説明

シャワーシステム、及びシャワー制御方法

【課題】シャワー利用の利便性をよくする。
【解決手段】利用者8がシャワーを利用している時、シャワーヘッド5を特定方向に振るなどの所定ジェスチャ動作を行うと、加速度検知手段203で加速度を検知し、制御手段201でジェスチャ操作の加速度パターンを判断し、該当動作であった場合において、無線通信手段207から所定の温度制御信号をリモコン2へ送信することで、シャワーの出湯温度を制御できるので、カラン操作やスイッチ操作がなくなり、シャワー利用の利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置のシャワー利用における温度制御及び出湯制御に関するシャワーシステム、及びシャワー制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシャワーヘッドを用いた装置において、シャワーヘッドに吐水温度を検知する温度検知部を備え、吐水温度の適温範囲を予め記憶部に記憶し、吐水温度が適温範囲であると報知することにより、吐水温度を表示しなくても、またシャワーを浴びる前に予め手で温度を確認することをしなくても、冷たい思いや高温のお湯による不快感を未然に防ぐようにしているものが、特許文献1に示されている。
【0003】
またメインコントローラでシャワー温度と流量を大まかに調整し、シャワーヘッドに操作キーを備えたサブコントローラを設け、シャワー使用時にシャワー温度や流量を微調整できるようにし、迅速に設定できるようにしたものが特許文献2に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−275110号公報
【特許文献2】特開平1−277523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、シャワーヘッドにおいて吐水温度が適温かどうかを確認したり、またシャワーヘッドを握った手元で出湯する温度や流量を微調整することはできるが、利用者がシャワーを利用するときは、初めにカランを操作し出湯する必要がある。また出湯を停止する時もカランを操作して出湯を止める必要があり、カランがシャワーヘッドの近傍にない場合は、カラン等を操作する為に屈んだり、手を伸ばしてカランを探したりする必要があり煩わしい。
【0006】
また出湯温度制御では、シャワーヘッドを握った手元に備えたスイッチで温度の微調整は可能だが、スイッチを確認し押下する必要があるため煩わしい。またスイッチをシャワーヘッドの表面に設けることで、スイッチ部分の防水構造が必要になるなどの課題もある。
【0007】
本発明はシャワーを利用する時、シャワーヘッドを手に持ちながら、リモコンのスイッチ操作なく、簡便にシャワーの出湯温度制御を行いシャワー利用の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
シャワーヘッドの動作を検知する加速度検知手段と、前記加速度検知手段で検知した加速度パターンを判断する制御手段と、前記加速度パターンに応じて温度制御信号を送信する無線通信手段と、前記無線通信手段と通信し給湯装置の制御を行うリモコンを備え、利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定動作をすることで、温度制御信号をリモコンに送信し、シャワーから出湯する温度制御を行うシャワーヘッドを構成したものである。
【0009】
このようにすることで、利用者がシャワーヘッドを手に保持し、シャワーを浴びながら
、シャワーヘッドを特定方向に振るなどの所定パターンのジェスチャ動作をすることで、シャワーの出湯温度を制御できるようになり、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作がなくなるので、スイッチを確認して温度上げ下げスイッチを押下することなく、シャワーが利用でき利便性が向上する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシャワーシステム、シャワー制御方法を用いることにより、シャワーヘッドを保持しながらシャワーヘッドを所定パターンのジェスチャ動作をするだけで、温度制御ができるのでシャワー利用の利便性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置、リモコン及びシャワーヘッドのシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるシャワーヘッドを示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャワーヘッドのジェスチャ操作の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1におけるシャワーヘッドの温度制御のジェスチャ操作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、シャワーヘッドの動作を検知する加速度検知手段と、前記加速度検知手段で検知した加速度パターンを判断する制御手段と、前記加速度パターンに応じて温度制御信号を送信する無線通信手段と、前記無線通信手段と通信し給湯装置の制御を行うリモコンを備え、利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作をすると、加速度検知手段による加速度パターンで制御手段は温度制御と判断し、無線通信手段を介して温度制御信号をリモコンに送信し、シャワーから出湯する温度制御を行うシャワーシステムを構成したものである。
【0013】
そして、利用者がシャワーヘッドを手に保持し、シャワーを浴びながら、シャワーヘッドを特定方向に振るなどの所定パターンのジェスチャ動作をし、加速度検知手段で加速度を検知し、前記加速度パターンを制御手段で判断し、無線通信手段から温度制御信号をリモコンへ送信することで、シャワーの出湯温度を制御できるようになり、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作がなくなるので、スイッチを確認して温度上げ下げスイッチを押下することなく、シャワーが利用でき利便性が向上する。
【0014】
第2の発明は、シャワーの出湯量を制御する弁手段を備え、利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作をすると、前記制御手段により前記弁手段を制御し、シャワーから出湯する出湯量を制御する請求項1に記載のシャワーシステムを構成したものである。
【0015】
そして、利用者がシャワーヘッドを手に保持し、シャワーを浴びながら、シャワーヘッドを特定方向に振るなどの所定パターンのジェスチャ動作をし、加速度検知手段で加速度を検知し、前記加速度パターンを制御手段で判断し、弁手段を制御することで、シャワーの出湯量を制御できるようになり、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作もカランの操作もなくなるので、シャワー利用の利便性が向上する。
【0016】
第3の発明は、人体を検知する人体検知手段をシャワーヘッドに備え、前記人体検知手段は、シャワーヘッドが対向する一定距離内に人体を検知すると、温度制御または出湯量制御を行う請求項1または2に記載のシャワーシステムを構成したものである。
【0017】
そして、人体検知手段で人体を一定距離内に検知している時のみ、制御させるので、シャワー利用の安全性と利便性を高めることができる。
【0018】
第4の発明は、利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作の加速度パターンを検知するステップと、所定ジェスチャ動作の加速度パターンを検知すると、温度制御信号を生成しリモコンに送信するステップと、温度制御信号を受信したリモコンで、シャワーから出湯する温度制御を行うステップとを備えたシャワー制御方法である。
【0019】
そして、利用者がシャワーヘッドを手に保持し、シャワーを浴びながら、シャワーヘッドを特定方向に振るなどの所定ジェスチャ動作をした時、シャワーヘッドの加速度加速度パターンを判断し、無線通信により温度制御信号をリモコンへ送信することで、シャワーの出湯温度を制御できるようになり、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作がなくなるので、スイッチを確認して温度上げ下げスイッチを押下することなく、シャワーが利用でき利便性が向上する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における給湯装置、リモコン及びシャワーヘッドのシステム構成図である。図2はシャワーヘッドのブロック構成図である。
【0022】
図1〜図2用いて本実施の形態1の構成を説明する。
【0023】
図1において、給湯装置1は、ヒートポンプ式の給湯器である。ヒートポンプユニット1a、貯湯タンクユニット1bから構成される。ヒートポンプユニット1aは空気の熱を冷媒(CO2冷媒)に吸収させ、コンプレッサーで圧縮することでさらに高温にし、配管に流れる水と熱交換させることで、お湯を作るシステムである。作られたお湯は、貯湯タンクユニット1bに貯められ、ユーザはお湯が必要なとき、貯湯タンクユニット1bに貯められたお湯を利用する。
【0024】
リモコン2は、給湯装置1の制御を行なうリモコンである。リモコン2では、給湯温度を設定するためのスイッチ2a、2bを備える。2aは上スイッチ、2bは下スイッチである。上スイッチ2a、下スイッチ2bは、ボタンスイッチ、メンブレンスイッチ、タッチスイッチ(静電式、圧電式)などで構成され、給湯温度の上げ下げや、メニュー画面でのカーソルの上げ下げに使用される。
【0025】
またリモコン2では、給湯温度設定、風呂の湯はりのふろ温度設定、湯はり量などを設定するふろ湯量設定などがある。加えて深夜にお湯を沸かし、貯湯タンクユニット1bに貯める湯量設定など、貯湯に関する設定機能も備える。図1では、お風呂側のリモコン2を示しているが、台所リモコンも存在する。本実施の形態では図示しない。
【0026】
またリモコン2で設定できる給湯温度は、32℃、35℃、37〜48℃、50℃、55℃、60℃の範囲で設定できる。風呂の湯はり温度は、33〜48℃である。なお、設定可能な温度範囲は、給湯装置の種類によって異なるもので、上記範囲に限定されるものではない。
【0027】
出湯配管3は貯湯タンクユニット1bに接続され、浴室4のシャワーヘッド5にお湯を供給する。シャワーヘッドの内側に人体検知手段204を備え、利用者8がシャワーヘッ
ド5を手に取り人体に向けると人体を検知して出湯する。詳細は後述する。
【0028】
浴室4には、リモコン2、シャワーヘッド5、シャワーヘッド5を壁面にかけるフック7を備える。記述していないが、浴槽も備える。また給湯装置1とリモコン2は通信線で接続され、リモコン2を操作すると、給湯装置1に制御信号を送信し、給湯装置1を制御し、出湯温度の変更、お湯はり、貯湯量設定などを行なう。なお図1では説明の為、給湯装置1とリモコン2は、有線接続しているよう図示しているが、これに限定されるものでなく無線で通信するようにしてもよい。
【0029】
またシャワーヘッド5には、人体検知装置6を含む電子回路を備え、リモコン2と通信する為に無線通信機能を備える。
【0030】
また図示しないが、貯湯タンクユニット1bには、家屋で利用されるその他の場所、洗面所や台所などのカランにも配管されお湯を供給する。
【0031】
次に図2において、シャワーヘッド5は、制御手段201、記憶手段202、加速度検知手段203、人体検知手段204、弁手段205、電源手段206、無線通信手段207で構成される。これらを協働させ、出湯を制御するシャワーヘッド5の機能を形成している。
【0032】
制御手段201は、シャワーヘッド5から吐出するお湯の温度や湯量を調節する制御手段である。具体的には、マイクロコンピュータなどで形成され、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである記憶手段202(後述)に必要な設定情報を記憶し、電気的に弁手段205(後述)を駆動して、検知情報に応じて吐出する湯量を制御し、出湯したり、出湯を停止したりする。また、後述する加速度検知手段203の検知情報によって温度制御信号を生成しリモコン2へ無線送信し、温度制御を行う。
【0033】
記憶手段202は、人体検知手段204で人体検知を行う距離範囲などの設定閾値等を保持する。設定閾値はリモコン2で設定変更することができる。また加速度パターンを記憶する。制御手段201は、記憶手段202に保存する加速度パターンと現在の加速度検知情報を比較し、制御信号を生成する。
【0034】
加速度検知手段203は、3次元加速度センサで構成される。シャワーヘッド5が、利用者8に握られ、シャワーヘッドを引っ掛けるフック7から外して、手に取った動作を加速度情報によって検知する。また同様にシャワーヘッドをフック7に戻したことを、検知する加速度情報から検知する。
【0035】
加えて、シャワー使用中におけるシャワーヘッド5を利用したジェスチャ操作を検知する。例えば、シャワーヘッド5をシャワー吐出方向と反対方向(上方向)に一定時間内に2回振る、またはシャワー吐出方向(下方向)に一定時間内に2回振るなどのジェスチャ操作を加速度により検知し、検知情報を制御手段201へ送出し判断させる。ジェスチャ操作は一例であり、機種等によって任意に設定することができる。
【0036】
人体検知手段204は、赤外線センサである。一定距離内に人体があるかどうかを検知する。利用者8が体にシャワーヘッドを向けると、人体がシャワーヘッド5内側に設けた人体検知手段204により一定距離内に人体が入ったことを検知する。一定距離内に人がいる時のみジェスチャ操作を可能とすることで、シャワー利用を検知し、意図しない制御が入力されることを防止し、シャワー利用の安全性を担保する。
【0037】
弁手段205は、シャワーヘッド5の内部に設けたモータ等で駆動制御される弁装置である。出湯配管3から供給されるお湯を、制御手段201によって検知情報に応じて出湯したり、停止したりする。
【0038】
電源手段206は、2次電池などで形成し、シャワーヘッド5に電気を供給する。本実施例には図示しないが、お湯を出湯する水の流れによって発電モータを回し、電源手段206に電気を充電する機能を備える。
【0039】
無線通信手段207は、制御手段201で生成した制御電文(制御信号)をリモコン2と無線通信する。リモコン2の操作で設定された人体検知範囲の設定値などを、シャワーヘッド5に無線送信し、制御手段201を介して、記憶手段202に設定値を格納する。また、シャワーヘッド5のジェスチャ操作によって入力された温度制御信号をリモコン2へ送信する。同様にその応答をリモコン2から受信する。
【0040】
また、加速度検知手段203、人体検知手段204で検知した検知情報を、無線通信手段207によってリモコン2へ送信する。またシャワーヘッド利用中において、リモコン2へシャワーヘッド5の制御状態を定期的に通信する。そして、シャワーヘッド5での制御状態とリモコン2の制御状態を同期する。
【0041】
次に、シャワーヘッド5を利用者8が手で持ち、シャワーを利用しお湯の温度を上げ下げする時の動作作用を説明する。図3は、シャワーを利用する時におけるシャワーヘッド5のジェスチャ操作の動作を示すフローチャートである。
【0042】
利用者8が浴室4に入り、シャワーを浴びようとすると、利用者8はシャワーヘッド5を手に取り、シャワーヘッド5を壁面にかけているフック7から外す。その時、シャワーヘッド5の加速度検知手段203は加速度を検知する(S301)。
【0043】
前記加速度検知手段203の加速度情報は、制御手段201で判断され、シャワーヘッド5が、利用者8が手にとって持ち上げたこと検出する。そして、人体検知手段204により、シャワーヘッド5の内側方向に対向する一定距離内に、人体があるかどうかを検知する(S302)。このとき一定距離は、〜50cm程度であり、リモコン2によって設定変更を可能とする。
【0044】
そして、制御手段201によって、人体が一定距離内に検出されたことを判断すると、弁手段205を駆動し、シャワーヘッド5からお湯を出湯する(S303)。
【0045】
次にシャワーを利用している途中に利用者がお湯の温度を上げ下げする動作について説明する。
【0046】
シャワーを利用していると、利用者がお湯の温度を1℃上げたいと思う時、利用者シャワーを浴びながら、シャワーヘッド5を握ったままシャワーヘッド5を、図4(a)のように上方向に2回振るジェスチャ動作を行う。
【0047】
そしてシャワーヘッド5において、加速度検知手段203で上方向に2回の加速度を検知し、制御手段201では、記憶手段202に保持している加速度パターンと比較する(S304)。
【0048】
制御手段201では、記憶手段202に保持している複数の加速度パターンと比較し、該当する制御動作の制御電文(制御信号)を生成し、無線通信手段207を介してリモコン2へ制御信号を送信し、給湯装置1を制御する。
【0049】
この場合、上方向に2回振るジェスチャ動作なので、制御手段201において、温度1℃上げる制御の加速度パターンであることを判断すると(S305)、
温度制御電文(温度制御信号)を生成し、無線通信手段207を介して無線信号によってリモコン2へ送信し、受信したリモコン2は温度を1℃上げる制御を行い、出湯温度を1℃上げるように制御する(S306)。
【0050】
同時に、リモコン2は、同制御信号を受け付けた応答電文を無線通信手段207へ無線信号で返信する。また、温度制御のフィードバックとして、リモコン2において、受付音や音声ガイダンスによって、「熱くします」とガイダンスすると安全性が高まり、利便性もよくなる。
【0051】
同様に、利用者がお湯の温度を1℃下げたいと思う時、利用者シャワーを浴びながら、シャワーヘッド5を握ったままシャワーヘッド5を、図4(b)のように下方向に2回振るジェスチャ動作を行う。
【0052】
加速度検知手段203で下方向に2回の加速度を検知し、下方向に2回振るジェスチャ動作なので、制御手段201において、温度1℃下げる制御の加速度パターンであることを判断すると(S307)、温度制御電文(温度制御信号)を生成し、無線通信手207を介して無線信号によってリモコン2へ送信し、受信したリモコン2は温度を1℃下げる制御を行い、出湯温度を1℃下げるように制御する(S308)。
【0053】
同時に、リモコン2は、同制御信号を受け付けた応答電文を無線通信手段207へ無線信号で返信する。また同様に温度制御のフィードバックとして、リモコン2において、受付音や音声ガイダンスによって、「ぬるくします」とガイダンスすると安全性が高まり、利便性もよくなる。
【0054】
このように、シャワー利用時において、シャワーヘッド5のジェスチャ動作を、加速度検知手段203で、常時検知するようにしている。加えて、人体検知手段204で人体を検知している時のみ、前記ジェスチャ動作が可能としていることで、ジェスチャ動作の安全性と利便性を両立している。
ひまたジェスチャ動作の加速度パターンとして温度制御で説明を行ったが、お湯の出湯量を強くしたり、弱めたりすることや、それ以外の制御機能においても同様に可能である。
【0055】
具体的には、シャワーヘッド5を、一定時間連続して速く振動させた加速度パターンにより、シャワー湯量を強めるようにし、また逆に一定時間連続してゆっくり振動させた加速度パターンにより、シャワー湯量を弱めるようにすることも可能である。シャワー利用時に、利用者が制御したい機能を、シャワーヘッド5のジェスチャ動作に割り付けることによって、シャワー利用の利便性を高める。
【0056】
また、シャワー利用を終了する時は、シャワーヘッド5をフック7に戻し、壁面にかける動作を行うと、加速度検知手段203は加速度検知が無くなる。加速度検知なし情報(シャワーヘッド利用終了)を、制御手段201は取得し、加速度検知がなくなったことを判断する。そして制御手段201は、予め設定された所定時間Tを計測し、所定時間Tの間連続して、加速度検知手段203の加速度情報がなかった場合、弁手段205を駆動し、お湯の出湯を停止するようにしている。なお所定時間Tはリモコン2から設定できるようにすることも可能である。通常、所定時間Tは数秒に設定し、無駄に出湯する時間を短くし省エネ出湯になるようにしている。
【0057】
なお本実施の形態では、加速度検知後の人体検知で、出湯するように説明しているが、
加速度検知だけで出湯する構成にすることも可能であり同様の効果がある。
【0058】
このように本実施の形態によれば、利用者がシャワーヘッド5を手に保持しシャワーを浴びながら、シャワーヘッド5を特定方向に振るなどの所定ジェスチャ動作をさせることで、加速度検知手段203で加速度を検知し、制御手段201で加速度パターンを判断させ、温度制御電文(温度制御信号)を生成し、無線通信手段207から温度制御電文(温度制御信号)をリモコン2へ送信し、シャワーの出湯温度を制御できるようになり、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作がなくなるので、スイッチを確認して温度上げ下げスイッチを押下することなく、シャワーが利用でき利便性が向上する。またジェスチャ操作によって、制御したいことを、シャワーヘッドを用いて直感的に操作できるようになり(温度上昇は上方向に振る、温度下降の場合は下方向に振るなどが可能になり)、操作性が高まる。
【0059】
また、利用者がシャワーヘッドを手に保持し、シャワーを浴びながら、シャワーヘッド5を特定方向に振るなどの所定ジェスチャ動作をさせて、加速度検知手段203で加速度を検知し、加速度パターンを制御手段201で判断し、弁手段205を制御しお湯の出湯量を変更できるので、シャワー利用の利便性が向上する。またリモコンのスイッチ操作もカランの操作もなくなるので、シャワー利用の利便性が向上する。
【0060】
また人体検知手段204で人体を一定距離内に検知している時のみ、加速度検知手段203によるジェスチャ操作を制御させるので、シャワー利用の安全性と利便性を高めることができるようになる。
【0061】
なお、利用者がシャワーヘッドをフックから外したり、戻したりする動作を加速度検知により、出湯制御する代わりに利用者が特定の加速度をシャワーヘッドに与えるゼスチャーにより出湯制御してもよい。
【0062】
また、出湯制御手段をシャワーヘッドに内蔵せず、給湯装置やカラン等に配置してもよい。
【0063】
なお、本実施の形態では、給湯装置1として、ヒートポンプ給湯器で説明したが、電気温水器、ガス給湯器、燃料電池やガスエンジンを用いたコージェネレーションシステムなど給湯機能の付いた装置であって、シャワーヘッドを利用するシャワーを備えたシステムであれば何でもよい。
【0064】
また給湯装置1とリモコン2の間で通信するように説明したが、通信方式には依存しない。有線でも無線でもよい。無線の場合、宅内で一般的に利用される特定小電力無線、無線LAN、2.4GHz帯などで利用されるものである。同様にシャワーヘッド5とリモコン2間の通信手段も無線通信でなくてもよく、有線通信であってもよい。
【0065】
また、人体検知手段204を赤外線センサを用いて説明したが、人体が検知できるものであれば、赤外線検知センサの人体温度を検知するものであってもよい。
【0066】
また、加速度検知手段203による加速度検知とスイッチ操作を組み合わせて、ジェスチャ操作することも可能である。例えば、シャワーヘッド5にスイッチを設け、そのスイッチを押下している時のみジェスチャ操作を可能とし、逆にスイッチ押下している時のみ、ジェスチャ操作を無効にすることにより、操作の幅が広がり、利便性と安全性を向上することができる。この場合のスイッチは、プッシュスイッチ、静電式スイッチなど何でも構わない。
【0067】
また利用される場所には依存せず、一般家庭、商用施設、業務用途であってもよい。
【0068】
また本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかるシャワーシステム、シャワー制御方法は、家庭用、業務用などの給湯機能を提供する装置、システムでのシャワーヘッドを利用したジェスチャ操作に利用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 給湯装置
2 リモコン
5 シャワーヘッド
201 制御手段
203 加速度検知手段
204 人体検知手段
205 弁手段
207 無線通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドの動作を検知する加速度検知手段と、前記加速度検知手段で検知した加速度パターンを判断する制御手段と、前記加速度パターンに応じて温度制御信号を送信する無線通信手段と、前記無線通信手段と通信し給湯装置の制御を行うリモコンを備え、
利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作をすると、加速度検知手段による加速度パターンで制御手段は温度制御と判断し、無線通信手段を介して温度制御信号をリモコンに送信し、シャワーから出湯する温度制御を行うシャワーシステム。
【請求項2】
シャワーの出湯量を制御する弁手段を備え、
利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作をすると、前記制御手段により前記弁手段を制御し、シャワーから出湯する出湯量を制御する請求項1に記載のシャワーシステム。
【請求項3】
人体を検知する人体検知手段をシャワーヘッドに備え、
前記人体検知手段は、シャワーヘッドが対向する一定距離内に人体を検知すると、温度制御または出湯量制御を行う請求項1または2に記載のシャワーシステム。
【請求項4】
利用者がシャワーヘッドを保持し、予め設定された所定ジェスチャ動作の加速度パターンを検知するステップと、所定ジェスチャ動作の加速度パターンを検知すると、温度制御信号を生成しリモコンに送信するステップと、温度制御信号を受信したリモコンで、シャワーから出湯する温度制御を行うステップとを備えたシャワー制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−250919(P2011−250919A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125588(P2010−125588)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】