイッチに割り当てた割当操作情報D2に変換する。すなわち、スイッチ割当テーブル1
02を参照して受信した操作情報D1に対応付けられている実機スロットマシンSMの割
当操作情報D2を読み取って出力する。
【0126】
次いでステップS103に移行し、シミュレーション制御部101は、割当操作情報D
2によって特定される操作が第3停止に相当する操作であるか否かを判定する。すなわち
一つのゲームプレイにおいて、変動しているリールの回動を停止させるストップスイッチ
67L、67C、および67Rのうち、最後の操作に該当しているかを判定する。
【0127】
判定の結果、第3停止に相当する操作であると判定した場合には(ステップS103:
YES)、ステップS104に移行し、本発明の先行演出準備処理を実行する(後述する
)。一方、第3停止以外の操作であると判定した場合には(NO)、先行演出準備処理を
スキップしてステップS105に移行する。
【0128】
ステップS105において、操作入力装置20においてレバー操作に相当する操作がさ
れているか否かが判定される。これらの操作がされていた場合(YES)、ステップS1
06において、シミュレーション制御部101は、演出実行部106に第1演出のムービ
ー再生準備が完了しているか否かを問い合わせる。第1演出のムービー再生準備が完了し
ていた場合(S106:YES)、シミュレーション制御部101は、演出実行部106
の管理部110に対して、演出開始要求コマンドD9をムービー再生部107に出力させ
る。これに対応して、ステップS107において、第1演出のムービー画像D10が画像
生成部112に出力される。次いでステップS108において、シミュレーション制御部
101は、画像生成部112に対して、第1演出のムービー画像をテクスチャとして画像
表示エリア64にマッピングしたシミュレーション画面60を表示させるための演出画像
D5を出力させる。また音響生成部118に対して第1演出に対応した音響信号を生成さ
せ演出音響D6として出力させる。
【0129】
また、操作入力装置20において第1停止〜第3停止に相当する操作がされた場合であ
って(S105:YES)、第1停止〜第3停止に対応する第2演出〜第4演出のムービ
ー再生準備が完了していた場合(S106:YES)、同様にして、第2演出〜第4演出
のムービー画像D10が画像生成部112に出力され、ステップS108において、第2
演出〜第4演出のムービー画像をテクスチャとして画像表示エリア64にマッピングした
シミュレーション画面60を表示させるための演出画像D5が出力される。第2演出〜第
4演出に対応した演出音響D6が出力される。
【0130】
もしも、操作入力20における第1停止〜第3停止に相当する操作のタイミングが特別
入賞となった場合、特別入賞に対応する演出のムービー再生準備が完了していれば、同様
に特別演出のムービー画像D10が画像生成部112に出力され、ステップS108にお
いて、特別演出のムービー画像がテクスチャとして画像表示エリア64にマッピングされ
たシミュレーション画面60を表示するための演出画像D5が出力され、それに対応した
演出音響D6が出力される。
【0131】
なお、ステップS106において、対応する演出の演出準備が完了していなかった場合
(NO)、すなわちムービー画像の読み取りが完了していない場合、シミュレーション制
御部101は、ステップS109に移行し、再生準備が完了している他のムービーが存在
するか否かを判定する。そのようなムービーが存在した場合には(YES)、ステップS
110に移行し、代行してそのムービーの再生を開始させる。
【0132】
一方、他のムービーが存在しない場合(NO)には、そのままステップS109に移行
する。このような場合には、現在表示中のムービー画像が頭から繰り返し再生される。
【0133】
(先行演出準備処理)
図10に先行演出準備処理ルーチンのフローチャートを示す。
図9のステップS104において先行演出準備処理ルーチンがコールされると、図10
に示す先行演出準備処理ルーチンがコールされる。
【0134】
図10に示すように、シミュレーション制御部101は、まずステップS120におい
て、今回進行中のゲームプレイにおけるステータス情報を進行ステータス記録部121か
ら先行ステータス記録部122にそっくり複写する。
【0135】
次いでステップS121において、先行ステータス記録部122に複写されたステータ
ス情報を参照するように、シミュレーション制御部101はシミュレーション実行部10
3の抽選実行部104および演出決定部105に指示する。この指示により、それまで進
行ステータス記録部121に記録されていたステータス情報を参照し、更新しながら進め
られていた抽選実行部104および演出決定部105が、先行ステータス記録部122に
複写されたステータス情報を参照し、更新しながら進められるようになる。ステップS1
20においてステータス情報はそっくりそのまま複写されているので、ゲームプレイの進
行に不具合が生じるおそれはない。
【0136】
以上の先行演出決定のための準備ができたら、ステップS122において、シミュレー
ション制御部101は、抽選実行部104に対し擬似的に次のゲームプレイを開始させる
ための処理をする。すなわち実機においてベット処理をさせるための割当操作情報D2を
供給してベット状態とし、次いでスタートスイッチ66(レバー)操作に相当する割当操
作情報D2を供給して抽選を実行させる。演出実行は止めたままゲーム進行の時計を進め
るような処理である。この処理に対応して、抽選実行部104は次のゲームのための抽選
結果D3を演出決定部105に送出する。
【0137】
次いでステップS123において、シミュレーション制御部101は、抽選結果D3に
基づいて演出決定部105に対応する演出を決定させる。先行ステータス記憶部122に
記憶されたステータス情報は抽選実行に対応して更新されているので、演出決定部105
は実際に抽選が実行された場合と全く同様に動作して、レバー操作後の演出を決定してい
く。抽選結果が入賞したことを示している場合には、その入賞役に対応した第1演出〜第
4演出を決定し、演出制御コマンドD4にそれら演出内容を含めて出力する。なお、先行
ステータス記録部122に記憶されたステータス情報に基づいて演出内容を決定した場合
には、先行演出に係る指示であることを示す情報が演出制御コマンドD4に加えられる。
【0138】
また、抽選結果がハズレであり、次回のゲームプレイにおいて新たな演出を行わない場
合には、演出決定部105は「演出無し」を決定し、「演出無し」である旨を示す演出制
御コマンドD4を出力する。
【0139】
次いでステップS124において、次回のゲームプレイにおいて新たな演出があるか否
か、すなわち新たなムービーデータが必要とされるか否かが判定される。新たな演出があ
ると判定された場合には(YES)、シミュレーション制御部101は、ステップS12
5に移行し、演出実行部106に先行読取処理をさせる。
【0140】
先行読取処理では、演出実行部106の管理部110は、演出制御コマンドD4で指定
された次回のゲームプレイにおける演出に対応するムービーデータの読み取りを開始させ
る先行読取要求コマンドD7をムービー再生部107に送信する。これに対応して、ムー
ビー再生部107はムービーデータ記憶部109に該当する演出に係るムービーデータの
シーク動作を始める。対応するムービーデータが発見できたら、ムービー再生部107は
、そのムービーデータを読み取って動画像圧縮フォーマットに従って復号化処理を実行し
、複数からなる一連のフレーム画像を生成する。そして、対応するムービー画像の再生準
備が完了したら、ムービー再生部107はステータス情報D8を管理部110に返信する
。先行読取要求D7に対応したムービーデータの再生準備が完了した旨を示すステータス
情報D8がムービー再生部107から返信されてきた場合には、管理部110はそれを保
持する。
【0141】
ステップS126において、抽選実行部106の管理部110は、先行読取処理をすべ
き演出が残っているかを判定する。本実施形態の先行読取処理では、抽選結果が入賞をし
ていた場合には、第4演出までの総ての演出が決定される。よって、決定された総ての演
出について演出準備が完了していない限り(S126:NO)、同時に決定されている残
りの演出に対応するムービーデータについても読取開始のための先行読取要求コマンドD
7の送信および再生準備完了のステータス情報D8の返信が繰り返される。
【0142】
ステップS126において総ての演出について演出準備が完了していた場合(YES)
、シミュレーション制御部101は、ステップS128に移行し、特別入賞の場合の先行
読取処理を実行する。特別入賞は操作入力装置20の操作タイミングで定まるため、実際
のゲームプレイで特別入賞するか否かを予め判定することはできない。そこで、実際のゲ
ームプレイにおいて特別入賞となった場合の演出も先行して準備しておくのである。シミ
ュレーション制御部101は、抽選実行部104に対して特定の図柄を揃えさせる処理を
する。例えば、図柄が「7」「7」「7」と揃うようにする。抽選実行部104は特別入
賞がされたものとして動作し、ステータス情報を更新する。演出決定部104は、このス
テータス情報を参照して、特別入賞のための演出を決定し、演出制御コマンドD4を出力
する。演出実行部106の管理部119は、この特別入賞のための演出に対応したムービ
ーデータを準備させる先行読取要求コマンドD7を出力する。
【0143】
最後にステップS129に移行し、シミュレーション制御部101は、再び進行ステー
タス記録部121に記録されている元のステータス情報を参照するように抽選実行部10
4および演出決定部105に指示する。この指示により、先行ステータス記録部122に
記録されていたステータス情報に基づき先行して内部的に進められていた次回のゲームプ
レイが中断され、ステータス情報を切り替えた時点(前回のゲームプレイの第3停止後)
から並行処理されていたゲームプレイの処理のみが継続される。
【0144】
さて、ステップS124において、抽選の結果、次回のゲームプレイにおいて新たな演
出をする必要がないと判定された場合(NO)、すなわち「演出無し」に相当する場合、
抽選実行部106の管理部101は、ステップS127に移行し、疑似読取要求処理を実
行する。
【0145】
図12Aおよび図12Bを参照して本実施形態1におけるシーク音の態様について説明
する。管理部110は、疑似読取のためのチャプター番号およびシーク動作のインターバ
ル(タイミング)を先行読取要求に係る演出のパターンに応じて記録している。図12A
には、入賞時に先行読取要求に対応して読み出されるチャプター番号に対応した、疑似読
取のチャプター番号が示されている。図12Bには、入賞時に先行読取要求に対応したシ
ーク動作のタイミングと、疑似読取要求に対応したシーク動作のタイミングとが示されて
いる。
【0146】
疑似読取の目的は、演出に係るムービーデータを読み取る際のシーク音に類似したシー
ク音を意図的に発生させることである。このため、現実のムービーデータの読み取りの際
に発生するシーク音に似せた音であることが好ましい。
【0147】
例えば、新たな演出に係るムービーデータの情報量が大きい場合、そのムービーデータ
は隣接して連続したチャプターに記録されることが多い。また、各演出に対応したムービ
ーデータがチャプター毎に記録されている場合でも第1演出から第4演出の各演出が密接
な関係にあるときには、これらの演出が連続したチャプターに記録されていることが多い
。このような連続したチャプターから順にムービーデータを読み取る場合には、読み取り
動作のための頭出し処理であるシーク動作が同一のインターバルで一定期間繰り返され、
各シーク動作に伴うシーク音が近似している。
【0148】
そこで本実施形態1では、一定期間、同一のインターバルで近似したシーク音が繰り返
されるように、図12Aに示すようなチャプター番号を図12Bで示すようなタイミング
でシークするように疑似読取処理が制御される。
【0149】
すなわち、図12Aに示すように、疑似読取処理が必要な「ハズレ」時、第1演出〜第
4演出のそれぞれに対応して同一のチャプター番号「10」が割り当てられる。このよう
な同一のチャプターへのシーク動作を繰り返すことによって、比較的単調な同じようなシ
ーク音が繰り返され、連続したチャプターに記録されているムービーデータを読み出す場
合のようなシーク音が発生する。
【0150】
また図12Bに示すように、疑似読取処理が繰り返される期間は、先行演出読取処理と
同等であり、かつ、疑似読取要求のインターバルも先行読取要求のインターバルと同じ時
間Tである。よって、疑似読取処理において発生するシーク音のインターバルやその断続
するシーク音が継続する期間が、ムービーデータを読み出す場合と同様なものとなる。
【0151】
図11に疑似読取要求処理の動作を示すフローチャートを示す。
図10のステップS127において疑似読取要求処理がコールされると、図11に示す
疑似読取要求処理がコールされる。
【0152】
図11に示すように、まずステップS130において、管理部110は図12Aに示す
ような疑似読取要求に含めるシーク先のチャプター番号を示すチャプター番号テーブル、
および、図12Bに示すような疑似読取要求を出力するシークタイミングチャートを参照
する。そして最初の疑似読取要求のチャプター番号および出力タイミングを特定する。
【0153】
ステップS131に移行し、特定された出力タイミングに達するまで待ち(NO)、出
力タイミングに達したら(YES)、ステップS132に移行し、最初の疑似読取処理の
ためのチャプター番号を含めた疑似読取要求コマンドD7’を出力する。
【0154】
ステップS133において、出力すべき疑似読取要求コマンドD7’が存在するか否か
が判定され、残りの疑似読取要求が必要な場合には(YES)、次の疑似読取要求のため
のチャプター番号テーブルと出力タイミングに基づいた疑似読取要求処理が繰り返される
(S130〜132)。ステップS133において、出力すべき疑似読取要求が存在しな
い場合には(NO)、元のルーチンに復帰する。
以上の先行演出準備処理が終了すると、図9に示すシミュレーション制御に復帰する。
【0155】
以上説明したとおり、図12Aや図12Bに示すような1以上のチャプター番号および
出力するチャプター番号をテーブル化して記憶することにより、任意のシーク音を出力さ
せることが可能である。
【0156】
(本実施形態の利点)
本実施形態によれば、次のような利点がある。
1)本実施形態1によれば、次回のゲームプレイが開始される前のタイミングにおいて
、先行して次回のゲームプレイにおけるシミュレーションが実行され、決定された次回の
ゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要とする場合には、先
行して外部記録媒体からムービーデータの読み取りが開始される。よって、相対的に時間
のかかるムービーデータの読み取り準備を前倒しすることができ、次回のゲームプレイに
開始時には既にムービー再生の準備が完了しているので、遅滞なく演出の送出が可能とな
り、実機における演出画像表示タイミングと同等の応答性を再現可能である。
【0157】
また、決定した次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを
必要としない場合であっても、意図的に外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させる
。よって、次回のゲームプレイにおける演出がどのようなものであっても、擬似的な読み
取りによってシーク音が発生することになる。従って、遊技者がシーク音の有無によって
次回のゲームプレイの結果を知ってしまい、射幸心を殺がれるような事態を回避すること
ができる。
【0158】
2)本実施形態1によれば、演出実行部106の管理部110は、疑似読取処理におい
て、同一のチャプターに対するシーク動作を一定期間、同一のインターバルで繰り返す。
よって、疑似読取処理において、ムービーデータが複数の連続したチャプターに記録され
ている場合の先行読取処理と同様なシーク音を発生させることができる。従って、遊技者
は、ムービーデータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、遊技者がシーク音
の違いによって次回のゲームプレイの結果を知ってしまい、射幸心を殺がれるような事態
を効果的に回避することができる。
【0159】
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、上記実施形態1で説明した疑似読取要求処理の変形例に関する

本実施形態2における構成および動作は、上記実施形態1であるが、図11において参
照される、疑似読取要求のためのシーク先のチャプター番号および出力タイミングが異な
る。
【0160】
本実施形態2において、演出実行部106の管理部110は、異なるチャプターへのシ
ークを異なる時間間隔で繰り返すように構成されている。
【0161】
図13Aおよび図13Bを参照して本実施形態2におけるシーク音の態様について説明
する。本実施形形態においても、管理部110は、疑似読取のためのチャプター番号およ
びシーク動作の時間間隔(インターバル)を先行読取要求に係る演出のパターンに応じて
記録している。
【0162】
例えば、第1演出〜第4演出に対応したムービーデータがチャプター毎に記録されてい
る場合、各演出に係るムービーデータが異なるチャプターに記録されているような場合ば
ある。特に、演出に係る情報量が少ない場合には、各演出において参照されるチャプター
番号が全く異なる場合がある。このように連続していないチャプターのそれぞれを参照し
て順にムービーデータを読み取る場合には、シーク動作に係る時間が異なるため、シーク
動作毎のインターバルが異なり、また、各シーク動作に伴うシーク音が異なって聞こえる
場合が多い。
【0163】
そこで本実施形態2では、一定期間、相異なるインターバルで相異なるシーク音が繰り
返されるように、図13Aに示すようなチャプター番号を図13Bで示すようなタイミン
グでシークするように疑似読取処理が制御される。
【0164】
すなわち、図13Aに示すように、疑似読取処理が必要な「ハズレ」時、第1演出〜第
4演出のそれぞれに対応して毎回異なるチャプター番号が割り当てられる。相異なるチャ
プターへのシーク動作が継続することによって、毎回異なるシーク音が発生するようにな
る。
【0165】
また図13Bに示すように、シーク動作間のインターバルは、時刻T1〜T3と毎回異
なるようになっている。よって、疑似読取処理において発生するシーク音のインターバル
やその断続するシーク音が継続する期間が、相異なるチャプターからムービーデータを読
み出す場合と同様なものとなる。
【0166】
なお、本実施形態において、チャプター番号とインターバルの双方を毎回異ならせるこ
とはなく、チャプター番号は固定としてインターバルのみを毎回異ならせたり、インター
バルを一定期間に固定しチャプター番号のみを毎回異ならせたりしても、無論よい。
【0167】
また、上記異なるチャプター番号および異なるインターバル期間は、予め設定して記憶
しておくことができる。この場合、第1演出〜第4演出に係る異なるチャプター番号およ
び異なるインターバル期間の組合せを複数パターン用意しておき、任意にそれらを切り替
えて使用することが好ましい。疑似読取処理に係るシーク音が、よりランダムになり、疑
似読取であることの判定を困難にするからである。
【0168】
以上、本実施形態2によれば、複数の異なるチャプターが順にシークされるので、ラン
ダムなシーク音が繰り返されるので、ムービーデータが実際に読み取られる場合と区別が
できなくなり、シーク音によって演出の有無を判定することができなくなる。
【0169】
また、本実施形態2によれば、異なる時間間隔でシーク動作が繰り返されるので、チャ
プター間の距離に応じてシーク音が発生するインターバルが不規則に変化し、ムービーデ
ータが実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって演出の有無を判
定することができなくなる。
【0170】
(変形例)
本発明は、上記に限定されることなく種々に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、予め定めたチャプター番号および時間間隔を参照して疑似
読取処理を実行していたが、疑似読取処理に先立って乱数を発生させ、発生させた乱数に
基づいてシークするチャプターおよび時間間隔を決定するように構成してもよい。このよ
うに構成することにより、乱数に応じて決定された規則性の無いチャプター番号およびイ
ンターバルに基づいて非常に乱雑なシーク音が繰り返されることになりムービーデータが
実際に読み取られる場合と区別ができなくなり、シーク音によって演出の有無を判定する
ことができなくなる。
【0171】
また、上記実施形態では、直前のゲームプレイの第3停止を契機として次回のゲームプ
レイの先行演出準備を開始していたがこのタイミングに限定されない。例えば、電源投入
後はまだ操作情報が入力されていない。またメモリーカードからゲームデータをロードし
た場合にもステータス情報が更新され、ゲームプレイの進捗情報が変更されるので、それ
まで先行演出準備がされていた演出があったとしてもそれを利用できない。このような場
合には図16に示すように本発明を適用することが可能である。
【0172】
また、上記実施形態では、時間のかかる演出として外部記憶媒体に記録されたムービー
データの読み取りと再生準備を例示したがこれに限られない。例えば、インターネット等
の比較的時間のかかる通信網を経由して情報を取得するような場合にも、その情報の取得
に本発明を適用することが可能である。
【0173】
また、上記実施形態では、演出表示エリア64にムービー画像をマッピングし、その他
の部分を立体画像で構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、リール表示エ
リア63をムービー画像とすることも可能である。
【0174】
また、上記実施形態では、スロットマシンのシミュレーションに本発明を適用したが、
これに限定されず、パチンコ機等の遊技機のシミュレーション装置やゲーム一般のシミュ
レーション装置に本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の実施形態に係るエンターテイメント装置(シミュレーション装置)の構成図
【図2】本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の電気的ブロック図
【図3】実機のスロットマシンSMのフロントパネル構成図
【図4】シミュレーション装置の画像表示例であり、(a)はトップ画面、(b)はシミュレーション画面の表示例
【図5】本発明の実施形態に係る機能ブロック図
【図6】演出実行部の詳細な機能ブロック図
【図7】本実施形態のムービーデータファイルのフォーマット説明図
【図8】操作スイッチ取込処理を示すフローチャート
【図9】シミュレーション処理を示すフローチャート
【図10】先行演出準備処理を示すフローチャート
【図11】疑似読取要求処理を示すフローチャート
【図12A】実施形態1における疑似読取のためのチャプター番号を示すテーブル
【図12B】実施形態1における疑似読取のためのインターバルを示すタイムチャート
【図13A】実施形態2における疑似読取のためのチャプター番号を示すテーブル
【図13B】実施形態2における疑似読取のためのインターバルを示すタイムチャート
【符号の説明】
【0176】
SM スロットマシン
1 エンターテイメント装置(シミュレーション装置)
10 装置本体
20 操作入力装置
30 表示装置
41 CPU
42 ROM
43 RAM
43a ゲームプログラム記録領域
43b ゲーム進行データ記録領域
44 第1の外部記録媒体ドライブ
44a 第1の外部記録媒体(DVD−ROM等)
45 第2の外部記録媒体ドライブ
45a 第2の外部記録媒体
46 画像処理部
46a 画像デコーダ
46b GPU
46c フレームバッファ
46d ディスプレイコントローラ
47 音声処理部
48 操作入力処理部
49 電源供給インターフェース部
60 シミュレーション画面
61 リール群
61L 左リール
61C 中リール
61R 右リール
63 リール表示エリア
64 画像表示エリア
65 メダル投入口
66 スタートスイッチ
67 ストップスイッチ群
67L 左ストップスイッチ
67C 中ストップスイッチ
67R 右ストップスイッチ
68 ベットスイッチ群
68a 1ベット・2ベットスイッチ
68b MAXベットスイッチ
101 シミュレーション制御部
102 スイッチ割当テーブル
103 シミュレーション実行部
104 抽選実行部
105 演出決定部
106 演出実行部
107 ムービー再生部
108 モデリング用元データ記憶部
109 ムービーデータ記憶部
110 管理部
121 進行ステータス記憶部
122 先行ステータス記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機のゲームプレイにおける演出に対応するムービーデータの少なくとも一部を外部
記憶媒体から読み取って再生するシミュレーション装置であって、
該遊技機の操作スイッチの各々に対応する割当スイッチが割り当てられた操作部と、
該操作部の操作に対応させて該遊技機のゲームプレイのシミュレーションを制御するシ
ミュレーション制御部と、
該シミュレーション制御部の制御に対応して、進行中のゲームプレイにおけるステータ
ス情報を参照・更新しながら該遊技機のゲームプレイをシミュレーションした演出を行う
シミュレーション実行部と、を備え、
該シミュレーション実行部は、
次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングにおいて該進行中のゲームプレ
イにおけるステータス情報に基づいて該次回のゲームプレイにおける演出を決定し、
決定した該次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要
とする場合には、該外部記憶媒体から該特定のムービーデータの読み取りを開始させ、
決定した該次回のゲームプレイにおける演出が該特定のムービーデータの読み取りを必
要としない場合には、該外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させること
を特徴とするシミュレーション装置。
【請求項2】
前記シミュレーション実行部は、
前記遊技機における抽選を実行する抽選実行部と、
該抽選の結果に対応して演出を決定する演出決定部と、
決定された該演出に対応した演出を実行する演出実行部と、
前記外部記憶媒体にアクセスして前記ムービーデータを再生するムービー再生部と、を
備え、
該演出実行部は、
前記次回のゲームプレイにおける演出が前記特定のムービーデータの読み取りを必要と
する場合には、前記外部記憶媒体からこのムービーデータの読み取り開始を該ムービー再
生部に指示し、
前記次回のゲームプレイにおける演出が前記特定のムービーデータの読み取りを必要と
しない場合には、前記外部記憶媒体の1以上のチャプターへのシークを該ムービー再生部
に指示する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記演出実行部は、前記シークを一定期間繰り返す、請求項2に記載のシミュレーショ
ン装置。
【請求項4】
前記演出実行部は、同一のチャプターへのシークを繰り返す、請求項2または3に記載
のシミュレーション装置。
【請求項5】
前記演出実行部は、異なるチャプターへのシークを繰り返す、請求項2または3に記載
のシミュレーション装置。
【請求項6】
前記演出実行部は、乱数を発生させ、発生させた該乱数に基づいてシークするチャプタ
ーを決定する、請求項5に記載のシミュレーション装置。
【請求項7】
前記演出実行部は、一定の時間間隔で前記シークを繰り返す、請求項3乃至6のいずれ
か一項に記載のシミュレーション装置。
【請求項8】
前記演出実行部は、異なる時間間隔で前記シークを繰り返す、請求項3乃至6のいずれ
か一項に記載のシミュレーション装置。
【請求項9】
前記次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングは、直前のゲームプレイの
最後に操作される割当スイッチが操作された時である、
請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項10】
遊技機のゲームプレイをシミュレーション装置において実行するためのシミュレーショ
ンプログラムであって、
該シミュレーション装置は、
該遊技機の操作スイッチの各々に対応する割当スイッチが割り当てられた操作部と、
該操作部の操作に対応させて該遊技機のゲームプレイのシミュレーションを制御するシ
ミュレーション制御部と、
該シミュレーション制御部の制御に対応して、進行中のゲームプレイにおけるステータ
ス情報を参照・更新しながら該遊技機のゲームプレイをシミュレーションした演出を行う
シミュレーション実行部と、を備え、
該シミュレーション実行部に、
次回のゲームプレイが開始される前の所定のタイミングにおいて該進行中のゲームプレ
イにおけるステータス情報に基づいて該次回のゲームプレイにおける演出を決定させる機
能と、
決定した該次回のゲームプレイにおける演出が特定のムービーデータの読み取りを必要
とする場合には、該外部記憶媒体から該特定のムービーデータの読み取りを開始させる機
能と、
決定した該次回のゲームプレイにおける演出が該特定のムービーデータの読み取りを必
要としない場合には、該外部記憶媒体への擬似的な読み取りを実行させる機能と、
を実行させるためのシミュレーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2009−160340(P2009−160340A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3257(P2008−3257)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】