説明

シャツのヨーク縫着方法及びその装置

【課題】シャツを縫製する際の、背身に対して2枚のヨークを折目に沿って直線状に縫着する作業を、作業者の熟練度が低い場合であっても、高品質で効率的に行う。
【解決手段】テーブル5にセットされた背身11及び第1ヨーク9を、縫着想定線13に沿って押圧する。押圧された背身及び第1ヨークの上面に第2ヨーク53を、縫着側端部が一致した状態で重ね合わせ、重ね合わされた第2ヨークの縫着側端部上面に折目設定手段を、その前端が上記縫着想定線より微小間隔をおいた第1押圧手段23側に位置するように移動する。折返し手段25により第2ヨークを、折目設定手段の前端に沿って折返して重ね合わせ、第2押圧手段39により、折目設定手段が離脱されて折返されて重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、縫着想定線より奥側で、かつ縫着想定線に沿って押圧し、相対移動させながら運針駆動されるミシン本体7により直線状に縫着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャツを縫製する際に、背身の表裏面にヨークをそれぞれ重ね合わせて縫着するシャツのヨーク縫着方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャツを縫製する際に、背身の表裏面に、襟布や腕布を取付ける際の補強を図るためのヨークを重ね合わせて縫着している。従来、背身に2枚重ねのヨークを縫着するには、作業者は、先ず、背身の上部表裏面にヨークをそれぞれ重ね合わせた状態でミシンにより直線状に仮縫着する。次に、少なくとも表側のヨークを背身の反対側へ折返し、必要に応じてアイロン等により折目を付け、次に仮縫着された背身及びヨークを、折返された表側ヨークの折目に沿って直線状に縫着して一体化している。
【0003】
しかし、上記した従来の縫着方法にあっては、仮縫着された背身及びヨークを、折返されたヨークの折目に沿って直線状に縫着するには、作業者の熟練度に大きく依存し、その上、縫着作業に多くの手間と時間がかかり、縫着作業効率が悪かった。また、重ね合わされた背身及びヨークを折目に沿って高品質に縫着するには、アイロン等で折返されたヨークに折目を付ける必要があり、この作業により作業工程数が増大して縫製作業効率が悪くなる問題を有している。
【特許文献1】特開平−号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、背身及びヨークを、折返された表側ヨークの折目に沿って直線状に縫着するには、高い熟練度が要求され、しかも多くの手間と時間がかかり、縫着作業効率が悪い点にある。また、背身に対して折返されたヨークを折目に沿って高品質に縫着するには、アイロン等により折返されたヨークに折目を付ける必要があり、作業工程数が増大して作業効率が悪くなる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、シャツを縫製する際に、背身の表裏面に2枚のヨークを重ね合わせて縫着する縫着方法において、テーブル上に背身及び第1ヨークを、それぞれの縫着側端部がミシン本体による縫着想定線から所定の幅で交差する奥側へ飛び出した状態で重ね合わせてセットする工程と、第1押圧手段により、テーブル上にセットされた背身及び第1ヨークを、上記縫着想定線より手前位置で、かつ縫着想定線に沿って押圧する第1押圧工程と、押圧された背身及び第1ヨークの上面に第2ヨークを、それぞれの縫着側端部が一致した状態で重ね合わせる工程と、重ね合わされた第2ヨークの縫着側端部上面に対して折目設定手段を、その前端が上記縫着想定線より微小間隔をおいた第1押圧手段側に位置するように移動させる工程と、折返し手段により第2ヨークを、折目設定手段の前端に沿って折返して重ね合わせる工程と、第2押圧手段により、折目設定手段が離脱されて折返されて重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、縫着想定線より奥側で、かつ縫着想定線に沿って押圧する工程と、第1及び第2押圧手段とミシン本体を相対移動させながら運針駆動されるミシン本体により重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、第2ヨークの折目に沿った直線状に縫着する縫着工程とからなることを特徴とする。
【0006】
請求項6は、シャツの背身と第1及び第2ヨークが載置されるテーブルと、背身の表裏面に第1及び第2ヨークを縫着するミシン本体と、ミシン本体による縫着想定線に沿って延出し、縫着側端が一致した状態で重ね合わされた状態でテーブル上にセットされた第1ヨーク及び該第1ヨークを押圧する第1押圧部材と、縫着想定線を中心とする第1押圧手段と反対側のテーブルに上下方向及び水平方向へ移動可能に設けられ、前端側が、縫着側端が一致するように背身上に重ね合わされた第2ヨーク上で、縫着想定線に沿い、かつ該縫着想定線より微小の幅で第1押圧手段側に位置して第2ヨークの折目を設定する折目設定手段と、折目設定手段の前端を折目として第2ヨークを折返す折返し手段と、折返されて重ね合わされた第2ヨーク、背身及び第1ヨークを、縫着想定線を中心とする第1押圧手段の反対側にて縫着想定線に沿って押圧する第2押圧手段とを備え、第1及び第2押圧手段により押圧された第2ヨーク、背身及び第1ヨークとミシン本体を相対移動しながら運針駆動されるミシン本体により第2ヨーク、背身及び第1ヨークを、第2ヨークの折目に沿って縫着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、作業者の熟練度が低い場合であっても、背身に対して2枚のヨークを、折目に沿って直線状に縫着する作業を高品質で、効率的に行うことができる。また、背身に対してヨークを折返した際に、従来はアイロン等により折目を付ける必要があったが、アイロン加工せずに背身にヨークを折目に沿って確実に縫着することができ、作業工程数を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、テーブル上にセットされた背身及び第1ヨークを、縫着想定線に沿って押圧し、押圧された背身及び第1ヨークの上面に第2ヨークを、それぞれの縫着側端部が一致した状態で重ね合わせ、重ね合わされた第2ヨークの縫着側端部上面に折目設定手段を、その前端が上記縫着想定線より微小間隔をおいた第1押圧手段側に位置するように移動し、第2ヨークを、折目設定手段の前端に沿って折返して重ね合わせ、第2押圧手段により、折目設定手段が離脱されて折返されて重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、縫着想定線より奥側で、かつ縫着想定線に沿って押圧し、第1及び第2押圧手段とミシン本体を相対移動させながら運針駆動されるミシン本体により重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、第2ヨークの折目に沿った直線状に縫着することを最良の形態とする。
【実施例】
【0009】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1乃至図4に示すように、ヨーク縫着装置1の本体フレーム(図示せず)の手前側には、図示する左右方向が長尺状のテーブル5が取付けられる。該テーブル5の図示する中央部には、一端部が本体フレーに固定されたミシン本体7がテーブル5の上面に対して所定の間隔をおいて相対するように取付けられる。また、テーブル5の中央部には、吸引装置(図示せず)に接続された多数の透孔5aが設けられ、後述する重ね合わされた第1ヨーク9及び背身11がテーブル5上にセットされた際に、負圧吸引して位置ずれを規制する。また、図中の符号13は、ミシン本体7による縫着想定線を示す。
【0010】
本体フレームに横架された第1横レール3aの前面側には、第1可動体15が長手方向へ移動可能に支持される。該第1可動体15は、公知のねじ送り機構、ベルト送り機構等を介して数値制御可能なサーボモータ等の電動モータ(図示せず)等の第1往復動部材(図示せず)に連結され、該第1往復動部材の駆動に伴って所定のストロークで往復移動される。
【0011】
該第1可動体15には、縫着想定線13と一致する方向で、かつ少なくとも縫着長さからなる取付けフレーム17の基端部が固定される。該取付けフレーム17の両端部には、所定の上下長さで垂下する垂下部17aがそれぞれ設けられる。そして各垂下部17aには、上下フレーム19の基端部(上部)が、上下方向へ移動可能にそれぞれ支持される。各上下フレーム19は、上記垂下部17aに本体が固定されたエアーシリンダー等の上下作動部材21の作動軸が連結され、該上下作動部材21の作動に伴って所定ストロークで上下方向へ移動される。
【0012】
各上下フレーム19の下端には、縫着想定線13に沿って延びる第1押圧手段としての第1押圧板23の両端部が固定される。また、該第1押圧板23の上方に応じた各上下フレーム19には、折返し手段としての折返し板25の各端部が、縫着想定線13の手前側と該縫着想定線13を越えた奥側の間で水平移動可能に支持される。該折返し板25の長手方向両端部の上面には、縫着想定線13と直交する前後方向に延びるラックギャ25aがそれぞれ固定され、各ラックギャ25aには、各上下フレーム19に固定された電動モータやラック・ピニオン機構等の移動部材27の回転軸に設けられたピニオンギャ25bが噛合わされる。そして折返し板25は、移動部材27の駆動に伴って縫着想定線13の手前側と奥側の間で水平移動される。
【0013】
また、折返し板25には、縫着想定線より奥側に向かって圧縮空気を噴射する空気噴射部材29が設けられる。該空気噴射部材29は、多数の噴射孔29aが形成されたパイプ29bにより構成される。
【0014】
なお、上記移動部材27としては、ピニオンギャ25bが固定される軸(図示せず)の他端部にピニオンギャ(図示せず)を固定し、該ピニオンギャに、エアーシリンダー(図示せず)のロッドに固定されたラックギャ(図示せず)を噛合わせ、エアーシリンダーの作動ストロークに応じた回転量でピニオンギャ25bを回転して折返し板25を水平方向へ往復移動させる構造であってもよい。
【0015】
本体フレームに横架された第2横レール3bには、第1可動体15と同様の第2可動体31が長手方向へ移動可能に支持される。該第2可動体31は、第1可動体13と同様に、公知のねじ送り機構、ベルト送り機構等を介して数値制御可能なサーボモータ等の電動モータ(図示せず)、またはエアーシリンダー等の第2往復動部材(図示せず)に連結され、該第2往復動部材の駆動に伴って所定のストロークで往復移動される。
【0016】
上記第2可動体31には、縫着想定線13と一致する方向で、かつ少なくとも縫着長さからなる取付けフレーム33の基端部が固定される。該取付けフレーム33の両端部には、所定の上下長さで垂下する垂下部33aがそれぞれ設けられる。そして各垂下部33aには、上下フレーム35の基端部(上部)が、上下方向へ移動可能にそれぞれ支持される。各上下フレーム35は、本体が上記垂下部33aに固定されたエアーシリンダー等の上下作動部材37の作動軸が連結され、該上下作動部材37の作動に伴って所定ストロークで上下方向へ移動される。また、各上下フレーム35の下端には、縫着想定線13に沿って延びる第2押圧手段としての第2押圧板39の両端部が固定される。
【0017】
縫着想定線13より奥側の本体フレームには、前端が縫着想定線13に沿って延びる折目設定手段としての抜き板43が、テーブル5面に一致する下方位置及び所定高さの上下位置に至る上下方向、その前端が縫着想定線13から奥側に離間した離脱位置と該縫着想定線13より手前側へ微小の間隔をおいた折目位置に至る水平方向へそれぞれ移動するように設けられる。
【0018】
即ち、本体フレームの奥側には、水平方向に軸線を有し、抜き板43を上記離脱位置と上記折目位置との間で水平移動するエアーシリンダー等の水平作動部材45が固定され、該水平作動部材45の作動軸に固定された支持体45aには、上下方向に軸線を有し、抜き板43を上記下方位置及び上方位置の間で移動するエアーシリンダー等の上下作動部材47が固定される。そして上記上下作動部材47の作動軸には、上記抜き板43が水平状態で固定される。
【0019】
テーブル5の奥側に位置する本体フレームには、縫着想定線13に沿って延出する定規面を有した定規部材49が設けられる。該定規部材49は、縫着想定線13と直交する方向に軸線を有したエアーシリンダー等の作動部材51の作動軸に連結され、作動部材51の作動に伴って奥側の待機位置と縫着想定線13より若干奥側の定規出し位置の間で移動させる。
【0020】
次に、ヨーク縫着装置1によるヨーク縫着方法及び縫着作用を説明する。
先ず、初期状態に付いて説明すると、第1可動体15は、第1横レール3aの図示する左側で移動待機させられている。このとき、第1押圧板23は、テーブル5の上面から所定の間隔をおいて離間した待機位置に移動させられている。また、同様に、第2可動体31は、第2横レール3bの図示する左側へ移動待機させられている。このとき、第2押圧板39は、テーブル5の上面から所定の間隔をおいて離間した待機位置に移動させられている。
【0021】
抜き板43は、その上面がテーブル5面に一致する下方位置で、かつ縫着想定線13から奥側の離脱位置に移動して待機させられている。また、定規部材49は、縫着想定線13側へ移動待機させられている。
【0022】
第1セット工程
第1ヨーク9上に背身11を、縫着側端部が互いに一致するように重ね合わせた状態でテーブル5上にセットする。このセット作業は、重ね合わされたこれら第1ヨーク9及び背身11の縫着側端を定規部材49の定規面に押し当てて行う。また、テーブル5上にセットされた第1ヨーク9及び背身11は、透孔5aを介して負圧吸着され、その位置ずれが規制される。(図5参照)
【0023】
第1押圧工程
次に、第1往復動部材を作動して第1可動体15を図示する右側へ移動して第1押圧板23を、セットされた背身11の上方へ移動させた後、上下作動部材21を作動して第1押圧板23を下方へ移動してテーブル5上にセットされた第1ヨーク9及び背身11を、縫着想定線13より手前側で、かつ縫着方向に沿って押圧させる。(図6参照)
【0024】
第2セット工程
次に、第1押圧板23により押圧された背身11の上面に第2ヨーク53を、その縫着側端を定規部材49の定規面に押し当てて位置出ししながら重ね合わせる。次に、作動部材51を復動して定規部材49を抜き板43の奥側へ移動させた後、上下作動部材47及び水平作動部材45をそれぞれ作動して抜き板43を、背身11上に重ね合わされた第2ヨーク53の縫着側端部上で、かつ前端が縫着想定線13より微小の間隔をおいた手前に位置するように移動させる。(図7及び図8参照)
【0025】
折返し工程
次に、上記状態にて移動部材27を駆動して第2ヨーク53の下側に位置する折返し板25を縫着想定線13の手前から奥側へ水平移動しながら空気噴射部材29の噴射孔29aから圧縮空気を噴射して第2ヨーク53を、抜き板43の前端を折目として折返して重ね合わせる。(図9参照)
【0026】
第2押圧工程
次に、上下作動部材47及び水平作動部材45をそれぞれ復動して抜き板43を、上記工程により折返されて重ね合わされた第2ヨーク53間から離脱させてテーブル5の上面に一致する箇所へ移動させる。また、上記動作と並行して、或いは上記動作後に作動部材27を復動して折返し板25を原位置に戻しながら第2往復動部材を作動して第2可動体31を図示する右側へ移動して第2押圧板39を、折返された第2ヨーク53の上面側へ移動させた後、上下作動部材37を作動して第2押圧板39を下方へ移動して折返された第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9を一体に押圧させる。(図10参照)
【0027】
このとき、重ね合わされた第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9は、最上方に位置する第2ヨーク53の折返し線が上記した縫着想定線13と平行で、かつ該縫着想定線13より微小間隔をおいた手前位置にセットされ状態で押圧される。
【0028】
縫着工程
次に、第1ヨーク9の負圧吸着を解除した後に、第1及び第2往復動部材を同期作動して第1及び第2可動体15・31を図示する左側へ移動させる。これにより上記第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9は、第1及び第2押圧板23・39により押圧されて位置ずれが規制された状態で図示する左側へ移動される。そして一体に重ね合わされた第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9の一方端部がミシン本体7に近づくと、該ミシン本体7を運針駆動して図示する左側へ移動する第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9を、縫着想定線13、従って最上層に位置する第2ヨーク53の折目に沿った微小な縫い代で直線状に縫着する。(図11参照)
なお、上記縫着作業後においては、第1及び第2押圧板23・39を上方へ移動して第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9の押圧を解除してテーブル5外へ取出し可能にさせる。
【0029】
上記説明においては、重ね合わされた第1ヨーク9、背身及び第2ヨーク53を、第2ヨーク53の折目に沿って縫着する際に、第1及び第2押圧板23・39を同期して一体に移動する必要がある。該動作を実現にするには、第1及び第2可動体15・31をサーボモータで駆動制御する必要があるが、装置自体が高コスト化する。
【0030】
これを回避するため、図12に示すように上記第1及び第2可動体15・31の少なくとも一方を、低コストのエアーシリンダーで往復移動させる構造にすると共に取付けフレーム17・33の内、例えば他方の取付けフレーム33の先端部に、例えば電磁ソレノイドやエアーシリンダー等の連結部材101を、また一方の取付けフレーム17に連結孔103aを有した受け金具103を取付け、縫着時に第1及び第2押圧板23・39を一体に移動する際には、該連結部材101の作動軸(プランジャー、ロッド)101aを受け金具103の連結孔33aに係合して一体的に移動させる構造であってもよい。
【0031】
また、上記説明は、固定されたミシン本体7に対して第2ヨーク53、背身11及び第1ヨーク9を押圧した状態で第1及び第2押圧板23・39を一体に移動して縫着したが、第1及び第2押圧板23・39を固定した状態でミシン本体7を縫着想定線13に沿って移動して縫着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ヨーク縫着装置の概略構成を示す略体斜視図である。
【図2】第1押圧手段の概略を示す説明図である。
【図3】第2押圧手段の概略を示す説明図である。
【図4】折目設定手段の概略を示す説明図である。
【図5】第1ヨーク及び背身のセット状態を示す説明図である。
【図6】第1ヨーク及び背身の押圧状態を示す説明図である。
【図7】第2ヨークのセット状態を示す説明図である。
【図8】第2ヨーク上に抜き板を移動した状態を示す説明図である。
【図9】第2ヨークの折返し状態を示す説明図である。
【図10】抜き板の離脱状態及び第2ヨークの押圧状態を示す説明図である。
【図11】縫着状態を示す説明図である。
【図12】変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ヨーク縫着装置
3a 第1横レール
3b 第2横レール
5 テーブル
5a 透孔
7 ミシン本体
9 第1ヨーク
11 背身
13 縫着想定線
15 第1可動体
17 取付けフレーム
17a 垂下部
19 上下フレーム
21 上下作動部材
23 第1押圧手段としての第1押圧板
25 折返し手段としての折返し板
25aラックギャ
25b ピニオンギャ
27 移動部材
29 圧縮空気噴射部材
29a 噴射孔
31 第2可動体
33 取付けフレーム
33a 垂下部
35 上下フレーム
37 上下作動部材
39 第2押圧手段としての第2押圧板
43 折目設定手段としての抜き板
45 水平作動部材
47 上下作動部材
49 定規部材
51 作動部材
53 第2ヨーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャツを縫製する際に、背身の表裏面に2枚のヨークを重ね合わせて縫着する縫着方法において、
テーブル上に背身及び第1ヨークを、それぞれの縫着側端部がミシン本体による縫着想定線から所定の幅で交差する奥側へ飛び出した状態で重ね合わせてセットする工程と、
第1押圧手段により、テーブル上にセットされた背身及び第1ヨークを、上記縫着想定線より手前位置で、かつ縫着想定線に沿って押圧する第1押圧工程と、
押圧された背身及び第1ヨークの上面に第2ヨークを、それぞれの縫着側端部が一致した状態で重ね合わせる工程と、
重ね合わされた第2ヨークの縫着側端部上面に対して折目設定手段を、その前端が上記縫着想定線より微小間隔をおいた第1押圧手段側に位置するように移動させる工程と、
折返し手段により第2ヨークを、折目設定手段の前端に沿って折返して重ね合わせる工程と、
第2押圧手段により、折目設定手段が離脱されて折返されて重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、縫着想定線より奥側で、かつ縫着想定線に沿って押圧する工程と、
第1及び第2押圧手段とミシン本体を相対移動させながら運針駆動されるミシン本体により重ね合わされた第2ヨークと背身及び第1ヨークを、第2ヨークの折目に沿った直線状に縫着する縫着工程と、
からなるシャツのヨーク縫着方法。
【請求項2】
請求項1において、テーブル上に第1及び第2ヨークと背身をそれぞれセットする際、縫着想定線から奥側へ所定の間隔をおいた位置に定規面を有した定規部材を配置し、該定規部材の定規面に第1及び第2ヨークと背身の縫着側端を当接して位置決め可能にするシャツのヨーク縫着方法。
【請求項3】
請求項1において、テーブル面に対して折目設定手段を上下方向及び水平方向へ移動可能に設け、第2ヨークを折返す際には、折目設定手段を上方向及び第1押圧手段側へ移動してその前端を縫着想定線から微小間隔をおき、かつ該縫着想定線と平行に位置させた後、第2押圧手段で押圧する際には、折目設定手段を下方向及び縫着想定線より奥側へ移動して折返されて重ね合わされた第2ヨークから抜き出し可能にするシャツのヨーク縫着方法。
【請求項4】
請求項1において、折返し手段は、第1押圧手段側から第2押圧手段側へ移動し、第2ヨークを折目設定手段の前端にて折返し可能にするシャツのヨーク縫着方法。
【請求項5】
請求項4において、折返し手段の移動を第2押圧手段側へ移動する際に、縫着想定線から奥側に向かって圧縮空気を噴射して第2ヨークを折返し可能にするシャツのヨーク縫着方法。
【請求項6】
シャツの背身と第1及び第2ヨークが載置されるテーブルと、
背身の表裏面に第1及び第2ヨークを縫着するミシン本体と、
ミシン本体による縫着想定線に沿って延出し、縫着側端が一致した状態で重ね合わされた状態でテーブル上にセットされた第1ヨーク及び該第1ヨークを押圧する第1押圧部材と、
縫着想定線を中心とする第1押圧手段と反対側のテーブルに上下方向及び水平方向へ移動可能に設けられ、前端側が、縫着側端が一致するように背身上に重ね合わされた第2ヨーク上で、縫着想定線に沿い、かつ該縫着想定線より微小の幅で第1押圧手段側に位置して第2ヨークの折目を設定する折目設定手段と、
折目設定手段の前端を折目として第2ヨークを折返す折返し手段と、
折返されて重ね合わされた第2ヨーク、背身及び第1ヨークを、縫着想定線を中心とする第1押圧手段の反対側にて縫着想定線に沿って押圧する第2押圧手段とを備え、
第1及び第2押圧手段により押圧された第2ヨーク、背身及び第1ヨークとミシン本体を相対移動しながら運針駆動されるミシン本体により第2ヨーク、背身及び第1ヨークを、第2ヨークの折目に沿って縫着するシャツのヨーク縫着装置。
【請求項7】
請求項6において、テーブル上に定規手段を移動可能に設け、テーブル上に第1ヨーク及び背身、または第2ヨークをセットする際に、定規手段を、その定規面が縫着想定線から奥側へ所定の間隔をおいた位置で、かつ縫着想定線と平行に位置するように移動し、該定規面に対して第1ヨーク及び背身と第2ヨークの縫着側端を当接させて位置決め可能にしたシャツのヨーク縫着装置。
【請求項8】
請求項6において、折目設定手段は、上下方向及び水平方向へ移動可能な抜き板からなり、重ね合わされた第1ヨーク及び背身の上面に第2ヨークがセットされた際に、抜き板をセットされた第2ヨークの上面側で、その前端が縫着想定線から第1押圧手段側へ微小の間隔をおき、かつ該縫着想定線と平行な位置へ移動して第2ヨークの折目位置を設定可能にしたシャツのヨーク縫着装置。
【請求項9】
請求項6において、折返し手段は、テーブル上にセットされた第1ヨーク及び背身と第2ヨークの間に位置し、縫着想定線の手前位置から、該縫着想定線を所定の幅で超えた位置へ移動可能に折返し板からなるシャツのヨーク縫着装置。
【請求項10】
請求項9において、折返し板には、縫着想定線より奥側に向かって圧縮空気を噴射する空気噴射部材を設け、折返し板の移動に伴って第2ヨークを縫着想定線より奥側へ折返す際に、第2ヨークの裏面に噴射される圧縮空気圧により第2ヨークを折返し可能にしたシャツのヨーク縫着装置。
【請求項11】
請求項6において、第1及び第2押圧手段の一方に連結手段を設け、ミシン本体に対して重ね合わされた第1ヨーク及び背身と第2ヨークを押圧した状態で移動する際に、連結手段により第1及び第2押圧手段を連結して一体に移動可能にしたシャツのヨーク縫着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−291510(P2009−291510A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150151(P2008−150151)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(391063673)株式会社友縫機械 (4)
【Fターム(参考)】