説明

シャワー装置

【課題】シャワー初期に冷水を使用者が浴びることなく所望の温度の温水を常に浴びることのできるシャワー装置を提供する。
【解決手段】給湯源からの温水を噴出する複数の噴出口100と、給湯源から各噴出口までの配管内に開閉バルブ50を備え、シャワー初期に配管内に残った冷水を使用者が身体に浴びないように複数の噴出口100の各噴出口から捨て水を行う冷水噴出防止手段110をシャワー装置が備えることで、シャワー初期に冷水を使用者が浴びることなく所望の温度の温水を常に浴びることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー装置に関し、特に使用者が特定の姿勢を保った状態で身体の各部位にシャワーを浴びるようになったシャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシャワー装置の一形態として使用者が特定の姿勢を保った状態で身体の各部位にシャワーを浴びるようになったシャワー装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来型のシャワー装置は、同文献1の図11に示すように、壁に取り付けられて使用者の身体に向けて温水を噴出するようになっており、シャワー装置の外部から温水を供給する流入口と、入浴者の身体に向けてシャワーを噴出する複数の噴出口と、流入口から噴出口に向けて温水を通す配管を有している。なお、配管は、分配装置を介して複数に分岐されると共に、流路切換弁を介してハンドシャワーからの温水の噴出と切り替え可能となっている。
【特許文献1】特開平10−28656号公報(2−4頁、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなシャワー装置を使用した場合、図40に示すように、シャワー装置を使用した後しばらく使わないと給湯器から開閉弁50を介して噴出口600へ至る配管41内の温水が冷えて水となり、しばらくたってから再びシャワー装置を使用する際、この配管内の溜まった水がシャワー装置の噴出口600からいきなり噴出して使用者の身体の各部位に当たる。このようなシャワー装置は使用者が着座した姿勢のまま身体の各部位に一度にシャワーを浴びるような構造になっているので、従来のフレキシブルホースの先端にノズルが付いたいわゆるハンドシャワーのように、使用者はシャワー水を直接浴びないようにそのノズルの向きを瞬時に変えることができず、着座した姿勢のまま身体の各部位に一度に予期せぬ冷たいシャワーを浴びて不快な思いをしてしまう。特に冬場においては配管内の温水が短時間で冷えて冷水となり、このようなシャワー装置の使い勝手を低下させている。
【0004】
かかる問題を解決するために、図41及び図42に示すような対策が採られている。図41に示す第1の対策は、特開2003−180542号公報に記載されたものであり、噴出口600の他に混合栓610や分岐路630を介した排水口640をシャワー装置に独立して備えている。そして、シャワー装置の使用開始からしばらくは配管内の一定区間、例えば給湯器から混合栓610や分岐路630までの残水を排水口640から排水することでこの間に溜まった残水を処理するようになっている。しかしながら,このような対策では、混合栓610や分岐路630から噴出口600までの配管41内の残水処理が行われておらず、排水口640からの排水を終えた後に噴出口600からシャワーを噴出させるとシャワー初期にこの混合栓610や分岐路630から噴出口600までに溜まった冷水が使用者の身体に向けて勢い良く噴出してしまい、冷水噴出の問題が依然として解決されていない。
【0005】
図42に示す第2の対策は、複数の噴出口701,702,703の一方の噴出口701から外気を取り入れ配管42内に残る残水を他方の噴出口702,703から排水することで配管内の冷水処理を行う方法である。しかしながら、この第2の対策によっても、シャワー装置を使用しない間に配管自体が放熱してしまい、その後にシャワー装置を使用しようとすると給湯器からの温水の温度がこの冷え切った配管42内を通るうちに低下してしまい、結果的にシャワー初期に所望の温度より低い温度の温水が複数の噴出口701〜703から使用者の身体各部位に向けて一度に噴出し、不快感を与えてしまう。
【0006】
この他にも配管内に開閉弁に加えてこの開閉弁を閉塞したときに給湯口から開閉弁までの温水を給湯口まで一旦戻して循環させるバイパス管を備え、この給湯口から開閉弁までの温水を常に一定の温度に保つ対策も考えられる。しかしながら、このような対策をとったとしても、上述の対策と同様にシャワー装置を使用しない間に開閉弁から複数の噴出口までに溜まった温水が冷えて冷水となってしまい、再びシャワー装置を使用するとシャワー初期に冷水が複数の噴出口から使用者の身体に向けて一度に噴出し、使用者に不快感を与えてしまう。
【0007】
本発明の目的は、シャワー初期に冷水を使用者に浴びせることなく所望の温度の温水を使用者が常に浴びることのできるシャワー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明にかかるシャワー装置は、
給湯源からの温水を噴出する複数の噴出口と、
前記給湯源から各噴出口までの配管内に開閉バルブを備えたシャワー装置において、
シャワー初期に前記配管内に残った冷水を使用者が身体に浴びないように前記複数の噴出口の各噴出口から捨て水を行う冷水噴出防止手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような冷水噴出防止手段を備えることで、従来と異なりシャワー初期に各噴出口から積極的に捨て水を行うことができるようになる。その結果、配管内に溜まった冷水をシャワー初期に使用者に直接浴びせないようにでき、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようになる。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載のシャワー装置は、請求項1に記載のシャワー装置において、
前記冷水噴出防止手段は,シャワー初期に前記各噴出口からの噴出流量を低下させることで使用者が冷水を身体に直接浴びないようにする流量調節手段から構成されたことを特徴としている。
【0011】
このような流量調節手段によって配管内に溜まった冷水をシャワー初期に噴出口から捨て水することで使用者が冷水を身体に直接浴びないようにし、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0012】
また、残水処理を行う際、噴出口からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えて噴出口からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載のシャワー装置は、請求項2に記載のシャワー装置において、
前記流量調節手段が温度センサと当該温度センサの出力値に基づいて前記各噴出口からの噴出流量を低下させる流量調節弁から構成されたことを特徴としている。
【0014】
このような温度センサと流量調節弁によって配管内を流れる湯水の流量を調節し、シャワー初期に配管内に溜まった冷水を噴出口から捨て水することで、使用者が身体に冷水を直接浴びないようにし、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0015】
また、残水処理を行う際、噴出口からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えて噴出口からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載のシャワー装置は、請求項2に記載のシャワー装置において、
前記流量調節手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて配管内を流れる湯水の流量を調節する流量調節弁から構成されたことを特徴としている。
【0017】
このような流量調節弁によって配管内を流れる湯水の流量を調節し、シャワー初期に配管内に溜まった冷水を噴出口から使用者の身体に向けて勢い良く噴出させることなく排水することで、使用者が身体に冷水を直接浴びないようにし、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0018】
また、残水処理を行う際、噴出口からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えて噴出口からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載のシャワー装置は、請求項2に記載のシャワー装置において、
前記流量調節手段は前記噴出口に温水を供給する噴出流路に加えて排水流路を備え、前記配管内の温水の温度に応じて当該排水流路からの温水の排出量を調整するようになったことを特徴としている。
【0020】
流量調節手段がこのような排水口を備えて配管内の湯水の温度に応じて排水口からの湯水の排水量を調節することで、配管内に溜まった冷水をシャワー初期に噴出口から使用者の身体に向けて勢い良く噴出させることなく排水し、これによって冷水を使用者が直接身体に浴びないようにし、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0021】
また、残水処理を行う際、噴出口からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えて噴出口からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0022】
また、流量調節手段がこのような排出口を備えることで配管内を流れる総流量が変化しないようになり、単に流量を減らした場合に生じるおそれのある流量減による給湯器の燃焼炎が消えるといった不具合が防止できる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載のシャワー装置は、請求項1に記載のシャワー装置において、
前記冷水噴出防止手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて噴出口から噴出される湯水の流速を調節する流速調節弁から構成され、シャワー初期に前記各噴出口からの噴出流速を低下させることで使用者が身体に冷水を浴びないようにしたことを特徴としている。
【0024】
このような冷水噴出防止手段によって噴出口から噴出される湯水の流速を制御することで、配管内に溜まった冷水をシャワー初期に使用者の身体に向けて噴出口から勢い良く噴出させることなく排水し、これによって使用者が冷水を身体に直接浴びないようにし、シャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0025】
また、残水処理を行う際、噴出口からの残水の流速を低下させることで、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えて噴出口からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0026】
また、本発明の請求項7に記載のシャワー装置は、請求項1記載のシャワー装置において、
前記冷水噴出防止手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて前記噴出口から噴出される湯水の噴出方向を変えるようになったことを特徴としている。
【0027】
このような冷水噴出防止手段によって噴出口から噴出される湯水の噴出方向を変えることで、配管内に溜まった冷水をシャワー初期に使用者の身体以外に向けて噴出口から噴出させて使用者が冷水を直接身体に浴びないようにし、シャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載のシャワー装置は、請求項1に記載のシャワー装置において、
前記冷水噴出防止手段は、前記噴出口からの湯水の噴出方向に設けられ当該噴出口より噴出される冷水を遮蔽する噴出遮蔽手段から構成されたことを特徴としている。
【0029】
配管内に溜まっていてシャワー初期に噴出口から噴出する冷水の噴出をこのような噴出遮蔽手段を用いて遮断することで、使用者が冷水を直接身体に浴びないようにし、シャワー装置を常に快適に使用できるようにする。
【0030】
また、本発明の請求項9に記載のシャワー装置は、請求項1乃至請求項8の何れかに記載のシャワー装置において、
前記複数の噴出口がシャワー装置の異なる箇所に配設されていることを特徴としている。
【0031】
複数の噴出口が前記シャワー装置の異なる箇所に配設されている場合、シャワー初期にシャワー装置の噴出口からいきなり冷水が噴出すると使用者はハンドシャワーのようにシャワーの向きを瞬時に変えることで対処することができない。しかしながら、請求項1乃至請求項8に記載のシャワー装置を用いると、配管内に溜まった冷水がシャワー初期に使用者の身体各部位に直接当たらないようにするので、使用者がこのようなシャワー装置を常に快適に使用できるようになる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に特有の冷水噴出防止手段を備えたシャワー装置を使用することで、シャワー初期に配管内に溜まった冷水を使用者が直接浴びないようにし、使用者がシャワー装置を常に快適に使用できるようになる。特に複数の噴出口がシャワー装置の異なる箇所に配設されている場合、シャワー初期にシャワー装置の噴出口からいきなり冷水が噴出すると使用者はハンドシャワーのようにシャワーの向きを瞬時に変えることで対処することができない。しかしながら、本発明にかかるシャワー装置を用いると、シャワー初期に配管内に溜まった冷水を使用者が身体各部位に直接浴びないようにでき、使用者がこのようなシャワー装置を常に快適に使用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の各実施形態及びその変形例にかかるシャワー装置について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明の第1の実施形態にかかるシャワー装置1の全体構成図であり、図2は、このシャワー装置1の概略正面図であり、また、図3は図2に示したシャワー装置1に備わるノズル(噴出口)100から冷水が排水されている状態を示した斜視図であり、図4は図3の動作状態を説明するための流量調節弁110の断面図である。また、図5は図1及び図2に示したシャワー装置1のノズル100から温水が噴出している状態を示した斜視図であり、図6は図5の動作状態を説明するための流量調節弁110の断面図である。
【0034】
本実施形態にかかるシャワー装置1は、図1及び図2に示すように、給湯源である給湯器20から供給される温水を噴出する複数のノズル100と、給湯器20から各ノズル100に温水を供給する共通配管30及び共通配管30から分岐された配管40と、開閉弁50を備えると共に、各ノズル100の上流側には流量調節弁(冷水噴出防止手段)110を備え、噴出初期に各ノズル100から捨て水を行い、使用者が身体に冷水を浴びないようになっている。
【0035】
各ノズル100は、例えば耐熱性に優れた樹脂でできており、本実施形態の場合、着座状態にある使用者の胸部、背中部、臀部、腕部、脚部等使用者の異なる身体各部位に向かってそれぞれ温水を噴出するように固定配置されている。なお、図2においては説明の簡略化と理解の容易化のために使用者の両側面にのみノズルを所定間隔で配置している。
【0036】
各ノズル100からは配管40が延在すると共にこの各配管が共通配管30に合流して給湯器20の温水供給口に連結されている。また、共通配管30の一部には開閉弁50が備わり、給湯器20の温水供給口から各配管40に湯水の供給を行ったり停止したりするようになっている。
【0037】
なお、この第1の実施形態においては、図1の二点鎖線Bで囲まれて示すように、一次側水道水及び給湯器20の温水供給口からの温水を開閉弁50及び混合弁55を介して共通配管30に連結する構成も考えられ、この構成も本発明の範囲内に当然に含まれる。
【0038】
流量調節弁110は例えば耐熱性に優れた樹脂でできており、図4に示すように、内部に流路を兼ねた弁体収容部111が形成され、この弁体収容部111の底部にSMAバネ用バネ座部112と弁体着座部113を備えると共に、弁体収容部111の上部にバイアスバネ用バネ座部114が形成されている。そして、弁体収容部111には弁体115を挟んで上部側に通常のバネ材からなるバイアスバネ118が介装されると共に底部側に形状記憶合金からなるSMAバネ(感熱材)119が介装されている。なお、ここでいうSMAは、Shape Memory Alloyの略である。
【0039】
そして、流路内を冷水が通過する際にはSMAバネ119が冷やされて縮んだままとなり、バイアスバネ118の付勢力によって弁体着座部113と弁体115との間隔が狭まり、この部分を通過する冷水の流量を絞るようになっている。
【0040】
一方、流路内を温水が通過する際にはSMAバネ119がバイアスバネ118の付勢力に抗して初期状態に復元するように十分に伸び、これによって弁体115と弁体着座部113との間隔が広がり、この部分を通過する温水の流量を絞らないようになっている。
【0041】
本発明の第1の実施形態にかかるシャワー装置1はこのような構成を有しているので、以下の作用を有する。まず、シャワー装置1を使用者が使い終わった後に停止すると、給湯器20の温水供給口である開閉弁50からノズル100に至るまでの配管内に溜まった温水が時間の経過と共に冷えて冷水となる。その後、使用者がシャワー装置1を使用するために開閉弁50を開くと、給湯器20が着火して温水を配管内に供給し始める。これによって配管内に溜まった冷水が流量調節弁110を介してノズル100から噴出しようとする。しかしながら、流量調節弁110のSMAバネ119が配管内の冷水で冷やされて縮んだままとなっているので、弁体115がバイアスバネ118の付勢力によって弁体着座部方向(図4中下方向)に近づいたままとなり、流量調節弁110が絞られた状態となって配管内の冷水がノズル100から勢い良く噴出することなく、図2に示すように下方に垂れ流されたまま排水される。
【0042】
このように配管内の冷水が勢い良く噴出されることなくノズル100から排水された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に十分供給され流量調節弁110まで達すると、SMAバネ自体の温度も上昇して本来の形状であるSMAバネ119が伸び切った状態に戻る。すなわち、SMAバネ119がバイアスバネ118の付勢力に抗して十分に伸びることで、弁体115が弁体着座部113から離れる方向(図6中上方向)に移動し、流量調節弁110における流路断面積が広がり、流量調節弁110において温水の流量が絞られなくなる。
【0043】
これによって、各ノズル100から所望の設定温度に達した温水が勢い良く噴出し、使用者の身体各部位に温水が当たって身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0044】
また、残水処理を行う際、ノズル100からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えてノズル100からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0045】
続いて、本発明の第2の実施形態にかかるシャワー装置について説明する。なお、図7はこの第2の実施形態にかかるシャワー装置2の全体構成図であり、この実施形態にかかるシャワー装置の概略的な全体構成は、図7及びノズルの配置に関し本実施形態と等価的な構成を有する図2に示すように、流量調節弁210に排水管250を備えたことを除いて上述した第1の実施形態にかかるシャワー装置1と同様である。すなわち、シャワー装置2は、給湯器20からの温水を噴出する複数のノズル(噴出口)200が使用者の身体各部位に対応するように配置されると共に、給湯器20の温水供給源から共通配管30とこれから分岐された配管40が各ノズル200まで繋がっており、共通配管30の一部に開閉弁50が備わっている。従って、これらと構成が異なる流量調節弁210の構造について以下に詳細に説明する。
【0046】
図8は、本発明の第2の実施形態にかかるシャワー装置2のノズル200と排水管250の双方から冷水が吐水している状態を示した斜視図である。また、図9は、図8の動作状態を説明するための流量調節弁210の断面図である。また、図10は、図8に示したシャワー装置2のノズル200から温水が噴出している状態を示した斜視図である。また、図11は、図10の動作状態を説明するための断面図である。
【0047】
この第2の実施形態にかかるシャワー装置2の流量調節弁210は、第1の実施形態にかかるシャワー装置1の流量調節弁110と異なり、配管内に溜まった冷たい残水の排水時の流量を落とさずにノズル200からの噴出量を調節するようになっている。これによって、開閉弁50を開くと同時に配管内を流れる湯水の流量を一定量確保し、給湯器20を確実に着火させて所望の温度の温水をノズル200にすぐに供給するようになっている。
【0048】
具体的には、流量調節弁210は例えば耐熱性に優れた樹脂でできており、図8乃至図11に示すように、ノズル200、排水管250を備え、配管40に連結されている。そして、ノズル200からの湯水の噴出方法は、SMAバネ219の形状変化を利用することで配管内の残水をノズル200と排水管250の両方から排水し、配管内の残水が無くなって配管内が温水で完全に満たされたときに排水管250への分岐を遮断し,ノズル200から使用者の身体に向けて温水を勢い良く噴出するようになっている。
【0049】
流量調節弁210は、その入り口側に温水を供給する配管40が連結されると共に出口側にノズル200に至るまでの先端配管205及び排水管250が並列に設けられている。また、流量調節弁210には、図9に示すように、内部に流路を兼ねた弁体収容部201が形成されている。
【0050】
弁体収容部201には、プレート状をなし略中央部にノズル連通孔216及び排水管連通孔217が並んで形成された弁体215が収容されている。そして、弁体215の一方の端部(図9中下方端部)と弁体収容部の下面との間には通常のばね材からなるバイアスバネ218が介装され、弁体215の他方の端部(図9中上端)と弁体収容部201の上面との間には形状記憶合金からなるバネであるSMAバネ219が介装されている。そして、弁体収容部201が冷水で満たされている間はSMAバネ219が縮んで弁体215がバイアスバネ218の付勢力によって一方(図9中上方)に移動し、ノズル連通孔216と排水管連通孔217の双方が開放して弁体収容部内の冷水がノズル200及び排水管250の双方に流れるようになっている。
【0051】
また、弁体収容部201が温水で満たされた場合は、SMAバネ219がその復元力によって本来の状態に戻るように伸び切ろうとすることで、弁体215が他方(図11中下方)に移動し、弁体215のノズル連通孔216のみが開口し、排水管連通孔217が閉塞して弁体収容部内の温水がノズル200のみに流れるようになっている。
【0052】
続いて、このような構成を有するシャワー装置2による作用について説明する。使用者がシャワー装置2を使い終わった後しばらくすると、給湯器20の温水供給口からノズル200までの配管内に溜まった温水が時間の経過と共に冷たい残水となる。その後、使用者がシャワー装置2を使用するために開閉弁50を開く。この際、流量調節弁210のSMAバネ219が冷水によって冷やされたままとなっているので、バイアスバネ218の付勢力によって弁体215のノズル連通孔216と排水管連通孔217の双方が開口している。
【0053】
これによって、配管内に溜まった冷水が流量調節弁210のノズル連通孔216を介してノズル200から吐水されると共に排水管連通孔217を介して排水管250から排水される(図8参照)。この場合、流量調節弁210の排水管連通孔217を介して排水管250からも冷水が排水されるので(図9中の矢印参照)、ノズル200に供給される冷水の流量が少なくなり、冷水がノズル200から勢い良く噴出することなく、図2及び図8に示すように下方に垂れ流されながら排水され、冷水が使用者の身体に直接当たることがない。
【0054】
このようにして配管内の冷たい残水が排水された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に供給され流量調節弁210までこの温水が達すると、SMAバネ自体も温められてその温度が上昇し、その復元力によって本来の形状であるバネが伸び切った状態に戻ろうとする。すなわち、SMAバネ219がバイアスバネ218の付勢力に抗して十分伸びることで弁体215がこれに応じて移動し、弁体215の排水管連通孔217が閉塞すると共にノズル連通孔216のみが開口し(図11参照)、温水がノズル200のみに供給されてノズル200から温水が使用者の身体に向かって勢い良く噴出する(図10参照)。
【0055】
なお、このように配管内の冷たい残水を処理する際に分岐弁を利用することで、残水処理中においても排水する残水の流量を一定量以上に確保できるので、残水処理中に流量不足によって給湯器20が着火しないなどの問題を防止できる。
【0056】
また、残水処理を行う際、ノズル200からの残水の流量を少なくすることで残水の流速も低下し、騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えてノズル200からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0057】
続いて、本発明の第3の実施形態にかかるシャワー装置について説明する。なお、図12は本実施形態にかかるシャワー装置3の全体構成図であり、同図から分かるように、シャワー装置3の概略的な全体構成は、ノズル(噴出口)300に流速調節弁310を備えたことを除いて上述した第1及び第2の実施形態にかかるシャワー装置と同様である。すなわち、シャワー装置3は、図12及びノズルの配置に関して本実施形態と同等の構成を有する図2に示すように、給湯器20からの温水を噴出する複数のノズル300が使用者の身体各部位に対応するように配置されると共に、給湯器20の温水供給源から共通配管30とこれから分岐された配管40が各ノズル200まで繋がっており、共通配管30の一部に開閉弁50が備わっている。そして、配管内に冷たい残水がある場合には流速調節弁310によってノズル300からの残水の噴出速度をノズル300への残水の流入速度より小さくし、配管内が温水で満たされた場合はノズル300からの温水の噴出流速をノズル300への温水の流入速度と一致させている。このようにノズル300から噴出する湯水の噴射速度を流速制御弁310によって調節することで、シャワー初期に噴出される冷水を入浴者が浴びないようにしている。以下に、本実施形態特有の構成を有する流速調節弁310について詳細に説明する。
【0058】
図13は、この第3の実施形態にかかるシャワー装置3のノズル300から冷水を排水している状態を示した斜視図である。また、図14は、図13の動作状態を説明するための流速調節弁310の断面図である。また、図15は、図13に示したシャワー装置3のノズル300から温水が噴出している状態を示した斜視図である。また、図16は、図15の動作状態を説明するための流速調節弁310の断面図である。
【0059】
各流速調節弁310は例えば耐熱性に優れた樹脂でできており、外形が筒状のシリンダ形状を有し、図14に示すように、ノズル内部には流路を兼ねた弁体収容部301が形成されるとともに、弁体収容部301の基端側端部にSMAバネ用バネ座部312が備わり、弁体収容部301の先端側端部にバイアスバネ用バネ座部313が備わっている。また、弁体収容部301のノズル先端側端部近傍には弁体着座用段部314が形成されている。そして、弁体収容部301には弁体315が通常のバネ材でできたバイアスバネ318と形状記憶合金でできたSMAバネ319とで挟持された状態で収容されている。
【0060】
弁体315は円板形状を有し、中央部に温水噴出孔316が形成されると共にその外径が弁体収容部301の内径よりも若干小さく形成されている。そして、流路内を冷水が通過する際にはSMAバネ319が冷やされて縮んだままとなり、バイアスバネ318の付勢力によって弁体315がノズル先端側から離間して位置すると共に、弁体周囲と弁体収容部301の内周壁との間に冷水通過用の隙間ができるようになっている。なお、この隙間の断面積は温水噴出孔316の断面積よりも十分大きくなっている。これによって、冷水がこの隙間を介して通過することで、小さい流速で冷水をノズル先端から垂れ流されたまま排水されるようになっている。
【0061】
一方、ノズル300の弁体収容部301が温水で満たされるとSMAバネ319がバイアスバネ318の付勢力に抗して元の形状まで復元するように十分伸び、これに伴って弁体315がノズル先端側の弁体着座用段部314に当接し、弁体周囲と弁体収容部301の内周壁との間の隙間からノズル外部への温水の流れを遮断して弁体中央部の温水噴出孔316のみを介して温水を大きな流速でノズル外部に勢い良く噴出するようになっている(図15参照)。
【0062】
本実施形態にかかるシャワー装置3はこのような構成を有しているので、上述の実施形態と同様の作用を有している。すなわち、シャワー装置3を使用者が使い終わった後にしばらくたって再び使用すると、配管内に溜まった冷水が流速調節弁310を介してノズル300から噴出しようとする。しかしながら、流速調節弁310のSMAバネ319が冷水で冷やされて縮んだままとなっているので(図14参照)、バイアスバネ318の付勢力によって弁体315がノズル先端部から離間したままとなり、ノズル300の弁体収容部内周面と弁体外周との隙間を通ってノズル先端から流出する(図14中の矢印参照)。この隙間では冷水の流れが余り絞られないので、配管内の冷水がノズルから勢い良く噴出することなく、垂れ流されたまま排水される(図13参照)。
【0063】
配管内の冷たい残水が全て排水された後、給湯器で加熱された温水が配管内に供給され流速調節弁310までこの温水が達すると、SMAバネ自体の温度も上昇して本来の形状に復元し伸び切った状態に戻る。すなわち、SMAバネ319がバイアスバネ318の付勢力に抗して十分伸びることで、弁体315がノズル先端側に移動し、やがては弁体着座用段部314に当接し(図16参照)、弁体周囲と弁体収容部内周面との隙間からノズル先端部への温水の流れを遮断して弁体中央の温水噴出孔316のみを介して温水を大きな流速でノズル外部に勢い良く噴出させる(図15参照)。
【0064】
これによって、使用者の身体各部位に温水が当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部位に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0065】
また、残水処理を行う際、ノズル300からの残水の流速を低下させることで騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えてノズル300からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0066】
続いて、上述の実施形態の変形例について説明する。図17及び図18は上述の実施形態の第1変形例にかかる流速調節弁310’を示し、図19及び図20は第2変形例にかかる流速調節弁310”を示している。なお、第3の実施形態と同等の構成に関しては対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
最初にこの第1変形について説明する。図17は第1変形例の配管内に残った冷水の残水処理中の状態を示した断面図であり、図18は第1変形例の配管内の残水処理が終わった後の状態を示した断面図である。
【0068】
この第1変形例では、ノズル300の弁体収容室内に弁体315が収容されると共に弁体315とノズル先端側との間にバイアスバネ318のみが介装されており、上述の実施形態のように形状記憶合金からなるSMAバネが介装されていない。なお、ノズル300、弁体315、バイアスバネ318の形状及び配置状態、並びに弁体周囲と弁体収容部301の内周壁との隙間の断面積が温水噴出孔316の断面積よりも十分大きくなっている点については第3の実施形態と同様である。
【0069】
このような構造を第1変形例が有することによって、使用者がシャワーを浴びようとすると、給湯器20から配管内に温水が供給されることで配管内に残った冷たい残水が弁体周囲とノズル310’の弁体収容部内周部との間の隙間を介してノズル先端から小さな流速で垂れ流されたまま排水される。これと同時に、残水の圧力によって弁体315をノズル先端側に(図17中右方向に)押すことで、弁体315がノズル先端部の弁体着座用段部314まで徐々に移動し、この弁体315の移動中に弁体周囲とノズルの弁体収容部301の内周部との間の隙間を通って配管内の残水が全て排水される(図17の矢印参照)。
【0070】
弁体315がノズル300の弁体着座用段部314に着座して弁体周囲と弁体収容部301の内周部との隙間を介した流路が塞がれると(図18参照)、給湯器20から供給された配管内の温水は弁体中央部に形成された絞り部をなす温水噴出孔316を介して大きな流速でノズル先端から勢い良く噴出する。これによって、上述した実施形態を同様の作用を発揮させることができる。
【0071】
すなわち、配管内に溜まった冷水はノズル先端から図2に示すような流速が小さくノズル300から垂れ流されたまま排水されて使用者が身体に冷水を直接浴びないようにし、配管内の残水の排水を終えた後には、各ノズル300から所望の温度に達した大きな流速の温水が勢い良く噴出し、使用者の身体各部位にこれが当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部位に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0072】
また、残水処理を行う際、ノズル300からの残水の流速を低下させることで騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えてノズル300からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0073】
次いで、第3の実施形態にかかるシャワー装置3の第2変形例について説明する。図19は第2変形例の配管内に残った冷水の残水処理を行う状態を示した断面図であり、図20は第2変形例の配管内の残水処理が終わって温水をノズル300から噴出している状態を示した断面図である。
【0074】
この第2変形例にかかる流速調節弁310”では、配管内の冷たい残水をノズル周囲から排水する排水孔305がノズル外周面のノズル先端側端面近傍に周方向所定間隔で形成されている。この排水孔305は弁体収容部301に冷水が満ちて弁体315が弁体収容部301の長手方向中心部側に位置しているときは弁体315によって閉塞されずに開口し、弁体収容部301に温水が満ちて弁体315がSMAバネ319の復元力によってノズル先端側に移動させられ、弁体315が弁体着座部317に着座しているときは弁体315によって閉塞される位置に形成されている。なお、その他のノズル300、弁体315、バイアスバネ318及びSMAバネ319の構成、並びに弁体周囲と弁体収容部301の内周壁との隙間の断面積が温水噴出孔316の断面積よりも十分大きくなっている点については第3の実施形態と同等であるので、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0075】
このような構造を第2変形例が有することによって、使用者がシャワーを浴びようとする際、配管内に残った冷たい残水によってSMAバネ319が冷やされて縮んだままとなり、弁体315を弁体収容部301の長手方向略中央部に留まらせる(図19参照)。そして、給湯器20から温水が供給されることで、配管内の冷たい残水が弁体周囲と弁体収容部内周部との間の隙間及びノズル周面に形成された複数の排水孔305を介してノズル周囲から小さな流速で垂れ流されたまま排水される。
【0076】
配管内の冷たい残水がこのように排水された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に供給され流量調節弁310までこの温水が達すると、SMAバネ自体の温度も上昇して復元し、本来の形状であるSMAバネ319が伸び切った状態に戻る。すなわち、SMAバネ319がバイアスバネ318の付勢力に抗して十分伸びることで、弁体315がノズル先端側に移動し、やがては弁体着座部317に当接する(図20参照)。これによって、排水孔305が閉塞され、温水が弁体中央の温水噴出孔316のみを介して大きな流速でノズル外部に勢い良く噴出する。
【0077】
ノズル300から勢い良く噴出された温水は使用者の身体各部位に当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部位に適度なマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0078】
また、残水処理を行う際、ノズル300からの残水の流速を低下させることで騒音を立てずに静かに捨て水を行える。これに加えてノズル300からの残水の噴出による冷水の飛散を防ぐことができる。
【0079】
続いて、本発明の第4の実施形態にかかるシャワー装置について説明する。なお、図21はこのシャワー装置4の全体構成図であり、同図から分かるように、この実施形態にかかるシャワー装置4の概略的な全体構成は、ノズル400にノズル向き変更部410を備えたことを除いて上述した第1乃至第3の実施形態及びその変形例にかかるシャワー装置と同様である。すなわち、シャワー装置4は、給湯器20からの温水を噴出する複数のノズル(噴出口)400が使用者の身体各部位に対応するように配置されると共に、給湯器20の温水供給源から共通配管30とこれから分岐された配管40が各ノズル400まで繋がっており、共通配管30の一部に開閉弁50が備わっている。そして、ノズル400から湯水が常に勢い良く噴出されるが、図22に示すように、配管内に溜まった冷たい残水を排水する間はノズル400が使用者の身体と異なる方向に向いて冷水を噴出させ、この冷たい残水の排水が終わった後にノズル400の向きを使用者の身体に向けてノズル400から温水を勢い良く噴出するようになっている。従って、第1乃至第3の実施形態と構成が異なるノズル向き変更部410の構造について以下に詳細に説明する。
【0080】
図23はノズル400と一体に備わったノズル向き変更部410を示した側面図であり、図24は図23に示したノズル向き変更部410をノズル400と共にノズル先端側方向から概略的に示した正面図である。また、図25はノズル400が配管内の残水を噴出する際のノズル400の向きを示した断面図であり、図26はノズル400に温水が達した状態での通常のノズル噴出方向から温水を噴出する状態を示した断面図である。
【0081】
ノズル400は例えば耐熱性に優れた樹脂でできており、図23乃至図26に示すように、同じく例えば耐熱性に優れた樹脂でできたノズル向き変更部410の先端に備わっている。ノズル向き変更部410は、配管40の先端に備わったベース部420と、ベース部420に回動自在に備わり一部にノズル400を備えたネック部430とから構成されている。なお、ベース部420及びネック部430には配管40から供給される湯水をノズル400に導く流路421,431がそれぞれ形成されている(図25及び図26参照)。
【0082】
そして、ベース部420とネック部430とは形状記憶合金でできたゼンマイバネの形態を有するSMAバネ419によって拘束されたままベース部420に対してネック部430が所定の角度範囲内で回動するようになっている。
【0083】
具体的には、配管内が冷たい残水で満たされている場合は、SMAバネ419がこの冷水によって冷やされてネック部430が図25に示すように回転角度に留まり、ネック部430に備わったノズル400がシャワー装置4の下方向に向くようになっている(図22参照)。
【0084】
一方、配管内が給湯器20からの温水で満たされた場合はSMAバネ419が温められて初期の状態に復元しようとし、これによって、ネック部430を図26に示す回転角度まで回転させ、ネック部430に備わったノズル400を使用者の身体方向に向けるようになっている。
【0085】
このような構造を第4の実施形態のシャワー装置4が有することによって、使用者がシャワーを浴びる際、配管内に残った冷たい残水によりSMAバネ419が冷やされてネック部430が図25に示す回転角度に留まり、ネック部430に備わったノズル400がシャワー装置4の下方向に向いたまま配管内に残った冷たい残水がノズル400から勢い良く噴出する(図22参照)。この際、ノズル400がシャワー装置4の下方向に向いているので、使用者が冷水をいきなり浴びることはない。このようにして、配管内の冷たい残水が全て排水される。
【0086】
このように配管内の冷水がノズル400から噴出された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に供給されノズル向き変更部410までこの温水が達すると、SMAバネ自体も温められて初期の本来の巻き具合まで復元しようとする。これによって、ネック部430を図26に示す回転角度まで回転させてネック部430に備わったノズル400を使用者の身体方向に向ける。
【0087】
これによって、各ノズル400から所望の設定温度に達した温水が使用者の身体に向けて勢い良く噴出し、使用者の身体各部位に温水が当たって身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0088】
この第4の実施形態にかかるシャワー装置4は、配管内に溜まった冷水である残水の排水時の流量を落とさずにノズル400から噴出させることができるので、開閉弁50を開くと同時に給湯器20を確実に着火させて一定量の温水を供給することができる。
【0089】
続いて、上述した第4の実施形態にかかるシャワー装置4の第1変形例について説明する。図27はこの第1変形例の配管内に残った冷水の残水処理を行う状態を示した断面図であり、図28はこの第1変形例の配管内の残水処理が終わって温水をノズル400から噴出している状態を示した断面図である。
【0090】
この第1変形例にかかる方向調節弁410’では、配管内の冷たい残水をノズル周囲から排水する排水孔422がノズル外周面のノズル先端上面近傍に周方向所定間隔で形成されている。そして、配管内が冷たい残水で満たされている場合、SMAバネ419がこの冷水によって冷やされネック部430が図27に示すような回転角度に留まり、ネック部430に備わったノズル400がシャワー装置4の下方向に向くようになっている。下方向へネックが向いている間、排水孔422と流路431(図28参照)の接続によって、ノズル400と排水孔422から冷たい残水を排出する。
【0091】
一方、配管内が給湯器20から温水で満たされた場合は、SMAバネ419が温められて初期の状態に復元し、これによって、ネック部430に備わったノズル400を使用者の身体方向に向けるようになっている。ネック部の方向が身体へ向くにあたって排水孔422と流路431の接続が解除される。これによって、排水孔422が閉塞され、温水がノズル400のみを介して勢い良く噴出する。
【0092】
このような構造を第4の実施形態のシャワー装置4が有することによって、使用者がシャワーを浴びる際、配管内に残った冷たい残水によりSMAバネ419が冷やされてネック部430が図27に示す回転角度に留まり、ネック部430に備わったノズル400がシャワー装置4の下方向に向いたまま配管内に残った冷たい残水がノズル400と排水孔422から排出される(図22、図28参照)。この際、ノズル400がシャワー装置4の下方向に向いているので、使用者が冷水をいきなり浴びることはない。また、ノズル400と排水孔422の両方から排水するため、ノズル400からの噴射量を小さくすることができ、水はね等により使用者に冷水がかかるのを抑制することができる。このようにして、配管内の冷たい残水が全て排水される。
【0093】
このように配管内の冷水がノズル400から噴出された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に供給されノズル向き変更部410までこの温水が達すると、SMAバネ自体も温められて初期の本来の巻き具合まで復元しようとする。これによって、ネック部430を図28に示す回転角度まで回転させてネック部430に備わったノズル400を使用者の身体方向に向ける。
【0094】
ノズル400から勢い良く噴出された温水は使用者の身体各部位に当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部位に適度なマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0095】
続いて、本発明の第5の実施形態にかかるシャワー装置について説明する。なお、図29はこのシャワー装置5の全体構成図であり、同図及び図30から分かるように、この実施形態にかかるシャワー装置5の概略的な全体構成は、ノズル500(噴出口)に噴出遮蔽カップ510を備えたことを除いて上述した第1乃至第4の実施形態にかかるシャワー装置と同様である。すなわち、シャワー装置5は、給湯器20からの温水を噴出する複数のノズル500が使用者の身体各部位に対応するように配置されると共に、給湯器20の温水供給源から共通配管30とこれから分岐された配管40が各ノズル200まで繋がっており、共通配管30の一部に開閉弁50が備わっている。
【0096】
そして、図30に示すように、ノズル先端から使用者の身体に向けて常に湯水が勢い良く噴出するが、配管内に溜まった冷たい残水を排水する間はノズル先端に設けた噴出遮蔽カップ510がノズル先端を覆い、ノズル先端から噴出した残水が使用者の身体に当たらずに噴出遮蔽カップ510を伝わってノズル近傍の壁部を伝わってシャワー室の床に排水され、この冷たい残水の排水が終わると噴出遮蔽カップ510がノズル先端を覆わないように移動してノズル500から使用者に向かって温水を勢い良く噴出するようになっている。従って、第1乃至第4の実施形態と構成が異なる噴出遮蔽カップ510の構造について以下に詳細に説明する。
【0097】
図31はノズル500とノズル先端を覆った噴出遮蔽カップ510をノズル500から噴出した残水の流れと共に示した斜視図であり、図32は噴出遮蔽カップ510が移動してノズル先端を覆わなくなった状態をノズル500から噴出した温水と共に示した斜視図である。
【0098】
ノズル先端には、図31に示すように、例えば耐熱性に優れた樹脂でできた噴出遮蔽カップ510が覆うようになっており、この噴出遮蔽カップ510は例えば耐熱性に優れた樹脂でできたカップからなり、ここでは詳細には示さない形状記憶合金からなるSMAバネを介してノズル500の固定された壁部に支持されている。なお、噴出遮蔽カップ510はノズル内が冷たい残水で満たされている場合は、SMAバネが冷やされて図31に示すように噴出遮蔽カップ510が冷水排水用の隙間を残してノズル先端をほぼ覆うようにSMAバネで支持されている。
【0099】
一方、配管内に給湯器20からの温水が供給された場合はSMAバネが温められて初期の状態に復元するようになっている。そして、この復元力を利用して噴出遮蔽カップ510を図32に示す状態すなわち噴出遮蔽カップ510を、ノズル先端を覆わない位置まで移動させるようになっている。
【0100】
このような構造を第5の実施形態が有することによって、使用者がシャワーを浴びようとすると、配管内の冷たい残水によりSMAが冷やされて噴出遮蔽カップ510が図31に示す位置すなわちノズル先端を噴出遮蔽カップ510がほぼ覆うように位置することで、配管内の冷たい残水がノズル500から勢い良く噴出した後、使用者の身体に当たらずに噴出遮蔽カップ510の内周壁及び噴出遮蔽カップ510と壁部との隙間を介してノズル近傍の壁部を伝わって排水される(図30及び図31の矢印参照)。これによって、冷水が使用者に勢い良く当たることはない。このようにして、配管内の冷たい残水が全て排水される。
【0101】
このように配管内の冷水がノズル500から全て排水された後、給湯器20で加熱された温水が配管内に供給されノズル500までこの温水が達すると、SMA自体の温度も上昇して初期状態まで復帰する。SMAのこの復元力を利用して噴出遮蔽カップ510を図32に示す状態すなわち噴出遮蔽カップ510がノズル先端を覆わない位置まで移動させることで、各ノズル500から所望の設定温度に達した温水が使用者の身体に向けて勢い良く噴出し、使用者の身体各部位に当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部位に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0102】
この第5の実施形態にかかるシャワー装置5も、配管内に溜まった冷水である残水の排水時の流量を落とさずにノズル500から噴出させることができるので、開閉弁50を開くと同時に給湯器20を確実に着火させ一定量の温水を確実に供給することができる。
【0103】
図33は、この第5の実施形態にかかるシャワー装置の第1変形例を示しており、この第1変形例にかかるシャワー装置の場合、第5の実施形態にかかる噴出遮蔽カップ510の代わりに例えば耐熱性に優れた樹脂でできた矩形状の噴出遮蔽板520が用いられている。なお、噴出遮蔽板520は2枚の三角遮蔽体521,522の組み合わせから構成されている。そして、三角遮蔽体521,522は、ここでは詳細には図示しない形状記憶合金からなるSMAによって互いに接近離反可能に支持されている。具体的には、ノズル内に冷たい残水が残っている場合は、図33(a)に示すように各三角遮蔽体521,522の斜辺同士が当接して矩形状の噴出遮蔽板520を構成し、これによってノズル500の前方を遮蔽することでノズル500からの冷水を使用者の人体に噴射しないようにSMA(図示せず)によって支持されている。また、ノズル内部が温水で満たされた場合は、SMA自体も温水で温められて図33(b)に示すようにSMAが初期の形状に復元しようとすることで三角遮蔽体521,522が互いに離間するようにSMAによって支持されている。そして、三角遮蔽体521,522の間から使用者の人体に向けてノズル500からの温水を噴出できるようになっている。噴出遮蔽板520がこのような構造を有することで、上述した第5の実施形態にかかるシャワー装置5と同様の作用を発揮させることが可能である。
【0104】
図34は、この第5の実施形態にかかるシャワー装置5の第2変形例を示したものであり、この場合、第5の実施形態にかかる噴出遮蔽カップ510の代わりに例えば耐熱性に優れた樹脂でできた扇形をなす噴出遮蔽板530が用いられている。そして、噴出遮蔽板530は、ノズル500が固定された壁部からノズル500と平行に延在した支持シャフト531によって支持されている。支持シャフト531にはここでは詳細には図示しない形状記憶合金からなるSMAが内蔵されており、このSMAの形状はノズル内部の湯水の温度に応じて変化するようになっている。
【0105】
具体的には、ノズル内に冷たい残水が残っている場合は図34(a)に示すように噴出遮蔽板530がノズル先端を覆うようにSMAが使われており、ノズル内部が温水で満たされた場合はSMAが温められて初期の形状に復元することで、ノズル先端を覆うことのない位置まで噴出遮蔽板530を支持シャフト廻りに回転させるようになっている。噴出遮蔽板530がこのような構造を有することで、上述した第5の実施形態及びその第1変形例にかかるシャワー装置と同様の作用を発揮させることが可能である。
【0106】
図35乃至図38は、第5の実施形態にかかるシャワー装置の第3変形例を示した図である。この第3変形例においては噴出遮蔽板自体を形状記憶合金であるSMAで構成し、ノズル500から噴出された湯水の温度に応じて噴出遮蔽板自体が必要に応じて変形して湯水の噴出を遮蔽するようになっている。すなわち、ノズル500から冷たい残水が噴出された際はその冷たい残水が噴出遮蔽板540,550に直接当たることでこの残水が使用者の身体に当たらないようにその噴出の勢いをノズル近傍で遮断し、ノズルから温水が噴出された場合は噴出遮蔽板自体がこの温水で温められて初期状態に復元するように伸びることで噴出された温水を遮断することなく使用者の身体に直接当てる構造となっている。
【0107】
なお、図35はノズル500から冷たい残水が噴出された際にSMAからなる噴出遮蔽板540,550によって使用者が身体に冷水を浴びないように冷水の噴出をノズル近傍で遮断した状態を示した斜視図である。また、図36は、図35に示した状態の具体的構造を示した断面図である。ノズル先端部周囲には、図36に示すように、SMAからなる噴出遮蔽板540,550を収容保持する2枚の平行に配置された固定板560,570が備わっている。そして、固定板560,570の先端側には噴出遮蔽板540,550の先端側を保持する先端側保持板561,571が備わり、基端側には噴出遮蔽板の基端側を保持すると共にこの基端側に収容されるバイアスバネ580を保持する基端側保持板562,572が備わっている。なお、噴出遮蔽板540,550及び保持板561,562,571,572は例えば耐熱性に優れた樹脂でできている。
【0108】
噴出遮蔽板540,550は、図35に示すように、その幅方向に一部が谷折りされた第1の噴出遮蔽板540と一部が山折りされた第2の噴出遮蔽板550からなり、図35及び図36の状態では第1の噴出遮蔽板540の谷部541と第2の噴出遮蔽板550の山部551とが合致するように固定板560,570と保持板561,571,562,572(図35には図示せず)によって保持されかつ保持板内に保持されたバイアスバネ580によって各噴出遮蔽板の長手方向に一定の付勢力(図35の矢印F1参照)が加えられている。そして、噴出遮蔽板540,550は、ノズル500の冷水が噴出されてこの冷水と温度が一致している限り、図35に示すように第1の噴出遮蔽板540の谷部541と第2の噴出遮蔽板550の山部551とが合致してノズル500から噴出された冷水の勢いを遮断するようになっている。
【0109】
また、SMAからなる噴出遮蔽板540,550はノズル500から噴出される温水によって温められることにより、バイアスバネ580の付勢力(図37の矢印F2参照)に抗して第1の噴出遮蔽板540の谷部541と第2の噴出遮蔽板550の山部551とが初期の復元状態になるように伸び、図37及び図38に示すように第1の噴出遮蔽板540と第2の噴出遮蔽板550との間が大きく開口し、ノズル500から噴出される温水の勢いを遮断しないようになっている。
【0110】
このような構造をこの第3変形例が有することによって、以下の作用を有する。まず、使用者がシャワーを浴びようとすると、配管内の冷たい残水がノズル500から噴出することで噴出遮蔽板540,550が冷やされて第1の噴出遮蔽板540の谷部541と第2の噴出遮蔽板550の山部551とが合致し、ノズル500から噴出された冷水の勢いを遮断する(図35及び図36参照)。これによって使用者は身体各部位にノズル500から冷水をいきなり浴びることはない。
【0111】
このように配管内の冷水がノズル500から噴出された後、給湯器で加熱された温水が配管内に供給されノズル500までこの温水が達し、この温水がノズル500から噴出されて第1の噴出遮蔽板540と第2の噴出遮蔽板550で遮蔽した部分に当たるとこれらの噴出遮蔽板540,550が温められ、第1の噴出遮蔽板540の谷部541と第2の噴出遮蔽板550の山部551とがバイアスバネ580の付勢力に抗して初期の復元状態になるように拡がり、その結果、第1の噴出遮蔽板540と第2の噴出遮蔽板550との間は大きく開口してノズル500から噴出される温水の勢いを遮断することがなくなり(図37及び図38参照)、各ノズル500から所望の設定温度に達した温水が使用者の身体に向けて勢い良く噴出し、使用者の身体各部位にこれが当たって使用者の身体を温めながら洗い流すと共に、使用者の身体各部に適度のマッサージ効果を与えて心地良いシャワーを体感させる。
【0112】
この第2変形例にかかるシャワー装置も、配管内に溜まった冷水である残水の排水時の流量を落とさずにノズル500から噴出させることができるので、開閉弁50を開くと同時に給湯器20を確実に着火させ一定量の温水を供給することができる。
【0113】
続いて、本発明の第6の実施形態にかかるシャワー装置について説明する。なお、図39はこのシャワー装置8の全体構成図であり、同図から分かるように、この実施形態にかかるシャワー装置8の概略的な全体構成は、温度センサ820を備えてこの温度検出値から流量調節弁810の流量を調節することを除いて上述した第1乃至第5の実施形態にかかるシャワー装置と同様である。すなわち、シャワー装置8は、給湯器20からの温水を噴出する複数のノズル800が使用者の身体各部位に対応するように配置されると共に、給湯器20の温水供給源から共通配管30とこれから分岐された配管40が各ノズル800まで繋がっており、共通配管30の一部に開閉弁50が備わっている。
【0114】
そして、上述の実施形態及び変形例で用いたSMA(感熱材)の代わりに温度センサ820を用いてノズル800の流量を調節している。すなわち、SMAを用いる代わりにノズル内の湯水の温度をこの温度センサ820で計測し、シャワー初期であってノズル内の湯水が所定の温度以下の場合は配管内に配管内に冷水が残っていると判断し、流量調節弁810でノズル800に供給される残水の流量を絞り、ノズル800から残水が勢い良く噴出されるのを防止している。
【0115】
このように、上述の実施形態及び変形例で用いたSMA(感熱材)の代わりに温度センサを用いてノズルの流量や流速の制御、ノズルの向きの制御、及び噴出遮蔽板の開閉制御を行うことも本発明では可能である。すなわち、SMAの代わりに温度センサを用いる場合は、ノズル内の湯水の温度をこの温度センサで計測し、ノズル内の湯水が所定の温度以下の場合は配管内に冷水が残っていると判断し、流量調節弁でノズルに供給される残水の流量を絞ったり、ノズル以外の排水管から残水の一部を排水したりして、ノズルから残水が勢い良く噴出されるのを防止する。
【0116】
同様にノズル内が所定の温度以下の場合はノズルから噴出される残水の流速を小さくしてノズルから残水が勢い良く噴出されるのを防止しても良い。
【0117】
また、ノズル内の湯水が所定の温度以下の場合は、ノズルの向きを使用者の身体以外に向けるように制御してノズルから噴出される残水が使用者の身体に当たらないようにしても良い。
【0118】
また、ノズル内の残水が所定の温度以下の場合は、ノズル先端からの残水の噴出を噴出遮蔽板によって遮蔽してノズルから噴出される残水が使用者の身体に当たらないようにしても良い。
【0119】
また、給湯器の給湯源から各ノズルまでの残水の体積と給湯器起動時に給湯器から供給される温水の流量とから予めノズルから残水を使用者の身体に向けて噴出することなく全て排水するのに必要な時間を算出し、この時間の間だけ流量調節弁でノズルから排水される残水の流量を絞ったり、残水の流速を小さくしたり、ノズルの向きを使用者の身体に向けないように制御したり、ノズルから噴出される残水を噴出遮蔽板で遮蔽したりしても良い。
【0120】
なお、上流した実施形態及びその変形例の各構成要素に関して記載した材質はそれに限定されるもので無く、これと同等の作用を発揮するものであればどのようなものであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかるシャワー装置をその使用者と共に示す概略正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるシャワー装置のノズルから冷水が吐水している状態を示す斜視図である。
【図4】図3の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図5】図3に示したシャワー装置のノズルから温水が噴出している状態を示す斜視図である。
【図6】図5の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかるシャワー装置のノズル及び排水管から冷水が吐水している状態を示す斜視図である。
【図9】図8の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図10】図8に示したシャワー装置のノズルから温水が噴出している状態を示す斜視図である。
【図11】図10の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態にかかるシャワー装置のノズルから冷水が吐水している状態を示す斜視図である。
【図14】図13の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図15】図13に示したシャワー装置のノズルから温水が噴出している状態を示す斜視図である。
【図16】図15の動作状態を説明するための流量調節弁の断面図である。
【図17】第3の実施形態の第1変形例にかかるシャワー装置のノズルから冷水が吐水している状態をその動作状態と共に示す断面図である。
【図18】図17に示したシャワー装置のノズルから温水が噴出している状態をその動作状態と共に示す断面図である。
【図19】第3の実施形態の第2変形例にかかるシャワー装置のノズルから冷水が吐水している状態をその動作状態と共に示す断面図である。
【図20】図19に示したシャワー装置のノズルから温水が噴出している状態をその動作状態と共に示す断面図である。
【図21】本発明の第4の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図22】本発明の第4の実施形態にかかるシャワー装置をその使用者と共に示す概略正面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態にかかるシャワー装置のノズル及びノズル向き変更部を示す側面図である。
【図24】図23に示したノズル及びノズル向き変更部の冷水噴出時を概略的に示す正面図である。
【図25】図23に示したノズル及びノズル向き変更部の冷水噴出時をその動作状態と共に概略的に示す側方断面図である。
【図26】図23に示したノズル及びノズル向き変更部の温水噴出時をその動作状態と共に概略的に示す側方断面図である。
【図27】第4の実施形態にかかるシャワー装置の第1変形例のノズル及びノズル向き変更部の冷水噴出時をその動作状態と共に概略的に示す側方断面図である。
【図28】図27に示したノズル及びノズル向き変更部の温水噴出時をその動作状態と共に概略的に示す側方断面図である。
【図29】本発明の第5の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図30】本発明の第5の実施形態及にかかるシャワー装置をその使用者と共に示す概略正面図である。
【図31】図30に示したノズル及び噴出遮蔽カップをノズルからの冷水噴出状態と共に概略的に示す斜視図である。
【図32】図30に示したノズル及び噴出遮蔽カップをノズルからの温水噴出状態と共に概略的に示す斜視図である。
【図33】第5の実施形態の第1変形例にかかるシャワー装置のノズルからの冷水噴出状態におけるノズル及び噴出遮蔽板を概略的に示す斜視図(図33(a))及びノズルからの温水噴出状態におけるノズル及び噴出遮蔽板を概略的に示す斜視図(図33(b))である。
【図34】第5の実施形態の第2変形例にかかるシャワー装置の冷水噴出状態におけるノズル及び噴出遮蔽板を概略的に示す斜視図(図34(a))及びノズルからの温水噴出状態におけるノズル及び噴出遮蔽板を概略的に示す斜視図(図34(b))である。
【図35】第5の実施形態の第3変形例にかかるシャワー装置のノズル及び噴出遮蔽板をノズルからの冷水噴出状態と共に概略的に示す斜視図である。
【図36】図35の動作状態をノズル及び噴出遮蔽板の構造と共に示す側方断面図である。
【図37】図35のノズル及び噴出遮蔽板をノズルからの温水噴出状態と共に概略的に示す斜視図である。
【図38】図37の動作状態をノズル及び噴出遮蔽板の構造と共に示す側方断面図である。
【図39】本発明の第6の実施形態にかかるシャワー装置の全体構成図である。
【図40】本発明の従来技術にかかるシャワー装置の概略構成を部分的に示す説明図である。
【図41】本発明の更なる従来技術にかかるシャワー装置の概略構成を部分的に示す説明図である。
【図42】本発明の更に別の従来技術にかかるシャワー装置の概略構成を部分的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0122】
1,2,3,4,5,8 シャワー装置
20 給湯器
30 共通配管
40 配管
50 開閉弁
100 ノズル
110 流量調節弁
111 弁体収容部
112 SMAバネ用バネ座部
113 弁体着座部
114 バイアスバネ用バネ座部
115 弁体
118 バイアスバネ
119 SMAバネ(感熱材)
200 ノズル(噴出口)
201 弁体収容部
205 先端配管
210 流量調節弁
215 弁体
216 ノズル連通孔
217 排水管連通孔
218 バイアスバネ
219 SMAバネ
250 排水管
300 ノズル(噴出口)
301 弁体収容部
305 排水孔
310,310’,310” 流速調節弁
312 SMAバネ用バネ座部
313 バイアスバネ用バネ座部
314 弁体着座用段部
315 弁体
316 温水噴出孔
317 弁体着座部
318 バイアスバネ
319 SMAバネ
400 ノズル
410 ノズル向き変更部
410’ 方向調節弁
419 SMAバネ
420 ベース部
421 流路
422 排出孔
430 ネック部
431 流路
500 ノズル
510 噴出遮蔽カップ
520 噴出遮蔽板
521,522 三角遮蔽体
530 噴出遮蔽板
531 支持シャフト
540 噴出遮蔽板
541 谷部
550 噴出遮蔽板
551 山部
560 固定板
561 (先端側)保持板
562 (基端側)保持板
570 固定板
571 (先端側)保持板
572 (基端側)保持板
580 バイアスバネ
600 噴出口
610 混合栓
630 分岐路
640 排水口
701,702,703 噴出口
800 ノズル
810 流量調節弁
820 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯源からの温水を噴出する複数の噴出口と、
前記給湯源から各噴出口までの配管内に開閉バルブを備えたシャワー装置において、
シャワー初期に前記配管内に残った冷水を使用者が身体に浴びないように前記複数の噴出口の各噴出口から捨て水を行う冷水噴出防止手段を備えたことを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
前記冷水噴出防止手段は,シャワー初期に前記各噴出口からの噴出流量を低下させることで使用者が身体に冷水を浴びないようにする流量調節手段から構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項3】
前記流量調節手段が温度センサと当該温度センサの出力値に基づいて前記各噴出口からの噴出流量を低下させる流量調節弁から構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のシャワー装置。
【請求項4】
前記流量調節手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて配管内を流れる湯水の流量を調節する流量調節弁から構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のシャワー装置。
【請求項5】
前記流量調節手段は前記噴出口に温水を供給する噴出流路に加えて排水流路を備え、前記配管内の温水の温度に応じて当該排水流路からの温水の排出量を調整するようになったことを特徴とする、請求項2に記載のシャワー装置。
【請求項6】
前記冷水噴出防止手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて噴出口から噴出される湯水の流速を調節する流速調節弁から構成され、シャワー初期に前記各噴出口からの噴出流速を低下させることで使用者が身体に冷水を浴びないようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項7】
前記冷水噴出防止手段は、前記配管内の湯水の温度に応じて前記噴出口から噴出される湯水の噴出方向を変えるようになったことを特徴とする、請求項1記載のシャワー装置。
【請求項8】
前記冷水噴出防止手段は、前記噴出口からの湯水の噴出方向に設けられ当該噴出口より噴出される冷水を遮蔽する噴出遮蔽手段から構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項9】
前記複数の噴出口が前記シャワー装置の異なる箇所に配設されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項8の何れかに記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2007−125127(P2007−125127A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318910(P2005−318910)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】