シャワー浴装置
【課題】頭上シャワーヘッドの真下において安定した姿勢で且つ両手をフリーにした状態で頭上からシャワーを浴びることを可能とする。
【解決手段】シャワー浴装置本体1と、入浴者が座るための座部2と、前記座部2に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッド3とを有する。
【解決手段】シャワー浴装置本体1と、入浴者が座るための座部2と、前記座部2に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッド3とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー浴装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、手で掴んで移動自在なハンドシャワーヘッドと、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルとを備えたシャワー装置を開示している。
【0003】
この特許文献1に示される従来例は、入浴者が座部に座った姿勢で、噴霧ノズルから湯水を浴びたり、あるいは、入浴者が座部に座った姿勢で、片手でハンドシャワーヘッドを持って身体にシャワー水を噴射してシャワー浴やシャワー水による身体洗浄を行う。
【0004】
また、特許文献2には、手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドと、頭上シャワーヘッドとを備えた壁付け用のシャワー装置を開示している。
【0005】
この特許文献2に示されるシャワー装置は、壁に設置されるもので、使用者は、シャワー装置の前に起立姿勢で、ハンドシャワーヘッドあるいは頭上シャワーヘッドを利用して身体にシャワー水を噴射してシャワー浴、あるいは、シャワー水による身体洗浄を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO97/30619号公報
【特許文献2】特開平05−168567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に示された従来例は、座部に座った姿勢で、身体や頭髪にシャワー水をかけて汚れ、石鹸、シャンプー等を洗い流すことができるという特徴を有している。
【0008】
しかしながら、特許文献1に示された従来例は、例えば、頭髪をシャンプーしてシャワーで洗い流す際、片手でハンドシャワーヘッドを持ってシャワー水を頭髪にかけながら、他の片手で頭髪を洗うという動作をしなければならず、利便性が悪いという問題がある。特に、高齢者や身体が不自由な人にとっては、ハンドシャワーヘッドを片手に持って頭髪を洗ったり、身体を洗い流すという動作はきわめてし難いという問題がある。
【0009】
また、前記特許文献2に示された従来例は、シャワー装置の前に起立し、この起立姿勢を維持したまま、シャワー浴、あるいは、シャワー水による身体洗浄を行う必要がある。
【0010】
このため、例えば、頭上シャワーヘッドから噴射するシャワー水を頭部を中心にして身体中央にうまく当てるには、シャワー水を浴びながら、目に水が入らないように目を閉じたまま身体を動かし、頭部を頭上シャワーヘッドの真下に位置させる必要がある。
【0011】
また、起立したままシャワー水を浴びるため、姿勢が不安定となるという問題がある。
【0012】
特に、高齢者や身体が不自由な人にとっては、起立した姿勢を維持したまま、上記のようなシャワー水を浴びる動作をするには負担が大きいという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したもので、その目的とするところは、頭上シャワーヘッドの真下において安定した姿勢で且つ両手をフリーにした状態で頭上からシャワーを浴びることを可能とするシャワー装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のシャワー装置は、シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、前記座部に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッドとを有することを特徴とする。
【0015】
また、手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドを備え、前記頭上シャワーヘッド側への給水と前記ハンドシャワーヘッド側への給水とを切り換えるシャワー用切換弁を設けることが好ましい。
【0016】
また、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることが好ましい。
【0017】
また、前記座部が収納自在となり、前記座部を収納した状態で、頭上シャワーヘッドの下方に入浴者が起立できるように前記座部の収納位置が定めてあることが好ましい。
【0018】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設けることが好ましい。
【0019】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と、前記頭上シャワーヘッド側と、前記入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記流路切換弁で、前記給水路と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路と前記ハンドシャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路と前記頭上シャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路が閉で前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通する状態が切換え自在であることが好ましい。
【0020】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介してシャワー側給水路と、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記シャワー側給水路の下流側をシャワー切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とに分岐し、前記流路切換弁は、前記給水路の上流側と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路の上流側と前記シャワー側給水路を連通する状態、前記給水路を閉とする状態が切換え自在であり、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることが好ましい。
【0021】
また、前記座部の一側又は両側の上方位置にアームを設け、このアームに前記噴霧ノズルを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、座部に座って頭上シャワーヘッドからシャワー水を浴びることで、安定した座った姿勢で頭上方からシャワー水を浴びることができ、頭上方からシャワー水を浴びながら両手を使って頭髪や身体を洗い流すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は正面図であり、(b)は背もたれ部を外した状態の正面図である。
【図2】(a)は同上の側面図であり、(b)は同上の平面図である。
【図3】同上の配管構成図である。
【図4】同上のシャワー用切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図5】同上のシャワー用切換弁を給水路の上流側とハンドシャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図6】同上のシャワー用切換弁を給水路の上流側と頭上シャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図7】同上の他の実施形態を示し、(a)は正面図であり、(b)は背もたれ部を外した状態の正面図である。
【図8】(a)は同上の側面図であり、(b)は同上の平面図である。
【図9】同上の配管構成図である。
【図10】同上の流路切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図11】同上の流路切換弁を給水路の上流側と噴霧側給水路とが連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図12】同上の流路切換弁を給水路の上流側とハンドシャワー用流路が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図13】同上の流路切換弁を給水路の上流側と頭上シャワー用流路が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図14】同上の更に他の実施形態の配管構成図である。
【図15】同上の流路切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図16】同上の流路切換弁を給水路の上流側と噴霧側給水路とが連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図17】同上の流路切換弁を給水路の上流側とハンドシャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図18】同上の流路切換弁を給水路の上流側と頭上シャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図6に、シャワー浴装置12の一実施形態を示す。
【0025】
シャワー浴装置12は、シャワー浴装置本体1と、入浴者が座るための座部2と、座部2に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッド3とを有する。
【0026】
シャワー浴装置本体1は、背もたれ部13の背部にフレーム部14を設けて構成している。
【0027】
シャワー浴装置本体1は、フレーム部14部分を浴室あるいはシャワー室の壁32に任意の固定手段で固定することで、浴室あるいはシャワー室の壁32に沿って取付ける。
【0028】
フレーム部14の下端部から左右一対の支持部29を一体に垂設している。この支持部29の下端を浴室あるいはシャワー室の床33に載設し、シャワー浴装置本体1にかかる荷重を支持部29でも支えるようになっている。
【0029】
背もたれ部13は両側に前方に向けて上下方向の全長又はほぼ全長にわたって突条部15を突出していて、後方に窪んだ凹み状に形成してある。
【0030】
前記構成のシャワー浴装置本体1には座部2を設けている。本実施形態では、フレーム部14の下端部には座部2を回動自在に取付けている。
【0031】
座部2には、脚16を設けている。本実施形態では、座部2の下面部の前部に脚16を折り畳み自在に取付けており、折り畳み自在なステー17の両端部をそれぞれ脚16の上下方向の一部と座部2の下面部の後部とに回動自在に取付けている。
【0032】
座部2は、回動して図2(a)に示すように背もたれ部13から前方に向けて直角に突出することができる。この場合、脚16を座部2に対して直角となるように回動して脚16を床33に接地し、更に、ステー17を展延することで、座部2を背もたれ部13の下端部から前方に突出した状態を保持する。この状態で、利用者は座部2に座ることができる。
【0033】
一方、ステー17を折り畳み、脚16を逆に回動して脚16を座部2の裏面に沿わせ、この状態で座部2を逆に回動することで、座部2を略垂直な姿勢にすることができる。座部2を略垂直な姿勢にした場合、座部2は左右の支持部29間に収納される。この場合、座部2が背もたれ部13よりも前方に突出しないように構成してあり、座部2に邪魔されることなく利用者が背もたれ部13に沿って背もたれ部13の前方に起立することができる。
【0034】
シャワー浴装置本体1は湯水混合装置18と、湯水混合装置18に連通接続する給水路8を備えている。本実施形態では、図1(b)に示すように、湯水混合装置18とシャワー用切換弁5との間に給水路8を構成する給水管を取付けている。また、湯水混合装置18には水供給管19、湯供給管20を接続している。
【0035】
湯水混合装置18には湯温調整部21を設けており、湯温調整部21を操作することで水と湯の混合割合を調整して給水路8側に流れる湯温を調整する。
【0036】
湯温調整部21は、背もたれ部13の側部に設けた突条部15の前面下部に露出して設けている。
【0037】
この給水路8にはシャワー用切換弁5を設けており、シャワー用切換弁5より下流を頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24とに分岐している。
【0038】
頭上シャワー用流路23の下流側端部には頭上シャワーヘッド3を設けており、ハンドシャワー用流路24の下流側端部にはハンドシャワーヘッド4を設けている。
【0039】
ここで、頭上シャワー用流路23は、剛性を有する管により形成している。本実施形態において頭上シャワー用流路23は、シャワー浴装置本体1の背面又は側面に沿ってシャワー浴装置本体1の上方に突出する縦管部25と、縦管部25の先端から前方に突出する前管部27とで構成している。
【0040】
前管部27はシャワー浴装置本体1の左右方向の中間位置に位置し、その先端部は斜め前下方に向けて下り傾斜しており、最先端に頭上シャワーヘッド3を設けている。この頭上シャワーヘッド3の位置は、座部2に座った利用者の頭部に上方からシャワー水を噴出するような位置となっている。また、頭上シャワーヘッド3の高さ位置は、座部2を非突出状態として収納位置に収納した状態で、背もたれ部13の前方に立った利用者の頭上に上方からシャワー水を噴出することができるような高さ位置となっている。
【0041】
ハンドシャワー用流路24はフレキシブルホースにより形成しており、フレキシブルホ
ースの先端部に取付けたハンドシャワーヘッド4を手で持って自由にハンドシャワーヘッド4を移動可能としている。
【0042】
背もたれ部13の側部に設けた突条部15の前面下部に、ハンドシャワーヘッド保持部28を設けており、このハンドシャワーヘッド保持部28にハンドシャワーヘッド4を着脱自在に保持するようになっている。
【0043】
ここで、本実施形態では、図1(a)に示すように、背もたれ部13の両側部の突条部15のうち、一方の突条部15に湯温調整部21を設け、他方の突条部15にハンドシャワーヘッド保持部28を設けている。もちろん、湯温調整部21を設けた突条部15側にハンドシャワーヘッド保持部28を設けてもよい。
【0044】
また、シャワー用切換弁5には弁操作部26を設けており、この弁操作部26は突条部15に湯温調整部21と並べて設けている。
【0045】
このシャワー用切換弁5は、頭上シャワーヘッド3側への給水とハンドシャワーヘッド4側への給水とを切り換える流路切換え機能を基本機能として備えている。
【0046】
本実施形態においてシャワー用切換弁5は、この流路切換えの基本機能に加え、他の流路切換え機能も備えている。
【0047】
つまり、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23への給水とハンドシャワー用流路24への給水の切換えに加え、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24のいずれにも給水されない場合は頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通するように切換えられる。
【0048】
次に、前記構成のシャワー浴装置12を利用してシャワー浴を行うことにつき説明する。
【0049】
まず、図2(a)に示すように座部2を前方に突出させ、利用者が座れる状態にする。この状態で、利用者は座部2に座り、シャワー用切換弁5の弁操作部26を操作して頭上シャワーヘッド3を用いた頭上シャワー浴、又は、ハンドシャワーヘッド4を手に持って行うハンドシャワー浴を選択する。
【0050】
シャワー用切換弁5の弁操作部26を操作して図6に示す実線矢印のように、頭上シャワー用流路23に給水すると、座部2に座っている利用者の頭部を中心に身体全体に頭上シャワーヘッド3からシャワー水が噴出する。
【0051】
この場合、頭上シャワーヘッド3が座部2の上方に位置しており、利用者が座部2に座ることで、頭上シャワーヘッド3から噴出するシャワー水が利用者の頭部を中心にかかる位置となるように、座部2と頭上シャワーヘッド3との相互の位置関係を規定している。
【0052】
したがって、利用者は座部2に座ってリラックスするだけでなく安定した姿勢で、頭部を中心に身体全体に上方からシャワー水を浴びることができる。また、頭髪をシャンプーで洗浄して洗い流す場合、座部2に座った安定した姿勢で頭上方からシャワー水を浴びるので、シャンプーが目に入らないように目を閉じて洗浄操作をしても利用者の姿勢が不安定とならず、確実に頭部にシャワー水を浴びることができる。また、座部2に座った状態で背もたれ部13に背中を持たれかけることも可能であり、この点でもシャワー浴をする際の利用者の姿勢を安定させることができ、また、利用者はよりリラックスしてシャワー浴ができる。
【0053】
また、前記のように座部2に座って安定した姿勢で頭上方からシャワーを浴びることができることに加え、両手がフリーとなるので、両手を使って頭髪や身体の汚れ、シャンプー、石鹸等を洗い流す洗浄動作ができ、シャワー水を浴びながらの洗浄動作がし易くなる。
【0054】
このように座部2に座ることで身体を安定姿勢に保って両手をフリーにした状態でシャワーを頭上方から浴びることができるので、高齢者や身体が不自由な人にとっては、従来のシャワー浴装置では得られない優れた利便性がある。
【0055】
一方、利用者が座部2に座ってシャワー用切換弁5の操作部を操作して図5の実線矢印に示すように、ハンドシャワーヘッド4側に給水するように切り換えると、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水が噴出する。座部2に座った利用者は、ハンドシャワーヘッド4を手で持って身体の任意の箇所にシャワー水を噴射して汚れ、シャンプー、石鹸等を洗い流す洗浄動作ができる。
【0056】
このハンドシャワーヘッド4を手に持って身体の任意の箇所にシャワー水を噴射する際も、利用者は座部2に座り姿勢が安定しているので、ハンドシャワーヘッド4を手に持っての洗浄動作がし易く、特に、高齢者や身体が不自由な人にとって利便性が向上する。
【0057】
シャワー水を浴びるシャワー浴を止める場合は、シャワー用切換弁5を操作して図4に示すように、ハンドシャワーヘッド4側への給水、頭上シャワーヘッド3側への給水を停止する。
【0058】
このように、シャワー用切換弁5を切り換えてハンドシャワーヘッド4側及び頭上シャワーヘッド3側のいずれにも給水を停止した場合、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通するように切換えられる。
【0059】
したがって、図4の一点鎖線の矢印に示すように、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23内に残っている湯水を、シャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水することができる。この場合、ハンドシャワー用流路24をシャワー用切換弁5より下に位置させ、ハンドシャワーヘッド4をハンドシャワー用流路24の最下端となるように位置させることで、確実に排水できる。
【0060】
これにより、次回、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出する場合、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23に残った冷たい残水をいきなり頭部に浴びるというおそれがなく、快適に頭上シャワーヘッド3から頭部にシャワー水を浴びることができる。
【0061】
本実施形態のシャワー浴装置12は座部2に座ることなく、利用者が床33に立った姿勢でシャワー水を浴びることもできる。
【0062】
この場合、座部2を倒して収納位置に収納し、背もたれ部13の前方に立ってシャワー水を浴びるという使用形態選択することもできる。つまり、前記と同様にシャワー用切換弁5の操作部を操作して、起立姿勢で、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出してシャワーを浴びたり、あるいは、シャワー用切換弁5を切り換えてハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出してシャワー水を浴びることができる。
【0063】
また、座部2を倒して収納することで、浴室内やシャワー室内を広く利用できる。
【0064】
次に、図7乃至図13に基づいてシャワー浴装置12の他の実施形態を説明する。
【0065】
本実施形態は、前述の実施形態と基本的構成は同じであるが、シャワー浴装置12に更に身体に対して温水噴霧を行うための噴霧ノズル6を設けた構成が前述の実施形態と異なる。
【0066】
したがって、以下の説明において前述の実施形態と同じ構成について重複する説明は省略する。
【0067】
本実施形態では、図7(a)、図9に示すように、噴霧ノズル6として、シャワー浴装置本体1の左右両側の上部に取付けたアーム11に設けたアーム側噴霧ノズル30と、背もたれ部13に設けた背中側噴霧ノズル31とを有している。
【0068】
アーム11は、フレーム部14の左右両側の上端部にそれぞれ回動自在に取付けており、アーム側噴霧ノズル30はアーム11の長手方向の複数個所に設けている。
【0069】
図9には、本実施形態の配管構成図を示しており、湯水混合装置18の下流側において給水路8にシャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を設けている。つまり、給水路8が、シャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を介して頭上シャワー用流路23と、ハンドシャワー用流路24と、噴霧側給水路9に分岐している。
【0070】
頭上シャワー用流路23の下流端に頭上シャワーヘッド3を設け、ハンドシャワー用流路24の下流端にハンドシャワーヘッド4を設け、噴霧側給水路9の下流端にアーム側噴霧ノズル30、背中側噴霧ノズル31を設けている。
【0071】
流路切換弁7を操作する弁操作部22は、図7(a)に示すように、背もたれ部13の突条部15に湯温調整部21と並べて設けている。
【0072】
図10は流路切換弁7の閉状態を示し、この流路切換弁7の状態(つまり、弁操作部22が閉位置に位置する状態)では、給水路8の上流側が、頭上シャワー用流路23、ハンドシャワー用流路24、噴霧側給水路9、のいずれとも連通しない。この場合、少なくとも頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24は連通状態となる。この場合、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24と噴霧側給水路9が連通状態となるように構成してもよい。
【0073】
弁操作部22を上記閉位置から一方向に所定角度回動すると、図11に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側と噴霧側給水路9が連通するように切換わり、実線矢印のように給水される。この場合、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24はいずれも給水路8の上流側と連通しないが、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24は連通状態、非連通状態のいずれでもよい。
【0074】
一方、弁操作部22を閉位置から他方向に所定角度回動すると、図12に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側とハンドシャワー用流路24とが連通する状態に切換わる。この場合、頭上シャワー用流路23及び噴霧側給水路9はいずれも給水路8の上流側と連通しない。
【0075】
給水路8の上流側とハンドシャワー用流路24とが連通する状態から更に弁操作部22を他方向に所定角度回動すると、図13に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側と頭上シャワー用流路23が連通する状態に切換わり、実線矢印のように給水される。この場合、ハンドシャワー用流路24及び噴霧側給水路9はいずれも給水路8の上流側と連
通しない。
【0076】
本実施形態のシャワー浴装置12は、座部2に座って、弁操作部22を操作することで、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出させるシャワー浴、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出させるシャワー浴、噴霧ノズル6から温水噴霧を噴出して身体の温水噴霧浴を選択することができる。
【0077】
座部2に座ってシャワー水を浴びることについての作用効果は前述の実施形態と同様なので、説明は省略する。
【0078】
本実施形態では、座部2に座って噴霧ノズル6から温水噴霧を浴びることができるので、リラックスした状態で温水噴霧浴ができる。
【0079】
この場合、座部2に座った利用者は、前方に突出させたアーム11に設けたアーム側噴霧ノズル30から噴霧する温水噴霧を前半身に浴びることができる。
【0080】
更に、背もたれ部13に設けた背中側噴霧ノズル31から噴霧される温水噴霧を背中に浴びることができる。
【0081】
背中側噴霧ノズル31は背もたれ部13に利用者が背中を凭れた場合、身体により背中側噴霧ノズル31が塞がれない位置に設ける。更に、背もたれ部13の表面の一部を凹ませてこの凹み部分の奥底部分に背中側噴霧ノズル31を臨ませるようにしてもよい。
【0082】
なお、温水噴霧浴をしない場合は、アーム11を回動して背もたれ部13の両側方に起立状態で収納することでアーム11が邪魔にならないようにする。
【0083】
本実施形態では図10のように、弁操作部22を操作して流路切換弁7の閉位置に切換えると、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通する状態、又は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24と噴霧側給水路9とが連通する状態になる。
【0084】
したがって、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23内に残っている残水、又は、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23、噴霧ノズル6、噴霧側給水路9に残っている残水が、一点鎖線で示す矢印のように、シャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水される。
【0085】
次に、図14乃至図18に基づいて更に他の実施形態を説明する。
【0086】
前述の図7乃至図13に示す本実施形態は、流路切換弁7がシャワー用切換弁5を兼用している例であるが、本実施形態は、流路切換弁7とシャワー用切換弁5が別々の弁の例である。
【0087】
図14には、本実施形態の配管構成図を示しており、湯水混合装置18の下流側において給水路8に流路切換弁7を設け、この流路切換弁7を介して給水路8の下流側をシャワー側給水路10と、噴霧側給水路9とに分岐している。
【0088】
シャワー側給水路10にはシャワー用切換弁5を設けており、シャワー用切換弁5を介してシャワー側給水路10の下流側を頭上シャワー用流路23と、ハンドシャワー用流路24に分岐している。
【0089】
また、噴霧側給水路9にはアーム側噴霧ノズル30、背中側噴霧ノズル31を設けている。
【0090】
流路切換弁7は、給水路8の上流側と噴霧側給水路9を連通する状態、給水路8の上流側とシャワー側給水路10を連通する状態、給水路8を閉とする状態が切換え自在となっている。
【0091】
また、シャワー用切換弁5は、前述の実施形態と同様、ハンドシャワーヘッド4側への給水と頭上シャワーヘッド3側への給水の切換えに加え、ハンドシャワーヘッド4側及び頭上シャワーヘッド3側のいずれにも給水されない時にハンドシャワーヘッド4側と頭上シャワーヘッド3側とが連通するように切換えられように構成している。
【0092】
流路切換弁7、シャワー用切換弁5にはそれぞれ弁操作部22が設けてある。流路切換弁7の弁操作部とシャワー用切換弁5の弁操作部が共通の弁操作部22であってもよいが、それぞれ別々の弁操作部であってもよい。
【0093】
共通の弁操作部22で、別々の流路切換弁7と、シャワー用切換弁5とを操作する場合を例として以下説明する。
【0094】
弁操作部22は以下の切換え操作ができるようになっている。
【0095】
弁操作部22を操作して、給水路8の上流側が、噴霧側給水路9及びシャワー側給水路10と連通しない流路切換弁7を閉とするように流路切換弁を切換える(図15の状態)。この場合、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態にする。なお、この場合、図15に示す実施形態では、流路切換弁7が噴霧側給水路9とシャワー側給水路10を連通する状態となり、噴霧側給水路9がシャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24と連通する状態となるように構成している。
【0096】
弁操作部22を操作して、図16のように、給水路8の上流側が噴霧側給水路9に連通するように流路切換弁7を切換えて、実線で示す矢印のように給水する。この場合、給水路8の上流側とシャワー側給水路10は連通せず、また、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態にする。
【0097】
弁操作部22を操作して、図17のように、給水路8の上流側からハンドシャワーヘッド4側に給水するように流路切換弁7、シャワー用切換弁5を切換え、実線矢印のように給水する。この場合、噴霧側給水路9、頭上シャワー用流路23には給水されない。
【0098】
弁操作部22を操作して、図18の実線で示す矢印のように、給水路8の上流側から頭上シャワー用流路23に給水するように流路切換弁7、シャワー用切換弁5を切換える。この場合、噴霧側給水路9、ハンドシャワー用流路24には給水されない。
【0099】
本実施形態のシャワー浴装置12は、座部2に座って、弁操作部22を操作することで、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出させるシャワー浴、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出させるシャワー浴、噴霧ノズル6から温水噴霧を噴出して身体の温水噴霧浴を選択することができる。
【0100】
本実施形態においては、図15、図16の状態においては、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24に給水されず、且つ、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態となるので、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23
内に残っている残水、又は、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23、噴霧ノズル6、噴霧側給水路9に残っている残水が、一点鎖線で示す矢印のように、シャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水される。
【0101】
なお、前述の各実施形態においては、シャワー浴装置本体1に座部2を移動して(実施形態では回動して)収納自在とした例を示したが、座部2がシャワー浴装置本体1に対し固定したものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 シャワー浴装置本体
2 座部
3 頭上シャワーヘッド
4 ハンドシャワーヘッド
5 シャワー用切換弁
6 噴霧ノズル
7 流路切換弁
8 給水路
9 噴霧側給水路
10 シャワー側給水路
11 アーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー浴装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、手で掴んで移動自在なハンドシャワーヘッドと、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルとを備えたシャワー装置を開示している。
【0003】
この特許文献1に示される従来例は、入浴者が座部に座った姿勢で、噴霧ノズルから湯水を浴びたり、あるいは、入浴者が座部に座った姿勢で、片手でハンドシャワーヘッドを持って身体にシャワー水を噴射してシャワー浴やシャワー水による身体洗浄を行う。
【0004】
また、特許文献2には、手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドと、頭上シャワーヘッドとを備えた壁付け用のシャワー装置を開示している。
【0005】
この特許文献2に示されるシャワー装置は、壁に設置されるもので、使用者は、シャワー装置の前に起立姿勢で、ハンドシャワーヘッドあるいは頭上シャワーヘッドを利用して身体にシャワー水を噴射してシャワー浴、あるいは、シャワー水による身体洗浄を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO97/30619号公報
【特許文献2】特開平05−168567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に示された従来例は、座部に座った姿勢で、身体や頭髪にシャワー水をかけて汚れ、石鹸、シャンプー等を洗い流すことができるという特徴を有している。
【0008】
しかしながら、特許文献1に示された従来例は、例えば、頭髪をシャンプーしてシャワーで洗い流す際、片手でハンドシャワーヘッドを持ってシャワー水を頭髪にかけながら、他の片手で頭髪を洗うという動作をしなければならず、利便性が悪いという問題がある。特に、高齢者や身体が不自由な人にとっては、ハンドシャワーヘッドを片手に持って頭髪を洗ったり、身体を洗い流すという動作はきわめてし難いという問題がある。
【0009】
また、前記特許文献2に示された従来例は、シャワー装置の前に起立し、この起立姿勢を維持したまま、シャワー浴、あるいは、シャワー水による身体洗浄を行う必要がある。
【0010】
このため、例えば、頭上シャワーヘッドから噴射するシャワー水を頭部を中心にして身体中央にうまく当てるには、シャワー水を浴びながら、目に水が入らないように目を閉じたまま身体を動かし、頭部を頭上シャワーヘッドの真下に位置させる必要がある。
【0011】
また、起立したままシャワー水を浴びるため、姿勢が不安定となるという問題がある。
【0012】
特に、高齢者や身体が不自由な人にとっては、起立した姿勢を維持したまま、上記のようなシャワー水を浴びる動作をするには負担が大きいという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したもので、その目的とするところは、頭上シャワーヘッドの真下において安定した姿勢で且つ両手をフリーにした状態で頭上からシャワーを浴びることを可能とするシャワー装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のシャワー装置は、シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、前記座部に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッドとを有することを特徴とする。
【0015】
また、手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドを備え、前記頭上シャワーヘッド側への給水と前記ハンドシャワーヘッド側への給水とを切り換えるシャワー用切換弁を設けることが好ましい。
【0016】
また、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることが好ましい。
【0017】
また、前記座部が収納自在となり、前記座部を収納した状態で、頭上シャワーヘッドの下方に入浴者が起立できるように前記座部の収納位置が定めてあることが好ましい。
【0018】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設けることが好ましい。
【0019】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と、前記頭上シャワーヘッド側と、前記入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記流路切換弁で、前記給水路と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路と前記ハンドシャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路と前記頭上シャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路が閉で前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通する状態が切換え自在であることが好ましい。
【0020】
また、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介してシャワー側給水路と、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記シャワー側給水路の下流側をシャワー切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とに分岐し、前記流路切換弁は、前記給水路の上流側と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路の上流側と前記シャワー側給水路を連通する状態、前記給水路を閉とする状態が切換え自在であり、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることが好ましい。
【0021】
また、前記座部の一側又は両側の上方位置にアームを設け、このアームに前記噴霧ノズルを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、座部に座って頭上シャワーヘッドからシャワー水を浴びることで、安定した座った姿勢で頭上方からシャワー水を浴びることができ、頭上方からシャワー水を浴びながら両手を使って頭髪や身体を洗い流すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は正面図であり、(b)は背もたれ部を外した状態の正面図である。
【図2】(a)は同上の側面図であり、(b)は同上の平面図である。
【図3】同上の配管構成図である。
【図4】同上のシャワー用切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図5】同上のシャワー用切換弁を給水路の上流側とハンドシャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図6】同上のシャワー用切換弁を給水路の上流側と頭上シャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図7】同上の他の実施形態を示し、(a)は正面図であり、(b)は背もたれ部を外した状態の正面図である。
【図8】(a)は同上の側面図であり、(b)は同上の平面図である。
【図9】同上の配管構成図である。
【図10】同上の流路切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図11】同上の流路切換弁を給水路の上流側と噴霧側給水路とが連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図12】同上の流路切換弁を給水路の上流側とハンドシャワー用流路が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図13】同上の流路切換弁を給水路の上流側と頭上シャワー用流路が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図14】同上の更に他の実施形態の配管構成図である。
【図15】同上の流路切換弁を閉にした状態を示す説明図である。
【図16】同上の流路切換弁を給水路の上流側と噴霧側給水路とが連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図17】同上の流路切換弁を給水路の上流側とハンドシャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【図18】同上の流路切換弁を給水路の上流側と頭上シャワーヘッド側が連通するように切換えた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図6に、シャワー浴装置12の一実施形態を示す。
【0025】
シャワー浴装置12は、シャワー浴装置本体1と、入浴者が座るための座部2と、座部2に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッド3とを有する。
【0026】
シャワー浴装置本体1は、背もたれ部13の背部にフレーム部14を設けて構成している。
【0027】
シャワー浴装置本体1は、フレーム部14部分を浴室あるいはシャワー室の壁32に任意の固定手段で固定することで、浴室あるいはシャワー室の壁32に沿って取付ける。
【0028】
フレーム部14の下端部から左右一対の支持部29を一体に垂設している。この支持部29の下端を浴室あるいはシャワー室の床33に載設し、シャワー浴装置本体1にかかる荷重を支持部29でも支えるようになっている。
【0029】
背もたれ部13は両側に前方に向けて上下方向の全長又はほぼ全長にわたって突条部15を突出していて、後方に窪んだ凹み状に形成してある。
【0030】
前記構成のシャワー浴装置本体1には座部2を設けている。本実施形態では、フレーム部14の下端部には座部2を回動自在に取付けている。
【0031】
座部2には、脚16を設けている。本実施形態では、座部2の下面部の前部に脚16を折り畳み自在に取付けており、折り畳み自在なステー17の両端部をそれぞれ脚16の上下方向の一部と座部2の下面部の後部とに回動自在に取付けている。
【0032】
座部2は、回動して図2(a)に示すように背もたれ部13から前方に向けて直角に突出することができる。この場合、脚16を座部2に対して直角となるように回動して脚16を床33に接地し、更に、ステー17を展延することで、座部2を背もたれ部13の下端部から前方に突出した状態を保持する。この状態で、利用者は座部2に座ることができる。
【0033】
一方、ステー17を折り畳み、脚16を逆に回動して脚16を座部2の裏面に沿わせ、この状態で座部2を逆に回動することで、座部2を略垂直な姿勢にすることができる。座部2を略垂直な姿勢にした場合、座部2は左右の支持部29間に収納される。この場合、座部2が背もたれ部13よりも前方に突出しないように構成してあり、座部2に邪魔されることなく利用者が背もたれ部13に沿って背もたれ部13の前方に起立することができる。
【0034】
シャワー浴装置本体1は湯水混合装置18と、湯水混合装置18に連通接続する給水路8を備えている。本実施形態では、図1(b)に示すように、湯水混合装置18とシャワー用切換弁5との間に給水路8を構成する給水管を取付けている。また、湯水混合装置18には水供給管19、湯供給管20を接続している。
【0035】
湯水混合装置18には湯温調整部21を設けており、湯温調整部21を操作することで水と湯の混合割合を調整して給水路8側に流れる湯温を調整する。
【0036】
湯温調整部21は、背もたれ部13の側部に設けた突条部15の前面下部に露出して設けている。
【0037】
この給水路8にはシャワー用切換弁5を設けており、シャワー用切換弁5より下流を頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24とに分岐している。
【0038】
頭上シャワー用流路23の下流側端部には頭上シャワーヘッド3を設けており、ハンドシャワー用流路24の下流側端部にはハンドシャワーヘッド4を設けている。
【0039】
ここで、頭上シャワー用流路23は、剛性を有する管により形成している。本実施形態において頭上シャワー用流路23は、シャワー浴装置本体1の背面又は側面に沿ってシャワー浴装置本体1の上方に突出する縦管部25と、縦管部25の先端から前方に突出する前管部27とで構成している。
【0040】
前管部27はシャワー浴装置本体1の左右方向の中間位置に位置し、その先端部は斜め前下方に向けて下り傾斜しており、最先端に頭上シャワーヘッド3を設けている。この頭上シャワーヘッド3の位置は、座部2に座った利用者の頭部に上方からシャワー水を噴出するような位置となっている。また、頭上シャワーヘッド3の高さ位置は、座部2を非突出状態として収納位置に収納した状態で、背もたれ部13の前方に立った利用者の頭上に上方からシャワー水を噴出することができるような高さ位置となっている。
【0041】
ハンドシャワー用流路24はフレキシブルホースにより形成しており、フレキシブルホ
ースの先端部に取付けたハンドシャワーヘッド4を手で持って自由にハンドシャワーヘッド4を移動可能としている。
【0042】
背もたれ部13の側部に設けた突条部15の前面下部に、ハンドシャワーヘッド保持部28を設けており、このハンドシャワーヘッド保持部28にハンドシャワーヘッド4を着脱自在に保持するようになっている。
【0043】
ここで、本実施形態では、図1(a)に示すように、背もたれ部13の両側部の突条部15のうち、一方の突条部15に湯温調整部21を設け、他方の突条部15にハンドシャワーヘッド保持部28を設けている。もちろん、湯温調整部21を設けた突条部15側にハンドシャワーヘッド保持部28を設けてもよい。
【0044】
また、シャワー用切換弁5には弁操作部26を設けており、この弁操作部26は突条部15に湯温調整部21と並べて設けている。
【0045】
このシャワー用切換弁5は、頭上シャワーヘッド3側への給水とハンドシャワーヘッド4側への給水とを切り換える流路切換え機能を基本機能として備えている。
【0046】
本実施形態においてシャワー用切換弁5は、この流路切換えの基本機能に加え、他の流路切換え機能も備えている。
【0047】
つまり、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23への給水とハンドシャワー用流路24への給水の切換えに加え、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24のいずれにも給水されない場合は頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通するように切換えられる。
【0048】
次に、前記構成のシャワー浴装置12を利用してシャワー浴を行うことにつき説明する。
【0049】
まず、図2(a)に示すように座部2を前方に突出させ、利用者が座れる状態にする。この状態で、利用者は座部2に座り、シャワー用切換弁5の弁操作部26を操作して頭上シャワーヘッド3を用いた頭上シャワー浴、又は、ハンドシャワーヘッド4を手に持って行うハンドシャワー浴を選択する。
【0050】
シャワー用切換弁5の弁操作部26を操作して図6に示す実線矢印のように、頭上シャワー用流路23に給水すると、座部2に座っている利用者の頭部を中心に身体全体に頭上シャワーヘッド3からシャワー水が噴出する。
【0051】
この場合、頭上シャワーヘッド3が座部2の上方に位置しており、利用者が座部2に座ることで、頭上シャワーヘッド3から噴出するシャワー水が利用者の頭部を中心にかかる位置となるように、座部2と頭上シャワーヘッド3との相互の位置関係を規定している。
【0052】
したがって、利用者は座部2に座ってリラックスするだけでなく安定した姿勢で、頭部を中心に身体全体に上方からシャワー水を浴びることができる。また、頭髪をシャンプーで洗浄して洗い流す場合、座部2に座った安定した姿勢で頭上方からシャワー水を浴びるので、シャンプーが目に入らないように目を閉じて洗浄操作をしても利用者の姿勢が不安定とならず、確実に頭部にシャワー水を浴びることができる。また、座部2に座った状態で背もたれ部13に背中を持たれかけることも可能であり、この点でもシャワー浴をする際の利用者の姿勢を安定させることができ、また、利用者はよりリラックスしてシャワー浴ができる。
【0053】
また、前記のように座部2に座って安定した姿勢で頭上方からシャワーを浴びることができることに加え、両手がフリーとなるので、両手を使って頭髪や身体の汚れ、シャンプー、石鹸等を洗い流す洗浄動作ができ、シャワー水を浴びながらの洗浄動作がし易くなる。
【0054】
このように座部2に座ることで身体を安定姿勢に保って両手をフリーにした状態でシャワーを頭上方から浴びることができるので、高齢者や身体が不自由な人にとっては、従来のシャワー浴装置では得られない優れた利便性がある。
【0055】
一方、利用者が座部2に座ってシャワー用切換弁5の操作部を操作して図5の実線矢印に示すように、ハンドシャワーヘッド4側に給水するように切り換えると、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水が噴出する。座部2に座った利用者は、ハンドシャワーヘッド4を手で持って身体の任意の箇所にシャワー水を噴射して汚れ、シャンプー、石鹸等を洗い流す洗浄動作ができる。
【0056】
このハンドシャワーヘッド4を手に持って身体の任意の箇所にシャワー水を噴射する際も、利用者は座部2に座り姿勢が安定しているので、ハンドシャワーヘッド4を手に持っての洗浄動作がし易く、特に、高齢者や身体が不自由な人にとって利便性が向上する。
【0057】
シャワー水を浴びるシャワー浴を止める場合は、シャワー用切換弁5を操作して図4に示すように、ハンドシャワーヘッド4側への給水、頭上シャワーヘッド3側への給水を停止する。
【0058】
このように、シャワー用切換弁5を切り換えてハンドシャワーヘッド4側及び頭上シャワーヘッド3側のいずれにも給水を停止した場合、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通するように切換えられる。
【0059】
したがって、図4の一点鎖線の矢印に示すように、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23内に残っている湯水を、シャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水することができる。この場合、ハンドシャワー用流路24をシャワー用切換弁5より下に位置させ、ハンドシャワーヘッド4をハンドシャワー用流路24の最下端となるように位置させることで、確実に排水できる。
【0060】
これにより、次回、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出する場合、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23に残った冷たい残水をいきなり頭部に浴びるというおそれがなく、快適に頭上シャワーヘッド3から頭部にシャワー水を浴びることができる。
【0061】
本実施形態のシャワー浴装置12は座部2に座ることなく、利用者が床33に立った姿勢でシャワー水を浴びることもできる。
【0062】
この場合、座部2を倒して収納位置に収納し、背もたれ部13の前方に立ってシャワー水を浴びるという使用形態選択することもできる。つまり、前記と同様にシャワー用切換弁5の操作部を操作して、起立姿勢で、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出してシャワーを浴びたり、あるいは、シャワー用切換弁5を切り換えてハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出してシャワー水を浴びることができる。
【0063】
また、座部2を倒して収納することで、浴室内やシャワー室内を広く利用できる。
【0064】
次に、図7乃至図13に基づいてシャワー浴装置12の他の実施形態を説明する。
【0065】
本実施形態は、前述の実施形態と基本的構成は同じであるが、シャワー浴装置12に更に身体に対して温水噴霧を行うための噴霧ノズル6を設けた構成が前述の実施形態と異なる。
【0066】
したがって、以下の説明において前述の実施形態と同じ構成について重複する説明は省略する。
【0067】
本実施形態では、図7(a)、図9に示すように、噴霧ノズル6として、シャワー浴装置本体1の左右両側の上部に取付けたアーム11に設けたアーム側噴霧ノズル30と、背もたれ部13に設けた背中側噴霧ノズル31とを有している。
【0068】
アーム11は、フレーム部14の左右両側の上端部にそれぞれ回動自在に取付けており、アーム側噴霧ノズル30はアーム11の長手方向の複数個所に設けている。
【0069】
図9には、本実施形態の配管構成図を示しており、湯水混合装置18の下流側において給水路8にシャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を設けている。つまり、給水路8が、シャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を介して頭上シャワー用流路23と、ハンドシャワー用流路24と、噴霧側給水路9に分岐している。
【0070】
頭上シャワー用流路23の下流端に頭上シャワーヘッド3を設け、ハンドシャワー用流路24の下流端にハンドシャワーヘッド4を設け、噴霧側給水路9の下流端にアーム側噴霧ノズル30、背中側噴霧ノズル31を設けている。
【0071】
流路切換弁7を操作する弁操作部22は、図7(a)に示すように、背もたれ部13の突条部15に湯温調整部21と並べて設けている。
【0072】
図10は流路切換弁7の閉状態を示し、この流路切換弁7の状態(つまり、弁操作部22が閉位置に位置する状態)では、給水路8の上流側が、頭上シャワー用流路23、ハンドシャワー用流路24、噴霧側給水路9、のいずれとも連通しない。この場合、少なくとも頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24は連通状態となる。この場合、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24と噴霧側給水路9が連通状態となるように構成してもよい。
【0073】
弁操作部22を上記閉位置から一方向に所定角度回動すると、図11に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側と噴霧側給水路9が連通するように切換わり、実線矢印のように給水される。この場合、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24はいずれも給水路8の上流側と連通しないが、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24は連通状態、非連通状態のいずれでもよい。
【0074】
一方、弁操作部22を閉位置から他方向に所定角度回動すると、図12に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側とハンドシャワー用流路24とが連通する状態に切換わる。この場合、頭上シャワー用流路23及び噴霧側給水路9はいずれも給水路8の上流側と連通しない。
【0075】
給水路8の上流側とハンドシャワー用流路24とが連通する状態から更に弁操作部22を他方向に所定角度回動すると、図13に示すように、流路切換弁7が給水路8の上流側と頭上シャワー用流路23が連通する状態に切換わり、実線矢印のように給水される。この場合、ハンドシャワー用流路24及び噴霧側給水路9はいずれも給水路8の上流側と連
通しない。
【0076】
本実施形態のシャワー浴装置12は、座部2に座って、弁操作部22を操作することで、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出させるシャワー浴、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出させるシャワー浴、噴霧ノズル6から温水噴霧を噴出して身体の温水噴霧浴を選択することができる。
【0077】
座部2に座ってシャワー水を浴びることについての作用効果は前述の実施形態と同様なので、説明は省略する。
【0078】
本実施形態では、座部2に座って噴霧ノズル6から温水噴霧を浴びることができるので、リラックスした状態で温水噴霧浴ができる。
【0079】
この場合、座部2に座った利用者は、前方に突出させたアーム11に設けたアーム側噴霧ノズル30から噴霧する温水噴霧を前半身に浴びることができる。
【0080】
更に、背もたれ部13に設けた背中側噴霧ノズル31から噴霧される温水噴霧を背中に浴びることができる。
【0081】
背中側噴霧ノズル31は背もたれ部13に利用者が背中を凭れた場合、身体により背中側噴霧ノズル31が塞がれない位置に設ける。更に、背もたれ部13の表面の一部を凹ませてこの凹み部分の奥底部分に背中側噴霧ノズル31を臨ませるようにしてもよい。
【0082】
なお、温水噴霧浴をしない場合は、アーム11を回動して背もたれ部13の両側方に起立状態で収納することでアーム11が邪魔にならないようにする。
【0083】
本実施形態では図10のように、弁操作部22を操作して流路切換弁7の閉位置に切換えると、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24が連通する状態、又は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24と噴霧側給水路9とが連通する状態になる。
【0084】
したがって、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23内に残っている残水、又は、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23、噴霧ノズル6、噴霧側給水路9に残っている残水が、一点鎖線で示す矢印のように、シャワー用切換弁5を兼用する流路切換弁7を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水される。
【0085】
次に、図14乃至図18に基づいて更に他の実施形態を説明する。
【0086】
前述の図7乃至図13に示す本実施形態は、流路切換弁7がシャワー用切換弁5を兼用している例であるが、本実施形態は、流路切換弁7とシャワー用切換弁5が別々の弁の例である。
【0087】
図14には、本実施形態の配管構成図を示しており、湯水混合装置18の下流側において給水路8に流路切換弁7を設け、この流路切換弁7を介して給水路8の下流側をシャワー側給水路10と、噴霧側給水路9とに分岐している。
【0088】
シャワー側給水路10にはシャワー用切換弁5を設けており、シャワー用切換弁5を介してシャワー側給水路10の下流側を頭上シャワー用流路23と、ハンドシャワー用流路24に分岐している。
【0089】
また、噴霧側給水路9にはアーム側噴霧ノズル30、背中側噴霧ノズル31を設けている。
【0090】
流路切換弁7は、給水路8の上流側と噴霧側給水路9を連通する状態、給水路8の上流側とシャワー側給水路10を連通する状態、給水路8を閉とする状態が切換え自在となっている。
【0091】
また、シャワー用切換弁5は、前述の実施形態と同様、ハンドシャワーヘッド4側への給水と頭上シャワーヘッド3側への給水の切換えに加え、ハンドシャワーヘッド4側及び頭上シャワーヘッド3側のいずれにも給水されない時にハンドシャワーヘッド4側と頭上シャワーヘッド3側とが連通するように切換えられように構成している。
【0092】
流路切換弁7、シャワー用切換弁5にはそれぞれ弁操作部22が設けてある。流路切換弁7の弁操作部とシャワー用切換弁5の弁操作部が共通の弁操作部22であってもよいが、それぞれ別々の弁操作部であってもよい。
【0093】
共通の弁操作部22で、別々の流路切換弁7と、シャワー用切換弁5とを操作する場合を例として以下説明する。
【0094】
弁操作部22は以下の切換え操作ができるようになっている。
【0095】
弁操作部22を操作して、給水路8の上流側が、噴霧側給水路9及びシャワー側給水路10と連通しない流路切換弁7を閉とするように流路切換弁を切換える(図15の状態)。この場合、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態にする。なお、この場合、図15に示す実施形態では、流路切換弁7が噴霧側給水路9とシャワー側給水路10を連通する状態となり、噴霧側給水路9がシャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24と連通する状態となるように構成している。
【0096】
弁操作部22を操作して、図16のように、給水路8の上流側が噴霧側給水路9に連通するように流路切換弁7を切換えて、実線で示す矢印のように給水する。この場合、給水路8の上流側とシャワー側給水路10は連通せず、また、シャワー用切換弁5は、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態にする。
【0097】
弁操作部22を操作して、図17のように、給水路8の上流側からハンドシャワーヘッド4側に給水するように流路切換弁7、シャワー用切換弁5を切換え、実線矢印のように給水する。この場合、噴霧側給水路9、頭上シャワー用流路23には給水されない。
【0098】
弁操作部22を操作して、図18の実線で示す矢印のように、給水路8の上流側から頭上シャワー用流路23に給水するように流路切換弁7、シャワー用切換弁5を切換える。この場合、噴霧側給水路9、ハンドシャワー用流路24には給水されない。
【0099】
本実施形態のシャワー浴装置12は、座部2に座って、弁操作部22を操作することで、頭上シャワーヘッド3からシャワー水を噴出させるシャワー浴、ハンドシャワーヘッド4からシャワー水を噴出させるシャワー浴、噴霧ノズル6から温水噴霧を噴出して身体の温水噴霧浴を選択することができる。
【0100】
本実施形態においては、図15、図16の状態においては、頭上シャワー用流路23及びハンドシャワー用流路24に給水されず、且つ、頭上シャワー用流路23とハンドシャワー用流路24を連通状態となるので、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23
内に残っている残水、又は、頭上シャワーヘッド3、頭上シャワー用流路23、噴霧ノズル6、噴霧側給水路9に残っている残水が、一点鎖線で示す矢印のように、シャワー用切換弁5を介してハンドシャワー用流路24側に流れ、ハンドシャワーヘッド4から排水される。
【0101】
なお、前述の各実施形態においては、シャワー浴装置本体1に座部2を移動して(実施形態では回動して)収納自在とした例を示したが、座部2がシャワー浴装置本体1に対し固定したものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 シャワー浴装置本体
2 座部
3 頭上シャワーヘッド
4 ハンドシャワーヘッド
5 シャワー用切換弁
6 噴霧ノズル
7 流路切換弁
8 給水路
9 噴霧側給水路
10 シャワー側給水路
11 アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、前記座部に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッドとを有することを特徴とするシャワー浴装置。
【請求項2】
手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドを備え、前記頭上シャワーヘッド側への給水と前記ハンドシャワーヘッド側への給水とを切り換えるシャワー用切換弁を設けることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項3】
前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることを特徴とする請求項2記載のシャワー浴装置。
【請求項4】
前記座部が収納自在となり、前記座部を収納した状態で、頭上シャワーヘッドの下方に入浴者が起立できるように前記座部の収納位置が定めてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【請求項5】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【請求項6】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と、前記頭上シャワーヘッド側と、前記入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記流路切換弁で、前記給水路と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路と前記ハンドシャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路と前記頭上シャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路が閉で前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通する状態が切換え自在であることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項7】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介してシャワー側給水路と、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記シャワー側給水路の下流側をシャワー切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とに分岐し、前記流路切換弁は、前記給水路の上流側と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路の上流側と前記シャワー側給水路を連通する状態、前記給水路を閉とする状態が切換え自在であり、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項8】
前記座部の一側又は両側の上方位置にアームを設け、このアームに前記噴霧ノズルを設けることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【請求項1】
シャワー浴装置本体と、入浴者が座るための座部と、前記座部に座った入浴者の頭部に上方からシャワー水を噴出するための頭上シャワーヘッドとを有することを特徴とするシャワー浴装置。
【請求項2】
手で持って移動可能なハンドシャワーヘッドを備え、前記頭上シャワーヘッド側への給水と前記ハンドシャワーヘッド側への給水とを切り換えるシャワー用切換弁を設けることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項3】
前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることを特徴とする請求項2記載のシャワー浴装置。
【請求項4】
前記座部が収納自在となり、前記座部を収納した状態で、頭上シャワーヘッドの下方に入浴者が起立できるように前記座部の収納位置が定めてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【請求項5】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【請求項6】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と、前記頭上シャワーヘッド側と、前記入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記流路切換弁で、前記給水路と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路と前記ハンドシャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路と前記頭上シャワーヘッド側とが連通する状態、前記給水路が閉で前記ハンドシャワーヘッド側と頭上シャワーヘッド側とが連通する状態が切換え自在であることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項7】
入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルを設け、給水路の下流側を、流路切換弁を介してシャワー側給水路と、入浴者に噴霧水を噴霧するための噴霧ノズルに給水するための噴霧側給水路とに分岐し、前記シャワー側給水路の下流側をシャワー切換弁を介して前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とに分岐し、前記流路切換弁は、前記給水路の上流側と前記噴霧側給水路を連通する状態、前記給水路の上流側と前記シャワー側給水路を連通する状態、前記給水路を閉とする状態が切換え自在であり、前記シャワー用切換弁は、前記ハンドシャワーヘッド側への給水と前記頭上シャワーヘッド側への給水の切換えに加え、前記ハンドシャワーヘッド側及び前記頭上シャワーヘッド側のいずれにも給水されない時に前記ハンドシャワーヘッド側と前記頭上シャワーヘッド側とが連通するように切換え自在であることを特徴とする請求項1記載のシャワー浴装置。
【請求項8】
前記座部の一側又は両側の上方位置にアームを設け、このアームに前記噴霧ノズルを設けることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のシャワー浴装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−170596(P2012−170596A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35029(P2011−35029)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]