説明

シャワー装置及びその施工方法

【課題】ケース内部に収納される内部機能部の各機能部品の取付けを短時間で簡単に行うことが可能なシャワー装置を提供する。
【解決手段】縦長の箱体状のケース12と、ケース12の外部に露出したシャワー吐水部と、ケース12の内部に収納された、湯水の混合バルブ88及び切替バルブ90,92,94を有する水栓機構部76と内部配管を含んだ内部機能部78とを有し、壁面に取り付けられて使用されるシャワー装置10において、内部機能部78の水栓機構部76を単一の共通の取付ブラケット98に固定し、水栓機構部76を取付ブラケット98によりケース12に固定するようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はシャワー装置、詳しくは箱体状のケースの外部にシャワー吐水部を露出状態に設けるとともに、ケース内部に各種配管や水栓機構部を含む内部機能部を収納した形態のシャワー装置及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦長のケースの室内側の前面にシャワー吐水部を設けるとともに、ケースの内部に水栓機構部と各種配管とを含む内部機能部を収納した形態のシャワー装置が公知である。
例えば下記特許文献1にこの種のシャワー装置が開示されている。
図24はその具体例を示している。
【0003】
図において、400はシャワー装置401における縦長の箱体状をなすケースで、壁面W側の後側のケース本体402と、前面カバー404とを有している。
ケース本体402は、後壁402Aと一対の側壁402Bとを有していて、室内側の前面が開放された形態をなしており、そしてその前面の開放部が前面カバー404にて閉鎖されている。
【0004】
このシャワー装置では、前面カバー404の上端部にオーバーヘッドシャワー吐水部406が設けられ、また上下の中間部にボデーシャワー吐水部408が、更に下端部に吐水管410が設けられており、更にボデーシャワー吐水部408の下側に、オーバーヘッドシャワー吐水部406とボデーシャワー吐水部408と吐水管410との間で吐水を切替操作する切替操作部412が設けられている。
【0005】
またケース400の内部には、湯水の混合バルブを有する水栓本体414及び切替バルブ416を含む水栓機構部418を内部配管とともに有する内部機能部419が収納されている。
尚、切替バルブ416には上記の切替操作部412が備えられ、この切替操作部420が前面カバー404の開口422から室内側に突出せしめられている。
【0006】
この特許文献1に開示のものでは、シャワー装置を取付施工するに際して、図24(ロ)に示しているように前面カバー404を外した状態で先ずケース本体402を、前面の開放部を通じてビス424にて壁面Wに固定し、しかる後に水栓機構部418における切替バルブ416やオーバーヘッドシャワー吐水部用の継手425等を、内部配管とともにケース本体402内に収めるようにして、切替バルブ416,継手425等をビス426等にて個別にケース本体402に固定し、その後前面カバー404をケース本体402に固定し、以てシャワー装置を壁面Wに取付施工するようになしている。
【0007】
しかしながらこのように施工現場でケース本体402を壁面Wに固定した上で、水栓機構部418における切替バルブ416や水栓本体414、更には継手425等を個別に固定し、更にその後に前面カバー404をケース本体402に取り付け、その上で更に前面カバー404にオーバーヘッド吐水部406やボデーシャワー吐水部408,吐水管410等を設けるとなると、施工現場でのシャワー装置の取付施工に多大な手間と時間を要し、取付施工が大変な作業となってしまう。
【0008】
この他に、図25に示すようなシャワー装置が下記特許文献2に開示されている。
図において、428はシャワー装置401における壁面W側の後面が開放された箱体状をなすケースで、その上部にオーバーヘッドシャワー吐水部(第1シャワー)432が、またその下側に可撓性のシャワーホース434に繋がれたハンドシャワー吐水部(第3シャワー)436が、またカウンター430に別の第2のシャワー吐水部438が設けられている。
【0009】
またケース428の前面には、オーバーヘッドシャワー吐水部432からのシャワー吐水と第2のシャワー吐水部438からのシャワー吐水とを切替操作する操作部440,ハンドシャワー吐水部436からの吐水と止水とを行うための操作部441,更に温度調節操作のための操作部443とが設けられている。
またケース428の内部には、温度調節を行う湯水の混合バルブ442,吐止水を行う吐止水バルブ(切替バルブ)444,シャワー吐水の切替えを行う切替バルブ446が配管とともに内部機能部419として収納されている。
【0010】
この図25に示すシャワー装置では、図25(ロ)に示しているように湯水の混合バルブ442,吐止水バルブ444,切替バルブ446を、それらに対応した各単独の取付ブラケット450,452,454にビス448にて個別に固定した上、各取付ブラケット450,452,454をビス456にてそれぞれ個別に壁面Wに取付固定し、その後においてケース428を取り付け、以てシャワー装置401を壁面Wに取付固定するようになしている。
【0011】
しかしながらこの図25に示すシャワー装置401にあっても、湯水混合バルブ442,吐止水バルブ444,切替バルブ446等を個別に、しかもそれぞれを現場で位置決めしつつ壁面Wに取り付けなければならず、更にケース428の取付けを、それら各機能部品を壁面Wに取り付けた上で、それら機能部品即ち内部機能部419を覆うように取り付けなければならず、現場でのシャワー装置401の取付施工に多大の手間と時間とを要してしまい、取付施工が大変な作業となってしまう。
【0012】
そこでこの種箱体状のケースを有するシャワー装置において、内部の機能部品を現場でのシャワー装置の取付施工に先立って、予めシャワー装置の工場生産段階でケースに取付固定しておくといったことが考えられるが、その場合においても各機能部品を個別にケースに取り付けるとなると、その際の位置決めの問題や、取付作業の作業工数が多くなり、作業性が悪くなって機能部品のケースへの取付固定のために多大な手間と時間とを要してしまう。
【0013】
【特許文献1】特開2006−310号公報
【特許文献2】特開2006−112180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は以上のような事情を背景とし、ケース内部に収納される内部機能部の各機能部品の取付けを短時間で簡単に行うことが可能なシャワー装置及びその施工方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
而して請求項1はシャワー装置に関するもので、箱体状のケースと、該ケースの外部に露出したシャワー吐水部と、該ケースの内部に収納された、湯水の混合バルブ及び該シャワー吐水部からのシャワー吐水と止水とを切り替える切替バルブを有する水栓機構部及び内部配管を含んだ内部機能部と、を有し、壁面に取り付けられて使用されるシャワー装置であって、前記内部機能部における前記水栓機構部が単一の共通の第1取付ブラケットに固定してあって、該水栓機構部が該第1取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とする。
【0016】
請求項2のものは、請求項1において、前記シャワー吐水部が前記水栓機構部とともに前記第1取付ブラケットに固定してあって、該シャワー吐水部が該水栓機構部とともに該第1取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とする。
【0017】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記内部機能部の全体が、前記第1取付ブラケット及び該第1取付ブラケットと別体若しくは一体の第2取付ブラケットに固定してあって、該内部機能部の全体が該第1及び第2取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とする。
【0018】
請求項4のものは、請求項1において、前記ケースが後壁と一対の側壁とを有し、前面が室内側に向って開放されたケース本体と、該ケース本体の前面の開放部を閉じる前面カバーとを有する縦長の箱体状のものであって、前記水栓機構部が前記第1取付ブラケットの後面側に固定してあり、該水栓機構部を前記前面の開放部より前記ケース本体内部に挿入した状態で、該第1取付ブラケットが該ケース本体の該開放部側に固定してあり、前記前面カバーが該水栓機構部を前側から覆う状態に該ケース本体に固定してあることを特徴とする。
【0019】
請求項5のものは、請求項3において、前記ケースが後壁と一対の側壁とを有し、前面が室内側に向って開放されたケース本体と、該ケース本体の前面の開放部を閉じる前面カバーとを有する縦長の箱体状のものであって、前記水栓機構部を含む前記内部機能部の全体が前記第1及び第2取付ブラケットの後面側に固定してあり、該内部機能部を前記ケース本体の前記前面の開放部より前記ケース本体の内部に挿入した状態で、前記第1及び第2取付ブラケットが該ケース本体の前記開放部の側に固定してあり、前記前面カバーが該内部機能部を前側から覆う状態に該ケース本体に固定してあることを特徴とする。
【0020】
請求項6のものは、請求項1において、前記シャワー吐水部として、使用者の頭部より低い位置で該使用者の身体に向って前方にシャワー吐水するボデーシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該ボデーシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とする。
【0021】
請求項7のものは、請求項6において、前記シャワー吐水部として、使用者の頭上から下向きにシャワー吐水するオーバーヘッドシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該オーバーヘッドシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とする。
【0022】
請求項8のものは、請求項6,7の何れかにおいて、前記シャワー吐水部として、可撓性のシャワーホースに繋がれたハンドシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該ハンドシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とする。
【0023】
請求項9はシャワー装置の施工方法に関するもので、該シャワー装置を前記壁面に取付施工するのに先立って、予め前記水栓機構部を前記第1取付ブラケットに固定して、該水栓機構部を該第1取付ブラケットとともにユニット状態の予備組付品となしておき、該予備組付品の状態で該水栓機構部を前記ケースに取付固定しておき、該水栓機構部の取付状態で前記シャワー装置を前記壁面に取付施工することを特徴とする。
【0024】
請求項10のものは、請求項3のシャワー装置の施工方法であって、該シャワー装置を前記壁面に取付施工するに先立って、予め前記内部機能部の全体を前記第1及び第2取付ブラケットに固定して、該内部機能部をそれら第1及び第2取付ブラケットとともにユニット状態の予備組付品となしておき、該予備組付品の状態で該内部機能部の全体を前記ケースに取付固定しておき、該内部機能部の取付状態で前記シャワー装置を前記壁面に取付施工することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0025】
以上のように請求項1のものは、内部機能部の、湯水の混合バルブ及びシャワー吐水部からのシャワー吐水と止水とを切り替える切替バルブを有する水栓機構部を、単一の共通の第1取付ブラケットに固定し、水栓機構部をその第1取付ブラケットにてケースに固定するようになしたものである。
【0026】
この請求項1によれば、内部機能部のうちの少なくとも水栓機構部を、予め第1取付ブラケットとともに1つのユニットとして予備組付品となしておき、その状態で第1取付ブラケットによりケースに取付固定することができる。
従って水栓機構部をケースに取り付けるに際して、水栓機構部を構成している各機能部品を個別にケースに取り付けるのに比べて、各機能部品の取付けの位置決めを機能部品ごとにそれぞれ独立に行う必要もないし、また単に単一の共通の第1取付ブラケットをケースに固定するだけで、水栓機構部の全体をユニットとしてケースに固定できる。
従って水栓機構部のケースへの取付けの手間が少なくて済み、短時間で簡単に水栓機構部をケースに取付固定することができる。
【0027】
即ちシャワー装置の工場生産段階で、簡単に水栓機構部をケースに取付固定でき、シャワー装置の製造のための所要工数を少なくすることができる。
また施工現場でのシャワー装置の取付施工に際して、水栓機構部をその場で壁面に取り付けるといったことが必要でないので、現場での施工の手間も削減することができる。
【0028】
請求項2は、シャワー吐水部を水栓機構部とともに第1取付ブラケットに固定し、シャワー吐水部を水栓機構部とともに第1取付ブラケットを介してケースに固定するようになしたものである。
このようにすれば、シャワー吐水部もまた水栓機構部とともに1つのユニットとなして、予備組付品の状態で第1取付ブラケットにてケースに固定することができる。
【0029】
従ってこの請求項2によれば、シャワー吐水部を水栓機構部と別にケースに固定する手間を削減し得て、水栓機構部及びシャワー吐水部のケースへの取付けの手間を削減でき、またその際にシャワー吐水部の取付けの位置決めのための作業を省略し得て、シャワー装置の生産のための所要工数を少なくすることができる。
【0030】
また施工現場でシャワー装置を壁面に取付施工するに際して、シャワー吐水部を水栓機構部とは別途にケースに固定する必要がなく、そのことによって施工の手間を削減でき、現場での取付施工性を良好となすことができる。
【0031】
次に請求項3は、内部機能部の全体を第1取付ブラケット及びこれと別体若しくは一体の第2取付ブラケットに固定し、内部機能部の全体を、それら第1及び第2取付ブラケットにてケースに固定するようになしたもので、この請求項3によれば、内部機能部の全体を、第1及び第2取付ブラケットとともに1つのユニットとなし、それらを予備組付品の状態で全体的にこれをケースに固定することができる。
【0032】
従って内部機能部を構成する多数の機能部品や配管等を個別にケースに取り付ける場合に比べて、内部機能部全体のケースへの取付けを極めて簡単に行うことが可能となる。
またシャワー装置を現場で壁面に取付施工するに際して、その現場で内部機能部の取付固定を行う必要がないので、現場での施工性もより一層良好となすことができる。
【0033】
請求項4は、請求項1における上記ケースを、前面が室内側に向って開放されたケース本体と、その前面の開放部を閉じる前面カバーとで構成するとともに、上記水栓機構部を第1取付ブラケットの後面側に固定しておいて、水栓機構部を前面の開放部よりケース本体の内部に挿入した状態で、第1取付ブラケットをケース本体の開放部側に固定し、そして上記の前面カバーを、その水栓機構部を前側から覆う状態にケース本体に固定するようになしたものである。
【0034】
この請求項4によれば、水栓機構部をケース本体の内部に収容した状態に、簡単にこれをケース本体に固定することができる。即ち水栓機構部を容易にケース内部に組込状態に取付固定することができる。
【0035】
また請求項5によれば、内部機能部の全体を、ケース本体の内部に収容した状態に容易にこれをケース本体に固定することができる。即ち内部機能部の全体を容易にケース内部に組込状態に固定することができる。
【0036】
本発明では、上記シャワー吐水部として、使用者の身体に向って前方にシャワー吐水するボデーシャワー吐水部を備えておき、そして上記の切替バルブとしてボデーシャワー吐水部用の切替バルブを水栓機構部に備えて、これを水栓機構部の他の構成部品とともに第1取付ブラケットに固定しておくとともに、ボデーシャワー吐水部もまた水栓機構部とともに第1取付ブラケットに固定しておくことができる(請求項6)。
【0037】
更にこの場合において、シャワー吐水部として、使用者の頭上から下向きにシャワー吐水するオーバーヘッドシャワー吐水部を備えておき、また上記切替バルブとしてオーバーヘッドシャワー吐水部用の切替バルブを水栓機構部に備えておいて、これを水栓機構部の他の構成部品とともに第2取付ブラケットに固定しておくことができる(請求項7)。
【0038】
更にこれら請求項6,請求項7において、シャワー吐水部として、可撓性のシャワーホースに繋がれたハンドシャワー吐水部を備えておき、また切替バルブとして、そのハンドシャワー吐水部用の切替バルブを水栓機構部に備えておいて、これを水栓機構部の他の構成部品とともに第1取付ブラケットに固定しておくことができる(請求項8)。
【0039】
次に請求項9は、シャワー装置の施工方法に関するもので、この施工方法では、シャワー装置を壁面に取付施工するのに先立って、予め水栓機構部を第1取付ブラケットに固定し、水栓機構部を第1取付ブラケットとともに1つのユニットの予備組付品としてケースに取付固定しておき、そして水栓機構部の取付状態の下で、シャワー装置を壁面に取付施工するもので、この請求項9によれば、水栓機構部のケースへの取付けを簡単に行うことができるとともに、施工現場において水栓機構部をケースに固定したり壁面に固定したりする必要がないので、現場でのシャワー装置の取付施工を容易なものとなすことができる。
【0040】
また請求項10によれば、現場での取付施工に先立って、内部機能部の全体を容易にケースに取付固定することができるとともに、シャワー装置の施工現場において内部機能部を単独で壁面に取付固定する手間を省くことができるので、現場でのシャワー装置の取付施工をより一層簡単なものとなすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は縦長の塔状のシャワー装置で、図2に示しているように浴室の壁面Wに接する状態に浴室内に設置されている。
この実施形態において、シャワー装置10は縦長の箱体状のケース12を有している。
【0042】
ケース12は、図3及び図11に示しているように壁面W側のケース本体14と前面カバー16とを有している。
壁面W側の後側のケース本体14は、後壁14Aと左右一対の側壁14Bとを有する、横断面形状がコ字形状の部材(ここでは金属製)で、前面が室内側に向って開放されており、その前面の開放部が前面カバー16にて閉じられている。
【0043】
ケース12は、その下端から上端までの上下方向寸法が約1700mmの上下に長いものであり、その下端が図2に示すように床面から所定距離上方に位置する状態で壁面Wに固定されている。従ってケース12の上端は床面からの高さが1700mmよりも高位置、即ち浴室の天井に近い位置に位置している。
【0044】
このシャワー装置10では、前面カバー16の上端部にオーバーヘッドシャワー吐水部18が、また上端と下端との間の上下中間部にはボデーシャワー吐水部20がそれぞれケース12外に露出する状態で設けられ、更にケース12の下面には吐水管(カラン)22が水平方向に回転可能に設けられている。
またケース12の図中左側の側方には、ハンドシャワー吐水部24が同じくケース12外に露出する状態で配置され、かかるハンドシャワー吐水部24が、可撓性のシャワーホース26にてケース12の内側の後述の内部機能部78に、回転可能なエルボ状の継手42を介して接続されている。
【0045】
ここでボデーシャワー吐水部20は左右に2列に、且つ上下方向に5個所、全体として10個所に設けられている。
詳しくはこのボデーシャワー吐水部20は、最上部のボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1とその下側のボデーシャワー吐水部20A-2,20B-2、更にその下側のボデーシャワー吐水部20A-3,20B-3,更にその下側のボデーシャワー吐水部20A-4,20B-4及び最下部のボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5から成っている。
【0046】
本実施形態において、ボデーシャワー吐水部20は、使用者の頭部より低い位置でシャワーをミスト状に使用者のボデーに向って前方に噴射するもので、このうちボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1は、使用者の胸部にミスト状のシャワー(ミストシャワー)を噴射する。
またボデーシャワー吐水部20A-2〜20A-4,20B-2〜20B-4は、使用者の腰部を中心として上下の所定範囲に亘ってミストシャワーを噴射するもので、このうちボデーシャワー吐水部20A-2,20B-2は使用者のみぞおちを中心としてその周辺に、ボデーシャワー吐水部20A-3,20B-3は使用者の丁度腰を中心としてその周辺に、更にボデーシャワー吐水部20A-4,20B-4は使用者の太ももを中心としてその周辺にミストシャワーをそれぞれ噴射する。
また最下部のボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5は使用者の足元近くにミストシャワーを噴射する。
各ボデーシャワー吐水部20A-1〜20A-5及び20B-1〜20B-5の高さが、それぞれそのように定められている。
【0047】
一方オーバーヘッドシャワー吐水部18は、使用者に向けて頭上から下向きにシャワー水(ここではミスト状ではない)を噴射するもので、図2に示しているようにケース12における前面カバー16から前方にほぼ水平に延び出したパイプ30と、パイプ30の先端部に取り付けられた円盤状の散水板を有しており、その散水板に分散状に設けられた多数のシャワー孔32から下向きにシャワー水を噴射する。
【0048】
他方、吐水管22は主として使用者が洗い場に座った状態で使用するもので、先端に吐水口34を有し、この吐水口34から吐水を1本の直流束で下向きに吐出する。
【0049】
上記ハンドシャワー吐水部24は、図1に示しているようにグリップ36とヘッド38とを有しており、そのヘッド38には散水板が設けられていて、その散水板に多数のシャワー孔40が分散状に設けられ、それらシャワー孔40からシャワー水を噴射する。
ここでハンドシャワー吐水部24は、ケース12の図中左側面に突出状態に設けられたシャワーフック28によって脱着可能に掛止されている。
【0050】
前面カバー16にはまた、図1に示しているように縦一列に合計4つの操作部が設けられている。
詳しくは、上から順にオーバーヘッドシャワー吐水部18用の操作部44,ボデーシャワー吐水部20用の操作部46,混合水の温度調節用の操作部48、及び吐水管22とハンドシャワー吐水部24とで吐水を切り替えるための操作部50が縦一列に設けられている。
これら回転ハンドル式の各操作部44,46,48,50には、それぞれ外周面から径方向外方に突出した指示部52,54,56,58が設けられており、それら指示部52,54,56,58が操作部周りの表示部のどの位置に位置しているかによって、現在の操作状態が分るようになしてある。
【0051】
ここでオーバーヘッドシャワー吐水部18用の操作部44は、シャワー吐水状態と止水状態及び中間の温度確認位置との3位置に切替操作可能である。
同様にボデーシャワー吐水部20用の操作部46もまた、止水位置とシャワー吐水位置と中間の温度確認位置との3位置に切替操作可能である。更に吐水管22とハンドシャワー吐水部24からの吐水を切替操作する操作部50は、図1に示しているように止水状態と吐水管22からの吐水、ハンドシャワー吐水部24からのシャワー吐水の3位置に切替操作可能である。
尚操作部44,46,50は、それぞれ回転角度に応じて流量を変化させることのできる流調操作部も兼ねている。
【0052】
図1〜図3に示しているように、前面カバー16はその下端側の一部が、前面カバー16の大部分をなすカバー本体60と別体且つ脱着可能な蓋体62とされており、この蓋体62が取り外されることで前面に部分開口64が形成されるようになっている。
また前面カバー16詳しくはカバー本体60には、図2及び図3に示しているように操作部44,46,48,50に対応した円形の貫通の開口68,70,72,74が縦一列に設けられており、更にボデーシャワー吐水部20A-1,20A-2,20A-3,20A-4,20A-5及び20B-1,20B-2,20B-3,20B-4,20B-5にそれぞれ対応した貫通の円形の開口66A-1,66A-2,66A-3,66A-4,66A-5及び66B-1,66B-2,66B-3,66B-4,66B-5がそれぞれ設けられている。
【0053】
尚この前面カバー16と対をなす後側のケース本体14には、図3,図8,図9,図11に示しているように一対の側壁14Bに沿って縦方向に連続した内向きの鍔状部80が設けられている。
また図3に示しているように後壁14Aの上部、詳しくは後述の水栓機構部76よりも上側の上部において、一対の掛止開口82,84が後壁14Aを前後方向に貫通する状態で上,下に部分的に設けられている。更に後壁14Aの下端部には貫通の開口86が設けられている。
【0054】
これら前面カバー16とケース本体14とを有するケース12の内部には、水栓機構部76を有する内部機能部78が収納されている。
ここで内部機能部78は、後述の取付ブラケット98,100,104とともに予め組み付けられ、1つのユニットとして、予備組付状態でケース12の内部に納められてケース12に固定されている。
【0055】
上記水栓機構部76は、オーバーヘッドシャワー吐水部18用の切替バルブ90,ボデーシャワー吐水部20用の切替バルブ92,湯水の混合バルブ88,吐水管22からの吐水とハンドシャワー吐水部24からのシャワー吐水との切替用の切替バルブ94(各切替バルブ90,92,94は流調バルブとしての機能も有する)及び後に詳述する冷水排水弁96を有しており、それらが図6,図7,図8及び図10に示す一体構成の金属製の平板状の共通の取付ブラケット(第1取付ブラケット。以下単にブラケットとする)98に固定され、かかるブラケット98がケース12に固定されることで、水栓機構部76の全体がケース12に一体に固定されている。
【0056】
ブラケット98にはまた、ボデーシャワー吐水部20A-1〜20A-4及び20B-1〜20B-4も併せて固定されており、それらが水栓機構部76とともに1つのユニットとして、ブラケット98を介しケース12、詳しくはケース12におけるケース本体14に固定されている。
一方最下部の足元用のボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5については、ブラケット98とは別体をなす金属製の平板状の取付ブラケット(第2取付ブラケット。以下単にブラケットとする)100に固定され、かかるブラケット100を介してケース12におけるケース本体14に固定されている。
【0057】
更にオーバーヘッドシャワー吐水部18に向けて給水を行う給水路上の継手102が、ブラケット98とは別体をなす金属製の平板状の取付ブラケット(第2取付ブラケット。以下単にブラケットとする)104に固定され、かかるブラケット104を介してケース12におけるケース本体14に固定されている。
即ちこの実施形態では、図3に示す内部機能部78の全体が1つのユニットとして、予備組付状態で、ブラケット98,100,104にてケース12におけるケース本体14に固定されている。
【0058】
上記ブラケット98は図6,図8及び図10に示しているように、それぞれ正面形状が左右方向に長い矩形状をなす切替バルブ90用の固定部300,切替バルブ92用の固定部302,混合バルブ88用の固定部304,切替バルブ94用の固定部306を有しており、更にそれら固定部300〜306よりも左右及び上下方向寸法が小寸法で、正面形状が左右方向に長い矩形状をなすボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1用の固定部308,ボデーシャワー吐水部部20A-2,20B-2用の固定部310,ボデーシャワー吐水部部20A-3,20B-3用の固定部312及びボデーシャワー吐水部20A-4,20B-4用の固定部314を有しており、更にそれらを上下方向に一体に連結する縦の一直線状の連結部316を有している。
【0059】
固定部300,302,304,306のそれぞれには、中央部に各バルブに一体に構成された、上記操作部44,46,48,50との連結用の連結部を通す挿通孔318が設けられ、また左右端には貫通の締結孔106が設けられていて、それら締結孔106に固定具としての固定ねじ、詳しくはここではビス108(図8参照)を挿通し、ケース本体14の鍔状部80に設けた固定孔としての雌ねじ孔110に、それらビス108をねじ込むことで、ブラケット98がケース本体14に締結固定されている。
尚、切替バルブ90,92,混合バルブ88,切替バルブ94のそれぞれは、対応する固定部300,302,304,306のそれぞれに対して、ビス320にて固定されている(図12,図13参照)。
【0060】
一方固定部308,310,312,314には、ボデーシャワー吐水部20A-1及び20B-1,20A-2及び20B-2,20A-3及び20B-3,20A-4及び20B-4をそれぞれ通す挿通孔322が設けられており、そこに各ボデーシャワー吐水部を挿通した状態で、それらがビス324(図14及び図16参照)にて対応する各固定部308,310,312,314にそれぞれ固定されている。
【0061】
一方、ブラケット100は正面形状が左右に長い矩形状をなしており、そこにボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5を通す一対の挿通孔322が設けられ、また四隅に締結孔106が設けられていて、その締結孔106においてビス108によりケース本体14に固定されている。
また挿通孔322にボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5を挿通した状態で、それらがビス324によりブラケット100に取付固定されている。
【0062】
同様にブラケット104もまた正面形状が左右に長い矩形状をなしていて、その中心部にオーバーヘッドシャワー吐水部18用の継手102を通す挿通孔326が設けられ、またその四隅には締結孔106が設けられていて、その締結孔106においてビス108によりケース本体14に固定されている。
尚、挿通孔326に挿通された継手102は、ビス324にてブラケット104に取付固定されている(図9,図17,図18参照)。
尚これらの図に示しているように水栓機構部76,ボデーシャワー吐水部20,オーバーヘッドシャワー吐水部18用の継手102及びそれらを互いに連絡する多数の配管を含む内部機能部78は、ブラケット98,100,104の後面側(壁面W側)に固定してあり、かかる内部機能部78をケース本体14の前面の開放部からケース本体14内部に挿入した状態で、各ブラケット98,100,104が、それぞれケース本体14の前面側の部分、即ち開放側の部分に固定されている。
【0063】
即ちこのようにしてブラケット98,100,104をケース本体14に締結固定することで、後述の内部の各配管を含む内部機能部78の全体が予備組付品、即ちユニットの状態でケース本体14に固定されている。
尚、図11に示しているようにケース本体14の上壁14Cは後壁14A,側壁14Bとは別体に構成されていて、ビス112にて後壁14A及び側壁14Bに固定されている。
詳しくは、図11に示しているようにビス112を上壁14Cの締結孔114に下向きに挿通した上、それらを後壁14A,側壁14Bに沿って縦向きに設けた補強リブ116の上端部にねじ込むことで、かかる上壁14Cが後壁14A及び側壁14Bに締結固定されている。
【0064】
図4に上記の内部機能部78の構成が、ボデーシャワー吐水部20,オーバーヘッドシャワー吐水部18,ハンドシャワー吐水部24,吐水管22等とともに系統的な図として示してある。
図において、A1,A2は壁裏の給水元管P1,給湯元管P2に止水栓118を介して接続された内部給水用,給湯用の各配管で、端部が湯水の混合バルブ88に接続され、かかる混合バルブ88に対して水,湯が配管A1,A2を通じてそれぞれ供給される。
【0065】
混合バルブ88は、供給された水と湯とを図1の操作部48の操作に応じて所定比率で混合し、適温の温調水(温度調節された湯)とする。
混合バルブ88からの温調水は配管B,オーバーヘッドシャワー吐水部18用の切替バルブ90、更に配管Jを経由してオーバーヘッドシャワー吐水部18へと送られ、シャワー孔32からシャワー吐水される。
【0066】
この実施形態では、切替バルブ90がシャワー吐水位置にあるときには、配管Bと配管Jとが連通状態となって、混合バルブ88からの温調水がシャワーヘッド吐水部18へと送られ、そこからシャワー吐水される。
一方切替バルブ90が止水位置にあるときには、配管Bと配管Jが遮断状態となり、混合バルブ88からの温調水はオーバーヘッドシャワー吐水部18へと供給されない。
【0067】
一方、切替バルブ90における図1の指示部52が上向き位置にあるとき、即ち温度確認位置にあるときには、配管Bは配管Jと遮断状態とされる一方で、配管Eと連通状態となり、混合バルブ88からの水が配管Eに分岐させられる。
配管Eに分岐した水は、冷水排水弁96を経て吐水管22に送られ、吐水管22から下向きに吐水される。
尚このとき、配管J内の水もまた配管Cを通じて冷水排水弁96から配管D側へと排水され、そして配管Dを経由して吐水管22の吐水口34から下向きに吐水される。
【0068】
この実施形態において、配管E,配管C及び冷水排水弁96は次のような意味を有している。
シャワー装置10を一定時間使用しなかった状態で使用開始するとき、給湯器等の給湯源から延び出した給湯元管P2内の水は冷却状態即ち冷水の状態にある。
またオーバーヘッドシャワー吐水部18側の配管J内の水もまた、長時間の放置による冷却によって冷水状態にある。
従ってこの状態で切替バルブ90を操作してオーバーヘッドシャワー吐水部18から吐水開始したときに、配管J内の冷水(配管内残水)及び配管P2内の冷水(配管内冷水)がシャワー吐水されてしまう。
【0069】
そこでこの実施形態では、操作部44を温度確認位置に位置させることで、配管Bと配管Eとを先ず連通状態とする。
この状態では、混合バルブ88からの水は配管Bから配管Eへと分岐して流れ、そして配管Eからの流れによって冷水排水弁96が開弁し、配管Eを通じて流れて来た冷水を配管F,吐水管22を経て外部に排出する。
尚、冷水排水弁96が開弁すると、このとき同時に配管Cと配管Dとが連通状態となり、オーバーヘッドシャワー吐水部18側の配管J内に残っている冷たい残水が配管C,冷水排水弁96,配管Dを流れて吐水管22から外部に排出される。
そして冷水状態の配管内冷水及び残水が排出され、混合バルブ88から温かい温調水が送り出されたところで、切替バルブ90をシャワー吐水位置に切替操作することで、オーバーヘッドシャワー吐水部18から温調水をシャワー吐水することができるのである。
【0070】
図5は、冷水排水弁96の構成をその作用とともに示したもので、図示のようにこの冷水排水弁96は、バルブボデー120内部に弁体121を有している。
弁体121は、第1弁部122と、第2弁部124と、それらを連結する連結軸126を有しており、弁体121の図中上向きの移動により第1弁部122,第2弁部124が対応する各第1弁座128,第2弁座130から上向きに離間して開弁する。
そして第1弁部122の開弁により、流路132と134とが連通状態となり、また第2弁部124の開弁により流路136と138とが連通状態となる。
この冷水排水弁96は、配管Eを通じて流路132内に混合バルブ88からの水が図中上向きに流れ込むと、ダイヤフラム弁から成る第1弁部122がその給水の圧力により開弁し、配管Eを通じて流れて来た冷たい水を、流路132から流路134へと流通させる。流路134へと流れ込んだ水は、その後配管F内へと流通する。
【0071】
この第1弁部122の開弁時にはまた、第2弁部130も開弁動作し、そして第2弁部130の開弁によって、流路136と流路138とが連通状態となる。
そしてそれら流路136と138との連通によって、配管Cを通じ、配管J内の冷たい残水が冷水排水弁96へと流れ込み、そして流れ込んだ残水が、流路138から配管Dへと流通して、最終的に吐水管22から外部に排出される。
尚、弁体121はコイルばね140にて常時閉弁状態に付勢されており、配管Eを通じて冷水排水弁96に給水圧が導かれていないときには閉弁状態を保っている。
【0072】
混合バルブ88からの温調水はまた、図4に示すように配管B,ボデーシャワー吐水部20用の切替バルブ92を経て配管I1,I2へと導かれ、各ボデーシャワー吐水部20A-1〜20A-5及び20B-1〜20B-5からミスト状のシャワーとしてシャワー吐水される。
詳しくは、ボデーシャワー吐水部20用の操作部46をシャワー吐水位置に位置させておくと、切替バルブ92が配管Bと配管I1,I2とを連通状態として、混合バルブ88からの温調水が配管I1,I2へと導かれ、これら配管I1,I2と連通状態にある各ボデーシャワー吐水部20A-1〜20A-5及び20B-1〜20B-5からシャワー吐水される。
また一方操作部46を止水位置に切り替えると、配管Bと配管I1,I2とは遮断状態となって、ボデーシャワー吐水部20からのシャワー吐水が停止される。
【0073】
この実施形態では、図1に示すようにボデーシャワー吐水部20用の操作部46もまた、温度確認位置へと切替操作可能であり、その切替操作を行ったとき、切替バルブ92が図4の配管Bと配管Kとを連通状態とする。
このとき、配管Bは配管Kを通じて上記の配管Eと連通状態となり、従ってこの状態では混合バルブ88からの冷水が、配管Kを経由して配管Eへと流れ込み、上記したのと同様にして冷水排水弁96を経て外部に排出される。
【0074】
配管Bにはまた、切替バルブ94を介してハンドシャワー吐水部24に連通した配管Gと、吐水管22に連通した配管Hとが接続されている。
そして操作部50を操作して切替バルブ94を切替動作させ、配管Bと配管Gとを連通させることで、混合バルブ88からの温調水がハンドシャワー吐水部24へと導かれ、シャワー孔40からシャワー吐水される。
一方、切替バルブ94を配管Bと配管Hとを連通させる状態に切り替えると、混合バルブ88からの温調水が配管Bから配管Hへと流れ、吐水管22の吐水口34から下向きに吐水される。
【0075】
図6及び図7に、図4に示した各配管が切替バルブ90,92,94,混合バルブ88等とともに実際の配管状態で表してある。
これらの図に示しているように、本実施形態のシャワー装置10の場合、多くの配管が複雑に錯綜した状態で各バルブとともに一体に繋がった上記の内部機能部78を構成している。
【0076】
図8において、ケース12における前面カバー16は、図3の内部機能部78をケース本体14に固定した後に、ケース本体14に固定され、そしてその後において図1の操作部44,46,48,50の組付けが行われ、またオーバーヘッドシャワー吐水部18,ボデーシャワー吐水部20の前面カバー16への固定が行われる。
【0077】
図12及び図13に操作部44〜50の取付構造が、また図14〜図16にボデーシャワー吐水部20の前面カバー16への固定構造がボデーシャワー吐水部20の構造とともに示してある。更に図17,図18にオーバーヘッドシャワー吐水部18の前面カバー16への固定構造が示してある。
前面カバー16は、これら操作部44〜50,ボデーシャワー吐水部20及びオーバーヘッドシャワー吐水部18の組付けによって、同時にケース本体14に対して固定状態とされる。
以下その詳細を各図に基いて具体的に説明する。
【0078】
先ず図12(A)及び図13において、前面カバー16は、径方向の外向き及び内向きの各フランジ部142,143を備えたリング状のスペーサ部材144を介してブラケット98に当接させられ、そしてその状態で、径方向外向きのフランジ部146を有する固定リング148が切替バルブ90,92,94のそれぞれのバルブボデー150(詳しくは操作部44〜50との連結部)にねじ込まれることで、かかるブラケット98を介しケース本体14に固定される。
【0079】
具体的には、バルブボデー150の雄ねじ部154に対して、固定リング148の雌ねじ部152を螺合し、更に固定リング148をねじ込むことで、前面カバー16が、スペーサ部材144のフランジ部142と固定リング148のフランジ部146とにより内外両側から挟持される状態に、ブラケット98を介しケース本体14に、各操作部44,46,50の個所において固定される。
【0080】
回転ハンドル式の操作部44,46,50は円筒形状の内筒部155を有しており、その内筒部155が、外周面と内周面とにセレーション部を有するダブルセレーションリング156を介して、スピンドル158に一体回転状態に連結され、更にはそのスピンドル158を介して弁体160に一体回転状態に連結されている。
【0081】
ここでダブルセレーションリング156は、外周面のセレーション部を、操作部44,46,50の内筒部155の内周面のセレーション部にセレーション結合させ、また内周面のセレーション部を、スピンドル158の外周面のセレーション部にセレーション結合させ、それらのセレーション結合に基いて、スピンドル158を操作部44と一体に回転させる。
操作部44,46,50はまた、固定ビス162によってスピンドル158にねじ固定され、図中左方向に抜け防止されている。
【0082】
図12(B)に示しているように、温度調節用の操作部48の取付構造もまた、基本的に操作部44,46,50の取付構造と同様である。
【0083】
図14及び図15は、ボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1の要部の構成を、前面カバー16への固定構造とともに示している。
図に示しているように、ボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1は、ノズルボデー164に一体に構成されたハウジング本体166と、これに螺合されたキャップ168とからなるノズルハウジング170によって、ノズル172の球面状をなす嵌合部174を三次元方向に回転可能に嵌合し、保持している。
【0084】
ノズル172の内部は、ノズルハウジング170の内部に連通しており、送られてきた温調水が、ノズル172の内部を通って先端のノズル孔176から噴射される。
このノズル172の内部には、ノズル172内部を通る水の流れに旋回流を発生させる旋回部178が設けられており、この旋回部178の作用によって、ノズル孔176からの噴射水がノズル孔176を出たところで広角度に拡散せしめられ、その作用によって噴射水がミスト状のシャワーとなる。
【0085】
180は、径方向外向きのフランジ部182を有するノズル用の固定リングで、内周面に雌ねじ部184を有しており、固定リング180をこの雌ねじ部184においてノズルハウジング170のキャップ168の外周面の雄ねじ部186に螺合し且つねじ込むことで、ボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1が前面カバー16に固定され、また同時に前面カバー16がボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1の個所で、ブラケット98を介しケース本体14に固定される。
尚、ボデーシャワー吐水部20A-5,20B-5の構成及び前面カバー16への固定構造もまた、基本的に図14に示すのと同様である。
ボデーシャワー吐水部20A-1,20B-1,20A-5,20B-5用の固定リング180には、内周側にテーパ面188が設けられていて、そのテーパ面188の周方向2個所に係合溝190が形成され、その係合溝190に板状の工具192(図15(B)参照)の係合部194を係合させ、その状態で工具192を回転させることで固定リング180を脱着できるようになしてある。
【0086】
図16は、ボデーシャワー吐水部20A-2〜20A-4,20B-2〜20B-4の要部構造を、前面カバー16への固定構造とともに具体的に示したものである。
図において、198はボデーシャワー吐水部20A-2〜20A-4,20B-1〜20B-4のノズルで、ここではノズル198は、ノズルボデー200のノズルハウジング202に固定状態に保持されている。即ちノズルの向きが一定の固定状態で保持されている。
但しノズル198を含むボデーシャワー吐水部20A-2〜20A-4,20B-2〜20B-4の前面カバー16への固定構造は、基本的に図14及び図15に示したのと同様である。
【0087】
即ち各ボデーシャワー吐水部20A-2〜20A-4,20B-2〜20B-4は、外向きのフランジ部204を有する固定リング206を、ノズルハウジング202にねじ込むことで前面カバー16に固定され、また同時に前面カバー16がボデーシャワー吐水部20A-2〜20B-4の個所で、ブラケット98を介しケース本体14に固定されている。
尚この固定リング206においても、内周側にテーパ面188が設けられていて、そのテーパ面188の周方向の180°隔たった2個所に上記の係合溝190が形成され、この係合溝190において専用の工具192を用い、固定リング206を回転操作し、脱着可能となしてある。
【0088】
図17及び図18は、オーバーヘッドシャワー吐水部18の取付構造を具体的に示している。
図中102は、オーバーヘッドシャワー吐水部18用の継手で、この継手102はビス108にて前述したブラケット104に固定され、かかるブラケット104を介してケース本体14に固定されている。
継手102は、前面カバー16に形成された貫通の開口208を通過して図中左側、即ち前面カバー16の前側に突出せしめられている。
【0089】
この継手102の突出部分の外周面には、図18(B)に詳しく示しているように雄ねじ部210が形成されている。またその端面には、周方向に180°隔たった2個所に、オーバーヘッドシャワー吐水部18におけるパイプ30の回転方向の位置決突起212が設けられている。
【0090】
一方パイプ30側には、図17(B)及び図18(A)に示しているように、雄嵌合面214が設けられていて、その雄嵌合面214にシールリングとしてのOリング216が保持されている。
ここではその雄嵌合面214を、継手102の雌嵌合面218にOリング216を介して嵌合させることで、パイプ30が継手102に水密に接続される。
【0091】
一方パイプ30の側には、雄嵌合面214の図中左側の位置に径方向外向きのフランジ部219が設けられている。またそのフランジ部219には、上記の位置決突起212に対応する周方向の2個所において、切落し形状の位置決用の係合面220が形成されている。
パイプ30は、この係合面220を位置決突起212に係合させるようにして、雄嵌合面214を継手102の雌嵌合面218に嵌入させることで、Oリング216を介し水密に継手102に接合される。
【0092】
その状態で、内周側に雌ねじ部222及び内向きのフランジ部224を有する袋ナット226を、雌ねじ部222において継手102の雄ねじ部210にねじ込み、そして図17(B)に示しているように袋ナット226の内向きのフランジ部224を、パイプ30の外向きのフランジ部219に係合させることで、パイプ30と継手102とが軸方向に締結される。
【0093】
図17(A)及び図18(A)において、228はパイプ30と継手102との連結部分を外側から覆う、化粧リングを兼ねたパイプ30の前面カバー16への固定用の固定リングで、径方向内向きのフランジ部230を有しており、そのフランジ230の内周面に雌ねじ部232が設けられている。
一方パイプ30には、フランジ部219の図中左側位置に雄ねじ部234が設けられている。
【0094】
この実施形態では、固定リング228の雌ねじ部232をパイプ30側の雄ねじ部234に螺合し、更にその状態で固定リング228を図中右向きにねじ込んで、図中右端を前面カバー16に当接させ、強く締め付けることでパイプ30が、即ちオーバーヘッドシャワー吐水部18が前面カバー16に固定され、また同時に前面カバー16がブラケット104を介してケース本体14に固定される。
【0095】
図19,図20及び図21に、図1に示す前面カバー16の一部をなす下端部の蓋体62の脱着構造が具体的に示してある。
図3にも示しているように、蓋体62の裏面(内面)には、その下部に下向きの一対のフック形状の掛止部250が設けられており、またその上端部には上向きの一対の掛止部252が上向きに突出する形状で設けてある。
ここで上向きの一対の掛止部252は、縦のリブ254のそれぞれの上端部に一体に構成してある。
【0096】
一方ケース12、詳しくはケース本体14の底壁14Dには、図20に示しているように、吐水管22用の継手256を挿通する開口258が設けられるとともに、その上面には左右一対のガイド部材260が立設されている。
これらガイド部材260は、一対の側壁262と、内壁264とを有する横断面形状がコ字形状の部材で、その内壁264に上下に長い長孔状のガイド孔274が設けられ、また下端部には折曲げ形状の固定部266が設けられている。
【0097】
そしてこれらガイド部材260は、底壁14Dの下側から締結孔268を通じて上向きに差し込まれたボルト270とナット272とによって、固定部266において底壁14Dの上面にそれぞれ固定されている。
これらガイド部材260の側壁262と内壁264とで囲まれた空間には、金属製のコイルばね276が収容されている。そしてそれらコイルばね276の上端部に、掛止バー284の両端部に固定される端部部材278がそれぞれ装着されている。
これら端部部材278は、コイルばね276への下向きの挿入部280(図21参照)と、掛止バー284を挿通させる貫通の挿通孔282とを有している。
【0098】
掛止バー284は、蓋体62の上記下向きの掛止部250を掛止させる部材で、両端側が端部部材278の挿通孔282に挿通され、そして端部部材278のそれぞれの外側で、図20に示しているように掛止バー284に形成された環状溝288に弾性止め輪290が嵌込装着されることで、かかる掛止バー284が一対の端部部材278に対して軸方向に位置決めされ、且つそれら端部部材278から抜け防止されている。
【0099】
尚、掛止バー284は一対のガイド部材260のガイド孔274を挿通した状態に組み付けられており、その状態において掛止バー284にはコイルばね276の上向きの付勢力が常時作用している。
従って蓋体62を取り外した状態の下では、図23(B)に示しているように掛止バー284は、ガイド孔274の上端に当接した状態にある。
【0100】
上記蓋体62は、下部の下向きの一対の掛止部250を掛止バー284に掛止させ、また上端部の上向きの一対の掛止部252を、前面カバー16におけるカバー本体60の下端部裏面に掛止させる状態に保持される。
このとき蓋体62に対しては一対のコイルばね276による上向きの付勢力が掛止バー284を介して作用しており、従って蓋体62は、一対のコイルばね276の付勢力に基いてその上端をカバー本体60の下端に当接させ、密着させた状態に保持されている。
この状態で蓋体62は、次のようにして簡単にこれを取り外すことができる。
【0101】
即ち、蓋体62を一対のコイルばね276の上向きの付勢力に抗して下向きに押し下げる。これにより一対の上向きの掛止部252の、カバー本体60に対する掛止が外れるから、そこで図19(I)に示しているように蓋体62の上端部がカバー本体60から室内側に離れる方向に蓋体62を傾斜させ、その状態で蓋体62全体を上向きに持ち上げることで、蓋体62を簡単に取付状態から外すことができる。
そしてこの蓋体62を外すことによって、前面カバー16の下端部に部分開口64が生じる。
【0102】
本実施形態では、シャワー装置10を壁面Wに施工現場にて取付施工するのに先立って、予めシャワー装置10を組み付けた状態としておく。
具体的には、水栓機構部76を含む内部機能部78の全体を先ずブラケット98,100,104に固定して、それら全体を1つのユニットをなす予備組付品となしておき、その状態でこれをブラケット98,100,104にてケース本体14に固定する。
その際、内部機能部78をケース本体14の前面の開放部よりケース本体14内に挿入し、その状態でブラケット98,100,104をケース本体14の鍔状部80に締結し、ケース本体14に取付固定する。
【0103】
その後、内部機能部78をブラケット98,100,104とともに前側から覆うようにして、前面カバー16をケース本体14に固定し、ケース12を構成するとともに、その内部に内部機能部78を収納状態とする。
そしてその状態でシャワー装置10を施工現場に搬入して、そこでこれを壁面Wに取付施工する。
詳しくは、図2,図22に示しているように壁面Wにバックハンガーブラケット236,238を、ケース本体14の後壁14Aに形成した上下一対の掛止開口82,84に対応する高さ位置に固定ねじ240等によって予め固定しておき、そしてシャワー装置10におけるケース本体14の後壁14Aの掛止開口82,84に、バックハンガーブラケット236,238の壁面Wから突出した形状の掛止凸部244を挿入させる状態に、ケース12をそれら掛止開口82,84においてバックハンガーブラケット236,238に掛止する。
そしてそれらバックハンガーブラケット236,238にてシャワー装置10の重量を支持させた状態とする。
【0104】
尚一対のバックハンガーブラケット236,238は、壁面Wに密着状態で固定される、掛止開口82,84に対応した幅の板状の固定部246と、その上端から斜め上向きに固定部246と同幅で突出した掛止凸部244と、掛止凸部244及び固定部246を幅方向両端で連結する板状の補強部242とを有する形態をなしている。
図23(A)は、そのバックハンガーブラケット236にケース本体14の後壁14Aが掛止されることで、シャワー装置10の重量が支持された状態を表している。
【0105】
尚、このときケース12の前面カバー16に操作部44〜50を予め設けておいても良いし、またシャワー装置10を壁面Wに固定した後において、前面カバー16に操作部44〜50を設けるようにしても良い。
また同様にオーバーヘッドシャワー吐水部18や、ハンドシャワー吐水部24,吐水管22等を予め取り付けておいても良いし、或いはシャワー装置10を壁面Wに固定した後において、それらを取り付けるようになしても良い。
【0106】
さてこのようにしてシャワー装置10におけるケース12をバックハンガーブラケット236,238に掛止して重量を支持させた後、予め蓋体62の取外しによって生じている部分開口64を通じて、図23(B)に示しているようにケース本体14の後壁14Aに設けてある固定孔292に固定ねじ294を挿通し、且つそれらを壁面Wにねじ込むことで、ケース12を壁面Wに固定する。ここにおいてケース12を壁面Wに取付状態となすことができる。
【0107】
尚この実施形態では、部分開口64を通じてケース本体14の後壁14Aを壁面Wに固定するのと併せて、その部分開口64を通じて、図19の給水元管P1,給湯元管P2と配管A1,A2とを継手296(図19参照)を介して接続作業する。
また同じ部分開口64を作業開口として止水栓118を操作し、水量調節を行う。
そのような作業を終えた後に再び蓋体62を装着し、部分開口64を閉鎖する。
【0108】
このとき、蓋体62は次のようにして簡単に装着することができる。
即ち、蓋体62の下向きの一対の掛止部250を、図20(図23(B))の掛止バー284に掛止させ、そして図19(I)に示しているように蓋体62に下向きの力を加えて一対のコイルばね276を撓ませながら蓋体62を下向きに押し、その状態で蓋体62の上端部をケース内方向に押し込み、一対の上向きの掛止部252をカバー本体60の裏面側に位置させる。
【0109】
その状態で蓋体62に加えていた下向きの押込力を除くと、図19(II)に示しているように蓋体62が一対のコイルばね276の付勢力によって上向きに押し上げられ、一対の上向きの掛止部252がカバー本体60の下端裏面に掛止するとともに、蓋体62の上端がカバー本体60の下端に密着状態に当接した状態となる。
ここにおいて蓋体62が、カバー本体60と一体の外観を有する前面カバー16の一部となって、カバー本体60とともにケース本体14の前面の開放部全体を閉鎖した状態となる。
【0110】
以上のように本実施形態では、水栓機構部76を予め取付ブラケット98とともに1つのユニットとして予備組付品となしておき、その状態で取付ブラケット98によりケース12に取付固定するようになしていることから、水栓機構部76をケース12に取り付けるに際して、水栓機構部76を構成している各機能部品を個別にケース12に取り付けるのに比べて、各機能部品の取付けの位置決めを機能部品ごとにそれぞれ独立に行う必要もないし、また単に単一の共通のブラケット98をケース12に固定するだけで、水栓機構部76の全体をユニットとしてケース12に固定することができる。
従って水栓機構部76のケース12への取付けの手間が少なくて済み、短時間で簡単に水栓機構部76をケース12に取付固定することができる。
【0111】
即ちシャワー装置10の工場生産段階で、簡単に水栓機構部76をケース12に取付固定でき、シャワー装置10の製造のための所要工数を少なくすることができる。
また施工現場でのシャワー装置10の取付施工に際して、水栓機構部76をその場で壁面Wに取り付けるといったことが必要でないので、現場での施工の手間も削減することができる。
【0112】
また本実施形態では、ボデーシャワー吐水部20を水栓機構部76とともにブラケット98に固定し、ボデーシャワー吐水部20を水栓機構部76とともにブラケット98にてケース12に固定するようになしていることから、ボデーシャワー吐水部20を水栓機構部76と別にケース12に固定する手間を削減し得て、水栓機構部76及びボデーシャワー吐水部20のケース12への取付けの手間を削減でき、またその際にボデーシャワー吐水部20の取付けの位置決めのための作業を省略し得て、シャワー装置10の生産のための所要工数をより少なくすることができる。
【0113】
また施工現場でシャワー装置10を壁面Wに取付施工するに際して、ボデーシャワー吐水部20を水栓機構部76とは別途に固定する必要がなく、そのことによって施工の手間を削減でき、現場での取付施工性を更に良好となすことができる。
【0114】
特に本実施形態では、内部機能部78の全体をブラケット98及びこれと別体のブラケット100,104に固定し、内部機能部78の全体を、それらブラケット98,100,104とともに1つのユニットとなし、それら全体を予備組付品の状態でケース12に固定するようになしていることから、内部機能部78を構成する多数の機能部品や配管等を個別にケース12に取り付ける場合に比べて、ケース12への取付けを極めて簡単に行うことができる。
【0115】
更に本実施形態では、水栓機構部76を含む内部機能部78をブラケット98,100,104の後面側に固定しておいて、これを前面の開放部よりケース本体14の内部に挿入した状態で、ブラケット98をケース本体14の開放部側に固定するようになしているため、内部機能部78を容易にケース12内部に組込状態に取付固定することができる。
【0116】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では、箱体状をなすケース12の前面部を前面カバー16として、後側の断面コ字形状をなすケース本体14と分割構成とし、そのケース本体14に対して前面の開放部から内部機能部78を組み付けるようになしているが、場合によって側面や後面を開放部として、それらの部分から内部機能部78を組み付けるようになすといったことも可能である。
また上記の水栓機構部76はあくまで一例であって、水栓機構部76を、湯水の混合バルブと切替バルブとを含む他の様々な形態で構成することも可能であるし、更に本発明では場合によって水栓機構部だけをブラケットにてケースに固定するといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施形態のシャワー装置の正面図である。
【図2】同実施形態のシャワー装置を壁面に設置した状態で示した断面図である。
【図3】同実施形態のシャワー装置を分解して示した図である。
【図4】同実施形態における配管経路を系統的に示した図である。
【図5】同実施形態における冷水排水弁の構成をその作用とともに示した断面図である。
【図6】同実施形態における実際の配管状態を表した図である。
【図7】図6(B)を拡大した図である。
【図8】同実施形態におけるブラケットのケース本体への固定構造を示した図である。
【図9】同実施形態におけるブラケットのケース本体への固定構造を拡大して示した図である。
【図10】同実施形態におけるブラケットを示した図である。
【図11】同実施形態におけるケース本体の上壁を分解して示した図である。
【図12】同実施形態における操作部の要部の構成を示した部分断面図である。
【図13】図12の操作部と前面カバーとを分解して示した図である。
【図14】同実施形態におけるボデーシャワー吐水部の要部の構成を示した部分断面図である。
【図15】図14のボデーシャワー吐水部と前面カバーとを分解して示した図である。
【図16】図14とは異なるボデーシャワー吐水部の要部の構成を示した部分断面図である。
【図17】同実施形態におけるオーバーヘッドシャワー吐水部の要部の構成を示した部分断面図である。
【図18】図17のオーバーヘッドシャワー吐水部を分解して示した図である。
【図19】同実施形態における蓋体の脱着構造を示した図である。
【図20】図19の蓋体の脱着構造を分解して示した図である。
【図21】図19の蓋体の脱着構造の要部を示した部分断面図である。
【図22】同実施形態のシャワー装置の壁面への取付構造を示した図である。
【図23】同実施形態におけるシャワー装置の壁面への取付構造の要部を拡大して示した図である。
【図24】従来公知のシャワー装置の一例を示した図である。
【図25】シャワー装置の図24とは異なる従来例を示した図である。
【符号の説明】
【0118】
10 シャワー装置
12 ケース
14 ケース本体
14A 後壁
14B 側壁
18 オーバーヘッドシャワー吐水部
20 ボデーシャワー吐水部
24 ハンドシャワー吐水部
26 シャワーホース
76 水栓機構部
78 内部機能部
88 混合バルブ
90,92,94 切替バルブ
98 第1取付ブラケット
100 第2取付ブラケット
104 第2取付ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体状のケースと、該ケースの外部に露出したシャワー吐水部と、該ケースの内部に収納された、湯水の混合バルブ及び該シャワー吐水部からのシャワー吐水と止水とを切り替える切替バルブを有する水栓機構部及び内部配管を含んだ内部機能部と、を有し、壁面に取り付けられて使用されるシャワー装置であって
前記内部機能部における前記水栓機構部が単一の共通の第1取付ブラケットに固定してあって、該水栓機構部が該第1取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シャワー吐水部が前記水栓機構部とともに前記第1取付ブラケットに固定してあって、該シャワー吐水部が該水栓機構部とともに該第1取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記内部機能部の全体が、前記第1取付ブラケット及び該第1取付ブラケットと別体若しくは一体の第2取付ブラケットに固定してあって、該内部機能部の全体が該第1及び第2取付ブラケットにて前記ケースに固定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項4】
請求項1において、前記ケースが後壁と一対の側壁とを有し、前面が室内側に向って開放されたケース本体と、該ケース本体の前面の開放部を閉じる前面カバーとを有する縦長の箱体状のものであって、前記水栓機構部が前記第1取付ブラケットの後面側に固定してあり、該水栓機構部を前記前面の開放部より前記ケース本体内部に挿入した状態で、該第1取付ブラケットが該ケース本体の該開放部側に固定してあり、前記前面カバーが該水栓機構部を前側から覆う状態に該ケース本体に固定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項5】
請求項3において、前記ケースが後壁と一対の側壁とを有し、
前面が室内側に向って開放されたケース本体と、該ケース本体の前面の開放部を閉じる前面カバーとを有する縦長の箱体状のものであって、前記水栓機構部を含む前記内部機能部の全体が前記第1及び第2取付ブラケットの後面側に固定してあり、該内部機能部を前記ケース本体の前記前面の開放部より前記ケース本体の内部に挿入した状態で、前記第1及び第2取付ブラケットが該ケース本体の前記開放部の側に固定してあり、前記前面カバーが該内部機能部を前側から覆う状態に該ケース本体に固定してあることを特徴とするシャワー装置。
【請求項6】
請求項1において、前記シャワー吐水部として、使用者の頭部より低い位置で該使用者の身体に向って前方にシャワー吐水するボデーシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該ボデーシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とするシャワー装置。
【請求項7】
請求項6において、前記シャワー吐水部として、使用者の頭上から下向きにシャワー吐水するオーバーヘッドシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該オーバーヘッドシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とするシャワー装置。
【請求項8】
請求項6,7の何れかにおいて、前記シャワー吐水部として、可撓性のシャワーホースに繋がれたハンドシャワー吐水部を有しており、前記切替バルブとして該ハンドシャワー吐水部用の切替バルブが前記水栓機構部に含まれていることを特徴とするシャワー装置。
【請求項9】
請求項1のシャワー装置の施工方法であって、
該シャワー装置を前記壁面に取付施工するのに先立って、予め前記水栓機構部を前記第1取付ブラケットに固定して、該水栓機構部を該第1取付ブラケットとともにユニット状態の予備組付品となしておき、該予備組付品の状態で該水栓機構部を前記ケースに取付固定しておき、該水栓機構部の取付状態で前記シャワー装置を前記壁面に取付施工することを特徴とするシャワー装置の施工方法。
【請求項10】
請求項3のシャワー装置の施工方法であって、
該シャワー装置を前記壁面に取付施工するに先立って、予め前記内部機能部の全体を前記第1及び第2取付ブラケットに固定して、該内部機能部をそれら第1及び第2取付ブラケットとともにユニット状態の予備組付品となしておき、該予備組付品の状態で該内部機能部の全体を前記ケースに取付固定しておき、該内部機能部の取付状態で前記シャワー装置を前記壁面に取付施工することを特徴とするシャワー装置の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−189604(P2009−189604A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34193(P2008−34193)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】