説明

シャワーヘッド

【課題】浴室の壁面、目地又はコーナ部の掃除をするにあたり、手、手首又は腕に加わる負担を軽減することができるとともに、掃除を容易かつ迅速に行うことができるシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】シャワーヘッド10は、把持部を有し内部に湯水を流通させる流路12を設けたシャワーヘッド本体13と、該シャワーヘッド本体13の先端部に設けられ流路12に連通する連通路16が形成された吐水口部14とを備えている。該吐水口部14は複数の吐水形態を採り得る吐水フェース部17を有し、該吐水フェース部17は吐水ノズル18を有している。その吐水ノズル18は、浴室の壁面、目地又はコーナ部に向けて吐水して掃除をするためのスリット32を有するとともに、吐水ノズル18はシャワーヘッド本体13の軸線方向xである縦長方向とその直交方向である横長方向との間で切り替え可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水(湯又は水)を浴室の壁面、目地又はコーナ部に向けて吐水し、掃除をするにあたり、手、手首又は腕に加わる負担を軽減することができるとともに、掃除を容易かつ迅速に行うことができるシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シャワーヘッドは、片手で握って保持し内部に湯水を流通させる流路を有するシャワーヘッド本体と、該シャワーヘッド本体の先端部に設けられ前記流路を通った湯水を外部に吐水する吐水口部とを備えている。この吐水口部には、前記流路に連通する複数の連通路と、複数の吐水形態に切り替え可能な吐水フェース部とが設けられている。そして、シャワーヘッド本体の流路を通過した湯水は吐水口部の連通路を通り、吐水フェース部から予め設定された所望の吐水形態にて外部へ吐水されるようになっている。
【0003】
この種のシャワーヘッドとして、例えば本願出願人は吐水切換構造を備えたシャワーヘッドを提案している(特許文献1を参照)。すなわち、このシャワーヘッドは吐水形態の数に応じた数の弁体及び弁口を備え、弁体は弁口に圧着されて該弁口を閉止する傾斜外周部と、シャワーヘッド本体側に保持される被保持部とを有し、傾斜外周部が弁口に対してほぼ垂直方向に往復移動されて弁口を開閉するように構成されている。このシャワーヘッドによれば、操作が軽く、吐水形態によって操作感が変わらず、操作性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−131143号公報(第2頁、第3頁及び図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているシャワーヘッドにおいては、弁口から吐水される湯水の吐水方向が吐水口部のほぼ軸線方向に設定され、吐水形態がほぼ棒状吐水(マッサージシャワー)である(特許文献1の図1参照)。このため、浴室においてその壁面全体に向けてシャワーヘッドから吐水して掃除をする場合には、弁口を壁面全体に向けるように手首を上下方向又は左右方向に大きく曲げたり、それぞれの位置で保持したりする操作をしなければならない。また、壁面の目地やコーナ部を掃除する場合にも、弁口を目地やコーナ部に向けるように手首を上下、左右に大きく曲げる動作をしなければならない。
【0006】
この場合、手、手首又は腕に加わる負担が大きく、また手首を曲げた状態で操作しなければならないため掃除がしずらく、疲れが生じ、掃除に予想外の時間を要するという問題があった。従って、手、手首又は腕に加わる負担を緩和し、掃除を容易に行うことができるシャワーヘッドが求められている。
【0007】
本発明は以上のような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、浴室の壁面、目地又はコーナ部の掃除をするにあたり、手、手首又は腕に加わる負担を軽減することができるとともに、掃除を容易かつ迅速に行うことができるシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のシャワーヘッドは、把持部を有し内部に湯水を流通させる流路を設けたシャワーヘッド本体と、該シャワーヘッド本体の先端部に設けられ前記流路に連通する連通路が形成された吐水口部とを備え、該吐水口部には吐水フェース部を有し、該吐水フェース部には前記連通路の湯水を外部に吐水するための吐水ノズルを有するものである。そして、前記吐水ノズルは、浴室の壁面、目地又はコーナ部に向けて吐水して掃除をするためのスリットを有するとともに、該吐水ノズルは回動可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のシャワーヘッドは、請求項1に係る発明において、前記吐水ノズルは、スリットがシャワーヘッド本体の軸線方向である縦長方向とその直交方向である横長方向とを採り得るように切り替え可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のシャワーヘッドは、請求項1に係る発明において、前記吐水ノズルは、スリットがシャワーヘッド本体の軸線方向に対して所定角度をなす位置で停止できるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載のシャワーヘッドは、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明において、前記吐水ノズルは前方へ突出する一対の突出板を備え、両突出板の間に前記スリットが形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載のシャワーヘッドは、請求項4に係る発明において、前記一対の突出板は摘み部を構成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明のシャワーヘッドにおいては、吐水ノズルがスリットを有するとともに、該吐水ノズルが回動可能に構成されている。このため、浴室の壁面又は横長方向に延びる目地を掃除する場合には吐水ノズルをそのスリットが例えば横長方向を向くように設定する。コーナ部又は縦長方向に延びる目地を掃除する場合には吐水ノズルをそのスリットが例えば縦長方向を向くように設定する。その状態でシャワーヘッド本体がほぼ垂直位置になるように手で把持し、吐水ノズルから湯水を吐水する。このような操作により、浴室の壁面、目地又はコーナ部を掃除する場合、シャワーヘッド本体を把持した手首を無理に曲げることなく容易に行うことができる。
【0014】
従って、浴室の壁面、目地又はコーナ部の掃除をするにあたり、手、手首又は腕に加わる負担を軽減することができるとともに、掃除を容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態におけるシャワーヘッドの吐水口部を示す要部拡大縦断面図。
【図2】シャワーヘッドの吐水口部を示す横断面図。
【図3】シャワーヘッドの吐水口部の吐水フェース部を示す正面図。
【図4】吐水フェース部を分解して示す斜視図。
【図5】吐水フェース部を示す背面図。
【図6】シャワーヘッドを示す斜視図。
【図7】シャワーヘッドからの吐水で浴室のコーナ部を掃除する状態を示す斜視図。
【図8】シャワーヘッドからの吐水で浴室の目地を掃除する状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のシャワーヘッドを具体化した実施形態について詳細に説明する。
図1、図2及び図6に示すように、本実施形態のシャワーヘッド10は、把持部11を有し内部に湯水を流通させる流路12を設けたシャワーヘッド本体13と、該シャワーヘッド本体13の先端部に設けられた吐水口部14とを備えている。シャワーヘッド本体13の側部には止水ボタン15がシャワーヘッド本体13を貫通するように設けられ、該止水ボタン15を一方向へ押圧することにより流路12を遮断し、止水ボタン15を逆方向へ押圧することにより流路12を開放するようになっている。前記吐水口部14は、シャワーヘッド本体13の流路12に連通される連通路16と、該連通路16に連通され複数の吐水形態を採り得るように構成された吐水フェース部17とを有している。該吐水フェース部17の中心部には、湯水を外部に吐水するための吐水ノズル18が設けられている。
【0017】
前記連通路16は、吐水口部14の中心に位置する第1連通路16a、その外周に位置する第2連通路16b及びさらにその外周に位置する第3連通路16cに分けられ、切替機構19によりいずれかの連通路16a、16b、16cがシャワーヘッド本体13の流路12と連通するように構成されている。切替機構19は吐水フェース部17の外周に回動可能に設けられた操作環20の操作摘み21を回動操作することにより切替えられるようになっている。
【0018】
すなわち、切替機構19は弁体収容室22内に収容された球状の弁体23と、その弁体23を前方(図1の左方)へ付勢するコイルスプリング24と、弁体23の移動を規制したり開放したりする操作環20に一体形成された係合部材25とより構成されている。そして、操作環20を回動させることにより、該操作環20に一体形成された係合部材25を回動させ、弁体23をコイルスプリング24の付勢力に抗する方向に移動させたり、付勢力の方向に戻したりすることで湯水の流路切替えを行うようになっている。
【0019】
前記吐水ノズル18は吐水フェース部17の中心位置で前方へ突出する円筒状の突出部26及び後方へ突出する円筒状の筒部27の内側に回動可能に支持されている。すなわち、吐水フェース部17の突出部26及び筒部27内には吐水ノズル18が回動可能に嵌合され、その後端部に位置する一対の第1係合突起28及び第2係合突起29が筒部27に形成された係合段部30に係合されることにより前方へ抜け出し不能に構成されている(図2参照)。なお、吐水ノズル18はその後端部が吐水口部14に係合して後方への移動が規制されている。
【0020】
吐水ノズル18の前面において前方へ突出する一対の突出板31の間には一定長さ及び一定幅の間隙を有するスリット32が形成され、該スリット32から膜状吐水50が発せられるようになっている。これらの突出板31は摘み部31aとなり、指で挟んで突出板31を回動操作することができる。また、吐水ノズル18の内部には対向面が前記スリット32に向かうに従って幅狭になるテーパ状の絞り空間51が設けられ、該絞り空間51がスリット32に連通するように構成されている。なお、吐水ノズル18の外周面には環状溝53が設けられ、該環状溝53にはゴム製のOリング54が嵌着されて、吐水ノズル18と吐水フェース部17の突出部26との間が水密状態に保持されている。
【0021】
図4に示すように、吐水フェース部17にはその後方から前記第3連通路16cに嵌め込まれるメッシュ材55、第2連通路16bに嵌め込まれるメッシュ材56及び吐水ノズル18が装着されるようになっている。図5は吐水フェース部17を背面から見た図であって、その図5に示すように、吐水フェース部17の筒部27の後端部には、180°対向する位置に背面台形状をなす一対の第1係止突部57及び第2係止突部58が設けられている。
【0022】
そして、吐水ノズル18の第1係合突起28が筒部27の第2係止突部58に係止され、第2係合突起29が第1係止突部57に係止されて、スリット32がシャワーヘッド本体13の軸線方向xと直交する方向である横長方向に延びるように設定される。図5の二点鎖線に示すように、吐水ノズル18を90°反時計方向に回動させると、吐水ノズル18の第1係合突起28が筒部27の第1係止突部57に係止されるとともに、第2係合突起29が第2係止突部58に係止されて、スリット32がシャワーヘッド本体13の軸線方向xである縦長方向に延びるように設定される。
【0023】
前記第1連通路16aからの湯水は吐水ノズル18に到り、絞り空間51でその流れが絞られ、スリット32から膜状吐水50が発せられるようになっている。この膜状吐水50は、図1及び図2に示すように、スリット32から出た直後にはスリット32の幅及び長さとほぼ同じ幅及び長さの膜状に発せられ、図7及び図8に示すように、スリット32から離れるに従って幅及び長さが拡がるように形成される。
【0024】
前述のように、スリット32が横長方向に設定された場合にはスリット32から横長の膜状吐水50が形成され、浴室33の壁面34や横長方向の目地35を容易に掃除することができる。一方、スリット32が縦長方向に設定された場合にはスリット32から縦長の膜状吐水50が形成され、浴室33のコーナ部36や縦長方向の目地35を容易に掃除することができる。このように摘み部31aの回動操作で膜状吐水50の延びる方向を横長又は縦長に簡単に設定できることにより、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36を掃除する際に、手首38を大きく曲げたり、シャワーヘッド本体13の把持部11を他方の手に持ち替えたりすることなく、簡単に作業を行うことができる。
【0025】
図1から図3に示すように、前記吐水フェース部17の吐水ノズル18より外周位置には多数の吐水孔43が正面円環状の領域に貫通形成され、五月雨状の吐水(ハードシャワー)を形成するようになっている。吐水フェース部17の吐水孔43よりも外周位置には多数の散水孔44が正面円環状の領域に透設され、霧状の吐水(ソフトシャワー)を形成するようになっている。そして、前記切替機構19の操作摘み21を回動操作することにより、膜状、五月雨状又は霧雨状の吐水に切替可能に構成されている。
【0026】
前記吐水フェース部17の上端部には操作環20の回動位置を確認するための基準目印45が設けられる一方、操作環20には吐水ノズル18からの吐水状態を示す膜状吐水50の目印46、吐水孔43からの五月雨状吐水の目印47及び散水孔44からの霧雨状吐水の目印48が設けられている。そして、操作摘み21が最下部に位置しているときには膜状吐水50の目印46が基準目印45に対向し、その位置から図3に示した吐水フェース部17において反時計方向へ約45°回動させたときには五月雨状吐水の目印47が基準目印45に対向し、時計方向へ約45°回動させたときには霧雨状吐水の目印48が基準目印45に対向する。
【0027】
次に、本実施形態のシャワーヘッド10についてその作用を説明する。
さて、図7に示すように、浴室33内でシャワーヘッド10を使用する場合には、シャワーヘッド本体13の把持部11を右手又は左手で把持し、吐水フェース部17の外周に設けられている操作環20を回動操作し、所望の吐水形態を示す目印46〜48が基準目印45に対向するように設定する。例えば、操作環20を最下部の位置から図3の反時計方向へ約45°回動させて五月雨状吐水の目印47が基準目印45に対向するように設定し、その状態で吐水させることにより、五月雨状吐水で体を洗ったり、髪をシャンプーしたりすることができる。
【0028】
その後、シャワーヘッド10により浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36を掃除(洗浄)する場合には、前記操作環20を最下部に位置させて膜状吐水50の目印46が基準目印45に対向するように設定する。その状態で第1連通路16aからの湯水は吐水ノズル18で絞り空間51からスリット32へと流れ、そのスリット32から膜状吐水50の形態で前方の壁面34、目地35又はコーナ部36へ向けて吐水される。
【0029】
例えば、吐水ノズル18を回動させ図5の実線に示すようにその第1係合突起28を筒部27の第2係止突部58に係止させると同時に、第2係合突起29を筒部27の第1係止突部57に係止させると、スリット32は横長方向に設定される。このとき、スリット32から横長の膜状吐水50が発せられ、その横長の膜状吐水50は図8に示すように浴室33の横長方向に延びる目地35に沿って形成されることから、手首を大きく曲げることなく目地35の掃除を円滑に行うことができる。また、この横長の膜状吐水50を浴室33の壁面34に沿って横へ動かし、さらに下へ動かすことによって壁面34を簡単に掃除することができる。
【0030】
次いで、図5の二点鎖線に示すように、吐水ノズル18を上記の状態から図5の反時計方向へ回動させ、その第1係合突起28を筒部27の第1係止突部57に係止させると同時に、第2係合突起29を筒部27の第2係止突部58に係止させると、スリット32は縦長方向に設定される。このとき、スリット32から縦長の膜状吐水50が発せられ、その縦長の膜状吐水50は図7に示すように浴室33のコーナ部36に沿って形成される。そのため、手首を大きく曲げることなくコーナ部36の掃除を円滑に行うことができる。また、この縦長の膜状吐水50は浴室33の壁面34の縦長方向に延びる目地35に沿って形成されていることから、縦長方向の目地35も簡単に掃除することができる。
【0031】
以上の実施形態により発揮される効果について以下にまとめて記載する。
(1) 本実施形態におけるシャワーヘッド10においては、吐水ノズル18がスリット32を有し、該吐水ノズル18が回動可能に構成されている。このため、吐水ノズル18を回動操作してスリット32が横長方向又は縦長方向を向くように簡単に設定することができる。そして、いずれかの状態でシャワーヘッド本体13がほぼ垂直位置になるように手39で把持し、吐水ノズル18から湯水を吐水する。このような操作により、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36を掃除する場合、シャワーヘッド本体13を把持した手首38を無理に曲げることなく容易に行うことができる。
【0032】
従って、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36の掃除をするにあたり、手39、手首38又は腕40に加わる負担を軽減することができるとともに、掃除を容易かつ迅速に行うことができる。
【0033】
(2) 前記吐水ノズル18は、スリット32がシャワーヘッド本体13の軸線方向xである縦長方向とその直交方向である横長方向とを採り得るように切り替え可能に構成されていることにより、吐水形態を簡単に切り替えることができ、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36の掃除を速やかに行うことができる。
【0034】
(3) 前記吐水ノズル18は前方へ突出する一対の突出板31を備え、両突出板31の間に前記スリット32が形成されている。そのため、スリット32から膜状吐水50を発することができ、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36の掃除に有効である。
【0035】
(4) 前記一対の突出板31は摘み部31aを構成していることから、該摘み部31aを指で挟んで回動操作を行うことができ、吐水形態を簡単に変更することができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
【0036】
・ 前記筒部27の第1係止突部57及び第2係止突部58を省略し、吐水ノズル18を360°回動可能に形成し、スリットがシャワーヘッド本体13の軸線方向xに対して所定角度をなす位置(任意の位置)で停止できるように構成することができる。この場合、スリット32による吐水形態として任意の方向を選択することができ、浴室33の壁面34、目地35又はコーナ部36の掃除を一層容易かつ短時間で行うことができる。
【0037】
・ 前記一対の突出板31を前端側ほど近接するようにテーパ状に形成し、スリット32が前端側ほど幅狭になるテーパ状に構成することもできる。この場合、吐水ノズル18から吐水される膜状吐水50の流速を速くすることができ、掃除の効率を向上させることができる。
【0038】
・ 前記吐水ノズル18を周方向において、シャワーヘッド本体13の軸線方向xである縦長方向から適宜の角度(30°、60°、90°等)で停止できるように構成することも可能である。
【0039】
・ 前記スリット32の長さを変更可能に構成したり、幅を変更可能に構成したりすることも可能である。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記吐水ノズルの内部には対向面が前記スリットに向かうに従って幅狭になるテーパ状に形成された絞り空間が設けられ、該絞り空間がスリットに連通するように構成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシャワーヘッド。このように構成した場合、請求項4又は請求項5に係る発明の効果に加えて、絞り空間で湯水の流れを絞ることができ、スリットから吐水される湯水の勢いを増大させることができる。
(ロ)前記スリットは一対の突出板の間隙が一定の長さ及び幅となるように形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシャワーヘッド。このように構成した場合、請求項4又は請求項5に係る発明の効果に加えて、一定の長さ及び幅を有する膜状吐水を安定して得ることができる。
【符号の説明】
【0040】
10…シャワーヘッド、11…把持部、12…流路、13…シャワーヘッド本体、14…吐水口部、16…連通路、16a…第1連通路、16b…第2連通路、16c…第3連通路、17…吐水フェース部、18…吐水ノズル、31…突出板、31a…摘み部、32…スリット、33…浴室、34…壁面、35…目地、36…コーナ部、x…軸線方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を有し内部に湯水を流通させる流路を設けたシャワーヘッド本体と、該シャワーヘッド本体の先端部に設けられ前記流路に連通する連通路が形成された吐水口部とを備え、該吐水口部には吐水フェース部を有し、該吐水フェース部には前記連通路の湯水を外部に吐水するための吐水ノズルを有するシャワーヘッドであって、
前記吐水ノズルは、浴室の壁面、目地又はコーナ部に向けて吐水して掃除をするためのスリットを有するとともに、該吐水ノズルは回動可能に構成されていることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項2】
前記吐水ノズルは、スリットがシャワーヘッド本体の軸線方向である縦長方向とその直交方向である横長方向とを採り得るように切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記吐水ノズルは、スリットがシャワーヘッド本体の軸線方向に対して所定角度をなす位置で停止できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記吐水ノズルは前方へ突出する一対の突出板を備え、両突出板の間に前記スリットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
前記一対の突出板は摘み部を構成していることを特徴とする請求項4に記載のシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−25132(P2011−25132A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172008(P2009−172008)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000242378)株式会社ケーブイケー (130)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】