説明

シャワー装置を備えた浴室

【課題】浴室内の空間を有効利用してシャワー浴が可能となるシャワー装置を備えた浴室を提供する。
【解決手段】浴室1のコーナ部分2にシャワー装置3を配置して成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー装置を備えた浴室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室にシャワー装置を配置することが特許文献1や特許文献2等により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−68588号公報
【特許文献2】特開2008−5918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に示される従来例は、浴室の洗い場に面した壁の前面にシャワー装置が洗い場に突出するように配置される。
【0005】
このように、洗い場に面した壁の前面にシャワー装置が洗い場に突出するように配置されると、シャワー装置が入浴者に圧迫感を与え、また、洗い場の実質的に利用できる空間が狭くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したもので、浴室内の空間を有効利用してシャワー浴が可能となるシャワー装置を備えた浴室を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシャワー装置を備えた浴室は、浴室のコーナ部分にシャワー装置を配置して成ることを特徴とする。
【0008】
また、前記コーナ部分に配置した前記シャワー装置によるシャワー噴出方向が、平面視において前記コーナ部分を介して隣合う隣接する両壁に対していずれも平面視で傾斜方向となっていることを特徴とすることが好ましい。
【0009】
また、一方の壁に沿って配置したカウンターの端部を他方の壁まで至らせて前記カウンターの端部を座部とし、この座部の前端を平面視で前記両壁に対して傾斜する傾斜縁部とすることを特徴とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、浴室内の空間を有効利用してシャワー浴が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の平面図である。
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上の側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の平面図である。
【図5】同上の正面図である。
【図6】同上の側面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図8】同上の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図3には一実施形態が示されている。
【0014】
浴室1は通常平面視長方形状又は正方形状をしていて4面の壁4で囲まれており、隣接する壁4同士のなすコーナ部分2が4つ存在する。この浴室1の4つのコーナ部分2のうち、浴槽8から離れた2つのコーナ部分2のいずれか一方のコーナ部分2にシャワー装置3が配置される。
【0015】
コーナ部分2は浴室1内におけるデッドスペースであるから、シャワー装置3をこのデッドスペースに配置することで、浴室1内の空間を有効に利用できる。
【0016】
図1〜図3の実施形態には、コーナ部分2に配置されるシャワー装置3を、背部用シャワー装置10と、前部用シャワー装置11とで構成した例が示されている。
【0017】
背部用シャワー装置10は、上下に長い縦長の棒状体12により構成され、コーナ部分2の最内隅部に上下に配置されている。
【0018】
棒状体12の前面には上下方向に複数のシャワーノズル13が設けられ、この複数のシャワーノズル13は棒状体12内に内装された配管(図示せず)に連通接続されている。
【0019】
棒状体12の前面は、図1に示すようにコーナ部分2の両側の直角に隣接する壁4の前面に対していずれも平面視で傾斜する(実施形態では略45°傾斜する)傾斜前面14となっている。
【0020】
この傾斜前面14は表面が垂直面又は略垂直面であってもよいが、水平断面弧状をした曲面であってもよい。
【0021】
このように棒状体12の前面を傾斜前面14とすることで、浴室1内への突出長が小さくなり、圧迫感がなく、また、邪魔にならない。
【0022】
傾斜前面14に上下に複数設けられたシャワーノズル13からのシャワー噴出方向は、平面視においてコーナ部分2を介して隣合う隣接する両壁4に対していずれも平面視で傾斜方向となっている。実施形態では隣接する壁4の前面に対していずれも平面視で45°傾斜する方向となっている。
【0023】
前部用シャワー装置11は、回動アーム15により構成されている。図1〜図3の実施形態において1乃至複数個の回動アーム15は、後端部の縦軸部16を回動中心して回動可能となっている。
【0024】
図1〜図3の実施形態では壁4に回動アーム15の一部または全部を収納するための収納凹所18が設けられている。
【0025】
回動アーム15は非使用時は収納凹所18に収納され、使用時は浴室1内に突出するように回動して使用される。
【0026】
この回動アーム15の収納凹所18の溝奥と対向する側の側面には、長手方向に複数のシャワーノズル17が設けられる。
【0027】
コーナ部分2を介して隣合う隣接する両壁4のうち、一方の壁4に沿ってカウンター5が配設されている。
【0028】
このカウンター5の端部は他方の壁4まで至らせてあって、このカウンター5の他方の壁4側の端部が入浴者が座ることができる座部6となっている。
【0029】
この座部6の前端は、平面視でコーナ部分2を介して隣合う両壁4に対して傾斜する傾斜縁部7としている。
【0030】
添付図面に示す実施形態では、傾斜縁部7は平面視で両壁4に対してそれぞれほぼ45°の傾斜となっている。
【0031】
座部6に入浴者が座ると、座部6の前端が傾斜縁部7となっているので、コーナ部分2の最内隅部を背にして傾斜縁部7に対してほぼ直角方向を向くように座ることになる。
【0032】
したがって、例えば、前記のように傾斜縁部7が平面視で両壁4に対してそれぞれほぼ45°の傾斜の場合、入浴者は、コーナ部分2の最内隅部を背にして平面視で両壁4に対してそれぞれほぼ45°の傾斜した方向を向いて座ることになる。
【0033】
もちろん、傾斜縁部7が一方の壁4に対して平面視で45°を超える角度で傾斜し、他方の壁4に対して平面視で45°未満の角度で傾斜するものであってもよい。
【0034】
いずれにせよ、傾斜縁部7が両壁4に対してそれぞれ平面視で傾斜する構成とすることで、座った場合に両壁4からの圧迫感がない。
【0035】
入浴者がシャワーを利用するには、カウンター5の端部に形成される座部6にコーナ部分2の最内隅部を背にして座り、背部用シャワー装置10、前部用シャワー装置11のいずれか一方又は両方を併用してシャワー浴を行う。
【0036】
背部用シャワー装置10は、座部6に座った入浴者の背中に向けてシャワーを噴出する。
【0037】
また、前部用シャワー装置11を使用するには、回動アーム15を回動し、シャワーノズル17が座部6に座った入浴者の前面を向くように位置させた状態で入浴者の前面にシャワーを噴出する。
【0038】
前部用シャワー装置11は使用が終わると回動して壁4に設けられた収納凹所18に収納し、邪魔にならないようにする。
【0039】
カウンター5又はカウンター5近傍にはカラン50が設けられ、更にカウンター5の上方には壁4に鏡51が設けられる。
【0040】
実施形態では背部用シャワー装置10、前部用シャワー装置11にはカラン50を介して給湯管55が接続されている。
【0041】
洗い場9で身体を洗う場合、カウンター5上に洗面器52やその他の浴室で使用する小物類が載置されるが、本実施形態では、シャワー装置3を使用しない場合、カウンター5の端部の座部6にもこれらの洗面器52や小物類を載置することが可能となる。
【0042】
図4〜図6には他の実施形態が示されている。
【0043】
前記実施形態は、コーナ部分2に座部6が設けられた例を示したが、本実施形態はコーナ部分2に座部6を設けない例が示されている。
【0044】
つまり、本実施形態は、入浴者は、コーナ部分2の最内隅部を背にしてコーナ部分2に立ち、背部用シャワー装置10、前部用シャワー装置11のいずれか一方又は両方を併用してシャワー浴を行う。
【0045】
また、前述の各実施形態では、コーナ部分2に配置されるシャワー装置3が、背部用シャワー装置10と、前部用シャワー装置11とで構成された例を示しているが、コーナ部分2に配置されるシャワー装置3が、背部用シャワー装置10、前部用シャワー装置11のいずれか一方で構成されてもよい。図7、図8にはコーナ部分2に配置されるシャワー装置3を、背部用シャワー装置10で構成した例を示されている。また、図示を省略しているが、コーナ部分2に配置されるシャワー装置3が前部用シャワー装置11で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 浴室
2 コーナ部分
3 シャワー装置
4 壁
5 カウンター
6 座部
7 傾斜縁部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室のコーナ部分にシャワー装置を配置して成ることを特徴とするシャワー装置を備えた浴室。
【請求項2】
前記コーナ部分に配置した前記シャワー装置によるシャワー噴出方向が、平面視において前記コーナ部分を介して隣合う隣接する両壁に対していずれも平面視で傾斜方向となっていることを特徴とする請求項1記載のシャワー装置を備えた浴室。
【請求項3】
一方の壁に沿って配置したカウンターの端部を他方の壁まで至らせて前記カウンターの端部を座部とし、この座部の前端を平面視で前記両壁に対して傾斜する傾斜縁部とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャワー装置を備えた浴室。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106825(P2013−106825A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254663(P2011−254663)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】