説明

シャワー装置

【課題】予備暖房機能を搭載したシャワー装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本体5の両側にアーム6を設け、アーム6の1面に使用者の身体に向けて湯水で包み込むように噴霧する第1の噴霧ノズル9と、他の面に浴室空間に向けて湯水を噴霧する第2の噴霧ノズル11を設けることにより、第2のノズル11より浴室空間に向けて湯水を噴霧することにより、浴室空間全体の予備暖房を行うことができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室で使用するシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシャワー装置は本体の両側にアームを設けアームの人体方向面に噴霧ノズルを設け人体を噴霧湯水で包み込んでシャワーを楽しむ構成であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1に記載された従来のシャワー装置を示すものである。
【0004】
図6に示すように本体1の両側にアーム2を設け、入浴者に対向したアームの面に噴霧ノズル3を設け、入浴者の身体4を噴霧湯水で包み込んでシャワーを楽しむ構成であった。
【特許文献1】特開平10−155860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、冬場に最初に浴室に入室した時に浴室が寒いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、予備暖房機能を搭載したシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のシャワー装置は本体の両側にアームを設け、アームの1面に使用者の身体に向けて湯水で包み込むように噴霧する第1の噴霧ノズルと、他の面に浴室空間に向けて湯水を噴霧する第2の噴霧ノズルを設けることにより、第2のノズルより浴室空間に向けて湯水を噴霧することにより、浴室空間全体の予備暖房を行うことができるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシャワー装置は、冬場に最初に浴室に入室した時も浴室が暖かく快適にシャワー入浴を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、本体の両側にアームを設け、前記アームの1面に使用者の身体に向けて湯水で包み込むように噴霧する第1の噴霧ノズルを設け、前記アームの他の面に浴室空間に向けて湯水を噴霧する第2の噴霧ノズルを設けることにより、第2のノズルより浴室空間に向けて湯水を噴霧することにより、浴室空間全体の予備暖房を行うことができるので、使用者は寒さを感じることがなく快適にシャワー浴を行うことができるものである。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明のアームが第2の噴霧ノズルからの噴霧時に、自動的に上下に回動する構成とすることにより浴室空間を短期間にかつ均一に予備暖房することができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において第2の噴霧ノズルからの噴霧後に、第1の噴霧ノズルから一定時間噴霧を行うことにより、シャワー浴開始時に第1の噴霧ノズルの近傍に滞留した冷水を浴びることがないため、快適にシャワー浴を行うことができる。
【0012】
第4の発明は、第1または第2の発明において、給水、給湯配管からの水と湯を混合する湯水混合部と、混合した湯水の供給を制御する主電磁弁を介して流調止水弁と排水電磁弁を並列に接続し、流調止水弁から第1のシャワー電磁弁を介して第1の噴霧ノズルと、第2のシャワー電磁弁を介して第2の噴霧ノズルを並列に接続する構成とし、前記第2の噴霧ノズルから高温水を噴霧した直後に、前記第2の噴霧ノズルから前記第1の噴霧ノズルに噴霧を切り替える場合は、前記排水電磁弁から高温水を排水した後、第1の噴霧ノズルから噴霧を開始する構成により使用者が高温水を浴びないため安全である。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるシャワー装置の斜視図を示し、使用者が座ってシャワーを浴びる場合のアームを上げた状態を示し、図2は浴室を予備暖房する場合のアームを収納した状態を示し、図3は浴室を予備暖房する場合のアームを上げた状態を示し、図4はアームを上下に回動する駆動機構を示、図5はシャワー装置の水回路のブロック図を示すものである。
【0015】
図1に示すように、シャワー装置の本体5の両側にアーム6が上下方向に回動自在に設けてあり、左右のアーム6はアーム軸7により連接しており、左右同時に回動する構成となっている。
【0016】
着座手段8に着座した入浴者の身体に向くアーム6の裏面には複数の第1の噴霧ノズル9が配設してある。前記アーム6を入浴者の体格に合わせて上下に回動調整することにより入浴者の身体を包み込むように噴霧湯水10が噴霧できる。また第1の噴霧ノズル9も個別に可動するため使用者の好みの位置に調整することができる。
【0017】
前記第1の噴霧ノズル9は一般のシャワーノズルより穴径を小さくし、しかも旋回して噴出する構成となっており粒子の小さい霧状の噴霧温水10が噴霧できる。
【0018】
また、図2、図3に示すように浴室空間に向くアーム6の表面には複数の第2の噴霧ノズル11が配設してあり浴室空間に向けて高温温水12を噴霧することができ、浴室空間に高温温水12を噴霧するときは、アーム6は図4に示すステッピングモータ13と歯車14でアーム軸7を回動させることにより自動的に上下に回動することができる構成である。また上記高温温水12を浴室空間に噴霧する操作はリモコン15で浴室ドア付近から操作可能としてある。
【0019】
図5は本実施の形態における水回路のブロック図を示すものであり、給水配管16、給湯配管17からの水と湯を混合する湯水混合部18と混合された湯水を主電磁弁19を介して流調止水弁20に接続すると共に排水電磁弁21に接続し、流調止水弁20から第1のシャワー電磁弁22を介して第1の噴霧ノズル9に接続すると共に第2のシャワー電磁弁23を介して第2の噴霧ノズル11に接続する構成とする。流調止水弁20は弁を止水位置から流量全開位置まで回転制御させる構造である。
【0020】
第1の噴霧ノズル9から噴霧湯水10を噴霧する場合は第1のシャワー電磁弁22をONし、流調止水弁20を開側に回転して主電磁弁19をONする。第2の噴霧ノズル11から高温温水12を噴霧する場合は第2のシャワー電磁弁23をONし流調止水弁20を開側に回転して主電磁弁19をONする。
【0021】
以上のように構成されたシャワー装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0022】
まずシャワー浴を始める前に浴室を予備暖房をすることにより快適な浴室空間を得るためにリモコン15を操作することにより、第2のシャワー電磁弁23がONし、流調止水弁20が開側に回転して主電磁弁19がONすることにより、第2の噴霧ノズル11より高温温水12を浴室空間に噴霧し始め、それと同時にアーム6が自動的に上下に回動を始め、浴室空間全体に高温温水12を噴霧することにより浴室空間全体を快適な温度に上昇する。高温温水12の温度は60℃程度であり浴室を短時間で暖房することができる。
【0023】
予備暖房が終了した時点でリモコン操作により高温温水12の噴霧を停止させると、第1の噴霧ノズル9から噴霧温水10が自動的に噴霧を開始し一定時間噴霧後に自動的に停止する。この作動により第1の噴霧ノズル9の流路に残留していた冷たい残留水が噴霧排出されるとともに、暖かい温水が第1の噴霧ノズル9から噴霧されるため、シャワー装置の本体5や着座手段8も温められ、第1の噴霧ノズル9を使用するシャワー浴の始めから快適に使用することができる。
【0024】
上記予備暖房終了後入浴者は着座手段8に着座し、第1の噴霧ノズル9から噴霧する噴霧温水10を主に使用者の肩から下の部分に当たるようにアーム6の角度を調整しシャワー浴を行う。アーム6には複数の第1の噴霧ノズル9を設けてあるので、入浴者の首からしたのほぼ全身を包み込むように37〜48℃程度の噴霧湯水10が噴霧されるため、温熱効果が向上しリラックスできる。
【0025】
また、予備暖房と同様に第2の噴霧ノズル11から高温温水12を浴室内に噴霧することにより浴室をミストサウナとしてサウナ浴をすることができる。高温水7の温度は60℃程度にするため十分なサウナ効果が得られ、サウナ浴のあとは噴霧ノズル3からの噴霧湯水5の温度を低めに設定して入浴することにより清涼感が得られる
ミストサウナを楽しんだ後第2の噴霧ノズル11から第1の噴霧ノズル9に噴霧を切り替える場合は配管内に高温水が溜まっているため噴霧始めに高温水が出る危険性があるが、その対策として排水電磁弁21から高温水を排水した後に第1の噴霧ノズル9からの噴霧温水10に切り替えることにより、ミストサウナ浴からシャワー浴に切り替える場合も安全であり快適な入浴をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明にかかるシャワー装置は、浴室の予備暖房を自動的に行うことができるものなので、人間が使用する浴室以外に動物用の洗浄装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置のアームの軸の駆動の正面図
【図5】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の水回路のブロック図
【図6】従来のシャワー装置の斜視図
【符号の説明】
【0028】
5 本体
6 アーム
9 第1の噴霧ノズル
11 第2の噴霧ノズル
16 給水配管
17 給湯配管
18 湯水混合部
19 主電磁弁
20 流調止水弁
21 排水電磁弁
22 第1のシャワー電磁弁
23 第2のシャワー電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の両側にアームを設け、前記アームの1面に使用者の身体に向けて湯水で包み込むように噴霧する第1の噴霧ノズルを設け、前記アームの他の面に浴室空間に向けて湯水を噴霧する第2の噴霧ノズルを設けたシャワー装置。
【請求項2】
アームは第2の噴霧ノズルからの噴霧時に、自動的に上下に回動する構成の請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項3】
第2の噴霧ノズルからの噴霧後に、第1の噴霧ノズルから一定時間噴霧を行う請求項1または2に記載のシャワー装置。
【請求項4】
給水、給湯配管からの水と湯を混合する湯水混合部と、混合した湯水の供給を制御する主電磁弁を介して流調止水弁と排水電磁弁を並列に接続し、流調止水弁から第1のシャワー電磁弁を介して第1の噴霧ノズルと、第2のシャワー電磁弁を介して第2の噴霧ノズルを並列に接続する構成とし、前記第2の噴霧ノズルから高温水を噴霧した直後に、前記第2の噴霧ノズルから前記第1の噴霧ノズルに噴霧を切り替える場合は、前記排水電磁弁から高温水を排水した後、第1の噴霧ノズルから噴霧を開始する構成の請求項1または2に記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−271445(P2006−271445A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90903(P2005−90903)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】