説明

シャッタ部材及び情報処理装置

【課題】挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を閉じたままに保つことができるシャッタ部材及びシャッタ部材を備えた情報処理装置を提供する。
【解決手段】CDプレーヤ1は機器本体3と開閉機構4を備えている。機器本体3には内側にCD2が通される挿入口16が設けられている。開閉機構4は挿入口16が塞がれる閉塞位置と前記挿入口16が開放される開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ部材28を備えている。シャッタ部材28は機器本体3に閉塞位置と開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ本体29とシャッタ本体29の前面32aから凹でかつCD2の外縁が挿入可能な挿入凹部30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、記録媒体再生装置などの情報処理装置の機器本体に記録媒体を出し入れする挿入口を開閉するシャッタ部材及び該シャッタ部材を備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置は、箱状の機器本体と、この機器本体内に収容された再生機構などを備えている。機器本体は、情報処理装置の外殻を形成し、前述した記録媒体を出し入れする挿入口を設けている。再生機構は、機器本体内に収容されており、該機器本体内に収容された記録媒体の情報を読み出して再生する。
【0003】
前述した従来の情報処理装置は、前述した挿入口を通して、機器本体内にゴミや埃などが侵入することを防止するシャッタ部材を更に備えている。シャッタ部材は、前述した機器本体の前記挿入口が設けられたシャーシ部材に取り付けられて、前記挿入口が塞される閉塞位置と前記挿入口が開放される開放位置とに亘って移動自在に設けられている。前記シャッタ部材は、記録媒体を前記機器本体に出し入れする動作に連動して、前記挿入口の長手方向即ち挿入口内に挿入される記録媒体の表面に対し交差する方向に沿って移動されて、前述した閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のシャッタ部材は、閉塞位置において、その上縁の長手方向の中央部にガイド部材を内側に位置付ける切欠きが設けられている。なお、このガイド部材は、前記機器本体に取り付けられて前記記録媒体を案内する部材である。前記切欠きは、閉塞位置において、シャッタ部材がガイド部材に接触して、当該ガイド部材が傷つくことを防止するために設けられている。
【0005】
このように、従来のシャッタ部材には、前述した切欠きが設けられている。このために、前記シャッタ部材は、閉塞位置に位置付けられた状態であっても、前記切欠き内に挿入された記録媒体によりこじ開けられて、開放位置に向かって移動してしまうことが考えられる。
【0006】
そして、挿入口が開放されて、記録媒体が機器本体内に挿入されてしまうことが考えられる。この場合、機器本体内に既に記録媒体を収容している状態であっても、他の記録媒体が機器本体内に挿入してしまうなどの誤挿入が生じ、前述した情報処理装置の故障の原因となる虞がある。
【0007】
したがって、本発明の目的の一例は、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を閉じたままに保つことができるシャッタ部材及びシャッタ部材を備えた情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、機器本体に設けられかつ内側に記録媒体が通される挿入口が塞がれる閉塞位置と、前記挿入口が開放される開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ部材において、前記機器本体に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ本体と、前記シャッタ本体の前面から凹でかつ前記記録媒体の外縁が挿入可能な挿入凹部と、を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例にかかるCDプレーヤの斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤのシャーシ本体及び開閉機構などを示す斜視図である。
【図3】図2に示された開閉機構のシャッタ部材が閉塞位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示されたCDプレーヤを模式的に示す説明図である。
【図5】図4に示されたCDプレーヤにCDを挿入し始めた状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図5に示されたCDプレーヤに挿入されたCDがクランプ再生ユニットにクランプされた状態を模式的に示す説明図である。
【図7】図3に示されたCDプレーヤの要部を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8に示されたCDプレーヤのシャッタ部材の挿入凹部内にCDの外縁を挿入した状態を示す斜視図である。
【図9】図3に示されたCDプレーヤのシャッタ部材とディスクガイドなどを示す正面図である。
【図10】図9中のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9中のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図3に示されたCDプレーヤのシャッタ部材とディスクガイドなどを模式的に示す断面図である。
【図13】図12に示されたCDプレーヤのディスクガイドにCDを近づけた状態を模式的に示す断面図である。
【図14】図13に示されたCDプレーヤの挿入凹部内にCDの外縁を挿入した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかるシャッタ部材は、シャッタ本体の前面から凹でかつ記録媒体の外縁が挿入可能な挿入凹部を備えているので、閉塞位置に位置付けられて記録媒体でこじ開けようとされても、当該記録媒体がシャッタ本体に設けられた挿入凹部内に侵入する。このために、こじ開けようとする記録媒体がシャッタ本体と挿入口との間に侵入することを防止でき、無理に挿入口をこじあけようとする記録媒体によりシャッタ本体が開放位置まで移動してしまうことを防止できる。よって、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を閉じたままに保つことができる。
【0011】
また、本実施形態では、部材用切欠きを互いの間に位置付ける位置に挿入凹部を一対設けてもよい。この場合、部材用切欠きに通されて挿入口をこじ開けようとする記録媒体が当該挿入凹部内に確実に侵入する。このために、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を確実に閉じたままに保つことができる。
【0012】
さらに、挿入凹部を、その上縁内面と下縁内面との間にガイド部材の下面を位置付ける位置に設けてもよい。この場合、部材用切欠き内に挿入された記録媒体の外縁部がガイド部材に接触して、当該ガイド部材に案内されて、挿入凹部内に侵入する。このために、部材用切欠きを通して挿入口をこじ開けようとする記録媒体が当該挿入凹部内に確実に侵入して、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を確実に閉じたままに保つことができる。
【0013】
また、挿入凹部が、本体部材の前面に取り付けられた前面側部材に設けられても良い。この場合、挿入凹部が本体部材よりも機器本体の外側寄りに配置されることとなるので、シャッタ部材をこじ開けようとする記録媒体の外縁が速やかに、当該挿入凹部内に侵入することとなる。よって、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口をより確実に閉じたままに保つことができる。
【0014】
また、本実施形態では、前述したシャッタ部材を備えた情報処理装置としてもよい。この場合、シャッタ部材が閉塞位置に位置付けられて記録媒体でこじ開けようとされても、当該記録媒体がシャッタ本体に設けられた挿入凹部内に侵入する。このために、こじ開けようとする記録媒体がシャッタ本体と挿入口との間に侵入することを防止でき、無理に挿入口をこじあけようとする記録媒体によりシャッタ本体が開放位置まで移動してしまうことを防止できる。よって、挿入口が塞がれた状態で無理に記録媒体が挿入されようとしても、挿入口を閉じたままに保つことができる。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図14に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、記録媒体としてのCD2(図13及び図14に一部示す)を一枚収容して、このCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
【0016】
CDプレーヤ1は、図1に示すように、機器本体3(図1に示す)と、搬送手段としての搬送ユニット5(図4ないし図6に示す)と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6(図4ないし図6に示す)と、図示しない連動手段としての連動機構と、開閉機構4(図4ないし図6に示す)とを備えている。なお、以下、CD2の表面と搬送ユニット5のCD2の搬送方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2の表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2の表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0017】
機器本体3は、合成樹脂や金属等からなる図1に示す外側ケース8と、図2及び図3に示すシャーシ本体9とを備えている。
【0018】
外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面8a(図1に示す)には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が一つ設けられている。なお、前面8aは、外側ケース8即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する外側ケース8の一つの面である。
【0019】
挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口10は、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0020】
さらに、前述した前面8aには、表示パネル11と、各種のスイッチ12とが設けられている。
【0021】
表示パネル11は、前面8aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル11は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0022】
各種のスイッチ12は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ12が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニット6が再生するCD2のプログラムの選択やCD2の出し入れなどが行われる。
【0023】
シャーシ本体9は、図2及び図3などに示すように、複数の折り曲げられた板金などが互いに取り付けられて構成されている。シャーシ本体9は、図2に示すように、略平坦な底壁13と、該底壁13に間隔をおいて相対する略平坦な天井壁15と、これらの底壁13と天井壁15とに連なる複数の周壁14と、を備えている。これらの壁13,14,15には、それぞれ、前記シャーシ本体9の軽量化と剛性の確保とのために、複数の開口部が設けられている。
【0024】
なお、複数の周壁14のうち図2及び図3中の手前側に位置しかつ前記挿入口10が設けられた機器本体3の外壁に重なる一つの周壁14には、前述した挿入口10と連通する挿入口16(図2に示す)が設けられている。挿入口16は、勿論、前記一つの周壁14を貫通して、内側にCD2を通すことができ、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0025】
搬送ユニット5は、図4ないし図6などに示すように、ローラアーム18と、ディスクガイド17と、を備えている。ローラアーム18は、挿入口10の近傍に配されている。ローラアーム18は、板金などからなるアーム本体19と、搬送ローラ22とを備えている。
【0026】
アーム本体19は、長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の幅方向の中央部を中心として底壁13に回転自在に支持されている。アーム本体19の回転中心は、幅方向Xと平行である。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の機器本体3の奥側の一方の縁部が底壁13から離れる方向に、図示しないコイルばねなどによって付勢されている。
【0027】
搬送ローラ22は、アーム本体19の前記一方の縁部に回転自在に支持されている。搬送ローラ22の回転中心は、幅方向Xと平行である。搬送ローラ22の一端部には、図示しない歯車が取り付けられている。アーム本体19の前記一方の縁部が底壁13から離れた状態において、搬送ローラ22の歯車は、モータなどにより回転駆動される歯車と噛み合う。搬送ローラ22は、前記歯車などを介して、モータの回転駆動力によって回転される。アーム本体19の前記一方の縁部が底壁13に近づいた状態において、搬送ローラ22の歯車は、前述した歯車と噛み合わない。
【0028】
ディスクガイド17は、CD2に対する摩擦係数の小さい合成樹脂で構成され、かつその長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。ディスクガイド17は、機器本体3のシャーシ本体9の天井壁15の挿入口16寄りの縁部に重ねられて、当該天井壁15に取り付けられている。ディスクガイド17は、その長手方向即ち幅方向Xの中央部に前述した一つの周壁14から突出したガイド部材としてのガイド板部20が一体に設けられている。ガイド板部20の先端における下面20aには、図11などに示すように、機器本体3の奥に向かうにしたがって徐々に下方に向かうに厚み方向Zと奥行き方向Yとの双方に対して傾斜したテーパ面21が設けられている。
【0029】
前述した構成の搬送ローラ22とディスクガイド17は、ローラアーム18がその中央部を中心として回転されることで、互いに接離自在に設けられている。搬送ローラ22とディスクガイド17は、互いに近づいて互いの間にCD2を挟んで、搬送ローラ22がモータにより回転駆動されることで、機器本体3にCD2を出し入れする。搬送ローラ22がCD2を機器本体3に出し入れする際に、ディスクガイド17及びガイド板部20は、機器本体3に出し入れされるCD2を、クランプ再生ユニット6がクランプできる位置などに案内する。
【0030】
クランプ再生ユニット6は、図4ないし図6に示すように、キャリッジシャーシ23と、クランプアーム24と、を備えている。キャリッジシャーシ23は、板金などからなるシャーシ本体25と、該シャーシ本体25に取り付けられた図示しない回転テーブルと、シャーシ本体25に取り付けられた図示しないピックアップ部と、を備えている。
【0031】
シャーシ本体25は、略平板状に形成されている。回転テーブルは、シャーシ本体25に回転自在に支持されている。回転テーブルは、CD2の中央孔内に侵入する。回転テーブルは、シャーシ本体25に取り付けられたスピンドルモータの駆動力によって、CD2を回転させる。
【0032】
光ピックアップ部は、CD2に記録された情報を読みとるための光ピックアップと、該光ピックアップを回転テーブルに対し接離させる駆動機構などを備えている。
【0033】
クランプアーム24は、板金などからなるアーム本体26と、クランパ27と、を備えている。アーム本体26は、略平板状に形成されている。キャリッジシャーシ23のシャーシ本体25に、挿入口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体26の回転中心は幅方向Xと平行である。アーム本体26がシャーシ本体25に近づいた状態では、シャーシ本体25とアーム本体26とが略平行になる。
【0034】
クランパ27は、回転テーブルに相対する位置に配されている。クランパ27は、円板状に形成されているとともに、アーム本体26に回転自在に支持されている。クランパ27は、アーム本体26がシャーシ本体25と略平行な状態となると、回転テーブルとの間にCD2を挟むことができる。さらに、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とは、図示しないばねなどの付勢手段により互いに近づく方向に付勢されている。
【0035】
また、前述した構成のクランプ再生ユニット6は、図示しないゴムなどの弾性体からなるダンパと、コイルばねなどによって、前記機器本体3に対し移動自在にシャーシ本体9内に支持される。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24のアーム本体26がキャリッジシャーシ23に回転自在に支持されることで、これらのキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに接離自在に設けられている。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24とキャリッジシャーシ23とが互いに近づいて、回転テーブルとクランパ27との間にCD2を挟んで(即ち互いの間にCD2を挟んでクランプし)、回転テーブル55でCD2を回転させ光ピックアップ部で該CD2内の情報を読み出す。
【0036】
そして、クランプ再生ユニット6は、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパとコイルばねとによってシャーシ本体9に対し移動する。このように、前記ダンパとコイルばねなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記CD2の情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0037】
連動機構は、機器本体3内にCD2を収容する前には、図4に示すように、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とを互いに近づけ、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに遠ざけておく。
【0038】
そして、連動機構は、図5に示すように、機器本体3にCD2が挿入されると、搬送ローラ22の回転駆動によりCD2がキャリッジシャーシ23とクランプアーム24との間に位置付けられると、図6に示すように、クランプ再生ユニット6の回転テーブルとクランパとを互いに近づけて当該クランプ再生ユニット6にCD2をクランプさせるとともに、搬送ローラ22がディスクガイド17から離れる方向にローラアーム18を回転させる。このように、連動機構は、機器本体3内にCD2を収容すると、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とを互いに離し、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに近づける。
【0039】
このように、連動機構7は、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに近づくと、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに離れるとともに、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに近づくと、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに離れるように、クランプ再生ユニット6の動作と搬送ユニット5の動作とを互いに連動させる。
【0040】
開閉機構4は、図9などに示すように、図示しないリンク部と、シャッタ部材28とを備えている。リンク部は、搬送ユニット5のローラアーム18とシャッタ部材28とにリンクして、これらを互いに連動させて移動させる。リンク部は、搬送ユニット5の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに近づいた状態即ち機器本体3内にCD2を収容していない状態で、シャッタ部材28を挿入口16が開放される開放位置に位置付け、搬送ユニット5の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに離れた状態即ち機器本体3内にCD2を収容した状態で、シャッタ部材28を挿入口16が塞がれる閉塞位置に位置付けるように、ローラアーム18とシャッタ部材28とを互いに連動させて移動させる。
【0041】
シャッタ部材28は、図2、図3及び図9に示すように、前記一つの周壁14の前面側(機器本体3の外側)に重ねられたシャッタ本体29と、このシャッタ本体29の前面(機器本体3の外側寄りの表面)から凹に設けられた挿入凹部30とを備えている。シャッタ本体29は、本体部材としての板金部材31と、この板金部材31の前面(機器本体3の外側寄りの表面)に取り付けられた一対の前面側部材32とを備えている。
【0042】
板金部材31は、板金で構成されかつ前記周壁14の幅の約1/2程度の幅の帯板状に形成されているとともに、前記一つの周壁14の前面に重ねられて厚み方向Zに沿って移動自在に前記一つの周壁14に取り付けられている。板金部材31は、前述したリンク部に連結しており、前述した搬送ユニット5のローラアーム18の動きに連動して、前述した挿入口16が塞がれる閉塞位置と挿入口16が開放される開放位置とに亘って移動される。閉塞位置では、勿論、板金部材31が、挿入口16を塞ぐ。こうして、板金部材31は、機器本体3の一つの周壁14に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に取り付けられている。シャッタ本体29即ちシャッタ部材28は、板金部材31が機器本体に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に取り付けられていることで、前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に設けられている。
【0043】
シャッタ本体29の板金部材31の長手方向の中央部即ち幅方向Xの中央部には、図9に示すように、部材用切欠き33と中央凸部34とが設けられている。部材用切欠き33は、板金部材31の天井壁15寄りの縁から当該板金部材31自体の一部を切り欠いて構成されている。中央凸部34は、板金部材31の一部が他の部分よりも機器本体3の外側に突出して形成されており、その前端面が幅方向Xと厚み方向Zとの双方に対して平行に平坦に形成されている。板金部材31、シャッタ本体29即ちシャッタ部材28は、閉塞位置に位置付けられると、部材用切欠き33の内側にディスクガイド17のガイド板部20を位置付ける。部材用切欠き33は、その内側にディスクガイド17のガイド板部20を位置付けることで、閉塞位置に位置付けられたシャッタ部材28のシャッタ本体29の板金部材31がディスクガイド17のガイド板部20を傷つけることを防止する。
【0044】
一対の前面側部材32は、それぞれがCD2に対する摩擦係数の低い合成樹脂で構成され、かつ、板金部材31の長手方向即ち幅方向Xに沿って互いに間隔をあけて設けられている。一対の前面側部材32は、板金部材31のディスクガイド17寄りの縁に被せられた状態で、当該板金部材31の前面(機器本体3の外側寄りの表面)に取り付けられている。また、一対の前面側部材32は、互いの間に中央凸部34を位置付ける位置に設けられている。前面側部材32は、それぞれ、機器本体3の挿入口10が設けられた外壁寄り即ち機器本体3の外側に位置する前面32aに挿入凹部30を設けている。即ち、開閉機構4は、一対の挿入凹部30を備えている。なお、前面32aは、シャッタ本体29の前面をなしている。
【0045】
挿入凹部30は、前記前面32aから凹に形成されているとともに、一対の前面側部材32の互いに近接する縁部に設けられている。また、挿入凹部30は、一対の前面側部材32の互いに近接する縁部に設けられていることで、互いの間に部材用切欠き33を位置付ける位置に設けられている。また、挿入凹部30の厚み方向Zの幅は、前述したCD2の厚みよりも広く形成されている。
【0046】
挿入凹部30は、前面側部材32の互いに近接する縁部から幅方向Xに沿って、一対の前面側部材32が互いに近づく方向に直線状に延在している。また、挿入凹部30の底面30aは、図10に示すように、一対の前面側部材32が互いに近づくのにしたがって徐々に機器本体3の奥に向かうように前記幅方向Xと奥行き方向Yとの双方に対して傾斜している。更に、挿入凹部30の厚み方向Zに沿って互いに間隔をあけて相対する上縁内面30bと下縁内面30cとは、図11に示すように、それぞれ、幅方向Xと奥行き方向Yとの双方に対して平行に平坦に形成されている。また、上縁内面30bと下縁内面30cとは、互いの間にディスクガイド17のガイド板部20の下面20aのテーパ面21を位置付ける位置に設けられている。なお、上縁内面30bと下縁内面30cとが、互いの間にディスクガイド17のガイド板部20の下面20aを位置付けるとは、図11に示すように、厚み方向Zの同一断面において、上縁内面30bと下縁内面30cとの間にディスクガイド17のガイド板部20の下面20aのテーパ面22が位置することをいう。
【0047】
前述した開閉機構4によれば、CD2を機器本体3内に収容する前では、図2及び図4に示すように、シャッタ部材28が開放位置に位置付けられて、挿入口16が開放されている。そして、開閉機構4は、CD2を機器本体3内に収容すると、図7及び図12に示すように、シャッタ部材28が閉塞位置に位置付けられて、挿入口16が塞がれている。このとき、勿論、ディスクガイド17のガイド板部20が部材用切欠き33内に位置付けられる。この状態で、図13に示すように、シャッタ部材28のガイド板部20とシャッタ部材28との間即ち部材用切欠き33内にCD2の外縁が近づけられると、当該CD2がディスクガイド17のガイド板部20の下面20aに当接する。すると、当該下面20aのテーパ面22に沿ってCD2が移動して、図8及び図14に示すように、当該CD2の外縁が挿入凹部30内に侵入する。そして、図14中の点線のようにCD2で挿入口16をこじ開けようとして、当該CD2の外縁が挿入凹部30内に侵入しているので、シャッタ部材28を下方即ち開放位置まで移動させることがない。
【0048】
本実施例によれば、シャッタ部材28は、CD2の外縁を挿入可能な挿入凹部30を備えているので、閉塞位置に位置付けられてCD2でこじ開けようとされても、当該CD2が挿入凹部30内に侵入する。このために、こじ開けようとするCD2がシャッタ本体29と挿入口16との間に侵入することを防止でき、無理に挿入口16をこじあけようとするCD2によりシャッタ本体29が開放位置まで移動してしまうことを防止できる。よって、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16を閉じたままに保つことができる。
【0049】
また、部材用切欠き33を互いの間に位置付ける位置に挿入凹部30を一対設けている。このために、部材用切欠き33に通されて挿入口16をこじ開けようとするCD2が当該挿入凹部30内に確実に侵入する。このために、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16を確実に閉じたままに保つことができる。
【0050】
さらに、挿入凹部30を、その上縁内面30bと下縁内面30cとの間にディスクガイド17のガイド板部20の下面20aを位置付ける位置に設けている。このために、部材用切欠き33内に挿入されたCD2の外縁部がディスクガイド17のガイド板部20に接触して、当該ガイド板部20に案内されて、挿入凹部30内に侵入する。このために、部材用切欠き33を通して挿入口16をこじ開けようとするCD2が当該挿入凹部30内に確実に侵入して、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16を確実に閉じたままに保つことができる。
【0051】
また、挿入凹部30が、板金部材31の前面に取り付けられた前面側部材32に設けられている。このために、挿入凹部30が板金部材31よりも機器本体3の外側寄りに配置されることとなるので、シャッタ部材28をこじ開けようとするCD2の外縁が速やかに、挿入凹部30内に侵入することとなる。よって、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16をより確実に閉じたままに保つことができる。
【0052】
また、CDプレーヤ1は、前述したシャッタ部材28を備えているので、シャッタ部材28が閉塞位置に位置付けられてCD2でこじ開けようとされても、当該CD2が挿入凹部30内に侵入する。このために、こじ開けようとするCD2がシャッタ本体29と挿入口16との間に侵入することを防止でき、無理に挿入口16をこじあけようとするCD2によりシャッタ本体29が開放位置まで移動してしまうことを防止できる。よって、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16を閉じたままに保つことができる。
【0053】
前述した実施例によれば、以下のシャッタ部材28が得られる。
【0054】
(付記) 機器本体3に設けられかつ内側にCD2が通される挿入口16が塞がれる閉塞位置と、前記挿入口16が開放される開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ部材28において、
前記機器本体3に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ本体29と、
前記シャッタ本体29の前面32aから凹でかつ前記CD2の外縁が挿入可能な挿入凹部30と、
を備えたことを特徴とするシャッタ部材28。
【0055】
付記によれば、シャッタ部材28は、CD2の外縁を挿入可能な挿入凹部30を備えているので、閉塞位置に位置付けられてCD2でこじ開けようとされても、当該CD2が挿入凹部30内に侵入する。このために、こじ開けようとするCD2がシャッタ本体29と挿入口16との間に侵入することを防止でき、無理に挿入口16をこじあけようとするCD2によりシャッタ本体29が開放位置まで移動してしまうことを防止できる。よって、挿入口16が塞がれた状態で無理にCD2が挿入されようとしても、挿入口16を閉じたままに保つことができる。
【0056】
本発明では、CD2に限らず、種々の記録媒体から情報を読み出す情報処理装置としても良い。
【0057】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
16 挿入口
20 ガイド板部(ガイド部材)
20a 下面
28 シャッタ部材
29 シャッタ本体
30 挿入凹部
30b 上縁内面
30c 下縁内面
31 板金部材(本体部材)
32 前面側部材
32a 前面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体に設けられかつ内側に記録媒体が通される挿入口が塞がれる閉塞位置と、前記挿入口が開放される開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ部材において、
前記機器本体に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に設けられたシャッタ本体と、
前記シャッタ本体の前面から凹でかつ前記記録媒体の外縁が挿入可能な挿入凹部と、
を備えたことを特徴とするシャッタ部材。
【請求項2】
前記シャッタ本体の長手方向の中央部には、前記閉塞位置において、前記機器本体に取り付けられて前記記録媒体を案内するガイド部材を内側に位置付ける部材用切欠きが設けられており、
前記挿入凹部が、前記部材用切欠きを互いの間に位置付ける位置に一対設けられていることを特徴とする請求項1記載のシャッタ部材。
【請求項3】
前記挿入凹部が、前記閉塞位置において、その内面のうちの互いに間隔をあけた上縁内面と下縁内面との間に前記ガイド部材の下面を位置付ける位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載のシャッタ部材。
【請求項4】
前記シャッタ本体が、
前記機器本体に前記閉塞位置と前記開放位置とに亘って移動自在に取り付けられた本体部材と、
前記本体部材の前面に取り付けられかつ前記挿入凹部が設けられた前面側部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャッタ部材。
【請求項5】
機器本体と、
記録媒体を前記機器本体の内外に搬送する際に、前記記録媒体が内側を通る挿入口を開閉するシャッタ部材と、を備えた情報処理装置において、
前記シャッタ部材として、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載のシャッタ部材を備えたことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−192362(P2011−192362A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59540(P2010−59540)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】